JPH10147705A - 水性ポリウレタン樹脂水性分散体および水性印刷インキ - Google Patents

水性ポリウレタン樹脂水性分散体および水性印刷インキ

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JPH10147705A
JPH10147705A JP30605096A JP30605096A JPH10147705A JP H10147705 A JPH10147705 A JP H10147705A JP 30605096 A JP30605096 A JP 30605096A JP 30605096 A JP30605096 A JP 30605096A JP H10147705 A JPH10147705 A JP H10147705A
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JP
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aqueous
polyurethane resin
water
organic solvent
printing ink
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JP30605096A
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Masato Ohashi
正人 大橋
Hideki Yasuda
秀樹 安田
Yoichi Hashimoto
陽一 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶液法で製造され高品質な、かつ低臭気性に優
れた水性ポリウレタン樹脂水性分散体、および印刷物に
臭気が残らない水性印刷インキの提供。 【解決手段】少なくとも1個のイオン性官能基と少なく
とも2個のイソシアネート基と反応性の基とを有する化
合物と有機ポリイソシアネートとをケトン系またはエス
テル系有機溶剤中で反応させて得られるイソシアネート
基含有プレポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られるポ
リウレタン樹脂溶液に、中和剤を含む水溶液を加えて水
溶化した後、ケトン系またはエステル系有機溶剤を水と
共に共沸除去して得られる、ケトン系またはエステル系
有機溶剤の含有量が2000ppm以下であることを特
徴とする水性ポリウレタン樹脂水性分散体、および該水
性ポリウレタン樹脂水性分散体をビヒクルとする水性印
刷インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケトン系またはエ
ステル系有機溶剤の含有量が少なく、低臭気性に優れた
水性ポリウレタン樹脂水性分散体およびそれをビヒクル
とする水性印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネー
トとポリオールを適宜選択することにより、硬くて強靱
な塗膜から、柔らかく且つ弾性のある塗膜まで自由な塗
膜設計ができることから、印刷インキ、塗料、接着剤等
幅広い分野で使用されている。一方、有機溶剤による大
気汚染等の公害、有機溶剤中毒等の労働安全衛生、更に
引火爆発等の危険といった問題を解決する一つの手段と
して印刷インキや塗料分野では水性化への転換が提案さ
れ、水性ポリウレタンの研究開発が盛んに行われてい
る。
【0003】水性ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方
法は従来より良く知られている。例えば、有機溶剤中で
鎖伸長を行ったポリウレタン樹脂溶液に水を加えて転相
乳化したのち有機溶剤を蒸留除去する溶液法、末端にイ
ソシアネート基を有するプレポリマーを高速攪拌機を用
いて水中に分散させると同時に鎖伸長するかまたは分散
後に鎖伸長するプレポリマーミキシング法、有機溶剤の
存在下で合成したのち有機溶剤を除去したポリウレタン
樹脂を外部乳化剤を用いて強制乳化する強制乳化法等が
ある。
【0004】溶液法は高分子量の高品質なポリウレタン
樹脂ができ、再現性も良いが、有機溶剤を除去する工程
が煩雑で経済性に問題がある。プレポリマーミキシング
法は大量の有機溶剤を使わずにすみ適用範囲が広いが、
溶液法より品質は劣る。強制乳化法は製造方法は煩雑で
はないが、粒径が大きく分散安定性に問題がある。高品
質なポリウレタン樹脂を得るためには、溶液法が有利で
あることから一般的に行われている。しかし、有機溶剤
を完全に除去することは難しく、残留する有機溶剤によ
り臭気の問題が生ずる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶液
法で製造され高品質な、かつ低臭気性に優れた水性ポリ
ウレタン樹脂水性分散体、および印刷物に臭気が残らな
い水性印刷インキを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、ケトン系またはエス
テル系有機溶剤中で鎖伸長を行ったポリウレタン溶液に
水を加えて転相乳化したのち、有機溶剤を水と共に共沸
除去して、ケトン系またはエステル系有機溶剤を200
0ppm以下まで低減させることにより、残留溶剤臭気
の問題がない水性ポリウレタン樹脂水性分散体を製造で
きることを見出し、本発明に至った。また、本発明者ら
は、該水性ポリウレタン樹脂水性分散体をビヒクルとす
る水性印刷インキは、印刷物に臭気が残らないことを見
出した。
【0007】すなわち、本発明は、少なくとも1個のイ
オン性官能基と少なくとも2個のイソシアネート基と反
応性の基とを有する化合物と有機ポリイソシアネートと
をケトン系またはエステル系有機溶剤中で反応させて得
られるイソシアネート基含有プレポリマーに鎖伸長剤を
反応させて得られるポリウレタン樹脂溶液に、中和剤を
含む水溶液を加えて水溶化した後、ケトン系またはエス
テル系有機溶剤を水と共に共沸除去して得られる、ケト
ン系またはエステル系有機溶剤の含有量が2000pp
m以下であることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂水
性分散体に関する。また、本発明は、上記水性ポリウレ
タン樹脂水性分散体をビヒクルとする水性印刷インキに
関する。
【0008】ケトン系またはエステル系有機溶剤が20
00ppmを越えて残留する水性ポリウレタン樹脂水性
