JPH1061678A - 電磁連結装置のダンパゴム取付方法 - Google Patents

電磁連結装置のダンパゴム取付方法

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JPH1061678A
JPH1061678A JP8216299A JP21629996A JPH1061678A JP H1061678 A JPH1061678 A JP H1061678A JP 8216299 A JP8216299 A JP 8216299A JP 21629996 A JP21629996 A JP 21629996A JP H1061678 A JPH1061678 A JP H1061678A
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JP
Japan
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armature
damper rubber
damper
rivet
diameter portion
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Application number
JP8216299A
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English (en)
Inventor
Enjiro Maejima
圓次郎 前島
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Ogura Clutch Co Ltd
Original Assignee
Ogura Clutch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーマチュアが初期位置に確実に保持される
ようにしながら、エアギャップが拡がっても円滑に連結
できるようにする。 【解決手段】 ダンパゴム31を大径部37に取付けた
リベット32の小径部38をアーマチュア33にかしめ
によって固定する。このとき、ダンパゴム31がダンパ
カバー30に保持されかつリベット32の大径部37の
後端面37aがアーマチュア33に当接する状態でリベ
ット32の両端を加圧して実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁連結装置のア
ーマチュア支持用ダンパゴムを非励磁状態でアーマチュ
アが初期位置に保持されるように取付ける電磁連結装置
のダンパゴム取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁連結装置のうちカーエアコン
用コンプレッサやスーパーチャージャーに用いる電磁ク
ラッチは、連結時の衝撃や振動を緩和するとともに音が
小さくなるようにダンパゴムを介してアーマチュアをス
トッパプレートに支持させ、このダンパゴムがアーマチ
ュアを解放させるための実質的なばねとなるように構成
している。前記ダンパゴムは、非励磁状態でアーマチュ
アがロータから離間した初期位置に保持されるように、
言い換えれば非励磁状態でもアーマチュアをロータから
離間する方向へ付勢するように、予め弾性変形された状
態でストッパプレートに取付けている。従来のこの種の
電磁クラッチを図13によって説明する。
【0003】図13は実開平4−32327号公報に開
示された電磁クラッチの断面図である。同図において、
符号1は電磁クラッチを示し、この電磁クラッチ1は、
ロータ2をカーエアコン用コンプレッサ3に軸受4を介
して回転自在に支持させ、アーマチュア5を前記コンプ
レッサ3の回転軸6にリベット7、ダンパゴム8、ダン
パカバー9、ストッパプレート10およびアーマチュア
ハブ11を介して支持させている。
【0004】前記ロータ2は、環状溝2aを形成し、電
磁コイル12を内設したヨーク13を前記環状溝2aに
収容している。このヨーク13は前記コンプレッサ3に
固定している。前記アーマチュア5は、円環形に形成し
て外周部の複数箇所にリベット7の小径部7aをかしめ
によって固定している。このリベット7は、前記小径部
7aと大径部7bとからなるピン形に形成し、小径部7
aをアーマチュア5の段付き穴5aに嵌合させた状態で
後述するかしめ装置によって塑性変形させている。
【0005】前記ストッパプレート10は、軸心部をア
ーマチュアハブ11とともに前記回転軸6に固定し、外
