JP6566692B2 - 音信号の信号処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、音信号の信号処理装置及び方法に関する。
従来、波形が時間と共に変化する音信号から、周波数スペクトルを求める処理が行われている。
音信号は、通常、様々な周波数の成分を含んでおり、周波数スペクトルの強度分布を調べることにより、音信号の特徴を把握することができる。
時間領域で表される音信号を、周波数領域で表される音信号に変換することにより、周波数スペクトルが得られる。この音信号の変換方法として、例えば、フーリエ変換が用いられる。
図1は、周波数スペクトルの2次元グラフの例を示す図である。
図1は、音の波形の時間的に変化する音信号から周波数スペクトルを求め、時間及び周波数を座標軸とし、周波数スペクトル強度の大小を濃淡で表して、周波数スペクトルの2次元グラフを作成したものである。
色の濃い部分は、周波数スペクトル強度の大きい周波数が分布している領域を示し、色の薄い部分は、周波数スペクトル強度の小さい周波数が分布している領域を示す。このような周波数スペクトルの2次元グラフを用いて、音信号に含まれる周波数スペクトルの時間発展を解析することができる。
特開2009−210888号公報 特開2011−209592号公報 特開2014−56181号公報
しかし、図1に示すように、周波数スペクトル強度の大小を濃淡で表すことは、領域の違いが視覚的に分かりにくいので、音信号の周波数特性を認識することが困難な場合があった。
特に、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む音信号の周波数スペクトルには、様々な周波数成分が含まれる場合があり、周波数スペクトルの2次元グラフを用いて、音信号の特徴を把握することは困難な場合があった。
また、過渡音を含む2つの異なる音信号の関係を明確に把握することが望まれる場合があった。
本明細書では、過渡音を含む音信号の周波数スペクトルを明確に認識できる音信号の信号処理装置及び方法を提供することを課題とする。
また、本明細書では、過渡音を含む2つの異なる音信号の関係を明確にする音信号の信号処理装置及び方法を提供することを課題とする。
本明細書に開示する音信号の信号処理装置によれば、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む音信号を入力する入力部と、上記音信号から、複数の時間区間に対する周波数スペクトルを求め、時間と、周波数と、周波数スペクトルの大きさとを座標軸として、3次元グラフを生成する演算部と、上記3次元グラフを表示する表示部と、を備える。
また、本明細書に開示する他の音信号の信号処理装置によれば、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む時間領域表現の第1音信号及び時間領域表現の第2音信号を入力する入力部と、時間領域表現の上記第1音信号を周波数領域表現に変換し且つ時間領域表現の上記第2音信号を周波数領域表現に変換し、周波数領域表現の上記第1音信号と、周波数領域表現の上記第2音信号との比である伝達関数を求める演算部と、を備える。
更に、本明細書に開示する音信号の信号処理方法によれば、音の振幅変化が時間的に定常状態にない過渡音を含む音信号を入力し、上記音信号から、複数の時間区間に対する周波数スペクトルを求め、時間と、周波数と、周波数スペクトルの大きさとを座標軸として、3次元グラフを生成し、上記3次元グラフを表示する。
更にまた、本明細書に開示する他の音信号の信号処理方法によれば、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む時間領域表現の第1音信号及び時間領域表現の第2音信号を入力し、時間領域表現の上記第1音信号を周波数領域表現に変換し且つ時間領域表現の上記第2音信号を周波数領域表現に変換し、周波数領域表現の上記第1音信号と、周波数領域表現の上記第2音信号との比である伝達関数を求める。
本明細書に開示する音信号の処理装置によれば、過渡音を含む音信号の周波数スペクトルを明確に認識できる。
また、本明細書に開示する他の音信号の処理装置によれば、過渡音を含む2つの異なる音信号の関係を明確にできる。
更に、本明細書に開示する音信号の処理方法によれば、過渡音を含む音信号の周波数スペクトルを明確に認識できる。
