JP3539715B2 - 負帯電性トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる負帯電性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートロール定着方式にみられるオフセット現象を防止し、低温定着性に優れたトナーを得るために低融点のワックスを含有したトナーが開発されている(特開平8−220808号公報)が、溶融混練物の粘度が低下して荷電制御剤の十分な分散性が得られにくい。荷電制御剤が均一に分散していないと、トナーの帯電量分布が広がり、帯電量の低いものはトナー飛散の原因となり、一方、帯電量の高いものは、二成分系現像剤ではキャリアスペントの原因となり、一成分系現像剤では帯電ブレードに融着して、現像剤の耐久性を悪化させる。従って、低温定着性に優れ、かつ荷電制御剤が均一に分散したトナーの開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、最低定着温度が低く、かつ耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性に優れるだけでなく、安定した帯電性をも有する負帯電性トナーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、ワックス、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御剤を含有してなる負帯電性トナーであって、前記結着樹脂が、酸価が10mgKOH/g以上の、ポリエステル又はポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーの混合物を原料とし、二つの重合反応を行わせて得られるハイブリッド樹脂であり、前記ワックス融点が60〜90℃のエステル系ワックスであり、前記負帯電性荷電制御剤が式(I):
【0005】
【化2】
Figure 0003539715
【0006】
(式中、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、スルホンアミド基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基又はハロゲン原子を示し、R1 とR2 は同じであっても異なっていてもよく、X1 及びX2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ニトロ基又はハロゲン原子を示し、X1 とX2 は同じであっても異なっていてもよく、A+ は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンを示し、m及びnは1〜3の整数を示す)で表される金属錯塩化合物である負帯電性トナーに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の負帯電性トナーは、負帯電性荷電制御剤として、式(I):
【0008】
【化3】
Figure 0003539715
【0009】
(式中、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、スルホンアミド基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基又はハロゲン原子を示し、R1 とR2 は同じであっても異なっていてもよく、X1 及びX2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ニトロ基又はハロゲン原子を示し、X1 とX2 は同じであっても異なっていてもよく、A+ は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンを示し、m及びnは1〜3の整数を示す)で表される金属錯塩化合物が配合されている点に、大きな特徴を有する。通常、本発明のトナーに含有されている融点が60〜90℃のワックス(以下、低融点ワックスという)と負帯電性荷電制御剤を併用すると、負帯電性荷電制御剤の分散性は低下するが、式(I)で表される金属錯塩化合物は分散性に非常に優れているため、トナー中に均一に分散させることができる。さらに、本発明では、前記金属錯塩化合物とともに、正帯電性荷電制御剤が配合されているため、安定した負帯電性を維持することができる。
【0010】
本発明では、式(I)で表される金属錯塩化合物のなかでも、R1 及びR2 がハロゲン原子、特には塩素原子、X1 及びX2 がアリール基、特にはフェニル基、A+ が水素イオン、ナトリウムイオン又はアンモニウムイオン、m及びnが1である金属錯塩化合物が好ましい。
【0011】
なお、式(I)で表される金属錯塩化合物は、特開昭61−155464号公報等にその製造方法が詳細に記載されており、これに準じて容易に合成することができるが、市販の製品としては、例えば、「T−77」(保土谷化学工業社製)が挙げられる。
【0012】
式(I)で表される金属錯塩化合物の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。
【0013】
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−09」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」、「ボントロンP−52」(以上、オリエント化学工業社製)、「TP−415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(ヘキスト社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ−2001」、「PLZ−8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられ、これらの中では、分散性及びトナーの帯電量の安定化の観点から、ニグロシン染料が好ましい。
【0014】
正帯電性荷電制御剤/式(I)で表される金属錯塩化合物(重量比)は、1/99〜50/50が好ましく、5/95〜30/70がより好ましい。
【0015】
結着樹脂の酸価は、耐久性及び帯電性の観点から、10mgKOH/g以上、好ましくは10〜40mgKOH/g、より好ましくは10〜30mgKOH/gである。
【0016】
また、結着樹脂は、低融点ワックスとの相溶性の観点から、高融点の樹脂(A)と低融点の樹脂(B)を混合して得られるものが好ましい。高軟化点の結着樹脂と低融点ワックスは、互いの溶融粘度が大きく異なるため、溶融混練によりトナー中に低融点ワックスを均一に分散させることが困難である。しかし、軟化点の異なる少なくとも2種類の樹脂が含有されている場合には、低軟化点の樹脂が高軟化点の樹脂と低融点ワックスのつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に低融点ワックスがより均一に分散される。
【0017】
