JPS6154783B2 - - Google Patents

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JPS6154783B2
JPS6154783B2 JP3221382A JP3221382A JPS6154783B2 JP S6154783 B2 JPS6154783 B2 JP S6154783B2 JP 3221382 A JP3221382 A JP 3221382A JP 3221382 A JP3221382 A JP 3221382A JP S6154783 B2 JPS6154783 B2 JP S6154783B2
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JP
Japan
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compound
reaction
urea
compounds
groups
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JP3221382A
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JPS58150555A (ja
Inventor
Shinsuke Fukuoka
Masazumi Chono
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPS58150555A publication Critical patent/JPS58150555A/ja
Priority to US06/681,061 priority patent/US4621149A/en
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はウレタン化合物の製法に関する。さら
に詳しくは酸化剤の存在下に尿素化合物を一酸化
炭素および有機ヒドロキシル化合物と反応させて
酸化的にカルボニル化することによつてウレタン
化合物を製造する方法に関する。 ウレタン化合物はカーバメイト系農薬などに用
いられる重要な化合物であり、最近ではホスゲン
を使用しないイソシアナート類製造の原料とし
て、その安価な製造方法が要望されている。 このようなウレタン化合物を一酸化炭素を用い
て製造する方法としては、芳香族ニトロ化合物、
芳香族ニトロソ化合物、芳香族アゾ化合物、芳香
族アゾキシ化合物などを酸化剤の不存在下で還元
的にウレタン化する方法および芳香族アミノ化合
物を酸化的にウレタン化する方法が知られてい
る。 さらにN・N′−ジアリール尿素を酸化的にウ
レタン化する方法も提案されている(特開昭55−
120552号公報)。この方法では主触媒として第
族貴金属またはその化合物を用い、助触媒として
塩化銅、塩化鉄、オキシ塩化鉄、塩化バナジウ
ム、オキシ塩化バナジウムなどの、反応系におい
てレドツクス反応を行なうことのできる金属を含
む塩化物を反応系中に溶解させておく必要があ
る。しかしながら溶解したこれらの金属塩化物は
反応容器や配管、バルブなどの金属材料に対する
腐食性が大きく、このため高価な金属材料を使用
しなければならないという設備上の問題がある。
さらに芳香族ウレタンを製造する場合には溶解し
たこれらの金属塩化物を生成物である芳香族ウレ
タンのような高沸点物質から分離・回収するため
には、はん雑な操作と多大の費用を要するという
欠点があつた。 本発明者らは、これらの欠点を克服すべく、尿
素化合物を酸化的にウレタン化してウレタン化合
物を製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、これらの欠点の主要原因となつているルイス
酸やレドツクス反応を行う元素の塩化物を用いな
いで接触的に反応を進行させ得る全く新しい触媒
系を見出し、この知見に基づいて本発明を完全す
るに至つた。 すなわち、本発明は、酸化剤の存在下、尿素化
合物を一酸化炭素および有機ヒドロキシル化合物
と反応させてウレタン化合物を製造するに当り、
(a)白金族金属および白金族元素を含む化合物の中
から選ばれた少くとも1種と、(b)塩素、臭素およ
びヨウ素の中から選ばれたハロゲンの少くとも1
種と、(c)塩基性物質の中から選ばれた少くとも1
種とから成る触媒系を用いることを特徴とするウ
レタン化合物の製法を提供するものである。 このように、本発明の大きな特徴は、白金族金
属及び白金族元素を含む化合物の中から選ばれた
少くとも1種と、塩素、臭素およびヨウ素の中か
ら選ばれた少くとも1種と、塩基性物質の中から
選ばれた少くとも1種とを組み合わせた触媒系に
あり、この触媒系を用いることによつて尿素化合
物から選択性よく、かつ高収率でウレタン化合物
が得られることにある。 これらの事実は今まで全く知られていなかつた
実に驚くべきことであつて前述の先行技術(特開
昭55−120552号公報)からも全く予想できなかつ
たことである。 すなわち、先行技術においては白金族化合物を
主触媒とし、反応系においてレドツクス反応を行
うことのできる元素の塩化物を助触媒とする触媒
系を用いており、実施例に見られる代表的な触媒
系は、塩化パラジウムにオキシ塩化鉄を組み合わ
せたものである。このような系においては2価の
パラジウムが反応に関与しており反応の進行とと
もに還元されて0価のパラジウムになり、これが
3価のオキシ塩化鉄によつて再酸化されて2価の
パラジウムに戻ると同時に3価の鉄は還元されて
