JP3945214B2 - 分散体およびそれを用いた水性インク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は普通紙、再生紙あるいはコート紙に対して高い印字品質が得られ、且つ保存安定性に優れる水性インクに好適な分散体およびそれを用いた水性インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の分散体は水に分散させる手段として特開平01−301760号公報にあるように界面活性剤を用いる方法、または特公平5−064724号にあるように疎水部と親水部を有する分散ポリマーを用いて分散されていた。また、着色材の表面を高分子で被覆する方法としては、インクジェットプリンター用インクとして、特開昭62−95366号公報にあるように、染料インクを内包したマイクロカプセルを用いる方法、特開平1−170672号公報にあるように、水に不溶な溶媒に色素を溶解または分散させこれを界面活性剤を用いて水中で乳化したマイクロカプセル化した色素を用いる方法、特開平5−39447号公報にあるように、水、水溶性溶媒並びにポリエステルの少なくとも1種に昇華性分散染料を溶解または分散させた内包物をマイクロカプセルで記録液に使用する方法、特開平6−313141号公報では着色された乳化重合粒子と水性材料からなるインキ組成物、特開平10−140065号公報では転相乳化反応や酸析法による方法が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の分散体は不安定であり、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、吸脱着が起こりやすくなるという課題がある。通常の水性インクは紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要である。これらの物質を用いない従来のインクでは紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
【0004】
さらに、特に、従来の分散体に本発明で用いるような添加剤(アセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質)を用いると長期の保存安定性が得られず、インクの再溶解性が悪く、インクが乾燥して詰まり易くなるという課題を有していた。
【0005】
また、このような分散剤により分散された顔料は分散剤の残存物がインク系中に残ったり、分散剤が十分に顔料分散に寄与せず顔料から脱離して粘度が高いものになってしまうという課題があった。粘度が高くなると顔料等の色材の添加量が制限されて、特に普通紙において十分な画質が得られない。
【0006】
そこで本発明はこのような課題を解決するもので、その目的とするところは普通紙上ではにじみが少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色に加え、光沢性と定着性を有するインクを作成可能であり、インクジェット記録にあってはさらに吐出安定性が優れるインクを作成可能とする分散体およびそれを用いた水性インクを提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の分散体は分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程と、主に疎水性を有する物質で該反応性分散剤の二重結合部分から分子を延長する工程と、少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により該延長された分子をさらに延長する工程により作成されることを特徴とする。また、本発明の水性インクはこの分散体を用いることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による分散体はそれ自体が保存安定性に優れ、その分散体を用いた水性インクは普通紙上ではにじみが少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色に加え、光沢性と定着性を有するインクを作成可能であり、インクジェット記録にあってはさらにインクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れることなどの特性が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果によるものである。
【0009】
本発明になる分散体は分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程と、主に疎水性を有する物質で分子を延長する工程と、さらに少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により延長する工程により作成されることを特徴とする。
【0010】
ここで、本発明において分子発色体とは、いわゆる有色の分子を有する物質をいい、着色剤、色材、顔料、および染料を含めたものをいう。
【0011】
そして、前述の分子発色体としては有機顔料または無機顔料を好適に用いることができる。例えば、黒色インク用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、
C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、
等が使用できる。
【0012】
水性インクをインクジェットに用いる場合これらの顔料としての添加量は、0.5〜30%(以下、単に%と記載したものは重量%を表す)が好ましいが、さらには1.0〜12%が好ましい。これ以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、またこれ以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
