JPH09241046A - 積層体の圧着装置 - Google Patents

積層体の圧着装置

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Publication number
JPH09241046A
JPH09241046A JP5010996A JP5010996A JPH09241046A JP H09241046 A JPH09241046 A JP H09241046A JP 5010996 A JP5010996 A JP 5010996A JP 5010996 A JP5010996 A JP 5010996A JP H09241046 A JPH09241046 A JP H09241046A
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JP
Japan
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chamber
laminated body
glass plate
intermediate film
glass
Prior art date
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Pending
Application number
JP5010996A
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English (en)
Inventor
Tadao Izumitani
忠男 泉谷
Isao Otani
功 大谷
Hirobumi Omura
博文 尾村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス板61の間に中間膜62を挟んだ積層
体60を、ガラス板と中間膜の間に存在する空気を効率
よく排出し、簡単な操作で確実に圧着(例えば、予備圧
着)することができる積層体の圧着装置50を提供す
る。 【解決手段】 減圧可能な室10内が変形可能なフィル
ム又はシート13で上下に仕切られて減圧可能な上方室
11と下方室12とが形成され、上方室内の上部には加
熱器20が設けられ、下方室内には水平に置かれる積層
体60の上側ガラス板61を中間膜62から上方へ離し
て支える支持具40が設けられ、この支持具は外部から
の操作により上側ガラス板の支えが解除可能になされて
いる。なお、上方室11の天板17は透明なガラスで構
成し、この天板17の外側上方に加熱器40を設けても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合わせガラスを
製造する際に、ガラス板と中間膜との間に存在する空気
を効率的に排出することができる積層体の圧着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】無機又は有機のガラス板の間に、可塑化
ポリビニルブチラールシート等の軟質の熱可塑性樹脂シ
ートからなる中間膜を接着させた合わせガラスは、自動
車、航空機、建築物などの窓ガラスに広く使用されてい
る。
【0003】この種の合わせガラスは、一般に、ガラス
板の間に中間膜を挟んだ積層体を、ゴムバックに入れて
減圧吸引することによりガラス板と中間膜との間に存在
する空気を排出し、この状態を保ったまま積層体を加熱
することにより予備圧着し、その後、この予備圧着を終
えた積層体を、オートクレーブ内で加熱加圧することに
より本圧着して製造される。この方法は真空合わせ法と
呼ばれ、合わせガラスの製造に広く採用されている。
【0004】上記中間膜には、通常、中間膜同士の耐ブ
ロッキング性、ガラス板の間に中間膜を挟む際の取扱い
作業性及び予備圧着工程での脱気性をよくするために、
その両面に微細な凹凸からなるエンボスが形成されてい
る。特に、予備圧着工程での脱気性は合わせガラスの品
質を大きく左右し、この脱気が不充分であると、ガラス
板と中間膜との界面に気泡が発生して、合わせガラスの
透明性が悪くなったりする。そこで、脱気性の良好なエ
ンボスの形態について、種々の提案がなされている(例
えば、特公平1−32776号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ゴムバック
を用いる真空合わせ法により合わせガラスを製造する場
合、真空減圧が始まると同時に外圧がゴムバックの外側
から積層体に自然にかかり、そのため両面に脱気用のエ
ンボスが形成された中間膜を用いても、ガラス板と中間
膜との界面における脱気の通路が狭くなって、その界面
に存在する空気が抜け難くなる。