更にまた、本明細書に開示する他の音信号の処理方法によれば、過渡音を含む2つの異なる音信号の関係を明確にできる。
周波数スペクトルの2次元グラフの例を示す図である。 本明細書に開示する水中模擬音信号処理システムの一実施形態を示す図である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の一実施形態を示す図である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を示すフローチャート(その1)である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を示すフローチャート(その2)である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を示すフローチャート(その3)である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を説明する図(その1)である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を説明する図(その2)である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置が生成した周波数スペクトルの3次元グラフの一例を示す図である。 (A)は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置が生成した周波数スペクトルの2次元グラフの一例を示す図であり、(B)は、入力した音信号を示す図である。 (A)は、所定の時間における3次元グラフの輪郭を示す図であり、(B)は、所定の周波数における3次元グラフの輪郭を示す図であり、(C)は、周波数-時間平面上の所定の方向における3次元グラフの輪郭を示す図である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作の変形例を示す図である。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の他の動作を示すフローチャートである。 本明細書に開示する音信号の信号処理装置の他の動作を説明する図である。
以下、本明細書で開示する水中模擬音信号処理システムの好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図2は、本明細書に開示する水中模擬音信号処理システムの一実施形態を示す図である。
本実施形態の水中模擬音信号処理システム30は、水中模擬音信号生成装置20と、信号処理装置10を備える。
水中模擬音信号生成装置20は、模擬音信号を生成するためのパラメータを入力して、水中を伝搬する模擬音信号を生成し、生成した模擬音信号を出力する。水中模擬音信号生成装置20が生成する模擬音信号は、音の波形の時間的な変化が定常状態にある定常音を生成する。水中を伝搬する模擬音信号としては、例えば、一定の速度で移動する船舶のエンジン音が挙げられる。
本明細書において、定常音は、時間の経過に伴って周波数成分が変化しない音を意味する。
信号処理装置10は、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む時間領域表現の音信号を入力し、時間領域表現の音信号を周波数領域表現に変換し、周波数領域表現の音信号を加工し、加工された音信号を時間領域表現に変換して、水中模擬音信号生成装置20へ出力する。信号処理装置10へ入力される音信号は、水中で収録された信号である。過渡音を含む音信号としては、例えば、船舶のエンジンが始動する時に発生する音信号が挙げられる。
本明細書において、過渡音は、時間の経過に伴って周波数成分が変化する音を意味する。
水中模擬音信号生成装置20は、信号処理装置10から入力した音信号に基づいて、過渡音を含み水中を伝搬する模擬音信号を生成して出力する。
また、信号処理装置10は、音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む時間領域表現の第1音信号及び第2音信号を入力し、時間領域表現の第1音信号を周波数領域表現に変換し且つ時間領域表現の第2音信号を周波数領域表現に変換し、周波数領域表現の第1音信号と、周波数領域表現の第2音信号との比である伝達関数を求め、求めた伝達関数を水中模擬音信号生成装置20へ出力する。
