明 細 書 電子写真用 トナー及び画像形成方法 技術分野
本発明は電子写真用 トナーに関し、 さ らに詳しく述べると、 電子 写真方式を利用した各種のィメ一ジング装置、 例えば電子写真複写 機、 電子写真プリ ンタ、 静電印刷機などにおいて現像剤と して有利 に使用することができる、 特にフラ ッ シュ定着方式に好適な電子写 真用 トナーに関する。 本発明は、 また、 このような トナーを使用し た画像形成方法に関する。 背景技術
周知の通り、 複写機、 プリ ンタ、 印刷機などで広く普及している 電子写真方式は、 一般的には、 次のような一連の工程からなる。
( 1 ) 感光体の帯電、
( 2 ) 感光体の露光 (潜像形成) 、
( 3 ) トナーによる潜像の現像 ( トナー像の形成) 、
( 4 ) トナー像の記録媒体への転写、 及び
( 5 ) 転写された トナー像の定着。
最終の定着工程 ( 5 ) では、 加熱ローラで トナーに圧力を加えな がら溶融圧着させるヒ一 トロール定着方式と、 フラ ッ シュ光などの 光照射により トナーを溶融定着させるフラ ッ シュ定着方式とが用い られている。
ヒー トロール定着方式は、 トナーを高温で加圧下に定着させるた め、 装置を安価に提供できるという利点、 また、 ロールで押圧する ために トナー定着面が平滑になり、 印字濃度を高くできるという利
点を有している。 反面、 この定着方式では、 定着後の記録用紙が高 温によりカールをおこ し、 ロール化してしまう という問題点や、 定 着ローラが トナーにより汚染されるので、 オフセッ トが発生すると いう問題点、 用紙のロール化があるので高速記録が困難であるとい う問題点、 用紙の定着表面に糊剤がついているシール葉書などの定 着が困難であるという問題点などが知られている。
これに対して、 フラ ッ シュ定着方式は、 光源と して使用するフラ ッ シユラ ンプを安価で提供するという課題はあるが、 多く の注目す べき利点を備えている。 典型的な利点を示すと、 下記の通りである
1 ) フラ ッ シュ露光により トナーを溶融させているので、 記録用 紙などと非接触で トナーを定着させることができ、 よって、 接触定 着時に認められた画像の汚れ (オフセッ ト現象) がなく、 解像度の 劣化 (上下ローラ間の通過に原因する画像の広がり) もない。
2 ) 接触定着時に見られたような画像の汚れを防止するための設 計 (例えば、 離型剤と してのヮ ッタスの トナーに対する添加、 離型 材と してのシリ コーンオイルの定着口一ラに対する塗布など) を必 要と しないため、 トナー及び定着設備の設計に関する自由度が大き い。
3 ) 使用する記録用紙の種類 (例えば、 材質及び厚さ) に関係な く定着が可能である。
4 ) 定着後の記録用紙のロール化がなく、 上述のようにオフセッ ト もないので、 高速記録が可能であり、 また、 例えばシール葉書の ような特殊な記録用紙における画像の定着が容易に可能である。
このような利点に鑑みて、 フラ ッ シュ定着方式は、 通常、 業務用 の高速プリ ンタ、 高速複写機などにおいて広く使用されている。
フラ ッ シュ定着方式についてさ らに説明すると、 従来、 いろいろ
な種類の電子写真用 トナーが特にフラ ッ シュ定着用に設計され、 提 案されている。 例えば、 特開平 5 — 1 0 7 8 0 5号公報 (米国特許 第 5, 3 3 0 , 8 7 0号明細書に対応) には、 分解による臭い、 白 煙等の発生が少なく、 ボイ ドの生成なしに定着が可能であるフラ ッ シュ定着用電子写真用現像剤組成物が開示されている。 この現像剤 組成物は、 結着樹脂と して用いられるポリエステル樹脂が、 酸成分 中の 8 0 モル%以上がフタル酸系ジカルボン酸からなる酸成分と、 アルコール成分中の 8 0 モル%以上がビスフ ヱノ 一ル Aアルキレン オキサイ ド付加物からなるアルコール成分から得られたものである ことを特徴と している。 また、 特開平 7 — 7 2 6 5 7号公報には、 フラ ッ シュ定着性、 環境安定性、 耐ボイ ド性に優れた画像形成装置 用 トナーが開示されている。 この トナーは、 必須構成成分と して使 用されるポリエステルポリマーの分子量分布が複数の分子量ピーク を有していることを特徴と している。 同様な トナーは、 特開平 8 _ 1 2 3 0 7 0号公報にも開示されている。 このフラ ッ シュ定着用 ト ナ一は、 トナーの必須構成成分と して、 ポリエステルとポリェ一テ ルを含むかも しく はポリエーテルで変成したポリエステルを含むこ とを特徴と している。 さ らに、 特開平 8 — 8 7 1 2 8号公報には、 フラ ッ シュ定着性と耐ボイ ド性を両立し、 かつ低定着臭のフラ ッ シ ュ定着用 トナーが開示されている。 この トナーは、 架橋成分と して ト リ メ リ ト酸とェピービス型エポキシを併用した架橋型ポリエステ ル樹脂を トナーバイ ンダと して含み、 かつその樹脂の数平均分子量 が 2, 0 0 0〜 4, 0 0 0であり、 重量平均分子量と数平均分子量 の比が 1 0〜 2 5の範囲にあることを特徴と している。
上記からも理解されるように、 フラ ッ シュ定着用 トナーにおいて は、 フラ ッ シュ定着性と耐ボイ ド性を両立し、 あわせて定着時に発 生する臭いをなくするかも しく は少なく とも低減することが重要で
あるので、 従来の トナーでは、 これらの課題を解決するため、 バイ ンダ樹脂と して使用するポリエステル樹脂の組成の改善を図ってい る
フラ ッ シュ定着性の改善のため、 クロ口ホルム不溶分のない低粘 度のポリエステル樹脂からなる トナーを用いることも知られている
。 しかし、 このような トナーを使用した場合には、 フラ ッ シュ定着 に特有の 「ボイ ド」 と呼ばれる印字の白抜け (微細な白色斑点模様 ) が発生してしまう という問題がある。 また、 フ ラ ッ シュ定着方式 は、 フラ ッ シュ露光時、 トナー表面の温度を 5 0 0 °Cにも高めてし まうので、 トナー中に昇華しやすい低分子量の成分が混入している と、 その成分が飛散してプリ ンタ装置内を汚染したり、 付属の脱煙 脱臭フ ィ ルタの目詰まりを引き起こすという問題がある。 また、 従 来のプリ ンタ装置では、 活性炭を主成分とする脱煙脱臭フ ィ ルタを 定着部近傍に取り付け、 煙の除去を行っているが、 現在入手可能な フ ィ ルタの寿命は短く、 しばしば新品のフィルタと交換すること力く 必要である。 さ らに、 フラ ッ シュ定着用の トナーでは、 現像剤の安 定化ゃ低コス ト化の観点から、 トナー製造時の粉砕効率の向上や、 特に トナーにキヤ リャを併用する場合には、 そのキヤ リャへのフィ ルミ ングの防止も求められている。 実際、 キヤ リャへの トナーのフ ィルミ ングを防止できれば、 長期にわたって安定な現像剤を提供す ることができる。 発明の開示
本発明の 1 つの目的は、 したがって、 特にフラ ッ シュ定着方式を 採用した電子写真プロセスにおいて使用可能であって、 トナーの定 着強度の大幅な向上を実現するとともに、 フ ラ ッ シュ定着に特有の ボイ ドの発生や、 定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑制することが
でき、 トナー成分の昇華によるプリ ンタ装置の汚染や脱煙脱臭フィ ルタの目詰まりがなく、 効率良く安定して製造でき、 また、 キヤ リ ャへのフ ィ ルミ ングがなく、 長期にわたって安定な現像剤を提供で きるような電子写真用 トナーを提供することにある。
本発明のもう 1 つの目的は、 上記したような電子写真用 トナーの 優れた作用効果を十二分に発揮させることのできる画像形成方法を 提供することにある。
本発明の上記した目的及びその他の目的は、 以下の詳細な説明か ら容易に理解することができるであろう。
本発明は、 その 1 つの面において、 転写された トナー像の定着に フラ ッ シュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するもので あって、 バイ ンダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用 トナーにおいて 前記バイ ンダ樹脂が、 少なく とも一部にクロ口ホルム不溶分を有 するポリエステル樹脂であり、 そして
前記 トナ一が、
ポリプロピレン樹脂、 及び
次式 ( I ) により表されるエステル型構造の樹脂 :
0
C H 2 O C— ( C H ) n— R
(上式において、 p、 q、 m及び nは、 それぞれ、 1 6〜 2 2の正 の整数を表し、 そして Rは、 同一もしく は異なっていてもよく、 そ れぞれ、 水素原子を表すかもしく は 1 〜 4個の炭素原子を有する低 級アルキル基を表す)
を含んでいることを特徴とする電子写真用 トナーを提供する。
また、 本発明は、 そのもう 1 つの面において、 転写された トナー 像の定着にフラ ッ シュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用 するものであって、 バイ ンダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用 トナ —において、
前記バイ ンダ樹脂が、 次式 (X I ) により表されるエステル成分 :
0
(上式において、 p' 、 q ' 、 m' 及び n' は、 それぞれ、 1 6 〜 3 0の正の整数を表し、 そして Rは、 同一も しく は異なっていて もよく、 それぞれ、 水素原子を表すかもしく は 1〜 4個の炭素原子 を有する低級アルキル基を表す) を含み、 少なく ともクロ口ホルム 不溶分を有するポ リエステル樹脂であり、 そして
前記 トナーが、 必要に応じて、 前式 (XI) により表されるエステ ル型構造の樹脂を含んでいることを特徴とする電子写真用 トナーを 提供する。
さ らに、 本発明は、 そのもう 1つの面において、 転写された トナ 一像の定着にフラ ッ シュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使 用するものであって、 バイ ンダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用 ト ナ一において、
前記バイ ンダ樹脂が、 前式 (XI) により表されるエステル成分 ( 式中、 R、 p' 、 q' 、 m' 及び n' は、 それぞれ、 前記定義に同 じである) を含み、 少なく ともクロ口ホルム不溶分を有するポリエ ステル樹脂であり、 かつ
前記ポリエステル樹脂において、 前記エステル成分 (XI) を 1 0
重量%以上の量で含有する樹脂が少なく とも含まれ、 そして 前記 トナーが、 必要に応じて、 前式 (X I ) により表されるエステ ル型構造の樹脂を含んでいることを特徴とする電子写真用 トナーを 提供する。
さ らにまた、 本発明は、 そのもう 1 つの面において、 画像露光に よる静電潜像の形成、 静電潜像の現像による可視化、 可視化された 画像の記録媒体への転写及び転写された画像の定着の各工程を含む 電子写真法により画像を形成する方法において、
前記静電潜像の現像工程において、 本発明による電子写真用 トナ —を含む現像剤を使用し、 かつ
前記現像剤の使用により可視化された トナー画像を前記記録媒体 に転写した後に定着する工程において、 トナー定着方式と して、 フ ラ ッ シュ定着方式を使用することを特徴とする画像形成方法を提供 す o 図面の簡単な説明
第 1 図は、 本発明で使用される、 前式 ( I ) により表されるエス テル型構造の樹脂の、 分子量とイオン化効率の関係をプロ ッ ト した グラフである。 発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、 フラ ッ シュ定着方式に好適であって、 トナーの定 着強度を大幅に向上させることができるとともに、 フラ ッ シュ定着 に特有のボイ ドの発生を抑え (すなわち、 耐ボイ ド性があり) 、 ト ナ一の組成に原因した定着時の発煙やそれに伴う悪臭を発生がなく 、 しかも、 トナー成分の昇華による装置の汚染やフ ィ ルタの目詰ま りがない、 従来にはない電子写真用 トナーを開発すべく鋭意研究し
た結果、 前記したように、
( 1 ) 特定のポ リエステル樹脂からなるバイ ンダ樹脂を、 ポリプ ロ ピレン樹脂及び前式 ( I ) により表される特定のエステル型構造 の樹脂と組み合わせて使用すること、
( 2 ) 特定のエステル成分を含み、 少なく ともクロ口ホルム不溶 分を有するポリエステル樹脂からなるバイ ンダ樹脂を使用すること
( 3 ) 特定のエステル成分を含み、 少なく ともクロ口ホルム不溶 分を有するポリエステル樹脂からなるバイ ンダ樹脂を、 前記エステ ル成分を濃縮された量で含有する樹脂と組み合わせて使用すること が有効であるという知見を得、 本発明を完成した。 なお、 本発明の 容易な理解のため、 以下、 上記 ( 1 ) のような構成を有する トナー は、 「本発明の第 1 の トナー」 と呼び、 上記 ( 2 ) のような構成を 有する トナーは、 「本発明の第 2の トナー」 と呼び、 そして上記 ( 3 ) のような構成を有する トナーは、 「本発明の第 3の トナー」 と 呼ぶことにする。 また、 説明の簡略化のため、 第 1 、 第 2及び第 3 の トナーにおいて共通的な事項は、 それが共通することのみを示し て、 繰り返して説明しないこととする。
