JP3829045B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ラック・ピニオン式の電動パワーステアリング装置には、主として、入力軸としてのピニオン軸の周りに設けたモータ及び減速機構から電動操舵力を付加するピニオンアシストタイプのものと、ボールねじを利用した減速機構をラック軸と同軸的に設け、これを介してモータによる電動操舵力を付加するラックアシストタイプのものとがある。しかしながら、前者は、モータや減速機構が設けられることでピニオン軸周辺のコンパクトさが損なわれ、その結果、当該電動パワーステアリング装置を車両へ取り付けることが容易ではなかった。また、ラック・ピニオンの歯に負荷が集中するため、高出力を可能とするには、歯の強度を上げなければならなかった。その結果、油圧パワーステアリング装置より強度の高いラック・ピニオンを採用しなければならず、この点で油圧パワーステアリング装置より不利であった。一方、後者は、ボールねじのボールサーキュレータ等における打音が、静粛性を損なうという問題点があった。
【0003】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、車両への取付が容易であり、ラック・ピニオンの歯の強度を上げなくても高い出力が可能で、かつ、静粛性も損なわない電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動パワーステアリング装置は、車両の幅方向における一方側に設けられ、手動操舵力により回転駆動されるピニオン軸と、前記ピニオン軸と噛合して直線運動し、操舵輪を操舵するラック軸と、前記ラック軸と同軸的に配置され、当該ラック軸と共にベアリングナット機構を構成するベアリングナットと、前記幅方向における他方側に設けられ、前記ベアリングナットを回転駆動して前記ラック軸に電動補助操舵力を付与するモータとを備え、前記ベアリングナットは4個の送りリングを有し、その各々は、前記ラック軸に対して軸を傾斜させた状態で偏心保持されているとともに、前記ラック軸の外径より大きい内径を有し、内周側に有する係合突起が周方向の一箇所で前記ラック軸のねじ溝に係合し、前記4個の送りリングは、前記ねじ溝との係合位置が周方向に互いに180度ずれている2個の送りリングが2組存在しているものであって、当該2組間の係合位置のずれ角度は45度±10度の範囲内に設定されていることを特徴とするものである。
【0005】
上記のように構成された電動パワーステアリング装置では、電動操舵力がモータからベアリングナットを介してラック軸に伝えられる。このため、ボールねじ機構のような、ボールの循環による打音は発生しない。また、ピニオン軸とは別に、ベアリングナットを介してラック軸をアシストすることにより、ラック軸は高出力となる。さらに、ピニオン軸は車両の幅方向の一方側に、モータは他方側にそれぞれ配置されることにより、車両内空間が有効利用される。
一方、2組の送りリングの各組間の係合位置のずれ角度を0度と90度との中間点である45度の±10度の範囲内に設定することにより、ずれ角度を仮に0度とした場合のような、係合位置に直交する方向の押圧力に対するラック軸の変位を抑えることができないという事態や、90度とした場合のような、一方の組の係合位置への作用力が他方の組の係合を弱めるように作用するという事態を、防止することができる。
【0006】
また、上記電動パワーステアリング装置において、ピニオン軸の軸線とモータの軸線とは、ラック軸に直交する中心線に対して略線対称に配置され、各軸線はラック軸に直交する平面に対して外側へ10度〜25度の角度範囲で傾斜し、かつ、各軸線の傾斜の角度差は5度以内であることが好ましい。この場合、左右どちらのハンドルにも対応できるように予め確保されている車両内空間の一方にピニオン軸を配置し、他方の空間にモータを配置することができる。従って、元々ある空間を有効利用して取り付けることができる。また、10度〜25度の角度範囲によって、ピニオン軸からステアリングホイール等への接続が容易になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置を車両の後方側から見た図である。