JP2001341225A - 透明なガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
透明なガスバリア性積層フィルムおよびその製造方法Info
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Abstract
塵埃、もしくは基材フィルムの帯電によって無機化合物
層を蒸着する真空槽内で表面に引き付けられた塵埃によ
る欠陥、基材フィルムに添加されている滑剤による欠
陥、二次電子による無機化合物蒸着フィルムの帯電とそ
のア−ク放電による欠陥を防止できたガスバリアフィル
ムを提供することを目的とする。 【解決手段】基材の少なくとも片面に、無機化合物層を
設けてなるガスバリア性積層フィルムにおいて、前記無
機化合物層が、透明導電性酸化物層とアルミニウム酸化
物、珪素酸化物の何れか一方、もしくは両方からなるガ
スバリア層とを、基材表面に透明導電性酸化物層がくる
ように積層させたなガスバリア性積層フィルムを提供す
る
Description
子部品などの包装材料として用いられるガスバリア性フ
ィルムに関するものであり、特に無機化合物の蒸着層や
スパッタリング層をガスバリア層として用いる透明なガ
スバリア性積層フィルムおよびその製造方法に関するも
のである。
て、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)などの透明
なプラスチック等のフィルムの片面あるいは両面上に、
アルミニウム酸化物や珪素酸化物などの透明な無機化合
物をガスバリア層として設けたものが開発され、実際に
用いられるようになってきている。
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)やエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン・ビニルアルコ−ル共
重合体(EVOH)などのガスバリア性ポリマ−をガス
バリア層として用いたものと比較して、酸素と水蒸気の
双方に対して高いバリア性を持つとともに、その温度や
湿度による変化が小さい、といった優れた特長を持って
いる。また、アルミニウム箔やアルミウム蒸着層をガス
バリア層として用いたものに対しては、透明性が高く内
容物の透視、確認が可能であるとともに、金属探知器に
よる内容物検査も可能である、といった利点を持つもの
である。
機化合物層をガスバリア層として用いた透明なガスバリ
ア性積層フィルムにおいても、従来はその無機化合物層
に様々な欠陥があり、高度のガスバリア性が要求される
用途(内容物)には使用出来ないという問題があった。
ム酸化物や珪素酸化物を、電子線加熱や誘導加熱、抵抗
加熱などを蒸発手段とした真空蒸着法で巻取り状の基材
フィルム(PET:厚さ12μm)に連続的に形成した
ガスバリア性積層フィルムの場合、そのガスバリア性能
は酸素ガス透過速度で約1〜3cc/m2 ・day・a
tm(30℃,70%RH)、水蒸気透過速度で約1〜
4g/m2 ・day(40℃,90%RH)である。
ETフィルム単独の酸素ガス透過速度:約140cc/
m2 ・day・atm、水蒸気透過速度:約50g/m
2 ・dayと比較すると極めて低いと言えるが、さらな
る高バリア性が要求される食品や電子部品、医薬品など
の包装用途には使い難い。
c/m2 ・day・atm以下、好ましくは約0.5c
c/m2 ・day・atm以下の酸素透過速度と、約1
g/m2 ・day・atm以下、好ましくは約0.5g
/m2 ・day以下の水蒸気透過速度が要求されるから
である。
ムにおけるガス透過の大きな要因は、無機化合物ガスバ
リア層中の様々な欠陥であり、それらは以下のような原
因によって発生すると考えられる。
面に付着した塵埃、もしくは基材フィルムの帯電によっ
て無機化合物層を蒸着する真空槽内で表面に引き付けら
れた塵埃によるものである。
の生成機構を模式的に表したものである。図2は塵埃3
が存在する基材フィルム1上に無機化合物層2が蒸着さ
れた直後を表したもので、塵埃粒子の陰となる部分には
無機化合物層が形成されていないはずである。
材フィルム上から脱落し、陰となっていた部分がピンホ
−ル4に成っていることを表したものである。また、図
