JPS592667B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シェルの強度を増加せしめ、シェルの変形に
よる損失ストロークを減少させた気圧式倍力装置に関す
るものである。

従来から一般的に知られている気圧式倍力装置は、ハウ
ジングを構成している前方シェルと後方シェルとの内部
はぼ中央部に、軸方向に移動可能にバルブ本体を配置し
、このパルプ本体の周囲に配置され又前記シェルの外周
壁まで半径方向外方に延びているダイヤフラムと、この
ダイヤフラムに隣接して配置され、パルプ本体と一体化
されたピストンプレートとを備えて成る。

この倍力装置は、前方シェルの前方壁に設けられたボル
トによってスペーサ部材を取付けると共に当該スペーサ
を介してマスクシリンダを固定支持する。

他方この倍力装置は、後方シェルの壁に設けたボルトに
よって車両の運転席とエンジンルームとを仕切っている
トウボードに取付は固定されている。

この様な手段によって倍力装置の取付けを行う場合、ブ
レーキ用フットペダルを踏込むことによってマスクシリ
ンダに働く作用力を、前方シェル及び後方シェル自体が
強度ノンバーとなって支持しなければならない。

しかし、これらのシェルは、前記マスクシリンダに働く
作用力を支えるには強度が不足気味であり、このためシ
ェルが変形を起して倍力装置の損失ストロークを増大さ
せるという問題が生じていた。

かかる問題を解決するための一方法としては前方シェル
及び後方シェルの肉厚を増してシェル自体の強度を増大
させることが考えられるが、倍力装置自体の重量が大き
くなるという不都合が生じるばかりでな（不必要に多く
の材料を使うこととなって好ましくない。

本発明は、シェルの肉厚を特に増加しなくても充分な強
度をもってマスクシリンダに働く作用力に耐え得る気圧
式倍力装置を提供し、前記の問題を解決することを目的
とする。

本発明を添付の図面に示された実施例について説明する
。

第１図は本発明の倍力装置を断面図で示したものである
。

符号１で示された倍力装置本体は、前方シェル１ａと後
方シェル１ｂとによって形成されたハウジングと、シェ
ル１ａ、１ｂ内部に摺動可能に保持されたバルブ本体１
０と、このバルブ本体の移動により移動し且つ当該バル
ブ本体１０と共にピストンを構成するピストンプレート
９と、およびバルブ本体１０の外方に配置されシェル外
周壁まで延びて倍力装置本体１内を二つの区画室Ａ、Ｂ
に分けているダイヤフラム８とを含む、バルブ本体は、
倍力操作を行うための弁機構１７を内蔵し又該弁機構１
７に向けてフットペダル（図示していない）の作用を伝
達しこれを作動する入力ロット１２を保持している。

さらに、バルブ本体１０の先端部は前方シェル１ａによ
って保持された出力ロット１３に連結されている。

この出史ロッド１３は前方シェル１ａにスペーサ５を介
して取付けられたマスクシリンダ３のピストン（図示し
ていない）に接続され、倍力装置本体１におけるバルブ
本体１０の移動を前記ピストンに伝えるようになってい
る。

。さらに倍力装置本体１内には、前方シェル１ａの壁部
から後方シェル１ｂまで延びるシリンダ本体４が取付け
られているみシリンダ本体４は円筒形状の側壁部を有し
比較的剛性の高い合成樹脂或は金属材料などから成り、
その前方部分は第４図に示すように開口部としてのスリ
ット４ｆが形成されて４本の足部４ｄに分けられ、後方
部分は中空のシリンダ部分４ｂになっている。

このシリンダ部分４ｂの後端部は開放されている一方、
半径方向内側に向けて僅かに張出したランド４ａ及びシ
リンダ本体４と後方シェル１ｂとの間に空気導通用の間
隙を作るための通気用溝４ｅが設けられている。

