JP3674687B2 - ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は、連続多段蒸留塔に環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを連続的に供給し、該多段蒸留塔において、エステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応を連続的に行ない、該多段蒸留塔の上部から生成ジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含むガス状低沸点混合物を連続的に抜き出し、一方該多段蒸留塔の下部から生成ジオールと未反応環状カーボネートを含む液状高沸点混合物を連続的に抜き出す工程(1)と、該多段蒸留塔の下部から抜き出した該高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に連続的に供給して該未反応環状カーボネートと該生成ジオールの一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、生成ジオールおよび生成鎖状エーテルを含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出す工程(2)を含み、該エーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量が、環状カーボネートのジオールに対する重量比で0〜10-2であることを特徴とする、ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法に関する。本発明の方法によると、環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造するプロセスにおいて、純度の高いジオールを容易に得ることができる。
従来技術
環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類の反応から、ジアルキルカーボネートとジオール類を製造する方法については、いくつかの提案がなされているが、そのほとんどが触媒に関するものである。このような触媒として例えば、アルカリ金属またはアルカリ金属を含む塩基性化合物[米国特許第3,642,858号明細書、日本国特開昭54−48715号公報(米国特許第4,181,676号に対応)]、3級脂肪族アミン[日本国特開昭51−122025号公報(米国特許第4,062,884号に対応)]、タリウム化合物[日本国特開昭54−48716号公報(米国特許第4,307,032号に対応)]、錫アルコキシド類(日本国特開昭54−63023号公報)、亜鉛、アルミニウム、チタンの各アルコキシド(日本国特開昭54−148726号公報)、ルイス酸と含窒素有機塩基から成る複合触媒(日本国特開昭55−64550号公報)、ホスフィン化合物(日本国特開昭55−64551号公報)、4級ホスホニウム塩(日本国特開昭56−10144号公報)、環状アミジン[日本国特開昭59−106436号公報)(米国特許第4,681,967号、ヨーロッパ特許第110629B号、ドイツ特許第3366133G号に対応)]、ジルコニウム、チタンおよび錫の化合物[日本国特開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,609号、ヨーロッパ特許第255252B1号、ドイツ特許第3781742G号に対応)]、4級アンモニウム基を有する固体強塩基性アニオン交換体(日本国特開昭63−238043号公報)、3級アミンまたは4級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂、強酸性または弱酸性イオン交換樹脂、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩を含浸させたシリカ、及びアンモニウム交換ゼオライトからなる群より選ばれる固体触媒[日本国特開昭64−31737号公報(米国特許第4,691,041号に対応)]、3級ホスフィン、3級アルシン、3級スチビン、2価の硫黄またはセレン化合物からなる群より選ばれる均一系触媒(米国特許第4,734,518号)などが提案されている。
また、反応方式としては、これまで次に示す4つの方式が提案されている。これら4つの反応方式について、最も代表的な反応例である、エチレンカーボネートとメタノールからのジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造を例にとって以下に説明する。
(1) 完全なバッチ反応方式(以下、「第1の方式」と称す)
(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式(以下、「第2の方式」と称す)
(3)管状リアクターを用いる液状流通反応方式(以下、「第3の方式と称す」)
(4)反応蒸留方式(以下、「第4の方式」と称す)
第1の方式は、エチレンカーボネート、メタノールおよび触媒をバッチ式反応容器であるオートクレーブに仕込み、メタノールの沸点以上の反応温度において加圧下で所定の反応時間保持することによって反応を行う完全なバッチ式反応方式である[米国特許第3,642,858号明細書、日本国特開昭54−48715号公報(米国特許第4,181,676号、ヨーロッパ特許第1082B号、ドイツ特許第2860078G号に対応)、日本国特開昭54−63023号公報、日本国特開昭54−148726号公報、日本国特開昭55−64550号公報、日本国特開昭55−64551号公報、日本国特開昭56−10144号公報]。
第2の方式は、反応釜の上部に蒸留塔を設けた装置を用いるものであって、エチレンカーボネート、メタノールおよび触媒を反応容器に仕込み、所定の温度に加熱することによって反応を進行させる。この場合、生成するジメチルカーボネートとメタノールは最低沸点共沸混合物(沸点63℃/760mmHg)を形成し、一方メタノールの沸点は64.6℃/760mmHgである。この方式では、後述する理由により、メタノール大過剰の条件で反応が行なわれ上記の沸点差を利用して、反応釜上部の蒸留塔を用いて共沸混合物とメタノールを分離する。すなわち、反応釜中から蒸発したジメチルカーボネート蒸気とメタノール蒸気は蒸留塔を上昇する間に、共沸混合物蒸気と液状のメタノールに分離され、共沸混合物蒸気は蒸留塔頂より留去され、液状のメタノールは流下して反応釜に戻されて反応に供される。
第3の方式は、所定の反応温度に保たれた管状リアクターにエチレンカーボネートとメタノールの混合溶液を連続的に供給し、他方の出口より未反応のエチレンカーボネート、未反応のメタノール、生成物であるジメチルカーボネート及びエチレングリコールを含む反応混合物を液状で連続的に抜き出す連続反応方式である。用いる触媒の形態によって2つの方法が行われている。すなわち、均一系触媒を用いて、エチレンカーボネートとメタノールの混合溶液と一緒に管状リアクターを通過させ、反応後、反応混合物中から触媒を分離する方法[日本国特開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,609号、ヨーロッパ特許第255252B1号、ドイツ特許第3781742G号に対応)、米国特許第4,734,518号]と、管状リアクター内に固定させた不均一系触媒を用いる方法[日本国特開昭63−238043号公報、日本国特開昭64−31737号公報(米国特許第4,691,041号、ヨーロッパ特許第298167B1号、ドイツ特許第3781796G号に対応)]がある。
第4の方式は、反応蒸留方式すなわち、多段蒸留塔内にエチレンカーボネートとメタノールをそれぞれ連続的に供給し該蒸留塔の複数段で触媒の存在下に反応を行なうと同時に生成物であるジメチルカーボネートとエチレングリコールを分離する、連続的製造方法[日本国特開平4−198141号公報、日本国特開平4−230243号公報、日本国特開平5−213830号公報(ドイツ特許出願公開第4129316A1号、米国特許第5,231,212号、ヨーロッパ特許第530615A3に対応)、日本国特開平6−9507号公報(米国特許第5,359,118号、ヨーロッパ特許第569812A1号、ドイツ特許出願公開第4216121A1号に対応)]である。
以上で説明した4方式の従来技術にはそれぞれ、以下に述べるような問題点があった。
第1の方式及び第3の方式
完全なバッチ反応である第1の方式及び管状リアクターを用いる流通反応である第3の方式の場合には、エチレンカーボネートの反応率は、仕込組成比と反応温度によって決まる平衡反応率以上に高めることは不可能である。例えば、管状リアクターを用いる連続流通反応方式である日本国特開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,609号、ヨーロッパ特許第255252B1号、ドイツ特許第3781742G号に対応)の実施例1によれば、仕込みモル比メタノール/エチレンカーボネート=4/1の原料を用いる130℃での流通反応においては、エチレンカーボネートの反応率は25%である。このことは、反応混合物中に未反応で残存する大量のエチレンカーボネートおよびメタノールを分離・回収して反応器へ再循環させる必要があることを意味しており、事実、日本国特開昭64−31737号公報(米国特許第4,691,041号、ヨーロッパ特許第298167B1号、ドイツ特許第3781796G号に対応)の方法では、分離・精製・回収・再循環のための多くの設備が用いられている。
第2の方式
蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いる第2の方式の問題点は、以下に述べるように長い反応時間を必要とすること及びそれに伴って、選択率の低下を防ぐためには大量のメタノールを使用する必要がある点である。
この方式では、生成するジメチルカーボネートと共沸して留出するメタノールを補うために、反応釜にメタノールを連続的またはバッチ的に添加することも行なわれているが、いずれにしても、この方式では触媒、エチレンカーボネートおよびメタノールが存在しているバッチ式の反応釜中でのみ反応を進行させている。従って反応はバッチ式であり、3〜20数時間もの長時間をかけて、還流下で反応を行っている。
この方式では、一つの生成物であるジメチルカーボネートは、連続的に反応系外に抜き出されているが、他の生成物であるエチレングリコールは、触媒の存在下に未反応のエチレンカーボネートと長時間滞留することになる。このエチレングリコールとエチレンカーボネートとの長時間滞留は、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールなどのポリエチレングリコールを副生する副反応を引き起こす。これらの副反応を抑制し、選択率の低下を防ぐためには、反応釜にバッチ的に仕込まれたエチレンカーボネートに対して、大過剰のメタノールを用いる必要があり、事実これまでに提案されている方法では、エチレンカーボネート(またはプロピレンカーボネート)1モルあたり、14モル(米国特許第3,803,201号に対応)、17モル(日本国特開平1−311054号公報)、22モル[日本国特開昭51−122025号公報(米国特許第4,062,884号、ドイツ特許第2615665B号に対応)]、23モル[日本国特開昭54−48716号公報(米国特許第4307032号、ヨーロッパ特許第1083B号、ドイツ特許第2860142G号に対応)]もの大過剰のメタノールが使用されている。
第4の方式
反応蒸留方式である第4の方式の場合には、第1、第2及び第3の方式と比較して、高い反応率で反応を進行させることが可能である。しかしながら、第4の方式も、可逆な平衡反応を用いてジアルキルカーボネートとジオールを製造する方法であるから、たとえ環状カーボネートを実質的に100%転化させるようにした場合においても、微量の未反応環状カーボネートが生成ジオール中に残存することを防ぐことはできない。そのために、純度の高いジオールを得るためには通常、ジオールと未反応環状カーボネートとを厳密に制御された条件下で蒸留分離することが不可欠である。WO97/23445号公報(米国特許第5,847,189号、ヨーロッパ特許出願公開第0889025A1号に対応)は、未反応環状カーボネートを加水分解することによってジオールへ転化させることで、この問題の解決を図っているが、触媒や原料以外に水を用いる必要があり、また、それゆえ、水分離工程が必要となるなどプロセスが複雑になる。
このように、原料として環状カーボネートと脂肪族1価アルコールを用い、ジアルキルカーボネートとジオールを製造する際に、複雑な分離工程や原料・触媒以外の成分を必要としないで高純度のジオールを得る方法は、これまで全く提案されていなかったのである。
発明の概要
本発明者らは、従来技術の上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、連続多段蒸留塔に環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを連続的に供給し、該多段蒸留塔において、エステル交換反応触媒の存在下にエステル交換反応を連続的に行ない、該多段蒸留塔の上部から生成ジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含むガス状低沸点混合物を連続的に抜き出し、一方該多段蒸留塔の下部から生成ジオールと未反応環状カーボネートを含む液状高沸点混合物を連続的に抜き出す工程(1)と、該多段蒸留塔の下部から抜き出した該高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に連続的に供給して該未反応環状カーボネートと該生成ジオールの一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、生成ジオールおよび生成鎖状エーテルを含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出す工程(2)を含み、該エーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量が、環状カーボネートのジオールに対する重量比で0〜10-2である方法でジアルキルカーボネートとジオールの製造を行うと、複雑な蒸留分離工程や原料・触媒以外の成分を用いずに高純度のジオールを容易に得ることができることを知見した。この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
従って、本発明の1つの主なる目的は、環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する際に、複雑な蒸留分離工程や原料・触媒以外の成分を用いずに高純度のジオールを容易に得ることを可能にする方法を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、添付の図面を参照しながら行なう以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
