JP3559542B2 - 印刷紙の再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料と活性エネルギー線硬化性かつ酸化重合性両者のバインダーを含むハイブリッドインキ、さらに植物油を含有するハイブリッドインキにより印刷した印刷紙を脱墨し再生することを特徴とする印刷紙の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、 チラシ、各種紙器、書籍、ポスター、カレンダー、ラベル、包装紙、カードなどの印刷において、一般に酸化重合性、溶剤蒸発乾燥、加熱乾燥性を持つ油性インキが主流に使用されている。これら酸化重合性油性インキは湿し水を使用するオフセット印刷では乳化適性が良く、長時間安定して連続印刷が出来、印刷物の網点再現性が優れている。しかし印刷後乾燥しない為、印刷物にスプレーパウダーを撒き棒積みを行っている。このスプレーパウダーは印刷機周辺を汚染し、印刷物の光沢も劣化させてしまう。さらにこれらの油性インキは鉱物油留分である揮発性の炭化水素系インキ溶剤が使用されている場合が多い。しかし近年、環境への配慮から当該油性インキから揮発性の炭化水素系インキ溶剤を一切排除したVOC(揮発性有機化合物)フリーインキのニーズが高まっている。例えば、福田および石井等によれば(日本印刷学会誌、第37巻、第5号、第51頁)、オフセット印刷インキのVOCフリー化が可能となれば、4万トン以上の印刷インキ用石油溶剤の削減が可能になるとされている。したがってこれら揮発性の炭化水素系インキ溶剤を含まない紫外線、電子線等で硬化させる活性エネルギー線硬化性印刷インキが台頭し20数年を経ている。これら活性エネルギー線硬化性印刷インキは瞬時に硬化する為、棒積みが可能であり、揮発成分が揮発しないという利点がある一方、上記油性インキに比べ乳化適性がやや劣り、また印刷機のゴムロール、ブランケットを膨潤させる為、専用のブランケットが必要とされこれがコスト高の一要因でもあった。さらに環境の配慮から印刷紙の再生を目的にした脱墨可能なインキの需要が求められている。しかしこれら活性エネルギー線硬化性印刷インキは多官能アクリルで主体構成されている為、三次元的架橋密度が高く、活性エネルギー線で硬化させると三次元的高架橋が行われ、脱墨行程においてインキが十分に脱墨され難いという問題を有していた。
【0003】
そこで上記油性インキの持つ、乳化適性、ゴムロール、ブランケットに対する膨潤性の良さと活性エネルギー線硬化性印刷インキの持つスプレーパウダーの不要な棒積み可能性、溶剤が揮発しないVOCフリー、脱墨可能性の両方を併せ持つインキの台頭が望まれていた。
【0004】
さらに印刷業界では環境の観点から油性インキにおいて揮発性の溶剤を使用しない植物油、特に大豆油を使用した大豆油インキ(SOYインキ)が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決する為、顔料と活性エネルギー線硬化性かつ酸化重合性を併せ持つバインダーを含むハイブリッドインキ、さらに植物油、特に大豆油またはその変性物を含有する溶剤が揮発しないVOCフリーであるハイブリッドインキを使用することにより、印刷した印刷紙を脱墨し再生紙することが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、顔料と活性エネルギー線硬化性バインダーかつ酸化重合性のバインダーとを含み、さらに酸化重合性バインダーとしてロジン変性フェノール樹脂を必須成分とするハイブリッドインキにより印刷した印刷紙を脱墨し再生することを特徴とする印刷紙の再生方法に関する。
【0007】
更に本発明は、上記ハイブリッドインキが更に植物油を含有する印刷紙の再生方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下詳細に、本発明について詳しく説明する。
【0009】
顔料とは、印刷インキの着色剤であり、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用される。
【0010】
活性エネルギー線硬化性バインダーとはジアリルフタレート樹脂に代表される軟化点50〜180℃の非反応性樹脂(インナート樹脂)、もしくは反応性(ラジカル重合性)オリゴマー、ラジカル重合性モノマー、必要に応じラジカル重合開始剤や光増感剤、必要に応じ顔料、さらに諸種の添加剤からなる。非反応性樹脂(インナート樹脂)としては、オルソないしイソタイプのジアリルフタレート樹脂(以下DAP樹脂)が広く使用される。反応性(ラジカル重合性)オリゴマーとしてアルキッドアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン変性アクリレート等が使用されている。
【0011】
ラジカル重合性モノマーとしてエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたはアクリルオリゴマーについて説明する。エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルモノマーモノマーとしては、1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのようなアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等が例示される。
【0012】
さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0013】
3官能モノマーとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0014】
4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、リペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0015】