4は無機化合物蒸着後の巻取り工程やその他の工程にお
いて、塵埃粒子が擦られ無機化合物層2や基材フィルム
1にスクラッチ状の損傷5を与えたことを示したもので
ある。
行う度に清掃するが、完全に無機化合物の微小な粒子を
除去することは事際上不可能であり、相当量の無機化合
物粒子が塵埃粒子となって存在するものと考えられる。
このような塵埃粒子は硬く、図4のようなスクラッチ状
欠陥の発生原因となって、バリア性に重大な悪影響を与
えるものである。
添加されている滑剤によるものである。図5〜図7はこ
のような滑剤による欠陥の生成機構を模式的に表したも
のである。通常、真空蒸着用に限らず、印刷やラミネ−
トなどの巻取り加工に用いられるフィルムがプラスチッ
クフィルムの場合には、巻取りを容易にするための滑剤
が添加され、表面の平滑性が故意に下げられている。
用目的や巻取り速度などによって異なるが、包装材料用
における無機化合物の真空蒸着の場合には、珪素酸化物
のような無機化合物からなる数μm程度の大きさの滑剤
を添加するの一般的であり、表面をプラスチックフィル
ムで覆われた約0.5μm程度の***が、数100個/
mm2 の密度で形成されているのが普通である。
機化合物層2が蒸着された直後を表したものであり、図
6および図7はその後の巻取り工程で割れたり(図
6)、剥がれ落ちたり(図7)している様子を表したも
のである。このような滑剤による***上の無機化合物層
は殆ど全ての場合に割れているが、剥がれ落ちるか否か
は***の大きさや無機化合物層と基材フィルムとの密着
性によって異なり、ガスバリア性にも大きな影響を与え
るものである。
方式の巻取り真空蒸着の場合に問題となるものである
が、二次電子による無機化合物蒸着フィルムの帯電とそ
のア−ク放電によるものである。
真空巻取り蒸着装置では、基材であるプラスチックフィ
ルム11が製膜ロ−ル12を通過する際に、その下方に
配置された坩堝13中の蒸着材料14が、電子銃15か
ら発射された電子線16によって加熱、気化され、プラ
スチックフィルム表面に凝縮、製膜される。
膜された無機化合物膜表面17は二次電子18によって
帯電し、その負電荷によって誘電体であるプラスチック
フィルムと無機化合物膜からなる積層フィルム19を挟
んで金属製の製膜ロ−ル表面に正電荷20が誘起され
る。
製膜ロ−ルから離れる部分において放電し、無機化合物
膜やプラスチックフィルムに損傷を与えるものである。
この損傷の程度は無機化合物膜の帯電量などによって異
なる。すなわち、帯電量が小さい場合には放電が起きな
かったり、起こってもグロ−放電といった放電形態を取
るために損傷は少ないが、帯電量が大きい場合にはア−
ク放電が起こって多大な損傷を与えるため特に問題であ
る。
リア性積層フィルムが有する問題点を解決することを目
的としたものである。
響を最小限にすることで、無機化合物層に欠陥が殆ど無
く、高バリア性が要求される食品や電子部品、医薬品な
どの包装用途にも使用可能なレベルのバリア性を有する
透明なガスバリア性積層フィルムとその製造方法を提供
することを目的としたものである。
成するためのものであって、請求項1および2記載の発
明は、透明フィルムからなる基材の少なくとも片面に、
無機化合物層を設けてなるガスバリア性積層フィルムに
おいて、前記無機化合物層が、透明導電性酸化物層とア
ルミニウム酸化物、珪素酸化物の何れか一方、もしくは
両方などからなるガスバリア層とを、基材表面に透明導
電性酸化物層がくるように積層させたものであることを
特徴とする透明なガスバリア性積層フィルムを提供する
ものである。
ルミニウム酸化物、珪素酸化物の何れか一方、もしくは
両方などからなることを特徴とする透明なガスバリア性
積層フィ請求項3記載の発明は、請求項1から2記載の
発明を前提とし、該透明導電性酸化物層の表面抵抗値が
1.0×106 Ω/□以下であることを特徴とする透明
なガスバリア性積層フィルムを提供するものである。請
求項4記載の発明は、請求項1から3記載の発明を前提
とし、該透明導電性酸化物層がインジウム錫酸化物(I
TO)であることを特徴とする透明なガスバリア性積層
フィルムを提供するものである。
載の発明における該透明導電性酸化物層をスパッタリン
グ法により形成することを特徴とする透明なガスバリア