本発明において、樹脂(A)及び樹脂(B)の物性及び配合比率は、それぞれの樹脂が有する優れた特性を十分に発現させて、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性のいずれにも優れたトナーとするために、以下のように規定されることが好ましい。
【0018】
樹脂(A)の軟化点は、耐オフセット性及び耐久性の観点から、120℃以上、最低定着温度の観点から、170℃以下が好ましく、より好ましくは130〜165℃である。
【0019】
樹脂(A)のガラス転移点は、耐ブロッキング性の観点から、58℃以上、最低定着温度の観点から、75℃以下が好ましく、より好ましくは58〜70℃である。
【0020】
樹脂(A)のクロロホルム不溶分率は、耐オフセット性及び耐久性の観点から、5重量%以上、最低定着温度の観点から、50重量%以下が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。なお、本発明でのクロロホルム不溶分率とは、25℃において、クロロホルムに溶解しない樹脂成分の重量分率をいう。
【0021】
樹脂(A)と低融点ワックスとの相溶性を高めるため、樹脂(B)の軟化点は、好ましくは90℃以上、120℃未満、より好ましくは90〜110℃であり、ガラス転移点は、好ましくは58〜75℃、より好ましくは58〜70℃であり、クロロホルム不溶分率は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは0重量%である。
【0022】
樹脂(A)/樹脂(B)(重量比)は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/20、特に好ましくは40/60〜70/30である。
【0023】
さらに、本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、樹脂(A)及び樹脂(B)に加えて、樹脂(C)を含有したものであってもよい。樹脂(C)を配合した場合には、樹脂(A)及び樹脂(B)の2種類を混ぜ合わせただけでは得られない広い分子量分布の結着樹脂を得ることが可能となり、低融点ワックスとの相溶性も向上し、より低温定着性に優れたトナーが得られる。これらの点を考慮して、樹脂(C)の軟化点は80〜110℃、好ましくは90〜110℃であり、ガラス転移点は45℃以上、58℃未満、好ましくは50℃以上、58℃未満であり、クロロホルム不溶分率は5重量%未満、好ましくは3重量%以下、より好ましくは0重量%である。
【0024】
樹脂(A)/樹脂〔(B)+(C)〕(重量比)は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20であり、樹脂(B)/樹脂(C)(重量比)は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは40/60〜80/20であり、また、樹脂(A)と、樹脂(B)又は(C)の軟化点の差は20℃以上が好ましい。
【0025】
以上に説明した樹脂(A)〜(C)はそれぞれ単独の樹脂からなるものであっても、2種以上を混合してなるものであってもよい。従って、例えば樹脂(A)を2種以上の樹脂で構成してもよく、これは樹脂(B)及び(C)についても同様である。
【0026】
なお、結着樹脂としては、定着性、耐久性及び着色剤分散性の観点から、ポリエステル及びハイブリッド樹脂が好ましく、ポリエステルがより好ましい。
【0027】
本発明に用いられるポリエステルは、例えば、特開平7−175260号公報に例示の化合物を用い、同記載の方法を参考に製造できる。
【0028】
ポリエステルの原料モノマーとして、2価以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分が用いられる。
【0029】
好ましい2価のアルコール成分は、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6 −ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等である。
【0030】
好ましい3価以上のアルコール成分は、ソルビトール、1,4 −ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等である。
【0031】
また、2価のカルボン酸成分としては、各種ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、これらの酸の無水物及びアルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸及び炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸である。
【0032】
好ましい3価以上のカルボン酸成分は、1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等である。
【0033】
ポリエステルの原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
【0034】
本発明においてハイブリッド樹脂は、特開平8−171231号公報に記載されているように、各々独立した反応経路を有する二つの重合系の原料モノマーの混合物を原料とし、該二つの重合反応を行わせて得られる。
【0035】
前記二つの重合反応は、独立した反応経路で進行するものであり、それぞれ縮重合系樹脂と付加重合系樹脂を生ずる反応であることが好ましい。縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル重合系樹脂が挙げられる。
【0036】
これらのうち、ポリエステル成分は、前記と同様の2価以上のアルコール成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分を原料モノマーとして得ることができる。
【0037】
また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
【0038】
付加重合反応により得られるビニル重合系樹脂を形成するために使用される原料モノマーとしては、スチレン;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;(メタ)アクリル酸等のエチレン性モノカルボン酸;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル等が挙げられる。
【0039】
ハイブリッド樹脂は、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、重合開始剤等を混合し、まず、50〜180℃で主としてラジカル重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加重合系樹脂成分を得、次いで190〜270℃に反応温度を上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系樹脂成分の形成を行わせて得られたものが好ましい。このような原料モノマーの混合物を原料とし、独立した二つの反応を進行させる方法により二種類の樹脂の相溶性が向上した樹脂を効率的に得ることができる。
