JPH022843B2

JPH022843B2 -

Info

Publication number: JPH022843B2
Application number: JP6690882A
Authority: JP
Inventors: Mitsuo Tagawa; Yoshihiro Konagai; Osamu Takatsuka
Original assignee: Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1982-04-21
Filing date: 1982-04-21
Publication date: 1990-01-19
Also published as: JPS58183606A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、一般式（但し式中Ｘは、ハロゲン原子を、Ｙは、ハロゲ
ン原子又は水素原子を示す。）にて示されるアセトフエノン化合物（これらを以
後Ａ群と呼ぶ）のうちより選ばれる化合物と (a) ３，５−ジメル−１，３，５−2H−テトラ
ヒドロチアジアジン−２−チオン (b) メチレンビスチオシアネート (c) １，４−ビス（ブロモアセトキシ）２−ブテ
ン (d) １，２−ビス（ブロモアセトキシ）エタン及
び (e) ２−ブロモ−２−ニトロ−１，３−プロパン
ジオール（上記(a)〜(e)の化合物を以後Ｂ群と呼ぶ）のうちより選ばれる１種以上の化合物とを有効成
分とすることを特徴とする非医療用防菌藻剤に関
するものである。近年、化学工業に於いては用水の使用が不可欠
であり、その使用量も増大している。これに付随
する当然の問題としてクーリングタワー等に発生
する微生物、例えば糸状菌、細菌又は藻類等によ
り起るスライムによつて閉塞したり、あるいは熱
交換能の低下等の障害が増大している。また、製
紙及びパルプ工場に於てはその産業用水中の糸状
菌及び細菌の増殖によるスライムが製造工程中の
重要部分であるパルプ白水中、リフラー壁及びス
クリーンなどに発生し、その一部は脱落し紙質の
低下をきたしたり、また高速度のマシンによる生
産工程で紙切れの原因となる等の障害を与える。
更に、金属加工工場に於ては潤滑油エマルジヨン
の再循環用水系中の糸状菌及び細菌の増殖が用水
を腐敗させたり、微生物の集積物であるスライム
を発生させることによつて金属製品を腐蝕させ
る。また潤滑油エマルジヨン自体の貯蔵中の障害
もある。更にこれら産業用水系に於ける障害以外
にも、微生物の増殖による災害がある。例えば塗
料、パルプ、繊維処理用糊、合板等の産業用資材
の腐敗又はカビの発生があり、しかもその災害は
広範囲に及ぶものである。従来、これらの微生物の防除剤としては有機水
銀等の金属系化合物が使用されていた。しかし、
これらの化合物は毒性が強く、排水の際直接河川
へ流出すると魚介類に悪影響を及ぼす。更に人体
への影響が明らかになるに従い重大な公害問題と
なり使用規制がされつつある。このようなことか
ら代替薬剤として有機塩素系、有機硫黄系、第四
級アンモニウム塩類などが検討され使用されてき
たが、有機塩素系薬剤に於いては刺激性、有機硫
黄系に於いては製品の色調に与える影響、また第
四級アンモニウム塩類は、泡立が激しい等、これ
らの薬剤は使用上においても種々の欠点を持つて
いる。本発明者らは、かかる問題を解決すべく種々検
討を行なつた結果、Ａ群より選ばれる化合物とＢ
群より選ばれる一種以上の化合物を有効成分とす
る組成物が産業上有害な糸状菌、細菌、藻類等の
防除剤として、それぞれ単独に使用する場合に比
べ極めて卓効を有することを見出し本発明を完成
したものである。Ａ群に含まれる化合物として次のものがある。２−ブロモ−4′−ハイドロキシアセトフエノン２−クロロ−4′−ハイドロキシアセトフエノン２，3′−ジブロモ−4′−ハイドロキシアセトフ
エノン２，3′−ジクロロ−4′−ハイドロキシアセトフ
エノンまたＢ群の化合物として次のものがある。 (a) ３，５−ジメチル−１，３，５−2H−テト
ラヒドロチアジアジン−２−チオン (b) NCSCH₂SCN メチレンビスチオシアネート (c) BrCH₂COOCH₂CH＝CHCH₂OOCCH₂Br １，４−ビス（ブロモアセトキシ）２−ブテ
