JP2001233722A

JP2001233722A - 化粧料

Info

Publication number: JP2001233722A
Application number: JP2000049053A
Authority: JP
Inventors: Katsuhiko Yoshida; 勝彦吉田
Original assignee: Kanebo Ltd
Current assignee: Kanebo Ltd
Priority date: 2000-02-25
Filing date: 2000-02-25
Publication date: 2001-08-28

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】汚れ落ちに優れ、使用時の刺激感を緩和し、サ
ッパリとした使い心地に関わらず、使用後のしっとり感
が得られる化粧料を提供する。【解決手段】成分（Ａ）及び（Ｂ）を含有することを特
徴とする化粧料。（Ａ）成分の海泥は海洋由来の天然無
機物質であり、主として含硫ケイ酸アルミニウムからな
り、各種のミネラルを含む腐食泥である。（Ｂ）成分の
炭は、通常は木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料で
あり、備長炭に代表される木炭や竹を原料とする竹炭、
椰子殻を原料とする活性炭などが挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は化粧料に関し、さら
に詳細には、頭皮や肌の老廃物をコントロールし、新陳
代謝を正常に保ち、使用感に優れる化粧料、特に、洗浄
剤またはパックに関する。

【０００２】

【従来の技術】洗浄剤やパック料等の化粧料の機能とし
て、頭髪のスカルプや皮膚の毛穴を防ぐ塵埃やメイクア
ップ等の外因性の汚れや、皮脂・汗・角質老廃物等の内
因性の汚れを効果的に除去すること等が求められる。ま
た、皮膚の生理機能を阻害しない、皮膚を損傷させない
等の安全性は基本機能として求められている。その他、
洗顔料やシャンプー等の洗浄剤には、泡立ちをよくする
ことが商品価値を高める要因の一つである。

【０００３】かかる機能及び使用感を改良することを目
的として、胡桃核粒や真珠屑のような天然の動植物粒
子、ナイロン粉末やポリアクリル酸アルキル粉末のよう
な合成樹脂微粒子、カオリンや球状多孔質シリカのよう
な無機物粒子が用いられる。しかしながら、これらの粉
体や粒子を洗浄料やパック料等に添加すると、汚れをき
れいに取ろうとすると使用後にかさつきを感じたりし、
皮膚の生理機能を阻害することがあった。また、これら
粉体や粒子は比較的硬度があり、使用時に皮膚表面を傷
つける危険がある。その他、洗顔料やシャンプー等の洗
浄剤においては、使用時の細かな泡立ちや洗い流し時の
泡切れの良さ等が期待できないという欠点があった。

【０００４】一方、古来より燃料として利用されている
炭は、多孔性を利用して水処理、空気清浄材、排気処理
材、土壌改良材、ろ過材、魚礁、微生物培養器材、住宅
結露防止調湿材等に使われ、研磨性を利用して漆研磨、
印刷用銅亜鉛研磨、七宝研磨化粧、器具洗浄等に用いら
れ、吸光性を利用して温水器、融雪材に使われ、電気特
性を利用して電池、電流アース用、電磁波遮断材、電
極、カーボンフィラメント等に使われ、化学特性を利用
して金属精錬、着火材、黒色火薬、化学薬品の製造に使
われ、含有される無機成分を利用して無機質肥料、釉
薬、セラミックスに使われ、趣味・芸術的利用として、
装飾、華道、絵画のデッサン等々、多方面への応用があ
り、木炭を作るときに出てくる煙を煙突に導き冷却し、
液体化した木酢液はカユミや炎症を抑え、角質形成促進
作用があり、殺菌や消毒作用を有するとして民間薬的に
利用され、木酢液を用いた化粧料が市販されている。ま
た、木炭、活性炭を配合して、体臭をとる効果や色にふ
かみを持たせた固形石鹸が特開平９−１１１２９６号公
報や特開平１０−１７００号公報で提案されているが、
単に炭を配合しても化粧料としての整肌効果は勿論、洗
浄料やパック料等としての十分な効果が得られるものは
見あたらなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
汚れ落ちに優れ、使用時の刺激感を緩和し、サッパリと
した使い心地に関わらず、使用後の皮膚や毛髪にしっと
り感が得られる洗浄料やパック料等の化粧料を提供する
事を目的とする。また、泡を発生する製剤については、
泡立ちが良くなるにも関わらず、すすぎ時の泡切れが良
好になる化粧料を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記実状に鑑み、本発明
者らは鋭意研究の結果、（Ａ）海泥、（Ｂ）炭を組み合
わせて使うことにより上記課題を解決し得る事を見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は次
の成分（Ａ）及び（Ｂ）；（Ａ）海泥（Ｂ）炭を含有することを特徴とする化粧料にある。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明に用いられる（Ａ）成分の
海泥は、海洋由来の天然無機物質であり、主として含硫
ケイ酸アルミニウムからなり、各種ミネラルを含む腐食
泥である。採掘した海泥は必要に応じて乾燥や粉砕等の
処理を行い用いることが出来る。市販品としては、ミロ
ネクトンやミロネクトンＲ（大日本化成製）等が挙げら
れる。（Ａ）成分の配合量は特に限定されないが、化粧料の総
量中に、好ましくは０．０１〜１０質量％、より好まし
くは０．１〜５質量％である。一方、本発明に用いられ
る（Ｂ）成分の炭は、通常は木材を蒸し焼きにして作っ
た黒色の燃料であり、備長炭に代表される木炭や竹を原
料とする竹炭、椰子殻を原料とする活性炭などが挙げら
れる。本発明では、これら木炭、竹炭、活性炭から選ば
れる炭を単独または２種以上用いることが出来る。配合
する炭の形態としては、粒状、粉状、または溶媒中に粉
末状で分散された分散液として化粧料中に配合される。
炭は粒状、粉状にすることによって、肌への刺激がな
く、汚れ落ちに優れるので粒状、粉状にすることが好ま
しく、その粒子径としては、０．１〜２００μｍが好ま
しく、特に好ましくは１〜１００μｍである。（Ｂ）成分の配合量は特に限定されないが、化粧料の総
量中に、好ましくは０．０１〜１０質量％、より好まし
くは０．１〜５質量％である。

