JP5370123B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナーに関する。
近年、電子写真法による画像形成装置の省エネルギー化へのニーズが高まり、低温定着が可能なトナーの開発が進められている。
低温定着を実現するためには、低温の定着温度でトナー中の結着樹脂及び離型剤を溶融させる必要がある。そのため、トナー中の結着樹脂や離型剤として溶融粘度の低いものが一般的に用いられることが多い。
定着温度のさらなる低温化に対応するため、融点がより低い離型剤が用いられたトナーが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、低温定着化を進めるとトナーが溶融しやすくなり、両面印刷によってトナー画像が定着処理された用紙を重ねたときに、一方の用紙上のトナー画像が、接触した他方の用紙上のトナー画像を汚染するドキュメントオフセットが発生するという問題があった。そこで、ドキュメントオフセットが生じないトナーも開発されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、低温定着が可能なトナーにおいては、トナー画像の光沢が良好となる傾向があるものの、光沢ムラも多くなる。そこで、光沢の均一化と低温定着化の両立を図ったトナーも開発されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−162778号公報 特開2006−133749号公報 特開2007−114648号公報 特開2008−191652号公報
しかしながら、ドキュメントオフセット性、光沢の均一性については、未だ十分ではない。
本発明の課題は、光沢の均一化及びドキュメントオフセットの防止が可能なトナーを提供することである。
本発明の一の態様によれば、
少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、
前記離型剤は下記一般式(1)で表わされる化合物を1種または2種以上含有する。
一般式(1): R−(COO−R
〔上記一般式(1)に示すRは、炭素数2〜8の環状構造を有してもよい連結基であり、ヒドロキシ基、脂肪酸エステル基を有してもよい。
一般式(1)に示すRは炭素数がそれぞれN、(N−2)または(N−4)のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていてもよい。Nは10以上30以下の自然数であり、nは3以上4以下の自然数である。〕
そして、前記離型剤において、炭素数NのRを全Rの質量に対し80〜97質量%、炭素数(N−2)のRを全Rの質量に対し0.0〜7.8質量%、炭素数(N−4)のRを全Rの質量に対し3.0〜13.0質量%含む。ただし、炭素数(N−4)のRが炭素数(N−2)のRより1.5質量%以上多く含有される。
本発明のトナーによれば、光沢の均一性に優れる画像が得られるとともに、ドキュメントオフセット性に優れたトナーを提供できる。メカニズムを明らかにすることは困難であるが、従来のトナーに用いられる離型剤であれば、工業的精製により炭素数(N−2)のアルキル基が炭素数(N−4)のアルキル基よりも多く含有される。本発明においては、作為的に炭素数(N−2)のアルキル基の含有率を炭素数(N−4)のアルキル基よりも減らすことによって上記の効果が得られることを見出し、発明を完成するに至った。本発明のトナーに用いられる離型剤は、R基の炭素数分布を特定の範囲に制御することによって、定着処理後、トナーによって用紙に形成された画像において冷却に伴う離型剤の結晶化を抑制し、光沢が均一になったと推察される。
以下、本発明のトナーについて説明する。
〈トナー〉
本発明のトナーは、少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記離型剤は下記一般式(1)で表わされる化合物を1種または2種以上含有する。
一般式(1): R−(COO−R
〔上記一般式(1)に示すRは、炭素数2〜8の環状構造を有してもよい連結基であり、ヒドロキシ基、脂肪酸エステル基を有してもよい。
一般式(1)に示すRは炭素数がそれぞれN、(N−2)または(N−4)のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていてもよい。Nは10以上30以下の自然数であり、nは3以上4以下の自然数である。〕
そして、前記離型剤において、炭素数NのRを全Rの質量に対し80〜97質量%、炭素数(N−2)のRを全Rの質量に対し0.0〜7.8質量%、炭素数(N−4)のRを全Rの質量に対し3.0〜13.0質量%含む。ただし、炭素数(N−4)のRが炭素数(N−2)のRより1.5質量%以上多く含有される。なお、本発明に係るトナーはコアシェル構造を有することとしてもよい。
(樹脂)
