JPWO2015012275A1 - Cnt金属複合材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

軽量で、高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有するCNT金属複合材及びその製造方法を提供すること。本発明のCNT金属複合材は、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、許容電流密度が6×106A/cm2以上であり、かつ体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下である。

Description

本発明は、カーボンナノチューブ(以下、CNTという)を含有する金属複合材及びその製造方法に関する。
電子デバイスは常に小型化の道を歩んできた。小型化によって機能や可搬性が向上し、用途は多様化し、社会のあらゆる場面で利用されている。原子トランジスター・原子メモリーデバイスなど、デバイス本体の小型化研究が進む一方で、デバイスに電力を供給する配線については大きな変化がみられていない。デバイス小型化に伴い、回路が微細化することで電流密度は高くなり、現在では既存の導電性物質の限界に近付いている。国際半導体技術ロードマップ(ITRS)によれば、2015年にはデバイス内の電流密度は銅と金の破壊限界を超えるといわれている。しかし、高い電流容量を持つもつ炭素系材料は配線材料として電気伝導度が不十分であり、新たな材料の開発が喫緊の課題である。
そのような課題に対応するために、炭素系材料と金属とを組合せる技術が開発されている。例えば、カーボンナノチューブ(以下、CNTという)は、軽量且つ高強度で、導電性や熱伝導性に優れた炭素繊維として知られており、これに金属めっきを施す技術が検討されている。例えば、電解めっき法は多様な用途に用いられる技術であり、金属イオンを材料に用いる従来の技術の他に、めっき皮膜に様々な機能を付与する目的で、繊維や粒子を分散させる技術が報告されている。
例えば、特許文献1には、めっき液中に分散剤とCNTを添加して、めっき液中にCNTを分散させることにより、金属にCNTが混入しためっき皮膜を形成する方法が記載されている。
また、特許文献2には、高い強度及び電気伝導率を併有するナノカーボン/アルミニウム複合材として、アルミニウムハロゲン化物、CNT、炭素数1〜12のアルキル基を有する1,3−ジアルキルイミダゾリウムハロゲン化物及び/又はモノアルキルピリジニウムハロゲン化物を含有する複合材が記載されている。
特開2007−9333号公報 特開2007−70689号公報
しかし、上述のような従来のCNTと金属イオンとの複合材は、CNTをめっき電解液に分散してめっきする方法であるため、めっき電解液中のCNTの分散性が低い。また、超音波照射や撹拌により、めっき電解液にCNTを分散させるため、CNTが分散時に損傷を受け、CNTの優れた特性を低減させることとなる。さらに、このような分散方法では、CNTを高濃度でめっき電解液に分散することが困難なため、高CNT含有量の金属複合材料を得ることは難しい。
一方、上述のようにめっき電解液にCNTを分散させるのではなく、高密度のCNT集合体にめっきを施した場合、CNT集合体の内部まで均一に、金属をめっきすることは困難であった。さらに、スケールを大きくすると、高密度のCNT集合体の内部に金属をめっきすること自体の困難性が高くなる。
このような問題解決するため、本発明者らは国際公開番号WO2012/091139において、複数のCNTにより構成されたCNT集合体に金属を被着した複合材を報告した。図24は、そのようなCNT金属複合材900の模式図である。CNT金属複合材900は、複数のCNT11により構成されたCNT集合体に金属粒子920を被着した複合材である。すなわち、複数のCNT11に金属粒子920を被着してなるCNT集合体を備えた構造を有する。CNT金属複合材900は、CNT集合体の外部表面のみに金属粒子920が被着したものではなく、CNT集合体の内部のCNT11にも金属粒子920が被着した構造を有する。図25はCNT金属複合材900の内部の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。図25に示したように、CNT金属複合材900の内部には、サイズが0.5μm以上の粒状の金属粒子920が観察される。
CNT金属複合材900は、優れた電気伝導率を有する材料であることを本発明者らは報告した。しかし、本発明者らは、さらに金属と同程度の電気伝導率を保ちながら、金属よりも大きな電流を流すことが可能なCNT金属複合材の開発を検討した。本発明は、軽量で、高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有するCNT金属複合材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、許容電流密度が6×10A/cm以上であり、かつ体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であるCNT金属複合材が提供される。
本発明の一実施形態によると、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、320Kから350Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域における熱伝導率が、室温の熱伝導よりも高く、且つ、体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であるCNT金属複合材が提供される。
本発明の一実施形態によると、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、320Kから500Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域において抵抗率温度係数が5×10−3/K以下であり、且つ、体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であるCNT金属複合材が提供される。
本発明の一実施形態によると、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、一万倍の2次元の元素分析で、1μm四方の領域をマッピングした単一の金属の信号強度のヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを備え、且つ体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であるCNT金属複合材が提供される。
本発明の一実施形態によると、複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、線源としてCu−Kα線を用いてX線回折分析をしたときに、前記金属に帰属される最も強度の大きいピークと前記金属の酸化物に帰属される最も強度の大きいピークとの強度比が10以上であり、且つ、体積抵抗率が2×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であるCNT金属複合材が提供される。
前記CNT金属複合材において、前記複数のCNTの少なくとも一部が、配向している。
前記CNT金属複合材において、前記金属が、めっき金属である。
前記CNT金属複合材において、前記金属が、金、銅、銀、ニッケル、亜鉛、クロム、白金、スズ又はそれらの合金、或いは半田から選択される。
前記CNT金属複合材において、前記金属が、銅である。
前記CNT金属複合材において、前記金属は銅であり、線源としてCu−Kα線を用いたX線回折分析で測定された(111)、(200)、(220)の強度の大きさが、回折角2θが40°以上80°以下の範囲で(111)>(200)>(220)である。
本発明の一実施形態によると、液体窒素の吸着等温線からBJH法で求めた細孔径の分布極大が50nm以下であるCNT集合体を準備する工程と、前記CNT集合体を金属塩と、前記金属塩を溶解する有機溶媒とを含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第1の電解めっき工程と、電解めっきされた前記CNT集合体を水素環境下でアニールし還元する工程と、電解めっきされた前記CNT集合体を金属塩と前記金属塩を溶解する水を含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第2の電解めっき工程と、第2の電解めっき工程を施された前記CNT集合体に6×10A/cm以上の電流を10分以上流す工程と、を備えるCNT金属複合材の製造方法が提供される。
前記CNT金属複合材の製造方法において、前記有機溶媒がアセトニトリルである。
前記CNT金属複合材の製造方法において、前記金属塩が銅を含む。
前記CNT金属複合材の製造方法において、前記還元する工程を水素雰囲気中で行う。