【0013】
また、顔料の粒経は25μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下の粒子からなる顔料を、さらに好ましくは0.01〜0.15μmの粒子からなることが好ましい。
【0014】
また、前述の反応性分散剤が少なくとも疎水基、親水基およびビニル基を有するものを用いることが好ましい。本発明で用いることのできる反応性界面活性剤モノマーとしては多くの市販品を用いることができ、その具体例として第一工業薬品株式会社のアクアロンHSシリーズ(アクアロンHS−05、HS−10,HS−20、HS−1025)、アクアロンRNシリーズ(RN−10、RN−20、RN−30、RN−50,RN−2025)、ニューフロンティアシリーズ(ニューフロンティアN−177E,S−510)、旭電化株式会社のアデカリアソープSEシリーズ(SE−10N、SE−1025A、SE−1025N)、アデカリアソープNEシリーズ(NE−10,NE−20、NE−30、NE−40)などが挙げられる。また、上記反応性界面活性剤モノマーと反応させるモノマーはアクリロニトリル、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレート類、アクリル酸類、アリル化合物類でもよい。
【0015】
また、分散方法は超音波分散、ビーズミル、サンドミル、ロールミルなどによる方法などの分散方法を用いてもよい。
【0016】
さらに、前述の疎水性を有する物質の疎水基が少なくともアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれた1種以上であることが好ましい。そして、前述の親水性官能基を有する物質の親水基が少なくともカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびそれらの塩基であることが好ましい。それらの具体例として2重結合を有するアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基あるいはアリル基を有するモノマーやオリゴマー類を用いることができる。例えばスチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ブチルメタクリレート、(α、2、3または4)−アルキルスチレン、(α、2、3または4)−アルコキシスチレン、3、4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N、N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のジエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素、含塩素、含珪素(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、8−オクタンジオールおよび1、10−デカンジオール等の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等アクリル基やメタクリル基を有する化合物を用いることができる。
【0017】
また、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とするようにこれらのポリマーを添加しながら作成することもできる。
【0018】
重合開始剤は過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムの他に、過硫酸水素、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシドなどラジカル重合に用いられる一般的な開始剤を用いることができるが本発明の好ましい態様においては、水溶性の重合開始剤が好ましく用いられる。
【0019】
本発明における、乳化重合では連鎖移動剤を用いることもできるが用いないこともできる。用いる場合は例えば、t−ドデシルメルカプタンの他にn−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、キサントゲン類であるジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソブチルキサントゲンジスルフィド、あるいはジペンテン、インデン、1、4−シクロヘキサジエン、ジヒドロフラン、キサンテンなどが挙げられる。
【0020】
そして、前述の分散体を用いることによって、安定性の優れたインクジェット記録用インクとすることができる。さらに前述の分散体を筆記具用インクにも好適に用いることができる。
【0021】
そして、さらに上述のインクジェット記録用インクや筆記具用インクに少なくとも界面活性剤を添加してなることが好ましい。そして、前述の界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれた1種以上であることが好ましい。
【0022】
また、前述のインクジェットインクまたは前述の筆記具用インクに少なくともアルキレングリコールモノアルキルエーテルおよび/または1、2−アルキレングリコールを添加してなることが好ましい。
そして、前述のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが繰り返し単位10以下のアルキレングリコールであって、炭素数4〜10のアルキルエーテルであることが好ましい。その繰り返し単位10以下のアルキレングリコールであって、炭素数4〜10のアルキルエーテルがジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエ−テルおよび/または(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルであることが好ましい。さらに、前述の1、2−アルキレングリコールが1、2−ヘキサンジオールおよび/または1、2−ペンタンジオールであることが好ましい。