本発明に係るトナーに用いる樹脂は特に限定されるものではない。下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。さらには、ポリエステル樹脂も使用することができる。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これら重合性単量体を単独或いは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレン或いはスチレン誘導体
例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンが挙げられる。
(2)メタクリル酸エステル誘導体
例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルが挙げられる。
(3)アクリル酸エステル誘導体
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルが挙げられる。
(4)ビニルエステル類
例えば、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等である。
(5)ビニルエーテル類
例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等である。
(6)ビニルケトン類
例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等である。
(7)その他
例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
また、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。特に、弱アルカリ性を有する着色剤を用いた場合、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を側鎖に有する単量体を使用すれば、樹脂中での分散性をより向上させることができ、好ましい。
具体的には、カルボキシル基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸等が挙げられる。また、スルフォン酸基を有する単量体としては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等が挙げられる。リン酸基を有する単量体としてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。多官能性ビニル類の具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
さらには、下記に示す非結晶性ポリエステル樹脂も使用することができる。
本発明において用いられる非結晶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非結晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、前記非結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。また、非結晶性ポリエステル樹脂は、1種の非結晶性ポリエステル樹脂でも構わないが、2種以上の非結晶性ポリエステル樹脂の混合であっても構わない。
非結晶性ポリエステル樹脂における多価アルコール成分としては、例えば2価のアルコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等を用いることができる。
また、上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式カルボン酸類;及びこれらの酸の低級アルキルエステル、酸無水物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることができる。
これら多価カルボン酸の中でも、特にアルケニルコハク酸もしくはその無水物を用いると、他の官能基に比べ疎水性の高いアルケニル基が存在することにより、より容易に結晶性ポリエステル樹脂と相溶することができる。アルケニルコハク酸成分の例としては、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸又はこれらの酸無水物、酸塩化物、炭素数1〜3の低級アルキルエステルを挙げることができる。
更に、3価以上のカルボン酸を含有することにより、高分子鎖が架橋構造をとることができ、該架橋構造をとることにより、高温域における弾性率の低下を抑制することができ、高温域でのオフセット性を向上させることができる。
上記3価以上のカルボン酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸や1,2,5−ベンゼントリカルボン酸等のトリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又はこれらの酸無水物、酸塩化物、炭素数1〜3の低級アルキルエステル等が挙げられるが、トリメリット酸が特に好適である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、樹脂粒子の分散液を作製する際に、ジカルボン酸成分がスルホン酸基を有していれば、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁することも可能である。
上記の理由から、非結晶性ポリエステル樹脂にはアルケニルコハク酸及びその無水物のうちの少なくとも1種と、トリメリット酸及びその無水物のうちの少なくとも1種と、を含んで反応させた成分が含有されることが望ましいが、その成分は結晶性ポリエステル樹脂との相溶化及び結晶性ポリエステル樹脂の固定化に主要な役割を果たす、非結晶性ポリエステル樹脂の高分子量成分に含まれることが望ましい。
(着色剤)
着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に用いることができる。また、数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
黒の着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックの他、マグネタイト、フェライト等の磁性粉を用いることができる。
カラー用の着色剤としては、マゼンタ(又はレッド)、イエロー(又はオレンジ)、シアン(又はグリーン)等の着色剤を使用することができ、従来知られている顔料や染料を用いることができる。マゼンタ着色剤としては、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222等の顔料やC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122等の染料をあげることができ、イエロー着色剤として、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43等の顔料やC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82,同93、同98、同103、同104、同112、同162の染料をあげることができ、シアン着色剤として、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、C.I.ピグメントグリーン7等の顔料やC.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95等の染料をあげることができる。また、これらを混合してもよい。
これら着色剤の添加量は、トナー中に3〜10質量%、好ましくは4〜8質量%である。
(離型剤)
本発明に係るトナーに用いられる離型剤は、下記一般式(1)で表わされる化合物を1種または2種以上含有する。
一般式(1): R−(COO−R
〔上記一般式(1)に示すRは、炭素数2〜8の環状構造を有してもよい連結基であり、ヒドロキシ基、脂肪酸エステル基を有してもよい。
一般式(1)に示すRは炭素数がそれぞれN、(N−2)または(N−4)のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていてもよい。Nは10以上30以下の自然数であり、nは3以上4以下の自然数である。〕
そして、前記離型剤において、炭素数NのRを全Rの質量に対し80〜97質量%、炭素数(N−2)のRを全Rの質量に対し0.0〜7.8質量%、炭素数(N−4)のRを全Rの質量に対し3.0〜13.0質量%含む。ただし、炭素数(N−4)のRが炭素数(N−2)のRより1.5質量%以上多く含有される
上記一般式(1)により示される化合物を1種または2種以上含有する離型剤は、多価カルボン酸とモノアルコールをエステル反応させることにより得られる。
カルボン酸成分としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、オキシ多価カルボン酸類、テトラカルボキシメタン、ピロメリット酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等が挙げられる。ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等が挙げられる。また、トリカルボン酸としては、例えばトリメリット酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、プロパ−1−エン−1,2,3−トリカルボン酸が挙げられる。オキシ多価カルボン酸類としては、例えばリンゴ酸、酒石酸等のオキシジカルボン酸類、クエン酸、イソクエン酸等のオキシトリカルボン酸類が挙げられる。
一般式(1)のRは、Rと結合したエステル基を構成する炭素原子に結合する連結基であり、前記エステル基を構成する炭素原子と連結基Rを構成する炭素原子は共有結合している。
一般式(1)のRは、エステル結合されたモノアルコール成分のアルキル基に由来する。前記離型剤において、炭素数NのRが全Rの質量に対し80〜97質量%、炭素数(N−2)のRが全Rの質量に対し0.0〜7.8質量%、炭素数(N−4)のRが全Rの質量に対し1.0〜13.0質量%となるような炭素数のモノアルコールを、多価カルボン酸の酸成分に対して添加し、エステル化反応を完結させることにより、一般式(1)に示される離型剤を得ることができる。