水中模擬音信号生成装置20は、自ら生成した模擬音信号を、入力した伝達関数を用いて変換し、変換した模擬音信号を出力する。
図3は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置の一実施形態を示す図である。
信号処理装置10は、演算部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、通信部15を有する。
演算部11は、記憶部12に予め記憶されている所定のプログラムに従い、信号処理装置10の各処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部12を利用する。記憶部12は、1次記憶装置及び2次記憶装置を有していても良い。演算部11は、記憶部12、表示部13、入力部14及び通信部15の動作を制御する。
入力部14は、信号処理装置10のユーザ等によって操作されて、各種の情報を入力する。入力部14としては、例えば、タッチパネル、キーボード又はマウス等を用いることができる。演算部11は、入力部14から入力された情報を用いて各処理を行う。
表示部13は、演算部11に制御されて、各種の情報を表示する。表示部13としては、例えば、液晶パネルを用いることができる。
通信部15は、演算部11により制御されて水中模擬音信号生成装置20又はネットワーク(図示せず)と通信可能になされている。演算部11は、通信部15を用いて、水中模擬音信号生成装置20との間で通信を行う。
次に、上述した信号処理装置10の動作の一例を、図面を参照しながら、以下に説明する。図4〜図6は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作を示すフローチャートである。図7及び図8は、フローチャートの各ステップにおける信号処理装置の動作を説明する図である。以下に説明する信号処理装置10の動作は、過渡音を含み、時間領域表現の音信号を入力し、音信号を周波数領域表現に変換した後、音信号を加工し、加工された音信号を再び時間領域表現に変換して、加工された時間領域表現の音信号を生成するものである。
まず、ステップS10において、信号処理装置10は、通信部15を用いて、水中で収録された過渡音を含む時間領域表現の音信号を入力する。図7(A)は、時間と共に波形(振幅)が変化する音信号S(t)を示す。音信号S(t)は、所定の時間の領域に亘って収録される。音信号S(t)は、時間tの関数であり、時間tにおける音信号の振幅を関数の値とする。
次に、ステップS12において、信号処理装置10は、図7(B)に示すように、入力した音信号S(t)を所定の時間間隔で分割する。音信号S(t)は、時間T1と時間T2との間の時間区間と、時間T2と時間T3との間の時間区間と、時間T3と時間T4との間の時間区間とに分割される。図7(B)に示す例では、各時間区間は等しいとしたが、等しくなくてもよい。以下、時間T1と時間T2との間の時間区間の音信号S(t)の部分を音信号S1(t)と呼ぶ。
次に、ステップS14において、信号処理装置10は、分割された音信号と窓関数との積をとり、時間区間毎に分割音信号を生成する。図7(C)に示すように、時間T1と時間T2との間の時間区間の音信号S1(t)と窓関数W(t)との積をとり、分割音信号SW1(t)が生成される。分割音信号SW1(t)は、時間T1と時間T2との間の時間区間において、音信号S(t)と同じ値を有し、他の時間区間では、値がゼロとなる時間tの関数である。なお、分割音信号SW1(t)は、図7(A)に示す音信号S(t)と窓関数W(t)との積をとって生成してもよい。また、ウェーブレット法を用いて、音信号の周波数領域表現を生成してもよい。
次に、ステップS16において、信号処理装置10は、各分割音信号をフーリエ変換して、時間区間毎にフーリエ変換された分割音信号を生成する。図8(D)は、分割音信号SW1(t)をフーリエ変換して、フーリエ変換された周波数領域表現の分割音信号FS1(f)を生成する処理を示す。フーリエ変換された分割音信号FS1(f)は、周波数fの関数であり、周波数fの周波数成分を関数の値とする。
フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の値は、実数であり、図8(D)の式(1)に示すように、実部a(f)と、虚部b(f)とを有する。ここで、jは虚数単位を意味する。
フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の大きさ(以下、振幅ともいう)Aは、図8(D)の式(2)で表される。ここで、Nは、時間T1と時間T2との間の時間区間の時間長である。フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の大きさ(振幅)は、時間T1と時間T2との間の時間区間における周波数スペクトル強度を示す。
また、フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の位相θは、図8(D)の式(3)で表される。フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の位相θは、後で、逆フーリエ変換法を用いて、周波数空間で表される加工された3次元グラフに基づいて、時間領域表現の加工された音信号を生成する時に使用される。
次に、ステップS18において、信号処理装置10は、図8(E)に示すように、フーリエ変換された分割音信号FS(f)の大きさ(振幅)を、時間の順番に配置する。ここで、各周波数スペクトルが配置される時間を、対応する時間区間の開始の時間とした。即ち、フーリエ変換された分割音信号FS1(f)の大きさ(以下、周波数スペクトルの大きさ又はスペクトル強度ともいう)は、時間T1に配置される。
次に、ステップS20において、信号処理装置10は、時間と、周波数と、周波数スペクトルの大きさ(スペクトル強度)とを座標軸として、3次元グラフを生成する。信号処理装置10は、生成した3次元グラフを表示部13に表示する。
図9は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置が生成した周波数スペクトルの3次元グラフの一例を示す図である。
信号処理装置10は、周波数スペクトルの値に基づいて色を変化させて、3次元グラフを生成する。これにより、3次元グラフは、ユーザが視覚的に、周波数スペクトルの特徴を把握しやすいようになされている。
また、信号処理装置10は、周波数スペクトルの2次元グラフ生成して、表示部13に表示する。
図10(A)は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置が生成した周波数スペクトルの2次元グラフの一例を示す図であり、図10(B)は、入力した音信号を示す図である。
信号処理装置10は、時間及び周波数を座標軸として、スペクトル強度の大小を濃淡で表した、周波数スペクトルの2次元グラフも作成する。フーリエ変換する前の時間領域表現の音信号と共に、周波数領域表現の3次元グラフ及び2次元グラフを比較して、音信号の特徴を解析できるようになされている。
次に、ステップS22(図5参照)において、信号処理装置10は、入力部14を用いて、3次元グラフを加工する情報を入力する。信号処理装置10は、ユーザから入力した情報に基づいて、3次元グラフを加工する。3次元グラフを加工する内容は、特に制限されないが、例えば、以下の加工が挙げられる。所定の周波数領域及び所定の時間領域のスペクトル強度を増減すること。所定の周波数領域のスペクトル強度をフィルタリングすること、所定の時間領域のスペクトル強度をフィルタリングすること、スペクトル強度の位相を前進又は遅延すること。
S22のブロック内の式(4)に示すように、加工前のフーリエ変換された分割音信号FS(f)は、加工後にはFS’(f)と表される。また、加工後のフーリエ変換された分割音信号FS’(f)は、加工後の周波数成分の大きさA’及び加工前の位相θを用いて、式(4)で表される。なお、位相を前進又は遅延する加工が行われた場合には、加工後の位相を用いる。
また、信号処理装置10は、ユーザからの指示に従って、時間と周波数とを座標軸とする平面上の任意の線を通る面で、3次元グラフを切断した輪郭を生成する。任意の線は、時間軸の方向と一致する方向に延びる線、又は、周波数軸の方向と一致する方向に延びる線、又は、時間軸及び周波数軸の方向とは一致しない方向に延びる線である。3次元グラフを切断する面は、時間と周波数とを座標軸とする平面に垂直な面である。
ユーザは、3次元グラフを切断した輪郭に基づいて、音信号の周波数特性を把握することができる。また、ユーザは、3次元グラフを切断した輪郭に基づいて、3次元グラフをどのように加工するかを決定し得る。
