JPWO2007026801A1 - ステアリング装置及びこれに用いる運動変換装置 - Google Patents

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Abstract

コンパクトに構成することができ、前輪駆動車等のエンジンルームが狭い車輛にも容易に適合可能であり、従来のボールナット式でもラック&ピニオン式でもない新たな構成のステアリング装置を提供するものであり、ステアリング軸の回転をリレーロッドの軸方向への運動に変換して転舵輪の操作を行うステアリング装置であって、前記リレーロッドが貫通するギヤケーシングと、このギヤケーシング内で前記リレーロッドに設けられると共にリードの大きさが1以上に形成された螺旋状のボール転走溝と、多数のボールを介して前記リレーロッドのボール転走溝上に螺合すると共に、前記ギヤケーシングに対して回転自在に支承されたナット部材と、前記ステアリング軸の回転が伝達されると共に前記リレーロッドと交差又は捩れの位置関係にある入力軸と、前記入力軸の回転を前記ナット部材に伝達する第1の伝達ギヤとから構成される。

Description

本発明は、ステアリング軸の回転に応じて転舵輪を操作するためのステアリング装置に係り、特に、電動式パワーステアリング装置に容易に発展させることが可能なステアリング装置に関する。
従来、車輛の転舵輪を操作するためのステアリング装置としては、ボールナット式又はラック&ピニオン式と称されるものが知られている。
前者のボールナット式は、運転者によって与えられたステアリング軸の回転運動をピットマンアームの揺動運動に変換し、このピットマンアームの先端に連結されたリレーロッドを軸方向に沿って左右に移動させることにより、転舵輪の向きを前記ステアリング軸の回転量に応じて変更するように構成されている。ステアリング軸の回転運動をピットマンアームの揺動運動に変換する過程でボールナットが用いられていることから、ボールナット式と称されている(特開平5−16826号公報)。
後者のラック&ピニオン式は、前記ピットマンアームを用いて前記リレーロッドを左右に移動させるのではなく、かかるリレーロッドにラックギヤを形成する一方、このラックギヤと噛み合うピニオンギヤをステアリング軸の先端に設け、ステアリング軸の回転運動を直接的にリレーロッドの軸方向への運動に変換し、前記リレーロッドで転舵輪の向きを変更するように構成されている(特開2005−199776号公報)。この方式のステアリング装置は前者のボールナット式に比べて省スペースであり、エンジンルームの狭い小型車や前輪駆動車(FF車)に多用されている。
一方、これらのステアリング装置を運転者が操作する際の操作力を軽減するものとして、パワーステアリング装置が普及している。パワーステアリング装置には油圧式と電動式が存在する。従来は油圧式が主流であり、電動式は軽自動車等の一部の車輛にのみ搭載されていた。しかし、油圧式はエンジンパワーの一部を用いて油圧ポンプを駆動していることから、エンジンの燃費が悪化する傾向にあり、近年では環境への配慮から電動式パワーステアリング装置の採用が拡大する傾向にある。
電動式パワーステアリング装置はラック&ピニオン式のステアリング装置と組み合わせて使用されており、代表的なものとしては、所謂ピニオンアシストタイプや所謂ラックアシストタイプが知られている。前者のピニオンアシストタイプは前記ピニオンギヤの回転そのものを電動モータで補助する一方、後者のラックアシストタイプはボールねじを用いて電動モータの回転トルクをリレーロッドと平行な方向の軸力に変換し、リレーロッドの軸方向への移動を補助するように構成されている(特開2005−212710号公報、特開2005−212654号公報等)。
特開平5−16826号公報 特開2005−199776号公報 特開2005−212710号公報 特開2005−212654号公報
しかし、前記ラック&ピニオン式のステアリング装置では、リレーロッドの一部にラックギヤが形成されていることから、かかるラックギヤの強度を考慮すると、リレーロッドの軸径にある程度以上の太さが必要であり、転舵輪の操作に必要とされるリレーロッド本来の機械的強度からしてみれば、かかるラックギヤが形成されたリレーロッドの軸径は過大なものとならざるを得ない。また、ラックギヤが形成されることから、リレーロッドを中空軸とすることもできない。このため、リレーロッドの軽量化を図り難いといった問題点があった。
また、前記ラック&ピニオン式のステアリング装置では、転舵輪の路面抵抗が前記ラック軸に直接作用していることから、ラック軸を軸方向へ移動させるには大きな力が必要であり、ピニオンギヤをラックギヤに押さえつけなければ、かかるピニオンギヤが空回りをしてしまう。このため、ラック&ピニオン式のステアリング装置においては、ラック軸におけるラックギヤの背後にリテーナスプリングで付勢されたラックガイドが設けられており、かかるラックガイドがラックギヤを一定の圧力でピニオンギヤに押し付けている。
