JP2002217446A - 光半導体集積素子及びその製造方法 - Google Patents

光半導体集積素子及びその製造方法

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JP2002217446A
JP2002217446A JP2001005954A JP2001005954A JP2002217446A JP 2002217446 A JP2002217446 A JP 2002217446A JP 2001005954 A JP2001005954 A JP 2001005954A JP 2001005954 A JP2001005954 A JP 2001005954A JP 2002217446 A JP2002217446 A JP 2002217446A
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Mitsuru Egawa
満 江川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光半導体集積素子及びその製造方法に関し、
バットジョイント成長工程における積層欠陥の発生を防
止する。 【解決手段】 {100}面を主面とする半導体基板5
上に設けた第1の機能を有する半導体多層構造1に対し
て第2の機能を有する半導体多層構造2をバットジョイ
ント結合させた光半導体集積素子の第1の機能を有する
半導体多層構造1の結合部側のメサ構造の側面4の主要
部を、{100}面に対するなす角が{111}面のな
す角より小さな緩斜面で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光半導体集積素子及
びその製造方法に関するものであり、例えば、pinフ
ォトダイオードからなる受光部とテーパ光導波路部とを
バットジョイント成長で結合する際の積層欠陥の発生を
防止するためのエッチング工程に特徴のある光半導体集
積素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の急激な情報量の増加に伴い、超高
速大容量光通信用の光源や受光素子の開発が急務となっ
ており、その一つとして、i型InGaAsを光吸収層
とするpinフォトダイオードと集光レンズ機能を有す
る膜厚テーパ光導波路とをバットジョイント成長で集積
化した超高速受光素子の開発が行われている。
【0003】従来の受光素子においてはn型基板と反対
側のp型層の表面から光を入射していたが、膜厚テーパ
光導波路を集積化することによって、レンズなしでも効
率良くpinフォトダイオードを構成するi型InGa
As光吸収層に集光させることが可能になる。
【0004】従来における集積化の方法としては、一回
目の成長によって基板上に第1の機能を有する構造を形
成したのち、その一部をエッチングにより除去し、次い
で、二回目の成長によって第2の機能を有する構造を光
学的に結合するように形成する所謂バットジョイント法
と呼ばれるエッチング再成長法が良く用いられており、
成長を2回に分けて行うため、第1の機能を有する構造
と第2の機能を有する構造とを、各々独立に最適化する
ことができるという利点がある。
【0005】ここで、図4を参照して、レーザとテーパ
光導波路を集積化する吉本等によるバットジョイント法
の製造工程(必要ならば、特開平11−87844号公
報参照)を説明する。なお、各図は、〔011〕方向に
沿った概略的断面図である。 図4(a)参照 まず、n型InP基板31上に、MOVPE法(有機金
属気相成長法)を用いてn型InPクラッド層32、厚
さが10nmのInAlGaAsエッチングストッパ層
33、n型InPクラッド層34、厚さが0.4μmの
InGaAsP活性層35、及び、厚さが0.3μmの
p型InPクラッド層36を順次成長させる。なお、n
型InPクラッド層32及びn型InPクラッド層34
は、全体で1.0μmの膜厚になるように形成する。
【0006】次いで、SiO2 マスク37を用いてCH
4 +H2 ガスを用いたドライ・エッチングを施すことに
