JP4258894B2 - 電磁波シールド性光透過窓材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁波シールド性光透過窓材の製造方法に係り、特に、PDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタ等として有用な、軽量かつ薄肉の電磁波シールド性光透過窓材を容易かつ効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
【0003】
そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
【0004】
従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主に、金網のような導電性メッシュ材を、2枚のガラス板の間に介在させて一体化した構成とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年の省スペース、省エネルギーに対する要望から、OA機器、その他のすべての部材について、薄肉ないし小型化、軽量化が強く望まれているが、2枚のガラス板間に導電性メッシュを介在させて一体化した従来の電磁波シールド性光透過窓材では、その薄肉化、軽量化にも限度があり、これがPDP等のより一層の薄肉化、軽量化を阻む原因となっていた。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決し、より一層の薄肉、軽量化が可能な電磁波シールド性光透過窓材を歩留りより製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、2枚の透明基板間に導電層を介在させ接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、該2枚の透明基板のうち一方の透明基板がガラス板であり、他方の透明基板が樹脂フィルムであり、該ガラス板と樹脂フィルムとを、これらの間に導電層と接着樹脂層とを介して積層すると共に、該樹脂フィルム上に更に押圧用プレートを積層してなる積層体を加熱して該接着樹脂を硬化させることによりガラス板、導電層及び樹脂フィルムを接着一体化し、その後、該押圧用プレートを分離することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、該押圧用プレートがガラス板であることを特徴とする。
【0008】
本発明の製造方法により製造した電磁波シールド性光透過窓材は、2枚の透明基板のうちの一方のみがガラス板よりなり、他方は樹脂フィルムであるため、ガラス板を2枚用いる従来の電磁波シールド性光透過窓材に比べて大幅な薄肉、軽量化を図ることができる。
【0009】
本発明において、樹脂フィルムとしてはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、特にハードコート処理を施したPETフィルムが好適である。また、導電層としては導電性メッシュが、破損時のガラスの飛散防止効果が得られ、安全性の面で有利である。
【0010】
本発明において、接着樹脂としては、透明のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好適である。
【0011】
このような電磁波シールド性光透過窓材は、ガラス板と樹脂フィルムとを、これらの間に導電層と接着樹脂層とを介して積層すると共に、該樹脂フィルム上に更に押圧用プレートを積層してなる積層体を加熱して該接着樹脂を硬化させることによりガラス板、導電層及び樹脂フィルムを接着一体化し、その後、該押圧用プレートを分離する本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法、より具体的には、前記積層体を非通気性のバッグ内に収容し、該バッグ内から排気することにより該積層体を積層方向に押圧すると共に、該積層体を加熱してガラス板、導電層及び樹脂フィルムを仮接着し、この仮接着された積層体を該バッグから取り出し、押圧用プレートを分離し、その後、加熱してガラス板、導電層及び樹脂フィルムを本接着することにより、容易かつ効率的に、歩留り良く製造することができる。
【0012】
即ち、上述のような積層体を加熱圧着して電磁波シールド性光透過窓材を製造するに当っては、製造工程、特に加熱圧着工程において、PETフィルム等の樹脂フィルムの表面に打痕や傷が発生する可能性があるが、このように、押圧用プレートで樹脂フィルムの表面を保護した状態で接着を行うことにより、このような欠陥の発生を防止して高品質の製品を歩留り良く製造することができる。更に、PETフィルムの平面性を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の製造方法により製造した電磁波シールド性光透過窓材を示す断面図であり、図2は本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法の実施の形態を示す断面図である。
【0015】
図1の電磁波シールド性光透過窓材1は、ガラス板2とPETフィルム3との間に導電性メッシュ4を介して接着樹脂5で一体化してなるものである。
【0016】
ガラス板2の厚さは得られる窓材の用途による要求特性(例えば、強度、軽量性)等によって適宜決定されるが、通常の場合、0.1〜10mmの範囲とされる。
【0017】