前記CNT金属複合材の製造方法において、前記還元する工程の処理温度が100℃以上700℃以下である。
本発明によると、軽量で、高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有するCNT金属複合材及びその製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るCNT金属複合材100の模式図である。 本発明の一実施形態に係るCNT金属複合材100の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の一実施形態に係るCNT集合体10の集散したマトリックス構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るCNT金属複合材100の製造工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るCNT配向集合体10の合成装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るCNT配向集合体10の合成装置の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るCNT金属複合材100の製造方法を示す模式図である。 本発明の一実施例に係るアニール前のめっきされたCNT金属複合材110と、アニール後のCNT金属複合材110のXRDの測定結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100のSEM像である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100の拡大したSEM像である。 本発明の一実施例に係るEDXの測定結果である。 本発明の一実施例に係る銅及び炭素由来のピークをマッピングした図をラインスキャンした結果を示す図である。 比較例のCNT金属複合材900のSEM像である。 比較例のCNT金属複合材900について、銅及び炭素由来のピークをマッピングした図をラインスキャンした結果を示す図である。 比較例のCNT金属複合材900について、銅及び炭素由来のピークをマッピングした図をラインスキャンした結果を示す図である。 比較例のCNT金属複合材900について、SEM像に銅及び炭素由来のピークをそれぞれマッピングした図である。 本発明の一実施例及び比較例のCNT金属複合材のSEM像である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材の1μm四方の領域をマッピングしたCuの信号強度のヒストグラム分布を示す図である。 本発明の一実施例に係る電気伝導率に対する許容電流密度の関係をまとめた図である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100の温度と電気伝導率との関係を示す図である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100の温度と体積抵抗率との関係を示す図である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100の温度と体積抵抗率との関係を示す図である。 本発明の一実施例に係るCNT金属複合材100のエイジング時間と体積抵抗率との関係を示す図である。 比較例のCNT金属複合材900の模式図である。 比較例のCNT金属複合材900の内部のSEM像である。
以下、図面を参照して本発明に係るCNT金属複合材及びその製造方法について説明する。本発明のCNT金属複合材及びその製造方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び後述する実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るCNT金属複合材100の模式図である。図1において、CNT金属複合材100の外部100aと、CNT金属複合材100を劈開、切断等した内部断面100bとを示す。また、図2は、CNT金属複合材100の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。CNT金属複合材100は、複数のCNT11により構成されたCNT集合体10(図3に示す)に金属20を被着した複合材である。すなわち、複数のCNT11に金属20を被着してなるCNT集合体10を備えた構造を有する。CNT金属複合材100は、CNT集合体10の外部表面のみに金属20が被着したものではなく、CNT集合体10の内部のCNT11にも金属20が被着した構造を有する。
ここで、図25と比較すると明らかなように、本発明のCNT金属複合材100は、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、CNTが一様に分布した領域を備える。このため、CNT金属複合材100においては、CNT11と金属20とをSEM像において明確に区別することは困難である。このような構造を有することで、CNT金属複合材100が高い高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有することを、本発明者らは初めて見出し、本発明を完成させた。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNTが一様に分布した領域、即ち、CNT11が一様に分散して金属20が被着された領域の長さが少なくとも1μmに渡り存在することが好ましく、より好ましくは、2μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上である。このようなCNT11が一様に分布した大きな領域を備えることにより、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、高電気伝導率と高電気容量を発揮することができる。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNTを3重量%以上、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、70重量%以下含む。CNT金属複合材100は、CNTの含有率が多くなるほど、軽量且つ高強度で、電気導電性や熱伝導性に優れたCNTの特性を有することとなり、好適なCNT金属複合材を製造することができる。CNTの含有率が3重量%未満であると、CNT金属複合材はCNTの優れた導電性を示さない。また、CNTの含有率が70重量%を超えても、CNT集合体の表面に被着する金属量が増加するのみで、CNT金属複合材の導電性は向上しない。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、銅を20%体積含有率以上、さらに好ましくは25%体積含有率以上、70%体積含有率以下含むことが好ましい。CNT金属複合材100は、CNTの含有率が多くなるほど、軽量且つ高強度で、電気導電性や熱伝導性に優れたCNTの特性を有することとなり、好適なCNT金属複合材を製造することができる。銅の含有率が20%体積含有率未満であると、CNT金属複合材は銅の優れた導電性を示さない。また、銅の含有率が70%体積含有率を超えても、CNT集合体の表面に被着する金属量が増加するのみで、CNT金属複合材の導電性は向上しない。
液体窒素の77Kでの吸脱着等温線の計測し、この吸脱着等温線からBrunauer, Emmett, Tellerの方法で求めたCNT金属複合材100のBET比表面積は、0.1m/g以上100m/g以下、好ましくは80m/g以下、さらに好ましくは50m/g以下である。このBET比表面積が低ければ、金属とCNTが一体化していて、金属とCNTとの間に良好な界面が形成されていることを示す。このようなCNT金属複合材は、優れた導電性を有する。本実施形態に係るCNT金属複合材100は、上述の範囲のBET比表面積を有することで、優れた導電性を示す。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、エネルギー分散型X線分析(EDX)を用いた一万倍の2次元の元素分析において、金属20の信号と炭素(C)の信号は、特定の領域に局在しておらず、金属の信号とCの信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmに渡り存在することが好ましく、より好ましくは、2μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上である。このような金属20の信号とCNT11に由来する炭素(C)の信号が一様な領域は、CNT11が一様に分散して金属20が被着された領域を示し、このような大きな領域を備えることにより、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、高電気伝導率と高電気容量を発揮することができる。