【0023】
また、前述のジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールからなる群から選ばれた1種以上からなる物質の添加量が0.5%以上30%以下であることが好ましい。0.5%未満では浸透性の効果が低く印字品質が向上しない。30%を超えると粘度上昇により使いづらくなり、それ以上添加しても印字品質向上の効果がない。より好ましくは1%以上15%以下である。
【0024】
前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれた1種以上を0.1%以上5%以下含むことが好ましい。5%を超えると印字品質の効果が頭打ちであり、添加しても粘度が上昇して使いづらくなり、ヘッドの先端にインクが付着しやすくなり、印字が乱れやすくなる。0.1%未満では印字品質向上の効果が低くなる。より好ましい添加量は0.15〜2%である。
【0025】
そして、少なくとも前述のアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤と、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上と、を同時に添加することが好ましい。アセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤とジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上は同時に用いた方が印字品質が向上する。
【0026】
そして、前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれた1種以上の添加量が0.01〜0.5%であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上の添加量が1%以上であることが好ましい。アセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤は少量で浸透性を向上させる効果がある。従って、添加量は0.5%以下であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上の添加量は1%以上であることで印字品質がさらに向上する。
【0027】
また、前述の顔料を包含するポリマーが、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とすることが好ましい。本発明で用いるアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質は通常の分散剤分散に用いる分散剤と吸脱着反応を起こすため、脱離した分散剤がインク中に浮遊し、それが原因で印字が乱れるという現象を生じやすい。しかし、上記のポリマーを用いて好適な分散を行なうことでポリマーが安定に着色剤を包含しているので吸脱着を起こしにくいので好ましい。
【0028】
さらに、前述の顔料をポリマーで包含した着色剤が少なくとも重合性基を有する分散剤と共重合性モノマーとの共重合体で該顔料を包含したものであることが好ましい。ここで、重合性基を有する分散剤とは少なくとも疎水基、親水基および重合性基を有するもので、重合性基はアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基あるいはビニル基などであり、共重合性基も同じくクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基あるいはビニル基などになる。インクジェット記録用インクとしては粒径が比較的そろっていた方が目詰まりや吐出の安定性の観点から好ましいので、顔料をポリマーで包含した着色剤は、乳化重合によって製造されることが好ましい。また、ポリマーが、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分として好適な分散剤による好適な分散がなされるので、堅固なポリマーになり、本発明でよいとするアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤、グリコールエーテル類および/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質の添加によっても変形せず、しかも均一な粒径を得やすくなる。
【0029】
前述の顔料をポリマーで包含した着色剤は、重合性基を有する分散剤で該顔料を分散させた後、該分散剤と共重合可能なモノマーと重合開始剤を用いて水中で乳化重合されたものであることが好ましい。
【0030】
前述の1,2−アルキレングリコールが炭素数4〜10の1,2−アルキレングリコールであり、添加量が10%以下であることが好ましい。10%を超えると粘度上昇によりインクジェット用としては使いづらくなり、それ以上添加しても印字品質向上の効果がない。しかし、筆記具用としてはこれに限定されない。より好ましくは1%以上8%以下である。
【0031】
前述の1,2−アルキレングリコールが1,2−ペンタンジオールおよび/または1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする。1,2−ペンタンジオールの添加量は3〜15%が好ましい。3%未満のものは浸透性の向上の効果が低く、そのためにじみの発生が多い。炭素数が15%を超えると水溶性が低いので本発明のような水溶性インクには使用しづらい。1,2−ヘキサンジオールは0.5〜10%が好ましい。0.5%未満のものは浸透性の向上の効果が低く、炭素数が10を超えると水溶性が低いので本発明のような水溶性インクには使用しづらい。前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれた1種以上の添加量が0.5%以上のときはその1,2−アルキレングリコールとの比が1:0.01〜1:50の間が印字品質の観点から好ましく、1,2−アルキレングリコールがアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の50倍を超えると印字品質の向上効果が頭打ちでありそれ以上添加しても効果が低く、逆に粘度上昇の弊害を生じる。
