JP2001225406A - 分子導線と金属電極の接続方法および基板 - Google Patents
分子導線と金属電極の接続方法および基板Info
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Abstract
可欠な分子導線と金属電極の接続方法、およびそれらの
接続構造を含んだ基板に関し、分子導線と電極との間に
十分な電気的接触をとること。 【解決手段】 基板1上の所定位置に金属電極2,3を
形成する(a)。単一分子または複数個の分子の集合か
らなる分子導線4を金属電極2,3近傍または跨るよう
に配置する(b)。金属電極2,3と分子導線4それぞ
れの少なくとも一部を導電性物質である金属メッキ7,
8により接続する(c)。
Description
の接続方法および基板に関し、特に、分子スケールのデ
バイス製造において必要不可欠な分子導線と金属電極の
接続方法、およびそれらの接続構造を含んだ基板に関す
る。
限界に近づきつつある。これに代わる新規な半導体デバ
イスとして、近年、回路部品に分子を用いたデバイスで
ある分子素子の研究開発が活発化している。分子素子と
は、単一分子を機能の最小単位に利用したメモリ、論理
回路等の情報処理用デバイスを指す。分子素子において
は、分子のもつ機能性の利用と分子の持つスケールメリ
ットの活用によって、現在の大規模集積回路を凌駕する
高機能化デバイスおよび高集積化デバイスの実現が期待
されている。
現する機能性分子の開発とともに、これら機能性分子外
部に電気信号を取り出すための電極を当該機能性分子と
電気的に結合させる微小導線、すなわち分子導線の開発
が必要不可欠である。このような分子導線の持つべき性
質としては、(1)導電性、(2)剛直性、および
(3)接続性が挙げられる。本出願は、(3)の接続性
向上を図ったものである。
として、カーボンナノチューブがある。カーボンナノチ
ューブは、高導電性を有するのみならず、高剛直性をも
有する。また、チューブの巻き性の違いによる電子物性
の変化といった、カーボンナノチューブ単体の持つ機能
性を利用することも可能であり(S.J.Tans他、
ネイチャ(Nature)第386巻、第474頁(1
998))、カーボンナノチューブの使用について精力
的な研究が展開されている。
電気信号を外部出力として得るためには、分子導線と外
部電極との間に電気的接触をとる必要がある。カーボン
ナノチューブを使用する場合、その長さは数μmであ
り、この片端あるいは両端に電極を形成することは、ス
ケール的には現時点の技術水準により容易に実現可能で
ある。例えば、1μm程度の距離が空いた金属電極対を
予め基板上に形成しておき、その電極間をカーボンナノ
チューブで橋渡しするように設置し、カーボンナノチュ
ーブの電子物性を計測することができる。
ボンナノチューブの間に生じる接触抵抗を無視できない
ことが挙げられる。学術的な意義でカーボンナノチュー
ブ単一分子固有の電子物性を測定するためには、四端子
法を用いた測定によって接触抵抗を相殺することができ
る(S.J.Tans他、ネイチャ(Nature)第
393巻、第49頁(1998))。しかしながら、分
子導線配線技術の実用化に向けては、接触抵抗を無視で
きるほど良好な電気的接触を実現することのできる分子
導線と電極の接続方法の開発が求められる。
る一つの手段として、次の手法がある。すなわち、まず
カーボンナノチューブを基板上に分散してその所在位置
を特定する。次に、当該所在位置に蒸着法により金属電
極を形成する。この手法による電極形成法は、実際にE
bbesen等によって報告されている(Ebbese
n他、ネイチャ(Nature)第382巻、第54頁
(1996))。
告中で指摘しているように、当該電極形成法では、細心
の注意を払ってもカーボンナノチューブの破損を避ける
ことができない。高強度の分子導線材料であると一般に
