JP4389425B2 - 電子写真用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用トナーに関し、さらに詳しく述べると、電子写真方式を利用した各種のイメージング装置、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ、静電印刷機などにおいて現像剤として有利に使用することができる、特にフラッシュ定着方式に好適な電子写真用トナーに関する。本発明は、また、このようなトナーを使用した画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、複写機、プリンタ、印刷機などで広く普及している電子写真方式は、一般的には、次のような一連の工程からなる。
(1)感光体の帯電、
(2)感光体の露光(潜像形成)、
(3)トナーによる潜像の現像(トナー像の形成)、
(4)トナー像の記録媒体への転写、及び
(5)転写されたトナー像の定着。
【0003】
最終の定着工程(5)では、加熱ローラでトナーに圧力を加えながら溶融圧着させるヒートロール定着方式と、フラッシュ光などの光照射によりトナーを溶融定着させるフラッシュ定着方式とが用いられている。
【0004】
ヒートロール定着方式は、トナーを高温で加圧下に定着させるため、装置を安価に提供できるという利点、また、ロールで押圧するためにトナー定着面が平滑になり、印字濃度を高くできるという利点を有している。反面、この定着方式では、定着後の記録用紙が高温によりカールをおこし、ロール化してしまうという問題点や、定着ローラがトナーにより汚染されるので、オフセットが発生するという問題点、用紙のロール化があるので高速記録が困難であるという問題点、用紙の定着表面に糊剤がついているシール葉書などの定着が困難であるという問題点などが知られている。
【0005】
これに対して、フラッシュ定着方式は、光源として使用するフラッシュランプを安価で提供するという課題はあるが、多くの注目すべき利点を備えている。典型的な利点を示すと、下記の通りである。
【0006】
1)フラッシュ露光によりトナーを溶融させているので、記録用紙などと非接触でトナーを定着させることができ、よって、接触定着時に認められた画像の汚れ(オフセット現象)がなく、解像度の劣化(上下ローラ間の通過に原因する画像の広がり)もない。
【0007】
2)接触定着時に見られたような画像の汚れを防止するための設計(例えば、離型剤としてのワックスのトナーに対する添加、離型材としてのシリコーンオイルの定着ローラに対する塗布など)を必要としないため、トナー及び定着設備の設計に関する自由度が大きい。
【0008】
3)使用する記録用紙の種類(例えば、材質及び厚さ)に関係なく定着が可能である。
【0009】
4)定着後の記録用紙のロール化がなく、上述のようにオフセットもないので、高速記録が可能であり、また、例えばシール葉書のような特殊な記録用紙における画像の定着が容易に可能である。
【0010】
このような利点に鑑みて、フラッシュ定着方式は、通常、業務用の高速プリンタ、高速複写機などにおいて広く使用されている。
【0011】
フラッシュ定着方式についてさらに説明すると、従来、いろいろな種類の電子写真用トナーが特にフラッシュ定着用に設計され、提案されている。例えば、特許文献1(米国特許第5,330,870号明細書に対応)には、分解による臭い、白煙等の発生が少なく、ボイドの生成なしに定着が可能であるフラッシュ定着用電子写真用現像剤組成物が開示されている。この現像剤組成物は、結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂が、酸成分中の80モル%以上がフタル酸系ジカルボン酸からなる酸成分と、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物からなるアルコール成分から得られたものであることを特徴としている。また、特許文献2には、フラッシュ定着性、環境安定性、耐ボイド性に優れた画像形成装置用トナーが開示されている。このトナーは、必須構成成分として使用されるポリエステルポリマーの分子量分布が複数の分子量ピークを有していることを特徴としている。同様なトナーは、特許文献3にも開示されている。このフラッシュ定着用トナーは、トナーの必須構成成分として、ポリエステルとポリエーテルを含むかもしくはポリエーテルで変成したポリエステルを含むことを特徴としている。さらに、特許文献4には、フラッシュ定着性と耐ボイド性を両立し、かつ低定着臭のフラッシュ定着用トナーが開示されている。このトナーは、架橋成分としてトリメリト酸とエピ−ビス型エポキシを併用した架橋型ポリエステル樹脂をトナーバインダとして含み、かつその樹脂の数平均分子量が2,000〜4,000であり、重量平均分子量と数平均分子量の比が10〜25の範囲にあることを特徴としている。
【0012】
上記からも理解されるように、フラッシュ定着用トナーにおいては、フラッシュ定着性と耐ボイド性を両立し、あわせて定着時に発生する臭いをなくするかもしくは少なくとも低減することが重要であるので、従来のトナーでは、これらの課題を解決するため、バインダ樹脂として使用するポリエステル樹脂の組成の改善を図っている。
【0013】
フラッシュ定着性の改善のため、クロロホルム不溶分のない低粘度のポリエステル樹脂からなるトナーを用いることも知られている。しかし、このようなトナーを使用した場合には、フラッシュ定着に特有の「ボイド」と呼ばれる印字の白抜け(微細な白色斑点模様)が発生してしまうという問題がある。また、フラッシュ定着方式は、フラッシュ露光時、トナー表面の温度を500℃にも高めてしまうので、トナー中に昇華しやすい低分子量の成分が混入していると、その成分が飛散してプリンタ装置内を汚染したり、付属の脱煙脱臭フィルタの目詰まりを引き起こすという問題がある。また、従来のプリンタ装置では、活性炭を主成分とする脱煙脱臭フィルタを定着部近傍に取り付け、煙の除去を行っているが、現在入手可能なフィルタの寿命は短く、しばしば新品のフィルタと交換することが必要である。さらに、フラッシュ定着用のトナーでは、現像剤の安定化や低コスト化の観点から、トナー製造時の粉砕効率の向上や、特にトナーにキャリヤを併用する場合には、そのキャリヤへのフィルミングの防止も求められている。実際、キャリヤへのトナーのフィルミングを防止できれば、長期にわたって安定な現像剤を提供することができる。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−107805号公報
【特許文献2】
特開平7−72657号公報
【特許文献3】
特開平8−123070号公報
【特許文献4】
特開平8−87128号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、したがって、特にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスにおいて使用可能であって、トナーの定着強度の大幅な向上を実現するとともに、フラッシュ定着に特有のボイドの発生や、定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑制することができ、トナー成分の昇華によるプリンタ装置の汚染や脱煙脱臭フィルタの目詰まりがなく、効率良く安定して製造でき、また、キャリヤへのフィルミングがなく、長期にわたって安定な現像剤を提供できるような電子写真用トナーを提供することにある。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、上記したような電子写真用トナーの優れた作用効果を十二分に発揮させることのできる画像形成方法を提供することにある。
【0017】
本発明の上記した目的及びその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その1つの面において、転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
前記バインダ樹脂が、少なくとも一部にクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂であり、そして
前記トナーが、
ポリプロピレン樹脂、及び
次式(I)により表されるエステル型構造の樹脂:
【0019】
【化7】
Figure 0004389425
【0020】
(上式において、p、q、m及びnは、それぞれ、16〜22の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)
を含んでいることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
【0021】
また、本発明は、そのもう1つの面において、転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
前記バインダ樹脂が、次式(XI)により表されるエステル成分:
【0022】
【化8】
Figure 0004389425
【0023】
(上式において、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、16〜30の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂であり、そして
前記トナーが、必要に応じて、前式(XI)により表されるエステル型構造の樹脂を含んでいることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
【0024】
さらに、本発明は、そのもう1つの面において、転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
前記バインダ樹脂が、前式(XI)により表されるエステル成分(式中、R、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、前記定義に同じである)を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂であり、かつ
前記ポリエステル樹脂において、前記エステル成分(XI)を10重量%以上の量で含有する樹脂が少なくとも含まれ、そして
前記トナーが、必要に応じて、前式(XI)により表されるエステル型構造の樹脂を含んでいることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
【0025】
さらにまた、本発明は、そのもう1つの面において、画像露光による静電潜像の形成、静電潜像の現像による可視化、可視化された画像の記録媒体への転写及び転写された画像の定着の各工程を含む電子写真法により画像を形成する方法において、
前記静電潜像の現像工程において、本発明による電子写真用トナーを含む現像剤を使用し、かつ