分散体は、水性印刷インキのビヒクルとして用いた場合
に、印刷物に臭気が残る。特に、印刷物にラミネート加
工を行った後、スナック菓子等の袋に製袋すると、袋の
中に残留溶剤臭気が溜まり不具合が生じる。水性ポリウ
レタン樹脂の重量平均分子量は、10000〜1000
00であることが好ましい。重量平均分子量が1000
0未満の場合には、水性ポリウレタン樹脂水性分散体を
水性印刷インキのビヒクルとして用いた場合に、印刷物
の物性やラミネート適性が低下する。一方、10000
0を越える場合には、水性分散体の粘度が高くなり、イ
ンキ化適性が低下する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の水性ポリウレタ
ン樹脂水性分散体の製造方法について詳しく説明する。
本発明の水性ポリウレタン樹脂水性分散体は、例えば、
カルボキシル基のようなイオン性官能基を有するポリオ
ール化合物と、有機ポリイソシアネートと、必要に応じ
て他のポリオール化合物とを、イソシアネート過剰の条
件でケトン系またはエステル系有機溶剤中で反応させ、
ポリオール化合物の末端にイソシアネート基を有するプ
レポリマーを調整し、次いで鎖伸長剤、更に必要に応じ
て重合停止剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂溶
液に、中和剤と水を加えて水溶化した後、加熱操作、減
圧操作によりケトン系またはエステル系有機溶剤を水と
共に共沸除去し、残留するケトン系またはエステル系有
機溶剤を2000ppm以下まで低減させることにより
製造される。
【0010】イオン性官能基を有するポリオール化合物
としては、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,2-ビス(ヒド
ロキシルメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシ
ルエチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシルプロ
ピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、
ビス(4-ヒドキシフェニル)酢酸、2,2-ビス(4-ヒドキ
シフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N-ジヒドロキシエ
チルグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)−3-カ
ルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0011】他のポリオール化合物としては、特に限定
はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プ
ロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの低分子
量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン
などのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテト
ラオール類などの低分子量ポリオール類、ポリエーテル
ジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジ
オール、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビ
スフェノール類が挙げられる。
【0012】ポリエーテルジオール類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドの重合体、ブロック、ランダムま
たはグラフト共重合体、ヘキサンジオール、メチルヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあ
るいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコ
ール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレン
オキサイドを付加させたグリコール類が挙げられる。
【0013】ポリエステルジオール類としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオ
ール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオール、オ
クタンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル−
1,3-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコー
ルと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩
基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステ
ルポリオールやε−ポリカプロラクトンなどの環状エス
テル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、シリコンポリオ
ールなどが挙げられ、これらとジイソシアネートとの反
応によって得られる末端水酸基の反応生成物も用いるこ
とができる。
【0014】有機ポリイソシアネートとしては、芳香
族、脂肪族および脂環族の従来公知のジイソシアネート
類の1種あるいは2種以上の混合物を用いることができ
る。ジイソシアネート類として具体的には、トリレンジ
イソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,
5-ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカル
ボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイ
ソシアネート、あるいはこれらとグリコール類またはジ
アミン類との両末端イソシアネートアダクト体が挙げら
れる。
【0015】ジイソシアネート類には、必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類や、ポリイソシアネートアダクト体を混合
して用いることができる。市販のポリイソシアネートア