周部に、前記リベット7を通すための貫通穴10aを形
成するとともにカップ状の前記ダンパカバー9を固着し
ている。このダンパカバー9は、前記貫通穴10aに連
なる穴9aを底部に形成し、前記ダンパゴム8を介して
前記リベット7に連結している。前記ダンパゴム8は、
前記リベット7の大径部7bに加硫接着により固着さ
れ、前記ダンパカバー9内に圧入されている。
【0006】ここで、前記ダンパゴム8を取付ける手
法、すなわちダンパゴム8を介してアーマチュア5をス
トッパプレート10に取付ける手法を図14および図1
5によって説明する。図14はリベットをかしめ装置の
下型に支承させた状態を示す断面図、図15はかしめ時
の状態を示す断面図で、これらの図において前記図13
で説明したものと同一もしくは同等部材については、同
一符号を付し詳細な説明は省略する。図14,15中に
符号14で示すものはかしめ装置の下型で、この下型1
4は、リベット7の先端面を支承するように形成してい
る。15はかしめ装置のアーマチュア用押さえ部材を示
し、16は同じくパンチを示す。
【0007】前記アーマチュア用押さえ部材15は、円
環形のアーマチュア5を図において下方へ押圧してリベ
ット7における大径部7bの小径部7a側の後端面7c
に当接させるように構成している。前記パンチ16は、
図示してないプレス装置が駆動し、リベット7の小径部
7aを図において下方へ押圧して塑性変形させるように
構成している。
【0008】なお、リベット7およびダンパゴム8は、
図14に示すように、これらをストッパプレート10に
装着するとともにストッパプレート10にアーマチュア
5を当接させた状態で、リベット7の前記後端面7cと
アーマチュア5との間に符号Aで示す寸法の隙間が生じ
るように形成している。図14において符号Bはダンパ
ゴム8の底面からリベット7の後端面7cまでの寸法を
示し、Cはダンパカバー9の底部肉厚にストッパプレー
ト10の厚みを加えた寸法を示している。これら両寸法
の差が前記隙間の寸法Aになる。
【0009】ダンパゴム8を介してアーマチュア5をス
トッパプレート10に取付けるには、先ず、リベット7
に固着させたダンパゴム8をダンパカバー9内に圧入
し、ダンパゴム8の底面をダンパカバー9の内側底面に
当接させる。そして、図14に示すように、リベット7
の先端面を前記下型14に支承させるとともに、アーマ
チュア5をストッパプレート10に対接させる。このと
き、アーマチュア5の段付き穴5a内にリベット7の小
径部7aを嵌合させる。このように各部材を装着させる
ことによって、リベット7の後端面7cとアーマチュア
5との間に寸法Aだけ隙間が形成される。
【0010】その後、図15に示すように、前記アーマ
チュア用押さえ部材15によってアーマチュア5をスト
ッパプレート10側へ押圧しながらパンチ16を下降さ
せる。このパンチ16の下降によって、リベット7はパ
ンチ16と下型14とで両端から挟圧され、小径部7a
が塑性変形して段付き穴5a内にかしめられる。この塑
性変形は、リベット7の後端面7cがアーマチュア5に
当接するまで実行される。このようにかしめ加工を実施
することによって、アーマチュア5がリベット7、ダン
パゴム8およびダンパカバー9を介してストッパプレー
ト10に取付けられる。
【0011】前記かしめ加工を行うときには、リベット
7の後端面7cとアーマチュア5との間の隙間がなくな
るまでリベット7がダンパカバー9に対して上側へ偏倚
するので、その分だけダンパゴム8は中央部がアーマチ
ュア5側に引っ張られて弾性変形する。この結果、ダン
パゴム8はアーマチュア5をストッパプレート10に引
き付けるように弾発力が生じた状態でストッパプレート
10に取付けられる。
【0012】上述したように構成した従来の電磁クラッ
チ1は、電磁コイル12が励磁することによってアーマ
チュア5がダンパゴム8をリベット7の軸線方向に弾性
変形させながらロータ2に磁気吸着され、ロータ2の回
転がアーマチュア5→リベット7→ダンパゴム8→ダン
パカバー9→ストッパプレート10→アーマチュアハブ
11という動力伝達系によって回転軸6に伝達される。
【0013】また、電磁コイル12が非励磁状態になる
と、アーマチュア5がダンパゴム8の弾発力によってス
トッパプレート10に当接する初期位置まで復帰する。
ダンパゴム8は、アーマチュア5がストッパプレート1
0に当接していてもアーマチュア5をさらに引っ張るこ
とから、この非励磁状態ではアーマチュア5は前記初期
位置に保持され、振動や衝撃が加えられてもロータ2に