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、EDXを用いた一万倍の2次元の元素分析において、1μm四方の領域をマッピングした金属の信号強度のヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを備える。ここで言う金属とは、単一の元素を示し、例えば、合金の場合には、合金を構成する、それぞれの元素に対応して、複数のヒストグラムが存在する。その時には、合金を構成する複数の金属元素の一つのヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを示せばよい。例えば、本発明者らが以前に報告したCNT金属複合材900の内部の元素分析では、複数のCNT11に金属粒子920を被着した構造を有するため、1μm四方の領域に金属粒子920に起因するピークが観察されるため、金属の信号強度のヒストグラム分布が複数の極大分布ピークを有する。一方、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNT11が一様に分散して金属20が被着された領域を備えるため、金属の信号強度のヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを示し、結果として、高電気伝導率と高電気容量を発揮することができる。
上述したような構造を有する本実施形態に係るCNT金属複合材100は、許容電流密度が6×10A/cm以上であり、かつ体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下である。本実施形態に係るCNT金属複合材100許容電流密度は、好ましくは1×10A/cm以上であり、より好ましくは2×10A/cm以上である。本実施形態に係るCNT金属複合材100は、金属20が備える許容電流密度を凌駕する許容電流密度を実現することができる。例えば、一般的な導電材料であるCuやAuは、10A/cm以下の許容電流密度を有する。本実施形態に係るCNT金属複合材100は、金属固有の許容電流密度の100倍以上の許容電流密度を実現することができる。これは、CNTの理論限界(1000×10A/cm)に近い許容電流密度であり、従来のCNT金属複合材では報告されていない、予期せぬ驚異的な許容電流密度である。なお、本実施形態に係るCNT金属複合材100許容電流密度は、CNTの理論限界を超えることはできない。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は極めて低抵抗であって、体積抵抗率の上限として5×10−3Ω・cm以下であることが好ましく、より好ましくは、1×10−4Ω・cm以下、さらに好ましくは、5×10−5Ω・cm以下である。体積抵抗率は低い方が好ましいが、下限として体積抵抗率を1×10−6Ω・cmより小さくすることはできない。したがって、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、高い導電性を有する優れたCNT金属複合材である。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、320Kから350Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域における熱伝導率が、室温の熱伝導よりも高いことを特徴とする。一般に、金属の熱伝導率は温度の上昇とともに低下する傾向にある。一方、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、320Kから350Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域における熱伝導率が、室温の熱伝導よりも高くなり、従来知られている金属を含む材料とは逆の挙動を示す従来にない材料である。
また、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、320Kから500Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域において抵抗率温度係数が5×10−3/K以下であり、好ましくは4×10−3/K以下であり、より好ましくは3×10−3/K以下、より好ましくは2×10−3/K以下、より好ましくは1×10−3/K以下である。本実施形態に係るCNT金属複合材100の抵抗率温度係数は、320Kから500Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域において、金属固有の抵抗率温度係数も小さく、したがって、温度上昇に伴う抵抗率の上昇が有意に抑制される、これまでにない優れた導電材料である。
また、CNT金属複合材100は、例えば、金属として銅(Cu)をCNT集合体10に被着させた場合、線源としてCu−Kα線(λ=0.15418nm)を用いてCNT金属複合材100の内部断面100bのX線回折分析(X‐ray diffraction:XRD)をしたとき(θ―2θ法)に、金属(銅)に帰属される最も強度の大きいピークと、金属の酸化物(銅の場合、酸化銅(I)(CuO)及び酸化銅(II)(CuO))に帰属される最も強度の大きいピークとの強度比が10以上であることが好ましく、より好ましくは20以上、さらに好ましくは50以上である。金属の酸化物に起因するピークがノイズレベルと同等で、観測できず、強度比が非常に大きく、実質的に測定できない状態を含んでも良い。上限には特に制限はないが、10万以上であると、金属の酸化物に起因するピークが非常に小さく、実質的に評価が困難である。この強度比は金属の酸化度を示し、強度比が大きければ、酸化された金属の割合が低いこと意味する。酸化銅は銅に比して導電性が著しく低いため、CNT金属複合材100は酸化銅が可能なかぎり少ないことが望ましい。本実施形態に係るCNT金属複合材100は、この強度比が10以上であることから、金属として用いた銅の酸化度が極めて低く、良好な導電性を示す。CNT集合体10の外周表面を金属20が被覆し、図1に示すような、金属層を形成している場合もあるため、X線回折分析は、CNT金属複合材100の内部を分析するものとし、CNT金属複合材100を劈開、切断等して、内部断面100bを分析するものとする。その際、切断、劈開してから、分析するまで、CNT金属複合材100をできるだけ、酸素に晒さないようにすることが好ましい。
CNT金属複合材100は、金属として銅(Cu)をCNT集合体10に被着させた場合、線源としてCu−Kα線を用いたXRDで測定された(111)、(200)、(220)の強度の大きさは、回折角2θが40°以上80°以下の範囲で(111)>(200)>(220)となることが好ましい。銅はこのような回折パターンを有することから、XRDで測定されたCNT金属複合材の(111)、(200)、(220)の強度の大きさがこのような回折パターンになれば、CNT金属複合材に酸化銅が含まれる割合が低いことを示す。したがって、上述のような回折パターンを示すCNT金属複合材100は、酸化銅がほとんど含まれず、優れた導電性を有する。
(CNT集合体)
ここで、本実施形態に係るCNTについて説明する。本実施形態に係るCNT11は、単層CNT(SWNT)が好ましい。本実施形態に係る単層CNTとしては、比表面積が、未開口のCNTが主であれば、800m/g以上が好ましく、1000m/g以上がより好ましい。また、開口のCNTが主であれば1300m/g以上が好ましく、1500m/g以上がより好ましい。CNTの比表面積は、大きければ大きいほど好ましいが、理論的計算によれば、未開口のものは1300m/g程度であり、開口したものは2600m/g程度であると説明されている。上述のような高比表面積を有する単層CNTを含むCNT集合体は、CNT金属複合材において金属とCNTの界面密度が高く、金属とCNTの特性を併せ持つ優れたCNT金属複合材100を製造することができる。
また、本実施形態に係るCNT11においては、炭素純度98mass%以上、および/または、金属不純物が1mass%以下であることが好ましい。不純物は、CNT金属複合材の導電性を低下させる。炭素純度98mass%以上、および/または、金属不純物が1mass%以下のCNTは、高い導電性を有するCNT金属複合材を製造する上で好適である。本実施形態に係るCNT11の純度は、蛍光X線を用いた元素分析結果から得られる。炭素純度に上限はないが、製造上の都合から、99.9999%以上の炭素純度を得ることは困難である。金属不純物の下限はないが、製造上の都合から金属不純物を0.0001%以下にすることは困難である。