本発明による電子写真用 トナーは、 基本的に、 電子写真法におい て従来より用いられている トナーと同様な組成とすることができる 。 すなわち、 本発明の トナーは、 少なく とも、 バイ ンダ樹脂と、 着 色剤とを含むようにして構成される。 なお、 「エステル型構造の樹 脂」 とは、 それを本願明細書において使用する場合、 前式 ( I ) 又 は前式 (X I ) の樹脂を指す。 また、 本発明の第 2及び第 3の トナー において、 バイ ンダ樹脂と して使用されるポリエステル樹脂は、 上 記したよう に、 エステル成分を含み、 クロ口ホルム不溶分を有する
樹脂であるが、 短縮して 「エステル成分 · ク ロ口ホルム不溶分含有 樹脂」 と呼ぶこ とにする。
本発明による電子写真用 トナー (第 1 の トナー) において、 バイ ンダ樹脂と して使用されるポリエステル樹脂は、 その構造の少なく と も一部にク ロ口ホルム不溶分を有することが必須である。 これは 、 トナーの定着時、 バイ ンダ樹脂に含まれるク ロ口ホルム不溶分が ボイ ドの形成を効果的に防止できるからである。 なお、 このク ロ口 ホルム不溶分は、 ポ リエステル樹脂の原料成分に由来している。 他の樹脂成分との関係もあるが、 ク 口口ホルム不溶分含有のポリ エステル樹脂は、 トナ一中においていろいろな量で使用するこ と力く できる。 かかるポ リエステル樹脂の使用量は、 通常、 トナーの全量 を基準にしたク ロ口ホルム不溶分の量で規定することができる。 ポ リエステル樹脂中のク ロ口ホルム不溶分は、 通常、 トナーの全量を 基準にして 3〜 2 0重量%の範囲で含まれるのが好ま し く 、 さ らに 好ま し く は 3〜 1 0重量%の範囲である。 このク ロ口ホルム不溶分 の含有量が 3重量%を下回ると、 トナーが低粘度となってボイ ドが 発生しやすく なり、 反対に 2 0重量%を上回る と、 トナーと記録媒 体 (例えば、 記録用紙) との密着性や トナーどう しの密着性がと も に阻害されるこ と となる。 なお、 本発明では、 トナーの定着強度を 特に
( 1 ) トナーと記録用紙の密着性、 及び
( 2 ) トナーどう しの密着性
によって評価しており、 また、 トナーと記録用紙の密着性及び トナ 一どう しの密着性は、 それぞれ、 定着画像の粘着テープによる剝離 試験及び定着画像の粘着テープによる擦り試験によつて測定してい バイ ンダ樹脂と してのポ リエステル樹脂は、 その構造の少なく と
も一部にク ロ口ホルム不溶分を含有するという制限はある力 、 その 他の点においては汎用のポ リエステル樹脂に同じであることができ る。 適当なク ロ口ホルム不溶分含有ポ リエステル樹脂は、 例えば、 少な く と も、 酸成分と してテレフタル酸、 イ ソフタル酸又はその混 合物を使用 し、 アルコール成分と してビスフ ヱノ ール Aのエチレン 又はプロ ピレン付加物を使用 し、 かつ架橋剤成分と して ト リ メ リ ト 酸を使用 して、 これらのモノマー成分の重合により形成されたポ リ エステル樹脂である。 また、 このポ リエステル樹脂は、 通常、 6 0 °C以上のガラス転移温度 (Tg) を有していて、 トナーと したときに は 5 8 °C以上の Tgを示すものであるこ とが望ま しい。 これは、 トナ 一の Tgが 5 8 °Cを下回ると、 運送の途中にさ らされる高温度環境下 で固化を生じる可能性があるからである。
本発明の第 1 の トナーにおいてバイ ンダ樹脂と一緒に使用される ポ リ プロ ピレン樹脂は、 本発明の作用効果に対して悪影響を及ぼす ことがない限り、 特に限定される ものではない。 このポ リプロ ピレ ン樹脂は、 通常、 5, 0 0 0以上の数平均分子量を有していること が好ま しい。 これは、 も しもポ リ プロ ピレン樹脂の分子量が 5, 0 0 0 を下回る と、 定着時に容易に昇華してしま うので、 フラ ッ シュ 定着方式に使用するこ とができないからである。
他の樹脂成分との関係もあるが、 ポ リ プロ ピレン樹脂は、 第 1 の トナ一中においていろいろな量で使用するこ とができるという もの の、 通常、 トナーの全量を基準にして 0 . 1 〜 5重量%の範囲で使 用するのが好ま し く 、 さ らに好ま しく は 1 〜 3重量%の範囲である 。 このポ リ プロ ピレン樹脂の含有量が 0 . 1 重量%を下回ると、 耐 剝離性や トナー粉碎性の向上を達成するこ とができるが、 耐擦り性 を向上させる こ とができなく なり、 反対に 5重量%を上回ると、 昇 華が顕著となるので、 装置の汚染ゃフイルクの目詰ま り といった問
題が引き起こされる。
本発明の第 1の トナ一においてバイ ンダ樹脂及びポリプロピレン 樹脂と一緒に使用される前式 ( I ) のエステル型構造の樹脂は、 そ の一般式 ( I ) で規定される範囲内において種々の樹脂を包含する 。 なかんずく、 式中の Rがすべて同じでありかつメチル基又はェチ ル基を表すような樹脂を有利に使用することができる。 特に有利に 使用することのできるエステル型構造の樹脂は、 次式 (II) により 表されかつその重量
平均分子量が 1, 3 5 0〜 1, 4 5 0の範囲にある樹脂である。
0
上式において、 p、 q、 m及び nは、 それぞれ、 前記定義に同じ である。 このようなエステル型構造の樹脂 (II) において、 その分 子量が 1, 3 5 0を下回ると (すなわち、 不純物と しての樹脂が含 まれると) 、 フ ィ ルタの目詰ま りが発生しやすく なる。 これは、 本 発明で使用されるエステル型構造の樹脂 ( I ) の場合、 不純物によ る分子量差によってもフ ィ ルタの目詰まりを生じる傾向にあるから Cある。
上記したようなエステル型構造の樹脂 ( I ) は、 第 1の トナー中
においていろいろな量で使用することができるという ものの、 通常 、 トナーの全量を基準にして 0 . 5 〜 1 5重量%の範囲で使用する のが好ま しく、 さ らに好ま しく は 1 〜 5重量%の範囲である。 この エステル型構造の樹脂 ( I ) の含有量が 0 . 5重量%を下回ると、 樹脂そのものには定着性の向上効果があるにもかかわらず、 満足し 得る定着性の向上を得ることができず、 反対に 1 5重量%を上回る と、 トナーの粉砕性の低下やフ ィ ルタの目詰まりが発生する。
また、 エステル型構造の樹脂 ( I ) は、 質量分析により分子量分 布を測定した場合に、 1 , 2 0 0 〜 1 , 5 0 0 の分子量を有する樹 脂が主成分を構成し、 その範囲に 1 つのピークを有し、 かつ 1 , 4 2 0 〜 1 , 4 3 0の分子量を有する高分子量の樹脂がイオン化効率 で全体の 4 5 %以上であり、 そして 1 , 3 5 0以下の分子量を有す る低分子量の樹脂が 1 0 %以下であることが望ま しい。 これは、 ェ ステル型構造の樹脂 ( I ) は、 不純物に起因して低分子量の樹脂が 混入すると、 分子量差によつてフ ィ ルタの目詰まりを起こ しやすく 、 また、 分子量で 1 , 3 5 0以下の不純物が入ってもフィルタの目 詰ま りを起こ しやすく なるからである。 こ こで、 エステル型構造の 樹脂 ( I ) は、 ペンタエリ スリ トールとテ トラエル力酸エステルの 反応生成物を主成分と しているが、 テ トラエル力酸エステルには不 純物と して炭素 ( C ) 原子の多い分子と C原子の少ない分子とが混 在しているため、 若干の分子量分布をもつものと考察される。
下記の第 1表及び添付の第 1 図は、 上記したエステル型構造の樹 脂 (I I ) ならびにその他の同様なエステル型構造の樹脂 (I I I ) 及 び樹脂 (I V) の分子量分布を質量分析装置 (日本電子製、 商品名 「 S X 1 0 2 A」 ) を使用して、 ピ一ク高の比率から求めた結果をま とめたものである。
第 1表
本発明の第 1 の トナーは、 上記したように、 クロ口ホルム不溶分 含有ポ リ エステル樹脂、 ポ リ プロ ピレ ン樹脂及びエステル型構造の 樹脂 ( I ) をそれぞれ上記したような量比で含有していることが好 ま しい。 そのように組み合わせた樹脂を トナーに対して添加するこ とによって、 上記したようなそれぞれの樹脂成分の作用効果が相乗 的に組み合わさることの結果、 定着性の向上、 ボイ ドの低減、 装置 汚染やフ ィ ルタの目詰ま りの低減、 トナー製造の際の粉砕効率の向 上などを同時に実現することができる。
本発明の第 1 の トナーは、 最終的に得られる トナーの特性 (使用 時の特性も含む) において優れた作用効果が期待でき、 かついかな る悪影響を生じない限りにおいて、 上記した 3種類の樹脂の組み合 わせに追加して、 任意のバイ ンダ樹脂 (汎用のバイ ンダ樹脂) を含 んでいてもよい。 適当な追加のバイ ンダ樹脂と しては、 例えば、 ェ ポキシ樹脂、 ポリエーテル—ポリオール樹脂、 シ リ コー ン樹脂、 ス
チ レ ン樹脂、 ア ク リ ル樹脂、 スチ レン一アク リ ル樹脂、 ポ リ塩化ビ ニル樹脂、 ポ リ酢酸ビニル樹脂、 ポ リ塩化ビニ リ デン樹脂、 フ ヱ ノ ール樹脂、 エポキシ樹脂などを挙げるこ とができる。 なお、 このよ うな追加のバイ ンダ樹脂の配合量は、 その量が多すぎると得られる トナーの本来の特性が悪影響を受けるので、 最高でも、 バイ ンダ樹 脂の全量を基準に して 2 0〜 3 0重量%程度であるこ とが好ま しい o
さ らに、 上記したバイ ンダ樹脂との関連において説明すると、 本 発明の第 1 の トナーは、 通常、 それに含まれるバイ ンダ樹脂のガラ ス転移温度 (Tg) が 6 0 °C以上であるこ とが好ま し く 、 バイ ンダ樹 脂及びその他の トナー成分を配合して トナーと した場合には 5 8 °C 以上であるこ とが好ま しい。 これは、 トナーの Tgが 5 8 °Cを下回る と、 製造後において、 例えば運送の途中でさ らされる高温度の影響 で、 固化してしま う可能性があるからである。
本発明の第 1 の トナーにおいてバイ ンダ樹脂中に分散せしめられ るべき着色剤は、 多く の公知な染料及び顔料を包含し、 トナーにお いて所望とされる色調に応じて任意に選択して使用するこ とができ る。 以下に列挙する ものは、 本発明の実施において使用するのに好 ま しい染料及び顔料の一例である。
従来公知の方法、 例えばサーマルブラ ッ ク法、 アセチ レ ンブラ ッ ク法、 チ ャ ンネルブラ ッ ク法、 ラ ンプブラ ッ ク法などによって調製 するこ とのできる各種のカーボンブラ ッ ク、 例えばラ ンプブラ ッ ク ( C . I . N o . 7 7 2 6 6 ) 、 カーボンブラ ッ クの表面を樹脂被 覆したグラフ ト化力一ボンブラ ッ ク、 例えば鉄黒等の無機顔料、 有 彩色の染料又は顔料、 例えば、 モノァゾ系赤色顔料、 ジスァゾ系黄 色顔料、 キナタ リ ドン系マゼンタ顔料、 アン トラキノ ン染料、 ニグ 口シン染料、 第 4級アンモニゥム塩系の染料、 モノ ァゾ系の金属錯
塩染料など。 このような染料又は顔料のいくつかの例をカラ一イ ン デッ クス番号を参照して記載すると、 次の通りである : ァニリ ンブ ルー (C. I . N o. 5 0 4 0 5 ) 、 カノレコオイルブルー (C. I . N o. A z o i c B l u e 3 ) 、 ク ロムイェロー (C. I . N o. 1 4 0 9 0 ) 、 ゥノレトラマリー ンブル一 (C. I . N o. 7 7 1 0 3 ) 、 デュポンオイルレッ ド (C. I . N o. 2 6 1 0 5 ) 、 キノ リ ンイエロ一 (C. I . N o. 4 7 0 0 5 ) 、 メ チレンブル —ク ロライ ド (C. I . N o. 5 2 0 1 5 ) 、 フタロ シアニンブル 一 (C. I . N o. 7 4 1 6 0 ) 、 マラカイ トグリ ー ンォクサレ一 ト (C. I . N o. 4 2 0 0 0 ) 、 ローズベンガル (C. I . N o . 4 5 4 3 5 ) o
上記したような染料及び顔料は、 単独で使用してもよく、 さ もな ければ、 所望とする トナーの色調を得るために任意に混合して使用 してもよい。 上記したような着色剤の トナー中の含有量は、 所望と する着色効果などに応じて広く変更することができるという ものの 、 通常、 最も良好な トナー特性を得るため、 すなわち、 印字の着色 力、 トナーの形状安定性、 トナーの飛散などを考慮した場合、 トナ 一の全量を基準にして 0. 1〜 2 0重量%の範囲であるのが好ま し く、 さ らに好ま しく は、 0. 5〜 1 0重量%の範囲である。