2価の鉄となり、さらにこの2価の鉄が酸化剤に
よつて再酸化されて3価鉄に戻る、いわゆるワツ
カー反応型の触媒サイクルによつて主生成物であ
るウレタン化合物を与えているものと考えられ
る。 このように先行技術の方法では反応系において
レドツクス作用を有する元素の塩化物が主触媒の
再酸化剤として必須であることが示されている。 そのような機能を有する元素としては周期表の
a〜a族およびb〜b族の元素の中から
選ばれたレドツクス反応を受けることのできるも
のであつて具体的には、銅、亜鉛、水銀、タリウ
ム、スズ、チタン、ヒ素、アンチモン、ビスマ
ス、バナジウム、クロム、モリブデン、タングス
テンマンガン、鉄、コバルト、ニツケルが挙げら
れており、その中で、銅、バナジウム、マンガ
ン、モリブデン、タングステン、アンチモン、鉄
のみが実施例に記載されているにすぎない。 これに対して本発明方法は、ハロゲンまたはハ
ロゲンと塩基性物質とを組み合わせて用いるもの
であつて、ルイス酸のような酸性物質を全く使用
しないし、反応系においてレドツクス反応を行う
ことのできる金属元素を全く必要としないもので
ある。 従つて本発明の反応は先行技術に記載されてい
る反応とは全く異なる反応機構で進行しているも
のと推定される。 本発明の方法で用いられるハロゲンと塩基性物
質とを組み合わせたものが、本反応においてどの
ような機構で作用しているかは不明であるが、白
金族金属や白金族元素を含む化合物と組合わせた
場合、尿素化合物の酸化的ウレタン化反応の触媒
成分として重要な作用をしていることは明らかで
ある。すなわち、白金族金属又は白金族元素を含
む化合物のみを用いた場合では、本反応の条件下
ではウレタン化反応はほとんど進行しないか、あ
るいは進行しても少量のウレタンを与えるに過ぎ
ず、特に金属状態の白金族元素のみを用いた場合
は、ウレタン化合物はほとんど得られない。例え
ば、パラジウムは本反応に対して有効な触媒成分
の1つであるが、0価の金属パラジウムであるパ
ラジウム黒のみでは本反応は実質的にほとんど進
行しない。しかし、これにハロゲン、例えばヨウ
素を加えると反応は接触的に進行することを本発
明者らは見出し、さらにこの系に塩基性物質例え
ば水酸化セシウムを加えると、ほぼ定量的にウレ
タン化合物が得られるようになる。 このように本発明方法においては、金属状態の
固体の白金族化合物をも触媒成分の1つとして用
いることができ、このことは高価な白金族化合物
を反応系からろ過などの簡単な方法で分離、回収
しうることを示しており、工業的に有利である。 また金属状態の固体の白金族化合物を用いた場
合、先行技術で使用されている塩化第二鉄のよう
なルイス酸が共存するとこれらの酸によつて白金
族化合物が溶液中に溶出してくることがあるが、
本発明の反応の系ではこれらの白金族化合物は実
質的に溶出しないことも本発明の大きな特徴の1
つである。 また本発明のもう1つの大きな特徴は、ハロゲ
ンと塩基性物質を用いており、ハロゲンおよび塩
基性物質は生成物からの分離、回収が容易に行え
ることであつて、従来用いられているような重金
属類の塩化物とは異なり、生成物中に汚染物質と
して混入することもない。 本発明方法において用いられる白金族金属及び
白金族元素を含む化合物については、成分として
パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリ
ジウム、オスミウムなどの白金族元素から選ばれ
た少なくとも1種を含むものであれば特に制限は
なく、これらの元素が金属状態であつてもよい
し、化合物を形成する成分であつてもよい。ま
た、これらの触媒成分は活性炭、グラフアイト、
シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−
チタニア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、アスベスト、ベントナイ
ト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシ
ウム、マグネシアなどの担体に担持されたもので
あつてもよい。 金属状態の白金族元素として、例えばパラジウ
ム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム及
びオスミウムなどの金属、これらの金属黒、これ
らの金属イオンを含む触媒成分を前記のような担
体に担持したのち、水素やホルムアルデヒドで還
元処理したもの、及びこれらの金属を含む合金あ
るいは金属間化合物などが用いられる。また、合
金あるいは金属間化合物はこれらの白金族金属同
士のものであつてもよいし、他の元素、例えばセ
レン、テルル、イオウ、アンチモン、ビスマス、
銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジウム、鉄、コバ
ルト ニツケル、水銀、鉛、タリウム、クロム、
モリブデン、タングステンなどを含むものであつ
てもよい。 一方、白金族元素を含む化合物としては、例え
ばハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホ
ウ酸塩などの無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ
酸塩などの有機酸塩類;シアン化物類;水酸化物
類;酸化物類;硫化物類;ニトロ基、シアノ基、
ハロゲン、シユウ酸イオンなどのアニオンを含む
金属酸塩及びアンモニア、アミン類、ホスフイン