認識されているカーボンナノチューブのような材料です
ら破損を避け得ないのであるから、半導体高分子のよう
なより低強度の分子導線材料に対しては当該電極形成法
の適用は不可能である。
向けては、確実に分子導線と金属電極の電気的接触がと
れるだけではなく、且つ、カーボンナノチューブと比較
して格段に低強度の分子導線を用いても破損させること
のない電極形成法が求められる。
限定されない電極形成法が好ましい。分子導線は制限さ
れた電子状態を利用するものである。すなわち、単一分
子あるいは複数個の分子の集合体が持つ離散的なエネル
ギ状態に応じて、これに接続する電極の電子状態(金属
電極であれば仕事関数)も選択されるべき性質のもので
ある。このような分子導線に対して電極を形成する場
合、分子導線の電子状態と金属電極の仕事関数との関係
によって最適組み合わせが存在する。あるいは、組み合
わせの違いによる異なる機能の発現を期待できる。した
がって、分子導線への電極形成法として、電極材料であ
る金属の種類を制限しない方法が有利である。
子導線と金属電極の電気的な接触を確実にとる既存の方
法は極めて少ない。現実には、限定された材料に対し
て、高度な技術を用いることによってのみ達成し得る手
法が知られているだけである。しかしながら、分子素子
実現の目標に向けた要素技術として、多様な分子導線に
対して多様な金属を適用可能な分子導線−金属電極接続
法が求められている。
製造において必要不可欠な、多様な分子導線に対して適
用可能な分子導線と電極との間に十分な電気的接触をと
ることのできる分子導線と電極の非破壊的な接続方法で
あって、電極の金属種類の選択に制限のない簡便な分子
導線と金属電極の接続方法、およびそれらの接続構造を
含んだ基板を提供することを目的とする。
めに請求項1の発明は、所定位置に金属電極を形成する
第1工程と、単一分子または複数個の分子の集合からな
る分子導線を前記金属電極近傍に配置する第2工程と、
前記金属電極と前記分子導線それぞれの少なくとも一部
を導電性物質により接続する第3工程とを含んだことを
特徴とする分子導線と金属電極の接続方法を提供する。
接続方法において、前記第2工程において、前記分子導
線を化学結合によって固定して配置することを特徴とす
る分子導線と金属電極の接続方法を提供する。
接続方法において、前記第3工程における前記導電性物
質は金属であり、無電解メッキにより前記金属を形成し
て前記前記金属電極と前記分子導線の電気的接触をとる
ことを特徴とする分子導線と金属電極の接続方法を提供
する。
接続方法において、前記第3工程における前記導電性物
質は金属であり、電解メッキにより前記金属を形成して
前記前記金属電極と前記分子導線の電気的接触をとるこ
とを特徴とする分子導線と金属電極の接続方法を提供す
る。
接続方法において、前記第1工程において前記金属電極
を複数形成し、前記第3工程において、前記金属電極の
いずれかに所定の金属により前記電解メッキを行い、さ
らに、前記金属電極の別の電極に別の金属により前記電
解メッキを行うことを特徴とする分子導線と金属電極の
接続方法を提供する。
された金属電極と、前記金属電極近傍に配置された単一
分子または複数個の分子の集合からなる分子導線と、前
記金属電極と前記分子導線それぞれの少なくとも一部を
接続するように配置された導電性物質とを備えたことを
特徴とする基板を提供する。
基板において、前記金属電極は複数配置され、前記導電
性物質は、前記金属電極のいずれかに接続するように配
置される所定の金属と、前記金属電極の別の電極に接続
するように配置される別の金属を含むことを特徴とする
基板を提供する。
属電極の接続方法の実施形態、およびそれらの接続構造
を含んだ半導体基板の実施形態について詳述する。
法の一実施形態は、図1に図式的に示した通り、概略す
ると以下に示す工程を具えている。また当該工程を実施