【０００８】本発明の化粧料には、上記必須成分に加
え、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、粘
度調整剤、ｐＨ調整剤、洗浄剤、乳化助剤、粒子分散
剤、被膜形成剤等の化粧料において使用される成分の配
合が可能であって、本化粧料の種類によって適宜選択し
て配合する。例えば、粘度調整剤としてはメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、キサンタンガム等の水溶性高分子を用いる
ことが出来る。ｐＨ調整剤としては、クエン酸または／
及びその塩、リン酸または／及びその塩、乳酸または／
及びその塩等のバッファーを用いることが出来る。洗浄
剤としては、通常の洗浄剤に用いられる界面活性剤であ
ればいずれでも良く、特に限定されるものではない。例
として、脂肪酸石鹸、カルボン酸型界面活性剤、アルキ
ル硫酸エステル型界面活性剤、スルホサクシネート型界
面活性剤、タウレート系、アシルサルコシン系、アシル
ーβ―アラニン系等のアシル化アミノ酸型界面活性剤、
リン酸エステル型界面活性剤等のアニオン界面活性剤、
イミダゾリン型、アルキルベタイン型、アルキルアミド
ベタイン型、アルキルスルホベタイン型の両性界面活性
剤やアルキルサッカライド類、ＥＯ付加型界面活性剤等
などが挙げられる。乳化助剤としては、高級アルコー
ル、高級脂肪酸やＥＯ付加型界面活性剤、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン
界面活性剤等が用いられる。粒子分散剤としては、アル
キルアミン、脂肪酸およびアルキル硫酸エステルの金属
塩、ソルビタンのモノまたはセスキ脂肪酸エステル、ラ
ノリン誘導体、レシチン、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ジ
アルキルスルホサクシネートや水溶性のリン酸塩類やケ
イ酸塩類等が挙げられる。皮膜形成剤としては、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ア
ルキル共重合体エマルション、アルギン酸等を用いるこ
とが出来る。さらにこれらに加えて、高級脂肪酸、直鎖
あるいは分岐鎖を有するエステル類、炭化水素、油脂類
等の油性成分、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、殺菌剤、美容成分等、通常化粧料に用いられる他の
成分も配合することが出来る。

【０００９】本発明の化粧料としては、痩身化粧料；メ
イクアップ化粧料；ヘアーシャンプー、洗顔フォーム、
ボディシャンプー、固形石鹸、クレンジング料等の洗浄
剤；ボディパック、フェイスパック、ヘアートリートメ
ントやヘアーリンス等のヘアーパック等のパック料、入
浴剤等が挙げられるが、特に洗浄料やパック料が好適で
ある。パック料の使用方法としては、洗い流しタイプ、
皮膜形成ピールオフタイプ、貼着タイプ等が挙げられ
る。これら化粧料の形態としては、液状、乳液状、クリ
ーム状、ゲル状、支持体に塗布したシート状、粉末状等
種々の形態にて実施することが出来る。以下に実施例を
挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは
本発明を何等限定するものではない。なお、以下に示す
配合量は全て質量％である。