ここで、各炭素数のRの質量比は、一般式(1)で示される離型剤であるエステル化合物を加水分解し、得られたモノアルコール成分をGPC、液体クロマトグラフィー、質量分析計等を用いた定法で分析し、算出することができる。別途、市販のモノアルコール試薬を標品として分析し、算出することも可能である。
基は、ドキュメントオフセット性を向上させるため、直鎖アルキル基であることが好ましい。
通常、天然脂肪酸等の成分を原料とした場合、炭素数(N−4)のモノアルコール成分が、炭素数(N−2)のモノアルコール成分より多く含有されることはないので、反応前のアルコール比率を調整するか、或いはアルコール成分の炭素数の異なるエステル化合物を配合することにより、上記一般式(1)に示す離型剤が得られる。
また、ドキュメントオフセット性を向上させるため、一般式(1)で示される化合物を1種以上含有する離型剤に、エステル化されていない炭素数Nのモノアルコールを2〜15%含有することが好ましく、さらに好ましくは3〜8%である。炭素数Nのモノアルコールは、エステル合成後、溶融状態の一般式(1)の化合物に溶解させてもよく、エステル合成時に当量以上仕込んで残存させてもよい。
一般式(1)においてNは10〜30とされるが、低温定着性及びドキュメントオフセット性のバランスをさらに良好とするためには、Nは12〜26とすることが好ましい。
一般式(1)で示される化合物を1種以上含有する離型剤は、各炭素数N、N−2、N−4のR基が全Rの質量に対し一般式(1)で定義された含有率で含有されていればよく、下記式(1a)〜(1c)に示すように各炭素数N、N−2、N−4のR基のみからなるエステル化合物の混合物であってもよいし、下記式(1d)、(1e)、(1f)に示すように炭素数が異なるR基が混在するエステル化合物単独を含有するものであっても、混合物であってもよい。また、下記式(1a)〜(1f)で示されるエステル化合物の混合物であってもよい。
Figure 0005370123
上記式(1a)〜(1f)において、R2(N)は炭素数Nのアルキル基、R2(N−2)は炭素数N−2のアルキル基、R2(N−4)は炭素数N−4のアルキル基を示している。
下記式は一般式(1)により示される化合物の例示化合物を示す。当該例示化合物は、主炭素数Nのアルキル基をR基とするエステル化合物の一例であり、これに限定されるものではない。
Figure 0005370123
Figure 0005370123
(荷電制御剤)
本発明のトナーには帯電を安定化させるため、或いは帯電立ち上がりを向上させるために、荷電制御剤を添加してもよい。
荷電制御剤としては従来公知の荷電制御剤を使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体等を挙げることができる。金属錯体として使用される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Ni等があげられる。荷電制御剤として特に好ましいのはサリチル酸誘導体の金属錯体化合物である。荷電制御剤の含有量は、トナー全体の0.1〜20質量%である。
(外添剤)
流動性やクリーニング性、さらには帯電性を改良するため、本発明のトナーに外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、無機粒子、有機微粒子、滑剤等が挙げられる。
無機粒子は小径のものや大径のものがあり、小径(一次粒子径が約7〜25nm)のものとしてはシリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム等が挙げられ、流動性及び帯電性の向上を図ることができる。大径(一次粒子径が約0.1〜1μm)のものとしては、球形シリカ、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸化合物、酸化チタン、ヒドロキシタルサイトが好ましく、転写性、クリーニング性を向上することができる。何れの無機粒子もシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。
〈トナーの製造方法〉
本発明に係るトナーは、粉砕法、懸濁重合法、乳化会合法等の公知の製造方法により製造することができる。
以下、本発明に係るトナーの製造方法の一例として、乳化会合法による、コアシェル構造を持つトナーの製造方法を示す。
(1)コア用樹脂粒子乳化工程
この工程では、トナーのコア部となる粒子を製造する。まず、コア部の結着樹脂となる樹脂粒子を乳化する。乳化した樹脂粒子は30〜300nmであることが好ましい。例えば、重合性の単量体を乳化、分散し、重合開始剤を添加して重合反応を進行させることにより、コア用樹脂粒子の分散液を調製する。重合反応を使用せず、樹脂及び必要に応じて離型剤や着色剤を溶媒中に溶解或いは分散させた後に水系媒体中に分散、脱溶剤して樹脂粒子を調整することもできる。このとき、重合性単量体又は樹脂溶液に一般式(1)で示される離型剤を溶解させて乳化(分散)液を調製すると、トナー粒子が完成した後に離型剤粒子が脱離して、画像形成装置の部材を汚染することを抑制できるので好ましい。