図面において:
図1は、実施例1で用いた装置の模式図である。
図2は、比較例2で用いた装置の模式図である。
図3は、実施例5で用いた装置の模式図である。
図4は、実施例6で用いた装置の模式図である。
図5は、実施例7で用いた装置の模式図である。
図6は、実施例10で用いた装置の模式図である。
符号の説明
1 連続多段蒸留塔
3、6 予熱器
4、18、42、61 塔頂
7、19、32、45、54、62 凝縮器
10、26、43、65 塔底
12、28、50、67 リボイラー
15、34 エーテル生成反応器
72 加水分解反応器
17 低沸点成分分離塔又は低沸点成分分離/エーテル生成反応塔
22、38 脱二酸化炭素カラム
41 ジオール精製塔
60 水分離塔
2、2′、5、8、9、11、13、14、16、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、35、36、37、39、46、47、48、49、51、52、53、55、56、63、64、66、68、69、70、71 導管
発明の詳細な説明
本発明によれば、環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法であって、
(1)式(A)
Figure 0003674687
〔ただし、R1は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている2価基 −(CH2)m− (mは2〜6の整数)を表わす。〕
で表わされる環状カーボネートと、
式(B)
2OH (B)
〔ただし、R2は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基を表わす。〕
で表わされる脂肪族1価アルコールとを、連続多段蒸留塔に連続的に供給し、該多段蒸留塔において、エステル交換反応触媒の存在下で、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールとのエステル交換反応を連続的に行なうことにより、式(C)
Figure 0003674687
〔ただし、R2は上記式(B)に関して定義したのと同様。〕
で表わされるジアルキルカーボネートと式(D)
Figure 0003674687
〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様。〕
で表わされるジオールを生成し、その際、同時に、該生成ジアルキルカーボネート(C)と未反応脂肪族1価アルコール(B)を含むガス状低沸点混合物を、該多段蒸留塔の上部より連続的に抜き出し、一方該生成ジオール(D)と未反応環状カーボネート(A)を含む液状高沸点混合物を該多段蒸留塔の下部より連続的に抜き出し、
(2)工程(1)において該多段蒸留塔の下部から抜き出した該高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に連続的に供給し、それにより、該未反応環状カーボネート(A)と該生成ジオール(D)の一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって、式(E)
HO(R1O)pH (E)
〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様であり、pは2〜4の整数を表す。〕
で表される鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、一方生成ジオール(D)および生成鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出すことを含み、
該エーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量が、環状カーボネート(A)のジオール(D)に対する重量比で0〜10-2であることを特徴とする、ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法が提供される。
次に本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法であって、
(1)式(A)
Figure 0003674687
〔ただし、R1は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている2価基 −(CH2)m− (mは2〜6の整数)を表わす。〕
で表わされる環状カーボネートと、
式(B)
2OH (B)
〔ただし、R2は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基を表わす。〕
で表わされる脂肪族1価アルコールとを、連続多段蒸留塔に連続的に供給し、該多段蒸留塔において、エステル交換反応触媒の存在下で、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールとのエステル交換反応を連続的に行なうことにより、式(C)
Figure 0003674687
〔ただし、R2は上記式(B)に関して定義したのと同様。〕
で表わされるジアルキルカーボネートと式(D)
Figure 0003674687
〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様。〕
で表わされるジオールを生成し、その際、同時に、該生成ジアルキルカーボネート(C)と未反応脂肪族1価アルコール(B)を含むガス状低沸点混合物を、該多段蒸留塔の上部より連続的に抜き出し、一方該生成ジオール(D)と未反応環状カーボネート(A)を含む液状高沸点混合物を該多段蒸留塔の下部より連続的に抜き出し、
(2)工程(1)において該多段蒸留塔の下部から抜き出した該高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に連続的に供給し、それにより、該未反応環状カーボネート(A)と該生成ジオール(D)の一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって、式(E)
HO(R1O)pH (E)
〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様であり、pは2〜4の整数を表す。〕
で表される鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、一方生成ジオール(D)および生成鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出すことを含み、
該エーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量が、環状カーボネート(A)のジオール(D)に対する重量比で0〜10-2であることを特徴とする、ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法。
2.工程(1)のエステル交換反応における環状カーボネートの転化率が50%以上である前項1に記載の方法。
3.工程(1)のエステル交換反応における環状カーボネートの転化率が95〜99.999%である前項2に記載の方法。
4.工程(2)において、該連続的エーテル生成反応をエーテル生成触媒の存在下に行う前項1〜3のいずれかに記載の方法。
5.工程(2)の該連続的エーテル生成反応における環状カーボネートの転化率が90〜100%である前項1〜4のいずれかに記載の方法。
6.工程(2)の該連続エーテル生成反応装置から抜き出したエーテル生成反応混合物が二酸化炭素を含み、該エーテル生成反応混合物から二酸化炭素を分離する前項1〜5のいずれかに記載の方法。
7.工程(1)の脂肪族1価アルコールが、随伴ジアルキルカーボネートを、該脂肪族1価アルコールと該随伴ジアルキルカーボネートとの合計量に対して0〜40重量%含有する前項1〜6のいずれかに記載の方法。
8.工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および未反応環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を、上記低沸点成分分離塔の中間段又は最下段に対応する位置の側壁に設けられた少なくとも1つのサイドカット抜き出し口から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔のサイドカット抜き出し口から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に連続的に供給する前項1〜7のいずれかに記載の方法。
9.工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および未反応環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を上記低沸点成分分離塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔の下部から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に連続的に供給する前項1〜7のいずれかに記載の方法。
10.工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離/エーテル生成反応塔に連続的に供給し、上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の塔下部は工程(2)で用いる連続エーテル生成反応装置として機能するのに適合し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部において未反応環状カーボネート(A)とジオール(D)の一部との間の連続的エーテル生成反応を行なって鎖状エーテル(E)と二酸化炭素を生成せしめ、二酸化炭素を含み且つ該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物からなる高沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルする前項1〜7のいずれかに記載の方法。
11.環状カーボネートがエチレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれた脂肪族1価アルコールである前項1〜10のいずれかに記載の方法。
12.環状カーボネートがエチレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノールであり、鎖状エーテルがジエチレングリコールである前項1〜11のいずれかに記載の方法。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の反応は、環状カーボネート(A)と脂肪族1価アルコール(B)から、ジアルキルカーボネート(C)とジオール(D)が生成する、下記一般式(I)で表わされる可逆平衡なエステル交換反応である。
Figure 0003674687
[ここで、R1は2価の基−(CH2−(mは2〜6の整数)を表わし、その1個以上の水素は炭素数1〜10のアルキル基や炭素数6〜10のアリール基によって置換されていてもよい。また、R2は炭素数1〜12の1価の脂肪族基を表わし、その1個以上の水素は炭素数1〜10のアルキル基や炭素数6〜10のアリール基で置換されていてもよい。]
この反応は前記したように可逆平衡反応であり、反応率を実質的に100%とした場合でも、微量の未反応環状カーボネートが生成ジオールと共存することを防ぐことはできない。また、公知の方法で環状カーボネートとジオールの混合物から純度の高いジオールを分離するためには厳密に制御された条件下での蒸留分離が必要である。
本発明では、生成ジオール中の未反応環状カーボネートを、ジオールとの蒸留分離が容易なエーテルに転化させるので、前記の厳密に制御された条件下での蒸留工程を必要とせずに、純度の高いジオールを容易に得ることができる。
前記のように、純度の高いジオールを得るための公知の方法として、未反応環状カーボネートを加水分解することによりジオールへ転化させる方法が知られている〔WO97/23445(米国特許第5,847,189号、ヨーロッパ特許出願公開第0889025A1号に対応)〕。本発明の方法は、この方法と比較して、水の使用、及びそれに伴う水分離工程などの煩雑な工程も不要な簡単なプロセスで高純度なジオールが容易に得られるため非常に有利である。
本発明の方法においては、工程(2)において連続エーテル生成反応装置から抜き出される混合物中の未反応環状カーボネートのジオールに対する重量比が0〜10-2になるまでエーテル生成反応を行う。従来、このようなエーテル生成反応は、リサイクルとして用いることができる未反応エチレンカーボネートの分解を伴うため好ましくないと考えられていた。従って、従来技術においては、ジオールの分離は上記のエーテル生成反応が起こらないような条件下で行われていた。
前記公報(WO97/23445)の比較例1及び2においては、未反応環状カーボネートの加水分解を行う代わりに、未反応環状カーボネートからジオールを分離する工程を行っている。この分離工程においては、未反応エチレンカーボネートの一部がたまたま分解されてエーテル(ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等)が生成しているが、未反応エチレンカーボネートのエーテルへの転換を意図したものではないので、この分離工程で得られたジオールには多量の未反応エチレンカーボネートが混入してしまっている(エチレンカーボネート/エチレングリコール重量比は、比較例1においては40.3/59.7、比較例2においては13.5/86.5)。
このように、従来、生成ジオール中の未反応環状カーボネートの少なくとも大部分を転換しエーテルを生成させることにより高純度なジオールを得る試みはなされておらず、本発明のように工程(2)において抜き出された混合物中の環状カーボネートのジオールに対する重量比が0〜10-2になるまでエーテル生成反応を行うことにより高純度のジオールが容易に得られるということは全く意外である。