しかし、このようにラックガイドをラック軸に対して圧接させると、両者間の摩擦力によってラック軸の動きが重くなり、かかるラック軸の円滑な運動が阻害されるといった問題点がある。また、電動パワーステアリング装置を構成した場合も、ラック軸の軸方向への運動に大きな抵抗が作用することから、電動モータが大きな回転トルクを発生する必要があり、電動モータが大型化してしまう他、コストが嵩んでしまうといった問題点があった。また、前記ラックガイドが必要となることから、ラックギヤ及びピニオンギヤを収容したステアリングギヤボックス自体が大型化してしまうといった問題点もあった。
更に、従来のラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置の場合、リレーロッドにラックギヤとボールナットが螺合するねじ部の双方を形成する必要があり、リレーロッドの加工に手間とコストがかかるといった問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、コンパクトに構成することができ、前輪駆動車等のエンジンルームが狭い車輛にも容易に適合可能であり、従来のボールナット式でもラック&ピニオン式でもない新たな構成のステアリング装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電動パワーステアリングに容易に発展させることが可能であり、しかも電動モータを小型化することで生産コストを低減することが可能なステアリング装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、ステアリング軸の回転をリレーロッドの軸方向への運動に変換して転舵輪の操作を行うステアリング装置に関するものであり、前記リレーロッドが貫通するギヤケーシングと、このギヤケーシング内で前記リレーロッドに設けられると共にリードの大きさが1以上に形成された螺旋状のボール転走溝と、多数のボールを介して前記リレーロッドのボール転走溝上に螺合すると共に、前記ギヤケーシングに対して回転自在に支承されたナット部材と、前記ステアリング軸の回転が伝達されると共に前記リレーロッドと交差又は食い違いの位置関係にある入力軸と、前記入力軸の回転を前記ナット部材に伝達する第1の伝達ギヤとから構成されている。
このような本発明のステアリング装置では、ステアリング軸を回転させると、その回転が入力軸に伝達され、更には前記第1の伝達ギヤを介してナット部材に伝達される。かかるナット部材はリレーロッドのボール転走溝に螺合していることから、ナット部材が回転すると、リレーロッドはギヤケーシング内を軸方向へ移動し、この移動量に応じて転舵輪の操作が行われる。すなわち本発明では、第1の伝達ギヤ及びボールナットを用いることにより、互いに交差又は食い違いの関係にあるステアリング軸とリレーロッドとの間で運動の伝達及び変換を行い、ステアリング軸の回転運動をリレーロッドの軸方向への往復運動に変換することで転舵輪の操作を行うのである。
本発明において、前記リレーロッドにはボール転走溝が形成されるが、ラックギヤを形成する場合と比較して、かかるリレーロッドはその軸径を小さくしても十分な強度を維持することができ、リレーロッドの小型化、軽量化を図り易いといった特質がある。また、ボール転走溝が形成されていても、リレーロッドそのものは中空軸に形成することが可能であり、この点においてもリレーロッドの軽量化を図り、ひいてはステアリング装置全体の軽量化を達成することが可能である。更に、リレーロッドを中空軸に形成することにより、このリレーロッドの内部空間を利用して各種電気配線を収容することも可能となる。強度的に優れたリレーロッドの内部空間に配線を収容することで、かかる配線の意図しない切断を防止することができ、例えば転舵輪の近傍に設けた各種センサ類の配線を安全に引き回すことが可能となる。
また、本発明のステアリング装置では、多数のボールを介してリレーロッドに螺合するナット部材を回転させるのみで、かかるリレーロッドを軸方向へ移動させることが可能であり、ナット部材とリレーロッドとの間に大きな摩擦抵抗が作用することはない。このため、リレーロッドを円滑に軸方向へ移動させることが可能となり、従来のラック&ピニオン式のステアリング装置と比較して転舵輪を軽く操作することが可能となる。また、従来のラック&ピニオン式のステアリング装置の如くラックガイドを設ける必要がないので、この点においてもステアリング装置の小型化を図ることが可能となり、前輪駆動車や小型車のようにエンジンルームの狭い車輛に対しても適用することが可能である。
更に、路面抵抗により、転舵輪がリレーロッドを軸方向へ揺り動かしたとしても、かかるリレーロッドの軸方向の運動がボールナットによってステアリング軸の回転運動に逆変換される効率は、ラック&ピニオン式の場合よりも低いので、転舵輪の挙動がステアリングに伝わる所謂キックバックは適度に減衰されたものとなり、操舵の安定性を高めることが可能となる。
ここで、リレーロッドに形成された螺旋状のボール転走溝のリードLとは、かかるリレーロッドの軸方向におけるボール転走溝のピッチPを当該リレーロッドの軸径dで割った値、すなわちリレーロッドの軸径dに対するボール転走溝のピッチPの大きさの割合のことである。このリードLがL≧1であるということは、前記リレーロッドに螺合するナット部材が1回転した際に、かかるリレーロッドが軸方向へ距離d以上進むことを意味する。