(2)凝集・融着工程
上記コア用樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を添加するとともに、必要に応じて離型剤粒子の分散液を添加する。次いで、凝集剤を添加し、水系媒体中でコア用樹脂粒子と着色剤粒子、離型剤が添加されている場合にはさらに添加された離型剤粒子を凝集、融着させてコア粒子を形成する。凝集と融着の一連の工程を会合工程と呼ぶことがある。
凝集・融着の方法としては、塩析融着法が好ましい。塩析融着法は、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径までコア粒子が成長したところで凝集の停止剤を添加し、粒子成長を停止させる方法である。この方法では、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱が継続して行われる。
コア粒子の大きさとしては、体積基準のメジアン径で3〜10μmが好ましく、特に好ましいのは3〜7nmである。コア粒子の体積基準のメジアン径は、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」
を搭載したコンピュータシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、試料0.02gを、界面活性剤溶液20ml(試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、試料の分散液を作製する。作製した分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器の表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定器において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径とする。
水系媒体とは、主成分(50%質量以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、凝集・融着工程の後、熟成工程を経ることとしてもよい。
具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして粒子間の融着の進行を抑制しコア粒子の均一化を図る。その後、熟成工程において加熱温度を低めに、かつ時間を長くしてコア粒子の表面が均一形状となるよう制御する。
(3)シェル化工程
シェル化工程では、コア粒子の分散液中に、シェル用樹脂粒子の分散液を添加する。当該分散液は公知のトナー用結着樹脂粒子と同組成の樹脂粒子の分散液でよく、コア用樹脂粒子と同じ樹脂粒子の分散液でもよい。ただし、耐熱保存性と低温定着性を両立するためには、コア用樹脂粒子よりガラス転移点が5℃から25℃高めに共重合比を設定することが好ましい。
シェル化工程では、シェル用樹脂粒子がコア粒子表面で融着し、コア粒子表面全体を覆うシェル層を薄く形成することが可能となる。
(4)冷却・洗浄工程
冷却・洗浄工程では、シェル化により得られたトナー粒子の分散液を、例えば1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。所定温度まで冷却すると、冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離する。固液分離は遠心分離の他、ヌッチェ等を用いた減圧濾過、フィルタープレス等を用いた濾過等、何れの方法でもよい。次いで、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状のトナー粒子をケーキのような円筒形状に整えたもの)を洗浄し、界面活性剤や塩析剤等の付着物を除去する。
(5)乾燥工程
乾燥工程では、洗浄されたトナーケーキを乾燥処理する。乾燥処理には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができる。乾燥されたトナー粒子の水分は、5%質量以下であることが好ましく、さらに好ましくは2%質量以下である。
(6)外添処理工程
外添処理工程では、乾燥によって得られたトナー粒子に外添剤を混合し、静電荷現像用トナーを得る。
〈現像剤の作製〉
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、何れも好適に使用することができる。
本発明のトナーにおいては、キャリアと混合する二成分現像剤として使用する場合は、キャリアに対するトナーフィルミング(キャリア汚染)の発生を抑制することができ、一成分現像剤として使用する場合は、現像装置の摩擦帯電部材に対するトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等を使用することができる。
〈画像形成方法〉