前記現像剤の使用により可視化されたトナー画像を前記記録媒体に転写した後に定着する工程において、トナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用することを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、フラッシュ定着方式に好適であって、トナーの定着強度を大幅に向上させることができるとともに、フラッシュ定着に特有のボイドの発生を抑え(すなわち、耐ボイド性があり)、トナーの組成に原因した定着時の発煙やそれに伴う悪臭を発生がなく、しかも、トナー成分の昇華による装置の汚染やフィルタの目詰まりがない、従来にはない電子写真用トナーを開発すべく鋭意研究した結果、前記したように、
(1)特定のポリエステル樹脂からなるバインダ樹脂を、ポリプロピレン樹脂及び前式(I)により表される特定のエステル型構造の樹脂と組み合わせて使用すること、
(2)特定のエステル成分を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂からなるバインダ樹脂を使用すること、
(3)特定のエステル成分を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂からなるバインダ樹脂を、前記エステル成分を濃縮された量で含有する樹脂と組み合わせて使用すること、
が有効であるという知見を得、本発明を完成した。なお、本発明の容易な理解のため、以下、上記(1)のような構成を有するトナーは、「本発明の第1のトナー」と呼び、上記(2)のような構成を有するトナーは、「本発明の第2のトナー」と呼び、そして上記(3)のような構成を有するトナーは、「本発明の第3のトナー」と呼ぶことにする。また、説明の簡略化のため、第1、第2及び第3のトナーにおいて共通的な事項は、それが共通することのみを示して、繰り返して説明しないこととする。
【0027】
本発明による電子写真用トナーは、基本的に、電子写真法において従来より用いられているトナーと同様な組成とすることができる。すなわち、本発明のトナーは、少なくとも、バインダ樹脂と、着色剤とを含むようにして構成される。なお、「エステル型構造の樹脂」とは、それを本願明細書において使用する場合、前式(I)又は前式(XI)の樹脂を指す。また、本発明の第2及び第3のトナーにおいて、バインダ樹脂として使用されるポリエステル樹脂は、上記したように、エステル成分を含み、クロロホルム不溶分を有する樹脂であるが、短縮して「エステル成分・クロロホルム不溶分含有樹脂」と呼ぶことにする。
【0028】
本発明による電子写真用トナー(第1のトナー)において、バインダ樹脂として使用されるポリエステル樹脂は、その構造の少なくとも一部にクロロホルム不溶分を有することが必須である。これは、トナーの定着時、バインダ樹脂に含まれるクロロホルム不溶分がボイドの形成を効果的に防止できるからである。なお、このクロロホルム不溶分は、ポリエステル樹脂の原料成分に由来している。
【0029】
他の樹脂成分との関係もあるが、クロロホルム不溶分含有のポリエステル樹脂は、トナー中においていろいろな量で使用することができる。かかるポリエステル樹脂の使用量は、通常、トナーの全量を基準にしたクロロホルム不溶分の量で規定することができる。ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分は、通常、トナーの全量を基準にして3〜20重量%の範囲で含まれるのが好ましく、さらに好ましくは3〜10重量%の範囲である。このクロロホルム不溶分の含有量が3重量%を下回ると、トナーが低粘度となってボイドが発生しやすくなり、反対に20重量%を上回ると、トナーと記録媒体(例えば、記録用紙)との密着性やトナーどうしの密着性がともに阻害されることとなる。なお、本発明では、トナーの定着強度を特に
(1)トナーと記録用紙の密着性、及び
(2)トナーどうしの密着性
によって評価しており、また、トナーと記録用紙の密着性及びトナーどうしの密着性は、それぞれ、定着画像の粘着テープによる剥離試験及び定着画像の粘着テープによる擦り試験によって測定している。
【0030】
バインダ樹脂としてのポリエステル樹脂は、その構造の少なくとも一部にクロロホルム不溶分を含有するという制限はあるが、その他の点においては汎用のポリエステル樹脂に同じであることができる。適当なクロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂は、例えば、少なくとも、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸又はその混合物を使用し、アルコール成分としてビスフェノールAのエチレン又はプロピレン付加物を使用し、かつ架橋剤成分としてトリメリト酸を使用して、これらのモノマー成分の重合により形成されたポリエステル樹脂である。また、このポリエステル樹脂は、通常、60℃以上のガラス転移温度(Tg)を有していて、トナーとしたときには58℃以上のTgを示すものであることが望ましい。これは、トナーのTgが58℃を下回ると、運送の途中にさらされる高温度環境下で固化を生じる可能性があるからである。
【0031】
本発明の第1のトナーにおいてバインダ樹脂と一緒に使用されるポリプロピレン樹脂は、本発明の作用効果に対して悪影響を及ぼすことがない限り、特に限定されるものではない。このポリプロピレン樹脂は、通常、5,000以上の数平均分子量を有していることが好ましい。これは、もしもポリプロピレン樹脂の分子量が5,000を下回ると、定着時に容易に昇華してしまうので、フラッシュ定着方式に使用することができないからである。
【0032】
他の樹脂成分との関係もあるが、ポリプロピレン樹脂は、第1のトナー中においていろいろな量で使用することができるというものの、通常、トナーの全量を基準にして0.1〜5重量%の範囲で使用するのが好ましく、さらに好ましくは1〜3重量%の範囲である。このポリプロピレン樹脂の含有量が0.1重量%を下回ると、耐剥離性やトナー粉砕性の向上を達成することができるが、耐擦り性を向上させることができなくなり、反対に5重量%を上回ると、昇華が顕著となるので、装置の汚染やフィルタの目詰まりといった問題が引き起こされる。
【0033】
本発明の第1のトナーにおいてバインダ樹脂及びポリプロピレン樹脂と一緒に使用される前式(I)のエステル型構造の樹脂は、その一般式(I)で規定される範囲内において種々の樹脂を包含する。なかんずく、式中のRがすべて同じでありかつメチル基又はエチル基を表すような樹脂を有利に使用することができる。特に有利に使用することのできるエステル型構造の樹脂は、次式(II)により表されかつその重量平均分子量が1,350〜1,450の範囲にある樹脂である。
【0034】
【化9】
Figure 0004389425
【0035】
上式において、p、q、m及びnは、それぞれ、前記定義に同じである。このようなエステル型構造の樹脂(II)において、その分子量が1,350を下回ると(すなわち、不純物としての樹脂が含まれると)、フィルタの目詰まりが発生しやすくなる。これは、本発明で使用されるエステル型構造の樹脂(I)の場合、不純物による分子量差によってもフィルタの目詰まりを生じる傾向にあるからである。
【0036】
上記したようなエステル型構造の樹脂(I)は、第1のトナー中においていろいろな量で使用することができるというものの、通常、トナーの全量を基準にして0.5〜15重量%の範囲で使用するのが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲である。このエステル型構造の樹脂(I)の含有量が0.5重量%を下回ると、樹脂そのものには定着性の向上効果があるにもかかわらず、満足し得る定着性の向上を得ることができず、反対に15重量%を上回ると、トナーの粉砕性の低下やフィルタの目詰まりが発生する。
【0037】
また、エステル型構造の樹脂(I)は、質量分析により分子量分布を測定した場合に、1,200〜1,500の分子量を有する樹脂が主成分を構成し、その範囲に1つのピークを有し、かつ1,420〜1,430の分子量を有する高分子量の樹脂がイオン化効率で全体の45%以上であり、そして1,350以下の分子量を有する低分子量の樹脂が10%以下であることが望ましい。これは、エステル型構造の樹脂(I)は、不純物に起因して低分子量の樹脂が混入すると、分子量差によってフィルタの目詰まりを起こしやすく、また、分子量で1,350以下の不純物が入ってもフィルタの目詰まりを起こしやすくなるからである。ここで、エステル型構造の樹脂(I)は、ペンタエリスリトールとテトラエルカ酸エステルの反応生成物を主成分としているが、テトラエルカ酸エステルには不純物として炭素(C)原子の多い分子とC原子の少ない分子とが混在しているため、若干の分子量分布をもつものと考察される。
【0038】
下記の第1表及び添付の第1図は、上記したエステル型構造の樹脂(II)ならびにその他の同様なエステル型構造の樹脂(III )及び樹脂(IV)の分子量分布を質量分析装置(日本電子製、商品名「SX102A」)を使用して、ピーク高の比率から求めた結果をまとめたものである。
【0039】
【表1】
Figure 0004389425
【0040】
本発明の第1のトナーは、上記したように、クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びエステル型構造の樹脂(I)をそれぞれ上記したような量比で含有していることが好ましい。そのように組み合わせた樹脂をトナーに対して添加することによって、上記したようなそれぞれの樹脂成分の作用効果が相乗的に組み合わさることの結果、定着性の向上、ボイドの低減、装置汚染やフィルタの目詰まりの低減、トナー製造の際の粉砕効率の向上などを同時に実現することができる。
【0041】
本発明の第1のトナーは、最終的に得られるトナーの特性(使用時の特性も含む)において優れた作用効果が期待でき、かついかなる悪影響を生じない限りにおいて、上記した3種類の樹脂の組み合わせに追加して、任意のバインダ樹脂(汎用のバインダ樹脂)を含んでいてもよい。適当な追加のバインダ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテル−ポリオール樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。なお、このような追加のバインダ樹脂の配合量は、その量が多すぎると得られるトナーの本来の特性が悪影響を受けるので、最高でも、バインダ樹脂の全量を基準にして20〜30重量%程度であることが好ましい。
【0042】
さらに、上記したバインダ樹脂との関連において説明すると、本発明の第1のトナーは、通常、それに含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)が60℃以上であることが好ましく、バインダ樹脂及びその他のトナー成分を配合してトナーとした場合には58℃以上であることが好ましい。これは、トナーのTgが58℃を下回ると、製造後において、例えば運送の途中でさらされる高温度の影響で、固化してしまう可能性があるからである。
【0043】