本発明においてボール転走溝のリードLをL≧1と規定したのは、ステアリング軸の回転に対してリレーロッドの軸方向への移動量が極小となることを避けるためである。すなわち、ねじ軸とこれに螺合するボールナットとの組み合わせからなるボールねじにおいては、ボールナットの回転運動をねじ軸の直線運動に変換する場合、前記リードLの値が小さくなるにつれ、ボールナットの回転に必要なトルクは小さくなる。しかし、ボールナットの1回転に伴ってねじ軸が軸方向へ移動する距離も小さくなってしまう。従って、ボール転走溝のリードLが余りに小さいと、転舵輪を操作するために必要なステアリング軸の回転量が多くなり、操作性の悪いステアリング装置となってしまう。
ボール転走溝のリードLがL≧1であれば、ステアリング軸の回転に対するリレーロッドの軸方向への移動が顕著となり、運転者はステアリングの操作に対する転舵輪の反応を実感することが可能である。また、リレーロッドの移動に対するナット部材の回転量は小さくなるので、騒音が発生し難いといった利点もある。更に、本発明のステアリング装置では、ステアリング軸に連動する入力軸の回転をナット部材に伝達する第1の伝達ギヤの増速比を適宜選択することで、ステアリング軸の回転量に対するリレーロッドの軸方向への移動量を調整することが可能であり、前記リードの選定と相まって設計の自由度を高めることが可能となる。
また、本発明のステアリング装置は、前記ナット部材の回転を助ける補助モータを設けることにより、容易に電動パワーステアリング装置に発展させることが可能である。すなわち、ステアリング軸とこれに連動する入力軸との間に、両者の間における伝達トルクの大きさを検出するトルク検出センサを設け、このトルク検出センサの出力信号に応じて前記補助モータを回転させ、補助モータの発生する回転トルクを第2の伝達ギヤを介してナット部材に伝達する。これにより、ステアリング軸の回転に伴うナット部材の回転を助け、転舵輪の操作を容易なものとすることができる。
特に、本発明のステアリング装置によれば、ナット部材とリレーロッドとの間に生じる摩擦抵抗は僅かなので、電動パワーステアリング装置に発展させる場合に、従来のラック&ピニオン式のステアリング装置と比べて、補助モータの定格出力は小さくても足り、補助モータの小型化及びコストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明のステアリング装置は、入力軸の回転運動を出力軸の軸方向への直線運動に変換する運動伝達装置として把握することが可能である。すなわち、本発明は、交差又は捩れの関係にある入力軸と出力軸を有し、前記入力軸の回転運動を前記出力軸の軸方向の直線運動に変換する運動伝達装置であって、前記出力軸が貫通するギヤケーシングと、このギヤケーシング内で前記出力軸に設けられると共にリードの大きさが1以上に形成された螺旋状のボール転走溝と、多数のボールを介して前記出力軸のボール転走溝上に螺合すると共に、前記ギヤケーシングに対して回転自在に支承されたナット部材と、前記入力軸の回転を該入力軸と交差又は捩れの関係にある前記ナット部材に伝達する動力伝達ギヤとから構成される運動変換装置、として把握することもできる。
本発明を適用したステアリング装置の第一の実施形態を示す概略図である。 第一の実施形態のステアリング装置のギヤケーシング内に収容された運動変換装置を示す斜視図である。 第一の実施形態のステアリング装置のギヤケーシング内に収容された運動変換装置を示す分解斜視図である。 本発明のステアリング装置に使用可能なナット部材の一例を示す斜視図である。 パワーステアリング装置における補助モータの制御系を示すブロック図である。 ステアリング装置のギヤケーシング内に収容された運動変換装置の第二の実施形態を示す斜視図である。 従動側ねじ歯車と駆動側ねじ歯車の基準円筒ねじれ角を示す概略図である。 ギヤケーシングに対してナット部材を弾性的に支承する例を示す概略図である。 本発明のステアリング装置に使用可能なナット部材の他の例を示す斜視図である。 図9に示したナット部材の軸方向に沿った縦断面図である。 図9のX−X線断面図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリング軸、3…リレーロッド、12…ボール転動溝、13…ナット部材、14…固定外筒、15…従動ギヤ、16…入力軸、17…駆動ギヤ、30…補助モータ
以下、添付図面に基づいて本発明のステアリング装置を詳細に説明する。
図1は本発明を適用したステアリング装置の一例を示すものである。このステアリング装置は、ステアリングホイール1に結合されたステアリング軸2と、このステアリング軸2の回転に応じて軸方向へ移動するリレーロッド3と、前記ステアリング軸2の回転を前記リレーロッド3の軸方向の運動に変換する運動変換装置4とを有しており、前記リレーロッド3は前記運動変換装置4のギヤケーシング5を貫通している。左右の転舵輪6を支えるハブ7にはナックルアーム9が設けられており、前記リレーロッド3の両端はタイロッド10を介してそれぞれに左右のナックルアーム9に連結されている。また、ナックルアーム9とタイロッド10の連結、タイロッド10とリレーロッド3の連結はボールジョイント11を介して行われている。