本発明の第 1の トナーは、 上記したバイ ンダ樹脂、 着色剤などに 加えて、 各種の添加剤を含んでいてもよい。 例えば、 本発明の トナ —は、 その トナーの流動性の向上などの目的のために、 各種の無機 の微粒子を外添剤と して含んでいてもよい。 本発明で外添剤と して 使用 し得る無機の微粒子は、 通常、 1次粒子径が 5 ηπ!〜 2 mの範 囲のものであり、 さ らに好ま しく は 5〜 5 0 0 nmの範囲のものであ る。 また、 この無機の微粒子の表面積は、 それを B E T法による比 表面積で表すと、 2 0〜 5 0 0 m2/gの範囲であるのが好ま しい。
本発明の実施において適当な無機の微粒子の例は、 以下に列挙す る ものに限定されるわけではないけれども、 シ リ カ、 アルミ ナ、 酸 化チタ ン、 チタ ン酸バリ ウム、 チタ ン酸マグネシウム、 チタ ン酸力 ルシゥム、 チタ ン酸ス ト ロ ンチウム、 酸化亜鉛、 けい砂、 ク レー、 雲母、 けい灰石、 けいそう土、 酸化ク ロム、 酸化セ リ ウム、 ベンガ ラ、 三酸化アンチモン、 酸化マグネシウム、 酸化ジルコニウム、 硫 酸バリ ウム、 炭酸バリ ウム、 炭酸カルシウム、 炭化硅素、 窒化硅素 などを包含する。 と りわけ、 シ リ カの微粉末を有利に使用すること ができる。
上記したような無機の微粒子は、 トナーに対していろいろな量で 外添して使用するこ とができるという ものの、 通常、 トナーの全量 を基準に して 0 . 0 1 〜 5 . 0重量%の範囲で使用するのが好ま し く 、 さ らに好ま し く は 0 . 0 1 〜 2 . 0重量%の範囲である。
また、 本発明の トナーでは、 必要に応じて、 上記した無機の外添 剤に加えて、 その他の常用の外添剤、 例えば、 フ ッ素微粒子等、 あ るいは樹脂粒子、 例えばアク リ ル微粒子等、 も使用 してもよい。 さ らに、 本発明の第 1 の トナーは、 トナーの帯電特性を制御する 目的で、 この技術分野において常用の電荷制御剤を有していてもよ い。 適当な電荷制御剤と しては、 例えば、 正帯電 トナーにはニグ口 シン染料、 脂肪酸金属塩、 第 4 アンモニゥム塩などの電子供与性物 質を、 負帯電 トナーにはァゾ系含金属染料、 塩素化パラフィ ン、 塩 素化ポ リ エステルなどの電子受容性物質を、 それぞれ挙げることが できる。
さ らにまた、 本発明の電子写真用 トナーには、 離型剤あるいはォ フセッ ト防止剤と して、 各種の汎用のヮ ッ クス、 例えば低分子量の ポリ プロ ピレンあるいはポ リ エチレンワ ッ クス、 カルナバワ ッ クス 、 モンタ ンワ ッ クス、 ァマイ ドワ ッ クスなどを使用することができ
る。 なお、 本発明の トナーを特にフ ラ ッ シュ定着方式を採用 した電 子写真プロセスに使用する予定であるならば、 フ ラ ッ シュ定着時の 昇華によつてフ ィ ルタの目詰まりが発生するのを回避するため、 ポ リプロピレンワ ックスを使用するのが有利である。
以上に記載した第 1 の トナーの説明をまとめると、 本発明の実施 において、 上記したような トナー成分は、 一般的に、 トナーの全量 を基準にして、 下記の組成比 :
ク ロ口ホルム不溶分含有ポリエステル樹脂 5 0〜 9 5重量% ポリプロピレン樹脂 0 . 1 〜 5重量% エステル型構造の樹脂 0 . 5〜 1 5重量% 着色剤 0 . 1 〜 2 0重量% 電荷制御剤 1 〜 5重量% ワ ッ クス 0〜 5重量% 外添剤 0〜 5重量% で使用することができる。 これらの トナー成分は、 必要に応じて、 上記した範囲より も多くても、 さ もなければ少なくてもよい。
本発明による電子写真用 トナーは、 上記した第 1 の トナーに追加 して、 第 2及び第 3の ト ナーも包含する。 本発明の第 2及び第 3の トナーは、 先にすでに説明したように、 バイ ンダ樹脂に、 前式 (X I ) により表されるエステル成分を含み、 少なく ともクロ口ホルム不 溶分を有するポ リ エステル樹脂を使用 している。 本発明のこれらの トナーでは、 このような特定のエステル成分 . クロ口ホルム不溶分 含有ポリエステル樹脂をバイ ンダ樹脂の構成員と して使用すること で、 高定着性及び耐ボイ ド性を両立している。 また、 このような特 定のポリエステル樹脂に追加して、 トナー中にポリプロピレン樹脂 を含ませることで、 トナー製造の際の粉砕性を向上させることがで きる。 また、 これらの トナーは、 必要に応じてかつ、 好ま しく は、
前式 (XI) により表される、 前式 ( I ) の樹脂に同様なエステル型 構造の樹脂を有する。 これらの トナーは、 以下の詳細な説明から理 解されるように、 基本的な組成に関しては第 1の トナーに同様であ るが、 バイ ンダ樹脂の組成を異にしており、 特に、 前式 (XI) のェ ステル成分を重合反応工程でポ リ エステル樹脂に添加して、 樹脂中 に含有させていることを特徴とする。
本発明の第 2及び第 3の トナーにおいて、 バイ ンダ樹脂と して使 用されるポ リエステル樹脂を構成する前式 (XI) のエステル成分は 、 前記一般式 (XI) で規定される範囲内において種々のエステル成 分を包含することができる。 なかんずく、 式中の Rがすべて同じで ありかつメ チル基又はェチル基を表すようなエステル成分を有利に 使用することができる。 特に有利に使用するこ とのできるエステル 成分は、 次式 (XII ) により表されるエステル成分である。
0
上式において、 p' 、 q ' 、 m' 及び n, は、 それぞれ、 前記定 義に同じである。
このようなエステル成分 (XII ) は、 不純物による分子量差によ つてもフィルタの目詰ま りを起こ しやすいので、 通常、 その重量平
均分子量が 1, 2 0 0〜 2, 2 0 0の範囲 (質量分析による分子量 分布による) にあることが好ま しい。 このエステル成分の分子量が 1, 2 0 0を下回ると (すなわち、 不純物と しての樹脂が含まれる と) 、 フ ィ ルタの目詰まりが発生しやすく なる。 エステル成分中に 1, 0 0 0以下の分子量を有する不純物が混入した場合には、 フ ィ ルタの目詰まりがより一層顕著になるであろう。 ここで、 上述のェ ステル成分は、 ペンタエリ ス リ トールとテ トラエル力酸エステルの 反応生成物を主成分と しているが、 テ トラエル力酸エステルには不 純物と しての炭素 ( C) 原子の多い分子、 少ない分子が混在してい るため、 若干の分子量分布を有すると理解される。 また、 かかるェ ステル成分は、 1 , 2 0 0〜 2, 2 0 0の範囲の分子量分布におい て少なく とも 1 つの最大ピークを有しており、 そしてその最大ピー クのイオン化率が全体の 4 5 %以上であることが好ま しい。
本発明の第 2及び第 3の トナーにおいて、 とりわけ有利に使用す るこ とのできるエステル成分は、 次式 (XIII) により表されるエス テル成分である。
0
また、 本発明で用いられるような特定構造のポリエステル樹脂に
おいて、 その分子中に含まれる前式 (X I ) のエステル成分は、 ポ リ エステル樹脂の重合反応工程で導入されたものであるこ とが好ま し い。 前記エステル成分 (X I ) をポ リエステル樹脂中に導入する場合
、 重合反応工程の任意の段階 (タイ ミ ング) で添加するこ とができ 、 例えば、 重合反応工程の初期のポ リ エステル樹脂のモノ マ一添加 段階でもよ く 、 重合が盛んに行われている重合途中の段階でもよ く 、 さ もなければ、 重合が終盤にさ しかかった重合終了段階でもよい o
本発明の実施において、 エステル成分 ' ク ロ口ホルム不溶分含有 ポ リエステル樹脂には、 上記したようなエステル成分やク ロ口ホル ム不溶分が含まれる。 かかるポ リエステル樹脂は、 このような成分 を任意の割合で含有する こ とができるけれども、 エステル成分は、 トナーの全量を基準にして、 0 . 1 〜 1 0重量%の量で含まれるこ とが好ま しく 、 さ らに好ま し く は、 0 . 5〜 5重量%の量である。 また、 ク ロ口ホルム不溶分は、 トナーの全量を基準に して、 3 〜 2 0重量%の量で含まれるこ とが好ま し く、 さ らに好ま し く は、 3〜 1 0重量%の量である。
さ らに、 上記したよう に、 本発明の トナーはポ リ プロ ピレン樹脂 を含むことが好ま しいが、 ポ リ プロ ピレン樹脂の含有量は、 トナー の全量を基準に して、 0 . 1 〜 5重量%の量であるこ とが好ま し く 、 さ らに好ま し く は、 0 . 1 〜 3重量%の量である。
本発明の トナーでは、 特に、 上記した成分を上述のような量で組 み合わせて使用するこ とによって、 定着性の向上、 ボイ ドの低減、 装置の汚染 (フ ィ ルタの目詰ま り、 ほか) の低減、 トナー製造の際 の粉砕効率の向上、 キヤ リ ャへのフ ィ ルミ ングの防止を同時に実現 することができる。
こ こで、 前式 (X I ) のエステル成分の量が、 トナーの全量を基準
にして 0 . 1 重量%を下回る場合、 定着性の向上効果を期待するこ とができず、 反対に 1 0重量%を上回ると、 トナーの粉砕性の低下 やフ ィ ルタの目詰ま りが発生する。 なお、 上記したように、 エステ ル成分は不純物による分子量差によってもフィルタの目詰ま りを起 こ しゃすい。
また、 ポリエステル樹脂中に含まれるクロ口ホルム不溶分の量が
、 トナーの全量を基準にして 3重量%を下回る場合、 得られる トナ —が低粘度となってボイ ドが発生しやすく なる。 反対に 2 0重量% を上回ると、 トナーと記録用紙などの媒体との密着性や、 トナーど う しの密着性が阻害されるようになる。
さ らに、 トナーに追加的に添加されるポリプロピレン樹脂の量に ついては、 その樹脂の量が、 トナーの全量を基準にして 0 . 1 重量 %を下回る場合、 耐剝離性、 トナー粉砕性の向上は期待できるが、 耐こすり性を向上させることができない。 反対に 5重量%を上回る と、 樹脂そのものが昇華してしま うので、 フラ ッ シュ定着方式を採 用することができなく なる。 さ らにまた、 ポリプロピレン樹脂は、 もしもそれを使用する場合、 添加量に追加して分子量も重要であり 、 通常、 5, 0 0 0 もしく はそれ以上の数平均分子量を有している のが好ま しい。 このようなポリプロピレン樹脂は、 通常、 ワ ッ クス 状である。
さ らに説明すると、 本発明の第 2及び第 3の トナーでは、 上記し たようなエステル成分を特定構造のポリエステル樹脂 (バイ ンダ樹 脂) に導入することによって、 バイ ンダ樹脂の相溶性を改善し、 キ ャ リャへのフイノレミ ングを低減させることができる。
前式 (X I ) によって表されるエステル成分は、 本来ポリエステル 樹脂との相溶性が悪いので、 トナー化の際にそのようなエステル成 分を配合した場合、 分散させることが困難であり、 キヤ リャの表面
において顕著にフ ィ ル ミ ングが発生する。 もちろん、 混練工程にお いてシェアをかけることによって、 分散性をある程度まで制御する ことは可能であるが、 この方法では、 均一な分散を達成するに至ら ない。 従来の技術において認められるこのような不都合に対して、 本発明の第 2及び第 3の トナーでは、 特にバイ ンダ樹脂の調製段階 で、 すなわち、 ポ リ エステル樹脂の重合段階で、 ポ リ エステル樹脂 の構造中にエステル成分を導入することによって、 分散性を向上さ せると同時に、 得られるポリエステル樹脂の全体にエステル成分を ほぼ均一に分散させることが可能となり、 また、 したがって、 定着 性を維持して、 キ ヤ リャへのフ ィ ルミ ングを効果的に防止すること が可能となる。
また、 本発明の第 3の トナーにおけるように、 ポリエステル樹脂 中に 1 0重量%もしく はそれ以上のエステル成分を重合あるいは混 合してマスタ一バッチと しての樹脂を調製した後、 そのマスタ一バ ッチ化したポリエステル樹脂と新たなポリエステル樹脂とを樹脂段 階で混合するか、 さ もなければ、 トナー化の段階で両者を混合して も、 分散性の向上に効果がある。 さ らに、 樹脂中にエステル成分を 添加したポリエステル樹脂を使用して、 それを トナー化する際にさ らにエステル成分を配合した場合、 単に トナ一化の際にエステル樹 脂を添加する場合より もさ らに大幅に分散性を向上させることがで きる。 このことは、 ポリエステル樹脂中に添加されていたエステル 成分が樹脂との相溶性を有しているために、 後段で添加したエステ ル成分とのなじみによって、 さ らにはミ セル効果によって、 総合的 に樹脂との相溶性が改善されたことに由来していると考察される。 上記したようなエステル成分は、 バイ ンダ樹脂と しての特定構造 のポリエステル樹脂中に分散した状態で存在することができる。 そ のような場合、 エステル成分は広範な分散粒径で存在することがで
きるけれども、 通常、 5 m以下の分散粒径で均一に分散している ことが好ま しい。 エステル成分がこのような分散粒径を有している と、 トナー化の際にその分散粒径がさ らに小さ く なるため、 得られ る トナーのエステル成分の分散性が向上し、 キヤ リャへのフ ィ ルミ ングを抑制して定着性に優れた トナーを得ることができるからであ る。 ここで、 「分散粒径」 とは、 ポリエステル樹脂中に分散したェ ステル成分の平均粒径を指し、 約 1 mmの粒径を有するポ リエステル 樹脂をミ クロ ト一ムで 0 . 1 〜 0 . 5 〃 mの厚さにスライスした後 、 得られた薄片を顕微鏡で観察し、 その結果 (画像データ) を周知 の方法で画像解析するこ とによって測定することができる。 観察の ための顕微鏡には、 例えば、 透過型光学顕微鏡 (例えば、 ォリ ンパ ス光学工業製、 商品名 「 B H— 2」 ) や、 透過型走査電子顕微鏡 ( 例えば、 日本電子製、 商品名 「 J E M 2 0 1 0」 ) を使用すること ができる。