ランド４ａは、バルブ本体１０の一部がシリンダ本体４
の内部に装填され且つその外壁とシリンダ本体４の内壁
との間に嵌合されたシール部材１１によって密封保持さ
れて前後に摺動運動する際、ストッパとして働へまたシ
リンダ本体４の外周部には全周にわたって溝４Ｃが形成
されており、この溝４Ｃにダイヤフラム８の内径組付部
８ａが嵌入し、例えば止め輪１４の様な適当な締付は部
材によって固く装着されて当該ダイヤフラム取付は部を
シールしている。

さらに第５図を参照すると明らかになる様に、シリンダ
本体４の足部４ｄの先端において左右の足部４ｄにはス
ペーサ５を前方フランジに取付けるためのボルト１５を
挿入する穴４１を有し足部４ｄと一体的になった腕部４
ｇが設けられ、父上下の足部４ｄには、前記スペーサ５
を介して倍力装置本体１の前方にマスクシリンダ３を固
定支持すべくボルト６を挿入する穴４ｊを有し上下の足
部４ｄと一体的になった張出しプレート部４ｈが設けら
れている。

上述のようなボルト６及び１５によるマスクシリンダ３
及びスペーサ５の前方シェル１ａへの固定支持によって
シリンダ本体４自身も又その先端が前方シェル１ａに固
定される（第１図）、他方シリンダ本体４の後部には当
該シリンダ本体４を後方シリンダに固定すべくボルト７
挿入用の穴を有するシリンダフランジ４ｋが設けられて
おり、該シリンダフランジ４にと後方シェル１ｂとの間
でボルト７の締付は作用が行われ、シリンダ本体４の固
定支持が完了する。

シェル１ａ、１ｂ内部に気密的に作られた二つの区画室
間の差圧に応答して移動するダイヤフラム８の変位に伴
ってピストン運動をするピストンプレート９によってシ
リンダ本体４内部に配置されたバルブ本体１０及び出力
ロット１３を摺動させるため、ピストンプレート９は、
第２図、第３図に示す様にその内径部に前記シリンダ本
体４の足部４ｄを受入れるべく半径方向外方に向けて切
り抜き部９ｂが形成され、しかもシリンダ本体４のスリ
ット部４ｆに対応し且つ当該スリット部４ｆ内に嵌入し
得る舌部９ａが設けられている。

第２図は上述のピストンプレート９がバルブ本体１０に
取付けられた状態を示している。

ピストンプレート９は、舌部９ａがスリット４ｆに嵌入
するようにしてシリンダ本体４の先端から該シリンダ本
体４に嵌めら右、次いでシリンダ本体４内に装填されて
きたバルブ本体１０の端部に設けられたフランジ１０ａ
に係合し、結合部材１６がピストンプレート９の舌部９
ａと共働してバルブフランジ１０ａをしっかりと挟持結
合することによりピストンプレート９とバルブ本体１０
とは一体となって摺動運動ができる様になる。

以上の構成をしており、先に述べた様に前方部にマスク
シリンダ３を取付けた倍力装置は、シリンダフランジ４
ｋに備え付けられたボルト７をｌウボード２にあけられ
た孔に通し当該ボルト７に係合可能なねじ部材を締付け
ることによって、［ウボード２にしっかりと取付けられ
る。

この様をζして車両或は他の機器に取付けられた倍力装
置に通常の装置と同様な作動を行う。

即ち、例えばンレーキ用フットペダルを踏込むと入力ロ
ット１２は前方（第１図左方）に向って移動し、それま
マ通気用溝４ｅを通して行われていたシェル１ａ。

１ｂ内の二つの区画室Ａ、Ｂの連通が遮断されイすると
外径部８ｂにおいてシェル１ａ、１ｂにレボされ内径部
８ａにおいてシリンダ溝４ｃに面分されたダイヤフラム
８は前記二室Ａ、Ｂの間に件じた差圧を受けて変形移動
しピストンプレート９を前方に向けて押圧しピストン運
動をさせる。

このピストンプレート９はフランジ１０ａを介してバル
ブ本体１０に結合しているため、ピストンフレート９及
びバルブ本体１０の摺動運動によって出力ロット１３に
力を伝達し該出力ロット１３の先端に係合しているマス
クシリンダ３のピストンを作動させるのである。