一方、PETフィルム3としては、厚さ50〜500μm程度のものが好ましく、このPETフィルム3は、その表面にシリコン系材料等によるハードコート処理、或いはハードコート層内に光散乱材料を練り込んだアンチグレア(AG)処理、或いは、二酸化珪素膜と二酸化チタン膜との積層膜等の反射防止(AR)膜等のハードコート処理を施して機能性を高めると共に、機械的強度を高めることが好ましい。なお、これらの機能性膜はガラス板2に形成しても良い。
【0018】
なお、図1の実施例では、樹脂フィルムとしてPETフィルム3を用いているが、PETフィルムの他、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム等の樹脂フィルムを用いることもできる。ただし、機械的特性等の面からは、樹脂フィルムとしてPETフィルムを用いるのが好ましい。
【0019】
導電性メッシュ4としては、金属繊維及び/又は金属被覆有機繊維よりなる線径1μm〜1mm、開口率50〜90%のものが好ましい。この導電性メッシュにおいて、線径が1mmを超えると開口率が下がるか、電磁波シールド性が下がり、両立させることができない。1μm未満ではメッシュとしての強度が下がり、取り扱いが非常に難しくなる。また、開口率は90%を超えるとメッシュとして形状を維持することが難しく、50%未満では光透過性が低く、ディスプレイからの光線量が低減されてしまう。より好ましい線径は10〜500μm、開口率は60〜90%である。
【0020】
導電性メッシュの開口率とは、当該導電性メッシュの投影面積における開口部分が占める面積割合を言う。
【0021】
導電性メッシュを構成する金属繊維及び金属被覆有機繊維の金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、タングステン、錫、鉛、鉄、銀、炭素或いはこれらの合金、好ましくは銅、ステンレス、アルミニウムが用いられる。
【0022】
金属被覆有機繊維の有機材料としては、ポリエステル、ナイロン、塩化ビニリデン、アラミド、ビニロン、セルロース等が用いられる。
【0023】
なお、本発明において、ガラス板2とPETフィルム3等の樹脂フィルムとの間に介在させる導電層は、導電性メッシュに限らず、透明導電性膜や金属箔等であっても良い。ただし、窓材の破損時のガラスの飛散防止効果の面からは導電性メッシュが好ましい。
【0024】
本発明において、ガラス板2及びPETフィルム3を導電性メッシュ4を介して接着する接着樹脂5としては、EVA、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、金属イオン架橋エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリレート共重合体等のエチレン系共重合体が挙げられる(なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を示す。)。その他、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等も用いることができるが、性能面で最もバランスがとれ、使い易いのはEVAである。また、耐衝撃性、耐貫通性、接着性、透明性等の点から自動車用合せガラスで用いられているPVB樹脂も好適である。
【0025】
PVB樹脂は、ポリビニルアセタール単位が70〜95重量%、ポリ酢酸ビニル単位が1〜15重量%で、平均重合度が200〜3000、好ましくは300〜2500であるものが好ましく、PVB樹脂は可塑剤を含む樹脂組成物として使用される。
【0026】
PVB樹脂組成物の可塑剤としては、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機系可塑剤や燐酸系可塑剤が挙げられる。
【0027】
一塩基酸エステルとしては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の有機酸とトリエチレングリコールとの反応によって得られるエステルが好ましく、より好ましくは、トリエチレン−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール−ジ−カプロネート、トリエチレングリコール−ジ−n−オクトエート等である。なお、上記有機酸とテトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコールとのエステルも使用可能である。
【0028】
多塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸と炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルコールとのエステルが好ましく、より好ましくは、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート等が挙げられる。
【0029】
燐酸系可塑剤としては、トリブトキシエチルフォスフェート、イソデシルフェニルフォスフェート、トリイソプロピルフォスフェート等が挙げられる。
【0030】
PVB樹脂組成物において、可塑剤の量が少ないと製膜性が低下し、多いと耐熱時の耐久性等が損なわれるため、ポリビニルブチラール樹脂100重量部に対して可塑剤を5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部とする。
【0031】
PVB樹脂組成物には、更に劣化防止のために、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が添加されていても良い。