性積層フィルムの製造方法を提供するものである。
載の発明における金属酸化物からなる層を加熱蒸着法に
より形成することを特徴とする透明なガスバリア性積層
フィルムの製造方法を提供するものである。
記載の発明を前提とし、該スパッタリング法による透明
導電性酸化物層と該加熱蒸着法によるガスバリア層が、
同一の真空雰囲気下で連続的に設けられることを特徴と
する透明なガスバリア性積層フィルムの製造方法を提供
するものである。
ア性積層フィルムの断面図の一例を示したものである。
ガスバリア性積層フィルム30は、透明なプラスチック
フィルム基材31とその透明なプラスチックフィルム基
材に接する透明導電性酸化物層32とアルミニウム酸化
物、珪素酸化物のいずれか一方、もしくは両方からなる
ガスバリア層33から成るものである。
基材とは、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリカ−ボネ−ト、ポリビニルアルコ
−ル、セルロ−ス、ポリアクリレ−ト、ポリウレタン、
セロハン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレ−ト、ポリエ−テルスルホン、アイオノマ−等
の延伸または未延伸のフィルムであり、ガスバリア性積
層フィルムの使用環境、被包装物の種類、加工性および
経済性などを考慮して適宜選択される。
を考慮して決められるが、概して10〜100μm程度
のものが用いられる。またこのようなプラスチックフィ
ルム基材の表面に、透明導電性酸化物層との密着性を更
に良くするために、コロナ処理、低温プラズマ処理、イ
オンボンバ−ド処理、薬品処理、溶剤処理等の表面処理
が施されていても差し支えない。
役割は、無機化合物層を製膜する真空槽内で、基材フィ
ルムの表面に塵埃が引き付けられるのを防ぐとともに、
ガスバリア層33を電子線加熱蒸着法によって蒸着する
際の二次電子による帯電を低減させ、ア−ク放電による
損傷を抑えるものである。
としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫(S
nO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛
(ZnO)、ガリウム含有酸化亜鉛(Ga/ZnO)、
アルミニウム含有酸化亜鉛(Al/ZnO)、アルミニ
ウム亜酸化物(AlOx:X≦1.5)などがあるが、
その役割から重要なことは製膜後の表面抵抗値が1.0
×106 Ω/□以下であることである。
化物層を設けることによって、塵埃の付着を防ぐことが
出来るとともに、電子線加熱蒸着法においても二次電子
による帯電が抑えられ、ア−ク放電による蒸着膜や基材
フィルムの損傷を防ぐことが出来る。
限は無いが、出来るだけ低い表面抵抗値を得るためには
厚い方が好ましい。しかし、厚い膜の製膜は生産性上好
ましくないばかりでなく、厚くなり過ぎると膜の内部応
力によって割れが発生したり、着色が顕著になる場合が
ある。従って薄い膜でも低い表面抵抗値が得られるIT
Oが特に好ましく用いられる材料である。
方法も特に制限を受けるものではなく、通常の真空蒸着
法やスパッタリング法などを用いることが出来る。しか
し、前記したように、滑剤による***上に製膜された無
機化合物薄膜層が割れ、基材から剥がれ落ちるか否かが
バリア性に大きく影響することを考えると、基材との密
着性に優れるスパッタリング法が好ましく用いられる。
常の真空蒸着法に比べて核生成が緻密であり、薄い膜厚
で連続層が得られ表面抵抗値を下げることが出来るとと
もに、その上に製膜されるガスバリア層をも緻密にする
ことから、特に好ましい方法である。
スパッタリング法によってITO層を設けることが、本
発明における透明導電性酸化物層とその製造方法におい
て最も優れた方法である。
上にガスバリア層を設ける。ガスバリア層を形成する主
たる無機化合物層として種々の酸化物や窒化物などが挙
げられるが、生産性や性能の点からアルミニウム酸化物
や珪素酸化物を主としたものが最も好ましいものであ
る。
素酸化物からなるガスバリア層の形成には、電子線加熱
や誘導加熱、抵抗加熱を蒸発手段とした真空蒸着法の
他、スパッタリング法、CVD法およびイオンプレ−テ
ィング法などを用いることが出来るが、生産性の点から
