JPH0754863A - 摩擦クラッチ - Google Patents

摩擦クラッチ

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JPH0754863A
JPH0754863A JP6113084A JP11308494A JPH0754863A JP H0754863 A JPH0754863 A JP H0754863A JP 6113084 A JP6113084 A JP 6113084A JP 11308494 A JP11308494 A JP 11308494A JP H0754863 A JPH0754863 A JP H0754863A
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マインハルト ロルフ
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マウヒャー パウル
Edmund Maucher
マウヒャー エドムント
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用の摩擦クラッチを改良して、高いク
ラッチ押圧力を有すると共に、クラッチの全寿命期間に
亙ってできるだけ一定に維持される極めて低いレリーズ
力を有するようにし、しかも、可能な最大レリーズ距離
に亙って、許容できない力の上昇が避けられ、さらに、
クラッチ及びその構成部分を簡単かつ安価に製作するこ
とができるようにする。 【構成】 プレッシャプレートにクラッチディスクがも
やは又は殆ど負荷を与えないレリーズ距離をクラッチレ
リーズ方向で少なくともほぼ経過した後、皿ばねのばね
力にさらに別のばねエレメントのばね力が加えられて、
その力の合力の力と距離との関係を示す特性曲線の経過
が、皿ばねのばね力の力と距離との関係を示す特性曲線
の経過に対して、均されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術および発明の構成】本発明は、特に自動車
用の摩擦クラッチであって、回動不能にしかも軸方向に
制限されて変位可能にケーシングに結合されたプレッシ
ャプレートを備え、この場合ケーシングとプレッシャプ
レートとの間に圧着力を発生させるダイヤフラムばねが
軸方向で緊定されていて、このダイヤフラムばねが、一
方ではケーシングによって支持される旋回支承部を中心
として旋回可能であり、かつ、他方ではプレッシャプレ
ートとはずみ車のような対応受圧板との間で締込み可能
なクラッチディスク方向にプレッシャプレートを負荷し
ており、この場合クラッチディスクの摩擦ライニングの
摩耗を補償する後調整装置が設けられている形式のもの
に関する。
【0002】圧着用ダイヤフラムばねのばね力によって
プレッシャプレートを事実上不変に負荷する自動的な後
調整装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2916
755号及び3518781号明細書から公知である。
この場合少なくとも1つのセンサに関連して調節可能な
後調整装置はプレッシャプレートと圧着用ダイヤフラム
ばねとの間で配置されるかもしくは作用する。
【0003】接線方向で配置された板ばね(板ばねのば
ね力は、板ばねのばね力が圧着用ダイヤフラムばねの圧
着力に抗して作用しているため、比較的僅かでよい)を
介してケーシングにプレッシャプレートが枢着されてい
ることによって、摩擦クラッチ解離状態で比較的大きな
質量を有するプレッシャプレートが軸方向で振動し、つ
まりこの場合圧着用ダイヤフラムばねから持ち上げら
れ、これによってクラッチ機能が損なわれるばかりでな
く、クラッチが損傷するようになる。
【0004】それというのもプレッシャプレートがクラ
ッチディスクに接触するまで、つまりクラッチが最早切
り離されなくなるまで、後調整装置が開放状態で後調整
されるからである。この理由からこのような後調整装置
は実地においては使用されない。
【0005】本発明の課題は、上記欠点を回避して、実
地において広範囲にしかも過酷な運転の場合にも使用で
きかつ構造が簡単でしかも不変に確実に機能しかつ組込
スペースが僅かで済みしかも安価に製作できるような後
調整装置を提供し、更に、所要の解離力が僅かで、耐用
寿命に亘って維持さしかも摩擦クラッチの耐用寿命が一
層高められるようにすることにある。
【0006】前記課題は本発明のよれば、一方ではケー
シングのような構成部材に支持されかつ他方では円形配
置形式でケーシングに設けられた旋回支承部を中心とし
て旋回可能な圧着用ダイヤフラムばねによって圧着力を
生ぜしめられる、圧着用ダイヤフラムばねによって負荷
されるプレッシャプレートを備えた摩擦クラッチにおい
て、カバーと圧着用ダイヤフラムばねとの間に、ケーシ
ング側の支承部材を摩耗に関連してケーシングから離反
変位させる、送り装置によって継続搬送可能な自動的な
後調整装置が作用していて、かつ、圧着用ダイヤフラム
ばねが旋回支承部の方向で支持力の作用を受けているこ
とによって解決された。
【0007】支持力は有利には不変に存在するので、圧
着用ダイヤフラムばねは解離力に抗して伝力接続的にの
み、つまり形状接続的に枢着された部材によってではな
くばね力によるだけで支持される。
【0008】この場合圧着用ダイヤフラムばねはその作
業範囲に亘って累減する特性曲線を以って組み込まれて
いる。つまり、圧着用ダイヤフラムばねの所定の組込位
置おいて摩耗に起因する円錐角変化が生じない場合圧着
用ダイヤフラムばねの解離行程に亘って、支持力が、支
持力に抗して作用する圧着用ダイヤフラムばねによって
もたらされる力よりも大きく、並びに、圧着用ダイヤフ
ラムばねの円錐角が摩耗に起因して変化した場合圧着用
ダイヤフラムばねの解離行程の部分範囲に亘って、支持
力が、支持力に抗して圧着用ダイヤフラムばねによって
もたらされる力よりも僅かであるように、支持力と圧着
用ダイヤフラムばね力とが互いに調和されように組込ま
れている。
【0009】この場合支持力は単一のばね部材によって
又は少なくともほぼ単一のばね部材又はばね機構によっ
てもたらされる。支持力とは圧着用ダイヤフラムばねに
抗して作用する全てのばね力の和であり、つまり例えば
(トルク伝達もしくは行程)板ばねによって生ぜしめら
れる力又はこの力のみか、又は、ライニング弾性の(残
余)弾性等である。
【0010】支持力を少なくともほぼもたらす蓄力部材
としては、有利には後調整に亘ってその形状を変えるば
ね、例えば皿ばねが使用される。更に、支持力をもたら
す蓄力部材は板ばねによって形成することもできる。
【0011】支持力をもたらす皿ばねは、例えば軸方向
で変位可能なカバー側の支持部の半径方向高さで直接圧
着用ダイヤフラムばねに支承することができる。
【0012】後調整装置が圧着用ダイヤフラムばねとカ
バーとの間に配置されていると特に有利である。後調整
装置は特に有利には、テーパ部のような乗り上げ面を有
することができる。
【0013】本発明に基づき摩擦クラッチの耐用寿命に
亘って圧着用ダイヤフラムばねは、クラッチ連結状態で
事実上常に同じ円錐角もしくは緊定力を有しかつ(摩擦
ライニング、プレッシャプレート自体又は圧着用ダイヤ
フラムばねのカバー又はプレッシャプレート側の支持部
材又ははずみ車ディスクの摩擦面のような別の構成部分
の摩耗とは無関係に)プレッシャプレートひいてはクラ
ッチディスクを事実上均一に負荷することができる。
【0014】更に本発明の規定によって、プレッシャプ
レートの質量が後調整装置の質量によって増大させられ
ないことが保証される。更に後調整装置は、ディスク摩
耗の影響から防護されかつ摩擦熱源から著しく遠ざけら
れた範囲に収容されている。
【0015】本発明による摩擦クラッチの特に有利な構
成では、圧着用ダイヤフラムばねは2つの支承部材(こ
れら支承部材のうちプレッシャプレートに面した支承部
材は圧着用ダイヤフラムばねの方向にばね負荷される)
の間でケーシングに旋回可能に支承されていて、この場
合ライニングが摩耗した場合、クラッチ解離時に圧着用
ダイヤフラムばねからばね負荷された支承部材に作用す
る力が増大しかつ次いでばね負荷された支承部材に作用
する対向力もしくは支持力よりも大きくなる。
【0016】この場合圧着用ダイヤフラムばねは、摩擦
クラッチの構造的に規定された組込み位置から出発し
て、ライニング摩耗によって生ぜしめられる弛緩方向で
圧着用ダイヤフラムばねによってもたらされる力ひいて
は所要の解離力をまずを増大せしめかつ規定された組込
み位置に対して変形もしくは緊定された位置で圧着用ダ
イヤフラムばねによってもたらされる力を解離過程時に
減少せしめるような、特性曲線を有している。
【0017】圧着用ダイヤフラムばねのこのような配置
及び設計によって、ライニング摩耗が生じた場合、解離
時に圧着用ダイヤフラムばねから支承部材に及ぼされる
力とばね負荷された支承部材に作用する対向力とが常に
再びバランスされるようになる。
【0018】それというのも支持力が上回った場合圧着
用ダイヤフラムばねから支承部材に及ぼされる力によっ
て圧着用ダイヤフラムばねがセンサばねをカバー側の支
承部材から離反変位させかつ後調整装置が送り装置の力
によって継続回動させられるからである。
【0019】これによって、センサによって及ぼされる
力が継続回動を阻止しかつ支承部材の引き続く軸方向変
位を阻止するまで、支承部材は軸方向に変位させられ
る。
【0020】すでに述べたように特に有利には、圧着用
ダイヤフラムばねが少なくとも解離範囲の一部に亘っ
て、有利には事実上摩擦クラッチの全解離範囲に亘って
下降する特性曲線を有するように、圧着用ダイヤフラム
ばねは摩擦クラッチ内に組み込まれている。
【0021】圧着用ダイヤフラムばねの組込み位置は、
摩擦クラッチ連結解離状態で圧着用ダイヤフラムばねが
サインカーブ状の力・行程・経過の最小点に達するか又
は越えるように、設定されている。
【0022】ばね負荷された支承部材に及ぼされる対向
力は有利には蓄力部材によって生ぜしめられ、この蓄力
部材はほぼコンスタントな力を少なくとも所定の後調整
範囲に亘ってもたらすことがでいる。このために特に有
利には、プレロードをかけた状態で摩擦クラッチ内に組
み込まれる適当に構成された皿ばねが適している。
【0023】本発明による後調整装置は、半径方向で外
側の範囲でプレッシャプレートを負荷しかつ半径方向で
更に内側に位置する範囲を介して2つの旋回支承部の間
でケーシングに支承された圧着用ダイヤフラムばねを有
する摩擦クラッチにおいて特に有利に使用される。この
構造形式では圧着用ダイヤフラムばねは2腕状のレバー
として作用する。
【0024】しかしながら本発明は、同時に解離レバー
がダイヤフラムばね舌片として成形されている圧着用ダ
イヤフラムばねを有する摩擦クラッチに限定されるもの
ではなく、例えば圧着用ダイヤフラムばねが付加的なレ
バーを介して操作される別のクラッチ構造にも適用でき
る。
【0025】摩耗を申し分なく後調整するためにもしく
は摩擦クラッチのために最良の圧着力を保証するために
特に有利には、ばね負荷された支承部材とは反対の圧着
用ダイヤフラムばね側に設けられた対向支承部材が、軸
方向でプレッシャプレートの方向で自動的に変位可能で
あるが、反対方向で所定の手段によって自動的に係止可
能であるように、構成されている。
【0026】対向支承部材、つまりカバー側の支承部材
の後調整は、対向支承部材をプレッシャプレートの方向
にもしくは圧着用ダイヤフラムばねに抗して負荷する蓄
力部材を用いて行われる。つまり対向支承部材はライニ
ング摩耗によって生ぜしめられるばね負荷された支承部
材の変位に相応して自動的に後調整され、これによって
圧着用ダイヤフラムばねを遊びなく旋回可能に支承でき
るようになる。
【0027】対向支承部材は圧着用ダイヤフラムばねと
カバーとの間に設けられた後調整装置によって軸方向に
変位可能である。この場合後調整装置は環状の、つまり
自体互いに協働する構成部材を有していて、この構成部
材は少なくとも摩擦クラッチ連結状態で圧着用ダイヤフ
ラムばねによって軸方向で負荷される。
【0028】摩耗が発生した場合及び解離過程中に環状
の構成部材が回動することによって、旋回支承部はライ
ニング摩耗に相応して後調整される。このために特に有
利には後調整装置もしくは後調整装置の環状の構成部材
は軸方向で上昇する後調整テーパ部を有することができ
る。
【0029】更に環状の構成部材が対向支承部材を支持
し、この場合対向支承部材が線材リングによって形成さ
れていると有利である。この線材リングは構成部材の循
環する環状溝内に受容されかつこの構成部材に形状接続
部材を介して結合される。この場合形状接続部材はスナ
ップ結合部材として構成される。
【0030】乗り上げテーパ部は後調整のために円筒状
又は球形の転動体と協働する。しかしながら、乗り上げ
テーパ部がこれに適合した対向乗り上げテーパ部と協働
すると特に有利である。それというのも前記テーパ部の
乗り上げ角を適当に選択することによってテーパ部を軸
方向で緊定した場合自己ロック作用が生ぜしめられるか
らである。
【0031】対向乗り上げテーパ部は、乗り上げテーパ
部を支持する構成部材とカバーとの間に配置できる環状
の構成部材によって支持することができる。しかしなが
ら対向乗り上げテーパ部をケーシング内に設けることに
よって特に簡単な構造が得られる。
【0032】対向乗り上げテーパ部をケーシング内に設
けることは特に簡単には薄板ケーシングの場合に行われ
る。それというのも対向乗り上げテーパ部をスタンプ加
工することができるからである。この場合スタンプ加工
はケーシングの半径方向にのびる範囲で行われる。
【0033】更に、摩擦クラッチを安価に製作するため
に、後調整装置の少なくとも一部がプラスチックから製
作されると有利である。このようなプラスチック部分は
射出成形によって製作できる。プラスチックとしては特
に有利には、例えばポリアミドのような熱可塑性プラス
チックが適している。
【0034】後調整装置は熱作用に殆どさらされない範
囲に設けられるためプラスチックの使用が可能になる。
更に重量が僅かであるため慣性モーメントも僅かであ
る。
【0035】本発明の別の思想によれば後調整装置は、
後調整装置が(摩擦クラッチ解離方向でみて)フリーホ
イールのように作用するが、解離方向とは逆方向で自己
ロック作用を有するように構成することができる。この
ために乗り上げテーパ部及び/又は対向乗り上げテーパ
部は、これらテーパ部が軸方向で4度乃至20度、有利
には5度乃至12度の大きさの傾斜角を有するように構
成できる。
【0036】有利には乗り上げテーパ部及び/又は対向
乗り上げテーパ部は、摩擦係合によって自己ロック作用
が得られるように、構成される。更に、自己ロック作用
を形状接続によって達成するかもしくは補助することが
でき、この場合例えば一方のテーパ部が柔軟に形成され
かつ他方のテーパ部が成形部を備えるか、又は、両テー
パ部が成形部を有している。このような措置によって、
不都合な戻りを阻止するために付加的な手段を何等必要
とせずに済む。
【0037】更に、周方向で作用する送り装置がプレロ
ードをかけて組み込まれたばねとして構成されていて、
このばねが乗り上げテーパ部を支持する少なくとも1つ
の構成部材及び/又は対向乗り上げテーパ部もしくは対
向乗り上げ範囲を支持する少なくとも1つの構成部材を
後調整方向でばね弾性的に負荷する場合には、後調整装
置は特に有利にしかも簡単に構成される。
【0038】この場合ばね負荷は有利には、その他のば
ねの作用、特に操作圧着用ダイヤフラムばねの作用及び
軸方向でフレキシブルな支承部材を負荷するばねの作用
に影響を及ぼさないようにもしくは事実上及ぼさないよ
うに、行われる。
【0039】多くの使用ケースのために、後調整装置が
変位可能な多数の後調整部材、例えば半径方向及び/又
は周方向で変位可能な後調整くさび又は転動体を有して
いると、有利である。更に、後調整装置が回転数に関連
して構成されると有利である。従って例えば、後調整装
置の個々の構成部材に作用する遠心力を内燃機関の所定
の運転状態で後調整装置を操作するため及び/又は係止
するために利用することができる。
【0040】特に遠心力に関連した手段によって後調整
装置を所定の回転数以降係止することができ、このこと
は例えば少なくともほぼアイドリング回転数の場合又は
アイドリング回転数以下の回転数の場合に行われるの
で、摩耗後調整は僅かな回転数の場合にのみ行われる。
これによって、高回転数の場合の振動に起因する不都合
な後調整が生じないという利点が得られる。
【0041】後調整装置の特に簡単でかつ確実な機能を
有する構造は、乗り上げテーパ部及び又はこれに対応す
る側にある対応乗り上げテーパ部若しくは対応乗り上げ
範囲を有する、ケーシングに対して変位可能な部分に、
ばね力が負荷されていることによって、えられる。適当
なテーパ部若しくは範囲を有するこのような構造部分が
たんに1つだけである場合には、この構造部分にばね力
が負荷される。この場合上に述べたばね力の負荷によっ
て周方向の力が発生するようにするのが特に有利であ
る。
【0042】摩擦クラッチの構造及び機能にとってはさ
らに次のような構成が有利である。即ち、例えば皿ばね
のようなディスク状のばねとして製作されたセンサばね
がその半径方向外側の範囲で、例えばケーシングのよう
な軸方向で不動の構造部分に支持され、かつ半径方向で
内側にある範囲でカバーとは反対側の転がり支持面にば
ね負荷を与えているようにするのである。この転がり支
持面はセンサばねと一体に製作されていてもよく、この
場合センサばねの一部が上記支持面を形成する。センサ
ばねを緊縮した位置状態に保持するためにケーシングは
支持範囲を有していることができる。これらの支持範囲
はケーシングに設けられた個々の支持エレメントによっ
て形成することができる。しかしまた上記支持範囲をケ
ーシングと一体に製作することも可能であり、例えばケ
ーシングに圧刻成形部又はケーシング壁から切り出して
変形加工した範囲を設け、該成形部又は範囲がセンサば
ねの半径方向外側に軸方向で係合して該センサばねを支
持するようにすることも有利である。
【0043】摩擦クラッチの機能にとって、殊にクラッ
チ解離力の作用過程をできるだけ小さくし、若しくは必
要な解離力をできるだけ小さくするため、プレッシャー
プレートと対応受圧板との間に締込まれるクラッチディ
スクが摩擦ライニングを有し、これらの間に、例えばD
E−OS3631863号明細書によって公知になって
いるような、所謂ライニングばね機構を設けるのが特に
有利である。このようなクラッチディスクを使用するこ
とにより、摩擦クラッチの操作、殊にクラッチ解離過程
が助成される。このことは以下のことに起因する。即ち
摩擦クラッチが連結状態にある場合、緊縮されたライニ
ングばね機構はプレッシャープレートに反力、即ち押圧
用若しくは操作用ダイヤフラムばねが上記プレッシャー
プレートに作用させる力に対して逆向きの反力、を作用
させることに起因する。クラッチ解離過程では、プレッ
シャープレートの軸方向変位中、プレッシャープレート
はまずばね弾性的に緊縮したライニングばね機構により
押し戻され、このさい同時に、押圧用ダイヤフラムばね
の、解離範囲にある比較的急傾勾で下降するばね特性曲
線区分に基づいて、該押圧用ダイヤフラムからプレッシ
ャープレートへ作用する力も減少する。押圧用ダイヤフ
ラムばねからプレッシャープレートへ作用する力の減少
に伴って、ライニングばね機構からプレッシャープレー
トへ作用する戻し力も減少する。摩擦クラッチの解離に
必要な力は、ライニングばね機構の戻し力と押圧用ダイ
ヤフラムばねの押圧力との差になる。ライニングばね機
構が弛緩した後は、要するにプレッシャープレートが摩
擦ライニングから離され若しくはプレッシャープレート
によりクラッチディスクが解放された後は、必要な解離
力は主に押圧用ダイヤフラムばねによって規定される。
ライニングばね機構の力−距離特性と押圧用ダイヤフラ
ムばねの力−距離特性とは、プレッシャープレートによ
りクラッチディスクが解放されたときに押圧用ダイヤフ
ラムばねの操作に必要な力が低いレベルにあるように、
互いに調和させることが可能である。プレッシャープレ
ートによりクラッチディスクが解放されるまでの押圧用
ダイヤフラムばね特性にライニングばね機構のばね特性
を調和させることにより又は全く同一にすることによ
り、押圧用ダイヤフラムばねの操作には極めて僅かな、
極端な場合には実際上零に近い力を他の被駆動部分の操
作のために必要とするにすぎない。さらに押圧用ダイヤ
フラムばねの特性を以下のように設計することも可能で
ある。即ちクラッチディスクが解放された後このときな
お押圧用ダイヤフラムばねから生じる旋回運動に抗する
力若しくは押圧用ダイヤフラムばねの旋回運動に必要な
力が、摩擦クラッチの連結時にこの押圧用ダイヤフラム
ばねから作用せしめられる押圧力に比して極めて低いレ
ベルにあるように設計することができる。さらにまた、
プレッシャープレートによってクラッチディスクが解放
されるさい、クラッチの解離のために押圧用ダイヤフラ
ムばねの操作に極めて僅かな若しくは実際上零に近い力
しか必要としないように設計することも可能である。こ
のような摩擦クラッチは、操作力が0〜200Nである
ように設計することができる。
【0044】さらに本発明の思想によれば、摩擦クラッ
チを以下のように設計することが可能である。即ち、プ
レッシャープレートによってクラッチディスクが少なく
ともほぼ解放されたときに、押圧用ダイヤフラムばねか
ら作用せしめられる軸方向力が零の範囲にあり、かつこ
