JPH0994439A - ポッティング材及び中空糸膜モジュール - Google Patents

ポッティング材及び中空糸膜モジュール

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JPH0994439A
JPH0994439A JP25360295A JP25360295A JPH0994439A JP H0994439 A JPH0994439 A JP H0994439A JP 25360295 A JP25360295 A JP 25360295A JP 25360295 A JP25360295 A JP 25360295A JP H0994439 A JPH0994439 A JP H0994439A
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謙治 亘
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允雄 千賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱水処理を行ないうる中空糸膜モジュール
作成用ポッティング材と、このポッティング材を用いて
作った耐熱性の優れた中空糸膜モジュールを得ること。 【解決手段】 ビスフェノール型エポキシ樹脂100重
量部に対し、ポリサルファイド液状ポリマーを0.00
3〜0.25重量部配合した組成よりなる中空糸膜モジ
ュール作成用ポッティング材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質膜モジュー
ルにおける多孔質膜とモジュールケースを接着固定する
ポッティング材、及び該ポッティング材にて多孔質中空
糸膜の開口端をモジュールケース内に固定した中空糸膜
モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液体及び気体の濾過能力を有する
膜モジュールが、医療分野、食品分野などで多く用いら
れるようになってきた。最近では、膜モジュールの濾過
能力に加え、特に耐熱性、耐薬品性を備えた膜モジュー
ル開発の要求される分野への利用が拡がりつつある。例
えば、耐熱性の膜としては、ポリスルホン、ポリプロピ
レンなどの耐熱性の高い素材を用いた膜が挙げられる。
これらの耐熱性多孔質膜を用いてモジュールを作るに
は、モジュールケースやポッティング材についても耐熱
性が要求される。ここで用いる膜の形態は、従来は平膜
が一般的であったが、最近では、同じモジュール容積で
平膜よりも大きな膜面積が得られる、中空糸膜タイプの
膜を用いたモジュールが利用されるようになっている。
【0003】また、モジュールケースとしては、既存の
耐熱性素材をモジュールケースとして成型したものを用
いることができるが、ポッティング材においては、耐熱
性の接着剤が基本となり、現在開発されている耐熱性接
着剤では膜とモジュールケースの接着性が良好なものは
見出されていない。これまでに若干耐熱性は劣るものの
ポリエチレン製の多孔質膜を用いた耐熱性膜モジュール
が提案されている。この膜モジュールにおけるポッティ
ング材としてビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサル
ファイド液状ゴムまたはポリサルファイド結合を有する
エポキシ樹脂、及び脂環式アミンを含有してなるポッテ
ィング材が特開平2−293024号に提案されてい
る。一般的に使用されているビスフェノール型エポキシ
樹脂はその硬化時の発熱温度が、ポリエチレンの融点近
傍以上となるためポリエチレン多孔質膜のポッティング
には使用できなかったのであるが、上記発明においては
ビスフェノール型エポキシ樹脂の硬化時の発熱温度を下
げる目的で、ポリサルファイド液状ゴムあるいはポリサ
ルファイド結合を有するエポキシ樹脂を混合したもので
ある。ポリサルファイドを含む直鎖状分子をビスフェノ
ール型エポキシ樹脂に配合することで、該ポッティング
材の硬化後の樹脂は、柔軟性、耐衝撃性が付与されてお
り、かつ、接着性の向上、硬化時の収縮減少などの効果
が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した発明のポッテ
ィング材は、耐熱水性、あるいは耐薬品性を要求される
膜モジュール用のポッティング剤として一部の用途で利
用されている。しかしながら、上記のポッティング材を
用いて作った膜モジュールでも、例えば80〜90℃の
熱水の長期に亘る濾過、あるいは膜モジュールの120
℃以上の蒸気滅菌などを行なう場合には、ポッティング
材の強度や接着性が必ずしも十分とは言いがたい。ポリ
サルファイド系の直鎖状ポリマーをビスフェノール型エ
