JPH09183744A - ジアルキルカーボネートおよびジオールの連続的製造法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートおよびジオールの連続的製造法

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JPH09183744A
JPH09183744A JP8302388A JP30238896A JPH09183744A JP H09183744 A JPH09183744 A JP H09183744A JP 8302388 A JP8302388 A JP 8302388A JP 30238896 A JP30238896 A JP 30238896A JP H09183744 A JPH09183744 A JP H09183744A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 環状カーボネートと脂肪族モノアルコー
ルを第1連続多段蒸留塔で反応させ、ジアルキルカーボ
ネートを含む低沸点成分を塔上部から抜出し、ジオール
および環状カーボネートを含む高沸点成分を塔下部より
連続的に抜き出して第2連続多段蒸留塔に供給し、環状
カーボネートとジオールの共沸混合物を含む低沸点成分
を該蒸留塔の上部から抜き出して第1連続多段蒸留塔に
循環し、ジオールを第2連続多段蒸留塔の塔下部から連
続的に抜き出す、ジアルキルカーボネートおよびジオー
ルの連続的製造法。 【効果】 原料として入手しやすい0〜40重量%のジ
アルキルカーボネートを含有する脂肪族モノアルコール
と環状カーボネートとを用いて、ジアルキルカーボネー
トとジオール類を短い反応時間で、かつ高反応率・高収
率・高選択率で、しかも連続的に製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術的分野】本発明は、環状カーボネー
トと脂肪族モノアルコールとを反応させてジアルキルカ
ーボネートとジオールを連続的に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】環状カーボネートと脂肪族モノアルコー
ル類の反応から、ジアルキルカーボネートとジオール類
を製造する方法については、いくつかの提案がなされて
いるが、そのほとんどが触媒に関するものである。この
ような触媒として例えば、アルカリ金属またはアルカリ
金属を含む塩基性化合物[米国特許第3,642,85
8号明細書、特開昭54−48715号公報(米国特許
第4,181,676号明細書)]、3級脂肪族アミン
[特開昭51−122025号公報(米国特許第4,0
62,884号明細書)]、タリウム化合物[特開昭5
4−48716号公報(米国特許第4,307,032
号明細書)]、錫アルコキシド類(特開昭54−630
23号公報)、亜鉛、アルミニウム、チタンの各アルコ
キンド(特開昭54−148726号公報)、ルイス酸
と含窒素有機塩基から成る複合触媒(特開昭55−64
550号公報)、ホスフィン化合物(特開昭55−64
551号公報)、4級ホスホニウム塩(特開昭56−1
0144号公報)、環状アミジン(特開昭59−106
436号公報)、ジルコニウム、チタンおよび錫の化合
物[特開昭63−41432号公報(米国特許第4,6
61,609号明細書)]、4級アンモニウム基を有す
る固体強塩基性アニオン交換体(特開昭63−2380
43号公報)、3級アミンまたは4級アンモニウム基を
有するイオン交換樹脂、強酸性または弱酸性イオン交換
樹脂、シリカ中に含浸せしめられたアルカリ金属または
アルカリ土類金属のケイ酸塩、アンモニウム交換ゼオラ
イトから選ばれた固体触媒[特開昭64−31737号
公報(米国特許第4,691,041号明細書)]、3
級ホスフィン、3級アルシン、3級スチビン、2価の硫
黄またはセレン化合物から選ばれた均一系触媒(米国特
許第4,734,518号明細書)などが提案されてい
る。
【0003】また、反応方式としては、これまで4つの
方式が提案されている。これら4つの反応方式は、最も
代表的な反応例であるエチレンカーボネートとメタノー
ルからのジメチルカーボネートとエチレングリコールの
製造方法において用いられている。
【0004】すなわち、第1の方式は、エチレンカーボ
ネート、メタノールおよび触媒をバッチ式反応容器であ
るオートクレーブに仕込み、メタノールの沸点以上の反
応温度において加圧下で所定の反応時間保持することに
よって反応を行う完全なバッチ式反応方式である[米国
特許第3,642,858号明細書、特開昭54−48
715号公報(米国特許第4,181,676号明細
書)、特開昭54−63023号公報、特開昭54−1
48726号公報、特開昭55−64550号公報、特
開昭55−6455号公報、特開昭56−10144号
公報]。
【0005】第2の方式は、反応釜の上部に蒸留塔を設
けた装置を用いるものであって、エチレンカーボネー
ト、メタノールおよび触媒を反応容器に仕込み、所定の
温度に加熱することによって反応を進行させる。この場
合、生成するジメチルカーボネートとメタノールは最低
共沸混合物(沸点63℃/760mmHg)を形成する
ため、この共沸混合物はメタノール(沸点64.6℃/
760mmHg)と分離することができる。この方式で
は共沸混合物とメタノールの分離のために蒸留塔が設け
られている。すなわち、反応釜中から蒸発したジメチル
カーボネート蒸気とメタノール蒸気は蒸留塔を上昇する
間に、共沸混合物蒸気と液状のメタノールに分離され、
共沸混合物蒸気は蒸留塔頂より留去され、液状のメタノ
ールは流下して反応釜に戻されて反応に供される。ま
た、この方式では、生成するジメチルカーボネートと共
沸して留出するメタノールを補うために、反応釜にメタ
ノールを連続的またはバッチ的に添加することも行なわ
れているが、いずれにしても、この方式では触媒、エチ
レンカーボネートおよびメタノールが存在しているバッ
チ式の反応釜中でのみ、反応を進行させている。従って
反応はバッチ式であり、3〜20数時間もの長時間をか
けて、還流下で反応を行っている。
【0006】この方式では、一つの生成物であるジメチ
ルカーボネートは、連続的に反応系外に抜き出されてい
るが、他の生成物であるエチレングリコールは、触媒の
存在下に未反応のエチレンカーボネートと長時間滞留す
ることになる。このエチレングリコールとエチレンカー
ボネートとの長時間滞留による副反応を抑制し、選択率
の低下を防ぐためには、反応釜にバッチ的に仕込まれた
エチレンカーボネートに対して、大過剰のメタノールを
用いる必要があり、事実これまでに提案されている方法
では、エチレンカーボネート(またはプロピレンカーボ
ネート)1モルあたり、14モル(米国特許第3,80
3,201号明細書)、17モル(特開平1−3110
54号公報)、22モル[特開昭51−122025号
公報(米国特許第4,062,884号明細書)]、2
3モル[特開昭54−48716号公報(米国特許第
4,307,032号明細書)]もの大過剰のメタノー
ルが使用されている。
【0007】第3の方式は、所定の反応温度に保たれた
管状リアクターにエチレンカーボネートとメタノールの
混合溶液を連続的に供給し、他方の出口より未反応のエ
チレンカーボネートとメタノールと、生成物であるジメ
チルカーボネートおよびエチレングリコールとを含む反
応混合物を液状で連続的に抜き出す連続反応方式であ
る。用いる触媒の形態によって2つの方法が行われてい
る。すなわち、均一系触媒を用いて、エチレンカーボネ
ートとメタノールの混合溶液と一緒に管状リアクターを
通過させ、反応後、反応混合物中から触媒を分離する方
法[特開昭63−41432号公報(米国特許第4,6
61,609号明細書)、米国特許第4,734,51
8号明細書]と、管状リアクター内に固定させた不均一
触媒を用いる方法[特開昭63−238043号公報、
特開昭64−31737号公報(米国特許第4,69
1,041号明細書)]とがある。