の場合クラッチ解離過程の進行に伴って押圧用ダイヤフ
ラムばねから作用せしめられる力が負になり、要するに
押圧用ダイヤフラムばねの力の作用方向が逆転するよう
に設計することが可能である。このことは、摩擦クラッ
チが完全に解離されたときに摩擦クラッチが実際に自ら
遮断されたままの状態にとどまっており、クラッチ連結
のための外力の作用によってはじめて再び操作される、
ということを意味する。
【0045】更に本発明は、特に自動車用の、加圧板を
有する摩擦クラッチ、それも、加圧板が回転不能に、か
つ軸方向に制限された距離だけ移動可能にハウジングと
結合されており、しかもハウジングと加圧板との間には
少なくとも1つの突張り可能の押圧ばねが作用してお
り、この押圧ばねが、加圧板を加圧板と対応加圧板、た
とえばはずみ車との間に挟付け可能のクラッチ板の方向
へ押付ける形式のものに関する。
【0046】この種のクラッチは、たとえばDE−OS
24 60 963、DE−PS24 41 141
、DE−AS1267 916により公知である。
【0047】本発明の課題は、機能及び有効寿命の点で
前記形式の摩擦クラッチを改良することにある。特に、
本発明の目的とするところは、この種の摩擦クラッチ操
作に要する力を低減させ、かつその全有効寿命にわたっ
て一様の、クラッチ・リリース力の推移が保証されるよ
うにすることである。更にまた、別の目的は摩擦クラッ
チを特に簡単かつ経済的に製造することである。
【0048】本発明によれば、これらの課題は次のよう
にすることにより解決された。すなわち、クラッチ板の
摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する後調整装置を
備えるようにし、この装置が、押圧ばねにより加圧板に
対し事実上一様の力を負荷するようにし、更に、摩擦ク
ラッチがクラッチ断続用の操作手段有するようにし、更
にまた、クラッチのリリース過程中に操作手段の操作距
離及び又は加圧板のリリース距離の少なくとも一部分に
わたって、摩擦クラッチないしクラッチ板の伝達可能ト
ルクを漸減させる装置を有するようにしたのである。こ
の装置により、同じく次のことも達成できる。すなわ
ち、クラッチインの過程のさい、摩擦ライニングが加圧
板と対応加圧板との間に挟付けられ始めると、摩擦クラ
ッチの伝達可能トルクが漸増するようにすることであ
る。
【0049】摩擦クラッチを本発明により構成すること
により、クラッチインの場合に、押圧ばね、たとえば皿
ばねが、クラッチの全有効寿命にわたって事実上常に等
しい予圧を有し、したがって事実上一様な力を加圧板に
負荷することができる。更に、クラッチのリリース過程
中にクラッチの伝達可能トルクを一様に低減させる付加
装置により、リリース力の推移ないし必要な最大リリー
ス力の低減ないし最小化が達成される。これは、この付
加装置が摩擦クラッチの操作、特にリリース過程を補助
することに起因する。この目的のため、この装置は、軸
方向にばね弾性を有する手段を有し、これらの手段が、
操作手段、押圧ばね、加圧板、対応加圧板のすべて、又
はいずれか1個に反力を及ぼし、この反力が、押圧ばね
により加圧板に及ぼされる力とは逆方向に直列的に作用
せしめられる。
【0050】特に有利な措置は、前記調整装置を次のよ
うに配置することである。すなわち、クラッチのリリー
ス過程中に、押圧ばねに負荷される加圧板区域の軸方向
変位距離の一部分にわたって、摩擦クラッチないしクラ
ッチ板の伝達可能トルクを漸減させるように配置するの
である。
【0051】少なからぬ適用例の場合、前記調整装置
は、有利には、操作手段の旋回支承部ないし押圧ばね
と、ハウジングの取付け個所、たとえばねじ付け部との
間の力の流れの途中に、それも対応加圧板のところに備
えておくことができる。
【0052】別の適用例の場合は、しかし、操作手段の
旋回支承部ないし押圧ばねと加圧板の摩擦面との間に備
えておくのも有利である。この配置は、たとえばDE−
OS37 42 354及びDE−OS1450 20
1の提案による。
【0053】更に別の適用例の場合は、特に次のように
するのが有利である。すなわち、調整装置が、クラッチ
板の、背中合せに配置された2つの摩擦ライニングの間
に軸方向に備えられるようにし、要するに、いわゆる
“ライニングばね”により、たとえばライニングの間に
設けたライニングばね部材により形成されるようにす
る。この種の装置はDE−OS36 31 863によ
り公知である。
【0054】トルクを漸増、漸減させる別の調整の可能
性は、DE−OS21 64 297により提案されて
いる。この場合、はずみ車が2部分に分割されており、
対応加圧板を形成する構造部品が、軸方向に弾力を有し
つつ、内燃機関の出力軸と結合された構成部品に対し支
えられるようにする。
【0055】本発明による摩擦クラッチの機能と構成に
とって特に有利な場合は、前記調整装置が、クラッチ構
造部品間で軸方向にばね弾性を有するようにした場合で
ある。その場合、この装置は次のように配置し構成して
おくようにする。すなわち、クラッチアウト時には、こ
の装置に作用する力が最小となるようにし、かつまたク
ラッチインの全過程にわたり、つまりクラッチが入れら
れるまでの全移動距離にわたり、この装置に作用する力
が徐々に最大値に達するようにし、そのさいこの力の増
大が、有利には操作手段ないし加圧板の閉じ距離ないし
進入距離の一部分にわたってだけ行なわれるようにする
のである。特に有利なのは、この調整装置を、摩擦クラ
ッチの伝達可能トルクの漸減ないし漸増が、操作手段の
操作距離及び又は加圧板の最大軸方向距離の少なくとも
ほぼ40〜70%にわたって行なわれるようにする場合
である。相応の距離の残りの部分は、力の流れの申し分
のない断絶と、クラッチ構成部品、たとえば特にクラッ
チ板、加圧板、対応加圧板などに場合により生じる変形
の補償とのために必要とされる。
【0056】本発明の摩擦クラッチの操作に要する力を
最低限に抑えるために、特に有利な措置は、押圧ばね
が、摩擦クラッチのリリース距離の少なくとも一部分に
わたり、力・距離の漸減的な推移を有するようにするこ
とである。このことは、要するに、押圧ばねが、その圧
縮距離ないし変形距離の少なくとも一部分にわたって、
下降する力の勾配を有するようにすることを意味する。
こうすることにより、クラッチのリリース時に装置のば
ね力が押圧ばねの力に抗して作用する結果、クラッチの
リリース距離の一部分にわたり、装置のばね力により押
圧ばねのひずみないし変形が装置のばね力により補助さ
れ、そのさい同時に、クラッチのリリース距離区域で
の、押圧ばねの力・距離漸減勾配の結果、押圧ばねから
加圧板ないし摩擦ライニングに及ぼされる力が減少す
る。摩擦クラッチのリリースに実際に必要とされる力の
勾配は、互いに重なる付加的なばね作用が存在しない場
合には、調整装置から得られる力の勾配と押圧ばねの力
の勾配との差から得ることができる。加圧板の、摩擦ラ
イニングからの解離ないし加圧板によるクラッチ板の解
放のさい、必要な、残るクラッチ・リリース力の勾配な
いし必要なクラッチ・リリース力は、主として押圧ばね
により決定される。調整装置の力・距離特性線と押圧ば
ねのそれとを互いに同調させることによって、加圧板に
よるクラッチ板の解放時に押圧ばねの操作に要する力
が、比較的低いレベルに在るようにする。要するに、加
圧板によるクラッチ板の解放まで、押圧ばね特性への調
整装置のばね特性ないし力の特性の接近又は同化によ
り、極めて僅かの操作力しか押圧ばねには必要とせず、
極端な場合には事実上操作力は押圧ばねには全く必要と
しないようにすることができる。
【0057】押圧ばねとしては、皿ばねを用いるのが特
に有利である。この皿ばねは、一端がハウジングにより
保持された環状旋回支承部を中心として旋回可能であ
り、他端が加圧板に負荷を与えるようにする。そのさ
い、皿ばねは、環状のボディを有し、そのボディからは
半径方向内方へ舌状部が出ており、これらの舌状部が操
作手段を形成している。これらの操作手段は、しかし、
レバーにより形成することもできる。これらのレバー
は、たとえばハウジングのところに旋回可能に支承して
おく。加圧板に対する押圧力は、しかし、別の種類のば
ね、たとえばコイルばねによっても得ることができる。
コイルばねは、摩擦クラッチ内に、クラッチイン状態の
さいに加圧板に最大の軸方向力を及ぼすように配置して
おく。このことは、たとえば摩擦クラッチの回転軸に対
してコイルばねを傾斜位置に配置することにより達成さ
れる。
【0058】特に有利には、ハウジングのところの2つ
の支承部の間に皿ばねを旋回可能に支承しておき、いわ
ゆるコンパクトな構成のクラッチを形成するようにす
る。この種のクラッチの場合、クラッチを外すための操
作手段は、通常、加圧板方向に負荷を与えられる。本発
明は、しかし、コンパクトな構成のクラッチに限定され
るものではなく、クラッチを外すための操作手段が、通
常、加圧板から離れる方向へ負荷される引延ばされた構
造形式のクラッチをも包含している。
【0059】本発明による摩擦クラッチは、次のような
構成の皿ばねを有するようにするのが特に有利である。
すなわち、正弦形の力・距離曲線を有し、クラッチイン
状態ではその操作点が力の第1最大値に続く漸減特性線
域に設けられているような皿ばねである。この場合、皿
ばねが、力の第1の最大値とそれに続く最小値との間
で、1:0.4〜1:0.8の力の比を有するようにす
るのが、特に有利である。
【0060】更に、摩擦クラッチが、操作手段のとこ
ろ、たとえば皿ばねの舌端部のところに作用するクラッ
チのリリースシステムを介して操作可能であるようにす
るのが、特に有利である。その場合、クラッチのリリー
スシステムは、アクセルペダルと似た、自動車内に配置
されるクラッチペダルを有するようにすることができ
る。クラッチペダルをそのように構成することは、特に
有利である。なぜなら、本発明による構成によりクラッ
チのリリースに要する力ないし力の推移を、きわめて低
いレベルにすることができるので、アクセルペダルに似
た構成のクラッチペダルを介して操作力をよりよく配量
できるからである。
【0061】本発明により摩擦クラッチを構成し、か
つ、この構成に伴なって、クラッチの全有効寿命にわた
って生じる押圧ばね力の最大値を低減可能にしたことに
よって、構成部品は、相応に小型化でき、ないしはその
強度を低減できる。これによって製作費が著しく低減さ
れる。クラッチのリリース力を低減させることにより、
更にクラッチ内及びクラッチのリリースシステム内の摩
擦損失及び弾性損失が低減されるため、摩擦クラッチと
リリースシステムとのシステムの効率が著しく改善され
る。したがって、全システムが最適構成でき、それによ
りクラッチの円滑な操作性が著しく改善される。
【0062】本発明による構成は、広く摩擦クラッチに
適用可能であり、特に次に列挙の刊行物に記載の摩擦ク
ラッチに適用可能である。たとえば、DE−PS29
16755、DE−PS29 20 932、DE−O
S35 18 781、DE−OS40 92 38
2、FR−OS2605 692、FR−OS2606
477、FR−OS25 99 444、FR−OS
2599 446、GB−PS1567 019、US
−PS4,924,991、US−PS4,191,2
85、US−PS4,057,131、JP−GM3−
25026、JP−GM3−123、JP−GM2−1
24326、JP−GM1−163218、JP−OS
51−126452、JP−GM3−19131、JP
−GM3−53628。
【0063】本発明は、更に、以前の出願DE−P42
07 528.9及びDE−P4206 904.1
に関係している。これらの出願の内容は、本発明の開示
内容に含まれている。
【0064】少なくともライニングの摩耗が自動式に補
償される摩擦クラッチの使用は−それによって少なくと
も、クラッチの全有効寿命にわたってほぼ一様の、クラ
ッチ板のグリップ力が保証される−特に、摩擦クラッ
チ、クラッチ板、対応加圧板、たとえばはずみ車が、組
立てユニットないしはモジュールをなしているクラッチ
ユニットの場合に有利である。この種の組立てユニット
の場合、費用の面で有利なのは、クラッチハウジング
を、たとえば溶接継手などの解離不能の継手、又は材料
の塑性変形などの形状接続を介して対応加圧板と結合し
ておく場合である。この種の継手を用いることにより、
通常用いられる固定手段、たとえばねじが不要となる。
このような組立てユニットの場合、摩耗限度を超えた場
合のクラッチ板ないしクラッチライニングの交換が、構
成部品、たとえばクラッチハウジングの破壊なしには事
実上不可能である。しかし、摩耗が後調整されるクラッ
チの使用により、組立てユニットは、車両の全有効寿命
にわたって申し分のない機能が保証されるように構成で
きる。要するに、本発明の構成により、クラッチ板の摩
耗予備及び摩擦クラッチないしクラッチモジュール後調
整予備は大きく寸法づけられているため、クラッチの有
効寿命は、組立てユニットの有効寿命をも含めて、少な
くとも車両のそれに必敵する長さを有している。
【0065】本発明の別の構成によれば、特に有利な場
合は、摩耗の後調整装置を有する摩擦クラッチが、いわ
ゆる2質量はずみ車と組合される場合である。そのさい
には、摩擦クラッチは、クラッチ板を間そうして変速機
と結合可能の一方の慣性質量上に組付け可能であり、第
2の慣性質量は内燃機関の出力軸と結合可能である。本
発明による摩擦クラッチと組合せて用いられる2質量は
ずみ車は、たとえばDE−OS37 21 712、3
7 21 711、41 17 571、4117 5
82、41 17 579により公知である。これらの
出願の全内容も、本発明の開示内容に含まれているの
で、これらの出願に記載されている特徴は、任意に本発
明に記載の特徴と組合せることができる。特に、クラッ
チハウジングないしクラッチカバーは、破壊することな
しには解離不能の継手を介してそれらを保持する慣性質
量と結合しておくことができる。このことは、たとえば
DE−OS41 17 579の種々の実施例により示
され、説明されている。
【0066】少なくともライニングの摩耗を補償する装
置を有する摩擦クラッチを用いることにより、摩擦クラ
ッチ、特に、クラッチ板のグリップ力を供給する蓄力部
材の構成を最適化することができる。この蓄力部材は、
要するに、所望のトルクの伝達に要する、クラッチ板の
グリップ力のみを事実上調達するように構成することが
できる。この蓄力部材は、少なくとも1つの皿ばね又は
複数のコイルばねにより構成できる。更に、自己後調整
式の摩擦クラッチを2質量はずみ車と組合せて用いる場
合、このはずみ車は、2つの慣性質量の間に配置された
回転弾性的なダンパを、クラッチ板の半径方向で外方、
ないし変速機と結合可能な慣性質量の摩擦面の摩擦外径
外方に有するようにするのが有利である。この種の2質
量はずみ車の場合、クラッチ板の摩擦直径は、従来式の
クラッチの場合よりも小さいので、押圧力を平均摩擦半
径に応じて高めて、所定のエンジントルクを伝達しうる
ようにする必要がある。従来式のクラッチを用いる場合
には、このことの結果、クラッチのリリース力が上昇す
ることになる。しかし、請求項1に記載のクラッチ、す
なわちクラッチ板の伝達可能トルクがクラッチのリリー
ス距離にわたって漸減する摩耗後調整式のクラッチを使
用することによって、クラッチのリリース力を低減する
ことができる。それによって、クラッチのリリース力の
増大を防止するか、又は摩擦クラッチを相応に構成する
ことにより、従来式クラッチより、クラッチのリリース
力を引下げることができる。
【0067】要するに、本発明による摩擦クラッチの構
成により保証される点は、摩擦ライニング外径が小さく
され、それによって所要押圧力がより高くなったにも拘
らず、クラッチのリリース力を低く抑えることができる
という点である。クラッチのリリース力を小さくするこ
とにより、双方の慣性質量を相互に回転させるころがり
軸受の負荷も低減する。更に、摩耗の後調整により、ク
ラッチの有効寿命が長くなるので、自動車の有効寿命の
間に部品、特にクラッチ板の交換は、もはや不要とな
る。したがって、クラッチカバーは、変速機と結合可能
の慣性質量と、たとえばリベット留め又は溶接により固
定結合することができる。このことは、組付けスペース
が限られていたり、クラッチベルの輪郭が制限されてい
て、クラッチカバーを変速機側のはずみ車と従来形式で
ねじ付け結合できない場合に、特に有利である。
【0068】ライニングの摩耗の後調整装置が組込まれ
た摩擦クラッチの場合、クラッチとはずみ車とからなる
クラッチユニットを内燃機関の出力軸に従来式に固定す
ると、軸方向振動、回転振動、タンブリングがクラッチ
ユニットへ伝えられる。これらの振動は、内燃機関の出
力軸、特にクランク軸により励起される。クラッチユニ
ットないし後調整装置の機能が、それらの振動によって
妨害されることがないように、特に後調整装置の望まし
くない後調整を行なう必要がないようにするためには、
後調整装置の構成のさいに、この装置に作用する構成部
品の慣性力を計算に入れねばならない。特に軸方向振動
及びタンブリングを生ぜしめる望ましくない副次効果を
避けるため、ないしはこの副次効果と関連して、ライニ
ングの摩耗補償用後調整装置の構成に要する比較的多額
の出費を避けるために、本発明の別の思想によれば、後
調整装置を有するクラッチユニットは、内燃機関の出力
軸により励起される軸方向振動及び曲げ振動を十分に防
止することができる。このことは、クラッチユニット
を、軸方向に弾性的な、ないしはばね作用によりたわみ
可能な構成部品を介して内燃機関の出力軸と結合可能に
することにより可能となる。この構成部品の剛度は、そ
の場合、次のように選定しておく。すなわち、内燃機関
の出力軸によりクラッチユニットに励起される軸方向振
動、タンブリング、曲げ振動が、この弾性的な構成部品
により、少なくとも、摩擦クラッチ、特にその後調整装
置の申し分のない機能が保証される程度に減衰ないし抑
制されるように選定しておくのである。これらの弾性的
な構成部品は、たとえばEP−OS0385 752及
び0464 997、加えてSAEのテクニカル・ペー
パー9003 91により公知である。これらの刊公物
の内容は、同様に本発明の開示内容に属するものであ
る。弾性的な構成部品の使用により可能になる点は、加
圧板の、クラッチカバーに対する軸方向振動により生じ
る望ましくない摩耗の後調整−特に、摩擦クラッチの切
られた状態での−を、はずみ車の振動及び又は皿ばねの
振動により是正することである。この種の振動は、これ
らの振動を少なくとも実質的に抑える装置、たとえば、
軸方向にたわみ可能なディスクを欠くクラッチユニット
の場合、クラッチ板の摩耗状態とは無関係に調整を変化
させることがある。その場合、摩擦クラッチの皿ばねの
押圧力は、力の最小値方向へ調整されることができ、そ
れにより所望トルクの伝達は、もはや保証されなくな
る。
【0069】本発明の別の構成によれば、自動式に補償
され、特に本発明に応じて構成されている摩擦クラッチ
は、有利には、特に自動車用の次のような駆動ユニット
に用いることができる。すなわち、自動式又は半自動式
の変速機と、駆動エンジン、たとえば内燃機関・変速機
間に配置され少なくとも、変速機の操作に応じて制御な
いし調整しながら操作可能の摩擦クラッチとから成る駆
動ユニットである。この摩擦クラッチは、有利には全自
動式に操作可能である。摩擦クラッチの自動式ないし全
自動式操作は、たとえばDE−OS40 11 85
0.9により提案されているので、その作用形式及び必
要な手段については、前記刊行物を参照されたい。
【0070】自動式又は半自動式変速機及び従来型の摩
擦クラッチを有する公知の駆動ユニットの場合、クラッ
チ操作や、それに必要な作動器、たとえばピストン/シ
リンダ・ユニット及び又は電動モータの構成の点で、従
来、種々問題が存在した。従来型のクラッチの場合には
比較的大きいリリース力を要したため、作動器も、きわ
めて強力ないし大型にする必要があった。このことは、
構造物の体積が大となり、重量が重くなり、出費が多く
なることを意味する。また、そのような大型の作動器
は、その質量の慣性により、応動時間が比較的長くかか
る。調整シリンダを用いる場合には、加えて、比較的多
量の体積流量の圧力媒体が必要となるので、供給ポンプ
も比較的大型に寸法づけして、クラッチに対し所望の操
作時間を保証せねばならない。前述の短所の一部を除去
するため、たとえばDE−OS3309 427によ
り、クラッチを外すための操作力を相応の補償ばねによ
り低減させ、それにより作動器の寸法を小型にする提案
がなされている。従来型のクラッチの場合のリリース力
は、クラッチの有効寿命にわたって著しく変動するた
め、つまり、リリース力は、新しい状態では比較的僅か
だが、ライニングの摩耗増大につれて有効寿命の間に著
しく上昇するので、補償ばねを介して解消しうるリリー
ス力は、通常に要するリリース力の一部にすぎない。す
べての公差を計算に入れると、補償ばねの使用にもかか
わらず、作動器の所要リリース出力は、従来型の新しい
クラッチ用の出力より大である。ライニングの摩耗が補
償される本発明による摩擦クラッチを、エンジンと自動
又は半自動の変速機とから成る駆動ユニットと組合せて
用いることにより、直接にクラッチのリリース力が、従
来技術の場合に比して著しく低減される。しかも、この
新規なクラッチのリリース力ないしリリース力の推移
は、その全有効寿命の間事実上不変に維持される。これ
により、作動器の構成にとって著しい利点が生じる。な
ぜなら、作動器の駆動出力又は操作出力を相応に低く抑