本発明の方法の工程(1)で用いられる連続多段蒸留塔とは、蒸留の段数が2段以上の複数段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なものであるならばどのようなものであってもよい。本発明でいう段とは理論段をも含むものであり、充填塔のように物理的段を有しない蒸留塔の場合には、用いる充填材のH.E.T.P.(1理論段あたりの高さ)で充填高さを除した数値が段数として用いられる。このような連続多段蒸留塔としては、例えば泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレイ等のトレイを使用した棚段塔式のものや、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メラパック等の各種充填物を充填した充填塔式のものなど、通常、連続式の多段蒸留塔として用いられるものならばどのようなものでも使用することができる。さらには棚段部分と充填物の充填された部分とを合わせ持つ蒸留塔も好ましく用いられる。また固体触媒を用いる場合、この固体触媒を充填物の一部または全部とする充填塔式蒸留塔も好ましく用いられる。また、本発明の方法の工程(1)で用いられる連続多段蒸留塔は、上記の蒸留塔を単独で用いてもよいし、複数の該蒸留塔を直列または並列に接続することで複数組み合わせて用いることもできる。
本発明で原料として用いられる環状カーボネートとは、上記式(I)において(A)で表わされる化合物であって、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類や、1,3−ジオキサシクロヘキサ−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オンなどが好ましく用いられ、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートが入手の容易さなどの点からさらに好ましく使用され、エチレンカーボネートが特に好ましく使用される。
また、もう一方の原料である脂肪族1価アルコール類とは、上記式(I)において(B)で表わされる化合物であって、生成するジオールより沸点が低いものが用いられる。したがって使用する環状カーボネートの種類にもよっても変わり得るが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、アリルアルコール、ブタノール(各異性体)、3−ブテン−1−オール、アミルアルコール(各異性体)、ヘキシルアルコール(各異性体)、ヘプチルアルコール(各異性体)、オクチルアルコール(各異性体)、ノニルアルコール(各異性体)、デシルアルコール(各異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ドデシルアルコール(各異性体)、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチルシクロペンタノール(各異性体)、メチルシクロヘキサノール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエチルシクロヘキサノール(各異性体)、フェニルシクロヘキサノール(各異性体)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール(各異性体)、フェニルプロパノール(各異性体)などがあげられ、さらにこれらの脂肪族1価アルコール類において、ハロゲン、低級アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によって置換されていてもよい。
このような脂肪族1価アルコール類の中で、好ましく用いられるのは炭素数1〜6のアルコール類であり、さらに好ましいのはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコール類である。環状カーボネートとしてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートを使用する場合に好ましいのはメタノール、エタノールであり、特に好ましいのはメタノールである。
本発明の方法においては、上記式(I)で表される反応を、連続多段蒸留塔内で行わせ、反応によって生成してくる低沸点生成物を蒸留によって反応系から分離させる反応蒸留方式を用いる。
本発明の方法においては、連続多段蒸留塔内にエステル交換触媒を存在させる。エステル交換触媒を存在させる方法はどのような方法であってもよいが、例えば、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒の場合、連続多段蒸留塔に連続的にエステル交換触媒を供給することにより、該蒸留塔内の液相にエステル交換触媒を存在させることもできるし、あるいは反応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒の場合、該蒸留塔内に固体触媒を配置することにより、反応系にエステル交換触媒を存在させることもできるし、これらを併用した方法であってもよい。
均一系触媒を該蒸留塔に連続的に供給する場合には、環状カーボネートおよび/または脂肪族1価アルコールと同時に供給してもよいし、原料とは異なる位置に供給してもよい。また、塔底から少くとも1段以上の理論段(段)を有する位置であればどの位置にエステル交換触媒を供給してもよい。しかし、該蒸留塔内で実際に反応が進行するのは触媒供給位置から下の領域であることから、該触媒は塔頂から原料供給位置までの間の領域に供給することが好ましい。
また、不均一系の固体触媒を用いる場合、該触媒は該蒸留塔内の任意の位置に必要量充填することができる。また該蒸留塔内で該触媒の存在する部分の理論段数は少くとも1段以上あればよく、好ましくは2段以上あればよい。蒸留塔の充填物としての効果をも併せ持つ固体触媒を用いることも好ましい。
本発明において用いられるエステル交換触媒の例としては、これまでに知られている種々のものを挙げることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属類;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド化物類、アミド化物類等の塩基性化合物類;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩類等の塩基性化合物類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン類;N−アルキルピロール、N−アルキルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミダゾール、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキルキノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アクリジン、アルキルアクリジン、フェナントロリン、アルキルフェナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジン、ピラジン、アルキルピラジン、トリアジン、アルキルトリアジン等の含窒素複素芳香族化合物類;ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類;酸化タリウム、ハロゲン化タリウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物類;トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、ジブチルジエトキシ錫、ジブチルフェノキシ錫、ジフェニルメトキシ錫、酢酸ジブチル錫、塩化トリブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物類;ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エチレンジオキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物類;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウム化合物類;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、チタンアセチルアセトナート等のチタン化合物類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルメチルホスホニウムハライド、トリオクチルブチルホスホニウムハライド、トリフェニルメチルホスホニウムハライド等のリン化合物類;ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアルコキシド、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;鉛および鉛を含む化合物類、例えば、PbO、PbO2、Pb34などの酸化鉛類;PbS、Pb23、PbS2などの硫化鉛類;Pb(OH)2、Pb32(OH)2、Pb2[PbO2(OH)2]、Pb2O(OH)2などの水酸化鉛類;Na2PbO2、K2PbO2、NaHPbO2、KHPbO2などの亜ナマリ塩酸類;Na2PbO3、Na22PbO4、K2PbO3、K2[Pb(OH)6]、K4PbO4、Ca2PbO4、CaPbO3などの鉛酸塩類;PbCO3、2PbCO3・Pb(OH)2などの鉛の炭酸塩およびその塩基性塩類;Pb(OCH32、(CH3O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2などのアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;Pb(OCOCH32、Pb(OCOCH34、Pb(OCOCH32・PbO・3H2Oなどの有機酸の鉛塩およびその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4Pb、Ph4Pb、Bu3PbCl、Ph3PbBr、Ph3Pb(またはPh6Pb2)、Bu3PbOH、Ph2PbOなどの有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す);Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sbなどの鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱などの鉛鉱物類、およびこれらの鉛化合物の水和物類;3級アミノ基を有する陰イオン交換樹脂、アミド基を有するイオン交換樹脂、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基のうちの少なくとも一つの交換基を有するイオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体等のイオン交換体類;シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、アルミノシリケート、ガリウムシリケート、各種ゼオライト類、各種金属交換ゼオライト類、アンモニウム交換ゼオライト類などの固体の無機化合物類等が用いられる。
固体触媒として、特に好ましく用いられるのは第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体であり、このようなものとしては、例えば、第4級アンモニウム基を交換基として有する強塩基性アニオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を交換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換体、第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基性アニオン交換体などが挙げられる。
第4級アンモニウム基を交換基として有する強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂などが好ましく用いられる。スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体を母体として、交換基に第4級アンモニウム(I型あるいはII型)を有する強塩基性アニオン交換樹脂であり、例えば、次式で模式的に示される。
Figure 0003674687
上記式中、Xはアニオンを示し、通常、Xとしては、F-、Cl-、Br-、I-、HCO3 -、CO3 2-、CH3CO2 -、HCO2 -、IO3 -、BrO3 -、ClO3 -の中から選ばれた少なくとも1種のアニオンが使用され、好ましくはCl-、Br-、HCO3 -、CO3 2-の中から選ばれた少なくとも1種のアニオンが使用される。また、樹脂母体の構造としては、ゲル型、マクロレティキュラー型(MR型)いずれも使用できるが、耐有機溶媒性が高い点からMR型が特に好ましい。
第4級アンモニウム基を交換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換体としては、例えば、セルロースの−OH基の一部または全部をトリアルキルアミノエチル化して得られる、−OCH2CH2NR3Xなる交換基を有するセルロースが挙げられる。ただし、Rはアルキル基を示し、通常、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが用いられ、好ましくはメチル、エチルが使用される。また、Xは前述のとおりである。
本発明において使用できる、第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基性アニオン交換体とは、無機質担体の表面水酸基−OHの一部または全部を修飾することにより、4級アンモニウム基−O(CH2nNR3Xを導入したものを意味する。ただし、R、Xは前述のとおりである。nは通常1〜6の整数であり、好ましくはn=2である。無機質担体としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、チタニア、ゼオライトなどを使用することができ、好ましくはシリカ、アルミナ、シリカアルミナが用いられ、特に好ましくはシリカが使用される。無機質担体の表面水酸基の修飾方法としては、任意の方法を用いることができる。例えば、無機質担体とアミノアルコールHO(CH2nNR2を塩基触媒存在下に脱水反応を進行させることによりアミノアルコキシ化した後に、ハロゲン化アルキルRX′(X′はハロゲンを示し、通常はCl、Br、Iなどが使用される。)と反応させて−O(CH2nNR3X′基とする。さらに、アニオン交換を行なうことにより、所望のアニオンXを有する4級アンモニウム基−O(CH2nNR3Xとする。また、n=2の場合には、無機質担体をN、N−ジアルキルアジリジンで処理することにより、N、N−ジアルキルアミノエトキシ化して−OCH2CH2CR2基とした後に、上述の方法により−O(CH2nNR3X基とする。
第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩基性アニオン交換体は、市販のものを使用することもできる。その場合には、前処理として予め所望のアニオン種でイオン交換を行なった後に、エステル交換触媒として使用することもできる。