することにより、これらの接続構造を含んだ本発明に係
る半導体基板の一実施形態を製造することができる。
(a))、[2]分子導線の配置(図1(b))、
[3]電極に金属メッキを施すことによる分子導線と金
属電極の結合の形成(図1(c))を具えている。図1
(a)〜(c)はそれぞれ二面図であり、平面図と断面
図を表す。また、図式上、一つの分子導線の両端が金属
電極と結合する場合を示したが、分子導線の結合部位は
これに限定されない。
して二端子の電極2,3を形成する場合を例示してあ
る。ここで、電極2,3の形成については、半導体微細
加工技術で通常行われる周知の手法を用いて、所望の電
極を形成することができる。
表面にフォトマスクを通して露光を行った後、レジスト
を現像し、所望の金属を蒸着し、さらにレジストをリフ
トオフする工程によって、電極2,3を初期電極として
形成することができる。
ヤ等の絶縁体、シリコンウエハ等の半導体、金や銅等の
金属等、様々な材料を使用することができる。また、こ
のとき蒸着する金属を選択することによって、電極2,
3として使用する金属を選択することができる。また、
フォトマスクを用いて露光する代わりに電子ビーム露光
を使用すれば、さらに微細な電極を形成することもでき
る。
とがなく、図1に示した二端子電極の他に、例えば四端
子電極、櫛形電極等を形成することができる。また、こ
れらの形態以外の電極を用いてもよい。
て、図1(b)のように例えばカーボンナノチューブか
らなる分子導線4を配置する。分子導線4としては、カ
ーボンナノチューブ、DNAに限らず、ポリアセチレン
やポリアニリン等の伝導性高分子、ポリシラン等の半導
体高分子、その他の有機/無機高分子を使用することが
できる。
て配置することが好ましいが、後述の通り、この配置形
態に限定されるものではない。
にしたカーボンナノチューブ希薄溶液をキャストして、
基板1上に散布することで実施できる。この方法ではカ
ーボンナノチューブ分子導線の配置位置の制御は困難で
あるが、一定確率で電極2,3間に分子導線4を配置す
ることができる。
て配置する方法として他に、基板1表面上に物理吸着や
化学結合を介して固定する方法を用いることもできる。
この固定方法は電極と末端基の吸着を利用して実施する
ことができる。例えば、金とS−Hとは化学結合を形成
することが知られている。そこで電極2,3を金電極と
して、分子導線4の一部あるいは末端にS−H基を導入
し、この分子導線4を金電極2,3に直接結合させて固
定することも可能である。
部分を当該電極面と完全に接触させて配置することは困
難であり、接触する部分と、接触しない空隙部分とが存
在する。しかしながら、分子導線は金属電極とこのよう
に不完全に接触していても、また金属電極にほとんど接
触していなくてもよく、平面的に見てオーバーラップし
て配置すればよい。
(a),図3(a),図4(a)に示すような配置形態
となる場合も考えられ、全くオーバーラップしない場合
(図4(a))もあり得る。後述する通り、いずれの配
置形態においても本発明に係る分子導線と金属電極の接
続方法を適用することができる。
る際に、次に説明するような制御性のより良好な方法を
適用することもでき、この方法により、分子導線配置を
有効に行うことができる。
コンウエハ上に前述の方法で金属電極を形成する。末端
にハロゲンを有するシランカップリング剤である3−臭
化プロピルジメチルクロロシランを用いてこの基板1を
処理することにより、酸化膜上だけに3−臭化プロピル
ジメチルシリル基を形成することができる。ここに、主
鎖がケイ素から構成されるポリシランの末端をリチオ化
した構造の半導体高分子であるリチオ化ポリシランを加
えて反応させて主鎖の一端を化学結合させることによ
り、所望の密度で電極間にポリシランを固定することが
できる(本出願人による特開平11−222526号公
報(発明の名称「ポリシラン薄膜の製造方法」),K.
