JP2013155787A - ウォームギヤ機構及びウォームギヤ機構を用いた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜交軸のウォームギヤ機構の耐久性を高めつつ、ウォームの生産性を高める。
【解決手段】ウォーム47の軸46に対して、ウォームホイール48の軸が直角ではない角度で交差する方向に位置した、ウォームギヤ機構44である。ウォームの歯47aは金属材料によって構成されている。ウォームホイールの歯48aは樹脂材料によって構成されている。ウォームの歯の複数箇所にウォームホイールの複数の歯が同時に噛み合うことが可能である。ウォームの歯の複数箇所からウォームホイールの複数の歯にトルクが作用した場合に、前記複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所において、ウォームホイールの歯が接触する範囲を、接触領域A1とする。ウォームの歯の歯面47afは、接触領域の全範囲にわたって補助歯面領域A2を有する。補助歯面領域は、ウォームの歯の歯先の近傍に位置して、他の部位の圧力角αよりも大きい圧力角αに設定されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、耐久性を高めたウォームギヤ機構及びこのウォームギヤ機構を用いた電動パワーステアリング装置に関し、特にウォームの歯形を改良した技術に関する。
ウォームギヤ機構の中には、電動パワーステアリング装置に用いられているものがある。電動パワーステアリング装置に用いたウォームギヤ機構は、電動モータに連結されたウォームと、負荷に連結されたウォームホイールとによって構成されている。電動モータが発生したトルクは、ウォームからウォームホイールを介して負荷に伝達される。
近年は、電動パワーステアリング装置の小型化及び軽量化の要請が高まるとともに、電動モータの高出力化が求められている。電動パワーステアリング装置の小型化を図るには、ウォームの軸に対してウォームホイールの軸を、直角ではない角度で交差する方向に配置、つまり軸角が90°でない斜交軸のウォームギヤ機構にすることが考えられる。このような斜交軸のウォームギヤ機構は、特許文献1〜4から知られている。
特許文献1〜4で知られている電動パワーステアリング装置は、斜交軸のウォームギヤ機構を採用している。このウォームギヤ機構は、金属製の歯を有するウォームと、樹脂製の歯を有するウォームホイールと、から成る。特許文献2で知られているウォームギヤ機構は、ウォームの歯の複数箇所にウォームホイールの複数の歯が同時に噛み合うことが可能である。
しかしながら、特許文献1、特許文献2及び特許文献4で知られているような、斜交軸のウォームギヤ機構においては、ウォームの歯の複数箇所からウォームホイールの複数の歯にトルクが作用した場合に、複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所に、応力が集中する傾向があるといわれている。応力が集中することによって、ウォームの歯とウォームホイールの歯との間には、局部的に面圧が高まる部位が生じる。ウォームギヤ機構の耐久性を高めるには改良の余地がある。
一方、特許文献3で知られているウォームの歯形では、歯元の歯厚が歯底から基準ピッチ線にかけて漸減する漸減度合いに対し、歯末の歯厚が基準ピッチ線から歯先にかけて漸減する漸減度合いを大きく設定している。しかし、ウォームの歯の全体にわたって、このような複雑な形状に形成するので、生産性を高める上で不利である。
特開2007−239849公報 特開2009−156443公報 特開2010−270908公報 特開2011−033197公報
本発明は、斜交軸のウォームギヤ機構の耐久性を高めつつ、ウォームの生産性を高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明によれば、ウォームの軸に対して、ウォームホイールの軸が直角ではない角度で交差する方向に位置し、前記ウォームの歯は金属材料によって構成され、前記ウォームホイールの歯は樹脂材料によって構成され、前記ウォームの歯の複数箇所に前記ウォームホイールの複数の歯が同時に噛み合うことが可能なウォームギヤ機構において、前記ウォームの歯の複数箇所から前記ウォームホイールの複数の歯にトルクが作用した場合に、前記複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所において、前記ウォームホイールの歯が接触する範囲を、接触領域とし、前記ウォームの歯の歯面は、前記接触領域の全範囲にわたって補助歯面領域を有し、この補助歯面領域は、前記ウォームの歯の歯先の近傍に位置して、他の部位の圧力角よりも大きい圧力角に設定されている、ことを特徴とするウォームギヤ機構が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記補助歯面領域の範囲は、前記接触領域よりも広い範囲にわたって設定されている。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、請求項1又は請求項2記載のウォームギヤ機構と、車両のステアリングホイールから操舵車輪に至るステアリング系と、トルクを発生するとともにこのトルクを前記ウォームギヤ機構を介して前記ステアリング系に伝える電動モータと、を備えたことを特徴とするウォームギヤ機構を搭載した電動パワーステアリング装置が提供される。
