JPS642583B2 - - Google Patents

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JPS642583B2
JPS642583B2 JP59008422A JP842284A JPS642583B2 JP S642583 B2 JPS642583 B2 JP S642583B2 JP 59008422 A JP59008422 A JP 59008422A JP 842284 A JP842284 A JP 842284A JP S642583 B2 JPS642583 B2 JP S642583B2
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JP
Japan
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compound
compounds
halogen
halogenated
reaction
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JP59008422A
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Shinsuke Fukuoka
Tomoya Watanabe
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPS642583B2 publication Critical patent/JPS642583B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ウレタン化合物の製造方法、さらに
詳しくは酸化剤の存在下に尿素化合物を一酸化炭
素及び有機ヒドロキシル化合物と反応させて酸化
的にカルボニル化することによつてウレタン化合
物を製造する方法に関するものである。 ウレタン類はカーバメイト系農薬などに用いら
れる重要な化合物であり、最近ではホスゲンを使
用しないイソシアナート類製造の原料として、そ
の安価な製造方法が要望されている。 このようなウレタン化合物を一酸化炭素を用い
て製造する方法としては、芳香族ニトロ化合物、
芳香族ニトロソ化合物、芳香族アゾ化合物、芳香
族アゾキシ化合物などを酸化剤の不存在下で還元
的にウレタン化する方法および芳香族アミノ化合
物を酸化的にウレタン化する方法が知られてい
る。 さらにN,N′―ジアリール尿素を酸化的にウ
レタン化する方法も提案されている(特開昭55―
120552号公報)。この方法では主触媒として第
族貴金属またはその化合物を用い、助触媒として
塩化銅、塩化鉄、オキシ塩化鉄、塩化バナジウ
ム、オキシ塩化バナジウムなどの、ルイス酸であ
つてしかも反応系においてレドツクス反応を行な
うことのできる金属を含む塩化物を反応系中に溶
解させておく必要がある。しかしながら溶解した
これらの金属塩化物は反応容器や配管、バルブな
どの金属材料に対する腐食性が大きく、このため
高価な金属材料を使用しなければならないという
設備上の問題がある。さらに溶解したこれらの金
属塩化物を生成物である芳香族ウレタンのような
高沸点物質から分離・回収するためには、はん雑
な操作と多大の費用を要するという欠点があつ
た。 本発明者らは、これらの欠点を克服すべく、尿
素化合物を酸化的にウレタン化してウレタン化合
物を製造する方法について鋭意研究を重ねた結
果、これらの欠点の主要原因となつているルイス
酸やレドツクス反応を行う元素の塩化物を用いな
いで接触的に反応を進行させ得る全く新しい触媒
系を種々見出し、別に出願した。これらの触媒系
においてはハロゲン化合物、特に臭素またはヨウ
素を含む化合物が助触媒として重要な作用をして
いることが明らかになつたが、さらに検討を進め
た結果、この新しい触媒系に特定のキレート試薬
を加えることによつてウレタン化合物の収率およ
び選択率がさらに向上させることができること、
及び一酸化炭素のウレタン化合物への選択率をさ
らに向上させることを見出し、これらの知見に基
づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、酸化剤の存在下、尿素化
合物に一酸化炭素及び有機ヒドロキシル化合物を
反応させてウレタン化合物を製造するに当り、(a)
白金族金属及び白金族元素を含む化合物の中から
選ばれた少くとも1種と、(b)ハロゲンを含む化合
物の中から選ばれた少くとも1種と、(c)α―ジオ
キシム類、2,2′―ビピリジン類及び8―ヒドロ
キシキノリン類から選ばれたキレート試薬の少な
くとも1種とから成る触媒系を用いることを特徴
とするウレタン化合物の製造方法を提供するもの
である。 このように、本発明の大きな特徴は、白金族金
属及び白金族元素を含む化合物の中から選ばれた
少くとも1種と、ハロゲンを含む化合物の中から
選ばれた少くとも1種と、前記のキレート試薬の
中から選ばれた少くとも1種とを組合わせた触媒
系を用いることにあつて、この触媒系を用いるこ
とによつて尿素化合物から選択性よく、かつ高収
率でウレタン化合物が得られることにある。 このような事実は前記の先行技術(特開昭55―
120552号公報)からもまつたく予想できなかつた
ことである。すなわち、この先行技術においては
白金族化合物を主触媒とし、反応系においてレド
ツクス反応を行いうる元素の塩化物を助触媒とす
る触媒系、例えば代表的なものとして実施例にみ
られるような塩化パラジウムに塩化第二鉄、ある
いはオキシ塩化鉄のような3価の塩を組合わせた
触媒系を用いている。このような系においては2
価のパラジウムが反応に関与しており、反応の進
行とともに還元されて0価のパラジウムとなり、
これが3価の鉄によつて再酸化されて2価のパラ
ジウムに戻ると同時に3価の鉄は還元されて2価
の鉄となり、さらにこの2価の鉄が酸化剤によつ
て再酸化されて3価の鉄に戻るといつた、いわゆ
るワツカー反応型の触媒サイクルによつて主生成
物であるウレタン化合物を与えているものと考え
られる。 このように先行技術の方法では、反応系におい
てレドツクス作用を有する元素の塩化物が主触媒
の再酸化剤として必須であることが示されてい
る。このような機能を有する元素としては、周期
律表のa〜a族及びb〜b族の元素の中
から選ばれたレドツクス反応を受けることのでき
るものであつて、具体的には銅、亜鉛、水銀、タ
リウム、スズ、チタン、ヒ素、アンチモン、ビス
マス、バナジウム、クロム、モリブデン、タング
ステン、マンガン、鉄、コバルト、ニツケルなど
が挙げられており、その中で銅、バナジウム、マ
ンガン、モリブデン、タングステン、アンチモン
及び鉄のみが実施例に記載されているに過ぎず、
しかもこれらの例は芳香族尿素化合物のウレタン
化反応のみであり、脂肪族や脂環族の尿素化合物
の反応については何ら例示されていない。 これに対して本発明方法は、ハロゲンを含む化
合物および特定のキレート試薬を用いるものであ
つて、反応系においてレドツクス作用を有する前
記のような金属元素を全く用いないものである。
むしろ本反応においてはこのような重金属類を含
んでいない方が反応をよりきれいに進行させるこ
とができることおよび先行技術ではレドツクス作