よって、p型InPクラッド層36乃至n型InPクラ
ッド層34を順次エッチング除去する。このエッチング
工程において、InAlGaAsエッチングストッパ層
33がエッチングストッパとなる。
【0007】図4(b)参照 次いで、ウェット・エッチングを施すことによってIn
AlGaAsエッチングストッパ層33を除去する。こ
のウェット・エッチング工程において、p型InPクラ
ッド層36乃至n型InPクラッド層34の露出側面は
若干サイドエッチングされる。
【0008】図4(c)参照 次いで、再び、MOVPE法を用いてn型InPクラッ
ド層38、InGaAsP光導波層39、及び、i型I
nPクラッド層40を順次成長させる。
【0009】この様に、ドライ・エッチングを用いるこ
とによって、ウェット・エッチングによるサイドエッチ
ング量を大幅に低減することができ、且つ、サイドエッ
チング量の不均一性も低減することができる。
【0010】ここで、図5を参照して、レーザとテーパ
光導波路を集積化する原等による他のバットジョイント
法の製造工程(必要ならば、特願平11−374670
号参照)を説明する。なお、各図は、〔011〕方向に
沿った概略的断面図である。 図5(a)参照 まず、n型InP基板41上の一部に回折格子42を形
成したのち、MOVPE法を用いて、n側InGaAs
PSCH(Separate Confinement
Heterostructure)層43、InGa
AsP活性層44、p側InGaAsPSCH層45、
p型InPクラッド層46、p型InGaAsPコンタ
クト層47、及び、p型InP保護層48を順次成長さ
せる。
【0011】図5(b)参照 次いで、SiO2 マスク49をマスクとして、順次選択
的ウェット・エッチングを施すことによって、p型In
P保護層48乃至n側InGaAsPSCH層43を除
去する。このエッチング工程において、サイドエッチン
グが生じ、p型InPクラッド層46の側面は、(11
1)A面またはその近傍の面となる。
【0012】図5(c)参照 次いで、再び、MOVPE法によって、i型InGaA
sP光導波層50及びi型InPクラッド層51を順次
成長させる。
【0013】この場合には、p型InPクラッド層46
の露出側面は(111)A面またはその近傍の面として
いるので、i型InGaAsP光導波層50のメサ側面
への成長が抑制される。また、SiO2 マスク49の下
のp型InP保護層48とp型InGaAsPコンタク
ト層47に適度なサイドエッチングを施しているので、
再成長層の表面を平坦にすることができる。
【0014】本発明者等は、この原等によるバットジョ
イント法をテーパ導波路付pinフォトダイオードへの
適用を試みたので、図6及び図7を参照して説明する。
なお、図6は、pinフォトダイオードを2個分製造す
るための従来のマスクパターンの概略的平面図であり、
実際には、このようなマスクパターンがウェハ上に周期
的に設けられているものであり、また、図7は受光部を
含む位置の〔011〕方向に沿った概略的断面図であ
る。
【0015】図7(a)参照 まず、(100)面を主面とする半絶縁性InP基板6
1上に、MOVPE法を用いて、厚さが2μmのn型I
nPバッファ層62、厚さが0.3μmのi型InGa
As光吸収層63、厚さが2μmのp型InP層64、
厚さが0.05μmのp型InGaAsPコンタクト層
65、及び、厚さが0.05μmのp型InP保護層6
6を順次成長させる。
【0016】図6及び図7(a)参照 次いで、CVD法を用いて、全面にSiO2 膜を堆積さ
せ、図6に示すパターンにエッチングしてSiO2 マス
ク52を形成する。例えば、長手方向である〔011〕
方向の長さLa を1200μm、大きな矩形マスク部の
長さLb を800μm、受光部53の幅Lc を10μ
m、〔0−11〕方向の幅Wa を500μm、ストライ
プ状開口部54の幅Wb を15μm、隣接するチップと
マスクとの開口部59の間隔We を70μm、矩形マス
ク部の角部から〔011〕方向に伸びる帯状マスク部5
6,57の幅をWm とする。なお、本明細書において
は、明細書作成の都合上、通常“1バー”で表される結