【0032】
前述のアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の添加量が0.5%以上であり前記1,2−アルキレングリコールとの添加量の比(以下単に比と示すものは添加量の重量比を示す)が1:0.01〜1:50であることが好ましい。そして、前述の(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルを10%以下含むことが好ましい。10%を超えると印字品質向上の効果が頭打ちであり、逆に粘度上昇の弊害と水溶性が低いので溶解助剤の添加が必要になってくる。より好ましくは0.5〜5%である。
【0033】
前述のアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれた1種以上と(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルの比が1:0〜1:50であることが好ましい。(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルがアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の50倍を超えると印字品質の向上効果が頭打ちでありそれ以上添加しても効果が低く、逆に粘度上昇の弊害を生じる。
【0034】
前述のジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルを20%以下含むことが好ましい。20%を超えると粘度上昇により使いづらくなり、それ以上添加しても印字品質向上の効果がない。より好ましくは1%以上15%以下である。ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルとはジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGmBE)および/またはトリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)を示すが、印字品質改良のための浸透性の必要レベルとして、20%以下の添加が好ましい。20%を超えると印字品質向上の効果が頭打ちであり、逆に粘度上昇の弊害が生じる。より好ましくは0.5〜10%である。
【0035】
前述のアセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の添加量が0.5%以上であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルとの比が1:0.01〜1:50であることが好ましい。アセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコール系界面活性剤の50倍まで添加することが印字品質の観点から好ましい。ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルはアセチレングリコール系の界面活性剤の溶解性を向上させることと印字品質の向上に役立つが、50倍を超える添加量ではそれらの効果が頭打ちになるのでインクジェット用としては使用しにくくなる。
【0036】
本発明におけるインクジェット記録用インクは、その放置安定性の確保、インク吐出ヘッドからの安定吐出達成等の目的で保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤、腐食防止剤、分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート等種々の添加剤を添加する場合がある。
【0037】
以下、それらを例示する。
【0038】
インクジェットのノズル面や筆記具のペン先で乾燥を抑えるために水溶性のあるグリコール類を添加することが好ましく、その例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどがある。
【0039】
また、本発明においてはノズル前面でインクが乾燥して詰まることを抑制するために、多くの種類の糖類を用いることもできる。単糖類および多糖類があり、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。そしてその添加量は0.05%以上で30%以下がよい。0.05%未満ではインクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰まり現象を回復させる効果は少なく、30%を超えるとインクの粘度が上昇して適切な印字ができなくなる。一般的な糖類である単糖類および多糖類のグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等のより好ましい添加量は3〜20%である。アルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類はインクにしたときの粘度が高くなり過ぎない程度の添加量にする必要がある。
【0040】
その他に水と相溶性を有し、インクに含まれる水との溶解性の低いグリコールエーテル類やインク成分の溶解性を向上させ、さらに被記録体たとえば紙に対する浸透性を向上させ、あるいはノズルやペン先の目詰まりを防止するために用いることのできるものとして、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどがあり、これらを適宜選択して使用することができる。