用を有する金属元素の活性化剤として塩素イオン
が必要であるが、本反応においてはハロゲン種と
して塩素よりも臭素およびヨウ素が好ましいこと
などから、本発明の反応は先行技術に記載されて
いる反応とは全く異なる反応機構で進行している
ものと推定される。 本発明の方法で用いられるハロゲンを含む化合
物およびキレート試薬が本反応においてどのよう
な機構で作用しているかは明らかでないが、白金
族金属や白金族元素を含む化合物と組合わせた場
合、尿素化合物の酸化的ウレタン化反応の触媒成
分として重要な作用をしていることは明らかであ
る。すなわち、ハロゲンを含む化合物およびキレ
ート試薬のみを用いた場合、本反応のウレタン化
反応は、実質上まつたく進行しないし、また白金
族金属又は白金族元素を含む化合物のみを用いた
場合でも、本反応の条件下ではウレタン化反応は
ほとんど進行しないか、あるいは進行しても少量
のウレタンを与えるに過ぎず、特に金属状態の白
金族元素のみを用いた場合は、ウレタン化合物は
ほとんど得られない。例えば、パラジウムは本反
応に対して有効な触媒成分の1つであるが、0価
の金属パラジウムであるパラジウム黒のみでは本
反応は実質的的にほとんど進行しない。しかし、
これにハロゲンを含む化合物および特定のキレー
ト試薬、例えばヨウ化ナトリウムと2,2′―ビピ
リジンを加えると、ほぼ定量的にウレタン化合物
を得ることができる。 このように本発明方法においては、金属状態の
固体の白金族化合物をも触媒成分の1つとして用
いることができる。 さらに重要なことは、特定のキレート試薬を反
応系に加えることによつて、一酸化炭素のウレタ
ン化反応への選択率が向上することである。その
理由は明きらかではないが、尿素類の大部分がウ
レタン化合物に変換する反応の後期において、一
酸化炭素が副生する水によつて炭酸ガスになる反
応を、特定のキレート試薬が抑制しているためで
あろうと思われる。従つて特定のキレート試薬の
存在は、反応の後期において特に有効に作用して
おり、これによつて尿素化合物の反応率を上げて
ウレタン化合物の収率を上げることができ、尿素
化合物及び一酸化炭素基準のウレタン化合物の選
択率をさらに向上させることが可能になつた。 本発明方法において用いられる白金族金属及び
白金族元素を含む化合物については、成分として
パラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリ
ジウム、オスミウムなどの白金族元素から選ばれ
た少なくとも1種を含むものであれば特に制限は
なく、これらの元素が金属状態であつてもよい
し、化合物を形成する成分であつてもよい。ま
た、これらの触媒成分は活性炭、グラフアイト、
シリカ、アルミナ、シリカ―アルミナ、シリカ―
チタニア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、アスベスト、ベントナイ
ト、ケイソウ土、ポリマー、イオン交換樹脂、ゼ
オライト、モレキユラーシーブ、ケイ酸マグネシ
ウム、マグネシアなどの担体に担持されたもので
つてもよい。 金属状態の白金族元素として、例えばパラジウ
ム、ロジウム、白金、ルテニウム、イリジウム及
びオスミウムなどの金属、これらの金属黒、これ
らの金属イオンを含む触媒成分を前記のような担
体に担持したのち、水素やホルムアルデヒドやヒ
ドラジンで還元処理したもの、及びこれらの金属
を含む合金あるいは金属間化合物などが用いられ
る。また、合金あるいは金属間化合物はこれらの
白金族金属同士のものであつてもよいし、他の元
素、例えばセレン、テルル、イオウ、アンチモ
ン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、スズ、バナジ
ウム、鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、タリ
ウム、クロム、モリブデン、タングステンなどを
含むものであつてもよい。 一方、白金族元素を含む化合物としては、例え
ばハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホ
ウ酸塩などの無機塩類;酢酸塩、シユウ酸塩、ギ
酸塩などの有機酸塩類;シアン化物類;水酸化物
類;酸化物類;硫化物類;ニトロ基、シアノ基、
ハロゲン、シユウ酸イオンなどのアニオンを含む
金属酸塩及びアンモニア、アミン類、ホスフイン
類、一酸化炭素、キレート配位子などを含む塩又
は錯体などの金属の錯化合物類;有機配位子又は
有機基を有する有機金属化合物類などがあげられ
る。 これらの触媒成分の中では、パラジウム又はロ
ジウム若しくはその両方を含むものが特に好まし
く、このようなものとしては、例えばPd黒;Pd
―C、Pd―Al2O3、Pd―SiO2、Pd―TiO2、Pd―
ZrO2、Pd―BaSO4、Pd―CaCO3、Pd―アスベ
スト、Pd―ゼオライト、Pd―モレキユラーシー
ブなどの担持パラジウム触媒類;Pd―Pb、Pd―
Se、Pd―Te、Pd―Hg、Pd―Tl、Pd―P、Pd
―Cu、Pd―Ag、Pd―Fe、Pd―Co、Pd―Ni、
Pd―Rhなどの合金又は金属間化合物類;及びこ
れらの合金又は金属間化合物を前記のように担体
に担持したもの;PdCl2、PdBr2、PdI2、Pd
(NO32、PdSO4などの無機塩酸;Pd
(OCOCH32、シユウ酸パラジウムなどの有機酸
塩類;Pd(CN)2;PdO;Pds;M2〔PdX4〕、M2
〔PdX6〕で表わされるパラジウム酸塩類(Mはア
ルカリ金属、アンモニウムイオン、を表わし、X
はニトロ基、シアノ基、ハロゲンを表わす。);
〔Pd(NH34〕X2、〔Pd(en)2〕X2などのパラジウ
ムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意味をも
ち、enはエチレンジアミンを表わす);PdCl2
(PhCN)2、PdCl2(PR32、Pd(CO)(PR33、Pd
(PPh34、PdCl(R)(PPh32、Pd(C2H4
(PPh32、Pd(C3H52などの錯化合物又は有機金
属化合物類(Rは有機基を表わす);Pd(acac)2
などのキレート配位子が配位した錯化合物類;
Rh黒;Pdと同様な担持ロジウム触媒類;Pdと同
様なRh合金又は金属間化合物類及びこれらを担
体に担持したもの;RhCl3及び水和物、RhBr3
び水和物、RhI3及び水和物、Rh2(SO43及び水和
物などの無機塩類;Rh2(OCOCH34;Rh2O3
RhO2;M3〔RhX6〕及び水和物(M、Xは前記と
同じ意味をもつ);〔Rh(NH35〕X3、〔Rh(en)3
X3などのロジウムのアンミン錯体類;Rh4
(CO)12、Rh6(CO)16などのロジウムカルボニル
クライスター類;〔RhCl(CO)22、RhCl3(PR33
RhCl(PPh33、RhX(CO)L2(Xは前記と同じ意
味をもち、Lは有機リン化合物及び有機ヒ素化合
物からなる配位子である)、RhH(CO)(PPh33
などの錯化合物又は有機金属化合物類があげられ
る。 本発明においては、これらの白金族金属又は白
金族元素を含む化合物を1種だけ用いてもよい
し、また2種以上混合して用いてもよく、その使
