JPH10122264A - 電磁連結装置 - Google Patents

電磁連結装置

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Publication number
JPH10122264A
JPH10122264A JP8297627A JP29762796A JPH10122264A JP H10122264 A JPH10122264 A JP H10122264A JP 8297627 A JP8297627 A JP 8297627A JP 29762796 A JP29762796 A JP 29762796A JP H10122264 A JPH10122264 A JP H10122264A
Authority
JP
Japan
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damper
rubber
armature
damper rubber
tip
Prior art date
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Pending
Application number
JP8297627A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutoku Kamimura
泰徳 上村
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Ogura Clutch Co Ltd
Original Assignee
Ogura Clutch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱劣化収縮によるダンパゴムの初期反力の低
下を抑制する。また、長期間にわたって使用してもダン
パゴムに亀裂が生じることなく、しかも、ダンパゴムが
トルク伝達ピンから剥離しないようにする。 【解決手段】 ダンパゴム31の外周部を、ダンパカバ
ー30の内側底面に突き当たる内端面側の外径寸法が、
ダンパカバー30の先端側に露出する外端面側の外径寸
法より大きい、段付き状外周部に形成する。ダンパカバ
ー30の先端内周縁30cと、トルク伝達ピン32の先
端周縁32aとをそれぞれ断面円弧状に形成する。トル
ク伝達ピン32の大径部37の外周面、先端面および先
端周縁32aをダンパゴム31で覆う。ダンパゴム31
の外端面の外周部をトルク伝達ピン32の先端部と対応
する中心部およびダンパカバー30の先端よりアーマチ
ュア33側へ偏在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁コイルの励
磁、非励磁により動力の伝達や回転体の制動を断接する
電磁連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁連結装置のうちカーエアコ
ン用コンプレッサやスーパーチャージャーに用いる電磁
クラッチは、連結時の衝撃や振動を緩和するとともに吸
着音が小さくなるようにアーマチュアをダンパゴムによ
って支持し、このダンパゴムがアーマチュアを解放させ
るための実質的なばねとなるように構成している。前記
ダンパゴムは、動力伝達時にアーマチュアの移動に伴っ
て弾性変形するとともに、回転方向へ圧縮されるから、
応力集中を起こさない形状に形成することが耐久性を高
める上で重要である。なお、この種のダンパゴムが弾性
変形するときに応力が一箇所に集中すると、この応力集
中点を起点として亀裂が発生することが知られている。
【0003】本願出願人は、前記ダンパゴムに亀裂が生
じるのを防いで耐久性を高めることを目的として、実開
平4−32327号公報に説明されている電磁連結装置
を先に考案した。この公報に開示された電磁連結装置を
図12によって説明する。
【0004】図12は従来の電磁連結装置の断面図であ
る。同図において、符号1は電磁連結装置としての電磁
クラッチを示す。この電磁クラッチ1は、ロータ2をカ
ーエアコン用コンプレッサ3に軸受4を介して回転自在
に支持させ、アーマチュア5を前記コンプレッサ3の回
転軸6にトルク伝達ピン7、ダンパゴム8、ダンパカバ
ー9、ストッパプレート10およびアーマチュアハブ1
1を介して支持させている。
【0005】前記ロータ2は、環状溝2aを形成し、電
磁コイル12を内設したヨーク13を前記環状溝2aに
収容している。このヨーク13は前記コンプレッサ3に
固定している。前記アーマチュア5は、円環形に形成し
て段付き穴内にトルク伝達ピン7の小径部7aをかしめ
によって固定している。このトルク伝達ピン7は、前記
小径部7aと大径部7bとからなる無頭リベットからな
り、先端面から大径部7bの周面に移行する部分、すな
わちトルク伝達ピン7の先端周縁7cをアーマチュア5
とは反対側へ向かうにしたがって縮径する断面円弧状に
形成している。
【0006】また、前記ストッパプレート10は、軸心
部をアーマチュアハブ11とともに前記回転軸6に固定
し、外周部に、前記トルク伝達ピン7を通すための貫通
穴10aを形成するとともにカップ状の前記ダンパカバ
ー9を固着している。このダンパカバー9は、前記貫通
穴10aに連なる穴9aを底部に形成し、前記ダンパゴ
ム8を介して前記トルク伝達ピン7に連結している。
【0007】前記ダンパゴム8は、前記トルク伝達ピン
7の大径部7bにゴム加硫により固着され、前記ダンパ
カバー9内に圧入嵌合されている。また、この電磁クラ