ダクト体としては、***バイエル社製「デスモジュール
シリーズ」が挙げられる。さらに、必要に応じてモノイ
ソシアネート類を分子量調整剤として用いることができ
る。
【0016】鎖伸長剤は、アミノ基、水酸基などのイソ
シアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有する化
合物であり、例えば、ジアミン化合物、ジヒドラジド化
合物、グリコール類が挙げられる。ジアミン化合物とし
ては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレン
トリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タン-4,4'-ジアミン、ポリオキシエチレンジアミノプロ
ピルエーテルなどが挙げられる。その他、N-2-ヒドキシ
エチルエチレンジアミン、N-3-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するジアミン類およびダイ
マー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマー
ジアミン等も挙げられる。更に、グルタミン、アスパラ
ギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジ
アミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジア
ミン型アミノ酸類が挙げられる。
【0017】ジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジ
ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラ
ジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原
子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド、マレイ
ン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸
ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのモノオレフ
ィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラ
ジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドな
どが挙げられる。
【0018】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタンジオール、3-メチル−1,5-ペンタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,
4-ブチレンジオール、ジプロピレングリコールなどの飽
和または不飽和の各種公知の低分子ジオール類およびダ
イマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマー
ジオールが挙げられる。
【0019】重合停止剤としては、ジ−n-ブチルアミン
などのジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノー
ル、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-アミノ
−2-エチル−1,3-プロパンジオール、N-ジ−2-ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシエチル
プロピレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するアミン類が挙げられ
る。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリ
ン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプ
ロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルフ
ァミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
【0020】水性ポリウレタン樹脂のイオン性官能基を
中和する中和剤としては、イオン性官能基がカルボキシ
ル基の場合には塩基性化合物が用いられる。塩基性化合
物としては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイ
ソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-アミノ−
2-エチル−1-プロパノール等の有機アミン類;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が挙げ
られる。塩基性化合物は、1種または2種以上を組み合
わせて用いられるが、乾燥後の皮膜の耐水性を向上させ
るためには、水溶性であり、かつ熱によって容易に解離
する揮発性の高いものが好ましく、特にアンモニア、ト
リメチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0021】本発明の水性ポリウレタン樹脂水性分散体
には、水性印刷インキとしての必要な特性を付与するた
め、顔料などの着色剤、体質顔料、他の樹脂、ワックス
類、消泡剤、増粘剤、硬化剤、水および水混和性有機溶
剤などが必要に応じて適宣添加され、アトライター、サ
ンドミルなどの練肉機を使用して分散を行い、所定の粘
度になる様調整を行なって水性印刷インキが製造され
る。他の樹脂としては、水溶性または水分散性樹脂や、
その中間的なハイドロゾル型樹脂、水溶性樹脂を保護コ
ロイドとして合成されるコロイド状水性樹脂を用いるこ
とができる。
【0022】他の樹脂として具体的には、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、他の(メタ)アクリロイル基
含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレンや、マレ
イン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸またはそのエ
ステル等から合成される(メタ)アクリル酸共重合樹