【0006】その結果、中央部に空気が残存したまま積
層体の周辺部が先に圧着される所謂周辺シールが生じ、
得られる合わせガラスに脱気不充分による気泡が発生し
て、合わせガラスの透明性が悪くなったりする。このよ
うな欠陥は、特に、最近その用途が拡大している広い合
わせガラスや曲率が大きい合わせガラスを製造する場
合、或いは通常の合わせガラスを製造する場合でも、合
わせガラスの生産性(特に、予備圧着工程でのライン速
度)を上げる場合に発生しやすい。
【0007】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、圧着工程(例えば、予備
圧着工程)での脱気性に優れ、ガラス板の間に中間膜を
挟んだ積層体を簡単な操作で確実に圧着(例えば、予備
圧着)することができる積層体の圧着装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の積層体の圧着
装置のうち、請求項1の積層体の圧着装置は、ガラス板
の間に中間膜を挟んだ積層体を、減圧可能な室内で吸引
減圧してガラス板と中間膜との間に存在する空気を排出
し、この積層体を加熱圧着する積層体の圧着装置であっ
て、減圧可能な室内が変形可能なフィルム又はシートで
上下に仕切られて減圧可能な上方室と下方室とが形成さ
れ、上方室内の上部には加熱器が設けられ、下方室内に
は水平に置かれる積層体の上側ガラス板を中間膜から上
方へ離して支える支持具が設けられ、この支持具は外部
からの操作により上側ガラス板の支えが解除可能になさ
れていることを特徴とし、それにより上記の目的を達成
することができる。
【0009】また、請求項2の積層体の圧着装置は、ガ
ラス板の間に中間膜を挟んだ積層体を、減圧可能な室内
で吸引減圧してガラス板と中間膜との間に存在する空気
を排出し、この積層体を加熱圧着する積層体の圧着装置
であって、減圧可能な室内が変形可能なフィルム又はシ
ートで上下に仕切られて減圧可能な上方室と下方室とが
形成され、上方室の天板は透明なガラスからなりこの天
板の外側上方に加熱器が設けられ、下方室内には水平に
置かれる積層体の上側ガラス板を中間膜から上方へ離し
て支える支持具が設けられ、この支持具は外部からの操
作により上側ガラス板の支えが解除可能になされている
ことを特徴とし、それにより上記の目的を達成すること
ができる。
【0010】以下、図面を参照しながら、この発明の圧
着装置の構成をその作用とともに詳しく説明する。図1
は、請求項1の発明に係る積層体の圧着装置の一例を示
す縦断面図である。図1において、10は減圧可能な室
であって、この減圧可能な室10は、変形可能なフィル
ム又はシート13により上下に仕切られ、それにより減
圧可能な上方室11と減圧可能な下方室12とが形成さ
れている。ここで、変形可能なフィルム又はシートと
は、上方室11が大気圧近傍で、下方室12が10〜2
00mmHg程度の真空になされた時に適度に伸張し、下
方に膨らむような変形ができるフィルム又はシートを意
味する。
【0011】具体的には、上下に分離可能な上方室11
と下方室12とを用意し、この下方室12の上に上記大
気圧近傍で変形可能なフィルム又はシート13を水平に
張設し、その上から上方室11をシール材14を介して
嵌合することにより、減圧可能な上方室11と下方室1
2とが形成されている。ここで、大気圧近傍で変形可能
なフィルム又はシート13としては、例えば、厚さ50
〜100μm 程度のポリエステルフィルム、シリコンゴ
ムシート、フッ素ゴムシートなど耐熱性と剥離性の良好
なフィルム又はシートが好適に用いられる。
【0012】なお、上方室11と下方室12との嵌合
は、上方室11を区画する壁体が重い場合は、単に下方
室12に上方室11をシール材14を介して重ね合わせ
るだけで、所望の気密を保持することができる。また、
上方室11が軽い場合や気密を一層上げたい場合には、
上方室11と下方室12との重ね合わせ部の外周にそれ
ぞれフランジを設けておき、このフランジ同士をボルト
・ナットで締め付けるように構成する。さらに、上方室
11と下方室12との重ね合わせ部の一辺に丁番を取り
付け、これを軸として開閉可能に構成し、フランジ同士
をボルト・ナットで締め付けるように構成してもよい。
【0013】そして、上方室11及び下方室12には、
それぞれ排気・入気孔15及び排気・入気孔16が設け
られ、それぞれの排気・入気孔15及び16から真空ポ
ンプを用いて、上方室11及び下方室12の中の空気を
排出することにより、上方室11及び下方室12が減圧
され、またそれぞれの排気・入気孔15及び16を大気
へ開放することにより、上方室11及び下方室12が自