【0008】エチレンカーボネートとメタノールとの反
応によるジメチルカーボネートとエチレングリコールの
生成反応は平衡反応であることから、この管状リアクタ
ーを用いる連続流通反応方式では、エチレンカーボネー
トの反応率は、仕込組成比と反応温度によって決まる平
衡反応率以上に高めることは不可能である。例えば、特
開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,
609号明細書)の実施例1によれば、仕込みモル比が
メタノール/エチレンカーボネート=4/1の原料を用
いる130℃での流通反応においては、エチレンカーボ
ネートの反応率は25%である。このことは、反応混合
物中に未反応で残存する大量のエチレンカーボネートお
よびメタノールを分離・回収して反応器へ再循環させる
必要があることを意味しており、事実、特開昭64−3
1737号公報(米国特許第4,691,041号明細
書)の方法では、分離・精製・回収・再循環のための数
多くの設備が用いられている。
【0009】第4の方式は、反応蒸留方式すなわち、多
段蒸留塔内にエチレンカーボネートとメタノールをそれ
ぞれ連続的に供給し該蒸留塔の複数段で触媒の存在下に
反応を行なうと同時に生成物であるジメチルカーボネー
トとエチレングリコールを分離する、連続的製造方法
[特開平4−198141号公報、特開平5−2138
30号公報(ドイツ特許4129316号明細書)]で
ある。
【0010】このように、環状カーボネートと脂肪族モ
ノアルコールとからジアルキルカーボネートとジオール
類を製造するこれまでに提案された方法は、(1)完全
なバッチ反応方式、(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜
を用いるバッチ反応方式、(3)管式リアクターを用い
る液状流通反応方式、(4)反応蒸留方式、の4方式で
あるが、エステル交換反応が可逆平衡反応であるため
に、短時間に反応を完全に終結させることはいずれの方
法においても非常に困難であった。すなわち、(1)、
(3)の場合には、環状カーボネートの反応率の上限は
仕込み組成と温度から決まるため、反応を完全に終結さ
せることはできない。
【0011】環状カーボネートの反応率が100%未満
の場合、反応液中には環状カーボネートとジオールが共
存している。この反応液からジオールを得るためには、
通常、蒸留分離法が用いられる。例えば、エチレンカー
ボネートとメタノールからジメチルカーボネートとエチ
レングリコールを製造する場合、圧力が72torr以
上であれば共沸混合物を形成しないため、蒸留分離のみ
でエチレンカーボネートとエチレングリコールの分離は
可能であるが、この場合、蒸留温度が高すぎると、エチ
レングリコールがエチレンカーボネートの分解を加速し
てしまうので、通常、共沸混合物を形成する減圧下で蒸
留分離しなければならない(McKetta、“Enc
yclopedia of Chemical Pro
cessing and Design”vol.2
0、p.194、Marcel Dekker社、19
84年)。
【0012】したがって、未反応のエチレンカーボネー
トと生成物であるエチレングリコールを反応混合物から
定量的に得ることは困難である。そこで、従来、この共
沸混合物からエチレングリコールを得るための方法が提
案されている。例えば、特開昭64−31737号公報
の実施例50に記載された方法では、反応容器留出物を
蒸留塔(B)で蒸留してメタノールとジメチルカーボネ
ートからなる低沸点留分と、エチレングリコールとエチ
レンカーボネートを含む塔底液に分離し、この塔底液を
蒸留塔(D)で蒸留してエチレンカーボネートからなる
塔底液とエチレングリコール/エチレンカーボネート共
沸混合物とに分離している。さらに、エチレンカーボネ
ートからなる塔底液は再び反応容器へ循環され、エチレ
ングリコール/エチレンカーボネート共沸混合物を加水
分解して環状カーボネートをジオールに転化することで
ジオールを得ている。しかしながら、この方法では反応
率が低く、循環されるエチレンカーボネートの量が多い
という問題があった。
【0013】また、(2)の場合には環状カーボネート
の反応率を高めるためには、生成するジアルキルカーボ
ネートを、極めて大量の脂肪族モノアルコールを使用し
て留去しなければならず、長い反応時間を必要とする。
(4)の場合には、(1)、(2)、(3)と比較して
高い反応率で反応を進行させることが可能であり、実
際、大量の純粋な脂肪族モノアルコールを用いることに
よってエチレンカーボネートの反応率が100%に達す
るとの例も記載されている。しかしながら、反応率の増
加とともに反応液中の環状カーボネート濃度は次第に希
薄となり反応速度が低下するので、反応を完全に終結さ
せるためには多数の蒸留/反応段を必要とし、その結果
反応時間(滞留時間)が長くなってしまう。
【0014】一方、(4)の方法で生成したジメチルカ
ーボネートは、未反応のメタノールと共に低沸点成分と
して留出する。ジメチルカーボネートとメタノールは共
沸混合物を形成するので、ジメチルカーボネートを取得
するために、加圧下で蒸留を行なう(特開昭51−10
8019号公報)などの特別な分離法が用いられてい
る。通常、この分離方法ではメタノールを含まないジメ
チルカーボネートが得られるものの、メタノールはジメ
チルカーボネートとの混合物として得られるので、実質
的にジメチルカーボネートを含まないメタノールを得る
ことは困難である。例えば、前記特開昭51−1080
19号公報の実施例にはメタノール/ジメチルカーボネ
ート混合物(重量比:70/30)を蒸留分離し、塔底
成分として純粋なジメチルカーボネートを得ているもの
の、塔頂留分としてはメタノール/ジメチルカーボネー
ト混合物(重量比:95/5)しか得られていない。し
たがって、工業的なジメチルカーボネート製造法では、
脂肪族モノアルコールとして、このメタノール/ジメチ
ルカーボネート混合物を原料として使用できることが好
ましい。
【0015】しかしながら、(4)の方法では、原料で
ある脂肪族モノアルコールとして、メタノール/ジメチ
ルカーボネート混合物を用いる場合には反応率が著しく
低下(特開平5−213830号公報の実施例5)して
おり、反応を終結させることはできていない。したがっ
て、この方法において環状カーボネートを実質的に完全
に転化するためには、ジアルキルカーボネートを含まな
い脂肪族モノアルコールを供給する必要があると推測さ
れるが、そのためにはメタノール/ジメチルカーボネー
ト共沸混合物を分離してジメチルカーボネートを実質的
に含有しないメタノールを得る複雑な工程(例えば、操
作圧力の異なる2本の蒸留塔を組合せる方法:特開平2
−212456号公報)が別途必要となってしまう。こ
のように、短い反応時間で環状カーボネートを実質的に
100%転化させ、高収率・高選択率でジアルキルカー
ボネートとジオール類を連続的に製造する方法は、これ
まで全く提案されていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原料として
工業的に入手しやすい0〜40重量%のジアルキルカー
ボネートを含有する脂肪族モノアルコールと環状カーボ
ネートとを用いて、ジアルキルカーボネートとジオール
を高収率・高選択率で、しかも連続的に製造する方法を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、原料として工業的に入手しやすい0〜4
0重量%のジアルキルカーボネートを含有する脂肪族モ
ノアルコールと環状カーボネートとを用いてアルキルカ
ーボネートとジオールを製造するに際して、連続多段蒸
留塔を用いた反応蒸留法で得られた反応液を蒸留するこ
とによって、メタノール/ジメチルカーボネート/エチ
レングリコール/エチレンカーボネートからなる低沸点
留分と、実質的にエチレンカーボネートを含まないエチ
レングリコール留分が得られること、さらにこの低沸点
