JP4068273B2 - インキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッケージや、出版物、ポスター等の印刷物において、乾燥性に優れ、印刷の高速化に対応し、生産性のよい安価な印刷物を提供できる光重合乾燥と酸化重合乾燥および浸透乾燥等の複合乾燥特性を有するインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷インキの乾燥は、インキを構成するビヒクル成分によって、化学的および/または物理的変化によって、インキが液状から固形状に変わり、被印刷体にセッティングされる。印刷インキの乾燥方法には、浸透乾燥、蒸発乾燥、熱重合乾燥、酸化重合乾燥および光重合乾燥等の乾燥方法が、印刷インキおよび印刷方法の種類によって適宜採用されている。
【0003】
浸透乾燥は、紙のような吸収性支持体にインキが印刷されると、支持体にビヒクルの浸透が起こりインキの被膜を形成して乾燥する。例えば、新聞印刷等が挙げられる。蒸発乾燥は、ビヒクル中の溶剤が、印刷後蒸発して、インキの被膜を形成して乾燥する。例えば、グラビア印刷、油性オフセット輪転印刷等が挙げられる。酸化重合乾燥は、アマニ油等の乾性油や重合乾性油を主体としたインキにおいて、印刷後、ビヒクルが空気中の酸素によって酸化重合反応して、インキ被膜を形成して乾燥する。例えば、パッケージ、出版物、ポスター等の油性オフセット枚葉印刷が挙げられる。熱重合乾燥は、低重合度の樹脂を主成分としたインキにおいて、加熱や触媒によって低重合度の樹脂を高重合させ、インキの被膜を形成して乾燥する。光重合乾燥は、紫外線を印刷インキに照射してビヒクルを瞬時に硬化乾燥する。従来、オフセット枚葉印刷(平版印刷)に使用されている平版インキとしては、主に、酸化重合乾燥型または紫外線硬化乾燥型インキのいずれかが使用されている。
【0004】
しかしながら、従来の平版インキとしては、桐油、アマニ油等の植物乾性油の脂肪酸部分の不飽和結合に、空気中の酸素が反応して硬化乾燥する酸化重合乾燥型のインキが主に使用されているが、この酸化重合乾燥は、乾燥が遅く、条件によっては乾燥に数十時間を必要とする場合があり、作業性上の問題がある。このインキの場合、酸化重合触媒を多く含有させることで乾燥が速くなるが、条件によっては、印刷機上でインキが乾燥してしまう。また、湿度が高くなると乾燥が遅くなる。オフセット印刷では、湿し水を使用して印刷するため、非画線部の湿し水が、被印刷体の紙に吸収され内部の相対湿度が上り、乾燥の遅れがより顕著になる。さらに被印刷体である紙面が酸性であると、乾燥が遅くなる傾向があり、光沢の低下、耐摩耗性の低下等を発現する。インキの乾燥性の低下は、輪転印刷機では、コスレが発生したり、枚葉印刷機では棒積み適性が悪くなり、インキの被印刷体への裏移りが発生するため、乾燥放置時間を長くしたり、処理澱粉等のパウダーを裏移り防止剤として印刷面に振り掛ける等の作業が行われており、印刷の生産性が低下する。さらに、酸化重合乾燥型の平版インキは、ビヒクルにアマニ油、大豆油等の植物乾性油を主体に使用しているため、パッケージのカルトン印刷等では耐摩耗性、耐候性、耐薬品性等の性能が十分ではないこともある。
【0005】
また、紫外線硬化乾燥型の平版インキは、乾燥および硬化は速く、印刷面の耐摩耗性等の物性も優れているが、酸化重合乾燥型の平版インキに比較して、顔料分散性、印刷適性、印刷基材への接着性の低下、残留モノマーによる臭気や、価格が高い等の問題がある。酸化重合乾燥型や紫外線重合乾燥型の平版インキによる印刷においては、印刷機に使用するインキが酸化重合乾燥型であれば油性インキ、紫外線重合乾燥型であればUVインキと、その都度印刷機を洗浄して、インキを変更する必要があり、作業性が悪く、効率が低下している。また、酸化重合乾燥型の油性インキと紫外線重合乾燥型のUVインキを混合したものは、印刷後、その相溶性の悪いことから印刷面の白化(印刷面が曇って見える)が発現して、実用化ができなかった。
【0006】
従って、印刷機の高速化に対応して乾燥性が速く、かつ安価で、さらに酸化重合乾燥型インキに匹敵する顔料分散性、印刷適性、印刷基材への密着性、残留モノマーによる臭気のないインキ組成物の提供が望まれている。そのため、これまでに酸化重合乾燥型の油性インキと紫外線重合乾燥型のUVインキとの混合物が、インキ組成物として提案されているが、これらの組成物は両成分の相溶性が悪く、不安定なインキ系になることから、印刷面の白化(印刷面が曇って見える)、つや消しの発現、或いは印刷機上での増粘や締りによる転移不良や品質発現不良が発現し、印刷適性、品質、価格等を損なわないで、従来の平版インキよりも乾燥性に優れたインキ組成物は提供されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乾燥特性を有するインキ組成物として、従来のアマニ油、桐油、大豆油等の植物油を主体とした酸化重合乾燥型の油性インキに匹敵する顔料分散性、印刷適性、印刷基材への密着性等の性能を有するとともに、これらの油性インキよりも乾燥が速く、処理澱粉等のパウダーを裏移り防止剤として印刷面に振り掛けることなく印刷が可能であり、作業性等に優れたインキ組成物の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、酸化重合被膜形成材料とインキ溶剤とからなるビヒクル(以下A成分という)と(メタ)アクリル系オリゴマーおよび/または(メタ)アクリルモノマー(以下B成分という)からなるインキ組成物において、A成分とB成分との配合組成を特定範囲とすることにより、光重合乾燥と酸化重合乾燥および浸透乾燥等の複合乾燥特性を有し、アマニ油、桐油、大豆油等の植物油を主体とした酸化重合乾燥型インキの乾燥速度よりも大であり、紫外線硬化型インキに匹敵する乾燥スピードを有するとともに、A成分とB成分とからなるビヒクルの相溶安定性、印刷適性等の特性を合わせ持つインキ組成物であることを見い出した。