以上のトナーは、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。画像形成方法としては、具体的には、以上のようなトナーを使用して、例えば像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像装置において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電させることにより顕在化させてトナー画像を得る。そして、このトナー像を用紙に転写し、その後、用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式の定着処理によって用紙に定着させることにより、可視画像が得られる。
〈定着方法〉
本発明のトナーを使用する好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。接触加熱方式としては、特に熱圧定着方式、さらには熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
熱ロール定着方式の定着方法においては、通常、表面にフッ素樹脂等が被覆された鉄やアルミニウム等よりなる金属シリンダー内部に熱源が備えられた上ローラと、シリコーンゴム等で形成された下ローラとから構成された定着装置が用いられる。
熱源としては、線状のヒータが用いられ、ヒータによって上ローラの表面温度が120〜200℃程度に加熱される。上ローラ及び下ローラ間には圧力が加えられており、この圧力によって下ローラが変形されることにより、変形部にいわゆるニップが形成される。ニップの幅は1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmとされる。定着線速は40mm/sec〜600mm/secとされることが好ましい。ニップの幅が過小である場合には、熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着ムラが発生する場合がある。一方、ニップ幅が過大である場合には、トナー粒子に含有されるポリエステル樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが発生する場合がある。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例に係るトナー1〜15と、比較例に係る比較用トナー1〜9を作製した。作製した各トナーを用いて現像剤を調製し、当該現像剤を用いて評価実験を行った。
1.材料の調製
(1)離型剤1の作製
温度計、窒素導入管、攪拌機及び冷却管を取り付けた4つのフラスコに、酸成分としてクエン酸1020質量部(10.0mol)と、アルコール成分として下記アルコール群を加えた。
(アルコール群)
アラキルアルコール(炭素数N=20) :7531.0質量部
オクタデシルアルコール(炭素数(N−2)=18):325.3質量部
セチルアルコール(炭素数(N−4)=16) :483.7質量部
さらに、メタスルホン酸80質量部を加え、窒素気流下、120℃で反応水を留去しつつ、5時間常圧で反応させた。得られたエステル化粗生成物100質量部に対し、1%水酸化カリウム水溶液100質量部を加え、90℃で30分間攪拌した。その後、30分間静置して水層部を除去して脱酸工程を終了した。次いで、用いたエステル化粗生成物100質量部に対して、20質量部のイオン交換水と5質量部のアラキルアルコールを加え、70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水層部を分離、除去した。廃水のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。残ったエステル層を180℃で水分を留去し、濾過して融点76.1℃のエステルワックスである離型剤1を得た。離型剤1中のエステル化されていないアラキルアルコールは5.6質量%であった。
表1は、離型剤1の酸成分として用いられたカルボン酸の化合物名、R基の炭素数M、価数n、離型剤1のR基の主炭素数N、離型剤1に含有される各炭素数N、N−2、N−4のアルキル基の全Rの質量に対する含有率(質量%)を示す。含有率においてCと数字の組合せは炭素数を示し、例えばC16は炭素数16を示している。表1に示す含有率は炭素数N、N−2、N−4の各R2基にヒドロキシ基を結合させたモノアルコール、すなわちエステル化合物の原料となるモノアルコールの配合量に由来する。
Figure 0005370123
(2)離型剤2〜15及び比較用離型剤1〜9の調製
離型剤1の作製において、R基の炭素数M、R基の炭素数N、離型剤中の各炭素数N、N−2、N−4のアルキル基の全Rの質量に対する含有率(質量%)が表1に示す値となるように、酸成分のカルボン酸、アルコール成分となるモノアルコールの配合量を変更した他は、離型剤1と同様の手順により、離型剤2〜15、比較用離型剤1〜9を調製した。
(3)コア用樹脂粒子1の調製
アニオン界面活性剤(エマールE27C、花王社製、有効成分27%)11.3質量部を1107.05質量部の純水に溶解し、温度を80℃に維持した。別の容器に、スチレン201.5質量部、n−ブチルアクリレート117.24質量部、メタクリル酸18.31質量部、離型剤1(融点75.6℃)117.2質量部、ベヘニルアルコール12.4質量部を入れ、加熱を開始した。加熱した溶液を上記界面活性剤の溶液に添加し、クレアミックス(エムテクニック社製)を用いて高速攪拌し、モノマー乳化液を調製した。
