JP6192042B2 - カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法に関する。特に、半導体型カーボンナノチューブを主として含有するカーボンナノチューブ集合体及びその製造方法に関する。
近時、電子デバイス材料、光学素子材料、導電性材料、および生体関連材料などの機能性新素材へのカーボンナノチューブ(以下、CNTとも称する)の展開が期待されており、その用途、品質、および量産性などに対する検討が精力的に進められている。
カーボンナノチューブの中でも単層カーボンナノチューブは、電気的特性(極めて高い電流密度)、熱的特性(ダイアモンドに匹敵する熱伝導度)、光学的特性(光通信帯波長域での発光)、水素貯蔵能、および金属触媒担持能などの各種特性に優れている上、半導体と金属との両特性を備えているため、電子デバイス蓄電デバイスの電極、MEMS部材、および機能性材料のフィラーなどの材料として注目されている。
従来、合成したカーボンナノチューブ集合体は、約3分の2の割合で存在する半導体型カーボンナノチューブと約3分の1の割合で存在する金属型カーボンナノチューブが混在した状態で得られるため、カーボンナノチューブ集合体を半導体装置に用いるためには、半導体型カーボンナノチューブと金属型カーボンナノチューブの混合物から半導体型カーボンナノチューブを分離する必要があった。しかし、例えば特許文献1および2には、金属型と半導体型の混合物から半導体型カーボンナノチューブを分離技術で得る手法が記載されているが、分離過程に伴うカーボンナノチューブへのダメージ、分離コスト、分散剤などの残留不純物の問題があった。
そのため、半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する技術、すなわち半導体型カーボンナノチューブの含有比率が3分の2よりも高いカーボンナノチューブ集合体の合成技術が強く望まれている。例えば、非特許文献1には、プラズマCVD法を用いて半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する方法が記載されている。また、非特許文献2には、カーボンナノチューブを成長させる前の触媒層に水を供給することで、金属型カーボンナノチューブの成長が一部抑えられることが記載されている。
特開2008−266112号公報 特開2011−166070号公報
‘Preferential Growth of Semiconducting Single-WalledCarbon Nanotubes by a Plasma Enhanced CVD Method’ H. Dai et al., Nano Lett., 4, 317 (2004). ‘Synthesis and Device Application’ Kenji Hata, International symposium on Development of Core Technologies for Green Nanoelectronics, 2013/03/14.
半導体型カーボンナノチューブを高い選択性で直接合成するこれらの先行技術文献においては、直径の細い金属型カーボンナノチューブの成長を選択的に抑える技術が報告されていたものの、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量が多いために、半導体型カーボンナノチューブの選択性は実用的な範囲で十分に高いものではなかった。
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解決するものであって、半導体型カーボンナノチューブを、従来技術で得られる3分の2よりも高い割合で選択的に合成することにより、直径の細い金属型カーボンナノチューブのみならず、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量も少ない、カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法を提供する。
本発明は、直径の細い金属型カーボンナノチューブのみならず、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量も少ない、カーボンナノチューブ集合体を提供するものである。本発明のカーボンナノチューブ集合体は、半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成することにより、分離過程に伴うカーボンナノチューブへのダメージ、分離コスト、分散剤などの残留不純物の問題を解決するものである。