【0009】
本発明は、インキ用植物油およびインキ用固体合成樹脂から選ばれる酸化重合被膜形成材料とインキ溶剤とからなるビヒクル(A成分)と(メタ)アクリル系オリゴマーおよび/または(メタ)アクリルモノマー(B成分)との混合物であって、両者の重量比率が、これらの混合物100容量%にノルマルヘキサンを添加した場合に、ノルマルヘキサンの添加量が80〜400容量%の範囲で白濁が始まる比率であり、上記インキ溶剤が、石油系溶剤であり、インキ組成物100重量部中において25〜60重量部であり、上記A成分中の酸化重合被膜形成材料とB成分の合計量を100重量部とした場合、B成分が4〜40重量部であることを特徴とする平版印刷用インキ組成物を提供する。
また、本発明は、インキ組成物100重量部中において、A成分が40〜90重量部であり、B成分が2〜25重量部であり、かつA成分とB成分とが相溶していることを特徴とするインキ組成物を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明を主として特徴づけるB成分である(メタ)アクリル系オリゴマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ化油(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の2〜6官能(メタ)アクリルオリゴマーやこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、東亜合成(株)からアロニックスM−6000シリーズ、7000シリーズ、8000シリーズ、900シリーズ、アロニックスM−1100、アロニックスM−1200、アロニックス−1600、新中村化学工業(株)からNKオリゴ等の商品名で市場から入手して本発明で使用できる。
【0011】
また、B成分である(メタ)アクリルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーや、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能性モノマーやこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、東亜合成(株)からアロニックスM−309、アロニックスM−400等の商品名で市場から入手して本発明で使用できる。
【0012】
インキ組成物中に含まれるB成分の量は、両成分を混合した後、両成分の相溶の判定の試薬としてノルマルヘキサンをこの混合物に滴下して、混合物が白濁し始めるノルマルヘキサンの添加量を測定して決めることが好ましい。ノルマルヘキサンの添加による混合物の白濁の開始は、使用するA成分とB成分との量によってのみ決まるものではなく、両成分の種類や両成分の組み合わせによっても変化する。一般的にはA成分とB成分との混合物100容量%に対して、ノルマルヘキサンの添加量が80〜400容量%の範囲で白濁が始まる混合物が相溶性において最適であった。ノルマルヘキサンの量が400容量%を越えると両成分の相溶性はよいが、得られるインキの光重合乾燥や滲透乾燥が悪く、一方、ノルマルヘキサンの量が80容量%未満で白濁が始まる混合物であると両成分の相溶性が悪く、得られるインキの諸物性が低下する問題がある。
【0013】
また、両成分の混合比を重量比で表わすと、A成分はインキ組成物100重量部中において40〜90重量部、好ましくは50〜80重量部の割合で使用する。又、B成分は、インキ組成物100重量部中において2〜25重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で使用する。B成分の使用量が25重量部を越えると、A成分との相溶性が悪くなる問題があり、2重量部未満であると光重合乾燥が悪くなる問題がある。上記のノルマルヘキサンによるA成分とB成分との混合比と、上記の重量比は必ずしも一致せず、両成分の種類や両成分の組み合わせによっては、上記重量比の範囲内においてもノルマルヘキサンの添加によって混合物が白濁する場合があり、また、上記重量比の範囲外であってもノルマルヘキサンの添加によって白濁しない場合がある。従ってA成分とB成分との混合比率の決定は、ノルマルヘキサンの添加による混合比の決定を優先するべきである。
【0014】