用量については特に制限はないが、通常白金族元
素を含む成分が尿素化合物に対して、0.0001〜50
モル%の範囲であるのが望ましい。 また本発明で用いられるハロゲンを含む化合物
とは、白金族元素を含まない化合物であれば有機
性、無機性いずれのものであつてもよく、例えば
アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金
属ハロゲン化物、ハロゲン化オニウム化合物を生
成することのできる化合物、ハロゲンのオキソ酸
またはその塩、ハロゲンを含む錯化合物、有機ハ
ロゲン化物及びハロゲン分子などが好ましく用い
られる。 アルカリ金属およびアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物としては、例えばフツ化ナトリウム、フツ
化セシウム、フツ化バリウム、塩化リチウム、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、
塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、臭化リ
チウム、臭化ナトリウム、臭化ルビジウム、臭化
セシウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウ
ム、臭化バリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナト
リウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨ
ウ化セシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カル
シウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウム
などの単一金属と単一ハロゲンとの化合物類;塩
化マグネシウムナトリウム、塩化マグネシウムカ
リウム、塩化カルシウムカリウム、臭化マグネシ
ウムカリウムなどの複塩類;フツ化臭素カリウ
ム、塩化ヨウ素カリウム、塩化ヨウ素ルビジウ
ム、塩化ヨウ素セシウム、臭化塩化ヨウ素セシウ
ム、臭化塩化ヨウ素ルビジウム、臭化ヨウ素カリ
ウム、臭化ヨウ素セシウム、臭化ヨウ素ルビジウ
ムなどのポリハロゲン化物類などがあげられる。 ハロゲン化オニウム化合物とは孤立電子対をも
つ元素を含む化合物において、これらの孤立電子
対にプロトンあるいは他の陽イオン形の試薬が結
合して孤立電子対をもつ元素が共有結合原子価1
を増加して陽イオンとなつているものであつて、
対イオンとしてハロゲンアニオンを有するもので
ある。 このようなオニウム化合物としては、アンモニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4N 〕X )、ホスホニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4P 〕X )、アルソニ
ウム化合物(〔R1R2R3R4As 〕X )、オキソニ
ウム化合物(〔R1R2R3O 〕X )、スルホニウ
ム化合物(〔R1R2R3S 〕X )、オキシスルホ
ニウム化合物(〔R1R2R3S (O)〕X )、セレ
ノニウム化合物(〔R1R2R3Se 〕X )、テルロ
ニウム化合物(〔R1R2R3Te 〕X )、ヨウドニ
ウム化合物(〔R1R2I 〕X )などが挙げられ
る。ここでR1,R2,R3,R4は水素または脂肪族
基、芳香族基、脂環族基、芳香脂肪族基、複素環
式基から選ばれた基を表わし、それぞれ同じであ
つてもよいし、また場合によつては孤立電子対を
有する元素を含む環の構成要素であつてもよい。
またXはF、Cl、Br、Iから選ばれたハロゲン
を表わす。もちろん、このようなオニウムグルー
プを分子内に2個以上有する化合物であつてもよ
いし、さらには主鎖または側鎖にこのようなオニ
ウムグループを含むポリマーであつてもよい。 このような陰イオンがハロゲンであるオニウム
化合物であるハロゲン化オニウム化合物は、ハロ
ゲン化水素または有機ハロゲン化物と相当するア
ミンまたは含窒素化合物、ホスフイン化合物、ア
ルシン化合物、オキシ化合物、スルフイド化合
物、スルホキシド化合物、セレニド化合物、テル
リド化合物などとの反応によつて容易に得られる
ものであり、これらは反応系外で製造されたもの
を用いてもよいし、反応系内でこれらを生成させ
てもよい。もちろん他の方法で製造されたもので
あつてもよいし、他の方法によつて反応系内で生
成させたものであつてもよい。 これらの中で好ましいものは、ハロゲン化アン
モニウム化合物、ハロゲン化ホスホニウム化合
物、ハロゲン化アルソニウム化合物およびハロゲ
ン化スルホニウム化合物で、特に好ましいのはハ
ロゲン化アンモニウム化合物およびハロゲン化ホ
スホニウム化合物である。ハロゲン化アンモニウ
ム化合物は相当する含窒素化合物とハロゲン化水
素との反応、含窒素化合物とハロゲン化アルキル
あるいはハロゲン化アリールとの反応などによつ
て容易に得ることができるが、このような含窒素
化合物としては、例えば、アンモニア;1級アミ
ン、2級アミン、3級アミン等のアミン類;ヒド
ロキシルアミン類;ヒドラジン類;ヒドラゾン
類;アミノ酸類;オキシム類;イミドエステル
類;アミド類および種々の含窒素複素環式化合物
等がある。 好ましい含窒素化合物のハロゲン化水素塩とし
ては、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨ
ウ化アンモニウム等のアンモニアの塩類;ジフエ
ニルアミン、トリフエニルアミン等の芳香族アミ
ンの塩類;メチルアミン、エチルアミン、ヘキシ
ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、ジブチルアミン、トリプロピルアミン、メ
チルエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジブ
チルメチルアミン、トリブチルアミン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ア
ミンの塩類;シクロプロピルアミン、シクロヘキ
シルアミン、N―メチルシクロヘキシルアミン等
の脂環族アミンの塩類;ベンジルアミン、N―メ
チルベンジルアミン、N,N―ジエチルベンジル
アミン、ジベンジルアミン等の芳香脂肪族アミン
の塩類;ピペリジン、プペラジン、モルホリン、
ピリジン、キノリン、ヘキサメチレンテトラミ
ン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、
トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ジアザビシ
クロウンデセン等の含窒素複素環式化合物の塩
類;ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリド
ン等のアミドの塩類などが用いられる。 また4級アンモニウムハライドとしては、ハロ
ゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テ
トラエチルアンモニウム、ハロゲン化テトラブチ