類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む塩又
は錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子又は
有機基を有する有機金属化合物類などがあげられ
る。 これらの触媒成分の中では、パラジウム又はロ
ジウム若しくはその両方を含むものが特に好まし
く、このようなものとしては、例えばPd黒;Pd
−C、Pd−Al2O3、Pd−SiO2、Pd−TiO2、Pd−
ZrO2、Pd−BaSO4、Pd−CaCO3、Pd−アスベス
ト、Pd−ゼオライト、Pd−モレキユラーシーブ
などの担持パラジウム触媒類;Pd−Pb、Pd−
Be、Pd−Te、Pd−Hg、Pd−Tl、Pd−P、Pd−
Cu、Pd−Ag、Pd−Fe、Pd−Co、Pd−Ni、Pd−
Rhなどの合金又は金属間化合物類;及びこれら
の合金又は金属間化合物を前記のような担体に担
持したもの;PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd
(NO32、PdSO4などの無機塩類;Pd
(OCOCH32、シユウ酸パラジウムなどの有機酸
塩類;Pd(CN)2;PdO;PdS;M2〔PdX4〕、M2
〔PdX6〕で表わされるパラジウム酸塩類(Mはア
ルカリ金属またはアンモニウムイオンを表わし、
Xはニトロ基またはシアノ基またはハロゲンを表
わす。);〔Pd(NH34〕X2、〔Pd(en)2〕X2
どのパラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同
じ意味をもち、enはエチレンジアミンを表わ
す);PdCl2(PhCN)2、PdCl2(PR32、Pd
(CO)(PR33、Pd(PPh34、PdCl(R)
(PPh32、Pd(C2H4)(PPh32、Pd(C3H52など
の錯化合物又は有機金属化合物類(Rは有機基を
表わす);Pd(acac)2などのキレート配位子が
配位した錯化合物類;Rh黒;Pdと同様な担持ロ
ジウム触媒類;Pdと同様なRh合金又は金属間化
合物類及びこれらを担体に担持したもの;RhCl3
及び水和物、RhBr3及び水和物、RhI3及び水和
物、Rh2(SO43及び水和物などの無機塩類;Rh2
(OCOCH34;Rh2O3、RhO2;M3〔RhX6〕及び水
和物(M、Xは前記と同じ意味をもつ);〔Rh
(NH35〕X3、〔Rh(en)3〕X3などのロジウムの
アンミン錯体類;Rh4(CO)12、Rh6(CO)16など
のロジウムカルボニルクラスター類;〔RhCl
(CO)22、RhCl3(PR33、RhCl(PPh33、RhX
(CO)L2(R、Xは前記と同じ意味をもち、L
は有機リン化合物及び有機ヒ素化合物からなる配
位子である)、RhH(CO)(PPh33などの錯化合
物又は有機金属化合物類があげられる。 本発明においては、これらの白金族金属又は白
金族元素を含む化合物を1種だけ用いてもよい
し、また2種以上混合して用いてもよく、その使
用量については特に制限はないが、通常白金族元
素を含む成分が尿素化合物に対して、0.0001〜50
モル%の範囲であるのが望ましい。 本発明で用いられる塩基性物質は無機性、有機
性いずれのものであつてもよく、例えば、酸化リ
チウム、過酸化リチウム、酸化ナトリウム、過酸
化ナトリウム、超酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、過酸化カリウム、三酸化二カリウム、超酸化
カリウム、酸化ルビジウム、過酸化ルビジウム、
三酸化二ルビジウム、超酸化ルビジウム、オゾン
化ルビジウム、酸化セシウム、過酸化セシウム、
三酸化二セシウム、超酸化セシウム、オゾン化セ
シウムなどのアルカリ金属の酸化物類;酸化ベリ
リウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、過
酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、過酸化ス
トロンチウム、酸化バリウム、過酸化バリウムな
どのアルカリ土類金属の酸化物類;水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水
酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどのアル
カリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物類;
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸バリウム、ケイ酸
ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸カ
リウム、アルミン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸バリウム等の強塩基と弱酸の塩類;炭
化カルシウム、炭化セシウム等の炭化物類;水酸
化アルミニウム、水酸化カリウム、水酸化イソジ
ウム、水酸化タリウム、酸化タリウ等のアルミニ
ウ族金属の水酸化物および酸化物類;酸化ランタ
ン、酸化セリウム、水酸化セリウム等の希土類元
素の酸化物および水酸化物類;水素化リチウム、
水素化ナトリウム、水素化ホウソオトリウム、水
素化カルシウム、水素化リチウムアルミニウム等
の水素化物類;硫化ナトリウム、硫化水素ナトリ
ウム、硫化カリウム、硫化カルシウム等のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の硫化物および硫