晶指数を“−1”で表記するものであり、また、〔01
1〕方向は〈101〉方向や〈110〉方向等の結晶学
的に〈011〉方向と等価な結晶方位を含むものであ
り、さらに、{011}面は(101)面や(110)
面等の結晶学的に(011)面と等価な結晶面を表す。
【0017】この場合の帯状マスク部56,57は、後
述するサイドエッチング工程において、矩形マスク部の
角部が過剰に深くエッチングされないようにするために
設けるものであり、また、凹状開口部58は、後述する
i型InGaAsP光導波層を成長する際に、B点とC
点における膜厚比を大きくして、良好な特性のテーパ光
導波路を形成するために設けるものである。因に、B点
とC点における膜厚比db /dc は、通常の素子設計に
際しては4以上が要求される。
【0018】次いで、HCl:H2 2 :H2 O混合液
を用いてp型InP保護層66をエッチングしてp型I
nGaAsPコンタクト層65を露出させたのち、H2
SO 4 :H2 2 :H2 O混合液をエッチャントとして
用いてコントロールエッチングすることによって、p型
InGaAsPコンタクト層65を選択的にエッチング
するとともに、オーバーエッチングすることによって深
さw1 が約1μmのサイドエッチング部67を形成す
る。
【0019】図7(b)参照 次いで、HBr液を用いて、p型InP層64を選択的
にエッチングする。この場合、p型InP層64のエッ
チングは、p型InGaAsPコンタクト層65のエッ
ジ部分から伸長した(111)A面で自動的に停止す
る。なお、このエッチング工程において、p型InP保
護層66もサイドエッチングされる。
【0020】次いで、H2 SO4 :H2 2 :H2 O混
合液をエッチャントとして用いてコントロールエッチン
グすることによって、i型InGaAs光吸収層63を
選択的にエッチングするとともに、オーバーエッチング
することによって、p型InP層64の(111)A面
の先端部から深さw2 が約0.2μmのサイドエッチン
グ部68を形成する。
【0021】図7(c)参照 次いで、再び、MOVPE法によって、SiO2 マスク
52を選択成長マスクとして結晶成長を行うことによっ
て、組成波長が、例えば、1.2μmのi型InGaA
sP光導波層69及びi型InPクラッド層70を順次
成長させて、テーパ光導波路を形成し、図6のA点のマ
スク下のi型InGaAs光吸収層63を主要部とする
pinフォトダイオードとバットジョイントする。
【0022】この場合、i型InGaAsP光導波層6
9の成長に際しては、成長雰囲気ガス圧を高くして原料
ガスの気相拡散長を短くし、図6におけるB点とC点に
おける膜厚比db /dc を大きくする。
【0023】一方、i型InPクラッド層70の成長に
際しては、成長雰囲気ガス圧を低くして原料ガスの気相
拡散長を長くし、図6におけるB点とC点における膜厚
比d b /dc を小さくすることによって、表面が平坦な
良好なバットジョイントを形成するようにする。
【0024】この場合も、p型InP層64の露出側面
を(111)A面としているので、i型InGaAsP
光導波層69を成長させる際に、i型InGaAsP光
導波層69のp型InP層64の露出側面への這い上り
成長が抑制される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7に示すよ
うにバットジョイント構造を成長した場合、(111)
A面近傍のi型InPクラッド層70中に、(111)
A面と平行方向に伸長する積層欠陥が発生しやすく、製
造歩留りや素子性能が低下するという問題がある。特
に、pinフォトダイオードの低容量化のためにp型I
nP層64を2μm以上に厚く形成した場合に、積層欠
陥の発生が問題となる。
【0026】図8(a)参照 図8(a)は、積層欠陥71の発生状態を模式的に示す
概略的断面図であり、(111)A面近傍のi型InP
クラッド層70中に、(111)A面と平行方向に伸長
する積層欠陥71が発生し、上から見た場合に、線状の
欠陥パターンとして観察される。
【0027】図8(b)参照 図8(b)は、i型InPクラッド層の成長状態を視覚