本発明の第1のトナーにおいてバインダ樹脂中に分散せしめられるべき着色剤は、多くの公知な染料及び顔料を包含し、トナーにおいて所望とされる色調に応じて任意に選択して使用することができる。以下に列挙するものは、本発明の実施において使用するのに好ましい染料及び顔料の一例である。
【0044】
従来公知の方法、例えばサーマルブラック法、アセチレンブラック法、チャンネルブラック法、ランプブラック法などによって調製することのできる各種のカーボンブラック、例えばランプブラック(C.I.No.77266)、カーボンブラックの表面を樹脂被覆したグラフト化カーボンブラック、例えば鉄黒等の無機顔料、有彩色の染料又は顔料、例えば、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料、ニグロシン染料、第4級アンモニウム塩系の染料、モノアゾ系の金属錯塩染料など。このような染料又は顔料のいくつかの例をカラーインデックス番号を参照して記載すると、次の通りである:アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.Azoic Blue 3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリーンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ローズベンガル(C.I.No.45435)。
【0045】
上記したような染料及び顔料は、単独で使用してもよく、さもなければ、所望とするトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。上記したような着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することができるというものの、通常、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、トナーの全量を基準にして0.1〜20重量%の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜10重量%の範囲である。
【0046】
本発明の第1のトナーは、上記したバインダ樹脂、着色剤などに加えて、各種の添加剤を含んでいてもよい。例えば、本発明のトナーは、そのトナーの流動性の向上などの目的のために、各種の無機の微粒子を外添剤として含んでいてもよい。本発明で外添剤として使用し得る無機の微粒子は、通常、1次粒子径が5nm〜2μmの範囲のものであり、さらに好ましくは5〜500nmの範囲のものである。また、この無機の微粒子の表面積は、それをBET法による比表面積で表すと、20〜500m2/gの範囲であるのが好ましい。
【0047】
本発明の実施において適当な無機の微粒子の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、けい砂、クレー、雲母、けい灰石、けいそう土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などを包含する。とりわけ、シリカの微粉末を有利に使用することができる。
【0048】
上記したような無機の微粒子は、トナーに対していろいろな量で外添して使用することができるというものの、通常、トナーの全量を基準にして0.01〜5.0重量%の範囲で使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.01〜2.0重量%の範囲である。
【0049】
また、本発明のトナーでは、必要に応じて、上記した無機の外添剤に加えて、その他の常用の外添剤、例えば、フッ素微粒子等、あるいは樹脂粒子、例えばアクリル微粒子等、も使用してもよい。
【0050】
さらに、本発明の第1のトナーは、トナーの帯電特性を制御する目的で、この技術分野において常用の電荷制御剤を有していてもよい。適当な電荷制御剤としては、例えば、正帯電トナーにはニグロシン染料、脂肪酸金属塩、第4アンモニウム塩などの電子供与性物質を、負帯電トナーにはアゾ系含金属染料、塩素化パラフィン、塩素化ポリエステルなどの電子受容性物質を、それぞれ挙げることができる。
【0051】
さらにまた、本発明の電子写真用トナーには、離型剤あるいはオフセット防止剤として、各種の汎用のワックス、例えば低分子量のポリプロピレンあるいはポリエチレンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、アマイドワックスなどを使用することができる。なお、本発明のトナーを特にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスに使用する予定であるならば、フラッシュ定着時の昇華によってフィルタの目詰まりが発生するのを回避するため、ポリプロピレンワックスを使用するのが有利である。
【0052】
以上に記載した第1のトナーの説明をまとめると、本発明の実施において、上記したようなトナー成分は、一般的に、トナーの全量を基準にして、下記の組成比:
クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂 50〜95重量%
ポリプロピレン樹脂 0.1〜5重量%
エステル型構造の樹脂 0.5〜15重量%
着色剤 0.1〜20重量%
電荷制御剤 1〜5重量%
ワックス 0〜5重量%
外添剤 0〜5重量%
で使用することができる。これらのトナー成分は、必要に応じて、上記した範囲よりも多くても、さもなければ少なくてもよい。
【0053】
本発明による電子写真用トナーは、上記した第1のトナーに追加して、第2及び第3のトナーも包含する。本発明の第2及び第3のトナーは、先にすでに説明したように、バインダ樹脂に、前式(XI)により表されるエステル成分を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂を使用している。本発明のこれらのトナーでは、このような特定のエステル成分・クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂をバインダ樹脂の構成員として使用することで、高定着性及び耐ボイド性を両立している。また、このような特定のポリエステル樹脂に追加して、トナー中にポリプロピレン樹脂を含ませることで、トナー製造の際の粉砕性を向上させることができる。また、これらのトナーは、必要に応じてかつ、好ましくは、前式(XI)により表される、前式(I)の樹脂に同様なエステル型構造の樹脂を有する。これらのトナーは、以下の詳細な説明から理解されるように、基本的な組成に関しては第1のトナーに同様であるが、バインダ樹脂の組成を異にしており、特に、前式(XI)のエステル成分を重合反応工程でポリエステル樹脂に添加して、樹脂中に含有させていることを特徴とする。
【0054】
本発明の第2及び第3のトナーにおいて、バインダ樹脂として使用されるポリエステル樹脂を構成する前式(XI)のエステル成分は、前記一般式(XI)で規定される範囲内において種々のエステル成分を包含することができる。なかんずく、式中のRがすべて同じでありかつメチル基又はエチル基を表すようなエステル成分を有利に使用することができる。特に有利に使用することのできるエステル成分は、次式(XII )により表されるエステル成分である。
【0055】
【化10】
Figure 0004389425
【0056】
上式において、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、前記定義に同じである。
【0057】
このようなエステル成分(XII )は、不純物による分子量差によってもフィルタの目詰まりを起こしやすいので、通常、その重量平均分子量が1,200〜2,200の範囲(質量分析による分子量分布による)にあることが好ましい。このエステル成分の分子量が1,200を下回ると(すなわち、不純物としての樹脂が含まれると)、フィルタの目詰まりが発生しやすくなる。エステル成分中に1,000以下の分子量を有する不純物が混入した場合には、フィルタの目詰まりがより一層顕著になるであろう。ここで、上述のエステル成分は、ペンタエリスリトールとテトラエルカ酸エステルの反応生成物を主成分としているが、テトラエルカ酸エステルには不純物としての炭素(C)原子の多い分子、少ない分子が混在しているため、若干の分子量分布を有すると理解される。また、かかるエステル成分は、1,200〜2,200の範囲の分子量分布において少なくとも1つの最大ピークを有しており、そしてその最大ピークのイオン化率が全体の45%以上であることが好ましい。
【0058】
本発明の第2及び第3のトナーにおいて、とりわけ有利に使用することのできるエステル成分は、次式(XIII)により表されるエステル成分である。
【0059】
【化11】
Figure 0004389425
【0060】
また、本発明で用いられるような特定構造のポリエステル樹脂において、その分子中に含まれる前式(XI)のエステル成分は、ポリエステル樹脂の重合反応工程で導入されたものであることが好ましい。前記エステル成分(XI)をポリエステル樹脂中に導入する場合、重合反応工程の任意の段階(タイミング)で添加することができ、例えば、重合反応工程の初期のポリエステル樹脂のモノマー添加段階でもよく、重合が盛んに行われている重合途中の段階でもよく、さもなければ、重合が終盤にさしかかった重合終了段階でもよい。
【0061】
本発明の実施において、エステル成分・クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂には、上記したようなエステル成分やクロロホルム不溶分が含まれる。かかるポリエステル樹脂は、このような成分を任意の割合で含有することができるけれども、エステル成分は、トナーの全量を基準にして、0.1〜10重量%の量で含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜5重量%の量である。また、クロロホルム不溶分は、トナーの全量を基準にして、3〜20重量%の量で含まれることが好ましく、さらに好ましくは、3〜10重量%の量である。
【0062】
さらに、上記したように、本発明のトナーはポリプロピレン樹脂を含むことが好ましいが、ポリプロピレン樹脂の含有量は、トナーの全量を基準にして、0.1〜5重量%の量であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜3重量%の量である。
【0063】
本発明のトナーでは、特に、上記した成分を上述のような量で組み合わせて使用することによって、定着性の向上、ボイドの低減、装置の汚染(フィルタの目詰まり、ほか)の低減、トナー製造の際の粉砕効率の向上、キャリヤへのフィルミングの防止を同時に実現することができる。
【0064】
ここで、前式(XI)のエステル成分の量が、トナーの全量を基準にして0.1重量%を下回る場合、定着性の向上効果を期待することができず、反対に10重量%を上回ると、トナーの粉砕性の低下やフィルタの目詰まりが発生する。なお、上記したように、エステル成分は不純物による分子量差によってもフィルタの目詰まりを起こしやすい。