図において、車両の幅方向(図の左右方向)に延びる円筒状のハウジング1内には、ラック軸2が軸方向に移動可能に保持されている。ラック軸2の両端部には、ブーツ4で覆われたボールジョイント3を介して、サイドロッド5が接続されている。サイドロッド5の先には図示しない操舵輪が取り付けられている。車両の幅方向における左側には、左ハンドル(図示せず。)から手動操舵力により回転駆動されるピニオン軸6が設けられている。ピニオン軸6の下部には、図示しないピニオンが一体的に形成されている。ピニオン軸6は、当該ピニオンにおいてラック軸2のラック2aと噛合しており、このラック軸2の直線運動により操舵輪が操舵される。ピニオン軸6の軸線A1は、ラック軸2に直交する平面S1に対して、外側に所定の角度θ1だけ傾斜している。
【0008】
一方、車両の幅方向における右側には、モータ(電動モータ)7、減速機8及びベアリングナット9が設けられている。図2は、これらの詳細な構造を示す部分断面図である。図2において、モータ7から減速機8を介した出力軸10は、下端部にかさ歯車10aを有している。このかさ歯車10aは、回転外筒11の右端部外周に固定されたリング状の歯車12と噛合している。回転外筒11は、ラック軸2と同軸的に配置され、一対のベアリング13,14により、ハウジング1に対して回転自在に支持されている。回転外筒11の内部には円筒状の回転内筒15が挿嵌されており、これを固定するリング16が回転外筒11の左端部に螺着されている。回転内筒15の内部には、4個の送りリングR1〜R4が保持されており、これらがラック軸2に係合している。両端のリングR1及びR4の外側には、止め輪17が装着されている。
【0009】
図1に戻り、モータ7は、その軸線A2が、ラック軸2に直交する中心線、すなわち車両の幅方向の中心線CLに対してピニオン軸6と略線対称になるように、配置されている。従って、軸線A2は、ラック軸2に直交する平面S2に対して、ピニオン軸6とは互いに反対方向の外側に所定の角度θ2だけ傾斜している。また、出力軸10(図2)の軸線も、モータ7の軸線A2と一致している。
【0010】
上記角度θ1及びθ2は、0度〜35度の範囲の値である。但し、ピニオン軸6からステアリングホイール等(図示せず。)への接続を容易にするためには、10度〜25度とすることが好ましい。
また、上記「略線対称」とは、本実施形態では、角度θ1及びθ2の差(絶対値の差)が10度以内であることをいう。但し、好ましくは、5度以内である。
【0011】
上記モータ7、減速機8及び出力軸10は、右ハンドルの場合に入力軸としてのピニオン軸等を収めるため予め確保されている空間に配置される。すなわち、車両内部のレイアウトは、左右どちらのハンドルにも対応できるように予め空間が確保されているので、空いている右ハンドル取付用の空間を有効利用してモータ7等を配置するのである。従って、モータ7等の取付空間を別途確保する必要がなくなり、これらのレイアウトが容易になる。モータ7等を上記のように配置することができるのは、上記略線対称の配置によるものである。さらに、上記略線対称の配置により、ピニオン軸6の周りがコンパクトになるので、当該電動パワーステアリング装置は、車体への取付が容易である。
【0012】
なお、本実施形態は左ハンドル車に搭載される電動パワーステアリング装置を示しているが、右ハンドル車の場合には、図1と左右が逆の配置になる。その場合、中心線CLを中心に図1と左右逆配置になるように、設計を行えばよい。従って、設計が容易である。
【0013】
図3は、上記ベアリングナット9の詳細な構造を示す断面図である。また、図7は、図3に示す回転内筒15、送りリングR1〜R4及びラック軸2を、軸回りに90度異なる位相方向から見た断面図である。図3において、送りリングR1〜R4は、実質的に玉軸受であり、内輪21と外輪22との間に多数のボール23を有する。送りリングR1〜R4は、ラック軸2の外径より大きい内径を有し、ラック軸2に対して、軸を傾斜させた状態で偏心保持されている。なお、送りリングR1〜R4を回転内筒15に装着するには、種々の方法がある。例えば、送りリングR1,R4については、円形の溝15a,15dを設け、回転内筒15の軸端側から装着する。一方、送りリングR2,R3については、軸断面がU字状の溝15b,15cを設け、その開いた側方から挿入する。また、これとは別に、溝は全て円形とし、回転内筒15を軸方向又は周方向に分割可能として、送りリングR1〜R4の装着の便宜を図ってもよい。