本発明の一実施形態によると、波長532nmのラマン分光分析で200cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される金属型カーボンナノチューブ由来のピーク面積を130cm−1以上200cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積で除算して得た、直径0.8nm以上1.3nm以下の金属型カーボンナノチューブの量が、波長785nmのラマン分光分析で190cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積を140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測される金属型カーボンナノチューブ由来のピーク面積で除算して得た、直径0.8nm以上1.3nm以下の半導体型カーボンナノチューブの量の0.1倍以下であり、波長785nmのラマン分光分析で140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測される直径1.3nm以上1.7nm以下の金属型カーボンナノチューブに由来するピーク面積が190cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積の0.3倍以下であり、透過型電子顕微鏡により観察した前記複数のカーボンナノチューブの75%以上が単層であり、且つ、前記複数のカーボンナノチューブの直径が0.6nm以上3.0nm以下の範囲にあるカーボンナノチューブ集合体が提供される。
前記複数のカーボンナノチューブは基材上に配置され、原子間力顕微鏡観察で任意に選択された100本の前記複数のカーボンナノチューブ内の1本以上のカーボンナノチューブの一端に金属触媒粒子が観察され、前記金属触媒粒子が他のカーボンナノチューブを挟まずに前記基材上に存在する様子が観察されてもよい。
前記複数のカーボンナノチューブは基材上に配置され、走査型電子顕微鏡により観察される前記基材上の前記複数のカーボンナノチューブの本数密度が1μmあたり200本以下であり、任意に選択された50本以上の前記複数のカーボンナノチューブの長さの平均が2μm以下であってもよい。
また、本発明の一実施形態によると、金属イオンとルテニウムイオンが敷設された基材を合成炉内に設け還元条件下で加熱することにより、前記基材上に金属微粒子からなる触媒層を形成し、前記触媒層を敷設した前記基材を設けた前記合成炉内の温度を600℃以上900℃以下にして、前記合成炉内のガス成分の99.9%以上を不活性ガスおよび還元性ガスとし水蒸気量を10ppm以下にした後、前記触媒層上に水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンを供給し、炭化水素ガスを供給して前記触媒層からカーボンナノチューブを成長させる工程を備え、直径0.8nm以上1.3nm以下の金属型カーボンナノチューブの量が直径0.8nm以上1.3nm以下の直径を有する半導体型カーボンナノチューブの量の0.1倍以下であり、直径1.3nm以上1.7nm以下の金属型カーボンナノチューブが直径0.8nm以上1.3nm以下の半導体型カーボンナノチューブの量の0.3倍以下であるカーボンナノチューブ集合体を合成するカーボンナノチューブ集合体の合成方法が提供される。
本発明によると、半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成することにより、直径の細い金属型カーボンナノチューブのみならず、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量も少ない、カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカーボンナノチューブ集合体の構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法における金属触媒粒子の形成工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るカーボンナノチューブ集合体の製造工程を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るカーボンナノチューブ集合体の製造工程を示すフロー図である。 本発明の一実施例に係る金属触媒粒子の粒径の測定結果を示す図である。 比較例の金属触媒粒子の粒径の測定結果を示す図である。 本発明の一実施例に係るカーボンナノチューブ集合体のRBM領域におけるラマンスペクトルである。 本発明の一実施例に係るカーボンナノチューブ集合体のAFMでの観察像である。 本発明の一実施例に係るカーボンナノチューブ集合体のSEMでの観察像である。 本発明の一実施例に係るカーボンナノチューブ集合体のTEM観察の結果を示す図である。
本発明者らは、単層カーボンナノチューブ(以下、SWCNTとも称す)集合体及びその製造方法については、Science 306, 1362−1364 (2004)や、国際公表番号WO2006/011655において報告した(以下、スーパーグロース法とも称す)。これらに報告した単層カーボンナノチューブ集合体は、基材面の垂直方向に配向した長いカーボンナノチューブの集合体であり、それまでにない高収率で合成可能なものであった。しかし、これらの製造方法では、半導体型カーボンナノチューブと金属型カーボンナノチューブとの混合物として合成され、相当量の金属型カーボンナノチューブを含有していた。
本発明によれば、金属イオンとルテニウムイオンが敷設された基材を合成炉内に設け還元条件下で加熱することにより金属微粒子からなる触媒層を基材上に敷設する工程と、触媒層を敷設した基材を設けた合成炉内の温度を600℃以上900℃以下にして、合成炉内のガス成分の99.9%以上を不活性ガスおよび還元性ガスとし水蒸気量を10ppm以下にした後、触媒層上に水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンを供給する工程と、炭化水素ガスを供給して前記触媒層からカーボンナノチューブを成長させる工程を備えることにより、半導体型のカーボンナノチューブを選択的に合成することができる。