本実施形態に係るCNT集合体10は、細孔径の分布極大が50nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、さらに好ましくは30nm以下が好ましい。単層CNT間のナノサイズの細孔径は、液体窒素の77Kでの吸着等温線から求めることができる。細孔径分布を求める理論式としては、細孔がシリンダ状であると仮定したBJH法(J. Amer. Chem. Soc.誌、第73巻(1951年)、第373頁参照)を用いるのがよい。本明細書で定義する細孔径は、液体窒素の77Kでの吸着等温線からBJH法で求めたものである。CNT間の細孔径の分布極大が上述の範囲にある場合、CNT金属複合材100にCNT11が高密度で存在し、CNT11を高充填させたCNT金属複合材100を製造することできる。このように、CNT11を高充填させたCNT金属複合材100は、高い導電性を有する優れたCNT金属複合材100である。
また、本実施形態に係るCNT集合体10は、CNT11が集散したマトリックス構造を備える。図3は、CNT集合体10の集散したマトリックス構造を示す模式図である。ここで、複数のCNTが「集合」したCNT集合体において、CNTが「集散」するとは、一部のCNTが局所的に集合したり、離れたりする、すなわち「離散」した状態を有することを意味する。便宜的に図3においては、複数のCNT11が集合したCNT集合体10において、集合部15と、離散部17とを有するものとして示した。また、図3において、集合部15aと集合部15bとは、互いに離散している。
本実施形態に係るCNT集合体10は、CNT11が集散したマトリックス構造を備えるため、CNT間に電気が流れる経路が形成される。このため、集散したマトリックス構造を備えるCNT集合体10は、優れた導電性を有するCNT金属複合材100の製造に好適である。また、CNT集合体10は、離散部17において、金属20が被着可能な空間を形成することができる。これにより、図1及び図2に示したように、CNT金属複合材100は、細孔径の分布極大が50nm以下の高密度にCNTが存在するCNT集合体10において、CNT集合体10の外部表面のみではなく、CNT集合体10の内部のCNT11にも金属20が被着した構造を有することが可能となり、CNTを高充填させたCNT金属複合材100を製造することを可能にする。さらに集合部15においては、CNT同士が近接しているために、CNT間を電気が流れることができ、CNT金属複合材100のような優れた導電性を有するCNT金属複合材を製造することができる。
本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNT11が集散したマトリックス構造を備えることが、優れた導電性を有するために好ましい。従来技術においては、CNT11が集散したマトリックス構造を備えていないため、細孔径の分布極大が50nm以下の高密度にCNT11が存在する条件下では、CNT集合体10の内部まで、金属20をCNTに被着することはできず、CNT間に電気が流れる経路は形成されない。そのため、従来技術においては、CNT金属複合材100のような優れた導電性を有するCNT金属複合材を製造することは困難であった。CNT金属複合材100は複数のCNT11が束になった繊維状の形態のCNTを備えることが好ましい。複数のCNT11が束になった繊維状CNTを備えると、CNT11同士が、連続的な構造体を形成しやすく、優れた導電性を有するCNT金属複合材の製造に好ましい。
ここで、繊維状CNTは長さが2μm以上、より好ましくは3μm以上である。このような長い繊維状CNTを備えるCNT金属複合材100は、CNT11が連続的な構造体を形成しやすく、優れた導電性を有する。
CNT金属複合材100は、CNT11と金属20が複合されたものであるが、上述したような複数のCNT11に金属粒子920を被着したCNT金属複合材900を備えるものではなく、CNT11が一様に分散して金属20が被着された構造を備え、SEM観察において、CNT11と金属20とを区別することは困難である。
また、CNT集合体10は、CNTマトリックス構造を構成するCNTの表面に金属20を被着しているCNTを備える。被着しているとは、CNTの少なくとも一部が金属20に接触し、CNTの少なくとも一部が金属20を被覆し、CNTの少なくとも1部が金属20を被せ包むように着けられ、CNTの少なくとも一部が金属20の表面に膜を張るように着けられ、CNTの少なくとも一部が金属20の表面に接して間挿されていること等の広い意味で解釈する。本明細書において、被着しているとは、CNTマトリックス構造を完全に覆うようにコーティングするものではなく、図1に示したような、CNT集合体10の外部及び内部に金属20が少なくとも一部に連続的にCNT11に被着したものである。図2は実施例1で製造したCNT金属複合材100のSEM像である。図2の(a)は内部断面100bを観察するために破断させたCNT金属複合材100の破断面付近のSEM像である。(b)は内部断面100bのSEM像であり、(c)は内部断面100bのSEM像である。(d)は内部断面100bのSEM像である。図2から明らかなように、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNT11が一様に分散して金属20が被着された構造を備え、CNT11と金属20を区別することは困難である。したがって、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、CNTマトリックス構造を構成するCNT11の表面に金属20を被着することで、CNT11と金属20との間に良好な界面ができるため、優れた導電性を有するCNT金属複合材の製造に好ましい。
本実施形態に係るCNT金属複合材100は、複数のCNTの少なくとも一部が配向した構造を有することが好ましい。CNT集合体10は、配向したCNT集合体(以下、「CNT配向集合体」という。)を材料としているため、高い配向性を有する。複数のCNT11の少なくとも一部が配向した構造を有するCNT金属複合材100は、CNT11の配向方向に良好な導電性を有する。一方、CNTをめっき電解液に分散してめっきする特許文献1や特許文献2の複合材は、CNT金属複合材100のようなCNTの一部が配向した構造を有しないため、CNTの配向方向に対する良好な導電性を示すものではない。
(金属)
ここで、本実施形態に係るCNT金属複合材100のめっきに用いる金属について説明する。本明細書で、めっき金属とは、めっき処理を施すことができる金属のことを意味する。CNT金属複合材100のめっきに用いる金属としては、金、銅、銀、ニッケル、亜鉛、クロム、白金、スズ又はそれらの合金、或いは半田から選択することができる。本実施形態に係る金属は、これらに限定されるものではないが、これらの金属は高い導電性を有するため、CNT金属複合材100のめっきに好適に用いることができる。特に銅は導電性が高く、貴金属に比して安価であるため、工業材料として好適である。
(基板)
本実施形態に係るCNT金属複合材100は、基板に載置して形成することができる。本実施形態に係る基板は、CNT集合体10が載置可能なものであれば、特に限定されない。一般に配線や回路等が形成される基板であればよく、シリコン、シリコンカーバイド(SiC)、サファイア、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)ウェハー、リン化インジウム(InP)、窒化ガリウム(GaN)等の半導体基板、ガラス、導電性を有するSUS304などのステンレス鋼やYEF42−6合金等の金属基板、ポリアリレート(PAR)やポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック基板等何れであってもよい。一方、CNT金属複合材100が導電性を有することから、本実施形態に係る基板は、少なくともCNT金属複合材100を載置する面は絶縁性の表面を備えることが好ましい。絶縁性の表面を備える基板にCNT金属複合材100載置することで、CNT金属複合材100をパターニングして、配線や回路を形成することができる。
また、CNT金属複合材100は、CNT集合体10の位置及び/または配向を制御して基板に載置することが好ましい。先に説明したように、少なくとも一部が配向した構造を有するCNT金属複合材100は、CNT11の配向方向に良好な導電性を有する。このため、CNT集合体10の位置及び/または配向を制御して基板に載置することは、配線や回路に高い導電性を付与するために重要である。一方、CNTをめっき電解液に分散してめっきする従来の複合材は、CNT金属複合材100のようなCNTの一部が配向した構造を有しないため、CNTの位置及び/または配向を制御することにより、配線や回路に高い導電性を付与することはできない。
これまでにも述べたように、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、高い導電性を有し、パターニングが可能であるため、導電材や配線として用いることができる。また、CNT金属複合材100で形成した配線を所定の間隔で配置することにより、回路を製造することができる。CNT金属複合材100は、高い導電性を有するため、各種回路の製造に好適である。
(製造方法)