然に大気圧となるように構成されている。
【0014】さらに、上方室11内の上方の天板17に
は、ガラス板61と中間膜62とからなる積層体60を
加熱するために、複数本の赤外線ヒーター等からなる輻
射型の加熱器20が設けられている。また、下方室12
内には、ガラス板と中間膜とからなる積層体60を水平
に載置するための水平台30が設けられ、さらにこの水
平台30の上の一端部には、積層体60が移動してずれ
ないように規制するための規制具31が取付けられてい
る。なお、この規制具31は、水平台30の上の両端部
に設けて積層体60を両側から規制するようにしてもよ
い。また、規制具31は全く取付けなくてもよい。
【0015】しかして、下方室12内の側壁には、上記
積層体60の上側ガラス板61を中間膜62から上方へ
離して支えるための支持具40が設けられている。この
支持具40の形状は図示のものに限らず、支持具40と
して、後述の作用を有する形状であればよい。この支持
具40は、積層体60の上側ガラス板61の一端のみを
図示のように水平に支えるために、下方室12内の側壁
に一箇所設けるのが好ましいが、下方室12内の側壁に
相対して二箇所設けて、積層体60の上側ガラス板61
の両端を支えるように構成してもよい。
【0016】また、上記支持具40には、側壁を貫通し
て外方へ延びる摘み(把手)41が形成されており、こ
の摘み41を外部から操作して後方(下方室12の外側
方向)へ引くことによって、支持具40を側壁方向に水
平に移動させ、それにより積層体60の上側ガラス板6
1から支持具40が外れて、積層体60の上側ガラス板
61の支えが解除可能になされている。摘み41に相当
する部分は、ボルト・ナット方式とし、ナットを右回転
させることにより支持具40を側壁方向に水平に移動さ
せるように構成してもよい。なお、42はシール材であ
って、下方室12の側壁と支持具40とを気密にするた
めのものである。
【0017】なお、上例においては、支持具40を側壁
方向に水平に移動させ、それにより積層体60の上側ガ
ラス板61から支持具40が外れるように構成している
が、支持具40の摘み41を左右に回転させることによ
り支持具40を左右に円弧状に回動させ、それにより積
層体60の上側ガラス板61から支持具40が外れるよ
うに構成することもできる。こうして、請求項1の発明
に係る積層体の圧着装置50が構成される。
【0018】図2は、請求項2の発明に係る積層体の圧
着装置の一例を示す縦断面図である。この図2において
は、上方室11の天板17は、赤外線ヒーター等からな
る輻射型の加熱器20から発射される熱線の透過性をよ
くするために、透明なガラスから構成され、そして、こ
の天板17の外側上方に、加熱器20が設けられてい
る。この部分が図1の圧着装置と異なり、その他の部分
は図1と同じである。したがって、図1と同じ部分は同
じ符号を付してその説明を省略する。
【0019】具体的には、上方室11の上端開口部に透
明なガラスからなる天板17が気密に被蓋されている。
そして、加熱器20はカバー枠21に取付けられ、この
カバー枠21の下端部は上方室11の側壁の外側に沿っ
て上下に移動可能になされ、さらに位置調整ボルト22
を、上方室11の側壁の所望の位置にセットすることに
よりカバー枠21を所望の位置に固定し、それにより加
熱器20と積層体60との距離を調整して、積層体60
の温度を調節できるようになされている。
【0020】このように構成すると、加熱器20からの
熱線が天板17の透明なガラスをよく透過し、積層体6
0が加熱器20の電圧の調節のみならず、加熱器20を
上下に移動させることにより、積層体60の温度を自在
に加熱することが可能となる。しかも、加熱器20が故
障したときの修理及び取替えが容易となる。また、加熱
器20からの熱線が天板17の透明なガラスをよく透過
し、積層体60の加熱が妨げられることがない。こうし
て、請求項2の発明に係る積層体の圧着装置50が構成
される。
【0021】この発明の積層体の圧着装置50を用い
て、ガラス板61の間に中間膜62を挟んだ積層体60
を圧着(予備圧着)するには、次のように行う。先ず、
図1において、上方室11と下方室12とを分離してお
いて、下方室12内の水平台30の上に、ガラス板61
の間に中間膜62を挟んだ積層体60を載置する。ここ
で、ガラス板61としては、透明なフロートガラス等の
無機ガラス板、透明なアクリル板やポリカーボネート等
の有機ガラス板が用いられる。
【0022】また、中間膜62としては、従来の合わせ
ガラスの中間膜に用いられている軟質の熱可塑性樹脂シ
ートが使用される。例えば、可塑化ポリビニルブチラー
ル樹脂シートなどの可塑化ポリビニルアセタール樹脂シ