【0014】
ラック軸2の外周には、溝の形が半円状のねじ溝2bが、所定のリード角を有して形成されている。ねじ溝2bは、ベアリングナット9の軸長範囲を含む所定の範囲に形成されている(図示しているのはその一部のみ。)。送りリングR1〜R4の各内輪21の内周側には、ねじ溝2bに対応する半円形状の断面を有する係合突起21aが、周方向に連続して形成されている。
送りリングR1〜R4の軸の傾斜角度は、ラック軸2のリード角と等しい(但し、送りリングR2,R3は逆向き)。そして、送りリングR1〜R4の内周がねじ溝2bに外接する周方向の位置において、係合突起21aがねじ溝2bに係合するように構成されている。
【0015】
図4は、一例として送りリングR1の周辺をさらに拡大した部分断面図である。送りリングR1は、ねじ溝2bのリード角と等しい傾斜を有して保持されており、内輪21の係合突起21aを、ねじ溝2b上の一箇所(図のP1)で係合させてある。
上記の構成によれば、回転内筒15が回転した場合、当該回転内筒15に保持された送りリングR1がねじ溝2bとの係合を保って転動する。この転動により、ラック軸2には、ねじ溝2bに沿った摩擦力Fが係合位置P1に加わり、ラック軸2は摩擦力Fの軸方向分力F1により押圧され、矢印Xに示す方向、すなわち軸方向に移動する。この移動の方向は回転内筒15の回転方向に応じて決まり、回転内筒15の正逆両方向の回転運動がラック軸2の直線運動に変換される。
【0016】
以上のような送りリングR1〜R4による動力伝達を安定して行わせるためには、回転内筒15に保持された4個の送りリングR1〜R4のそれぞれが、常に良好な係合状態を保つことが重要である。以下、この点について説明する。
図5は、ラック軸2の周上での送りリングR1〜R4の係合位置の関係を示す斜視図であり、ラック軸2と送りリングR1〜R4との関係を簡略化して図示している。図5において、送りリングR1及びR2を第1組とし、送りリングR3及びR4を第2組とすると、第1組の送りリングR1及びR2の係合位置P1及びP2は、周方向の位相が互いに180度ずれた位置にある。一方、第2組の送りリングR3及びR4の係合位置P3及びP4も、周方向の位相が互いに180度ずれた位置にある。また、第1組の係合位置P1及びP2と、第2組の係合位置P3及びP4とは周方向に互いにずれた位置にある。
【0017】
図6は、以上のような係合位置P1〜P4をラック軸2の軸断面から見た略図である。図において、係合位置P1〜P4は、ラック軸2の外周上に▽印(押圧力の方向を表す。)と○印とによって示されている。図に示すように、係合位置P1とP4とは角度θだけ互いにずれた位置にあり、同様に係合位置P2とP3とは、角度θだけ互いにずれた位置にある。これらの係合位置P1〜P4は、図3におけるP1〜P4に相当する。図3中、白丸はラック軸2の手前側にあり、黒丸は背面側にある。第1組、第2組共に、一方の係合位置(P1,P4)が手前側にあり、他方の係合位置(P2,P3)が背面側に位置している。このような係合位置P1〜P4により、ラック軸2は、4箇所で支えられている。この構成によれば、送りリングR1の係合を強化すべく、送りリングR1を係合位置P1の側からラック2に押し付けたとき、この押しつけによるラック軸2のたわみ変位が、同組の他方の送りリングR2により抑制される。こうして、送りリングR1及びR2をラック軸2に強固に係合させることができる。このような構造は、第2組の送りリングR3及びR4についても同様になされ、すべての送りリングR1〜R4の係合状態を組み立て段階において良好に設定することができる。
【0018】
上記のように送りリングR1〜R4を係合させた使用状態において、ラック軸2には操舵輪に加わる路面反力等の外力が作用し、この外力の分力として図6の矢印に示すように、送りリングR1,R2の係合位置P1,P2を結ぶ直線に対して直交する方向の押圧力W1が加わることがあるが、本実施形態のベアリングナット9においては、第2組の送りリングR3の係合位置P3が、押圧力W1の向きとほぼ対向するように設定してあるから、押圧力W1の作用方向へのラック軸2のたわみ変位が送りリングR3により抑えられ、第1組の送りリングR1,R2の係合状態は損なわれることなく良好に維持される。なお、押圧力W1と逆の方向から加わる押圧力に対しては、第2組の送りリングR4がラック軸2のたわみ変位を抑える作用を成し、全く同様に係合状態を良好に維持することができる。