前記ステアリングホイール1を回してステアリング軸2を矢線A方向に沿っていずれかの方向へ回転させると、その回転方向に応じてリレーロッド3が軸方向(矢線B方向)へ移動し、タイロッド10がナックルアーム9を押し引きする結果として、左右の転舵輪6が矢線C方向へ揺れ動いてその向きを変更することになる。
図2及び図3は前記運動変換装置4の第一の実施形態を示すものである。図2はギヤケーシング5を取り去った斜視図、図3は一部を切欠き断面とした分解斜視図である。この運動変換装置4は、ギヤケーシング5を貫通するように設けられた前記リレーロッド3と、このリレーロッド3の表面に形成された螺旋状のボール転動溝12と、このボール転動溝12の形成部位で前記リレーロッド3に螺合したナット部材13と、前記ケーシング5に固定されると共に前記ナット部材13を回転自在に支承する固定外筒14と、前記ナット部材13の軸方向の一端に固定された従動ギヤ15と、前記ステアリング軸2に結合されて該ステアリング軸2と同一速度で回転する入力軸16と、この入力軸16の先端に設けられると共に前記従動ギヤ15と噛み合う駆動ギヤ17とから構成されている。
前記リレーロッド3は中空部3aを有して円筒状に形成され、自重の軽量化が図られている。また、前記ボール転動溝12はリレーロッド3の全長には形成されておらず、一部の領域にのみ形成されている。
前記ナット部材13は多数のボールを介して前記リレーロッド3のボール転走溝12に螺合しており、リレーロッド3と相まってボールねじを構成している。図4は前記ナット部材13と前記固定外筒14の組み合わせの一例を示すものであり、一部を切欠き断面とした斜視図である。前記ナット部材13はリレーロッド3が貫通する中空部を有して円筒状に形成されており、その内周面にはリレーロッド3のボール転動溝12と対向するボール転動溝18が形成されている。ナット部材13が回転すると、ボール19はリレーロッド3のボール転動溝12とナット部材13のボール転動溝18との間で荷重を負荷しながら該リレーロッド3の周囲を螺旋状に転動し、それに伴ってリレーロッド3は軸方向へ移動することになる。また、ナット部材13には軸方向に沿ってボールの戻し通路20が形成される一方、ナット部材13の軸方向の両端面には一対のエンドキャップ21が固定されており、ボール転動溝18を転走してナット部材13の一方の端部に到達してしまったボール19は、かかる端部に固定されたエンドキャップ21を介して前記戻し通路20内へ送り込まれ、ナット部材13の他方の端部に固定されたエンドキャップ21を介してボール転動溝18の最初の位置に戻されるようになっている。すなわち、ナット部材13にはボール19の無限循環路が形成されており、ナット部材13の回転に伴ってボール19が無限循環路内を循環し、リレーロッド3をその軸方向へ連続的に移動させることが可能となっている。
また、ナット部材13の外周面には多数のボール22を介して前記固定外筒14が嵌合しており、ナット部材13、ボール22及び固定外筒14の三者が組み合わさって複列アンギュラコンタクトベアリングを構成している。また、前記固定外筒14にはフランジ部23が設けられており、ボルトを用いてこのフランジ部23を前記ギヤケーシング5に固定することで、前記ナット部材13がギヤケーシング5に対して回転自在に支承される。これにより、ナット部材13に回転を与えると、その回転方向に応じ、前記リレーロッド3がギヤケーシング5に対して軸方向へ移動することになる。
一方、前記入力軸16は図示外のトーションバーを介して前記ステアリング軸2と結合されており、かかるステアリング軸2と同一の回転が与えられている。この入力軸16と前記リレーロッド3は交差しており、入力軸16から前記ナット部材13への回転の伝達はベベルギヤを介して行われる。すなわち、入力軸16の先端に固定された駆動ギヤ17及びナット部材13の軸方向の一端に固定された従動ギヤ15は各々ベベルギヤとして構成されており、これら駆動ギヤ17と従動ギヤ15が噛み合うことにより、ステアリング軸2の回転がナット部材13に伝達されるようになっている。本発明における第1の伝達ギヤはこれら駆動ギヤ及び従動ギヤを含む概念である。ナット部材13に対する従動ギヤ15の取付けはボルト24によって行われているが、ナット部材13と従動ギヤ15との結合を強固なものとすべく、従動ギヤ15の背面にはキー溝25が形成され、ナット部材13に設けられたキー26が前記キー溝25に嵌合するように構成されている。また、駆動ギヤ17と従動ギヤ15の間のバックラッシュを排除し、両者の噛み合いを確実なものとすべく、駆動ギヤ17はケース27に格納された図示外のリテーナスプリングによって従動ギヤ15に向け付勢されている。
図2に示した運動変換装置4の例ではリレーロッド3と入力軸16が交差しているので、前記駆動ギヤ17及び従動ギヤ15としてベベルギヤを用いたが、これらリレーロッドと入力軸16が捩れの関係にある所謂食い違い軸の場合には、ハイポイントギヤ、ウォームギヤを用いることが可能である。また、ベベルギヤ及びハイポイントギヤを用いる場合には、夫々のギヤの頂角を適宜選定することにより、リレーロッド3に対するステアリング軸2の配置に柔軟に対応することが可能である。