さらに脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマー、特にC3〜C20以上のアルキレンオキサイドを持つ脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーは上記樹脂、植物油またはその脂肪酸エステルに対し溶解性が向上してくる。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールポリ(2〜20)(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0016】
さらに(メタ)アクリルオリゴマーとして、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。例えばポリオールとしてはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、琥珀酸、マレイン酸などが使用される。
【0017】
次に、ラジカル重合開始剤としては、光開裂型と水素引き抜き型に大別して例示することができる。前者の例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパンー1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ベンジルメチルケタール(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173:メルク社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(ダロキュア1116:メルク社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン(ZLI3331:チバスペシャルティケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO( BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BAPO2:チバスペシャルティケミカルズ社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、CGI1700( チバスペシャルティケミカルズ社製等が例示される。
【0018】
後者の例として、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’ −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4’ −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’ −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が例示される。これらの単独または適宣組み合わせにより用いる事も出来る。これらの開始剤は組成物中に0.1〜30重量%の範囲で用いる事が出来るが、好ましくは1〜15重量%の範囲で用いる事が出来る。
【0019】
酸化重合性のバインダーとして、ロジン変性フェノール樹脂を必須成分とする軟化点が50〜180℃の樹脂、乾性油を含む植物油および脂肪酸エステル、ドライヤー、各種添加剤からなる。
【0020】
軟化点が50〜180℃の樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、α、βエチレン性不飽和カルボン酸エステル変性石油樹脂、アルキッド樹脂、ロジンエステル樹脂(ロジン変性アルキッド樹脂、α、βエチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンエステル樹脂)、ロジンおよび石油樹脂変性エステル樹脂、メラミン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ケトン樹脂、フェノール変性石油樹脂等が例示される。
【0021】
ロジン変性フェノール樹脂として、石炭酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、(ターシャリ)ブチルフェノール、(ターシャリ)オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ヘキシルフェノールおよびこれらの混合物等のフェノール類とホルムアルデヒドを縮合反応させたレゾールまたはノボラックフェノール樹脂とロジン類(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をクロマン化反応させ、さらにグリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオールをあるいはp−トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、硫酸等の酸触媒を使用しエステル化反応させた重量平均分子量1〜15万の樹脂で反応法は常法による。
【0022】
次に、本発明で使用される植物油またはその脂肪酸エステルについて説明する。先ず植物油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセライドのことであり、その様な植物油として代表的な化合物は、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げらる。さらに好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも100以上ある植物油(括弧内は油脂化学製品便覧:日刊工業新聞社から引用したヨウ素価を示す。)、アサ実油(149以上)、アマニ油(170以上)、エノ油(192以上)、オイチシカ油(140以上)、カポック油(85〜102)、カヤ油(130以上)、カラシ油(101以上)、キョウニン油(97〜109)、キリ油(145以上)、ククイ油(136以上)、クルミ油(143以上)、ケシ油(131以上)、ゴマ油(104以上)、サフラワー油(130以上)、ダイコン種油(98〜112)、大豆油(117以上)、大風子油(101)、トウモロコシ油(109以上)、ナタネ油(97〜107)、ニガー油(126以上)、ヌカ油(92〜115)、ヒマワリ油(125以上)、ブドウ種子油(124以上)、ヘントウ油(93〜105)、松種子油(146以上)、綿実油(99〜113)、落花生油(84〜102)、脱水ヒマシ油(147以上)が好適に用いられ、さらには、ヨウ素価が120以上の植物油がより好ましい。ヨウ素価を120以上とすることで、硬化性組成物の酸化重合による乾燥性をより高めることができる。