ッチ1は、図12に示す電磁コイル12の非励磁状態の
ときに、ダンパゴム8におけるダンパカバー9の開口に
露出する外端面と、ダンパカバー9の開口側端面と、ト
ルク伝達ピン7の先端面とが同一平面上に位置づけられ
る構造を採っている。
【0008】このように構成した従来の電磁クラッチ1
は、電磁コイル12が励磁することによってアーマチュ
ア5がダンパゴム8の弾発力に抗してロータ2に磁気吸
着され、ロータ2の回転がアーマチュア5→トルク伝達
ピン7→ダンパゴム8→ダンパカバー9→ストッパプレ
ート10→アーマチュアハブ11という動力伝達系によ
って回転軸6に伝達される。
【0009】この動力伝達状態では、ダンパゴム8は、
トルク伝達ピン7側の部位が図12において左側へ変位
するように弾性変形するとともに、トルク伝達ピン7よ
り回転方向の前側の部位がダンパカバー9との間で圧縮
されて弾性変形する。このとき、前記トルク伝達ピン7
は先端周縁7cが断面円弧状に形成されていてダンパゴ
ム8が触れる部位に角がないことにより、ダンパゴム8
に応力集中が起き難い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述したよ
うにトルク伝達ピン7をダンパゴム8に応力集中が起き
難い形状に形成しても、ダンパゴム8に亀裂が生じるの
を阻止することはできなかった。これは、この電磁クラ
ッチ1が非励磁状態にあるときに、ダンパゴム8の外端
面と、トルク伝達ピン7の先端面と、ダンパカバー9の
開口側端面とが同一平面上に位置づけられることが原因
であると考えられる。
【0011】すなわち、動力伝達時にダンパゴム8がト
ルク伝達ピン7とカップ状のダンパカバー9との間で圧
縮されると、このダンパゴム8におけるダンパカバー9
で変形が規制されてない部位(ダンパカバー9の開口端
側の部位)がダンパカバー9の外方へ僅かに突出するよ
うに***してしまうからである。この***部分は、ダン
パカバー9で荷重を受けることができず、弾性変形量が
他の部位に比べて多くなる。このため、この電磁クラッ
チ1を長期間にわたって使用すると、前記***部分とそ
の他の部分との境界に相当する部位、すなわち弾性変形
量に違いが生じる部位を起点として亀裂が生じてしま
う。ダンパゴム8が上述したように***したときの外端
面の形状を図12中に二点鎖線で示す。
【0012】このような不具合は、ダンパカバー9の開
口側端面に対してトルク伝達ピン7の先端面およびダン
パゴム8の外端面がアーマチュア5側に位置づけられる
ように構成して前記***部分がダンパカバー9から突出
しないようにすることによって、ある程度は解消するこ
とができる。しかしながら、この構成を採るためにダン
パカバー9を軸線方向に長く形成すると、電磁クラッチ
1が大型化してしまう。これとは逆に、トルク伝達ピン
7を短く形成するとともにダンパゴム8の厚み(図12
において左右方向の寸法)を薄くする構造を採ると、ダ
ンパゴム8の単位体積当たりの弾性変形量はトルク伝達
ピン7側の部分が相対的に大きいことから、ダンパゴム
8の耐力が著しく損なわれてしまう。このため、経年的
にダンパゴム8の弾発力が小さくなってアーマチュア5
の解放時間が長くなり、しかも、ダンパゴム8による緩
衝作用も損なわれてしまう。
【0013】また、動力伝達時にダンパゴム8が上述し
たように圧縮されてダンパカバー9における穴9aを形
成する底部の角に押付けられると、この角との接触点を
起点としてダンパゴム8に亀裂が生じることがあるとい
う問題もあった。
【0014】さらに、従来の電磁クラッチ1は、トルク
伝達ピン7に錆が生じることに起因してダンパゴム8が
トルク伝達ピン7から剥離してしまうことがあった。ダ
ンパゴム8がトルク伝達ピン7から剥離すると、アーマ
チュア5を初期位置に復帰させることができなくなる。
錆の発生を防ぐために、従来ではダンパゴム8をトルク
伝達ピン7にゴム加硫した後に防錆剤をトルク伝達ピン
7におけるダンパゴム8で覆われていない部分(大径部
7bの外周面と先端面)に塗布しているが、ダンパゴム
8が繰り返し弾性変形することから、長期間にわたって
使用するとダンパゴム8とトルク伝達ピン7との境界部
分の防錆剤が剥がれて防錆効果が失われてしまう。な
お、ダンパゴム8をゴム加硫する以前に、防錆対策とし
てトルク伝達ピン7の全域にめっき処理を施しておくこ
とも考えられるが、めっきされた面に接着剤を塗布する
とトルク伝達ピン7とダンパゴム8との接着力がばらつ
くので、この手法を採用することはできない。また、防
錆剤を塗布する工程がある分、生産性が悪く、コストア
ップになるという問題もあった。
【0015】一方、従来の電磁クラッチは、ダンパカバ
ー9の円筒状内周面にダンパゴム8の円筒状外周面を圧
入嵌合するとともに、トルク伝達ピン7の小径部7aを
アーマチュア5に固定するときに、ダンパゴム8に初期
反力を付与することにより、アーマチュア5の解放時間
を短くしている。しかるに、ダンパゴム8は熱劣化によ
りその径方向と軸方向に収縮するため、ダンパゴム8の
初期反力が弱くなりアーマチュア5の解放時間が長くな
る。解放時間が長くなると、アーマチュア5とロータ2
の各摩擦面の摩耗が多くなり、アーマチュア5がロータ
2に磁気吸着されるときのダンパゴム8の弾性変形量が
増大するので、ダンパゴム8に亀裂が生じ易くなる。
【0016】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、低コスト化および小型化を図りなが