上記の金属型又は半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する方法は以下の原理に基づくものである。すなわち触媒層は、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンの供給により弱く酸化され、炭化水素ガスをカーボンナノチューブに変換する能力が低下する。酸化状態を好適に制御することによって特に直径の細い金属型カーボンナノチューブに変換する能力を選択的に弱めることができる。さらに、基材に敷設されたルテニウムイオンが金属微粒子のサイズを抑制することにより、直径の太いカーボンナノチューブの合成量が抑えられる。これらの結果、直径の細い半導体型カーボンナノチューブの含有比率を高めることができる。
上記の方法で合成して得られたカーボンナノチューブ集合体の金属型又は半導体型カーボンナノチューブの割合を以下の分析方法等で特定することができる。
[ラマン分光分析]
後述する比較例に示すように、従来のカーボンナノチューブ集合体の製造方法やスーパーグロース法により製造されたカーボンナノチューブ集合体について金属型カーボンナノチューブの混合状態を検証した。ラマン分光分析は、カーボンナノチューブの品質を評価する手段の1つとして知られている。本発明においては、半導体型カーボンナノチューブと金属型カーボンナノチューブとの割合を評価するため、ラジアルブリージングモード(以下、RBMという)と呼ばれるラマンスペクトルの350cm−1以下の領域について検討するものとする。RBM領域に観察されるピークは、カーボンナノチューブの直径と相関があることも知られている。ラマン分光分析によるカーボンナノチューブの評価には、半導体型カーボンナノチューブと金属型カーボンナノチューブとの割合を評価するため、532nm及び785nmの波長を用いて、RBM領域のスペクトルを測定するのが好ましい。
上述したように、半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する従来の製造方法は、直径の細い金属型カーボンナノチューブの成長を選択的に抑える技術であった。532nmの波長を用いたラマン分光分析において、半導体型カーボンナノチューブに由来するピークは、130cm−1以上200cm−1以下の領域に観測される。また、直径が0.8nm以上1.3nm以下の細い金属型カーボンナノチューブに由来するピークは、200cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される。したがって、本発明においては、直径の細い金属型カーボンナノチューブに由来する200cm−1以上280cm−1以下の領域に観測されるピーク面積が小さいことが好ましい。また、785nmの波長を用いたラマン分光分析において、半導体型カーボンナノチューブに由来するピークは、190cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される。一方、直径が1.3nm以上1.7nm以下の太い金属型カーボンナノチューブに由来するピークは、140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測される。したがって、本発明においては、直径の太い金属型カーボンナノチューブに由来する140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測されるピーク面積が小さいことが好ましい。
従来の半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する方法が、直径の細い金属型カーボンナノチューブの成長を選択的に抑える技術に留まった理由は、直径の細いカーボンナノチューブにおいては、半導体型カーボンナノチューブが高い選択性で合成されるのに対して、直径の太いカーボンナノチューブにおいては、半導体型カーボンナノチューブの選択性が低く、直径の太い金属型カーボンナノチューブの合成を抑制することが困難であったためである。
一方、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量が従来のカーボンナノチューブ集合体に比して有意に少ない。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体についてラマン分光分析により評価すると、以下のようになる。複数のカーボンナノチューブをラマン分光分析し、波長532nmのラマン分光分析で200cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される金属型カーボンナノチューブ由来のピーク面積を130cm−1以上200cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積で除算して得た、直径0.8nm以上1.3nm以下の金属型カーボンナノチューブの量が、波長785nmのラマン分光分析で190cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積を140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測される金属型カーボンナノチューブ由来のピーク面積で除算して得た、直径0.8nm以上1.3nm以下の半導体型カーボンナノチューブの量の0.1倍以下である。より好ましくは、0.05倍以下である。