えることができ、そのさい、リリース・システム全体に
生じる力ないし圧力も、相応に低くなるからである。こ
れにより、構成部品の摩擦又は弾性の結果、リリース・
システム内に生じる損失が除去されるか、ないしは最小
限に低減される。
【0071】更に本発明は、回動不能にしかも軸方向に
制限されて変位可能にケーシングに結合された加圧板を
有する、特に自動車用の摩擦クラッチであって、ケーシ
ングと加圧板との間に少なくとも1つの操作部材及び蓄
力部材が設けられていて、この操作部材及び蓄力部材を
介して加圧板が加圧板と受圧板、例えばはずみ車との間
に締め付け可能なクラッチディスクの方向に負荷されて
いて、この場合、少なくともクラッチディスクの摩擦ラ
イニングの摩耗を補償する後調整手段が設けられている
形式のものに関する。
【0072】ライニング摩耗に相応して後調整を行う自
動後調整式のクラッチは、例えばドイツ連邦共和国特許
第2920932号明細書及び同国特許出願公開第35
18781号明細書から公知である。
【0073】このクラッチの場合、摩耗後調整は加圧板
と皿ばねとの間の軸方向で調節可能な支持部を介して行
われ、この場合、支持部はランプを介して加圧板に支持
されかつ加圧板に対して相対的な周方向での回動によっ
て皿ばねの方向で調節されるか又は加圧板又は支持部の
斜面の間に係合するくさび体が適当にずらされることに
よって調節される。
【0074】ライニング摩耗状態を検出するために両構
成では加圧板とはずみ車もしくはクラッチカバーとの間
で作用する多数のセンサエレメントが設けられていて、
このセンサエレメントはクラッチを連結した場合、ライ
ニング摩耗に相応して調節されかつクラッチが解離され
た場合、加圧板の持ち上げを規定の値に制限する。
【0075】この場合、クラッチの新規状態において皿
ばねはクラッチが解離された場合支持部の範囲で加圧板
と全く同じ持ち上げ行程を実施する。ライニング摩耗が
生じた場合、加圧板ははずみ車の方向に変位する。この
摩耗状態では皿ばねは支持部の範囲で摩耗分だけ加圧板
よりも大きな行程を行わねばならず、これによって支持
部はこの場合生ずる遊びに相応して軸方向で皿ばねの方
向に調節される。
【0076】このような形式の後調整は実地においては
確実に作業しない。それというのもコンスタントな解離
行程の場合ですら皿ばねの持ち上げ行程はばね舌片にお
いて著しくばらつきかつ更に解離支承部で極めて大きな
解離行程のばらつきが生ずるからである。
【0077】このために、例えば機械的な解離機構にお
いて解離機構を調節する場合ミスが生じ、この場合、解
離部材と皿ばねとの間で極めて小さな遊び又は極めて大
きなプレロードが生ずる。これによってクラッチのため
に完全に異なる作業点が生ずる。
【0078】自動後調整式の解離機構、例えば信号発生
及び受信シリンダを有する液力式の機構を使用する場
合、機構は全く機能しない。それというのも耐用寿命に
亘ってクラッチにおいて常に同じ解離行程が生じかつこ
の場合、支持部の範囲で皿ばねの持ち上げ運動が加圧板
運動よりも小さいか又はこれと同じである限りは、全く
後調整されないからである。
【0079】これに対して皿ばねが加圧板よりも大きな
持ち上げ運動を行った場合には、それぞれの解離操作に
おいてライニング摩耗とは無関係に後調整され、かつク
ラッチは短時間で完全に調節される。
【0080】公知の自動後調整式のクラッチの別の問題
点は、加圧板が固有共振振動によって励起されかつこの
場合皿ばねから軸方向で持ち上げられ、これによって後
調整装置がクラッチを完全に調節するということにあ
る。
【0081】更に本発明の課題は、上記形式の摩擦クラ
ッチを改良して、従来のものに比して改良された後調整
手段を提供し、この場合後調整手段の構造が簡単でしか
も後調整手段が僅かなスペースを必要とするに過ぎず、
更に摩擦クラッチを特に簡単かつ安価に製作できるよう
にすることにある。
【0082】前記課題は本発明によれば、摩擦クラッチ
を連結及び解離するために設けられた操作部材と加圧板
との間、又は、蓄力部材と加圧板との間に摩耗補償装置
が設けられていて、この摩耗補償装置が蓄力部材による
加圧板の事実上不変な力負荷を生ぜしめ、この場合、摩
耗補償装置が摩耗に相応する後調整によって操作部材も
しくは蓄力部材と加圧板との間で摩擦ライニングの摩耗
状態に相応した軸方向の調節を行い、この場合、摩擦ラ
イニングの実際の摩耗状態に相応する調節が得られた場
合に摩耗補償装置が加圧板に設けられた手段によってそ
の後調整機能を制限されるかもしくはロックされること
によって、解決された。
【0083】つまり、本発明によれば、実際に生じた摩
耗行程以上の摩耗補償装置の後調整を阻止する手段が加
圧板に設けられていて、この場合、摩耗後調整及び後調
整制限はクラッチ解離行程中に行われる。
【0084】摩擦クラッチの構造及び機能のために有利
には、ケーシングと加圧板との間に軸方向で緊定された
皿ばねが設けられていて、この皿ばねがケーシングによ
って支持されたリング状の支承部を中心として旋回可能
でありかつ蓄力部材を形成するリング状の基体を有して
いて、この基体から、操作部材を形成するために、半径
方向で内向きに延びる舌片が出発している。
【0085】摩耗補償装置の制限部材は簡単には、少な
くとも1つの摩耗センサによって形成され、この摩耗セ
ンサは加圧板に対して移動可能な少なくとも1つのセン
サ構成部材を有していて、このセンサ構成部材は軸方向
で定置の構成部材に当接することによって加圧板の解離
行程を制限する。この場合軸方向で定置の構成部材はク
ラッチケーシング又は受圧板によって形成される。有利
にはセンサ構成部材は、摩擦クラッチの耐用寿命に亘っ
てケーシングに対する加圧板の事実上不変な解離行程が
維持されるように、構成されかつ加圧板に配置されてい
る。
【0086】ライニング摩耗を申し分なく補償するため
に特に有利には、センサ構成部材が加圧板に対して軸方
向で移動可能に保持されている。このためにセンサ構成
部材は間接的に又は直接的に加圧板に自動的な後調整装
置を介して結合できかつ軸方向で定置の少なくとも1つ
の構成部材に当接することによってライニング摩耗に相
応して加圧板に対して移動することができる。この移動
は有利には連結過程中に行われる。センサ構成部材用の
当接範囲はクラッチケーシング及び/又は受圧板に設け
ることができる。
【0087】軸方向で定置の適当な構成部材に摩耗セン
サが当接することによって摩耗補償装置は解離行程中に
負荷軽減され、これによってライニング摩耗が存在する
場合摩耗補償装置は、この後調整がセンサ構成部材と摩
耗補償装置の後調整部材との協働によって制限されるま
で、後調整することができる。
【0088】有利には、加圧板の周方向に亘って分配さ
れた多数の摩耗センサが設けられていて、この摩耗セン
サは摩擦クラッチの解離状態で摩擦クラッチの回転軸線
に対して加圧板の衝撃のない位置決めを保証する。
【0089】有利には、センサ構成部材は、摩擦クラッ
チが解離された場合摩耗補償装置の後調整部材もしくは
補償構成部材の対向当接範囲と協働する当接範囲を有し
ている。加圧板のコンスタントな持ち上げ行程を保証す
るセンサ構成部材は有利には自動的な後調整装置を介し
て加圧板に結合できる。
【0090】このような後調整装置は、例えば加圧板と
センサ構成部材との間の摩擦接続的な結合によって生ぜ
しめられ、この場合、連結過程中所定の力を上回った場
合摩擦接続が克服され、これによってセンサ構成部材が
実際に生じた摩耗に相応して加圧板に対して後調整され
る。
【0091】しかしながら後調整装置はフリーホイール
に類似した手段によっても得られ、この手段は連結過程
中加圧板に対するセンサ構成部材の後調整を許容するの
に対して、クラッチが解離された場合センサ構成部材を
後調整装置によって加圧板に対してロックする。
【0092】摩擦クラッチ内部でのライニング摩耗を補
償するための後調整手段の特に簡単かつ機能的な構造
は、補償装置が特に皿ばねのような蓄力部材用の支え構
成部材を有していてかつこの支え構成部材と加圧板との
間に、摩擦クラッチが解離された場合に支え構成部材の
自動的な摩耗後調整を生ぜしめかつクラッチが連結され
た場合に自己ロックされる調整機構が設けられているこ
とによって、保証される。
【0093】このことは、支え構成部材が負荷軽減され
た場合補償装置が解放されかつ支え構成部材が負荷され
た場合補償装置が調整を維持する、つまりロックされと
いうことを意味する。
【0094】このために有利には、支え構成部材は軸方
向で加圧板から離反する方向で移動可能で、かつ、軸方
向で加圧板に対する方向で係止可能である。この場合、
補償装置は摩擦クラッチが解離された場合フリーホイー
ルのように作用し、かつ、摩擦クラッチが連結された場
合自己ロックされる。
【0095】補償装置の特に有利な構成は、補償構成部
材を形成するためにリング状の構成部材を使用すること
によって、保証される。この場合リング状の構成部材は
ランプを介して加圧板に対して支持される。このランプ
は対向ランプと協働し、この場合有利には、これらラン
プは少なくとも1つのばね部材を介して互いに緊定され
る。
【0096】この場合、ランプ及び対向ランプは、加圧
板とリング状の構成部材との間に配置できる個々の構成
部材、例えばくさび状の構成部材によって構成できる。
しかしながら前記ランプの少なくとも一方を直接リング
状の構成部材又は加圧板に成形することもできる。
【0097】摩擦クラッチの簡単な構造は、リング状の
構成部材がU字形横断面の中空の薄板成形部材として構
成されていて、この場合、構成部材の自由空間内にラン
プを形成する周方向に亘って分配された構成部材が収容
されていることによって、得られる。この場合、このく
さび状の構成部材は有利にはリング状の構成部材と回動
不能である。
【0098】補償装置の有利な構成は、くさび状の構成
部材がリング状の構成部材に対して軸方向に移動可能に
案内されていることによって、得られる。対向ランプは
同様にくさび状の構成部材によって構成でき、この構成
部材は少なくとも部分的にリング状の補償構成部材によ
って取り囲まれた自由空間内に軸方向で係合しかつ加圧
板及び補償構成部材に対して回動可能である。この場合
更に有利には、補償構成部材が加圧板に対して回動不能
に保持されている。
【0099】補償装置の自動的な後調整を保証するため
に、対向ランプがランプの方向にばね負荷されている。
このようなばね負荷はランプ及び対向ランプを形成する
構成部材の間に緊定されたばね、例えばコイルばねによ
って行われ、この場合、ばねは同様に補償構成部材のリ
ング状の自由空間内に収容されていてかつ有利には圧縮
ばねとしても構成できる。
【0100】対向ランプを形成する構成部材は軸方向で
ランプを形成する構成部材とリング状の補償構成部材と
の間に少なくとも部分的に収容されている。ランプ及び
対向ランプを緊定するばねを申し分なく保持しかつ案内
するために有利には、少なくともばねの端部範囲がラン
プ及び対向ランプを形成する構成部材によって案内され
ている。
【0101】このために適当な構成部材が、少なくとも
プレロードをかけられたばねの端部範囲内で延びる付加
部もしくは突起を有している。この場合、ばねはそれぞ
れ、リング状の支え構成部材に回動不能にしかも軸方向
に移動可能に連結されたくさび状の構成部材と支え構成
部材に対して回動可能な周方向で隣接するくさび状の構
成部材との間に設けられる。
【0102】ランプ及び/又は対向ランプを形成する構
成部材は簡単には、例えば射出過程によってプラスチッ
クから製作される。プラスチックとしては有利には熱絶
縁されたもしくは耐熱性のプラスチック、例えば熱可塑
性又は熱硬化性のプラスチックが適している。この場合
有利には、ランプ構成部材及び/又は対向ランプ構成部
材を形成する材料は摩擦ライニング材料の摩擦値に相応
する高い摩擦値を有している。
【0103】ランプ及び/又は対向ランプの乗上げ角並
びにランプと対向ランプとの間の摩擦係数を適当に選択
することによって、軸方向で緊定された場合に自己ロッ
クを行うように補償装置を設計できる。このためにラン
プ及び/又は対向ランプは、軸方向で4度乃至20度、
有利には5度乃至12度の上昇角を有するように、設計
される。つまり補償装置を適当に設計することによっ
て、摩擦クラッチの連結段階中補償装置が自己ロックさ
れ、これによって補償装置の不都合な戻り調節を阻止す
るために、付加的な手段が不用になる。
【0104】ランプ及び対向ランプを緊定する蓄力部材
は、ライニング摩耗が発生もしくは存在する場合常に後
調整を行うように、つまりクラッチが回転している場合
でも摩耗後調整を行うように、緊定されている。この場
合ランプ及び対向ランプのばね負荷は有利には、その他
のばね、例えば特に操作皿ばね及び加圧板をケーシング
もしくはカバーに結合する板ばねの機能を損なわないよ
うにもしくは事実上損なわないように、行われる。
【0105】しかしながら多くの使用ケースのために有
利には、後調整手段は回転数に関連している。従って例
えば内燃機関の所定の運転状態で後調整手段を操作及び
/又は遮断するために後調整手段の個々の構成部材に作
用する遠心力を利用することができる。特に後調整手段
は所定の回転数でもしくは所定の回転数範囲を上回った
場合遠心力に関連した手段によってロックできる。
【0106】多くの使用ケースのために有利には、後調
整手段が少なくともほぼアイドリング回転数又はアイド
リング回転数以下の回転数の場合にのみ作用し、これに
よって摩耗後調整が僅かな内燃機関回転数の場合にのみ
行われるように、後調整手段を設計することができる。
摩耗後調整の遮断もしくは遮断解除を生ぜしめる手段は
有利には、補償装置の一部でありかつ例えばランプ及び
/又は対向ランプを形成する構成部材によって形成でき
る。
【0107】補償装置の後調整機能のために特に有利に
は、クラッチが解離された場合皿ばねによる加圧板負荷
の直径範囲で皿ばね行程が制限部材もしくは摩耗センサ
によって決められた加圧板の持ち上げ行程よりも大きく
設計されている。これによって軸方向で定置の構成部材
に制限部材が当接した後で補償装置が負荷軽減されひい
ては後調整のために解放されるようになる。
【0108】有利な構成によれば、補償装置が互いに接
触する2つのランプ装置を有していて、この場合、一方
のランプ装置が加圧板に対して回動不能でありかつ他方
のランプ装置が蓄力部材によって負荷される補償構成部
材に対して回動不能であり、この場合、補償構成部材が
加圧板に対して回動可能である。
【0109】更に本発明は、回動不能にしかも軸方向に
制限されて変位可能にケーシングに結合された加圧板を
有する、特に自動車用の摩擦クラッチに関し、この場
合、ケーシングと加圧板との間に圧着皿ばねが軸方向で
緊定されていて、この圧着皿ばねが一方ではケーシング
によって支持されたリング状の旋回支承部を中心として
旋回可能でありかつ他方では加圧板を加圧板と受圧板、
例えばはずみ車との間に締め付け可能なクラッチディス
クの方向に負荷していて、この場合、クラッチディスク
の摩擦ライニングの摩耗を補償する後調整手段が設けら
れていて、この後調整手段が圧着ばねによる加圧板の事
実上不変な力負荷を生ぜしめ、この場合、圧着皿ばねと
加圧板との間に摩耗補償装置が設けられていて、この摩
耗補償装置が軸方向で移動可能な、圧着皿ばねによって
負荷された少なくとも1つの補償構成部材を有してい
て、更に加圧板の軸方向の解離行程が加圧板と軸方向で
定置の少なくとも1つの構成部材、例えばケーシング及
び/又は受圧板との間で作用する制限部材によって制限
されていてかつ少なくともほぼコンスタントに維持され
ていて、更に制限部材が、少なくとも摩擦クラッチが解
離された場合、加圧板に対する補償構成部材の軸方向移
動を制限している。
【0110】更に摩擦クラッチの機能のために、特に解
離力経過もしくは所要の最大の解離力を減少させるため
に特に有利には、加圧板と受圧板との間に締め付け可能
なクラッチディスクが摩擦ライニングを有していて、こ
の摩擦ライニングの間にいわゆるライニング弾性体(ド
イツ連邦共和国特許出願公開第3631863号明細書
から公知)が配置されている。
【0111】このようなクラッチディスクの使用によっ
て操作、特に摩擦クラッチの解離過程が補助される。こ
のことは、摩擦クラッチ連結状態で緊定されたライニン
グ弾性体が加圧板に、圧着皿ばねもしくは操作皿ばねに
よって加圧板に及ぼされる力に抗して作用する反力を及
ぼすということに、起因している。
【0112】解離過程の場合加圧板の軸方向変位中加圧
板はまずばね弾性的に緊定されたライニング弾性体によ
って押し戻され、この場合同時に、解離範囲に存在する
比較的急勾配に低下する圧着皿ばねの特性曲線区分に基
づき、圧着皿ばねから加圧板に及ぼされる力が減少す
る。圧着皿ばねから加圧板に及ぼされる力の減少に伴っ
てライニング弾性体から加圧板に及ぼされる戻し力も減
少する。
【0113】摩擦クラッチを解離するために実際に必要
な力はライニング弾性体の戻し力と圧着皿ばねの圧着力
との差によって得られ、この場合、必要であれば加圧板
とケーシングとの間に緊定された板ばねの軸方向力が考
慮される。ライニング弾性体が弛緩した後で、つまり摩
擦ライニングから加圧板が持ち上げられた場合もしくは
加圧板によってクラッチディスクが解放された場合、所
要の解離力は主として圧着皿ばねによって規定される。
【0114】ライニング弾性体の力・行程特性及び圧着
皿ばねの力・行程特性並びに板ばねの力・行程特性は、
加圧板によってクラッチディスクが解放された場合に圧
着皿ばねを操作するために必要な力が低いレベルを占め
るように、互いに適合される。つまり、圧着皿ばね及び
場合によっては設けられる板ばねによって形成もしくは
合成される力経過にライニング弾性体の特性を接近もし
くは適合させることによって、加圧板によってクラッチ
ディスクが解放されるまで、圧着皿ばね用の極めて僅か
な操作力を必要とするに過ぎず、極端な場合事実上圧着
皿ばね用の操作力は全く不用である。
【0115】つまり、個々のばね力を適合する場合、加
圧板とケーシングとの間で作用する板ばねによってもた
らされる軸方向力が考慮されねばならない。更にクラッ
チを設計する場合、摩耗センサの摺動もしくは調節力が
少なくとも1つの圧着力蓄圧部材、例えば特に皿ばねに
よってもたらされひいてはこの蓄力部材を適当に強力に
構成することを考慮する必要がある。
【0116】更に有利には、摩耗センサの調節力は、こ
の調節力がランプ及び対向ランプを形成するくさび体の
締め付けによって生ぜしめられる合成の軸方向力よりも
確実に大であるように、設計されていて、前記軸方向力
は摩耗センサによって吸収される。
【0117】本発明はさらに、プレッシャープレートを
有する摩擦クラッチを備えたクラッチユニットであっ
て、プレッシャープレートが回動不能にしかし軸方向に
ある程度移動可能に対向プレッシャープレートに結合可
能であり、その場合、少なくとも1つの圧着ばねが設け
られており、この圧着ばねがプレッシャープレートと対
向プレッシャープレートとの間で締付け可能なクラッチ
ディスクへ向かってプレッシャープレートを負荷してお
り、かつ、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニン
グの摩耗を補償する調整手段が設けられており、この調
整手段が、圧着ばねによりプレッシャープレートに対し
て常時変らない力を作用させるようになっており、さら
に、摩擦クラッチが解離及び接続のための操作手段を備
えており、この操作手段が、解離手段、例えば伝達装置
ケーシングに旋回可能に枢着された解離フォークにより
軸方向移動可能なシフタにより操作可能である形式のも
のに関する。
【0118】このように構成されかつ操作されるクラッ
チユニットはFR−OS第2582363号公開明細書
により提案されている。この種のクラッチユニットの操
作手段は例えばUS−PS第4368,810号明細
書、US−PS第4,326,617号明細書、DE−
OS第2752904号公開明細書及びDE−OS第2
801999号公開明細書に提案されているような解離
手段及びシフタによって負荷される。
【0119】クラッチディスクの少なくとも摩擦ライニ
ングの摩耗を補償する一体型の調整手段を備えたクラッ
チユニット若しくは摩擦クラッチにおいては、クラッチ
ペダルの運動がロッド及び又はボーデンケーブルを介し
て少なくとも1つの解離軸受の間挿下で摩擦クラッチの
操作手段へ伝達されるような、いわゆる機械的な解離機
構に関連して、運動の連鎖全体に存在する誤差に基づ
き、操作手段を負荷するシフタ領域が操作手段の被負荷
領域に対比して常に同じ軸方向位置を有するとは限ら
ず、従って摩擦クラッチの解離行程若しくは操作手段に
伝達される操作行程の比較的大きなばらつきが生じると
いう問題が生じる。このばらつきにより、調整手段の機
能が損なわれ、場合によってはまったく失なわるおそれ
がある。さらに、操作手段が許容されない大きな行程を
進むような事態が生ずれば不所望な後調節が行なわれる
結果となり、このことにより摩擦クラッチが充分に開放
されなくなるか又は圧着ばねのプレロード若しくは組込
み位置が変化し、この圧着ばねによって生じる力が不十
分となり、充分なトルク伝達が補償されない結果を招
く。
【0120】さらに、本発明の課題は上記欠点を回避し
て、摩擦ライニングの摩耗を補償する調整手段の充分な
機能が得られるような冒頭に述べた形式のクラッチユニ
ットを提供すると共に、このクラッチユニットを特別に
簡単かつ安価に製作できるようにすることにある。
【0121】この課題を解決した本発明の要旨は、操作