【0041】
また、本発明になるインクにはさらに紙や特殊紙等の媒体への浸透性を制御するため、他の界面活性剤を添加することも可能である。添加する界面活性剤は本実施例に示すインク系との相溶性のよい界面活性剤が好ましく、界面活性剤のなかでも浸透性が高く安定なものがよい。その例としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などがあげられる。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などがある。
【0042】
また、pH調整剤、溶解助剤あるいは酸化防止剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸(水素)カリウム、炭酸(水素)ナトリウム、炭酸(水素)リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩などがある。また、市販の酸化防止剤、紫外線吸収剤なども用いることができる。その例としてはチバガイギーのTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物などがある。
【0043】
さらに、粘度調整剤としては、ロジン類、アルギン酸類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、アラビアゴムスターチなどがある。
【0044】
(実施例)
次に具体的な実施の形態について説明する。
【0045】
本発明において示す分子発色体の例として有機または無機顔料を用いる場合について述べる。実施例、および比較例における顔料1は無機顔料であるカーボンブラック顔料、顔料2は有機顔料であるフタロシアニン顔料、顔料3は有機顔料であるジメチルキナクリドン顔料、顔料4は有機顔料であるジケトピロロピロール顔料を用いた。しかし、これらに限定されず多くの有機、無機顔料を用いることができる。<>中にそれぞれの平均粒径をnm(ナノメートル)単位で示す。
【0046】
本発明においては、顔料を反応性分散剤で分散したあと、水中で触媒の存在下で乳化重合を行なうことによって得ることができる。
【0047】
(分散体1〜4の製造)
まず、分散体1としてはカーボンブラックであるラーベンC(コロンビアンカーボン株式会社製)を用いる。分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程は以下のようになる。超音波発生機、攪拌機、滴下装置、水冷式還流コンデンサー、および温度調整器を備えた反応容器にラーベンC(コロンビアンカーボン株式会社製)25部(以下単に部と示すものは重量部を示す)と、重合性界面活性剤である旭電化株式会社製のアデカリアソープSE−10Nを5部とをイオン交換水180部中に加えて超音波を4時間かけて分散処理を行なう。
【0048】
次に、主に疎水性を有する物質で分子を延長する工程は以下のようになる。スチレン5部とα-メチルスチレン1.6部と、アゾビスイソブチロニトリル0.05部とのメチルエチルケトン溶液をさらに加えて60℃で8時間重合反応を行なう。得られた溶液を遠心ろ過してポリマーで包含された顔料を取り出し、さらに0.4μmのメンブレンイルターで濾過して粗大粒子を除去する。このポリマーで包含された顔料溶液をホモジナイザーでほぐして再分散させる。
【0049】
次に、少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により上記延長された分子をさらに延長する工程は以下のようになる。反応容器に前述の顔料をメチルエチルケトン溶液を、さらにイオン交換水27部とラウリル硫酸ナトリウム0.05部を添加し、イオン交換水100部と重合開始剤として過流酸カリウムを0.5部入れ、窒素雰囲気70℃を保持する。次いで、スチレン5部、テトラヒドロフルフリルメタクリレート1部、ブチルメタクリレート15部、トリエチレングリコールメタクリレート5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れた混合溶液を、滴下し反応させた後に、ロータリーエバポレーターでメチルエチルケトンと水の一部を留去して、水酸化ナトリウムで中和してpH8.5に調整してから0.3μmのフィルターでろ過して分散体1とする。
【0050】
上記と同様な手法で分散体2〜4を得る。分散体2はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体3はピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体4はピグメントイエロー180(ジケトピロロピロール:クラリアント製)を用いる。
【0051】
(分散体5〜8の製造)
まず、分散体5はカーボンブラックであるモナーク880(キャボット製)を用いる。分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程は以下のようになる。モナーク880を50部とアデカリアソープSE−10Nを3部、水50部の混合物を3本ロールミルで混練して、その混練物100部をイオン交換水150部中に加えて、ビーズミルミニゼータ(アジサワ株式会社製)により2時間分散処理を行ないカーボンブラックの水分散体を得る。
【0052】
次に、主に疎水性を有する物質で分子を延長する工程は以下のようになる。上記カーボンブラックの水分散体を、攪拌機、滴下装置、水冷式還流コンデンサー、および温度調整器を備えた反応容器に入れ攪拌し、スチレン20部とジプロピレングリコールメタクリレート2.5部と、過硫酸カリウム0.05部とをさらに加えて70℃で48時間重合反応を行なう。得られた溶液を0.4μmのメンブレンフィルターで濾過して粗大粒子を除去する。
【0053】
