JPH08260392A - 抄紙工程における微生物の抑制ならびにスライム及びピッチによる堆積物処理剤 - Google Patents

抄紙工程における微生物の抑制ならびにスライム及びピッチによる堆積物処理剤

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JPH08260392A
JPH08260392A JP5107154A JP10715493A JPH08260392A JP H08260392 A JPH08260392 A JP H08260392A JP 5107154 A JP5107154 A JP 5107154A JP 10715493 A JP10715493 A JP 10715493A JP H08260392 A JPH08260392 A JP H08260392A
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JP5107154A
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Ryuzo Fujita
龍三 藤田
Tomiyoshi Suyama
富義 陶山
Iwao Kamiya
巌 上谷
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Daiwa Chemical Industries Ltd
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Daiwa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製紙工場における抄紙装置は、長時間運転する
間に、水中の微生物の増殖による分泌物あるいは菌体等
が微細パルプ、サイズ剤および填料などと粘着物質のい
わゆるスラライムを形成し、このスライムがワイヤー、
フェルトなどに逐次堆積し、パルプの水切れ不良が起こ
し。これが原因で抄紙速度の低下あるいは、スライム堆
積物のパルプ中に混入するための紙質の低下や紙切れが
もとで機械の運転を停止して、掃除を行うなど、その損
害は莫大なものであるが、この堆積物を水中に微細分散
あるいは、微生物の殺菌および抑制を2種類の薬剤によ
る相乗効果によって行うものである。 【構成】水溶性カチオン性重合体としてジメチルジアリ
ルアミンの繰返し単独重合から誘導される五員環の第4
級アンモニウム塩型のカチオンポリマーで分子量20,
000〜500,000のものと、トリ−n−アルキル
−メチル−2−ヒドロキシアルキルアンモニウム有機酸
塩を8:2〜2:8の割合に配合することによってスラ
イムおよびスライム堆積物の殺菌および分散除去剤とし
て使用するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙工場の抄紙装置に
おいて水中微生物に起因するスライム障害の防除とスラ
イムおよびピッチ堆積物の微細分散処理方法に関する。
抄紙装置は、多量の水に分散したパルプから紙を抄造す
るもので水中の微生物によるスライムの影響を特に受け
やすい装置である。スライムは、細菌、黴、酵母類の微
生物のほか藻類の増殖による分泌物や菌体が微細パルプ
および填料などと共に粘着物質を形成、いわゆるスライ
ムとなる。
【0002】このほかパルプ原料の樹木、あるいは古紙
などから出るピッチが主な抄紙障害を起こす物質であ
る。これらスライム、ピッチがワイヤー、フェルトなど
に堆積し水切れ不良を起す結果、湿紙の水分量が多くな
り乾燥時間が長くなるため、抄紙速度が低下するように
なる。このほかパルプ分散液の流れのゆるやかな場所に
発生するスライム堆積物が脱落してパルプ液中に混入し
紙質の低下や抄紙中に発生する紙切れなどの主原因にな
るものでもので紙の生産性を著しく妨害するものであ
る。本発明は、これらの障害の防止に使用する薬剤でス
ライム、ピッチ堆積物の分散と微生物殺滅および増殖抑
制効果を有する薬剤に関するものである。
【0003】本発明に使用する薬剤は、スライムやピッ
チが堆積するワイヤー、フェルトなどに対して、それら
を防除するために使用するカチオン界面活性剤および水
溶性カチオンポリマーによる相乗効果によるもので、そ
の効力を最大限に発揮させるため、この両者を適宜配合
し、その水希釈液を使用するものである
【0004】従来は、スライム堆積物を除去する方法と
して、抄紙機の運転を停止し、掃除をしなければならな
かった。そのために多大な時間の浪費と抄紙中に発生す
る紙切れや損紙の発生のために大きな損害を蒙ることに
なった。このようなことから抄紙機械を停止することな
く、抄紙しながら排除する方法が強く要望されていた。
【0005】本発明は、このようなスライム障害を減少
させるためにパルプ分散液中に薬剤を添加あるいは堆積
物へ直接散布によって微生物の増殖抑制と、堆積物の除
去およびピッチを含めて微細に分散させることを可能に
し、紙質への悪影響を解消し抄紙機の能力を最大限に発
揮させるものである。
【0006】
【従来の技術】製紙工場に於ける最も重要なことはスラ
イムおよびピッチを如何にコントロールするかにかかっ
ている。従来からスライムコントロール剤は一日も欠か
すことのできないほど重要な薬剤になっていた。
【0007】スライムの発生を阻止又は抑制するため従
来から使用されている薬剤は、次亜塩素酸ソーダ、塩素
化イソシアヌル酸ソーダ等の塩素化合物、メチレンビス
イソチオシアネート、ジチオカルバメート系化合物、ベ
ンズイソチアゾロン−3−オン、メルカプトベンゾチア
ゾール等の有機窒素硫黄系化合物、第4級アンモニウム
塩化合物、ヨードプロパギル等の有機ヨード系化合物、
有機臭素系化合物、有機硫黄系化合物、ハロゲン化フェ
ノール等の殺菌剤、防カビ剤あるいは防腐剤を単独又は
適宜配合して、白水の循環経路またはパルプ分散液中に
添加して微生物の増殖を阻止しスライムの発生を抑制し
ている。しかしながら、これらの薬剤は、人畜、魚類等
に対する毒性から無制限に使用できるものではない。
【0008】更に最近は、資源の確保から古紙の使用量
が極度に多くなっている関係上、その原料である古紙に
含まれるインキ、ラテックス、接着剤、澱粉質、蛋白
質、その他多くの填料等が白水中に溶出、分散又はピッ
チとなって析出するほか、微生物の栄養源となりスライ
ム生成の主因となっている。また、製紙工場は多量の水
を使用するもので、水資源を確保するためにも白水を最
大限に循環するシステムが多く取られている。それがた
めに白水の温度が上昇し、更にスライムの形成が早くな
っている。このようなことで、各製紙工場におけるピッ
チによる障害とスライム発生に対する防御対策が深刻化
している。
【0009】従来から行われている抄紙トラブルに対す
る薬剤は、主としてスライムのみが対照になっており殺
菌剤、防黴剤、防腐剤に関するものばかりであった。そ
の薬剤の添加方法は、一日分の薬剤を数回に分けて短時
間に加える衝撃法、または少量宛連続的に添加する方法
で、主として白水またはパルプ分散液に直接添加する方
法で行っている。しかし、このような方法で薬剤を使用
しても夏季、冬季あるいは原料等の相違で異なることが
あっても、比較的短期間に微生物の増殖からスライムが
形成され、生産に支障をきたすようになる。また薬剤に
対する耐性菌も問題になになっている。
【0010】これの除去には抄紙機の運転を停止して掃
除を行わねばならなくなる。また、スライムがワイヤ
ー、フェルト等の表面に付着する結果、濾水性が悪くな