巻取りフィルム上に真空蒸着法を用いて製膜する方法が
好ましいものである。
に開放することなしに同一真空槽内で連続的に製膜する
ことが特に好ましい方法である。連続的に製膜すること
によって、透明導電性酸化物層表面に水分子が吸着する
のを防ぐことが出来、アルミニウム酸化物または/およ
び珪素酸化物からなるガスバリア層中にこの水分子が取
り込まれることによるバリア性、特に水蒸気バリア性へ
の悪影響を防ぐことが出来るためである。さらに同一真
空槽内で連続的に製膜することによって排気等の時間を
節約出来ることから、製造コストの面でも大きな利点が
ある。
よび珪素酸化物からなる層の厚さは、この層の組成や透
明導電性酸化物層の種類や厚さによって若干異なるが、
5〜100nmの範囲内、より好ましくは10〜50n
mの範囲内にあることである。5nmよりも薄いと連続
層にならない場合があり、逆に100nmより厚いと内
部応力によってクラックが発生し易くなるためである。
明する。 (実施例1)まず透明なプラスチックフィルム基材とし
ての長尺状のPETフィルム46(東レ(株)製P6
0,厚さ12μm)を、図10に模式的に示したような
真空製膜装置40の巻出しロ−ル41からガイドロ−ル
42や約−15℃に冷却された製膜ロ−ル43を経由
し、巻取りロ−ル44に至る基材フィルム搬送系に装着
した。
45で2.0E−3Paまで排気した後、基材フィルム
を20m/minの速度で連続的に搬送しながら、スパ
ッタリングユニット47内で約10nmの厚さのITO
をDCマグネトロンスパッタリング(スパッタリングガ
ス:Ar300sccm、反応ガス:O24sccm、
出力:1.6kW)によって製膜した。
れた一酸化珪素(住友シチックス(株)製SIMOX)
の塊49に、電子銃50で発生させた電子線51を照射
して加熱、気化させ、基材フィルム上のITO膜面上に
約40nmの酸化珪素膜を形成することで、本発明の透
明なガスバリア性積層フィルムを作製し、巻取りロ−ル
に巻取った。
て内部を大気圧に戻し、巻取りロ−ルに巻取られたガス
バリア性積層フィルムを巻戻し、以下の挙げた方法でガ
スバリア性能の評価とガスバリア層表面の欠陥観察を行
った。
ガスバリア性積層フィルムのガスバリア性能は、以下の
装置および条件で測定した酸素透過速度および水蒸気透
過速度によって評価した。
Transmission Rate)Modern
Control(MOCON)社製のOXTRAN 1
0/50Aを用い、30℃、70%RHの条件で測定し
た。(単位:cc/m2 ・day・atm)
Vapor Transmission Rate)
Modern Control(MOCON)社製のP
ERMATRAN W6を用い、40℃、90%RHの
条件で測定した。(単位:g/m2 ・day)
上に帯電防止層として数nmの白金を製膜した後、
(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡(SEM)S−
4000を用い、加速電圧20kVで表面観察を行っ
た。
ィルムのガスバリア性能は、OTR=0.58cc/m
2 ・day・atm、WVTR=0.74g/m2 ・d
ayであり、SEMによる表面観察でも欠陥と認識出来
るものは認められなかった。
を用い、全く同様にして厚さ約10nmのITO膜をP
ETフィルム(東レ(株)製P60,厚さ12μm)の
片面に製膜した後、坩堝内に入れた金属アルミニウム
に、電子銃で発生させた電子線を照射して加熱、気化さ
せ、坩堝と製膜ロ−ルの中間に配置された酸素供給管か
ら450sccmの流量で真空製膜装置内に導入された
酸素ガスと反応させることで、基材フィルム上のITO
膜面上に約20nmの透明な酸化アルミニウム膜を形成
し、本発明の透明なガスバリア性積層フィルムを作製し
て巻取りロ−ルに巻取った。
0の内部を大気圧に戻し、巻取りロ−ルに巻取られたガ
スバリア性積層フィルムを巻戻してガスバリア性能の評
価とガスバリア層表面の欠陥観察を行った。
ア性積層フィルムのガスバリア性能は、OTR=0.7
9cc/m2 ・day・atm、WVTR=0.94g
/m 2 ・dayであり、SEMによる表面観察でも実施
例1と同様に欠陥と認識出来るものは認められなかっ
た。
施例1および実施例2で用いた電子銃を備えた真空製膜