ら、長期間にわたって使用してもダンパゴムに亀裂が生
じることがなく、しかも、ダンパゴムがトルク伝達ピン
から剥離しない電磁連結装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る電磁連
結装置は、ダンパゴムのゴム特性やダンパゴムをダンパ
ゴム収容部に圧入嵌合する自動組立作業を考慮した上
で、ダンパゴムの圧入嵌合の強弱の度合を部分的に相異
させたものである。本発明によれば、ダンパゴムの圧入
嵌合の強弱の度合が部分的に強くなっているので、熱劣
化によりダンパゴムが収縮しても、従来のダンパゴムの
ような大きな初期反力の低下がない。
【0018】第2の発明に係る電磁連結装置は、第1の
発明に係る電磁連結装置において、ダンパゴムを収容す
るゴム収容部の先端内周縁を、アーマチュアとは反対側
へ向かうにしたがって開口径が次第に大きくなる断面円
弧状に形成した。本発明によれば、ダンパゴムをダンパ
カバーに圧入嵌合する自動組立作業において、ダンパゴ
ムの外周縁が切れたり傷ついたりすることがない。
【0019】第3の発明に係る電磁連結装置は、第2の
発明に係る電磁連結装置において、トルク伝達ピンにお
ける大径部の先端周縁を断面円弧状に形成し、この大径
部の外周面、先端面および先端周縁をダンパゴムで覆
い、このダンパゴムの外端面の外周部を、トルク伝達ピ
ンの先端部と対応する中心部およびゴム収容部の先端よ
りアーマチュア側へ偏在させたものである。
【0020】本発明によれば、ゴム収容部の内側であっ
てダンパゴムの外端面の外側に空きスペースが形成され
るから、動力伝達時にダンパゴムはゴム収容部の壁面に
沿って前記空きスペースに臨むように***する。また、
ゴム収容部の先端内周縁やトルク伝達ピンの先端周縁に
角が形成されないので、ダンパゴムが上述したように隆
起するときにこれらの部位に触れても応力が集中するこ
とがない。さらに、トルク伝達ピンの大径部はダンパゴ
ムで覆われているので、防錆剤を使用しなくても錆が発
生しない。
【0021】第4の発明に係る電磁連結装置は、第3の
発明に係る電磁連結装置において、アーマチュア支持部
材における貫通穴の内周面とゴム収容部の内側底面とが
交差する縁部を断面円弧状に形成したものである。本発
明によれば、動力伝達時にダンパゴムが圧縮されてゴム
収容部の内側底面から貫通穴側へ***するときに、ダン
パゴムの内側の端面が断面円弧状の部分に沿うようにな
る。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形成 以下、第1・2・3の発明に係る電磁連結装置の一実施
の形態を図1ないし図6によって詳細に説明する。ここ
では、カーエアコン用コンプレッサに用いる電磁クラッ
チの形態を採る場合について説明する。
【0023】図1は第1・2・3の発明に係る電磁連結
装置の正面図、図2は図1におけるII−II線断面図、図
3は要部を拡大して示す断面図、図4はダンパカバーを
製造する手順を説明するための図で、同図(a)は絞り
加工および底部の打抜き加工が終了した状態を示す断面
図、同図(b)はフランジの打抜き加工が終了した状態
を示す断面図、同図(c)はダンパカバーを開口側から
見た状態を示す平面図である。図5はダンパカバーに圧
入嵌合する前のダンパゴムの断面図である。図6はリベ
ットをアーマチュアに固定する手順を説明するための図
で、同図(a)はかしめ加工前の状態を示し、同図
(b)はかしめ加工終了後の状態を示す。
【0024】これらの図において、符号21はカーエア
コン用コンプレッサのハウジング、22は同じく回転軸
を示す。23はこの実施の形態による電磁クラッチで、
この電磁クラッチ23は、前記回転軸22にエンジン
(図示せず)の動力を伝達する動力伝達系に介装するも
のであり、エンジンから図示してないVベルトによって
動力が伝達されるロータ24と、このロータ24の環状
溝24aに挿入したフィールドコア組立体25と、前記
回転軸22の軸端部に軸装したアーマチュア組立体26
などから構成している。
【0025】前記ロータ24は、円環状に形成して軸心
部を軸受27によって前記ハウジング21に回転自在に
支持させている。前記フィールドコア組立体25は、ヨ
ーク25aに電磁コイル25bを内設した周知の構成を
採り、このヨーク25aを前記環状溝24aに挿入した
状態で前記ハウジング21に固定している。
【0026】前記アーマチュア組立体26は、アーマチ
ュアハブ28にストッパプレート29を取付けるととも
に、このストッパプレート29にダンパカバー30、ダ
ンパゴム31およびトルク伝達ピン32を介してアーマ
チュア33を支持させた構造を採っている。この実施の
形態では、前記アーマチュアハブ28、ストッパプレー
ト29およびダンパカバー30がアーマチュア支持部材
を構成している。
【0027】前記アーマチュアハブ28は、外端部に環
状の当て板34を取付けて前記回転軸22にスプライン
嵌合させたボス28aと、このボス28aの外端部に径
方向外側へ伸びるように設けたフランジ28bとからな
り、固定ボルト35によって前記回転軸22に固定して
いる。前記当て板34は、前記ボス28aに形成された
複数のかしめ片28cによって抜止めしている。
【0028】前記ストッパプレート29は、鋼板を打抜
くことによって図1に示すように正面視において正三角
形状に形成し、前記フランジ28bに有頭リベット36
によって固定している。また、このストッパプレート2