本発明の第 2及び第 3の トナーは、 最終的に得られる トナーの特 性 (使用時の特性も含む) において優れた作用効果が期待でき、 か ついかなる悪影響を生じない限りにおいて、 前記した第 1 の トナー と同様、 追加のバイ ンダ樹脂を任意に含んでいてもよい。 適当な追 加のバイ ンダ樹脂は、 前式 (X I ) のエステル型構造の樹脂である。 この樹脂は、 前式 ( I ) のエステル型構造の樹脂と同様に、 好ま し く は、 少なく とも、 酸成分と してテレフタル酸、 イソフタル酸又は その混合物を使用し、 アルコール成分と してビスフヱノール Aのェ チレン又はプロ ピレン付加物を使用し、 そして架橋剤成分と して ト リ メ リ ト酸を使用して、 これらのモノマー成分の重合により形成さ れたポリエステル樹脂である。 また、 かかるポリエステル樹脂は、 通常、 6 0 °C以上のガラス転移温度 (Tg) を有していて、 トナーと したときには 5 8 °C以上の Tgを示すものであることが望ま しい。 こ
れは、 トナーの Tgが 5 8 °Cを下回ると、 運送の途中にさ らされる高 温度環境下で固化を生じる可能性があるからである。
また、 追加のバイ ンダ樹脂は、 汎用のバイ ンダ樹脂であってもよ い。 適当な追加のバイ ンダ樹脂と しては、 例えば、 ポ リエステル樹 脂、 エポキシ樹脂、 ポ リエーテル—ポ リオール樹脂、 シ リ コーン樹 脂、 スチレン樹脂、 アク リ ル樹脂、 スチレン一アク リル樹脂、 ポリ 塩化ビニル樹脂、 ポ リ酢酸ビニル樹脂、 ポ リ塩化ビニ リ デン樹脂、 フ エノ ール樹脂、 エポキシ樹脂などを挙げるこ とができる。 このよ うなバイ ンダ樹脂を単独も し く は組み合わせて使用するこ とができ る。 なお、 このよ うな追加のバイ ンダ樹脂の配合量は、 その量が多 すぎると得られる トナーの本来の特性が悪影響を受けるので、 最高 でも、 バイ ンダ樹脂の全量を基準にして 2 0〜 3 0重量%程度であ るこ とが好ま しい。
本発明の第 2及び第 3 の トナーにおいてバイ ンダ樹脂中に分散せ しめられるべき着色剤は、 上記した第 1 の トナーと同様に、 多く の 公知な染料及び顔料を包含し、 トナーにおいて所望とされる色調に 応じて任意に選択して使用するこ とができる。 使用するのに適当な 染料及び顔料については、 第 1 の トナーの説明の項を参照されたい 着色剤と しての染料又は顔料は、 単独で使用 してもよ く 、 さ もな ければ、 所望とする トナーの色調を得るために任意に混合して使用 してもよい。 上記したような着色剤の トナー中の含有量は、 所望と する着色効果などに応じて広く 変更するこ とができるという ものの 、 通常、 最も良好な トナー特性を得るため、 すなわち、 印字の着色 力、 トナーの形状安定性、 トナーの飛散などを考慮した場合、 トナ - 1 0 0重量部に対して 0 . 1 〜 3 0重量部の範囲であるのが好ま しく 、 さ らに好ま し く は、 0 . 5 〜 2 2重量部の範囲であり、 最も
好ま しく は、 5〜 2 0重量部の範囲である。
第 2及び第 3 の トナーは、 上記した第 1 の トナーと同様に、 各種 の添加剤をバイ ンダ樹脂及び着色剤に加えて含んでいてもよい。 例 えば、 第 2の トナーは、 その トナーの流動性の向上などの目的のた めに、 各種の無機の微粒子を外添剤と して含んでいてもよい。 本発 明で外添剤と して使用し得る無機の微粒子は、 通常、 1 次粒子径が 5 nm〜 2 mの範囲のものであり、 さ らに好ま しく は 5〜 5 0 0 nm の範囲のものである。 また、 この無機の微粒子の表面積は、 それを B E T法による比表面積で表すと、 2 0〜 5 0 0 m 2 Z gの範囲であ るのが好ま しい。 すなわち、 こ こで使用する無機の微粒子のサイズ などは、 前記した第 1 の トナーで使用 したものに同じであること力く できる。
また、 第 2及び第 3の トナーにおいて適当な無機の微粒子も、 前 記した第 1 の トナーで使用したものに同じであることができる。 す なわち、 適当な無機の微粒子にはシ リ カ、 アルミ ナ、 酸化チタ ン等 があり、 シリ カの微粉末を有利に使用するこ とができる。 このよう な無機の微粒子は、 トナーに対していろいろな量で外添して使用す ることができるという ものの、 通常、 トナー 1 0 0重量部に対して 0 . 0 1 〜 5重量部の範囲であるのが好ま しく、 さ らに好ま しく は 、 0 . 0 1 〜 2重量部の範囲である。
また、 これらの第 2及び第 3の トナーでも、 前記した第 1 の トナ —と同様に、 必要に応じて、 上記した無機の外添剤に加えて、 その 他の常用の外添剤、 例えば、 フ ッ素微粒子等、 あるいは樹脂粒子、 例えばアク リル微粒子等、 を使用してもよい。 さ らに、 この トナー は、 前記した第 1 の トナーと同様に、 トナーの帯電特性を制御する 目的で、 この技術分野において常用の電荷制御剤を有していてもよ く、 かつ各種の汎用のヮックスを離型剤あるいはオフセッ ト防止剤
と して有していてもよい (前記を参照) 。 なお、 すでに説明してあ るが、 この第 2の トナーを特にフラ ッ シュ定着方式を採用した電子 写真プロセスに使用する予定であるならば、 フラ ッ シュ定着時の昇 華によってフ ィ ルタの目詰まりが発生するのを回避するため、 ポリ プロピレンヮ ッ クスを使用するのが有利である。
以上の トナーについての説明をまとめると、 本発明の実施におい て、 上記したような第 2の トナーの トナー成分は、 一般的に、 トナ 一の全量を基準にして、 下記の組成比 :
エステル成分 · クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂
5 0〜 9 5重量% ポ リ プロ ピレン樹脂 0 . 1 〜 5重量% エステル型構造の樹脂 0〜 1 0重量% 着色剤 0 . 1 〜 2 0重量% 電荷制御剤 1 〜 5重量% ワ ッ クス 0〜 5重量% 外添剤 0〜 5重量% で使用することができる。 これらの トナー成分は、 必要に応じて、 上記した範囲より も多くても、 さもなければ少なくてもよい。 また 、 第 3の トナーは、 上記した トナー成分に追加して、 前記エステル 成分を 1 0重量%以上の量で含む樹脂を少なく とも、 ポ リエステル 樹脂において含有するものである。
本発明による電子写真用 トナー (第 1、 第 2及び第 3の トナー) は、 それぞれ、 上記したような トナー成分を出発物質と して使用し て、 いろいろな手順に従って調製することができる。 例えば、 本発 明の トナーは、 バイ ンダ樹脂、 着色剤などを分散させた樹脂塊を粉 砕、 分級して作製する機械的粉砕法、 着色剤を取り込みながらモノ マ一を重合させ、 微粒子を作製する重合法などの公知の手法を使用
して調製することができる。 本発明の トナーは、 好ま しく は、 機械 的粉砕法に従って調製することができる。
以下に記載のものに限定されるわけでもないけれども、 第 1 の ト ナ一は、 好ま しく は、 次のような手順で有利に調製することができ る。
( 1 ) 材料の混合
バイ ンダ樹脂 (ク ロ 口 ホルム不溶分含有ポ リ エステル樹脂、 ポ リ ピロピレ ン樹脂及びエステル型構造の樹脂) 、 着色剤、 電荷制御剤 などを計量した後、 粉体混合機で均一に混合する。 粉体混合機と し ては、 例えば、 ボールミルなどを使用することができる。 着色剤、 電荷制御剤などが樹脂バイ ンダ中に均一に分散せしめられる。
( 2 ) 溶融混練
得られた混合物を加熱溶融させ、 さ らに混練する。 スク リ ュー押 出機 (ェクス トルーダ) 、 ロールミル、 二一ダなどを有利に使用す ることができる。 着色剤粒子の微細化と均一分散などが達成される
( 3 ) 冷却固化
混練の完了後、 得られた混練物を冷却し、 固化させる。
( 4 ) 粉碎
固化した混練物を先ず最初にハンマ一ミル、 カ ッター ミルなどの 粗粉砕機で粗粉砕し、 さ らに続けて、 ジェ ッ ト ミ ルなどの微粉砕機 で微粉砕する。
( 5 ) 分級
微粉砕の完了後、 トナー流動性の低下、 トナーの飛散を引き起こ す微小粒子及び画質の低下を引き起こす粗大粒子を除去するため、 得られた微粉砕粒子を分級する。 分級装置と しては、 例えば、 遠心 力を利用 した気流分級機を使用することができる。 約 0 . 5〜 5 0
/ m、 好ま しく は約 1 〜 1 5 z mの平均粒径を有する球状の トナー 微粉体が得られる。
( 6 ) 表面処理
最終工程と して、 トナーの流動性の向上などの目的のため、 得ら れた トナー微粉体の表面に疎水性シリ力あるいは酸化チタン及び必 要に応じてその他の外添剤を添加し、 付着させてもよい。 表面処理 装置と しては、 例えば、 高速流動型混合機を使用することができる o
第 2及び第 3 の トナーも、 上記した第 1 の トナーの調製方法と同 様な手順で有利に調製することができる。
本発明の トナーは、 磁性 トナーでもよく、 あるいは非磁性 トナー でもよく、 また、 それを使用する現像方式は、 キヤ リ ャを併用する 2成分方式でも、 あるいは トナーのみを使用する 1成分方式でもよ い。 高速プリ ンタ系においては、 寿命等の観点から 2成分方式を有 利に使用することができる。
2成分方式の トナーの場合、 併用するキヤ リャと しては、 この技 術分野においてはいろいろなキヤ リャ材料、 例えば鉄粉、 フ ヱライ ト粉などが公知である。 しかし、 本発明の実施に当たっては、 より 良好に現像を行うため、 芯材にコ一ティ ングを施して得た材料をキ ャ リャと して有利に使用することができる。 キヤ リャの芯材と して は、 約 6 5 〜 7 5 e m u Z gのマンガン一ス トロ ンチウム (M n— S r ) 系材料あるいはマンガン一マグネシウム ( M n — M g ) が最 も好適である。 高磁化 (約 2 0 0 e m u / g ) の鉄粉やマグネタイ ト (約 9 0 e m u Z g ) では、 印字にスジが発生するものもあるが 、 画像濃度の確保の点からは好適の範疇に属することができる。 ま た、 磁化の弱い銅—亜鉛 ( C u— Z n ) 系材料 (約 6 0 e m u / g ) などでは、 キヤ リャ付着が発生しやすく なるという点で好適であ
るとは言えない。
上記したようなキヤ リ ャの芯材は、 粒子の形態で使用するこ とが 好ま し く 、 また、 そのような芯材粒子の平均粒径は、 好ま し く は、
2 0〜 1 0 0 〃 mの範囲であり、 さ らに好ま し く は、 6 0〜 9 0 u mの範囲である。 芯材粒子の平均粒径が 2 O ^ mを下回ると、 キヤ リ ャ粒子の分布において微粉系が多く なり、 キヤ リ ャ粒子 1 個当た りの磁化が低く なるこ との結果、 キヤ リ ャの飛散が発生する。 反対 に、 芯材粒子の平均粒径が 1 0 0 を上回ると、 比表面積が低下 することの結果と して トナーの飛散が発生する。 また、 ベタ部分の 多いフルカラ一印字の場合には、 ベタ部分の再現が特に悪く なる。
キ ヤ リ ャ芯材に被覆すべき コーティ ングは、 好ま し く は、 樹脂コ —ティ ングであり、 さ らに好ま しく は、 シ リ コー ン樹脂あるいは変 性シ リ コーン樹脂のコ一ティ ングである。 シ リ コーン樹脂や変性シ リ コー ン樹脂は、 キヤ リ ャの長寿命に有効に貢献し得るからである 。 さ らに、 シ リ コー ン樹脂及び変性シ リ コーン樹脂は、 単独で使用 してもよ く 、 さ もなければ、 必要に応じて組み合わせて使用 しても よい。 さ らに、 より大きな長寿命化を達成するために、 シリ コーン 樹脂及び変性シ リ コー ン樹脂に対して追加の成分を添加してもよ く 、 本発明ではそのようにするこ とが好ま しい。 適当な追加の成分と しては、 例えば、 ニグ口 シ ン及びその錯体を挙げることができ、 こ のような成分にさ らにステア リ ン酸ソーダのような化合物を添加し てもよい。
シ リ コーン樹脂あるいは変性シリ コーン樹脂のコーティ ングの量 は、 所望とする効果に応じて広く 変更するこ とができるという もの の、 通常、 樹脂被覆した芯材の全量を基準にして 0 . 1 〜 5 . 0重 量%の範囲であり、 好ま し く は、 0 . 1 5 〜 2 . 0重量%の範囲で あり、 さ らに好ま しく は、 0 . 8 〜 1 . 5重量%の範囲である。 樹