【0065】
また、ポリエステル樹脂中に含まれるクロロホルム不溶分の量が、トナーの全量を基準にして3重量%を下回る場合、得られるトナーが低粘度となってボイドが発生しやすくなる。反対に20重量%を上回ると、トナーと記録用紙などの媒体との密着性や、トナーどうしの密着性が阻害されるようになる。
【0066】
さらに、トナーに追加的に添加されるポリプロピレン樹脂の量については、その樹脂の量が、トナーの全量を基準にして0.1重量%を下回る場合、耐剥離性、トナー粉砕性の向上は期待できるが、耐こすり性を向上させることができない。反対に5重量%を上回ると、樹脂そのものが昇華してしまうので、フラッシュ定着方式を採用することができなくなる。さらにまた、ポリプロピレン樹脂は、もしもそれを使用する場合、添加量に追加して分子量も重要であり、通常、5,000もしくはそれ以上の数平均分子量を有しているのが好ましい。このようなポリプロピレン樹脂は、通常、ワックス状である。
【0067】
さらに説明すると、本発明の第2及び第3のトナーでは、上記したようなエステル成分を特定構造のポリエステル樹脂(バインダ樹脂)に導入することによって、バインダ樹脂の相溶性を改善し、キャリヤへのフィルミングを低減させることができる。
【0068】
前式(XI)によって表されるエステル成分は、本来ポリエステル樹脂との相溶性が悪いので、トナー化の際にそのようなエステル成分を配合した場合、分散させることが困難であり、キャリヤの表面において顕著にフィルミングが発生する。もちろん、混練工程においてシェアをかけることによって、分散性をある程度まで制御することは可能であるが、この方法では、均一な分散を達成するに至らない。従来の技術において認められるこのような不都合に対して、本発明の第2及び第3のトナーでは、特にバインダ樹脂の調製段階で、すなわち、ポリエステル樹脂の重合段階で、ポリエステル樹脂の構造中にエステル成分を導入することによって、分散性を向上させると同時に、得られるポリエステル樹脂の全体にエステル成分をほぼ均一に分散させることが可能となり、また、したがって、定着性を維持して、キャリヤへのフィルミングを効果的に防止することが可能となる。
【0069】
また、本発明の第3のトナーにおけるように、ポリエステル樹脂中に10重量%もしくはそれ以上のエステル成分を重合あるいは混合してマスターバッチとしての樹脂を調製した後、そのマスターバッチ化したポリエステル樹脂と新たなポリエステル樹脂とを樹脂段階で混合するか、さもなければ、トナー化の段階で両者を混合しても、分散性の向上に効果がある。さらに、樹脂中にエステル成分を添加したポリエステル樹脂を使用して、それをトナー化する際にさらにエステル成分を配合した場合、単にトナー化の際にエステル樹脂を添加する場合よりもさらに大幅に分散性を向上させることができる。このことは、ポリエステル樹脂中に添加されていたエステル成分が樹脂との相溶性を有しているために、後段で添加したエステル成分とのなじみによって、さらにはミセル効果によって、総合的に樹脂との相溶性が改善されたことに由来していると考察される。
【0070】
上記したようなエステル成分は、バインダ樹脂としての特定構造のポリエステル樹脂中に分散した状態で存在することができる。そのような場合、エステル成分は広範な分散粒径で存在することができるけれども、通常、5μm以下の分散粒径で均一に分散していることが好ましい。エステル成分がこのような分散粒径を有していると、トナー化の際にその分散粒径がさらに小さくなるため、得られるトナーのエステル成分の分散性が向上し、キャリヤへのフィルミングを抑制して定着性に優れたトナーを得ることができるからである。ここで、「分散粒径」とは、ポリエステル樹脂中に分散したエステル成分の平均粒径を指し、約1mmの粒径を有するポリエステル樹脂をミクロトームで0.1〜0.5μmの厚さにスライスした後、得られた薄片を顕微鏡で観察し、その結果(画像データ)を周知の方法で画像解析することによって測定することができる。観察のための顕微鏡には、例えば、透過型光学顕微鏡(例えば、オリンパス光学工業製、商品名「BH−2」)や、透過型走査電子顕微鏡(例えば、日本電子製、商品名「JEM2010」)を使用することができる。
【0071】
本発明の第2及び第3のトナーは、最終的に得られるトナーの特性(使用時の特性も含む)において優れた作用効果が期待でき、かついかなる悪影響を生じない限りにおいて、前記した第1のトナーと同様、追加のバインダ樹脂を任意に含んでいてもよい。適当な追加のバインダ樹脂は、前式(XI)のエステル型構造の樹脂である。この樹脂は、前式(I)のエステル型構造の樹脂と同様に、好ましくは、少なくとも、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸又はその混合物を使用し、アルコール成分としてビスフェノールAのエチレン又はプロピレン付加物を使用し、そして架橋剤成分としてトリメリト酸を使用して、これらのモノマー成分の重合により形成されたポリエステル樹脂である。また、かかるポリエステル樹脂は、通常、60℃以上のガラス転移温度(Tg)を有していて、トナーとしたときには58℃以上のTgを示すものであることが望ましい。これは、トナーのTgが58℃を下回ると、運送の途中にさらされる高温度環境下で固化を生じる可能性があるからである。
【0072】
また、追加のバインダ樹脂は、汎用のバインダ樹脂であってもよい。適当な追加のバインダ樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル−ポリオール樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。このようなバインダ樹脂を単独もしくは組み合わせて使用することができる。なお、このような追加のバインダ樹脂の配合量は、その量が多すぎると得られるトナーの本来の特性が悪影響を受けるので、最高でも、バインダ樹脂の全量を基準にして20〜30重量%程度であることが好ましい。
【0073】
本発明の第2及び第3のトナーにおいてバインダ樹脂中に分散せしめられるべき着色剤は、上記した第1のトナーと同様に、多くの公知な染料及び顔料を包含し、トナーにおいて所望とされる色調に応じて任意に選択して使用することができる。使用するのに適当な染料及び顔料については、第1のトナーの説明の項を参照されたい。
【0074】
着色剤としての染料又は顔料は、単独で使用してもよく、さもなければ、所望とするトナーの色調を得るために任意に混合して使用してもよい。上記したような着色剤のトナー中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変更することができるというものの、通常、最も良好なトナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナーの形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、トナー100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜22重量部の範囲であり、最も好ましくは、5〜20重量部の範囲である。
【0075】
第2及び第3のトナーは、上記した第1のトナーと同様に、各種の添加剤をバインダ樹脂及び着色剤に加えて含んでいてもよい。例えば、第2のトナーは、そのトナーの流動性の向上などの目的のために、各種の無機の微粒子を外添剤として含んでいてもよい。本発明で外添剤として使用し得る無機の微粒子は、通常、1次粒子径が5nm〜2μmの範囲のものであり、さらに好ましくは5〜500nmの範囲のものである。また、この無機の微粒子の表面積は、それをBET法による比表面積で表すと、20〜500m2/gの範囲であるのが好ましい。すなわち、ここで使用する無機の微粒子のサイズなどは、前記した第1のトナーで使用したものに同じであることができる。
【0076】
また、第2及び第3のトナーにおいて適当な無機の微粒子も、前記した第1のトナーで使用したものに同じであることができる。すなわち、適当な無機の微粒子にはシリカ、アルミナ、酸化チタン等があり、シリカの微粉末を有利に使用することができる。このような無機の微粒子は、トナーに対していろいろな量で外添して使用することができるというものの、通常、トナー100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.01〜2重量部の範囲である。
【0077】
また、これらの第2及び第3のトナーでも、前記した第1のトナーと同様に、必要に応じて、上記した無機の外添剤に加えて、その他の常用の外添剤、例えば、フッ素微粒子等、あるいは樹脂粒子、例えばアクリル微粒子等、を使用してもよい。さらに、このトナーは、前記した第1のトナーと同様に、トナーの帯電特性を制御する目的で、この技術分野において常用の電荷制御剤を有していてもよく、かつ各種の汎用のワックスを離型剤あるいはオフセット防止剤として有していてもよい(前記を参照)。なお、すでに説明してあるが、この第2のトナーを特にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスに使用する予定であるならば、フラッシュ定着時の昇華によってフィルタの目詰まりが発生するのを回避するため、ポリプロピレンワックスを使用するのが有利である。
【0078】
以上のトナーについての説明をまとめると、本発明の実施において、上記したような第2のトナーのトナー成分は、一般的に、トナーの全量を基準にして、下記の組成比:
エステル成分・クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂
50〜95重量%
ポリプロピレン樹脂 0.1〜5重量%
エステル型構造の樹脂 0〜10重量%
着色剤 0.1〜20重量%
電荷制御剤 1〜5重量%
ワックス 0〜5重量%
外添剤 0〜5重量%
で使用することができる。これらのトナー成分は、必要に応じて、上記した範囲よりも多くても、さもなければ少なくてもよい。また、第3のトナーは、上記したトナー成分に追加して、前記エステル成分を10重量%以上の量で含む樹脂を少なくとも、ポリエステル樹脂において含有するものである。
【0079】
本発明による電子写真用トナー(第1、第2及び第3のトナー)は、それぞれ、上記したようなトナー成分を出発物質として使用して、いろいろな手順に従って調製することができる。例えば、本発明のトナーは、バインダ樹脂、着色剤などを分散させた樹脂塊を粉砕、分級して作製する機械的粉砕法、着色剤を取り込みながらモノマーを重合させ、微粒子を作製する重合法などの公知の手法を使用して調製することができる。本発明のトナーは、好ましくは、機械的粉砕法に従って調製することができる。
【0080】
以下に記載のものに限定されるわけでもないけれども、第1のトナーは、好ましくは、次のような手順で有利に調製することができる。
【0081】
(1)材料の混合
バインダ樹脂(クロロホルム不溶分含有ポリエステル樹脂、ポリピロピレン樹脂及びエステル型構造の樹脂)、着色剤、電荷制御剤などを計量した後、粉体混合機で均一に混合する。粉体混合機としては、例えば、ボールミルなどを使用することができる。着色剤、電荷制御剤などが樹脂バインダ中に均一に分散せしめられる。