接触することがない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように構成し
た電磁クラッチ1は、長期間にわたって使用することに
よってアーマチュア5の摩擦面が摩耗し、これとロータ
2との間のエアギャップ(図13中に寸法Gで示す)が
拡がると、その分だけ磁気回路の磁気抵抗が大きくなっ
てアーマチュア5を吸引するときの吸引力が低下すると
ともに、ダンパゴム8の変形量が多くなって連結するた
めに必要な力が相対的に大きくなるので、連結時の動作
が緩慢になるという問題がある。
【0015】連結時の動作が緩慢であると、アーマチュ
ア5がロータ2に摺動する時間が長いことから摩耗がさ
らに進むばかりか、摺動部が発熱してしまう。このよう
な摺動部の発熱は、コンプレッサ3の回転軸6がロック
状態になったときにも生じるので、そのロック状態を察
知するための感熱素子をヨーク13に配設する場合があ
る。そのため、ダンパゴム8の変形量に起因する摺動部
の発熱を前記感熱素子で検出してしまうと、電磁コイル
12を励磁状態にすることができなくなってしまう。
【0016】このような連結時の動作が緩慢になるとい
う不具合は、ダンパゴム8を弾発力が小さい材料によっ
て形成し、これが小さな力でも弾性変形するように構成
することによってある程度は解消することができる。し
かし、このように構成すると、アーマチュア5を初期位
置からずれないように保持するための弾発力も低減され
てしまうため、振動、衝撃が加えられたときにアーマチ
ュア5がロータ2に接触し易くなるという新たな問題が
生じる。
【0017】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、アーマチュアが初期位置に確実に保
持されるようにしながら、エアギャップが拡がっても円
滑に連結できるようなダンパゴムの取付方法を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁連結装
置のダンパゴム取付方法は、ダンパゴムを大径部に取付
けたピンの小径部をアーマチュアにかしめによって固定
するときに、ダンパゴムがカップ状のダンパゴム保持部
に保持されるとともにピンの大径部の小径部側端面がア
ーマチュアに当接する状態でピンの両端を加圧するもの
である。
【0019】本発明によれば、かしめ工程でピンの大径
部が軸線方向に圧縮されて径方向に大きくなるように歪
み、この歪みの分だけダンパゴムが軸線方向と径方向に
圧縮されて硬度が増す。
【0020】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態 以下、本発明に係る電磁連結装置のダンパゴム取付方法
の一実施の形態を図1ないし図8によって詳細に説明す
る。図1は本発明に係るダンパゴム取付方法によってダ
ンパゴムを取付けた電磁連結装置の正面図、図2は図1
におけるII−II線断面図、図3はダンパゴム取付部分を
拡大して示す断面図、図4は本発明に係るダンパゴム取
付方法を実施する際に使用するプレス装置の縦断面図で
ある。
【0021】図5は下型にストッパプレートおよびアー
マチュアを装着した状態を示す断面図、図6はアーマチ
ュアを押圧プレートが押圧している状態を示す断面図、
図7はかしめ加工を実施している状態を示す断面図、図
8はダンパゴムの変形量と荷重の関係を示すグラフであ
る。
【0022】これらの図において、符号21はカーエア
コン用コンプレッサのハウジング、22は同じく回転軸
を示す。23はこの実施の形態による電磁クラッチで、
この電磁クラッチ23は、前記回転軸22にエンジン
(図示せず)の動力を伝達する動力伝達系に介装するも
のであり、エンジンから図示してないVベルトによって
動力が伝達されるロータ24と、このロータ24の環状
溝24aに挿入したフィールドコア組立体25と、前記
回転軸22の軸端部に軸装したアーマチュア組立体26
などから構成している。
【0023】前記ロータ24は、円環状に形成して軸心
部を軸受27によって前記ハウジング21に回転自在に
支持させている。前記フィールドコア組立体25は、ヨ
ーク25aに電磁コイル25bを内設した周知の構成を
採り、このヨーク25aを前記環状溝24aに挿入した
状態で前記ハウジング21に固定している。
【0024】前記アーマチュア組立体26は、アーマチ
ュアハブ28にストッパプレート29を取付けるととも
に、このストッパプレート29にダンパカバー30、ダ
ンパゴム31およびリベット32を介してアーマチュア