ルアンモニウム、ハロゲン化トリメチルエチルア
ンモニウム、ハロゲン化ジエチルジブチルアンモ
ニウム等の脂肪族4級アンモニウムハライド類;
ハロゲン化N,N,N―トリメチルシクロヘキシ
ルアンモニウム等の脂肪族4級アンモニウムハラ
イド類;ハロゲン化テトラベンジルアンモニウ
ム、ハロゲン化トリメチルベンジルアンモニウム
等の芳香脂肪族4級アンモニウムハライド類;ハ
ロゲン化N,N,N―トリメチルフエニルアンモ
ニウム、ハロゲン化N,N,N―トリエチルフエ
ニルアンモニウム等の芳香族4級アンモニウムハ
ライド類;ハロゲン化N―メチルピリジニウム、
ハロゲン化N―エチルキノリウム、ハロゲン化
N,N―ジメチルピペリジニウム、ハロゲン化
N,N′―ジメチルイミダゾリニウム等の複素環
式4級アンモニウムハライド等が好ましく用いら
れる。 また、ハロゲン化アンモニウムグループを主鎖
または側鎖に含むポリマーとしては、例えば、次
のような主要構成単位を有するものが好ましく用
いられる。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 ここでR1、R2、R3、Xは前記のとおりであり、
R5は2価の有機基を表わす。 ハロゲン化ホスホニウム化合物としては、例え
ば、ハロゲン化テトラメチルホスホニウム、ハロ
ゲン化テトラエチルホスホニウム、ハロゲン化テ
トラブチルホスホニウム等の対称形テトラアルキ
ルホスホニウム化合物類;ハロゲン化エチルトリ
メチルホスホニウム、ハロゲン化ジエチルジメチ
ルホスホニウム等の非対称形テトラアルキルホス
ホニウム化合物類;ハロゲン化テトラフエニルホ
スホニウム、ハロゲン化テトラ(p―トリル)ホ
スホニウム等の対称形テトラアリールホスホニウ
ム化合物類;ハロゲン化(α―ナフチル)トリフ
エニルホスホニウム等の非対称形テトラアリール
ホスホニウム化合物類;ハロゲン化メチルトリフ
エニルホスホニウム、ハロゲン化フエニルトリメ
チルホスホニウム等のアルキルアリール混合ホス
ホニウム化合物類;ハロゲン化テトラベンジルホ
スホニウム等のテトラアラルキルホスホニウム化
合物類などが好ましく用いられる。 ハロゲン化アルソニウム化合物としては、例え
ば、ハロゲン化テトラメチルアルソニウム、ハロ
ゲン化テトラエチルアルソニウム等の対称形テト
ラアルキルアルソニウム化合物類;ハロゲン化メ
チルトリエチルアルソニウム、ハロゲン化ジメチ
ルエチルアルソニウム等の非対称形テトラアルキ
ルアルソニウム化合物類;ハロゲン化テトラフエ
ニルアルソニウム等の対称形テトラアリールアル
ソニウム化合物類;ハロゲン化メチルトリフエニ
ルアルソニウム、ハロゲン化エチルトリフエニル
アルソニウム、ハロゲン化フエニルトリメチルア
ルソニウム等のアルキルアリール混合アルソニウ
ム化合物類などが好ましく用いられる。 また、ハロゲン化スルホニウム化合物として
は、例えば、ハロゲン化トリメチルスルホニウ
ム、ハロゲン化トリエチルスルホニウム、ハロゲ
ン化メチルジエチルスルホニウム等の対称または
非対称形アルキルスルホニウム化合物類;ハロゲ
ン化トリフエニルスルホニウム等のアリールスル
ホニウム化合物類;ハロゲン化ジメチルフエニル
スルホニウム、ハロゲン化メチルジフエニルスル
ホニウム等のアルキルアリールスルホニウム化合
物類;ハロゲン化ビシクロ―(2,2,1)―ヘ
プタン―1―スルホニウム、ハロゲン化チオピリ
リウム等の環状スルホニウム化合物類などが好ま
しく用いられる。 また、ハロゲン化ホスホニウムグループあるい
はハロゲン化スルホニウムグループを主鎖または
側鎖に含むポリマー類も好ましく用いられるが、
そのようなポリマーとしては、例えば、次のよう
な主要構成単位を有するものが挙げられる。
【式】
【式】
【式】 (式中、R1、R2、R3、Xは前記のとおりであ
る。) ハロゲンのオキソ酸およびその塩とは、酸化数
が正1,3,5,7のハロゲンの酸素酸およびそ
の塩のことであつて、具体的には次亜塩素酸、亜
塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、臭素
酸、過臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ
素酸、オルト過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸および
これらの酸の塩のことである。 塩類の陽イオンとしては、アンモニウムイオン
および種々の金属イオンなどどのようなものであ
つてもよいが、アルカリ金属イオンおよびアルカ
リ土類金属イオンが特に好ましい。 このような塩としては例えば次亜塩素酸ナトリ
ウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウ
ム、次亜塩素酸バリウムなどの次亜塩素酸塩類;
亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;塩素酸
リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、
塩素酸ルビジウム、塩素酸セシウム、塩素酸マグ
ネシウム、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウムな
どの塩素酸塩類;過塩素酸アルミニウム、過塩素
酸カルシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸セリ
ウム、過塩素酸鉛、過塩素酸アンモニウムなどの
過塩素酸塩類;次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素
酸カリウムなどの次亜臭素酸塩類、亜臭素酸ナト
リウムなどの亜臭素酸塩類;臭素酸リチウム、臭
素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、臭素酸ルビジ
ウム、臭素酸セシウム、臭素酸マグネシウム、臭
素酸カルシウム、臭素酸ストロンチウム、臭素酸
バリウム、臭素酸アルミニウム、臭素酸ランタ
ン、臭素酸サマリウム、臭素酸鉛、臭素酸アンモ
ニウムなどの臭素酸塩類;過臭素酸カリウムなど
の過臭素酸塩類;次亜ヨウ素酸ナトリウム、次亜
ヨウ素酸カリウム、次亜ヨウ素酸ルビジウム、次
亜ヨウ素酸セシウム、次亜ヨウ素酸カルシウム、
次亜ヨウ素酸バリウム等の次亜ヨウ素酸塩類;ヨ
ウ素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸
カリウム、ヨウ素酸水素カリウム、ヨウ素酸ルビ
ジウム、ヨウ素酸セシウム、ヨウ素酸マグネシウ
ム、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ素酸ストロンチウ
ム、ヨウ素酸バリウム、ヨウ素酸アルミニウム、
ヨウ素酸ランタン、ヨウ素酸セリウム、ヨウ素酸
プロセオジム、ヨウ素酸ネオジム、ヨウ素酸ガド
リニウム、ヨウ素酸アンモニウムなどのヨウ素酸
塩類;過ヨウ素酸リチウム、メタ過ヨウ素酸ナト
リウム、オルト過ヨウ素酸二水素三ナトリウム、
オルト過ヨウ素酸三水素二ナトリウム、メタ過ヨ
ウ素酸カリウム、オルト過ヨウ素酸三水素二カリ
ウム、二メソ過ヨウ素酸水素三カリウム、過ヨウ
