WO2005022095A1

WO2005022095A1 - 音振解析装置および音振解析方法、並びに音振解析用のプログラムおよび音振解析用のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Info

Publication number: WO2005022095A1
Application number: PCT/JP2004/012785
Authority: WO
Inventors: Takaaki Nakamura
Original assignee: Honda Motor Co., Ltd.
Priority date: 2003-08-28
Filing date: 2004-08-27
Publication date: 2005-03-10
Also published as: EP1686359A1; CA2535893A1; EP1686359A4; JP2005098984A; CA2535893C; US20070032968A1; US7401000B2; JP3853807B2

Abstract

この音振解析装置は、複数のギヤを有する自動車のトランスミッションの稼動時に、複数のギヤの回転に伴って発生する音のデータと、複数のギヤの中から選択されたギヤの回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析装置であって、音のデータを周波数分析する音振演算部と、複数のギヤの諸元に応じた次数を演算する次数演算部と、自動車の速度を演算する速度演算部と、音圧レベルを次数および車両の速度に対応付けて表示する表示装置とを備える。

Description

明細書音振解析装置および音振解析方法、並びに音振解析用のプログラムおよび音振解析用のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

本発明は、回転体の回転に伴い発生する音または振動の解析装置に関し、より詳しくは、車両を実走行させて行う官能検査とトランスミッションなどから発生するギヤ（歯車）の音との相関を調べて異音の解析を行う装置およびその方法、並びにこれに用いられるプログラムおよびそのプログラムが記録されたコンビュータ読み取り可能に記録された記録媒体に関する。

本願は、 2003年 8月 28日に出願された特願 2003— 2093 53号、および 2004年 6月 30日に出願された特願 2004- 1 9441 3号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。背景技術

ギヤなどの回転体を備える装置を運転すると、運転状態に関係なく連続して発生する連続音や、特定の運転状態に発生する不連続音、または音の発生を伴わない振動が発生することがある。このうち、不連続音としては、ギヤが嚙合しながら回転する際に発生する歯打ち音や、ベアリングの転動面から発生する音（以下、まとめて異音とする）などがあげられる。従来、このような異音の発生を防止することを目的として、作業者による官能検査が行われたり、異音を解析する装置が開発されたりしている。

特許第 259608 1号公報（第 2頁および第 3頁、第 1図）に開示されている解析装置は、ギヤの回転速度を変化させながら所望の範囲内の回転速度に応じて発生する振動を測定し、これを周波数分析した信号の内から、ギヤの回転速度と歯数に応じて決定される周波数範囲内の信号を取り出すもので、この解析装置によれば異音の最大値が抽出される。

特開 2002-25768 5号公報（段落番号 00 1 5および 001 6、第 4 図）に開示されている解析装置は、ギヤが回転する際の回転速度のムラと、ギヤから発生した音の音圧とを同時に測定し、それぞれの信号の波形を比較するもので、この解析装置によればギヤを有する歯車伝達装置に発生する音がギヤによるものであるのか、他の要因によるものであるのが判別される。

特開 2 0 0 1— 1 9 4 2 2 1号公報（段落番号 0 0 2 9および 0 0 3 0、第 1 3図）に開示されている解析装置は、二輪車に集音マイクとレコーダとを取り付けて走行時の音をデータとして取り込んで、予め次数が判明しており、かつ全体音の中で比率の高い次数の音を、次数フィルタを用いて特定するもので、この解祈装置によれば次数音に基づく評価がなされる。

ところで、従来の解析装置では、複数の回転体がある場合に、異音が発生した場所を特定することができない。また、官能検査で異音が発生する場所を特定しようとしても、官能検査は人間の感性に基づくためにばらつきが発生し易く、実際の測定結果との相関を調べ難い。特に、自動車のトランスミッションなどのように、一つの回転軸にギヤを多段に配置したり、回転軸を多軸化したりした装置では、異音の推定部位が多数にのぼり、異音の発生場所の特定が困難である。また、従来の解析装置は、回転体の回転数の経過時間に基づいて評価を行っており、自動車のように検查対象物が移動する場合には、実際の車速と回転体の回転速度とが異なる場合があるので、測定結果の相関を調べ難い。

加えて、特許第 2 5 9 6 0 8 1号公報に記載された解析装置のように最大値による判断では、異音の周波数が小さい場合には、その音を人間が感知できるものであっても検出できない。

本発明は、上記の課題を解決し、音の発生要因およびその発生場所を確実に判別することができる解析装置を提供することを目的とする。また、音の代わりに振動を測定した場合であっても振動の発生要因を確実に判別することができる解析装置を提供することを目的とする。発明の開示

上記の課題を解決するために、本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析装置であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析手段と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換手段と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換手段と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示手段とを備える音振解析装置を提供する。

本発明の音振解析装置においては、車両の動力伝達機構に具備される複数の回転体から音や振動が発生した場合に、その音や振動のデータを取り込んで、各回転体ごとにそれらの回転数には依存しない変数である次数を演算する。また、複数の回転体の中から選択された回転体の回転数データに基づいて車両の速度を演算する。そして、音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを、先に演算した次数おょぴ車両の速度に対応付けて表示手段に表示する。例えば、回転体から発生する音の次数は、回転体の歯数により定まるので、音に対応付けられた次数を調べれば、音の発生源である回転体が特定される。

本発明の音振解析装置によれば、音または振動の次数を演算し、演算した次数およぴ車速に対する音圧レベルを表示するようにしたので、車速の変化に応じて発生する異音や振動の発生源の特定が可能になる。また、官能検査との整合が取り易くなるので、異音や振動の発生の確認や、発生源の特定が容易になる。さらに、異音や振動の発生源の特定が確実にできるので、交換作業の工数削減にも貢献する。回転体の回転数の大小に依存しない次数で異音や振動の発生源を特定できるので、周波数の近い回転体が複数ある場合であっても、異音や振動の発生源の判別を制御良く行える。

本発明の音振解析装置においては、前記表示手段の表示に基づいて選択された特定の次数を含む音を再生する再生手段を備えることが望ましい。特定の次数を選択してその次数を含む音を再生し、作業員に、官能検査の際に聞いた音と比較させることにより、音の発生源が特定し易くなる。

本発明の音振解析装置によれば、特定の次数を含む音を再生するようにしたことにより、官能検査との整合が取り易くなるので、異音や振動の発生の確認や、発生源の特定が容易になる。

本発明の音振解析装置においては、前記再生手段が、前記音または振動のデータからなる原音、前記特定の次数を含む音、または前記原音から前記特定の次数を含む音の成分を除いた音のいずれかを選択的に再生することが望ましい。原音は、測定時に車両または動力伝達機構が発する音にほぼ等しく、特定の次数を含む音は、動力伝達機構から発生する異音に相当する。原音から特定の次数を含む音の成分を除いた音は、異音の発生源を取り除いた後に車両または動力伝達機構が発する音にほぼ等しい。そこで、それぞれの音を聞き比べることにより、音の発生源が特定し易くなる。

本発明の音振解析装置によれば、取り込んだ音または振動からなる原音と、特定の次数を含む音と、原音から特定成分を除いた音とを再生できる。したがって、測定時の状態の再現や、異音のみの聴取、異音の発生源を取り除いた状態の確認が可能になるので、前記の効果に加えて、さらに異音や振動の発生の確認や、発生源の特定が容易になる。