的に観察するために、i型InGaAsマーカー層73
を周期的挿入して成長させた場合の成長状態を模式的に
示す概略的断面図である。図に示す様に、i型InPク
ラッド層72の成長初期に、(111)A面近傍で〈1
11〉A方向への成長が起こっていることが確認され
た。
【0028】この(111)A面はダングリング・ボン
ドが垂直方向に1本突き出ている面であり、この1本の
ダングリング・ボンドにV族元素が付着して〈111〉
A方向への成長が起こるが、1本のダングリング・ボン
ドはそれを軸として回転し易い結合軸であるので、積層
欠陥が発生し易い面である。したがって、p型InP層
64を厚く形成すると(111)A成長領域74は広く
なり、積層欠陥71の発生確率が増大する。
【0029】この様にi型InPクラッド層に積層欠陥
71が発生すると、その後の積み足し成長工程におい
て、積層欠陥71の近傍において異常成長が起こり、成
長層の表面の平坦性が損なわれるので、以降のコンタク
ト用開口部のSiO2 マスク形成工程、電極のパターニ
ング工程における精度が低下し、素子特性と製造歩留り
の低下の原因となるという問題がある。
【0030】一方、上述の吉本等によるバットジョイン
ト法においても、再成長の際に露出している側面は(1
11)A面或いはそれより傾斜角の大きな面であるの
で、やはり、積層欠陥の発生を防止することができない
という問題がある。
【0031】したがって、本発明は、バットジョイント
成長工程における積層欠陥の発生を防止することを目的
とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におけ
る符号3,6は、夫々誘電体マスク及び下部クラッド層
等の半導体層である。 図1参照 上述の目的を達成するために、本発明においては、{1
00}面を主面とする半導体基板5上に設けた第1の機
能を有する半導体多層構造1、例えば、光能動層7を含
む半導体多層構造、に対して第2の機能を有する半導体
多層構造2、例えば、テーパ光導波層9を含む半導体多
層構造をバットジョイント結合させた光半導体集積素子
において、第1の機能を有する半導体多層構造1の結合
部側のメサ構造の側面4の主要部が、{100}面に対
するなす角が{111}面のなす角より小さな緩斜面、
{211}面で構成されることを特徴とする。
【0033】この様に、第1の機能を有する半導体多層
構造1の結合部側のメサ構造の側面4の主要部を、{1
11}面より緩斜面、特に、{211}面で構成するこ
とによって、第2の機能を有する半導体多層構造2の成
長工程における成長初期に、〔111〕方向への成長が
生ずることがなく、したがって積層欠陥が発生すること
がない。
【0034】この場合、埋込層10を平坦に堆積させる
ためには、光軸方向が〔011〕方向であることが望ま
しく、したがって、{111}面は{111}A面とな
るが、必ずしも〔011〕方向に限られるものではな
く、光軸方向を〔0−11〕方向としても良く、その場
合には、{111}面は{111}B面となる。
【0035】また、第1の機能を有する半導体多層構造
1の結合部側のメサ構造の側面4の主要部を構成する半
導体層8は、通常は光能動層7上に設けられたクラッド
層等の半導体層8であり、この半導体層8の厚さが1μ
m以上の場合に積層欠陥の発生が問題となるので、メサ
構造の側面4の主要部を構成する半導体層8が1μm以
上の場合に特に効果的である。
【0036】また、この様な緩斜面を形成するために
は、メサ構造の側面4の主要部を構成する半導体層8が
InPである場合には、HCl、HCl+H2 O、或い
は、HCl+H2 2 +H2 O等の塩酸系エッチャント
を用いれば良い。
【0037】
【発明の実施の形態】ここで、図2及び図3を参照し
て、本発明の実施の形態の光半導体集積素子の製造工程
を説明する。なお、各図は受光部を含む位置の〔01
1〕方向に沿った概略的断面図である。 図2(a)参照 まず、(100)面を主面とする半絶縁性InP基板1
1上に、MOVPE法を用いて、厚さが、例えば、2μ
mのn型InPバッファ層12、厚さが、例えば、0.