すなわち、波長532nmのラマン分光分析により観察される直径の細い金属型カーボンナノチューブのピーク面積と、波長785nmのラマン分光分析により観察される直径の細い半導体型カーボンナノチューブのピーク面積を、それぞれ直径の太いカーボンナノチューブで規格化した後で比較した際に、直径の細い金属型カーボンナノチューブの含有量が有意に少ないことを意味する。
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、波長785nmのラマン分光分析で140cm−1以上190cm−1以下の領域に観測される直径1.3nm以上1.7nm以下の金属型カーボンナノチューブに由来するピーク面積が190cm−1以上280cm−1以下の領域に観測される半導体型カーボンナノチューブ由来のピーク面積の0.3倍以下である。より好ましくは、0.1倍以下である。したがって、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量が有意に少ないことを意味する。
[透過型電子顕微鏡による観察]
本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、透過型電子顕微鏡(以下、TEMとも称す)により観察した複数のカーボンナノチューブの75%以上が単層であり、且つ、複数のカーボンナノチューブの直径が0.6nm以上3.0nm以下の範囲にあることを特徴とする。より好ましくは、90%以上が単層カーボンナノチューブである。また、カーボンナノチューブの直径が0.8nm以上2.5nm以下の範囲にあることがより好ましい。透過型電子顕微鏡による観察においては、倍率40万倍で観察し、75nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がCNT集合体117である視野中から任意に抽出した100本のCNTについて層数を評価し、単層CNTの本数を確認することにより行うことができる。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。このとき、CNT1本とは視野中で一部CNTが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。また、カーボンナノチューブの直径も同様に測定する。
本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、その大部分が単層カーボンナノチューブで構成され、直径が0.6nm以上3.0nm以下の細いカーボンナノチューブにより構成される。したがって、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、半導体型の割合が3分の2程度から選択的に高めるのが難しい、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量が有意に少なく、従来のカーボンナノチューブ集合体よりも半導体型カーボンナノチューブの選択性が有意に高い優れた材料である。
ここで、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の構造について説明する。図1は、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の構造を示す模式図である。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100は、上述したように、直径の細い半導体型カーボンナノチューブ101が大多数を占め、僅かな直径の太い半導体型カーボンナノチューブ103、僅かな直径の細い金属型カーボンナノチューブ105及び直径の太い金属型カーボンナノチューブ107が含まれる。カーボンナノチューブ集合体100は、例えば、基材10の絶縁層30が形成された面に敷設された金属触媒粒子70から半導体型カーボンナノチューブ101が成長した構造を有する。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法において説明するように、基材10の絶縁層30が形成された面には、金属触媒粒子70以外に、金属触媒粒子70を形成する段階で、金属触媒粒子70同士が融合するのを抑制するために用いた助触媒粒子50が存在する。
このため、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100は、複数のカーボンナノチューブが基材10上に配置され、原子間力顕微鏡観察(以下、AFMとも称す)で任意に選択された100本の複数のカーボンナノチューブ内の1本以上のカーボンナノチューブの一端に金属触媒粒子70が観察され、金属触媒粒子70が他のカーボンナノチューブを挟まずに基材10上に存在する様子が観察される。このような構造を有する本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100は、金属触媒粒子70を介して基板10上に強く固定されているため、リソグラフィープロセスを用いて電界効果トランジスタのチャネル層などに加工する際に膜剥がれが起こりづらい。