ン (d) BrCH₂COOCH₂CH₂OOCCH₂Br １，２−ビス（ブロモアセトキシ）エタン (e) ２−ブロモ−２−ニトロ−１，３−プロパン
ジオール本発明の薬剤は、これらＡ群及びＢ群に挙げた
化合物を混合し更に溶剤又は固体微粉末希釈剤及
び界面活性剤を配合し、水で乳化又は懸濁出来る
状態にして使用する。又本発明の薬剤はＡ群の化
合物及びＢ群の化合物を別途に製剤し使用時に混
合するか、またはＡ群、Ｂ群のいずれかの化合物
を先に使用し直ちに他の薬剤を使用する場合も包
含するものである。更に本発明の薬剤は２種以上
の化合物を直接又は溶剤に溶かして使用すること
も出来る。これらの薬剤はＡ群とＢ群の化合物を
前者１に対し後者を0.1〜10の割合で混合するこ
とが好ましい。本発明の薬剤はそれぞれの単独使用に比べ極め
て卓越した効力を示すことを特徴とする。Ａ群に
含まれるアセトフエノン系化合物は細菌、糸状菌
及び藻類全般に活性を示すが、一部の細菌及び糸
状菌類には活性が低い。細菌類、糸状菌及び藻類
全般に高い活性を有することを必要とする防菌防
藻剤としては不適格な薬剤であり、単独使用では
実用性が乏しいものである。一方Ｂ群に含まれる
薬剤も細菌類、糸状菌類及び藻類に対し高濃度で
ある程度の活性を示すが低濃度では極めて劣る。
しかしこれらＡ群とＢ群のそれそれ単独では欠点
を有する薬剤を併合することにより予想しえない
ような広範囲の微生物の繁殖を防除することがで
きる。本発明の非医療用防菌藻剤は製紙及びパルプ製
造工程における用水、工業用冷却水、冷暖房用冷
却水等の産業用水、金属加工用潤滑油、水性エマ
ルジヨン、紙、木材、合板、塗料、糊、パルプ、
繊維等の製造又は加工工程中に於いて更にはこれ
らの完成品に寄生繁殖する糸状菌類、細菌類、酵
母類又は藻類等を防除することができるものであ
る。特に、本発明の薬剤は各単剤では防除不可能
な産業用水、金属加工用潤滑油、水性エマルジヨ
ン、紙、木材、塗料及び合板等の微生物障害の主
な原因菌である、アスペルギルス・ニガー、ペニ
シリウム・ステツキー、ゲオトリカム・カンデダ
ム、クラドスポリウム・ヘルバルム等の糸状菌、
アエロバクター・アエロゲネス、バルチス・ズブ
チルス等の細菌類等に有効に作用し、産業上有害
な微生物の発生を少量の薬剤で完全に抑制するこ
とができるものである。特に製紙用のスライムコ
ントロール剤、金属加工用潤滑油、水性エマルジ
ヨン、塗料、糊の防腐剤としてすぐれた効果が認
められた。次に実施例を示し、説明するが本発明は下記に
示す範囲に限定されるものではない。実施例１化合物(1)10部（以下部は重量部を示す）、化合
物(a)は10部、ジエチレングリコール30部、Ｎ，Ｎ
−ジメチルホルムアミド48部とソルポール（東邦
化学工業株式会社製品）２部を混合して乳剤とす
る。実施例２化合物(1)15部、化合物(b)５部、エチレングリコ
ール78部とソルポール（東邦化学工業株式会社製
品）２部を混合して乳剤とする。実施例３化合物(1)10部、化合物(c)10部、メチルクロロホ
ルム30部、ポリエチレングリコール48部とソルポ
ール（東邦化学工業株式会社製品）２部を混合し
て乳剤とする。実施例４化合物(1)10部、化合物(e)10部、ジエチレングリ
コール78部とソルポール（東邦化学工業株式会社
製品）２部を混合して乳剤とする。実施例５化合物(3)10部、化合物(c)10部、メチルクロロホ
ルム30部、エチレングリコール48部とソルポール
（東邦化学工業株式会社製品）２部を混合して乳
剤とする。実施例６化合物(1)10部部、化合物(d)５部、メチルクロロ
ホルム30部、ポリエチレングリコール53部とソル
ポール（東邦化学工業株式会社製品）２部を混合
して乳剤とする。実施例７化合物(1)15部、化合物(d)５部、メチルクロロホ
ルム30部、ポリエチレングリコール48部とソルポ
ール（東邦化学工業株式会社製品）２部を混合し
て乳剤とする。実施例８化合物(3)10部、化合物(e)10部、エチレングリコ
ール78部とソルポール（東邦化学工業株式会社製
品）２部を混合して乳剤とする。次に本発明の薬剤の効果を試験を挙げて説明す
る。試験例１（各種微生物に対する生育阻止試験）ブイヨン液体培地上（細菌の場合PH7.5、糸状
菌の場合PH4.5）における本発明薬剤の各種微生
物に対する生育阻止最低濃度を寒天希釈法により
測定した。結果を第１表に示す。