【0023】
その他、本発明においては、天ぷら油などの食用に供された後、回収/再生された再生植物油も用いることができる。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を100以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましく、含水率を0.3重量%以下にすることにより、水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を100以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、再生植物油の酸価を低いものとするができ、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土などによる脱色といった方法がとられる。
【0024】
次に、本発明における脂肪酸エステルとしては、植物油の加水分解で得られる飽和または不飽和脂肪酸と、飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステルを挙げることができるが、常温(20〜25℃)で液状で且つ常圧(101.3kPa)で沸点が200℃以上の脂肪酸モノエステルが好ましく、その様な脂肪酸エステルの具体例としては、飽和脂肪酸モノエステルとして、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸ヘキシル、酪酸オクチル、カプロン酸ブチル、カプロン酸アシル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプロン酸ノニル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、エナント酸アミル、エナント酸ヘキシル、エナント酸ヘプチル、エナント酸オクチル、カプリル酸エチル、カプリル酸ビニル、カプリル酸プロピル、カプリル酸イソプルピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸アミル、カプリル酸ヘキシル、カプリル酸ヘプチル、カプリル酸オクチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸ビニル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、ペラルゴン酸アミル、ペラルゴン酸ヘプチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、カプリン酸プロピル、カプリン酸イソプロピル、カプリン酸ブチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸ヘプチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ビニル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸−2エチル−ヘキシルなどを挙げることができる。
【0025】
不飽和脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸アリル、オレイン酸イソアミル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸−2−エチルヘキシル、エライジン酸メチル、エライジン酸エチル、エライジン酸プロピル、エライジン酸アリル、エライジン酸ブチル、エライジン酸イソブチル、エライジン酸−tert−ブチル、エライジン酸イソアミル、エライジン酸−2−エチルヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸アリル、リノール酸プロピル、リノール酸イソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸イソブチル、リノール酸−tert−ブチル、リノール酸ペンチル、リノール酸ヘキシル、リノール酸ヘプチル、リノール酸−2−エチルヘキシル、リノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リノレン酸アリル、リノレン酸プロピル、リノレン酸イソプロピル、リノレン酸ブチル、リノレン酸イソブチル、リノレン酸−tert−ブチル、リノレン酸ペンチル、リノレン酸ヘキシル、リノレン酸ヘプチル、リノレン酸−2−エチルヘキシル、アラキドン酸メチル、アラキドン酸エチル、アラキドン酸アリル、アラキドン酸プロピル、アラキドン酸イソプロピル、アラキドン酸ブチル、アラキドン酸イソブチル、アラキドン酸−tert−ブチル、アラキドン酸ペンチル、アラキドン酸ヘキシル、アラキドン酸ヘプチル、アラキドン酸−2−エチルヘキシル、エイコセン酸メチル、エイコセン酸エチル、エイコセン酸アリル、エイコセン酸プロピル、エイコセン酸イソプロピル、エイコセン酸ブチル、エイコセン酸イソブチル、エイコセン酸−tert−ブチル、エイコセン酸ペンチル、エイコセン酸ヘキシル、エイコセン酸ヘプチル、エイコセン酸−2−エチルヘキシル、エイコサペンタエン酸メチル、エイコサペンタエン酸エチル、エイコサペンタエン酸アリル、エイコサペンタエン酸プロピル、エイコサペンタエン酸イソプロピル、エイコサペンタエン酸ブチル、エイコサペンタエン酸イソブチル、エイコサペンタエン酸−tert−ブチル、エイコサペンタエン酸ペンチル、エイコサペンタエン酸ヘキシル、エイコサペンタエン酸ヘプチル、エイコサペンタエン酸−2−エチルヘキシル、エルカ酸メチル、エルカ酸エチル、エルカ酸アリル、エルカ酸プロピル、エルカ酸イソプロピル、エルカ酸ブチル、エルカ酸イソブチル、エルカ酸−tert−ブチル、エルカ酸ペンチル、エルカ酸ヘキシル、エルカ酸ヘプチル、エルカ酸−2−エチルヘキシル、ドコサヘキサエン酸メチル、ドコサヘキサエン酸エチル、ドコサヘキサエン酸アリル、ドコサヘキサエン酸プロピル、ドコサヘキサエン酸イソプロピル、ドコサヘキサエン酸ブチル、ドコサヘキサエン酸イソブチル、ドコサヘキサエン酸−tert−ブチル、ドコサヘキサエン酸ペンチル、ドコサヘキサエン酸ヘキシル、ドコサヘキサエン酸ヘプチル、ドコサヘキサエン酸−2−エチルヘキシル、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、リシノール酸アリル、リシノール酸プロピル、リシノール酸イソプロピル、リシノール酸ブチル、リシノール酸イソブチル、リシノール酸−tert−ブチル、リシノール酸ペンチル、リシノール酸ヘキシル、リシノール酸ヘプチル、リシノール酸−2−エチルヘキシルなどを例示することができる。