内温を維持しつつ攪拌を行い、過硫酸カリウム11.41質量部を純水216.72質量部に溶解した重合開始剤の水溶液を加え、さらに5分間かけてn−オクチルメルカプタン5.23質量部を滴下した。その後、同じ温度で40分間重合を行い、コア用樹脂粒子1を得た。
(4)コア用樹脂粒子2〜15、比較用コア用樹脂粒子1〜9
上記コア用樹脂粒子1の調製において、用いる離型剤を下記表2に示すように変更した他は、コア用樹脂粒子1の調製と同様の手順により、コア用樹脂粒子2〜15、比較用コア用樹脂粒子1〜9を得た。
(5)シェル用樹脂粒子の調製
攪拌装置、冷却管、窒素導入管、温度センサを備えた5リットルステンレス製反応器に、純水2948質量部、アニオン性界面活性剤(エマール2FG、花王社製)2.3質量部を溶解した。この溶液を窒素気流下80℃に維持し、攪拌を行いつつ、過硫酸カリウム10.2質量部を純水218質量部に溶解した重合開始剤の水溶液を加えた。さらに、スチレン520質量部、n−ブチルアクリレート184質量部、メタクリル酸96質量部、n−オクチルメルカプタン22.1質量部を混合したモノマー溶液を3時間かけて滴下した後、同温度に1時間保持し重合を完結させた。その後、内温を室温まで冷却し、シェル用樹脂粒子を得た。
(6)シアン着色剤分散液の調製
シアン顔料C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン顔料)25質量部を、界面活性
剤溶液(n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部を純水160質量部に溶解した溶液)に徐々に添加した後、クレアミックスWモーションCLM-0.8(エムテクニック社製)を
用いて分散処理し、体積平均粒径138nmのシアン顔料分散液を得た。
2.トナーの作製
(1)実施例に係るトナー1の作製
攪拌装置、冷却管、温度センサを備えたステンレス製反応器に、コア用樹脂粒子1を1461.42質量部、純水1671.4質量部、シアン着色剤分散液147.31質量部を投入し、攪拌を行いつつ、5N−水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10に調整した。次いで、攪拌下、塩化マグネシウム・6水和物56.66質量部を純水56.66質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を10分間かけて滴下した。内温が75℃になるまで昇温し、コールターTA3(ベッグマン・コールター社製)を用いて粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになるまで加熱、攪拌を行った。体積基準のメジアン径が6.5μmに到達した時点で、5N−水酸化ナトリウム水溶液によりpH=4に調整したシェル用樹脂粒子を244.18質量部滴下し、コア用樹脂粒子1、シアン着色剤が凝集融着したコア粒子表面に、シェル用樹脂粒子が付着するまで加熱攪拌を続けた。
少量の反応溶液を、遠心分離機を用いて遠心分離し、上清が透明になった時点で塩化ナトリウム73質量部を純水291.98質量部に溶解した塩化ナトリウム水溶液を加えた。加熱攪拌を行い、フロー式粒子像測定装置FPIA2100(シスメックス社製)を用い、平均円形度が0.965になった時点で内温を室温まで冷却した。得られた粒子に対し純水による洗浄、濾過を繰り返した後、30℃の温風で乾燥し、実施例に係るトナー1を得た。
(2)実施例に係るトナー2〜15、比較例に係るトナー1〜9の作製
実施例に係るトナー1の作製において、表2に示すようにコア用樹脂粒子1をそれぞれコア用樹脂粒子2〜15、比較用コア用樹脂粒子1〜9に変更した他は、同様の手順により実施例に係るトナー2〜15、比較例に係る比較用トナー1〜9をそれぞれ作製した。
(3)外添剤の添加
作製した実施例に係るトナー1〜15、比較例に係る比較用トナー1〜9のそれぞれに対し、外添処理を行った。
外添処理では、各トナー100質量部に対し下記外添剤を添加し、5Lヘンシェルミキサ(三井三池加工機社製)にて10分間混合処理した。さらに、風力篩分機「ハイボルターNR300」(東京機械社製)にて網目開き45μmで篩分を行った。
酸化セリウム粒子(体積基準のメジアン径0.55μm):2.5質量部
酸化チタン粒子(ドデシルトリメトキシシラン処理済み、体積基準のメジアン径30nm):0.8質量部
シリカ粒子(ヘキサメチルジンラザン処理済み、体積基準のメジアン径100nm):1.2質量部
(4)現像剤の調製
次に、現像剤を調製するため、粒径35μmのフェライトコアに対して質量比で0.8
質量%のシリコーン樹脂「SR2411」(東レダウコーニングシリコーン社製)を添加し、ニーダ装置を用いてコーディング処理してキャリアを作製した。