また、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100は、基材10の絶縁層30が形成された面に、金属触媒粒子70以外に助触媒粒子50が存在するため、走査型電子顕微鏡により観察される基材10上のカーボンナノチューブの本数密度が1μmあたり200本以下であり、任意に選択された50本以上のカーボンナノチューブの長さの平均が2μm以下である。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100の本数密度は、好ましくは1μmあたり150本以下であり、長さの平均は1.5μm以下である。このように適度に長さや本数密度が制御された構造を有する本発明に係るカーボンナノチューブ集合体100は、電界効果トランジスタのチャネル層として用いることにより、ソース電極とドレイン電極間で金属型カーボンナノチューブによる短絡が起こらない、高いオンオフ比を示すトランジスタを作ることができる。
以上説明したように、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成することにより、直径の細い金属型カーボンナノチューブのみならず、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量も少ない、優れたカーボンナノチューブである。また、従来行われてきたような金属型と半導体型の混合物から半導体型カーボンナノチューブを分離する工程を必要としないため、カーボンナノチューブへのダメージ、分離コスト、分散剤などの残留不純物の問題を生じない優れた半導体材料である。
(製造方法)
本発明に係るカーボンナノチューブ集合体は、直径の細い金属型カーボンナノチューブの含有量が少ないのみならず、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量も少ない点で従来とは異なる。上述したように、従来の半導体型カーボンナノチューブを選択的に合成する方法では、直径の細いカーボンナノチューブにおいては、半導体型カーボンナノチューブが高い選択性で合成されるのに対して、直径の太いカーボンナノチューブにおいては、半導体型カーボンナノチューブの選択性が低く、直径の太い金属型カーボンナノチューブの合成を抑制することが困難であった。
[金属触媒粒子]
本発明者らは、この点に着目し、直径の細い金属型カーボンナノチューブの合成を抑制しつつ、選択性が低い直径の太いカーボンナノチューブ自体の合成を抑制することにより、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量を著しく低減させた。従来よく知られているように、カーボンナノチューブの直径は、合成に用いる金属触媒粒子の粒径に依存する。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、金属触媒粒子の粒径を2nm以下に制御することにより、金属型カーボンナノチューブの割合が高くなりやすい直径の太いカーボンナノチューブの合成を抑制することにより、直径の太い金属型カーボンナノチューブの含有量を著しく低減可能であることを初めて見出した。したがって、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、粒径が2nmを超える金属触媒粒子はほとんど存在しない。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、金属触媒粒子として、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金、ニオブ、タンタル、鉛、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、インジウム、燐、アンチモン等の金属・半導体;これらの合金;これらの金属および合金の酸化物等を用いることができる。特に、鉄(Fe)は本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法に用いる金属触媒粒子として好適である。
[助触媒]
粒径が2nm以下の金属触媒粒子を主として形成するためには、基材上に薄い金属触媒層を形成し、粒子形成させる方法が考えられる。しかし、単に薄い金属触媒層を加熱することにより粒子を形成させると、近接する金属触媒粒子同士が融合して、大きな粒子を形成してしまう。このため、低濃度の金属溶液を基材に塗布し、金属触媒層に含まれる金属イオン濃度を低くすることにより、金属触媒粒子同士が融合して、大きな粒子を形成するのを抑制することができる。しかし、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、粒径が2nm以下の金属触媒粒子を主として形成する必要が有るため、単に塗布する溶液中に含まれる金属触媒の濃度を低くするだけでは不十分である。鋭意検討した結果、本発明者らは、この問題を解決するために、助触媒を用いることが有効であることを見出した。