本発明の音振解析装置においては、前記再生手段により再生される音のデータを、予め設定されたデータ形式のファイルに変換する変換手段を備えることが望ましい。

本発明の音振解析装置によれば、音振解析装置で再生した音のデータを、他の装置でも読み取り可能なファイル形式に変換して保存することが可能になるので、他の装置を使用して異音などの確認を行うことができる。したがって、場所や時間にとらわれずに、異音や振動の発生の確認や、発生源の特定を行うことが可能になり、異音や振動に対する対策を講じ易くなる。

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析方法であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む音振解析方法を提供する。

本発明の音振解析方法においては、車両の動力伝達機構に具備される複数の回転体から音や振動が発生した場合に、その音や振動に対応付けられる次数を演算し、音または振動に基づいて取得される音圧レベルを、先に演算した次数おょぴ車両の速度に対応付けて表示手段に表示する。例えば、回転体から発生する音の次数は、回転体の歯数により定まるので、音に対応付けられた次数を調べれば、音の発生源である回転体が特定される。

本発明の音振解析方法によれば、測定したデータに基づいて音または振動の次数が演算され、演算した次数および車速に対する音圧レベルが表示されるので、車速の変化に応じて発生する異音や振動の発生源が特定できるようになる。したがって、異音や振動の発生源を容易に、かつ確実に特定できるようになるので、部品等の交換作業や調整作業のための工数を削減できる。

本発明の音振解析方法においては、前記表示工程によってなされた表示に基づいて、特定の次数を含む音の再生が選択されたときにその音を再生する再生工程を含むことが望ましい。特定の次数を選択してその次数を含む音を再生し、作業員に、官能検査の際に聞いた音と比較させることにより、音の発生源が特定し易くなる。

本発明の音振解析方法においては、前記再生工程が、前記音または振動のデータからなる原音の再生、前記特定の次数を含む音の再生、または前記原音から前記特定の次数を含む音の成分を除いた音の再生のいずれかを選択的に実行するェ程であることが望ましい。原音は、測定時に車両または動力伝達機構発する音にほぼ等しく、特定の次数を含む音は、動力伝達機構から発生する異音に相当する。原音から特定の次数を含む音の成分を取り除いた音は、異音の発生源を取り除いた後に車両または動力伝達機構が発する音にほぼ等しい。そこで、それぞれの音を聞き比べることにより、音の発生源が特定し易くなる。

本発明の音振解析方法によれば、原音、特定成分、原音から特定成分を除いた音とが選択的に再生されるようになるので、測定時の状態の再現や、異音のみの聴取、異音の発生源を取り除いた状態の確認が可能になる。したがって、異音や振動の発生の確認や、発生源の特定がさらに容易になる。

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させる音振解析用のプログラムであって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む音振解析用のプログラムを提供する。

本発明の音振解析用のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行すると、車両の動力伝達機構に具備される複数の回転体から発生する音や振動に対応付けられる次数を演算し、音または振動に基づいて取得される音圧レベルを、先に演算した次数および車両の速度に対応付けて表示手段に表示する。例えば、回転体から発生する音の次数は、回転体の歯数により定まるので、音に対応付けられた次数を調べれば、音の発生源である回転体が特定される。

本発明の音振解析用のプログラムによれば、記録媒体に記録されている音振解析用プログラムをコンピュータで実行させるだけで、音振解析が行えるようになり、異音や振動の発生源を特定することができる。

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて俞記車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含むプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。

本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された音振解析用のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行すると、車両の動力伝達機構に具備される複数の回転体から発生する音や振動に対応付けられる次数を演算し、音または振動に基づいて取得される音圧レベルを、先に演算した次数おょぴ車両の速度に対応付けて表示手段に表示する。例えば、回転体から発生する音の次数は、回転体の歯数により定まるので、音に対応付けられた次数を調べれば、音の発生源である回転体が特定される。なお、このような音振解析用のプログラムは、予めコンピュータに記憶させておいても良いし、ネットワークを通じてダウンロードするようにしても良い。

本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、音振解析用のプログラムをコンピュータで実行させるだけで、音振解析が行えるようになり、異音や振動の発生源を特定することができる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の音振解析装置よる異音の測定を説明する概念図である。図 2は、音振解析装置の構成を示すプロック図である。

図 3は、音振解析装置の処理を示すフローチャートである。

図 4は、メニュー画面を示す図である。

図 5は、信号分析画面を示す図である。

図 6は、次数分析画面を示す図である。

図 7は、フィルタ処理画面を示す図である。

図 8は、音データ記録画面を示す図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

最初に、本実施形態における検査対象物について説明する。図 1に示すように、この実施形態の検查対象物ほ、自動車 1、より詳細には自動車のトランスミツション 2である。

トランスミッション 2は、エンジン 3を駆動源として回転駆動される第一シャフト 4を有する。第一シャフト 4には、 1 0枚の歯を有する 1速ドライブギヤ 5 と、 1 5枚の歯を有する 2速ドライブギヤ 6とが並列に取り付けられている。 1 速ドライブギヤ 5には、 2 0枚の歯を有する 1速ドリブンギヤ（回転体） 7が嚙合しており、 2速ドライブギヤ 6には、 5枚の歯を有する 2速ドリブンギヤ 8が嚙合している。 1速ドリブンギヤ 7および 2速ドリブンギヤ 8は、ともに第二シャフト 9に取り付けられている。

第二シャフト 9には、 1 0枚の歯を有するファイナルドライブギヤ 1 0が取り付けられている。フアイナノレドライブギヤ 1 0は、ファイナルドリブンギヤ 1 1 に嚙合している。ファイナルドリブンギヤ 1 1は、第三シャフト 1 2に取り付けられている。第三シャフト 1 2の端部には、駆動輪 1 3が取り付けられている。第二シャフト 9および第三シャフト 1 2は、第一シャフト 4に平行に配置されている。

1速ドリプンギャ 7および 2速ドリプンギャ 8には、不図示のクラツチが設けられている。不図示のシフトレバーの操作により 1速が選択されたときには、 2 速ドリプンギャ 8に設けられたクラツチが切られて 2速ドリブンギヤ 8が空転し、エンジン 3の回転が、 1速ドライブギヤ 5、 1速ドリブンギヤ 7、およびフアイナルドライプギヤ 1 0を介して第三シャフト 1 2および駆動輪 1 3に伝達される。同様に 2速が選択されたときには、 1速ドリブンギヤ 7に設けられたクラツチが切られて 1速ドリブンギヤ 7が空転し、エンジン 3の回転が、 2速ドライブギヤ 6、 2速ドリブンギヤ 8、およびファイナルドライブギヤ 1 0を介して第三シャフト 1 2および駆動輪 1 3に伝達される。

車両 1の車室内には、トランスミッション 2で発生する音やエンジン 3その他の機器から発する音を取り込む集音マイク 1 4と、集音マイク 1 4が取り込んだ音を記録するレコーダ 1 6とが搭載されている。自動車 1を実走行させて官能検查を行うテストドライバは、運転中に感じたことなどをコメントとして喋るので、この音声も集音マイク 1 4に取り込まれる。レコーダ 1 6は、集音マイク 1 4が取り込んだ音を時間の経過に従って音データとして記録する。