【0026】
本発明における脂肪酸エステルを構成する飽和または不飽和脂肪酸は、実際上は、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、水添大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、あるいはその分別蒸留などによる分別脂肪酸が使用され、前記した飽和または不飽和脂肪酸の混合物として得られる。
【0027】
次に、金属ドライヤーとしては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸などの有機カルボン酸の金属塩、たとえばカルシウム、コバルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム塩などの公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面および内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜併用して使用することもできる。
【0028】
添加剤としては、例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックスを使用することができる。
【0029】
さらに素材の選択によっては活性エネルギー線硬化性バインダーと酸化重合性バインダーとの溶解性が悪く、相溶しない場合がある。その場合はハイブリッド化合物(油溶性脂肪族または油溶性環状化合物基とアクリロイ基を併せ持つハイブリッド化合物)を使用してもよい。ハイブリッド化合物(油溶性脂肪族または油溶性環状化合物基とアクリロイ基を併せ持つハイブリッド化合物)を製造するための反応は、ポリオール、環状一塩基酸およびまたは炭素数4〜36の脂肪酸との混合物、および(メタ)アクリル酸とのエステル化反応は、撹拌機付き4つ口フラスコに、ポリオール、環状一塩基酸およびまたは炭素数4〜36の脂肪酸との混合物を仕込み、トルエン、キシレン、アノン、シクロヘキサン等の還流溶媒下または無溶媒下、窒素気流下で徐々に加熱昇温し80〜260℃の範囲で、無触媒下または触媒下で反応させ、酸価(サンプル1g中に含まれる酸を中和するに必要な水酸化カリウムのmg数)が5以下、望ましくは2以下になるまで行う。
【0030】
ポリオールとしては、例えば2価のポリオールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール等の分岐アルキルジオール、トリシクロデカンジメチロール、ジシクロペンタジエンジアリルアルコールコポリマーなどを、3価のポリオールとしてトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールヘキサン、トリメチロールオクタンなどのトリメチロールアルカン類やグリセリンなどを、4価以上のポリオールとして、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ソルビタン、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。
【0031】
本発明の環状一塩基酸とは安息香酸、メチル安息香酸(ナフトイック酸)、(ターシャリ)ブチル安息香酸 、ナフトエ酸、(オルソ)ベンゾイル安息香酸、ナフテン酸、ロジン(ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン)、重合ロジン、トリシクロデカンモノカルボン酸等が例示される。炭素数が4〜36の脂肪酸とは、飽和または不飽和のノルマルまたは分岐状の炭素数4〜36の脂肪酸、例えば酪酸、カプロン酸、エナンチック酸、オクチル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリック酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、イコシル(Icosyl)酸等が例示される。
【0032】
更に天然油脂類の脂肪酸、例えば、桐油脂肪酸、あまに油脂肪酸、大豆油脂肪酸、やし油脂肪酸、(脱水)ひまし油脂肪酸、パーム油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、菜種油脂肪酸等が例示される。更に魚油や動物油脂由来の脂肪酸として、イカ油脂肪酸、イワシ油脂肪酸、サンマ油脂肪酸、タラ油脂肪酸、鯨油脂肪酸、牛脂油脂肪酸、豚脂油脂肪酸、羊脂油脂肪酸が例示される。更に桐油ダイマー脂肪酸、あまに油ダイマー脂肪酸、大豆油脂肪酸ダイマー等の脂肪酸のダイマー酸も例示される。さらにドデセニル無水琥珀酸、ペンタデセニル無水琥珀酸等が例示される。
【0033】
これら炭素数4〜36の脂肪酸が、不飽和脂肪酸である場合には、得られるハイブリッド化合物は、酸化重合性と活性エネルギー線硬化性の両方併せ持つハイブリッド硬化性化合物となり、本発明の硬化性組成物として使用する際に、より好ましい硬化性能を付与することが可能となる。その後80〜120℃の温度範囲で、重合禁止剤を仕込んだ後(メタ)アクリル酸と触媒を仕込み、空気吹き込み、もしくは空気と窒素の混合もしくは窒素吹き込みで、トルエン、MIBK、シクロヘキサン等の溶媒下、80〜120℃の温度範囲で10〜20時間反応させ、酸価を20以下好ましくは15以下さらに好ましくは10以下にするまで反応を続ける。