9は、前記正三角形の頂部になる3箇所に円形の貫通穴
29aを穿設するとともにその周囲にダンパカバー30
を溶接している。
【0029】前記ダンパカバー30は、底部中央に円形
の貫通穴30aを有するカップ状に形成し、この貫通穴
30aが前記ストッパプレート29の貫通穴29aと同
一軸線上に位置づけられるように、外側底部をストッパ
プレート29に溶接している。この実施の形態では、前
記ストッパプレート29の貫通穴29aと前記ダンパカ
バー30の貫通穴30aがアーマチュア支持部材の貫通
穴を構成し、ダンパカバー30の内方空間がゴム収容部
を構成している。
【0030】このダンパカバー30は、この実施の形態
では、鋼板を前記カップ状に成形することによって形成
している。ここで、ダンパカバー30を製造する手法を
図4によって説明する。先ず、冷間圧延鋼板で円板を形
成し、この円板に絞り加工を施すことによって、開口端
にフランジを有する有底円筒体を形成する。次に、この
有底円筒体の底の中央に、図4(a)に示すように、円
形の貫通穴30aを打抜き加工によって形成する。しか
る後、図4(a)中に符号30bで示す前記フランジを
打抜き加工によって除去する。このフランジ除去工程が
終了することによって、図4(b),(c)に示すよう
にダンパカバー30が完成する。
【0031】このように形成したダンパカバー30は、
絞り加工時に塑性変形することに起因して開口端(先
端)の内周縁30cが図4(b)に示すように断面円弧
状に成形される。この内周縁30cは、ダンパカバー3
0をストッパプレート29に溶接した図2・3に示す状
態で、アーマチュア33とは反対側へ向かうにしたがっ
てダンパカバー30の開口径が次第に大きくなる形状に
成形されている。
【0032】前記ダンパゴム31は、図5に示すように
トルク伝達ピン32を中心部に固着させて円筒状に形成
し、前記ダンパカバー30内にその内側底面に突き当た
るまで圧入嵌合している。ダンパカバー30の周壁に接
するダンパゴム31の外周部は、ダンパカバー30の内
側底面に突き当たる内端面側の大径円筒部31aの外径
寸法が、ダンパカバー30の先端側で露出する外端面側
の小径円筒部31bの外径寸法より大きい、段付き状外
周部に形成されている。なお、符号H部分は断面凸円弧
状、符号I部分は断面テーパ状、符号J部分は断面凹円
弧状に形成されている。
【0033】またダンパゴム31は、小径円筒部31b
の外径寸法が従来のダンパゴムの外径寸法と同じ寸法で
あり、ダンパカバー30の周壁の直径寸法に対して約
0.5mm程度大きく、大径円筒部31aの外径寸法が周
壁の直径寸法に対して約1.5mm程度大きい。なお、こ
の実施の形態では、ダンパゴム31を段付き状外周部と
したが、このような段階的に圧入嵌合の強弱の度合を相
異させる方法に変えて、内端面側から外端面側へ外径寸
法が次第に小さくなるテーパ状外周部にしてもよい。ま
た、ダンパカバー30の周壁を段付き状またはテーパ状
内周面として、ダンパゴム31の外周部を円筒状に形成
してもよい。
【0034】また、このダンパゴム31は、図3に示す
ようにダンパカバー30内に圧入嵌合した状態で、ダン
パカバー30の先端側で露出する外端面の外周部分が、
トルク伝達ピン32の先端部と対応する中心部およびダ
ンパカバー30の先端よりアーマチュア33側に偏在す
るように形成している。言い換えれば、このダンパゴム
31は、ダンパカバー30の周壁に接する外周部よりト
ルク伝達ピン32に接する中心部が厚くなる(トルク伝
達ピン32の軸線方向に長くなる)ように形成し、ダン
パカバー30に圧入嵌合した状態で前記外周部がダンパ
カバー30の内側に位置づけられるように構成してい
る。
【0035】このダンパゴム31の前記外周部の外端面
とダンパカバー30の先端との距離を図3中に符号Aで
示す。この実施の形態では、ダンパゴム31の外端面
は、外周部分と、トルク伝達ピン32の先端部と対応す
る中心部とがそれぞれ平坦面になるように形成し、これ
ら両部どうしの間が傾斜面になるように形成している。
図3・5においては、前記中心部の外径を符号Bで示
し、前記傾斜面の外径を符号Cで示している。ダンパゴ
ム31をこのように形成することにより、ダンパカバー
30の内側であってダンパゴム31の外端面の外側に、
図3中に符号Sで示す空きスペースが形成される。
【0036】前記ダンパゴム31に固着させたトルク伝
達ピン32は、冷間圧造用炭素鋼線によって形成した断
面円形の無頭リベットからなり、大径部37と、この大
径部37の後端面37aから突出する小径部38とから
形成している。前記大径部37は、先端面37bを平坦
に形成するとともに、この先端面37bから外周面に移
行する部分、すなわちトルク伝達ピン32の先端周縁3
2aを、アーマチュア33とは反対側へ向かうにしたが
って縮径する断面円弧状に形成している。また、このト
ルク伝達ピン32は、後端面37aを除く大径部37の
全ての表面がダンパゴム31で覆われるようにダンパゴ
ム31に固着させ、小径部38をアーマチュア33の段
付き穴33b内にかしめ加工している。
【0037】トルク伝達ピン32をダンパゴム31に固
着させるには、ゴム加硫用金型(図示せず)にトルク伝
達ピン32を装填した状態でゴム加硫を実施することに
よって行う。この金型は、ダンパゴム31の完成形状と
同じ形状のキャビティが形成してあり、このキャビティ
に前記大径部37を臨ませてトルク伝達ピン32を装填
できる構造を採っている。なお、トルク伝達ピン32
は、ダンパゴム31との接着性を高めるために、前記金