トランスミッション 2で発生する音は、各シャフト 4 , 9や、各ギヤ 5， 6 , 7 , 8 , 1 0， 1 1の回転に伴って発生する音、ギヤ同士が嚙み合う際に発生する音など様々である。これらの音のうち、所定の音圧レベル（d B ) を超える音が、上述した異音とみなされる。

第二シャフト 9に取り付けられた 1速ドリブンギヤ 7の外周の歯に臨む位置には、パルスセンサ 1 5が取り付けられている。パルスセンサ 1 5は、第二シャフト 9の回転数を検出するために選択された 1速ドリブンギヤ 7の回転数を検出する半導体センサである。パルスセンサ 1 5は、 1速ドリブンギヤ 7が回転し、その外周に形成してある個々の歯がパルスセンサ 1 5に近接または離間すると、方形状のパルス信号を出力する。検査開始から時間の経過に従って、パルスセンサ 1 5から出力されるパルス信号はパルス信号データとしてレコーダ 1 6に記録される。レコーダ 1 6は、音データとパルス信号データとを同期させて 1つのデータファイルとして記録媒体に記録する。

さらに、トランスミッション 2の各ギヤ 7 , 8 , 1 0の諸元に応じた次数について説明する。

各ギヤ 7， 8 , 1 0の次数は、パルスセンサ 1 5で回転数を検出する 1速ドリプンギャ 7が取り付けられている第二シャフト 9の 1回転を基準として、各ギヤ ( 1速ドリブンギヤ 7、 2速ドリブンギヤ 8、ファイナルドライブギヤ 1 0 ) の歯数を特定するパラメータとなる。上記のように、 1速ドリブンギヤ 7は 2 0枚の歯を有するギヤなので、パルスセンサ 1 5のパルスが 2 0回出力されると第二シャフト 9が 1回転したことになる。つまり、第二シャフト 9が 1回転する間に、 1速ドリブンギヤ 7は 1速ドライブギヤ 5と 2 0枚の歯が嚙み合うので、 1速ドリブンギヤ 7の次数は 2 0次とする。同様に、第二シャフト 9が 1回転する間に 2速ドリプンギャ 8は 2速ドライブギヤ 6と 5枚の歯が嚙み合うので、 2速ドリプンギャ 8の次数は 5次となる。さらに、第二シャフト 9が 1回転する間にファイナルドライブギヤ 1 0は、ファイナルドリブンギヤ 1 1と 1 0枚の歯が嚙み合うので、その次数は 1 0次となる。

周波数をパラメータとする場合には、例えば、第二シャフト 9が 1 0 0回転 Z 秒で回転すると、 2 0枚の歯を有する 1速ドリブンギヤ 7は 1 0 0回転秒で回転しながら 1速ドライブギヤ 5と嚙み合い、パルスセンサ 1 5は 1秒間にパルスを 2 0 0 0回出力するので、この時の周波数は 2 0 0 O H zとなる。第二シャフト 9の回転数が 5 0回転/秒になれば、 1速ドリブンギヤ 7の周波数は 1 0 0 0 H zになる。このように、周波数はシャフトの回転数に応じて変化するが、次数はシャフトの回転数によらず一定の値となる。そこで、本実施形態のように次数に着目してデータ処理を行うことで、回転数によらずに安定した解析が行えるようになる。

図 1および図 2に示すように、音振解析装置 2 0は、記録媒体からデータファィルを読み取る読取装置 2 1と、ディスプレイなどの表示装置 2 2と、音を再生するスピーカ 2 3と、データを記憶する記憶装置 2 4と、キーボードゃポインテイングデバイスなどの入力装置 2 5と、中央演算装置などからなる制御装置 2 6 とを備えるコンピュータである。この音振解析装置 2 0は、記録媒体の種類に応じて複数の読取装置 2 1を有しても良い。スピーカ 2 3は、デジタル信号を増幅する増幅回路や、アナログ信号に変換する変換器などを含むものとする。

制御装置 2 6は、記憶装置 2 4に記憶されている音振解析用のアプリケーションプログラムを中央演算装置やメモリに展開、起動させることで、各種のデータ処理を実現する。

ここで、制御装置 2 6は、音振解析用のアプリケーションプログラムにより、抽出部 3 1、音振演算部 3 2、速度演算部 3 3、次数演算部 3 4、表示制御部 3 5、入力処理部 3 6、および抽出部 3 7として機能する。

抽出部 3 1は、読み込んだデータファイルから音データとパルス信号データとを抽出する。抽出された音データおよびパルス号データは、音振演算部 3 2において周波数データおよぴ音圧データに変換される。ここで、周波数データは、音データを周波数分析（高速フーリエ変換）して得られるデータである。音圧データは、周波数データの音の振幅の大きさから音圧を求め、基準音圧（例えば、全体の音の音圧）に対する対数比である音圧レベルを演算したデータで、時間おょぴ周波数ならびに第二シャフト 9の回転数と、これにより特定される音の音庄レベルとを対応付けたデータ構成を有する。また、パルス信号データは、速度演算部 3 3において回転数と車速とに換算される。車速は回転数に所定の係数を乗算することで得られるが、この係数は、駆動輪 1 3の径ゃギヤ比によって異なる。この音振解析装置 2 0では、予めメモリされている係数を選択して用いるか、作業者が入力した値を用いる。

次数演算部 3 4は、周波数データおよびパルス信号データから音の周波数を回転数で除算して次数を演算する。この処理で得られる次数は、時間と、周波数と、音圧レベルと、第二シャフト 9の回転数と、自動車 1の車速とに関連付けられて、次数データとされる。このように実際に録音された音から演算される次数は、トランスミッション 2の各ギヤ（例えば、ギヤ 7， 8 , 1 0 ) の歯数（諸元）により定まる各ギヤ固有の次数に相当する。このため、走行中に録音された音のうち、所定の音圧レベル以上の音の次数を演算すれば、異音の発生原因となっているギャ（例えば、ギヤ 7， 8， 1 0 ) を特定することができる。なお、次数データは、周波数および回転数と、これにより特定される次数とを対応付けたデータ構成で tl民い。

演算結果の表示処理は、表示制御部 3 5により行われる。入力処理部 3 6は作業者が入力装置 2 5を用いて入力する操作を処理する。抽出部 3 7は、特定の周波数または次数を有する音を再生する場合に、該当する音を次数データから抽出する処理を行う。変換部 3 8は、抽出部 3 7で抽出し、かつスピーカ 2 3で再生した音のデータを、他の装置で読み取ることが可能なファイル形式に変換する。ここで、読み取とることが可能とは、他の装置でファイルを開いて、データを画面表示させたり、他の装置のスピー力で音を再現したりできることをいう。次に、本実施形態の作用について説明する。