また、少くとも1個の窒素原子を含む複素環基が結合している巨大網状およびゲルタイプの有機ポリマー、または少くとも1個の窒素原子を含む複素環基が結合している無機質担体から成る固体触媒もエステル交換触媒として好ましく用いられる。また、さらにはこれらの含窒素複素環基の一部または全部が4級塩化された固体触媒も同様に用いられる。
本発明で用いられるエステル交換触媒の量は、使用する触媒の種類によっても異なるが、反応条件下で反応液に溶解するような均一系触媒を連続的に供給する場合には、供給原料である環状カーボネートと脂肪族1価アルコールの合計重量に対する割合で表わして、通常0.0001〜50重量%で使用される。また、固体触媒を該蒸留塔内に設置して使用する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対して、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく用いられる。
連続多段蒸留塔に環状カーボネートおよび脂肪族1価アルコールを連続的に供給する方法については、特別な限定はなく、それらが該蒸留塔の少なくとも1段以上、好ましくは2段以上の領域において触媒と接触させることができるような供給方法であれば、どのような方法であってもよい。すなわち、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールは、連続多段蒸留塔の上記の条件を満たす段に必要な数の導入口から連続的に供給することができる。また、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールは該蒸留塔の同じ段に導入されてもよいし、それぞれ別の段に導入されてもよい。原料は液状、ガス状または液とガスとの混合物として該蒸留塔に連続的に供給される。このようにして原料を該蒸留塔に供給する以外に、付加的にガス状の原料を該蒸留塔の下部から断続的または連続的に供給することもできる。また、環状カーボネートを触媒の存在する段よりも上部の段に液状または気液混合状態で該蒸留塔に連続的に供給し、且つ脂肪族1価アルコールを該蒸留塔の下部にガス状または気液混合状態もしくはガス状と液状のそれぞれの状態で連続的に供給する方法も好ましい。この場合、環状カーボネート中に、脂肪族1価アルコールが含まれていても、もちろん構わない。
本発明において、供給原料中に生成物であるジオール類が少量含まれていても良い。また、脂肪族1価アルコールが、随伴ジアルキルカーボネートを含有していてもよい。この場合、該随伴ジアルキルカーボネートの量は、該脂肪族1価アルコールと該随伴ジアルキルカーボネートとの合計量に対して、通常0〜40重量%、好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。
本発明の方法の工程(1)で連続多段蒸留塔に供給する環状カーボネートと脂肪族1価アルコール類との量比は、エステル交換触媒の種類や量および反応条件によっても異なるが、通常、供給される環状カーボネートに対して、脂肪族1価アルコール類はモル比で0.01〜1000倍の範囲で供給することが好ましい。環状カーボネートの反応率を上げるためには脂肪族1価アルコール類を2倍モル以上の過剰量供給することが好ましいが、あまり大過剰に用いると装置を大きくする必要がある。このような意味において、特に好ましいのは、2〜20倍モル量の脂肪族1価アルコール類が使用される場合である。
本発明の工程(1)で行うエステル交換反応の系中に炭酸ガスが高濃度で存在すると、エステル交換反応の反応速度が低下してしまう。したがって、反応液中のCO2濃度で表して通常500ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下で行われる。
また、本発明の工程(1)で行うエステル交換反応の系中に水が高濃度で存在すると、エステル交換反応と同時に環状カーボネートの加水分解反応も進行するため工程(1)でのジアルキルカーボネート選択率が低下してしまう。したがって、反応液中のH2O濃度で表して通常200ppm以下、好ましくは100ppm以下で行われる。
本発明において、工程(1)での環状カーボネートの転化率を100%に近づけようとすると、反応時間が長くなったり、必要な脂肪族1価アルコールの量が過大となってしまう。また、転化率が低すぎる場合には、工程(2)の連続エーテル生成反応装置が大きくなり好ましくない。したがって、本発明の工程(1)における環状カーボネートの転化率は、通常50%以上、好ましくは95〜99.999%、さらに好ましくは98〜99.99%、最も好ましくは99〜99.99%で行われる。
本発明においては、工程(1)で生成するジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含む低沸点成分は連続多段蒸留塔の上部からガス状で連続的に抜き出される。抜き出し物は、更に高沸点生成物を少量含んでいてもよい。
工程(1)の連続多段蒸留塔からジアルキルカーボネートを含む低沸点成分を抜き出す抜き出し口は、原料供給位置から塔頂の間または塔頂部にガス状物質の抜き出し口を設けることが好ましく、塔頂部に設けることがさらに好ましい。このようにして抜き出された低沸点成分の一部を該蒸留塔の上部に戻す、いわゆる還流操作を行ってもよい。この還流操作によって還流比を増加させると、低沸点生成物の蒸気相への蒸留効率が高くなるため、抜き出すガス成分中の低沸点生成物濃度を増加させることができる。しかしながら、あまりに還流比を増加させると必要な熱エネルギーが大きくなるので好ましくない。したがって、還流比は、通常0〜10が用いられ、好ましくは0〜5が、さらに好ましくは0〜3が用いられる。
生成ジアルキルカーボネートと未反応脂肪族1価アルコールを含有する工程(1)の連続多段蒸留塔の上部から抜き出される低沸点混合物をジアルキルカーボネート分離装置に供給し、該ジアルキルカーボネート分離装置からジアルキルカーボネートを抜き出すことによって、ジアルキルカーボネートを得ることができる。該ジアルキルカーボネート分離装置としては、蒸留分離装置、抽出蒸留分離装置、液液抽出分離装置、晶析分離装置、吸着分離装置、膜分離装置などを用いることができる。これらの分離装置はそれぞれが同一種類の複数の装置から構成されていても良いし、複数の種類の分離装置の組合せを用いることもできる。これらの分離装置の中で特に好ましい分離装置として蒸留分離装置が用いられる。
工程(1)の連続多段蒸留塔の上部から抜き出される低沸点混合物の分離装置として蒸留分離装置を用いる場合には、低沸点混合物を蒸留分離装置に導き、該低沸点混合物に含まれるジアルキルカーボネートや脂肪族1価アルコールなどの各成分を、それぞれ単一成分またはこれらの成分の混合物から成る留分又は塔底液として分離することができる。原料の種類によっては共沸混合物が留分または塔底液として得られる場合もある。このようにして蒸留分離装置を用いて工程(1)の連続多段蒸留塔の上部から抜き出される低沸点混合物を各留分および塔底液に分離した後に、脂肪族1価アルコールを含む留分または塔底液を工程(1)の連続多段蒸留塔へ供給することができる。
該蒸留分離装置としては、工程(1)の連続多段蒸留塔と同様の連続多段蒸留塔を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。ここで、脂肪族1価アルコールとジアルキルカーボネートが最低沸点共沸混合物を形成する組合せである場合を、脂肪族1価アルコールとしてメタノールを使用してジメチルカーボネートが生成する場合について次に例示する。メタノールとジメチルカーボネートを含有する工程(1)の塔上部から抜き出される低沸点混合物をジメチルカーボネート分離塔に連続的に供給し、該ジメチルカーボネート分離塔の上部からメタノールとジメチルカーボネートの最低沸点共沸混合物を含む低沸点成分を連続的に抜き出し、該ジメチルカーボネート分離塔の下部からジメチルカーボネートを連続的に抜き出すことによりジメチルカーボネートを得ることができる。該ジメチルカーボネート分離塔としては、工程(1)の連続多段蒸留塔で用いることができるものと同様の連続多段蒸留塔を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。また、該ジメチルカーボネート分離塔の操作圧力は、通常、絶対圧力で表して0.5×105〜50×105Pa(0.51〜51kg/cm2)の減圧または加圧下で操作される。メタノール/ジメチルカーボネート最低沸点共沸混合物の組成は操作圧力により変わるので、該ジメチルカーボネート分離塔の操作圧力は、塔下部からジメチルカーボネートを得ることができる操作圧力が選ばれる。すなわち、工程(1)の塔上部抜き出し物中のメタノール/ジメチルカーボネート比に対応した圧力よりも高い操作圧力が選ばれる。
前記ジメチルカーボネート分離塔の上部から抜き出したメタノールとジメチルカーボネートの最低沸点共沸混合物を含む低沸点成分を、本発明の方法の原料として、工程(1)の連続多段蒸留塔に供給することができる。
本発明の工程(1)で生成するジオールは連続多段蒸留塔の下部から、液状で連続的に抜き出される。
本発明において連続多段蒸留塔の上部とは、該蒸留塔の塔頂から塔高の約1/2の高さの位置までの範囲を指し、塔頂も含まれる。また連続多段蒸留塔の下部とは、該蒸留塔の塔底から塔高の約1/2の高さの位置までの範囲を指し、塔底も含まれる。
また、本発明において、工程(1)の液状高沸点混合物とは、本発明の工程(1)の連続多段蒸留塔の下部から連続的に抜き出される、生成するジオールと未反応の環状カーボネートとを含む高沸点混合物であり、未反応脂肪族1価アルコールの一部、または未反応脂肪族1価アルコールの一部と生成ジアルキルカーボネートの一部を含んでいても良い。
工程(1)の液状高沸点混合物中の環状カーボネート/ジオール比があまりに大きい場合には工程(2)の連続エーテル生成反応装置が大きくなり好ましくない。また、該高沸点混合物中の環状カーボネート/ジオール比を非常に小さくしようとすると、連続多段蒸留塔での環状カーボネート転化率を100%に限りなく近づける必要があり、このため転化率をより大きくするために、より大きな反応装置や、より多い脂肪族1価アルコール量を必要とする。したがって、環状カーボネートの転化率や原料に含まれるジオールの量によっても異なるが、該高沸点混合物中の環状カーボネートの量は、ジオールに対する環状カーボネートの重量比で表して、通常、1×10-5〜8×10-2、好ましくは1×10-4〜3×10-2、さらに好ましくは1×10-4〜1×10-2である。
生成したジオールを含む該液状高沸点混合物を工程(1)の連続多段蒸留塔から抜き出す抜き出し口は、塔下部に設けられ、特に好ましくは塔底部に設けられる。このようにして抜き出された液状高沸点混合物は、その一部をリボイラーで加熱することによって、ガス状または気液混合物の状態で連続多段蒸留塔の下部に戻してもよい。
工程(1)の連続多段蒸留塔内の流下液速度および上昇蒸気速度は、使用する該蒸留塔の種類により、また充填塔を用いる場合には充填物の種類によっても異なるが、通常、フラッディングおよびウィーピングを起こさない範囲で実施される。
本発明の工程(1)において生成するジアルキルカーボネートの量は、該蒸留塔内のホールドアップ液量にも依存する。つまり、同じ塔高、同じ塔径の蒸留塔を用いる場合にはホールドアップ液量の多い蒸留塔が反応液の滞留時間即ち反応時間を比較的長くすることができるという意味において好ましい。しかしながら、ホールドアップ液量があまりに多い場合には、滞留時間が長くなるために副反応が進行したり、フラッディングが起こりやすくなる。従つて、工程(1)の連続多段蒸留塔のホールドアップ液量は蒸留条件や蒸留塔の種類によっても変わり得るが、該蒸留塔の空塔容積に対するホールドアップ液量の容積比で表現して、通常、0.005〜0.75で行われる。
また、工程(1)の連続多段蒸留塔内での反応液の平均滞留時間は、反応条件や該蒸留塔の種類や内部構造(例えば棚段や充填物の種類)によっても異なるが、通常0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、より好ましくは0.05〜5時間である。
工程(1)のエステル交換反応の反応温度は、連続多段蒸留塔内の触媒が存在する段の温度であり、用いる原料化合物の種類、反応圧力によっても異なるが、通常、−20〜350℃、好ましくは、0〜200℃の範囲である。
また、工程(1)の連続多段蒸留塔の操作圧力は、減圧、常圧、加圧いずれであってもよく、絶対圧力で表して通常1Pa〜2×106Pa、好ましくは1x103〜1×106Pa、さらに好ましくは1x104〜5×5Paである。
工程(1)の連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した液状高沸点混合物の一部を工程(1)の該連続多段蒸留塔へ供給することで未反応環状カーボネートおよび/または未反応脂肪族1価アルコールを該連続多段蒸留塔へ循環させることもできる。その際、該高沸点混合物を工程(1)の連続多段蒸留塔へ供給する導入口の位置は、特に制限されないが、該蒸留塔の上部へ供給することが好ましい。
工程(1)の連続多段蒸留塔の下部から抜き出される高沸点混合物を工程(2)における連続エーテル生成反応装置へ供給するに際しては、該高沸点混合物をそのまま該連続エーテル生成反応装置へ供給することもできるし、分離装置を用いて該高沸点混合物から特定の1成分または複数の成分をそれぞれ単独であるいは混合物として分離した後に、ジオールおよび未反応の環状カーボネートを含むフラクションを該連続エーテル生成反応装置へ供給することもできる。このような工程(1)の塔下部から抜き出される高沸点混合物の分離装置としては、蒸留分離装置、共沸蒸留分離装置、抽出蒸留分離装置、液液抽出分離装置、晶析分離装置、吸着分離装置、膜分離装置などを用いることができる。これらの分離装置はそれぞれが同一種類の複数の装置から構成されていても良いし、複数の種類の分離装置の組合せを用いることもできる。これらの分離装置の中で好ましい分離装置として蒸留分離装置が挙げられる。
工程(1)の連続多段蒸留塔の下部から抜き出される液状高沸点混合物の分離装置として蒸留分離装置を用いる場合には、該高沸点混合物を蒸留分離装置に導き、該高沸点混合物に含まれる未反応環状カーボネートやジオールなどの各成分を、それぞれ単一留分またはこれらの成分の混合物からなる留分および塔底液として分離することができる。原料化合物の種類によっては共沸混合物が留分として得られる場合もある。このようにして蒸留分離装置を用いて工程(1)の液状高沸点混合物を各留分および塔底液に分離した後に、ジオールと未反応の環状カーボネートを含む留分および/または塔底液は連続エーテル生成反応装置に供給される。該蒸留分離装置としては、工程(1)の連続多段蒸留塔と同様の連続多段蒸留塔を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
