JP2003246958A - 水性インク - Google Patents
水性インクInfo
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Abstract
専用紙上では十分な発色に加え、定着性を有する水性イ
ンクであり、インクジェット記録にあってはさらに吐出
安定性が優れる。 【解決手段】 本発明の水性インクは分子発色体をポリ
マーで水に分散した分散体および高分子微粒子を添加し
てなる水性インクであり、前記高分子微粒子がカルボン
酸塩であり、分子中にカルボキシル基と、少なくともウ
レタン基を有することを特徴とする。
Description
いはコート紙に対して高い印字品質が得られ、且つ保存
安定性および耐擦性に優れる水性インクに関する。
る手段として特開平01−301760号公報にあるよ
うに界面活性剤を用いる方法、または特公平5−064
724号公報にあるように疎水部と親水部を有する分散
ポリマーを用いて分散されていた。また、着色材の表面
を高分子で被覆する方法としては、インクジェットプリ
ンター用インクとして、特開昭62−95366号公報
にあるように、染料インクを内包したマイクロカプセル
を用いる方法、特開平1−170672号公報にあるよ
うに、水に不溶な溶媒に色素を溶解または分散させこれ
を界面活性剤で水中で乳化したマイクロカプセル化した
色素を用いる方法、特開平5−39447号公報にある
ように、水、水溶性溶媒並びにポリエステルの少なくと
も1種に昇華性分散染料を溶解または分散させた内包物
をマイクロカプセルとして記録液に使用する方法、特開
平6−313141号公報では着色された乳化重合粒子
と水性材料からなるインキ組成物、特開平10−140
065号公報では転相乳化反応や酸析法による方法が検
討されている。また、定着性を得るために、室温以下の
ガラス転移温度を有する高分子微粒子を添加することな
どが試みられている。
水性インクは不安定であり、界面活性剤やグリコールエ
ーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、
吸脱着が起こりやすくなり、その水性インクの保存安定
性が劣るという課題がある。通常の水性インクは紙に対
するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコール
エーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要であ
る。これらの物質を用いないインクでは紙に対する浸透
性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が
制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるとい
う課題があった。
うな添加剤(アセチレングリコール、アセチレンアルコ
ール、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリ
コールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコー
ルモノブチルエーテルまたは1,2−アルキレングリコ
ールまたはこれらの混合物)を用いると長期の保存安定
性が得られず、インクの再溶解性が悪いためインクが乾
燥してインクジェットヘッドのノズルで詰まり易くなる
という課題を有していた。
顔料は分散剤の残存物がインク系中に残り、分散剤が十
分に分散に寄与せず顔料から脱離して粘度が高いものに
なってしまうという課題があった。粘度が高くなると顔
料等の色材の添加量が制限され特に普通紙において十分
な印字品質が得られない。
であった。
もので、その目的とするところは、普通紙上ではにじみ
が少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色に加え
て定着性を有する水性インクであり、インクジェット記
録にあってはさらに吐出安定性が優れるところにある。
子発色体をポリマーで水に分散した分散体および高分子
微粒子を添加してなる水性インクであり、前記高分子微
粒子がカルボン酸塩であり、分子中にカルボキシル基
と、少なくともウレタン基を有することを特徴とする。
れ、普通紙上ではにじみが少なく高発色であり、専用紙
上では十分な発色に加えて定着性を有する水性インクで
あり、インクジェット記録にあってはさらにインクジェ
ットヘッドからのインクの吐出安定性に優れることなど
の特性が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果
によるものである。
ーで水に分散した分散体および高分子微粒子を添加して
なる水性インクであり、前記高分子微粒子がカルボン酸
塩であり、分子中にカルボキシル基と、少なくともウレ
タン基を有することを特徴とする。ウレタン基の極性で
定着性を向上させるが、用いる極性基はヒドロキシル
基、アミノ基、アミド基、フラン基、チオフェン基、ピ
ロリドン基、イミダゾール基、イミダゾリジノン基、ラ
クトン基、ラクタム基、カーボネート基、エポキシ基、
尿素基、アロハネート基、ビウレット基、およびイソシ
アヌレート基などが挙げられる。また、高分子微粒子の
造膜温度(MFT)は室温以下であることが定着性が向
上する。また、ガラス転位点が室温以上でも造膜助剤を
用いて見かけ上の造膜温度を低下させることもよい。さ
らに、高分子微粒子の製造方法として、長鎖のマクロマ
ーを用いた重合により、ハードセグメントとソフトセグ
メントが分かれたミクロ相分離構造を導入することも定
着性の向上になる。
粒子のゼータ電位の絶対値がそれぞれ独立して30ミリ
ボルト以上であり、その分散体のゼータ電位の値とその
高分子微粒子のゼータ電位の値との差が±10ミリボル
ト以下であることが好ましい。ゼータ電位を上記の範囲
にすることで、インク中で安定して存在することが可能
となる。前述のゼータ電位の差は好ましくは±5ミリボ
ルト以下である。また、前述の高分子微粒子のイオンの
極性が前述の分散体と同一であることが好ましい。さら
に、等電点におけるpH差が±2以下であることが好ま
しい。これらの範囲を超えると凝集を起こしやすくな
る。
いわゆる有色の分子を有する物質をいい、着色剤、色
材、顔料、および染料を含めたものをいう。そして、前
述の分子発色体としては有機顔料または無機顔料を好適
に用いることができる。
スブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チ
ャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグ
メントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物
(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の
金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラッ
ク1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用と
しては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブ
ラックが好ましい。更にカラー用としては、C.I.ピ
グメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12
(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、2
4、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、5
5、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、9
3、94、95、97、98、100、101、10
4、108、109、110、117、120、12
8、138、153、180、C.I.ピグメントレッ
ド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファース
トスカーレット)、23、31、38、48:2(パー
マネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネン
トレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッ
ド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B
(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブ
リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:
2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、
88、101(べんがら)、104、105、106、
108(カドミウムレッド)、112、114、122
(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、
166、168、170、172、177、178、1
79、185、190、193、209、219、C.