3μmで、In組成比が0.53のi型InGaAs光
吸収層13、厚さが、例えば、2μmのp型InP層1
4、厚さが0.05μmで組成波長が1.3μmのp型
InGaAsPコンタクト層15、及び、厚さが、例え
ば、0.05μmのp型InP保護層16を順次成長さ
せる。
【0038】この場合、後述するエッチングによって、
図6に示した従来例と全く同様に、図6の受光部53に
おけるp型InP層14/i型InGaAs光吸収層1
3/n型InPクラッド層12によって、pinフォト
ダイオードが構成される。
【0039】次いで、CVD法を用いて、全面にSiO
2 膜を堆積させ、図6に示す従来と全く同様のパターン
にエッチングしてSiO2 マスク17を形成する。
【0040】図2(b)参照 次いで、HCl:H2 O混合液をエッチャントとして用
いて、p型InP保護層16のみを選択的にエッチング
してp型InGaAsPコンタクト層15を露出させ
る。
【0041】図2(c)参照 次いで、H2 SO4 :H2 2 :H2 O混合液をエッチ
ャントとして用いてコントロールエッチングすることに
よって、p型InGaAsPコンタクト層15を選択的
にエッチングするとともに、オーバーエッチングするこ
とによって、〈011〉方向に深さw1 が約1μmのサ
イドエッチング部18を形成する。
【0042】図3(d)参照 次いで、HClを用いて、p型InP層14を選択的に
エッチングする。この場合、p型InP層14の〈01
1〉方向のサイドエッチングは、p型InGaAsPコ
ンタクト層15のエッジ部分から伸長した(211)A
面で自動的に停止する。なお、このエッチング工程にお
いて、p型InP保護層16もサイドエッチングされ
る。
【0043】図3(e)参照 次いで、H2 SO4 :H2 2 :H2 O混合液をエッチ
ャントとして用いてコントロールエッチングすることに
よって、i型InGaAs光吸収層13を選択的にエッ
チングするとともに、オーバーエッチングすることによ
って、p型InP層14の(211)A面の先端部から
深さw2 が約0.2μmのサイドエッチング部19を形
成する。
【0044】図3(f)参照 次いで、再び、MOVPE法によって、SiO2 マスク
17を選択成長マスクとして、例えば、150Torr
の圧力下で結晶成長を行うことによって、組成波長が、
例えば、1.2μmのi型InGaAsP光導波層20
を堆積させる。この場合、図6のA点においてi型In
GaAsP光導波層20とi型InGaAs光吸収層1
3とがバットジョイント結合し、B点とC点における膜
厚比は4となり、優れたテーパ光導波層が形成される。
【0045】引き続いて、例えば、10Torrの圧力
下で結晶成長を行うことによって、i型InPクラッド
層21を堆積させる。この場合、図6のB点とC点にお
ける膜厚比は約1.5であり、平坦性が良好で、且つ、
積層欠陥の発生が見られないバットジョイントを実現す
ることができる。
【0046】最後に、2つのpinフォトダイオードの
中間において〔0−11〕方向に沿って素子分割するこ
とによって、2個のテーパ導波路集積化フォトダイオー
ドが得られる。
【0047】この様に、本発明の実施の形態において
は、p型InP層14をエッチングする場合には、HC
lを用いてエッチングしているので、露出する側面がほ
ぼ(211)A面となり、したがって、i型InPクラ
ッド層21を成長する際に、〈111〉A方向に成長が
起こることはなく、積層欠陥が発生しなくなる。
【0048】したがって、SiO2 マスク17を除去し
たのち、全面に積み足し成長させる際に、積層欠陥に起
因する異常成長が起こることがなく、平坦な表面が得ら
れるので、それ以降のフォトリソグラフィー工程におけ
る精度が高まり、素子特性が低下することがないととも
に、製造歩留りが向上する。
【0049】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は実施の形態に記載された構成・条件に限ら
れるものではなく、各種の変更が可能である。例えば、
上記の実施の形態においては、バットジョイント成長に
おける成長層の平坦性等を考慮して光軸方向を〔01
1〕方向としているが、必ずしも〔011〕方向である
必要はなく、〔011〕方向と垂直な〔0−10〕方向
でも良く、この場合には、p型InP層14に形成され
る斜面は{211}B面となる。
【0050】また、この様な緩斜面は、{211}面に
限られるものではなく、{100}面とのなす角が{1
11}面のなす角より小さな{n11}面(n>1)で
あれば良い。
【0051】また、上記の実施の形態においては、緩斜
面を形成する際に、エッチャントとしてHClを用いて
いるが、HClに限られるものではなく、希釈されたH
Cl、即ち、HCl+H2 O、或いは、HCl+H2
2 +H2 Oを用いても良いものである。但し、H2 2
の増加とともに、緩斜面は{211}面から{111}
面に近づく。
【0052】また、上記の実施の形態においては、p型
InP層14の膜厚を2μmとしているが、寄生容量低
減のためには、1μm以上であれば良いものであり、1
μm以下の場合には、寄生容量が問題になる反面、{1
11}A方向への成長は問題とならないので、本発明の
構成は、p型InP層14の膜厚が1μm以上の場合に