Ebata他、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)、第120巻、第7367頁(1998))。こ
の化学結合強固な化学結合であり、物理吸着のように不
均一な界面を持つことがない。
て、図1(c)のように両電極2,3の分子導線4との
接触部分に金属メッキ7,8を施して、電気的コンタク
トを良好なものとする。メッキ法は、電解メッキ、無電
解メッキ、どちらを用いてもよい。また、メッキ可能な
ものであればどの種類の金属を用いてもよい。
るメッキ工程について説明する。
流電圧源である。図5(a)に示す通り、まず電極2,
3を短絡して陰極とし、当該両陰極および陽極金属50
の各先端をメッキ浴52に浸漬する。メッキ浴52には
Oリングを用いる。各先端を浸漬した状態で、直流電圧
源51により両極間に所定電圧を印加する。
導線4が基板1から脱離することや、メッキ溶液52中
に溶出することも起こり得る。しかしながら、多くの場
合はメッキ溶液52が水溶液であるため、疎水性の半導
体高分子やカーボンナノチューブはメッキ溶液52中に
溶出することはない。また、前述したように分子導線4
を化学結合により固定する方法や、分子導線4を基板上
により強固に吸着させる手法を用いて配置しておけば、
分子導線4の脱離や溶出を完全に防ぐことができる。
ように金属メッキ7,8が形成され、分子導線4と電極
2,3の金属メッキ7,8による結合が実現される。当
該結合形態としては、図1(c)に示したように金属
メッキ7,8で結合部位を完全に覆うもの、分子導線
4と電極2,3の間に位置する空隙部分に金属メッキ
7,8が入り込んで結合を形成するもの、とが混
在したもののいずれであっても、分子導線4の少なくと
も一部と電極2,3それぞれの少なくとも一部に電気的
にコンタクトするように金属メッキ7,8を形成して結
合したものであればよい。
対しては図2(b)のように分子導線4と電極2,3の
両結合部位をほぼ完全に覆った形態とすることができ
る。また、図3(a)に示した配置形態(一方のみオー
バーラップ)に対しては図3(b)のように分子導線3
4と電極2の結合部位のみをほぼ完全に覆い、分子導線
34と電極3の結合は、分子導線34の末端を金属メッ
キ8によって電極3とコンタクトさせた形態とすること
ができる。
ーバーラップが全くない)のように分子導線44の両末
端に例えばアルキル基からなる非導体の保持部45,4
6を形成し、電極2,3と分子導線44の機械的接続を
保持してもよい。この形態に対して金属メッキ7,8を
形成すれば、保持部45,46を覆って電気結合を形成
することができる。なお、保持部45,46は電極2,
3に用いる金属の種類に応じ、アルキル基の末端に例え
ばSHを結合させて金製電極と接続可能とし、また、S
CH3を結合させて白金製電極と接続可能とし、さら
に、CH=CH2(2重結合)を結合させてSi製電極
と接続可能とすることができる。
り複数回行うことで、個々の電極に異なる金属を使用す
ることも可能である。
電極結合は、金属メッキによって結合を形成することで
接触抵抗を無視でき、良好な電気伝導を実現することが
できる。また、上記の結合形態とすることで、良好な
電気伝導に加えて、強固な結合を実現することができ
る。
詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
応化工業株式会社製)をスピンコートにより塗布し(回
転数4000rpm,40秒)、ホットプレートを用い
て90℃で90秒間ベークした。そのした。次に、コン
タクトアライナ(PLA−501、株式会社キヤノン
製)を用いて電極パターンを露光した。次に、レジスト
現像液(東京応化工業株式会社製)で現像し、純水でリ
ンスした。
置(株式会社日本シード研究所製)に装着し、真空を破
ることなくチタンとパラジウムを連続して堆積させた。
このとき、チタンの膜厚は10nm、パラジウムの膜厚
は100nmとした。そして、堆積後の石英基板をメチ
ルエチルケトンに浸漬し、超音波洗浄装置を用いてレジ