前記入力軸16先端の駆動ギヤ17からナット部材に固定された従動ギヤ15へ回転を伝達する際の増速比は1.5程度に設定されており、ステアリング軸2の回転よりもナット部材13が速く回転するように設定されている。また、前記リレーロッド3に形成されたボール転動溝12のリードLはL≧1に設定されており、ナット部材13の1回転に対してリレーロッド3がその軸径以上の距離だけ軸方向へ移動するように設定されている。駆動ギヤ17と従動ギヤ15との間のギヤ比の設定、及びリレーロッド3のボール転動溝12のリードLの設定は、ステアリングホイール1の1回転あたりに必要とされるリレーロッド3の軸方向移動量に応じて適宜選定することが可能である。
一方、このステアリング装置には前記ナット部材13の回転を助ける補助モータ30が取り付けられており、電動パワーステアリング装置として構成されている。この補助モータ30は前記ギヤケーシング5に取り付けられている。ギヤケーシング5内に挿入された補助モータ30の先端にはベベルギヤとして構成された補助駆動ギヤ31が設けられ、この補助駆動ギヤ31は前記ナット部材13に固定された従動ギヤ15と噛み合っている。すなわち、前記従動ギヤ15は駆動ギヤ17及び補助駆動ギヤ31の双方と噛み合っている。従って、前記補助モータ30を回転させると、前記ナット部材13が回転し、これによっても前記リレーロッド3が軸方向へ移動することになる。尚、補助駆動ギヤから従動ギヤへの回転の伝達は減速比1以上となるように設定されている。
図5は前記補助モータ30の制御系を示すブロック図である。前記ステアリング軸2はトーションバー32を介して入力軸16と結合されており、運転者がステアリングホイール1を回してステアリング軸2を回転させると、ステアリング軸2の回転トルクがトーションバー31を介して入力軸16に伝達されるようになっている。一方、ナット部材13の回転に対しては転舵輪6の路面抵抗が作用することから、従動ギヤ15及び駆動ギヤ17を介して入力軸16にも路面抵抗が作用していることになる。このため、路面抵抗が大きく、ステアリングホイール1を回転させ難い場合ほど、運転者がステアリング軸2に対して大きな回転トルクを与えることになり、前記トーションバー32に大きな捩れ角が発生することになる。従って、このトーションバー32の捩れをトルク検出センサ33で測定することにより、運転者がステアリング軸2に与えている回転トルクの大小、すなわちステアリング操作の軽重を知ることができる。
トルク検出センサ33の出力信号はマイクロコンピュータシステムから構成される制御部34に入力される。制御部34はトルク検出センサ33の出力信号に基づいて前記補助モータ30の駆動制御信号を生成し、それを補助モータ30の駆動部に対して出力する。これにより、前記補助モータ30は前記トーションバー32の捩れが大きい程、大きな回転トルクを発生させるように駆動制御され、かかる回転トルクが補助駆動ギヤ31及び従動ギヤ15を介してナット部材13に与えられる。すなわち、運転者のステアリング操作が重いほど、前記補助モータ30が大きな回転トルクを発揮し、運転者のステアリング操作の負担が軽減されるのである。尚、この例ではステアリング軸2と入力軸16との間で伝達される回転トルクにのみ基づいて、前記補助モータ30の制御を行ったが、この他に、車輛の速度やステアリング軸2の回転角などの情報を考慮して、補助モータ30の駆動制御を行うこともできる。
尚、前記補助モータ30は必要に応じて設けることができ、補助モータ30を省略すれば、単なるステアリング装置として使用することができる。また、図3に示す例では、補助駆動ギヤ31を従動ギヤ15と噛み合わせ、補助モータ30でナット部材13を直接回転させるように構成しているが、補助モータ30の取付け位置はこれに限定されるものではない。例えば、補助モータ30が入力軸16の回転、あるいはステアリング軸2の回転を介助し、結果的にナット部材13の回転を介助するように構成することも可能である。
次に、図6は前記運動変換装置の第二の実施形態を示す斜視図であり、図2と同様にギヤケーシングを取り去った状態を示している。
この第二の実施形態においても、前記運動変換装置は、ギヤケーシング5を貫通するように設けられた前記リレーロッド3と、このリレーロッド3の表面に形成された螺旋状のボール転動溝12と、このボール転動溝12の形成部位で前記リレーロッド3に螺合したナット部材50と、前記ケーシング5に固定されると共に前記ナット部材50を回転自在に支承する固定外筒51と、前記ステアリング軸2に結合されて該ステアリング軸2と同一速度で回転する入力軸16とを備えている。
また、図2及び図3に示した第一の実施形態ではナット部材13の軸方向の一端に従動ギヤ15としてのベベルギヤを固定していたが、この第二の実施形態では前記ナット部材50の外周面に対してねじ歯車52を形成し、これを従動ギヤとした。この従動側ねじ歯車52はナット部材50の長手方向の略中央に設けられており、この従動側ねじ歯車52を軸方向から挟むようにして一対の固定外筒51がナット部材50に装着されている。すなわち、ナット部材50の外周面には前記ねじ歯車52を軸方向から挟むようにして一対のボール転走溝が周方向に形成されており、これらボール転走溝を転走する多数のボールを介して前記固定外筒51がナット部材に嵌合している。従って、これら一対の固定外筒51をギヤケーシング5に固定することで、ナット部材50をギヤケーシング5に対して回転自在に支承することが可能となっている。