次に、少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により上記延長された分子をさらに延長する工程は以下のようになる。反応容器にさらにイオン交換水37部とラウリル硫酸ナトリウム0.05部を添加し、イオン交換水100部と重合開始剤として過流酸カリウムを0.5部入れ、窒素雰囲気70℃を保持する。次いで、スチレン5部、ブチルメタクリレート15部、メタクリル酸1.5部およびt−ドデシルメルカプタン0.02部を入れた混合溶液を、滴下し反応させた後に、水酸化ナトリウムで中和してpH8に調整してから0.3μmのフィルターでろ過して分散体5とする。
【0054】
上記と同様な手法で分散体6〜8を得る。分散体6はピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体7はピグメントレッド122(ジメチルキナクリドン顔料:クラリアント製)を用いる。分散体8はピグメントイエロー180(ジケトピロロピロール:クラリアント製)を用いる。
【0055】
(インクジェットインクの調製例)
以下具体的に、本発明によるインクジェット記録用インクに好適な組成の例を示す。分散体の添加量はその量(固形分濃度:顔料とそれを取り巻く分散ポリマーの合計量)を重量で換算したものとして示す。()は用いた顔料、<>は顔料の粒径をnm単位で示す。尚、本実施例中の残量の水と示す中にはインクの腐食防止のためプロキセルXL−2を0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールを0.02%、インク系中の金属イオンの影響を低減するためにEDTAを0.04%をそれぞれイオン交換水に添加したものを用いた。
【0056】
実施例1 添加量(%)
分散体1<105> 7.5
DEGmBE 5.0
オルフィンE1010 1.0
グリセリン 9.0
1,5−ペンタンジオール 5.0
トリエタノールアミン 0.8
水 残量
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
オルフィンE1010(アセチレングリコール系界面活性剤:日信化学工業株式会社製)
実施例2
分散体2<85> 4.5
TEGmBE 10.0
ジプロピレングリコール 5.0
サーフィノール465 1.2
トリエタノールアミン 0.9
水 残量
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
サーフィノール465(アセチレングリコール系界面活性剤:エアープロダクツ(米国)製)
実施例3
分散体3<90> 8.5
1,2−ヘキサンジール 10.0
オルフィンSTG 0.5
ジエチレングリコール 7.0
チオジグリコール 3.5
1,6−ヘキサンジオール 5.0
トリエタノールアミン 1.0
水酸化カリウム 0.1
水 残量
オルフィンSTG(アセチレングリコール系界面活性剤:日信化学工業株式会社製)
実施例4
分散体4<80> 10.0
TEGmBE 3.0
1,2−ペンタンジオール 5.0
サーフィノール61 0.5
テトラチレングリコール 9.0
1,5−ペンタンジオール 2.0
ジメチル−2−イミダゾリジノン 2.0
安息香酸ナトリウム 0.1
トリエタノールアミン 0.7
水 残量
サーフィノール61(アセチレンアルコール系界面活性剤:エアープロダクツ(米国)製)
実施例5
分散体5 8.0
DPGmB 2.0
DEGmBE 7.0
グリセリン 14.0
トリエタノールアミン 0.9
水 残量
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
実施例6
剤分散体6 10.0
オルフィンE1010 1.0
TEGmBE 6.0
グリセリン 15.0
チオジグリコール 2.0
1、5−ペンタンジオール 1.0
トリエタノールアミン 0.9
水 残量
実施例7
分散体7 12.0
サーフィノール61 0.5
DEGmBE 8.0
グリセリン 15.0
トリメチロールプロパン 1.0
トリメチロールエタン 1.0
サーフィノール465 1.0
トリエタノールアミン 0.5
KOH 0.05
水 残量
実施例8
分散体8 10.5
オルフィンST 1.0
PGmBE 2.0
DEGmBE 10.0
グリセリン 7.0
ジエチレングリコール 5.0
テトラプロピレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 0.9
KOH 0.1
水 残量
PGmBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
比較例に用いたインクの組成を以下に示す。
【0057】
比較例1
顔料1 <105> 7.0
グリセリン 10.0
分散剤 3.0
非イオン系界面活性剤 1.0
イオン交換水 残量
非イオン系界面活性剤:ノイゲンEA160(第一工業製薬株式会社製)
分散剤はソルスパース27000(アビシア製)を用いてビーズミルミニゼータ(アジサワ株式会社製)により2時間分散処理を行なって作成した。
【0058】
比較例2
アシッドブルー9 6.5
DEGmME 7.0
ジエチレングリコール 10.0
2−ピロリドン 5.0
イオン交換水 残量
DEGmME:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
比較例3
ダイレクトブラック154 2.5
ジエチレングリコール 10.0
非イオン系界面活性剤 1.0
イオン交換水 残量
非イオン系界面活性剤:エパン450(第一工業製薬株式会社製)
【0059】
(保存安定性試験)