本実施形態に係るCNT金属複合材100の製造方法を以下に説明する。図4はCNT金属複合材100の製造工程を示すフロー図である。CNT金属複合材100の製造方法は、(a)液体窒素の吸着等温線からBJH法で求めた細孔径の分布極大が50nm以下であるCNT集合体10を準備する工程と、(b)CNT集合体10を金属塩と、金属塩を溶解する有機溶媒とを含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第1の電解めっき工程と、(c)電解めっきされたCNT集合体10を水素環境下でアニールし還元する工程と、(d)電解めっきされたCNT集合体10を金属塩と金属塩を溶解する水を含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第2の電解めっき工程と、(e)電解めっきされたCNT集合体10を6×10A/cm以上の電流を10分以上流す工程(エイジング工程)と、を備える。
(a)CNT集合体10を準備する工程は、CNT11からなるCNT配向集合体13を製造し、剪断する工程である。(b)CNT集合体10を電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第1の電解めっき工程は、有機溶媒に金属塩を溶解した溶液に準備したCNT集合体10を浸漬してCNT集合体10の内部まで浸透させ、電解めっきを施して、CNT集合体10の内部まで金属を被着させる工程である。(c)電解めっきされたCNT金属複合材110をアニールする工程は、電解めっきされたCNT金属複合材110を還元ガス雰囲気中でアニールして、CNT集合体10に被着した酸化された金属を還元する工程である。(d)第2の電解めっき工程電解めっきされたCNT集合体10を水系溶媒に金属塩を溶解した電解めっき液に浸漬し、電解めっきする工程である。(e)エイジング工程は、電解めっきされたCNT集合体10を6×10A/cm以上の電流を10分以上流す工程である。
CNT集合体10を準備する工程は、本明細書で規定した条件を満たすCNT集合体が得られる限り限定はないが、例えば特願2010−544871、特願2009−144716の製造方法が例示される。CNT金属複合材100に用いるCNT配向集合体13の合成装置の一例を図5に示す。この合成装置5000は触媒層5020を備える基板5010を受容する例えば石英ガラス等からなる合成炉5030と、合成炉5030の上壁に設けられ、合成炉5030と連通するガス供給管5040と、下流側の下壁もしくは側壁に設けられ、合成炉5030と連通するガス排気管5050と、合成炉5030を外囲して設けられた例えば抵抗発熱コイルなどからなる加熱手段5060と、炉内温度を所定の温度に調整するための加熱温度調整手段と、加熱手段5060と加熱温度調整手段により、所定温度に加熱された合成炉5030内の加熱領域5070と、を備える。また、加熱体積が排気体積より大きくなるように、合成炉5030内の加熱領域5070に、触媒層5020を備える基板5010を保持するための基板ホルダ5080が設けられている。
基板ホルダ5080および/または、触媒層5020の上方の加熱領域5070内には、ガス供給管5040から供給される原料ガスを分配・分散させ、複数の方向へ流れる原料ガス流を形成させるガス流形成手段5210が配置されている。ガス流形成手段5210は、基板5010の表面に対して略平行の複数の方向に原料ガスの流れを形成する。またガス流形成手段5210には、基板5010の平面に対して略垂直方向の原料ガス流を形成する複数のガス噴出手段5200が設けられている。
このようなガス流形成手段5210を用いることにより、ガス供給管5040から供給された原料ガスを、基板5010の平面と略平行な平面に展開・分散してから、基板5010の平面と略垂直方向から触媒と接触させることができる。
ガス噴出手段5200と触媒層5020の間には、滞留時間を増加およびまたは調整するために、意図的に増加およびまたは調整された加熱体積と、ガス流形成手段5210と接続かつ連通された、複数枚の複数の孔を備える板状の整流板からなる乱流抑制手段5220から構成される滞留時間調整手段5140が設けられている。
原料ガスが加熱領域5070内で加熱される加熱体積を増加させ、滞留時間が長くなる方向に調整すると、CNTへの炭素不純物の付着を抑制することができるため、CNT金属複合材100を得る上で好適である。
乱流抑制手段5220は滞留時間調整手段5140内の原料ガスの乱流を抑制し、炭素不純物の発生を抑制することに好適であるため、CNT金属複合材100を得る上で好適である。
合成装置は、CNTの原料となる炭素化合物を収容する原料ガスボンベ5090、触媒賦活物質を収容する触媒賦活物質ボンベ5100、原料ガスや触媒賦活物質のキャリアガスを収容する雰囲気ガスボンベ5110、および触媒を還元するための還元ガスボンベ5120を備えており、これらのボンベからのそれぞれのガスの供給量をガスフロー装置で制御可能な炭素重量フラックス調整手段5130を備えている。
係る製造方法でのCNT配向集合体13(図7)の製造は、基板5010上に触媒層を製造し、その触媒から複数のCNTを化学気相成長(合成)させるものである。
図5および図6を参照しながら説明すると、先ず、ガス供給管5040から供給された雰囲気ガス(例えばヘリウム)が満たされた合成炉5030内に、触媒層5020(例えばアルミナ−鉄薄膜)を別工程で予め成膜した基板5010(例えばシリコンウエハ)を搬入し、基板ホルダ5080に載置する。このとき、触媒層5020表面と原料ガスの流路とが概して垂直に交わるように基板5010を配設し、原料ガスが効率良く触媒に供給されるようにする。
次いでガス供給管5040から合成炉5030内に還元ガス(例えば水素)を供給しながら、合成炉5030内を所定の温度(例えば750℃)に加熱し、その状態を所望の時間保持するフォーメーション工程を行う。
次いで炭素重量フラックス調整手段5130を用いてガス供給管5040からの還元ガスおよび雰囲気ガスの供給を所望(反応条件)に応じて停止あるいは低減すると共に、原料ガス(例えばエチレン)と、雰囲気ガスと、触媒賦活物質(例えば水)とを、ガス供給管5040から供給する。ガス供給管5040から供給されたこれらのガスは、基板5010の平面に対して略平行方向の複数の方向に向いたガス流を形成した後に、噴出孔から基板5010の平面に対して略垂直方向から略均一の量で、基板5010上の触媒層5020の表面に吹きかけられる。
また、これらのガスは滞留時間調整手段5140によって、増加・調整された加熱体積5150を流れ、最適化された滞留時間を経た後に、炭素重量フラックス調整手段5130を用いて最適化された量で触媒層5020の表面に接触し、基板5010に被着した触媒微粒子から高速にかつ高収量で効率良くCNTが成長する(成長工程)。さらには、乱流抑制手段5220を用いることで、これらのガスは、略等しい滞留時間で、基板5010上の触媒微粒子に接触する。また、触媒層5020に接触した後には、これらのガスは速やかにガス排気管5050より排気され、炭素不純物の発生は最小限に抑えられる。
CNTの生産終了後、合成炉5030内に残余する、原料ガス、触媒賦活物質、それらの分解物、または合成炉5030内に存在する炭素不純物等がCNT配向集合体13へ付着することを抑制するために、雰囲気ガスのみを流し、CNT配向集合体13への不純物の接触を抑制する(炭素不純物付着抑制工程)。
図7はCNT金属複合材100の製造方法を示す模式図である。このようにして、基板5010上の触媒層5020から同時に成長した複数のCNTは、触媒層5020に直交する向きに成長して、配向し、高さが概ねそろった高比表面積、高純度のCNT集合体10を構成する。したがって、CNT配向集合体13を高密度化したCNT集合体10は高い導電性を有するCNT金属複合材100を好適に製造することができる。
このようにして得たCNT配向集合体13を基板5010に形成した触媒粒子から剥離する。次に、剥離したCNT配向集合体13は、垂直方向に配向したCNT配向集合体13を水平方向に配向したCNT集合体10に変形するように、2枚のシリコン基板6010の間で剪断することで高密度化する。このように製造されたCNT集合体10は、液体窒素の吸着等温線からBJH法で求めた細孔径の分布極大が50nm以下のCNT集合体となる。このようにして準備されたCNT集合体10を電解めっき工程に用いる。また、本実施形態に係るCNT金属複合材100の製造方法においては、剪断する工程に代わって、垂直方向に配向したCNT配向集合体13を基板5010から剥離して、シリコン基板6010の上に、水平方向に配向するように貼りつけてもよい。
第1の電解めっき工程においては、まず、CNT集合体10を2枚のシリコン基板6010で挟んだ状態で、有機溶媒を溶媒として金属塩を溶解した溶液6050にその先端を浸す。金属イオンは表面張力と毛細管現象により、CNT集合体10の内部まで浸透する。本実施形態に係るCNT金属複合材100においては、CNT集合体10に浸透させる金属イオン溶液6050は、水系溶媒よりも有機溶媒を用いることが望ましい。単にCNT集合体を高密度化するには水系溶媒を一般的に用いるが、本発明においては疎水性の高いCNT集合体10の内部まで金属イオンを浸透させること必要であるため、有機溶媒を用いる。本実施形態においては、特に、アセトニトリルが好ましい。アセトニトリルは、無機塩の非水溶媒として用いることができるため、CNT集合体10の内部まで金属イオンを浸透させるのに好適である。また、先に説明したように、本実施形態に係る金属塩としては銅を含む塩が好適である。