脂コーティ ングの量が 0 . 1重量%を下回ると、 本発明に用いられ るキヤ リャ芯材の表面積指数の範囲 ( 1 . 0 〜 2 . 1 ) では、 キヤ リャ表面に均一な樹脂コ一ティ ングを形成することができない。 反 対に、 樹脂コーティ ングの量が 5 . 0重量%を上回ると、 樹脂コー ティ ングが厚く なりすぎる結果、 キヤ リャ粒子どう しでの造粒が発 生し、 均一なキヤ リャ粒子を得ることができなく なる傾向が発生す キヤ リャ芯材の表面に樹脂コーティ ングを施すことは、 いろいろ な技法に従って行う ことができる。 好ま しく は、 シリ コーン樹脂及 び変性シリ コーン樹脂ならびに必要に応じて添加する二グ口 シン等 の追加の成分を適当な溶剤に溶解させた後、 得られた樹脂溶液を、 例えば浸漬法、 スプレー法、 刷毛塗り法などによりキヤ リャ芯材の 表面に施すこ とができる。 樹脂溶液の調製に使用するこ とのできる 溶剤は、 例えば、 トルエン、 キシレン、 メ チルェチルケ ト ン、 メ チ ルイ ソブチルケ ト ン、 ブチルセ口ソルブアセテー トなどである。 こ れらの溶剤は、 単独で使用してもよく、 あるいは混合して使用 して もよい。
樹脂コ一ティ ングの形成が完了した後、 乾燥により溶剤を蒸発さ せ、 さ らに続けて焼付を行う。 焼付装置と しては、 外部加熱方式又 は内部加熱方式のいずれであってもよく、 例えば、 固定式又は流動 式の電気炉、 ロータ リー式の電気炉、 バーナー炉などを使用するこ とができる。 また、 マイクロウエーブを利用した焼付装置を使用し てもよい。 焼付温度と しては、 1 8 0 〜 3 0 0 °Cの温度が好ま しく 、 さ らに好ま しく は、 2 2 0 〜 2 8 0 °Cの温度である。 焼付温度が 1 8 0 °Cを下回ると、 樹脂コーティ ングを十分に固化させるこ とが できず、 反対に 3 0 0 °Cを上回ると、 樹脂そのものの一部が分解が 発生し、 その結果、 樹脂の表面層が荒れ、 均一な樹脂コ 一ティ ング
が得られなく なるおそれがある。
本発明は、 そのもう 1 つの面において、 電子写真法により画像を 形成する方法にある。 この画像形成方法は、 前記したように、 ( 1 ) 画像露光による静電潜像の形成、 ( 2 ) 静電潜像の現像による可 視化、 ( 3 ) 可視化された画像の記録媒体への転写及び ( 4 ) 転写 された画像の定着の各工程を含むものであり、 特に、
静電潜像の現像工程 ( 2 ) において、 本発明の電子写真用 トナー (第 1 、 第 2又は第 3の トナー) を含む現像剤を使用すること、 及 び
現像剤の使用により可視化された トナー画像を記録媒体に転写し た後に定着する工程 ( 4 ) において、 トナー定着方式と して、 フラ ッ シュ定着方式を使用すること、
の 2つを特徴と している。
この本発明による画像形成方法は、 従来より一般的に使用されて いる手順及び装置を使用して実施することができる。 典型的な画像 形成の手順は、 例えば、 次の通りである。
感光体の帯電 :
例えば感光体 ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面に正又は 負の均一な静電荷を与える。 感光体と しては、 例えば、 ァモルファ スシリ コン、 セレンなどの無機の感光体、 あるいはポリ シラ ン、 フ タロシアニンなどの有機の感光体を挙げることができる。
感光体の露光 (潜像形成) :
一様帯電工程の完了後、 様々な手段によつて光導電性絶縁体に光 像を照射することによつてその絶縁体上の静電荷を部分的に消去し て静電潜像を形成する。 例えば、 レーザ光を照射して、 特定部分の 表面電荷を消去することにより、 画像情報に応じた静電潜像を光導 電性絶縁体上に形成することができる。 また、 光導電性絶縁体の裏
側から現像部に露光することで現像を行う、 いわゆる 「光背面方式 」 を採用してもよい。
トナーによる潜像の現像 :
次いで、 光導電性絶縁体上の静電荷の残つた潜像部分に本発明の トナー (現像剤) の微粉体を付着させ、 潜像を可視化する。 この現 像の方式は、 先にも説明したように、 1成分方式及び 2成分方式の いずれであってもよい。 トナー像が得られる。
トナー像の記録媒体への転写 :
上記のようにして得られた トナー像を、 印刷物となすため、 一般 的に、 記録紙などの記録媒体に静電的に転写する。
転写された トナー像の定着 :
記録媒体に静電的に転写された トナー像を、 フラ ッ シュ定着方式 により溶融定着させる。 フラ ッ シュ定着の条件は、 広い範囲で変更 することができるという ものの、 好ま しく は、
フラ ッ シュ光の発光エネルギー 0 . 5〜 3 . 0 J / cm 2 発光時間 5 0 0〜 3, 0 0 0 // s の範囲である。 こ こで、 特に発光エネルギー及び発光時間を規定し ているのは、 発光エネルギーが強く、 発光時間が長すぎると、 定着 性の良好な トナーを用いたときに記録媒体と しての用紙が燃えやす く なつてしまうからである。 なお、 本発明の画像形成方法では、 転 写された トナー像の定着の定着のため、 このフラ ッ シュ定着方式に 代えて、 加熱ロール定着方式やその他の定着方式を採用しても、 比 較可能な作用効果を得ることができるであろう。
実施例
以下、 本発明をその実施例を参照して説明する。 なお、 下記の実 施例中の 「部」 は、 特に断りのある場合を除いてすベて 「重量部」 を意味する。 また、 下記の第 2表〜第 4表のそれぞれに記載の各 ト
ナー成分及びキヤ リャ成分の配合量も 「重量部」 である。
例 1
トナー 1 の調製 :
下記の第 2表にも記載するように、 下記の トナー成分を記載の量 で用意した。
5重量%のク ロ口ホルム不溶分を含有する
ポリエステル樹脂 8 4部
(ビスフ エノ ール Aのプロ ピレンォキサイ ド付加物、
テレフタル酸及びト リ メ リ ト酸を主原料成分と して調製、 ガラス転移温度 6 2〜 6 6 °C、 酸価 : 約 2 0 mgKOH / g、 花王製)
ポ リ プロ ピレン樹脂 (重量平均分子量 1 0, 0 0 0、 2部 三井化学製、 商品名 「N P 1 0 5」 )
エステル型構造の樹脂 (I I ) (次式参照、 日本油脂製) 3部
着色剤 : カーボン (三菱化学製、 # 2 5 ) 1 0部 帯電制御剤 : スルホン酸ポリマー 1 部
(保土谷化学製、 商品名 「T一 9 5 」 )
これらの トナー成分をヘンシ ェルミ キザに投入して予備混合を行 つた後、 1 6 0 °Cに加熱したェクス トル一ダにより溶融混練した。 得られた混練物を冷却固化した後、 ハンマー ミ ルにて粗粉砕し、 さ らにジエ ツ ト ミ ルにて微粉碎した。 得られた微粉末を気流分級機に て分級を行い、 体積平均粒径が 8 . 5 mの黒色の着色微粒子を得 た。 次いで、 得られた微粒子に対して 1 . 5部の疎水性シリ カ微粒 子 (クラ リ アン ト ジ ャパン製、 商品名 「 H 2 0 0 0 / 4」 ) を添加 し、 ヘン シ ェルミキサにより外添処理を行った後、 気流分級機で分 級した。 平均粒径 8 . 5 / mの黄色の球形 トナー微粉体が得られた 。 以下、 この トナー微粉体を 「 トナー 1 」 と呼ぶ。
例 2
トナー 2〜 3 1 の調製 :
前記例 1 に記載の手法を繰り返して球形トナー微粉体を調製した 。 なお、 本例では、 下記の第 2表及び第 3表に記載するように、 ト ナ一成分の組み合わせ及び配合量を変更した。 それぞれの トナーの 変更点をまとめると、 次の通りである。
「 トナー 2 」 …
ポリエステル樹脂中のク口口ホルム不溶分 1 0重量% 「 トナー 3 」 …
ポリエステル樹脂中のク口口ホルム不溶分 2 0重量% 「 トナー 4」 …
ポリエステル樹脂中のク口口ホルム不溶分 3 0重量%
「 ト ナー 5 」 …
ポリエステル樹脂中のク口口ホルム不溶分 3重量% 「 トナー 6 」 …
ポリエステル樹脂 8 5 . 5部 ポリエステル樹脂中のクロ口ホルム不溶分 2重量%
ポ リ プロ ピレン樹脂 0. 5部
「 ト ナー 7」 …
ポ リエステル樹脂 8 5. 5部 ポ リ プロ ピレン樹脂 0. 5部 「 トナー 8」 …
ポ リ エステル樹脂 8 5. 9 9部 ポ リ プロ ピレン樹脂 0. 0 1部 「 ト ナー 9 」 …
ポ リエステル樹脂 8 1部 ポ リ プロ ピレ ン樹脂 5部 「 ト ナー 1 0」 …
ポ リエステル樹脂 7 9部 ポ リ プロ ピレン樹脂 7部 「 ト ナー 1 1 」 …
ポ リ エステル樹脂 8 6部 エステル型構造の樹脂 (II) 1部 「 ト ナー 1 2」 …
ポリエステル樹脂 8 6. 5部 エステル型構造の樹脂 (II) 0. 5部
「 トナー 1 3」 …
ポ リエステル樹脂 7 2部 エステル型構造の樹脂 (II) 1 5部
「 ト ナ一 1 4」 …
ポ リエステル樹脂 6 7部 エステル型構造の樹脂 (11) 2 0部 「 ト ナー 1 5」 …
エステル型構造の樹脂 (III ) 3部
「 トナー 1 6」 …
エステル型構造の樹脂 (IV) 3部 「 トナー 1 7」 …
ポリエステル樹脂 7 9部 ポ リ エステル樹脂中のク ロ口ホルム不溶分 1 0重量% 磁性粉 (関東電化製、 商品名 「K E P— S」 ) 5部 「 トナ一 1 8」 …
ポリ ェステル樹脂 4 2部 ポリエステル樹脂中のク口口ホルム不溶分 1 0重量% ポリエーテルポリオール樹脂 (三井化学製) 4 2部 「 トナー 1 9」 …
ポリエステル樹脂 4 2部 ポ リ エステル樹脂中のク ロ口ホルム不溶分 1 0重量% スチレンアタ リル樹脂 (三井化学製) 4 2部 「 トナー 2 0 」 …
ポリエステル樹脂 8 5部 マゼンタ顔料 (大日精化製、 商品名 「 E C R 1 8 1 」 ) 1 0部 「 トナー 2 1 」 …
比較のエステル型構造の樹脂 (V) (次式参照、 3部 日本油脂製)
0
「 ト ナー 2 2」 …
比較のエステル型構造の樹脂 (V I ) (次式参照 3部 日本油脂製)
0
「 トナー 2 3」 …
モンタ ンワ ッ ク ス (ク ラ リ ア ン ト ジ ャパン製 3部 商品名 「K P 3 0 2」 )
「 ト ナー 2 4」 …
モ ンタ ンワ ッ ク ス (ク ラ リ ア ン ト · ジ ャパン製、
商品名 「 O P」 ) 3部
「 ト ナー 2 5 」 …
ポ リ エチ レ ンワ ッ ク ス (数平均分子量 9 0 0、 3部 三井化学製、 商品名 「 1 0 0 P 」 )
「 ト ナー 2 6 」 …
ポ リ エチ レ ンワ ッ ク ス (ク ラ リ ア ン ト · ジ ャパン製、 3 部 商品名 「 P E 5 2 0 」 )
「 ト ナー 2 7 」 …
カルナバワ ッ ク ス (加藤洋行製) 3部
「 ト ナー 2 8 」 …
アマイ ドワ ッ ク ス (ク ラ リ ア ン ト ' ジ ヤ ノ、。ン製、 3 部 商品名 「 9 6 1 5 A」 )
「 トナー 2 9 」 …
ポリプロピレンワ ッ ク ス (数平均分子量 4, 0 0 0、 2部 三洋化成製、 商品名 「 5 5 0 P」 )
「 ト ナー 3 0 」 …
ポ リ プロ ピ レ ンワ ッ ク ス (数平均分子量 3 , 0 0 0、 2 部 三洋化成製、 商品名 「 6 6 0 P 」 )
「 ト ナー 3 1 」 …
ポ リ エチ レ ンワ ッ ク ス (数平均分子量 8, 0 0 0、 3部 三井化学製、 商品名 「 8 0 0 P」 )
例 3
キ ヤ リ ャ 1 の調製 :
平均粒径 8 0 z mのマ ンガン—ス ト ロ ンチウム (M n — S r ) フ ヱライ ト粒子 (バウダーテッ ク製) をキヤ リャ芯材と して用意し、 この芯材の表面に流動床を用いて、 ニグ口シ ン錯体とステアリ ン酸
ソーダの混合物 (オ リエン ト化学工業製、 商品名 「 N— 1 1 」 ) を 含むシ リ コーン樹脂 (固形分含有量 : 2 0重量%、 東レ ' ダウコー ニング ' シ リ コ一ン製、 商品名 「 S R 2 4 1 1 」 ) を 0 . 1 重量% の被覆量でコーティ ングした。 コーティ ングの完了後、 2 5 0 °Cの 温度で 3 時間にわたつて焼付を行つた。 シリ コ一ン樹脂被覆の M n — S r フ ユライ トキ ヤ リ ャが得られた。 以下、 このキヤ リ ャを 「キ ャ リ ャ 1 」 と呼ぶ。
例 4
キヤ リ ャ 2〜 1 2 の調製 :
前記例 3 に記載の手法を繰り返して樹脂被覆のキヤ リ ャを調製し た。 なお、 本例では、 下記の第 4表に記載するよう に、 キ ヤ リ ャ成 分の芯材及びコー ト剤を変更した。 それぞれのキヤ リ ャの変更点を ま とめると、 次の通りである。
「キヤ リ ャ 2 」 …
シ リ コーン樹脂 9 9 . 5部 ニグ口 シン錯体とステア リ ン酸ソ一ダの混合物 0 . 5部 「キヤ リ ャ 3 」 …
シ リ コーン樹脂 9 9部 二グ口 シン錯体とステア リ ン酸ソ一ダの混合物 1 部 「キヤ リ ャ 4 」 …
シ リ コーン樹脂 9 8部 二グ口 シン錯体とステア リ ン酸ソーダの混合物 2部 「キヤ リ ャ 5 」 …
シ リ コ ン樹脂 9 5部 ニグ口 シ ン錯体とステァ リ ン酸ソ ダの混合物 5部 「キヤ リ ャ 6 」 …
シ リ コ一ン樹脂 1 0 0部
「キヤ リ ャ 7」 …
シ リ コー ン樹脂 9 9部 ニグ口シン (オリエンタル化学工業、 1部 商品名 「 E X」 )
「キヤ リ ャ 8」 …