本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、助触媒は金属触媒粒子を形成する段階で、金属触媒粒子同士の融合を抑制する。本発明者らは、国際公開番号WO2010/018117において、基材上にアルミナを含む助触媒層、鉄を含む触媒層を順次形成することにより、フォーメーション工程において触媒粒子の触媒密度が減少し、形成されるカーボンナノチューブの間隔を調節する技術を報告した。しかし、この鉄−アルミナの組合せでは、本願発明の目的である直径の細い金属型カーボンナノチューブの合成を抑制しつつ、選択性が低い直径の太いカーボンナノチューブ自体の合成を抑制することはできない。鉄を金属触媒として用いる場合に、助触媒として様々な金属を検討した結果、ルテニウム(Ru)は、2nm以下の鉄粒子を形成するのに非常に効果的であることを初めて見出した。したがって、本発明においては、低濃度の鉄イオンとルテニウムイオンとの混合溶液を金属触媒層の形成に好適に用いることができる。本発明において助触媒は金属触媒粒子同士の融合を抑制するが、カーボンナノチューブの合成においての触媒作用は有していない。このため、混合溶液において、鉄イオンに対してルテニウムイオンの濃度は微量であってよく、その割合は、100:1以下であり、好ましくは、1000:1である。
[水分量の制御]
本発明者らが以前に報告したスーパーグロース法では、触媒の賦活化物質として、合成反応中に水分を合成炉内に供給することにより、触媒の活性、触媒の寿命が飛躍的に向上して、垂直配向単層カーボンナノチューブの高さが格段に大きくなり、それまでに報告されていなかった、配向性が高く、長い単層カーボンナノチューブを高収率で得られるものであった。しかし、このスーパーグロース法を本願発明に単純に適用しても、本願発明の目的である直径の細い金属型カーボンナノチューブの合成を抑制しつつ、選択性が低い直径の太いカーボンナノチューブ自体の合成を抑制することはできない。
鋭意検討した結果、本発明者らは、カーボンナノチューブの成長に供する直前の触媒層に対して、極微量の水分を添加することにより、半導体型カーボンナノチューブが成長する割合が飛躍的に向上することを見出した。本発明においては、合成反応前に所定の期間、極微量の水分を粒子形成した触媒へ添加することが重要である。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、合成反応前に所定の期間、50ppm以下の水分を粒子形成した触媒へ添加することが好ましく、より好ましくは2ppm以上6ppm以下添加する。合成反応前に触媒へ添加する水分量が50ppmを超えると、直径の太い金属型カーボンナノチューブの合成量が高くなり好ましくない。
このように合成反応前に触媒へ極微量の水分を添加するには、触媒への水分添加前に、合成炉内の水分量を可能な限り低く制御する必要がある。このような合成反応前に合成炉内の水分量を制御することは、スーパーグロース法のみならず、他の合成方法においても、ほとんど検討されてこなかった。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、触媒への水分添加前に、合成炉内の水分量を5ppm以下、より好ましくは1ppm以下とする。本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法においては、触媒への水分添加前の合成炉内の水分量を厳密に制御することにより、触媒へ添加する水分量を厳密に制御することができる。
[製造工程]
以下に、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造工程について説明する。図2は、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造方法における金属触媒粒子の形成工程を示す模式図である。また、図3及び4は、本発明に係るカーボンナノチューブ集合体の製造工程を示すフロー図である。
絶縁層30が形成された基材10を準備する(S11)。図2の(a)においては、平板状の基材10に絶縁層30が形成された例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁層30上に金属触媒粒子70が形成できれば、粒状の基材であってもよい。基材10の材質に特段の制限はなく、カーボンナノチューブ集合体の製造に用いられる公知のものを用いることができる。基材10としては、汎用性からシリコン基板を好適に用いることができる。絶縁層30は金属触媒粒子70が形成できれば、カーボンナノチューブ集合体の製造に用いられる公知のものを用いることができる。基材10としてシリコン基板を用いた場合、シリコン酸化膜は製造の効率から好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。金属触媒粒子70が形成される基材10の面に絶縁層30が形成されていればよく、基材10の全面が絶縁層30で覆われる必要はない。
基材10の絶縁層30が形成された面に助触媒層51を形成する(S13)。本発明においては、上述したように、助触媒層51としてルテニウム(Ru)を好適に用いることができる。絶縁層30上にルテニウムを塗布するため、ルテニウムイオンとなる塩を溶媒に溶解させたものを用いることが好ましい。
助触媒層51上に触媒層71を形成する(S15)。上述したように、本発明においては、鉄(Fe)を好適に用いることができる。助触媒層51上に鉄を塗布するため、鉄となる塩を溶媒に溶解させたものを用いることが好ましい。
また、本発明は、図2の(b)に示したような助触媒層51上に触媒層71を形成する方法に限定されるものではない。上述したように、助触媒層51と触媒層71を混合層として同時に形成してもよい。この場合、ルテニウムイオンと鉄イオンの混合溶液を絶縁層30上に塗布すればよい。このような混合溶液としては、例えば、塩化ルテニウムと塩化鉄の混合溶液が挙げられる。混合溶液において、鉄イオンに対してルテニウムイオンの濃度は微量であってよく、その割合は、100:1以下であり、好ましくは、1000:1である。