33を支持させた構造を採っている。この実施の形態で
は、前記リベット32がピンを構成している。
【0025】前記アーマチュアハブ28は、外端部に環
状の当て板34を取付けて前記回転軸22にスプライン
嵌合させたボス28aと、このボス28aの外端部に径
方向外側へ延びるように設けたフランジ28bとからな
り、固定ボルト35によって前記回転軸22に固定して
いる。前記当て板34は、前記ボス28aに形成された
複数のかしめ片28cによって抜止めしている。
【0026】前記ストッパプレート29は、鋼板を打抜
くことによって図1に示すように正面視において正三角
形状に形成し、前記フランジ28bに有頭リベット36
によって固定している。また、このストッパプレート2
9は、前記正三角形の頂部になる3箇所に円形の貫通穴
29aを穿設するとともにダンパカバー30を溶接して
いる。
【0027】前記ダンパカバー30は、底部中央に円形
の貫通穴30aを有するカップ状に形成し、この貫通穴
30aが前記ストッパプレート29の貫通穴29aと同
一軸線上に位置づけられるように、外側底部をストッパ
プレート29に溶接している。この実施の形態では、ダ
ンパカバー30の内方空間がダンパゴム保持部を構成し
ている。
【0028】このダンパカバー30は、この実施の形態
では、鋼板を前記カップ状に成形することによって形成
している。このダンパカバー30の製造は、先ず、冷間
圧延鋼板からなる円板に絞り加工を施すことによって開
口端にフランジを有する有底円筒体を形成し、次に、こ
の有底円筒体の底の中央に円形の貫通穴30aを打抜き
加工によって形成し、その後、前記フランジを打抜き加
工により除去する方法を採っている。
【0029】このように形成したダンパカバー30は、
絞り加工時に塑性変形することに起因して開口端(先
端)の内周縁30cが図3に示すように断面円弧状に成
形される。この内周縁30cは、ダンパカバー30をス
トッパプレート29に溶接した図2,3に示す状態で、
アーマチュア33とは反対側へ向かうにしたがってダン
パカバー30の開口径が次第に大きくなる形状に成形さ
れている。
【0030】前記ダンパゴム31は、リベット32を中
心部に固着させて円盤状に形成し、前記ダンパカバー3
0内にその内側底面に突き当たるまで圧入している。ま
た、このダンパゴム31は、図3に示すようにダンパカ
バー30内に圧入した状態で、ダンパカバー30の先端
側で露出する外端面の外周部分が、リベット32の先端
部と対応する中心部およびダンパカバー30の先端より
アーマチュア33側に偏在するように形成している。言
い換えれば、このダンパゴム31は、ダンパカバー30
の周壁に接する外周部よりリベット32に接する中心部
が厚くなる(リベット32の軸線方向に長くなる)よう
に形成し、ダンパカバー30に圧入した状態で前記外周
部がダンパカバー30の内側に位置づけられるように構
成している。
【0031】このダンパゴム31の前記外周部の外端面
とダンパカバー30の先端との距離を図3中に符号Dで
示す。この実施の形態では、ダンパゴム31の外端面
は、外周部分と、リベット32の先端部と対応する中心
部とがそれぞれ平坦面になるように形成し、これら両部
どうしの間が傾斜面になるように形成している。図3に
おいては、前記中心部の外径を符号Eで示し、前記傾斜
面の外径を符号Fで示している。
【0032】ダンパゴム31をこのように形成すること
により、ダンパカバー30の内側であってダンパゴム3
1の外端面の外側に、図3中に符号Sで示す空きスペー
スが形成される。この空きスペースSを形成する周壁は
円弧面であるので、動力伝達時にこのダンパゴム31が
図3中に二点鎖線で示すように回転方向に圧縮されて弾
性変形しても、これが角に触れることがない。このた
め、ダンパゴム31に応力が集中する部位がなく耐久性
が高い。
【0033】前記ダンパゴム31に固着させたリベット
32は、冷間圧造用炭素鋼線によって形成した断面円形
の無頭リベットからなり、大径部37と、この大径部3
7の後端面37aから突出する小径部38とから形成し
ている。前記大径部37は、先端面37bを平坦に形成
するとともに、この先端面37bから外周面に移行する
部分、すなわちリベット32の先端周縁32aを断面円
弧状に形成している。また、このリベット32は、後端
面37aを除く大径部37の全ての表面がダンパゴム3
1で覆われるようにダンパゴム31に固着させ、小径部
38をアーマチュア33に固定している。
【0034】リベット32にダンパゴム31を固着させ