装置とは、基本的に加熱手段のみが異なる真空製膜装置
60を用い、その基材フィルム搬送系に実施例1、2と
同様にPETフィルム66(東レ(株)製P60,厚さ
12μm)を装着した。
65で2.0×10-3Paまで排気した後、基材フィル
ムを20m/minの速度で連続的に搬送しながら、ス
パッタリングユニット67内で約10nmの厚さのIT
OをDCマグネトロンスパッタリング(スパッタリング
ガス:Ar300sccm、反応ガス:O24scc
m、出力:1.6kW)によって製膜した。
式の坩堝68内に入れた一酸化珪素(住友シチックス
(株)製SIMOX)の塊69を、高周波誘導の渦電流
によって加熱、気化させ、基材フィルム上のITO膜面
上に約40nmの酸化珪素膜を形成することで、本発明
の透明なガスバリア性積層フィルムを作製し、巻取りロ
−ル64に巻取った。
置60の内部を大気圧に戻し、巻取りロ−ルに巻取られ
たガスバリア性積層フィルムを巻戻してガスバリア性能
の評価とガスバリア層表面の欠陥観察を行った。
ア性積層フィルムのガスバリア性能は、OTR=0.6
3cc/m2 ・day・atm、WVTR=0.81g
/m 2 ・dayであり、SEMによる表面観察でも実施
例1、2と同様に欠陥と認識出来るものは認められなか
った。
を用い、全く同様にして厚さ約10nmのITO膜をP
ETフィルム(東レ(株)製P60,厚さ12μm)の
片面に製膜した後、坩堝内に入れた金属アルミニウム
を、高周波誘導の渦電流によって加熱、気化させ、坩堝
と製膜ロ−ルの中間に配置された酸素供給管から450
sccmの流量で真空製膜装置内に導入された酸素ガス
と反応させることで、基材フィルム上のITO膜面上に
約20nmの透明な酸化アルミニウム膜を形成し、本発
明の透明なガスバリア性積層フィルムを作製して巻取り
ロ−ルに巻取った。
0の内部を大気圧に戻し、巻取りロ−ルに巻取られたガ
スバリア性積層フィルムを巻戻してガスバリア性能の評
価とガスバリア層表面の欠陥観察を行った。
ア性積層フィルムのガスバリア性能は、OTR=0.9
6cc/m2 ・day・atm、WVTR=0.90g
/m 2 ・dayであり、SEMによる表面観察でも実施
例1と同様に欠陥と認識出来るものは認められなかっ
た。
装置を用い、PETフィルム上にITO膜を製膜するこ
となく、実施例1と同じ方法で直接約40nmの酸化珪
素膜を形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして
透明なガスバリア性積層フィルムを作製し、そのガスバ
リア性能の評価およびガスバリア層表面の観察を行っ
た。
層フィルムのガスバリア性能は、OTR=11.25c
c/m2 ・day・atm、WVTR=18.41g/
m2・dayであり、SEMによる表面観察の結果、塵
埃粒子によると思われる蒸着抜けやスクラッチ状の欠
陥、滑剤上の割れや剥離および放電痕のような欠陥な
ど、前記した全てのタイプの欠陥が見られた。
装置を用い、PETフィルム上にITO膜を製膜するこ
となく、実施例2と同じ方法で直接約20nmの酸化ア
ルミニウム膜を形成したこと以外は、実施例1と全く同
様にして透明なガスバリア性積層フィルムを作製し、そ
のガスバリア性能の評価およびガスバリア層表面の観察
を行った。
層フィルムのガスバリア性能は、OTR=7.25cc
/m2 ・day・atm、WVTR=5.41g/m2
・dayであり、SEMによる表面観察の結果、比較例
1の場合と同様、塵埃粒子によると思われる蒸着抜けや
スクラッチ状の欠陥、滑剤上の割れや剥離および放電痕
のような欠陥など、前記した全てのタイプの欠陥が見ら
れた。
装置を用い、PETフィルム上にITO膜を製膜するこ
となく、実施例3と同じ方法で直接約40nmの酸化珪
素膜を形成したこと以外は、実施例3と全く同様にして
透明なガスバリア性積層フィルムを作製し、そのガスバ
リア性能の評価およびガスバリア層表面の観察を行っ
た。
層フィルムのガスバリア性能は、OTR=2.13cc
/m2 ・day・atm、WVTR=1.65g/m2
・dayであり、SEMによる表面観察の結果、滑剤上
の割れや剥離などは見られたが、その他のタイプの欠陥
は見られなかった。
装置を用い、PETフィルム上にITO膜を製膜するこ