るので抄紙速度の低下や紙質への悪影響あるいは紙切れ
による損紙の発生などのため、抄紙機停止して、強力な
シャワーで装置の洗浄が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】抄紙装置におけるスラ
イムは、パルプ分散液中の微生物が、液中に含まれるパ
ルプや澱粉、タンパク質、その他、紙質に必要な填料や
薬剤中の種々の栄養素が含まれるためと、パルプ分散に
使用する水資源として白水を最大限に循環使用するため
冬期に於いても水温が比較的高くなり、微生物の繁殖に
好条件を与え、水中の微生物が急速に繁殖する。
【0012】スライムやピッチは発生しても、微細な分
散状態であれば、紙質中に均一に抄き込まれてトラブル
を起すまでには至らない。しかしながら、それを、その
まま放置して抄紙を続ける時は、必ずスライム、ピッチ
が成長して紙質への悪影響と抄紙能力低下等の障害が発
生する。それを除去するために時間の浪費と経費の増大
と、大きな損害につながることになる。
【0013】スライム及びピッチによる堆積物は、装
置、パイプ等に時間と共に成長し流速に耐えられなくな
くなるとパルプ液中に剥離脱落し、種々のトラブを起こ
すものであるが、このようにスライムが多量に堆積した
時に薬剤を添加すると堆積物の剥離が助長され、逆にス
ライム障害が大きくなることも考えられる。このような
ことから堆積物は成長する前に、常時出来るだけ微細な
状態で早く除去し、紙に混入しても成紙に影響しないよ
うな状態にする必要がある。
【0014】紙を製造する場合、最も重要なことは、水
中に浮遊するパルプを細かい網目を有するワイヤー上
に、よく膨潤した植物繊維を配列よく並べ脱水して湿紙
を形成させ水分はできるだけ除去する。それをフエルト
上に移し、更に余分な水分をプレスなどにより脱水した
のち、乾燥工程を経て成紙とするのであるる。
【0015】紙の製造工程は抄紙工程、プレスによる脱
水工程、乾燥工程の3段階になっている。この操作のな
かで抄紙工程、脱水工程においてスライムの発生に関与
し、最も重要であって常時最高の状態で操業されていな
ければならない。これが十分に管理されていないと次の
工程に大きな負担がかかることになる。
【0016】この状態の維持に悪影響を及ぼすものがス
ライムやピッチである。これらは、ワイヤーやフエルト
の目詰りを起すため、水分の除去が不十分になり湿紙の
水分が多くなる。そのため乾燥のエネルギーが増大す
る。そればかりではなく、湿紙の水分が影響して紙の地
合いが悪くなり、紙質にも影響するようになる。また、
湿紙中に、ある程度成長したスライムが含まれるとプレ
スによりスライムが拡大され紙に穴があいたり、紙切れ
を起す。その結果、紙の製造がストップする。これは紙
を製造する工程で最も重要なことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
解決の方法として、殺菌、防カビ、防藻性に優れた化合
物について検討を行った。また、これらの薬剤は、特
に、殺菌、防カビ、防藻性のみでなくスライムやピッチ
を分散させると共に、これらに(+)の電荷を持たせ、
(−)の電荷を有するパルプに吸着させて紙質中に抄込
むもので、これによってスライム、ピッチ障害を除去す
るものである。
【0018】本発明に使用する水溶性カチオンポリマー
は、ジメチルジアリルアミンからチーグラー法によっ
て、繰返し単独重合により誘導される五員環の第4級ア
ンモニウム塩型のカチオンポリマーで、その分子量は約
10,000〜500,000で、30%水溶液の20
℃における極限粘度が0.1から2.0位のものが優れ
た効果を有している。使用量は水量に対して0.01〜
10ppmであるので、かなり低い濃度で目的を達する
ことが可能になった。
【0019】一般的カチオン界面活性剤は第4級アンモ
ニウム塩で陽性石鹸あるいは逆性石鹸とも呼ばれている
化合物である。その代表的なものはアルキルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムクロライ
ド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどがあ
る。このアルキル基のうち少なくとも一つは炭素数8〜
18の直鎖の長鎖アルキル基を含むものである。
【0020】本発明に、使用するカチオン界面活性剤
の、第4級アンモニウム塩は、ジ−n−デシル−メチル
−2−ヒドロキシ−エチル−プロピオン酸塩である。こ
のカチオン界面活性剤は、一般のカチオン界面活性剤と
比較して抗菌、防黴、防藻性に優れた化合物であるが、
特に防黴、防藻性は、他に類を見ないほど優れた効果を
有しており、スライムコントロールとしては、最も適し
た薬剤である。またスライム、ピッチの分散剤としても
有効な化合物である。
【0021】この第4級アンモニウム塩以外としては、
イミダゾリューム塩、ピリジニウム塩、ビコリニウム塩
およびキノリニウム塩の環状窒素含有化合物アンモニウ
ム塩などの中に、優れた性能を有する化合物がある。こ
れらを水溶性カチオンポリマーと併用してスライム、ピ
ッチの抑制および分散剤として使用することができる。
【0022】アンモニウム塩以外のカチオン界面活性剤
として、フォスホニウム塩、スルホニウム塩あるいはヒ
素を含んだアルソニウム塩のいわゆるオニウム化合物も
含まれている。フォスホニウム塩としてはトリエチル・
n−ドデシルフォスホニウム・ブロマイド、トリプロピ
ル・n−ドデシルフォスホニウム・ブロマイド、ジメチ
ル・n−ドデシル・ベンジルフォスホニウムクロライ
ド、n−ドデシル・トリフェニフォスホニウムブロマイ
ド等が優れた殺菌剤のほか表皮糸状菌および白癬菌に対
して優れた効果のあることが知られている。
【0023】またスルホニウム塩としては例えば、ヘキ
サデシル・エチル・スルフォニウム・エチル硫酸塩、ジ
クロロ・ベンジル・n−デシル・メチル・スルフォニウ
ム・メチル硫酸塩、n−ドデシル・ジメチル・スルフォ
ニウム・メチル硫酸塩は大腸菌、チフス菌またn−ドデ
シル・ベンジル・メチル・スルフォニウム・メチル硫酸
塩などは黄色ブドウ球菌、ジフテリー捍菌などに優れた
殺菌性を有する化合物である。このほかn−ドデシル・
トリフェニル・フォスホニウム・ブロマイドは表皮糸状
菌および白癬菌、小胞子菌などの殺菌、予防には第4級
アンモニウム塩より有効でかつ長期間使用し得る活性剤
である。
【0024】水溶性カチオンポリマーは、繊維工業にお
ける直接染料の固着剤、捺染細線向上剤、防染剤、染料
凝集剤として使用されている。また製紙用としては紙力
増強剤、歩留り向上剤、染料定着剤、水処理剤あるいは
化粧品用として広く使用されているものであるが殺菌
剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤として応用された例はな
い。
【0025】本発明者らがカチオン活性剤一連の抗菌、
防腐剤、防藻剤として、たまたま実験の対照薬剤中に入
れて試験をした結果、優れた性能のあることを発見し
た。また、この薬剤を用いてスライムの混入されたパル
プ液に添加して抄紙試験を行ったがスライムによる紙力
の低下が殆どないことが判明し本発明を完成した。
【0026】本発明化合物である水溶性カチオンポリマ
ーとカチオン界面活性剤の使用方法は、スライム堆積物
の発生しやすい場所に、本発明水溶性カチオンポリマー
と本発明水溶性カチオン界面活性剤を9:1〜1:9の
配合比率で混合したものを純分換算で0.01〜10.