このあとの工程は、合成炉内で行う。合成炉は、化学気相成長法(CVD)を行うものであって、例えば、本発明者らが以前に報告したスーパーグロース法の装置を用いることができる。助触媒層51と触媒層71を形成した基材10を合成炉内に配置し、還元条件下で、金属触媒粒子70を形成する(S21:フォーメーション工程)。このとき、上述したように、助触媒粒子50が形成されることにより、近接する金属触媒粒子同士が融合するのを抑制することができる。
フォーメーション工程後、合成炉内の水分量を5ppm以下に制御する(S23:水分量調整工程)。この工程においては、合成炉内の温度を600℃以上900℃以下に維持するとともに、不活性ガスを流すことにより、水分量を制御する。合成炉内の水分量を5ppm以下にした後、ガス成分の99.9%以上を不活性ガスおよび還元性ガスとし、金属触媒粒子71が敷設された基材10の表面に水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンを1分間以上曝露させる(S25:水分添加工程)。本発明においては、この水分添加工程を行うことにより、金属型カーボンナノチューブの合成を抑制しつつ、半導体型カーボンナノチューブを合成することができる。
水分添加工程後、炭化水素ガスを曝露させることにより、半導体型カーボンナノチューブを主に含有する本発明に係るカーボンナノチューブ集合体が合成される(S27:カーボンナノチューブ合成工程)。上述したように、本発明においては、合成反応中に水分を添加しない、または極微量添加することにより、半導体型カーボンナノチューブの合成量が飛躍的に向上させることができる。
[カーボンナノチューブ集合体の製造]
(実施例)
上述した製造法を用いて、実施例のカーボンナノチューブ集合体を製造した。100nmのシリコン酸化膜(SiO)を絶縁層として形成したシリコン基板を用い、2×10−5mol/Lの塩化鉄(FeCl)と2×10−8mol/Lの塩化ルテニウム(RuCl)の混合液50mlに浸漬した。還元剤として、0.01mol/LのNHH・Hを1000μl添加して、絶縁層上に鉄とルテニウムの触媒層を形成した。基板を超純水、イソプロパノールで順次洗浄し、ブロアーで乾燥させた。
触媒層を形成したシリコン基板を合成炉に配置し、ヘリウム(He)を1900sccm、水素(H)を100sccm共有しながら、合成炉内を200℃〜780℃に50℃/minで昇温させ、780℃に達した時点で2分間維持し、フォーメーション工程を行った。その後、2分間でHeの流量を2000sccmへ変更するとともに、Hを0.4sccmへ変更し、この状態を1分間維持し、水分量調整工程を行った。その後、バブラーを通して2000ppmの水蒸気を含ませたヘリウムガスを10sccmの流量で5分間添加して、水分添加工程を行った。この水分添加工程により、触媒層の酸化度が半導体型カーボンナノチューブの選択的成長に好適となるよう調整される。
水分添加工程後、水蒸気と水素のガスを停止し、エチレン(C)を5sccm、2分間供給することにより、本実施例に係るカーボンナノチューブ集合体を合成した。その後、He以外のガスの供給を停止し、Heを2分間流して、合成炉内に残存する余分なガスを排出した。
(比較例)
比較例として、水分添加工程を用いず、また助触媒層を用いないことにより、金属型カーボンナノチューブが約3分の1の割合で混合するカーボンナノチューブ集合体を合成した。比較例においては、100nmのシリコン酸化膜(SiO)を絶縁層として形成したシリコン基板を用い、100μmol/Lの塩化鉄(FeCl)水溶液50mlに浸漬した。還元剤として、0.01mol/LのNHH・Hを1000μl添加して、絶縁層上に鉄の触媒層を形成した。基板を超純水、イソプロパノールで順次洗浄し、ブロアーで乾燥させた。
触媒層を形成したシリコン基板を合成炉に配置し、ヘリウム(He)を1900sccm、水素(H)を100sccm共有しながら、合成炉内を200℃〜780℃に50℃/minで昇温させ、780℃に達した時点で2分間維持し、フォーメーション工程を行った。エチレン(C)を5sccm、2分間供給することにより、比較例のカーボンナノチューブ集合体を合成した。その後、He以外のガスの供給を停止し、Heを2分間流して、合成炉内に残存する余分なガスを排出した。
[金属触媒粒子の粒径]
AFMを用いて実施例及び比較例で形成した金属触媒粒子の粒径を測定した。実施例の測定結果を図5に示し、比較例の測定結果を図6に示す。それぞれの図において、(a)は観察像を示し、(b)は観察像を基に求めた粒子の高さ(粒径に相当)に対する粒子数の分布を示す図である。図5と図6を比較すると、本実施例においては、金属触媒粒子の粒径は2nm以下がほとんどであるのに対して、比較例においては、2〜4nmの粒子が相当量含まれることが明らかである。
この結果から、大きな粒径の金属触媒粒子を多く含む従来の粒子形成とは異なり、本実施例では、2nm以下の粒径の金属触媒粒子を形成することにより、直径の太いカーボンナノチューブの合成を抑制することが可能であることが明らかとなった。
[ラマン分光分析]