時間軸の方向と一致する方向に延びる線を通る面で、3次元グラフを切断した輪郭は、所定の時間における3次元グラフの輪郭を生成する。図11(A)は、所定の時間における3次元グラフの輪郭を示す図を示す。ここで、時間軸の方向と一致する方向に延びる線は、時間軸と一致しているか、又は、時間軸と平行な線である。
周波数軸の方向と一致する方向に延びる線を通る面で、3次元グラフを切断した輪郭は、所定の周波数における3次元グラフの輪郭を生成する。図11(B)は、所定の周波数における3次元グラフの輪郭を示す図を示す。ここで、周波数軸の方向と一致する方向に延びる線は、周波数軸と一致しているか、又は、周波数軸と平行な線である。
時間軸及び周波数軸の方向とは一致しない方向に延びる線を通る面で、3次元グラフを切断した輪郭は、周波数-時間平面上の所定の方向における3次元グラフの輪郭を生成する。図11(C)は、周波数-時間平面上の所定の方向における3次元グラフの輪郭を示す図を示す。各スペクトル強度は、時間軸及び周波数軸上に格子状に離散的に配置されている。図11(C)のグラフを生成する時に、格子上に位置しないスペクトル強度は、周囲の近接する格子点のスペクトル強度に基づいて、距離を重みとした加重平均値として求められ得る。
信号処理装置10は、マウス等の入力部14を用いたグラフィカルインターフェースを有しており、上述した3次元グラフの加工において、ユーザは、マウス等の入力部14を用いて、加工したい周波数領域又は時間領域等を指定して、グラフの加工処理を行うことができる。
次に、ステップS24において、信号処理装置10は、加工された3次元グラフを表示部13に表示する。ユーザは、加工された3次元グラフを視覚的に確認して、所望の加工がなされていることを確認する。ユーザは、表示部13に表示された3次元グラフ又は輪郭を確認しながら、必要であれば、さらに加工する情報を入力部14から入力して、グラフの加工を行う。加工された3次元グラフの情報等は、記憶部12に記憶される。
次に、ステップS26(図6参照)において、信号処理装置10は、加工された3次元グラフを所定の時間間隔で分割する。信号処理装置10は、分割された3次元グラフに基づいて、周波数スペクトルとして、時間の順番に配置する。この処理により、加工された3次元グラフに対して、図8(E)に対応する情報が得られる。
次に、ステップS28において、信号処理装置10は、時間区間毎に周波数スペクトルを逆フーリエ変換して、加工された分割音信号を生成する。図8(D)を参照して説明すると、周波数領域表現の加工された分割音信号FS’1(f)を逆フーリエ変換して、時間領域表現の加工された分割音信号SW’1(t)が求められる。
次に、ステップS30において、信号処理装置10は、分割音信号を時間の順番に配置して、加工された音信号を生成する。この処理により、加工された3次元グラフに対して、図7(A)に対応する情報が得られる。
次に、ステップS34において、信号処理装置10は、通信部15を用いて、加工された時間領域表現の音信号を、水中模擬音信号生成装置20へ出力する。水中模擬音信号生成装置20は、信号処理装置10から入力した音信号に基づいて、過渡音を含む水中を伝搬する模擬音信号を生成して出力する。
上述した動作例によれば、信号処理装置10を用いて、過渡音を含む音信号の周波数スペクトルを明確に認識できる。そのため、過渡音を含む音信号の加工が容易にできる。また、音信号の特性を視覚的に把握し易いので、処理経験の少ないユーザでも、音信号の特性を把握すること容易になる。
次に、上述した信号処理装置10の動作に変形例を、図12を参照して、以下に説明する。
図12は、本明細書に開示する音信号の信号処理装置の動作の変形例を示す図である。
本変型例は、周波数スペクトルの周波数分解能を維持したまま、時間分解能を向上する。
まず、図12(A)に示すように、信号処理装置10は、通信部15を用いて、水中で収録された過渡音を含む時間領域表現の音信号を入力する。
次に、信号処理装置10は、図12(B)に示すように、入力した音信号S(t)を、分割された時間区間の一部が重複するように、所定の時間間隔で分割する。音信号S(t)は、時間T1と時間T2との間の時間区間R1と、時間T1.5と時間T2.5との間の時間区間R2と、時間T2と時間T3との間の時間区間R3と、時間T2.5と時間T3.5との間の時間区間R4と、時間T3と時間T4との間の時間区間R5と、時間T3.5と時間T4.5との間の時間区間R6とに分割される。時間区間R1〜R6は、同じ時間の長さLを有する。