【表】第１表から明らかなように本発明の薬剤な各化
合物を単独使用に比して産業用水系及び産業用製
品の微生物災害の起因菌であるアエロバクター
属、バチルス属、アスペルギス属、ペニシリウム
属、トリコデルマ属及びゲオトリカム属等に対し
て著しく低濃度で抗菌性を示した。試験例２（塗料液防腐試験）製紙用塗料液（PH8.3澱粉塗工液）にブイヨン
液体培地及び予め腐敗させた塗工液を加え撹拌し
たのち所定濃度となるように各薬剤を加えた。こ
れを30℃の培養器にて５日間培養したのち、各試
料中の細菌及び糸状菌、酵母の生菌数を測定し各
薬剤の防腐効力を判定した。結果を第２表に示
す。

【表】 (2) 表中菌数は試料１ml中の菌数を示す
。
澱粉を主バインダーとする塗工液に対しても本
発明薬は単独使用に比し極めて有効であつた。試験例３（スライム発生防止試験）クラフト紙を抄紙する製紙会社の製紙工程中に
付着するスライム（微生物により形成される粘状
物）と白水を採取し試験に供した。スライムをホ
モジナイザーにて粉砕し、予めブイヨン液体培地
１％を溶した白水中に分散させる。スライムを分
散させた白水19mlを20mlのＬ字管に入れ所定の濃
度に希釈した本発明の薬剤を１ml加え30℃に温度
調整されたモノ振とう機にて連続振とうする。24
時間後72時間後白水中の生菌数を求めた。結果を
第３表に示す。

【表】

【表】 (2) 表中生菌数は１mlの生菌数を示す。
製紙工程中に付着するスライム形成菌及白水中
の微生物に対して、第３表に示したように単剤使
用に比し本発明の薬剤は極めて有効であつた。試験例４（糊防腐試験）糊料会社で製造した直後のデンプンを主とした
事務用糊に所定濃度になるように各薬剤を添加す
る。次に流通段階で腐敗した同種の糊を各々等量
加えよく撹拌後、倉庫に放置し２週間及び８週間
後にその中の生菌数の測定及び腐敗臭により薬剤
の効力を判定した。結果を第４表に示す。

【表】以上のように本発明薬剤は単独の使用に比し極
めて有効であつた。

Claims

【特許請求の範囲】１一般式（但し式中Ｘは、ハロゲン原子を、Ｙは、ハロゲ
ン原子又は水素原子を示す。）にて示されるアセトフエノン化合物のうちより選
ばれる化合物と (a) ３，５−ジメチル−１，３，５−2H−テト
ラヒドロチアジアジン−２−チオン (b) メチレンビスチオシアネート (c) １，４−ビス（ブロモアセトキシ）２−ブテ
ン (d) １，２−ビス（ブロモアセトキシ）エタン及
び (e) ２−ブロモ−２−ニトロ−１，３−プロパン
ジオールのうちより選ばれる１種以上の化合物とを有効成
分とすることを特徴とする非医療用防菌防藻剤。