型へ装填する以前に、大径部37における後端面37a
を除く全ての表面に接着剤を塗布し、乾燥させている。
【0038】また、トルク伝達ピン32を前記金型に装
填するには、成形後のダンパゴム31におけるダンパカ
バー30の内側底面に当接する端面と、トルク伝達ピン
32の前記後端面37aとの距離{この距離を図6
(a)中に符号Dで示す}が、ダンパカバー30の底部
分の厚みとストッパプレート29の厚みを加えた長さ
{この長さを図6(a)中に符号Eで示す}より寸法F
だけ短くなるように行う。なお、かしめ加工されるトル
ク伝達ピン32の圧縮ひずみを考慮して、寸法D≧寸法
Eに設計することもできる。
【0039】このトルク伝達ピン32の小径部38を固
定するアーマチュア33は、前記アーマチュアハブ28
のフランジ28bより大径な円形穴33aを有する環状
の板によって形成し、前記小径部38を固定するための
段付き穴33bを穿設している。また、このアーマチュ
ア33とロータ24との間には、この電磁クラッチ23
を前記ハウジング21に装着した状態で、図3中に符号
Gで示すエアギャップが形成される。エアギャップG
は、回転軸22と当て板34との間にシム(図示せず)
を入れることにより調整される。
【0040】このアーマチュア33に前記小径部38を
固定するには、小径部38を前記段付き穴33bに挿入
した状態でこの小径部38にかしめ加工を施すことによ
って行う。すなわち、先ず、トルク伝達ピン32と一体
的に形成したダンパゴム31を前記ダンパカバー30に
圧入嵌合することにより、このトルク伝達ピン32をス
トッパプレート29に保持させ、図6(a)に示すよう
に、ストッパプレート29にアーマチュア33をその段
付き穴33bにトルク伝達ピン32の小径部38が挿入
されるように重ねる。このとき、同図に示すようにダン
パゴム31の外端面におけるトルク伝達ピン32の先端
部と対応する中心部を下型39に支承させる。なお、こ
の状態では、トルク伝達ピン32の大径部37の後端面
37aとアーマチュア33との間に前記寸法Fに相当す
る隙間が形成されている。
【0041】次に、図6(a)に示すように、アーマチ
ュア33のロータ側端面に上型40を押付けることによ
って、アーマチュア33が前記後端面37aに当接する
までダンパゴム31を弾性変形させる。そして、この状
態で前記小径部38の先端にパンチ41を押付け、小径
部38を前記段付き穴33b内で塑性変形させてかしめ
加工を行う。このようにかしめ加工を行うことによっ
て、トルク伝達ピン32がアーマチュア33に固定され
るとともに、ダンパゴム31に初期反力が付与されてダ
ンパゴム31の弾発力でアーマチュア33がストッパプ
レート29に当接するようになる。
【0042】このように構成した電磁クラッチ23は、
エンジン運転時にはロータ24が回転し、この状態で電
磁コイル25bを励磁させることによって、アーマチュ
ア33がダンパゴム31の弾発力に抗してロータ24に
磁気吸着される。すなわち、トルク伝達ピン32がアー
マチュア33とともにロータ24側へ移動し、これに伴
ってダンパゴム31の中心部が弾性変形する。このよう
にダンパゴム31が弾性変形することにより、アーマチ
ュア33がロータ24に磁気吸着されるときの吸着音が
低減され、しかも、衝撃が緩和される。
【0043】上述したようにロータ24にアーマチュア
33が連結することによって、ロータ24の回転がアー
マチュア組立体26を介して回転軸22に伝達される。
なお、この状態で電磁コイル25bの励磁を解くと、ダ
ンパゴム31の弾発力によってアーマチュア33がロー
タ24から引離され、ストッパプレート29に当接する
初期位置に復帰する。
【0044】また電磁クラッチ23は、ダンパゴム31
の圧入嵌合の強弱の度合を部分的に相異させ、従来のダ
ンパゴムの圧入嵌合の強弱の度合に比べて強い圧入嵌合
部分を設けたので、熱劣化によるダンパゴム31のゴム
収縮が生じても、従来の電磁クラッチ1のようなダンパ
ゴムの初期反力の低下は抑制される。またさらには、ダ
ンパゴム31の内端面側(詳細には、図5において符号
Hで示した部分)をダンパカバー30の断面円弧状の開
口端の内周縁30cに当接させてから、このダンパゴム
31をダンパカバー30に圧入嵌合する自動組立作業と
したので、自動組立作業においてダンパゴム31が切れ
てしまうなど品質上の問題が解決されている。なお、出
願人は、外径寸法の異なる多くのダンパゴム31を用意
して電磁クラッチの耐久試験を行い、ゴム特性を維持し
た状態でのベストなダンパゴム31の圧入嵌合の強弱の
度合を設計した。
【0045】一方、動力伝達状態では、コンプレッサを
駆動するための負荷がダンパゴム31に加わり、ダンパ
ゴム31におけるアーマチュア組立体26の回転方向の
前側になる部位が圧縮される。このときにダンパゴム3
1で圧縮される部位は、図1においてアーマチュア組立
体26が時計方向へ回転する場合には同図中にハッチン
グを施して示す範囲である。
【0046】上述したようにダンパゴム31が圧縮され
ると、ダンパゴム31の圧縮部分の外端面は図3中に二
点鎖線で示すように外側へ***する。この電磁クラッチ
23ではダンパカバー30の内側であってダンパゴム3
1の外側に空きスペースSを形成しているので、ダンパ
ゴム31はダンパカバー30の内周面に沿って前記空き
スペースSに臨むように***し、ダンパカバー30より
外側に突出することがない。したがって、ダンパゴム3
1の前記***部分もダンパカバー30の周壁で荷重を受