本発明のA成分は、酸化重合被膜形成材料とインキ溶剤とからなるビヒクルであり、インキの流動性、接着性、界面適性等の付与の目的で使用されるが、前記のB成分と相溶するものが好ましい。また、紫外線による硬化阻害を起こさないものが好ましく、例えば、変性フェノール樹脂は硬化阻害を起こしやすく、副成分としての使用が望ましい。このようなA成分の酸化重合被膜形成材料としては、例えば、桐油、アマニ油、サフラワー油、大豆油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油等、及びこれらの混合物等の植物油;更に固体樹脂としては、例えば、ロジンマレイン酸樹脂、アルキル変性樹脂、ロジンエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂等、またはこれらの混合物等の合成樹脂が使用できる。これらの酸化重合被膜形成材料をインキ溶媒に溶解してA成分としてのビヒクルを調製する。尚、A成分中の酸化重合被膜形成材料とB成分の合計量を100重量部とした場合、B成分が4〜40重量部である。
【0015】
上記インキ溶剤としては、石油系溶剤が好ましく、石油系溶剤としては、初留点が200℃以上の石油溶剤が挙げられる。これらの石油溶剤は、日本石油(株)から「インキソルベント4号」、「インキソルベント5号」、「インキソルベント6号」、「インキソルベント7号」、「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」、「AFソルベント6号」、「AFソルベント7号」等の商品名で市場から入手して本発明で使用できる。これらのインキ溶剤はインキ組成物100重量部中において25〜60重量部の割合で使用することが好ましい。
【0016】
なお、A成分とB成分との相溶性を、よりよく調整するために、前記の石油溶剤と溶解性の高い高沸点の芳香族系石油溶剤の併用が好ましい。これらの芳香族系石油溶剤は、日本石油化学(株)から「アルケンL」、「アルケン56N」、「アルケン60NHN」、「アルケン29T」、「アルケン22」、「アルケン100P」、「日石ハイゾールSAS296」、「日石ハイゾールSAS−LH」、「コンデンサーオイル」等の商品名で市場から入手して本発明で使用できる。
【0017】
本発明のインキ組成物には、酸化重合触媒と光重合開始剤を添加することが好ましく、酸化重合触媒としては、A成分の酸化重合を促進する目的で添加するものであり、有機カルボン酸金属塩を使用することができる。例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルオクタノイック酸等の有機カルボン酸のコバルト、マンガン、鉛、亜鉛、カルシゥム、ジルコニゥム塩等またはそれらの混合物が例示される。上記触媒は、インキ組成物100重量部中において0.01〜0.3重量部、好ましくは0.03〜0.15重量部の割合で使用する。
【0018】
また、B成分を重合硬化させる光重合開始剤としては、紫外線を吸収してB成分の重合反応を開始する目的で添加するものであり、紫外線照射によって、ラジカルを容易に発生させる化合物で、光重合開始剤が開裂して2個のラジカルができる光開裂型、他分子の水素を引き抜いてラジカルを発生する水素引き抜き型による、光開裂型および/または水素引き抜き型、あるいはこれらを混合して使用できる。これらの化合物としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベンゾスベロン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等またはそれらの混合物が例示される。上記触媒は、インキ組成物100重量部中において0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の割合で使用する。
【0019】
本発明では、本発明のインキ組成物に顔料を添加してもよいし、添加しなくてもよい。顔料を添加しない場合には、OPニス等の如く上塗り剤として使用できる。顔料を添加することにより印刷インキとして使用できる。本発明で使用される顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシゥム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、亜鉛華、紺青、弁柄、カーボンブラック、アルミニュム粉、真鍮粉等の無機顔料、およびβ−オキシナフトエト酸系、アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオサジン系、ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等のステン系、イソインドリノン系、金属酢酸系、キノフタロン系等の多環式および複素環式顔料等の有機顔料が例示される。
【0020】
本発明のインキ組成物には、他に、ゲル弾性を付与するゲル化剤、耐摩擦剤、皮張り防止剤等の添加剤を本発明の目的を妨げない範囲で添加してもよく、これらの添加剤としては、例えば、ゲル化剤として川研ファインケミカル(株)製のALCH−50等のキレート化剤や、耐摩擦剤としてパラフィンワックス、カルナバルワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等の合成ワックス、皮張り防止剤として、クレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、t−ブチルヒドロキシトルエン等のフェノール類およびメチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類等が挙げられる。本発明のインキ組成物は、常法に従って上記成分を混練して均質化することによって得られる。