るには、ゴム加硫用金型(図示せず)にリベット32を
装填した状態でゴム加硫を実施することによって行う。
この金型は、ダンパゴム31の完成形状と同じ形状のキ
ャビティが形成してあり、このキャビティに前記大径部
37を臨ませてリベット32を装填できる構造を採って
いる。なお、リベット32は、ダンパゴム31との接着
性を高めるために、前記金型へ装填する以前に、大径部
37における後端面37aを除く全ての表面に接着剤を
塗布し、乾燥させている。
【0035】また、リベット32を前記金型に装填する
には、成形後のダンパゴム31におけるダンパカバー3
0の内側底面に当接する端面と、リベット32の前記後
端面37aとの距離(この距離を図3中に符号Hで示
す)が、ダンパカバー30の底部分の厚みとストッパプ
レート29の厚みを加えた長さとほぼ等しくなるように
行う。言い換えれば、このリベット32は、ダンパゴム
31を固着させかつ図3に示すようにダンパカバー30
に装着した状態で、後端面37aがストッパプレート2
9のアーマチュア側端面と同一平面上に位置付けられる
ように形成している。
【0036】このリベット32の小径部38を固定する
アーマチュア33は、前記アーマチュアハブ28のフラ
ンジ28bより大径な円形穴33aを有する環状の板に
よって形成し、前記小径部38を固定するための段付き
穴33bを穿設している。また、このアーマチュア33
とロータ24との間には、この電磁クラッチ23を前記
ハウジング21に装着した状態で、寸法Gだけエアギャ
ップが形成される。なお、このエアギャップは、回転軸
22と当て板34との間にシム(図示せず)を入れるこ
とにより調整される。
【0037】このアーマチュア33に前記小径部38を
固定することによって、ダンパゴム31がストッパプレ
ート29に取付けられる。このダンパゴム31の取付作
業は、前記小径部38を前記段付き穴33bに挿入した
状態で図4に示すプレス装置を用いて小径部38にかし
め加工を施すことによって実施する。
【0038】図4中に符号41で示すプレス装置は、リ
ベット32およびダンパゴム31を装着したストッパプ
レート29やアーマチュア33を支承する下型42と、
この下型42の上方に配設された上型43とから構成し
ている。前記下型42は、ダイ44にバッキングプレー
ト45、ダイホルダ46を取付けるとともに、リベット
32を支承するための可動シャフト47を上下方向に移
動自在に取付けている。この可動シャフト47は、下端
のストッパー47aによって上方へ外れるのを阻止した
状態で、圧縮コイルばね48が上方へ付勢しており、下
端とダイホルダー46との隙間だけ図4に示す状態から
圧縮コイルばね48の弾発力に抗して下降できるように
構成している。49は前記可動シャフト47の上端に設
けた受圧用パッド、50はガイドブッシュ、51はウレ
タンゴム製ダンパーシートを示す。
【0039】前記上型43は、図示してない加圧装置が
駆動して上方からリベット32のかしめ加工を実施する
ように構成している。上型43の構成を詳述すると、こ
の上型43は、加圧装置に連結したシャンク52にパン
チホルダー53を介してパンチプレート54をボルト止
めし、このパンチプレート54にパンチ55と押圧プレ
ート56とを取付けている。
【0040】前記パンチ55は、下端がアーマチュア3
3の段付き穴33bに臨みリベット32の小径部38に
当接する構造を採り、押圧プレート56に貫通させてパ
ンチプレート54に固定している。前記押圧プレート5
6は、パンチプレート54との間にウレタンゴム製ダン
パーブロック57を介装するとともに、パンチプレート
54に移動自在に嵌挿させたガイドロッド58を介して
パンチプレート54に連結している。すなわち、この押
圧プレート56は、前記ダンパーブロック57を圧縮さ
せることによりパンチプレート54側へ移動できる構造
を採っている。なお、このプレス装置41は、前記可動
シャフト47およびパンチ55を3箇所に備え、ストッ
パプレート29の3箇所に配設されたリベット32に一
度にかしめ加工を施すことができるように構成してい
る。
【0041】次に、前記プレス装置41を使用してダン
パゴム31およびリベット32を介してストッパプレー
ト29にアーマチュア33を取付ける手順を説明する。
先ず、ダンパゴム31およびリベット32を装着したス
トッパプレート29を下型42上に載置する。このとき
には、図5に示すように、リベット32の先端面37b
をダンパゴム31の薄膜状部分を介して受圧用パッド4