手段の位置の軸方向のばらつき若しくはシフタ若しくは
解離手段に対する、シフタによって負荷される操作手段
領域の位置の軸方向のばらつきを補償する手段が設けら
れていることにある。この種の手段は特に、摩擦ライニ
ングの摩耗に関して操作手段を解離運動の軸方向に配置
した本発明に係わるクラッチユニットでは特別に有利で
ある。それというのは、これによりシフタ若しくは解離
手段と操作手段との間の遊びのない力伝達が確実となる
からである。これによりさらに、操作手段が常に同じ量
だけ運動することが保証される。それゆえ、シフタ及び
又は解離手段と操作手段との間の力の伝達経路内に実際
に遊びが存在しなくなる。
【0122】補償手段が軸方向でシフタと操作手段との
間に設けられ若しくは作用すると特に有利である。しか
し、他の位置、例えば機能的にシフタと解離手段との間
の位置に補償手段を設けることもできる。本発明に関連
してシフタが有利には伝達装置側に設けられたガイド、
例えば伝達装置の入力軸を取囲むガイド管に取付けられ
ると有利である。
【0123】特に、シフタに面した底部を備えて対向プ
レッシャープレートに固定されたケーシング、例えば薄
板カバーを有する摩擦クラッチを備えたクラッチユニッ
トでは、補償手段が軸方向で操作手段と底部との間に配
置され若しくは作用すると効果的である。さらに、圧着
ばねがクラッチケーシングとプレッシャプレートとの間
で軸方向にプレロードを負荷された皿ばねによって形成
され、この皿ばねがばね弾性的な環状の基体とこの基体
から半径方向内向きに延びて操作手段を形成した舌片と
を有していると有利である。
【0124】補償手段による充分な後調節を保証するた
めに、クラッチユニット若しくは摩擦クラッチの接続状
態で補償手段が自動的若しくは自発的に充分な後調節を
補償し、摩擦クラッチの操作中には自発的若しくは自動
的にロックされると有利である。
【0125】補償手段は環状の部材を有することがで
き、この部材が摩擦クラッチの接続状態でも軸方向で操
作手段に当接される。この環状の部材により、万一操作
手段の負荷領域とシフタとの間隔が変化しても、この変
化が補償される。補償手段の機能のために、補償手段が
軸方向に上昇する後調節傾斜面若しくは乗上げ傾斜面を
有すると有利であり、この場合、この傾斜面を環状の部
材に設けることができる。
【0126】乗上げ傾斜面は後調節のために円筒形又は
球形の転動体と協働することができる。しかし乗上げ傾
斜面は対向乗上げ傾斜面と協働するのが有利である。そ
れというのは、後者の傾斜面の乗上げ角度を適当に選択
することにより、傾斜面の軸方向の緊張時に自縛作用が
生じるからである。対向乗上げ傾斜面は同様に環状の部
材によって支持されてよい。
【0127】摩擦クラッチの価格に有利な製作を保証す
るために、補償手段の少なくとも1部をプラスチックか
ら製作するのが有利である。この種のプラスチック部分
は射出成形により製作できる。プラスチックとしては特
に有利には熱可塑性プラスチック、例えばポリアミドが
適している。
【0128】後調節傾斜面を有する部材がクラッチユニ
ット若しくは摩擦クラッチの操作時に軸方向に移動可能
であると特に有利である。さらに、乗上げ傾斜面及び対
向乗上げ傾斜面を備えた部材が互いに回動可能であると
効果的であり、この場合、これら部材の一方が摩擦クラ
ッチ特にクラッチケーシングに対して相対回動不能であ
ることができる。
【0129】本発明の別の思想によれば、クラッチユニ
ットの解離方向でみて、補償手段がフリーホィールに似
たように作用し若しくは後調節すると共に解離方向とは
逆の方向では自縛作用を有するように補償手段を構成す
ることができる。このことのために、乗上げ傾斜面及び
又は対向乗上げ傾斜面は、軸方向で5°乃至20°、有
利には7°乃至11°程度の上昇角を有するように形成
されることができる。後調節傾斜面は有利には摩擦係合
により自縛が生じるように形成される。要するに、いか
なる場合でも後調節傾斜面が自縛作用を伴なう係合を行
い、これにより不所望な戻りを回避するのに必要な付加
的な手段を必要としないような配慮がなされなければな
らない。しかし、必要ならば付加的な手段を設けること
もできる。
【0130】自発的な補償手段の充分な機能を保証する
ためには、乗上げ傾斜面及び又は対向乗上げ傾斜面を備
えた少なくとも1つの部材が後調節方向でばね負荷され
ていると効果的である。このばね負荷は他のばね、例え
ば特に圧着ばね若しくは皿ばね及び軸方向に弾性的な接
触を生ぜしめるばねの機能がまったく影響されないか実
際には影響されないように行なわれると有利である。乗
上げ傾斜面及び対向乗上げ傾斜面を有する部材がこれら
両者の間に設けられた蓄力装置、例えばコイルばねによ
って後調節方向に負荷されるか若しくは緊張されると特
に有利な構成が保証される。このような緊張によりこれ
ら両部材は軸方向でみて互いに逆方向に押圧され、蓄力
装置及び後調節傾斜面を介して軸方向に互いに離反させ
られる。クラッチ接続状態ではこれにより補償手段が軸
方向で操作手段の負荷領域とクラッチカバー及び又はシ
フタとの間で遊びなく緊張させられる。
【0131】本発明の特に有利な構成によれば、クラッ
チユニットが少なくとも操作手段の解離運動の制限のた
めの手段を有することができる。このことのために、シ
フタ及び又は解離手段の解離方向の行程を制限する制限
ストッパを設けることができる。この制限ストッパは補
償手段を形成する部材が所定の解離行程の後にクラッチ
カバーに当接するように形成されると有利である。しか
し制限は、シフタが所定の解離行程の後に軸方向に不動
の部材に当接する領域を有することによって行なわれて
もよい。さらに、シフタがクラッチ接続方向でも同様に
ストッパによって形成されることのできる制限部材を有
することも有利である。有利には、クラッチユニットの
接続状態で補償手段を介してシフタが軸方向に支持され
るように補償手段が形成される。クラッチユニットのた
めのコンスタントな操作行程は、補償手段を形成する部
材が解離方向及び接続方向で作用してストッパ領域と協
働する行程制限領域を有することによって保証される。
有利にはこの部材はシフタによって負荷される、補償手
段の構成部材によって形成されることができ、その場
合、制限ストッパはクラッチケーシングに設けられるか
若しくはこのケーシングによって形成されることができ
る。しかしクラッチユニットの操作行程の制限は、シフ
タを軸方向に案内する部材に適当なストッパを設けるこ
とによっても行なわれる。
【0132】有利にはこのストッパはシフタの回転しな
い軸受リングに結合された部材と協働する。しかし少な
くとも軸方向での解離行程の制限はシフタの回転する軸
受リングと、シフタと一緒に回転する部材、例えばクラ
ッチケーシングとの間でも行なうことができる。
【0133】本発明の付加的な構成によれば、特にシフ
タの力特性、若しくは最大に必要な解離力の削減のため
に、特に有利には、解離過程中に操作手段の操作行程の
少なくとも一部にわたって、摩擦クラッチ若しくはクラ
ッチディスクによって伝達されるトルクが次第に減少す
るような手段が設けられると有利である。この手段は例
えばいわゆるライニングばねによって形成されるが、こ
のばねはプレッシャープレートと対向プレッシャープレ
ートとの間に締込まれるクラッチディスクの摩擦ライニ
ングの間に設けられている。
【0134】本発明摩擦クラッチの特に有利な構成は、
有利には皿ばねによって形成される圧着ばねが2つの支
持部の間で(一方の支持部はプレッシャープレートに面
して圧着皿ばねへ向かってばね負荷されている)ケーシ
ングに旋回可能に支持されていることによって得られ
る。その場合、圧着ばねによって、摩擦クラッチの解離
時には、ばね負荷された支持部に作用する最大の解離力
がライニング摩耗時に増大して、ばね負荷された支持部
に作用する対向力若しくは支持力を上回る。トルク伝達
のためにプレッシャープレートとクラッチケーシングと
の間に設けた皿ばね部材及び又は例えばDE−OS第3
631863号明細書により公知のライニングばねを使
用する場合には、このばねにより圧着ばねに作用する力
が、ばね負荷される支持部に作用する力の決定時に考慮
されなければならない。その理由は、これらの力が重複
するからである。これの意味するところは、後調節を可
能ならしめるためには、著しいライニング摩耗が存在す
る場合に短時間に調節される高められた解離力が、前述
の種々の力によって生じる皿ばねの旋回直径に関した合
成力に比して大きくなければならないということであ
る。圧着皿ばねは、その構造によって規定された、摩擦
クラッチ内での組込み位置を起点として、ライニング摩
耗によって生じた負荷軽減時に圧着皿ばねから作用する
力、ひいては解離力の特性曲線のレベルが増大し、かつ
規定された組込み位置に比して変形した若しくは負荷軽
減された位置では、圧着皿ばねから作用する最大力が解
離過程で減少するような特性曲線を有すると有利であ
る。圧着皿ばねのこのような構成によれば、摩耗発生時
に少なくとも摩擦クラッチの最大の解離力と、ばね負荷
された支持部に作用する対向力若しくは転動直径領域で
圧着皿ばねに作用する合成された対向力との間の釣合い
がいつでも調節される。
【0135】クラッチユニット若しくは摩擦クラッチは
有利には次のようにも構成される。すなわち、軸方向に
移動可能なばね負荷された支持部が摩擦クラッチの摩耗
予備体上にプレッシャープレートと一緒に支承される。
摩擦クラッチの寿命を考慮して行なわれる徐々に若しく
は細かい段階で行なわれる調整手段の後調節中に、ばね
負荷された支持部はプレッシャプレートへ向かってわず
かに移動することができる。この手段によって、プレッ
シャプレートに支持された皿ばねが付加的な変形をこう
むり、その結果、すでに述べたように皿ばねの力が減少
し、ついには、ばね負荷された支持部に作用する対向力
又はすでに述べた合成された対向力が解離力と釣合うに
至る。要するにばね負荷された支持部の移動時にクラッ
チ若しくは圧着皿ばねの最大の解離力が再び減少する。
【0136】特に有利には圧着皿ばねが、解離領域の少
なくとも一部にわたり、有利には実際にクラッチの解離
領域全体にわたり、降下する力・行程・特性曲線を生じ
るように摩擦クラッチ内に組込まれる。その場合圧着ば
ねの組込み位置は摩擦クラッチの解離状態で圧着ばねが
実際にそのサインカーブ状の力・行程・特性曲線の最少
若しくは最下点に達するように選らばれる。
【0137】ばね負荷された支持部に作用する対向力は
有利には少なくとも後調節領域にわたりほぼコンスタン
トな力を生じる蓄力装置によって得ることができる。特
に有利にはこのことのために、適当に形成されプレロー
ド下で摩擦クラッチ内に組込まれた皿ばねが適してい
る。
【0138】本発明は上述した摩擦クラッチに限らず、
少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を
補償する調整手段を備えた摩擦クラッチ若しくはクラッ
チユニットにおいて一般的に使用可能である。
【0139】さらに本発明は、摩擦クラッチ、特に自動
車用の摩擦クラッチであって、押圧板が回転不能ではあ
るが、軸方向に制限されて移動可能にケーシングと結合
されており、ケーシングと押圧板との間に皿ばねが作用
しており、該皿ばねによって押圧板が押圧板と対応押圧
板との間に締込まれるクラッチ板の方向に負荷可能であ
り、クラッチが作動手段を介して接続・遮断可能であ
り、かつクラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を自動的に
補償する後調節装置を備えている形式のものに関する。
【0140】例えばDE−OS4092382号によっ
て公知である前記形式の摩擦クラッチは、クラッチ円板
の摩擦ライニングが摩耗した場合にも摩擦クラッチの圧
着力が常に等しく保たれ、しかも皿ばねと押圧板との間
に設けられた、軸方向に移動可能な2つのリングの形を
した後調節装置により、押圧板における皿ばねの支持点
の軸方向の高さをライニングの摩耗に相応して修正し、
これによって皿ばねが常に摩擦ライニングの新しい状態
に相応する位置に留まることを保証しようとしている。
【0141】このようなクラッチ装置においては外側の
支持リングと内側の支持リングとの間の半径方向の間隔
が小さすぎる。特にリングの段付けのための製作誤差に
基づきかつ皿ばねと支持部との間に━運転期間に亙って
━発生する摩耗に基づき正確な調整と後調節は不可能で
ある。外側と内側の支持部間の間隔の著しい拡大は、こ
れによって押圧板離反距離が不都合に小さくされ、ひい
てはクラッチの機能が保証されなくなるので可能ではな
い。
【0142】別の欠点は、公知の形式では板ばねを介し
てクラッチのケーシングに固定されているクラッチ押圧
板が、クラッチの遮断された状態で軸方向に振動するこ
とがあることである。この場合には支持リングは押圧板
が皿ばねから離れると、支持リングが押圧板に対して相
対的に皿ばねに向かって移動することがある。クラッチ
を再接続したあとで皿ばねは誤った(部分的に遮断され
た)位置をとり、その結果として圧着力が変化させら
れ、完全な遮断が保証されなくなる。
【0143】さらに本発明の課題は先に述べた形式の後
調節装置であって、簡単な構造を有し、確実な後調節装
置機能が保証され、意図しない調節が行われない形式の
ものを提供することである、後調節装置は構造的に場所
をとらず、費用的に安く製作可能にしたい。さらに後調
節装置は引張型のクラッチにも押し型のクラッチにも適
するものにしたい。
【0144】本発明の課題は以下の特徴の少なくとも2
つの組合せによって解決された。すなわち、 (イ) 後調節装置が互いに半径方向の間隔をおいて設
けられた2つのリングを有し、該リングがそれぞれ、搬
送手段の影響下で周方向に回動可能な後調節装置、例え
ばランプ装置の作用下で軸方向に皿ばねに向かって移動
可能であること。
【0145】(ロ) 皿ばねが第1の半径方向の範囲
で、クラッチが接続された状態で一方の第1のリング━
摩耗補償リング━に支えられ、その際に該リングの後調
節装置の回動を阻止していること。
【0146】(ハ) 第2のリング━摩耗フィーラリン
グ━の後調節装置が、センサを有する、回動を阻止する
抑止装置の作用に晒されており、該抑止装置の作用が摩
擦クラッチの摩耗及び接続状態で除かれ得るようになっ
ており、これによって第2のリングが摩耗に相応する軸
方向の移動を、後調節装置の適当な移動により行うこと
ができるようになっており、摩擦クラッチの遮断の間は
抑止装置の作用があり、有利には遮断過程に関連して強
められること。
【0147】(ニ) 第1のリングの後調節装置が摩耗
に続く遮断過程に際して、先に行われた第2のリングの
回動後にかつこれに相応して回動のためにロック装置に
よって解放可能であること。
【0148】この場合、後調節装置はリング自体がラン
プを有しかつ周方向に有効な蓄力器の作用に晒されるよ
うに構成しておくことができる。
【0149】抑止装置の作用は種々の基準に関連して、
例えば摩耗に関連して行われる皿ばねの円錐性の変化に
関連して、又は有利には皿ばね舌状部自体によって形成
されていることのできる遮断部材の起立に関連して除か
れ得るか又は少なくとも減少可能であることができる。
さらに抑止装置の作用は摩耗に関連して行われる押圧板
の軸方向の位置の変化に関連して除かれ得るか又は少な
くとも減少可能にすることもできる。
【0150】周方向に回動可能な両方の後調節装置は摩
擦のクラッチの軸方向に移動可能な構成部材、例えば押
圧板の上に設けるか又は摩擦クラッチの軸方向で不動の
構成部材、例えばカバーの上にかつ使用例に応じて押圧
板と皿ばねとの間で有効にかつ押圧板と皿ばねとの間の
軸方向の空間的に配置されていることができる。他の使
用例のためには後調節装置が皿ばねとカバーとの間で有
効でかつ軸方向で皿ばねとカバーとの間に配置されてい
ると有利である。
【0151】例えばブレーキとして構成されていること
のできる抑止装置はセンサ自体によって形成することが
できる。この場合には、センサが摩擦クラッチの遮断過
程に関連してより強い作用、例えばブレーキ作用を第2
のリングに発生させると特に有利である。この場合には
構成は、センサが摩擦クラッチの接続された状態で、摩
耗フィーラリングの後調節を保証し(これはリングの回
動可能性の解放によって行うことができる)、しかも皿
ばね(又は遮断部材)の円錐性の変化に関連して又はカ
バーに対する押圧板の軸方向の位置の変化に関連して行
うことができる。この場合にはセンサは軸方向に強制的
に従動可能な少なくとも1つの部材から成っていること
ができ、該部材は摩擦クラッチが接続された、新しい状
態で又は後調節装置が摩耗に相応して後調節された状態
で次のような力成分でクラッチ構成部材の1つ━カバ
ー、皿ばね又は押圧板━と第2のリングの上に支承さ
れ、周方向に作用する搬送装置の作用下にあるリングの
回動、ひいては軸方向の移動が阻止されているが、しか
し摩耗に基づき皿ばねの円錐性が変化した場合又は押圧
板の軸方向の位置が変化した場合には摩擦クラッチが接
続された状態でセンサの支持範囲が第2のリングにかか
る負荷を少なくとも軽減させるか又はリングから離され
(制動作用は少なくとも減少される)かつ第2のリング
が搬送装置によって回動され、ひいては軸方向に移動さ
せられ得るようになっている。
【0152】このようなセンサは有利な形式で皿ばね状
の構成部材によって形成することができる。該構成部材
は皿ばねの上に固定されていることができる。この場合
センサは半径方向外側の範囲で皿ばねの片側に固定され
ていることができ、他の半径方向範囲で皿ばねを軸方向
で掴み、皿ばねの他方の側で第2の支持範囲で第2のリ
ングに支持されていることができる。
【0153】しかしながらセンサ、例えば皿ばね状の構
成部材はカバーにしっかりと枢着され、第2のリングに
向き合った支持範囲でカバーのストッパ範囲に、クラッ
チの遮断に際して橋絡可能な範囲で向き合って位置する
ことができる。すなわち、遮断に際して、押圧板により
保持された第2のリングはカバーに向かって移動し、こ
れによって例えばカバーの他方の側に旋回可能に固定さ
れた、弾性的に構成されたセンサの制動作用が高められ
る。
【0154】後調節リングを回動させるための搬送手段
は少なくとも後調節リングの少なくとも1つのためにば
ねによって形成しておくことができる。この場合には第
1のリングのためのばねはカバーに支えられ、第2のリ
ングのためのばねは第1のリングに支えられていると有
利である。この場合に有利なことは第1のリングのばね
が第2のリングのばねよりも強いことである。
【0155】特に簡単な構成は、第2のリングの回動が
行われたあとで第1のリングの回動を解放し、かつ第2
のリングの回動に相応して解放する係止装置が、第2の
リングの半径方向のストッパ突起によって形成され、こ
のストッパ突起に━周方向で見て━第1のリングの追送
する半径方向の突起が向き合って位置していることによ
って得られる。
【0156】特に有利な構成は、第2のリングがクラッ
チの遮断された状態で回動を阻止されていると得られ
る。これは例えば、第2のリングと構成部材の上の、該
構成部材と第2のリングとの間のストッパ範囲との間
で、クラッチの接続・遮断過程に際して軸方向の相対運
動が行われ、遮断された状態で前記の間隔が橋絡され、
第2のリングがこのストッパ範囲における支持によって
回動が阻止されることで得られる。第2のリングがカバ
ーに設けられている実施例においては、遮断された状態
で皿ばねが第2のリングに支持されるように装置は構成
することができる。第2のリングが押圧板に設けられて
いる装置構成では、遮断状態で押圧板が軸方向に移動さ
せられた場合に、押圧板がカバーに設けられた範囲でこ
の第2のリングに支持され、この第2のリングの回動を
ロックする。
【0157】本発明の摩擦クラッチはいわゆる引張型ク
ラッチとして単腕レバーとして有効な皿ばねを備えてい
ることができる。この場合、第2のリングは第1のリン
グの半径方向内側に配置され、両方のリングは軸方向で
皿ばねとカバーとの間に設けておくことができる。
【0158】別の実施態様は皿ばねが引張型である場合
に、第2のリングが第1のリングの半径方向外側に配置
され、両方のリングが軸方向で皿ばねと押圧板との間に
配置されていることによって得られる。
【0159】別の実施態様においては摩擦クラッチがい
わゆる押し型クラッチであって、2腕レバーとして有効
な皿ばねを有し、第2のリングが第1のリングの半径方
向内側に配置され、両方のリングが軸方向で皿ばねと押
圧板との間に設けられていることができる。押し型クラ
ッチとしての摩擦クラッチの実施態様では第2のリング
は第1のリングの半径方向外側に配置でき、両方のリン
グを皿ばねとカバーとの間に配置できる。
【0160】既に述べたようにリング自体がランプを有
し、対応ランプは特に簡単な形式でクラッチカバーに押
込み変形されたランプによって形成しておくことができ
る。この場合、摩擦クラッチに空気を送るためには、個
々のランプの間に、すなわち屋根状に起立させたランプ
のコルニスの範囲において透し孔をカバー材料に設けて
おくことが特に有利である。この場合、ランプの傾斜は
有利には、クラッチが回転する場合に摩擦クラッチの内
室に空気流が生ぜしめられるように選択されている。こ
れによって特に摩擦ライニングの寿命が著しく改善され
ることが判明した。
【0161】摩擦クラッチの構成とは無関係に、特に有
利であるのは、第1のリング━摩耗補償リング━が同時
に皿ばねのための旋回支承部を有しているか又は形成し
ていることである。
【0162】これまで述べた発明の特徴とは無関係に本