【0032】
このような電磁波シールド性光透過窓材は、EVA等の樹脂に所定量の熱又は光硬化のための架橋剤を混合してシート化した接着用フィルムを2枚用い、この接着用フィルムの間に導電性メッシュを挟んだものを、透明基板2Aと予め透明導電膜5を形成した透明基板2Bとの間に介在させ、減圧、加温下に脱気して予備圧着した後、加熱又は光照射により接着層を硬化させて一体化することにより容易に製造することができる。
【0033】
なお、導電性メッシュ3と接着樹脂4とで形成される接着層の厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異なるが、通常の場合2μm〜2mm程度とされる。従って、接着用フィルムは、このような厚さの接着層が得られるように、1μm〜1mm厚さに成形される。
【0034】
以下に、樹脂としてEVAを用いた場合を例示して本発明に係る接着層についてより詳細に説明する。
【0035】
一方、EVAとしては酢酸ビニル含有量が5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%のものが使用される。酢酸ビニル含有量が5重量%より少ないと耐候性及び透明性に問題があり、また40重量%を超すと機械的性質が著しく低下する上に、成膜が困難となり、フィルム相互のブロッキングが生ずる。
【0036】
架橋剤としては、有機過酸化物が適当であり、シート加工温度、架橋温度、貯蔵安定性等を考慮して選ばれる。使用可能な過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3;ジーt−ブチルパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシアセテート;2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチルケトンパーオキサイド;2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート;第3ブチルハイドロパーオキサイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;p−クロルベンゾイルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート;ヒドロキシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオキサイドなどが挙げられる。これらの過酸化物は1種を単独で又は2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0037】
有機過酸化物は通常EVAに対し押出機、ロールミル等で混練されるが、有機溶媒、可塑剤、ビニルモノマー等に溶解し、EVAのフィルムに含浸法により添加しても良い。
【0038】
なお、EVAの物性(機械的強度、光学的特性、接着性、耐候性、耐白化性、架橋速度など)改良のために、各種アクリロキシ基又はメタクリロキシ基及びアリル基含有化合物を添加することができる。この目的で用いられる化合物としてはアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等のアルキル基の他、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルを用いることもできる。アミドとしてはダイアセトンアクリルアミドが代表的である。
【0039】
より具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル又はメタクリル酸エステル等の多官能エステルや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のアリル基含有化合物が挙げられ、これらは1種を単独で、或いは2種以上を混合して、通常EVA100重量部に対して0.1〜2重量部、好ましくは0.5〜5重量部用いられる。
【0040】
なお、本発明に係るEVA接着層には、その他、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、老化防止剤、塗料加工助剤を少量含んでいてもよく、また、フィルター自体の色合いを調整するために染料、顔料などの着色剤、カーボンブラック、疎水性シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤を適量配合してもよい。
【0041】
図1に示す電磁波シールド性光透過窓材1は、EVA等の樹脂に所定量の熱硬化のための架橋剤を混合してシート化した接着用フィルムを用い、この接着用フィルムと導電性メッシュ4をガラス板2とPETフィルム3との間に介在させ、減圧、加温下に脱気して予備圧着した後、加熱により接着層を硬化させて一体化することにより容易に製造することができる。
【0042】
なお、導電性メッシュ4と接着樹脂5とで形成される接着層の厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異なるが、通常の場合2μm〜2mm程度とされる。従って、接着用フィルムは、このような厚さの接着層が得られるように、2μm〜2mm厚さに成形される。
【0043】
本発明で用いる接着用フィルムは、EVA等の樹脂と上述の添加剤とを混合し、押出機、ロール等で混練した後カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状にシート成形することにより製造される。成膜に際してはブロッキング防止、透明基板との圧着時の脱気を容易にするためエンボスが付与される。