実施例1〜8のインクおよび実施例1において実施例1の顔料の代りに比較例1の顔料を用いたインク(比較例4)をガラス製のサンプル瓶に入れ密栓後、それぞれ60℃/1週間で放置し、放置前後でのインクの発生異物、物性値(粘度、表面張力)について調べた。その結果を表1に示す。異物試験は実施例1〜8のインク5gが直径1mmで孔径10μmの金属フィルターに残る量をカウントして、10μmの孔が埋まる数として定量する方法を用いる。異物発生試験は加熱試験後の異物量の数/初期の異物量の値を示す。粘度はローリングボール式粘度計(アントンパール製)AMVnを用いて60°で4回ずつ測定した値の平均値とした。表面張力は自動表面張力計(協和界面科学株式会社製)CBVP−A3を用いて測定した。粘度は加熱試験後の粘度/初期粘度の値、表面張力は加熱後の表面張力/初期表面張力の値を示す。
【0060】
【表1】
Figure 0003945214
【0061】
表1の結から結果から本発明になる実施例1〜8のいずれのインクも異物の発生、物性値の変化が殆ど無く、良好な保存安定性であった。しかし、比較例4では表面張力の変化は少なかったが、異物が発生して濾過性が低下し、増粘現象が生じ、吐出の安定性は得られなかった。
【0062】
(印字評価試験)
表2に印字の評価結果として文字を印字したときのにじみの評価結果を示す。
表2中Aは極めてよい、Bはよい、Cは悪い、Dは極めて悪いということを示す。
【0063】
【表2】
Figure 0003945214
【0064】
表2の結果から明らかなように比較例で用いるようなインクは印字品質が悪く、本発明で用いるインクジェット記録用インクを用いると印字品質が良好なことが分かる。
【0065】
尚、これらの印字評価の測定はセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンターPM−900Cを用いることによって行なった。これらの評価に用いた紙は、ヨーロッパ、アメリカおよび日本の市販されている普通の紙でConqueror紙、Favorit紙、Modo Copy紙、Rapid Copy紙、EPSON EPP紙、Xerox 4024紙、Xerox 10紙、Neenha Bond紙、Ricopy 6200紙、やまゆり紙、Xerox R紙である。
【0066】
以上のように、本発明においては印字画像の紙等の被記録体に対するにじみが低減される高品質で実用性の高いインクジェット記録用インクを提供することができる。
【0067】
(浸透剤変更による保存安定性試験)
実施例1の組成においてDEGmBEとE1010の替りに本発明でよいとする他の添加剤(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質)を用いて作成したインクと比較例1で示すインクに本発明でよいとする添加剤(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質)を添加した場合について(表2の実施例9〜18)、同様に60℃/1週間で放置し、放置後のインクの発生異物、物性値(粘度、表面張力)および吐出安定性について調べた結果を表3に示す。異物発生量は60℃放置後の異物量/初期の異物量、粘度は60℃放置後の粘度/初期の粘度、表面張力は60℃放置後表面張力/初期の表面張力の値を示し、吐出安定性はセイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンターPM−900Cを用いて、A4版Xerox P紙に100ページ連続印字して全く印字乱れなど生じないものをA、10個所未満印字乱れのあるものをB、10個所以上100個所未満印字乱れのあるものをC、100個所以上印字乱れのあるものをDとする。
【0068】
【表3】
Figure 0003945214
【0069】
表2と表3の結果からわかるように、本発明になる分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程と、主に疎水性を有する物質で分子を延長する工程と、さらに少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により延長する工程により作成されることを特徴とする分散体を用いたインクジェット記録用インクは良好な印字品質であり、吐出安定性、保存性安定性に優れるインクジェット記録用インクになることがわかる。また、実施例2〜8についても同様に添加剤を変えて試験を行なったところ、ほぼ同様な結果がえられた。
【0070】
すなわち従来のように一般的な分散剤で分散させた場合は本発明でよいとする添加剤(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび/または1,2−アルキレングリコールから選ばれた1種以上からなる物質)を用いることが難しく、そのため十分な印字品質が得られない。しかし、本発明になるような分散体を用いることで十分な発色性を有しながら保存安定性や吐出安定性が得られる水性インクになる。
【0071】
尚、本発明はこれらの実施例に限定されると考えるべきではなく、本発明の主旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は安定性があり、普通紙上ではにじみが少なく高発色であり、専用紙上では十分な発色に加え、インクジェット記録用インクにあってはさらに吐出安定性が優れるインクを作成可能とする分散体およびそれを用いた水性インクを提供するという効果を有する。

Claims (25)

  1. 分子発色体を反応性分散剤を用いて溶液に分散させる工程と、主に疎水性を有する物質で該反応性分散剤の二重結合部分から分子を延長する工程と、少なくとも1種以上の親水官能基を有する物質を含む物質群により該延長された分子をさらに延長する工程により作成されることを特徴とする分散体。
  2. 前記分子発色体が有機または無機顔料であることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
  3. 前記反応性分散剤が少なくとも疎水基、親水基およびビニル基を有することを特徴とする請求項1に記載の分散体。