シリ コーン樹脂 9 9 5部 ニグ口 シン (オ リ エンタル化学工業、 0 5部 商品名 「 E X」 )
「キヤ リ ャ 9 」 …
シリ コーン樹脂 9 5部 ニグ口 シン (オ リ エンタル化学工業、 5部 商品名 「 E X」 )
「キヤ リ ャ 1 0 」 …
シリ コ一ン樹脂 9 9部 二グ口 シン錯体とステア リ ン酸ソ一ダの混合物 1部 平均粒径 8 0 mの 1 0 0 0 0部 C u — Z n フ ヱライ ト粒子
「キヤ リ ャ 1 1 」 …
シ リ コ ン樹脂 9 9部 ニグ口シン錯体とステア リ ン酸ソーダの混合物 1部 平均粒径 8 0 Z mのマグネタイ ト粒子 1 0 0 0 0部 「キヤ リ ャ 1 2 」 …
シリ コーン樹脂 9 9部 ニグ口 シン錯体とステア リ ン酸ソーダの混合物 1部 平均粒径 8 0 mの鉄粉 1 0 0 0 0部 例 5
印字試験 :
前記例 1 及び例 2のそれぞれにおいて調製した トナー 1 〜 3 1 の 定着性等の印字特性を評価するため、 下記の手順で印字試験を実施 した。
それぞれの トナーを前記例 4で調製したシ リ コーン樹脂被覆のキ ャ リャ 3 と混合し、 トナー濃度 4 . 5重量%の現像剤を調製した。 フラ ッ シュ定着機を内蔵した高速プリ ンタ装置 (品番 F 6 7 6 0 D、 富士通社製) を負帯電トナー用に改造した後、 上記した現像剤 のそれぞれを使用して普通紙に文書バタ一ンを連続印刷した。 プリ ンタ装置のプロセス速度は 1 2 0 0 mm/秒であり、 また、 トナー消 費量は約 1 kg/時間であつた。
それぞれの現像剤を用いた印字試験において、 下記の 4項目の特 性に関して評価を行った。 得られた結果を下記の第 2表及び第 3表 に示す。
( 1 ) 定着性
トナーの定着性は、 剝離性及びこすり性の両面から評価した。 (剥離性)
トナー印字の剥離処理に対する強さの程度により定着性の善し悪 しを評価した。 印字サンプルの印字面に加重 6 0 0 gでメ ンディ ン グテープ (住友スリ一ェム製) を貼り付けた後、 剝離した。 テープ の剝離後、 印字面の印字濃度の変化を光学濃度計により測定し、 印 字濃度の変化が 1 0 %以下のものを 「良好な定着性を有する (下記 の表中、 〇で表示) 」 と し、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と し
(こすり性)
トナー印字のこすり処理に対する強さの程度により定着性の善し 悪しを評価した。 印字サンプルの印字面に 2 0 g / cm 2 の力で白紙 を押し付けてこする操作を 1 0回にわたって反復した。 こすり作業
の完了後、 白紙のこすり面の汚れを目視により観察し、 汚れのない ものを 「良好 (〇) 」 と し、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と し た。
( 2 ) 耐ボイ ド性
印字サンプルの印字面を光学顕微鏡で観察し、 ボイ ド (小さな白 点) が認められなかったものを 「良好な耐ボイ ド性を有する (〇) 」 と し、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 3 ) トナーの粉砕性
トナーの調製時における トナーの粉砕性の善し悪しを、 トナー粉 砕時に発生する直径 5 m以下の トナー微粉の量 (平均の個数) で 評価した。 トナー微粉の数が平均で 1 0 %以下のものを 「良好 (〇 ) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 4 ) プリ ンタ汚染性 (フラ ッ シュ定着機のフ イ ルクの目詰まり) 1 0万枚の連続印刷が完了した後、 使用したフラ ッ シュ定着機の フ ィ ルタの目詰ま りの状態を目視により観察した。 少しの目詰まり のないものを 「良好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
第 2表
トナ- 成分 入手先 トナー トナー トナー トナー トナ- トナー トナー トナー トナー トト
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
#25 (力-ボン) 三菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10
ECR18 マゼン夕) 大日精化 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
KEP-S (磁性粉) 関東電化 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
T - 95 (帯電制御剤) 保土谷化学 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ボリエステル樹脂 84 84 84 84 84 85. 5 85. 5 85. 99 81 79 花王
ポリエステル樹脂中のクロ口ホルム不溶分 5 10 20 30 3 2 5 5 5 5 ポリエ-テルポリオ-ル樹脂 二井化学 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 スチレンアクリル樹脂 二井化学 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
NP105 (ポリプロピレン 樹脂) 三井化学 2 2 2 2 2 0. 5 0. 5 0. 01 5 7 エステル型樹脂 (Π ) 日本油脂 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 エステル型樹脂 (Π ) 日本油脂 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 エステル型樹脂 ( IV) 日本油脂 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 剥離性 〇 〇 Δ X 〇 〇 Δ X 〇 〇 定着性
こすり性 〇 〇 △ X 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐ボイト'性 〇 〇 〇 〇 Δ X 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 Δ X 〇 〇 プリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 Δ X
第 2表 (続き) _
.卜- , , ,
トナ- 成分 人手先 トナー トナー トナー 卜ナー トナー トナー トナー トナー トナー トナー
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
#25 (力-ボン) 三菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10 10 0
ECR181 マゼンタ) 大日精化 0 0 0 0 0 0 0 0 0 10
KEP-S (磁性粉) 関東電化 0 0 0 0 0 0 5 0 0 0
T - 95 (帯電制御剤) 保土谷化学 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 ポリエステル樹脂 86 86. 5 72 67 84 84 79 42 42 85 花王
ポリエステル樹脂中のク ΠΠホルム不溶分 5 5 5 5 5 5 10 10 10 5 ポリエ-テルボリオ-ル樹脂 三井化学 0 0 0 0 0 0 0 42 0 0 スチレンアクリル樹脂 三井化学 0 0 0 0 0 0 0 0 42 0
NP105 ポリプ Dピレン 樹脂) 三井化学 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 エステル型樹脂 ( Π ) 日本油脂 1 0. 5 15 20 0 0 3 3 3 3 エステル型樹脂 (ΠΙ ) 日本油脂 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 エステル型樹脂 (IV) 日本油脂 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 剝離性 〇 Δ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 定着性
こすり性 〇 Δ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 耐ボイト' 性 Δ Δ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 〇 〇 〇 X 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ブリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) 〇 〇 Δ X Δ X 〇 〇 〇 〇
第 3表
トナ- トナ- け- トナ- トナ- トナ- トナ- トナ- け- トナ- トナ- トナ- 成分 入、手 J 先
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
#25 (力-ボン) 三菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10
T-95 (帯電制御剤) 保土谷化学 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ポリエステル樹脂 84 84 84 84 84 84 84 84 84 84 84 花王
ポリエステル樹脂中のク ホルム不溶分 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5
NP 105 (ポリプ Dピレン) :数平均分子
化学 2 2 2 2 2 2 2 2 0 0 2 量 10, 000
エステル型樹脂 ( Π ) 日本油脂 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 0 比較のエステル型樹脂 (V ) 日本油脂 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 比較のエステル型樹脂 ( VI ) 日本油脂 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 モンタンワックス KP302 クラリアントジャパン 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 モンタンワックス 0P クラリアントジ†パン 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 ポリエチレン 100P:数平均分子量 二井化学 0 0 0 0 リ 0リ 0リ 0リ 0 0リ 0リ
900
ポリエチレン PE520 クラリアントジャパン 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 , , n h 、Ά
カルナバワックス 加 /キ仃 0 0 0 0 0 0 3 0 0 0 アマ 'ヮ'ノクス 9615A クラ il了 1 ジャパン 0 π 0 0 0 n U 0 0 0
* SJS <JOP ("ポリプ!]ビレン) · · ¾ ¾Λ Λ "Ε1"* ί ·*"¾づ J J J
三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 量 4, 000
660P (ポリプ D t°レン) :数平均分子
三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 量 3, 000
ポリエチレン 800P:数平均分子量
三井化学 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 8, 000
剥離性 〇 X 〇 〇 〇 〇 〇 X 〇 〇 〇 定着性
こすり性 〇 X 〇 〇 〇 〇 X X 〇 〇 〇 耐ボイド 性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 X X X X X X 〇 〇 〇 〇 〇 プリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) X 〇 X X X X X X X X X
上記した第 2表及び第 3表に記載の結果から理解されるように、 本発明に従う と、 フラ ッ シュ定着方式において優れて良好な印字特 性を具現するこ とのできる電子写真用 トナーを得ることができる。 例 6
連続印字試験 :
前記例 3及び例 4のそれぞれにおいて調製した樹脂被覆キヤ リャ 1 〜 1 2の印字特性を評価するため、 下記の手順で連続印字試験を 実施した。
前記例 1 で調製した トナー 1 を樹脂被覆キヤ リャ 1 〜 1 2 のそれ ぞれと混合し、 トナー濃度 4 . 5重量%の現像剤を調製した。 フラ ッ シュ定着機を内蔵した高速プリ ンタ装置 (品番 F 6 7 6 0 D、 富 士通社製) を負帯電 トナー用に改造した後、 上記のようにして調製 した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷 した。 プリ ンタ装置のプロセス速度は 1 2 0 0 mm/秒であり、 また 、 トナー消費量は約 1 kgZ時間であつた。