9に支承させる。そして、同図に示すように、ストッパ
プレート29上にアーマチュア33を載置する。このと
き、リベット32の小径部38をアーマチュア33の段
付き穴33bに嵌合させる。このように嵌合させること
によって、リベット32の後端面37aとストッパプレ
ート29のアーマチュア側端面がアーマチュア33に当
接する。
【0042】次に、加圧装置によって上型43を下降さ
せる。図6に示すように、押圧プレート56がアーマチ
ュア33に当接しこれを下方へ押圧すると、これに応じ
て可動シャフト47が上方から押圧され、圧縮コイルば
ね48の弾発力に抗して下がる。このとき、可動シャフ
ト47は下端がダイホルダー46に当接するまで下降す
る。可動シャフト47の下降が停止すると、押圧プレー
ト56は下方への移動が阻止され、パンチプレート54
およびパンチ55がダンパブロック57を圧縮しながら
下降する。
【0043】その後、パンチ55の下端がリベット32
の小径部38に上方から当接する。この状態でさらにパ
ンチ55が下降することによって、リベット32は両端
から挟圧されるようになり、図7に示すように、前記小
径部38が段付き穴33b内で塑性変形し、アーマチュ
ア33にかしめによって固定される。このとき、リベッ
ト32の大径部37は、軸線方向に圧縮され図6に示し
た寸法L0 から図7に示した寸法L1 になることに起因
して径が大きくなるように歪む。この歪みは、パンチ5
5による加圧が終了した後も残留歪みとして残る。図7
中には大径部37が上述したように歪むときの大径部3
7の外形線を二点鎖線で示している。なお、この二点鎖
線は、大径部37の歪みを理解し易いように、実際より
誇張して描いてある。このように前記大径部37が歪む
ことによって、ダンパゴム31が前記歪みの分だけダン
パカバー30内でリベット32の径方向に圧縮される。
【0044】また、ダンパゴム31は、その中央部が寸
法(L0−L1)/2分アーマチュア33側に引っ張られ
て弾性変形する。この結果、ダンパゴム31はアーマチ
ュア33をストッパプレート29に引き付けるように弾
発力が生じる。
【0045】このようにかしめ加工を実施することによ
って、アーマチュア33がダンパゴム31、リベット3
2およびダンパカバー30を介してストッパプレート2
9に組付けられる。しかる後、上型43を上昇させ、ス
トッパプレート29およびアーマチュア33を下型42
から取出すことによりダンパゴム取付工程が終了する。
なお、前記かしめ加工時には、ダンパゴム31における
リベット32の先端を覆う薄膜状部分がリベット32と
受圧用パッド49とに挟まれて圧縮されるが、かしめ加
工時に加える荷重では弾性限度を越えることがないの
で、ここに亀裂が生じることはない。
【0046】このように構成した電磁クラッチ23は、
エンジン運転時にはロータ24が回転し、この状態で電
磁コイル25bを励磁させることによって、アーマチュ
ア33がダンパゴム31の弾発力に抗してロータ24に
磁気吸着される。すなわち、リベット32がアーマチュ
ア33とともにロータ24側へ移動し、これに伴ってダ
ンパゴム31の中心部が弾性変形する。このようにダン
パゴム31が弾性変形することにより、アーマチュア3
3がロータ24に磁気吸着されるときの吸着音が低減さ
れ、しかも衝撃が緩和される。
【0047】上述したようにロータ24にアーマチュア
33が連結することによって、ロータ24の回転がアー
マチュア組立体26を介して回転軸22に伝達される。
なお、この状態で電磁コイル25bの励磁を解くと、ダ
ンパゴム31の弾発力によってアーマチュア33がロー
タ24から引離され、ストッパプレート29に当接する
初期位置に復帰する。
【0048】また、ダンパゴム31は、リベット32の
かしめ加工時に大径部37の歪みの分だけ軸線方向と径
方向へ圧縮されるため、硬度が増した状態でストッパプ
レート29に取付けられ、電磁コイル25bが非励磁状
態にあるとき、すなわち非連結時にはアーマチュア33
を高い拘束力をもって保持する。しかも、ダンパゴム3
1は硬度が増しながらもリベット32の軸方向へは殆ど
圧縮されてないので、連結時にダンパゴム31が弾性変
形するときの弾発力は、前記図13〜図15で示した従
来の取付方法を採って連結方向へ予め圧縮させておく場
合に較べて小さくなる。
【0049】従来の取付方法でダンパゴムを取付けたと
きと、この実施の形態で示した取付方法でダンパゴムを
取付けたときの特性の違いを図8に示す。図8において
は、ダンパゴム31をストッパプレート29に組付けた