前記従動側ねじ歯車52は機械加工によってナット部材50の外周面対して直接形成しても、あるいは別途加工されたねじ歯車52をナット部材50の外周面に対して固定するようにしても差し支えない。
一方、前記入力軸16は前記リレーロッド3と食い違いの関係にあり、入力軸16の先端には前記従動側ねじ歯車52と噛み合う駆動側ねじ歯車53が固定されている。これにより、入力軸16が回転すると、その回転が駆動側ねじ歯車53から従動側ねじ歯車52に伝達され、固定外筒51に対して回転自在に支承されたナット部材50が入力軸16の回転量に応じて回転するようになっている。
図7に示すように、前記従動側ねじ歯車52の基準円筒ねじれ角をβ1、前記駆動側ねじ歯車53の基準円筒ねじれ角をβ2とした場合に、リレーロッド3と入力軸16の交差角はβ1+β2で表すことができる。従って、従動側ねじ歯車52及び駆動側ねじ歯車53の基準円筒ねじれ角β1,β2を任意に調整することにより、リレーロッド3と入力軸16の交差角を任意に選択することが可能である。
ステアリング装置では路面から転舵輪に対して衝撃荷重が作用すると、その力がリレーロッド3、入力軸16を介し所謂キックバックとしてステアリングホイール1へと伝達される。このキックバックが過度にドライバに伝わるとステアリングホイール1の操作に悪影響を与えるので、ステアリング装置としては、かかるキックバックの伝達を抑えつつ、ステアリングホイール1を操作した際の鋭敏な転舵輪6の反応を確保することが必要となる。
このような観点からすれば、入力軸16の回転をナット部材50に伝達する第1の伝達ギヤの伝達効率は、入力軸16からナット部材50への正方向への伝達効率に比べ、ナット部材50から入力軸16への逆方向の伝達効率を低く設定するのが好ましい。このように第1の伝達ギヤの伝達効率を設定することができれば、ステアリングホイール1の操作に対してリレーロッド3は鋭敏に反応し、良好な操舵感が得られる一方、ステアリングホイール1に伝達されるキックバックは減衰され、ドライバは路面状態を適度に感じながら操舵することが可能となる。
具体的には、第1の伝達ギヤを構成する従動側ねじ歯車52及び駆動側ねじ歯車53の基準円筒ねじれ角β1,β2を調整することにより、前述の伝達効率を実現することが可能となる。すなわち、前記従動側ねじ歯車52の基準円筒ねじれ角β1を前記駆動側ねじ歯車53の基準円筒ねじれ角β2よりも小さく設定するのである。このように設定すれば、入力軸16の回転をナット部材50に伝達する正方向の伝導効率に比べ、ナット部材50の回転を入力軸16へ伝達する逆方向の伝導効率が低くなり、キックバックが入力軸16、ひいてはステアリング軸2に伝達されるのを可及的に防止することが可能となる。
一方、このようにしてキックバックの伝達をナット部材50と入力軸16との間で減衰させると、キックバックによってリレーロッド3の軸方向へ作用した衝撃荷重がそのままナット部材50の軸方向へ作用する結果となり、ナット部材50の破損やリレーロッド3に形成したボール転動溝12の破損が懸念される。従って、第1の伝達ギヤの逆方向の伝達効率を小さく設定する場合には、図8に概略を示すように、ナット部材50をギヤケーシング5に対して軸方向へ変位可能とすると共に、ナット部材50の軸方向の両端にスプリング等の弾性部材54を装着し、軸方向に関してナット部材50を弾性的に支承することが望ましい。このように構成すれば、キックバックに起因してナット部材50の軸方向へ衝撃荷重が作用しても、それを弾性部材54の伸縮によって受け止めることができ、ナット部材50の破損やリレーロッド3のボール転動溝12の破損を防止することが可能となる。
また、この第二の実施形態の運動変換装置では、ナット部材50の回転を介助する補助モータがギヤケーシング5に固定され、電動パワーステアリング装置として構成されている。図6に示すように、かかる補助モータの出力軸60の先端には前記従動側ねじ歯車52と噛み合う補助駆動ギヤ61が設けられており、この補助駆動ギヤ61はウォームギヤとして構成されている。従って、前記補助モータ30を回転させると、前記ナット部材13が回転し、これによっても前記リレーロッド3が軸方向へ移動することになる。尚、前記補助モータの制御系は第一の実施形態において図5を用いて説明したものと同一である。
そして、この第二の実施形態においては、ナット部材50の外周面に設けられた従動側ねじ歯車52に対して駆動側ねじ歯車53及び補助駆動ギヤ61を噛み合わせ、ステアリングホイール1からの入力及び補助モータからの入力を直接ナット部材50に伝達するようにしたことにより、極めてコンパクトにパワーステアリング装置を構成することが可能である。
図9乃至図11は本発明に使用可能なナット部材の他の例を示すものである。
図4に例示したナット部材13では、かかるナット部材13の軸方向の両端に一対のエンドキャップ21を固定してボール19の無限循環路を構築していた。しかし、図9に示すナット部材65では、ナット部材65の内周面に対して切削加工又は研削加工を施すことにより、エンドキャップ等の他の部材を用いることなくボール19の無限循環路を形成している。尚、図9は、リレーロッド3とナット部材65との間に配列されたボール19の一部のみが描かれており、総てのボール19が描かれていない。