ポキシ樹脂に相当量配合することで、その硬化物の柔軟
性を与え、また、ポッティング材の硬化時の収縮を減少
させるなどの効果が得られるが、硬化物そのものの強度
が減少し、耐熱性で重要な指標であるガラス転移温度も
下げる。
【0005】また、ポリサルファイド系のポリマーの相
当量の配合したポッティング材を用いて作った膜モジュ
ールにて水等を濾過する場合には、濾過液にポッティン
グ材構成成分の溶出が認められ、この溶出傾向はポリサ
ルファイド系ポリマーの含有割合を増したポッティング
材ほど増大する傾向があることから、この溶出成分はポ
リサルファイド系ポリマーと考えられる。超純水の製造
やメディカル、食品用途等において用いる膜モジュール
よりのこのような溶出はできる限り抑えることが重要で
ある。本発明は、多孔質膜モジュールのポッティング材
におけるこのような課題を解決したものであり、耐熱
性、低溶出性、ポッティングのし易さに優れたポッティ
ング材、並びに(該ポッティング材を用いて作った耐熱
性、低溶出性に優れた中空糸膜モジュールを提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、多孔質膜モジュールにおける多孔質膜の端部とモ
ジュールケースを接着固定するポッティング材におい
て、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド
液状ポリマー、及びポリアミン系硬化剤のそれぞれを含
有してなる樹脂硬化物よりなり、ポリサルファイド液状
ポリマーの重量aとビスフェノール型エポキシ樹脂の重
量bの比a/bが0.003〜0.25であることを特
徴とする多孔質膜モジュールのポッティング材よりなる
発明と、該ポッティング材と多孔質中空糸膜を用いて、
多孔質中空糸膜の端部をモジュールケース内にポッティ
ングした中空糸膜モジュールの発明とよりなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を実施するに際して用いる
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、各種のビスフ
ェノールにエピクロルヒドリンを反応させて製造された
ものを用いることができ、本発明においては特に限定さ
れない。代表的なビスフェノールとしては、アセトンと
の縮合で製造されるビスフェノールA、ホルマリンとの
縮合で製造されるビスフェノールF、及び硫酸との縮合
で製造されるビスフェノールSが挙げられる。また、特
に優れた耐候性を要求される場合には水素添加ビスフェ
ノールAやブロムやフッ素等のハロゲン化ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂も用いることができる。
【0008】ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ
当量としては、130〜500のものが好ましく、15
0〜350のものがより好ましい。エポキシ当量が13
0以上のエポキシ樹脂はその硬化樹脂の耐熱性がとくに
良好であり、一方、エポキシ当量が500以下のエポキ
シ樹脂はその粘度が余り高くなく、取扱いが良好であ
る。
【0009】最近では、エポキシ樹脂硬化物の硬くて脆
いという性質を改善し靱性を付与する目的で、種々のゴ
ム成分で変性されたエポキシ樹脂が上市されている。こ
のようなゴム変性エポキシ樹脂は、変性前のエポキシか
ら耐熱性を維持したまま靱性が改善されている。このよ
うなゴム変性エポキシ樹脂の硬化物は、硬化収縮歪み、
内部応力、外部応力等をゴム相で吸収することができ、
常に圧力が加わるような箇所の接着剤として有用であ
る。本発明のポッティング材においても、膜モジュール
のポッティング材として、モジュール加工時、使用時に
発生する様々な応力を吸収し、耐久性向上する能力を有
していることが必要であり、エポキシ樹脂として、ゴム
変性の、あるいは、ゴム分散型のエポキシ樹脂を用いる
ことにより、その目的を効率よく達成することができ
る。
【0010】本発明において好しく用いられるゴム変性
エポキシ樹脂中に含まれるゴムとしては、ポリブチレ
ン、ポリブタジエン(PBR)、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体(NBR)、ニトリルゴム、シリコン
ゴム、カルボキシル末端ポリブタジエン−アクリロニト
リル共重合体ゴム(CTBN)等種々のゴムが挙げられ
る。これらのゴム変性エポキシ樹脂は、硬化前は一様に
ゴム分子がエポキシ樹脂中に溶解分散しているが、硬化
後ゴム分子が凝集し、エポキシ樹脂相中にミクロ相分離
構造を形成する。このミクロ分散相ゴム相がポッティン
グ部の様々な応力を吸収する。
【0011】また、本発明を実施するに際して用いるゴ