ート、エチレン−酢酸ビニル系樹脂シート、エチレン−
エチルアクリレート系樹脂シート、ポリウレタン系樹脂
シート、可塑化塩化ビニル系樹脂シート等が用いられ
る。なお、中間膜62の両面には、通常、中間膜同士の
耐ブロッキング性、ガラス板の間に中間膜を挟む際の取
扱い作業性及び予備圧着工程での脱気性をよくするため
に、公知の方法で微細な凹凸からなるエンボスが形成さ
れている。
【0023】そして、積層体60の上側ガラス板61の
一端部を手で上方へ持ち上げ、この状態で、支持具40
の摘み41を前方(下方室12の中央方向)へ押して水
平に移動させ、図示のように支持具40の水平な先端部
に上側ガラス板61の一端部を載せる。こうして、上側
ガラス板61の一端部を中間膜62から上方へ離して支
える。そうすると、上側ガラス板61と中間膜62の間
に隙間が形成される。なお、積層体60の他端は、規制
具31でずれないように位置決めされる。
【0024】次いで、下方室12の上に大気圧近傍で変
形可能なフィルム又はシート13を張設し、その上から
上方室11をシール材14を介して嵌合する。こうし
て、減圧可能な上方室11と下方室12とが形成され
る。その後、排気・入気孔15及び排気・入気孔16か
ら真空ポンプにより排気して、上方室11及び下方室1
2を真空減圧する。上方室11及び下方室12の真空度
は、いずれも同程度の真空度とされ、一般に絶対圧力で
200mmHg以下、好ましくは100〜10mmHg程度
とされる。
【0025】このように、上方室11及び下方室12と
が同程度の真空度に減圧されると、上側ガラス板61と
中間膜62との間の隙間があり、しかも下側ガラス板6
1と中間膜62とが軽く接しており、従来のゴムバック
を用いる真空合わせ法のように真空減圧が始まると同時
に外圧がゴムバックの外側から積層体に自然にかかるよ
うなことがなくなる。そのため、上側ガラス板61と中
間膜62との間に介在する空気は勿論のこと、中間膜6
2と下側ガラス板61との間に介在する空気も十分に脱
気される。
【0026】その後、上記支持具40の摘み41を外部
から操作して、後方(下方室12の外側方向)に引い
て、支持具40を側壁方向に水平に移動させる。そうす
ると、積層体60の上側ガラス板61は支持具40から
外れ、積層体60の上側ガラス板61の支えが解除さ
れ、それにより上側ガラス板61は中間膜62の上へ落
下(移動)する。そして、この状態で、上方室11の排
気・入気孔15を大気へ開放すると、上方室11が自然
に大気圧となり、その気圧差によりフィルム又はシート
13は下方室12の方向へ伸びて、上側ガラス板61の
上から積層体60を押圧する。この際、フィルム又はシ
ート13が伸びにくいようであれば、複数本の赤外線ヒ
ーター等からなる輻射型の加熱器20の電圧を調節し
て、僅かに(例えば50℃以下)加熱しておいてもよ
い。
【0027】この状態で、加熱器20の電源を入れ電圧
を調節することにより、積層体60を加熱し中間膜62
を所望の温度に加熱すると、上下のガラス板61と中間
膜62とが熱圧着され一体化される。加熱条件は中間膜
62の種類により異なり、例えば、中間膜62が可塑化
ポリビニルブチラール樹脂シートからなる場合は、好ま
しくは約70〜110℃で予備圧着される。また、中間
膜62がエチレン−酢酸ビニル系樹脂シートからなる場
合は、予備圧着は必ずしも必要とせず、予備圧着工程が
省略され、好ましくは約80〜120℃で直接本圧着さ
れる。
【0028】積層体60を一定時間所望の温度に加熱保
持した後冷却し、下方室12の排気・入気孔16を大気
へ開放して下方室12を大気圧とする。その後、上方室
11と下方室12とを分離し、さらにフィルム又はシー
ト13を除去して積層体60を取り出す。フィルム又は
シート13は、しわ等の欠陥がなければ再使用される。
ここで、中間膜62が、可塑化ポリビニルブチラール樹
脂シートの場合は、積層体60は、通常、本圧着工程に
送られ、オートクレーブに入れられ約120〜150℃
の温度、約10〜15 kg/cm2の圧力で高温高圧処理を
受けることにより合わせガラスとされる。
【0029】なお、合わせガラスの積層構成は、ガラス
板/中間膜/ガラス板の三層構成のみならず、例えば、
ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板のよう
な多層構成とすることができる。この場合、最上のガラ
ス板を中間膜から上方へ離して支持具により支えてもよ
く、中央のガラス板をその上の中間膜とガラス板と共に
支持具により支えてもよい。また、最上のガラス板を支
持具により支え、さらに中央のガラス板をその上の中間