【0082】
(2)溶融混練
得られた混合物を加熱溶融させ、さらに混練する。スクリュー押出機(エクストルーダ)、ロールミル、ニーダなどを有利に使用することができる。着色剤粒子の微細化と均一分散などが達成される。
【0083】
(3)冷却固化
混練の完了後、得られた混練物を冷却し、固化させる。
【0084】
(4)粉砕
固化した混練物を先ず最初にハンマーミル、カッターミルなどの粗粉砕機で粗粉砕し、さらに続けて、ジェットミルなどの微粉砕機で微粉砕する。
【0085】
(5)分級
微粉砕の完了後、トナー流動性の低下、トナーの飛散を引き起こす微小粒子及び画質の低下を引き起こす粗大粒子を除去するため、得られた微粉砕粒子を分級する。分級装置としては、例えば、遠心力を利用した気流分級機を使用することができる。約0.5〜50μm、好ましくは約1〜15μmの平均粒径を有する球状のトナー微粉体が得られる。
【0086】
(6)表面処理
最終工程として、トナーの流動性の向上などの目的のため、得られたトナー微粉体の表面に疎水性シリカあるいは酸化チタン及び必要に応じてその他の外添剤を添加し、付着させてもよい。表面処理装置としては、例えば、高速流動型混合機を使用することができる。
【0087】
第2及び第3のトナーも、上記した第1のトナーの調製方法と同様な手順で有利に調製することができる。
【0088】
本発明のトナーは、磁性トナーでもよく、あるいは非磁性トナーでもよく、また、それを使用する現像方式は、キャリヤを併用する2成分方式でも、あるいはトナーのみを使用する1成分方式でもよい。高速プリンタ系においては、寿命等の観点から2成分方式を有利に使用することができる。
【0089】
2成分方式のトナーの場合、併用するキャリヤとしては、この技術分野においてはいろいろなキャリヤ材料、例えば鉄粉、フェライト粉などが公知である。しかし、本発明の実施に当たっては、より良好に現像を行うため、芯材にコーティングを施して得た材料をキャリヤとして有利に使用することができる。キャリヤの芯材としては、約65〜75emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料あるいはマンガン−マグネシウム(Mn−Mg)が最も好適である。高磁化(約200emu/g)の鉄粉やマグネタイト(約90emu/g)では、印字にスジが発生するものもあるが、画像濃度の確保の点からは好適の範疇に属することができる。また、磁化の弱い銅−亜鉛(Cu−Zn)系材料(約60emu/g)などでは、キャリヤ付着が発生しやすくなるという点で好適であるとは言えない。
【0090】
上記したようなキャリヤの芯材は、粒子の形態で使用することが好ましく、また、そのような芯材粒子の平均粒径は、好ましくは、20〜100μmの範囲であり、さらに好ましくは、60〜90μmの範囲である。芯材粒子の平均粒径が20μmを下回ると、キャリヤ粒子の分布において微粉系が多くなり、キャリヤ粒子1個当たりの磁化が低くなることの結果、キャリヤの飛散が発生する。反対に、芯材粒子の平均粒径が100μmを上回ると、比表面積が低下することの結果としてトナーの飛散が発生する。また、ベタ部分の多いフルカラー印字の場合には、ベタ部分の再現が特に悪くなる。
【0091】
キャリヤ芯材に被覆すべきコーティングは、好ましくは、樹脂コーティングであり、さらに好ましくは、シリコーン樹脂あるいは変性シリコーン樹脂のコーティングである。シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂は、キャリヤの長寿命に有効に貢献し得るからである。さらに、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、さもなければ、必要に応じて組み合わせて使用してもよい。さらに、より大きな長寿命化を達成するために、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂に対して追加の成分を添加してもよく、本発明ではそのようにすることが好ましい。適当な追加の成分としては、例えば、ニグロシン及びその錯体を挙げることができ、このような成分にさらにステアリン酸ソーダのような化合物を添加してもよい。
【0092】
シリコーン樹脂あるいは変性シリコーン樹脂のコーティングの量は、所望とする効果に応じて広く変更することができるというものの、通常、樹脂被覆した芯材の全量を基準にして0.1〜5.0重量%の範囲であり、好ましくは、0.15〜2.0重量%の範囲であり、さらに好ましくは、0.8〜1.5重量%の範囲である。樹脂コーティングの量が0.1重量%を下回ると、本発明に用いられるキャリヤ芯材の表面積指数の範囲(1.0〜2.1)では、キャリヤ表面に均一な樹脂コーティングを形成することができない。反対に、樹脂コーティングの量が5.0重量%を上回ると、樹脂コーティングが厚くなりすぎる結果、キャリヤ粒子どうしでの造粒が発生し、均一なキャリヤ粒子を得ることができなくなる傾向が発生する。
【0093】
キャリヤ芯材の表面に樹脂コーティングを施すことは、いろいろな技法に従って行うことができる。好ましくは、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂ならびに必要に応じて添加するニグロシン等の追加の成分を適当な溶剤に溶解させた後、得られた樹脂溶液を、例えば浸漬法、スプレー法、刷毛塗り法などによりキャリヤ芯材の表面に施すことができる。樹脂溶液の調製に使用することのできる溶剤は、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルセロソルブアセテートなどである。これらの溶剤は、単独で使用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。
【0094】
樹脂コーティングの形成が完了した後、乾燥により溶剤を蒸発させ、さらに続けて焼付を行う。焼付装置としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれであってもよく、例えば、固定式又は流動式の電気炉、ロータリー式の電気炉、バーナー炉などを使用することができる。また、マイクロウエーブを利用した焼付装置を使用してもよい。焼付温度としては、180〜300℃の温度が好ましく、さらに好ましくは、220〜280℃の温度である。焼付温度が180℃を下回ると、樹脂コーティングを十分に固化させることができず、反対に300℃を上回ると、樹脂そのものの一部が分解が発生し、その結果、樹脂の表面層が荒れ、均一な樹脂コーティングが得られなくなるおそれがある。
【0095】
本発明は、そのもう1つの面において、電子写真法により画像を形成する方法にある。この画像形成方法は、前記したように、(1)画像露光による静電潜像の形成、(2)静電潜像の現像による可視化、(3)可視化された画像の記録媒体への転写及び(4)転写された画像の定着の各工程を含むものであり、特に、
静電潜像の現像工程(2)において、本発明の電子写真用トナー(第1、第2又は第3のトナー)を含む現像剤を使用すること、及び
現像剤の使用により可視化されたトナー画像を記録媒体に転写した後に定着する工程(4)において、トナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用すること、
の2つを特徴としている。
【0096】
この本発明による画像形成方法は、従来より一般的に使用されている手順及び装置を使用して実施することができる。典型的な画像形成の手順は、例えば、次の通りである。
【0097】
感光体の帯電:
例えば感光体ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面に正又は負の均一な静電荷を与える。感光体としては、例えば、アモルファスシリコン、セレンなどの無機の感光体、あるいはポリシラン、フタロシアニンなどの有機の感光体を挙げることができる。
【0098】
感光体の露光(潜像形成):
一様帯電工程の完了後、様々な手段によって光導電性絶縁体に光像を照射することによってその絶縁体上の静電荷を部分的に消去して静電潜像を形成する。例えば、レーザ光を照射して、特定部分の表面電荷を消去することにより、画像情報に応じた静電潜像を光導電性絶縁体上に形成することができる。また、光導電性絶縁体の裏側から現像部に露光することで現像を行う、いわゆる「光背面方式」を採用してもよい。
【0099】
トナーによる潜像の現像:
次いで、光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分に本発明のトナー(現像剤)の微粉体を付着させ、潜像を可視化する。この現像の方式は、先にも説明したように、1成分方式及び2成分方式のいずれであってもよい。トナー像が得られる。
【0100】
トナー像の記録媒体への転写:
上記のようにして得られたトナー像を、印刷物となすため、一般的に、記録紙などの記録媒体に静電的に転写する。
【0101】
転写されたトナー像の定着:
記録媒体に静電的に転写されたトナー像を、フラッシュ定着方式により溶融定着させる。フラッシュ定着の条件は、広い範囲で変更することができるというものの、好ましくは、
フラッシュ光の発光エネルギー 0.5〜3.0J/cm2
発光時間 500〜3,000μs
の範囲である。ここで、特に発光エネルギー及び発光時間を規定しているのは、発光エネルギーが強く、発光時間が長すぎると、定着性の良好なトナーを用いたときに記録媒体としての用紙が燃えやすくなってしまうからである。なお、本発明の画像形成方法では、転写されたトナー像の定着のため、このフラッシュ定着方式に代えて、加熱ロール定着方式やその他の定着方式を採用しても、比較可能な作用効果を得ることができるであろう。
【0102】
【実施例】
以下、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、下記の実施例中の「部」は、特に断りのある場合を除いてすべて「重量部」を意味する。また、下記の第2表〜第4表のそれぞれに記載の各トナー成分及びキャリヤ成分の配合量も「重量部」である。
【0103】
例1
トナー1の調製:
下記の第2表にも記載するように、下記のトナー成分を記載の量で用意した。
【0104】
5重量%のクロロホルム不溶分を含有する
ポリエステル樹脂 84部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、
テレフタル酸及びトリメリト酸を主原料成分として調製、
ガラス転移温度62〜66℃、酸価:約20mgKOH /g、
花王製)
ポリプロピレン樹脂(重量平均分子量10,000、 2部
三井化学製、商品名「NP105」)
エステル型構造の樹脂(II)(次式参照、日本油脂製) 3部
【0105】
【化12】
Figure 0004389425
【0106】
着色剤:カーボン(三菱化学製、#25) 10部
帯電制御剤:スルホン酸ポリマー 1部
(保土谷化学製、商品名「T−95」)