ム微粒子分散型エポキシ樹脂は、その硬化条件にあまり
左右されることなくゴム、微粒子がミクロ相分離するよ
うな、ゴム微粒子分散エポキシ樹脂も本発明のゴム変性
エポキシ樹脂として挙げられる。このゴム微粒子として
は、アクリルゴム、フッ素系ゴム、ブタジエン系重合体
によるゴム、シリコンゴムが挙げられる。
【0012】なお、本発明で用いるエポキシ樹脂は、こ
れまでに述べたエポキシ樹脂を単独で用いても構わない
し、2種類以上の樹脂を混合して使用しても差し支えな
い。
【0013】ポリサルファイド液状ポリマーとしては、
主鎖に
【0014】
【数1】
【0015】なる結合を有し、場合により側鎖を有して
もよく、主鎖または側鎖の末端に2個以上のチオール基
を持つ液状ポリマーである。例えば、 HS−(C2 4 −O−CH2 −O−C2 4 −S−
S)n −C2 4 −O−CH2 −O−C2 4 −SH のような構造式をもつものが挙げられる。この液状ポリ
マーは、ポッティング部の気体、及び蒸気の遮断性、耐
酸化性、耐候性、良好な耐オゾン性、種々の溶剤、燃料
油、酸、アルカリに対する高い抵抗性、優れた低温特性
を与える。また、エポキシ樹脂と併用することにより、
ポッティング部に柔軟性、耐衝撃性を付与し、ハウジン
グや中空糸との接着性の向上、硬化時の収縮の減少など
様々な性能を向上させることができる。また、硬化時の
発熱を抑える効果も有する。
【0016】ポリサルファイド液状ポリマーの混合比は
ポリサルファイド液状ポリマーの重量aとビスフェノー
ル型エポキシ樹脂の重量bの比a/bが0.003〜
0.25好しくは0.05〜0.20になるようにポリ
サルファイド液状ポリマーを配合することが好ましい。
上記割合の組成物は本来のエポキシ樹脂の物性を低下さ
せず、この組成物より形成したポッティング部は熱水と
の長期接触においても物性を維持できること、かつ水へ
の溶出物を著るしく低減させることができる。
【0017】特開平2−293024号公報記載の発明
で用いられているポッティング材はビスフェノール型エ
ポキシ樹脂とポリサルファイド液状ゴムの混合比は、エ
ポキシ基数とチオール基数の比が1〜100、好ましく
は5〜50となる組成を有している。エポキシ基数とチ
オール基数の比が5〜50なるポッティング材を、特開
平2−293024号で実施例で用いられているエポキ
シ樹脂とポリサルファイド液状ゴムの組成より上記の重
量比a/bに換算すると0.21〜2.1の範囲にな
る。このような配合のポッティング材は、エポキシ樹脂
本来の物性、言い換えれば初期物性の低下、熱水への耐
久性の低下、並びにポッティング部からの溶出物が多
く、ポッティング材としては必ずしも好しくない。
【0018】本発明のポッティング材はポリサルファイ
ド液状ポリマーの配合比が前述した範囲にあるためであ
り、ポリスルホンのような耐熱性の素材の膜やモジュー
ルケースを用いてモジュールを作る際には前述した如き
優れた性能を有するポッティング部を形成することがで
きる。これに対し、特開平2−293024号公報に記
載された発明に比べてポリサルファイド液状ポリマーの
配合量が少ないため、本発明のポッティング材はエポキ
シ樹脂として、とくにゴム変性エポキシ樹脂を用いるこ
とにより、硬化時の収縮などの内部応力を緩和すること
ができる。
【0019】硬化剤としては任意のポリアミンを用いる
ことができ、具体例としては、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ジエチルアミノプロピルアミン等の直鎖脂肪族アミン、
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエ
チルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロ
ヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタン等の脂環式アミン、メタキシリレンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジ
アミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン、さらにポ
リアミドアミン等を挙げられる。これらは単独であるい
は混合して用いることができる。硬化剤として使用され
るポリアミンの量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基数か
ら配合されているポリサルファイド液状ポリマーのチオ
ール基数を差し引いたエポキシ基数と等量のアミノ基を
含むポリアミンの量を配合すれば良い。
【0020】モジュールケースとしては、各種の樹脂や
金属からなるものが使用できるが、樹脂製モジュールの