膜と共に別の支持具により支えることも可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例及び比較
例を示す。実施例1 ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、残存
アセチル基1モル%、ブチラール化度65モル%)10
0重量部に、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ
−2−エチルブチレート40重量部と、接着力調整剤と
して酢酸マグネシウム0.2重量部を混合し、この混合
物を押出機により溶融混練し押出金型よりシート状に押
出成形した。このシートの両面にエンボス加工して、表
面粗さ25μm の梨地状の凹凸を形成した厚さ0.76
mmの中間膜を製造した。この中間膜の含水率を0.4〜
0.5重量%に調整した。
【0031】上記中間膜を透明ガラス板(縦30cm×横
30cm×厚さ3mm)の間に挟んで積層体とし、この積層
体を図1に示す圧着装置の下方室の平面台上に水平に載
置し、支持具により積層体の上側ガラス板の一辺を中間
膜から上方へ離して支えた。そして、この下方室の上部
に80μm のポリエステルフィルム(PETフィルム)
を張り、その上から上方室を載せ、上方室と下方室とが
減圧可能に組み立てた。
【0032】その後、上方室と下方室との空気を真空ポ
ンプで吸引し、上方室と下方室との室内をいずれも絶対
圧力100mmHgの真空度まで減圧した後、外部からの
操作により支持具を移動させ上側ガラス板の支えを解除
して、上側ガラス板を中間膜の表面に重なり合うように
落下させてガラス板の間に中間膜が挟まれた積層体と
し、次いで排気・入気孔を開放して上方室を大気圧に戻
した。
【0033】この時、上記ポリエステルフィルムは、気
圧差により積層体の上表面に押し付けられ、それにより
積層体が押圧された。その後、上方室の赤外線ヒーター
からなる加熱器により、積層体を100℃まで加熱しそ
の温度に20分間保持し、冷却したあと、排気・入気孔
を開放して下方室を大気圧に戻し、上方室及びポリエス
テルフィルムを下方室から取り外して積層体を取り出
し、予備圧着された積層体を得た。
【0034】その後、予備圧着された積層体を、オート
クレーブ内で、温度130℃、圧力13 kg/cm2 の条
件下に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気
圧に戻して本圧着を終了した。
【0035】実施例2 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル成分28重
量%、メルトインデックス6)100重量部と、透明性
改良剤(ベンジリデンソルビトール)0.3重量部と、
接着力調整剤(N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン0.03重量部を混合
し、この混合物を押出機により溶融混練し押出金型より
シート状に押出成形した。このシートの両面にエンボス
加工して、表面粗さ25μm の梨地状の凹凸を形成した
厚さ0.76mmの中間膜を製造した。
【0036】上記中間膜を透明ガラス板(縦30cm×横
30cm×厚さ3mm)の間に挟んで積層体とし、この積層
体を図2に示す圧着装置の下方室の平面台上に水平に載
置し、支持具により積層体の上側ガラス板の一端部を中
間膜から上方へ離して支えた。そして、この下方室の上
部に80μm のポリエステルフィルム(PETフィル
ム)を張り、その上から上方室を載せ、上方室と下方室
とを減圧可能に組み立てた。さらに、加熱器を取り付け
たカバー枠を上方室の側壁の所定位置にセットした。
【0037】その後、上方室と下方室との空気を真空ポ
ンプで吸引し、上方室と下方室との室内をいずれも絶対
圧力100mmHgの真空度まで減圧した後、外部からの
操作により支持具を移動させ上側ガラス板の支えを解除
して、上側ガラス板を中間膜の表面に重なり合うように
落下させて、ガラス板の間に中間膜が挟まれた積層体と
し、次いで排気・入気孔を開放して上方室を大気圧に戻
した。
【0038】この時、上記ポリエステルフィルムは、気
圧差により積層体の上表面に押し付けられ、それにより
積層体が押圧された。その後、上方室の赤外線ヒーター
からなる加熱器により、積層体を110℃まで加熱しそ
の温度に5分間保持し、冷却したあと、排気・入気孔を
開放して下方室を大気圧に戻し、上方室及びポリエステ
ルフィルムを下方室から取り外して積層体を取り出し、
本圧着された積層体、すなわち合わせガラスを作製し
た。
【0039】比較例1 実施例1で得られた中間膜を透明ガラス板(縦30cm×