まず、自動車 1を実走行させて、音声データおょぴパルス信号データを取得する。この際に、テストドライバは、徐々に速度を変化させながら、官能検査を行い、実際に体感される走行フィーリングを記録する。官能検査の結果を記録する記録媒体には音声データまたは紙媒体が用いられる。例えば、 2速で緩加速しているときに、車速が 5 5 k m/ h付近や、車速が 6 0 k m/ h付近でテストドラィバが異音を聞き取ったら、その旨がレコーダ 1 6または紙媒体に記録される。実走行が終了したらレコーダ 1 6から記録媒体を取り出す。音振解析装置 2 0では、図 3のフローチャートに従って処理が行われる。すなわち、記録媒体に記録されたデータファイルが読取装置 2 1によって読み取られ（ステップ S 1 )、音振演算部 3 2によって周波数分析が行われる（ステップ S 2 )。続いて、必要に応じて速度演算部 3 3によって自動車 1のトランスミッシヨン 2の回転数が車速に変換される（ステップ S 3 )。その後、作業者の操作に応じて次数演算部 3 4によつて各ギヤ 7， 8 , 1 0の諸元に応じた次数変換が行われ（ステップ S 4 )、これらの演算結果が表示制御部 3 5によって表示装置 2 2に表示される（ステップ S 5 )。また、演算結果に基づいて音データの再生が行われる（ステップ S 6 )。さらに、必要に応じて変換部 3 8によってデータ変換が行われ、他のコンピュータにおいて読み取り可能な形式にデータが変換される（ステップ S 7 )。

以下に、各ステップ S 1〜S 7の処理を行う際に、音振解析装置 2 0によって作成される画面の一例おょぴ画面の操作について説明する。

音振解析装置 2 0の音振解析用のアプリケーションプログラムを起動させると、表示装置 2 2には、各種の処理を選択するメニュー画面、およびメュユー画面で選択された処理を捕助しかつ処理結果を表示する画面が表示される。このメニュ一画面の一例を図 4に示す。メニュー画面 4 1には、データファイルを読み込んで各データが表示される。さらに、メニュー画面 4 1には、音データの周波数分析を実行させる際に選択する信号分析ポタン 4 2と、次数分析を行う際に選択する次数分析ボタン 4 3と、記録媒体から読み込んだデータファイルを汎用の形式で記録したり周波数分析用のデータファイルを作成したりする音データ記録ボタン 4 4と、アプリケーションプログラムを終了させる終了ポタン 4 5とが設けられる。なお、ポタンの操作やアイコンの選択、テキストボックスへの文字または数字の入力、カーソルの移動などは、作業者がキーボードまたはポインティングデバイスを使って入力または操作する。また、入力結果または操作結果は、入力処理部 3 6を経て各種の処理または画面表示または音出力に反映されるものとする。

メニュー画面 4 1において信号分析ポタン 4 2が選択された場合には、図 5に示すような信号分析画面 5 1が表示され、ファイルの読み込みや、グラフ表示、データの記録を行うことが可能になる。図 5に示すように、信号分析画面 5 1の中央には、パルスセンサ 1 5から出力されるパルス信号（電圧）が検査時の時間の経過に横軸にとって表示されるパルス信号データグラフ 5 2と、音（電圧）の変化を示す音グラフ 5 3と、第二シャフト 9の回転数（r p m) の変化を示す回転数グラフ 5 4と、音データを周波数分析して得られる周波数（H z ) の変化を示す周波数グラフ 5 4と、実走行時の時間の変化に対してレコーダ 1 6に録音された音の周波数をプロットした周波数グラフ 5 5とが設けられる。これらのグラフはいずれも横軸に時間軸をとり、パルス信号データグラフ 5 2を最上段として上記の順に上から下に配列され、かつ時間軸が一致するように配置される。周波数グラフ 5 5の各プロットは、音振演算部 3 2で演算した音圧レベル（d B ) の大きさに応じて色分けされている。つまり、この周波数グラフ 5 5には、検查開始からの時間と、その時に発生した音の周波数およびその音圧レベル（音色）とが示される。小さい音圧レベルには黒色や紺色などが割り付けられ、以降、音圧レベルが大きくなるに従い、青色、赤色、黄色など徐々に明度の高い色が割り付けられる。そして、最も音圧レベルが大きい領域は白色が割り付けられる。音圧レベルの大きさと表示される色との対応付けは、 ϋ波数グラフ 5 5の右横に配置されるスケール 5 6によって確認することができる。

なお、これらのグラフ 5 2， 5 3， 5 4， 5 5の縦軸おょぴ横軸や、スケール 5 6には不図示の数値が付されているものとする（以下、各グラフについて同じ）。信号分析画面 5 1の左側には、ステータスデータを表示するステータス領域 5 7と、グラフ表示するパラメータの設定をするパラメータ領域 5 8と、ファイルや画面の管理用の領域 5 9とが、ステータス領域 5 7を最上段として上記の順に上から下に配置される。

ステータス領域 5 7に表示される項目としては、現在の処理を示す情報（例えば、「読み込み中」、「処理中」、「待機中」、「保存中」など）や、データファイルに付されているファイル名、測定が行われた日、測定者の氏名おょぴコメント、音データおよびパルス信号データのサンプルレート、選択されたデータ数が挙げられる。

パラメータ領域 5 8には、取得したデータに含まれる信号をプロットする際のトリガーを、信号の立ち上がりで取るか、立ち下がりで取るかなどの選択や、グラフ表示する時間の始点およぴ終点、周波数の最小値および最大値などを設定、または選択することができる。

ファイルや画面の管理用の領域 5 9には、フアイルの読み込みを実行するフ了ィル読込ボタン 5 9 aが配置され、その下方には、グラフ表示させたデータを周波数分析するために一時的に記憶装置 2 4に保存するデータ保存ボタン 5 9わが配置される。さらにその下方には、信号分析画面 5 1を閉じる終了ボタン 5 9 c が配置される。終了ボタン 5 9 cとデータ保存ボタン 5 9 bとの間隔が、フアイル読込ボタン 5 9 aとデータ保存ポタン 5 9 bとの間隔よりも大きくされるのは、各ボタン 5 9 a , 5 9 b , 5 9 cの誤操作を防止するためである。誤操作防止の観点からは各ボタン 5 9 a , 5 9 b , 5 9 cの色や大きさを異ならせても良い（以下、他の終了ボタンについて同じ）。

信号分析画面 5 1の右側上部には、パルス信号データグラフ 5 2に表示されるパルス信号データおょぴ音データの保存を実行するテキスト保存ポタン 6 0が配置される。データの保存形式はテキスト形式で、データを保存する範囲は、時間軸をパラメータとして始点カーソル 6 1 aと終点カーソル 6 1 bとで設定することができる。

信号分析画面 5 1の右側下部には、アイコンが整列されたツール領域 6 2が配置される。この領域には、グラフ表示の形態を変更したりグラフ表示を拡大縮小させたりする機能を有するアイコンが表示される。なお、グラフの表示形態の変更は、入力処理部 3 6と表示制御部 3 5の協働により実現される。

ファイル読込ポタン 5 9 aを選択すると、音データ記録ボタン 4 4 (図 4参照）を選択して作成されたデータファイルが読み取られる（図 3のステップ S 1 )。読み取つたデータファイルからは抽出部 3 1によつてパルス信号データおよび音データが抽出され、パルス信号データからパルス信号データグラフ 5 2が表示され、音データからは音グラフ 5 3が表示される。さらに、パルス信号データからは速度演算部 3 3が回転数を演算し、その演算結果が回転数グラフ 5 4に表示される。そし'て、音データから演算される周波数および音圧レベルに基づいて周波数分析が行われ（図 3のステップ S 2 )、その結果が周波数グラフ 5 5が表示される。必要に応じてツール領域 6 2でカーソル 6 1 a， 6 1 bを動かしたり、時間軸のスケールを変更したりした後、データ保存ボタン 5 9 bを選択すると、次数分析用のデータ（周波数データ）がファイルに保存される。データの保存が終了したら、終了ボタン 5 9 cを選択し、信号分析画面 5 1を終了させる。