【0019】
また、第2組の送りリングR3,R4の係合位置P3,P4を結ぶ直線に対して直交する方向の押圧力W2が加わった場合には、この方向のラック軸2のたわみ変位が第1組の送りリングR1により抑えられ、第2組の送りリングR3,R4の係合状態は損なわれることなく維持される。なお、この場合においても、押圧力W2と逆の方向から作用する押圧力に対しては、第1組の送りリングR2がラック軸2の変位を抑える作用を成し、全く同様に係合状態を良好に維持することができる。
【0020】
以上のように、本実施形態の電動パワーステアリング装置においては、ラック軸2と4個の送りリングR1〜R4との係合状態が、ラック軸2に対して種々の方向に加わる押圧力に対して損なわれることなく維持されるから、回転内筒15の回転運動からラック軸2の直線運動への運動変換を安定して行わせることができる。また、送りリングR1〜R4は、玉軸受であり、回転内筒15への嵌め込みにより固定された簡素な構成である上に、各ボールは相互間の位置を変えることなく転動し、衝突する恐れがないから、上記の動作に伴って発生する音が小さく、静粛な動作が可能となる。
【0021】
上記のように構成された電動パワーステアリング装置において、手動操舵力によりピニオン軸6が回転駆動されると、これに応じてモータ7が駆動され、減速機8を介して出力軸10が回転する。これにより、出力軸10と噛合している歯車12がラック軸2の周りを回転し、これに伴って回転外筒11、回転内筒15がラック軸2の軸回りに回転する。回転内筒15の回転により、送りリングR1〜R4が傾斜したまま回転し、係合突起21aと溝2bとの係合によりラック軸2は軸方向に直線運動する。すなわち、ラック軸2は手動操舵力及びこれを補助する電動操舵力によって直線運動し、操舵輪が操舵される。電動操舵力は、ベアリングナット9を介してラック軸2に付加されるため、ピニオン軸6とラック軸2とのラック・ピニオンに過大な負荷がかかることはない。これにより、ラック・ピニオンを強化しなくても、ラック軸2の高出力化が可能となる。
【0022】
ベアリングナット9内のラック軸2には、種々の方向にラジアル荷重が発生するが、4個の送りリングR1〜R4の係合位置P1〜P4が前述のように設定してあり、送りリングR1〜R4の係合状態がラジアル荷重の作用下においても損なわれることなく良好に維持される。従って、電動補助操舵を良好に行わせることができる。
【0023】
なお、第1組の係合位置P1,P2に対する第2組の係合位置P3,P4のずれ角度θは、0度〜90度の角度範囲にて適宜設定することができる。但し、0度とすると、第1,第2両組の係合位置が周方向に一致し、これらに直交する方向の押圧力に対するラック軸2の変位を抑えることができない。また、90度とした場合、一方の組の係合位置への作用力が他方の組の係合を弱めるように作用する。従って、前記ずれ角度は0度と90度との中間点である45度近傍(±10度程度)に設定するのが好ましい。
【0024】
また、上記実施形態においては、送りリングR1,R2を第1組、R3,R4を第2組としたが、組分けはこれに限らない。例えば、送りリングR1及びR4を第1組、R2及びR3を第2組としてもよい。但し、この場合においても、各送りリングR1〜R4は、ラック軸2の軸断面内にて、一側半部にそれぞれの係合位置が設定された2個の送りリング(図5においては送りリングR1,R4)が、これらの間に他側半部に係合位置が設定された少なくとも1個の送りリング(送りリングR2及びR3)を挟むように配置する必要がある。これは、図5において、ラック軸2の一側半部に送りリングR1,R2が係合し、他側半部に送りリングR3及びR4が係合する配置とした場合、各送りリングR1〜R4の係合位置に加わる押し付け力によりラック軸2の軸長方向に、回転モーメントが発生し、各送りリングR1〜R4の係合状態が良好に保てなくなる恐れがあるからである。
【0025】