化水素化物類;水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラプロピルアンモニウム等の水酸
化4級アンモニウム化合物類;水酸化メチルトリ
フエニルホスホニウム、水酸化テトラブチルホス
ホニウム等の水酸化4級ホスホニウム化合物類;
水酸化トリエチルスルホニウム、水酸化トリフエ
ニルスルホニウム等の水酸化3級スルホニウム化
合物類;酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、シ
ユウ酸ルピジウム、プロピオン酸バリウム等の強
塩基と弱有機酸との塩類;ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カルシウムエチラー
ト等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属のア
ルコラート類;ナトリウムフエノラート、カリウ
ムフエノラート、マグネシウムフエノラート等の
アルカリ金属およびアルカリ土類金属のフエノラ
ート類;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カ
ルシウムアミド、リチウムジメチルアミド等のア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属のアミド類;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、トリフエニルアミン、ジエチル
メチルアミン、N・N−ジエチルアニリン、N−
メチルピペリジン、N・N′−ジエチルピペラジ
ン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、N・N・N′・
N′−テトラメチルエチレンジアミン、ジシクロ
ヘキシルエチルアミン、1・2・2・6・6−ペ
ンタメチルピペリジン、ピリジン、キノリン、フ
エナンスロリン、インドール、N−メチルイミダ
ゾール、1・8−ジアザビシクロ−〔5・4・
0〕−ウンデセン−7(DBU)、1・5−ジアザ
ビシクロ−〔4・3・0〕−ノネン−5(DBN)
等の3級アミン類や環状含窒素化合物類(但しN
−H基をもたないもの);クラウンエーテル、ア
ザクラウンエーテル、チアクラウンエーテル、ア
ザクラウンなどのクラウン化合物類およびこれら
のクラウン化合物とアルカリ金属やアルカリ土類
金属イオンなどとの錯体類などが用いられる。さ
らにこれらの塩基性を示すグループが分子内に2
個以上あつてもよいし、例えば水酸化4級アンモ
ニウム基を有する陰イオン交換樹脂のようなポリ
マーの一部を形成するものであつてもよい。また
これらの塩基性物質または塩基性を有するグルー
プが固体に担持されたり、化学的に結合されてい
るものであつてもよい。 これらの塩基性物質は単独で用いてもよいし、
あるいは2種以上混合して用いてもよい。またハ
ロゲンも塩素、臭素、ヨウ素のうち1種だけを用
いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
ハロゲンの中では臭素およびヨウ素が好ましく、
特にヨウ素が好ましい。 本発明において用いられるハロゲンおよび塩基
性物質の量については、特に制限はないが、ハロ
ゲンは使用される白金族元素を含む成分の中の金
属元素の量に対して通常0.001〜10000倍モルの範
囲で使用されるのが好ましく、また塩基性物質は
ハロゲンに対して、通常0.01〜1000倍モルの範囲
で使用されるのが好ましい。 本発明の原料として用いられる尿素化合物は式 で示されるような尿素結合を1分子中に少くとも
1つ含む化合物のことである。ここで、Nに連な
る2本の線は、窒素原子と他の原子又は基との結
合手を表わす。このような原子又は基としては水
素、アルカリ金属原子、ヒドロキシル基、アミノ
基、脂肪族基、脂環族基、芳香脂肪族基、複素環
式基、芳香族基などがある。またこれらの窒素は
それ自身、環を構成する要素となつてもよいし、
尿素結合自身が環を構成する一部となつているよ
うなものであつてもよい。 このような尿素化合物としては未置換尿素、モ
ノ置換尿素、ジ置換尿素、トリ置換尿素、テトラ
置換尿素などいずれであつてもよい。 モノ置換尿素としては例えば、メチル尿素、エ
チル尿素、プロピル尿素、ブチル尿素、ヘキシル
尿素等の脂肪族モノ置換尿素類;シクロプロピル
尿素、シクロブチル尿素、シクロヘキシル尿素等
の脂環族モノ置換尿素類;ベンジル尿素、β−フ
エネチル尿素等の芳香脂肪族モノ置換尿素類;フ
ラニル尿素、チオフエニル尿素等の複素環式モノ
置換尿素類;フエニル尿素、トリル尿素、ナフチ
ル尿素等の芳香族モノ置換尿素類などが用いられ
る。ジ置換尿素としては例えば、N・N−ジメチ
ル尿素、N・N−ジエチル尿素、N・N−ジプロ
ピル尿素、N・N−ジブチル尿素、N・N−ジヘ
キシル尿素、N−エチル−N−メチル尿素、N−
エチル−N−ブチル尿素等の脂肪族N・N−ジ置
換尿素類;N・N−ジシクロプロピル尿素、N・
N−ジシクロブチル尿素、N・N−ジシクロヘキ
シル尿素;N−シクロプロピル−N−メチル尿
素、N−シクロヘキシル−N−エチル尿素等の脂
環族N・N−ジ置換尿素類;N・N−ジベンジル
尿素、N−ベンジル−N−メチル尿素等の芳香脂
肪族N・N−ジ置換尿素類;N・N−ジフラニル
尿素、N・N−ジチオフエニル尿素、N−フラニ
ル−N−メチル尿素等の複素環式N・N−ジ置換
尿素類;N・N−ジフエニル尿素、N・N−ジト