信号分析画面 5 1を終了させたら、図 4に示すメニュー画面 4 1から次数分析ボタン 4 3を選択すると、図 6に示すような次数分析画面 7 1が表示され、ファィルの読み込みや、グラフ表示、フィルタの設定などの次数分析が可能になる。図 6に示すように、次数分析画面 7 1の中央には、時間の経過に対する音の変化を示す音グラフ 7 2と、音の周波数の変化を示す周波数グラフ 7 3と、次数分析により得られる次数の変化を示す次数グラフ 7 4とが設けられている。これらのグラフはいずれも横軸に時間軸をとり、音グラフ 7 2を最上段として上記の順に上から下に配列され、かつ時間軸が一致するように配置される。周波数グラフ 7 3および次数グラフ 7 4の各プロットは、音圧レベルの大きさに応じて色分けされている。音圧レベルの大きさと表示される色との対応付けは、グラフ 7 4の右側方に配置してあるスケール 7 5によって確認することができる（以下、各グラフについて同じ）。

また、周波数グラフ 7 3の右側には、周波数をスぺクトル表示するグラフ 7 6 が配置される。次数グラフ 7 4は、次数の小さい領域ほど色が明るく（音圧レべルが高く）、次数の大きい領域ほど色が暗く（音圧レベルが低く）表示される。次数グラフ 7 4の中央部分には、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 7 4 a (図 6中には黒線で示してある）が表示されている。また、次数グラフ 7 4の右上部分にも、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 7 4 b (図 6中には黒線で示してある）が表示されている。これらの部分 7 4 a , 7 4 bが異音の発生を示している。

また、次数分析画面 7 1の右側上部には、時間の経過に伴う回転数の変化を示す回転数グラフ 7 7が配置される。回転数グラフ 7 7の下方には、回転数（横軸）に対する次数（縦軸）の変化を示す次数グラフ 7 8が配置される。この次数ダラフ 7 8のデータも、上記のスケール 7 5に従い、音圧レベルの大きさに応じて割り付けた色分けをしてプロットされる。次数グラフ 7 8は、次数の小さい領域ほど色が明るく（音庄レベルが高く）、次数が大きい領域ほど色が暗く（音圧レベルが低く）表示される。次数グラフ 7 8の中央部分には、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 7 8 a (図 6中には黒線で示してある）が表示されている。また、次数グラフ 7 8の右上部分にも、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 7 8 b (図 6中には黒線で示してある）が表示されている。これらの部分 7 8 a， 7 8 が異音の発生を示している。

次数分析画面 7 1の左側上部には、上記信号分析画面 5 1と同様のステータス領域 5 7が配置され、その下方には、各グラフ 7 2 , 7 3， 7 4， 7 7， 7 8のプロットの座標情報が表示されるサーチ領域 7 9が配置される。ポインティングデバイスなどでグラフ上の特定の点を指し示すと、そのグラフの縦軸およぴ横軸に応じて、周波数や、次数、回転数、車速の値が、サーチ領域 7 9の各表示欄に表示される。さらに、次数分析画面 7 1の左側下部には、この画面に表示させるデータの読み込みを実行させるポタン 8 0や、この画面を終了するポタン 8 1が配置されている。

次数分析画面 7 1の下部中央から右側の領域には、データをフィルタ処理するフィルタ設定領域 8 2と、次数分析画面 7 1で画面表示させる次数の範囲を設定する次数範囲領域 8 4と、回転数を車速に変換する車速変換領域 8 5とが配置される。

フィルタ設定領域 8 2では、フィルタ処理を行うパラメータ、およびフィルタ処理後に表示するグラフの横軸おょぴ縦軸の設定が可能である。時間 -周波数ボタン 8 3 aを選択すると、周波数成分をパラメータとしてフィルタ処理がなされ、時間に対する周波数の変化がグラフ表示される。時間 -次数ボタン 8 3 bを選択すると、次数成分をパラメータとしてフィルタ処理がなされ、時間に対する次数の変化がグラフ表示される。回転数-次数ボタン 8 3 cを選択すると、次数成分をパラメータとしてフィルタ処理がなされ、回転数に対する次数の変化がグラフ表示される。そして、車速-次数ボタン 8 3 dを選択すると、次数成分をパラメータとしてフィルタ処理がなされ、車速に対する次数の変化がグラフ表示される。次数範囲領域 8 4では、次数分析画面 7 1で画面表示させる次数の範囲を、その開始値と終了値とで選択することが可能である。開始値が入力される開始欄 8 4 aには、数字を入力できるテキストボックスの横に、テキストボックス内の数値を増加させる増加ボタンと、テキストボックス内の数値を減少させる減少ボタンとが配置される。同様に、終了値が入力される終了欄 8 4 bには、数字を入力できるテキストボックスの横に、数値の増加ボタンおょぴ減少ポタンが配置される。

車速変換領域 8 5には、車速を換算する際に用いる係数を設定する設定欄 8 5 aと、設定した係数と回転数とから自動車 1の車速を換算する際の実行ボタン 8

5 bとが設けられる。設定欄 8 5 aには、係数を入力するテキストボックスの横に、数値の増加ポタンと減少ポタンとが配置される。設定欄 8 5 aに設定される係数は、パルスセンサ 1 5で検出する第二シャフト 9の回転数と、駆動輪 1 3の回転数との比に、駆動輪 1 3の円周を乗じた値である。ここで、駆動輪 1 3の円周は駆動輪 1 3の半径の 2倍に円周率を掛けると得られる。このような係数を設定するのは、トランスミッション 2の各シャフト 4 , 9の数や、その他の減速ギャ列（不図示）などにより、走行時の変速段（シフト）を固定して走行した場合であっても各シャフト 4 , 9の回転数と駆動輪 1 3の回転数とがー致しないことがあるからである。また、そのような係数は自動車 1ごとに異なるために、作業者が適宜設定できることが好ましいからである。なお、駆動輪 1 3が実際に回転する回転数と自動車 1の速度とは比例関係にある。

次数分析画面 7 1でボタン 8 0を選択すると、信号分析画面 5 1 (図 5参照）で保存したファイルのデータに基づいて、表示制御部 3 5により、音グラフ 7 2 および周波数グラフ 7 3、ならびに周波数スぺクトルのグラフ 7 6が表示される。また、回転数の時間変化がパルス信号データから演算され、グラフ 7 7に表示される。さらに、次数演算部 3 4により周波数データから音の次数が演算される（図 3のステップ S 4 )。演算結果は、表示制御部 3 5により次数グラフ 7 4， 7 8に表示される（図 3のステップ S 5 )。·車速を横軸として処理結果を表示する場合には、車速変換領域 8 5で係数を設定し、第二シャフト 9の回転数を車速に変換する（図 3のステップ S 3 )。この際に速度演算部 3 3により車速が演算される。そして、次数グラフ 7 8の横軸が車速に変換され（図 3のステップ S 4 )、再表示される（図 3のステップ S 5 )。次数をパラメータとしてフィルタ処理を行う場合には、フィルタ処理で取り出す次数の範囲の下限値と上限値とを、次数範囲領域 8 4の開始欄 aと終了欄 8 4 bとでそれぞれ設定する。そして、フィルタ設定領域 8 2の車速-次数ポタン 8 3 dを選択すると、図 7に示すようなフィルタ処理画面 9 1が表示される。