【0034】
エステル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸、ルイス酸等が用いられる。その他、テトラブチルジルコネート、テトライソプロピルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等のアルカリ、アルカリ土類金属の酸化物、金属塩触媒等も用いられる。触媒の使用量は、一般的には0.1〜5重量%である。
【0035】
重合禁止剤としては、アルキルフェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が用いられる。
【0036】
更に芳香族ビニル化合物とα,β不飽和カルボン酸のエステル化物からなる重合体を添加してもよい。さらに上記α,β不飽和カルボン酸エステルがC1〜C20の脂肪族一価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルであり、さらに上記α,β不飽和カルボン酸エステルがC5〜C60の環状アルコールの(メタ)アクリル酸エステルであり、さらに上記C5〜C60の環状アルコールが脂環式アルコールのテルペンアルコールである。
【0037】
芳香族ビニル化合物とは、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン、2−ビニルフェナンスレン、3−ビニルフェナンスレン、アセナフチレン、フェニルビニルエーテル、o−クレジルビニルエーテル、p−クレジルビニルエーテル、α−ナフチルビニルエーテル、β−ナフチルビニルエーテ等が例示される。α,β不飽和カルボン酸とはフマル酸、マレイン酸またはその無水物、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸等である。さらにα,β不飽和カルボン酸エステルがC1〜C20の脂肪族一価アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イコサノール、アリルアルコール等の(メタ)アクリル酸エステルが例示される。
【0038】
さらにC1〜C20の脂肪酸と2価以上のポリオールのエステル化反応の残水酸基化合物、例えばエチレングリコールモノブチルエステル、プロピレングリコールモノヘキシルエステル、グリセリンまたはトリメチロールプロパンのジオクチル酸のα,β不飽和カルボン酸エステル等が例示される。C5〜C60の環状アルコール例えばベンジルアルコール、石炭酸のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、クレゾールのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、ブチルフェノールのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、オクチルフェノールのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、ノニルフェノールのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、ドデシルフェノールのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、脂環式アルコール、例えばロジンアルコール(ハーキュレス社製アビトール)、トリシクロデカン(モノまたはジ)メチロール、C5石油樹脂アリルアルコールコポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルが例示される
。
【0000】
さらにエチレングリコールモノロジンエステル、トリメチロールプロパンまたはグリセリンジロジンエステル、ペンタエリスリトールトリロジンエステル等の(メタ)アクリルエステルが例示される。さらにボルネオール(ボルニルアルコール)、イソボルネオール(イソボルニルアルコール)、シトロネロール、ピノカンフェオール、ゲラニオール、フェンチルアルコール、ネロール、リナロール、メントール、テルピネオール、カルペオール、ツイルアルコール、ファルネソール、パチュリアルコール、ネロリドール、カロトール、カジノールランセオール、オイデスモール、セドロール、グアヨール、ケッソグリコール、フィトール、スクラレオール、マノール、ヒノキオール、フェルギノール、トタロール等のテルペンアルコールの(メタ)アクリル酸エステルが例示される。
【0039】
上記アルコール化合物とα,β不飽和カルボン酸とのエステル化反応は常法であり、一般的に次のように行われる。撹拌機、温度計、冷却分離管付き四つ口フラスコに上記アルコール化合物とα,β不飽和カルボン酸と重合禁止剤を仕込んだ後、空気吹き込み、もしくは空気と窒素の混合もしくは窒素吹き込みで、トルエン、MIBK、シクロヘキサン等の溶媒下、80〜120℃の温度範囲で5〜20時間反応させ、酸価を20以下好ましくは15以下さらに好ましくは10以下にするまで反応を続け、減圧脱溶媒する。
【0040】
エステル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸、ルイス酸等が用いられる。その他、テトラブチルジルコネート、テトライソプロピルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等のアルカリ、アルカリ土類金属の酸化物、金属塩触媒等も用いられる。触媒の使用量は、一般的には0.1〜5重量%である。また、このような条件下で反応物が着色することがあるため、還元剤である次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等を併用することもある。
【0041】
重合禁止剤としては、アルキルフェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が用いられる。
【0042】