素酸ルビジウム、過ヨウ素酸セシウム、過ヨウ素
酸バリウム、過ヨウ素酸アンモニウムなどの過ヨ
ウ素酸塩類などが用いられる。 ハロゲンを含む錯化合物とは陽イオン性、陰イ
オン性いずれもハロゲンを含むものであつてもよ
く、例えばジクロロ臭素酸アンモニウム、テトラ
ブロモヨウ素酸テトラメチルアンモニウム等のポ
リハロゲン化ハロゲン酸塩類;ヘキサヨードテル
ル酸カリウム、ヘキサブロモテルル酸カリウム等
のハロゲン化金属酸塩類;オクタテス(N,N―
ジメチルホルムアミド)ランタントリヨウダイド
などの配位子を有する錯体類などが用いられる。 また、有機ハロゲン物とは、一般式 R6(X)n (式中、R6はm価の有機基、Xはハロゲン、
mは1以上の整数を意味する。) で表わされるものであつて、mが2以上の場合、
Xは2種以上の異なるハロゲン種であつてもよ
い。また、ハロゲンXは炭素以外のヘテロ原子、
例えば、窒素、リン、酸素、イオウ、セレンなど
と結合しているものであつてもよい。 このような有機ハロゲン化物としては、例え
ば、ハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロ
ゲン化プロピル(各異性体)、ハロゲン化ブチル
(各異性体)、ハロゲン化アミル(各異性体)、ハ
ロゲン化ヘキシル(各異性体)、ハロゲン化オク
チル(各異性体)、ハロゲン化パーフルオロヘキ
シル(各異性体)、ハロゲン化パーフルオロヘプ
チル(各異性体)、ハロゲン化ビニル、ハロゲン
化アリル、ハロゲン化メチレン、ハロホルム、テ
トラハロゲンメタン、ハロゲン化アルキリデン、
ジハロゲン化エタン(各異性体)、トリハロゲン
化エタン(各異性体)、テトラハロゲン化エタン、
ジハロゲン化ブタン(各異性体)、ジハロゲン化
ヘキサン(各異性体)、ジハロエチレン(各異性
体)等の脂肪族モノおよびポリハロゲン化物類;
ハロゲンベンゼン、ジハロゲンベンゼン(各異性
体)、トリハロゲンベンゼン(各異性体)、テトラ
ハロゲンベンゼン(各異性体)、ヘキサハロゲン
ベンゼン、ハロゲンナフタリン、ジハロゲンナフ
タリン(各異性体)、ハロゲンピリジン(各異性
体)、ハロゲントルエン(各異性体)、ハロゲンエ
チルベンゼン(各異性体)、フエニルヨードジク
ロリド、ヨードソベンゼン、ヨードキシベンゼン
等の芳香族モノおよびポリハロゲン化物類;ハロ
ゲン化シクロヘキサン、ハロゲン化シクロブタン
等の脂環族ハロゲン化物類;ハロゲン化ベンジ
ル、ハロゲン化フエネチル等の芳香脂肪族ハロゲ
ン化物類;ハロゲン化フラン、ハロゲン化テトラ
ヒドロフラン、ハロゲン化チオフエン、ハロゲン
化イミダゾール、ハロゲン化ピペリジン等の複素
環式ハロゲン化物類;ハロゲン化アセチル、ハロ
ゲン化ベンゾイル等の酸ハロゲン化物類;N―ハ
ロゲンコハク酸イミド、N―ハロゲンアルキルア
ミン、N―ハロゲンアセトアミド、N―ハロゲン
ベンズアミド等のN―ハロゲン化物類などが好ま
しく用いられる。 さらには、これらの有機基は種々の置換基、例
えば、ニトロ基、低級アルキル基、シアノ基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基、芳香族基、スルホ
キシド基、スルホン基、カルボニル基、エステル
基、アミド基などを含んでいてもよいし、不飽和
基を有するものでもよい。 またハロゲンを含む化合物として臭素、ヨウ素
などのハロゲン分子自身も用いることができる。 このようなハロゲンを含む化合物は1種だけで
もよいし、2種以上混合して用いることもでき
る。 また原料である尿素化合物もしくは有機ヒドロ
キシル化合物、又は触媒の他の成分であるキレー
ト試薬がハロゲンを含有する場合には、別途ハロ
ゲンを含む化合物を添加しなくてもよい。 本発明方法で用いられるハロゲンを含む化合物
の中で、ハロゲン種が臭素またはヨウ素であるも
のが好ましく、特に好ましいのはヨウ素を含むも
のである。 本発明で用いられるキレート試薬は、α―ジオ
キシム類、2,2′―ジピリジン類及び8―ヒドロ
キシキノリン類から選ばれたものであり、一つの
配位子中に二つ以上の配位基を有する化合物であ
つて、この配位基の少なくとも一つがオキシム
基、含窒素芳香環基から成つているものである。 このようなキレート試薬としては、ジメチルグ
リオキシム、ベンジルジオキシム、1,2―シク
ロヘキサンジオンジオキシムなどのα―ジオキシ
ム類;2,2′―ビピリジン、2,2′―ビキノリン
などの2,2′―ビピリジン類;8―ヒドロキシキ
ノリン、5,7―ジクロル―8―ヒドロキシキノ
リン、5,7―ジブロム―8―ヒドロキシキノリ
ン、5,7―ジヨード―8―ヒドロキシキノリ
ン、2―メチル―8―ヒドロキシキノリンなどの
8―ヒドロキシキノリン類などが用いられる。 これらのキレート試薬は単独で用いてもよい
し、あるいは2種以上混合して用いてもよい。 本発明において用いられるハロゲン化合物及び
キレート試薬の量については、特に制限はない
が、ハロゲン化合物は使用される白金族元素を含
む成分の中の金属元素の量に対してハロゲンとし
て、通常0.001〜10000倍モルの範囲で使用される
のが好ましくは、より好ましくは0.01〜1000倍モ
ルの範囲である。またキレート試薬は白金族元素
の量に対して、通常0.01〜1000倍モルの範囲で使
用されるのが好ましく、より好ましくは0.1〜50
倍モルの範囲である。 本発明の原料として用いられる尿素化合物は、
で示されるような尿素結合を1分子中に少くとも
1つ含む化合物のことである。ここで、Nに連な
る2本の線は、窒素原子と他の原子又は基との結
合手を表わす。このような原子又は基としては水
素、ハロゲン、アルカリ金属原子、ヒドロキシル
基、複素環式基、芳香族基などがある。またこれ
らの窒素はそれ自身、環を構成する要素となつて
いてもよいし、尿素結合自身が環を構成する一部
となつているようなものであつてもよい。 このような尿素化合物としては未置換尿素、モ
ノ置換尿素、ジ置換尿素、トリ置換尿素、テトラ
置換尿素などいずれであつてもよい。 モノ置換尿素としては例えば、メチル尿素、エ
チル尿素、プロピル尿素、ブチル尿素、ヘキシル
尿素等の脂肪族モノ置換尿素類;シクロプロピル
尿素、シクロブチル尿素、シクロヘキシル尿素等
の脂環族モノ置換尿素類;ベンジル尿素、β―フ
エネチル尿素等の芳香脂肪族モノ置換尿素類;フ
ラニル尿素、チオフエニル尿素等の複素環式モノ
置換尿素類;フエニル尿素、トリル尿素、ナフチ
ル尿素等の芳香族モノ置換尿素類などが用いられ
る。ジ置換尿素としては例えば、N,N―ジメチ
ル尿素、N,N―ジエチル尿素、N,N―ジプロ
ピル尿素、N,N―ジブチル尿素、N,N―ジヘ
キシル尿素、N―エチル―N―メチル尿素、N―
エチル―N―ブチル尿素等の脂肪族N,N―ジ置
換尿素類;N,N―ジシクロプロピル尿素、N,
N―ジシクロブチル尿素、N,N―ジシクロヘキ
シル尿素;N―シクロプロピル―N―メチル尿
素、N―シクロヘキシル―N―エチル尿素等の脂
環族N,N―ジ置換尿素類;N,N―ジベンジル
尿素、N―ベンジル―N――メチル尿素等の芳香
脂肪族N,N―ジ置換尿素類;N,N―ジフラニ
ル尿素、N,N―ジチオフエニル尿素、N―フラ
ニル―N―メチル尿素等の複素環式N,N―ジ置
換尿素類;N,N―ジフエニル尿素、N,N―ジ