' 図 7に示すように、フィルタ処理画面 9 1の画面中央には、フィルタ処理前の時間に対する音の変化を示す音グラフ 9 2と、車速に対する次数の変化を示す次数グラフ 9 3とが上下に配置される。フィルタ処理画面 9 1の画面右側には、フィルタ処理後の時間に対する音の変化を示す音グラフ 9 4と、車速に対する次数の変化を示す次数グラフ 9 5とが上下に配置される。フィルタ処理画面 9 1では、フィルタ処理前のグラフとフィルタ処理後のダラフとが画面の左右方向に並べて配置されるので（音グラフ 9 2と音グラフ 9 4、次数グラフ 9 3と次数グラフ 9 5 )、処理の結果を目視で容易に確認することができる。次数グラフ 9 3， 9 5の各プロットは、音圧レベルの大きさに応じて色分けされている。音圧レベルの大きさと表示される色との対応付けは、フィルタ処理後の次数グラフ 9 5の右側のスケール 9 6で確認することができる。次数グラフ 9 3の中央部分には、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 9 3 aが表示されており、同グラフの右上部分にも、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 9 3 bが表示されている。同様に、次数グラフ 9 5の中央部分には、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 9 5 aが表示されており、同グラフの右上部にも、周囲の他の領域よりも色が明るい部分 9 5 bが表示されている。この部分 9 3 a， 9 3 b , 9 5 a , 9 5 bが異音の発生を示している。

フィルタ処理画面 9 1の左側上部には、ステータス領域 5 7が配置され、その下方には、特定の音をスピーカ 2 3から出力する際に操作する再生設定領域 9 7 が配置される。再生設定領域 9 7には、スピーカ 2 3から出力する際に着目するパラメータの種類を選択する選択単位欄 9 8と、パラメータの値を入力する選択値欄 9 9と、選択値を中心値として抽出する次数の幅または周波数の幅を設定するバンド幅欄 1 0 0と、パンド幅の値を調整するスケール 1 0 1と、選択単位欄 9 8および選択値欄 9 9で選択されたパラメータの種類おょぴ値が表示される選択リスト欄 1 0 3と、選択リスト欄 1 0 3にパラメータの種類およぴ値を表示させる追加ポタン 104とが設けられる。選択単位欄 98には、パラメータの名称を入力するテキストボックスの横に、選択できるパラメータの種類を表示させるプルダウンポタンが配置される。選択値欄 99には、パラメータの値を入力するテキストボックスの横に数値の増加ポタンと減少ポタンとが配置される。パンド幅欄 1 00には、テキストボックスの横に数値の増加ポタンと減少ボタンとが配置される。スケール 101には、バンド幅の値を調整するためのカーソル 1 02 が設けられる。図 7においては、カーソル 1 02を左側に移動させるバンド幅が大きくなり、カーソル 1 02を右側に移動させるとパンド幅が小さくなる。選択リスト欄 1 03には、選択単位欄 98で選択されたパラメータの種類、およぴ選択値檷 9 9で選択されたパラメータの値が表示される。選択単位欄 98の隣に配置されている追加ボタン 1 04を選択すると、選択リスト欄 1 03にパラメータの種類および値を表示される。選択リスト欄 103に新たなパラメータの種類および镇を追加する際にも、追加ポタン 1 04を選択する。

選択リスト欄 103の右側には、 3つのチェックポタン 1 05 a， 1 05 , 105 cが上から下に順番に配列される。チェックポタン 1 05 aには、原音（O r i g i n a 1 ) の表記が付される。同様に、チェックボタン 105 bには、特定成分 (S e l e c t e d) の表記が付され、チェックボタン 105 cには、特定成分以外（e x c e p t e d) の表記が付される。原音のチヱックボタン 1 0 5 aは、フィルタ処理前の音をそのまま出力する場合に選択される。特定成分のチヱックボタン 105 bは、選択リスト欄 103にリストアップされた条件から選択された 1つまたは複数の条件で抽出される音のみを出力する場合に選択される。特定成分以外のチェックボタン 1 05 cは、原音の音から特定成分として抽出された音を除いた残りの音を出力する際に選択される。

選択リスト欄 103およぴ各チェックボタン 105 a, 1 05 , 1 05 cの下方には、選択された音をスピーカ 23から 1回だけ出力させる再生ボタン 1 0 6と、選択された音を繰り返して出力させる連続ボタン 1 08と、出力を停止させる停止ポタン 107とが配列される。チェックポタン 1 05 a， 1 05 b, 1 05 cが 2つまたは 3つ選択されている場合には、再生ポタン 106によって選択された音が順番に 1回ずつ出力される。また、連続ポタン 1 08では、選択された各々の音が順番に繰り返して出力される（図 3のステップ S 6 )。再生設定領域 9 7の下方には、戻りボタン 1 0 9が配置される。戻りボタン 1 0 9を選択すると、フィルタ処理画面 9 1を終了して図 6の次数分析画面 7 1に戻ることができる。

ここで、選択値欄 9 9に次数を入力する場合には、フィルタ処理前の次数ダラフ 9 3、またはフィルタ処理後の次数グラフ 9 5において音圧レベルの値（音色）がその周囲に比べて顕著に異なる部分（部分 9 3 aまたは部分 9 5 a、あるいは部分 9 3 aまたは部分 9 5 b ) に相当する値を選択すると良い。例えば、車速 6 0 k m/ h付近で次数 6 7 . 5付近に、音圧レベルが周囲に比べて大きい部分が現れている場合に、次数を選択単位として選択値 6 7 . 5を設定してラジオポックス 1 0 5 bの特性成分をチェックすると、次数 6 7 . 5およびこれを中心とするバンド幅に相当する音がパンドパスフィルタにより抽出される。また、ラジオボックス 1 ΰ 5 cの特定成分以外をチヱックすると、次数 6 7 . 5およびこれを中心とするバンド幅に相当する音がバンドエリミネーシヨンフィルタなどにより除去される。

この場合に、実走行時にテストドライバが音声またはメモに残した情報を参考にすると良い。すなわち、テストドライバからの情報が例えば、「2速で速度 6 0 k mZ hにおいて音発生」とあった場合には次数グラフ 9 3において時速 6 0 k mZ hの前後の部分を調べれば良い。このように、フィルタ処理画面 9 1には、横軸を車速にとって次数グラフ 9 3を表示することで、実走行時に得られた情報と解析結果との対応を取り易くなる。