時間区間R1と、時間区間R2とは、時間区間R1の後半の長さL/2が重複している。時間区間R2と、時間区間R3とは、時間区間R2の後半の長さL/2が重複している。時間区間R3と、時間区間R4とは、時間区間R3の後半の長さL/2が重複している。時間区間R4と、時間区間R5とは、時間区間R4の後半の長さL/2が重複している。時間区間R5と、時間区間R6とは、時間区間R5の後半の長さL/2が重複している。
本変型例では、周波数スペクトルの時間分解能は、上述した実施形態に対して2倍に向上する。一方、本変型例の周波数スペクトルの周波数分解能は、上述した実施形態と同じである。
なお、仮に、上述した実施形態において、入力した音信号S(t)を分割する時間の長さをL/2とした場合には、周波数スペクトルの周波数分解能は半分となってしまう。
上述した動作の変型例によれば、周波数スペクトルの時間変化をより精度良く解析することができる。また、上述した動作の変型例では、隣り合う時間区間は、区間の半分の時間が重複していたが、重複している時間は特に制限されないので、分割された時間区間の一部が重複していればよい。
次に、上述した信号処理装置10の他の動作の一例を、図面を参照しながら、以下に説明する。図13は、本明細書に開示する音信号の処理装置の動作を示すフローチャートである。図14は、信号処理装置10の他の動作例を説明する図である。以下に説明する信号処理装置10の動作は、過渡音を含み時間領域表現の第1音信号及び第2音信号を入力し、時間領域表現の第1音信号を周波数領域表現に変換し且つ時間領域表現の第2音信号を周波数領域表現に変換し、周波数領域表現の第1音信号と、周波数領域表現の第2音信号との比である伝達関数を求めるものである。
まず、ステップS40において、信号処理装置10は、通信部15を用いて、水中で収録された過渡音を含む時間領域表現の第1音信号及び第2音信号を入力する。図13(A)は、時間と共に波形が変化する第1音信号SA(t)及び第2音信号SB(t)を示す。第1音信号SA(t)及び第2音信号SB(t)は、時間tの関数であり、時間tにおける音信号の振幅を関数の値とする。
図13(B)に示すように、第1音信号SA(t)と第2音信号SB(t)とは、音源は同じであるが、水中における音の伝搬経路が異なっている。第1音信号SA(t)は、音源から出力されて、水中を伝搬して、受信器を用いて収録される直接音信号である。一方、第2音信号SB(t)は、音源から出力されて、水中を伝搬し、水底で反射した後、再び水中を伝搬して、受信器を用いて収録される反射音信号である。従って、第2音信号SB(t)の水中の伝搬経路は、第1音信号SA(t)よりも長い。
次に、ステップS42において、信号処理装置10は、第1音信号SA(t)と第2音信号SB(t)との位相の差を検出する。第2音信号SB(t)の位相は、第1音信号SA(t)に対して遅延している。
次に、ステップS44において、信号処理装置10は、第2音信号SB(t)に対して、位相を進めるように位相の差を補正して、第1音信号SA(t)の位相と一致させる。
次に、ステップS46において、信号処理装置10は、第1音信号SA(t)を短時間フーリエ変換し且つ第2音信号SB(t)を短時間フーリエ変換して、それぞれを周波数領域表現に変換する。各音信号を短時間フーリエ変換する処理は、上述した動作例と同様である。同様の処理を行った結果、時間区間毎にフーリエ変換された分割第1音信号FSA(f)及び分割第2音信号FSB(f)が生成される。
次に、ステップS48において、信号処理装置10は、図14(C)に示すように、時間区間毎に周波数領域表現の分割第1音信号FSA(f)と周波数領域表現の分割第2音信号FSB(f)との比である伝達関数H(f)を求める。
次に、ステップS50において、信号処理装置10は、時間区間毎の伝達関数H(f)を水中模擬音信号生成装置20へ出力する。伝搬経路に変化がない場合には、通常、伝達関数H(f)は各時間区間において同様となる。また、信号処理装置10は、時間区間毎の伝達関数H(f)を平均した伝達関数を生成して、水中模擬音信号生成装置20へ出力してもよい。