発明の思想は、冒頭に述べた形式の摩擦クラッチにおい
て、後調節装置をクラッチカバーと皿ばねとの間に設
け、しかもこれらの構成部分の間の軸方向の構成スペー
スに設けることである。この場合、配置はカバーと皿ば
ねとの間の半径方向の構成スペース内に行うこともでき
る。
【0163】別のそれ自体独立した本発明の思想は、冒
頭に述べた形式の摩擦クラッチにおいて後調節装置が互
いに半径方向の間隔をおいてかつ同心的に設けられた2
つのリングを有しており、これらのリングがそれぞれ搬
送装置の影響下で周方向に回動可能な後調節装置、例え
ばランプと対応ランプとを備えたランプ装置の作用下で
軸方向に皿ばねに向かって移動可能であり、皿ばねが第
1の半径方向範囲でクラッチが接続された状態で第1の
リング━摩耗補償リング━に支えられて、その後調節装
置の回動を阻止しており、第2のリング━摩耗フィーラ
リング━の後調節装置が、センサを有し、センサが第2
のリングに第1の半径方向の範囲から離れた範囲におい
て支持されることにより回動を阻止する抑止装置の作用
に晒されており、該抑止装置の作用が摩耗に際してかつ
摩擦クラッチが接続された状態で少なくとも減少可能
で、第2のリングの、摩耗に相応する軸方向の移動が後
調節装置の適当な軸方向の移動を可能にし、クラッチの
遮断の間は抑止装置の作用が強められるようにしたこと
である。
【0164】本発明は摩擦クラッチ一般に関する。特に
摩擦クラッチの少なくとも摩擦ライニングの摩耗を補償
する後調節装置、特に、例えば特許出願P42 39
291.8号、P43 06 505.8号、P42
39 289.6号、P4231 131.4号、P4
2 567.6号及びP43 175 87.2号明細
書記載の後調節装置を有する摩擦クラッチに関する。上
記の特許出願の対象は本発明の内容に完全に属するもの
であり、このため、本明細書には上記特許出願の対象が
含まれている。
【0165】クラッチ摩耗の自動後調節機能を有するこ
の型式のクラッチでは、高いクラッチ押圧力を有すると
共に、極めて低いレリーズ力を有するようにすることが
求められており、この場合このレリーズ力が、クラッチ
の全寿命期間に亘って、換言すれば特にクラッチライニ
ングが摩耗する全稼働期間に亘って、できるだけ一定に
保持されることが必要とされている。
【0166】高いクラッチ押圧力と同時に低いレリーズ
力をうるには、力が極めて急激に低下する特性を有する
皿ばねが必要である。レリーズ力の経過はそこにおける
力の変動ができるだけ僅かであることが必要であるが、
このようなクラッチのための皿ばねのほぼ一定の力−距
離特性、換言すれば、確実で完全なクラッチ遮断のため
の、公差のために付加的なレリーズ距離余裕を有する力
−距離特性は十分にはえられない。それというのは、と
りわけ、急激に低下する特性曲線を示す皿ばねは、比較
的短い距離経過後既に、極めて急激に上昇する特性曲線
を再び示すからである。図94に一点鎖線で示されてい
る特性曲線は、典型的なばね特性曲線を示すものである
が、この場合クラッチ連結時におけるほぼ1mmのばね
距離での力及びライニング解放時における2mm及び3
mmのばね距離での力が示されており、この場合力の経
過はライニング解放時の2mm及び3mmのレリーズ距
離において既に上昇傾向を示している。この3mmの距
離は必要な最小レリーズ距離であるが、この場合距離公
差、組付公差並びに構造部品自体の公差及びクラッチの
弾性に基づく距離損失分がさらに加わる。さらに、レリ
ーズ系の公差による付加的な距離変動分が加わり、その
結果必要なばね距離は少なくとも3.5mmになる。こ
のことは既に著しく急激にレリーズ力が上昇することを
意味しており、また例えば、前記の特許出願P42 3
9 291.8号明細書記載のものに相応するセンサ皿
ばねを有するクラッチでは、後調節装置の後調節リング
の望ましくない不都合な調節作動が行われることを意味
している。
【0167】従って本発明の課題はさらに、上記の欠点
を排除すること、換言すれば、可能な公差を含む全レリ
ーズ距離に亘ってできるだけ低いかつできるだけ一定の
レリーズ力を有し、同時に、可能な最大レリーズ距離に
亘って、許容できない又は望ましくない力の上昇が避け
られるクラッチを提供することにある。さらに、クラッ
チ及びその構成部分の製作が簡単でかつコスト的に有利
に行うことができ、この場合これらの構成部分の設計も
容易に行うことができるクラッチを提供することにあ
る。これらの課題を少なくとも部分的に解決するため、
高いレリーズ力を有する慣用のクラッチでは、甘受でき
るペダル操作力をうるため、クラッチとペダルとの間の
レリーズ系に例えば高価な油圧又は空気圧サーボ補助装
置が使用されている。
【0168】しかしこのような解決手段は全く決定的な
欠点を有している。即ちクラッチの大きなレリーズ力が
レリーズベアリングを介して操作系に伝達され、従って
クラッチ内においても操作系内においても、高いレリー
ズ力により、極めて大きな弾性損失及び摩擦損失が発生
するという欠点、さらには、クラッチの構成部分並び
に、例えばエンジンのアキシャル軸受を含む全操作系
を、上記の極めて高い力を考慮して、相応して高価な構
成部分によってのみえられる十分な強度に設計しなけれ
ばならないという付加的な欠点を有している。
【0169】本発明の課題は、これらの系の上記の欠点
を排除することにある。
【0170】本発明によれば上記の課題は、図94にお
けるばね行程距離の点1及び2間の力の低下が先に述べ
た力の低下にほぼ等しい経過を示す皿ばねを使用するこ
とによって解決されている。該皿ばね自体は著しく低い
力最小値を有し、この場合最小値は0よりも小、即ち負
であることができる。このような皿ばねは、図94の実
線の特性曲線から容易に判るように、10 000N−
線との両交点間の距離は、10 000N−線との両交
点がほぼ1mmにすぎない一点鎖線の特性曲線を示すば
ねに対して、2mmより大になっている。換言すれば、
この力範囲における全行程距離が実線の特性を有する皿
ばねでは2倍になっている。実線の曲線に相応するこの
ような特性曲線を示すクラッチはしかしクラッチ操作上
極めて大きな欠点を有している。それというのはこの場
合最初の距離範囲では正の力、次いで負の力までの低
下、続いて再び正の力までの上昇が示されるからであ
る。このことは、レリーズ行程距離に亘って相応する力
の変化がレリーズ系中に生じ、これをペダルを介して申
し分なくコントロールすることはできないからである。
【0171】しかし、最小値があまり低い値まで低下し
ない、要するに力の最小値が零より僅かに上にある、換
言すれば力が常に正である皿ばねが使用された場合で
も、クラッチの機能は、レリーズ時における極めて著し
い力の変化により、コントロールが極めて困難である。
本発明によれば、クラッチ皿ばねの力の最小値の範囲に
おいて主に作用する少なくとも1つの付加的な所謂補償
ばねの使用により、後に詳述するように、図94の実線
の特性曲線に示されている力の著しい低下が避けられ
る。かつまた、実線の曲線で示された特性曲線からの延
長された分岐曲線が十分に利用され、かつ同時に、力の
許容できない低下が避けられることにより、必要なレリ
ーズ操作性が達成される。
【0172】
【実施例】図1及び図2に示されている摩擦クラッチ1
はケーシング2及び該ケーシング2に回動不能にしかし
軸方向ではある限度内で変位可能に結合されたプレッシ
ャプレート3を有している。軸方向でこのプレッシャー
プレート3とクラッチカバーとしてのケーシング2との
間には押圧用ダイヤフラムばね4が張設されており、該
ダイヤフラムばね4は、ケーシング2によって支持され
ているリング状の旋回支承部5を支点としてクラッチ遮
断位置及び連結位置に旋回可能であり、かつ該連結位置
ではプレッシャープレート3をいねじ6aを介してケー
シング2に不動に結合された対応受圧板6、例えばフラ
イホイール、に押圧し、これによりクラッチディスク8
の摩擦ライニング7がプレッシャープレート3と対応受
圧板6との摩擦面間に締め込まれる。
【0173】プレッシャプレート3はケーシング2に、
周方向若しくは接線方向に向けられている板ばね9を介
して回動不能に結合されている。図示の実施例ではクラ
ッチディスク8は所謂ライニングばねセグメント10を
有しており、これは、両摩擦ライニング7の互いに向か
い合う方向での限られた軸方向変位を介して摩擦ライニ
ング7に作用する軸方向力の漸進的な上昇を可能にする
ことによって、摩擦クラッチ1の連結時の漸進的なトル
クの発生を保証する。しかしまた、摩擦ライニング7が
軸方向で実際不動に支持ディスクに設けられているクラ
ッチディスクを使用することも可能である。このような
場合には「ライニングばね組」を使用することができ
る。要するにダイヤフラムばねと直列のばね装置、例え
ばクラッチカバーとフライホイールとの間、クラッチカ
バーとクラッチカバー側の支持部との間並びにダイヤフ
ラムばねとプレッシャープレートとの間のばね装置を使
用することができ、又はクラッチカバーの弾性を利用し
てもよい。
【0174】図示の実施例では、ダイヤフラムばね4は
押圧力を作用させるリング状の基体4aを有し、ここか
ら半径方向内側へ操作用舌状部4bが延びている。ダイ
ヤフラムばね4はこの場合、半径方向でさらに外側にあ
る範囲でプレッシャープレート3にばね負荷を与えてお
り、また半径方向でさらに内側にある範囲で旋回支承部
5を支点として傾倒するように、組付けられている。
【0175】旋回支承部5は2つの旋回支点11,12
を有しており、これらは図示の実施例では線材により形
成されており、これらの線材の間にダイヤフラムばね4
が軸方向で保持され若しくは締込まれている。ダイヤフ
ラムばね4のプレッシャープレート3側に設けられてい
る旋回支点11は蓄力部材13により軸方向でケーシン
グ2に向って力を負荷されている。蓄力部材13は皿ば
ねによって若しくは皿ばね状の構造部分によって形成さ
れており、かつ外側の縁範囲13aでケーシング2に支
持されかつ半径方向内側にある区分で旋回支点11をダ
イヤフラムばね4に対して、ひいてはケーシング2に対
して軸方向に押付けている。プレッシャープレート3と
ダイヤフラムばね4との間に設けられている皿ばね13
は外側のリング状の縁範囲13bを有し、その内側の縁
部からは半径方向内側へ延びる舌状部13cがでてお
り、これらは旋回支点11に支持されている。
【0176】皿ばね状の構造部分13を支持するために
図示の実施例ではケーシング2に付加的な手段14が設
けられており、これは皿ばね状の構造部分13のための
旋回支点を形成している。これらの付加的手段は接着又
はリベット止めされたセグメント状の個々の部材によっ
て形成することができ、これらはケーシング内周面に等
間隔に分配して配置することができる。上記の手段14
はしかしまた円形リング状の、それ自体で閉じた1つの
構造部分によって形成することもできる。さらに上記支
持手段14はケーシング2から直接成形されていてもよ
く、例えばケーシング2の軸方向範囲に加工された圧刻
部又はケーシング壁を舌状に切り起した部分として形成
することができ、これらは、皿ばね状の構造部分13を
挿入又は締込んだ後に該構造部分13の外側の縁部の下
へ変形加工により押込まれる。さらにまた、支持手段1
4と皿ばね状構造部分との間にバヨネット継手若しくは
バヨネット式の係止機構を設け、皿ばね状の構造部分1
3をまずあらかじめ緊縮させ、次いで該構造部分13の
半径方向外側範囲を軸方向で支持手段14上へ移動さ
せ、次いで皿ばね状構造部分13をケーシング2に対し
て相応して回わし、構造部分13の支持範囲を支持手段
14に係止させることもできる。この場合皿ばね状構造
部分13の支持範囲はリング状の基部13bから半径方
向外側へ突出した突条片によって形成することができ
る。
【0177】クラッチ操作用若しくは押圧用のダイヤフ
ラムばね4及び場合によっては皿ばね状の構造部分13
の回動防止並びに線材リング11,12のセンタリング
のために、ケーシング2には軸方向に延びるセンタリン
グ手段がリベットエレメント15の形で固定されてい
る。これらのリベットエレメント15はそれぞれ軸方向
に延びる軸部15aを有し、該軸部15aは隣合うダイ
ヤフラムばね舌状部4b間に形成されている切欠きを軸
方向で貫通して延びさらに上記切欠きに所属している、
皿ばね状構造部分13の舌状部13cに形成されている
範囲13d内に部分的に係合する。
【0178】皿ばね状構造部分13は、所定の作動距離
にわたって少なくとも実質的にほぼ一定の力を生ずるセ
ンサばねとして構成されている。このセンサばね13を
介して、ダイヤフラムばね4の舌状部先端部4cに負荷
される、クラッチを解離(遮断)するときのクラッチ解
離力がとらえられる。この場合解離力によって旋回支点
11に生じる力とセンサばね13によりこの旋回支点1
1に作用する反力とは、常に、少なくともほぼ平衡す
る。この場合「解離力」とは、摩擦クラッチ1の操作中
ダイヤフラムばね4の舌状部先端部4c若しくはダイヤ
フラムばね舌状部のレリーズレバーに作用する、従って
センサばね13とは逆向に作用する力である。
【0179】ケーシング側の旋回支点12はダイヤフラ
ムばね4とケーシング2との間の軸方向スペース内にあ
る、ケーシング2に設けられた後調整装置16に支持さ
れている。この後調整装置16は、旋回支点11及び1
2がプレッシャープレート3に向って若しくは対応受圧
板6に向って軸方向に変位するさいに、旋回支点12と
ケーシング2との間若しくは旋回支点12とダイヤフラ
ムばね4との間に、望ましくない遊びが生じないように
するものである。これにより、摩擦クラッチ操作時に、
望ましくない遊び行程が発生せず、これにより極めて良
好な効率及びこれによる申し分ない摩擦クラッチ操作が
えられる。旋回支点11,12の軸方向変位はプレッシ
ャープレート3及び対応受圧板6並びに摩擦ライニング
7の摩擦面に軸方向摩耗が生じたさいに行われる。後調
整はしかしまた本発明の装置においては、旋回支点1
1,12若しくは該旋回支点に向き合っているダイヤフ
ラムばね範囲が摩耗した場合及びプレッシャープレート
突出部3aの範囲におけるダイヤフラムばね若しくは該
プレッシャープレート突出部範囲に向き合っているダイ
ヤフラムばね範囲が摩耗した場合にも行われる。旋回支
承部5の自動的な後調整作用は後に図8〜図11の線図
について詳細に説明する。
【0180】後調整装置16は、リング状の構成部材1
7の形のばね負荷された後調整部材を有しており、この
構成部材17は図3及び図4に示してある。リング状の
構成部材17は、周方向に延びていてかつ軸線方向に傾
斜する乗り上げテーパ部18を備えており、乗り上げテ
ーパ部は構成部材17の周囲にわたって分配されてい
る。後調整部材17は乗り上げテーパ部18をケーシン
グ底部2aに向けるようにクラッチ1内に組み込まれて
いる。後調整部材17の乗り上げテーパ部18とは逆の
側では、線材リングによって形成された旋回支持部材1
2が溝状の切欠き19(図2)内にセンタリングして配
置されている。この場合、切欠き19は旋回支持部材1
2を後調整部材17に軸線方向でも確保しておくように
構成されていてよい。このことは、例えば後調整部材1
7の切欠き19に隣接する範囲が少なくとも部分的に旋
回支持部材12を締め付け固定するようにすること、若
しくは旋回支持部材12のためのスナップ結合部を形成
することによって行われる。旋回支持部材12と後調整
部材17のために異なる材料を用いる場合に有利には、
大きな温度変化に基づき生じる膨張誤差を補償するため
に、線材リングとして構成された旋回支持部材12が開
いていて、すなわち周囲上の少なくとも1ケ所で切断さ
れており、これによって切欠き19に対する線材リング
12の周方向での運動が可能になり、ひいては線材リン
グ12が切欠き19の直径変化に適合できる。
【0181】図示の実施例においては後調整部材17が
プラスチック、例えば耐熱性の熱プラスチックから成っ
ており、このようなプラスチックはさらに付加的に繊維
で強化されていてよい。これにより、後調整部材17が
簡単に射出成形品として製造される。単位重量の小さい
プラスチックから成る後調整部材は、すでに述べたよう
に、わずかな慣性力しか生ぜしめず、これによって圧力
振動に対する応働性も減少する。旋回支持部材も直接に
プラスチックリングによって構成されていてよい。後調
整部材17は薄板成形品として構成され、若しくは焼結
によって形成されてよい。さらに適当な材料選択によっ
て旋回支持部材12が後調整部材17と一体に形成され
ていてよい。旋回支持部材11が直接にセンサばね13
によって構成されていてよい。このために、舌片13c
の先端が例えば条溝のような適当な圧刻部、若しくは成
形部を有していてよい。
【0182】後調整部材17は周囲にわたって均一に分
配されたリベット15の軸線方向に延びる範囲15aに
よってセンタリングされる。このために、後調整部材1
7がセンタリング輪郭20を有しており、このセンタリ
ング輪郭は周方向に延びる切欠き21によって形成され
ており、この切欠きは半径方向で旋回支持部材11の内
側に位置している。切欠き21を形成するために、後調
整部材17が内側の縁部範囲に半径方向内側に延びる突
出部22を有しており、この突出部が切欠き21の半径
方向内側の輪郭を制限している。
【0183】図3から明らかなように、周方向で見て均
一に分配された切欠き21間にそれぞれ5つの乗り上げ
テーパ部18が設けられている。切欠き21は周方向で
後調整部材17にケーシング2に対する少なくとも所定
の角度の回動を可能にするように構成されており、この
所定の回動角度は摩擦クラッチ1の耐用年数にわたって
プレッシャプレート3、及び対抗受圧板6の摩擦面、並
びに摩擦ライニング7に生じる摩滅の後調整、或いはク
ラッチ自体、すなわち支持部材11,12、支持部材間
に位置するダイヤフラムばね部分、プレッシャプレート
突起3a、若しくはダイヤフラムばね4のプレッシャプ
レート突起に向いた部分の摩滅の後調整を保証するよう
に規定されている。このような後調整角度は乗り上げテ
ーパ部の設計に応じて8度と60度との間の大きさ、有
利には10度と30度との間の大きさである。図示の実
施例では回動角度は12度であり、乗り上げテーパ部1
8の傾斜角度23は同じく12度である。傾斜角度23
は、後調整リング17の乗り上げテーパ部18と図5及
び図6に示す支持リング25の対抗乗り上げテーパ部1
8との圧着に際して生じる摩擦が乗り上げテーパ部18
と対抗乗り上げテーパ部24との間の滑りずれを阻止す
るように選ばれている。乗り上げテーパ部18及び対抗
乗り上げテーパ部24の範囲の材料組み合わせに応じ
て、傾斜角度23は4度と20度との間の範囲にある。
【0184】後調整リング17は周方向、それも後調整
回動方向、すなわち1つの方向にばね負荷されており、
この方向は支持リング25の対抗乗り上げテーパ部24
上への乗り上げテーパ部18の乗り上げにより、プレッ
シャプレート3の方向、すなわちケーシング部分2aか
ら離れる方向への後調整リング17の軸線方向ずれを生
ぜしめる。図1及び図2に示してある実施例において
は、後調整リング17のばね負荷が少なくとも1つのリ
ング状の脚ばね26によって保証されており、該脚ばね
は例えば2つの巻条を有していて、一方の端部に、半径
方向へ延びて後調整リング17と回動不能に結合された
脚部27を備え、かつ他方の端部に軸線方向へ延びる脚
部28を備えており、軸線方向へ延びる脚部がケーシン
グ2に回動不能に懸架されている。脚ばね26は弾性的
に緊張して組み込まれている。
【0185】図5及び図6に示す支持リング25は同じ
くリング状の構成部材によって構成されており、この構
成部材が対抗乗り上げテーパ部24を備えており、対抗
乗り上げテーパ部が乗り上げテーパ部18によって制限
形成された面に対して相補的な面を形成しており、この
場合、乗り上げテーパ部18及び対抗乗り上げテーパ部
24によって制限形成された面が互いに合同であっても
よい。対抗乗り上げテーパ部24の調整角度29は乗り
上げテーパ部18の傾斜角度23に相応している。図3
と図5との比較によって明らかであるように、乗り上げ
テーパ部18及び対抗乗り上げテーパ部24は周方向で
類似して分配されている。支持リング25はケーシング
2に回動不能に結合されている。このために、支持リン
グ25は周囲に分配された切欠き30を有しており、該
切欠きを貫いてリベット15の付加部が延びている。
【0186】図2に破線でリング状の別の脚ばね26a
を示してあり、該脚ばねは脚ばね26と類似して端部区
分を曲げられていて、一方でケーシング2との回動不能
な結合、及び他方で後調整部材17との回動不能な結合
を保証している。脚ばね26aは同じく弾性的に緊張し
て組み込まれていて、後調整部材17に回動力を生ぜし
める。2つの脚ばね26,26aの使用が多くの実施例
にとって有利である。それというのは、摩擦クラッチ1
の回転に際して脚ばね26若しくは26aに作用する遠
心力に基づきばね力が増大せしめられるからである。2
つの脚ばねの使用により、例えば脚ばね26に生じる力
増大が脚ばね26aからもたらされる力によって補償さ
れる。このために脚ばね26,26aは、少なくとも遠
心力作用のもとに後調整部材17に周方向で逆向きに作
用する力を生ぜしめるように巻かれている。両方の脚ば
ね26,26aは単数若しくは複数の巻条を備えてい
て、かつ図2に示してあるように異なる巻条直径を有し
ており、脚ばね26,26aに作用する遠心力(この遠
心力は異なる大きさの周方向力を後調整部材17に生ぜ