さらに、再生ボタン 1 0 6または連続ボタン 1 0 8が選択可能な状態（ァクテイブ）において、再生ボタン 1 0 6を選択すると、選択値 6 7 . 5を中心として所定のパンド幅を有する領域に含まれる次数の音が抽出部 3 7により抽出され、スピーカ 2 3から出力される。この場合は音グラフ 9 4上に表示される始点カーソ Λ^ Ι 1 0 aと終点カーソル 1 1 0 bとで区切られた範囲の音が 1回再生される。これに対して、連続ポタン 1 0 8を選択した場合には、 2つのカーソル 1 1 0 a , 1 1 0 bで区切られた範囲の音が繰り返して再生される。なお、再生または連続再生が開始されると、停止ボタン 1 0 7がアクティブになる。アクティブになつた停止ボタン 1 0 7を選択すると、途中で再生を中止したり、連続再生を中止したりできる。

このように、特定の成分の音のみを選択して再生することで、テストドライバの実際の聴感結果との比較が容易になり、選択した成分が異音の発生要因であるか否かを検証し易い。この際に、フィルタ処理画面 9 1でチェックボタン 1 0 5 aを選択して原音を再生すると、官能検查時の車室内の音を再現でき、当時の聴感を確認することができる。したがって、実走行からの時間経過が大きい場合でも発生要因の検証を確実に行うことができる。また、特定成分以外の音を再生すると、その次数に相当する要因を取り除いた後に、その自動車 1に発生する音の予測することができる。この際に、異音が発生しなければ、該当するギヤの交換で足りるが、依然として異音が残存する場合には、他にも異音の発生要因があることになる。

また、音振解析装置 2 0は、読取装置 2 1で読み取った記録媒体のデータファィルを上記の各処理に適合するデータファイルに変換する処理や、特定成分の音を汎用のデータ形式で記録する音データ記録機能を有する。この音データ記録機能は変換部 3 8により実現されるもので、これによりコンピュータによるデータ処理が可能になるとともに、遠隔地にある他の部門において解析結果を参照することが可能になる。汎用のデータ形式は、他の部門が所有するコンピュータの O S (O p e r a t i o n S y s t e m) に適合し、かつ音の保存おょぴ再生に適した保存形式で、例えば、 w a V形式や、 a u形式、 a i f f 形式、 m p 3形式などがあげられる。記録媒体からデータファイルを読み取る際には、最初に図 4に示すメニュー画面 4 1から音データ記録ボタン 4 4を選択する。また、解析結果を他のコンピュータなどに送信する際には、フィルタ処理画面 9 1 (図 7参照）を用いて処理を行った後に、音データ記録ボタン 4 4を選択する。

音データ記録ボタン 4 4を選択すると、図 8に示すような音データ記録画面 1 2 1が画面表示される。音データ記録画面 1 2 1には、画面中央から右側にかけて音グラフ 1 2 2が配置されており、記録媒体から読み込んだ音データや、特定成分の音として抽出された音のデータがグラフ表示される。音グラフ 1 2 2の横軸は時間、縦軸は周波数である。音グラフ 1 2 2のプロットは、音圧レベルの大きさに応じて色分けされている。音圧レベルの大きさと表示される色との対応付けは、音グラフ 1 22の右横のスケール 1 23で確認することができる。音ダラフ 1 22の左側には、周波数の変化を示すスぺクトルのグラフ 1 24が配置される。また、音グラフ 122の下側には、時間に対する音の電圧値の変化を示す音グラフ 1 25が配置される。さらに、音データ記録画面 1 2 1の下部には、データの編集を行う編集領域 1 26が配置される。編集領域 1 26には、データのフレーム長を設定するフレーム長欄 1 27と、窓関数の種類を設定するウィンドウタイプ欄 1 28と、記録する信号の種類として音や回転数などを設定できる信号種類欄 1 29とが上から下に並べて配置される。これらの欄 1 27, 128, 1 29には、数値を直接入力できるテキストボックスの横に、予め設定されている選択肢を選択可能に表示させるプルダウンポタンが配置される。さらに、編集領域 1 26には、サンプルとして抽出するポイントの数を選択または表示するサンプル数欄 1 30と、データファイルとして保存したポイント数を表示する保存数欄 1 3 1とが配置され、全体のデータ量に対して保存したデータ量の割合がパック口グ表示部 1 32に表示される。バック口グ表示部 1 32には、左端を 0 %、右端を 1 00%として現在の保存データの割合がグラフ表示される。

音データ記録画面 1 2 1の左側上部には、ステータス領域 57が配置され、ステータス領域 57の下部には、特定成分の音のデータを読み込ませる開始ボタン 1 33と、データの記録を実行する保存ボタン 1 34とが配置される。音データ記録画面 1 2 1の左側下部には、保存したデータを予め設定された汎用のフアイル形式で変換するフアイル変換ボタン 1 35が配置される。選択可能なファイル形式が複数設定されている場合には、構成ボタン 1 36を使って変換時のフアイル形式を選択することができる。これらボタン 1 33， 1 34， 1 35を選択することにより、データ形式の変換が行われる（図 3のステップ S 7)。構成ボタン 1 36の下方には、各ボタン 1 35， 1 36， 1 3 7の誤操作を防止するために、ファイル変換ボタン 1 35と構成ボタン 1 36との間隔よりも大きな間隔を空けて、終了ボタン 1 3 7が配置される。

このようにして作成されたデータファイルは、電子メールに添付したり、 FT P (F i l e T r a n s f e r P r o t o c o l ) などを利用したりして、ネットワーク接続された他のコンピュータにファイルを送信される。他のコンビユータは、音源ボードおょぴ再生用アプリケーションを搭載しており、記録媒体から読み取ったデータファイルや、ネットワークを介して所得したデータフアイルを開いて、その内容を表示したり、音を再生したりする。つまり、上記の予め設定された汎用のフアイル形式とは、データフアイルを活用する他のコンビユータが使用可能なフアイル形式である。

本実施形態によれば、トランスミッション 2で異音が発生した場合に、そのような異音をデータに記録しておき、グラフ表示させることで、不連続音が発生する要因を解析することが可能になる。

異音をグラフ表示するにあたって、その周波数を、第二シャフト 9の回転数を基準とし、各ギヤ 7， 8 , 1 0の歯数に比例する変数（次数）に変換するので、回転数の変化によらずに異音が発生したギヤ 7， 8 , 1 0を確実に特定することができる。また、周波数や次数のグラフ表示を音圧レベルの大きさに応じて色分けをしてプロットしたので、異音が発生した速度や、回転数、次数、または周波数を目視で容易に確認することができる。特に、次数およぴ音圧レベルを車速に関連付けて表示したので、走行検查時にテストドライバが体感した結果と解析結果との整合を取り易くなり、特定の条件で異音が発生する場合であっても、その要因となるギヤを容易に特定することができる。特定の次数や周波数のデータを油出して表示するようにしたので、周波数が近似する音があった場合でも解析の精度が向上する。

さらに、フィルタ処理おょぴ再生処理により、全体の音にフィルタ処理を行つて特定の次数や周波数に相当する音をスピー力 2 3から出力することが可能なので、実際に発生した異音の確認を行うことができる。また、特定の次数に相当する音を取り除いた音をスピーカ 2 3から出力するようにしたので、対象となるギャ 7 , 8， 1 0を交換した後の状態を予見することが可能になる。異音の発生要因が複数ある場合であっても、個別に発生要因を検証することが可能になる。そして、このようにして異音の発生源を特定すると、従来のように推定した部品を組み替えてから再度事象の確認を行う、いわゆるクロスチェックをする必要がなくなるので、作業工数を削減することができる。また、異音をデータファイルに落として、遠隔地にある他の施設で視聴できるようにしたことにより、部品の交換や、設計変更を行う部門が遠隔地にある場合に、そのような部門で実際の異音を聞くことが可能になるので、事象の把握が容易になり、必要な対処を迅速に行うことが可能になる。