I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブ
ルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニ
ンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブル
ーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.
ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、1
8、36等が使用できる。
場合これらの顔料としての添加量は、0.5〜30重量
%(以下単に「%」ということもある。)が好ましい
が、1.0〜12%がさらに好ましい。これ以下の添加
量では、印字濃度が確保できなくなり、またこれ以上の
添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が
生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性
が悪くなる傾向になる。
く、より好ましくは0.3μm以下の粒子からなる顔料
を、さらに好ましくは0.01〜0.15μmの粒子か
らなる顔料が好ましい。
ドミル、ロールミルあるいはジェットミルなどによる分
散方法を用いることができる。前述の高分子微粒子に含
まれるウレタン基以外の極性基がヒドロキシル基、アミ
ノ基、アミド基、フラン基、チオフェン基、ピロリドン
基、イミダゾール基、イミダゾリジノン基、ラクトン
基、ラクタム基、カーボネート基、エポキシ基、尿素
基、アロハネート基、ビウレット基、およびイソシアヌ
レート基から選ばれた1種以上であり、その高分子微粒
子の1%以上であることが好ましい。このように、分子
中に酸素、窒素、硫黄などの原子を有する分子を用いる
ことで、分子中で分極が起こり、インクの紙等の媒体へ
の定着力が向上する。そして、高分子微粒子の1%以上
であることで効果が得られる。これら極性基は定着力を
向上させるために導入するものであり、これらに限定さ
れない。
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、イソシアヌル酸変性(メタ)ア
クリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、エポキシ(メタ)アクリレートおよびそれらの誘導
体から選ばれた1種以上を用いることが好ましい。これ
らのように、分子中に酸素、窒素、硫黄などの原子を有
する分子を用いることで、分子中で分極が起こり、イン
クの定着力が向上する。これらは定着力を向上させるた
めに導入するものであり、これらに限定されない。
剤を形成する物質として、2重結合を有するアクリロイ
ル基、メタクリロイル基、ビニル基あるいはアリル基を
有するモノマーやオリゴマー類を用いたポリマーを用い
ることができる。例えばスチレン、ブチルメタクリレー
ト、(α,2,3または4)−アルキルスチレン、
(α,2,3または4)−アルコキシスチレン、3,4
−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニル
ベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモ
ルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イ
ソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリル
アミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基のジエチレングリコールまたはポリエチレングリコ
ールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、その他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、
(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入す
る場合は(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デ
カンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン
(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
またはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等アクリロイル基やメタクリロイル基を有する化合物
を用いることができる。
−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリ
マーからなる群から選ばれた1種以上を成分とするよう
にこれらのポリマーを添加しながら作成することもでき
る。
モニウムの他に、過硫酸水素やアゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスアセトキ
シフェニルエタン、アゾビスメチルブタンアミドジヒド
ロクロライドテトラハイドレート、アゾビスメチルブチ
ロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、
ジメチルアゾビスイソブチレート、アゾビスシアノ吉草
酸、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメ
ンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキ
シド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどラジカ
ル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができ
る。
を用いることもできる。例えば、t−ドデシルメルカプ
タンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲ
ンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィ
ド、あるいはジペンテン、インデン、1,4−シクロヘ
キサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどが挙げら
れる。
て安定性の優れたインクジェット記録用インクとするこ
とができる。さらに前述の分散体を筆記具用インクにも
好適に用いることができる。
クに少なくとも界面活性剤を添加してなることが好まし
い。そして、前述の界面活性剤がアセチレンアルコール
系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤およ
びシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上であるこ
とが好ましい。これらの界面活性剤を用いることで普通
紙上のにじみが特に低減され、専用紙上での線幅を適当
な値に調整することが可能となる。
に少なくともアルキレングリコールモノアルキルエーテ
ルおよび/または1,2−アルキレングリコールを添加
してなることが好ましい。これらの添加により印字の乾
燥性が向上し、連続して印刷しても前の印字部分が次の
媒体の裏面に転写されることがなくなるため、特にイン
クジェット記録にあっては高速印字が可能となる。
アルキルエーテルが繰り返し単位10以下のアルキレン
グリコールであって、且つ炭素数3〜10のアルキルエ