リル尿素、N・N−ジナフチル尿素、N−フエニ
ル−N−メチル尿素、N−フエニル−N−トリル
尿素、N−ナフチル−N−ベンジル尿素、N−フ
エニル−N−シクロヘキシル尿素等の芳香族N・
N−ジ置換尿素類;N・N′−ジメチル尿素、
N・N′−ジエチル尿素、N・N′−ジプロピル尿
素、N・N′−ジブチル尿素、N・N′−ジヘキシ
ル尿素、N−エチル−N′−メチル尿素、N−エ
チル−N′−ブチル尿素、N−ヘキシル−N′メチ
ル尿素などの脂肪族N・N′−ジ置換尿素類;
N・N′−ジシクロプロピル尿素、N・N′−ジシ
クロブチル尿素、N・N′−ジシクロヘキシル尿
素、N−シクロプロピル−N′−メチル尿素、N
−シクロヘキシル−N′−エチル尿素等の脂環族
N・N′−ジ置換尿素類;N・N′−ジベンジル尿
素、N−ベンジル−N′−メチル尿素等の芳香脂
肪族N・N′−ジ置換尿素類;N・N′−ジフラニ
ル尿素、N・N′−ジチオフエニル尿素等の複素
環式N・N′−ジ置換尿素類;N・N′−ジフエニ
ル尿素、N・N′−ジトリル尿素、N・N′−ジナ
フチル尿素、N−フエニル−N′−トリル尿素、
N−フエニル−N′−ナフチル尿素、N−フエニ
ル−N′−エチル尿素、N−ナフチル−N′−ベン
ジル尿素、N−フエニル−N′−シクロヘキシル
尿素等の芳香族N・N′−ジ置換尿素類およびピ
ペリジル尿素、ピロリジニル尿素等の環状窒素化
合物の尿素類などが用いられる。トリ置換尿素類
としては例えば、トリメチル尿素、トリエチル尿
素、トリプロピル尿素、トリブチル尿素、トリヘ
キシル尿素、N・N−ジメチル−N′−エチル尿
素、N・N−ジエチル−N′−ブチル尿素、N−
メチル−N−エチル−N′−ブチル尿素等の脂肪
族トリ置換尿素類;トリシクロプロピル尿素、ト
リシクロヘキシル尿素、N・N′−ジシクロヘキ
シル−N′−メチル尿素、N−シクロヘキシル−
N−エチル−N′−ブチル尿素、N・N−ジエチ
ル−N′−シクロブチル尿素等の脂環族トリ置換
尿素類;トリフラニル尿素、トリチオフエニル尿
素、N・N′−ジフラニル−N−メチル尿素等の
複素環式トリ置換尿素類;トリフエニル尿素、ト
リトリル尿素、トリナフチル尿素、N・N−ジフ
エニル−N′−メチル尿素、N・N′−ジフエニル
−N−シクロヘキシル尿素、N・N−ジメチル−
N′−フエニル尿素、N−フエニル−N−エチル
−N′−ベンジル尿素等の芳香族トリ置換尿素
類;N−エチルピペリジル尿素、N−メチルピロ
リジニル尿素等のN−置換の環状窒素化合物の尿
素類などが用いられる。 テトラ置換尿素としては例えばテトラメチル尿
素、テトラエチル尿素、テトラプロピル尿素、テ
トラヘキシル尿素、ジエチルジメチル尿素、エチ
ルトリメチル尿素等の脂肪族テトラ置換尿素類;
テトラシクロプロピル尿素、テトラシクロヘキシ
ル尿素、ジシクロヘキシルジエチル尿素、シクロ
ブチルトリメチル尿素等の脂環族テトラ置換尿素
類;テトラベンジル尿素、トリベンジルメチル尿
素、ジベンジルジエチル尿素、ベンジルトリメチ
ル尿素等の芳香脂肪族テトラ置換尿素類;テトラ
フラニル尿素、テトラチオフエニル尿素、フラニ
ルトリメチル尿素等の複素環式テトラ置換尿素
類;テトラフエニル尿素、テトラトリル尿素、テ
トラナフチル尿素、メチルトリフエニル尿素、ジ
エチルジフエニル尿素、ジシクロヘキシルジフエ
ニル尿素、ナフチルトリエチル尿素等の芳香族テ
トラ置換尿素類などが用いられる。また尿素結合
を環の構成要素とする環状尿素化合物としては例
えば、2−イミダゾロン、2−イミダゾリドン、
ビオチン、ヒダントイン、N・N′−ヘキサメチ
レン尿素、パラバン酸、ベンツイミダゾリドンな
どが用いられる。 さらには分子内に2個以上の尿素結合を有する
化合物、例えばN・N′−ジメチルカルバモイル
ヘキサメチレンジアミン、N・N′−ジフエニル
カルバモイルフエニレンジアミンなどのポリアミ
ンのポリ尿素類あるいは次式で表わされるような
構造単位を有するポリメリツク尿素類なども用い
ることができる。 またこれらの置換尿素類においては置換基の1
個以上の水素が他の置換基、例えば低級脂肪族
基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン、ニトロ基、ウ
レタン基、スルホキシド基、スルホン基、カルボ
ニル基、アミド基、芳香族基、芳香脂肪族基など
によつて置換されているものであつてもよい。 イソシアナート類の製造原料としてのウレタン
化合物を得るためにはN・N′−ジ置換尿素類が
好ましく、特に芳香族ウレタン化合物はN・
N′−ジアリール尿素類を用いることによつて容
易に製造される。 これらの尿素化合物は1種またはそれ以上で用
いられる。 本発明に用いる有機ヒドロキシル化合物は、1
価又は多価のアルコール類、あるいは1価又は多
価のフエノール類であり、このようなアルコール
類としては、例えば炭素数1〜20の直鎖又は分枝
鎖の1価又は多価アルカノールやアルケノール、
1価又は多価のシクロアルカノールやシクロアル
ケノールやアラルキルアルコールなどがあげられ
る。さらにこれらのアルコール類は不活性な他の
置換基、例えばハロゲン原子、シアノ基、アルコ
キシ基、スルホキシド基、スルホン基、カルボニ
ル基、エステル基、アミド基などを含んでいても
よい。 このようなアルコール類の具体例として、メタ
ノール、エタノール、プロパノール(各異性
体)、ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各
異性体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノー
ル(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノニ
ルアルコール(各異性体)、デシルアルコール
(各異性体)、ウンデシルアルコール(各異性
体)、ラウリルアルコール(各異性体)、トリデシ
ルアルコール(各異性体)、テトラデシルアルコ
ール(各異性体)、ペンタデシルアルコール(各
異性体)などの脂肪族アルコール類;シクロヘキ
サノール、シクロヘプタノールなどのシクロアル
カノール類;エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコ
ールモノエーテル類;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリ
オール、トリメチロールプロパンなどの多価アル
コール類;ベンジルアルコールなどのアラルキル
アルコール類などが用いられる。 またフエノール類としては例えば、フエノー
ル、各種アルキルフエノール、各種アルコキシフ
エノール、各種ハロゲン化フエノール、ジヒドロ
キシベンゼン、4・4′−ジヒドロキシ−ジフエニ
ルメタン、ビスフエノール−A、ヒドロキシナフ
タレンなどが用いられる。 本発明において用いられる酸化剤としては、通
常の酸化剤を使用しうるが、好ましいものは分子
状酸素又は有機ニトロ化合物若しくはこれらの混
合物である。特に好ましいのは分子状酸素であ
る。この分子状酸素とは純酸素又は酸素を含むも
のであつて空気でもよいし、あるいは空気又は純
酸素に反応を阻害しない他のガス、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム、炭素ガスなどの不活性ガス
を加えて希釈したものであつてもよい。また場合
によつては、水素、一酸化炭素、炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素などのガスを含んでいてもよい。 また、有機ニトロ化合物としては脂環族、脂肪
族及び芳香族のいずれのニトロ化合物であつても
よい。脂環族ニトロ化合物としては、例えばニト
ロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロ
シクロヘキサン、ジニトロシクロヘキサン(各異
性体)、ビス−(ニトロシクロヘキシル)−メタン
などが、脂肪族ニトロ化合物としては、例えばニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン(各
異性体)、ニトロブタン(各異性体)、ニトロペン
タン(各異性体)、ニトロヘキサン(各異性体)、
ニトロデカン(各異性体)、1・2−ジニトロエ
タン、ジニトロプロパン(各異性体)、ジニトロ
ブタン(各異性体)、ジニトロペンタン(各異性
体)、ジニトロヘキサン(各異性体)、ジニトロデ
カン(各異性体)、フエニルニトロメタン、ビス
−(ニトロメチル)−シクロヘキサン、ビス−(ニ
トロメチル)−ベンゼンなどが、芳香族ニトロ化
合物としては、例えばニトロベンゼン、ジニトロ
ベンゼン(各異性体)、ニトロトルエン(各異性
体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニトロピリ
ジン(各異性体)、ジニトロピリジン(各異性
体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジニトロナ
フタレン(各異性体)等があげられる。 また、これらのニトロ化合物において、少なく
とも1個の水素が他の置換基、例えばハロゲン原
子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族
基、芳香族基、アラルキル基、アルコキシ基、ス
ルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、エス
テル基、アミド基などで置換されていてもよい。 本発明において酸化剤が分子状酸素の場合は、
次のような一般的な反応式に従つて進行する。 (ここでR1、R2、R3、R4は水素、アルカリ金属原
子、ヒドロキシル基、アミノ基、脂肪族基、脂環
族基、芳香脂肪族基、複素環式基、芳香族基から
選ばれた原子又は基を、Rを有機基を表わす。) 分子状酸素は当量よりも少なくても、多くても
よいが、酸素/一酸化炭素又は酸素/有機ヒドロ
キシル化合物の混合物は爆発限界外で使用すべき
である。 また、有機ニトロ化合物を酸化剤として用いる
場合、有機ニトロ化合物自体も反応に与かりウレ
タンとなるので、その有機基の構造が尿素化合物
の置換基と異なれば、それぞれの構造に応じたウ
レタン化合物が得られ、両者の構造が同じであれ
ば同じウレタン化合物が得られることはいうまで
もない。 この場合、ウレタン化反応は例えば次のような
反応式に従つて進行する。 (ここでR1、R2、R3、R4およびRは前記と同じ意
味をもち、R5は有機ニトロ化合物の有機残基を
表わす。) 有機ニトロ化合物だけを酸化剤として用いる場
合、尿素化合物と有機ニトロ化合物の量比は、尿
素基2モル当りニトロ基1モルとなるようにする
のが好ましいが、もちろんこの化学量論量比から
離れたところで実施してもかまわない。一般に尿
素基のニトロ基に対する当量比は1.1:1ないし
4:1、好ましくは1.5:1ないし2.5:1で実施
される。 もちろん分子状酸素あるいはその他の酸化剤を
同時に使用する場合には有機ニトロ化合物は化学
量論量より少なくてもよい。 本発明方法においては、反応溶媒として有機ヒ
ドロキシル化合物を過剰に用いることが好ましい