留分を連続多段蒸留塔に再循環させることでエチレンカ
ーボネートを実質的に完全に転化させることが可能であ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至つた。
【0018】すなわち、本発明は以下のとおりである。
第1の発明は、環状カーボネートと脂肪族モノアルコー
ルからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製
造するに際して、該環状カーボネートが該ジオールと最
低共沸混合物を形成する環状カーボネートであり、以下
の第1および第2工程を含むことを特徴とする、ジアル
キルカーボネートおよびジオールの連続的製造法、であ
る。
【0019】第1工程:第1連続多段蒸留塔に、0〜4
0重量%のジアルキルカーボネートを含有する脂肪族モ
ノアルコールと環状カーボネートとを連続的に供給し、
該蒸留塔内に存在させた触媒と接触させることによって
反応を行なわせると同時に、反応によって生成するジア
ルキルカーボネートを含む低沸点成分を該蒸留塔の上部
から連続的に抜き出すとともに、生成するジオールおよ
び未反応の環状カーボネートを含む塔下部抜き出し物を
塔下部から連続的に抜き出す。 第2工程:第2連続多段蒸留塔に第1工程の塔下部抜き
出し物を連続的に供給し、環状カーボネートとジオール
の最低共沸混合物を含む低沸点の塔上部抜き出し物を該
蒸留塔の上部から抜き出して第1連続多段蒸留塔に循環
するとともに、ジオールを第2連続多段蒸留塔の塔下部
から連続的に抜き出す。
【0020】第2の発明は 環状カーボネートがエチレ
ンカーボネートである、上記第1発明のジアルキルカー
ボネートおよびジオールの連続的製造法、である。第3
の発明は 第1連続多段蒸留塔の塔下部より抜き出され
る環状カーボネートとジオールの組成比が、ジオールに
対する環状カーボネートの重量比で表現して0.001
〜0.2の範囲である、上記2のジアルキルカーボネー
トおよびジオールの連続的製造法、である。
【0021】本発明の方法が、従来の方式、例えば、連
続多段蒸留塔のみを用いる方法と比較して、短い反応時
間で環状カーボネートを実質的に100%転化させるこ
とができるのは、次のような理由によるものと思われ
る。本発明の反応は、環状カーボネート(A)と脂肪族
モノアルコール類(B)から、ジアルキルカーボネート
(C)とジオール類(D)が生成する次の一般反応式
(1)で表わされる可逆平衡反応である。
【0022】
【化1】 [ここで、R1 は2価の基−(CH2 m −(mは2〜
6の整数)を表わしその1個以上の水素は炭素数1〜1
0のアルキル基やアリール基によって置換されていても
よい。また、R2 は炭素数1〜12の1価の脂肪族基を
表わし、その1個以上の水素は炭素数1〜10のアルキ
ル基やアリール基で置換されていてもよい。]
【0023】この反応は通常、液相中で進行しているの
で、反応時間を短くするためには、反応の結果、生成し
てくるジアルキルカーボネートとジオール類のうち、低
沸点生成物を反応液中からできるだけ速く除去する必要
がある。しかしながら、先行技術(特開平5−2138
30号公報、特開平6−9507号公報)に記載されて
いる反応蒸留を用いた方式では、環状カーボネートをワ
ンパスで実質的に100%転化させようとすれば、大量
の脂肪族モノアルコールを使用しなければならないため
に、どうしても反応時間を短くすることができなかっ
た。反応が進行してジオールの濃度が増加するにしたが
い逆反応速度が増大するので、環状カーボネートの転化
率を高めようとすればするほど大量の脂肪族モノアルコ
ールを用いて生成するジアルキルカーボネートを反応液
中から除く必要があるからである。
【0024】これに対して本発明の方法においては、第
1連続多段蒸留塔での環状カーボネートのワンパス転化
率を100%未満とすることで短い反応時間で反応さ
せ、しかる後に、未反応環状カーボネートを蒸留分離し
て該蒸留塔へ循環させ、反応原料として再び供すること
で、短い反応時間で環状カーボネートの反応率を実質的
に100%とすることができる。
【0025】また、前記先行技術に記載されている反応
蒸留方式で環状カーボネートを実質的に100%転化さ
せようとするためには、ジアルキルカーボネートを含ま
ない脂肪族モノアルコールを原料として用いることが必
要であるが、本発明では、ワンパス転化率を100%未
満で行うので、ジアルキルカーボネートを含有する脂肪
族モノアルコールを用いて、環状カーボネートの反応率
を実質的に100%とすることもできる。
【0026】本発明で用いられる第1および第2連続多
段蒸留塔とは、蒸留の理論段数が2段以上の多段を有す
る蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならば
どのようなものであってもよい。このような連続多段蒸
留塔としては、例えば泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バル
ブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔式の
ものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリン
グ、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソン
パッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スル
ザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した
充填塔式のものなど、通常、連続式の多段蒸留塔として
用いられるものならばどのようなものでも使用すること
ができる。さらには棚段部分と充填物の充填された部分
とを合わせ持つ蒸留塔も好ましく用いられる。また、第
1連続多段蒸留塔は、上記の蒸留塔を単独で用いても良
いし、複数の該蒸留塔を直列または並列に接続すること
で複数組み合わせて用いることもできる。
【0027】また、第1連続多段蒸留塔で固体触媒を用
いる場合、この固体触媒を充填物の一部または全部とす
る充填塔式蒸留塔も好ましく用いられる。本発明で原料
として用いられる環状カーボネートとは、前記(A)で
表わされ、対応するジオールと最低共沸混合物を形成す
る環状カーボネートであって、例えば、エチレンカーボ
ネートなどが好ましく用いられる。
【0028】また、もう一方の原料である脂肪族モノア
ルコール類とは、前記(B)で表わされる化合物であっ
て、生成するジオールより沸点が低いものが用いられ
る。したがって使用する環状カーボネートの種類にもよ
っても変わり得るが、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール(各異性体)、アリルアルコール、ブ
タノール(各異性体)、3−ブテン−1−オール、アミ
ルアルコール(各異性体)、ヘキシルアルコール(各異
性体)、ヘプチルアルコール(各異性体)、オクチルア
ルコール(各異性体)、ノニルアルコール(各異性
体)、デシルアルコール(各異性体)、ウンデシルアル
コール(各異性体)、ドデシルアルコール(各異性
体)、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シク
ロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペ
ンタノール(各異性体)、エチルシクロペンタノール
(各異性体)、メチルシクロヘキサノール(各異性
体)、エチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジメチ
ルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエチルシクロヘ
キサノール(各異性体)、フェニルシクロヘキサノール
(各異性体)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコ
ール(各異性体)、フェニルプロパノール(各異性体)
などが挙げられ、さらにこれらの脂肪族モノアルコール
類において、ハロゲン、低級アルコキシ基、シアノ基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、
アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によって置換されて
いてもよい。
【0029】このような脂肪族モノアルコール類の中
で、好ましく用いられるのは炭素数1〜6のアルコール
類であり、環状カーボネートとしてエチレンカーボネー
トを使用する場合に特に好ましいのはメタノール、エタ
ノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異
性体)等のの炭素数1〜4のアルコール類である。本発
明において触媒は、第1連続多段蒸留塔内に存在させる
ことが必要であり、この触媒の存在する領域において、
環状カーボネートと脂肪族モノアルコール類とを接触さ
せることによって反応を進行させると同時に低沸点生成
物を蒸留によって塔上部から抜き出す反応蒸留方式を用
いている。
【0030】このような第1連続多段蒸留塔内に触媒を
存在させる方法はどのような方法であってもよいが、例
えば、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒
の場合、該蒸留塔に連続的に触媒を供給することによ
り、反応系に触媒を存在させることもできるし、あるい
は反応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒
の場合、該蒸留塔内に固体触媒を配置することにより、
反応系に触媒を存在させることもできるし、これらを併
用した方法であってもよい。
【0031】均一系触媒を該蒸留塔に連続的に供給する
場合には、原料と同時に供給してもよいし、原料とは異
なる位置に供給してもよい。また、塔底から少くとも1
段以上の理論段を有する位置であればどの位置に触媒を
供給してもよい。しかし、該蒸留塔内で実際に反応が進
行するのは触媒供給位置から下の領域であることから、
塔頂から原料供給位置までの間の領域に触媒を供給する
ことが好ましい。また、不均一系の固体触媒を用いる場
合、その触媒は該蒸留塔内の任意の位置に必要量充填す
ることができ、この触媒の存在する層の理論段が少くと
も1段以上あればよく、好ましくは2段以上あればよ
い。蒸留塔の充填物としての効果をも併せ持つ固体触媒
を用いることも好ましい。
【0032】本発明において用いられる触媒としては、
これまでに知られている種々のものを使用することがで
きる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土
類金属類;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素
化物、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド
化物類、アミド化物類等の塩基性化合物類;アルカリ金
属およびアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有
機酸塩類等の塩基性化合物類;トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチル
アミン等の3級アミン類;N−アルキルピロール、N−
アルキルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミ
ダゾール、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾー
ル、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキル
キノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アク
リジン、アルキルアクリジン、フェナントロリン、アル
キルフェナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジ
ン、ピラジン、アルキルピラジン、トリアジン、アルキ
ルトリアジン等の含窒素複素芳香族化合物類;
【0033】ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジ
アザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類;酸
化タリウム、ハロゲン化タリウム、水酸化タリウム、炭
酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸タリウム、タリウムの
有機酸塩類等のタリウム化合物類;トリブチルメトキシ
錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジ
エチルジエトキシ錫、ジブチルユチレンジエトキシ錫、
ジブチルフェノキシ錫、ジフェニルメトキシ錫、酢酸ジ
ブチル錫、塩化トリブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫
等の錫化合物類;ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エ
チレンジオキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物
類;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアル
ミニウム化合物類;テトラメトキシチタン、テトラエト
キシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキ
シチタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、
チタンアセチルアセトナート等のチタン化合物類;トリ
メチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルメチ
ルホスホニウムハライド、トリオクチルブチルホスホニ
ウムハライド、トリフェニルメチルホスホニウムハライ
ド等のリン化合物類;
【0034】ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムア
セチルアセトナート、ジルコニウムアルコキシド、酢酸
ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;鉛および鉛を
含む化合物類、例えば、PbO、PbO2 、Pb3 4
などの酸化鉛類;PbS、Pb2S3、PbS2 などの
硫化鉛類;Pb(OH)2 、Pb3 2 (OH)2 、P
2 [PbO2 (OH)2 ]、Pb2 O(OH)2 など
の水酸化鉛類;Na2 PbO2 、K2 PbO2 、NaH
PbO2 、KHPbO2 などの亜ナマリ酸塩類;Na2
PbO3 、Na2 2 PbO4 、K2 PbO3 、K
2 [Pb(OH)6 ]、K4 PbO4 、Ca2 Pb
4 、CaPbO3 などの鉛酸塩類;PbCO3 、2P
bCO3 ・Pb(OH)2 などの鉛の炭酸塩およびその
塩基性塩類;Pb(OCH3 2 、(CH3 O)Pb
(OPh)、Pb(OPh)2 などのアルコキシ鉛類、
アリールオキシ鉛類;Pb(OCOCH3 2 、Pb
(OCOCH3 4 、Pb(OCOCH3 2 ・PbO
・3H2 Oなどの有機酸の鉛塩およびその炭酸塩や塩基
性塩類;
【0035】Bu4 Pb、Ph4 Pb、Bu3 PbC
l、Ph3 PbBr、Ph3 Pb(またはPh6
2 )、Bu3 PbOH、Ph2 PbOなどの有機鉛化
合物類(Buはブチル基、Phはフエニル基を示す);
Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、P