となく、実施例4と同じ方法で直接約20nmの酸化ア
ルミニウム膜を形成したこと以外は、実施例4と全く同
様にして透明なガスバリア性積層フィルムを作製し、そ
のガスバリア性能の評価およびガスバリア層表面の観察
を行った。
層フィルムのガスバリア性能は、OTR=3.65cc
/m2 ・day・atm、WVTR=2.77g/m2
・dayであり、SEMによる表面観察の結果、滑剤上
の割れや剥離などは見られたが、その他のタイプの欠陥
は見られなかった。
れた透明なガスバリア性積層フィルムについて、そのガ
スバリア性能の測定結果およびガスバリア層表面の電子
顕微鏡による観察結果を表1にまとめた。
明なプラスチックフィルムからなる基材上に、無機化合
物からなるガスバリア層を、真空蒸着法などによって設
けたガスバリア性積層フィルムにおいて、従来そのガス
バリア層に見られた様々なタイプの欠陥を全て無くすこ
とが出来るため、非常に高いガスバリア性能を有する透
明なガスバリア性積層フィルムを提供することが出来
る。
施の一形態を示す断面図である。
生成機構を模式的に示した断面図である。
生成機構を模式的に示した断面図である。
生成機構を模式的に示した断面図である。
の生成機構を模式的に示した断面図である。
の生成機構を模式的に示した断面図である。
の生成機構を模式的に示した断面図である。
た断面図である。
二次電子による無機化合物蒸着フィルムの帯電とア−ク
放電による欠陥の生成機構を模式的に示した断面図であ
る。
製造方法に係わる真空製膜装置の一例を示す模式図であ
る。
製造方法に係わる真空製膜装置の一例を示す模式図であ
る。 1…透明なプラスチックフィルムからなる基材 2…無機化合物層 3…塵埃粒子 4…ピンホ−ル状の欠陥 5…スクラッチ状の損傷 6…滑剤 7…滑剤上の無機化合物層の割れ 8…滑剤上の無機化合物層の剥離 11…長尺状の透明なプラスチックフィルムからなる基
材 12…製膜ロ−ル 13…坩堝 14…蒸着材料 15…電子銃 16…電子線 17…無機化合物膜表面 18…二次電子 19…プラスチックフィルムと無機化合物膜からなる積
層フィルム 20…金属製の製膜ロ−ル表面に誘起された正電荷 30…ガスバリア性積層フィルム 31…透明なプラスチックフィルム基材 32…透明導電性酸化物層 33…ガスバリア層 40、60…真空製膜装置 41、61…巻出しロ−ル 42、62…ガイドロ−ル 43、63…製膜ロ−ル 44、64…巻取りロ−ル 45、65…真空ポンプ 46、66…長尺状のPETフィルム 47、67…スパッタリングユニット 48…坩堝 68…高周波誘導加熱式坩堝 49、69…成膜材料 50…電子銃 51…電子線
Claims (7)
- 【請求項1】透明フィルムからなる基材の少なくとも片
面に、無機化合物層を設けてなるガスバリア性積層フィ
ルムにおいて、前記無機化合物層が、透明導電性酸化物
層とガスバリア層とを、基材表面に透明導電性酸化物層
がくるように積層させたものであることを特徴とする透
明なガスバリア性積層フィルム。 - 【請求項2】ガスバリア層がアルミニウム酸化物、珪素
酸化物の何れか一方、もしくは両方からなることを特徴
とする請求項1に記載の透明なガスバリア性積層フィル
ム。 - 【請求項3】透明導電性酸化物層の表面抵抗値が1.0
×106 Ω/□以下であることを特徴とする請求項1お
よび2に記載の透明なガスバリア性積層フィルム。 - 【請求項4】該透明導電性酸化物層が、インジウム錫酸
化物(ITO)であることを特徴とする請求項1から3
何れかに記載の透明なガスバリア性積層フィルム。 - 【請求項5】請求項1から4何れかに記載の透明導電性
酸化物層をスパッタリング法により形成することを特徴
とする透明なガスバリア性積層フィルムの製造方法。 - 【請求項6】請求項1から5何れかに記載の金属酸化物
を加熱蒸着法により形成することを特徴とする透明なガ
スバリア性積層フィルムの製造方法。 - 【請求項7】該スパッタリング法による透明導電性酸化
物層と該加熱蒸着法によるガスバリア層が、同一の真空
雰囲気下で連続的に設けられることを特徴とする請求項
5および6に記載の透明なガスバリア性積層フィルムの
製造方法。
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