ーテルであることが好ましい。その中でも、ジ(トリ)
エチレングリコールモノブチルエ−テルおよび/または
(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルである
ことが好ましい。また、前述の1,2−アルキレングリ
コールが1,2−ヘキサンジオールおよび/または1,
2−ペンタンジオールであることが好ましい。
ルモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコール
から選ばれる1種以上からなる物質の添加量が0.5%
以上30%以下であることが好ましい。0.5%未満で
は浸透性の効果が低く印字品質が向上しない。30%を
超えると粘度上昇により使いづらくなり、それ以上添加
しても印字品質向上の効果がない。より好ましくは1%
以上15%以下である。
剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上を0.1%以上5%
以下含むことが好ましい。5%を超えると印字品質の効
果が頭打ちであり、添加しても粘度が上昇して使いづら
くなり、ヘッドの先端にインクが付着しやすくなり、印
字が乱れやすくなる。0.1%未満では印字品質向上の
効果が低くなる。より好ましい添加量は0.15〜2%
である。
コール系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性
剤およびシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上
と、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルお
よび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以
上とを同時に添加してなることが好ましい。アセチレン
アルコール系界面活性剤、アセチレングリコール系界面
活性剤およびシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以
上と、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルお
よび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以
上と、は同時に用いる方が印字品質が向上する。
面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシ
リコン系界面活性剤から選ばれた1種以上が0.1〜
0.5%であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブ
チルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチル
エーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ば
れた1種以上が1%以上であることが好ましい。アセチ
レンアルコール系界面活性剤、アセチレングリコール系
界面活性剤およびシリコン系界面活性剤から選ばれた1
種以上は少量で浸透性を向上させる効果がある。従っ
て、0.5%以下であり、ジ(トリ)エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコール
から選ばれた1種以上は1%以上であることで印字品質
がさらに向上する。
ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合
体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から
選ばれた1種以上を主成分とすることが好ましい。本発
明で用いるアセチレンアルコール系界面活性剤、アセチ
レングリコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、
ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、
(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび
1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上か
らなる物質は通常の分散剤分散に用いる分散剤と吸脱着
反応を起こすため、脱離した分散剤がインク中に浮遊
し、それが原因で印字が乱れるという現象を生じやす
い。しかし、上記の分散剤を用いて好適な分散を行なう
ことで分散剤が安定に着色剤を包含しているので吸脱着
を起こしにくいので好ましい。
した分散体が少なくとも重合性基を有する分散剤と共重
合性モノマーとの共重合体でその顔料を包含したもので
あることが好ましい。ここで、重合性基を有する分散剤
とは少なくとも疎水基、親水基および重合性基を有する
もので、重合性基はアクリロイル基、メタクリロイル
基、アリル基あるいはビニル基などであり、共重合性基
も同じくアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基
あるいはビニル基などである。インクジェット記録用イ
ンクとしては粒径が比較的そろっていた方が目詰まりや
吐出の安定性の観点から好ましいので、顔料を分散剤で
分散した着色剤は、乳化重合または転相乳化法によって
製造されることが好ましい。
体は、重合性基を有する分散剤でその顔料を分散させた
後、その分散剤と共重合可能なモノマーと重合開始剤を
用いて水中で乳化重合されたものまたは顔料を分散剤が
覆うように水中への転相乳化であることが好ましい。
素数4〜10の1,2−アルキレングリコールであり、
添加量が10%以下であることが好ましい。10%を超
えると粘度上昇によりインクジェット用としては使いづ
らくなり、それ以上添加しても印字品質向上の効果がな
い。より好ましくは1%以上8%以下である。
1,2−ペンタンジオールまたは1,2−ヘキサンジオ
ールであることが好ましい。1,2−ペンタンジオール
は3〜10%以下が好ましい。3%未満のものは浸透性
の向上の効果が低く、そのためにじみの発生が多い。炭
素数が10を超えると粘度が高くなり本発明のような水
溶性インクには使用しづらい。1,2−ヘキサンジオー
ルは0.5〜10%が好ましい。0.5%未満のものは
浸透性の向上の効果が低く、炭素数が10を超えると水
溶性が低いので本発明のような水溶性インクには使用し
づらい。前述のアセチレンアルコール系界面活性剤、ア
セチレングリコール系界面活性剤およびシリコン系界面
活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.5%以上の
ときはその1,2−アルキレングリコールとの重量比
(以下単に「比」と示すこともある。)が1:0〜1:
50の間が印字品質の観点から好ましく、1,2−アル
キレングリコールがアセチレングリコールおよび/また
はアセチレンアルコール系界面活性剤の50倍を超える
と印字品質の向上効果が頭打ちでありそれ以上添加して
も効果が低く、逆に粘度上昇の弊害を生じる。
ルモノブチルエーテルを10%以下含むことが好まし
い。10%を超えると印字品質向上の効果が頭打ちであ
り、逆に粘度上昇の弊害と水溶性が低いので溶解助剤の
添加が必要になってくる。より好ましくは0.5〜5%
である。
剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上と(ジ)プロピレン
グリコールモノブチルエーテルの比が1:0〜1:10
であることが好ましい。(ジ)プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルがアセチレンアルコール系界面活性
剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の10倍を超えると
印字品質の向上効果が頭打ちでありそれ以上添加しても
効果が低く、逆に粘度上昇の弊害を生じる。
ブチルエーテルを20%以下含むことが好ましい。20
%を超えると粘度上昇により使いづらくなり、それ以上
添加しても印字品質向上の効果がない。より好ましくは
1%以上15%以下である。ジ(トリ)エチレングリコ
ールモノブチルエーテルとはジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル(DEGmBE)および/またはトリエ
チレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)
を示すが、印字品質改良のための浸透性の必要レベルと
して、20%以下の添加が好ましい。20%を超えると
印字品質向上の効果が頭打ちであり、逆に粘度上昇の弊
害が生じる。より好ましくは0.5〜10%である。
剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.5%
以上であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチル
エーテルとの比が1:0〜1:50であることが好まし
い。アセチレングリコールおよび/またはアセチレンア
ルコール系界面活性剤の50倍まで添加することが印字
品質の観点から好ましい。ジ(トリ)エチレングリコー
ルモノブチルエーテルはアセチレングリコール系の界面
活性剤の溶解性を向上させることと印字品質の向上に役
立つが、50倍を超える添加量ではそれらの効果が頭打
ちになるのでインクジェット用としては使用しにくくな
る。
nmであり、添加量が0.1〜20%であることを特徴
とする。高分子微粒子の粒径が50nm未満では分散の
安定性が得られにくくなり、吐出安定性が得られにくく
なる。しかし、添加量が3%以下であれば、影響が低減
され50nm未満でも用いることができる。500nm
を超えてもまた出吐安定性が得られなくなる。好ましく
は70〜300nmである。そして、その添加量が0.
1%未満では定着性向上の効果が低くなる。しかし、専
用紙上でのインクの凝集によるむらの発生は0.1%未
満でも効果がある。20%を超えると粘度が上昇し、吐
出安定性か得られない。定着性向上のためには、好まし
くは1〜10%である。
ョンを形成する物質として、スチレン、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレートおよびブチルメタクリレートの他
に(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、
2、3または4)−アルコキシスチレン、3、4−ジメ
チルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリ
レート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォ
リン、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミ
ド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)ア
クリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の
ジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、そ
の他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)
アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は
(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオール、
1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオー
ル、1、8−オクタンジオールおよび1、10−デカン
ジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、ト
リ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはF
のエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等アクリ
ル基やメタクリル基を有する化合物を用いることができ
る。
用いる乳化剤としてはラウリル硫酸ナトリウムやラウリ
ル硫酸カリウムの他にステアルリル基、ノニル基、オク
チル基などを有するアルキル基や分岐アルキル基、ある
いはアルキルフェニル基などの硫酸塩である活性剤の他
に燐酸塩、硼酸塩の活性剤やアニオン界面活性剤、非イ
オン界面活性剤および両性界面活性剤等を用いることが
できる。
ウムの他に、過流酸水素やアゾビスイソブチロニトリ
ル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメ
ンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキ
シド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどラジカ
ル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができ
るが、重合反応は水中で行なうため水溶性の方が好まし
い。
デシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、
n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサント
ゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、
1、4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサン
テンなど一般的な連鎖移動剤を用いることができる。
ル型の高分子微粒子を用いた複相の他に、単相の場合で
も構わない。そして、これら高分子微粒子の膜形成温度
(MFT)は室温以下に設計するか、またはMFT低下
剤(成膜助剤)を用いて室温以下にすることが好まし
い。また、反応条件等によっては上述の添加剤を用いな
くてもよい。例えば、ミセル形成モノマーを用いる場合
にはミセル形成剤は不要になり、反応条件によっては連
鎖移動剤も用いなくて良い場合もあるので、適宜選択で
きる。
クは、その放置安定性の確保、インク吐出ヘッドからの
安定吐出達成等の目的で保湿剤、溶解助剤、浸透制御
剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、
防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属
イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加
する場合がある。
ために水溶性のあるグリコール類を添加することが好ま
しく、その例としてはエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、分子量2000以下のポリエチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレング
リコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソ
エリスリトール、ペンタエリスリトールなどがある。
クが乾燥して詰まることを抑制するために、多くの種類
の糖類を用いることもできる。単糖類および多糖類があ
り、グルコース、マンノース、フルクトース、リボー
ス、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクト
ース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビ
オース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース
等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン
類、セルロース類を用いることができる。そしてその添
加量は0.05%以上で30%以下がよい。0.05%
未満ではインクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰ま
り現象を回復させる効果は少なく、30%を超えるとイ
ンクの粘度が上昇して適切な印字ができなくなる。一般
的な糖類である単糖類および多糖類のグルコース、マン
ノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビ
ノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グル
シトース、マルトース、セロビオース、スクロース、ト
レハロース、マルトトリオース等のより好ましい添加量
は3〜20%である。アルギン酸およびその塩、シクロ
デキストリン類、セルロース類はインクにしたときの粘
度が高くなり過ぎない程度の添加量にする必要がある。
れる水との溶解性の低いグリコールエーテル類やインク
成分の溶解性を向上させ、さらに被記録体たとえば紙に
対する浸透性を向上させ、あるいはノズルの目詰まりを
防止するために用いることのできるものとして、エタノ
ール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプ
ロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチ
レングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブ
タノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコ
ールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n
−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i
so−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n
−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルム
アミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビ
ット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチ
ン、スルホラン、パラトルエンスルホンアミド、パラト
ルエンスルホンアミド−4−エチレンオキシ付加物など
があり、これらを適宜選択して使用することができる。
特殊紙等の媒体への浸透性を制御するため、他の界面活
性剤を添加することも可能である。添加する界面活性剤
は本実施例に示すインク系との相溶性のよい界面活性剤
が好ましく、界面活性剤のなかでも浸透性が高く安定な
ものがよい。その例としては、両性界面活性剤、非イオ
ン界面活性剤などがあげられる。両性界面活性剤として
はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル
−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダ
ゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメ
チルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチ
ルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。非イ
オン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ポリオキ
シプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル)な
どのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリ
オキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレ
ンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソ
ルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエー
ト、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモ
ノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどの
エステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフル
オロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤
などがある。
防止剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類お
よびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウ
ム、4級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニ
ウムなど)、炭酸(水素)カリウム、炭酸(水素)ナト
リウム、炭酸(水素)リチウムなどの炭酸塩類その他燐
酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿
素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハ
ネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビ
ウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレッ
トなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸および
その塩などがある。また、市販の酸化防止剤、紫外線吸
収剤なども用いることができる。その例としてはチバガ
イギーのTinuvin328、900、1130、3
84、292、123、144、622、770、29
2、Irgacor252、153、Irganox1
010、1076、1035、MD1024など、ある
いはランタニドの酸化物などがある。
アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸塩、ポリビニルピロリドン、アラビアゴムスターチ
などがある。
アルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロ
モニトロアルコール、オキサゾリジン系化合物および/