請求項1に係る発明では、斜交軸のウォームギヤ機構において、ウォームの歯の複数箇所からウォームホイールの複数の歯にトルクが作用した場合に、複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所において、ウォームホイールの歯が接触する範囲を、接触領域としている。ウォームの歯の歯面は、少なくとも接触領域の全範囲にわたって補助歯面領域を有する。補助歯面領域は、ウォームの歯の歯先の近傍に位置して、他の部位の圧力角よりも大きい圧力角に設定されている。
つまり、ウォームの歯のなかで、この歯とウォームホイールの歯との間で局部的に面圧が高まる接触領域だけを、他の部位の圧力角よりも大きい圧力角に設定している。この結果、ウォームの歯とウォームホイールの歯との間には、局部的な応力集中による面圧が高まる部位が生じない。このため、ウォームギヤ機構の耐久性を高めることができる。しかも、ウォームの歯を局部的に補正するだけであるから、従来のようにウォームの歯の全体にわたって複雑な形状に形成する場合に比べて、生産性を高めることができる。
請求項2に係る発明では、補助歯面領域の範囲を接触領域よりも広い範囲にわたって設定しているので、ウォームギヤ機構の多少の寸法公差を吸収することができる。このため、ウォームギヤ機構の寸法管理が容易である。
請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2記載の斜交軸のウォームギヤ機構を採用した電動パワーステアリング装置である。このようなウォームギヤ機構を用いることにより、耐久性に優れた小型の電動パワーステアリング装置を提供できる。
本発明に係るウォームギヤ機構を用いた電動パワーステアリング装置の模式図である。 図1に示された電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線に沿った断面図である。 図3に示されたウォームとウォームホイールとの噛み合いの関係を斜め上から見た斜視図である。 図4に示されたウォームとウォームホイールの側面図である。 図5に示されたウォームの基本的な歯形を示す断面図である。 図5の7−7線に沿った断面図である。 図5の8−8線に沿った断面図である。 図5に示されたウォームの補助歯面領域の歯形を示す断面図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係るウォームギヤ機構を用いた、電動パワーステアリング装置について説明する。図1は電動パワーステアリング装置10を模式的に表している。この電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から車両の操舵車輪(例えば前輪)29,29に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40と、から成る。
ステアリング系20は、ステアリングホイール21と、このステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介して連結されたピニオン軸24と、このピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介して連結されたラック軸26と、このラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して連結された左右の操舵車輪29,29(例えば左右の前輪29,29)と、から成る。ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン31と、ラック軸26に形成されたラック32と、から成る。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングホイール21を操舵することにより、その操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この操舵トルクセンサ41のトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、ウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらに、補助トルクをピニオン軸24からピニオン31を介してラック32に伝達するようにした構成である。
操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24に加えられたトルクを検出し、トルク検出信号として出力するものであり、例えば磁歪式トルクセンサによって構成される。