それぞれの トナーの印字試験において、 下記の 6項目の特性に関 して評価を行った。 得られた結果を下記の第 4表に示す。
( 1 ) 初期印字
印字の初期段階で、 得られた印字サンプルの印字状態の善し悪し を目視により評価した。 満足のいく 印字が行われているものを 「良 好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 2 ) キヤ リ ャの付着
プリ ンタ汚染の評価のため、 プリ ンタ装置の内部におけるキヤ リ ャの付着の有無を目視により観察した。 少しのキヤ リャ付着も認め られないものを 「良好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 3 ) キヤ リ ャの寿命
連続して印刷を行って、 途中でキヤ リャの寿命がつきた枚数を記 録した。 単位は、 万枚である。
( 4 ) キヤ リャ寿命時の問題点
キヤ リ ャの寿命がつきるまで連続して印刷を行って、 寿命時の印 字濃度の状態やかぶりの状態を観察し、 記録した。
( 5 ) キヤ リ ャの初期帯電量
キ ヤ リ ャの初期帯電量 ( i CZ g ) を測定し、 記録した。
( 6 ) キ ヤ リャの寿命時帯電量
キヤ リャの寿命時帯電量 ( / CZ g ) を測定し、 記録した。
第 4表
(はけすじ) (はけすじ) キヤリャの付着 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 X 〇 〇 リャの輪(万シ-ト) 30 80 100 PJ± 80 20 10 20 20 20
寺の 印字濃 印字濃 なし かぶり かぶり 印字濃 印字濃 印字濃 かぶり
度低下 度低下 度低下 度低下 度低下
娜帯 (- CZg) 20 21 19 18 20 23 22 23 25 19 23 21 ^n (― c/g) 35 30 20 14 12 45 43 36 12
上記した第 4表に記載の結果から理解されるように、 本発明に従 い調製した特定のシリ コー ン樹脂被覆のキヤ リャを使用 した場合に は、 その他の常用の樹脂被覆キ ヤ リャを使用 した場合に比較して優 れて良好な連続印字結果を得ることができる。
例えば、 キヤ リャ磁力の高いマグネタイ トゃ鉄粉を芯材に使用し た樹脂被覆キヤ リャでは、 印字にすじ (はけすじ) が発生し、 初期 の段階においてしか満足のいく 印字を行う ことができなかった。 ま た、 低磁力の銅一亜鉛フ ライ トを芯材に使用した樹脂被覆キヤ リ ャでは、 キ ヤ リャ付着に原因した印字抜けが発生したため、 同じく 初期の段階においてしか満足のいく 印字を行う ことができなかった o
これに対して、 二グ口シン錯体とステアリ ン酸ソ一ダの混合物を シリ コーン樹脂に添加したものをコー ト剤と して使用して調製した 樹脂被覆キヤ リャを使用した場合には、 上記の第 4表にも示される ように帯電量の経時変化がなく、 したがって、 安定した印字を長期 にわたつて実現することができた。
例 7
バイ ンダ樹脂 1 〜 1 3 の調製 :
下記の第 5表に記載するように、 ビスフヱノール Aのプロピレン ォキサイ ド付加物又はビスフヱノール Aのエチレンォキサイ ド付加 物 (アルコール成分と して) 、 テレフタル酸又はイソフタル酸 (酸 成分と して) 及び ト リ メ リ ト酸 (架橋成分と して) をエステル化触 媒及び分子量分布を異にするエステル成分 ( 1 ) 〜 ( 5 ) のいずれ 力、 1 つとともにガラス製のフラスコに入れ、 2 2 0 °Cで 3時間、 2 4 0 °Cで 3時間、 そしてさ らに同温度 ( 2 4 0 °C ) で減圧して 2時 間反応させることによって 1 3種類のバイ ンダ樹脂を調製した。 な お、 本例で使用したエステル成分 ( 1 ) 〜 ( 5 ) は、 質量分析装置
(日本電子製、 商品名 「 S X 1 0 2 A」 ) を用いてピーク高の比率 から求めたと こ ろ、 下記の第 6表にま とめたような分子量分布を有 していた。
第 5表
表 5表 (続き) 成 分 バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ 樹脂 8 樹脂 9 樹脂 10 樹脂 11 樹脂 12 樹脂 13 ポリエステル樹脂中の 10 10 10 10 10 10
ク叩ホルム不溶分
内添エステル (1) 0 15 0 0 0 0 内添エステル (2) 0 0 2 0 0 0 内添エステル (3) 0 0 0 2 0 0 内添エステル (4) 0 0 0 0 2 0 内添エステル (5) 0 0 0 0 0 2
第 6表
トナー 3 2の調製 :
下記の第 7表にも記載するように、 下記の トナー成分を記載の量 用 U 7 i- o
バイ ンダ樹脂 1 (例 7 で調製) 8 7部 ポリプロ ピレン樹脂 (重量平均分子量 1 0 , 0 0 0 、 1部 三井化学製、 商品名 「N P 1 0 5」 )
着色剤 : 力一ボン (三菱化学製、 品番 # 2 5 ) 1 0部 帯電制御剤 : スルホ ン酸ポリマー 2部
(オ リ エン ト化学製、 商品名 「N— 0 1 」 )
これらの トナー成分をヘンシ ヱルミキザに投入して予備混合を行 つた後、 1 6 0 °Cに加熱したェクス トル一ダにより溶融混練した。 得られた混練物を冷却固化した後、 ハ ンマー ミ ルにて粗粉砕し、 さ らにジエ ツ ト ミ ルにて微粉砕した。 得られた微粉末を気流分級機に て分級を行い、 体積平均粒径が 8 . 5 // mの黒色の着色微粒子を得 た。 次いで、 得られた微粒子に対して 1 . 5部の疎水性シリ カ微粒 子 (クラ リ ア ン ト ジ ャパン製、 商品名 「H 2 0 0 0 Z 4」 ) を添加 し、 ヘンシ ェルミ キサにより外添処理を行った後、 気流分級機で分 級した。 平均粒径 8 . 5 mの黒色の球形 トナー微粉体が得られた
。 以下、 この トナー微粉体を 「 トナー 3 2」 と呼ぶ。
トナー 3 3〜 トナー 5 5 の調製 :
下記の第 7表に記載するように トナー成分の組み合わせ及び配合 量を変更した違いを除いて、 上記 トナ一 3 2 の調製と同様な手法に 従って 2 3種類の球形 トナー微粉体を調製した。 なお、 「 トナー成 分」 の欄に記載の 「エステル ( 1 ) 」 とは、 エステル型構造の樹脂 と して添加された、 前記エステル成分 ( 1 ) に由来するポリエステ ル樹脂である。
例 9
キヤ リャ 1 3 の調製 :
平均粒径 8 0 〃 mのマンガン一ス ト ロ ンチウム (M n — S r ) フ ェライ ト粒子 (パウダーテッ ク製) をキヤ リャ芯材と して用意し、 この芯材の表面に流動床を用いて、 シリ コーン樹脂 (固形分含有量 : 2 0重量%、 東レ ' ダウコ一ニング ' シ リ コーン製、 商品名 「 S R 2 4 1 1 」 ) を 0. 1 重量%の被覆量でコーティ ングした。 コー ティ ングの完了後、 2 5 0 °Cの温度で 3時間にわたって焼付を行つ た。 シリ コーン樹脂被覆の M n _ S r フヱライ トキャ リ ャが得られ た。 以下、 このキヤ リャを 「キヤ リャ 1 3」 と呼ぶ。
例 1 0
印字試験 :
前記例 8 において調製した トナー 3 2〜 5 5の定着性等の印字特 性を評価するため、 前記例 5 に記載した印字試験と同様な手順で印 字試験を実施した。
それぞれの トナ一を前記例 9で調製したシリ コーン樹脂被覆のキ ャ リ ャ 1 3 と混合し、 トナー濃度 4. 5重量%の現像剤 3 2〜 5 5 (下記の第 7表を参照されたい) を調製した。
フラ ッ シュ定着機を内蔵した高速プリ ンタ装置 (品番 F 6 7 6 0
D、 富士通製) を負帯電トナー用に改造した後、 上記した現像剤の それぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。 プリ ン タ装置のプロセス速度は 1 2 0 0 mm/秒であり、 また、 トナー消費 量は約 1 kgZ時間であった。
それぞれの現像剤を用いた印字試験において、 下記の 4項目の特 性に関して評価を行つた。 得られた結果を下記の第 7表に示す。
( 1 ) 定着性 (剝離性)
トナー印字の剥離処理に対する強さの程度により定着性の善し悪 しを評価した。 印字サンプルの印字面に加重 6 0 0 gでメ ンディ ン グテープ (住友スリーェム製) を貼り付けた後、 剥離した。 テープ の剝離後、 印字面の印字濃度の変化を光学濃度計により測定し、 印 字濃度の変化が 1 5 %以下のものを 「許容可能な定着性を有する ( 下記の表中、 △で表示) 」 と し、 1 0 %以下のものを 「良好な定着 性を有する (〇) 」 と し、 5 %以下のものを 「非常に良好な定着性 を有する (◎) 」 と し、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。 ( 2 ) 耐ボイ ド性
印字サンプルの印字面を光学顕微鏡で観察し、 僅かではあるがボ ィ ド (小さな白点) が認められたものを 「許容可能な耐ボイ ド性を 有する (△) 」 と し、 ボイ ドが認められなかったものを 「良好な耐 ボイ ド性を有する (〇) 」 と し、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 3 ) トナーの粉砕性
トナーの調製時における トナーの粉碎性の善し悪しを、 トナー粉 砕時に発生する直径 5 // m以下の トナー微粉の量 (平均の個数) で 評価した。 トナー微粉の数が平均で 1 5 %以下のものを 「可 (△) 」 、 トナー微粉の数が平均で 1 0 %以下のものを 「良好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
( 4 ) プリ ンタ汚染性 (フ ラ ッ シュ定着機のフ ィ ルタの目詰まり) 1 0万枚の連続印刷が完了した後、 使用したフ ラ ッ シュ定着機の フ ィ ルタの目詰ま りの状態を目視により観察した。 僅かではあるが 目詰ま りが認められたものを 「可 (△) 」 、 少しの目詰ま り もない ものを 「良好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) 」 と した。
第 7表
トナ- 成分 入手先 トナ- 32 トナ- 33 トナ- 34 トナ -35 トナ -36 トナ- 37 トナ- 38 トナ- 39 花王 バインダ パインダ バインダ バインダ バインダ パインダ バインダ バインダ 核脂 1 ώ脂 2 Μ脂 3 脂 4 植脂 5 楦 ί脂 6 旨 7 8 87 87 87 87 87 87 87 87 バインダ樹脂
花王
#25 Cカーボン) 二菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10
Ν - 01 (帯電制御剤) オリエント化学 2 2 2 2 2 2 2 2
NP105 (ポリプロピレン ) 二井化学 1 1 1 1 1 1 1 1 カルナパヮプクス 加藤洋行 0 0 0 0 0 0 0 0
550P (ポリプロピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0
660P (ボリプ 0ピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0 エステル(1) 日本油脂 0 0 0 0 0 0 0 0 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤
32 33 34 35 36 37 38 39 トナ- 濃度 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5 % 4. 5% 4. 5% 4. 5 % 4. 5% 定着性 剝離性 〇 〇 Δ 〇 Δ Δ ◎ X 耐ボイト' 性 〇 Δ 〇 X 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 〇 〇 Δ 〇 X 〇 〇 〇 プリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) 〇 〇 〇 〇 〇 〇 △ 〇
第 7表 (続き)
トナ- 成分 入手先 トナ- 40 トナ -41 トナ- 42 トナ- 43 トナ- 44 トナ- 45 トナ- 46 トナ- 47 花王 バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ バインダ 脂 8 桉}脂 8 桉 i脂 9 接脂9 i脂 10 桉 i脂 11 楦 ί脂 12 楦 i脂 13 85 77 87 20 87 87 87 87 バインダ樹脂
花王 バインダ
桉 J脂 8
67
#25(カ-ボン) 三菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10
N - 01 (帯電制御剤) オリエント化学 2 2 2 2 2 2 2 2