またはクロルキシレノールなどが挙げられ、金属イオン
捕獲剤はエチレンジアミン酢酸塩、防錆剤がジシクロヘ
キシルアンモニウムニトラート、ベンゾトリアゾールな
どが挙げられる。
中でオクチルイソチアゾロンを有効成分とするものが
(例えばNS−800H、NS800G、NS−800
P:以上ナガセ化成工業株式会社)市販されている。ク
ロルアルキルイソチアゾロンとしてはクロルイソメチル
チアゾロンを有効成分とするものが(例えばNS−50
0W、NS−80D、NS−CG、NS−TM、NS−
RS:以上ナガセ化成工業株式会社)市販されている。
ベンズイソチアゾロンを有効成分とするものが(例えば
プロキセルBDN、プロキセルBD20、プロキセルG
XL、プロキセルLV、プロキセルTN:以上ゼネカ
(英国)、デニサイドBIT、デニサイドNIPA:以
上ナガセ化成工業株式会社)市販されている。ブロモニ
トロアルコールを有効成分とするものが(例えばブロノ
ポール、ミアサイドBT、ミアサイドAS:以上ナガセ
化成工業株式会社)市販されている。クロルキシレノー
ルを有効成分とするものが(例えばPCMX:ナガセ化
成工業株式会社)市販されている。また、オキサゾリジ
ン系化合物やこれらの成分の混合物あるいは変性物を有
効成分とするものが用途に応じて(例えばNS−BP、
デニサイドBIT−20N、デニサイドSPB、サニセ
ットHP、マイクロスタットS520、サニセットSK
2、デニサイドNS−100、デニサイドBF−1、デ
ニサイドC3H、サニセット161、デニサイドCS
A、デニサイドCST、デニサイドC3、デニサイドO
MP、デニサイドXR−6、デニサイドNM、モルデナ
イズN760、デニサットP4、デニサットP−8、デ
ニサットCHR:以上ナガセ化成工業株式会社)市販さ
れている。この中でも水性インクにおいてはオキサゾリ
ジン系化合物を有効成分とするもの、クロルイソメチル
チアゾロンを有効成分とするものおよびベンズイソチア
ゾロンを有効成分とするものが効果が高い。また、これ
ら防腐剤は単独成分ではなく、構造があまり似通ってい
ない2種以上用いた複合成分の方が耐性菌の抑制ができ
るので好ましい。
ジアミン二酢酸遊離酸、エチレンジアミン四酢酸遊離
酸、2ナトリウム塩、3ナトリウム塩、4ナトリウム塩
があるが、2ナトリウム塩、3ナトリウム塩および4ナ
トリウム塩好ましい。水性インクにおいてはエチレンジ
アミン二酢酸遊離酸の他に、エチレンジアミン四酢酸塩
として、リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ト
リエタノールアミン塩なども有効である。このエチレン
ジアミン酢酸塩はインクのカートリッジやヘッド中のイ
ンク経路に金属イオンが存在し、それによって分子発色
体の分散体や高分子微粒子が凝集や変質しないようにす
る効果がある。
ウムニトラート、ベンゾトリアゾールが有効である。こ
の防錆剤ヘッド材料が金属で形成されているときの防錆
剤であり、特にノズルの前面が錆びるとインクの飛びが
悪くなるのでメッキ面など錆び易い場合に有効である。
説明する。
たは無機顔料を用いる場合について述べる。実施例、お
よび比較例における顔料1はカーボンブラック顔料、顔
料2はフタロシアニン顔料、顔料3はジメチルキナクリ
ドン顔料、顔料4はジケトピロロピロール顔料を用い
た。しかし、これらに限定されず多くの有機、無機顔料
を用いることができる。<>中にそれぞれの平均粒径を
nm(ナノメートル)単位で示す。
カーボンブラックであるモナーク880(キャボット
製)を用いる。攪拌機、温度計、還流管および滴下ロー
トをそなえた反応容器を窒素置換した後、スチレン20
部、2−エチルヘキシルメタクリレート5部、ブチルメ
タクリレート15部、ラウリルメタクリレート10部、
ウレタンアクリレートオリゴマー(CN−972日本化
薬株式会社製)5部、アクリル酸2部、t―ドデシルメ
ルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱し、別に用意
したスチレン150部、アクリル酸15部、ブチルメタ
クリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メ
チルエチルケトン20部およびアゾビスイソブチロニト
リル3部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に
滴下しながら分散ポリマーを重合反応させる。次に、反
応容器にメチルエチルケトンを添加して40%濃度の分
散ポリマー溶液を作成する。
ラックであるモナーク880(キャボット社製)30
部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100
部、メチルエチルケトン30部を混合し、ホモジナイザ
ーで30分攪拌する。その後、イオン交換水を300部
添加して、さらに1時間攪拌する。そして、ロータリー
エバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水
の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウ
ムで中和してpH9に調整してから0.3μmのメンブ
レンフィルターでろ過して固形分(分散ポリマーとカー
ボンブラック)が20%の分散体5とする。
分散体1はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニ
ン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体3はピグメ
ントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリ
アント製)を用いる。分散体4はピグメントイエロー1
80(ジケトピロロピロール:クラリアント製)を用い
る。
置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、
イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気
70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加し
ておく。イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを
0.05部、グリシドキシアクリレート4部、スチレン
5部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ウレ
タンアクリレートオリゴマー(CN−972日本化薬株
式会社製)15部、ブチルメタクリレート5部およびt
−ドデシルメルカプタン0.02を入れたモノマー溶液
を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作成する。
その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を
添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル
硫酸カリ0.2部、スチレン30部、ブチルメタクリレ
ート25部、ブチルアクリレート6部、アクリル酸2
部、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート1部、
t−ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を7
0℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化
ナトリウムで中和しpH8〜8.5にして0.3μmの
フィルターでろ過した高分子微粒子30%水溶液を作成