【0021】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」とあるのは重量基準である。
本発明のインキ組成物は、インキ溶剤に酸化重合型被膜形成材料を加えて窒素気流雰囲気下で加熱撹拌し180〜200℃で1時間溶解し、その後80℃まで冷却してA成分とし、その中にB成分を添加し、30分間溶解撹拌して調製した。必要に応じて、上記成分に顔料、酸化重合触媒、光重合開始剤、添加剤等を均一に混練してインキ組成物を調製した。
【0022】
実施例1
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
【0023】
実施例2
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(荒川化学(株)製、ペンセルPL) 28.5部
石油樹脂(日本石油化学(株)製、日石ネオポリマー120) 9.5部
アルケン56N 28.5部
大豆油 19.0部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 9.5部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.7部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.3部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 4.0部
【0024】
実施例3
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
【0025】
実施例4
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(ハリマ化成(株)製ハリエスターK) 23.0部
石油樹脂(日本石油化学(株)製日石ネオポリマー120) 8.0部
アルケン56N 23.0部
アマニ油 16.2部
トリメチロールプロパントリアクリレート 8.0部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.6部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.2部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 3.0部
フタロシアニンブルー 18.0部
【0026】
実施例5
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(荒川化学(株)製、ペンセルPL) 16.0部
石油樹脂(日本石油化学(株)製、日石ネオポリマー120) 8.0部
5号ソルベント 11.0部
アルケン56N 16.0部
アマニ油 7.7部
ポリエステルアクリレート 19.5部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.6部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.2部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 3.0部
フタロシアニンブルー 18.0部
【0027】
実施例6
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、本発明のインキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(ハリマ化成(株)製、ハリエスターK) 15.0部
石油樹脂(日本石油化学(株)製、日石ネオポリマー120) 8.0部
ロジン変性フェノール樹脂(荒川化学(株)製、タマノル354) 8.0部
5号ソルベント 7.0部
アルケン56N 15.0部
アマニ油 16.2部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.0部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.6部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.2部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 4.0部
フタロシアニンブルー 18.0部
【0028】
比較例1
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、インキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(荒川化学(株)製、ペンセルPL) 28.0部
AFソルベント5号 23.0部
アマニ油 19.2部
トリメチロールプロパントリアクリレート 8.0部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.6部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.2部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 3.0部