また、反応条件において反応液に溶解しうるエステル交換触媒を用いる場合にはエステル交換触媒を含む留分および/または塔底液が得られ、その一部または全部を工程(1)の連続多段蒸留塔に供給することによって循環させることもできる。
すなわち、工程(1)の塔下部から抜き出される高沸点混合物を蒸留分離装置を用いて分離してから工程(2)の連続エーテル生成反応装置へ供給する好ましい方法として、以下に示す二つの方法を用いることができる。
1.工程(1)の連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物から未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すと共に、ジオール(D)および環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を、上記低沸点成分分離塔の中段又は最下段に対応する位置の側壁に設けられた少なくとも1つのサイドカット抜き出し口から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した該低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔のサイドカット抜き出し口から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置へ供給する方法。
上記低沸点成分分離塔としては、工程(1)の連続多段蒸留塔と同様の連続多段蒸留塔を用いることができる。
2.工程(1)の連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および未反応環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を上記低沸点成分分離塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔の下部から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する方法。
本発明の工程(2)は未反応の環状カーボネート等を含有する工程(1)の連続多段蒸留塔の下部から抜き出される高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に供給し、該連続エーテル生成反応装置で該未反応環状カーボネートと該生成ジオールの一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって、式(E)
HO(R1O)pH (E)
[ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様であり、pは2〜4の整数を表す。]
で表される鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、一方生成ジオール(D)および生成鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出すことからなる。工程(1)の塔下部から抜き出される高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置へ供給する前に分離装置で分離する場合には、該高沸点混合物の代わりに上記の分離装置で得られる未反応環状カーボネートおよびジオールを含むフラクションが連続エーテル生成反応装置に供給される。
工程(2)で用いられる連続エーテル生成反応装置は、環状カーボネートとジオールを反応させてエーテルを生成させうる反応装置であればどのようなものでも用いることができる。通常、管型反応器;槽型反応器;蒸留塔型反応器、気泡塔型反応器などの塔型反応器;流動層型反応器などが用いられ、好ましくは、管型反応器、槽型反応器、蒸留塔型反応器が用いられる。
連続エーテル生成反応装置として用いられる蒸留塔型反応器は、工程(1)の連続多段蒸留塔と同様の連続多段蒸留塔を用いることができる。また、工程(1)の塔下部から抜き出される高沸点混合物の分離装置として蒸留分離装置を用いる場合には、該蒸留分離装置が、連続エーテル生成反応装置としての蒸留塔型反応器を兼ねることも好ましい方法である。
工程(2)では、エーテル生成触媒を用いることもできる。エーテル生成触媒としては環状カーボネートとジオールを反応させてエーテルを製造できる触媒であればよく、これまでに知られている種々のものを使用することができる。例えば、工程(1)で用いることのできるエステル交換触媒と同様の触媒を用いることができる。
また、工程(1)のエステル交換触媒が反応条件において反応液に溶解しうるものであり、かつ該触媒がエーテル生成触媒としての機能をも有する時には、
1.工程(1)の塔下部から抜き出した高沸点混合物を分離することなく連続エーテル生成反応装置へ供給する場合には工程(1)で用いたエステル交換触媒をそのまま工程(2)のエーテル生成触媒として用いることもできるし、
2.工程(1)の塔下部から抜き出した高沸点混合物を蒸留分離装置等の分離装置を用いて分離する場合にはエステル交換触媒を含むフラクションまたは塔底液の一部または全部を第2工程のエーテル生成触媒として用いることもできる。
本発明で用いられるエーテル生成触媒の量は、使用するエーテル生成触媒の種類によっても異なるが、該エーテル生成触媒を連続エーテル生成反応装置へ供給する場合には、該連続エーテル生成反応装置へ供給される環状カーボネートに対するエーテル生成触媒の重量濃度で表わして、通常0.0001〜50重量%で使用される。また固体触媒を連続エーテル生成反応装置内に設置して使用する場合には、該連続エーテル生成反応装置の容積に対して、10〜75体積%の触媒量が好ましく用いられる。
連続エーテル生成反応装置の反応条件は、エーテル生成触媒の有無やエーテル生成触媒を用いる場合には該触媒の種類および量によっても異なるが、反応温度は通常、50〜350℃、好ましくは80〜300℃、より好ましくは100〜250℃で行なわれ、反応時間は、エーテル生成触媒の有無やエーテル生成触媒を用いる場合には該触媒の種類および量や、反応温度によっても異なるが、平均滞留時間で表現して通常、0.001〜50時間、好ましくは0.01〜10時間、さらに好ましくは0.02〜5時間である。反応圧力は、用いる反応温度によっても異なるが、絶対圧力で表わして通常、1×103〜2×107Pa、好ましくは1×104〜1×107Paで行なわれる。
本発明の工程(2)のエーテル生成反応における環状カーボネートの転化率は通常90〜100%、好ましくは95〜100%、さらに好ましくは98〜100%である。また、工程(2)のエーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量は、環状カーボネート(A)のジオール(D)に対する重量比で0〜10-2であることが必要であり、好ましくは0〜6×10-4、さらに好ましくは0〜10-5である。
本発明の工程(2)で得られる、ジオール(D)および鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物は連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出される。該反応混合物を蒸留分離することにより純度の高いジオール留分を得ることができる。また、該反応混合物に未反応の環状カーボネート及び/又は未反応の脂肪族1価アルコールが含まれる場合には、蒸留分離した後にこれらの成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に循環しても良い。
また、工程(2)で生成する二酸化炭素が工程(1)へ導入されると、工程(1)のエステル交換反応が阻害され、反応速度が低下する。したがって、連続エーテル生成装置から抜き出されるエーテル生成反応混合物から二酸化炭素分離装置を用いて二酸化炭素を分離することは、好ましい方法である。二酸化炭素分離装置としては、蒸留分離、抽出分離、反応分離等、どのような原理を用いた分離装置でも用いることができる。
工程(2)の連続エーテル生成反応装置として管型反応器または槽型反応器からなるエーテル生成反応器を用いる場合には、ジオール、生成する鎖状エーテルおよび二酸化炭素を含むエーテル生成反応混合物を二酸化炭素分離装置に供給し、二酸化炭素を該二酸化炭素分離装置から抜き出すとともに、二酸化炭素を分離したエーテル生成反応混合物を、ジオール精製塔で蒸留分離して精製ジオールを得ることができる。ジオール精製塔としては、工程(1)の連続多段蒸留塔と同様の連続多段蒸留塔を用いることができる。
工程(2)の連続エーテル生成反応装置として蒸留塔型反応器(例えば、連続多段蒸留塔型反応器)である連続エーテル生成反応塔を用いる場合には、該連続エーテル生成反応塔に蒸留分離装置としての機能をも持たせることもでき、その際生成する二酸化炭素を含む低沸点成分を該連続エーテル生成反応塔の上部から連続的に抜き出し、生成するエーテル及びジオールを含む高沸点成分は該連続エーテル生成反応塔の下部から抜き出すことができる。この高沸点成分をジオール精製塔で蒸留分離することで精製ジオールを得ることができる。
さらに、工程(1)の塔下部から抜き出される高沸点混合物に未反応脂肪族1価アルコールの一部が含まれる場合には、該連続エーテル生成反応塔の上部から未反応脂肪族1価アルコールの一部および二酸化炭素を含む低沸点成分を連続的に抜き出して工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方生成するエーテルおよびジオールを含む高沸点成分を該連続エーテル生成反応塔の下部から抜き出すことができる。この高沸点成分をジオール精製塔で蒸留分離することで精製ジオールを得ることができる。なお、該エーテル生成反応塔の上部から抜き出される低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔にリサイクルするに際して、該低沸点成分から、二酸化炭素を二酸化炭素分離装置を用いて分離した後に工程(1)の連続多段蒸留塔にリサイクルすることが好ましい。
前記したように、工程(1)の連続多段蒸留塔塔下部から抜き出される液状高沸点混合物の分離装置として蒸留分離装置を用いる場合には該蒸留分離装置がエーテル生成反応装置を兼ねることは好ましい方法である。この際、上記のエーテル生成反応装置を兼ねる蒸留分離装置は連続多段蒸留塔であることが好ましい。すなわち、本発明の方法の1つの好ましい態様として以下の方法が挙げられる。工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離/エーテル生成反応塔に連続的に供給し、上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の塔下部は工程(2)で用いる連続エーテル生成反応装置として機能するのに適合し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部において未反応環状カーボネート(A)とジオール(D)の一部との間の連続的エーテル生成反応を行なって鎖状エーテル(E)と二酸化炭素を生成せしめ、二酸化炭素を含み且つ該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物からなる高沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルする方法。この際、低沸点成分分離/エーテル生成反応塔へ、未反応環状カーボネートを含む工程(1)の液状高沸点混合物を導入するための導入口の位置は特に限定されないが、該液状高沸点混合物に含まれる低沸点成分である脂肪族1価アルコールの該混合物からの分離を容易にする観点から、生成するエーテルおよびジオールを含むエーテル生成反応混合物の抜き出し口よりも上部に該導入口を設けることが好ましい。
本発明においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、(1)反応操作を容易にするためや、(2)共沸蒸留や抽出蒸留を行ってジアルキルカーボネートやジオールを効率的に取得するため、等の目的で適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒として用いることができる。
また、反応に不活性な物質である窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよいし、生成する低沸点生成物の留去を加速する目的で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応に不活性な低沸点有機化合物をガス状で導入してもよい。
発明を実施するための最良の形態
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
下記各例中、エチレングリコールの収率は仕込みのエチレンカーボネート基準の数値であり、ジメチルカーボネートの収率は仕込みのエチレンカーボネート基準の数値であり、ジメチルカーボネートの選択率は工程(1)のエステル交換反応において消費されたエチレンカーボネート基準の数値である。蒸留塔の各段の位置は、塔頂段を第1段として数えた段数で表す。
以下の実施例および比較例においては、以下の省略記号はそれぞれ以下の化合物を表す。
EC :エチレンカーボネート
MeOH:メタノール
DMC :ジメチルカーボネート
EG :エチレングリコール
DEG :ジエチレングリコール
実施例1
図1に示される装置を用いてエチレンカーボネート(EC)とメタノール(MeOH)から、ジメチルカーボネート(DMC)とエチレングリコール(EG)を連続的に製造した。
内径5cm、段数60段のオールダーショー蒸留塔からなる連続多段蒸留塔1の第5段へ、ECを流速231g/hで導管2から予熱器3を経て液状で連続的に供給し、同じく第5段へ水酸化カリウム(触媒)の18重量%エチレングリコール溶液を流速1.1g/hで導管2′を経て液状で連続的に供給し、MeOHとDMCの混合物(重量比:MeOH/DMC=95/5)を783.2g/hの流速で、導管5から予熱器6を経て、連続多段蒸留塔1の第30段へ液状で連続的に供給した。連続多段蒸留塔1の塔頂圧力は大気圧で、塔頂温度は63.8℃であった。
塔頂4から留出するガス状低沸点混合物は凝縮器7で凝縮し、一部は導管8経由で塔頂4に還流させて、残りは導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.7重量%、DMCを32.3重量%含む)として流速851.3g/hで抜き出した。還流比は0.5であった。塔底10から導管11を経て抜き出した塔底液の一部をリボイラー12で加熱することにより蒸留に必要なエネルギーを供給してから導管13を通して塔底10に戻し、残りの塔底液は液状高沸点混合物として、流速234.2g/hで導管14から抜き出した。抜き出された液状高沸点混合物はEGを69.8重量%、MeOHを29.9重量%、ECを0.19重量%、DMCを0.04%重量%、KOHを0.085重量%含んでいた。また、工程(1)のEC転化率は99.8%であった。