【0040】
縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比は、付加重合系樹脂の分散性の観点から、通常50/50〜95/5、好ましくは60/40〜95/5であることが望ましい。
【0041】
なお、前記で説明した、樹脂(A)〜(C)のそれぞれの物性、すなわち軟化点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率は、各樹脂を製造する際の原料モノマー、重合開始剤又は触媒等の種類、その量及び反応条件の選択等により容易に調整することができる。
【0042】
本発明に用いられる結着樹脂は、樹脂(A)及び(B)又は樹脂(A)〜(C)の粉末状のものや、ペレット状のものが単に混合されたものであってもよく、それらの樹脂が溶融混練により均一に混合分散された後、粉砕等によって粉末状やペレット状にされたものであってもよい。
【0043】
本発明のトナーに用いられる低融点ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、合成カルナウバワックス等のエステル系ワックスが挙げられ、これらは、単独で、又は2種以上を混合して用いられていてもよい。また、これらの中では、結着樹脂との相溶性の観点から、カルナウバワックス、ライスワックス及びキャンデリラワックスが好ましく、カルナウバワックスがより好ましい。
【0044】
低融点ワックスの融点は、耐ブロッキング性の観点から、60℃以上、低温定着性の観点から、90℃以下であり、好ましくは70〜85℃である。本発明では、融点90℃を超える高融点ワックス、例えば、ポリプロピレンワックス等が混合されていてもよいが、最低定着温度及び耐久性の観点から、低融点ワックスがワックス中に30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有されているのが望ましい。なお、本発明において、ワックスの融点とは、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定した際に得られる吸熱ピークの頂点の温度とする。
【0045】
低融点ワックスの含有量は、耐ブロッキング性、低温定着性及び耐久性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。
【0046】
本発明の負帯電性トナーは、特に限定されず、粉砕トナー、重合トナー、カプセルトナー等が挙げられる。従って、本発明のトナーは、混練粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の公知の方法により製造することができる。一般的な方法としては、例えば、結着樹脂、ワックス等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級する方法が挙げられる。さらに、トナーの表面には、必要に応じて流動性向上剤等を添加してもよい。このようにして得られるトナーの重量平均粒子径は、好ましくは3〜10μmである。
【0047】
さらに、本発明の負帯電性トナーには、着色剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
【0048】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
【0049】
本発明の負帯電性トナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用される。
【0050】
【実施例】
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0051】
〔軟化点〕
高化式フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、樹脂の半分が流出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:1.96MPa、ノズル:1mmφ×1mm)。
【0052】
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0053】
〔クロロホルム不溶分率〕
100cc容のふた付きガラス瓶に樹脂粉体5g、ラジオライト「♯700」5g(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム100mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間攪拌した後、ラジオライト5gを均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホルム100mlで2回洗浄し、乾燥させた後、以下の式に従い不溶分率を算出する。
【0054】
不溶分率(重量%)=
(濾紙上の固形物の重量−ラジオライト10g)/5g×100
【0055】
ポリエステル〔A−1、3、B−1〜3、C−1、2、D−1〕の製造例
表1に示す縮重合系樹脂の原料を、窒素雰囲気下、220℃で反応させ、ASTM E28−67による軟化点が所定の温度に達したときに反応を終了し、冷却後、粉砕し、A−1、3、B−1〜3、C−1、2、D−1を得た。得られた樹脂の酸価、軟化点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率を表2に示す。
【0056】
ハイブリッド樹脂〔A−2〕の製造例
表1に示す縮重合系樹脂の原料を、窒素雰囲気下、135℃で攪拌しつつ、表1に示す付加重合系樹脂の原料混合物を4時間かけて滴下した。135℃に保持したまま5時間熟成し、230℃に昇温して反応させ、ASTM E28−67による軟化点が所定の温度に達したときに反応を終了し、冷却後、粉砕し、A−2を得た。得られた樹脂の酸価、軟化点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率を表2に示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003539715
【0058】
BPA・PO:ホ゜リオキシフ゜ロヒ゜レン(2.2)-2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン
BPA・EO:ホ゜リオキシエチレン(2.2)-2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン
i−DSA :イソドデセニル無水コハク酸
TPA :テレフタル酸
TMA :無水 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸
AA :アクリル酸(両反応性モノマー)
FA :フマル酸(両反応性モノマー)
DBO :ジブチル錫オキシド(エステル化触媒)
St :スチレン
EHA :2−エチルヘキシルアクリレート
DCP :ジクミルパーオキサイド(重合開始剤)
【0059】
【表2】
Figure 0003539715