トリル尿素、N,N―ジナフチル尿素、N―フエ
ニル―N―メチル尿素、N―フエニル―N―トリ
ル尿素、N―ナフチル―N―ベンジル尿素、N―
フエニル―N―シクロヘキシル尿素等の芳香族
N,N―ジ置換尿素類;N,N′―ジメチル尿素、
N,N′―ジエチル尿素、N,N′―ジプロピル尿
素、N,N′―ジブチル尿素、N,N′―ジヘキシ
ル尿素、N―エチル―N′―メチル尿素、N―エ
チル―N′―ブチル尿素、N―ヘキシル―N′―メ
チル尿素などの脂肪族N,N′―ジ置換尿素類;
N,N′―ジシクロプロピル尿素、N,N′―ジシ
クロブチル尿素、N,N′―ジシクロヘキシル尿
素、N―シクロプロピル―NN′―メチル尿素、
N―シクロヘキシル―N′―エチル尿素等の脂環
族N,N′―ジ置換尿素類;N,N′―ジベンジル
尿素、N―ベンジル―N′―メチル尿素の芳香脂
肪族N,N′―ジ置換尿素類;N,N′―ジフラニ
ル尿素、N,N′―ジチオフエニル尿素等の複素
環式N,N′―ジ置換尿素類;N,N′―ジフエニ
ル尿素、N,N′―ジトリル尿素、N,N′―ジナ
フチル尿素、N―フエニル―N′―トリル尿素、
N―フエニル―N′―ナフチル尿素、N―フエニ
ル―N′―エチル尿素、N―ナフチル―N′―ベン
ジル尿素、N―フエニル―N′―シクロヘキシル
等の芳香族N,N′―ジ置換尿素類およびピペリ
ジル尿素、ピロリジニル尿素等の環状窒素化合物
の尿素類などが用いられる。トリ置換尿素類とし
ては例えば、トリメチル尿素、トリエチル尿素、
トリプロピル尿素、トリブチル尿素、トリヘキシ
ル尿素、N,N―ジメチル―N′―エチル尿素、
N,N―ジエチル―N′―ブチル尿素、N―メチ
ル―N―エチル―N′―ブチル尿素等の脂肪族ト
リ置換尿素類;トリシクロプロピル尿素、トリシ
クロヘキシル尿素、N,N′―ジシクロヘキシル
―N′―メチル尿素、N―シクロヘキシル―N′―
メチル尿素、N―シクロヘキシル―N―エチル―
N′―ブチル尿素、N,N―ジエチル―N′―シク
ロブチル尿素等の脂環族トリ置換尿素類;トリフ
ラニル尿素、トリチオフエニル尿素、N,N′―
ジフラニル―N―メチル尿素等の複素環式トリ置
換尿素類;トリフエニル尿素、トリトリル尿素、
トトリナフチル尿素、N,N―ジフエニル―
N′―メチル尿素、N,N′―ジフエニル―N―シ
クロヘキシル尿素、N,N―ジメチル―N′―フ
エニル尿素、N―フエニル―N―エチル―N′―
ベンジル尿素等の芳香族トリ置換尿素類;N―エ
チルピペリジル尿素、N―メチルピロリジニル尿
素等のN―置換の環状窒素化合物の尿素類などが
用いられる。 テトラ置換尿素としては例えばテトラメチル尿
素、テトラメチル尿素、テトラプロピル尿素、テ
トラヘキシル尿素、ジエチルメチル尿素、エチル
トリメチル尿素等の脂肪族テトラ置換尿素類;テ
トラシクロプロピル尿素、テトラシクロヘキシル
尿素、ジシクロヘキシルジエチル尿素、シクロブ
チルトリメチル尿素等の脂環族テトラ置換尿素
類;テトラベンジル尿素、トリベンジルメチル尿
素、ジベンジルエチル尿素、ベンジルトリメチル
尿素等の芳香脂肪族テトラ置換尿素類;テトラフ
ラニル尿素、テトラチオフエニル尿素、フラニル
トリメチル尿素等の複素環式テトラ置換尿素類;
テトラフエニル尿素、テトラトリル尿素、テトラ
ナフチル尿素、メチルトリフエニル尿素、ジエチ
ルジフエニル尿素、ジシクロヘキシルジフエニル
尿素、ナフチルトリエチル尿素等の芳香族テトラ
置換尿素類などが用いられる。また尿素結合を環
の構成要素とする環状尿素化合物として例えば、
2―イミダゾロン、2―イミダゾリドン、ピオチ
ン、ヒダントイン、N,N′―ヘキサメチレン尿
素、パラバン酸、ベンツイミダゾリドンなどが用
いられる。 さらには分子内に2個以上の尿素結合を有する
化合物、例えばN,N′―ジメチルカルバモイル
ヘキサメチレンジアミン、N,N′―ジフエニル
カルバモイルフエニルレンジアミンなどのポリア
ミンのポリ尿素類あるいは次式で表わされるよう
な構造単位を有するポリメリツク尿素類なども用
いることができる。 またこれらの置換尿素類においては置換基の1
個以上の水素が他の置換基、例えば低級脂肪族
基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン、ニトロ基、ウ
レタン基、スルホキシド基、スルホン基、カルボ
ニル基、アミド基、芳香族基、芳香脂肪族基など
によつて置換されているものであつてもよい。 イソシアナート類の製造原料としてのウレタン
化合物を得るためにはN,N′―ジ置換尿素類が
好ましく、特に芳香族ウレタン化合物はN,
N′―ジアリール尿素類を用いることによつて容
易に製造される。 これらの尿素化合物は1種またはそれ以上で用
いられる。 本発明に用いる有機ヒドロキシル化合物は、1
価又は多価のアルコール類、あるいは1価又は多
価のフエノール類であり、このようなアルコール
類としては、例えば炭素数1〜20の直鎖又は分枝
鎖の1価又は多価アルカノールやアルケノール、
1価又は多価のシクロアルカノールやシクロアル
ケノールやアラルキルアルコールなどがあげられ
る。さらにこれらのアルコール類は他の置換基、
例えばハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、
スルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、エ
ステル基、アミド基などを含んでいてもよい。 このようなアルコール類の具体例として、メタ
ノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、
ブタノール(各異性体)、ペンタノール(各異性
体)、ヘキサノール(各異性体)、ヘプタノール
(各異性体)、オクタノール(各異性体)、ノニル
アルコール(各異性体)、デシルアルコール(各
異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ラ
ウリルアルコール(各異性体)、トリデシルアル
コール(各異性体)、テトラデシルアルコール
(各異性体)、ペンタデシルアルコール(各異性
体)などの脂肪族アルコール類;シクロヘキサノ
ール、シクロヘプタノールなどのシクロアルカノ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテルなどのアルキレングリコール
モノエーテル類;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、トリメチロールプロパンなどの多価アルコー
ル類;ベンジルアルコールなどのアラルキルアル
コール類などが用いられる。 またフエノール類としては例えば、フエノー
ル、各種アルキルフエノール、各種アルコキシフ
エノール、各種ハロゲン化フエノール、ジヒドロ
キシベンゼン、4,4′―ジヒドロキシ―ジフエニ
ルメタン、ビスフエノール―A、ヒドロキシナフ
タレンなどが用いられる。 本発明において用いられる酸化剤としては、通
常の酸化剤を使用しうるが、好ましいものは分子
状酸素又は有機ニトロ化合物若しくはこれらの混
合物である。特に好ましいのは分子状酸素であ
る。この分子状酸素とは純酸素又は酸素を含むも
のであつて空気でもよいし、あるいは空気又は純
酸素に反応を阻害しない他のガス、例えば窒素、