次に、CNT集合体10を陰極6130にセットして電解めっき液6150に浸漬し、電解めっきを施す。本発明に係る電解めっき液6150には、上述したとおり、疎水性の高いCNT集合体10の内部まで金属を被着させること必要であるため、有機溶媒を溶媒として金属塩を溶解した金属イオン溶液を用いる。本実施形態においては、有機溶媒としてアセトニトリルを、金属塩として銅を含む塩を好適に用いることができる。したがって、本実施例においては、陽極6110に高純度の銅シートを用いる。また、電解めっき槽6100には、陽極6110と陰極6130とを電気的に分離するために絶縁スペーサ6170配置されるが、絶縁スペーサ6170は一般にガラス繊維から形成されている。本実施形態においては、絶縁スペーサ6170に、ろ紙を用いるのが好ましい。ガラス繊維の絶縁スペーサを用いて電解めっきを施すと、ガラス繊維がCNT金属複合材100に貼り付いてしまい好ましくない。
また、第1の電解めっき工程においては、CNT集合体10を電解めっきする平均電流密度が10mA/cm以下であることが好ましい。平均電流密度が高いと、CNT集合体の外側がまずめっきされ、CNT集合体の内側まで十分にめっきされない。本実施形態に係るCNT金属複合材100のように、CNT集合体10の内部のCNT11にも金属20が被着した構造を形成するためには、平均電流密度を低くしてめっきすることが好ましい。
電解めっきされたCNT金属複合材110をアニールする。電解めっきされたCNT金属複合材110をアニールする工程は水素雰囲気中で行う。電解めっきされたCNT金属複合材110において、被着した金属は酸化しており、このままでは導電性が十分に高いものではない。電解めっきされたCNT金属複合材110は、水素のような還元ガス雰囲気中でアニールすることで、CNT金属複合材110に被着した酸化された金属を還元することができる。アニール工程の温度は、CNT金属複合材110に銅をめっきした場合には、100℃以上700℃以下が好ましく、150℃以上500℃以下がさらに好ましい。電解めっきされたCNT金属複合材110をこの範囲の温度でアニールすると、金属を析出させずに、かつ、金属同士を融合でき、CNT金属複合材100の一体性を向上させることができる。
本実施形態に係るCNT金属複合材100の製造方法は、アニールする工程の後に、さらに水系溶媒に金属塩を溶解した電解めっき液に浸漬して行う第2の電解めっきする工程を備える。アニールする工程の後にCNT金属複合材110をさらに電解めっきすることで、CNT金属複合材110に被着した金属の隙間をさらなるめっきで埋めることができ、導電性が向上する。なお、この2回目の電解めっき工程に用いる水系溶媒としては、水が好ましい。水系溶媒に金属塩を溶解した電解めっき液は、金属の上に金属をめっきするのに好ましい。
第2の電解めっき工程を行ったCNT金属複合材110は、6×10A/cm以上の電流を10分以上流すエイジング工程を施す。本発明においては、CNT金属複合材110に金属20の許容電流密度を上回る大きな電流密度の電流を流すことにより、一万倍の走査型電子顕微鏡像において、CNTが一様に分散して被着された領域を備え、高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有するCNT金属複合材100を製造することが可能となることを、本発明者らは期せずして見出した。
このエイジング工程を施すことにより、小さい許容電流密度の金属粒子が、大きな許容電流密度を有する大きな金属結晶へと再構成され、CNT11が一様に分散した状態で被着されるものと推察される。これにより、本実施形態に係るCNT金属複合材100は、高電気伝導率と高電気容量を有し、さらに高温でも高い電気伝導率を有すること可能となると推察される。このような金属の許容電流密度を上回る大きな電流を流すことによるCNT金属複合材のエイジングは、これまでに報告されていない処理方法である。
なお、第2の電解めっき工程を行った後に、再度、CNT金属複合材100をアニールしてもよい。2回目のアニール工程も上述した1回目のアニール工程と同様に行うことができるため、詳細な説明は省略する。
上述の実施形態で説明した本発明に係るCNT金属複合材について、具体的な例を挙げて以下に詳細に説明する。なお、以下の実施例は、一例であって本発明のCNT金属複合材及びその製造方法はこれらに限定されるものではない。
本実施例においては、上述したCNT金属複合材100の製造例について説明する。まず、CNT集合体を準備する工程において、特願2010−544871、特願2009−144716の製造方法でシリコン基板上にCNT配向集合体13を合成し、触媒粒子や炭素不純物が混入しないように、CNT配向集合体13をシリコン基板から剥離した。剥離したCNT配向集合体13は0.5mmの厚さの新しいシリコン基板2枚で挾み、下側のシリコン基板を静止させた状態で、上側のシリコン基板を剪断して、クリップで固定した。このようにして、剪断方向に配向し準高密度化したCNT集合体10を得た。CNT集合体10のBJH法で求めた細孔径の分布極大は8nmであった。
次に、アセトニトリルを溶媒とする銅イオン溶液として、2.75mM 酢酸銅 アセトニトリル溶液を200ml調製し、2枚のシリコン基板に挟まれたCNT集合体10の端を浸漬し、銅イオン溶液をCNT集合体の内部まで浸透させ、高密度化した。この銅イオン溶液の浸透工程は、デシケータ中で20分間静置して行った。
続いて、銅イオン溶液を浸透させたCNT集合体10に電解めっきを施した。電解めっき工程は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)樹脂の容器に電極が配設された電解めっき槽6100(VP3 galvanostat/potentiostat/frequency response analyzer、Princeton Applied Research製)を用いて行なった。陽極6110には高純度の銅シート(11mm × 50mm)を用い、陰極6130にはステンレス鋼のメッシュで支持された高密度化したCNT集合体10を配置した。陽極6110と陰極6130に間には、絶縁スペーサとして、ろ紙(Advantech Inc.製、14mm × 60mm × 0.2mm)を配置した。溶液6050には、上述の銅イオン溶液を入れ、CNT集合体10に均一に銅イオン溶液が浸透するように、真空デシケータ中で10分間静置した。
電解めっきは、1mAの定電流で72時間行い、めっきされたCNT金属複合材110を得た。電解めっき工程後に、めっきされたCNT金属複合材110をステンレス鋼のメッシュから外し、高純度のアセトニトリルで洗浄して、未反応の銅イオンを除去した。その後、めっきされたCNT金属複合材110を真空デシケータ中で、70℃、1時間乾燥させた。
乾燥後、めっきされたCNT金属複合材110を150sscmの定流量の水素(H)雰囲気下の250℃の加熱炉で、3時間アニールした。また、同様に、200℃及び500℃で30分間アニールした場合、CNT金属複合材110の体積抵抗率は、1.8×10−5Ω・cmであった。アニール工程によりCNT金属複合材110の体積抵抗率は低下した。図8にアニール前のめっきされたCNT金属複合材110と、アニール後のCNT金属複合材110のXRDの測定結果を示す。本実施例において、XRD測定には1.2kWのCu−Kα X線源のX線回折装置(リガク製)を用い、θ―2θ法で測定した。X線回折分析は、CNT金属複合材110を切断した内部断面で行った。アニール前のめっきされたCNT金属複合材110においては、酸化銅(I)(CuO)に由来するピークが検出され、酸化銅に由来するピークと、銅の最も強度が強い(111)ピークとの強度比が0.3であった。アニール後のCNT金属複合材110においては、酸化銅(I)(CuO)に由来するピークが回折角39.1度において計測され((200)CuO))、銅の最も強度が強い(111)ピークとの強度比が100であった。また、CNT金属複合材110においては、回折角2θが40°以上80°以下の範囲で(111)>(200)>(220)となる高純度の銅に典型的なピークが検出された。したがって、還元条件下でのアニール工程によりCNT金属複合材中の酸化銅は銅に還元され、且つ、CNT金属複合材110はダメージを受けずに、CNT金属複合材100の体積抵抗率が改善されることが明らかとなった。なお、本実施例に用いたX線回折装置の出力が低いため、CNT由来の炭素は検出されなかった。
アニール後のCNT金属複合材110に第2の電解めっきとして、銅イオン水溶液を用いて50μA/cmで3時間電解めっきを施した。第2の電解めっきを施したCNT金属複合材110は、上述の条件と同条件でアニールをした。この結果、CNT金属複合材110の体積抵抗率は、9.8×10−5Ω・cmまで低下し、優れた導電性を示した。CNT金属複合材110においては、酸化銅(I)(CuO)に由来するピークが回折角39.1度において計測され((200)CuO))、銅の最も強度が強い(111)ピークとの強度比が90であった。