このような電動パワーステアリング装置10によれば、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
図2及び図3に示されるように、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、ラック軸26、操舵トルクセンサ41及びウォームギヤ機構44は、ハウジング51に収納されている。このハウジング51は、車幅方向(図2の左右方向)に延びている。ハウジング51の上部開口は、上部カバー部54によって塞がれている。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部54に取付けたものである。ラック軸26は、ラックガイド60によって軸方向へ摺動可能に支持されている。
図3に示されるように、ピニオン軸24は、車体上下方向に延びた略垂直な軸であり、上端部、中央部及び下端部の各位置が、それぞれ第1の軸受55、第2の軸受56、第3の軸受57を介してハウジング51に回転可能に支持されている。第2の軸受56は、ロックナット58によってハウジング51に位置決めされている。
図2及び図3に示されるように、ラック軸26は、車幅方向に延びた水平軸であって、軸長手方向にスライド可能である。このラック軸26の長手方向両端には、ボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27が連結されている。さらに、ラック軸26の両端は、ダストシール用ブーツ53,53によって覆われている。
図3に示されるように、ウォームギヤ機構44は、電動モータ43が発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達する補助トルク伝達機構、すなわち倍力機構である。このウォームギヤ機構44は、ウォーム軸46に一体に形成された駆動側のウォーム47と、このウォーム47に噛み合う従動側のウォームホイール48と、から成る。ウォーム軸46の一端部は、図示せぬカップリングによってモータ軸43a(図1参照)に連結されている。ステアリングホイール21(図1参照)が左右へ操舵されることに伴って、電動モータ43がウォーム47を正転及び逆転駆動することにより、ウォーム47によってウォームホイール48を正転及び逆転させることができる。
ウォーム軸46の両端部は、ハウジング51に回転可能に支持されている。ウォームホイール48(以下、単に「ホイール48」と言う。)は、ピニオン軸24に設けられている。ピニオン軸24に対して、ホイール48は軸方向への相対的な移動が規制され、且つ、相対回転が規制されている。
図4は、図3に示されたウォーム47とホイール48との噛み合いの関係を、斜め上から見て表している。図5は、図4に示されたウォーム47とホイール48との噛み合いの関係を、側方から見て表している。
ウォーム47は、ねじ山47a(つまり、歯47a)が例えば2条で設定されるとともに、ねじ山47aのピッチが一定に設定されている。ウォーム47のねじ山47aの進み角は、ねじ面の摩擦角よりも若干大きく設定されている。このため、ホイール48側からウォーム47を回すことができる(逆伝達性)。
図3及び図4に示されるように、ホイール48の歯48aは、歯幅中央の部分が歯先面から径内方へ向かって円弧状に窪んでいる、いわゆる「中凹歯形」に形成されている。
図3〜図5に示されるように、ウォーム軸46(ウォーム47の軸46)はピニオン軸24(ホイール48の軸24)に対して、つまり、ピニオン軸24の中心線CLに対して角度「90°±γ°」だけ傾いている。詳しく説明すると、ウォームギヤ機構44は、ホイール48の軸24に対して、ウォーム47の軸46を直角ではない角度で交差する方向に配置し、ホイール48にウォーム47を噛み合わせた、いわゆる、斜交軸ウォームギヤ機構である。
このように、ウォーム47の軸46の中心線WLと、ホイール48の軸24の中心線CLとの間の、角度(軸角、交差角)は90°ではなく、「90°±γ°」である。このため、ウォーム47の軸46の中心線WLは、ホイール48の軸平面(ホイール48の歯幅方向中心線Lw)に対して「90°−γ」の傾きを有する。ここで、角度γのことを「斜交角γ」と言うことにする。この斜交角γの値は、ホイール48の歯48aの捩れ角λが0°の場合において、ウォーム47の歯47a(つまり、ねじ山47a)とホイール48の歯48aとの噛み合い状態が良好となるように、「0°<γ°<90°」の範囲で設定される。
以上の説明から明らかなように、ウォームギヤ機構44を、ピニオン軸24に設けられたホイール48と、このホイール48を駆動するように噛み合うウォーム47とによって構成した。ウォーム47の軸46は、ホイール48の軸24に対して直角ではない角度で交差する方向に配置、つまり、軸角が90°でない斜交軸とされている。そして、ホイール48の歯48aの捩れ角を0°に設定した。