【0107】
これらのトナー成分をヘンシェルミキサに投入して予備混合を行った後、160℃に加熱したエクストルーダにより溶融混練した。得られた混練物を冷却固化した後、ハンマーミルにて粗粉砕し、さらにジェットミルにて微粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が8.5μmの黒色の着色微粒子を得た。次いで、得られた微粒子に対して1.5部の疎水性シリカ微粒子(クラリアントジャパン製、商品名「H2000/4」)を添加し、ヘンシェルミキサにより外添処理を行った後、気流分級機で分級した。平均粒径8.5μmの黄色の球形トナー微粉体が得られた。以下、このトナー微粉体を「トナー1」と呼ぶ。
【0108】
例2
トナー2〜31の調製:
前記例1に記載の手法を繰り返して球形トナー微粉体を調製した。なお、本例では、下記の第2表及び第3表に記載するように、トナー成分の組み合わせ及び配合量を変更した。それぞれのトナーの変更点をまとめると、次の通りである。
【0109】
「トナー2」…
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 10重量%
「トナー3」…
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 20重量%
「トナー4」…
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 30重量%
「トナー5」…
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 3重量%
「トナー6」…
ポリエステル樹脂 85.5部
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 2重量%
ポリプロピレン樹脂 0.5部
「トナー7」…
ポリエステル樹脂 85.5部
ポリプロピレン樹脂 0.5部
「トナー8」…
ポリエステル樹脂 85.99部
ポリプロピレン樹脂 0.01部
「トナー9」…
ポリエステル樹脂 81部
ポリプロピレン樹脂 5部
「トナー10」…
ポリエステル樹脂 79部
ポリプロピレン樹脂 7部
「トナー11」…
ポリエステル樹脂 86部
エステル型構造の樹脂(II) 1部
「トナー12」…
ポリエステル樹脂 86.5部
エステル型構造の樹脂(II) 0.5部
「トナー13」…
ポリエステル樹脂 72部
エステル型構造の樹脂(II) 15部
「トナー14」…
ポリエステル樹脂 67部
エステル型構造の樹脂(II) 20部
「トナー15」…
エステル型構造の樹脂(III ) 3部
「トナー16」…
エステル型構造の樹脂(IV) 3部
「トナー17」…
ポリエステル樹脂 79部
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 10重量%
磁性粉(関東電化製、商品名「KEP−S」) 5部
「トナー18」…
ポリエステル樹脂 42部
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 10重量%
ポリエーテルポリオール樹脂(三井化学製) 42部
「トナー19」…
ポリエステル樹脂 42部
ポリエステル樹脂中のクロロホルム不溶分 10重量%
スチレンアクリル樹脂(三井化学製) 42部
「トナー20」…
ポリエステル樹脂 85部
マゼンタ顔料(大日精化製、商品名「ECR181」)10部
「トナー21」…
比較のエステル型構造の樹脂(V)(次式参照、 3部
日本油脂製)
【0110】
【化13】
Figure 0004389425
【0111】
「トナー22」…
比較のエステル型構造の樹脂(VI)(次式参照、 3部
日本油脂製)
【0112】
【化14】
Figure 0004389425
【0113】
「トナー23」…
モンタンワックス(クラリアント・ジャパン製、 3部
商品名「KP302」)
「トナー24」…
モンタンワックス(クラリアント・ジャパン製、
商品名「OP」) 3部
「トナー25」…
ポリエチレンワックス(数平均分子量900、 3部
三井化学製、商品名「100P」)
「トナー26」…
ポリエチレンワックス(クラリアント・ジャパン製、 3部
商品名「PE520」)
「トナー27」…
カルナバワックス(加藤洋行製) 3部
「トナー28」…
アマイドワックス(クラリアント・ジャパン製、 3部
商品名「9615A」)
「トナー29」…
ポリプロピレンワックス(数平均分子量4,000、 2部
三洋化成製、商品名「550P」)
「トナー30」…
ポリプロピレンワックス(数平均分子量3,000、 2部
三洋化成製、商品名「660P」)
「トナー31」…
ポリエチレンワックス(数平均分子量8,000、 3部
三井化学製、商品名「800P」)
【0114】
例3
キャリヤ1の調製:
平均粒径80μmのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)フェライト粒子(パウダーテック製)をキャリヤ芯材として用意し、この芯材の表面に流動床を用いて、ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物(オリエント化学工業製、商品名「N−11」)を含むシリコーン樹脂(固形分含有量:20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン製、商品名「SR2411」)を0.1重量%の被覆量でコーティングした。コーティングの完了後、250℃の温度で3時間にわたって焼付を行った。シリコーン樹脂被覆のMn−Srフェライトキャリヤが得られた。以下、このキャリヤを「キャリヤ1」と呼ぶ。
【0115】
例4
キャリヤ2〜12の調製:
前記例3に記載の手法を繰り返して樹脂被覆のキャリヤを調製した。なお、本例では、下記の第4表に記載するように、キャリヤ成分の芯材及びコート剤を変更した。それぞれのキャリヤの変更点をまとめると、次の通りである。
【0116】
「キャリヤ2」…
シリコーン樹脂 99.5部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 0.5部
「キャリヤ3」…
シリコーン樹脂 99部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 1部
「キャリヤ4」…
シリコーン樹脂 98部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 2部
「キャリヤ5」…
シリコーン樹脂 95部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 5部
「キャリヤ6」…
シリコーン樹脂 100部
「キャリヤ7」…
シリコーン樹脂 99部
ニグロシン(オリエンタル化学工業、 1部
商品名「EX」)
「キャリヤ8」…
シリコーン樹脂 99.5部
ニグロシン(オリエンタル化学工業、 0.5部
商品名「EX」)
「キャリヤ9」…
シリコーン樹脂 95部
ニグロシン(オリエンタル化学工業、 5部
商品名「EX」)
「キャリヤ10」…
シリコーン樹脂 99部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 1部
平均粒径80μmの 10,000部
Cu−Znフェライト粒子
「キャリヤ11」…
シリコーン樹脂 99部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 1部
平均粒径80μmのマグネタイト粒子 10,000部
「キャリヤ12」…
シリコーン樹脂 99部
ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物 1部
平均粒径80μmの鉄粉 10,000部
【0117】
例5
印字試験:
前記例1及び例2のそれぞれにおいて調製したトナー1〜31の定着性等の印字特性を評価するため、下記の手順で印字試験を実施した。
【0118】
それぞれのトナーを前記例4で調製したシリコーン樹脂被覆のキャリヤ3と混合し、トナー濃度4.5重量%の現像剤を調製した。
【0119】
フラッシュ定着機を内蔵した高速プリンタ装置(品番F6760D、富士通社製)を負帯電トナー用に改造した後、上記した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。プリンタ装置のプロセス速度は1200mm/秒であり、また、トナー消費量は約1kg/時間であった。
【0120】
それぞれの現像剤を用いた印字試験において、下記の4項目の特性に関して評価を行った。得られた結果を下記の第2表及び第3表に示す。
【0121】
(1)定着性
トナーの定着性は、剥離性及びこすり性の両面から評価した。
【0122】
(剥離性)
トナー印字の剥離処理に対する強さの程度により定着性の善し悪しを評価した。印字サンプルの印字面に加重600gでメンディングテープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、剥離した。テープの剥離後、印字面の印字濃度の変化を光学濃度計により測定し、印字濃度の変化が10%以下のものを「良好な定着性を有する(下記の表中、○で表示)」とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0123】
(こすり性)
トナー印字のこすり処理に対する強さの程度により定着性の善し悪しを評価した。印字サンプルの印字面に20g/cm2 の力で白紙を押し付けてこする操作を10回にわたって反復した。こすり作業の完了後、白紙のこすり面の汚れを目視により観察し、汚れのないものを「良好(○)」とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0124】
(2)耐ボイド性
印字サンプルの印字面を光学顕微鏡で観察し、ボイド(小さな白点)が認められなかったものを「良好な耐ボイド性を有する(○)」とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0125】
(3)トナーの粉砕性
トナーの調製時におけるトナーの粉砕性の善し悪しを、トナー粉砕時に発生する直径5μm以下のトナー微粉の量(平均の個数)で評価した。トナー微粉の数が平均で10%以下のものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0126】
(4)プリンタ汚染性(フラッシュ定着機のフィルタの目詰まり)
10万枚の連続印刷が完了した後、使用したフラッシュ定着機のフィルタの目詰まりの状態を目視により観察した。少しの目詰まりのないものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0127】
【表2】
Figure 0004389425
【0128】
【表3】
Figure 0004389425
【0129】
【表4】
Figure 0004389425
【0130】