製造した実施例及び比較例のカーボンナノチューブ集合体について、ラマン分光分析を行った。図7は、実施例のカーボンナノチューブ集合体のRBM領域におけるスペクトルを示す。図7から明らかなように、本実施例に係るカーボンナノチューブ集合体においては、直径の細い半導体型カーボンナノチューブ101は、直径の細い金属型カーボンナノチューブ105に比して合成量が多く、直径の細い金属型カーボンナノチューブ105の合成が抑制されていることが明らかである。また、直径の太い半導体型カーボンナノチューブ103に比して直径の太い金属型カーボンナノチューブ107の合成が抑制されていることが明らかである。
スペクトルのピーク面積を基に更に解析すると、表1のようであった。即ち、785nmでの測定結果から、直径の太い金属型カーボンナノチューブ107は、直径の細い半導体型カーボンナノチューブ103の0.3倍以下であった。また、直径の細い金属型カーボンナノチューブ105は直径の細い半導体型カーボンナノチューブ101の0.1倍以下であった。このような、本実施例に係るカーボンナノチューブ集合体は、半導体材料として好適に用いることができる。
比較例のカーボンナノチューブ集合体のラマンスペクトルにおけるピーク面積を解析すると、表2のようであった。即ち、785nmでの測定結果から、直径の太い金属型カーボンナノチューブ107は、直径の細い半導体型カーボンナノチューブ103の0.3倍以上存在する。また、直径の細い金属型カーボンナノチューブ105は直径の細い半導体型カーボンナノチューブ101の0.1倍以上存在する。このように、比較例のカーボンナノチューブ集合体は、金属型カーボンナノチューブが高い割合(約3分の1程度)で含まれるため、半導体材料としては適していない。
[カーボンナノチューブ集合体のAFM観察]
上述した実施例及び比較例のカーボンナノチューブ集合体をAFMで観察した。図8は、実施例のカーボンナノチューブ集合体のAFMでの観察像である。図8から明らかなように、本実施例に係るカーボンナノチューブ集合体においては、カーボンナノチューブ101の一端に金属触媒粒子70が観察され、金属触媒粒子70が他のカーボンナノチューブ101を挟まずに基材10上に存在する様子が観察される。
[カーボンナノチューブ集合体のSEM観察]
走査型電子顕微鏡(SEMとも称す)を用いて、実施例のカーボンナノチューブ集合体を観察した。図9は、実施例のカーボンナノチューブ集合体のSEMでの観察像である。図9の観察結果から、本実施例に係るカーボンナノチューブの長さの平均は0.43μmであり、本数密度は65本であった。
[カーボンナノチューブ集合体のTEM観察]
透過型電子顕微鏡(TEMとも称す)を用いて、実施例のカーボンナノチューブ集合体を観察した。図10は、実施例のカーボンナノチューブ集合体のTEM観察の結果を示す図である。基板上に合成されたカーボンナノチューブ集合体を超音波で分散し、銅のグリッドに滴下して観察した。図10において、横軸はカーボンナノチューブの直径を示し、縦軸は本数を示す。図10から、本実施例に係るカーボンナノチューブ集合体は、直径が1.0nm〜3.0nmの細い単層のカーボンナノチューブにより構成されていることが明らかとなった。
10:基材、30:絶縁層、50:助触媒粒子、70:金属触媒粒子、100:カーボンナノチューブ集合体、101:直径の細い半導体型カーボンナノチューブ、103:僅かな直径の太い半導体型カーボンナノチューブ、105:僅かな直径の細い金属型カーボンナノチューブ、107:直径の太い金属型カーボンナノチューブ

Claims (2)

  1. 金属イオンとルテニウムイオンが敷設された基材を合成炉内に設け還元条件下で加熱することにより、前記基材上に金属微粒子からなる触媒層を形成し、
    前記触媒層を敷設した前記基材を設けた前記合成炉内の温度を600℃以上900℃以下にして、前記合成炉内のガス成分のうち不活性ガスおよび還元性ガスが99.9%以上であり水蒸気量を10ppm以下にした後、前記触媒層上に水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンを供給し、
    炭化水素ガスを供給して前記触媒層からカーボンナノチューブを成長させ、
    直径0.8nm以上1.3nm以下の直径を有する金属型カーボンナノチューブの量が直径0.8nm以上1.3nm以下の直径を有する半導体型カーボンナノチューブの量の0.1倍以下であり、直径1.3nm以上1.7nm以下の金属型カーボンナノチューブが直径0.8nm以上1.3nm以下の直径を有する半導体型カーボンナノチューブの量の0.3倍以下であるカーボンナノチューブ集合体を合成することを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の合成方法。
  2. 金属イオンとルテニウムイオンが敷設された基材を合成炉内に設け還元条件下で加熱することにより、前記基材上に金属微粒子からなる触媒層を形成し、
    前記触媒層を敷設した前記基材を設けた前記合成炉内の温度を600℃以上900℃以下にして、前記合成炉内のガス成分のうち不活性ガスおよび還元性ガスが99.9%以上であり水蒸気量を10ppm以下にした後、前記触媒層上に水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素及びアセトンを供給し、
    炭化水素ガスを供給して前記触媒層からカーボンナノチューブを成長させることを特徴とする半導体型カーボンナノチューブの選択的合成方法。
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