けることになるから、ダンパゴム31内で弾性変形量が
大きく異なる部分が存在しなくなる。
【0047】また、この電磁クラッチ23は、ダンパカ
バー30の先端内周縁30cやトルク伝達ピン32の先
端周縁32aに角が形成されないので、ダンパゴム31
が上述したように***するときにこれらの部位に触れて
も応力が集中することもない。さらに、ダンパゴム31
の中心側の厚みを外周部より厚くしているので、ダンパ
ゴム31における単位体積当たりの弾性変形量が大きい
トルク伝達ピン32側の中心部の体積が従来に比べて減
ることがない。さらにまた、トルク伝達ピン32の大径
部37はダンパゴム31で覆われており、防錆剤を使用
しなくても錆が発生しない。
【0048】加えて、この実施の形態では、ダンパカバ
ー30の底部によってロータ24側への移動が規制され
たダンパゴム31の外周部の外端面を平坦面とし、ここ
を中心部側から一直線状に延びる傾斜面とする場合に比
べて体積の減少率を少なく抑えているので、ダンパカバ
ー30の軸線方向の長さが従来と同じでもダンパゴム3
1の外端面を偏在させながらダンパゴム31によるばね
作用および緩衝作用の長期安定化を図ることができる。
【0049】第2の実施の形態 第4の発明に係る電磁連結装置の一実施の形態を図7お
よび図8によって詳細に説明する。図7は第4の発明に
係る電磁連結装置の要部を拡大して示す断面図、図8は
ダンパカバーを製造する手順を説明するための図で、同
図(a)は絞り加工および底部の打抜き加工が終了した
状態を示す断面図、同図(b)はフランジの打抜き加工
と絞り加工が終了した状態を示す断面図、同図(c)は
ダンパカバーを開口側から見た状態を示す平面図であ
る。これらの図において前記図1ないし図6で説明した
ものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付
し詳細な説明は省略する。
【0050】この実施の形態による電磁クラッチ23
は、ダンパカバー30の底部に形成する貫通穴30aを
円筒の内周面によって形成している。このダンパカバー
30を製造するには、先ず、円板に絞り加工を施すこと
によって形成したフランジ付き有底円筒体の底部中央
に、図8(a)に示すように丸穴41を打抜き加工によ
って形成する。次に、この有底円筒体の開口部のフラン
ジ30bを打抜き加工によって除去し、その後、この有
底円筒体の底部に、丸穴41部分が外側へ突出して円筒
状になるように絞り加工を施す。この絞り加工によって
形成した円筒部分の内周面が前記貫通穴30aになる。
なお、前記円筒部分の外径は、ストッパプレート29の
貫通穴29aにこの円筒部分が嵌合する寸法に設定して
いる。
【0051】このようにダンパカバー30の底部に絞り
加工を施して貫通穴30aを形成すると、この貫通穴3
0aの穴壁面とダンパカバー30の内側底面42とが交
差する縁部、すなわち、内側底面42から貫通穴30a
へ移行する部分が断面円弧状に形成される。この縁部を
図7および図8(b)中に符号43で示す。
【0052】このダンパカバー30を備えた電磁クラッ
チ23は、動力伝達時にダンパゴム31が圧縮されてダ
ンパカバー30の内側底面から貫通穴30a側へ***す
ると、ダンパゴム31の内側の端面44が前記断面円弧
状の縁部43に沿うようになる。したがって、ダンパカ
バー30の先端内周縁30cおよび前記縁部43と、ト
ルク伝達ピン32の先端周縁32aとがそれぞれ断面円
弧状に形成されるから、ダンパゴム31が圧縮されたと
きにその全域にわたって角に触れることがなく、ダンパ
ゴム31で応力集中が起こることがない。
【0053】また、ダンパカバー30の底部にストッパ
プレート29の貫通穴29aに嵌合する円筒部分が形成
されていると、ダンパカバー30をストッパプレート2
9に取付けるときに貫通穴29a・30aどうしの位置
決めを簡単に行うことができる。しかも、前記円筒部分
を前記貫通穴29aに嵌合させることによって、ダンパ
カバー30をストッパプレート29に保持させることが
できるので、ダンパカバー30の溶接作業も簡単であ
る。またさらに、ダンパゴム31の外周部は、先に説明
した実施の形態と同じ段付き状外周部であり、同様に自
動組立作業によりダンパカバー30に圧入嵌合されてい
るので、熱劣化収縮によるダンパゴム31の初期反力の
低下が抑制される。
【0054】なお、上記第1および第2の実施の形態で
は、ダンパゴム31の外周部、すなわちダンパカバー3
0の底部でロータ24側への移動が規制された部分の外
端面を平坦に形成した例を示したが、ダンパゴム31の
体積に設計上の余裕がある場合には、図3および図7中
に直径を符号Bで示した外端面の中心部より径方向の外
側をダンパカバー30の周壁に向かうにしたがって次第
に底部側に偏在するように傾斜させてもよい。また、こ
の外端面の中心部(直径が符号Bで示される部分)は、
トルク伝達ピン32をアーマチュア33に固定するかし
め工程において大きな押圧力で圧縮されるので、トルク
伝達ピン32の先端面37bと同等の平坦面にすること
が好ましい。
【0055】また、ダンパゴム31の外端面の中心部と
ダンパカバー30の先端は、第1および第2の実施の形
態で示したように、非励磁時に略同じ平面上に位置づけ
られるような構成を採らなくてもよく、下記の第3の実
施の形態で示すように、外端面の中心部がダンパカバー
30の外方に位置づけられる構成を採ることもできる。
【0056】第3の実施の形態 第4の発明に係る電磁連結装置の他の実施の形態を図9