本実施例においては、このようにして得られたCNT金属複合材110にエイジング工程を施した。エイジング工程は、電解めっきされたCNT集合体10を6×10A/cm以上の電流を10分以上流すことにより行った。エイジング工程は、CNT11の表面に被着した金属20を再構成する工程であるため、加熱によって行うことも考えられる。しかし、単純な加熱では、CNT11の表面に被着した金属20は、溶融した後にCNT11と分離してしまい、CNT11と金属20との間に良好な界面を保持することはできない。
このようにして得られた本実施例に係るCNT金属複合材100のSEM像を図9に示す。図9において、(a)はエイジング工程前のCNT金属複合材110の外部表面のSEM像を示し、(b)はエイジング工程後の本実施例に係るCNT金属複合材100の外部表面のSEM像である。また、(c)はCNT金属複合材100をCNT集合体10の配向方向と平行に割ったときの内部断面の低倍率のSEM像である。また、図10(a)〜(c)は、破断させたCNT金属複合材100の破断面付近のSEM像である。
エイジング工程前のCNT金属複合材110の外部表面に無数の金属粒子が被着していることがわかる。一方、CNT金属複合材100の外部表面は、エイジング工程により平滑化されていることがわかる。また、図9(c)を参照すると、CNT金属複合材100の内部断面において、CNT11が一様に分散して金属20が被着された構造を備え、CNT11と金属20を区別することは困難である。本実施例に係るCNT金属複合材100においては、CNT11が一様に分散して金属20が被着された領域の長さが少なくとも1μmに渡り存在することが明らかである。これは、エイジング工程を施すことにより、小さい許容電流密度の金属粒子が、大きな許容電流密度を有する大きな金属結晶へと再構成され、CNT11が一様に分散した状態で金属20が被着したためであると推察される。
CNT金属複合材100をScanning Electron Microscopy and Energy Dispersive X-ray spectroscopy(SEM−EDAX)で測定した。本実施例において、SEM像は環境制御型走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて20kVの操作電圧で撮影し、エネルギー分散型X線分析(EDX)はEDAXアナライザ(HORIBA製)を用いてSi検出器を液体窒素で冷却しながら行った。図11にEDXの測定結果を示す。図11において、(a)はCNT金属複合材100のSEM像である。(b)は(a)のSEM像について、Cu−KαとC−Kαとのエネルギーマッピングした図であり、(c)の左はCu−Kαのマッピングを示し、右はC−Kαのマッピングを示す図である。この結果から、本実施例に係るCNT金属複合材100は、EDXを用いた一万倍の元素分析において、銅の出現する信号と炭素の出現する信号が一様な領域の長さが少なくとも1μmに渡り存在することが明らかとなった。
次にCNT金属複合材100における銅とCNTの分布の均一性について、さらに検証した。図12は、銅及び炭素由来のピークをマッピングした図をラインスキャンした結果を示す図である。図12において、(a)はCNT金属複合材100のSEM像であり、図中の点線はラインスキャンした軌跡を示す。(b)は(c)及び(d)をラインスキャンした結果を示す図であり、(c)はCu−Kαのマッピングした図であり、(d)はC−Kαのマッピングした図である。この結果は、図14及び図15に示す比較例のCNT金属複合材900に対して、均一な分布を示すことが明らかである。
図13は、エイジング工程を実施していない比較例のCNT金属複合材900のSEM像である。エイジング工程を実施していない比較例では、CNT11と銅粒子を明確に識別することができる。また、CNT11に対して、銅粒子の被着が不均一であることが明らかである。
図14及び図15は、比較例のCNT金属複合材900について、銅及び炭素由来のピークをマッピングした図をラインスキャンした結果を示す図である。図14及び図15において、(a)はCNT金属複合材900のSEM像であり、図中の点線はラインスキャンした軌跡を示す。(b)は(c)及び(d)をラインスキャンした結果を示す図であり、(c)はCu−Kαのマッピングした図であり、(d)はC−Kαのマッピングした図である。この結果から明らかなように、エイジング工程を実施していない比較例のCNT金属複合材900においては、CNT11に対して、銅粒子の被着が不均一であった。
図16は、比較例のCNT金属複合材900について、SEM像に銅及び炭素由来のピークをそれぞれマッピングした図である。図16において、(a)はCNT金属複合材900のSEM像であり、(b)は(a)にCu−Kαのマッピングをマージした図であり、(c)は(a)にC−Kαのマッピングをマージした図である。この結果からも、エイジング工程を実施していない比較例のCNT金属複合材900においては、CNT11に対して、銅粒子の被着が不均一であることがわかる。
次に、本実施例に係るCNT金属複合材100と、比較例のCNT金属複合材900について、1μm四方の領域をマッピングしたCuの信号強度のヒストグラム分布について検討した。図17は、実施例及び比較例のCNT金属複合材のSEM像であり、(a)はCNT金属複合材100のSEM像であり、(b)はCNT金属複合材900のSEM像である。Cu−Kαのマッピングについて、400ポイントでスキャンし、輝度に対してヒストグラムを作成した。
図18は、図17について、1μm四方の領域をマッピングしたCuの信号強度のヒストグラム分布を示す図である。本実施例に係るCNT金属複合材100は、CNT11が一様に分散して金属20が被着された領域を備えるため、金属の信号強度のヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを示したのに対して、比較例のCNT金属複合材900においては、金属20がCNT11に不均一に付着しているため、極大分布値ピークが複数出現した。
本実施例に係るCNT金属複合材100について、許容電流密度を測定した。測定には、一端に両面間接続端子を取り付けたTジョイントを構成した。他端の開口に真空ポンプと真空ゲージをそれぞれ接続した。測定は、1.3×10−4Paの圧力で行った。両面間接続端子は、3Aまでを供給可能なAgilent社製、U3606A DC power supply-Digital multimeter systemに接続した。より大きな電流には、Kikusui社製、10-105 DC power supplyを用いた。測定は、電圧を段階的に上昇させて行い、同時にシステムからの電流を記録した。各I−V相関から算出した電圧段階での抵抗は、試験片の長さと断面積から抵抗率に変換した。断面積は各段階での適用した電流密度を算出するためにも用いた。測定は5回行い、同じ結果を得た。比較例として、ワイヤーボンディングに一般に用いられるスパッタ及び電解めっきしたCuフィルム、Cu及びAuのワイヤ(直径25μm)についても、同一の条件で、同様のステップで測定した。
また、本実施例に係るCNT金属複合材100について、電気伝導率を4端子法により測定した。Auをコートした電極に接続した4端子電気伝導率測定装置を用いた。図19に、電気伝導率に対する許容電流密度の関係をまとめる。導電率と許容電流との間の逆の傾向が、高導電率を有する材料と、高い許容電流を有するナノカーボンとで明らかとなった。本実施例に係るCNT金属複合材100はこの傾向に従わず、ナノカーボンより1000倍高い導電率とそれらの材料より100倍高い許容電流を示し、高い許容電流と高い導電率のドメインにおいて、異なる点を形成した。これまでに、両方の特性を同時に向上させる材料は実現されておらず、例えば、銅の合金では導電率が減少し、CNTをドープしたり、バンドル化したりしたものは、許容電流が減少する。
図20は、温度と電気伝導率との関係を示す図である。本実施例に係るCNT金属複合材100は、常温では4.7×10 S/cmであった。これは銅の5.8×10 S/cmにほぼ匹敵する。温度を上昇させた場合、CNT金属複合材100の電気伝導率変化は銅に比べて小さく、80℃では銅の電気伝導度を上回り、227℃では銅の2倍となった。
図21に、温度と体積抵抗率との関係を示す。CNT金属複合材100は、320Kから350Kの温度領域では、室温の熱伝導よりも高くなり、Cu単体とは逆の挙動を示した。
図22に、温度と体積抵抗率との関係を示す。CNT金属複合材100の抵抗率温度係数(TCR)は、7.5 x 10−4/Kであったのに対して、Cu単体でのTCRは、6.8 x 10−3/Kであった。CNT金属複合材100は、320Kから500Kの温度領域では、Cu単体に比して、温度上昇に伴う抵抗率の上昇が有意に抑制された。