状態(アーマチュア33が初期位置にある状態)が変形
量0の状態とし、アーマチュア33がスリップすること
なくロータ24と一体に回転するようにロータ24に磁
気吸着された状態が変形量Qの状態としている。
【0050】すなわち、従来の取付方法を採ると、初期
位置におけるアーマチュア33の保持力は、荷重P0で
あり変形量Qにおいて荷重P1である。本発明の取付方
法を採ると、初期位置におけるアーマチュア33の保持
力は、荷重P0 より小さい値の荷重P2であり、変形量
Qにおいては、荷重P1より小さい値の荷重P3 であ
る。
【0051】第2の実施の形態ストッパプレートには、
非連結時にアーマチュアが当接する突起を設けることが
できる。この実施の形態の一例を図9ないし図12によ
って詳細に説明する。図9はダンパゴム取付部分を拡大
して示す断面図、図10は下型にストッパプレートおよ
びアーマチュアを装着した状態を示す断面図、図11は
アーマチュアを押圧プレートが押圧している状態を示す
断面図、図12はかしめ加工を実施している状態を示す
断面図である。これらの図において前記図1ないし図8
で説明したものと同一もしくは同等部材については、同
一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0052】これらの図に示すストッパプレート29
は、アーマチュア33側の端面に突起61を一体に形成
している。この突起61は、図1中に二点鎖線で示すよ
うに、正面視において正三角形状のストッパプレート2
9の各辺の中央となる部位に形成している。このため、
突起61はストッパプレート29の3箇所に形成されて
いる。なお、図9ないし図12の突起61は、便宜上、
リベット32の中心とストッパプレート29の中心とを
結ぶ線上に図示されている。
【0053】このように突起61をストッパプレート2
9に形成すると、電磁コイル25bの励磁を解いてアー
マチュア33がストッパプレート29側に戻るときに、
これら両者の互いに対向する側面どうしが当接すること
がないので、アーマチュア解放音が低く抑えられる。な
お、前記突起61は、ストッパプレート29に一体に形
成しなくてもよく、例えばゴム製突起をストッパプレー
ト29に固着させてもよい。
【0054】上述したように突起61をストッパプレー
ト29に設ける構成でも、ダンパゴム31は第1の実施
の形態を採るときと同じ手法によって取付ける。すなわ
ち、先ず、図10に示すように、プレス装置41の下型
42にダンパゴム31、リベット32を装着したストッ
パプレート29と、アーマチュア33とを載置する。こ
のときには、前記突起61とアーマチュア33との間に
同図中に寸法Iだけ隙間が形成されるようにする。
【0055】その後、図11に示すように、上型43の
押圧プレート56でアーマチュア33を上方から押圧
し、さらに、図12に示すように、パンチ55でリベッ
ト32の小径部38を塑性変形させる。このとき、リベ
ット32の大径部37が軸線方向に圧縮されて歪み、軸
線方向の長さが図11に示した寸法L2 から図12に示
した寸法L3 に短くなるので、前記突起61とアーマチ
ュア33との隙間がなくなる。このように構成しても第
1の実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
【0056】なお、上記第1および第2の実施の形態で
は、ダンパゴム31をリベット32に加硫接着によって
固着させたが、本発明はこのような限定にとらわれるこ
となく、ダンパゴム31をリベット32に接着剤により
固着する取付方法を採ることもできる。また、ストッパ
プレート29に溶接されたダンパカバー30の内方空間
をカップ状ダンパゴム保持部として構成したが、これら
ストッパプレート29とダンパカバー30は合成樹脂材
料により一体に形成することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電磁連
結装置のダンパゴム取付方法は、ダンパゴムを大径部に
取付けたピンの小径部をアーマチュアにかしめによって
固定するときに、ダンパゴムがカップ状のダンパゴム保
持部に保持されるとともにピンの大径部の小径部側端面
がアーマチュアに当接する状態でピンの両端を加圧して
実施するため、かしめ工程でピンの大径部が軸線方向に
圧縮されて径方向に大きくなるように歪み、この歪みの
分だけダンパゴムがピンの軸線方向と径方向に圧縮され
る。
【0058】したがって、ダンパゴムは前記圧縮により