【００１０】

【実施例】下記に示した処方及び調製法にて得られたサ
ンプルを用いて、専門パネラー１０名により使用特性を
評価した。使用特性については製剤によって異なるが、
それぞれの項目について下記５段階の点数で官能評価
し、１０名の平均点数を下記５段階の総合評価として評
価した。なお、以下の実施例中の炭粉末の粒子径として
は、３２５メッシュパス品（粒子径４４μｍ）を用い
た。

【００１１】

【００１２】［総合評価］平均点数 --------------------------- ５〜４．５ ◎ ４．４〜３．５ ○ ３．４〜２．５ △ ２．４〜１．６ × １．５以下 ××

【００１３】実施例１〜２、比較例１〜６（洗顔フォー
ム）下記表１の処方で洗顔フォームを製造し、表１の評価結
果を得た。

【００１４】

【表１】

【００１５】（製造方法）１．全量が仕込める容器に（１）〜（７）の成分を秤込
み、７０〜８０℃で撹拌溶解する。２．（１）〜（７）の成分を撹拌しながら、均一溶解さ
せた（８）及び（９）をゆっくり添加し、鹸化を行う。
この時、バッチ温度を７０〜８０℃に保つ。３．さらに（１０）〜（１２）の成分を加えて溶解させ
る。４．次に、（１３）〜（１５）の成分を加えて十分に均
一とした後、撹拌しながら室温以下まで冷却を行い、適
当な容器に充填する。

【００１６】実施例３、比較例７〜９（クレイパック）下記表２の処方で洗い流しタイプのクレイパックを製造
し、表２の評価結果を得た。

【００１７】

【表２】

【００１８】（製造方法）１．全量が仕込める容器に（１）〜（６）の成分を秤込
み、全体を均一とする。２．ホモジナイザーを作動させながら（７）〜（９）の
成分を添加し、全体を均一にする。３．ホモジナイザーの作動を停止し、（１０）の成分を
加え、パドルミキサーにて攪拌して全体を均一とした
後、適当な容器に充填する。

【００１９】実施例３、比較例７〜９（ヘアーシャンプ
ー）下記表３の処方でシャンプーを製造し、表３の評価結果
を得た。

【００２０】

【表３】

【００２１】（製造方法）１．全量が仕込める撹拌機付き容器に（１）〜（１０）
の成分を秤取り、７０〜８０℃に加熱し、均一に溶解さ
せる。２．その後、残りの成分を添加し、十分撹拌した後、室
温まで冷却し、適当な容器に充填する。

【００２２】実施例６（スカルプクレンジング）下記表４の処方でスカルプクレンジングを製造した。こ
の製品は、頭皮を傷めず、毛穴の汚れをきれいに取り、
サッパリとした感じが得られ、ふけや抜け毛を予防し、
健やかな頭皮に整えることができた。

【００２３】

【表４】

【００２４】（製造方法）１．全量が仕込める容器に（１）〜（８）の成分を秤込
み、加熱撹拌して溶解させた後、室温まで冷却する。２．別の容器に（９）及び（１０）の成分を秤取り、加
熱撹拌して均一とした後、室温まで冷却する。３．（１）〜（８）に先に調製した（９）及び（１０）
を添加し、均一に溶解させる。４．その後、（１１）及び（１２）の成分を添加し、十
分に撹拌した後、適当な容器に充填する。

【００２５】

【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明の化粧料
は、（Ａ）海泥及び（Ｂ）炭を併用することで、汚れ落
ちに優れ、使用時の刺激感を緩和し、サッパリとした使
い心地に関わらず、使用後のしっとり感が得られる洗浄
料やパック料等の化粧料を提供する。また、泡を発生す
る製剤については、泡立ちが良くなるにも関わらず、す
すぎ時の泡切れが良好になる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）及び（Ｂ）；（Ａ）海泥（Ｂ）炭を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項２】（Ｂ）の成分が粒状または粉状の炭であ
ることを特徴とする請求項１記載の化粧料。
【請求項３】（Ａ）成分の含有量が０．０１〜１０質
量％、（Ｂ）成分の含有量が０．０１〜１０質量％であ
ることを特徴とする請求項１記載の化粧料。
【請求項４】化粧料が、洗浄剤、またはパック料であ
る請求項１〜３のいずれか１項に記載の化粧料。