ストをはく離することにより、パラジウムの電極パター
ンを複数形成した。得られた最小電極間隔は500nm
であった。
H2Cl2)1ml(ミリリットル)中に加え、これに
超音波を照射することによって塩化メチレン中にカーボ
ンナノチューブを分子状態で分散させた。この溶液を
[1]の工程で用意した石英基板上に毎分3000回転
の速度で60秒間スピンコートして塗布することによ
り、カーボンナノチューブを複数電極間に配置した。
室温、真空中に1時間おいて乾燥させた。
チューブと電極の結合の形成 無電解メッキ液を調整し、次表1に示す組成とした。P
H12.5、液温60℃としたこのメッキ液浴に、乾燥
した[2]の基板を2分間浸漬した。
銅メッキ層を堆積し、カーボンナノチューブとパラジウ
ム電極間に良好な電気的接触を得た。このメッキ層は電
解メッキによるものと比べてより均一なものとすること
ができた。
電極をプローバ(株式会社日本マイクロニクス製)に装
着し、カーボンナノチューブが接触した電極にOリング
をのせ、金のメッキ液(田中貴金属工業株式会社製)を
滴下した。次に、滴下されたメッキ液に直径1mmの金
線を浸漬し、カーボンナノチューブが接触した電極と金
線の間に3Vの電圧を15秒間印加してカーボンナノチ
ューブと電極を金メッキで被覆し、これにより金メッキ
による電気的結合を得た。
ーボンナノチューブは疎水性であり、メッキ溶液中で溶
出することなくメッキを行って電気的結合を形成するこ
とができた。
応化工業株式会社製)をスピンコートにより塗布し(回
転数4000rpm,40秒)、ホットプレートを用い
て90℃で90秒間ベークした。次に、コンタクトアラ
イナ(PLA−501、株式会社キヤノン製)にて電極
パターンを露光した。その後、レジスト現像液(東京応
化工業株式会社製)で現像し、純水でリンスした。
置(株式会社日本シード研究所製)に装着し、真空を破
ることなくチタンと金を連続して堆積させた。このと
き、チタンの膜厚は5nm、金の膜厚は50nmとし
た。そして、堆積後の石英基板をメチルエチルケトンに
浸漬し、超音波洗浄装置を用いてレジストをはく離する
ことにより、金の電極パターンを複数形成した。得られ
た最小電極間隔は500nmであった。
H2Cl2)1ml中に加え、これに超音波を照射する
ことによってカーボンナノチューブを塩化メチレン中に
分子状態で分散させた。この溶液を[1]の工程で用意
した基板上に毎分3000回転の速度で60秒間スピン
コートして塗布することにより、カーボンナノチューブ
を複数電極間に配置した。
の形成 [1]の工程で用意した金電極をプローバ(株式会社日
本マイクロニクス製)に装着し、カーボンナノチューブ
が接触した電極にOリングをのせ、金のメッキ液(田中
貴金属工業株式会社製)を滴下した。次に、滴下された
メッキ液に直径1mmの金線を浸漬し、カーボンナノチ
ューブが接触した電極と金線の間に1.5Vの電圧を1
5秒間印加してカーボンナノチューブと電極を金メッキ
で被覆し、これにより金メッキによる電気的結合を得
た。
ーボンナノチューブは疎水性であり、メッキ溶液中で溶
出することなくメッキを行って電気的結合を形成するこ
とができた。
た電極の接続構造の形成 [1]微小電極(初期電極)の形成 実施例1,2[1]において、石英基板の代わりに酸化
膜(厚さ約1000Å)のついたシリコンウエハを用
い、図6(a)〜(b)に示す形状の電極62,63を
形成した。なお、図6(a)〜(b)は、電極形状の他
は実際と違って図式的に描画されている。
の固定および配置 次に、半導体高分子であるポリシランを電極62,63
間にその末端を化学結合させる前述の方法を用いて固定
する。
ランBr(CH2)3Si(CH3)2Cl(1ml)
をテトラヒドロフラン(20ml)との混合溶液とし、
この溶液中に[1]で得られた基板を浸漬し、2時間
半、加熱環流した。その後、テトラヒドロフランで洗浄
し、次いでアセトンで洗浄した後、風乾した。これによ
り、[1]で得られた基板のケイ素酸化膜表面は3−臭