b−Sbなどの鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱
などの鉛鉱物類、およびこれらの鉛化合物の水和物類;
3級アミノ基を有する陰イオン交換樹脂、アミド基を有
するイオン交換樹脂、スルホン酸基、カルボン酸基、リ
ン酸基のうちの少なくとも一つの交換基を有するイオン
交換樹脂、第4級アンモニウム基を交換基として有する
固体強塩基性アニオン交換体等のイオン交換体類;シリ
カ、シリカ−アルミナ、シリカーマグネシア、アルミノ
シリケート、ガリウムシリケート、各種ゼオライト類、
各種金属交換ゼオライト類、アンモニウム交換ゼオライ
ト類などの固体の無機化合物類等が用いられる。
【0036】固体接触として、特に好ましく用いられる
のは第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強
塩基性アニオン交換体であり、このようなものとして
は、例えば、第4級アンモニウム基を交換基として有す
る強塩基性アニオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を
交換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換
体、第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質
担体担持型強塩基性アニオン交換体などが挙げられる。
【0037】第4級アンモニウム基を交換基として有す
る強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、スチレ
ン系強塩基性アニオン交換樹脂などが好ましく用いられ
る。スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂は、スチレン
とジビニルベンゼンの共重合体を母体として、交換基に
第4級アンモニウム(I型あるいはII型)を有する強
塩基性アニオン交換樹脂であり、例えば、次式で模式的
に示される。
【0038】
【化2】
【0039】上記式中、Xはアニオンを示し、通常、X
としては、F- 、Cl- 、Br- 、I- 、HCO3 -
CO3 - 、CH3 CO2 - 、HCO2 - 、IO3 - 、B
rO3 - 、ClO3 - の中から選ばれた少なくとも1種
のアニオンが使用され、好ましくはCl- 、Br- 、H
CO3 - 、CO3 - の中から選ばれた少なくとも1種の
アニオンが使用される。また、樹脂母体の構造として
は、ゲル型、マクロレティキュラー型(MR型)いずれ
も使用できるが、耐有機溶媒性が高い点からMR型が特
に好ましい。
【0040】第4級アンモニウム基を交換基として有す
るセルロース強塩基性アニオン交換体としては、例え
ば、セルロースの−OH基の一部または全部をトリアル
キルアミノエチル化して得られる、−OCH2 CH2
3 Xなる交換基を有するセルロースが挙げられる。た
だし、Rはアルキル基を示し、通常、メチル、エチル、
プロピル、ブチルなどが用いられ、好ましくはメチル、
エチルが使用される。また、Xは前述のとおりである。
【0041】本発明において使用できる、第4級アンモ
ニウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基
性アニオン交換体とは、無機質担体の表面水酸基−OH
の一部または全部を修飾することにより、4級アンモニ
ウム基−O(CH2 n NR3 Xを導入したものを意味
する。ただし、R、Xは前述のとおりである。nは通常
1〜6の整数であり、好ましくはn=2である。無機質
担体としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チ
タニア、ゼオライトなどを使用することができ、好まし
くはシリカ、アルミナ、シリカアルミナが用いられ、特
に好ましくはシリカが使用される。無機質担体の表面水
酸基の修飾方法としては、任意の方法を用いることがで
きる。例えば、無機質担体とアミノアルコールHO(C
2 nNR2 を塩基触媒存在下に脱水反応を進行させ
ることによりアミノアルコキシ化した後に、ハロゲン化
アルキルRX’(X’はハロゲンを示し、通常はCl、
Br、Iなどが使用される)と反応させて−O(C
2 n NR3 X’基とする。さらに、アニオン交換を
行なうことにより、所望のアニオンXを有する4級アン
モニウム基−O(CH2 n NR3 Xとする。また、n
=2の場合には、無機質担体をN、N−ジアルキルアジ
リジンで処理することにより、N、N−ジアルキルアミ
ノエトキシ化して−OCH2 CH2 NR2 基とした後
に、上述の方法により−O(CH2 n NR3 X基とさ
れる。
【0042】第4級アンモニウム基を交換基として有す
る固体強塩基性アニオン交換体は、市販のものを使用す
ることもできる。その場合には、前処理として予め所望
のアニオン種でイオン交換を行なった後に、触媒として
使用することもできる。また、少くとも1個の窒素原子
を含む複素環基が結合している巨大網状およびゲルタイ
プの有機ポリマー、または少くとも1個の窒素原子を含
む複素環基が結合している無機質担体から成る固体触媒
も好ましく用いられる。また、さらにはこれらの含窒素
複素環基の一部または全部が4級塩化された固体触媒も
同様に用いられる。
【0043】本発明で用いられる触媒の量は、使用する
触媒の種類によっても異なるが、触媒を第1連続多段蒸
留塔の反応域に連続的に供給する場合には、供給原料で
ある環状カーボネートと脂肪族モノアルコールの合計重
量に対する割合で表わして、通常0.0001〜50重
量%で使用される。また、固体触媒を連続多段蒸留塔内
に設置して使用する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対
して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく用いら
れる。
【0044】本発明を実施するに当り、原料である環状
カーボネートと、0〜40重量%のジアルキルカーボネ
ートを含有する脂肪族モノアルコール類とを、第1連続
多段蒸留塔に供給する方法については、特別な限定はな
く、それらが該蒸留塔の少なくとも1段以上、好ましく
は2段以上の領域において触媒と接触させる事ができる
ような方法であれば、どのような方法であってもよい。
すなわち、該環状カーボネートと該脂肪族モノアルコー
ルは第1連続多段蒸留塔の、上記の条件を満たす段に、
必要な数の導入口から連続的に供給することができる。
また、該環状カーボネートと該脂肪族モノアルコールは
該蒸留塔の同じ段に供給されても良いし、それぞれ別の
段に導入されても良い。
【0045】原料は、液状、ガス状または液とガスとの
混合物として該蒸留塔に連続的に供給される。このよう
にして原料を第1連続多段蒸留塔に供給する以外に、付
加的にガス状の原料を該蒸留塔の下部から断続的または
連続的に供給することも好ましい方法である。環状カー
ボネートを触媒の存在する段よりも上部の段に液状また
は気液混合状態で該蒸留塔に連続的に供給し、脂肪族モ
ノアルコールをガス状で該蒸留塔の下部に連続的に供給
する方法も好ましい方法である。この場合、環状カーボ
ネート中に、脂肪族モノアルコールが含まれていても、
もちろん構わない。
【0046】これらの供給原料中に、生成物であるジア
ルキルカーボネートまたはジオール類が含まれていても
よい。環状カーボネートに含まれるジオールは、環状カ
ーボネート/ジオール混合物中のジオールの重量%で表
わして、通常、0.0001〜80重量%、好ましくは
0.001〜80重量%で用いられる。また、脂肪族モ
ノアルコールに含まれるジアルキルカーボネートは、脂
肪族モノアルコール/ジアルキルカーボネート混合物中
のジアルキルカーボネートの重量%で表わして、通常、
0〜40重量%、好ましくは0.1〜30重量%、さら
に好ましくは1〜20重量%で用いられる。