図23にエイジング時間と体積抵抗率との関係を示す。150×10A/cmでのエイジング結果を示す。1200時間まで、体積抵抗率は一定であった。この結果から、本実施例に係るCNT金属複合材100は、大きな許容電流密度に対して、優れた耐久性を有することが明らかとなった。
10:CNT集合体、11:CNT、12:繊維状CNT、13:CNT配向集合体、15:集合部、15a:集合部、15b:集合部、17:離散部、20:金属、25:被着膜、100:本発明に係るCNT金属複合材、100a:CNT金属複合材の外部表面、100b:CNT金属複合材の内部断面、110:めっきされたCNT集合体、150:基板、900:本発明に係るCNT金属複合材、900a:CNT金属複合材の外部表面、900b:CNT金属複合材の内部断面、920:金属、5000:本発明に係る合成装置、5010:基板、5011:基板、5013:凹部、5015:段差、5020:触媒層、5021:触媒層、5030:合成炉、5040:ガス供給管、5050:ガス排気管、5060:加熱手段、5070:加熱領域、5080:基板ホルダ、5090:原料ガスボンベ、5100:触媒賦活物質ボンベ、5110:雰囲気ガスボンベ、5120:還元ガスボンベ、5130:炭素重量フラックス調整手段、5140:滞留時間調整手段、5150:加熱体積、5160:排気体積、5170:第2の基板、5171:犠牲層、5173:マスク、5200:ガス噴出手段、5210:ガス流形成手段、5220:乱流抑制手段、6010:シリコン基板、6050:金属イオン溶液、6051:溶液6100:電解めっき槽、6110:陽極、6130:陰極、6150:電解めっき液、6170:絶縁スペーサ

Claims (15)

  1. 複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、
    3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、
    一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記金属が一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、
    一万倍の2次元の元素分析像で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、
    許容電流密度が6×10A/cm以上であり、且つ、
    体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であることを特徴とするCNT金属複合材。
  2. 複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、
    3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、
    一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、
    一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、
    320Kから350Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域における熱伝導率が、室温の熱伝導よりも高く、且つ、
    体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であることを特徴とするCNT金属複合材。
  3. 複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、
    3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、
    一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、
    一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、
    320Kから500Kの温度領域の少なくとも一部の温度領域において抵抗率温度係数が5×10−3/K以下であり、且つ、
    体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であることを特徴とするCNT金属複合材。
  4. 複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、
    3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、
    一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、
    一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、
    一万倍の2次元の元素分析で、1μm四方の領域をマッピングした単一の金属の信号強度のヒストグラム分布が一つの極大分布値ピークを備え、且つ、
    体積抵抗率が1×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であることを特徴とするCNT金属複合材。
  5. 複数のCNTに金属を被着してなるCNT金属複合材であって、
    3重量%以上70重量%以下の前記CNTを含み、
    一万倍の走査型電子顕微鏡像において、前記CNTが一様に分布した領域を備え、前記領域の長さが少なくとも1μmであり、
    一万倍の2次元の元素分析で、前記金属の信号と炭素の信号とが特定の領域に局在しておらず、前記金属の信号と前記炭素の信号とが一様に分布した領域の長さが少なくとも1μmであり、且つ、
    線源としてCu−Kα線を用いてX線回折分析をしたときに、前記金属に帰属される最も強度の大きいピークと前記金属の酸化物に帰属される最も強度の大きいピークとの強度比が10以上であり、且つ、体積抵抗率が2×10−6Ω・cm以上5×10−3Ω・cm以下であることを特徴とするCNT金属複合材。
  6. 前記複数のCNTの少なくとも一部が、配向していることを特徴とする請求項1に記載のCNT金属複合材。
  7. 前記金属が、めっき金属であることを特徴とする請求項1に記載のCNT金属複合材。
  8. 前記金属が、金、銅、銀、ニッケル、亜鉛、クロム、白金、スズ又はそれらの合金、或いは半田から選択されることを特徴とする請求項7に記載のCNT金属複合材。
  9. 前記金属が、銅であることを特徴とする請求項8に記載のCNT金属複合材。
  10. 前記金属は銅であり、線源としてCu−Kα線を用いたX線回折分析で測定された(111)、(200)、(220)の強度の大きさが、回折角2θが40°以上80°以下の範囲で(111)>(200)>(220)であることを特徴とする請求項1に記載のCNT金属複合材。
  11. 液体窒素の吸着等温線からBJH法で求めた細孔径の分布極大が50nm以下であるCNT集合体を準備する工程と、
    前記CNT集合体を金属塩と、前記金属塩を溶解する有機溶媒とを含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第1の電解めっき工程と、
    電解めっきされた前記CNT集合体を水素環境下でアニールし還元する工程と、
    電解めっきされた前記CNT集合体を金属塩と水を含む電解めっき液に浸漬し、電解めっきする第2の電解めっき工程と、
    第2の電解めっき工程を施された前記CNT集合体に6×10A/cm以上の電流を10分以上流す工程と、
    を備えることを特徴とするCNT金属複合材の製造方法。
  12. 前記有機溶媒がアセトニトリルであることを特徴とする請求項11に記載のCNT金属複合材の製造方法。
  13. 前記金属塩が銅を含むことを特徴とする請求項11に記載のCNT金属複合材の製造方法。
  14. 前記還元する工程を水素雰囲気中で行うことを特徴とする請求項11に記載のCNT金属複合材の製造方法。
  15. 前記還元する工程の処理温度が100℃以上700℃以下であることを特徴とする請求項14に記載のCNT金属複合材の製造方法。
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YANG Y.L. 他7名: "Single-walled carbon nanotube-reinforced copper composite coating prepared by electrodeposition unde", MATERIALS LETTERS, vol. 62, no. 1, JPN6017006626, 15 January 2008 (2008-01-15), pages 47 - 50, ISSN: 0003507410 *

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