芳香族ビニル化合物とα,β不飽和カルボン酸のエステル化物の重合法は60〜120℃、好ましくは80〜100℃で触媒としてベンゾイルペルオキシド、キュメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルペルオキシカーボネート、ジt−ターシャリブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート等ペルオキシド化合物、アゾビスイソビチロニトリル、アゾビス2,4ジメチルバレロニトリル等のアゾビス化合物、テトラメチルチウラムジスルフィド、アルカリ金属と酸素または酸素化合物、トリエチルホウ素またはトリブチルホウ素と酸素、ジエチル亜鉛と酸素、Cr(CO)6、Mo(CO)6、W(CO)6、Mn(CO)6、Ni(CO)6等の金属カルボニル等の熱重合触媒下で行われる
反応溶媒はn−ヘキサン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、MIBK,ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。溶媒は反応終了後減圧除去される。
【0043】
芳香族ビニル化合物とα,β不飽和カルボン酸エステルの反応比は芳香族ビニル化合物とα,β不飽和カルボン酸エステルの総量に対し芳香族ビニル化合物1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%であり、α,β不飽和カルボン酸エステル1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%で行われる。
【0044】
一般的に芳香族ビニル化合物がこれより多いと植物油またはその脂肪酸エステル または軟化点が50〜180℃以上の樹脂に溶解し難くなり、また少ないとエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーと溶解し難くなる。さらにα,β不飽和カルボン酸エステルがこれより多いとエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーと溶解し難くなり、少ないとと植物油またはその脂肪酸エステル または軟化点が50〜180℃の樹脂に溶解し難くなる。
【0045】
一般に油性素材である植物油またはその脂肪酸エステル および軟化点が50〜180℃以上の油溶性樹脂と活性エネルギー線硬化性を持つエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーとは溶解し難い。本発明の重合体は油性素材である植物油またはその脂肪酸エステル および軟化点が50〜180℃の油溶性樹脂と紫外線および電子線硬化性を持つエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者に溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たしている。
【0046】
重量平均分子量(ポリスチレン換算)は1000〜10万、好ましくは1〜5万、軟化点は50〜150℃、好ましくは80〜120℃が望ましい。
【0047】
さらに環境への配慮から当該油性インキから揮発性の炭化水素系インキ溶剤を一切排除したVOC(揮発性有機化合物)フリーインキのニーズが高まっている為揮発性印刷インキ溶剤の代わり、上記天然脂肪油、脂肪酸エステル特に大豆油またはその変性物を使用される。大豆油またはその変生物とは大豆油の他その脂肪酸のメチルまたはエチルまたはブチル、オクチル、ノニル等のアルキルエステルが例示される。さらに大豆油または大豆油脂肪酸と上記ポリオール、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、無水ハイミック酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の多塩基酸からなるアルキッド樹脂が例示される。さらに不飽和植物油の二重結合に過酢酸、過安息香酸でエポキシ化したエポキシ化植物油アクリレート、例えばエポキシ化大豆油アクリレート(化薬サートマー社製CN111、UCB社製EBECRYL860)、エポキシ化アマニユアクリレート等が例示される。
【0048】
次に、本発明における硬化性組成物としての使用形態について説明する。本発明における硬化性組成物は、印刷インキまたはオーバープリントニス(OPニス)としての使用形態がある。印刷インキにおいては、通常平版印刷インキとしての形態において使用されるが、凸版印刷方式である活輪インキ、フレキソインキとしての使用も可能である。通常の組成比は下記の通りである。
さらに、本発明の硬化性組成物を印刷インキ用として使用する場合は、該組成物を印刷インキに供し易い粘度(100 〜300 Pa ・s /25℃)を持ったワニスにすることが望ましい。 本発明のワニスを製造するにあたって、50〜180℃の軟化点を持った樹脂、あるいは必要に応じ芳香族ビニル化合物とα,β不飽和カルボン酸の重合体、植物油またはその脂肪酸エステルを仕込み80〜260℃好ましくは120〜180℃で0.5〜3時間クッキングしさらに80〜120℃でエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを重合禁止剤を仕込みながら、80〜120℃で溶解させ粘度50〜300Pa・S/秒ワニスの形使用する。該ワニスに、必要に応じて、本発明のハイブリッド化合物を混合した形にワニスとしても使用可能である。本発明における硬化性組成物を製造するに当たってはその場合、必要に応じて空気吹き込み、窒素ガス、重合禁止剤の添加、あるいは酸化防止剤の添加などを同時に行う。
【0049】
重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が使用される。
【0050】
印刷インキは、常温から100℃の間で、着色剤、ワニス、植物油またはその脂肪酸エステル、エチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合性開始剤および/または増感剤、金属ドライヤー、その他添加剤などの印刷インキ用成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0051】