しめる)が個別の脚ばね26,26aの線材太さ及び/
又は巻条数の適当な設計によって少なくともほぼ補償で
きる。図2では、脚ばね26が半径方向で後調整部材1
7の内側に配置され、脚ばね26aが半径方向で後調整
部材17の外側に配置されている。しかしながら両方の
脚ばねが適当な設計によって半径方向で後調整部材17
の内側若しくは外側に配置されてもよい。
【0187】図7は脚ばね26の平面図である。脚ばね
26の弛緩状態では、脚部27,28が40度と120
度との間の大きさの角度31だけずらされている。この
角度31は図示の実施例では85度である。符号32で
脚部28に対する脚部27の相対的な位置を示してお
り、この位置は摩擦クラッチ1内の新しい摩擦ライニン
グ7において脚部によって占められる。符号33で脚部
27の相対的な位置が示してあり、この位置は摩擦ライ
ニング7の最大許容摩滅量に相応する。後調整角度34
は図示の実施例では12度の大きさである。脚ばね26
は、弛緩状態では両方の脚部27,28間に1つの巻条
35のみが延びているように構成されている。残りの周
範囲では2つの巻条が軸線方向で上下に位置している。
脚ばね26aは脚ばね26と類似して構成されているも
のの、大きな巻条直径及び図2の後調整部材17に関連
して別の緊張方向を有している。しかしながら脚ばね2
6によって後調整部材17に生ぜしめられる力は脚ばね
26aの力よりも大きくなっている。
【0188】摩擦クラッチ1の新たな状態では、乗り上
げテーパ部18及び対抗乗り上げテーパ部24を形成す
る突起18a,24aが最も広い範囲で軸線方向で互い
に係合しており、すなわち互いに接触するリング17及
び25は軸線方向の最もわずかな構成スペースしか必要
としない。
【0189】図1及び図2の実施例において、対抗乗り
上げテーパ部24若しくは該対抗乗り上げテーパ部を形
成する突起状の付加部24aが固有の構成部分によって
構成されている。しかしながら対抗乗り上げテーパ部2
4は直接にケーシング2によって、例えば突起状の付加
部をケーシング内部へ圧刻することによって構成されて
もよい。圧刻は特に一体に構成された薄板ケーシング若
しくはカバーにとって有利である。
【0190】摩擦クラッチ1の組み立ての前に調整リン
グ17をその引っ込められた位置に保持するために、調
整リングが突起22の範囲に回動阻止手段若しくは戻り
阻止手段のための係合部分36を有しており、この係合
部分は他方でケーシング2に支えられる。このような戻
り阻止手段は摩擦クラッチ1の製作に際して若しくは組
み立てに際して設けられ、はずみ車6上への摩擦クラッ
チ1の取り付けの後にクラッチから除去され、これによ
って後調整装置16が機能する。図示の実施例ではカバ
ー若しくはケーシング2に周方向に細長く延びる切欠き
37が設けられ、かつ後調整リング17に凹所若しくは
付加部38が設けられている。この場合周方向に細長く
延びる切欠き37は、後調整リング17が最大の摩滅後
調整角度に相応して戻り回動できるような距離を有して
いる。摩擦クラッチ1の組み立ての後に回動工具がカバ
ーのスリット37を軸線方向に通され、調整リング17
の切欠き38内に挿入される。次いで後調整リング17
が工具を用いて戻り回動せしめられ、これによってケー
シング2の半径方向の範囲2aの方向へ移動させられ、
この範囲2aに対して軸線方向の最小距離を占める。こ
の位置で、次いで後調整リング17は、例えばクテーパ
部若しくはピンを用いて確保せしめられるようになって
おり、ピンはカバー及び後調整リング17の合致する切
欠き内に係合して、カバー及び後調整リングの回動を阻
止する。このようなピンははずみ車6上への摩擦クラッ
チ1の取り付けの後に切欠きから取り除かれ、その結
果、すでに述べたように後調整装置16が解放される。
ケーシング2内のスリット37は、はずみ車6から摩擦
クラッチ1を取り外す際に若しくは取り外した後に後調
整リング17を後退位置へもたらし得るように構成され
ている。このために、摩擦クラッチ1がまず解離され、
これによって操作ダイヤフラムばね4が旋回支持部材1
2に軸線方向力を生ぜしめず、従って、後調整リング1
7の申し分のない回動が保証される。
【0191】内燃機関にすでに取り付けられた摩擦クラ
ッチ1の構成部材を機能の損なわれない正確な位置にも
たらすための別の可能性が、後調整部材若しくは後調整
リング17を内燃機関若しくははずみ車への取り付けの
後に初めて戻り回動、若しくは戻し調整することにあ
る。このために、例えば補助工具を介して摩擦クラッチ
1が作動せしめられ、次いで実質的に負荷軽減された後
調整リング17がプレッシャプレートに対して後退させ
られた位置へ調整される。次いで摩擦クラッチ1が再び
連結され、その結果、後調整リング17がこの後退させ
られた位置をまず維持する。
【0192】後調整リング17若しくは支持リング25
がそれぞれ、半径方向でずらされて位置しかつ周方向に
延びていて軸線方向で上り勾配の2つの乗り上げテーパ
部を有していてよく、これらの乗り上げテーパ部はそれ
ぞれ周方向で分配されている。この場合、半径方向で内
側の乗り上げテーパ部が半径方向で外側の乗り上げテー
パ部に対して周方向に、それもテーパ部長さ若しくはテ
ーパ部ピッチのほぼ半分だけずらされている。乗り上げ
テーパ部を周方向にずらすことによって、後調整リング
17と支持リング25との間の申し分のないセンタリン
グ案内が保証される。
【0193】次に、図8から図11の特性曲線図に描か
れた特性曲線と関連して、前述の摩擦クラッチ1の作用
を詳説する。
【0194】図8の線40は、ダイヤフラムばね4の2
つの支持部間での変形の際にダイヤフラムばね4の円錐
変化に関連して生じる軸線方向力を示しており、両方の
支持部間の半径方向の間隔は旋回支承部5とプレッシャ
プレート3の半径方向外側の支持直径3aとの間の半径
方向の間隔である。横座標には両方の支持部間の相対的
な軸線方向距離がプロットしてあり、かつ縦座標にはダ
イヤフラムばねによって生ぜしめられた力がプロットし
てある。点41がダイヤフラムばねの平面位置を表して
おり、この平面位置は閉じられた摩擦クラッチ1におい
て有利には組み込み位置として選ばれ、すなわちこの位
置ではダイヤフラムばねが適当な組み込み位置にとって
最大の圧着力をプレッシャプレート3に生ぜしめる。点
41は円錐形の組み込み位置、すなわちダイヤフラムば
ね4の設置状態の変化により線40に沿って上方若しく
は下方へ移動させられる。
【0195】線42はライニングばねセグメント10に
よって生ぜしめられる軸線方向の拡開力を表しており、
該拡開力は両方の摩擦ライニング7間に作用する。この
軸線方向の拡開力は、ダイヤフラムばね4によってプレ
ッシャプレート3に生ぜしめられる軸線方向力に対して
逆向きに作用している。有利には、ばねセグメント10
の弾性的な可能な変形のために必要な軸線方向力が少な
くとも、ダイヤフラムばね4によってプレッシャプレー
ト3に生ぜしめられる軸線方向力に相応している。摩擦
クラッチ1の解離の際にばねセグメント10がそれも距
離43にわたって弛緩される。プレッシャプレート3の
相応の軸線方向のずれにも相応する距離43にわたっ
て、摩擦クラッチ1の解離過程が助成され、すなわちラ
イニングばねセグメント10の存在していない場合には
(ライニングばねの存在していない場合に)組み込み点
41に相応するはずの軸線方向力よりもわずかな最大の
軸線方向力が生ぜしめられるだけでよい。点44の越え
られる際に、摩擦ライニング7が解放され、ダイヤフラ
ムばね4の漸減的な特性曲線範囲に基づき、さらに生ぜ
しめねばならない解離力は点41に相応する解離力に比
べて著しく減少している。摩擦クラッチ1の解離力は、
正弦弧状の特性曲線40の最小値、若しくは最下位点4
5に達するまでは減少する。
【0196】最小値45が超えられると、所要の遮断力
は再び増大し、この場合、舌片先端部4cの範囲におけ
る遮断移動距離は、最小値45が超えられた場合でも遮
断力が、ポイント44に生じる最大遮断力を超えずに、
有利にはこの最大遮断力よりも下に留まるように設定さ
れている。従って、ポイント46が超えられないことが
望ましい。
【0197】力センサとして働くばね13は図9の特性
線47に示したような距離/力経過曲線を有している。
この特性線47は、皿ばね状の構成部材13の円錐度
が、弛緩された位置から変化させられ、しかも旋回支持
部11,14の間の半径方向間隔に相当する半径方向間
隔を有している2つの旋回支持部の間で変化させられる
場合に形成されるような特性線に相当している。特性線
47が示しているように、皿ばね状の構成部材13は、
この構成部材によって形成される軸方向力が実際に一定
のままとなるようなばね行程を有している。この場合、
範囲48で形成された力は、図8のポイント44で生じ
るクラッチの遮断力に少なくともほぼ相当するように設
定されている。センサばね13によって付与したい支持
力は、ポイント44に対応するダイヤフラムばね4の力
に比べて、前記ダイヤフラムばね4のてこ伝達比に相応
して減じられている。この伝達比はたいていの場合、
1:3〜1:5のオーダにあるが、しかし幾つかの使用
事例に対してはそれ以上又はそれ以下であってもよい。
【0198】前記ダイヤフラムばね伝達比は、支持部3
aに対する旋回支承部5の半径方向間隔と、たとえばク
ラッチ遮断支承部のための接触直径4cに対する旋回支
承部5の半径方向間隔との間の比に相当している。
【0199】摩擦クラッチ1における皿ばね状の構成部
材13の組込み位置は、この構成部材が旋回支承部5の
範囲で摩擦ライニング7の方向に軸方向ばね行程を実施
するように選択されている。このばね行程は、少なくと
も摩擦面及び摩擦ライニングの摩耗に基づき生じるよう
な受圧板6の方向におけるプレッシャプレート3の軸方
向における後調整行程に相当していると同時に、旋回支
承部5のための少なくともほぼ一定の軸方向支持力をも
保証している。すなわち、特性線47の直線状の範囲4
8は、少なくとも前記摩耗移動量に相当する長さ、有利
には前記摩耗移動量よりも大きな長さを有していると望
ましい訳である。その理由は、これによって組込み誤差
も少なくとも部分的に補償され得るからである。
【0200】クラッチ1を外すさい、摩擦ライニング7
の開放点44を事実上一様ないし一定に維持するには、
摩擦ライニング7の間に、いわゆる2重セグメントのラ
イニングばねを設けておけばよい。すなわち、対をなす
別々のばねセグメントを背中合せに設けておくのであ
る。その場合、個々のセグメント対が互いに対して一定
の軸方向の予圧を有するようにすることにより、クラッ
チ板8が挟付けられていない状態では、ライニングばね
により調達される軸方向力のすべてが、少なくとも、点
44に相応する、皿ばね4のリリース力に合致せしめら
れ、有利には、リリース力より幾分上回るようにされ
る。ライニング間に設けられたばね部材の予圧により、
使用時間中に生じる、ライニング裏側へのセグメントの
埋込み損失が、少なくとも実質的に補償できる。埋込み
損失とは、ライニングの裏側内へセグメントが入り込む
ことによって生じる損失である。有利には、ライニング
間に設けられる弾発部の予圧は0.3〜0.8mm、有
利には0.5mm程度である。両ライニング7間の軸方
向弾発距離を相応に制限することにより、かつまたライ
ニング間の有効ばねのセグメントの予圧を一定にするこ
とにより、更に少なくとも、クラッチ1のリリース時
に、加圧板3が、所定距離43にわたりライニング間の
ばねセグメントにより押戻されるようにすることができ
る。所定距離43を維持するためには、ライニング間の
軸方向距離を相応のストッパによりライニングばねセグ
メント10の除圧方向、加圧方向いずれの方向へも制限
することができる。ライニングばねセグメントとして
は、本発明と組合せるのが有利な、たとえば特許出願P
4206880.0により公知のばねを用いることがで
きる。前記出願は本発明の客体として受入れられてい
る。
【0201】図10において、特性線49は、プレッシ
ャプレートをポイント41からポイント44(図8参
照)に移動させる目的で、ダイヤフラムばねの範囲4c
に作用する遮断部材によってクラッチを遮断するために
必要となる所要遮断力を示している。特性線49はさら
に、範囲4cにおけるダイヤフラムばねの舌片先端部の
移動距離をも示している。
【0202】摩擦クラッチ1の最適な機能若しくはライ
ニング摩耗の自動的な補償を保証する後調整装置の最適
な機能を確保するためには、図10に示した実際に生じ
る遮断力特性線49で見て、まずライニングばね装置1
0とセンサばね13とによってダイヤフラムばね4に加
えられて、加算されていく力が、ダイヤフラムばね4に
よって支持部11に加えられる力よりも大きく形成され
ると有利である。摩擦ライニング7からのプレッシャプ
レート3の持ち上がり後でも、センサばね13によって
ダイヤフラムばね4に加えられる力は、ダイヤフラムば
ね舌片先端部の範囲4cに作用する、図10に示したよ
うにクラッチ遮断距離にわたって必要となる変化するク
ラッチ遮断力(特性線49)よりも大きいか、又は少な
くとも前記クラッチ遮断力に等しい大きさであることが
望ましい。さらに、この場合にセンサ皿ばね13によっ
て支持部11に加えられる力は、少なくともほぼ、皿ば
ねの組込み位置に対応する前記特性線40の降下区分の
ポイント41が超えられていない限り、ばね26のばね
力を受けているリング17の回動が阻止され、ひいては
皿ばねの軸方向ずれが阻止されるように設定されている
ことが望ましい。
【0203】これまでは、ダイヤフラムばね4の完全に
規定された組込み位置を考慮したものであり、摩擦ライ
ニング7の摩耗に関しては、まだ考慮していなかった。
【0204】例えば摩擦ライニング7の軸方向摩耗時で
は、プレッシャプレート3の位置が受圧プレート6の方
向にずれてしまい、これによってダイヤフラムばねの円
錐度は変化し(舌片先端部4cが、図面で見て右側に移
動する)、摩擦クラッチ1の連結状態においてダイヤフ
ラムばねによって加えられる押圧力も、増大方向で変化
する。このような変化により、ポイント41はポイント
41′の方向に移動させられ、ポイント44はポイント
44′の方向に移動させられる。このような変化によ
り、摩擦クラッチ1の遮断時に最初から存在する、操作
用のダイヤフラムばね4とセンサばね13との間の旋回
支持部11の範囲における力平衡は妨げられる。ライニ
ング摩耗によって生ぜしめられた、プレッシャプレート
3のためのダイヤフラムばね押圧力の増大に基づき、ク
ラッチ遮断力の経過も増大の方向でシフトされる。これ
によって生じた遮断力経過は図10に破線50によって
示されている。遮断力経過の増大に基づき、摩擦クラッ
チ1の遮断過程の間、センサばね13によってダイヤフ
ラムばね4に加えられる軸方向力が克服されるので、セ
ンサばね13は旋回支承部5の範囲で、摩擦ライニング
7の摩耗量にほぼ相当する軸方向距離だけ従動する。
【0205】センサばね13のこのような変位段階の
間、ダイヤフラムばね4はプレッシャプレート3の負荷
範囲3aに支持されているので、ダイヤフラムばね4の
円錐度は変化し、ひいてはこのダイヤフラムばねに蓄え
られたエネルギ若しくはこのダイヤフラムばねに蓄えら
れたトルク、つまりダイヤフラムばね4によって旋回支
持部11に加えられる力若しくはセンサばね13によっ
てプレッシャプレート3に加えられる力も変化する。こ
のような変化は、図8との関係で認められるようにダイ
ヤフラムばね4によってプレッシャプレート3に加えら
れる力の減少方向で行なわれる。この変化は、旋回支持
部11の範囲でダイヤフラムばね4によってセンサばね
13に加えられる軸方向力が、センサばね13によって
形成される反力と平衡状態になるまで行なわれる。すな
わち、図8に示した線図においてポイント41′,4
4′が再びポイント41,44の方向の移動する訳であ
る。このような平衡が再び形成された後に、プレッシャ
プレート3は再び摩擦ライニング7から持ち上がること
ができる。このような摩耗の後調整段階の間、つまり摩
擦クラッチ1の遮断過程においてセンサばね13が従動
する間、後調整装置16の後調整部材17はプレロード
をかけられたばね26によって旋回させられ、これによ
って旋回支持部12もライニング摩耗に応じて後移動
し、従って再びダイヤフラムばね4の遊びなしの旋回支
承部5が保証されている。後調整過程後に、クラッチ遮
断力経過は再び図10に示した特性線49に相当する。
図10の特性線50,51は、特性線49,50に示し
た遮断力/移動力経過におけるプレッシャプレート3の
軸方向移動距離を表している。
【0206】図11に示した線図には、クラッチ遮断過
程においてケーシング2若しくは皿ばね13に加えられ
る力の遮断移動距離に対する力経過が示されている。極
端値は省略されている。図1に示したクラッチ連結位置
から出発して、ケーシング2には、ひいてはプレッシャ
プレート3にも、まずダイヤフラムばね4の組込みポイ
ント41(図8)に相当する力が作用する。クラッチ遮
断過程では、ダイヤフラムばね4によってケーシング2
若しくは旋回支持部12に加えられた軸方向力が、図1
1の特性線52に示したようにポイント53にまで減少
する。ダイヤフラムばねが軸方向でケーシングにしっか
りと旋回可能に支承されているような汎用のクラッチ、
つまり旋回支持部11が軸方向で従動不能にケーシング
2に結合されているようなクラッチでは、遮断方向でポ
イント53が超えられると、旋回支承部5の半径方向高
さでダイヤフラムばね4によってケーシング2に作用す
る力作用の軸方向方向転換が行なわれてしまう。本発明
によるクラッチでは、旋回支承部5の範囲において、ダ
イヤフラムばね4によって旋回支承部5の範囲に形成さ
れる力の軸方向方向転換がセンサばね13によって検知
される。ポイント54に到達すると、ダイヤフラムばね
4はプレッシャプレート3の負荷範囲から持ち上げられ
る。少なくともこのポイント54までは、摩擦クラッチ
1の遮断過程が、ライニングばね装置10によって加え
られる軸方向力により補助される。なぜならば、前記ラ
イニングばね装置がダイヤフラムばね力に抗して作用す
るからである。ライニングばね装置10によって加えら
れる力は、舌片先端部の範囲4cにおける遮断移動距離
が増大するにつれて、つまりプレッシャプレート3の軸
方向遮断行程が増大するにつれて減少する。従って、特
性線52とは、遮断過程にわたって認められる、舌片先
端部範囲4cに作用する遮断力と、半径方向の範囲3a
でライニングばね装置10によってダイヤフラムばね4
に加えられる軸方向力との合成力を表している。遮断方
向におけるポイント54が超えられると、ダイヤフラム
ばね4によって旋回支持部11に加えられる軸方向力は
センサ皿ばね13によって加えられる反力によって受け
止められ、この場合、これら2つの力は、少なくともプ
レッシャプレート3による摩擦ライニング7の負荷消滅
後に平衡状態となり、遮断過程が継続されると、センサ
ばね13によって旋回支持部5の範囲に加えられる軸方
向力は、形成される遮断力よりも少しだけ大きく形成さ
れると有利である。図11に示した線図の特性線52の
部分範囲55が示しているように、遮断移動距離が増大
するにつれて、遮断力若しくはダイヤフラムばね4によ
って旋回支持部11に加えられる力は、ポイント54で
生じる遮断力に比べて小さくなっていく。破線で示した
特性線56は、摩擦ライニング7の範囲で摩耗が生じて
いるが、しかし旋回支承部5の範囲でまだ後調整が行な
われていないような摩擦クラッチ1の状態に相当してい
る。この場合でも、摩耗によって生ぜしめられる前記ダ
イヤフラムばね4の組込み位置変化が、ケーシング2
と、旋回支持部11若しくはセンサばね13とに加えら
れる力を増大させることが判る。これによって、特にポ
イント54がポイント54′の方向に移動する結果とな
り、これにより、摩擦クラッチ1の新たな遮断過程にお
いて、旋回支持部11の範囲でダイヤフラムばね4によ
ってセンサばね13に加えられる軸方向力は、センサば
ね13の反力よりも大きくなる。従って、既に説明した
後調整過程がセンサばね13の軸方向変位によって行な
われる。ばね26によって生ぜしめられる後調整過程、
つまりリング17の旋回と支持部12の軸方向変位とに
基づき、ポイント54′は再びポイント54の方向にシ
フトされ、これによって、ダイヤフラムばね4とセンサ
ばね13との間の旋回支持部5の範囲における平衡状態
が再び形成されている。
【0207】前記後調整は実際には連続的に、若しくは
極めて小さなステップで行なわれるので、本発明を判り
易く説明する目的で線図に示した大きなポイントシフト
や特性線シフトは通常では生じない。
【0208】摩擦クラッチ1の運転時間全体にわたっ
て、幾つかの機能パラメータ若しくは運転パラメータは
変化する場合がある。すなわち、例えば摩擦クラッチ1
の不適切な操作によってライニングばね装置10の過熱
が行なわれ、その結果、硬化、つまりライニングばね装
置若しくはライニングセグメント10のばね弾性の低下
が生じてしまう。しかし、ダイヤフラムばね4の特性線
40の適宜な設定と、センサばね13の特性線47の適
宜な調整とによって、摩擦クラッチの運転確実な機能を
保証することができる。ライニングばね10の軸方向硬
化が生じても、ダイヤフラムばね4が、図1に示した位
置よりも押圧された位置を取るだけである。この場合、
図8に示した特性線40との関係で認められるように、
ダイヤフラムばね4によってプレッシャプレートに加え
られる力は僅かに小さくなるだけである。さらに、セン
サばね13の対応する軸方向変形、ひいては旋回支持部
11の対応する軸方向変位が行なわれる。