  4. 前記疎水性を有する物質の疎水基が少なくともアルキル基、シクロアルキル基およびアリール基からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
  5. 前記親水性官能基を有する物質の親水基が少なくともカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、若しくはアミド基またはそれらの塩基であることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の分散体を少なくとも含むインクジェット記録用インクまたは筆記具用インク。
  7. さらに界面活性剤を含むことを特徴とする請求項6記載のインク。
  8. 前記界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7記載のインク。
  9. さらにアルキレングリコールモノアルキルエーテルおよび/または1、2−アルキレングリコールを含むことを特徴とする請求項6記載のインク。
  10. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルが、繰り返し単位10以下のアルキレングリコール、且つ炭素数3〜10のアルキルエーテルであることを特徴とする請求項9記載のインク。
  11. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルが、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエ−テルおよび/または(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルであることを特徴とする請求項9記載のインク。
  12. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルおよび/または1、2−アルキレングリコールの添加量が0.5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載のインク。
  13. 前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上を0.1重量%以上5重量%以下含むことを特徴とする請求項6記載のインク。
  14. 少なくとも前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上と、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールからなる群より選ばれた1種以上と、をともに含むことを特徴とする請求項6記載のインク。
  15. 前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の添加量が0.01〜0.5重量%であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルおよび1,2−アルキレングリコールからなる群より選ばれた1種以上の添加量が1重量%以上であることを特徴とする請求項14記載のインク。
  16. 前記1,2−アルキレングリコールが炭素数4〜10の1,2−アルキレングリコールであり、添加量が10重量%以下であることを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載のインク。
  17. 前記1,2−アルキレングリコールが1,2−ペンタンジオールまたは1,2−ヘキサンジオールであることを特徴とする請求項16記載のインク。
  18. 前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の添加量が0.5重量%以上であり、前記1,2−アルキレングリコールとの添加量の重量比が1:0.01〜1:50であることを特徴とする請求項6記載のインク。
  19. 前記(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルを10%以下含むことを特徴とする請求項11、14記載のインク。
  20. 前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上と(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルの重量比が1:0〜1:50であることを特徴とする請求項6記載のインク。
  21. 前記ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルを20重量%以下含むことを特徴とする請求項11、14に記載のインク。
  22. 前記アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤から選ばれた1種以上の添加量が0.5重量%以上であり、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルとの重量比が1:0.01〜1:50であることを特徴とする請求項6記載のインク。
  23. 前記顔料を包含するポリマーが、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマーからなる群から選ばれた1種以上を主成分とすることを特徴とする請求項6記載のインク。
  24. 前記顔料をポリマーで包含した着色剤が少なくとも重合性基を有する分散剤と共重合性モノマーとの共重合体で該顔料を包含したものであることを特徴とする請求項6記載のインク。
  25. 前記顔料をポリマーで包含した着色剤は、重合性基を有する分散剤で該顔料を分散させた後、該分散剤と共重合可能なモノマーと重合開始剤を用いて水中で乳化重合されたものであることを特徴とする請求項6記載のインク。
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