化プロピルジメチルシリル化されるのに対し、金電極表
面は3−臭化プロピルジメチルシリル化されない。
チルブチル}シラン]の電極62,63間への固定は、
図7に示す反応装置を用いて行った(K.Furuka
wa他、アプライド・フィジックス・レターズ(App
l.Phys.Lett.)、第75巻、第781頁
(1999))。
2,73を含んで構成される。74はガラス栓、75は
回転可能なジョイント、76はセプタムラバー栓、77
は磁気撹拌子である。
チルシリル化した基板71を置き、全体を真空にした。
反応容器73にポリ[n−デシル{(S)−2−メチル
ブチル}シラン](Mn=1520000,Mw=77
70000,Mw/Mn=5.12、ポリスチレン標
準)のイソオクタン溶液(5g/l)を2ml注入し、
さらに乾燥テトラヒドロフラン(8ml)を真空トラン
スファにより導入した。これを室温に戻し溶解させるこ
とにより、均一な溶液にした。そして、再び凍結脱気を
くり返して溶存空気を除去した後、アルゴン雰囲気とし
た。
t−ブチルビフェニルリチウムのテトラヒドロフラン溶
液50μlを一気に加え、ポリ[n−デシル{(S)−
2−メチルブチル}シラン]を切断してリチオ化したリ
チオ化ポリシランを調製した。反応容器73中の溶液が
黄色を帯びリチオ化ポリシランの生成を確認した時点
で、直ちにこれを回転可能なジョイント75を介して反
応容器72に空気にさらすことなく注ぎ、リチオ化ポリ
シランとケイ素酸化膜表面を3−臭化プロピルジメチル
シリル化した基板71の表面と反応させた。
72中にn−ブタノールを1滴加え、大過剰に存在する
リチオ化ポリシランを失活させ、反応性をなくすように
した。そして、ポリ[n−デシル{(S)−2−メチル
ブチル}シラン]に対する溶解力の非常に強いイソオク
タン中に16時間以上浸漬することにより、結晶シリコ
ン基板71の洗浄を行った。これによって、基板71の
表面と化学結合していないポリシランを基板71上から
完全に除去することができ、強固な固定と、当該固定に
よる分子導線の配置を行うことができた(図6
(a))。
ル}シラン]がエンドグラフトされた2つの電極62,
63のうち一方の電極62のみに電圧を印加して電解メ
ッキ法により金メッキを施すことにより、当該ポリ[n
−デシル{(S)−2−メチルブチル}シラン]の一端
を金で覆って金メッキ67を形成し、これにより分子導
線4と電極62の電気的接合を形成した(図6
(b))。
属工業株式会社製)に交換し、もう一方の電極63に電
圧を印加して電解メッキ法により白金メッキを施すこと
により、当該ポリ[n−デシル{(S)−2−メチルブ
チル}シラン]の他端を白金で覆って白金メッキ68を
形成し、これにより分子導線4と電極63の電気的結合
を形成した(図6(c))。
{(S)−2−メチルブチル}シラン]の両端を、一方
を金で、他方を白金で、それぞれ電気的接合をとった構
造を形成することができた。
応化工業株式会社製)をスピンコートにより塗布し(回
転数4000rpm,40秒)、ホットプレートを用い
て90℃で90秒間ベークした。次に、コンタクトアラ
イナ(PLA−501、株式会社キヤノン製)にて電極
パターンを露光した。その後、レジスト現像液(東京応
化工業株式会社製)で現像し、純水でリンスした。
置(株式会社日本シード研究所製)に装着し、真空を破
ることなくチタンと金を連続して堆積させた。このと
き、チタンの膜厚は5nm、金の膜厚は50nmとし
た。そして、堆積後の石英基板をメチルエチルケトンに
浸漬し、超音波洗浄装置を用いてレジストをはく離する
ことにより、金の電極パターンを複数形成した。得られ
た最小電極間隔は500nmであった。
lに溶解させた。[1]の工程で用意した金電極をプロ
ーバ(株式会社日本マイクロニクス製)に装着した。そ
の上にOリングをのせ、DNA溶液を滴下した。電極間
に電圧を印加すると、DNAは鎖状に伸びた形で電極間
にトラップされた。さらに、SH基と金は化学結合を形
成するので、DNA末端のSH基と金電極の化学的結合
が生成し、強固な固定と、当該固定による分子導線の配