抜き出された液状高沸点混合物を、170℃に加熱されたエーテル生成反応器15(内径15mm、長さ30cmで、ディクソンパッキング(3mmφ)が充填されたもの)に導入し、該反応器15でエーテル生成反応を行わせて、エーテル生成反応混合物を得た。得られたエーテル生成反応混合物はEGを69.6重量%、MeOHを29.9重量%、ジエチレングリコール(DEG)を0.23重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.085重量%、二酸化炭素を0.094重量%含み、ECは検出されなかった(エーテル生成反応混合物中のECの分析下限は1ppm)。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。エーテル生成反応混合物は導管16を経て、充填物としてディクソンパッキング(3mmφ)を充填した、内径2.5cm、充填高120cmの充填塔型蒸留塔からなる低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ流速234.2g/hで供給した。
低沸点成分分離塔17は塔頂圧力1,300Pa(10torr)、塔底温度102℃で運転した。この塔頂18から留出するガス状低沸点成分は凝縮器19で凝縮し、その一部を導管20を経て還流させ、残りは導管21を経て脱二酸化炭素カラム22の上部へ導入した。還流比は1であった。該脱二酸化炭素カラム22の底部に設けた導管23から窒素ガスを導入し、バブリングさせた。該脱二酸化炭素カラム22の上部に設けた導管24から二酸化炭素を含む窒素ガスが排出された。該脱二酸化炭素カラム22の下部に設けられた導管25から、脱二酸化炭素された液を、連続多段蒸留塔1の第30段へ流速70.2g/hで循環させた。低沸点成分分離塔17の塔底液(EGを67.6重量%、DEGを17.3重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を15.0重量%を含む)を導管27から抜き出し、その一部を導管30から2時間毎に2.66g抜き出し、残りをリボイラー28(縦型流下液膜式蒸発器)で加熱して導管29を経て塔底26に戻した。低沸点成分分離塔17の塔頂から90cmの位置に設けられたサイドカット抜き出し口から導管31を経てガス状留分を流速162.2g/hで抜き出し、凝縮器32で凝縮してサイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)を導管33から得た。
これらの結果から、DMC収率が99.8%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.6%で得られたことが分かる。
比較例1
連続多段蒸留塔1の塔底10から導管14を経て抜き出した液状高沸点混合物を、エーテル生成反応器15を用いないで、導管14から導管16へ至るバイパス配管(図示しない)を経て直接、低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ供給したこと以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。なお、脱二酸化炭素カラム22の上部に設けた導管24から排出されるガスには二酸化炭素は検出されなかった。
導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.8重量%、DMCを32.2重量%含む)を流速851.0g/hで抜き出した。また、低沸点成分分離塔17のサイド抜き出し液が導管33から流速162.2g/hで得られた。このサイド抜き出し液は、ECを0.27重量%含むEGであった。低沸点成分分離塔17の塔底液(EGを81.8重量%、KOHを18.2重量%を含む)を導管27から抜き出し、その一部を導管30から2時間毎に2.2g抜き出し、残りをリボイラー28で加熱して導管29を経て塔底26に戻した。
これらの結果から、DMC収率が99.8%、DMC選択率が99%、EG収率が99.8%と、実施例1とほぼ同等であるものの、得られたEGにはECが含まれており、純度の高いEGは得られなかったことが分かる。
比較例2
図2に示される装置を用いて、連続多段蒸留塔1の液状高沸点混合物に残存するECを、実施例1で用いたエーテル生成反応装置15の代わりに加水分解反応器72を用いて分解し、水分離塔60を用いて水を除去した他は実施例1と同様の方法で、ECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.7重量%、DMCを32.3重量%含む)を流速851.2g/hで抜き出した。
連続多段蒸留塔1の塔底10から導管11および導管14を経て抜き出した液状高沸点混合物(EGを69.8重量%、MeOHを29.9重量%、ECを0.19重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.085重量%含む)を、導管70と導管71を経て流速0.9g/hで供給される水とともに180℃に加熱された加水分解反応器72(内径15mm、長さ30cmで、ディクソンパッキング(3mmφ)が充填されたもの)に導入し、該加水分解反応器72で液状高沸点混合物に含まれていたECの加水分解反応を行い、EGと二酸化炭素に転化した。加水分解反応液(EGを69.6重量%、MeOHを29.8重量%、水を0.34重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.085重量%、二酸化炭素を0.094重量%含み、ECは検出されなかった)は導管16を経て流速235.14g/hで実施例1と同様の低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ供給した。
低沸点成分分離塔17は実施例1と同様の塔頂圧力および塔底温度で運転した。この塔頂18から留出するガス状成分は凝縮器19で凝縮し、その一部を導管20を経て還流させ、残りは導管21を経て、充填物としてディクソンパッキング(3mmφ)を充填した、内径2.5cm、充填高100cmの充填塔型蒸留塔からなる水分離塔60の塔頂から50cmの位置へ供給した。水分離塔60は塔頂圧力が大気圧、塔底温度102℃で運転した。この塔頂61から留出するガス状成分は凝縮器62で凝縮し、その一部を導管63を経て還流させ、残りは導管64を経て脱二酸化炭素カラム22の上部へ導入した。該脱二酸化炭素カラム22を用い、実施例1と同様に二酸化炭素を分離した。該脱二酸化炭素カラム22の下部に設けられた導管25から、脱二酸化炭素された液を、連続多段蒸留塔1の第30段へ流速70.2g/hで循環させた。低沸点成分分離塔17の塔底液(EG81.8重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)18.2重量%を含む)を導管27から抜き出し、その一部を導管30から2時間毎に2.2g抜き出し、残りをリボイラー28で加熱して導管29を経て塔底26に戻した。低沸点成分分離塔17の塔頂から90cmの位置に設けられたサイドカット抜き出し口からガス状留分を流速162.8g/hで導管31を通して抜き出し、凝縮器32で凝縮させて導管33からサイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)を得た。
これらの結果から、DMC収率が99.8%、DMC選択率が99%以上、純度の高いEGが収率99.9%で得られたものの、実施例1と比較すると、副原料として水を必要とし、水分離塔を必要とするなど、工程が複雑であることが分かる。
実施例2
以下に述べること以外は、実施例1と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
エーテル生成反応器15は165℃に加熱した。エーテル生成反応混合物(EGを69.6重量%、MeOHを29.9重量%、DEGを0.225重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.085重量%、二酸化炭素を0.093重量%、およびECを0.0006重量%含む)の流速は234.24g/hであった(上記エーテル反応混合物中のECのEGに対する重量比は8.6×10-6であり、工程(2)におけるEC転化率は99.6%であった)。性沸点成分分離塔17の還流比は5であった。なお、低沸点成分分離塔17からのサイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)の流速は実施例1と同じく162.2g/hであった。
これらの結果から、DMC収率が99.8%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.6%で得られたことが分かる。
実施例3
以下に述べること以外は、実施例1と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の塔頂での還流比は0.2であった。連続多段蒸留塔1の塔頂抜き出し液(MeOHを68.1重量%、DMCを31.9重量%含む)を流速850.0g/hで得た。連続多段蒸留塔1の液状高沸点混合物(EGを68.4重量%、MeOHを29.5重量%、ECを1.97重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.085重量%含む)の流速は234.7g/hであった。尚、工程(1)のEC転化率は98%であった。
エーテル生成反応器15は160℃に加熱した。エーテル生成反応混合物(EGを67.0重量%、MeOHを29.5重量%、DEGを2.32重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.085重量%、二酸化炭素を0.96重量%、およびECを0.0394重量%含む)の流速は234.65g/hであった(上記エーテル反応混合物中のECのEGに対する重量比は5.8×10-4であり、工程(2)におけるEC転化率は98%であった)。低沸点成分分離塔17の塔頂での還流比は5であり、サイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)の流速は156.4g/hであった。
これらの結果から、DMC収率が98%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率96.1%で得られたことが分かる。
実施例4
以下に述べること以外は、実施例1と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の塔頂での還流比は0.2であった。連続多段蒸留塔1の塔頂抜き出し液(MeOHを68.1重量%、DMCを31.9重量%含む)を流速850.0g/hで得た。連続多段蒸留塔1の液状高沸点混合物(EGを68.4重量%、MeOHを29.5重量%、ECを1.97重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.085重量%含む)の流速は234.7g/hであった。尚、工程(1)のEC転化率は98%であった。
エーテル生成反応器15は155℃に加熱した。エーテル生成反応混合物(EGを67.1重量%、MeOHを29.5重量%、DEGを2.28重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)0.085重量%、二酸化炭素を0.95重量%、およびECを0.079重量%含む)の流速は234.66g/hであった(上記エーテル生成反応混合物中のECのEGに対する重量比は1.1×10-3であり、工程(2)におけるEC転化率は96%であった)。低沸点成分分離塔17の塔頂での還流比は5であり、サイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)の流速は156.4g/hであった。
これらの結果から、DMC収率が98%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率96.1%で得られたことが分かる。
比較例3
以下に述べること以外は、実施例4と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
エーテル生成反応器15は78℃に加熱した。エーテル生成反応混合物(EGを68.1重量%、MeOHを29.5重量%、DEGを0.47重量%、DMCを0.04重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.085重量%、二酸化炭素を0.20重量%、およびECを1.58重量%含む)の流速は234.66g/hであった。尚、上記エーテル反応混合物中のECのEGに対する重量比は2.3×10-2であり、工程(2)におけるEC転化率は20%であった。
低沸点成分分離塔17から導管31を通して得られたサイド抜き出し液(ECを0.0043重量%含む)の流速は158.9g/hであった。
これらの結果から、DMC収率が98%、DMC選択率が99%以上、EG収率が97.6%と、実施例1とほぼ同等であるものの、得られたEGにはECが含まれており、純度の高いEGは得られなかったことが分かる。
実施例5
図3に示される装置を用いてECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1および低沸点成分分離塔(低沸点成分分離/エーテル生成反応器)17は実施例1で用いたものと同一のものを用いた。また、導管5から予熱器6を経て液状で連続的に供給した、MeOHとDMCからなる混合物の組成が、MeOHとDMCの重量比:MeOH/DMC=97/3であり、流速が735.0g/hである他は、実施例1と同様の条件で連続多段蒸留塔1を運転した。
導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)を流速803.1g/hで抜き出した。還流比は0.4であった。塔底10から導管11を経て抜き出された液状高沸点混合物(EGを70.7重量%、MeOHを29.1重量%、ECを0.099重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.086重量%含む)の一部はリボイラー12と導管13を通して塔底10に戻し、残りは導管14を経て、流速231.3g/hで低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ供給した。尚、工程(1)のEC転化率は99.9%であった。