上記した第2表及び第3表に記載の結果から理解されるように、本発明に従うと、フラッシュ定着方式において優れて良好な印字特性を具現することのできる電子写真用トナーを得ることができる。
【0131】
例6
連続印字試験:
前記例3及び例4のそれぞれにおいて調製した樹脂被覆キャリヤ1〜12の印字特性を評価するため、下記の手順で連続印字試験を実施した。
【0132】
前記例1で調製したトナー1を樹脂被覆キャリヤ1〜12のそれぞれと混合し、トナー濃度4.5重量%の現像剤を調製した。フラッシュ定着機を内蔵した高速プリンタ装置(品番F6760D、富士通社製)を負帯電トナー用に改造した後、上記のようにして調製した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。プリンタ装置のプロセス速度は1200mm/秒であり、また、トナー消費量は約1kg/時間であった。
【0133】
それぞれのトナーの印字試験において、下記の6項目の特性に関して評価を行った。得られた結果を下記の第4表に示す。
【0134】
(1)初期印字
印字の初期段階で、得られた印字サンプルの印字状態の善し悪しを目視により評価した。満足のいく印字が行われているものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0135】
(2)キャリヤの付着
プリンタ汚染の評価のため、プリンタ装置の内部におけるキャリヤの付着の有無を目視により観察した。少しのキャリヤ付着も認められないものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0136】
(3)キャリヤの寿命
連続して印刷を行って、途中でキャリヤの寿命がつきた枚数を記録した。単位は、万枚である。
【0137】
(4)キャリヤ寿命時の問題点
キャリヤの寿命がつきるまで連続して印刷を行って、寿命時の印字濃度の状態やかぶりの状態を観察し、記録した。
【0138】
(5)キャリヤの初期帯電量
キャリヤの初期帯電量(μC/g)を測定し、記録した。
【0139】
(6)キャリヤの寿命時帯電量
キャリヤの寿命時帯電量(μC/g)を測定し、記録した。
【0140】
【表5】
Figure 0004389425
【0141】
上記した第4表に記載の結果から理解されるように、本発明に従い調製した特定のシリコーン樹脂被覆のキャリヤを使用した場合には、その他の常用の樹脂被覆キャリヤを使用した場合に比較して優れて良好な連続印字結果を得ることができる。
【0142】
例えば、キャリヤ磁力の高いマグネタイトや鉄粉を芯材に使用した樹脂被覆キャリヤでは、印字にすじ(はけすじ)が発生し、初期の段階においてしか満足のいく印字を行うことができなかった。また、低磁力の銅−亜鉛フェライトを芯材に使用した樹脂被覆キャリヤでは、キャリヤ付着に原因した印字抜けが発生したため、同じく初期の段階においてしか満足のいく印字を行うことができなかった。
【0143】
これに対して、ニグロシン錯体とステアリン酸ソーダの混合物をシリコーン樹脂に添加したものをコート剤として使用して調製した樹脂被覆キャリヤを使用した場合には、上記の第4表にも示されるように帯電量の経時変化がなく、したがって、安定した印字を長期にわたって実現することができた。
【0144】
例7
バインダ樹脂1〜13の調製:
下記の第5表に記載するように、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(アルコール成分として)、テレフタル酸又はイソフタル酸(酸成分として)及びトリメリト酸(架橋成分として)をエステル化触媒及び分子量分布を異にするエステル成分(1)〜(5)のいずれか1つとともにガラス製のフラスコに入れ、220℃で3時間、240℃で3時間、そしてさらに同温度(240℃)で減圧して2時間反応させることによって13種類のバインダ樹脂を調製した。なお、本例で使用したエステル成分(1)〜(5)は、質量分析装置(日本電子製、商品名「SX102A」)を用いてピーク高の比率から求めたところ、下記の第6表にまとめたような分子量分布を有していた。
【0145】
【表6】
Figure 0004389425
【0146】
【表7】
Figure 0004389425
【0147】
【表8】
Figure 0004389425
【0148】
例8
トナー32の調製:
下記の第7表にも記載するように、下記のトナー成分を記載の量で用意した。
【0149】
バインダ樹脂1(例7で調製) 87部
ポリプロピレン樹脂(重量平均分子量10,000、 1部
三井化学製、商品名「NP105」)
着色剤:カーボン(三菱化学製、品番#25) 10部
帯電制御剤:スルホン酸ポリマー 2部
(オリエント化学製、商品名「N−01」)
【0150】
これらのトナー成分をヘンシェルミキサに投入して予備混合を行った後、160℃に加熱したエクストルーダにより溶融混練した。得られた混練物を冷却固化した後、ハンマーミルにて粗粉砕し、さらにジェットミルにて微粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が8.5μmの黒色の着色微粒子を得た。次いで、得られた微粒子に対して1.5部の疎水性シリカ微粒子(クラリアントジャパン製、商品名「H2000/4」)を添加し、ヘンシェルミキサにより外添処理を行った後、気流分級機で分級した。平均粒径8.5μmの黒色の球形トナー微粉体が得られた。以下、このトナー微粉体を「トナー32」と呼ぶ。
【0151】
トナー33〜トナー55の調製:
下記の第7表に記載するようにトナー成分の組み合わせ及び配合量を変更した違いを除いて、上記トナー32の調製と同様な手法に従って23種類の球形トナー微粉体を調製した。なお、「トナー成分」の欄に記載の「エステル(1)」とは、エステル型構造の樹脂として添加された、前記エステル成分(1)に由来するポリエステル樹脂である。
【0152】
例9
キャリヤ13の調製:
平均粒径80μmのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)フェライト粒子(パウダーテック製)をキャリヤ芯材として用意し、この芯材の表面に流動床を用いて、シリコーン樹脂(固形分含有量:20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン製、商品名「SR2411」)を0.1重量%の被覆量でコーティングした。コーティングの完了後、250℃の温度で3時間にわたって焼付を行った。シリコーン樹脂被覆のMn−Srフェライトキャリヤが得られた。以下、このキャリヤを「キャリヤ13」と呼ぶ。
【0153】
例10
印字試験:
前記例8において調製したトナー32〜55の定着性等の印字特性を評価するため、前記例5に記載した印字試験と同様な手順で印字試験を実施した。
【0154】
それぞれのトナーを前記例9で調製したシリコーン樹脂被覆のキャリヤ13と混合し、トナー濃度4.5重量%の現像剤32〜55(下記の第7表を参照されたい)を調製した。
【0155】
フラッシュ定着機を内蔵した高速プリンタ装置(品番F6760D、富士通製)を負帯電トナー用に改造した後、上記した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。プリンタ装置のプロセス速度は1200mm/秒であり、また、トナー消費量は約1kg/時間であった。
【0156】
それぞれの現像剤を用いた印字試験において、下記の4項目の特性に関して評価を行った。得られた結果を下記の第7表に示す。
【0157】
(1)定着性(剥離性)
トナー印字の剥離処理に対する強さの程度により定着性の善し悪しを評価した。印字サンプルの印字面に加重600gでメンディングテープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、剥離した。テープの剥離後、印字面の印字濃度の変化を光学濃度計により測定し、印字濃度の変化が15%以下のものを「許容可能な定着性を有する(下記の表中、△で表示)」とし、10%以下のものを「良好な定着性を有する(○)」とし、5%以下のものを「非常に良好な定着性を有する(◎)」とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0158】
(2)耐ボイド性
印字サンプルの印字面を光学顕微鏡で観察し、僅かではあるがボイド(小さな白点)が認められたものを「許容可能な耐ボイド性を有する(△)」とし、ボイドが認められなかったものを「良好な耐ボイド性を有する(○)」とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0159】
(3)トナーの粉砕性
トナーの調製時におけるトナーの粉砕性の善し悪しを、トナー粉砕時に発生する直径5μm以下のトナー微粉の量(平均の個数)で評価した。トナー微粉の数が平均で15%以下のものを「可(△)」、トナー微粉の数が平均で10%以下のものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0160】
(4)プリンタ汚染性(フラッシュ定着機のフィルタの目詰まり)
10万枚の連続印刷が完了した後、使用したフラッシュ定着機のフィルタの目詰まりの状態を目視により観察した。僅かではあるが目詰まりが認められたものを「可(△)」、少しの目詰まりもないものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0161】
【表9】
Figure 0004389425
【0162】
【表10】
Figure 0004389425
【0163】
【表11】
Figure 0004389425
【0164】
例11
連続印字試験:
前記例8で調製した現像剤32、37〜43及び46の寿命特性を評価するため、下記の手順で連続印字試験を実施した。
【0165】
それぞれの現像剤に対応するトナーを樹脂被覆キャリヤ13と混合し、トナー濃度4.5重量%の現像剤を調製した。フラッシュ定着機を内蔵した高速プリンタ装置(品番F6760D、富士通製)を負帯電トナー用に改造した後、上記のようにして調製した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書パターンを連続印刷した。プリンタ装置のプロセス速度は1200mm/秒であり、また、トナー消費量は約1kg/時間であった。
【0166】
それぞれの現像剤の印字試験において、下記の5項目の特性に関して評価を行った。得られた結果を下記の第8表に示す。
【0167】
(1)現像剤の寿命
連続して印刷を行って、途中で現像剤の寿命がつきた枚数を記録した。単位は、万枚である。なお、現像剤の寿命がつきたことは、帯電変化が初期に対して50%以上になった時をもって決定した。
【0168】
(2)寿命の判定
現像剤の寿命がつきるまでの枚数の大小で寿命を判定した。現像剤の寿命が150万枚以上であるものを「優秀(◎)」、100万枚以上であるものを「良好(○)」、それ以外のものを「不良(×)」とした。
【0169】
(3)現像剤の寿命時の問題点
現像剤の寿命がつきるまで連続して印刷を行って、寿命時の印字濃度の状態やカブリの状態を観察し、記録した。