横30cm×厚さ3mm)の間に挟んで積層体とし、こうし
て得られた積層体を従来法のようにゴムバッグ内に移
し、積層体の温度(予備圧着直前温度)が50℃になる
ように加熱し、その後ゴムバッグを吸引減圧系に接続
し、120℃の外気加熱温度で加熱すると同時に絶対圧
力100mmHgの真空度まで減圧し15分間保持した
後、大気圧に戻して予備圧着を終了した。
【0040】その後、予備圧着した積層体を、オートク
レーブ内で、温度130℃、圧力13 kg/cm2 の条件
下に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧
に戻して本圧着を終了した。
【0041】上記実施例1、2及び比較例1で得られた
合わせガラスの圧着工程(予備圧着工程)での脱気性
を、次の方法(ベークテスト)で評価した。その結果、
実施例1及び2で得られた合わせガラスは、いずれも1
00枚中で発泡が生じた枚数が0で、脱気性が十分であ
った。しかし、比較例1で得られた合わせガラスは、1
00枚中で発泡が生じた枚数が5で、脱気性が不十分で
あった。
【0042】<ベークテスト>合わせガラスを150℃
のオーブンで2時間加熱し、オーブンから取り3時間冷
却し、合わせガラスに発泡(気泡)が生じた枚数を調べ
て、脱気性を評価した。試験枚数は100枚とした。発
泡が生じた枚数が少ないほど脱気性が優れている。実用
上は、100枚中で発泡が生じた枚数が0〜1枚以下
で、脱気性が十分とされる。なお、ベークテスト後の合
わせガラスの透明性は良好であった。
【0043】
【発明の効果】上述の通り、この発明の積層体の圧着装
置は、その構造が複雑ではなく、操作も簡単である。そ
して、この発明の積層体の圧着装置を用いて、ガラス板
の間に中間膜を挟んだ積層体を圧着すると、圧着工程
(例えば、予備圧着工程)での脱気性に優れ、ガラス板
の間に中間膜を挟んだ積層体を簡単な操作で確実に圧着
(例えば、予備圧着)することができる。
【0044】したがって、この発明の積層体の圧着装置
を用いて、合わせガラスを製造すると、特に面積が広い
合わせガラスや曲率が大きい合わせガラスを製造する場
合や合わせガラスの生産性(特に、予備圧着工程でのラ
イン速度)を上げる場合であっても、脱気が十分に行わ
れ、特に透明性が優れ品質の良好な合わせガラスを能率
よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明に係る積層体の圧着装置の一
例を示す縦断面図である。
【図2】 請求項2の発明に係る積層体の圧着装置の一
例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 減圧可能な室 11 減圧可能な上方室 12 減圧可能な下方室 13 変形可能なフィルム又はシート 17 天板(透明なガラスからなる天板) 20 輻射型の加熱器 40 支持具 50 圧着装置 60 積層体 61 上側及び下側のガラス 62 中間膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板の間に中間膜を挟んだ積層体
    を、減圧可能な室内で吸引減圧してガラス板と中間膜と
    の間に存在する空気を排出し、この積層体を加熱圧着す
    る積層体の圧着装置であって、減圧可能な室内が変形可
    能なフィルム又はシートで上下に仕切られて減圧可能な
    上方室と下方室とが形成され、上方室内の上部には加熱
    器が設けられ、下方室内には水平に置かれる積層体の上
    側ガラス板を中間膜から上方へ離して支える支持具が設
    けられ、この支持具は外部からの操作により上側ガラス
    板の支えが解除可能になされていることを特徴とする積
    層体の圧着装置。
  2. 【請求項2】 ガラス板の間に中間膜を挟んだ積層体
    を、減圧可能な室内で吸引減圧してガラス板と中間膜と
    の間に存在する空気を排出し、この積層体を加熱圧着す
    る積層体の圧着装置であって、減圧可能な室内が変形可
    能なフィルム又はシートで上下に仕切られて減圧可能な
    上方室と下方室とが形成され、上方室の天板は透明なガ
    ラスからなりこの天板の外側上方に加熱器が設けられ、
    下方室内には水平に置かれる積層体の上側ガラス板を中
    間膜から上方へ離して支える支持具が設けられ、この支
    持具は外部からの操作により上側ガラス板の支えが解除
    可能になされていることを特徴とする積層体の圧着装
    置。
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