が、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることもできる。このような溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレンなどの芳香族炭化水素類;クロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、フ
ルオロベンゼン、クロルトルエン、クロルナフタ
レン、ブロムナフタリンなどのハロゲン化芳香族
炭化水素類;クロルヘキサン、クロルシクロヘキ
サン、トリクロルトリフルオロエタン、塩化メチ
レン、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪炭化水素
あるいはハロゲン化脂環族炭化水素類;アセトニ
トリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;スル
ホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホラン
などのスルホン類;テトラヒドロフラン、1・4
−ジオキサン、1・2ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエ
ステル類;N・N−ジメチルホルムアミド、N・
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、ヘキサメチルホスホルアミドなどのアミド類
などがあげられる。 本発明方法において、反応をより効率的に行う
ために必要に応じて他の添加物を反応系に加える
こともできる。このような添加物としては、例え
ばゼオライト類、含窒素化合物とハロゲン化水素
との塩類、ハロゲン化オニウム化合物、ハロゲン
化水素酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩
類が好適である。 本発明方法において、反応は通常80〜300℃、
好ましくは120〜220℃の温度範囲で行われる。ま
た反応圧力は1〜500Kg/cm2、好ましくは20〜300
Kg/cm2の範囲であり、反応時間は反応系、触媒系
及びその他の反応条件によつて異なるが、通常数
分〜数時間である。 また、本発明の反応は回分式でも実施しうる
し、連続的に反応成分を供給しながら連続的に反
応液を抜き出す連続方式でも実施しうる。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 内容積140mlの撹拌式オートクレーブにN・
N′−ジフエニル尿素20mmol、エタノール40ml、
パラジウム黒0.5mgatom、ヨウ素1mmol、トリ
エチルアミン1mmolを入れ系内を一酸化炭素で
置換した後、一酸化炭素を80Kg/cm2、次いで酸素
6Kg/cm2を圧入し全圧を86Kg/cm2にした。撹拌しな
がら160℃で1時間反応させた後、反応混合物を
ろ過してろ液を分析した結果、N・N′−ジフエ
ニル尿素の反応率は98%、N−フエニルカルバミ
ン酸エチルの収率は96%で選択率は98%であつ
た。 なお溶液中にはパラジウムは検出されなかつ
た。 実施例 2〜26 実施例1におけるトリエチルアミンの代りに種
種の塩基性物質(1mmol)を用いた以外は、全
く実施例1と同様の反応を行つた。ハロゲンとし
てはヨウ素(1mmol)を用いた。その結果を第
1表に示す。
【表】
【表】 水酸化テトラプロピルアンモニウムは10%水溶
液を用いた。DBUは1・8−ジアザビシクロ−
〔5・4・0〕−ウンデセン−7を表わす。 比較例 1 ヨウ素と塩基性物質を全く用いないでパラジウ
ム黒のみを用いて実施例1と同様の反応を行なつ
た結果、N・N′−ジフエニル尿素の反応率は10
%で、N−フエニルカルバミン酸エチルはわずか
3%の収率で生成しているに過ぎなかつた。 比較例 2 パラジウム黒とヨウ素とトリエチルアミンから
なる触媒系の代りに塩化パラジウム0.5mmolのみ
を用い実施例1と同様の反応を行つたところ、焦
茶色の浮遊物を含む焦茶色の不透明な液が得られ
た。この反応液を分析した結果、N・N′−ジフ
エニル尿素の反応率は63%であつたが、N−フエ
ニルカルバミン酸エチルの収率は43%で、選択率
はわずか68%にすぎなかつた。 ついで、反応混合物から有機物を除去したもの
を再度オートクレーブに入れ、N・N′−ジフエ
ニル尿素20mmol、エタノール40mlを加え、一酸
化炭素及び酸素の加圧下に上記と同様な方法を繰
返した結果、N・N′−ジフエニル尿素の反応率
は61%で、N−フエニルカルバミン酸エチルの収
率は33%で選択率は54%であつた。 実施例 27 実施例1におけるヨウ素の代りに臭素1mmol
を用いた以外は全く実施例1と同様の反応を行つ
た結果、N・N′−ジフエニル尿素の反応率は83
%で、N−フエニルカルバミン酸エチルの収率は
77%で選択率は93%であつた。 実施例 28 実施例1におけるヨウ素の代りに塩素のエタノ
ール溶液(約1mmolの塩素を含む)を用いた以
外は全く実施例1と同様の反応を行つた結果、
N・N′−ジフエニル尿素の反応率は64%でN−
フエニルカルバミン酸エチルの収率は48%で選択
率75%であつた。 実施例 29 N・N′−ジシクロヘキシル尿素20mmol、メタ
ノール50ml、パラジウム黒0.5mg、ヨウ素1m
mol、N・N・N′・N′−テトラメチルエチレンジ
アミン1mmolを用いて実施例1と同様の反応を
行つた結果、N・N′−ジシクロヘキシル尿素の
反応率は97%で、N−シクロヘキシルカルバミン