外添処理した実施例に係るトナー1〜15、比較例に係る比較用トナー1〜9のそれぞれについて、作製したキャリアとの混合処理を行って各トナーの二成分現像剤を作製した。配合量は各トナーが7質量部、作製したキャリアが93質量部であり、混合処理にはV型ブレンダを用いた。
3.評価実験
(1)ドキュメントオフセット性の評価
上記フルカラー高速複合機により、評価用画像の両面印刷を200枚分連続して行った。評価用画像は濃度20%の全面ハーフトーンの画像を背景に、サイズ6.0ポイントの文字を36行分配置した画像であり、この評価用画像を用紙の両面に印刷した。印刷された200枚の印刷物を大理石テーブル上にそのまま揃えて置き、各用紙を重ねた部分に対して19.6kPa(200g/cm2)相当の圧力が加わるようにおもりを載せた。この状態で温度30℃、湿度60%RHの環境下に3日間放置した後、重ね合わせた各用紙のトナー画像上における画像欠損の度合いを評価した。
評価基準は以下の通りである。
優良:トナーの移行による画像不良やトナー画像同士の軽微な貼付きが見られず、画像欠損の問題が全く無いレベル
良好:重ねた状態にある印刷物から用紙を1枚1枚剥がすときに、パリッという音がしたが、画像不良はなく、画像欠損の問題が無いレベル
実用可:重ねた状態にある印刷物から用紙を1枚1枚剥がすときに、トナー画像上に若干のグロスむらの発生が認められるものの画像不良はなく、画像欠損はほとんどないと判断されるレベル
不良:印刷直後に、文字が無い背景の領域に文字部分のトナーの移行が認められ、当該文字の領域にもトナーの移行による汚れが認められるレベル
(2)光沢の均一性の評価
市販のデジタル複写機「bizhub PRO C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ
社製)を用い、定着装置の加熱ローラの表面温度が150℃の場合についてオンデマンド印刷用カラー記録紙「POD フィルムコート S 198g/m」(王子製紙社製)に対してシアントナーの付着量が0.4g/mで、光沢度が75以上80未満のトナー画像を形成した。光沢度は、「Gross Meter」(村上色彩光学研究所社製)を用い、入射角を75°に設定して測定した。測定画像の中央部、先端、後端において50点の測定を行い、光沢度の変動係数を測定した。変動係数が小さいほど光沢が均一であることを表す。変動係数2%未満を合格とした。
4.評価結果
評価結果を表2に示す。
Figure 0005370123
表2に示すように、実施例に係るトナー1〜15は何れもドキュメントオフセット性の評価が良好又は優良であり、ドキュメントオフセットを防止できている。光沢の均一性についても、実施例に係るトナー1〜15は何れも合格基準である2%以下の変動係数が得られている。一方、比較例に係るトナー1〜9はドキュメントオフセットが発生しているとともに、変動係数は2%以上のものが多く、光沢むらが生じている。

Claims (5)

  1. 少なくとも樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記離型剤は下記一般式(1)で表わされる化合物を1種または2種以上含有する静電潜像現像用トナーであり、
    一般式(1): R−(COO−R
    〔上記一般式(1)に示すRは、炭素数2〜8の環状構造を有してもよい連結基であり、ヒドロキシ基、脂肪酸エステル基を有してもよい。
    一般式(1)に示すRは炭素数がそれぞれN、(N−2)または(N−4)のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていてもよい。Nは10以上30以下の自然数であり、nは3以上4以下の自然数である。〕
    前記離型剤において、炭素数NのRを全Rの質量に対し80〜97質量%、炭素数(N−2)のRを全Rの質量に対し0.0〜7.8質量%、炭素数(N−4)のRを全Rの質量に対し3.0〜13.0質量%含み、炭素数(N−4)のRが炭素数(N−2)のRより1.5質量%以上多く含有されることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記離型剤が、下記一般式(1a)、(1b)または(1c)で表わされる化合物の混合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記離型剤が、下記一般式(1d)、(1e)または(1f)で表わされる化合物のいずれかを含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記離型剤が、下記一般式(1a)〜(1f)で表わされる化合物の混合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 請求項1において、前記離型剤が、多価カルボン酸、炭素数Nのモノアルコール、炭素数(N−2)のモノアルコールおよび炭素数(N−4)のモノアルコールから合成されることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
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