0ppmをパルプ分散液に滴下又は堆積物に対しスプレ
ーあるいはシャワー状に強力に散布することによって、
堆積物の分散除去および微生物がコントロールされ、ス
ライム障害を未然に防止することができる。
【0027】使用方法は、このほかにスライムの発生状
態に応じて使用するか、または連続あるいは一定の時間
ごとに処理することもできる。本発明の水溶性カチオン
ポリマーは、泡立ちがなく、成紙への影響は全くない。
また排水中の微生物および藻類が目立って減少し、スラ
イムを形成する微生物の減少および堆積物の生成速度が
遅く、また生成物の除去が容易になった。
【0028】
【作用】本発明は、水溶性カチオンポリマーおよびカチ
オン界面活性剤を用いてスライムに起因する微生物およ
びスライム堆積物の抑制または除去を目的とするもので
ある。カチオン界面活性剤は、イミダゾリウム塩、フォ
スホニウム塩、スルフゥニウム塩およびピリジン系のよ
うな窒素環を有するアンモニウム塩と水溶性カチオンポ
リマーとしてジアリルアミンから誘導された五員環の第
4級アンモニウム塩型カチオンポリマーを併用する。
【0029】分子量は、10.000〜500.000
のものである。この両化合物を9:1〜1:9の割合で
併用することによって抗菌、防黴、防藻の抑制およびス
ライムおよびピッチの堆積防止および堆積物の分散剤と
してすばらしい効果を発揮するが、それは両化合物の相
乗効果によるものである。
【0030】製紙工場の抄紙装置は、長時間運転する間
に、水中の微生物の増殖による分泌物、菌体等が微細パ
ルプおよび填料などと粘着物質のスライムを形成し、ワ
イヤー、フェルトなど抄紙装置に堆積し水切れ不良によ
る抄紙速度の低下あるいは、スライム堆積物によって紙
質の低下や紙切れを起す原因の防止に使用する薬剤に関
するものである。なお、本発明には他の殺菌剤、防黴
剤、防腐剤あるいは、他のカチオン樹脂、カチオン界面
活性剤および非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を併
用することができる。以下、実施例似よって詳細説明す
る。
【0031】
【実施例】
【0032】(実施例1) 手すきシートマシンによる抄紙方法 手すきシートマシン抄紙試験(JIS P 8209に依る) 抄 紙 条 件: パ ル プ:ダンボール故紙:L/N・B・KP 80/20 濾 水 度:400ml 坪 量:100g/m パルプ濃度:4% →抄紙パルプ濃度 :0.25% 乾 燥:ドライヤ−:110℃×3分 キ ュ アー:105℃×3分 キュアー後のシートは、温度23±1℃、湿度55〜60 %の恒温室に24時間置いたのち、試験用試料とした。 薬剤添加順序:サイズ剤0.5%→紙力増強剤1%→Alum2.5% サ イ ズ 剤:ロジンサイズ(固形分50%) 紙力増強剤:カチオン澱粉10%水溶液 A l u m:硫酸バンド液(Alとして8%)
【0033】(実施例2)本発明カチオン界面活性剤と
してイミダゾリウム塩、フォスホニウム塩、スルフォニ
ウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩およびカチオ
ンポリマーの、それぞれについて抗菌防黴効果ならびに
殺藻試験について試験を行った。試験に使用した化合物
は次の通りである。また抗菌防黴試験結果を表1に、殺
藻試験結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】試験に使用した化合物 A.イミダゾリウム塩:2−アルキル(C12
18)−1−(2−ヒドロキシエチル)−メチル−イ
ミダゾリウムクロライド。 B.フォスホニウム塩:トリエチル−n−ドデシル−フ
ォカホニウム−プロマイド。 C.スルフォニウム塩:n−ドデシル−ベンジル−スル
フォニウム−エチル硫酸塩。 D.アンモニウム塩:ジ−n−デシル−メチル−2−ヒ
ドロキシエチル−アンモニウム−プロピオン酸塩。 E.カチオンポリマー:ジメチル−ジアリルアミン−ポ
リマー
【0036】試験に使用した微生物 黄色ブドウ球菌:Staphylococcus au
reus 209P 大 腸 菌:Eschrichia coli o
−16 黒 黴:Aspergillus niger
ATCC6275
【0037】抗菌効力判定方法(LIS Z 291
1) −・・・かび、細菌の発育が認められない。 ±・・・かび、細菌の発育が僅かに認められる。 +・・・かび、細菌の発育が認められる。
【0038】殺藻試験 同じ薬剤を使用して殺藻試験を行った。試験結果を表2
に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実験に使用した藻の種類:クロレラ Ch
lorella pyrenoidosa NIES−
226
【0041】クロレラに対する効果の判定方法 −:藻の成育がない。 ±:僅かに成育。 +:少
し成育。++:成育している。 +++:多いに成育し
ている。
【0042】(実施例3)本発明カチオン界面活性剤フ
ォスホニウム塩、スルフォニウム塩、イミダゾリウム
塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩および比較品とし
て塩化ベンザルコニウムに本発明カチオンポリマーで分
子量が100,000〜500,000のものを使用し
た薬剤の細菌、黴に対する相乗効果比較試験を行った。
その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】実験に使用した微生物並びに効果判定方法
は実施例2に準ずる。
【0045】 実験に使用した化合物および配合比率(配合比率は純度100%換算で示す) 配合品A:トリエチル−n−ドデシル−フォスホニウムブロマイド 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約200,000)40% 配合品B:n−ドデシルベンジル−メチルスルフォニウムメチル硫酸塩 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000)40% 配合品C:2−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキシエチル)メ チル−イミダゾリウムクロライド 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000)40% 配合品D:ジ−n−デシル−メチル−2一ヒドロキシエチルーアンモニウム プロピオン酸塩 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約200,000)40% 配合品E:アルキル(C〜C16) ピリジニウムブロマイド 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約100,000) 50%比較配合品:塩化ベンザルコニウム(日本薬局方) 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000) 50%
【0046】(実施例4)本発明カチオン界面活性剤ジ