前記ナット部材65はリレーロッド3が挿通される貫通孔66を有して略円筒状に形成されている。図9は軸方向に沿ったナット部材65の断面図である。この図に示されるように、ナット部材65の貫通孔66の内周面にはリレーロッド3のボール転動溝12と対向するボール転動溝67が螺旋状に形成されている。このボール転動溝67のボール19の進行方向と直交する断面形状はリレーロッド3のボール転動溝12の断面形状と同一である。かかるボール転動溝67とリレーロッド3のボール転動溝12とが互いに対向することにより、ボール19が荷重を負荷しながらリレーロッド3の周囲を公転する螺旋状の負荷ボール通路がナット部材65とリレーロッド3との間に形成されることになる。尚、図9乃至図11に示した例では、ナット部材65のボール転動溝67は2条ねじとして形成されており、対応するリレーロッド3のボール転動溝12も2条ねじに形成される。
また、ナット部材65の貫通孔66の内周面には無負荷ボール溝68が螺旋状に形成されている。この無負荷ボール溝68は貫通孔66の内周面に対して前記ボール転動溝67よりも深く、且つ、ボール19の直径よりも僅かに大きい溝幅で形成されている。従って、ボール19はこれら無負荷ボール溝68内で荷重を負荷することなく無負荷状態となり、後続のボール19に押されるようにして自由に転動する。
ナット部材のボール転動溝67はリレーロッド3のボール転動溝12と対向しているが、前記無負荷ボール溝68はリレーロッド3のボール転動溝12ではなく、山部69に対向しており、かかる無負荷ボール溝68内を無負荷状態で転動するボール19はリレーロッド3の山部69に接し、これにより無負荷ボール溝68内にボール19が保持されるようになっている。従って、このナット部材65では、無負荷ボール溝68とリレーロッド3の山部69との協働により、無負荷ボール通路が構成されていることになる。
一方、ナット部材65の貫通孔66の内周面には、その軸方向の両端付近に略U字形の方向転換溝70が形成されている。この方向転換溝70は、ボール転動溝67の端部と無負荷ボール溝68の端部とを連通連結しており、図10に示すナット部材65では貫通孔660の内周面の4か所に形成されている。尚、ナット部材65に具備されたボール転動溝67が2条ではなく、1条の場合には、前記方向転換溝70は貫通孔66の内周面の2か所に形成されることになる。
この方向転換溝70はボール転動溝67の端部から無負荷ボール溝68の端部まで段差なく連続的に形成されており、ボール転動溝67の端部から無負荷ボール溝68の端部へ接近するにつれて徐々に深くなるように形成されている。ボール転動溝67を転動するボール19は、かかるボール転動溝67と方向転換溝70との接続部位に到達すると、かかるボール転動溝67の深さが徐々に深くなることから、次第に荷重から解放される。荷重から解放されたボール19は後続のボール19に押されるようにしてそのままリレーロッド3のボール転動溝12内を進行するが、方向転換溝70が該ボール19をボール転動溝12の側方へ寄せていくので、かかるボール19はボール転動溝12を這い上がるようにしてリレーロッド3の山部69にまで持ち上がり、ナット部材65の方向転換溝70に完全に収容される。
方向転換溝70は略U字状の軌道を有していることから、方向転換溝70内に収容されたボール19はその転走方向を逆転させ、ナット部材65の無負荷ボール溝68とリレーロッド3の山部69との対向によって形成された無負荷ボール通路に進入する。ボール19はこの無負荷ボール通路内において無負荷状態であり、後続のボール19に押されるようにして無負荷ボール通路内を進む。
また、無負荷ボール通路内を進行したボール19は無負荷ボール溝68と方向転換溝70の接続部位に到達すると、そのまま方向転換溝70内に進入して再び進行方向を転換させ、リレーロッド3のボール転動溝12とナット部材65のボール転動溝67の対向によって形成された負荷ボール通路内に進入する。この際、ボール19はリレーロッド3のボール転動溝12を側方から這い降りるようにして負荷ボール通路に進入し、方向転換溝70とボール転動溝67との接続部位において該ボール転動溝67の深さが徐々に浅くなると、無負荷状態から荷重の負荷状態へと移行する。
すなわち、このナット部材65では前記方向転換溝70がナット部材65のボール転動溝67の端部と無負荷ボール溝68の端部とを連通連結することにより、閉ループとしてのボール19の無限循環路がナット部材65に具備されており、ナット部材65がリレーロッド3に対して回転を生じると、ボール19が前記無限循環路の内部を循環し、前記螺旋運動を連続的に行うことができるようになっている。