ウォーム47は、少なくとも歯47aが金属材料、好ましくは全体が金属材料によって構成されている。この金属材料としては、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼が採用される。
ホイール48は、少なくとも歯48aが、ナイロン樹脂等の樹脂材料によって構成されている。例えば、ホイール48は、ピニオン軸24に嵌合によって取り付けられる金属製のボス部71と、このボス部71に一体に成形される樹脂製のホイール本体72と、から成る。このホイール本体72の外周面には、全周にわたって複数の歯48aが形成される。または、ホイール48は、全体が樹脂による成型品によって構成される。
ウォーム47の金属製の歯47aの歯面に、樹脂製のホイール48の樹脂製の歯48aの歯面を噛合わせるようにしたので、噛合いを比較的円滑にすることができるとともに、騒音をより低減させることができる。
さらには、ウォーム47の歯47aは金属製であるから剛性が大きく弾性変形し難い。これに対して、ホイール48の歯48aは樹脂製であるから比較的剛性が小さく、ウォーム47よりも弾性変形し易い。ウォーム47によってホイール48を回す場合に、補助トルクの大きさに従って、ホイール48の歯48aが弾性変形し得る。この結果、ウォーム47の歯47aの複数箇所に、ホイール48の複数の歯48aが同時に噛み合うことが可能である。
ウォーム47によってホイール48を回転する場合に、ホイール48の歯48aのなかの1つに対するウォーム47の歯47aの噛み合いの一連の変化は、次の通りである。
(1)先ず、ウォーム47の歯47aの歯面のなかの歯元部分が、ホイール48の歯48aの歯先に接触して押す(第1接触ステップ)。
(2)引き続いて、ウォーム47の歯47aの歯面のなかの歯元部分が、ホイール48の歯48aの歯面のなかの歯末部分に接触することにより、さらに押し続ける(第2接触ステップ)。
(3)引き続いて、ウォーム47の歯47aの歯面のなかのピッチ円の部分が、ホイール48の歯48aの歯面のなかのピッチ円の部分に接触することにより、さらに押し続ける(第3接触ステップ)。
(4)引き続いて、ウォーム47の歯47aの歯面のなかの歯末部分が、ホイール48の歯面のなかの歯元部分に接触することにより、さらに押し続ける(第4接触ステップ)。
上述のように、ウォーム47の歯47aに対して、ホイール48の複数の歯48aが同時に噛み合う場合に、これらの歯48aの弾性変形量(撓み量)は、実質的に同じである。しかし、これらの歯48aの歯面が、ウォーム47の歯47aに対して接触する各接触点は、互いに異なる。つまり、複数の歯48aが同じ撓み量だけ撓むように、ウォーム47の歯47aから歯面が受ける荷重は、各接触点によって異なる。従って、各接触点が受ける面圧は異なる。特に、上記第1接触ステップ及び第4接触ステップの場合には、他の接触ステップの場合に比べて、接触点が受ける面圧は大きい。
しかも、ウォーム47の回転に従って、ウォーム47の歯47aに対する、ホイール48の歯48aの歯面の接触点は、この歯面の「歯すじ」の方向(歯幅方向)に変化する。
以下、ウォーム47の歯47a及びホイール48の歯48aについて、詳しく説明する。ホイール48の歯48aは「はす歯」であり、この歯48aの歯形は例えば「インボリュート」である。図6に示されるように、ウォーム47の歯47aの歯形は、基本的には、例えば「インボリュート」または「ほぼ台形」である。ウォーム47の歯47aの圧力角は、基本的にはαである。ウォーム47の歯47aの圧力角αに対して、ホイール48の歯48aの圧力角は同じである。
上述のように、ウォーム47の歯47aの複数箇所に、ホイール48の複数の歯48aが同時に噛み合うことが可能である。図5、図7及び図8に示されるように、ウォーム47の歯47aの前記複数箇所からホイール48の複数の歯48aにトルクが作用した場合に、前記複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所Pe,Pe(図5参照)において、ホイール48の歯48aが接触する範囲A1を、「接触領域A1」とする。ウォーム47の歯47aの歯面47afは、接触領域A1の全範囲にわたって補助歯面領域A2を有する。
この補助歯面領域A2は、ウォーム47の歯47aの歯先47aeの近傍に位置して、図9に示される圧力角αに設定されている。補助歯面領域A2の圧力角αは、他の部位の圧力角α、つまり基本的な圧力角αよりも大きい値に設定されている(圧力角α<α)。
このように、ウォーム47の歯47aのなかで、この歯47aとホイール48の歯48aとの間で局部的に面圧が高まる接触領域A1だけが、他の部位の圧力角αよりも大きい圧力角αに設定されている。この結果、ウォーム47の歯47aとホイール48の歯48aとの間には、局部的な応力集中による面圧が高まる部位が生じない。このため、ウォームギヤ機構44の耐久性を高めることができる。しかも、ウォーム47の歯47aを局部的に補正するだけであるから、従来のようにウォームの歯の全体にわたって複雑な形状に形成する場合に比べて、生産性を高めることができる。