−n−ジデシル−メチル−ヒドロキシエチル−アンモニ
ウム−プロピオン酸塩、と本発明水溶性カチオンポリマ
ーのジメチルジアリルアミンカチオンポリマー(分子量
約100,000)との相乗効果による抗菌防黴試験結
果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】(実施例5)実施例3で使用した本発明カ
チオン界面活性剤と水溶性カチオンポリマーの殺藻性に
対する相乗効果の試験結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】(実施例6)本発明カチオン界面活性剤2
−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキシ
エチル)メチル−イミダゾリウムクロライドと本発明水
溶性カチオンポリマーの相乗効果において、本発明水溶
性カチオンポリマーと本発明カチオン界面活性剤の配合
割合は50:50である。また、この実験では、本発明
水溶性カチオンポリマーの重合度による微生物に対する
殺滅効果に及ぼす試験を行った。使用した微生物で黒黴
(Aspergillus nigerATCC862
5)に対する結果は、表6に、黄色ブドウ球菌(Sta
phylococus aureus)対する結果を表
7に示す。
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】 1.実験に使用した本発明カチオン界面活性剤 2−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキ
シエチル)メチル−イミダゾリウムクロライド(分子量
約100,000) 2.実験に使用した本発明カチオンカチオンポリマーの
分子量を示す。 A.ジメチルジアリルアミンカチオンポリマー(分子量約500,000) B. ” ” (分子量約300,000) C. ” ” (分子量約100,000) D. ” ” (分子量約 50,000) E. ” ” (分子量約 10,000) F. ” ” (分子量約 5,000) G. ” ” (分子量約 1,000)
【0053】(実施例7)実施例1で示した手すきシー
トマシンによる抄紙条件で、パルプ分散液中にスライム
堆積物を混入した場合の紙力に及ぼす影響には製紙工場
の抄紙装置のチェストより採集したスライム堆積物をミ
キサーにかけ微細な状態にした後、パルプに対し10%
添加した後、本発明カチオン界面活性剤2−アルキル−
1−(ヒドロキシエチル)メチル−イミダゾリニウム−
クロライド、と本発明水溶性カチオンポリマーである五
員環化合物ジメチルジアリルアミンカチオンポリマー
(分子量約100,000)を、純分換算1:1に配合
した薬剤を、1〜50ppm添加及び無添加試料を、そ
れぞれ一夜放置後、手すきシートマシンにより抄紙し
た。得られた紙をミューレン型破裂強さ試験機によって
破裂強度を測定し、スライムの影響を試験した。その結
果を表8に示す。またパルプ液中の生菌数を表9に示
す。
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】(実施例8) スライム堆積物の生成による濾水性の影響とその除去試
験 実施例1で示した手すきシートマシンによる抄紙条件で
使用したパルプ液を、30mm×40mm×深さ25m
mの角形ポリエチレン容器に約25lいれた後、実施例
1で使用した手すきシートマシンに使用する150メッ
シュ金網(内経158.8mm)4個を容器の四隅に吊
す。液温度を22〜25℃に保ち、中央部に撹拌機を設
置しゆるく撹拌する。この4個の金網は、翌日、2日
目、4日目および6日目に、それぞれ1個宛取り出し、
手すきシートマシンにこの金網を使用し、実施例1で使
用したパルプ液を抄紙試験機に使用し、パルプ液の濾過
速度を測定した。
【0057】測定後、金網は、本発明化合物のカチオン
ポリマーおよびカチオン界面活性剤等量混合物の0.0
1%希釈液に30分間浸漬した後、その液と同一濃度の
薬剤希釈液をシャワー状にして金網の表裏より強く吹き
付けた。その後、水道水の蛇口に取付けたシャワーで良
く水洗し、再び同一処方のパルプ液を使用し手すきシー
トマシンによる抄紙試験を行いパルプ液の濾過速度を測
定した。同時に試験に供しなかった金網と比較した。結
果を表10に示す。
【0058】
【表10】
【0059】(実施例9)
【0060】
【発明の効果】製紙工場の抄紙工程に於いて、スライム
あるいはピッチの発生によって種々のトラブルがおこ
る。このトラブルは、ワイヤー、毛布の目詰りによりお
こる水切れ不良がによる抄紙速度の低下、あるいはスラ
イム堆積物の剥離に起因する紙質の低下や抄紙中に発生
する紙切れのために多大の損害を与えるものである。こ
れを未然に防止し、生産性および品質の向上を目的とす
る薬剤に関する。
【0061】この薬剤としてカチオン界面活性剤はジ−
n−デシル−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウ
ムプロピオン酸塩が特に殺菌、防黴、殺藻性に優れた効
果を有している。このほかの第4級化合物としては、ス
ルフォニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム
塩またピリジン、ピコリン、キノリン等の窒素含有環状
化合物などの第4級アンモニウム塩を使用した。
【0062】水溶性カチオン性重合体は、ジメチルジア
リルアミンから誘導された五員環の環状第4級アンモニ
ウム塩型のカチオンポリマーで分子量が約5,000〜
500,000、好ましくは10,000〜300,0
00、配合比は9:1〜1:9による相乗効果によって
製紙工程におけるスライムコントロールおよびピッチと
の分散と、その堆積物の処理剤である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙工場の抄紙装置に
おいて水中微生物に起因するスライム障害の防除とスラ
イムおよびピッチ堆積物の微細分散処理方法に関する。
抄紙装置は、多量の水に分散したパルプから紙を抄造す
るもので水中の微生物によるスライムの影響を特に受け
やすい装置である。スライムは、細菌、黴、酵母類の微
生物のほか藻類の増殖による分泌物や菌体が微細パルプ
および填料などと共に粘着物質を形成、いわゆるスライ
ムとなる。
【0002】このほかパルプ原料の樹木、あるいは古紙
などから出るピッチが主な抄紙障害を起こす物質であ
る。これらスライム、ピッチがワイヤー、フェルトなど
に堆積し水切れ不良を起す結果、湿紙の水分量が多くな
り乾燥時間が長くなるため、抄紙速度が低下するように
なる。このほかパルプ分散液の流れのゆるやかな場所に
発生するスライム堆積物が脱落してパルプ液中に混入し
紙質の低下や抄紙中に発生する紙切れなどの主原因にな
るものでもので紙の生産性を著しく妨害するものであ
る。本発明は、これらの障害の防止に使用する薬剤でス
ライム、ピッチ堆積物の分散と微生物殺滅および増殖抑
制効果を有する薬剤に関するものである。
【0003】本発明に使用する薬剤は、スライムやピッ
チが堆積するワイヤー、フェルトなどに対して、それら