本発明のハイブリッドインキは、通常湿し水を使用するオフセット印刷に適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷にも好適に用いられる。本発明のハイブリッドインキは、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、美術印刷物、などの印刷物に適用される。
【0052】
尚、基材としては王子製紙(株)製UFコート等のコートボール紙、三菱製紙(株)製特菱アート紙、日本製紙製NPIの薄紙コート紙、上質紙等が使用される。
【0053】
【実施例】
次に具体例により本発明を説明する。例中「部」とは重量部を示す。
【0054】
ロジンフェノール樹脂の合成例
レゾール型フェノール樹脂の合成
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにp−オクチルフェノール206部、37%ホルマリン203部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温し、同温度で3.5時間反応させた。その後、冷却し、硫酸で中和、水洗した。レゾールキシレン溶液層と水層を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ−ル液とする。
【0055】
ロジンフェノ−ル樹脂の合成
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン60部を仕込み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液40部(固形分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水とキシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温し250℃でグリセリン6.0部を仕込み12時間反応させ、酸価が25以下になったので汲み出した。本樹脂の重量平均分子量は4.5万であった。(ロジンフェノール樹脂R)
注)*ロジンと反応するレゾ−ル液は固形分の重量部を示す。
*重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準サンプルはポリスチレンで測定した。
【0056】
ハイブリッド化合物の製造例
攪拌機付き、水分離管付き、温度計付き四つ口フラスコに、あまに油脂肪酸266部、トリメチロールプロパン134部、p−トルエンスルフォン酸6部、トルエン40部を仕込み、窒素気流下で徐々に昇温し、110℃で9時間反応させ、酸価が5以下になっt、メトキノン0.6部、アクリル酸137部を仕込み、窒素容量気流下で110℃で反応させた。約7時間後に脱水反応が止まったところで、シクロヘキサン20部を仕込み、さらに還流にて脱水反応を継続させ、酸価が10.0になったところで、等量の水で3回水洗し、水洗水がpH試験紙で中性またはそれに近いのを確認した後、脱溶媒して汲み出した。酸価は2.0であった。
【0057】
重合体化合物の製造例
攪拌機付き、水分離管付き、温度計付き四つ口フラスコに、イソボルネオール(イソボルニルアルコール)154部、ハイドロキノン0.2部、トルエン20部、メタアクリル酸86部、P−トルエンスルフォン酸2部を仕込み、空気吹き込み下90〜115℃酸価が15以下になるまで反応させる。その後20%の水酸化ナトリウム水溶液12部を仕込み中和後、200mlの水で3回水洗後90〜115℃で減圧脱溶媒しイソボルネオールメタクリルエステル(イソボルニルメタクリレート)を得る。次にトルエン150部を仕込み、窒素気流下で80℃に昇温し、スチレン50部、上記イソボルネオールメタクリルエステル(イソボルニルメタクリレート)50部、ベンゾイルペルオキシド3部ををあらかじめ溶解させた溶解液3時間かけて滴下した。滴下終了2時間後にベンゾイルペルオキシド0.5部を添加しさらに2時間反応を継続させた後溶剤を脱溶媒し汲み出した。(重合体P)
ワニスV製造例
攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹脂(R)18部、あまに油25部を仕込み、窒素気流下で220℃1時間加熱後180℃で実施例重合体Pを20部を仕込み30分撹拌後110℃にしt−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)36.9部を仕込み30分撹拌後粘度を150〜200Pa・s/25℃に調製し、汲み出した。
【0058】
比較例ワニスV1(酸化重合型ワニス)の製造例
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、窒素気流下に、ロジン変性フェノール樹脂Rを45部、あまに油20部、AF5溶剤(日本石油(株)製アロマフリーインキ溶剤)34.4部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部を仕込み、200℃で1時間加熱溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、98Pa ・s /25℃であった。
【0059】
比較例ワニスV2(活性エネルギー線硬化型ワニス)の製造例
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、ダップトートDT170(東都化成(株)製ジアリルフタレート樹脂)30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)69.9部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、空気気流下で100℃で30分〜1時間で溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、152Pa ・s /25℃であった。
【0060】
実施例インキ1(ハイブリッドインキ)の製造例