【0047】第1連続多段蒸留塔に供給する環状カーボ
ネートと脂肪族モノアルコール類との量比は、触媒の種
類や量、および反応条件によっても変わり得るが、通
常、供給原料中の環状カーボネートに対して、脂肪族モ
ノアルコール類はモル比で0.01〜1000倍の範囲
で供給するのが好ましい。環状カーボネートの反応率を
上げるためには脂肪族モノアルコール類は2倍モル以上
の過剰量供給することが好ましいが、あまり大過剰に用
いると装置を大きくする必要がある。このような意味に
おいて、特に好ましいのは、2〜20倍モル量の脂肪族
モノアルコール類が使用される場合である。
【0048】本発明では、環状カーボネートの転化率は
100%未満であればよい。しかし、第1工程での環状
カーボネートを転化率を100%に近づけようとするに
つれ、反応装置が大きくなったり、必要な脂肪族モノア
ルコールの量が過大となってしまう。また、本発明では
未反応の環状カーボネートを第1連続多段蒸留塔へ循環
する際に、最低共沸混合物の成分としてジオールをも循
環させるので、転化率が低い場合には、ジオールの循環
量が増大するため、該連続多段蒸留塔でのエステル交換
反応の転化率が低くなる。また、転化率が非常に低く、
第1工程の塔下部抜き出し物中の環状カーボネート/ジ
オール組成比が最低共沸混合物の環状カーボネート/ジ
オール組成比よりも大きい場合には、第2連続多段蒸留
塔の塔下部からジオールを抜き出すことはできない。し
たがって、環状カーボネートの種類や、第2連続多段蒸
留塔の操作圧力によっても異なるが、本発明の第1工程
における環状カーボネートの転化率は、通常、83〜9
9.9%、好ましくは90〜99%、さらに好ましくは
95〜99%で行われる。
【0049】本発明においては、第1連続多段蒸留塔内
で生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点成分は
該蒸留塔の上部から液状、ガス状または液とガスとの混
合物として連続的に抜き出される。抜き出し物はジアル
キルカーボネート単独でも良いし、脂肪族モノアルコー
ル類および/または環状カーボネートとの混合物であっ
てもよいし、また高沸点生成物を少量含んでいてもよ
い。
【0050】第1連続多段蒸留塔から、ジアルキルカー
ボネートを含む低沸点成分を抜き出す抜き出し口は、原
料供給位置から塔頂の間または塔頂部にガス状物質の抜
き出し口を設けることが好ましく、塔頂部に設けること
がさらに好ましい。このようにして抜き出された低沸点
成分の−部を該蒸留塔の上部に戻す、いわゆる還流操作
を行ってもよい。この還流操作によって還流比を増加さ
せると、低沸点生成物の蒸気相への蒸留効率が高くなる
ため、抜き出すガス成分中の低沸点生成物濃度を増加さ
せることができる。しかしながら、あまりに還流比を増
加させると必要な熱エネルギーが大きくなるので好まし
くない。したがって、還流比は、通常0〜10が用いら
れ、好ましくは、0〜5が用いられる。
【0051】本発明の方法によって生成するジオールは
第1連続多段蒸留塔の下部から液状、ガス状または液と
ガスとの混合物として連続的に抜き出される。本発明に
おいて連続多段蒸留塔の上部とは、該蒸留塔の塔頂から
塔高の約1/2の高さまでの範囲を指し、塔頂も含まれ
る。連続多段蒸留塔の下部とは、該蒸留塔の塔底から塔
高の約1/2の高さまでの範囲を指し、塔底も含まれ
る。また、本発明において第1工程の塔下部抜き出し物
とは、第1連続多段蒸留塔の下部から液状および/また
はガス状で連続的に抜き出される、生成するジオールと
未反応の環状カーボネートを含むものであり、脂肪族モ
ノアルコールまたは脂肪族アルコールとジアルキルカー
ボネートを含んでいても良い。
【0052】第1連続多段蒸留塔の塔下部抜き出し物中
の環状カーボネート/ジオール組成比は、第2連続多段
蒸留塔において蒸留分離する際に、ジオールと環状カー
ボネートの最低共沸混合物からなる留分以外にジオール
を単独の留分として塔下部から得られるような組成比で
ある必要がある。また、該当下部抜き出し物中の環状カ
ーボネート/ジオール組成比があまりに小さい場合に
は、第1連続多段蒸留塔での環状カーボネートの転化率
を大きくするためにより大きな反応装置や、より多い脂
肪族モノアルコール量を必要とする。したがって、環状
カーボネートの種類や、原料に含まれるジオールの量
や、第2連続多段蒸留塔の操作条件によっても変わり得
るが、ジオールに対する環状カーボネートの重量比で表
わして、通常、0.001〜0.2、好ましくは0.0
1〜0.11、さらに好ましくは0.01〜0.053
の範囲である。
【0053】塔下部抜き出し物を第1連続多段蒸留塔か
ら抜き出す抜き出し口は、塔下部に設けられ、特に好ま
しくは塔底部に設けられる。このようにして抜き出され
た抜き出し物は、その−部をリボイラーで加熱すること
によって、ガス状または気液混合物の伏態で該蒸留塔の
下部に戻してもよい。第1連続多段蒸留塔内の流下液速
度および上昇蒸気速度は、使用する該蒸留塔の種類によ
り、また充填塔を用いる場合には充填物の種類によって
も異なるが通常、フラッディングやウィーピングを起こ
さない範囲で実施される。
【0054】本発明においては、反応は主として触媒の
存在する連続多段蒸留塔内の液相において起こるため、
生成する反応生成物の量は、通常、該蒸留塔内のホール
ドアップ液量に依存している。つまり、同じ塔高、同じ
塔径の蒸留塔を用いる場合にはホールドアッブ液量の多
い蒸留塔が反応液の滞留時間即ち反応時間を比較的長く
することができるという意味において好ましい。しかし
ながら、ホールドアッブ液量があまりに多い場合には、
滞留時間が長くなるために副反応が進行したり、フラッ
ディングが起こりやすくなる。従つて、本発明に用いる
第1連続多段蒸留塔のホールドアップ液量は蒸留条件や
蒸留塔の種類によっても変わり得るが、第1連続多段蒸
留塔の空塔容積に対するホールドアッブ液量の容積比で
表現して、通常、0.005〜0.75で行われる。
【0055】また、本発明において、第1連続多段蒸留
塔内での反応液の平均滞留時間は、反応条件や連続多段
蒸留塔の種類や内部構造(例えば棚段や充填物の種類)
によっても異なるが、通常0.001〜50時間、好ま
しくは0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜
5時間である。反応温度は、第1連続多段蒸留塔内の温
度であり、用いる原料の種類や反応圧力によって異なる
が、通常0〜350℃、好ましくは20〜200℃の範
囲である。また、反応圧力は減圧、常圧、加圧いずれで
あってもよく、絶対圧力で表わして通常0.00001
〜20kg/cm2 である。
【0056】第1工程の塔下部抜き出し物の一部を第1
連続多段蒸留塔へ供給することで未反応環状カーボネー
トを該連続多段蒸留塔へ循環させることもできる。その
際、塔下部抜き出し物を該連続多段蒸留塔へ供給する導
入口の位置は特に制限されないが、該蒸留塔の上部へ供
給することが好ましい。
【0057】第1工程の塔下部抜き出し物をそのまま第
2工程へ供給することもできる。この時、反応条件にお
いて反応液に溶解しうる触媒を用いる場合には第1工程
で用いた触媒はそのまま第2工程へ供給される。また、
第1工程の塔下部抜き出し物を触媒分離装置へ導き、環
状カーボネートやジオールを含む低沸点成分と、触媒を
含む高沸点成分とに分離した後に、該低沸点成分の一部
または全部を第2連続多段蒸留塔に供給することによっ
て循環させ、一方、該触媒を含有する高沸点成分の一部
または全部を第1連続多段蒸留塔に供給することによっ
て循環させることも好ましい方法である。触媒分離装置
としては蒸留塔または蒸発缶が好ましく使用される。
【0058】第1工程の塔下部抜き出し物は、第2連続
多段蒸留塔の任意の段に任意の数だけ設けられた導入口
から、液または蒸気または液と蒸気の混合物として第2
連続多段蒸留塔へ連続的に供給され、該蒸留塔で各留分
に蒸留分離される。未反応の脂肪族モノアルコールおよ
び未反応環状カーボネートは第2連続多段蒸留塔の上部