を防除するために使用するカチオン界面活性剤および水
溶性カチオンポリマーによる相乗効果によるもので、そ
の効力を最大限に発揮させるため、この両者を適宜配合
し、その水希釈液を使用するものである
【0004】従来は、スライム堆積物を除去する方法と
して、抄紙機の運転を停止し、掃除をしなければならな
かった。そのために多大な時間の浪費と抄紙中に発生す
る紙切れや損紙の発生のために大きな損害を蒙ることに
なった。このようなことから抄紙機械を停止することな
く、抄紙しながら排除する方法が強く要望されていた。
【0005】本発明は、このようなスライム障害を減少
させるためにパルプ分散液中に薬剤を添加あるいは堆積
物へ直接散布によって微生物の増殖抑制と、堆積物の除
去およびピッチを含めて微細に分散させることを可能に
し、紙質への悪影響を解消し抄紙機の能力を最大限に発
揮させるものである。
【0006】
【従来の技術】製紙工場に於ける最も重要なことはスラ
イムおよびピッチを如何にコントロールするかにかかっ
ている。従来からスライムコントロール剤は一日も欠か
すことのできないほど重要な薬剤になっていた。
【0007】スライムの発生を阻止又は抑制するため従
来から使用されている薬剤は、次亜塩素酸ソーダ、塩素
化イソシアヌル酸ソーダ等の塩素化合物、メチレンビス
イソチオシアネート、ジチオカルバメート系化合物、ベ
ンズイソチアゾロン−3−オン、メルカプトベンゾチア
ゾール等の有機窒素硫黄系化合物、第4級アンモニウム
塩化合物、ヨードプロパギル等の有機ヨード系化合物、
有機臭素系化合物、有機硫黄系化合物、ハロゲン化フェ
ノール等の殺菌剤、防カビ剤あるいは防腐剤を単独又は
適宜配合して、白水の循環経路またはパルプ分散液中に
添加して微生物の増殖を阻止しスライムの発生を抑制し
ている。しかしながら、これらの薬剤は、人畜、魚類等
に対する毒性から無制限に使用できるものではない。
【0008】更に最近は、資源の確保から古紙の使用量
が極度に多くなっている関係上、その原料である古紙に
含まれるインキ、ラテックス、接着剤、澱粉質、蛋白
質、その他多くの填料等が白水中に溶出、分散又はピッ
チとなって析出するほか、微生物の栄養源となりスライ
ム生成の主因となっている。また、製紙工場は多量の水
を使用するもので、水資源を確保するためにも白水を最
大限に循環するシステムが多く取られている。それがた
めに白水の温度が上昇し、更にスライムの形成が早くな
っている。このようなことで、各製紙工場におけるピッ
チによる障害とスライム発生に対する防御対策が深刻化
している。
【0009】従来から行われている抄紙トラブルに対す
る薬剤は、主としてスライムのみが対照になっており殺
菌剤、防黴剤、防腐剤に関するものばかりであった。そ
の薬剤の添加方法は、一日分の薬剤を数回に分けて短時
間に加える衝撃法、または少量宛連続的に添加する方法
で、主として白水またはパルプ分散液に直接添加する方
法で行っている。しかし、このような方法で薬剤を使用
しても夏季、冬季あるいは原料等の相違で異なることが
あっても、比較的短期間に微生物の増殖からスライムが
形成され、生産に支障をきたすようになる。また薬剤に
対する耐性菌も問題になになっている。
【0010】これの除去には抄紙機の運転を停止して掃
除を行わねばならなくなる。また、スライムがワイヤ
ー、フェルト等の表面に付着する結果、濾水性が悪くな
るので抄紙速度の低下や紙質への悪影響あるいは紙切れ
による損紙の発生などのため、抄紙機停止して、強力な
シャワーで装置の洗浄が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】抄紙装置におけるスラ
イムは、パルプ分散液中の微生物が、液中に含まれるパ
ルプや澱粉、タンパク質、その他、紙質に必要な填料や
薬剤中の種々の栄養素が含まれるためと、パルプ分散に
使用する水資源として白水を最大限に循環使用するため
冬期に於いても水温が比較的高くなり、微生物の繁殖に
好条件を与え、水中の微生物が急速に繁殖する。
【0012】スライムやピッチは発生しても、微細な分
散状態であれば、紙質中に均一に抄き込まれてトラブル
を起すまでには至らない。しかしながら、それを、その
まま放置して抄紙を続ける時は、必ずスライム、ピッチ
が成長して紙質への悪影響と抄紙能力低下等の障害が発
生する。それを除去するために時間の浪費と経費の増大
と、大きな損害につながることになる。
【0013】スライム及びピッチによる堆積物は、装
置、パイプ等に時間と共に成長し流速に耐えられなくな
くなるとパルプ液中に剥離脱落し、種々のトラブを起こ
すものであるが、このようにスライムが多量に堆積した
時に薬剤を添加すると堆積物の剥離が助長され、逆にス
ライム障害が大きくなることも考えられる。このような
ことから堆積物は成長する前に、常時出来るだけ微細な
状態で早く除去し、紙に混入しても成紙に影響しないよ
うな状態にする必要がある。
【0014】紙を製造する場合、最も重要なことは、水
中に浮遊するパルプを細かい網目を有するワイヤー上
に、よく膨潤した植物繊維を配列よく並べ脱水して湿紙
を形成させ水分はできるだけ除去する。それをフエルト
上に移し、更に余分な水分をプレスなどにより脱水した
のち、乾燥工程を経て成紙とするのであるる。
【0015】紙の製造工程は抄紙工程、プレスによる脱
水工程、乾燥工程の3段階になっている。この操作のな
かで抄紙工程、脱水工程においてスライムの発生に関与
し、最も重要であって常時最高の状態で操業されていな
ければならない。これが十分に管理されていないと次の
工程に大きな負担がかかることになる。
【0016】この状態の維持に悪影響を及ぼすものがス
ライムやピッチである。これらは、ワイヤーやフエルト
の目詰りを起すため、水分の除去が不十分になり湿紙の
水分が多くなる。そのため乾燥のエネルギーが増大す
る。そればかりではなく、湿紙の水分が影響して紙の地
合いが悪くなり、紙質にも影響するようになる。また、
湿紙中に、ある程度成長したスライムが含まれるとプレ
スによりスライムが拡大され紙に穴があいたり、紙切れ
を起す。その結果、紙の製造がストップする。これは紙
を製造する工程で最も重要なことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
解決の方法として、殺菌、防カビ、防藻性に優れた化合
物について検討を行った。また、これらの薬剤は、特
に、殺菌、防カビ、防藻性のみでなくスライムやピッチ
を分散させると共に、これらに(+)の電荷を持たせ、
(−)の電荷を有するパルプに吸着させて紙質中に抄込
むもので、これによってスライム、ピッチ障害を除去す
るものである。
【0018】本発明に使用する水溶性カチオンポリマー
は、ジメチルジアリルアミンからチーグラー法によっ
て、繰返し単独重合により誘導される五員環の第4級ア
ンモニウム塩型のカチオンポリマーで、その分子量は約
10,000〜500,000で、30%水溶液の20
℃における極限粘度が0.1から2.0位のものが優れ
た効果を有している。使用量は水量に対して0.01〜
10ppmであるので、かなり低い濃度で目的を達する
ことが可能になった。
【0019】一般的カチオン界面活性剤は第4級アンモ