塔頂圧力が大気圧、塔底圧力が102,600Pa(770torr)、塔底温度が201℃である低沸点成分分離塔17の塔底26をエーテル生成反応器として使用し、生成EGはサイド抜き出しを行わなずに塔底26から抜き出したことの他は、実施例1と同様の方法で低沸点成分分離塔17を運転した。該低沸点成分分離塔17の塔頂18から留出する低沸点成分は凝縮器19で凝縮し、その一部を導管20を経て還流させ、残りは導管21を経て実施例1と同様の脱二酸化炭素カラム22へ導入して二酸化炭素を除去した後に、脱二酸化炭素された液を導管25を通して連続多段蒸留塔1の第30段へ流速70.2g/hで循環させた。低沸点成分分離塔17の塔底26での滞留時間は1.5時間であった。低沸点成分分離塔17の塔底液を導管27から抜き出し、その一部をリボイラー28(二重管式熱交換器)と導管29を経て塔底26に戻し、残りを導管30からエーテル生成反応混合物として流速163.9g/hで抜き出した。抜き出したエーテル生成反応混合物は、EGを99.7重量%、DEGを0.17重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.12重量%含み、ECは検出されなかった。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。
該エーテル生成反応混合物は導管30を経て、充填物としてディクソンパッキング(3mmφ)を充填した、内径2.5cm、充填高120cmの充填塔型蒸留塔からなるEG精製塔41の塔頂から90cmの位置へ供給した。
EG精製塔41は塔頂圧力4,000Pa(30torr)、塔底温度122.5℃で運転した。塔頂42からの留出物は凝縮器45で凝縮し、一部は導管47経由で塔頂部に還流させ、残りは導管48から流速162.5g/hで塔頂留分(EG以外の成分は検出されなかった)として抜き出した。還流比は0.5であった。
EG精製塔41の塔底液(EGを65.2重量%、DEGを20.3重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を14.5重量%含む)を導管49から抜き出し、その一部を導管52から2時間毎に2.8g抜き出し、残りをリボイラー50で加熱して導管51を通して塔底43に戻した。
これらの結果から、DMC収率が99.9%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.8%で得られたことが分かる。
比較例4
低沸点成分分離塔17の塔頂圧力を1,300Pa(10torr)、塔底圧力を2,660Pa(20torr)、塔底温度を99℃とし、リボイラー28として縦型流下液膜式蒸発器を用いることにより塔底26での滞留時間を0.15時間とした他は、実施例5と同様の方法を用いて、ECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。すなわち、本比較例4では、実施例5と異なり、低沸点成分分離塔17の塔底26をエーテル生成反応器として使用していない。
連続多段蒸留塔1の塔底10から導管11を経て抜き出された液状高沸点混合物(EGを70.6重量%、MeOHを29.1重量%、ECを0.099重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.086重量%含む)の一部はリボイラー12と導管13を通して塔底10に戻し、残りは導管14を通して流速231.2g/hで抜き出した。尚、工程(1)のEC転化率は99.9%であった。
導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)を流速803.1g/hで抜き出した。脱二酸化炭素カラム22の上部に設けた導管24から排出されるガスには二酸化炭素は検出されなかった。導管30から低沸点成分分離塔17の塔底液(EGが99.7重量%、ECが0.14重量%、KOHが0.12重量%含まれていた)を流速163.9g/hで抜き出した。EG精製塔41の塔頂留分としてECを34ppm含むEGを導管48から流速162.7g/hで得た。EG精製塔41の塔底液(EGを67.7重量%、ECを17.3重量%、KOHを15.0重量%含む)を導管49から抜き出し、その一部を導管52から2時間毎に2.7g抜き出し、残りをリボイラー50で加熱して導管51を通して塔底43に戻した。
これらの結果から、DMC収率が99.9%、DMC選択率が99%以上、EG収率99.9%と、実施例1とほぼ同等であるものの、得られたEGにはECが含まれており、純度の高いEGは得られなかったことが分かる。
実施例6
図4に示される装置を用いてECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1および低沸点成分分離塔17は実施例5で用いたものと同一のものを用いた。また、連続多段蒸留塔1は実施例5と同様の条件で運転した。
連続多段蒸留塔1の塔頂4から留出するガス状低沸点混合物は凝縮器7で凝縮し、一部は導管8経由で塔頂4に還流させ、残りは導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)として流速803.3g/hで抜き出した。塔底10から導管11を経て抜き出された液状高沸点混合物(EGを70.7重量%、MeOHを29.1重量%、ECを0.099重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.086重量%含む)の一部はリボイラー12と導管13を通して塔底10に戻し、残りは導管14を経て、流速231.3g/hで低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ供給した。尚、工程(1)のEC転化率は99.9%であった。
塔頂圧力が1,300Pa(10torr)、塔底圧力が2,660Pa(20torr)、塔底温度が99℃であり、リボイラー28として縦型流下液膜式蒸発器を用いることにより塔底26での滞留時間を0.15時間とし、低沸点成分分離塔17の塔底26をエーテル生成反応器として使用しなかったことの他は、実施例5と同様の方法で低沸点成分分離塔17を運転した。該分離塔17の塔頂18から留出するガス状低沸点成分は凝縮器19で凝縮し、その一部を導管20を経て還流させ、残りは導管25を経て連続多段蒸留塔1の第30段へ流速67.3g/hで循環させた。導管30から流速164.0g/hで得た低沸点成分分離塔17の塔底液(EGを99.7重量%、ECを0.14重量%、KOHを0.12重量%含む)は、180℃に加熱されたエーテル生成反応器34(実施例1のエーテル生成反応器15と同様のものを用いた)に導入し、該反応器34でエーテル生成反応を行わせて、エーテル生成反応混合物を得た。得られたエーテル生成反応混合物は、EGを99.7重量%、DEGを0.17重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.12重量%、二酸化炭素を0.073重量%含み、ECは検出されなかった。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。得られたエーテル生成反応混合物は導管35を経て、脱二酸化炭素カラム38の上部へ導入した。該脱二酸化炭素カラム38の底部に設けた導管36から窒素ガスを導入し、バブリングさせた。該脱二酸化炭素カラム38の上部に設けた導管37から二酸化炭素を含む窒素ガスが排出された。脱二酸化炭素された液は、該脱二酸化炭素カラム38の下部に設けられた導管39を経て、実施例5と同様のEG精製塔41の塔頂から90cmの位置へ供給した。
EG精製塔41は実施例5と同様の条件で運転した。導管48から流速162.4g/hで塔頂留分(EG以外の成分は検出されなかった)を得た。EG精製塔41の塔底液(EGを65.2重量%、DEGを20.4重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を14.4重量%含む)を導管49から抜き出し、その一部を導管52から2時間毎に2.8g抜き出し、残りをリボイラー50で加熱して導管51を通して塔底43に戻した。
これらの結果から、DMC収率が99.9%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.8%で得られたことが分かる。
実施例7
図5に示される装置を用いてECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1および低沸点成分分離塔17は実施例1で用いたものと同様のものを用いた。
連続多段蒸留塔1は実施例6と同様の条件で運転した。連続多段蒸留塔1の塔頂4から留出するガス状低沸点混合物は凝縮器7で凝縮し、一部は導管8経由で塔頂4に還流させ、残りは導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)として流速803.1g/hで抜き出した。塔底10から導管11を経て抜き出された液状高沸点混合物(EGを70.7重量%、MeOHを29.1重量%、ECを0.099重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.086重量%含む)の一部はリボイラー12、導管13を通して塔底10に戻し、残りは導管14を経て、流速231.3g/hで低沸点成分分離塔17の塔頂から40cmの位置へ供給した。尚、工程(1)のEC転化率は99.9%であった。
低沸点成分分離塔17は、該分離塔17の塔頂から90cmの位置に設けられたサイドカット抜き出し口から、生成したEGと未反応のECを含むガス状留分を流速162.9g/hで導管31を経て抜き出し、凝縮器32で凝縮させてサイド抜き出し液(EGを99.8重量%、ECを0.14重量%含む)を得、塔底26から触媒を含む高沸点成分を抜き出した他は実施例6の低沸点成分分離塔17と同様の条件で運転した。該低沸点成分分離塔17の塔頂18から留出するガス状低沸点成分は凝縮器19で凝縮し、その一部を導管20を経て還流させ、残りは導管25を経て連続多段蒸留塔1の第30段へ流速67.3g/hで循環させた。該低沸点成分分離塔17の塔底液はその一部を導管30から2時間毎に2.2g抜き出した。該低沸点成分分離塔17から導管31を通して得られたサイド抜き出し液は、180℃に加熱されたエーテル生成反応器34(内径15mm、長さ30cmで、活性アルミナ粒子(直径2〜4mm)が充填されたもの)に導入し、該反応器34でエーテル生成反応を行わせて、エーテル生成反応混合物を得た。得られたエーテル生成反応混合物は、EGを99.7重量%、DEGを0.17重量%、二酸化炭素を0.074重量%含み、ECは検出されなかった。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。得られたエーテル生成反応混合物は導管35を経て、実施例6と同様のEG精製塔41の塔頂から30cmの位置へ供給した。
EG精製塔41は塔頂圧力が6,700Pa(50torr)、塔底温度163.7℃で運転した。塔頂42からの留出物は凝縮器45で凝縮し、導管46および導管47経由で塔頂42に流速243.8g/hで全還流させた。導管46に設置された気液分離器(図示していない)に設けられた、圧力調整用の減圧ライン(図示していない)から、エーテル生成反応によって生成した二酸化炭素を流速0.12g/hで排出した。EG精製塔41の塔頂から90cmの位置に設けられたサイドカット抜き出し口から、EGから成るガス状留分を導管53を経て抜き出し、凝縮器54で凝縮させ導管55を経てサイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)を流速162.5g/hで得た。EG精製塔41の塔底液(DEGを99.9重量%含む)を導管49から抜き出し、その一部を導管52から12時間毎に3.4g抜き出し、残りをリボイラー50で加熱して導管51を通して塔底43に戻した。
これらの結果から、DMC収率が99.9%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.8%で得られたことが分かる。
実施例8
触媒として、水酸化カリウムの18重量%エチレングリコール溶液の代わりに水酸化ナトリウムの18重量%エチレングリコール溶液を用いた他は、実施例5と同様の方法で、ECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)を流速803.1g/hで抜き出した(実施例5と同様)。
連続多段蒸留塔1の塔底液としての液状高沸点混合物(EGを70.7重量%、MeOHを29.1重量%、ECを0.099重量%、DMCを0.04重量%、NaOHを0.086重量%含む)は、流速231.3g/hで抜き出した。尚、工程(1)のEC転化率は99.9%であった。
低沸点成分分離塔(低沸点成分分離/エーテル生成反応塔)17の塔底液としてのエーテル生成反応混合物(EGを99.7重量%、DEGを0.17重量%、NaOH(NaOHに由来するナトリウムの炭酸塩類を含む)を0.12重量%含む)を流速163.9g/hで抜き出した。上記エーテル生成反応混合物中にECは検出されなかった。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。
EG精製塔41の導管48から流速162.3g/hで塔頂留分(EG以外の成分は検出されなかった)を得た。EG精製塔41の塔底液(EGを65.3重量%、DEGを20.2重量%、NaOH(NaOHに由来するナトリウムの炭酸塩類を含む)を14.5重量%含む)を導管52から2時間毎に2.8g抜き出した。
これらの結果から、DMC収率が99.9%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率99.8%で得られたことが分かる。
実施例9
連続多段蒸留塔1の導管5から予熱器6を経て液状で連続的に供給した、MeOHとDMCからなる混合物の組成が、MeOHとDMCの重量比:MeOH/DMC=90/10であり、流速を966.2g/hにした他は、実施例5と同様の方法を用いて、ECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを67.9重量%、DMCを32.1重量%含む)を流速1034.1g/hで抜き出した。連続多段蒸留塔1の塔底10から導管11を経て抜き出された液状高沸点混合物(EGを71.1重量%、MeOHを28.4重量%、ECを0.40重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.087重量%含む)は、導管14を経て流速229.5g/hで抜き出した。尚、工程(1)のEC転化率は99.6%であった。
低沸点成分分離塔(低沸点成分分離/エーテル生成反応塔)17の塔頂からの低沸点成分は脱二酸化炭素カラム22を経た後、導管25から連続多段蒸留塔1の第30段へ流速65.3g/hで循環させた。