アルゴン、ヘリウム、炭酸ガスなどの不活性ガス
を加えて希釈したものであつてもよい。また場合
によつては、水素、一酸化炭素、炭化水素、ハロ
ゲン化炭化水素などのガスを含んでいてもよい。 また、有機ニトロ化合物としては脂環族、脂肪
族及び芳香族のいずれのニトロ化合物であつても
よい。脂環族ニトロ化合物としては、例えばニト
ロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロ
シクロヘキサン、ジニトロシクロヘキサン(各異
性体)、ビス―(ニトロシクロヘキシル)―メタ
ンなどが、脂肪族ニトロ化合物としては、例えば
ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン
(各異性体)、ニトロブタン(各異性体)、ニトロ
ペンタン(各異性体)、ニトロヘキサン(各異性
体)、ニトロデカン(各異性体)、1,2―ジニト
ロエタン、ジニトロプロパン(各異性体)、ジニ
トロブタン(各異性体)、ジニトロペンタン(各
異性体)、ジニトロヘキサン(各異性体)、ジニト
ロデカン(各異性体)、フエニルニトロメタン、
ビス―(ニトロメチル)―シクロヘキサン、ビス
―(ニトロメチル)―ベンゼンなどが、芳香族ニ
トロ化合物としては、例えばニトロベンゼン、ジ
ニトロベンゼン(各異性体)、ニトロトルエエン
(各異性体)、ジニトロトルエン(各異性体)、ニ
トロピリジン(各異性体)、ジニトロピリジン
(各異性体)、ニトロナフタレン(各異性体)、ジ
ニトロナフタレン(各異性体)等があげられる。 また、これらのニトロ化合物において、少なく
とも1個の水素が他の置換基、例えばハロゲン原
子、アミノ基、シアノ基、アルキル基、脂環族
基、芳香族基、アラルキル基、アルコキシ基、ス
ルホキシド基、スルホン基、カルボニル基、エス
テル基、アミド基などで置換されていてもよい。 本発明において酸化剤が分子状酸素の場合は、
次のような一般的な反応式に従つて進行する。 (ここでR1,R2,R3,R4は水素、脂肪族基、
脂環族基、芳香脂肪族基、複素環式基、芳香族基
から選ばれた原子又は基を、Rは有機基を表わ
す) 分子状酸素は当量よりも少なくとも、多くても
よいが、酸素/一酸化炭素又は酸素/有機ヒドロ
キシル化合物の混合物は爆発限界外で使用すべき
である。 また、有機ニトロ化合物を酸化剤として用いる
場合、有機ニトロ化合物自体も反応に与かりウレ
タンとなるので、その有機基の構造が尿素化合物
の置換基と異なれば、それぞれの構造に応じたウ
レタン化合物が得られ、両者の構造が同じであれ
ば同じウレタン化合物が得られることはいうまで
もない。 この場合、ウレタン化反応は例えば次のような
反応式に従つて進行する。 (ここでR1,R2,R3,R4およびRは前記と同
じ意味をもち、R′は有機ニトロ化合物の有機残
基を表わす) 有機ニトロ化合物だけを酸化剤として用いる場
合、尿素化合物と有機ニトロ化合物の量比は、尿
素基2モル当りニトロ基1モルとなるようにする
のが好ましいが、もちろんこの化学量論量比から
離れたところで実施してもかまわない。一般に尿
素基のニトロ基に対する当量比は1.1:1ないし
4:1、好ましくは1.5:1ないし2.5:1で実施
される。 もちろん分子状酸素あるいはその他の酸化剤を
同時に使用する場合には有機ニトロ化合物は化学
量論量より少なくてもよい。 本発明方法においては、反応溶媒として有機ヒ
ドロキシル化合物を過剰に用いることが好ましい
が、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさない溶媒
を用いることもできる。このような溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリ
ル、ペンゾニトリルなどのニトリル類;スルホラ
ン、メチルスルホラン、ジメチルスルホランなど
のスルホン類;テトラヒドロフラン、1,4―ジ
オキサン、1,2―ジメトキシエタンなどのエー
テル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエス
テル類;N,N―ジメチルホルムアミド、N,N
―ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリド
ン、ヘキサメチルホスホルアミドなどのアミド類
などがあげられる。 さらには、本発明の助触媒として用いられる有
機ハロゲン化物の1種であるクロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン、トリクロルベンゼン、フルオロ
ベンゼン、クロルトルエン、クロルナフタレン、
ブロムナフタリンなどのハロゲン化芳香族炭化水
素類;クロルヘキサン、クロルシクロヘキサン、
トリクロルトリフルオロエタン、塩化メチレン、
四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素ある
いはハロゲン化脂環族炭化水素類なども溶媒とし
て用いられる。 本発明方法において、反応をより効率的に行う
ために必要に応じて他の添加物を反応系に加える
こともできる。このような添加物として、例え
ば、塩基性物質、ゼオライト類、オルソエステル
類、ケタール類、アセタール類、エノールエーテ
ル類、トリアルキルオルソホウ酸エステル類など
が好適である。 塩基性物質としては、無機性、有機性いずれの
ものであつてもよく、例えば、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、及びこれらの金属の酸化物、水
酸化物、硫化物、有機酸との塩、弱酸性無機酸と
の塩、アルコラート、アミドなど;第三級アミン
類、カルボン酸アミド類などが好適である。 本発明方法において、反応は通常80〜300℃、
好ましくは120〜220℃の温度範囲で行われる。ま
た反応圧力は1〜500Kg/cm2、好ましくは20〜300
KgKg/cm2の範囲であり、反応時間は反応系、触媒
系およびその他の反応条件によつて異なるが、通
常数分〜数時間である。 また、本発明の反応は回分式でも実施しうる
し、連続的に反応成分を供給しながら連続的に反
応液を抜き出す連続方式でも実施しうる。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。 実施例 1 内容量500mlの撹拌式オートクレーブにN,
N′―ジフエニル尿素100mmol、エタノール150
ml、パラジウム黒1.5mgatom、ヨウ化ナトリウム
3mmol、2,2′―ビピリジン10mmolを入れ、系
内を一酸化炭素で置換した後、撹拌しながら160
〜170℃に加熱した。所定温度に達した後、一酸
化炭素15vol%、酸素5vol%、窒素80vol%から成
る混合ガスを100Kg/cm2の圧力下で60N/hrの
流量で導入しながら撹拌下に反応を行つた。1.5
時間後のN,N′―ジフエニル尿素の反応率は99
%でN―フエニルカルバミン酸エチルの収率は98
%で選択率は99%であつた。一酸化炭素のウレタ
ン化反応への選択率は95%であつた。2,2′―ビ
ピリジンを使用しないで同様の反応を行つた結
果、N,N′―ジフエニル尿素の反応率は94%で
N―フエニルカルバミン酸エチルの収率は89%で