ニウム塩で陽性石鹸あるいは逆性石鹸とも呼ばれている
化合物である。その代表的なものはアルキルジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルア
ンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムクロライ
ド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどがあ
る。このアルキル基のうち少なくとも一つは炭素数8〜
18の直鎖の長鎖アルキル基を含むものである。
【0020】本発明に、使用するカチオン界面活性剤
の、第4級アンモニウム塩は、ジ−n−デシル−メチル
−2−ヒドロキシ−エチル−プロピオン酸塩である。こ
のカチオン界面活性剤は、一般のカチオン界面活性剤と
比較して抗菌、防黴、防藻性に優れた化合物であるが、
特に防黴、防藻性は、他に類を見ないほど優れた効果を
有しており、スライムコントロールとしては、最も適し
た薬剤である。またスライム、ピッチの分散剤としても
有効な化合物である。
【0021】この第4級アンモニウム塩以外としては、
イミダゾリューム塩、ピリジニウム塩、ビコリニウム塩
およびキノリニウム塩の環状窒素含有化合物アンモニウ
ム塩などの中に、優れた性能を有する化合物がある。こ
れらを水溶性カチオンポリマーと併用してスライム、ピ
ッチの抑制および分散剤として使用することができる。
【0022】アンモニウム塩以外のカチオン界面活性剤
として、フォスホニウム塩、スルホニウム塩あるいはヒ
素を含んだアルソニウム塩のいわゆるオニウム化合物も
含まれている。フォスホニウム塩としてはトリエチル・
n−ドデシルフォスホニウム・ブロマイド、トリプロピ
ル・n−ドデシルフォスホニウム・ブロマイド、ジメチ
ル・n−ドデシル・ベンジルフォスホニウムクロライ
ド、n−ドデシル・トリフェニフォスホニウムブロマイ
ド等が優れた殺菌剤のほか表皮糸状菌および白癬菌に対
して優れた効果のあることが知られている。
【0023】またスルホニウム塩としては例えば、ヘキ
サデシル・エチル・スルフォニウム・エチル硫酸塩、ジ
クロロ・ベンジル・n−デシル・メチル・スルフォニウ
ム.メチル硫酸塩、n−ドデシル・ジメチル・スルフォ
ニウム・メチル硫酸塩は大腸菌、チフス菌またn−ドデ
シル・ベンジル・メチル・スルフォニウム・メチル硫酸
塩などは黄色ブドウ球菌、ジフテリー桿菌などに優れた
殺菌性を有する化合物である。このほかn−ドデシル・
トリフェニル・フォスホニウム・ブロマイドは表皮糸状
菌および白癬菌、小胞子菌などの殺菌、予防には第4級
アンモニウム塩より有効でかつ長期間使用し得る活性剤
である。
【0024】水溶性カチオンポリマーは、繊維工業にお
ける直接染料の固着剤、捺染細線向上剤、防染剤、染料
凝集剤として使用されている。また製紙用としては紙力
増強剤、歩留り向上剤、染料定着剤、水処理剤あるいは
化粧品用として広く使用されているものであるが殺菌
剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤として応用された例はな
い。
【0025】本発明者らがカチオン活性剤一連の抗菌、
防腐剤、防藻剤として、たまたま実験の対照薬剤中に入
れて試験をした結果、優れた性能のあることを発見し
た。また、この薬剤を用いてスライムの混入されたパル
プ液に添加して抄紙試験を行ったがスライムによる紙力
の低下が殆どないことが判明し本発明を完成した。
【0026】本発明化合物である水溶性カチオンポリマ
ーとカチオン界面活性剤の使用方法は、スライム堆積物
の発生しやすい場所に、本発明水溶性カチオンポリマー
と本発明水溶性カチオン界面活性剤を9:1〜1:9の
配合比率で混合したものを純分換算で0.01〜10.
0ppmをパルプ分散液に滴下又は堆積物に対しスプレ
ーあるいはシャワー状に強力に散布することによって、
堆積物の分散除去および微生物がコントロールされ、ス
ライム障害を未然に防止することができる。
【0027】使用方法は、このほかにスライムの発生状
態に応じて使用するか、または連続あるいは一定の時間
ごとに処理することもできる。本発明の水溶性カチオン
ポリマーは、泡立ちがなく、成紙への影響は全くない。
また排水中の微生物および藻類が目立って減少し、スラ
イムを形成する微生物の減少および堆積物の生成速度が
遅く、また生成物の除去が容易になった。
【0028】
【作用】本発明は、水溶性カチオンポリマーおよびカチ
オン界面活性剤を用いてスライムに起因する微生物およ
びスライム堆積物の抑制または除去を目的とするもので
ある。カチオン界面活性剤は、イミダゾリウム塩、フォ
スホニウム塩、スルフゥニウム塩およびピリジン系のよ
うな窒素環を有するアンモニウム塩と水溶性カチオンポ
リマーとしてジアリルアミンから誘導された五員環の第
4級アンモニウム塩型カチオンポリマーを併用する。
【0029】分子量は、10.000〜500.000
のものである。この両化合物を9:1〜1:9の割合で
併用することによって抗菌、防黴、防藻の抑制およびス
ライムおよびピッチの堆積防止および堆積物の分散剤と
してすばらしい効果を発揮するが、それは両化合物の相
乗効果によるものである。
【0030】製紙工場の抄紙装置は、長時間運転する間
に、水中の微生物の増殖による分泌物、菌体等が微細パ
ルプおよび填料などと粘着物質のスライムを形成し、ワ
イヤー、フェルトなど抄紙装置に堆積し、水切れ不良に
よる抄紙速度の低下あるいは、スライム堆積物によって
紙質の低下や紙切れを起こす原因の防止に使用する薬剤
に関するものである。なお、本発明には他の殺菌剤、防
黴剤、防腐剤あるいは、他のカチオン樹脂、カチオン界
面活性剤および非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を
併用することができる。以下、実施例似よって詳細説明
する。
【0031】
【実施例】
【0032】(実施例1) 手すきシートマシンによる抄紙方法 手すきシートマシン抄紙試験(JIS P 8209に依る) 抄紙条件: パ ル プ: ダンボール故紙:L/N・B・KP 80/20 濾 水 度: 400ml 坪 量: 100g/m パルプ濃度: 4% →抄紙パルプ濃度:0.25% 乾 燥: ドライヤー:110℃×3分 キュアー:105℃×3分 キュアー後のシートは、温度23±1℃、湿度55〜60 %の恒温室に24時間置いたのち、試験用試料とした。 薬剤添加順序:サイズ剤0.5%→紙力増強剤1%→Alum2.5% サ イ ズ剤:ロジンサイズ(固形分50%) 紙力増強剤 :カチオン澱粉10%水溶液 Alum :硫酸バンド液(Alとして8%)
【0033】(実施例2)本発明カチオン界面活性剤と
してイミダゾリウム塩、フォスホニウム塩、スルフォニ
ウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩およびカチオ
ンポリマーの、それぞれについて抗菌防黴効果ならびに
殺藻試験について試験を行った。試験に使用した化合物
は次の通りである。また抗菌防黴試験結果を表1に、殺