また、以上の実施形態においては、4個の送りリングR1〜R4を備える構成について述べたが、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、5個以上の送りリングを備えて構成することも可能である。その場合、4個を超えて備えられた送りリングを上記2組の一方に組み込み、組内の2個の送りリングのいずれか一方と周方向に整合するように係合位置を設定してもよいし、また、2組のいずれにも属さず、これらと別個に係合位置を設定するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の電動パワーステアリング装置によれば、電動操舵力がモータからベアリングナットを介してラック軸に伝えられるので、ボールねじ機構のような、ボールの循環による打音は発生せず、静粛性が高い。また、ピニオン軸とは別に、ベアリングナットを介してラック軸をアシストすることにより、ラック・ピニオンの歯の強度を上げなくともラック軸は高出力となる。さらに、ピニオン軸は車両の幅方向の一方側に、モータは他方側にそれぞれ配置されることにより、車両内空間が有効利用されるので、当該電動パワーステアリング装置を車両へ取り付けることが容易である。
また、2組の送りリングの各組間の係合位置のずれ角度を0度と90度との中間点である45度の±10度の範囲内に設定したので、ラック軸の変位を抑えることができないという事態や、一方の組の係合位置への作用力が他方の組の係合を弱めるように作用するという事態を、防止することができ、送りリングとラック軸との係合状態を良好に維持することができる。
【0027】
また、請求項2の電動パワーステアリング装置によれば、左右どちらのハンドルにも対応できるように予め確保されている車両内空間の一方にピニオン軸を配置し、他方の空間にモータを配置することができるので、元々ある空間を有効利用して取り付けることができる。また、10度〜25度の角度範囲によって、ピニオン軸からステアリングホイール等への接続が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置を車両の後方側から見た図である。
【図2】上記電動パワーステアリング装置の一部の拡大断面図である。
【図3】上記電動パワーステアリング装置におけるベアリングナットの断面図である。
【図4】上記ベアリングナットの一部の拡大断面図である。
【図5】上記ベアリングナットにおける、ラック軸と送りリングとの関係を示す斜視図である。
【図6】図5に示す係合位置をラック軸の軸断面から見た断面図である、
【図7】図3に示す回転内筒、送りリング及びラック軸を、軸回りに90度異なる位相方向から見た断面図である。
【符号の説明】
2 ラック軸
6 ピニオン軸
7 モータ
9 ベアリングナット
A1,A2 軸線
Claims (2)
- 車両の幅方向における一方側に設けられ、手動操舵力により回転駆動されるピニオン軸と、
前記ピニオン軸と噛合して直線運動し、操舵輪を操舵するラック軸と、
前記ラック軸と同軸的に配置され、当該ラック軸と共にベアリングナット機構を構成するベアリングナットと、
前記幅方向における他方側に設けられ、前記ベアリングナットを回転駆動して前記ラック軸に電動補助操舵力を付与するモータとを備え、
前記ベアリングナットは4個の送りリングを有し、その各々は、前記ラック軸に対して軸を傾斜させた状態で偏心保持されているとともに、前記ラック軸の外径より大きい内径を有し、内周側に有する係合突起が周方向の一箇所で前記ラック軸のねじ溝に係合し、
前記4個の送りリングは、前記ねじ溝との係合位置が周方向に互いに180度ずれている2個の送りリングが2組存在しているものであって、当該2組間の係合位置のずれ角度は45度±10度の範囲内に設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ピニオン軸の軸線と前記モータの軸線とは、前記ラック軸に直交する中心線に対して略線対称に配置され、各軸線は前記ラック軸に直交する平面に対して外側へ10度〜25度の角度範囲で傾斜し、かつ、各軸線の傾斜の角度差は5度以内である請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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