フタロシアニンブルー 18.0部
【0029】
比較例2
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、インキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(ハリマ化成(株)製、ハリエスターK) 28.0部
5号ソルベント 12.0部
AFソルベント5号 12.0部
アマニ油 19.0部
ポリエステルアクリレート 24.0部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.7部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.3部
2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1オン(チバガイギー社製、イルガキュアー907) 4.0部
【0030】
比較例3
下記の成分を上記の調製方法により混合撹拌機でよく混合分散し、インキ組成物を調製した。
ロジンエステル樹脂(荒川化学(株)製、ペンセルPL) 19.0部
石油樹脂(日本石油化学(株)製、日石ネオポリマー120) 19.0部
5号ソルベント 19.5部
アルケン56N 19.5部
アマニ油 4.0部
オクチル酸マンガン(日本化学産業(株)製、商品名:「マンガンドライヤー6.5%」) 0.7部
オクチル酸コバルト(日本化学産業(株)製、商品名:「コバルトドライヤー8%」) 0.3部
フタロシアニンブルー 18.0部
上記で得られた各々のインキ組成物をリスロン26型印刷機(小森コーポレーション製)にてコート紙に印刷速度8000枚/時で120W/cmメタルハライドUVランプを照射し、裏移り防止剤としてのパウダー散布を行なわずにオフセット印刷した。各々の印刷物の印刷適性、乾燥性について下記の測定方法により評価した。また、A成分とB成分との相溶性は、ノルマルヘキサンをこれらの混合物に滴下し、下記の測定方法により評価した。
【0031】
(相溶性)
ノルマルヘキサンを各々のインキ組成物に滴下して、白濁が始まるノルマルヘキサンの滴下量を測定して、A成分とB成分との相溶状態を下記の基準で判定した。評価結果を表1に示す。
評価点
◎:A成分とB成分とが混合しやすく、相溶性良い。ノルマルヘキサンの滴下量が50〜600容量%の範囲内で混合物が白濁が発生する。
×:A成分とB成分とが混合しにくく、相溶性悪い。ノルマルヘキサンの滴下量が50%未満で混合物の白濁が発生する。
【0032】
(乾燥性)
前記の印刷物の印刷直後の乾燥性を、指触乾燥状態および朝陽会乾燥試験機により測定し、下記の基準で判定した。評価結果を表1に示す。
評価点
◎:印刷表層部及び印刷表層内部の乾燥も良く、インキの裏移り無し。
×:印刷表層部および印刷表層内部乾燥が悪く、インキの裏移り有り。
【0033】
(印刷適性)
目視にて、前記のインキ組成物に顔料を混練した印刷インキにて印刷した印刷物を下記の基準で判定した。評価結果を表1に示す。
評価点
◎:酸化重合型インキ印刷物に匹敵する印刷調子を再現し、印刷面白化無し。
×:酸化重合型インキ印刷物に比べて印刷調子の再現性が悪く、印刷面白化。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明のインキ組成物は、A成分にB成分を相溶して使用することにより、紫外線や電子線等の光エネルギーを照射することによる光重合硬化、酸化重合硬化、浸透乾燥硬化等の複合乾燥硬化により、平版印刷における高性能の乾燥特性を有する設計が可能なインキ組成物である。
紫外線や電子線による光重合硬化インキは、酸化重合インキに比べて、原材料および光エネルギー等ランニングコストが高いが、本発明のインキ組成物は、A成分が主体であるため、材料コストは安価である。また、酸化重合インキに比べて、高性能の乾燥性を有することから、裏移り防止剤としてのパウダー散布を行なわずに印刷が可能であり、作業性の効率化によってランニングコストが安く、経済的な有益性を追求可能とするものである。
Claims (4)
- インキ用植物油およびインキ用固体合成樹脂から選ばれる酸化重合被膜形成材料とインキ溶剤とからなるビヒクル(A成分)と(メタ)アクリル系オリゴマーおよび/または(メタ)アクリルモノマー(B成分)との混合物であって、両者の重量比率が、これらの混合物100容量%にノルマルヘキサンを添加した場合に、ノルマルヘキサンの添加量が80〜400容量%の範囲で白濁が始まる比率であり、上記インキ溶剤が、石油系溶剤であり、インキ組成物100重量部中において25〜60重量部であり、上記A成分中の酸化重合被膜形成材料とB成分の合計量を100重量部とした場合、B成分が4〜40重量部であることを特徴とする平版印刷用インキ組成物。
- インキ組成物100重量部中において、A成分が40〜90重量部であり、B成分が2〜25重量部であり、かつA成分とB成分とが相溶している請求項1に記載のインキ組成物。
- 顔料を混練した請求項1または2に記載のインキ組成物。
- 酸化重合触媒と光重合開始剤を含有している請求項1〜3のいずれか1項に記載のインキ組成物。
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