効果的となる。
【0053】また、上記の実施の形態においては、ディ
スクリートデバイスとしてのテーパ導波路集積化pin
フォトダイオードとして説明しているが、光集積回路装
置に設けたフォトダイオードの光入力部の構成として用
いても良いものである。
【0054】また、上記の実施の形態においては、光能
動部を受光部として説明しているが、発光部、特に、半
導体レーザ部としても良いものであり、その場合には、
テーパ導波路は光出力用テーパ導波路として作用するこ
とになる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、バットジョイント成長
させる前のエッチング工程において、メサ構造の側面が
{n11}面(n>1)になるようにしているので、成
長層に積層欠陥が発生することがなく、テーパ光導波路
を集積化した光半導体集積素子の高性能化、製造歩留り
の向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説
明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図2以降の製造工程の説
明図である。
【図4】従来のバットジョイント法の製造工程の説明図
である。
【図5】従来の他のバットジョイント法の製造工程の説
明図である。
【図6】従来のマスクパターンの概略的平面図である。
【図7】従来の光半導体集積素子の製造工程の説明図で
ある。
【図8】従来の光半導体集積素子の問題点の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 第1の機能を有する半導体多層構造 2 第2の機能を有する半導体多層構造 3 誘電体マスク 4 メサ構造の側面 5 半導体基板 6 半導体層 7 光能動層 8 半導体層 9 テーパ光導波層 10 埋込層 11 半絶縁性InP基板 12 n型InPバッファ層 13 i型InGaAs光吸収層 14 p型InP層 15 p型InGaAsPコンタクト層 16 p型InP保護層 17 SiO2 マスク 18 サイドエッチング部 19 サイドエッチング部 20 i型InGaAsP光導波層 21 i型InPクラッド層 31 n型InP基板 32 n型InPクラッド層 33 InAlGaAsエッチングストッパ層 34 n型InPクラッド層 35 InGaAsP活性層 36 p型InPクラッド層 37 SiO2 マスク 38 n型InPクラッド層 39 InGaAsP光導波層 40 i型InPクラッド層 41 n型InP基板 42 回折格子 43 n側InGaAsPSCH層 44 InGaAsP活性層 45 p側InGaAsPSCH層 46 p型InPクラッド層 47 p型InGaAsPコンタクト層 48 p型InP保護層 49 SiO2 マスク 50 i型InGaAsP光導波層 51 i型InPクラッド層 52 SiO2 マスク 53 受光部 54 ストライプ状開口部 55 テーパ導波路部 56 帯状マスク部 57 帯状マスク部 58 凹状開口部 59 開口部 61 半絶縁性InP基板 62 n型InPバッファ層 63 i型InGaAs光吸収層 64 p型InP層 65 p型InGaAsPコンタクト層 66 p型InP保護層 67 サイドエッチング部 68 サイドエッチング部 69 i型InGaAsP光導波層 70 i型InPクラッド層 71 積層欠陥 72 i型InPクラッド層 73 i型InGaAsマーカー層 74 (111)A成長領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 {100}面を主面とする半導体基板上
    に設けた第1の機能を有する半導体多層構造に対して第
    2の機能を有する半導体多層構造をバットジョイント結
    合させた光半導体集積素子において、前記第1の機能を
    有する半導体多層構造の結合部側のメサ構造の側面の主
    要部が、{100}面に対するなす角が{111}面の
    なす角より小さな緩斜面で構成されることを特徴とする
    光半導体集積素子。
  2. 【請求項2】 上記緩斜面の主要部が、{211}A面
    であることを特徴とする請求項1記載の光半導体集積素
    子。
  3. 【請求項3】 上記第1の機能を有する半導体多層構造
    の結合部側のメサ構造の側面の主要部を構成する半導体
    層が、光能動層上に設けられた半導体層であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の光半導体集積素子。
  4. 【請求項4】 {100}面を主面とする半導体基板上
    に設けた第1の機能を有する半導体多層構造を誘電体マ
    スクを用いて選択的にウェット・エッチングすることに
    よって、メサ構造の側面の主要部の{100}面に対す
    るなす角が{111}面より緩斜面のメサ構造を形成す
    る工程、前記メサ構造に対して第2の機能を有する半導
    体多層構造をバットジョイント成長させる工程を有する
    ことを特徴とする光半導体集積素子の製造方法。
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