本発明は前記実施形態に限定されずに応用することが可能である。例えば、検查対象物は、移動体が備える複数の回転体が回転したときに異音や振動が発生する可能性がある装置であれば良く、トランスミッション単体でも良い。移動体は、自動車（2輪車、 3輪車、 4輪車）に限定されず、電車でも良い。また、ェンジンゃ、自動車のディファレンシャルギヤなどでも良い。回転体の他の例としては、回転するディスクや、コマ、ローラがあげられる。

さらに、音データの代わりに、検査対象物に振動ピックアップを取り付けて、検査対象物の稼動時に発生する振動データを取得し、振動の周波数を解析し、次数分析しても良い。このとき、音振解析装置 2 0の音振演算部 3 2は、振動データから振動の周波数と、振動の音圧レベルを演算する振動演算部となる。ここで、音圧レベルは、振動の最大値に対する特定の振動数の対数比として演算される。また、音グラフ（例えば、図 5のグラフ 5 3 ) は、表示制御部 3 5により振動のグラフとして表示される。さらに、スピーカ 2 3から出力される音は、振動に対応する音となる。振動が人間に聞き取れる音を伴うものである場合には、これに相当する音が出力される。検査対象物の振動防止を目的とする場合に、同一の解析装置を用いて要因解析を行うことが可能になり、 '上記したような作用および効果を得ることができる。

また、コンピュータを音振解析装置 2 0として機能させる音振解析用のアプリケーションプログラムは、図 2に示す記憶装置 2 4に予め記憶させておいても良いし、必要に応じて記録媒体から読み込んだり、ネットワーク上からダウンロードしても良い。ここで、記録媒体は、アプリケーションプログラムを読取装置 2 1で読み取り可能に記録したものである。これらの場合のアプリケーションプログラムは、コンピュータを図 3に示すような各ステップ S 1〜S 7を実行させるものである。特に、ステップ S 7の再生工程においては、原音、特定成分、特定成分以外を選択可能にし、作業者の操作に応じていずれかの音を再生する処理を行うようにプログラムを構成すると良い。

また、このようなアプリケーションプログラムは、ネットワーク上にダウン口一ド可能な状態にアップロードしても良いし、上記の各ステップ S 1〜S 7が可能な処理回路をコンピュータに着脱自在なポードまたはカードから構成しても良い。

さらに、コンピュータは、音を再生するための信号処理のみを行い、コンビュ一タと別体の外部のスピーカから音を出力するようにしても良い。同様に、表示装置 2 2は、コンピュータと別体の外部の表示装置で各画面 4 1， 5 1， 7 1， 9 1， 1 2 1を表示するようにしても良い。

メニュー画面 4 1は、音振解析用のアプリケーションが起動中は常に画面表示されているが、メニュー画面 4 1と同等の機能を有するメニューを各画面 5 1， 7 1， 9 1， 1 2 1に設けても良い。

フィルタ処理画面 9 1のフィルタ処理後の次数グラフ 9 5において、選択された次数に相当する領域の色を変えたり、該当する領域を »線で囲ったりして、作業者が選択した領域を目視で確認できるようにしても良い。

音データ記録処理で作成されるデータファイルの形式は、テキスト形式、または C S V ( C o mm a S e p a r a t e d V a l u e ) 形式でも良い。振動データを取り扱う場合についても同様とする。

以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。産業上の利用の可能性

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析装置であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析手段と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換手段と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換手段と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数おょぴ前記車両の速度に対応付けて表示する表示手段とを備える音振解析装置に関する。本発明によれば、音または振動の次数を演算し、演算した次数おょぴ車速に対する音圧レベルを表示するようにしたので、車速の変化に応じて発生する異音や振動の発生源の特定が可能になる。また、官能検査との整合が取り易くなるので、異音や振動の発生の確認や、発生源の特定が容易になる。さらに、異音や振動の発生源の特定が確実にできるので、交換作業の工数削減にも貢献する。回転体の回転数の大小に依存しない次数で異音や振動の発生源を特定できるので、周波数の近い回転体が複数ある場合であっても、異音や振動の発生源の判別を制御良く行 ·る。 .

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析方法であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数おょぴ前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む音振解析方法に関する。

本発明によれば、測定したデータに基づいて音または振動の次数が演算され、演算した次数およぴ車速に対する音圧レベルが表示されるので、車速の変化に応じて発生する異音や振動の発生源が特定できるようになる。したがって、異音や振動の発生源を容易に、かつ確実に特定できるようになるので、部品等の交換作業や調整作業のための工数を削減できる。

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させる音搌解析用のプログラムであって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む音振解析用のプログラムに関する。

本発明は、複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、前記回転体の回転数のデータに基づいて前記.車両の速度を演算する速度変換工程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数おょぴ前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含むプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。

本発明によれば、音振解析用のプログラムをコンピュータで実行させるだけで、音振解析が行えるよう'になり、異音や振動の発生源を特定することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析装置であつて、

前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析手段と、

前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換手段と、

前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換手段と、

前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数およぴ前記車両の速度に対応付けて表示する表示手段とを備える。 .

2 . 請求項 1に記載した音振解析装置であって、前記表示手段の表示に基づいて選択された特定の次数を含む音を再生する再生手段を備える。

3 . 請求項 2に記載した音振解析装置であって、前記再生手段は、前記音または振動のデータからなる原音、前記特定の次数を含む音、または前記原音から前記特定の次数を含む音の成分を除いた音のいずれかを選択的に再生する。

4 . 請求項 2に記載した音振解析装置であって、前記再生手段により再生される音のデータを、予め設定されたデータ形式のファイルに変換する変換手段を備える。

5 . 複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとを取り込んで音振解析を行う音振解析方法であつて、

前記音または振動のデータを周波数分析して前記複数の回転体の周波数を演算する周波数分析工程と、

前記複数の回転体の周波数のデータに基づいて前記複数の回転体の諸元に応じた次数を演算する次数変換工程と、

前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換ェ程と、

前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む。

6 . 請求項 5に記載した音振解析方法であって、前記表示工程によってなされた表示に基づいて、特定の次数を含む音の再生が選択されたときにその音を再生する再生工程を含む。

7 . 請求項 6に記載した音振解析方法であって、前記再生工程は、前記音または振動のデータからなる原音の再生、前記特定の次数を含む音の再生、または前記原音から前記特定の次数を含む音の成分を除いた音の再生のいずれかを選択的に実行する工程である。

8 . 複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させる音振解析用のプログラムであって、

前記回転体の回転数のデータに基づいて前記車両の速度を演算する速度変換ェ程と、前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数および前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含む。

9 . 複数の回転体を有する車両の動力伝達機構の稼動時に、前記複数の回転体の回転に伴って発生する音または振動のデータと、前記複数の回転体の中から選択された回転体の回転数のデータとをコンピュータに取り込んで音振解析を実行させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、

前記音または振動のデータに基づいて取得される音圧レベルを前記次数およぴ前記車両の速度に対応付けて表示する表示工程とを含むプログラムが記録されている。