場合にはその耐熱水性、耐薬品性の良好なポリスルホン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂等を素材とするのがよい。ポリプロピレン樹脂製モ
ジュールケースとして用いる場合には、ポッティング剤
の接着性を向上させるためにケースの内表面を表面処理
したものであることが望ましい。ポリプロピレン樹脂の
表面処理としては、プラズマ放電処理、コロナ放電処
理、火炎処理、オゾン処理、クロム混酸処理、n−ヘキ
サン処理、プライマー塗布、表面粗面化等があり、これ
ら処理が単独であるいは併用して実施される。
【0021】本発明を実施するに際して用いる多孔質膜
の形態としては、平膜、管状膜、あるいは中空糸膜等任
意の形態の膜を用いることができる。特には、モジュー
ルの容積当たりの膜面積が大きくし、汚れ保持能力に優
れる中空糸形状の多孔質膜を利用することが好ましい。
また、多孔質膜の材質としては、例えばポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリ−
4−メチルペンテン−1、ポリプロピレン、ポリイミド
等の耐熱性の素材であれば差し支えない。またフラック
スに優れる膜素材として、ポリエーテルスルホンとポリ
アリールスルホンの混合物、とくに1/9〜9/1の重
量ccの混合物で作られた多孔質中空糸膜が好しい。
【0022】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0023】[実施例1]ビスフェノール型エポキシ樹
脂としてエピコート828(油化シェル(株)製エポキ
シ樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状ポリマー
としてLP−2(東レチオコール(株)製)15重量
部、並びに脂環式アミンとしてPACM(ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン;アンカーケミカル(株)
製)28重量部から成るポッティング剤を用い、中空系
膜をモジュールケースにポッティングした。中空糸膜
は、ポリエーテルスルホンとポリアリールスルホンの混
合物を湿式紡糸して得た、平均孔径0.1μmの多孔質
中空糸膜を用いた。長さ約50cmの中空糸膜3500
本をU字状にし、端部を揃え、筒状のポリスルホン製モ
ジュールケース内に挿入し、端面開口部の目止めを施し
た後、ポッティング剤を流し込み中空糸膜をポッティン
グした。ポッティングは、ポッティング樹脂注入を40
℃において30Gの遠心力作用下で2時間行い、80℃
で15時間のキュアーを行った。その後、ポッティング
樹脂と中空糸膜束の接着固定部の端部をカットして端面
に中空糸膜の開口状態を形成させた。上記の如くして作
成した中空糸膜モジュールのリーク検査は、リオン社製
のパーティクルカウンターを用い、大気中の0.3μm
以上の微粒子の除去性能を該中空糸膜モジュールについ
て評価した結果、0.3μm以上の微粒子の漏れは認め
られなかった。この中空糸膜モジュールに、80℃の温
水を差圧1.0kg/cm2 で6ヶ月間通水し、その後
中空糸膜モジュールを乾燥して前記のリーク検査を行っ
たが、0.3μm以上の微粒子の漏れはなかった。
【0024】[実施例2]ビスフェノール型エポキシ樹
脂としてゴム変性エポキシ樹脂であるエピクロンTSR
−960(大日本インキ化学工業(株)製;CTBN変
性エポキシ樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状
ポリマーとしてLP−2(東レチオコール社製)を10
重量部、並びに脂環式アミンとしてPACM(アンカー
ケミカル社製)23重量部とから成るポッティング剤を
用い、実施例1と同様の中空糸膜を実施例1と同様の中
空糸本数、モジュールケース、ポッティング法、キュア
ー条件を用いて、中空糸膜モジュールを作製した。実施
例1と同様のリーク検査において漏れは無く、80℃の
水を差圧1.0kg/cm2 で6ヶ月間通水した後のリ
ーク検査においても漏れは確認されなかった。
【0025】[実施例3]ビスフェノール型エポキシ樹
脂としてゴム変性エポキシ樹脂であるBPA328
((株)日本触媒製;アクリルゴム微粒子分散エポキシ
樹脂)100重量部、ポリサルファイド液状ポリマーと
してLP−2(東レチオコール社製)を5重量部、並び
に脂環式アミンとしてPACM(アンカーケミカル社
製)を23重量部から成るポッティング剤を用い、実施
例1と同様の中空糸膜を実施例1と同様の中空糸本数、
モジュールケース、ポッティング法、キュアー条件を用
いて中空糸膜モジュールを作製した。実施例1と同様の
リーク検査において漏れは無く、80℃の水を差圧1.