水中模擬音信号生成装置20は、入力した伝達関数を用いて、音信号を変換することができる。例えば、水中模擬音信号生成装置20は、直接音信号である定常音の模擬音信号を、伝達関数を用いて、反射音信号に変換することができる。また、水中模擬音信号生成装置20は、過渡音を含む模擬音信号を、伝達関数を用いて、反射音信号に変換することができる。更に、水中模擬音信号生成装置20は、伝達関数を用いて、反射音信号を直接音信号に変換してもよい。
上述した他の動作例によれば、信号処理装置10は、過渡音を含む2つの音信号の伝達関数を求めることができるので、過渡音を含む2つの異なる音信号の関係を明確にできる。水中模擬音信号生成装置20は、この伝達関数を用いて、直接音信号を反射音信号に変換するか、又は、反射音信号を直接音信号に変換することができる。
このように水中模擬音信号生成装置は、伝達関数を用いて、模擬音信号を変換することにより、パラメータで入力されるのとは異なる他の環境の模擬音信号を生成することができる。
上述した他の動作例では、伝達関数は、直接音信号と反射音信号との関係を有しているが、過渡音を含む時間領域表現の第1音信号及び時間領域表現の第2音信号が収録される環境は、特に制限されるものではない。
本発明では、上述した実施形態の音信号の処理装置及び方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
10 処理装置
11 演算部
12 記憶部
13 表示部
14 入力部
15 通信部
20 水中模擬音信号生成装置
30 水中模擬音信号処理システム

Claims (9)

  1. 音の波形の時間的な変化が定常状態にない過渡音を含む音信号を入力する入力部と、
    前記音信号から、複数の時間区間に対する周波数スペクトルを求め、時間と、周波数と、周波数スペクトルの大きさとを座標軸として、3次元グラフを生成する演算部と、
    前記3次元グラフを表示する表示部と、
    を備え、
    前記演算部は、前記入力部がユーザから入力した情報に基づいて、前記3次元グラフを加工し、加工された前記3次元グラフに基づいて、複数の時間区間に対する前記音信号を求め、各時間区間の前記音信号を時間の順番に配置して、加工された前記音信号を生成する、音信号の信号処理装置。
  2. 前記音信号は、水中で収録された信号である請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記演算部は、前記入力部がユーザから入力した情報に基づいて、時間と周波数とを座標軸とする平面上の任意の線を通る面で、前記3次元グラフを切断した輪郭を生成するように前記3次元グラフを加工する請求項1又は2に記載の信号処理装置。
  4. 前記任意の線は、時間軸の方向と一致する方向に延びる線、又は、周波数軸の方向と一致する方向に延びる線、又は、時間軸及び周波数軸の方向とは一致しない方向に延びる線である請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 加工された前記音信号を出力する出力部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の信号処理装置。
  6. 前記演算部は、入力した前記音信号を所定の時間間隔で分割し、分割された時間区間毎に、前記音信号の周波数スペクトルを求める請求項1〜の何れか一項に記載の信号処理装置。
  7. 前記演算部は、入力した前記音信号を、分割された時間区間の一部が重複するように、所定の時間間隔で分割する請求項に記載の信号処理装置。
  8. 前記演算部は、周波数スペクトルの値に基づいて色を変化させて、前記3次元グラフを生成する請求項1〜の何れか一項に記載の信号処理装置。
  9. 音の振幅変化が時間的に定常状態にない過渡音を含む音信号を入力し、
    前記音信号から、複数の時間区間に対する周波数スペクトルを求め、時間と、周波数と、周波数スペクトルの大きさとを座標軸として、3次元グラフを生成し、
    前記3次元グラフを表示し、
    ユーザから入力した情報に基づいて、前記3次元グラフを加工し、
    加工された前記3次元グラフに基づいて、複数の時間区間に対する前記音信号を求め、各時間区間の前記音信号を時間の順番に配置して、加工された前記音信号を生成する方法。
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