そして、このように構成されたナット部材65では、図4に示したナット部材13の如く軸方向に沿ってボール戻し通路20を貫通形成する必要がなく、ナット部材65の肉厚を薄く設定することが可能となっている。これにより、ナット部材65をコンパクトに製作することが可能である。また、前記ボール転動溝67、無負荷ボール溝68及び方向転換溝70の総てを、ナット部材65の貫通孔66の内周面に対して切削加工、研削加工等の手法で直接形成することができるので、ボール19の無限循環路をナット部材65に具備させるに当たり、何ら別部品をナット部材65に装着する必要はなく、ナット部材65の生産を簡易且つ低コストで行うことが可能となる。加えて、ナット部材65に何ら別部品を固定することなくボール19の無限循環路を形成することができるので、過酷な使用環境で長期間使用した場合であっても、高い信頼性を発揮することが可能となり、ステアリング装置に最適である。
尚、このナット部材65を使用するに当たっては、かかるナット部材65の軸方向端面に第一の実施形態における従動側ベベルギヤ15を設けても良いし、ナット部材65の外周面の略中央に第二の実施形態における従動側ねじ歯車52を設けるようにしてもよい。
前記従動側ねじ歯車52は機械加工によってナット部材50の外周面に対して直接形成しても、あるいは別途加工されたねじ歯車52をナット部材50の外周面に対して固定するようにしても差し支えない。

Claims (12)

  1. ステアリング軸の回転をリレーロッドの軸方向への運動に変換して転舵輪の操作を行うステアリング装置であって、
    前記リレーロッドが貫通するギヤケーシングと、このギヤケーシング内で前記リレーロッドに設けられると共にリードの大きさが1以上に形成された螺旋状のボール転走溝と、多数のボールを介して前記リレーロッドのボール転走溝上に螺合すると共に、前記ギヤケーシングに対して回転自在に支承されたナット部材と、前記ステアリング軸の回転が伝達されると共に前記リレーロッドと交差又は食い違いの関係にある入力軸と、前記入力軸の回転を前記ナット部材に伝達する第1の伝達ギヤとから構成されることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記第1の伝達ギヤにおける伝達効率は、入力軸からナット部材へのそれに比べ、ナット部材から入力軸へのそれが低いことを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記リレーロッドと入力軸とが食い違いの関係にあり、前記第1の伝達ギヤは、ナット部材の外周面に設けられた従動側ねじ歯車と、前記入力軸に固定されると共に前記従動側ねじ歯車と噛み合う駆動側ねじ歯車とから構成されることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  4. 前記ナット部材の外周面には前記従動側ねじ歯車を挟んで一対のボール転走溝が周方向に沿って形成され、このボール転走溝を転走する多数のボールを介して回転軸受の外輪がナット部材に装着されていることを特徴とする請求項3記載のステアリング装置。
  5. 前記従動側ねじ歯車の基準円筒ねじれ角は前記駆動側ねじ歯車のそれよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項3記載のステアリング装置。
  6. 前記ナット部材はその回転軸方向に関して前記ギヤケーシング内で弾性的に支承されており、外力が作用した際に回転軸方向へ変位可能であることを特徴とする請求項2又は5記載のステアリング装置。
  7. 前記ステアリング軸と入力軸との間で伝達される回転トルクの大きさを検出するトルク検出センサを設けると共に、かかるトルク検出センサの出力信号に応じて前記ナット部材の回転を介助する補助モータを設けたことを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  8. 前記補助モータはその出力軸が前記ナット部材と交差又は食い違いの位置関係となるように設けられると共に、かかる補助モータの回転を前記ナット部材に伝達する第2の伝達ギヤが設けられ、この第2の伝達ギヤの減速比が1以上に設定されていることを特徴とする請求項7記載のステアリング装置。
  9. 前記第1の伝達ギヤは、ナット部材に固定された従動ギヤと、前記入力軸に固定されると共に前記従動ギヤと噛み合う駆動ギヤとから構成され、また、前記第2の伝達ギヤは、前記従動ギヤと、前記補助モータの出力軸に固定されると共に前記従動ギヤと噛み合う補助駆動ギヤとから構成されることを特徴とする請求項7記載のステアリング装置。
  10. 前記従動ギヤ、駆動ギヤ及び補助駆動ギヤはベベルギヤであることを特徴とする請求項9記載のステアリング装置。
  11. 前記従動ギヤ、駆動ギヤ及び補助駆動ギヤはねじ歯車であることを特徴とする請求項9記載のステアリング装置。
  12. 交差又は食い違いの関係にある入力軸と出力軸を有し、前記入力軸の回転運動を前記出力軸の軸方向の直線運動に変換する運動伝達装置であって、
    前記出力軸が貫通するギヤケーシングと、このギヤケーシング内で前記出力軸に設けられると共にリードの大きさが1以上に形成された螺旋状のボール転走溝と、多数のボールを介して前記出力軸のボール転走溝上に螺合すると共に、前記ギヤケーシングに対して回転自在に支承されたナット部材と、前記入力軸の回転を該入力軸と交差又は食い違いの関係にある前記ナット部材に伝達する動力伝達ギヤとから構成されることを特徴とする運動変換装置。
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