置を行うことができた。
で洗浄した。
電極にOリングをのせ、金メッキ液(田中貴金属工業株
式会社製)を滴下した。次に、滴下されたメッキ液に直
径1mmの金線を浸漬し、電極とDNAが接触した電極
間に1.5Vの電圧を15秒間印加してDNAと電極を
金メッキで被覆し、これにより金メッキによる電気的結
合を得ることができた。
線と金属電極の接続方法、およびそれらの接続構造を含
んだ基板によれば、基板の所定位置の金属電極と分子導
線それぞれの少なくとも一部を導電性物質(金属メッキ
等)より接続して電気的に結合させる簡便な手法によ
り、多様な分子導線に対して適用可能な分子導線と金属
電極との間に接触抵抗を無視できる良好な電気的接触を
とることができ、非破壊的に分子導線と金属電極を結合
させることができ、かつ、金属の種類を自由に選択する
ことができる。したがって、本発明は、分子素子製造の
要素技術として、必要不可欠な技術を提供するものであ
る。
一実施形態を図式的に示す工程説明図である。
適用可能な分子導線初期配置の一例を示した平面図であ
る。
適用可能な分子導線初期配置の別の例を示した平面図で
ある。
適用可能な分子導線初期配置の別の例を示した平面図で
ある。
一実施形態におけるメッキ工程の説明図である。
実施例3における分子導線と金属電極の接続方法を示し
た工程説明図である。
実施例3において、結晶シリコン表面に主鎖の片末端あ
るいは両末端で化学結合したポリシランの合成に用いた
反応装置を示す側面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 所定位置に金属電極を形成する第1工程
と、 単一分子または複数個の分子の集合からなる分子導線を
前記金属電極近傍に配置する第2工程と、 前記金属電極と前記分子導線それぞれの少なくとも一部
を導電性物質により接続する第3工程とを含んだことを
特徴とする分子導線と金属電極の接続方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の接続方法において、 前記第2工程において、前記分子導線を化学結合によっ
て固定して配置することを特徴とする分子導線と金属電
極の接続方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の接続方法において、 前記第3工程における前記導電性物質は金属であり、無
電解メッキにより前記金属を形成して前記前記金属電極
と前記分子導線の電気的接触をとることを特徴とする分
子導線と金属電極の接続方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の接続方法において、 前記第3工程における前記導電性物質は金属であり、電
解メッキにより前記金属を形成して前記前記金属電極と
前記分子導線の電気的接触をとることを特徴とする分子
導線と金属電極の接続方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の接続方法において、 前記第1工程において前記金属電極を複数形成し、 前記第3工程において、前記金属電極のいずれかに所定
の金属により前記電解メッキを行い、さらに、前記金属
電極の別の電極に別の金属により前記電解メッキを行う
ことを特徴とする分子導線と金属電極の接続方法。 - 【請求項6】 所定位置に配置された金属電極と、 前記金属電極近傍に配置された単一分子または複数個の
分子の集合からなる分子導線と、 前記金属電極と前記分子導線それぞれの少なくとも一部
を接続するように配置された導電性物質とを備えたこと
を特徴とする基板。 - 【請求項7】 請求項6記載の基板において、 前記金属電極は複数配置され、 前記導電性物質は、前記金属電極のいずれかに接続する
ように配置される所定の金属と、前記金属電極の別の電
極に接続するように配置される別の金属を含むことを特
徴とする基板。
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