ないし図11によって詳細に説明する。図9はアーマチ
ュア組立体の正面図、図10は図9におけるX−X線断
面図、図11は要部を拡大して示す断面図である。これ
らの図において前記図1ないし図8で説明したものと同
一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な
説明は省略する。
【0057】図9〜図11に示すアーマチュア組立体2
6は、ストッパプレート51を合成樹脂によって形成
し、このストッパプレート51にアーマチュアハブ28
をインサート成形により一体的に設けている。このスト
ッパプレート51は、前記第1・第2の実施の形態を採
るときに用いたダンパカバーに相当するゴム収容部52
を、外周部の貫通穴53の周囲にこれと同一軸線上に位
置づけられるように設けている。
【0058】このゴム収容部52は、開口側端部がスト
ッパプレート51の相対的に平らな平板部51aから突
出する正面視円形の突条54と、この突条54の内周面
および前記貫通穴53に連なる円形凹部55とから形成
し、この円形凹部55内にダンパゴム31を圧入嵌合し
ている。また、前記突条54の先端内周縁54aと、円
形凹部55の底部外周縁55aと、この円形凹部55の
底面と貫通穴53の穴壁面とが交差する縁部56とをそ
れぞれ断面円弧状に形成している。
【0059】この実施の形態を採るときに用いるダンパ
ゴム31は、外端面の外周部が前記突条54の先端から
アーマチュア33側に位置づけられ、かつ外端面の中心
部(トルク伝達ピン32の先端部と対応する部分)が前
記突条54の先端より外方に位置づけられるように形成
している。また、このダンパゴム31は、外端面におけ
る中心部と外周部との間の傾斜部分の傾斜角度が前記第
1・第2の実施の形態を採るときに比べて大きくなるの
で、これらの部分どうしの間の縁部を応力集中が起きな
いように断面円弧状に形成している。この断面円弧状の
縁部を図11中に符号Rで示す。なお、トルク伝達ピン
32をダンパゴム31に固着させる手法や、トルク伝達
ピン32をアーマチュア33に固定する手法は、第1・
第2の実施の形態を採るときと同じである。また、ダン
パゴム31の外周部の輪郭や自動組立によるゴム収容部
52へのダンパゴム31の圧入嵌合の手法も、第1・第
2の実施の形態を採るときと同じである。
【0060】このようにストッパプレート51を合成樹
脂によって形成しても、第1・第2の実施の形態を採る
ときと同等の効果を奏する。なお、ストッパプレート5
1を成形するには、アルミニウム合金を使用してアルミ
ダイキャスト法によって行うこともできる。
【0061】加えて、第1ないし第3の実施の形態で
は、本発明をカーエアコン用コンプレッサの電磁クラッ
チに適用した例を示したが、本発明は、このような限定
にとらわれることなく、自動車用スーパーチャージャー
の動力伝達系に介装する電磁クラッチや、自動車の他の
機械に用いる電磁クラッチ、電磁ブレーキなどにも適用
することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係る電
磁連結装置は、ダンパゴムの圧入嵌合の強弱の度合が部
分的に相異するようにしたので、従来のダンパゴムとダ
ンパカバーの圧入嵌合とは異なる強弱の度合が強い部分
が設けられ、熱劣化によるダンパゴムの収縮に起因する
このダンパゴムに付与された初期反力の低下が抑制され
る。したがって、アーマチュアの解放時間が長くなりア
ーマチュアの摩擦面の摩耗が多くなることに起因するダ
ンパゴムのアーマチュア側への弾性変形量の増大が抑制
されるので、この電磁連結装置を長期間にわたって使用
しても、ダンパゴムに亀裂が生じない。
【0063】第2の発明に係る電磁連結装置は、第1の
発明に係る電磁連結装置において、ダンパゴムを収容す
るゴム収容部の先端内周縁を、アーマチュアとは反対側
へ向かうにしたがって開口径が次第に大きくなる断面円
弧状に形成したので、ダンパゴムをダンパカバーに圧入
嵌合する自動組立作業において、ダンパゴムの外周縁が
切れたり傷ついたりすることがない。したがって、この
電磁連結装置を長期間にわたって使用しても、ダンパゴ
ムに亀裂が生じない。
【0064】第3の発明に係る電磁連結装置は、第2の
発明に係る電磁連結装置において、トルク伝達ピンの大
径部の先端周縁を断面円弧状に形成し、この大径部の外
周面、先端面および先端周縁をダンパゴムで覆い、この
ダンパゴムの外端面の外周部をトルク伝達ピンの先端部
と対応する中心部およびゴム収容部の先端よりアーマチ
ュア側へ偏在させたため、ゴム収容部の内側であってダ
ンパゴムの外端面の外側に空きスペースが形成される。
このため、ダンパゴムは動力伝達時にゴム収容部の壁面
に沿って前記空きスペースに臨むように***するから、
これがゴム収容部の外方へ突出することがない。
【0065】したがって、ダンパゴムの前記***部分も
ゴム収容部の周壁で荷重を受けることになるから、ダン
パゴム内で弾性変形量が大きく異なる部分が存在しなく
なる。しかも、ゴム収容部の先端内周縁やトルク伝達ピ
ンの先端周縁に角が形成されないので、ダンパゴムが上
述したように***するときにこれらの部位に触れても応
力が集中することもない。このため、応力集中や弾性変
形量の違いに起因してダンパゴムに亀裂が発生すること
がないから、この電磁連結装置を長期間にわたって使用
しても、ダンパゴムによるばね作用および緩衝作用を設
計通りに維持できる。その上、ダンパゴムにおける単位