この操作において、ピストンプレート９に形成された切
り抜き部９ｂはシリンダ本体４の足部４ｄを完全に受入
れており、且つピストンプレート９の舌部９ａはシリン
ダ本体４のスリット４ｆに多少の間隙をもって嵌入して
いるため、ピスト／プレート９はシリンダ本体４の前方
部分即ち足部４ｄに沿って前後に摺動することができる
。

この間、剛性材料から成るシリンダ本体４は強度メンバ
ーとして前方シェル１ａと後方シェル１ｂとを支持して
いる。

そのため、フットペダルを踏込むことによりマスクシリ
ンダ３のピストンに加イっった力の反作用は、マスクシ
リンダ３からスペーサ５に伝わり更にシリンダ本体４を
介してトウ、ボード２に伝達される。

これにより、前方シェル１ａ及び後方シェル１ｂには前
記反作用力に対抗するための引張力が全く加わらないか
、たとえ加わったとしてもほんの僅かである。

これは前方及び後方シェル１ａ、１ｂの変形を最小にし
倍力装置に関し議論されていた損失ストロークの問題を
大幅に改善している。

以上述べて来たように本発明によれば、前方シェルと後
方シェルとの間に延びるシリンダ本体を備えるという比
較的簡単な構成により、シェルの変形が少なくしかも高
い性能を維持し得る気圧式倍力装置を実現することがで
きた。

また、前述の様に、本発明の倍力装置ではシェル自体に
殆ど力が加わらないため、当該シェルをこれまでのシェ
ルよりも薄肉構造としたり或はシェル材料として金属を
使わず成形加工の容易な合成樹脂製にすることも可能に
なり、これによって倍力装置の製作費を大幅に軽減する
ことができるのである。

さらに、シリンダ本体が前方及び後方シェルの連結を行
っているので、従来のようにシェルのフランジ部分での
結合手段を省略することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、第２図中の線Ｉ−Ｉに沿って切断した、本発
明に係る倍力装置の断面図である。 第２図は、第１図中の線■−■に沿って切断した、本発
明の倍力装置の断面図である。 第３図は、ピストンプレートの斜視図である。 第４図は、第５図の線ＩＶ−ＩＶに沿って切断した、シ
リンダ本体の断面図である。 第５図は、シリンダ本体の正面図である。 符号の説明、１：倍力装置本体、２：トウボード、３：
マスクシリンダ、４ニジリンダ本体、５ニスペーサ、６
：ボルト、７：ボルト、８：ダイヤフラム、９：ピスト
ンプレート、１０：バルブ本体、１１：シール部材、１
２：入力ロット、１３：出力ロツドー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前方シェルと；ハウジングを画成すべく当該前方シ
   ェルと組合わさった後方シェルと；前方シェルと後方シ
   ェルとの間にのびて前記両シェルを連結している筒状の
   側壁部を有しているシリンダ本体であって該側壁部に開
   口部を備えて成るシリンダ本体と；少なくとも一部が当
   該シリンダ本体内に摺動可能に保持され内部に弁機構を
   備えたパルプ本体と；尚該シリンダ本体からシェル外周
   壁まで半径方向に延びており、シェル内部を気密的に二
   つの区画室に仕切り両区画室の圧力差に応答して移動す
   るダイヤフラムと；前記シリンダ本体の開口部を介して
   前記バルブ本体と結合し、ダイヤフラムの移動に応答し
   て移動するピストンプレートと；前記バルブ本体の弁機
   構を作動する入力ロットと；該入力ロットの作動に応答
   し該ロンドの入力量を倍力変換して出力する出力ロンド
   と；から成る気圧式倍力装置。 ２、特許請求の範囲第１項記載の倍力装置において、シ
   リンダ本体側壁部に設けた開口部が該本体前端付近から
   中間部にまで後方に向けて切込まれたスリットである気
   圧式倍力装置。