から塔上部抜き出し物としてガス状または液状またはガ
ス/液混合物で抜き出されて第1連続多段蒸留塔に循環
される。該抜き出し物は脂肪族モノアルコール、環状カ
ーボネートおよびジオールからなり、ジアルキルカーボ
ネートを少量含んでいても良い。また、該抜き出し物の
抜き出し口は、通常、第2連続多段蒸留塔に設けられ
た、第1工程塔下部抜き出し物の導入口から塔頂の間ま
たは塔頂部に設けられ、好ましくは塔頂部に設けられ
る。このようにして抜き出された第2連続多段蒸留塔の
塔上部抜き出し物の一部を該蒸留塔の上部に戻す、還流
操作を行ってもよい。還流比は、通常1〜10が用いら
れ、好ましくは、1〜5が用いられる。
【0059】ジオールは第2反応蒸留塔の下部からガス
状または液状またはガス/液混合物の塔下部抜き出し物
として抜き出される。該抜き出し物は、ジオール単独で
あっても良いし、ジオールを含有する混合物であっても
良い。また、触媒成分を含んでいても良い。ジオールを
ガス状で抜き出す方法は、高沸点成分との分離ができる
ため、好ましい方法である。蒸留操作に必要な熱エネル
ギーは、塔底液を加熱することによって行なわれる。加
熱は、第2連続多段蒸留塔外部に設けたリボイラーまた
は塔底内部に設置した加熱器によって行なわれる。
【0060】第2連続多段蒸留塔の塔底液は主としてジ
オールからなるが、反応条件で反応液に溶解し得る触媒
を用いる場合には、塔底液に触媒成分が含まれる。長時
間反応を行なう場合には、この触媒成分を連続的にまた
はバッチ式で抜き出す必要があるが、触媒成分に同伴し
て抜き出されるジオールの量を低減するためには、触媒
成分を濃縮することが好ましい。濃縮度は、用いる触媒
の種類や、反応液中のによっても異なるが、塔底液中の
触媒成分の濃度で表わして、通常、0.1〜50重量
%、好ましくは0.5〜30重量%で行なわれる。
【0061】塔底液の濃縮は塔底部で行なっても良い
し、蒸留塔または蒸発缶から成る分離装置に導き、ジオ
ールを含む低沸点留分と、触媒成分を含む高沸点留分と
に分離しても良い。また、反応条件で反応液に溶解し得
る触媒を用いる場合には、この濃縮した塔底液の一部ま
たは全部を触媒として第1反応蒸留塔に供給することに
よって循環させることも好ましい方法である。
【0062】第2工程の操作圧力は環状カーボネートと
ジオールが最低共沸混合物を形成する圧力範囲で行なわ
れ、使用する原料によっても異なるが、例えば、環状カ
ーボネートとしてエチレンカーボネートを用いる場合に
は、通常、50〜0.01torr、好ましくは、50
〜0.1torr、さらに好ましくは、50〜1tor
rで行なわれる。操作温度は使用する原料、操作圧力、
組成によって異なるが、塔底部の温度で通常、50〜2
50℃、好ましくは70〜150℃で行なわれる。第2
連続多段蒸留塔の塔上部抜き出し物は、第1連続多段蒸
留塔に循環されるが、その導入口の位置は、塔底以外で
あればどこでも良いが、通常、環状カーボネート導入口
から塔の間の非塔底部である。
【0063】本発明の特に好ましい実施態様において
は、環状カーボネートとしてエチレンカーボネートを用
い、脂肪族モノアルコールとしてメタノールを用い、相
当するジアルキルカーボネートであるジメチルカーボネ
ートと、エチレングリコールを製造する場合である。こ
の場合、原料の中で沸点の高いエチレンカーボネート
は、第1連続多段蒸留塔の触媒の存在する段から塔頂ま
での間に設けられた導入口から、該蒸留塔内に液状で連
続的に供給され、低沸点原料であるメタノール(少量の
ジメチルカーボネートを含んでいても良い)は塔下部よ
り、ガス状で該蒸留塔内に連続的に供給される。そして
反応によって生成した低沸点生成物であるジメチルカー
ボネートは該蒸留塔の塔頂部から連続的に抜き出され
る。高沸点生成物であるエチレングリコールは第1連続
多段蒸留塔の下部から液状で連続的に抜き出され、第2
連続多段蒸留塔へ供給される。エチレンカーボネート/
エチレングリコール最低共沸混合物とメタノールを含有
する低沸点留分は第2連続多段蒸留塔の塔上部から抜き
出されて第1連続多段蒸留塔へ循環され、エチレングリ
コールは第2連続多段蒸留塔の塔下部から連続的に抜き
出される。
【0064】本発明においては、必ずしも溶媒を使用す
る必要はないが、反応操作を容易にする等の目的で適当
な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、
ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いる
ことができる。また、反応に不活性な物質として窒素、
ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させ
てもよいし、生成する低沸点生成物の留去を加速する目
的で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反
応に不活性な低沸点有機化合物をガス状で導入してもよ
い。
【0065】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例を用いて
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により
何ら限定されるものではない。 (実施例1)図1に示される装置を用いてエチレンカー
ボネートとメタノールから、ジメチルカーボネートとエ
チレングリコールを連続的に製造した。
【0066】充填物としてディクソンパッキング(3
φ)を充填した、内径2cm、充填高120cmの充填
塔からなる第1連続多段蒸留塔1の塔頂4から20cm
の位置へ、エチレンカーボネート、メタノール、ジメチ
ルカーボネート、水酸化ナトリウム(重量比:エチレン
カーボネート/メタノール/ジメチルカーボネート/水
酸化ナトリウム=29.6/65.4/4.9/0.0
9)からなる混合物(原料1)を導管2から予熱器3を
経て液状で連続的に供給した。第1連続多段蒸留塔の塔
底液はリボイラー6で加熱された。第1連続多段蒸留塔
は大気圧で運転された。
【0067】塔頂4から留出するガス状成分は凝縮器7
で凝縮され、一部が環流された後、液状で抜き出され
た。塔底8から抜き出された塔底液は導管9を経て、充
填物としてディクソンパッキング(3φ)を充填した、
内径2cm、充填高120cmの充填塔からなる第2連
続多段蒸留塔10の塔頂から20cmの位置へ供給され
た。
【0068】第2連続多段蒸留塔は塔頂圧力10tor
rで運転され、この塔頂から留出するガス状成分は冷却
器13で凝縮され、その一部を導管14を経て還流さ
せ、残りは導管15を経て第1連続多段蒸留塔の塔頂か
ら60cmの位置へ循環した。第2連続多段蒸留塔の塔
底液をリボイラー18で加熱し、その一部を導管20か
ら抜き出した。この塔底液にはエチレンカーボネートは
含まれていなかった。
【0069】反応条件および定常状態後の結果を第1表
に示す。この結果は、第1工程および第2工程を行なう
ことにより、エチレンカーボネートの転化率が100
%、エチレングリコールの収率が99%以上(エチレン
カーボネート基準のエチレングリコール選択率は99%
以上)、ジメチルカーボネートの収率は99%以上(エ
チレンカーボネート基準のジメチルカーボネートの選択
率は99%以上)で得られたことを示す。
【0070】(実施例2)導管2から供給した原料の組
成が、エチレンカーボネート、メタノール、ジメチルカ
ーボネート、ナトリウムメトキシド(重量比:エチレン
カーボネート/メタノール/ジメチルカーボネート/ナ
トリウムメトキシド=29.6/65.4/4.9/
0.15)であること以外は、実施例1と同様の条件で
行なった。反応条件および定常状態後の結果を第1表に
示す。
【0071】(比較例1)図2に示される装置、すなわ
ち、実施例1で用いた装置から第2連続多段蒸留塔を除
いた装置を用い、第2連続蒸留塔からの循環を行わなか
ったことの他は実施例1と同様に反応を行った(ただ
し、連続多段蒸留塔1の塔高は200cmとした)。反