藻試験結果を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】試験に使用した化合物 A.イミダゾリウム塩:2−アルキル(C12
18)−1−(2−ヒドロキシエチル)−メチル−イ
ミダゾリウムクロライド。 B.フォスホニウム塩:トリエチル−n−ドデシル−フ
ォカホニウム−ブロマイド。 C.スルフォニウム塩:n−ドデシル−ベンジル−スル
フォニウム−エチル硫酸塩。 D.アンモニウム塩 :ジ−n−デシル−メチル−2−
ヒドロキシエチル−アンモニウム−プロピオン酸塩。 E.カチオンポリマー:ジメチル−ジアリルアミン−ポ
リマー
【0036】試験に使用した微生物 黄色ブドウ球菌:Staphylococcus au
reus 209P 大 腸 菌:Escherichia coli
o−16 黒 黴:Aspergillus niger A
TCC6275
【0037】抗菌効力判定方法(LIS Z 291
1) −・・・かび、細菌の発育が認められない。 ±・・・かび、細菌の発育が僅かに認められる。 +・・・かび、細菌の発育が認められる。
【0038】殺藻試験 同じ薬剤を使用して殺藻試験を行った。試験結果を表2
に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実験に使用した藻の種類:クロレラ Ch
lorella pyrenoidosa NIES−
226
【0041】クロレラに対する効果の判定方法 −:藻の成育がない。 ±:僅かに成育。 +:少
し成育。++:成育している。 +++:多いに成育し
ている。
【0042】(実施例3)本発明カチオン界面活性剤フ
ォスホニウム塩、スルフォニウム塩、イミダゾリウム
塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩および比較品とし
て塩化ベンザルコニウムに本発明カチオンボリマーで分
子量が100,000〜500,000のものを使用し
た薬剤の細菌、黴に対する相乗効果比較試験を行った。
その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】実験に使用した微生物並びに効果判定方法
は実施例2に準ずる。
【0045】 実験に使用した化合物および配合比率(配合比率は純度100%換算で示す) 配合品A:トリエチル−n−ドデシル−フォスホニウムブロマイド 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約200,000)40% 配合品B:n−ドデシルベンジル−メチルスルフォニウムメチル硫酸塩 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000)40% 配合品C:2−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキシエチル)メ チル−イミダゾリウムクロライド 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000)40% 配合品D:ジ−n−デシル−メチル−2−ヒドロキシエチル−アンモニウム プロピオン酸塩 60% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約200,000)40% 配合品E:アルキル(C〜C16)ピリジニウムブロマイド 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約100,000)50% 比較配合品:塩化ベンザルコニウム(日本薬局方) 50% 本発明水溶性カチオンポリマー(分子量:約300,000)50%
【0046】(実施例4)本発明カチオン界面活性剤ジ
−n−ジデシル−メチル−ヒドロキシエチル−アンモニ
ウム−プロピオン酸塩、と本発明水溶性カチオンポリマ
ーのジメチルジアリルアミンカチオンポリマー(分子量
約100,000)との相乗効果による抗菌防黴試験結
果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】(実施例5)実施例3で使用した本発明カ
チオン界面活性剤と水溶性カチオンポリマーの殺藻性に
対する相乗効果の試験結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】(実施例6)本発明カチオン界面活性剤2
−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキシ
エチル)メチル−イミダゾリウムクロライドと本発明水
溶性カチオンポリマーの相乗効果において、本発明水溶
性カチオンポリマーと本発明カチオン界面活性剤の配合
割合は50:50である。また、この実験では、本発明
水溶性カチオンポリマーの重合度による微生物に対する
殺滅効果に及ぼす試験を行った。使用した微生物で黒黴
(Aspergillus nigerATCC862
5)に対する結果は、表6に、黄色ブドウ球菌(Sta
phylococus aureus)対する結果を表
7に示す。
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】 1.実験に使用した本発明カチオン界面活性剤 2−アルキル(C12〜C18)−1−(2−ヒドロキ
シエチル)メチル−イミダゾリウムクロライド(分子量
約100,000) 2.実験に使用した本発明カチオンカチオンポリマーの
分子量を示す。 A.ジメチルジアリルアミンカチオンポリマー(分子量約500,000) B. ” ” (分子量約300,000) C. ” ” (分子量約100,000) D. ” ” (分子量約 50,000) E. ” ” (分子量約 10,000) F. ” ” (分子量約 5,000) G. ” ” (分子量約 1,000)
【0053】(実施例7)実施例1で示した手すきシー
トマシンによる抄紙条件で、パルプ分散液中にスライム
堆積物を混入した場合の紙力に及ぼす影響には製紙工場
の抄紙装置のチエストより採集したスライム堆積物をミ
キサーにかけ微細な状態にした後、パルプに対し10%
添加した後、本発明カチオン界面活性剤2−アルキル−
1−(ヒドロキシエチル)メチル−イミダゾリニウム−
クロライドと本発明水溶性カチオンポリマーである五員
環化合物ジメチルジアリルアミンカチオンポリマー(分
子量約100,000)を、純分換算1:1に配合した
薬剤を、1〜50ppm添加及び無添加試料を、それぞ
れ一夜放置後、手すきシートマシンにより抄紙した。得
られた紙をミューレン型破裂強さ試験機によって破裂強
度を測定し、スライムの影響を試験した。その結果を表
8に示す。またパルプ液中の生菌数を表9に示す。
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】(実施例8) スライム堆積物の生成による濾水性の影響とその除去試
験 実施例1で示した手すきシートマシンによる抄紙条件で
使用したパルプ液を、30mm×40mm×深さ25m
mの角形ポリエチレン容器に約25lいれた後、実施例
1で使用した手すきシートマシンに使用する150メッ
シュ金網(内経158.8mm)4個を容器の四隅に吊