さらに、補助歯面領域A2の範囲は、好ましくは、接触領域A1よりも広い範囲にわたって設定されている。従って、ウォームギヤ機構44の多少の寸法公差を吸収することができる。このため、ウォームギヤ機構44の寸法管理が容易である。
補助歯面領域A2の大きさは、次の範囲に設定されることが好ましい。図9に示されるように、歯末の高さThは、歯先円の直径doの1/2と、ピッチ円の直径dpの1/2と、の差によって求められる。つまり、「Th=((do/2)−(dp/2))」の関係である。補助歯面領域A2の歯丈方向の高さAh、つまり、歯先円を基準とする歯元方向への大きさAhは、歯末の高さThの1/2よりも大きく設定されることが好ましい(Ah>(Th/2))。この高さAhであれば、接触領域A1の高さを上回る。
より好ましくは、補助歯面領域A2の歯丈方向の高さAhは、歯末の高さThの1/2の1.2倍までの範囲に設定される。つまり、「(1.2×Th/2)≧Ah>(Th/2」の関係である。この高さAhであれば、ウォームギヤ機構44の寸法公差を吸収できるとともに、不要な範囲を設定することがない。
また、図5に示されるように、ウォーム47の歯47aの巻き方向(螺旋方向)における、補助歯面領域A2の大きさ(広さ)は、同方向における接触領域A1の大きさよりも、大きく設定される。このようにして、接触領域A1は、補助歯面領域A2の中に入る。
さらには、このような斜交軸のウォームギヤ機構44を用いることにより、耐久性に優れた小型の電動パワーステアリング装置10(図1参照)を提供できる。
なお、本発明では、電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール21の操舵入力に基づいて電動モータ43が発生したトルクを、ウォームギヤ機構44を介して操舵車輪29,29に伝達することで車両の転舵を行う構成であればよい。例えば、本発明のウォームギヤ機構44及びそれの製造方法は、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ式(steer-by-wire、略称「SBW」)の電動パワーステアリング装置にも適用できる。ステア・バイ・ワイヤ式電動パワーステアリング装置とは、ステアリングホイール21からピニオン軸24を機械的に分離し、操舵入力に基づいて電動モータ43が発生した転舵用トルクを、ウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24へ伝えることにより、操舵車輪29,29を操舵させる方式の構成である。
本発明のウォームギヤ機構44は、ステアリングホイール21で発生した操舵トルクを操舵トルクセンサ41によって検出し、この操舵トルクセンサ41の検出信号に応じて電動モータ43が補助トルクを発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構44を介してステアリング系20に伝える車両用電動パワーステアリング装置10に好適である。
10…電動パワーステアリング装置、20…ステアリング系、21…ステアリングホイール、24…ウォームホイールの軸、29…操舵車輪、40…補助トルク機構、43…電動モータ、43a…モータ軸、44…ウォームギヤ機構、46…ウォームの軸、47…ウォーム、47a…ウォームの歯、47ae…歯先、47af…歯面、48…ウォームホイール、48a…ウォームホイールの歯、A1…接触領域、A2…補助歯面領域、Pe…複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所、α…他の部位の圧力角、α…圧力角。

Claims (3)

  1. ウォームの軸に対して、ウォームホイールの軸が直角ではない角度で交差する方向に位置し、前記ウォームの歯は金属材料によって構成され、前記ウォームホイールの歯は樹脂材料によって構成され、前記ウォームの歯の複数箇所に前記ウォームホイールの複数の歯が同時に噛み合うことが可能なウォームギヤ機構において、
    前記ウォームの歯の複数箇所から前記ウォームホイールの複数の歯にトルクが作用した場合に、前記複数箇所のなかのウォーム軸方向両端の箇所において、前記ウォームホイールの歯が接触する範囲を、接触領域とし、
    前記ウォームの歯の歯面は、前記接触領域の全範囲にわたって補助歯面領域を有し、
    この補助歯面領域は、前記ウォームの歯の歯先の近傍に位置して、他の部位の圧力角よりも大きい圧力角に設定されていることを特徴とするウォームギヤ機構。
  2. 前記補助歯面領域の範囲は、前記接触領域よりも広い範囲にわたって設定されていることを特徴とする請求項1記載のウォームギヤ機構。
  3. 請求項1又は請求項2記載のウォームギヤ機構と、車両のステアリングホイールから操舵車輪に至るステアリング系と、トルクを発生するとともにこのトルクを前記ウォームギヤ機構を介して前記ステアリング系に伝える電動モータと、を備えたことを特徴とするウォームギヤ機構を搭載した電動パワーステアリング装置。
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