【0044】
なお、接着性改良の手段として、シート化された接着用フィルム面へのコロナ放電処理、低温プラズマ処理、電子線照射、紫外光照射などの手段も有効である。
【0045】
このような電磁波シールド性光透過窓材は、PDPの前面フィルタとして、或いは、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材等として有効に利用可能であるが、特に、電磁波シールド性光透過窓材をPDPの前面フィルタとして用いる場合、一般にガラス板がPDP後面側に、PETフィルム等の樹脂フィルムが前面側となるように配置される。
【0046】
次に、本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法について図2を参照して説明する。
【0047】
本発明の方法においては、まず、ガラス板2とPETフィルム3等の樹脂フィルムとの間に導電性メッシュ4等の導電層及び接着用EVAフィルム6等の接着用フィルムを介在させてこれらを積層し、更にPETフィルム3の上に押圧用プレートとしてのガラス板(以下「ダミーガラス」と称す。)7を重ねて積層体8とし(図2(a))、この積層体8をゴム袋9等の非通気性のバッグ内に収容し(図2(b))、バッグ内を真空引きすると共に加熱してガラス板2、導電性メッシュ4及びPETフィルム3を接着(仮接着)する(図2(c))。この仮接着条件は、用いる接着用フィルムの種類によっても異なるが、接着用EVAフィルム6を用いた場合、60〜100℃で5〜45分程度とするのが好ましい。
【0048】
このようにして仮接着した後は、ゴム袋9から取り出し、ダミーガラス7を取り外し、仮接着体10をオーブン等で加熱して接着樹脂を架橋硬化してガラス板2、導電性メッシュ4及びPETフィルム3を接着樹脂5により強固に一体化する。この加熱架橋条件は、通常100〜150℃で20〜50分程度とされる。
【0049】
このように、仮接着までの工程において、ダミーガラス7でPETフィルム3の表面を保護することにより、製造工程でのPETフィルム3の打痕や傷等が防止され、高品質の製品を歩留り良く形成することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の製造方法により製造した電磁波シールド性光透過窓材は、従来の電磁波シールド性光透過窓材に比べて著しく薄肉、軽量であるため、各種OA機器のPDPに適用した場合、より一層の薄肉、軽量化を図ることができる。
【0051】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によれば、このような本発明の電磁波シールド性光透過窓材を容易かつ効率的に歩留り良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造した電磁波シールド性光透過窓材の実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁波シールド性光透過窓材
2 ガラス板
3 PETフィルム
4 導電性メッシュ
5 接着樹脂
6 接着用EVAフィルム
7 ダミーガラス
8 積層体
9 ゴム袋
10 仮接着体
Claims (6)
- 2枚の透明基板間に導電層を介在させ接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、
該2枚の透明基板のうち一方の透明基板がガラス板であり、他方の透明基板が樹脂フィルムであり、
該ガラス板と樹脂フィルムとを、これらの間に導電層と接着樹脂層とを介して積層すると共に、該樹脂フィルム上に更に押圧用プレートを積層してなる積層体を加熱して該接着樹脂を硬化させることによりガラス板、導電層及び樹脂フィルムを接着一体化し、その後、該押圧用プレートを分離することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、
該押圧用プレートがガラス板であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 - 請求項1において、前記積層体を非通気性のバッグ内に収容し、該バッグ内から排気することにより該積層体を積層方向に押圧すると共に、該積層体を加熱してガラス板、導電層及び樹脂フィルムを仮接着し、
この仮接着された積層体を該バッグから取出し、押圧用プレートを分離し、
その後、加熱してガラス板、導電層及び樹脂フィルムを本接着することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 - 請求項1又は2において、該樹脂フィルムがPETフィルムであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項3において、該PETフィルムはハードコート処理が施されていることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該導電層は導電性メッシュであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該接着樹脂がEVAであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
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