0kg/cm2 で6ヶ月間通水した後のリーク検査にお
いても漏れは確認されなかった。また、この中空糸膜モ
ジュールを121℃、30分間の蒸気滅菌処理を60回
行ったが、ケース部材とポッティング部間の剥離やポッ
ティング部の割れも無く、中空糸膜束の接着固定部にお
いて優れた接着性を示した。
【0026】[実施例4]ビスフェノール型エポキシ樹
脂としてBPA328(日本触媒社製)25重量部並び
にエピコート828(油化シェル社製)75重量部、ポ
リサルファイド液状ポリマーとしてLP−2(東レチオ
コール社製)5重量部、脂環式アミンとしてPACM
(アンカーケミカル社製)26重量部から成るポッティ
ング剤を用い、実施例1と同様にして中空糸膜モジュー
ルを作製した。実施例1と同様のリーク検査において漏
れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cm2 で6ヶ
月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認され
なかった。また、この中空糸膜モジュールについて、1
21℃、30分間の蒸気滅菌処理を60回行ったが、ケ
ース部材とポッティング部間の剥離やポッティング部の
割れも無く、中空糸膜束の接着固定部において優れた接
着性を示した。
【0027】[実施例5]モジュールケースがポリプロ
ピレン製のものを用いる以外は、実施例1と同様にして
中空糸膜モジュールを作製した。
【0028】[実施例6]モジュールケースとしてポリ
プロピレン製のものを用いる以外は、実施例2と同様に
して中空糸膜モジュールを作製した。
【0029】[実施例7]モジュールケースとしてポリ
プロピレン製のものを用いる以外は、実施例3と同様に
して中空糸膜モジュールを作製した。
【0030】[実施例8]モジュールケースがポリプロ
ピレン製であること以外は、実施例4と同様にして中空
糸膜モジュールを作製した。なお、実施例5〜8で使用
したポリプロピレン製モジュールケースは、その内表面
の要ポッティング個所にプライマーであるユニストール
P−401(三井石油化学工業(株)製)を塗布したも
のを用いた。
【0031】実施例5〜8で作製した中空糸膜モジュー
ルについて、実施例1と同様のリーク検査を行った結果
漏れは無く、80℃の水を差圧1.0kg/cm2 で6
ヶ月間通水した後のリーク検査においても漏れは確認さ
れなかった。
【0032】また、実施例7並びに実施例8で得た中空
糸膜モジュールについて、121℃、30分間の蒸気滅
菌処理を60回行ったが、ケース部材とポッティング部
間の剥離やポッティング部の割れも無く、中空糸膜束の
接着固定部において優れた接着性を示した。
【0033】[比較例1]ポッティング剤にポリサルフ
ァイド液状ポリマーを使用せず、エピコート828(油
化シェル社製)100重量部、PACM(アンカーケミ
カル社製)28重量部とから成るポッティング剤を用い
る以外実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作成
した。得られた膜モジュールはポッティング部とモジュ
ールケース内面の界面で剥離が生じ、また、ポッティン
グ材にクラックが入り、中空糸膜モジュールとして機能
しなかった。
【0034】[比較例2]エピコート828(油化シェ
ル社製)100重量部、LP−2(東レチオコール社
製)41重量部、PACM(アンカーケミカル社製)2
6.5重量部から成るポッティング剤を用いるほかは、
実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを作製した。
実施例1と同様のリーク検査については漏れは無かっ
た。しかし、80℃の熱水を差圧1kg/cm2 でモジ
ュールに通水すると10日後にモジュールケースとポッ
ティング樹脂間に剥離が生じ、漏れが生じた。
【0035】実施例1〜4並びに比較例1及び2で使用
したポッティング材の硬化物についてそれぞれの溶出性