してエマルジョンAとした。
性インクの具体例としてのインクジェット記録用インク
に好適な組成の例を示す。分散体の添加量はその量(固
形分濃度:顔料と分散ポリマーの合計量)を重量で換算
したものとして示す。<>は顔料の粒径をnm単位で示
す。尚、本実施例中の残量の水と示す中にはインクの腐
食防止のためプロキセルXL−2(ゼネカ(英国)社
製)を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防
止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク系中
の金属イオンの影響を低減するためにEDTA・2Na
塩を0.04%それぞれイオン交換水に添加したものを
用いた。
テル オルフィンE1010(アセチレングリコール系界面活
性剤:日信化学工業株式会社製)
ル サーフィノール465(アセチレングリコール系界面活
性剤:エアープロダクツ(米国)製)
剤:日信化学工業株式会社製)
剤:エアープロダクツ(米国)製)
テル
製薬株式会社製) 分散剤はソルスパース27000(アビシア製)を用い
てビーズミルミニゼータ(アジサワ株式会社製)により
2時間分散処理を行なって作成した。
ル
式会社製)
文字を印字したときのにじみの評価結果を示す。表1中
Aは極めてよい、Bはよい、Cは悪い、Dは極めて悪い
ということを示す。
いるようなインクは印字品質が悪く、本発明で用いるイ
ンクジェット記録用インクを用いると印字品質が良好な
ことが分かる。
プソン株式会社製のインクジェットプリンターPM−9
00Cを用いることによって行なった。これらの評価に
用いた紙は、ヨーロッパ、アメリカおよび日本の市販さ
れている普通の紙でConqueror紙、Favor
it紙、Modo Copy紙、Rapid Copy
紙、EPSON EPP紙、Xerox 4024紙、
Xerox 10紙、Neenha Bond紙、Ri
copy 6200紙、やまゆり紙、Xerox R紙
である。
の紙等の被記録体に対するにじみが低減される高品質で
実用性の高いインクジェット記録用インクを提供するこ
とができる。
た、実施例1〜8のインクをガラス製のサンプル瓶に入
れ密栓後、それぞれ60℃/1週間で放置し、放置前後
でのインクの発生異物、物性値(粘度、表面張力)につ
いて調べた。
性値の変化が殆ど無く、良好な保存安定性であった。
顔料に変えて同様に実験を行なったところ表面張力の変
化は少なかったが、異物が発生して濾過性が低下し、増
粘現象が生じ、吐出の安定性は得られなかった。
EとE1010の代りに本発明でよいとする他の添加剤
(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアル
コール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ジ(ト
リ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プ
ロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−
アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物
質)を用いて作成したインクと比較例1で示すインクに
本発明でよいとする添加剤(アセチレングリコール系界
面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコ
ン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブ
チルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチル
エーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ば
れた1種以上からなる物質)を添加した場合について
(表2の実施例9〜18)、同様に60℃/1週間で放
置し、放置後のインクの発生異物、物性値(粘度、表面
張力)および吐出安定性について調べた結果を表2に示
す。異物発生量は60℃放置後の異物量/初期の異物
量、粘度は60℃放置後の粘度/初期の粘度、表面張力
は60℃放置後表面張力/初期の表面張力の値を示し、
吐出安定性はセイコーエプソン株式会社製のインクジェ
ットプリンターEM−900Cを用いて、A4版Xer
ox P紙に100ページ連続印字して全く印字乱れな
ど生じないものをA、10個所未満印字乱れのあるもの
をB、10個所以上100個所未満印字乱れのあるもの
をC、100個所以上印字乱れのあるものをDとする。
明になる分散体を用いたインクジェット記録用インクは
良好な印字品質であり、吐出安定性、保存性安定性に優
れるインクジェット記録用インクになることがわかる。
また、実施例2〜8についても同様に添加剤を変えて試
験を行なったところ、ほぼ同様な結果がえられた。
ンクと実施例1〜8のインクに用いた高分子微粒子中の
ウレタン基のない重合を行なって添加した比較例におい
て定着性の関係をもとめた結果を表3に示す。
4紙)と専用紙(PM写真用紙)を用いて印刷面とその
裏面を300gの荷重で重ね合わせで1m/sの速度で
移動させたときのインクの剥がれ具合を観察する方法に
よる。印刷直後、1分後、5分後、10分後および1時
間後の結果を示す。表3中Aは全く剥がれがないもの、
Bはわずかにはがれがあるもの、Cは剥がれがあり裏面
に移るもの、Dはかなり剥がれがあり裏面に移るもので
ある。
において10分後には剥がれがなく良好な定着性がある
ことが分かる。
施例1〜8におけるマイクロカプセル(顔料分散体)の
ゼータ電位、高分子微粒子のゼータ電位およびマイクロ
カプセルと高分子微粒子の混合状態でのゼータ電位と、
各インクを60℃7日放置したときの異物の発生状態
を、ゼータ電位絶対値の低い顔料分散体および高分子微
粒子とのゼータ電位の差が大きい分散体を比較例として
示す。表5の異物の評価は初期の異物量と60℃7日放
置したときの異物量の比の値として示す。表5において
ゼータ電位の測定はマルバーン社(英国)のゼータサイ
ザー3000HSを用いてpH4から11までpH依存
性を測定した。そして、粒子が安定して存在できるpH
9の値を示す。
水性インクは保存安定性が優れ、ゼータ電位の絶対値が
低い場合と高分子微粒子とのゼータ電位の差が大きいと
異物が発生しやすいことが分かる。
と考えるべきではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り
種々の変更は可能である。
にじみが少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色
に加えて定着性を有する水性インクであり、インクジェ
ット記録にあってはさらに吐出安定性が優れるという効
果を有する。
Claims (25)
- 【請求項1】 分子発色体をポリマーで水に分散した分
散体および高分子微粒子を添加してなる水性インクであ
り、該高分子微粒子がカルボン酸塩であり、該分子中に
カルボキシル基と、少なくともウレタン基とを有するこ
とを特徴とする水性インク。 - 【請求項2】 前記分散体と前記高分子微粒子との混合
状態でのゼータ電位の絶対値が30ミリボルト以上であ
ることを特徴とする請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項3】 前記分散体および前記高分子微粒子のゼ
ータ電位の絶対値がそれぞれ独立して30ミリボルト以
上であり、該分散体のゼータ電位の値と該高分子微粒子
のゼータ電位の値との差が±10ミリボルト以下である