【0209】本発明の別の思想によれば、摩擦ライニン
グ7の摩耗が増大するにつれて、操作ダイヤフラムばね
4に作用する合成支持力が増大するようになっている。
この増大は摩擦ライニング7の、許容される最大合計摩
耗距離の部分範囲に限定されていてよい。ダイヤフラム
ばね4のための支持力の増大は、センサばね13の適宜
な設定によって行なうことができる。図9には、範囲4
8の上方で、破線で示した対応する特性線47aが示さ
れている。摩耗が増大するにつれて操作用のダイヤフラ
ムばね4のための支持力が増大することに基づき、例え
ばライニング内へのセグメントの埋込によるライニング
ばね力の減少によって生ぜしめられる、プレッシャプレ
ート3に対するダイヤフラムばね4の押圧力低下を少な
くとも部分的に補償することができる。この場合、ダイ
ヤフラムばね4のための支持力が、ライニングばね装置
の硬化に対して比例して、若しくはライニングへのセグ
メント埋込量に対して比例して増大すると、特に有利に
なり得る。すなわち、ライニングの範囲における板厚さ
の減少と共に、つまりセグメント埋込及び/又はライニ
ングばね装置の硬化及び/又はライニング摩耗に基づく
ライニングの摩擦面の間の間隔の減少と共に、前記支持
力が増大すると望ましい訳である。この場合、第1の部
分範囲における支持力増大が、第1の部分範囲に続く第
1の部分範囲における支持力増大よりも大きくなるよう
に支持力増大が行なわれると特に有利である。この場
合、前記両部分範囲は図9の範囲48内に位置してい
る。このような支持力増大の設定は有利である。なぜな
らば、ばねセグメントとライニングとの間の前記埋込み
の大部分が、主として摩擦クラッチの全寿命に比べて短
い時間内でしか行なわれず、その後にばねセグメントと
摩擦ライニングとの間の状態が実際に安定化するからで
ある。すなわち、規定された埋込量が超えられると、埋
込に関してもはや著しい変化は行なわれない訳である。
ダイヤフラムばねのための支持力の増大は、摩擦ライニ
ングの摩耗の少なくとも1部分にわたって行なうことも
できる。
【0210】摩擦ライニングの摩耗を補償するための後
調整動作の上述の記載では、板ばね9によって場合によ
ってはもたらされる軸方向力が考慮されなかった。プレ
ッシャプレート3が対応する摩擦ライニング7から持ち
上げられる方向で、つまりダイヤフラムばね4に向かっ
てプレッシャプレート3が押し付けられる方向で、板ば
ね9にプレロードがかけられている場合には、解離動作
の助成が行われる。これによって、板ばね9によっても
たらされる軸方向力に、センサばね13及びダイヤフラ
ムばね4によってもたらされる力と解離力とが重畳され
る。このことは、理解をより容易にする得るために、図
8〜図11に示された線図の記載においては、今まで考
慮されなかった。摩擦クラッチ1の解離状態においてダ
イヤフラムばね4をカバー側の転動支持部12に向かっ
て負荷する全力は、主として板ばね9とセンサばね13
と解離力とによってダイヤフラムばね4に加えられる力
の総和によって、生ぜしめられる。この場合板ばね9は
カバー2とプレッシャプレート3との間において、摩耗
の増大に連れて板ばね9によってダイヤフラムばね4に
加えられる軸方向力が大きくなるように、取り付けるこ
とができる。例えば図9に示されたばね行程48にわた
ってひいては後調整装置16の摩耗補償にわたって、板
ばね9から加えられる軸方向力は、特性線47bによっ
て示された経過を有することができる。図9から分かる
ように、センサばね13の弾発作用が増大するに連れ
て、板ばね9からプレッシャプレート3に加えられひい
てはダイヤフラムばね4にも作用する戻し力は、増大す
る。特性線47bによって示された力経過と皿ばね特性
線とが加算されることによって、生ぜしめられる力経過
は、軸方向でダイヤフラムばね4に作用し、つまりカバ
ーからの旋回支持部12に向かってダイヤフラムばね4
を押し付けるように作用する。特性線47aに示された
経過を得るために、つまり調節範囲47bの開始にまず
初め初期的な力上昇が行われ、この力上昇がほぼ一定の
力範囲へと移行するような経過を得るためには、図9の
特性線47cに相応した特性線経過を有するように、セ
ンサ皿ばねを設計すると有利である。特性線47cによ
って示された力経過と特性線47bによって示された力
経過とが加えられることによって、特性線47aによっ
て示された力経過が生ぜしめられる。つまり板ばね9の
相応なプレロードによって、センサばねによってもたら
される支持力もしくは支持力経過は減じられることがで
きる。板ばね9を適当に構成及び配置することによっ
て、同様に、ライニングばねのばね作用の減少及び/又
はライニングへのライニングばねセグメントの埋込みを
少なくとも部分的に補償することができる。つまりこれ
によって次のことが保証される。すなわち、ダイヤフラ
ムばね4は実質的に等しい運転ポイントもしくは等しい
運転範囲を維持することができ、この結果ダイヤフラム
ばね4は摩擦クラッチの耐用寿命にわたって、実質的に
少なくともほぼ一定の圧着力をプレッシャプレート3に
加えることが可能になる。さらに、摩擦クラッチの設計
時には、特にセンサばね13及び/又は板ばね9の設計
時には、後調整エレメント17に作用する後調整ばね2
6及び/又は26aによって生ぜしめられかつセンサば
ね13及び/又は板ばね9に抗して作用する軸方向力
が、考慮されねばならない。
【0211】プレロードをかけられた板ばね9を備えた
摩擦クラッチ1を設計する場合にはさらに次のこと、す
なわち、板ばね9のプレロードによって、プレッシャプ
レート3から摩擦ライニング7に加えられる軸方向力に
影響が与えられるということを、考慮しなくてはならな
い。つまり、ダイヤフラムばね4に向かって板ばね9が
プレロードをかけられている場合には、ダイヤフラムば
ね4によってもたらされる圧着力は、板ばね9のプレロ
ードの分だけ減じられる。すなわちこのように構成され
た摩擦クラッチ1では、ダイヤフラムばね4の圧着力経
過と板ばね9の緊張経過との重畳によって生ぜしめられ
る圧着力経過が、プレッシャプレート3もしくは摩擦ラ
イニング7のために形成される。摩擦クラッチ1の運転
範囲に関して考察すると、図8に示された特性線が、摩
擦クラッチ1の新規状態におけるダイヤフラムばね4と
プレロードをかけられた板ばね9とによって生ぜしめら
れた力経過を示していると仮定した場合、ライニングの
摩耗に起因してプレッシャプレート3と対応プレッシャ
プレート6との間における間隔が減少するに連れて、減
少の方向における力経過のシフトが生ぜしめられること
になる。図8には、例えば1.5mmの全体ライニング
摩耗に相当する特性線40aが、破線で示されている。
摩擦クラッチの耐用寿命にわたって生じる、特性線40
aの方向への特性線40のこのシフトによって、摩擦ク
ラッチ1の解離時にダイヤフラムばね4によってセンサ
ばね13に加えられる軸方向力、つまり、摩耗の増大に
連れて板ばね9によってダイヤフラムばね4に加えられ
る対向モーメントに基づく軸方向力は、減少する。この
対向モーメントは、ダイヤフラムばね4とプレッシャプ
レート3との間における負荷直径3aと旋回支承部5と
の間における半径方向距離に基づいて、生ぜしめられて
いる。
【0212】摩擦クラッチ1の構成において特に重要な
ことは、摩擦ライニング摩耗に基づく板ばね9の張力の
増大が、同じ摩擦ライニング摩耗に基づき生じてセンサ
ばね13の後調整の必要な旋回を生ぜしめる解離力増大
よりも小さいことである。そうでない場合には、摩擦ラ
イニング7のためのセンサばね13の圧着力が摩擦クラ
ッチの接続状態で低下させられ、後調整が全く行われな
いことになる。
【0213】図12及び図13に示された摩擦クラッチ
101が、図1及び図2に示された摩擦クラッチ1に対
して主として異なっている点は、後調整リング117が
コイルばね126によって周方向に負荷されていること
にある。摩擦ライニングの摩耗補償に関するその機能及
び作用形式に関しては、後調整リング117は図2〜図
4に示された後調整リング17に相当している。図示の
実施例では3つのコイルばね126が設けられており、
これらのコイルばねは、周方向にわたって均一に分配さ
れていて、クラッチケーシング2と後調整リング117
との間においてプレロードをかけられている。
【0214】特に図14から分かるように、後調整リン
グ117は内周部に半径方向の突出部もしくは段部12
7を有しており、これらの段部127には、円弧状に配
置されたコイルばね126がその一方の端部で、周方向
で後調整リング117を負荷するために支持されてい
る。コイルばね126の他方の端部範囲は、クラッチケ
ーシング2によって保持されたストッパ128に支持さ
れている。図示の実施例ではこれらのストッパ128
は、ねじに似た結合エレメントによって形成されてお
り、これらの結合エレメントはカバー2と結合されてい
る。しかしながらまたこれらのストッパ128は、クラ
ッチケーシング2と一体に構成されている軸方向の一体
成形部によって形成されていてもよい。例えばストッパ
128は、カバー2から軸方向に突出形成されたエンボ
ス加工部又は舌状片によって形成することが可能であ
る。特に図13及び図14から分かるように、リング1
17は内周部において次のように構成することが可能で
ある。すなわち、少なくとも実質的にばね126の延び
の範囲において、有利にはまた摩耗の後調整のために必
要なリング117の回動角にわたって、つまりコイルば
ね126の弛緩行程にわたって、ガイド129が設けら
れており、このガイドはコイルばね126の軸方向にお
ける保持と半径方向における支持とを保証している。ば
ねガイド129は図示の実施例では、横断面で見て、実
質的に半円状に構成された凹設部によって形成されてお
り、その制限面は実質的に、コイルばね126の横断面
に適合されている。
【0215】このような構成には、摩擦クラッチの回転
時にコイルばね126の申し分のない案内が与えられて
おり、これによってコイルばねの軸方向における逸脱を
回避できるという利点がある。図13に示されているよ
うにコイルばね126の付加的な確保のために、カバー
2はその半径方向内側の縁部範囲に、軸方向における一
体成形部130を有しており、これらの一体成形部は軸
方向においてばね126にオーバラップしている。個々
の一体成形部130の代わりにカバー2が、周方向にお
いて連続している軸方向の内縁部130を有していても
よい。内縁部130はダイヤフラムばね4の弛緩を制限
するために働くことができる。
【0216】図12〜図14に示された後調整ばね12
6の案内には次のような利点がある。すなわちこの場
合、摩擦クラッチ1の回転時に、ばね126の個々の巻
条が遠心力作用下において後調整リング117に半径方
向で支持されることができ、しかもこの場合ばね126
によって周方向にもたらされる移動力は、ばね巻条と後
調整リング117との間において生ぜしめられる摩擦抵
抗に基づいて、減じられるか又は完全に消滅させられ
る。ばね126はつまり摩擦クラッチ101の回転時に
(ばね作用を抑圧する摩擦力に基づいて)実質的に剛性
的な特性を有することになる。これによって、少なくと
も内燃機関のアイドリング回転数を上回る回転数におい
ては、後調整リング117がばね126によって回動さ
せられることを確実に回避することができる。これによ
って、摩擦ライニング摩耗の補償は、アイドリング回転
数もしくは少なくともほぼアイドリングにおける摩擦ク
ラッチ101の操作時にのみ行われるようになる。しか
しながらまた後調整リング117のロックは、内燃機関
の停止状態においてのみ、つまり摩擦クラッチ101が
回転していない状態においてのみ、ライニング摩耗に基
づく後調整が行われるようにすることも可能である。
【0217】摩擦クラッチ1の回転時におけるもしくは
規定の回転数超過時における後調整動作のロックは、図
1及び図2に示された実施例においても利点と見做すこ
とができる。このために例えばカバー2に次のような手
段、すなわち、後調整エレメント17における遠心力作
用下で回動防止を生ぜしめる手段、つまり、足付きばね
26及び/又は26aによって生ぜしめられる移動力に
抗して回動防止を生ぜしめる手段を設けることも可能で
ある。この場合ロック手段は、遠心力作用下で半径方向
外側に向かって移動可能な少なくとも1つのおもりによ
って、形成されることができ、このおもりは例えば、リ
ング17の内縁部に支持されており、そこで、調節ばね
からリング17に加えられる回動モーメントよりも大き
な保持モーメントをリング17において惹起する摩擦を
生ぜしめることができる。
【0218】ばね126の延びの少なくとも部分範囲を
半径方向において支持するために、カバー2によって保
持された支持手段が設けられていてもよい。この場合支
持手段は、図12及び図13に示された実施例では、ス
トッパ128と一体に構成することができる。このため
にストッパ128はL字形に構成されていてもよく、こ
の結果ストッパは、各1つの周方向に延びている範囲を
有しており、この範囲は、ばね126の延びの少なくと
も1区分にわたってばね126内に突入している。これ
によって、ばね巻条の少なくとも1部分を案内し、かつ
少なくとも半径方向において支持することが可能にな
る。
【0219】図13に示されているように、図2におい
て設けられている線材リング11は省かれており、その
代わりにセンサばね113の舌片範囲に一体成形部11
1が設けられている。このために舌片113cはその先
端の範囲において、ダイヤフラムばね4に向けられた側
において球面状に構成されている。
【0220】図15〜図17に示されている本発明によ
る摩耗後調整装置の別の実施例では、リング状の後調整
リングの代わりに個々の後調整エレメント217が使用
されている。これらの後調整エレメントは、カバー20
2の全周にわたって均一に分配されている。後調整エレ
メント217は、ボタン形もしくは円板形の構成部材に
よって形成されており、これらの構成部材は、周方向に
延びていて軸方向において上昇している乗り上げテーパ
部218を有している。リング状の後調整エレメント2
17は、中央の切欠きもしくは孔219を有しており、
この孔を貫いて、カバーによって保持された軸方向のピ
ン状の付加部215aが延びており、この結果リング状
の後調整エレメント217は付加部215aに回転可能
に支承されている。カバー202にはエンボス加工部2
25が設けられており、これらのエンボス加工部は、テ
ーパ部218のための対応乗り上げテーパ部224を形
成している。後調整エレメント217とカバー202と
の間にはばねエレメント226が緊張されており、この
ばねエレメントは後調整エレメント217を、後調整を
生ぜしめる回転方向に負荷している。ばねエレメント2
26は、図15から分かるように、軸方向の付加部21
5aの回りを延びており、つまりコイルばね状に構成さ
れていることができる。ばね226の端部範囲には、例
えば屈曲部もしくは脚部のような一体成形部が、一方の
ばね端部をカバー202に支持するため及び他方のばね
端部を対応する後調整エレメント217に支持するため
に、設けられている。ダイヤフラムばね204もしくは
センサばね213が旋回支持部205の範囲において軸
方向でずれると、後調整エレメント217は回動せしめ
られ、テーパ部224へのテーパ部218の乗り上げに
よってずれが補償される。
【0221】カバー202におけるセンサばね213の
軸方向における支持は、複数の舌状片214を用いて行
われ、これらの舌状片は、カバー202の軸方向に延び
る範囲から切り出されて成形されていて、半径方向内側
に向かってセンサばね213の外側範囲の下に押し込ま
れている。
【0222】リング状の後調整エレメント217は、該
後調整エレメントをその後調整作用に関して著しく遠心
力とは無関係に構成することができるという利点を有し
ている。
【0223】図15に示されている後調整エレメント2
17の代わりに、個別のくさび状の後調整エレメントを
使用することも可能であり、これらの後調整エレメント
は半径方向及び/又は周方向において摩耗後調整のため
にずれることが可能である。これらのくさび状の後調整
エレメントは縦長の切欠きを有していてもよく、この場
合これらの切欠きを通して軸方向の付加部215aは対
応する後調整エレメントを案内するために延びることが
できる。くさび状の後調整エレメントは、該後調整エレ
メントに作用する遠心力に基づいて後調整作用を発揮す
ることができる。しかしながらまた、くさび状の後調整
エレメントを後調整方向に負荷する蓄力部材を設けるこ
とも可能である。くさび状の後調整エレメントを申し分
なく案内するために、カバー202が一体成形部を有し
ていてもよい。摩擦クラッチの回転軸線に対して垂直に
延びている平面に対して、規定された乗り上げ角度をも
って延びている後調整エレメントのくさび面は、ケーシ
ング側及び/又はダイヤフラムばねの側に設けることが
できる。このようなくさび状の個別エレメントを使用す
ると、該個別エレメントを軽量の材料から製造すること
ができ、ひいては該個別エレメントに作用する遠心力を
最小に減じることができるという利点が得られる。
【0224】後調整テーパ部を形成する構成部分間に存
在する1対の材料は有利には、乗り上げテーパ部と対応
乗り上げテーパ部との間で後調整を妨げるような固着
が、摩擦クラッチの耐用年数に亙って生じることがない
ように選定されている。このような固着を避けるため
に、この構成部分の少なくとも一方の、少なくもテーパ
部又は対応テーパ部の範囲にコーティングを施すとよ
い。このようなコーティングを施すことによって、2種
類の金属製の構成部分を使用する際における特に腐食を
避けることができる。後調整テーパ部を形成する構成部
分の間の固着若しくは接着はさらに、互いに支え合うテ
ーパ部及び対応テーパ部を形成する構成部分を、種々異
なる膨張係数を有する材料より製造することによって避
けることができる。つまりこのような材料より製造する
ことによって、摩擦クラッチの運転中に生じる温度変化
に基づいて、後調整テーパ部を形成する互いに接触し合
う面が互いに相対運動を行うことができる。これによっ
て、乗り上げテーパ部及び対応乗り上げテーパ部を形成
する構成部分が互いに常に可動に維持される。これらの
部分は種々異なる膨張によって互いに常に離れるか又は
解除されるようになっているので、これらの部分の間で
固着若しくは接着が生じることはない。これらの部分が
種々異なる強度及び/又は形状を有していることに基づ
いてこれらの部分に作用する遠心力が種々異なる膨張若
しくは運動を引き起こし、それによってこれらの部分の
固着若しくは接着が避けられるようになっていることに
よっても、後調整テーパ部の解除が得られる。
【0225】乗り上げテーパ部と対応乗り上げテーパ部
との間の固着を避けるために、摩擦クラッチの解除時若
しくは摩耗後調整時において軸方向力が1つ又は複数の
後調整部材に働くようにする、少なくとも1つの手段を
講じてもよい。このために、後調整部材7,17は、摩
耗が生じたときに軸方向で重なり合う範囲を有する構成
部材に軸方向で連結される。この連結は、特にダイヤフ
ラムばね4及び/又はセンサばね13を有する旋回軸受
5の範囲で行われる。
【0226】図18の線図には、圧着用ダイヤフラムば
ねによってもたらされる力が比較的小さい(約450N
m)最低ポイント若しくは谷345を有するばね特性線
340が示されている。行程と力との関係を表す行程−
ばね力−特性線340を有する皿ばねの最大ポイント
は、7600Nmである。特性線340は、図8に示し
た特性線40に関連して及び皿ばね43に関連して説明
されているように、半径方向で互いに間隔を保った支承
部の間で皿ばねが変形することによって生ぜしめられ
る。
【0227】圧着用ダイヤフラムばね特性線340は、
ライニングばね特性線342と組合わされる。図18に
示されているように、ライニングばね特性線342の行
程−ばね力−特性線は圧着用ダイヤフラムばね特性線3
40に近似しているか、若しくはこれら2つの特性線は
互いに小さい所定間隔を保って延びているので、対応す
る摩擦クラッチは非常に小さい力で操作することができ
る。ライニングばねの作用範囲内では、特性線340と
342における、鉛直方向上下に存在する2つのポイン
トの差から理論的な解除力が得られる。実際に必要な解
除力は、皿ばねの舌片等の操作部材の対応するてこ比の
分だけ減少される。これに関しては同様に、図1及び図
2に示した実施例並びに図8〜図11に示した線図に関
連して説明されている。
【0228】図18には破線で別のライニングばね特性
線440が示されている。このライニングばね特性線4
40は、最低ポイント若しくは谷445を有している。
この谷445では、皿ばねに加えられた力が負であるこ
と、つまり対応するクラッチが接続されるのではなく、
解除されるように作用することが示されている。これは
つまり、解除段階中にポイント461を越えると、摩擦
クラッチが自動的に開放維持されることを意味する。圧
着用ダイヤフラムばね特性線440は対応するライニン
グばね特性線442に対応配置され、最小の解除力を維
持するために、特性線440と特性線442とを互いに
できるだけ平行となるように設計しなければならない。
【0229】図19には、対応する摩擦クラッチを解除
するために、皿ばね舌片等の操作レバーに加えられる、
所属の特性線340及び342若しくは440のための
解除行程に亙っての解除力の特性線が示されている。図
示されているように、特性線340,342に配属され
た解除力特性線349は常に正の力範囲内に存在する。