脂、カルボキシル基含有石油樹脂、セルロース系樹脂、
スチレンマレイン酸樹脂、シェラック、水性ポリエステ
ル、水性ポリウレタン等を、単独または混合して用いる
ことができる。
【0023】かくして得られた水性印刷インキは、印刷
時に適正粘度になるまで、水または水混和性有機溶剤、
例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノ
ルマルプロピルアルコールなどのアルコール系有機溶剤
と水を混合した溶剤を用いて希釈し、グラビア印刷また
はフレキソ印刷方式でプラスチックフィルムなどに印刷
される。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものでない。なお、実施例中
「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれ
ぞれ表わす。
【0025】(実施例1)温度計、撹拌機、還流冷却管
および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導
入しながら、Mw=2000のポリ(3-メチル−1,5-ペンタン
アジペート)ジオール 130.9部、 Mw=2000のポリエチレ
ングリコール15.2部、2,2-ジメチロールプロピオン酸2
9.4部、イソホロンジイソシアネート97.4部をメチルエ
チルケトン200部中で6時間沸点反応させて末端イソシ
アネート基含有プレポリマーとし、しかるのち40℃まで
冷却してからアセトン 100部を加えて、末端イソシアネ
ート基含有プレポリマーの有機溶剤溶液を得た。次に、
イソホロンジアミン26.6部およびアセトン 400部を混合
したものに、得られた末端イソシアネート基含有プレポ
リマーの有機溶剤溶液 572.9部を室温で徐々に添加して
50℃で3時間反応させ、カルボキシル基を有するポリウ
レタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
【0026】次に、28%アンモニア水13.3部および脱イ
オン水 900部を上記ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液に
徐々に添加して中和したのち、減圧下60℃にて4時間脱
溶剤を行うことにより、固形分25%、pH6.8 の水性ポ
リウレタン樹脂水性分散体(A)を得た。得られた水性
分散体の残留溶剤をガスクロマトグラフィーで測定した
ところ、メチルエチルケトンが600ppm、アセトンが400p
pm検出された。また、水性ポリウレタン樹脂の分子量を
GPCで測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均
分子量は 30000であった。
【0027】得られた水性ポリウレタン樹脂水性分散体
(A)を用い、下記の組成で常法により水性印刷インキ
を作成した。 水性ポリウレタン樹脂水性分散体(A) 70 部 フタロシアニン系青色顔料 18 部 (東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーKLH」) 水 6.9部 イソプロピルアルコール 5 部 シリコーン系消泡剤 0.1部 (トーレ・シリコーン(株)製「トーレシリコーンSC5540」)
【0028】(比較例1)実施例1の水性ポリウレタン
樹脂水性分散体(A)の製造に於いて、脱溶剤工程の時
間を2時間で終了した以外は、実施例1と同様にして水
性ポリウレタン樹脂水性分散体(B)を製造して残留溶
剤を測定したところ、メチルエチルケトンが 3500ppm、
アセトンが 2000ppm検出された。得られた水性分散体
(B)を用い、実施例1と同様にして水性印刷インキを
作成した。
【0029】実施例1および比較例1で得られた水性印
刷インキをザーンカップ#3(離合社製)で18秒(25℃)
になるように水/イソプロピルアルコール=1/1 (重量
比)の混合溶剤で希釈し、コロナ処理ポリエステルフィ
ルム(東洋紡績(株)製「エステルE5100」、厚さ12μ
m)に、200 線/inchのグラビアシリンダーを用いて乾
燥温度60℃、印刷速度100m/ 分でグラビア印刷を行っ
た。得られた印刷物に、エクストルジョンラミネーター
にてポリエチレンイミン(東洋モートン(株)製「EL42
0 」)をアンカー剤として、ポリエチレンをラミネート
した。得られたラミネート物を 0.2m2の大きさにカット
して、500ml の三角フラスコに入れ、80℃で30分加熱後
にガスクロマトグラフィーにて全残留溶剤量を測定し
た。また、同時に官能試験で臭気を検査した(○:刺激
臭無し、×:刺激臭有り)。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明により、紙、プラスチックフィル
ムにグラビアまたはフレキソ印刷され、臭気性に優れた
水性印刷インキが提供できるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1個のイオン性官能基と少なく
    とも2個のイソシアネート基と反応性の基とを有する化
    合物と有機ポリイソシアネートとをケトン系またはエス
    テル系有機溶剤中で反応させて得られるイソシアネート
    基含有プレポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られるポ
    リウレタン樹脂溶液に、中和剤を含む水溶液を加えて水
    溶化した後、ケトン系またはエステル系有機溶剤を水と
    共に共沸除去して得られる、ケトン系またはエステル系
    有機溶剤の含有量が2000ppm以下であることを特
    徴とする水性ポリウレタン樹脂水性分散体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂水性
    分散体をビヒクルとする水性印刷インキ。
JP30605096A 1996-11-18 1996-11-18 水性ポリウレタン樹脂水性分散体および水性印刷インキ Pending JPH10147705A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003246958A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Seiko Epson Corp 水性インク
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