紅顔料としてカーミン6B(東洋インキ製造(株)製紅顔料)18部、実施例ワニスVを49部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)を26.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)を2.5部、イルガキュア907を2.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により製造した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0061】
実施例インキ2(ハイブリッド大豆油型インキ)の製造例
紅顔料としてカーミン6B(東洋インキ製造(株)製紅顔料)18部、実施例ワニスVを44部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)を21.9部、CN111(化薬サートマー社製エポキシ化大豆油アクリレート)10部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)を2.5部、イルガキュア907を2.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により製造した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0062】
実施例インキ3(電子線硬化性ハイブリッドインキ)の製造例
紅顔料としてカーミン6B(東洋インキ製造(株)製紅顔料)18部、実施例ワニスVを47部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)を24.9部、CN111(化薬サートマー社製エポキシ化大豆油アクリレート)10部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により製造した。
【0063】
比較例インキ1(油性インキ)の製造例
カーミン6Bを18部、比較例ワニスV1を70.9部、AF5溶剤を10部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0064】
比較例インキ2(紫外線硬化性インキ)の製造例
カーミン6Bを18部、比較例ワニスV2を30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、EABを2.5部、イルガキュア907を2.5部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0065】
比較例インキ3(電子線硬化性インキ)の製造例
カーミン6Bを18部、比較例ワニスV2を35部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(東亜合成(株)製アロニックスM408)26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0066】
印刷紙の脱墨性、加熱減分の評価は以下の方法で行った。
【0067】
UFコート紙(王子製紙(株)製コートボール紙)にRIテスター(明製作所(株)製簡易印刷機)を使用し、実施例1〜3のインキ、比較例2〜3のインキをインキ盛り0.3ccで展色刷りした後、下記の条件によりインキを活性エネルギー線で照射し一週間放置し、または比較例1のインキはそのまま照射せずに酸化重合させ一週間放置した。
−紫外線照射の場合−
印刷した実施例インキ1〜2、比較例2のインキを紫外線照射は、USHIO(株)製照射装置UVC−2535(120W/cm超高圧水銀オゾンノーカットランプ1灯、コンベヤースピード30m /min の条件)を使用した。
−電子線照射の場合−
印刷した実施例インキ3、比較例3のインキを直ちに電子線照射した。電子線照射については、米国ESI(株)製低エネルギー電子線照射装置(加圧電圧175KV、酸素濃度500ppm の窒素置換した雰囲気)を用い30KGy で照射した。
【0068】
脱墨工程
10リットルの容器に脱墨剤旭電化(株)製アデカノールSDX−326を0.18g(印刷物に対し0.18%)、苛性ソーダー0.5g(印刷物に対し0.5%)、珪酸ソーダー0.2g(印刷物に対し0.2%)を2000mlの水に溶解し、 2cm*2cmに断裁した印刷物100g(5%パルプ濃度でPH11)を入れ10分間放置する。その後のディスパー機で回転数3000rpm、10分間離解させ印刷物を解きほぐす。(パルパー)。その後5倍の水で希釈後、フローテーターを使用し、気泡に取り込まれたインキを除去する。シート作成工程では乾燥後に100g/m2、60g/m2に成るように調整し筒状容器(筒内面積0.02m2)液を約200gと水を標線(8リットル)まで加え水を濾過する。厚手濾紙で受けてプレス機で加圧(5min、3.5Kgf/cm2)後、乾燥温度105℃で乾燥させる。
【0069】
脱墨の測定
白色度:村上色彩研究所ハンター白色度計(CM−BP)のB(青色)光源で測定し100g/m2の脱墨試を5枚重ねて、粗面を順次入れ替えながら測定した。夾雑物(インキ残個数):パソコンソフトSCAN−MARK800を使用し測定した。(原理はパソコンのスキャナ(1200dpi)で取り込んだ画像を色相差で残インキを判断する。JIS規格では最小測定面積0.05mm2とする。サンプルは60g/m2の脱墨紙を使用した。脱墨の度合いを白色度とインキ残個数から判断した。
結果を下記表1に示す。
【0070】
インキの揮発性分を加熱減分
加熱減分により求めた。その測定方法は熱分析装置にて、110℃、1時間、窒素ガス流量100mL/分の条件での熱重量測定を行った。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
以上の様に、本発明のハイブリッドインキは揮発成分が少なく、さらに脱墨性も良好で環境による汚染防止、リサイクルによる紙の再生法が可能となる。
Claims (2)
- 顔料と、活性エネルギー線硬化性バインダーかつ酸化重合性のバインダーとを含み、さらに酸化重合性バインダーとしてロジン変性フェノール樹脂を必須成分とするハイブリッドインキにより印刷した印刷紙を脱墨し再生することを特徴とする印刷紙の再生方法。
- ハイブリッドインキが更に植物油を含有する請求項1記載の印刷紙の再生方法。
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