体積当たりの弾性変形量が大きいトルク伝達ピン側の部
分の体積が従来に比べて減ることがないので、ダンパゴ
ムの耐力が損なわれることもない。
【0066】また、ピンの大径部はダンパゴムで覆われ
ており、防錆剤を使用しなくても錆が発生しないから、
防錆剤を塗布する工程が省けてコストダウンを図ること
ができる。これとともに、この電磁連結装置を長期間に
わたって使用しても、ダンパゴムがトルク伝達ピンから
剥離することがない。
【0067】第4の発明に係る電磁連結装置は、第3の
発明に係る電磁連結装置において、アーマチュア支持部
材における貫通穴の内周面とゴム収容部の内側底面とが
交差する縁部を断面円弧状に形成したため、動力伝達時
にダンパゴムが圧縮されてゴム収容部の内側底面から貫
通穴側へ***するときに、このダンパゴムの内側の端面
が前記断面円弧状の部分に沿うようになる。
【0068】したがって、ダンパゴムが圧縮され弾性変
形したときにその全域にわたって角に触れることがない
から、応力集中が起こるのを確実に阻止することがで
き、ダンパゴムをより一層長い期間にわたって性能が安
定した状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1・第2・第3の発明に係る電磁連結装置の
正面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】要部を拡大して示す断面図である。
【図4】ダンパカバーを製造する手順を説明するための
図である。
【図5】ダンパカバーに圧入嵌合する前のダンパゴムの
断面図である。
【図6】トルク伝達ピンをアーマチュアに固定する手順
を説明するための図である。
【図7】第4の発明に係る電磁連結装置の要部を拡大し
て示す断面図である。
【図8】ダンパカバーを製造する手順を説明するための
図である。
【図9】第4の発明に係る電磁連結装置のアーマチュア
組立体の正面図である。
【図10】図9におけるX−X線断面図である。
【図11】要部を拡大して示す断面図である。
【図12】従来の電磁連結装置の断面図である。
【符号の説明】
24 …ロータ 28 …アーマチュアハブ 29 …ストッパプレート 29a…ストッパプレートの貫通穴 30 …ダンパカバー 30a…ダンパカバーの貫通穴 30c…ダンパカバーの先端内周縁 31 …ダンパゴム 31a…ダンパゴムの大径円筒部 31b…ダンパゴムの小径円筒部 32 …トルク伝達ピン 32a…トルク伝達ピンの先端周縁 33 …アーマチュア 37 …トルク伝達ピンの大径部 38 …トルク伝達ピンの小径部 43 …ダンパカバーの縁部 51 …ストッパプレート 52 …ゴム収容部 54a…ゴム収容部の先端内周縁 56 …ゴム収容部の縁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の貫通穴と、これら貫通穴の各周囲
    に個々に設けられたゴム収容部とを有するアーマチュア
    支持部材と、前記ゴム収容部に個々に圧入嵌合された複
    数のダンパゴムと、前記アーマチュア支持部材の前記ゴ
    ム収容部とは反対側に配設されたアーマチュアと、前記
    ダンパゴムに固着されて前記貫通穴に挿入された大径部
    と、前記アーマチュアに固定された小径部とを有する複
    数のトルク伝達ピンとを備え、前記ダンパゴムの圧入嵌
    合の強弱の度合が部分的に相異することを特徴とする電
    磁連結装置。
  2. 【請求項2】 前記ゴム収容部の先端内周縁を、前記ア
    ーマチュアとは反対側へ向かうにしたがって開口径が次
    第に大きくなる断面円弧状に形成したことを特徴とする
    請求項1記載の電磁連結装置。
  3. 【請求項3】 前記トルク伝達ピンにおける大径部の先
    端周縁を断面円弧状に形成し、この大径部の外周面、先
    端面および前記先端周縁を前記ダンパゴムで覆い、この
    ダンパゴムの外端面における前記ゴム収容部に連なる外
    周部を、前記トルク伝達ピンの先端部と対応する中心部
    および前記ゴム収容部の先端より前記アーマチュア側へ
    偏在させたことを特徴とする請求項2記載の電磁連結装
    置。
  4. 【請求項4】 前記アーマチュア支持部材における前記
    貫通穴の内周面と前記ゴム収容部の内側底面とが交差す
    る縁部を、断面円弧状に形成したことを特徴とする請求
    項3記載の電磁連結装置。
JP8297627A 1996-10-18 1996-10-18 電磁連結装置 Pending JPH10122264A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6095305A (en) * 1998-08-04 2000-08-01 Ogura Clutch Co., Ltd. Electromagnetic coupling device with noise damper
KR20010059274A (ko) * 1999-12-30 2001-07-06 신영주 전자클러치용 디스크 및 허브 조립체
KR100588587B1 (ko) * 1999-12-30 2006-06-13 한라공조주식회사 전자클러치의 아마추어 고정구
KR100845261B1 (ko) * 2002-02-25 2008-07-09 한라공조주식회사 압축기용 전자클러치

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