低沸点成分分離塔17の導管30から塔底液としてエーテル生成反応混合物(EGが99.2重量%、DEGが0.68重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)が0.12重量%含む)は、流速163.8g/hで導管30から抜き出し、EG精製塔41へ供給した。上記エーテル生成反応混合物中にECは検出されなかった。したがって、ECのEGに対する重量比は10-6未満であり、工程(2)におけるEC転化率は99.9%より大であった。
EG精製塔41の導管48から流速161.5g/hで塔頂留分(EG以外の成分は検出されなかった)を得た。導管52から塔底液(EGが40.7重量%、DEGが50.2重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)が9.1重量%含まれていた)を2時間毎に4.4g抜き出した。
これらの結果から、DMC収率が99.6%、DMC選択率が99.6%、極めて純度の高いEGが収率99.2%で得られたことが分かる。
実施例10
図6に示す装置を用いて以下に述べるようにした他は実施例9と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の段数が20段であり、MeOHとDMC(重量比:MeOH/DMC=90/10)からなる混合物を導管5から予熱器6を経て連続多段蒸留塔1の第10段へ液状で連続的に供給した。
連続多段蒸留塔1の塔頂4から留出するガス状低沸点混合物は凝縮器で凝縮し、一部は導管8経由で塔頂4に還流させ、残りは導管9から塔頂抜き出し液(MeOHを68.9重量%、DMCを31.1重量%含む)として流速1031.0g/hで得た。連続多段蒸留塔1の液状高沸点混合物(EGを66.3重量%、MeOHを28.6重量%、ECを4.93重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.085重量%含む)の一部はリボイラー12、導管13を通して塔底10に戻し、残りを導管14から流速234.3g/hで抜き出した。尚、工程(1)のEC転化率は95%であった。
低沸点成分分離塔(低沸点成分分離/エーテル生成反応塔)17の塔頂圧は大気圧であり、塔底圧力は102,600Pa(770torr)、塔底温度は201℃、塔底26での滞留時間は0.5時間であった。低沸点成分分離塔17の塔底液として得られたエーテル生成反応混合物(EGを91.4重量%、DEGを7.73重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.12重量%、およびECを0.72重量%含む)の一部はリボイラー28、導管29を通して塔底26に戻し、残りは導管30から流速161.95g/hで抜き出した(上記エーテル生成反応混合物のECのEGに対する重量比は7.9×10-3であり、工程(2)におけるEC転化率は90%であった)。
EG精製塔41の充填高は200cmであり、エーテル生成反応混合物は導管30を経てEG精製塔41の塔頂から170cmの位置へ供給した。EG精製塔41の還流比は5であった。EG精製塔の塔頂圧力は1,330Pa(10torr)、塔底温度は135.3℃であった。EG精製塔41の塔頂から90cmの位置に設けられた導管56から液状留分をサイド抜き出し液(EG以外の成分は検出されなかった)として流速140.0g/hで得た。また、EG精製塔41の塔頂留分(EGを86.1重量%、ECを13.9重量%含む)の一部を凝縮器45、導管47を通して塔頂42に還流させ、残りを導管48を通して流速8.4g/hで得た。EG精製塔41の塔底43から塔底液(EG6.6重量%、DEG91.9重量%、およびKOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)1.5重量%を含む)を抜き出し、一部をリボイラー50、導管51を通して塔底43に戻し、残りを導管52を通して流速13.6g/hで抜き出した。
これらの結果から、DMC収率が95%、DMC選択率が99%以上、極めて純度の高いEGが収率86%で得られたことが分かる。また、EG精製塔41の塔頂留分として得られたEG/EC混合物は、再びエステル交換反応の原料として用いることができる。
比較例5
以下に述べることの他は、実施例10と同様の方法でECとMeOHからDMCとEGを連続的に製造した。
連続多段蒸留塔1の塔頂抜き出し液(MeOHを68.9重量%、DMCを31.1重量%含む)を流速1030.8g/hで導管9から得た。連続多段蒸留塔1の液状高沸点混合物(EGを66.3重量%、MeOHを28.6重量%、ECを4.92重量%、DMCを0.04重量%、KOHを0.085重量%含む)は導管14から流速234.2g/hで抜き出した。尚、工程(1)のEC転化率は95%であった。
低沸点成分分離塔17の塔頂圧力は3,870Pa(29torr)、塔底圧力は5,190Pa(39torr)、塔底温度は120℃であった。低沸点成分分離塔17の塔底液として得られたエーテル生成反応混合物(EGを92.6重量%、DEGを1.67重量%、およびECを5.57重量%、KOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)を0.12重量%含む)は導管30から流速166.0g/hで抜き出した(上記エーテル生成反応混合物中のECのEGに対する重量比は6×10-2であり、工程(2)におけるEC転化率は20%であった)。
EG精製塔41の塔底温度は108.7℃であった。導管56から得たサイド抜き出し液(ECを0.0042重量%含む)の流速は85.9g/hであった。また、EG精製塔41の塔頂留分(EGを86.2重量%、ECを13.8重量%含む)の一部を凝縮器45、導管47を通して塔頂42に還流させ、残りを導管48を通して流速66.4g/hで得た。EG精製塔41の塔底43から塔底液(EG78.1重量%、DEG20.4重量%、およびKOH(KOHに由来するカリウムの炭酸塩類を含む)1.5重量%を含む)を導管52を通して流速13.6g/hで抜き出した。
これらの結果から、DMC収率が95%、DMC選択率は99%以上と、実施例10とほぼ同等であるものの、EG収率は53%と低く、また、得られたEGにはECが含まれており、純度の高いEGは得られなかったことが分かる。また、EG精製塔41の塔頂留分として得られたEG/EC混合物の組成は実施例10と同様であるものの、流速が実施例10の7.9倍と大きい(66.4/8.4=7.9)。したがって、エステル交換反応の原料として再利用する際には、実施例10と比較して多量のEGを反応系へ戻さなければならない。
産業上の利用可能性
本発明の方法によると、環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造するプロセスにおいて、複雑な蒸留分離工程や原料・触媒以外の成分を用いずに高純度のジオールを容易に得ることができる。

Claims (12)

  1. 環状カーボネートと脂肪族1価アルコールからジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法であって、
    (1)式(A)
    Figure 0003674687
    〔ただし、R1は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている2価基−(CH2)m− (mは2〜6の整数)を表わす。〕
    で表わされる環状カーボネートと、
    式(B)
    2OH (B)
    〔ただし、R2は置換されていないか又は炭素数1〜10のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基より成る群から選ばれる少なくとも1つの置換基によって置換されている炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基を表わす。〕
    で表わされる脂肪族1価アルコールとを、連続多段蒸留塔に連続的に供給し、該多段蒸留塔において、エステル交換反応触媒の存在下で、該環状カーボネートと該脂肪族1価アルコールとのエステル交換反応を連続的に行なうことにより、式(C)
    Figure 0003674687
    〔ただし、R2は上記式(B)に関して定義したのと同様。〕
    で表わされるジアルキルカーボネートと式(D)
    Figure 0003674687
    〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様。〕
    で表わされるジオールを生成し、その際、同時に、該生成ジアルキルカーボネート(C)と未反応脂肪族1価アルコール(B)を含むガス状低沸点混合物を、該多段蒸留塔の上部より連続的に抜き出し、一方該生成ジオール(D)と未反応環状カーボネート(A)を含む液状高沸点混合物を該多段蒸留塔の下部より連続的に抜き出し、
    (2)工程(1)において該多段蒸留塔の下部から抜き出した該高沸点混合物を連続エーテル生成反応装置に連続的に供給し、それにより、該未反応環状カーボネート(A)と該生成ジオール(D)の一部との間に連続的エーテル生成反応を行なって、式(E)
    HO(R1O)pH (E)
    〔ただし、R1は上記式(A)に関して定義したのと同様であり、pは2〜4の整数を表す。〕
    で表される鎖状エーテルと二酸化炭素を生成せしめ、一方生成ジオール(D)および生成鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物を該連続エーテル生成反応装置から連続的に抜き出すことを含み、
    該エーテル生成反応混合物中の環状カーボネート含量が、環状カーボネート(A)のジオール(D)に対する重量比で0〜10-2であることを特徴とする、ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法。
  2. 工程(1)のエステル交換反応における環状カーボネートの転化率が50%以上である請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)のエステル交換反応における環状カーボネートの転化率が95〜99.999%である請求項2に記載の方法。
  4. 工程(2)において、該連続的エーテル生成反応をエーテル生成触媒の存在下に行う請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程(2)の該連続的エーテル生成反応における環状カーボネートの転化率が90〜100%である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程(2)の該連続エーテル生成反応装置から抜き出したエーテル生成反応混合物が二酸化炭素を含み、該エーテル生成反応混合物から二酸化炭素を分離する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 工程(1)の脂肪族1価アルコールが、随伴ジアルキルカーボネートを、該脂肪族1価アルコールと該随伴ジアルキルカーボネートとの合計量に対して0〜40重量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および未反応環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を、上記低沸点成分分離塔の中間段又は最下段に対応する位置の側壁に設けられた少なくとも1つのサイドカット抜き出し口から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔のサイドカット抜き出し口から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に連続的に供給する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を、工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に供給する前に、連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離塔に連続的に供給し、該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および未反応環状カーボネート(A)を含む高沸点成分を上記低沸点成分分離塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルし、一方、該低沸点成分分離塔の下部から抜き出した高沸点成分を工程(2)の該連続エーテル生成反応装置に連続的に供給する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  10. 工程(1)の該連続多段蒸留塔の塔下部から抜き出した高沸点混合物が未反応脂肪族1価アルコールの一部を含み、該高沸点混合物を連続多段蒸留塔からなる低沸点成分分離/エーテル生成反応塔に連続的に供給し、上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の塔下部は工程(2)で用いる連続エーテル生成反応装置として機能するのに適合し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部において未反応環状カーボネート(A)とジオール(D)の一部との間の連続的エーテル生成反応を行なって鎖状エーテル(E)と二酸化炭素を生成せしめ、二酸化炭素を含み且つ該高沸点混合物に含まれる未反応脂肪族1価アルコールの一部を含む低沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から連続的に抜き出すとともに、ジオール(D)および鎖状エーテル(E)を含むエーテル生成反応混合物からなる高沸点成分を上記低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の下部から連続的に抜き出し、該低沸点成分分離/エーテル生成反応塔の上部から抜き出した低沸点成分を工程(1)の連続多段蒸留塔に連続的にリサイクルする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  11. 環状カーボネートがエチレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールから選ばれた脂肪族1価アルコールである請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 環状カーボネートがエチレンカーボネートであり、脂肪族1価アルコールがメタノールであり、鎖状エーテルがジエチレングリコールである請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
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