酸メチルの収率は94%、選択率は97%であつた。 実施例 30 N・N′−ジベンジル尿素20mmol、エタノール
40ml、パラジウム黒1mgatom、ヨウ素、1m
mol、1・5−ジアザビシクロ−〔4・3・0〕−
ノネン−5(DBN)1mmolを用いて実施例1と
同様の反応を行つた結果、N・N′−ジベンジル
尿素の反応率は95%でN−ベンジルカルバミン酸
エチルの収率は93%、選択率は98%であつた。 実施例 31 テトラメチル尿素30mmol、メタノール50ml、
パラジウム黒0.5mgatom、ヨウ素1mmol、水酸
化カリウム1mmolを用いて実施例1と同様の反
応を行つた結果、テトラメチル尿素の反応率は75
%でN・N−ジメチルカルバミン酸メチルの収率
は68%、選択率は91%であつた。 実施例 32 尿素20mmol、エタノール40ml、パラジウム黒
0.5mgatom、ヨウ素1mmol、トリエチルアミン
1mmolを用いて実施例1と同様の反応を行つた
結果、尿素の反応率は90%でカルバミン酸エチル
の収率は83%、選択率は92%であつた。 実施例 33 N・N′−ジ(n−ブチル)尿素20mmol、エタ
ノール40ml、ロジウム黒0.5mgatom、ヨウ素1m
mol炭酸水素カリウム1mmolを用いて実施例1
と同様の反応を行つた結果、N・N′−ジ(n−
ブチル)尿素の反応率は73%でN−n−ブチルカ
ルバミン酸エチルの収率は66%、選択率は90%で
あつた。 実施例 34 N・N′−ジフエニル尿素20mmol、エタノール
40ml、パラジウム黒0.5mg atom、ヨウ素2m
mol、水酸化カリウム1mmolを用いて実施例1
と同様な反応を行つた結果、N・N′−ジフエニ
ル尿素の反応率は95%でN−フエニルカルバミン
酸エチルの収率は91%、選択率は96%であつた。 比較例 3 水酸化カリウムを用いずに、他はまつたく実施
例34と同様の反応を行つた結果、N・N′−ジフ
エニル尿素の反応率は48%でN−フエニルカルバ
ミン酸エチルの収率は31%で選択率は65%であつ
た。 実施例 35 実施例34におけるヨウ素の代りに臭素1m
mol、水酸化カリウムの代りに水酸化ルビジウム
1mmolを用いる以外は実施例34と同様の反応を
行つた結果、N・N′−ジフエニル尿素の反応率
は76%で、N−フエニルカルバミン酸エチルの収
率は68%、選択率は90%であつた。 比較例 4 水酸化ルビジウムを用いずに、他はまつたく実
施例35と同様の反応を行つた結果、N・N′−ジ
フエニル尿素の反応率は42%でN−フエニルカル
バミン酸エチルの収率は24%で選択率は57%であ
つた。 実施例 36 内容積200mlの撹拌式オートクレーブにN・
N′−ジフエニル尿素30mmol、ニトロベンゼン15
mmol、メタノール50ml、テトラブロモパラジウ
ム酸カリウム1mmol、ヨウ素2mmol、トリエ
チルアミン2mmolを入れ、系内を一酸化炭素で
置換した後、一酸化炭素を120Kg/cm2圧入した。撹
拌しながら180℃で6時間反応させた。反応液を
分析した結果、N・N′−ジフエニル尿素および
ニトロベンゼンの反応率はそれぞれ30%、および
38%で、N−フエニルカルバミン酸メチルが15m
mol生成していた。 実施例 37〜44 実施例1におけるパラジウム黒の代りに種々の
白金族金属又は白金族元素を含む化合物を用いる
以外は、まつたく実施例1と同様の反応を行つ
た。その結果を第2表に示す。
【表】 なおこれらの実施例において白金族金属または
白金族化合物は金属元素として0.5mgatomを用
い、%表示は担持された触媒成分の重量%を示
す。 Pd−Te/Cは活性炭に塩化パラジウムと二酸
化テルルをモル比で10対3の割合で共担持した
後、350℃で水素環元したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化剤の存在下に尿素化合物を一酸化炭素お
    よび有機ヒドロキシル化合物と反応させてウレタ
    ン化合物を製造する方法において、 (a) 白金族金属および白金族元素を含む化合物の
    中から選ばれた少くとも1種と (b) 塩素、臭素およびヨウ素の中から選ばれたハ
    ロゲンの少くとも1種と (c)塩基性物質の中から選ばれた少くとも1種とか
    ら成る触媒系を用いることを特徴とするウレタ
    ン化合物の製法。 2 酸化剤が分子状酸素または有機ニトロ化合物
    若しくはその両方である特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 3 酸化剤が分子状酸素である特許請求の範囲第
    2項記載の方法。 4 白金族金属及び白金族元素を含む化合物がパ
    ラジウム、ロジウム、パラジウム化合物及びロジ
    ウム化合物である特許請求の範囲第1項乃至第3
    項のいずれかに記載の方法。 5 ハロゲンが臭素またはヨウ素である特許請求
    の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の方
    法。 6 ハロゲンがヨウ素である特許請求の範囲第5
    項記載の方法。 7 尿素化合物がN・N′−ジアリール尿素であ
    る特許請求の範囲第1項乃至第6項のいずれかに
    記載の方法。 8 N・N′−ジアリール尿素がN・N′−ジフエ
    ニル尿素である特許請求の範囲第7項記載の方
    法。
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