選択率は95%であつた。一酸化炭素のウレタン化
反応への選択率は、N,N′―ジフエニル尿素の
反応率が85%の時点では、93%であつたが、N,
N′―ジフエニル尿素の反応率が94%の時点では
85%に低下していた。 なお、2,2′―ビピリジンは反応後も何ら変化
していなかつた。 実施例 2〜10 第1表に示す種々のハロゲン化合物及びキレー
ト試薬を用いる以外は実施例1と全く同様な方法
により反応を行つた結果を第1表に示す。これら
の実施例においてキレート試薬は10mmol使用し
た。またN―フエニルカルバミン酸エチルの選択
率AはN,N′―ジフエニル尿素基準のそれを、
選択率Bは一酸化炭素基準のそれを表わす。
【表】 実施例 11 N,N′―ジシクロヘキシル尿素100mmol、メ
タノール150ml、2%Pd/SiO25g、ヨウ化ナト
リウム2mmol、2,2′―ビピリジン5mmolを用
いて、実施例1と同様な方法により反応を行つた
結果、N,N′―ジシクロヘキシル尿素の反応率
は99%で、N―シクロヘキシルカルバミン酸メチ
ルの収率は97%で選択率は98%であつた。一酸化
炭素のウレタン化反応への選択率は95%であつ
た。 実施例 12 N,N′―ジ(n―ブチル)尿素20mmol、n―
プロパノール50ml、5%Pd/C1g、ヨウ化テト
ラメチルアンモニウム2mmol、及び2,2′―ビピ
リジン3mmolを200mlオートクレーブに入れ、系
内を一酸化炭素で置換した後、一酸化炭素80Kg/
cm2、次いで酸素6Kg/cm2を圧入し全圧を86Kg/cm2
とした。撹拌下、170℃で1時間反応させた結果、
N,N′―ジ(n―ブチル)尿素の反応率は99%
で、N―n―ブチルカルバミン酸プロピルの収率
は96%、選択率は97%であつた。一酸化炭素のウ
レタン化反応への選択率は93%であつた。 実施例 13 N,N′―ジフエニル尿素30mmol、ニトロベン
ゼン15mmol、エタノール60ml、塩化パラジウム
3mmol、2,2′―ビピリジン5mmolを200mlオー
トクレーブに入れ、系内を一酸化炭素で置換した
後、一酸化炭素を120Kg/cm2圧入した。撹拌しな
がら170℃で5時間反応させた結果、N,N′―ジ
フエニル尿素およびニトロベンゼンの反応率はそ
れぞれ46%および50%で、N―フエニルカルバミ
ン酸エチルが31mmol生成してした。 実施例 14 次式で表わされる構成単位
【式】 を有する陰イオン交換樹脂(Amberlyst A―
26、OH型)をヨウ化水素酸で処理することによ
つてヒドロキシル基をヨウ素アニオンで変換し、
ついで減圧下100℃で乾燥させた。このヨウ素含
有陰イオン交換樹脂1g、2,2′―ビピリジン
2mmol、N,N′―ジフエニル尿素20mmol、エタ
ノール40ml、パラジウム黒0.5mgatomを内容積
140mlのかきまぜ式オートクレーブに入れ、系内
を一酸化炭素を置換した後、一酸化炭素を80Kg/
cm2、次いで酸素6Kg/cm2を圧入し全圧を86Kg/cm2
とした。かきまぜながら150℃で1時間反応させ
たのち、反応混合物をろ過してろ液を分析した結
果、N,N′―ジフエニル尿素の反応率は99%、
N―フエニルカルバミン酸エチルの収率は97%で
選択率は98%であつた。 また一酸化炭素のウレタン化反応への選択率は
95%であつた。なお2,2′―ビピリジンを用いな
い場合のN,N′―ジフエニル尿素の反応率は94
%で、一酸化炭素のウレタン化反応への選択率は
83%であつた。 ろ過によつて分離されたパラジウム黒および陰
イオン交換樹脂をそのまま用いて、2,2′―ビピ
リジン2mmolを加えて同様の反応をくり返した
結果、N,N′―ジフエニル尿素の反応率は99%、
N―フエニルカルバミン酸エチルの収率は97%で
選択率は98%で、同様の成績であつた。 実施例 15〜20 実施例1におけるパラジウム黒の代りに第2表
に示す種々の白金族金属又は白金族元素を含む化
合物を用いる以外は、まつたく実施例1と同様の
反応を行つた。その結果を第2表に示す。 なお、選択率A、Bは第1表と同じ意味を表わ
し、白金族触媒は金属元素として1.5mgatomを用
い、%表示は担体に担持された触媒成分の重量%
を示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化剤の存在下に、尿素化合物を一酸化炭素
    および有機ヒドロキシル化合物と反応させてウレ
    タンを製造する方法において、 (a) 白金族金属および白金族元素を含む化合物の
    中から選ばれた少くとも1種と (b) ハロゲンを含む化合物の中から選ばれた少く
    とも1種と (C) α―ジオキシム類、2,2′―ビピリジン類及
    び8―ヒドロキシキノリン類から選ばれたキレ
    ート試薬の少くとも1種とから成る触媒系を用
    いることを特徴とするウレタン化合物の製法。 2 酸化剤が、分子状酸素、有機ニトロ化合物又
    はその両方である特許請求の範囲第1項記載の製
    法。 3 酸化剤が、分子状酸素である特許請求の範囲
    第1項記載の製法。 4 白金族金属および白金族元素を含む化合物
    が、パラジウム、ロジウム、パラジウム化合物お
    よびロジウム化合物である特許請求の範囲第1項
    ないし第3項のいずれか1項に記載の製法。 5 ハロゲンを含む化合物が、アルカリ金属ハロ
    ゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    か1項に記載の製法。 6 ハロゲンを含む化合物が、ハロゲン化オニウ
    ム化合物または反応系でこれらを生成することの
    できる化合物である特許請求の範囲第1項ないし
    第4項のいずれか1項に記載の製法。 7 ハロゲンを含む化合物が、ハロゲンのオキソ
    酸またはその塩である特許請求の範囲第1項ない
    し第4項のいずれか1項に記載の製法。 8 ハロゲンを含む化合物が、有機ハロゲン化物
    である特許請求の範囲第1項ないし第4項のいず
    れか1項に記載の製法。 9 ハロゲンを含む化合物が、臭素化合物である
    特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1
    項に記載の製法。 10 ハロゲンを含む化合物が、ヨウ素化合物で
    ある特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれ
    か1項に記載の製法。 11 尿素化合物が、N,N′―ジアリール尿素
    である特許請求の範囲第1項ないし第10項のい
    ずれか1項に記載の製法。 12 N,N―ジアリール尿素が、N,N′―ジ
    フエニル尿素である特許請求の範囲第11項に記
    載の製法。
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JPS58164565A (ja) * 1982-03-24 1983-09-29 Asahi Chem Ind Co Ltd ウレタン化合物の製造
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