NP105(ポリプ Dl:'レン ) 二井化学 J 1 1 1 1 1 1 1 1 カルナパワックス 加藤洋行 0 0 0 0 0 0 0 0
550P (ポリプロピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0
660P (ポリブ Dピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 0 エステル(1) 日本油脂 2 10 0 0 0 0 0 0 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤
40 41 42 43 44 45 46 47 トナ- 濃度 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 定着性 剥離性 〇 ◎ ◎ 〇 〇 Δ 〇 〇 耐ボイト' 性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 プリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) 〇 △ X 〇 △ 〇 X X
第 7表 (続き)
トナ- 成分 入手先 トナ- 48 トナ -49 トナ- 50 トナ- 51 トナ- 52 トナ -53 トナ- 54 トナ- 55 花王 バインダ ^ンダ バインダ バインダ バインダ バインダ ώ旨 6 脂 2 核 }脂2 核 J脂 2 核 J脂 2 脂 2 桔 J脂 2 脂 2
85 87. 9 83 88 78 87 87 87 バインダ樹脂
花王
#25 (力-ボン) 三菱化学 10 10 10 10 10 10 10 10
N - 01 (帯電制御剤) オリエント化学 2 2 2 2 2 2 2 2
NP105 (ポリプロピレン ) 三井化学 1 0. 1 5 0 10 0 0 0 カルナパワ クス 加藤洋行 0 0 0 0 0 1 0 0
550P (ポリプ πピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 1 0
660P (ポリブ 0ピレン) 三洋化成 0 0 0 0 0 0 0 1 エステル(1) 日本油脂 2 0 0 0 0 0 0 0 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤 現像剤
48 49 50 51 52 53 54 55 トナ- 濃度 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5 % 4. 5 % 4. 5% 定着性 剝離性 〇 Δ 〇 Δ ◎ ◎ 〇 〇 耐ボイト' 性 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 トナ- の粉砕性 〇 Δ 〇 X 〇 〇 〇 〇 プリンタ汚染性 (フィルタの目詰まり) 〇 〇 Δ 〇 X X Δ X
例 1 1
連続印字試験 :
前記例 8 で調製した現像剤 3 2、 3 7〜 4 3及び 4 6 の寿命特性 を評価するため、 下記の手順で連続印字試験を実施した。
それぞれの現像剤に対応する トナーを樹脂被覆キヤ リャ 1 3 と混 合し、 トナー濃度 4 . 5重量%の現像剤を調製した。 フラ ッ シュ定 着機を内蔵した高速プリ ンタ装置 (品番 F 6 7 6 0 D、 富士通製) を負帯電 トナー用に改造した後、 上記のようにして調製した現像剤 のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。 プリ ンタ装置のプロセス速度は 1 2 0 0 mm/秒であり、 また、 トナー消 費量は約 1 kgZ時間であつた。
それぞれの現像剤の印字試験において、 下記の 5項目の特性に関 して評価を行った。 得られた結果を下記の第 8表に示す。
( 1 ) 現像剤の寿命
連続して印刷を行って、 途中で現像剤の寿命がつきた枚数を記録 した。 単位は、 万枚である。 なお、 現像剤の寿命がつきたことは、 帯電変化が初期に対して 5 0 %以上になった時をもって決定した。 ( 2 ) 寿命の判定
現像剤の寿命がつきるまでの枚数の大小で寿命を判定した。 現像 剤の寿命が 1 5 0万枚以上であるものを 「優秀 (◎) 」 、 1 0 0万 枚以上であるものを 「良好 (〇) 」 、 それ以外のものを 「不良 ( X ) J と した。
( 3 ) 現像剤の寿命時の問題点
現像剤の寿命がつきるまで連続して印刷を行って、 寿命時の印字 濃度の状態やカプリの状態を観察し、 記録した。
( 4 ) 現像剤の初期帯電量
現像剤の初期帯電量 ( C Z g ) を測定し、 記録した。
5 ) 現像剤の寿命時帯電量
現像剤の寿命時帯電量 ( CZg) を測定し、 記録した
第 8表
現像剤 現像剤 32 現像剤 37 現像剤 38 現像剤 39 現像剤 40 現像剤 41 現像剤 42 現像剤 43 現像剤 46 トナ-濃度 4. 5¾ 4. 5¾ 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 4. 5% 現像剤の寿命(万シ -ト) 150万以上 150万以上 120万 150万以上 110万 60万 90万 0万以上 140万 寿命の判定 ◎ ◎ 〇 ◎ 〇 X X ◎ 〇 寿命時の問題点 カプリ カプリ *ブリ プリ カプリ 初期帯電量(w C/g) 20 21 22 20 19 19 20 21 21 寿命時帯電量 ( C/g) 18 18 13 17 10 9 10 17 13
上記した第 7表及び第 8表に記載の結果から理解されるように、 本発明に従いポリエステル樹脂の分子中にエステル成分を導入した 場合には、 定着性ゃ耐ボイ ド性の向上には非常に効果があるが、 ェ ステル成分を導入しない場合と比較して、 寿命が短く なる傾向があ る。 この傾向は、 エステル成分の分子量が小さいこと及びそれを導 入した場合にポリェステル樹脂との相溶性が悪いことに原因して、 トナー化の際に分散が困難なため、 キヤ リ ャへのフ ィ ルミ ングが発 生しているためであると考察される。 そのため、 ポリエステル樹脂 中にエステル成分を添加 (内添) した場合、 長寿命化に効果がある ことが確認できる。 これは、 ポリエステル樹脂への相溶性が向上し たことで、 分散性が向上し、 キヤ リャへのフィルミ ングの阻止に効 果があったためであろう。 産業上の利用の可能性
以上に説明したように、 本発明の電子写真用 トナーは、 優れた ト ナ一定着強度を実現するとともに、 フ ラ ッ シュ定着に特有のボイ ド の発生や定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑制することができ、 ト ナ一成分の昇華による装置の汚染や脱煙脱臭フイルクの目詰ま りが なく、 効率良く安定して製造でき、 また、 長期にわたって安定であ る。 また、 この電子写真用 トナーは、 特にフ ラ ッ シュ定着方式を採 用した電子写真プロセスに使用するのに最適である。 本発明の トナ —を使用すると、 従来の トナーでフ ラ ッ シュ定着の際に発生した発 煙を防止することができるので、 発煙に伴う悪臭等の不快感を排除 し、 フィ ルタ交換などの煩雑な作業をなくすることができる。
1 . 転写された トナー像の定着にフラ ッ シュ定着方式を採用した 電子写真プロセスで使用するものであって、 バイ ンダ樹脂及び着色 剤を含む電子写真用 トナーにおいて、
前記バイ ンダ樹脂が、 少なく とも一部にクロ口ホルム不溶分を有 するポリエステル樹脂請であり、 そして
前記 トナーが、
ポリプロピレン樹脂、 及び
の
次式 ( I ) により表されるエステル型構造の樹脂 :
0
囲
(上式において、 p、 q、 m及び nは、 それぞれ、 1 6〜 2 2の 正の整数を表し、 そして Rは、 同一も しく は異なっていてもよく、 それぞれ、 水素原子を表すかも しく は 1 〜 4個の炭素原子を有する 低級アルキル基を表す)
を含んでいることを特徴とする電子写真用 トナー。
2 . 前記エステル型構造の樹脂 ( I ) 、 次式 (I I ) :
C H
一 ( C H 2 ) q - C H
0
C H 2 0 C - ( C H 2 ) p - C H
(ID
O
C H 2 0 C - ( C H 2 ) m— C H
O
II
C H 2 O C— ( C H 2 ) n - C H
(上式において、 p、 q、 m及び nは、 それぞれ、 前記定義に同 じである) により表されかつ 1, 3 5 0〜 1, 4 5 0の重量平均分 子量を有していることを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の電子 写真用 トナー。
3. 前記ポリプロピレン樹脂の数平均分子量が少なく とも 5, 0 0 0以上であることを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の電子写 真用 トナー。
4. 前記エステル型構造の樹脂 ( I ) は、 質量分析による分子量 分布において、 1 , 2 0 0〜 1, 5 0 0の範囲の分子量分布を有す る成分を主体にして構成されていて、 その範囲において 1 つのピ一 クを有しており、 そして、 イオン化効率で、 分子量 1, 4 2 0〜 1 , 4 3 0の成分が 4 5 %以上、 かつ分子量 1, 3 5 0以下の低分子 量成分が 1 0 %以下であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記 載の電子写真用 トナー。
5. 前記ポリエステル樹脂のクロ口ホルム不溶分が、 トナーの全 量を基準にして 5 0〜 9 5重量 の量で含まれ、 前記ポリプロピレ ン樹脂が、 トナーの全量を基準にして 0. 1〜 5重量%の量で含ま
れ、 そして前記エステル型構造の樹脂 ( I ) 力 、 トナーの全量を基 準にして 0 . 5〜 1 5重量%の量で含まれることを特徴とする請求 の範囲第 1 項に記載の電子写真用 トナー。
6 . 画像露光による静電潜像の形成、 静電潜像の現像による可視 化、 可視化された画像の記録媒体への転写及び転写された画像の定 着の各工程を含む電子写真法により画像を形成する方法において、 前記静電潜像の現像工程において、 請求の範囲第 1項〜第 5項の いずれか 1 項に記載の電子写真用 トナーを含む現像剤を使用し、 か つ
前記現像剤の使用により可視化された トナー画像を前記記録媒体 に転写した後に定着する工程において、 トナー定着方式と して、 フ ラ ッ シュ定着方式を使用することを特徴とする画像形成方法。
7 . 前記現像剤が 2成分系現像剤であり、 前記電子写真用 トナー と組み合わせて、 芯材の表面に樹脂コーティ ングを施したキヤ リャ を含むことを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の画像形成方法。
8 . 前記樹脂コーティ ングを施したキヤ リャが、 ドープされたマ ンガン及び (又は) ド一プされたス トロ ンチウムをキヤ リャ芯材と して有し、 その表面にシリ コーン樹脂を主成分とするコ一ト剤が被 覆されていることを特徴とする請求の範囲第 7項に記載の画像形成 方法。
9 . 前記フラ ッ シュ定着工程において、 フラ ッ シュ光の発光エネ ルギ一が 0 . 5〜 3 . 0 J / cm 2 でありかつ発光時間が 5 0 0〜 3 , 0 0 0 μ. sであることを特徴とする請求の範囲第 6項〜第 8項の いずれか 1 項に記載の画像形成方法。
1 0 . 転写された トナー像の定着にフラ ッ シュ定着方式を採用し た電子写真プロセスで使用するものであって、 バイ ンダ樹脂及び着 色剤を含む電子写真用 トナーにおいて、
前記バイ ンダ樹脂が、
次式 (XI) により表されるエステル成分 :
0
(上式において、 p ' 、 q ' 、 m' 及び n ' は、 それぞれ、 1 6 〜 3 0の正の整数を表し、 そして Rは、 同一も しく は異なっていて もよく、 それぞれ、 水素原子を表すかも しく は 1 〜 4個の炭素原子 を有する低級アルキル基を表す) を含み、 少なく ともクロ口ホルム 不溶分を有するポリエステル樹脂であり、 そして、
前記 トナーが、 必要に応じて、 前式 (XI) により表されるエステ ル型構造の樹脂を含んでいることを特徴とする電子写真用 トナー。
1 1. 前記エステル成分 (XI) が、 次式 (XII ) :
C H ( C H 2 ) q C H
0
C H 2 O C - ( C H 2 ) p ' C H
(XII) o
C H 2 O O oCNnC— ( C H 2 ) m' C H
0
C H 2 O C— ( C H 2 ) n ' C H
(上式において、 ρ' 、 q' 、 m' 及び n ' は、 それぞれ、 前記 定義に同じである) により表されかつ 1, 2 0 0〜 2, 2 0 0の重 量平均分子量を有していることを特徴とする請求の範囲第 1 0項に 記載の電子写真用 トナー。
1 2. 前記エステル成分 (XII ) が、 次式 (VIII) :
0
H により表されることを特徴とする請求の範囲第 1 1項に記載の電子 写真用 トナー。