【0060】
実施例1〜7及び比較例1〜5
表3に示す結着樹脂の合計100重量部、表3に示すワックス、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御剤ならびにカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)6重量部を予備混合した後、2軸押し出し機で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級工程を経て、重量平均粒子径10μmの未処理トナーを得た。なお、各実施例及び比較例で使用した結着樹脂の酸価をあわせて表3に示す。
【0061】
得られた未処理トナー100重量部に対して、疎水性シリカ「H−2000」(ワッカーケミカル社製)0.3重量部をヘンシェルミキサーを用いて混合付着させ、トナーを得た。
【0062】
得られたトナー各々39重量部と、スチレン・メチルメタクリレート樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μm)1261重量部とを混合して、各トナーを含有する現像剤を得た。
【0063】
【表3】
Figure 0003539715
【0064】
試験例1
現像剤を複写機(シャープ(株)製、SF9800を改造したもの:感光体はアモルファスセレン、定着ローラーの回転速度は265mm/secに設定し、定着装置中の定着ローラー温度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)に実装し、定着ローラーの温度を90℃から240℃へと順次上昇させながら、画像出しを行い、下記方法により最低定着温度及びホットオフセット発生温度を測定した。結果を表4に示す。
【0065】
(1)最低定着温度
500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで、定着機を通して定着された画像を5往復こすり、こする前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(こすり後/こすり前)が最初に70%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とする。
【0066】
(2)ホットオフセット発生温度
各温度で画像出しを行った後、続けて白紙の転写紙を同様の条件下で定着ローラーに送り、該白紙にトナー汚れが最初に生じる定着ローラーの温度をホットオフセット発生温度とする。
【0067】
試験例2
100ml容のガラス瓶にトナー10gを入れ、温度50℃、相対湿度26%の環境条件下で2週間放置し、以下の評価基準に従って、耐ブロッキング性を評価した。結果を表4に示す。
【0068】
〔評価基準〕
○:全くブロッキングが見られない
×:ブロッキングしている
【0069】
試験例3
現像剤を複写機(シャープ(株)製、SF9800)に実装し、黒化率5%のA4原稿を連続複写した。複写された紙の白地部のかぶりが目視で確認できるようになった時を現像剤の寿命とし、それまでに複写した枚数を耐久性の尺度とする。なお、複写は最大15万枚までとした。結果を表4に示す。
【0070】
試験例4
現像剤を複写機(シャープ(株)製、SF9800)に実装し、5万枚の画像出しを行った。その際、100枚複写後(印刷初期)と5万枚複写後(耐刷後)に少量の現像剤をサンプリングし、「q/mメーター」(エッピング社製)にてトナーの帯電量を測定し、帯電性を評価した。結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
Figure 0003539715
【0072】
以上の結果から、実施例1〜7のトナーは、最低定着温度が低く、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性のいずれにも優れているとともに、安定した負帯電性を維持することができることが分かる。これに対して、高融点ワックスのみを含有した比較例1のトナーは、最低定着温度が高く、帯電量の安定性や耐久性も劣る。また、クロム錯体の負帯電性荷電制御剤を含有した比較例2のトナーは、耐刷による帯電量の低下が著しく、正帯電性荷電制御剤を含有していない比較例3のトナーは、耐刷によりトナーの帯電量が上昇し、負帯電性荷電制御剤を含有していない比較例4のトナーは、耐刷による帯電量の低下がみられるとともに、耐久性に著しく欠けている。酸価が10mgKOH/g未満の結着樹脂を用いた比較例5のトナーは、耐久性が低下し、耐刷による帯電量の低下がみられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、最低定着温度が低く、かつ耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性に優れるだけでなく、安定した帯電性をも有する負帯電性トナーを提供することが可能になった。

Claims (4)

  1. 結着樹脂、ワックス、負帯電性荷電制御剤及び正帯電性荷電制御剤を含有してなる負帯電性トナーであって、前記結着樹脂が、酸価が10mgKOH/g以上の、ポリエステル又はポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーの混合物を原料とし、二つの重合反応を行わせて得られるハイブリッド樹脂であり、前記ワックス融点が60〜90℃のエステル系ワックスであり、前記負帯電性荷電制御剤が式(I):
    Figure 0003539715
    (式中、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、スルホンアミド基、スルホン酸基、カルボキシエステル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基又はハロゲン原子を示し、R1 とR2 は同じであっても異なっていてもよく、X1 及びX2 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ニトロ基又はハロゲン原子を示し、X1 とX2 は同じであっても異なっていてもよく、A+ は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン又はアンモニウムイオンを示し、m及びnは1〜3の整数を示す)で表される金属錯塩化合物である負帯電性トナー。
  2. 正帯電性荷電制御剤がニグロシン染料である請求項1記載の負帯電性トナー。
  3. 正帯電性荷電制御剤/式(I)で表される金属錯塩化合物(重量比)が、1/99〜50/50である請求項1又は2記載の負帯電性トナー。
  4. 結着樹脂が、軟化点120〜170℃、ガラス転移点58〜75℃、かつクロロホルム不溶分率5〜50重量%である樹脂(A)と、軟化点90℃以上、120℃未満、ガラス転移点58〜75℃、かつクロロホルム不溶分率5重量%未満である樹脂(B)を含有してなる請求項1〜いずれか記載の負帯電性トナー。
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