応条件および定常状態後の結果を第2表に示す。この結
果はエチレンカーボネートの転化率が91.4%、エチ
レングリコールの収率が89%(エチレンカーボネート
基準のエチレングリコール選択率は97%)、ジメチル
カーボネートの収率は89%(エチレンカーボネート基
準のジメチルカーボネートの選択率は97%)であるこ
とを示す。
【0072】(実施例3)図3に示される装置を用いて
エチレンカーボネートとメタノールから、ジメチルカー
ボネートとエチレングリコールを連続的に製造した。充
填物としてディクソンパッキング(3φ)を充填した、
内径2cm、充填高120cmの充填塔からなる第1連
続多段蒸留塔1の塔頂4へ、エチレンカーボネート、水
酸化ナトリウム(重量比:エチレンカーボネート/水酸
化ナトリウム=99.7/0.3)からなる混合物(原
料1)を導管2から予熱器3を経て液状で連続的に供給
し、メタノールとジメチルカーボネート(重量比:メタ
ノール/ジメチルカーボネート=93/7)からなる混
合物(原料2)を、導管5から蒸発器6を経て塔底へガ
ス状で連続的に供給した以外は、実施例1と同様の方法
で反応を行なった。反応条件および定常状態後の結果を
第3表に示す。
【0073】(実施例4)エチレンカーボネート、ジア
ザビシクロウンデセン(DBU)(重量比:エチレンカ
ーボネート/DBU=99.5/0.5)からなる混合
物を原料1として用いた他は実施例3と同様の方法で反
応を行なった。反応条件および定常状態後の結果を第3
表に示す。
【0074】(実施例5)エチレンカーボネート、ナト
リウムメトキシド(NaOMe)(重量比:エチレンカ
ーボネート/NaOMe=99.5/0.5)からなる
混合物を原料1として用いた他は実施例3と同様の方法
で反応を行なった。反応条件および定常状態後の結果を
第3表に示す。
【0075】(実施例6)エチレンカーボネート、水酸
化ナトリウム(重量比:エチレンカーボネート/NaO
H=99.5/0.5)からなる混合物を原料1として
用い、メタノールとジメチルカーボネート(重量比:メ
タノール/ジメチルカーボネート=85/15)からな
る混合物を原料2として用いた他は実施例3と同様の方
法で反応を行なった。反応条件および定常状態後の結果
を第3表に示す。
【0076】(比較例2)図4に示される装置、すなわ
ち、実施例3で用いた装置から第2連続多段蒸留塔を除
いた装置を用い、第2連続蒸留塔からの循環を行わなか
ったことの他は実施例3と同様に反応を行った(ただ
し、連続多段蒸留塔1の塔高は200cmとした)。反
応条件および定常状態後の結果を第4表に示す。
【0077】(実施例7)図5に示される装置を用いて
エチレンカーボネートとメタノールから、ジメチルカー
ボネートとエチレングリコールを連続的に製造した。開
口率2%で液深5mmのシーブトレイを40段装着した
塔径5cm、塔高160cmのオールダーショー型多段
蒸留塔からなる第1連続多段蒸留塔1の塔頂4から5段
めの位置へ、エチレンカーボネート、水酸化ナトリウム
(重量比:エチレンカーボネート/水酸化ナトリウム=
99.9/0.1)からなる混合物(原料1)を導管2
から予熱器3を経て液状で連続的に供給した。第1連続
多段蒸留塔の塔底へメタノールとジメチルカーボネート
の混合物(重量比:メタノール/ジメチルカーボネート
=93/7)からなる混合物(原料2)を導管5から蒸
発器6を経てガス状で連続的に供給した。第1連続多段
蒸留塔は大気圧で運転された。
【0078】塔頂4から留出するガス状成分は凝縮器7
で凝縮され、液状で抜き出された。塔底8から抜き出さ
れた塔底液は導管9を経て、充填物としてマクマホンパ
ッキング(6φ)を充填した、内径50mm、充填高1
20cmの充填塔からなる第2連続多段蒸留塔10の塔
頂から20cmの位置へ供給された。
【0079】第2連続多段反応蒸留塔は塔頂圧力10t
orrで運転され、この塔頂から留出するガス状成分は
冷却器13で凝縮され、その一部を導管14を経て還流
させ、残りは導管15を経て第1連続多段蒸留塔の塔頂
から20段の位置へ循環した。第2連続多段蒸留塔の塔
底液をリボイラー18で加熱し、その一部を導管20か
ら抜き出した。この塔底液にはエチレンカーボネートは
含まれていなかった。第2連続多段反応蒸留塔の塔頂か
ら80cmの位置に設けられた抜き出し口からエチレン
グリコールをガス状で抜き出し、凝縮器21で凝縮させ
た。この塔底液にもエチレンカーボネートは含まれてい
なかった。反応条件および定常状態後の結果を第5表に
示す。
【0080】(実施例8)メタノールとジメチルカーボ
ネート(重量比:メタノール/ジメチルカーボネート=
85/15)からなる混合物を原料2として用いた他は
実施例7と同様の方法で反応を行なった。反応条件およ
び定常状態後の結果を第5表に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【発明の効果】本発明の方法により、原料として入手し
やすい0〜40重量%のジアルキルカーボネートを含有
する脂肪族モノアルコールと環状カーボネートとを用い
て、ジアルキルカーボネートとジオールを、高収率・高
選択率で、連続的に製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた装置の模式図である。
【図2】比較例1で用いた装置の模式図である。
【図3】実施例3で用いた装置の模式図である。
【図4】比較例2で用いた装置の模式図である。
【図5】実施例7で用いた装置の模式図である。
【符号の説明】
1:第1連続多段蒸留塔 3:予熱器 6、18:リボイラー 6’:蒸発器 10:第2連続多段蒸留塔 7、13、21:凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 68/08 C07C 68/08 69/96 69/96 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状カーボネートと脂肪族モノアルコー
    ルからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製
    造するに際して、該環状カーボネートが該ジオールと最
    低共沸混合物を形成する環状カーボネートであり、以下
    の第1および第2工程を含むことを特徴とする、ジアル
    キルカーボネートおよびジオールの連続的製造法。 第1工程:第1連続多段蒸留塔に、0〜40重量%のジ
    アルキルカーボネートを含有する脂肪族モノアルコール
    と環状カーボネートとを連続的に供給し、該蒸留塔内に
    存在させた触媒と接触させることによって反応を行なわ
    せると同時に、反応によって生成するジアルキルカーボ
    ネートを含む低沸点成分を該蒸留塔の上部から連続的に
    抜き出すとともに、生成するジオールおよび未反応の環
    状カーボネートを含む塔下部抜き出し物を塔下部から連
    続的に抜き出す。 第2工程:第2連続多段蒸留塔に第1工程の塔下部抜き
    出し物を連続的に供給し、環状カーボネートとジオール
    の最低共沸混合物を含む低沸点の塔上部抜き出し物を該
    蒸留塔の上部から抜き出して第1連続多段蒸留塔に循環
    するとともに、ジオールを第2連続多段蒸留塔の塔下部
    から連続的に抜き出す。
  2. 【請求項2】 環状カーボネートがエチレンカーボネー
    トである、特許請求項1記載のジアルキルカーボネート
    およびジオールの連続的製造法。
  3. 【請求項3】 第1連続多段蒸留塔の塔下部より抜き出
    される環状カーボネートとジオールの組成比が、ジオー
    ルに対する環状カーボネートの重量比で表現して0.0
    01〜0.2の範囲である、特許請求項2記載のジアル
    キルカーボネートおよびジオールの連続的製造法。
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