す。液温度を22〜25℃に保ち、中央部に撹拌機を設
置しゆるく撹拌する。この4個の金網は、翌日、2日
目、3日目および5日目に、それぞれ1個宛取り出し、
手すきシートマシンにこの金網を使用し、実施例1で使
用したパルプ液を抄紙試験機に使用し、パルプ液の濾過
速度を測定した。
【0057】測定後、金網は、本発明化合物のカチオン
ポリマーおよびカチオン界面活性剤等量混合物の0.0
1%希釈液に30分間浸漬した後、その液と同一濃度の
薬剤希釈液をシャワー状にして金網の表裏より強く吹き
付けた。その後、水道水の蛇口に取付けたシャワーで良
く水洗し、再び同一処方のパルプ液を使用し手すきシー
トマシンによる抄紙試験を行いパルプ液の濾過速度を測
定した。同時に試験に供しなかった金網と比較した。結
果を表10に示す。
【0058】
【表10】
【0059】(実施例9)
【0060】
【発明の効果】製紙工場の抄紙工程に於いて、スライム
あるいはピッチの発生によって種々のトラブルがおこ
る。このトラブルは、ワイヤー、毛布の目詰りによりお
こる水切れ不良がによる抄紙速度の低下、あるいはスラ
イム堆積物の剥離に起因する紙質の低下や抄紙中に発生
する紙切れのために多大の損害を与えるものである。こ
れを未然に防止し、生産性および品質の向上を目的とす
る薬剤に関する。
【0061】この薬剤としてカチオン界面活性剤はジ−
n−デシル−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウ
ムプロピオン酸塩が特に殺菌、防黴、殺藻性に優れた効
果を有している。このほかの第4級化合物としては、ス
ルフォニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム
塩またピリジン、ピコリン、キノリン等の窒素含有環状
化合物などの第4級アンモニウム塩を使用した。
【0062】水溶性カチオン性重合体は、ジメチルジア
リルアミンから誘導された五員環の環状第4級アンモニ
ウム塩型のカチオンポリマーで分子量が約5,000〜
500,000、好ましくは10,000〜300,0
00、配合比は9:1〜1:9による相乗効果によって
製紙工程におけるスライムコントロールおよびピッチと
の分散と、その堆積物の処理剤である。
【0063】
化1
【0064】
化2
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43:36)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙工場の抄紙工程でスライムを形成す
    る細菌、糸状菌、酵母類などの微生物あるいは藻類を殺
    滅または抑制し、スライムおよびその堆積物の発生によ
    る障害を未然に防止あるいは、既に発生したスライムお
    よびピッチならびにそれらの堆積物を微細に分散排除す
    る薬剤として水溶性カチオンポリマーおよびカチオン界
    面活性剤を9:1〜1:9に配合による相乗効果を特徴
    とする抄紙工程における微生物の抑制並びにスライムお
    よびピッチによる堆積物処理剤。
  2. 【請求項2】 水溶性カチオンポリマーおよびカチオン
    界面活性剤の配合したものを少なくとも0.01〜10
    0PPM、好ましくは0,1〜30PPM含む水で、ワ
    イヤー、フェルトその他の堆積個所を強力シャワー、噴
    霧あるいは洗浄などによりスライムおよびピッチ堆積物
    を微細に分散、あるいはパルプ分散液中に添加すること
    により抄紙トラブルを未然に防止することを特徴とする
    請求項1記載の微生物の抑制とスライムおよびピッチに
    よる堆積物処理剤。
  3. 【請求項3】 水溶性カチオンポリマーとしてジメチル
    ジアリルアミンの繰返し単独重合から誘導される五員環
    の第4級アンモニウム塩型の水溶性カチオンポリマー
    で、分子量が約5,000〜500,000で、このま
    しくは10,000〜300,000の範囲内の分子量
    を有し、化1に示す化合物である。この構造式で、Xは
    ハロゲン原子で示されるもので、請求項1〜2記載の微
    生物の抑制とスライムおよびピッチによる堆積物処理
    剤。 【化1】
  4. 【請求項4】 カチオン界面活性剤が、第4級イミダゾ
    リュム塩の使用により、微生物に起因するスライムの抑
    制および防除、又はスライム、ピツチ堆積物を微細に分
    散させることのできる化合物で化2に示す。この化学構
    造式でRは、炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアル
    キル基又はアルケニル基を示し、R、Rは、水素原
    子又は、炭素数2〜4のアルキル基、アミノエチル基、
    1−ヒドロキシエチル基、メチル基、エチル基又はフェ
    ニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基を示し、R
    、Rは、水素原子又は、炭素数1〜4のアルキル基
    を、Xはハロゲン原子で示される第4級イミダゾリュム
    塩であることを特徴とする請求項1〜3記載の微生物の
    抑制とスライムおよびピッチによる堆積物処理剤。 【化2】
  5. 【請求項5】 カチオン界面活性剤として、ピリジニウ
    ム塩、ビコリニウム塩、キノリニウム塩など窒素含有環
    を有する化合物と炭素数8〜18のハロゲン化アルキル
    との反応による第4級アンモニウム塩で、この化合物と
    水溶性カチオンポリマーと併用してスライム生成菌の殺
    滅および抑制、又はピツチを含めた堆積物を微細に分散
    させることのできる化合物である請求項1〜3記載の微
    生物の抑制とスライムおよびピッチによる堆積物処理
    剤。
  6. 【請求項6】 カチオン界面活性剤が、ジ−n−デシル
    −メチル−2−ヒドロキシエチル−プロピオン酸塩で、
    水溶性カチオンポリマーと併用してスライムの形成を抑
    制、又はピツチを含め微細分散を可能とすることを特徴
    とする請求項1〜2記載の微生物の抑制とスライムおよ
    びピッチによる堆積物処理剤。
  7. 【請求項7】 カチオン界面活性剤が、トリエチル−n
    −ドデシル−フオスホニウムブロマイド、トリプロピル
    −n−デシル−フォスホニウムクロライド、ジメチル−
    n−ドデシル−ベンジル−フォスホニウムブロマイド、
    トリフェニル−フォスホニウムブロマイド等のフォスフ
    ォニウム塩あるいは、n−ドデシル・ベンジル・メチル
    ・スルフォニウム・メチル硫酸塩、へキサデシル・エチ
    ル・メチル・スルフォニウム・エチル硫酸塩、ジクロロ
    ベンジル・デシル・メチル・スルフォニウム・メチル硫
    酸塩等のスルフォニウム塩であることを特徴とする請求
    項1〜3記載の微生物の抑制とスライムおよびピッチに
    よる堆積物処理剤。
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