硬度が増しながらも軸方向へは殆ど圧縮されない状態で
取付けられるから、電磁コイルが非励磁状態にあると
き、すなわち非連結時にはアーマチュアをダンパゴムの
許容範囲内の低荷重で保持することができる。また、連
結時におけるダンパゴムの弾発力(抵抗)は、従来のよ
うな連結方向へ予め圧縮させておく場合に較べて小さく
なる。このため、本発明に係る取付方法によってダンパ
ゴムを取付けた電磁連結装置は、長期間にわたって使用
してエアギャップが拡がったとしても、従来に較べてダ
ンパゴムの荷重が高くならないので円滑に連結するし、
アーマチュアが初期位置に確実に保持される。また、ダ
ンパゴム保持部内におけるダンパゴムの圧入度合いが増
すので、熱劣化収縮に起因するダンパゴムの飛び出しが
防止され、ダンパゴムはダンパゴム保持部内に確実に保
持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダンパゴム取付方法によってダ
ンパゴムを取付けた電磁連結装置の正面図である。
【図2】 図1におけるII−II線断面図である。
【図3】 ダンパゴム取付部分を拡大して示す断面図で
ある。
【図4】 本発明に係るダンパゴム取付方法を実施する
際に使用するプレス装置の縦断面図である。
【図5】 下型にストッパプレートおよびアーマチュア
を装着した状態を示す断面図である。
【図6】 アーマチュアを押圧プレートが押圧している
状態を示す断面図である。
【図7】 かしめ加工を実施している状態を示す断面図
である。
【図8】 ダンパゴムの変形量と荷重の関係を示すグラ
フである。
【図9】 ダンパゴム取付部分を拡大して示す断面図で
ある。
【図10】 下型にストッパプレートおよびアーマチュ
アを装着した状態を示す断面図である。
【図11】 アーマチュアを押圧プレートが押圧してい
る状態を示す断面図である。
【図12】 かしめ加工を実施している状態を示す断面
図である。
【図13】 従来の取付方法でダンパゴムを取付けた電
磁クラッチの断面図である。
【図14】 リベットをかしめ装置の下型に支承させた
状態を示す断面図である。
【図15】 かしめ時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
23…電磁クラッチ、29…ストッパプレート、30…
ダンパカバー、31…ダンパゴム、32…リベット、3
3…アーマチュア、37…大径部、38…小径部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーマチュアに一端の小径部がかしめに
    よって固定されるピンの他端の大径部と、この大径部が
    臨むストッパプレートのカップ状ダンパゴム保持部との
    間にダンパゴムを固定する電磁連結装置のダンパゴム取
    付方法であって、前記ダンパゴムを前記ピンの大径部と
    前記ダンパゴム保持部のそれぞれに全周にわたって接触
    する状態で固定して前記ピンの小径部をストッパプレー
    トからアーマチュア側へ突出させ、次いで、このピンの
    大径部における小径部側の端面にアーマチュアを当接さ
    せ、しかる後、前記ピンの両端を加圧し、前記小径部を
    アーマチュアにかしめによって固定することを特徴とす
    る電磁連結装置のダンパゴム取付方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁連結装置のダンパゴ
    ム取付方法において、ダンパゴムをピンの大径部に加硫
    接着によって固着させかつダンパゴム保持部に圧入によ
    って固定することを特徴とする電磁連結装置のダンパゴ
    ム取付方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6095305A (en) * 1998-08-04 2000-08-01 Ogura Clutch Co., Ltd. Electromagnetic coupling device with noise damper

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6095305A (en) * 1998-08-04 2000-08-01 Ogura Clutch Co., Ltd. Electromagnetic coupling device with noise damper

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