【0170】
(4)現像剤の初期帯電量
現像剤の初期帯電量(μC/g)を測定し、記録した。
【0171】
(5)現像剤の寿命時帯電量
現像剤の寿命時帯電量(μC/g)を測定し、記録した。
【0172】
【表12】
Figure 0004389425
【0173】
上記した第7表及び第8表に記載の結果から理解されるように、本発明に従いポリエステル樹脂の分子中にエステル成分を導入した場合には、定着性や耐ボイド性の向上には非常に効果があるが、エステル成分を導入しない場合と比較して、寿命が短くなる傾向がある。この傾向は、エステル成分の分子量が小さいこと及びそれを導入した場合にポリエステル樹脂との相溶性が悪いことに原因して、トナー化の際に分散が困難なため、キャリヤへのフィルミングが発生しているためであると考察される。そのため、ポリエステル樹脂中にエステル成分を添加(内添)した場合、長寿命化に効果があることが確認できる。これは、ポリエステル樹脂への相溶性が向上したことで、分散性が向上し、キャリヤへのフィルミングの阻止に効果があったためであろう。
【0174】
産業上の利用の可能性
以上に説明したように、本発明の電子写真用トナーは、優れたトナー定着強度を実現するとともに、フラッシュ定着に特有のボイドの発生や定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑制することができ、トナー成分の昇華による装置の汚染や脱煙脱臭フィルタの目詰まりがなく、効率良く安定して製造でき、また、長期にわたって安定である。また、この電子写真用トナーは、特にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスに使用するのに最適である。本発明のトナーを使用すると、従来のトナーでフラッシュ定着の際に発生した発煙を防止することができるので、発煙に伴う悪臭等の不快感を排除し、フィルタ交換などの煩雑な作業をなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される、前式(I)により表されるエステル型構造の樹脂の、分子量とイオン化効率の関係をプロットしたグラフである。

Claims (22)

  1. 転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
    前記バインダ樹脂が、少なくとも一部にクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂であり、そして
    前記トナーが、
    ポリプロピレン樹脂、及び
    次式(I)により表されるエステル型構造の樹脂:
    Figure 0004389425
    (上式において、p、q、m及びnは、それぞれ、16〜22の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)
    を含んでいることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記エステル型構造の樹脂(I)が、次式(II):
    Figure 0004389425
    (上式において、p、q、m及びnは、それぞれ、前記定義に同じである)により表されかつ1,350〜1,450の重量平均分子量を有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記ポリプロピレン樹脂の数平均分子量が少なくとも5,000以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  4. 前記エステル型構造の樹脂(I)は、質量分析による分子量分布において、1,200〜1,500の範囲の分子量分布を有する成分を主体にして構成されていて、その範囲において1つのピークを有しており、そして、イオン化効率で、分子量1,420〜1,430の成分が45%以上、かつ分子量1,350以下の低分子量成分が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記ポリエステル樹脂のクロロホルム不溶分が、トナーの全量を基準にして50〜95重量%の量で含まれ、前記ポリプロピレン樹脂が、トナーの全量を基準にして0.1〜5重量%の量で含まれ、そして前記エステル型構造の樹脂(I)が、トナーの全量を基準にして0.5〜15重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  6. 画像露光による静電潜像の形成、静電潜像の現像による可視化、可視化された画像の記録媒体への転写及び転写された画像の定着の各工程を含む電子写真法により画像を形成する方法において、
    前記静電潜像の現像工程において、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用トナーを含む現像剤を使用し、かつ
    前記現像剤の使用により可視化されたトナー画像を前記記録媒体に転写した後に定着する工程において、トナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用することを特徴とする画像形成方法。
  7. 前記現像剤が2成分系現像剤であり、前記電子写真用トナーと組み合わせて、芯材の表面に樹脂コーティングを施したキャリヤを含むことを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 前記樹脂コーティングを施したキャリヤが、ドープされたマンガン及び(又は)ドープされたストロンチウムをキャリヤ芯材として有し、その表面にシリコーン樹脂を主成分とするコート剤が被覆されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記フラッシュ定着工程において、フラッシュ光の発光エネルギーが0.5〜3.0J/cm2 でありかつ発光時間が500〜3,000μsであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
    前記バインダ樹脂が、
    次式(XI)により表されるエステル成分:
    Figure 0004389425
    (上式において、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、16〜30の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂であることを特徴とする電子写真用トナー。
  11. 前記エステル成分(XI)が、次式(XII ):
    Figure 0004389425
    (上式において、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、前記定義に同じである)により表されかつ1,200〜2,200の重量平均分子量を有していることを特徴とする請求項10に記載の電子写真用トナー。
  12. 前記エステル成分(XII )が、次式(VIII):
    Figure 0004389425
    により表されることを特徴とする請求項11に記載の電子写真用トナー。
  13. 前記エステル成分(XI)が、前記ポリエステル樹脂の重合反応工程で導入されたものであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真用トナー。
  14. 前記ポリエステル樹脂において、前記エステル成分(XI)が、トナーの全量を基準にして、0.1〜10重量%の量で含まれ、かつ前記クロロホルム不溶分が、トナーの全量を基準にして、3〜20重量%の量で含まれることを特徴とする請求項10に記載の電子写真用トナー。
  15. 前記ポリエステル樹脂において、前記エステル成分(XI)が、質量分析による分子量分布において、1,200〜2,200の範囲の分子量分布を有する成分を主体にして構成されていて、その範囲において少なくとも1つの最大ピークを有しており、そしてその最大ピークのイオン化率が全体の45%以上であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真用トナー。
  16. ポリプロピレン樹脂を、トナーの全量を基準にして0.1〜5重量%の量で含むことを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の電子写真用トナー。
  17. 前記ポリプロピレン樹脂の数平均分子量が少なくとも5,000以上であることを特徴とする請求項16に記載の電子写真用トナー。
  18. 転写されたトナー像の定着にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プロセスで使用するものであって、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーにおいて、
    前記バインダ樹脂が、次式(XI)により表されるエステル成分:
    Figure 0004389425
    (上式において、p’、q’、m’及びn’は、それぞれ、16〜30の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)を含み、少なくともクロロホルム不溶分を有するポリエステル樹脂でありかつ
    前記ポリエステル樹脂において、前記エステル成分(XI)を10重量%以上の量で含有する樹脂が少なくとも含まれることを特徴とする電子写真用トナー。
  19. 画像露光による静電潜像の形成、静電潜像の現像による可視化、可視化された画像の記録媒体への転写及び転写された画像の定着の各工程を含む電子写真法により画像を形成する方法において、
    前記静電潜像の現像工程において、請求項10〜18のいずれか1項に記載の電子写真用トナーを含む現像剤を使用し、かつ
    前記現像剤の使用により可視化されたトナー画像を前記記録媒体に転写した後に定着する工程において、トナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用することを特徴とする画像形成方法。
  20. 前記現像剤が2成分系現像剤であり、前記電子写真用トナーと組み合わせて、芯材の表面に樹脂コーティングを施したキャリヤを含むことを特徴とする請求項19に記載の画像形成方法。
  21. 前記樹脂コーティングを施したキャリヤが、ドープされたマンガン及び(又は)ドープされたストロンチウムをキャリヤ芯材として有し、その表面にシリコーン樹脂を主成分とするコート剤が被覆されていることを特徴とする請求項20に記載の画像形成方法。
  22. 前記フラッシュ定着工程において、フラッシュ光の発光エネルギーが0.5〜3.0J/cm2 でありかつ発光時間が500〜3,000μsであることを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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