と、樹脂硬化物を90℃の水中に1年間浸漬したものの
強度や弾性率の変化について測定した結果を表1に示し
た。また、比較例3及び比較例4で用いたポッティング
材の硬化物についても溶出性、及び強度並びに弾性率の
変化を測定した結果を表1に示した。なお、ポッティン
グ用樹脂の硬化については、実施例1におけるキュアー
と同様の条件で行った。溶出性については、それぞれの
組成からなる板状の樹脂硬化物を用い、28cm2 分を
500mlの超純水に浸漬し、90℃で24時間静置
後、樹脂板を浸漬していた上澄み液のTOC(全有機炭
素)濃度を測定して評価した。また、強度と弾性率につ
いては、長さ60mm、幅5mm、厚さ2mm大の樹脂
板を90℃の熱水に1年間浸漬したものについて曲げ試
験を行い、その時の強度と弾性率を測定した。表1に示
すようにポッティング材としてポリサルファイド液状ポ
リマーを所定量エポキシ樹脂に配合したものを用いるこ
とで、ポッティング部の初期物性を低下させること無
く、加熱状況下における強度等物性の変化が少ないモジ
ュールを作ることができた。また、本発明のポッティン
グ材はエポキシ樹脂に対するポリサルファイド液状ポリ
マーの配合量を減少させることによってその硬化物より
の溶出性を低く抑えることができた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のポッティング材は、所定量のポ
リサルファイド液状ポリマーをエポキシ樹脂に配合する
ことにより、ポッティング部の溶出性を低減し、かつ、
その初期物性を加熱環境下で長期安定に保持することが
できる。そして、このようなポッティング材を利用し、
耐熱性の中空糸膜、及び耐熱性素材からなるモジュール
ケースを組み合わせて作製された中空糸膜モジュール
は、高温下でも使用可能な耐熱性を有する。すなわち、
本発明の中空糸膜モジュールは、耐熱性の要求される熱
水濾過や蒸気滅菌処理等の高温下での使用においても、
ケース等支持体部材及び中空糸膜との接着固定部におけ
る漏れ等を発生することなく好適に使用しうるものであ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリサ
    ルファイド液状ポリマー、及びポリアミン系硬化剤を含
    有する、多孔質膜モジュール用ポッティング材であり、
    該ポッティング剤中に含まれるポリサルファイド液状ポ
    リマーの重量aとビスフェノール型エポキシ樹脂の重量
    bの比a/bが0.003〜0.25であることを特徴
    とする多孔質膜モジュール用ポッティング材。
  2. 【請求項2】 ビスフェノール型エポキシ樹脂がゴム変
    性のあるいはゴム分散型のエポキシ樹脂である請求項1
    記載のポッティング材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポッティング材に
    てモジュールケース内に配設した、多孔質中空糸膜の端
    部をモジュールケース内にポッティングした中空糸膜モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】 多孔質中空糸膜がポリスルホン系高分子
    製の多孔質中空糸膜であることを特徴とする請求項3記
    載の中空糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 多孔質中空糸膜がポリエーテルスルホン
    とポリアリールスルホンの混合物から成ることを特徴と
    する請求項3記載の中空糸膜モジュール。
  6. 【請求項6】 モジュールケースがポリスルホン樹脂製
    のケースまたは表面処理されたポリプロピレン樹脂製ケ
    ースであることを特徴とする請求項7記載の中空糸膜モ
    ジュール。
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