請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項4】 前記分子発色体が有機顔料または無機顔
料であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
の水性インク。 - 【請求項5】 前記高分子微粒子のイオンの極性が前記
分散体と同一である請求項1〜4の何れかに記載水性イ
ンク。 - 【請求項6】 前記高分子微粒子に含まれるウレタン基
以外の極性基を含んでなり、該極性基がヒドロキシル
基、アミノ基、アミド基、フラン基、チオフェン基、ピ
ロリドン基、イミダゾール基、イミダゾリジノン基、ラ
クトン基、ラクタム基、カーボネート基、エポキシ基、
尿素基、アロハネート基、ビウレット基、およびイソシ
アヌレート基から選ばれた1種以上であり、該高分子微
粒子の1重量%であることを特徴とする請求項1〜5の
何れかに記載の水性インク。 - 【請求項7】 前記高分子微粒子がテトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、イソシアヌル酸変性(メタ)アクリレート、フタル
酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレートおよびそれらの誘導体から選ばれた1種以
上であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載
の水性インク。 - 【請求項8】 前記分散体に含有される分子発色体の重
量と前記高分子微粒子の重量の比が1:10〜10:1
であることを特徴とする請求項1〜7いずれかにに記載
の水性インク。 - 【請求項9】 前記水性インクに少なくとも界面活性剤
を添加してなることを特徴とする請求項1〜8いずれか
に記載の水性インク。 - 【請求項10】 前記界面活性剤がアセチレンアルコー
ル系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤お
よびシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上である
ことを特徴とする請求項9に記載の水性インク。 - 【請求項11】 前記水性インクに少なくともアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテルおよび/または1,
2−アルキレングリコールを添加してなることを特徴と
する請求項1〜8いずれかに記載の水性インク。 - 【請求項12】 前記アルキレングリコールモノアルキ
ルエーテルが繰り返し単位10以下のアルキレングリコ
ールであって、且つ炭素数4〜10のアルキルエーテル
であることを特徴とする請求項11に記載の水性イン
ク。 - 【請求項13】 前記アルキレングリコールモノアルキ
ルエーテルがジ(トリ)エチレングリコールモノブチル
エ−テルおよび/または(ジ)プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルであることを特徴とする請求項11ま
たは12に記載の水性インク。 - 【請求項14】 前記1,2−アルキレングリコールが
1,2−ヘキサンジオールおよび/または1,2−ペン
タンジオールであることを特徴とする請求項11に記載
の水性インク。 - 【請求項15】 前記ジ(トリ)エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブ
チルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから
選ばれた1種以上からなる物質を含むインクであって、
該物質の添加量が0.5重量%以上30重量%以下であ
ることを特徴とする請求項11〜14いずれかに記載の
水性インク。 - 【請求項16】 前記アセチレングリコール系界面活性
剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の物質の添加量が
0.1重量%以上5重量%以下であることを特徴とする
請求項10に記載の水性インク。 - 【請求項17】 少なくとも前記アセチレングリコール
系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およ
びシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上と、ジ
(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、
(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび
1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上
と、を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
記載の水性インク。 - 【請求項18】 前記アセチレングリコール系界面活性
剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.01
%〜0.5重量%であり、ジ(トリ)エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモ
ノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコール
から選ばれた1種以上の添加量が1重量%以上であるこ
とを特徴とする請求項17に記載の水性インク。 - 【請求項19】 前記顔料を分散するポリマーが、ポリ
アクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、
ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選
ばれた1種以上であることを特徴とする請求項4に記載
の水性インク。 - 【請求項20】 前記1,2−アルキレングリコールの
添加量が10重量%以下であることを特徴とする請求項
11、14、15、17の何れかに記載の水性インク。 - 【請求項21】 前記アセチレングリコール系界面活性
剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.5重
量%以上であり前記1,2−アルキレングリコールとの
添加量の重量比が1:0〜1:50であることを特徴と
する請求項10または16に記載の水性インク。 - 【請求項22】 前記(ジ)プロピレングリコールモノ
ブチルエーテルを10重量%以下含むことを特徴とする
請求項12、15、17、18の何れか一項に記載の水
性インク。 - 【請求項23】 前記アセチレンアルコール系界面活性
剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびシリコン
系界面活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.5重
量%以上であり、(ジ)プロピレングリコールモノブチ
ルエーテルの比が1:0〜1:10であることを特徴と
する請求項13、15、17、18に記載の水性イン
ク。 - 【請求項24】 前記ジ(トリ)エチレングリコールモ
ノブチルエーテルを20重量%以下含むことを特徴とす
る請求項13、15、17、18の何れか一項に記載の
水性インク。 - 【請求項25】 前記高分子微粒子の粒径が50〜50
0nmであり、添加量が0.1〜20重量%であること
を特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の水性イン
ク。
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