これはつまり、クラッチを解除された状態で維持するた
めに、常に解除方向に働く力が必要であることを意味す
る。特性線440及び442に配属された解除力特性線
449は、部分範囲449aを有しており、この部分範
囲449a内では、解除力がまず減少し、次いで正から
負の力範囲に移行するようになっているので、対応する
摩擦クラッチは解除された状態で保持力を必要としな
い。
【0230】図20のa並びにb及び図21に示した、
摩擦クラッチ501の実施例においては、センサばね5
13が、バヨネット式の接続部材514を介して軸方向
でクラッチカバー502に支えられている。このため
に、センサばね513は、リング状のベース体513b
の外周部から半径方向に延びる舌片513dを有してい
る。この舌片513dは、カバー材料から突き出し成形
された舌片形状の半径方向範囲若しくは舌片502aで
軸方向で支えられている。舌片502aは、カバーの、
ほぼ軸方向に延びる縁部範囲502bから突き出し成形
されており、この場合に、まず舌片502aがカバー材
料から突き出し成形されていると有利である。舌片50
2aを少なくとも部分的に切り込むことによって、この
舌片502aはその目標位置に容易に変形させることが
できる。図21に示されているように、舌片502aと
突起部若しくは舌片513dとは、センサばね413が
クラッチカバー502に対してセンタリングできるよう
に、互いに合わせられている。図示の実施例においては
舌片502aはこのために小さい軸方向段部502eを
有している。
【0231】バヨネット式の錠止接続部514を製造す
る際に、センタリングばね513をクラッチカバー50
2に対して申し分なく位置決めできるようにするため
に、有利にはクラッチカバー502の外周部に一様に分
割配置された、有利には3つの舌片502aが設けられ
ており、これらの舌片502aは、他方のカバー範囲に
関連してセンサばね513とクラッチカバー502とが
所定の相対運動を行った後で、対応する突起部513d
が、外周部に設けられたストッパ502fに当接し、こ
れによってセンサばね513とクラッチカバー502と
がさらに相対運動することは避けられる。このような形
式の実施例においては、ストッパ502fは、特に図2
0のaに示されているようにクラッチカバー502の軸
方向段部によって形成されている。図20のaに示され
ているように、少なくとも1つ有利には3つの舌片50
2aが、クラッチカバー502とセンサばね513の舌
片513dとの間で別の回動制限部502gを形成して
いる。図示の実施例においては同じ舌片502aが、2
つの回転方向のための回動制限部502fと502gと
を形成している。センサばね513とクラッチカバー5
02とが錠止解除されるのを避けるストッパ502g
は、半径方向に延びる舌片502aの軸方向に延びる折
り曲げ縁部によって形成されている。周方向のストッパ
502f及び502gによって、クラッチカバー502
に対するセンサばね513の周方向で規定された位置決
めが行われる。錠止接続部514を製造するために、セ
ンサばね513はクラッチカバー502の軸方向で緊締
されているので、舌片513dは軸方向で切欠502c
及び502d内に侵入し、軸方向でクラッチカバーの支
承部としての舌片502a(舌片)上に位置する。次い
でクラッチカバー502とセンサばね513とは、幾つ
かの舌片513dが回動制限部502fに当接するま
で、互いに相対回転せしめられる。次いでセンサばね5
13が部分的に緊張解除されるので、幾つかの舌片51
3dが周方向で見て、対応するストッパ502fと50
2gとの間に位置し、すべての舌片513dがカバー側
の舌片502a上に位置する。本発明によるバヨネット
式の錠止接続部514の構成によって、摩擦クラッチ1
を組み立てる際において舌片513dがカバー側の支承
部としての502aの隣に当接するように保証される。
【0232】従来の実施例においては、センサばね51
3の本来のばね力を加える円形のベース体、例えば51
3dが、負荷範囲若しくは支持範囲の外側でカバープレ
ートとダイヤフラムばねとの間に設けられている。しか
しながら多くの使用例においては、センサばねの円形の
ベース体がプレッシャプレートとダイヤフラムばねとの
間の負荷範囲内で半径方向に設けられていると有利であ
る。これはつまり図1及び図2の実施例において、セン
サばね13の軸方向の緊締力を加えるベース体13dが
ダイヤフラムばね4とプレッシャプレート3との間の負
荷範囲3aの半径方向内側に設けられているということ
を意味する。
【0233】図20及び図21の実施例においてはカバ
ー側の対応乗り上げテーパ部524は、クラッチカバー
502に形成されたカム状の打ち出し成形部によって形
成されている。さらにまたこの実施例においては、クラ
ッチカバー502と後調整リング517との間に緊締さ
れたコイルばね526は、前記後調整リング517と一
体成形された、周方向に延びるガイドロッド528によ
って案内されるようになっている。このガイドロッド5
28は、特に図21に示されているように軸方向で、ば
ね526の内径に合致した細長い横断面を有している。
このガイドロッド528は、ばね526の長手方向の少
なくも部分範囲に亙って延びていて、このばね526内
に突入している。これによってばね526のばね巻条の
少なくとも一部がガイドされ、少なくとも半径方向で支
えられている。さらにまたばね526が半径方向で折れ
曲がったり若しくは突き出ることは避けられるようにな
っている。このガイドロッド528によって、この摩擦
クラッチの組み立て作業は著しく軽減される。
【0234】図22には後調整リング517が部分的に
図示されている。この後調整リング517は半径方向内
側に延びる成形部527を有しており、該成形部527
に、コイルばね526をガイドするための、周方向に延
びるガイドロッド528が形成されている。図示の実施
例においてはばねを受容するガイドロッド528は、射
出成形によって製造されたプラスチック製の後調整リン
グ517と一体成形されている。しかしながらこのガイ
ドロッド528は、複数の又は1つの構成部分によって
構成することもできる。この複数又は1つの構成部分
は、例えばスナップ錠止装置を介して後調整リング51
7に接続される。従ってすべてのガイドロッド528
は、場合によっては周方向で開放するリングによって形
成されており、このリングは、有利にはスナップ錠止部
として構成された少なくとも3つの接続箇所を介して後
調整リング517に連結されている。
【0235】図12及び図13に関連した説明と同様
に、コイルばね526はさらに付加的に、例えば遠心力
作用に基づいて、クラッチカバー502及び/又は後調
整リング517の対応して構成された範囲に半径方向で
支えられ得る。
【0236】コイルばね526のためのカバー側の支承
部は、カバー材料より成形され軸方向に延びるウイング
部によって又は軸方向の壁部によって形成された打ち出
し成形部としての支承範囲526aによって形成されて
いる。ばね526のための、この支承範囲は有利には、
ばねの対応する両端部がガイドされ、これによって軸方
向及び/又は半径方向で許容されない程度にずれないよ
うに確保されている。
【0237】図23に示されたクラッチ601の実施例
においては、センサばね613が、プレッシャプレート
603とは反対側に向けられた、ケーシング602の側
に設けられている。センサばね613を、プレッシャプ
レート603を受容するケーシング内室の外側に配置し
たことによって、センサばね613の熱負荷が減少さ、
これによってこのばね613が熱の過負荷に基づいて固
着することは避けられる。ケーシング602の外側にお
いてもばね613は良好に冷却される。
【0238】ダイヤフラムばね604の、カバーとは反
対側に設けられた旋回支点611での支承は、スペーサ
リベット615によって行われるようになっている。こ
のスペーサリベット615は、ばね604及びケーシン
グ602の対応する切欠を通って軸方向に延びていて、
センサばね613に軸方向で接続されている。図示の実
施例では、スペーサリベット615はセンサばね613
にリベット止めされている。スペーサリベット615の
代わりに、旋回支点611とセンサばね613との間の
接続を形成するその他の手段も使用することができる。
従って例えばセンサばね613は半径方向内側範囲で、
軸方向に延びる複数の舌片を有していてもよい。これら
の舌片は、相応の半径方向範囲で旋回支点611を支え
るか、又は相応の成形部によってこれらの旋回支点61
1を直接形成するようになっている。センサばねに固定
された部材615の代わりに、別の部材例えばセンサに
旋回可能に接続された部材を使用してもよい。
【0239】図24の実施例においてはセンサばね71
3が半径方向で操作ダイヤフラムばね704のための旋
回支承部715の内側を延びている。センサばね713
は半径方向内側の範囲でカバー702に支えられてお
り、このためにカバー702が軸線方向にダイヤフラム
ばね704の適当なスリット若しくは切欠きを通って延
びる舌片715を有しており、該舌片がセンサ皿ばね7
13を軸線方向で支えている。
【0240】別の実施例に基づき、センサばね713が
半径方向内側の範囲に舌片を有していてよく、この舌片
が軸線の方向でダイヤフラムばね704の適当な切欠き
を軸線方向に貫通して、カバー側で支えられている。
【0241】図25に示した後調整リング817は、図
20及び図21に示す摩擦クラッチに使用される。後調
整リン817は半径方向内側の成形部827を有してお
り、該成形部は半径方向に延びている。成形部は半径方
向の付加部827aを有しており、該付加部が周方向で
クラッチカバーと後調整リン817との間に緊定された
コイルばね826のための支持範囲を形成している。コ
イルばね826の案内のため及び取り付けを容易にする
ために、リング828を設けてあり、該リングは外周を
中断若しくは開かれている。リング828は半径方向の
成形部827aに結合されている。このために成形部8
27aが周方向に延びる凹所若しくは溝を有しており、
凹所若しくは溝はリング828と協働してスナップ結合
部を形成するように構成されている。後調整ばね826
のためのカバー側の支持部がクラッチカバーの軸線方向
の舌片826aによって形成されている。軸線方向の舌
片826aはリング828を受容するための軸線方向の
切欠き826bを有している。切欠き826bは、リン
グ828が舌片826aに対して少なくとも摩擦クラッ
チの摩滅量に相応して軸線方向に移動可能であるように
構成されている。このために有利には、リング828を
受容するために半径方向の成形部827aに形成された
凹所と切欠き826bとが軸線方向で見て逆に構成さ
れ、換言すれば、成形部827aの凹所が一方の軸線方
向に開いており、切欠き826bが他方の軸線方向に開
いている。
【0242】図26に示した摩擦クラッチ901の実施
例においては、操作ダイヤフラムばね904の遮断方向
での支持がダイヤフラムばね904の本体部材904a
の中央の範囲で行われる。本体部材904aは半径方向
外側でプレッシャープレート903に支えられていて、
半径方向内側へ旋回支承部905を越えて延びている。
このことは、旋回支承部905がダイヤフラムばね90
4の本体部材904aの内側縁部から、若しくはダイヤ
フラムばね904の舌片を形成するスリット端部から従
来公知のダイヤフラムばねクラッチと比べて比較的遠く
に離れていることを意味している。図示の実施例では、
旋回支承部905の半径方向内側の本体部材区分と旋回
支承部905の半径方向外側の本体部材区分との半径方
向の幅比は、1:2である。この幅比は有利には1:6
と1:2との間にある。操作ダイヤフラムばね904の
このような支持によって、旋回支承部905の範囲での
ダイヤフラムばね本体部材904aの損傷若しくは過負
荷が避けられる。
【0243】図26にはさらに破線で軸線方向の成形部
903aを示してあり、この成形部はプレッシャープレ
ート903に設けられている。プレッシャープレート9
03、特に支持突起903bの範囲に設けられている成
形部903aを介して操作ダイヤフラムばね904が摩
擦クラッチ901に対してセンタリングされる。すなわ
ち、操作ダイヤフラムばね904が外径センタリングを
介して半径方向でカバー902に対して保持され、その
結果図26に示してあるセンタリングリベット若しくは
ピン915が省略できる。図示してないものの、外径セ
ンタリングはカバー902の材料から形成された舌片若
しくは圧刻によっても行われる。
【0244】摩擦クラッチ901においてはセンサばね
913は、力を生ぜしめる本体部材913aが半径方向
で突起903bの内側に設けられるように構成されてい
る。センサばね913は、一方では操作ダイヤフラムば
ね904を支えるため、かつ他方ではカバー902に支
えられるように、半径方向のブラケット若しくは舌片を
有しており、ブラケット若しくは舌片は一方では本体部
材913aから半径方向内側へ延び、他方では本体部材
913aから半径方向外側へ延びている。
【0245】図27に示す摩擦クラッチ1001の実施
例においては、摩擦クラッチの解離力若しくは操作ダイ
ヤフラムばねの返り力と逆向きに作用する力が、センサ
ばね1013によって生ぜしめられるようになってお
り、該センサばねはケーシング1002とプレッシャー
プレート1003との間に軸線方向で緊定されている。
この実施例においては、操作ダイヤフラムばね1004
の旋回範囲若しくは傾倒範囲1005は解離方向では旋
回支承部によって支えられるようになっていない。カバ
ー側の旋回支持部若しくは支え支持部に対するダイヤフ
ラムばね1004の接触が、センサばね1013のプレ
ロードによって保証されている。センサばねは、摩擦ク
ラッチ1001の解離過程中にセンサばね1013によ
ってダイヤフラムばね1004に生ぜしめられる軸線方
向力が摩擦クラッチ1001の必要な解離力よりも大き
くなるように構成されている。摩擦ライニングに摩滅が
生じない場合には、ダイヤフラムばね1004を常にカ
バー側の支え部若しくは旋回支持部1012に接触した
ままにすることが保証されねばならない。このために、
これまでの実施例に関連して述べたものと類似の形式
で、軸線方向に作用しかつ重畳せしめられる個々の力間
の同調が行われねばならない。センサばね1013によ
って、場合によってはプレッシャプレート1003とケ
ーシング1002との間に設けられた板ばねによるライ
ニング負荷によって、操作ダイヤフラムばね1004に
よって、摩擦クラッチ1001のための解離力によっ
て、及び後調整リング1017に作用する後調整ばね部
材によって生ぜしめられるこれらの力は、相応に互いに
同調されねばならない。
【0246】図28に示す摩擦クラッチ1101におい
ては、センサばね1113は半径方向でカバー側のリン
グ状の支持範囲1112の外側で支持されている。図示
の実施例では、操作ダイヤフラムばね1104とセンサ
ばね1113との間の相互の支持が、半径方向でプレッ
シャプレート1103に対する操作ダイヤフラムばね1
104の支持直径1103aの外側で行われている。カ
バー1102に対する支持のために、センサばね111
3は半径方向外側に向いたアーム1113bの形の成形
部を有しており、このような成形部は、図20及び図2
1に関連して述べたものと類似の形式でバイヨネット式
係止部1514を介して軸線方向でカバー1102に支
えられて、回動防止されている。センサばね1113の
取り付けのために、カバー1102が相応の軸線方向の
切欠き1502bを有しており、この切欠き内にセンサ
ばね1113の半径方向外側の支持アームがバイヨネッ
ト式係止部1514を形成するために軸線方向に差し込
まれる。カバー側の旋回支持部若しくは支え支持部材1
112に対するダイヤフラムばね1104の接触がセン
サばね1113の初ばね力によって保証される。
【0247】図27に関連してクラッチの機能を詳細に
説明する。この場合、センサばねの力は、後調整点での
解離力に相応するように構成されている。ライニング摩
滅(若しくは別の箇所での摩滅)の生じた、ひいてはダ
イヤフラムばね円錐角度の変化させられた、及びこれに
よるダイヤフラムばね力の上昇の後に解離が行われる
と、ダイヤフラムばねがまず支持部材1012を中心と
して後調整点の近くまで旋回する。この後調整点では解
離力がライニングばねを含めたセンサ力−残余力−に等
しくなるので、ダイヤフラムばねが引き続く解離に際し
てプレッシャープレートの支持部を中心として旋回せし
められて、解離力とセンサ力との間の力バランスが再び
生ぜしめられるようになる。この場合、ダイヤフラムば
ねがカバー側の支持部から離れ、該支持部を後調整のた
めに解放する。引き続く解離行程にわたって解離力はさ
らに低下し、センサ力が上回って、プレッシャープレー
トを介してダイヤフラムばねをカバー側の支持部材10
12に向けて押し、該支持部材を中心としてダイヤフラ
ムばねの引き続く旋回が行われる。カバー側の支持部か
らプレッシャープレート側の支持部へのダイヤフラムば
ねの移行に際して、ダイヤフラムばねは2腕としての機
能を変える傾向にある。ダイヤフラムばねは一時的に、
今生じている解離力でプレッシャープレートに支えら
れ、これによって一時的にカバー側の支持部から離れ
る。引き続く解離行程の後に、これに関連した力減少に
基づきセンサばねの力が上回って、ダイヤフラムばねを
再びカバー側の支持部に向けて押し、これによって後調
整装置がロックされ、後調整過程が終了される。ダイヤ
フラムばねは引き続く解離過程のためにではなく、2腕
レバーとして機能する。ダイヤフラムばねは、間接的に
若しくは直接にダイヤフラムばねに作用するすべてのば
ね力を考慮して設計されねばならない。これには特に、
操作ダイヤフラムばね及び適当な補償装置若しくは後調
整装置の、カバーに対して変位可能な構成部分によって
生ぜしめられる力がある。
【0248】図28に示す実施例はさらに利点を有して
おり、摩擦クラッチの連結された状態ではダイヤフラム
ばね1104は実質的に2腕レバーとして緊定され、若
しくは作用し、すなわちカバー側の支持部材1112と
プレッシャープレート側の支持部1103aとの間に緊
定されていおり、しかしながら摩擦クラッチ1101の
解離の際にダイヤフラムばねが実質的にもっぱらセンサ
ばね1113に支えられて、支持範囲1113aを中心
として旋回させられ、支持範囲1113aの同時的な軸
線方向の移動を伴い、その結果、実質的に単腕レバーと
して機能する。
【0249】図28のセンサばね1113は、別の図面
のセンサ皿ばねと同じように適当な構成若しくは適合に
基づき操作ダイヤフラムばね1104の任意の直径で支
えられる。従って、ダイヤフラムばね1104に対する
センサばね1113の支持はカバー側の旋回範囲110
5とプレッシャープレート側の支持直径1103aとの
間の直径でも行われ得る。さらに、ダイヤフラムばね1
104に対するセンサばね1113の支持は、半径方向
でカバー側の支持直径の内側でも行われ得る。この場
合、センサばね1113によって生ぜしめられる軸線方
向の支持力は、ダイヤフラムばね1104に対するセン
サばね1113の支持直径1113aが小さくなる程に
大きくなる傾向にある。さらに、センサばね1113の
実質的にコンスタントな力を有するばね範囲は、ダイヤ
フラムばね1104とセンサばね1113との間の支持
直径1113aがダイヤフラムばね1104のカバー側
の支持直径1105から離れる程に大きくされねばなら
ない。
【0250】図29の実施例の後調整装置1216は、
これまでの図面に基づき、特に図1から図14に関連し
て述べたものと類似の形式で作用する。操作ダイヤフラ
ムばね1204はリング状の2つの支持部材1211,
1212間に旋回可能に支承されている。プレッシャー
プレート1203に隣接する支持部材1211は、セン
サばね1213によって負荷される。摩擦クラッチ12
01の後調整装置1216は、摩擦クラッチの耐用年数
にわたって後調整リング1217のテーパ部がカバー側
に存在する対向テーパ部に付着したままにならないよう
に保証している。この実施例においては、対向テーパ部
は図2に関連して述べたものと類似してカバーに対して
回動不能な支持リング1225に設けられている。テー
パ部と対向テーパ部との間の付着は、所望の摩滅後調整
をもはや生ぜしめないことになる。
【0251】装置1261は引き剥がし機構を形成して
おり、この引き剥がし機構は摩擦クラッチ1201の解
離に際し、かつ摩擦ライニングの摩滅に際して軸線方向
力を後調整リングに生ぜしめ、これによって、テーパ部
と対向テーパ部との間の場合によって生じていた付着結
合が解かれる。引き剥がし機構1261は軸線方向に弾
性的な部材1262を有しており、この部材は図示の実
施例では軸線方向にダイヤフラムばね1204に結合さ
れている。部材1262はダイヤフラムばね的に若しく
は皿ばね的に弾性変形可能なリング状の本体部分126
2aを有しており、該本体部分はダイヤフラムばね12
04に結合されている。リング状の本体部分1262a
の半径方向内側の縁部範囲から延びるように、周囲に分
配して舌片部1263を形成してあり、該舌片部はダイ
ヤフラムばね1204の軸線方向の切欠きを貫通して延
びている。舌片部1263は自由端部範囲にストッパ輪
郭として折り曲げ部1264を有しおり、この折り曲げ
部は後調整リング1217の対向ストッパ輪郭1265
と協働する。対向ストッパ輪郭1265は、後調整リン
グ1217内に半径方向に形成された切欠き若しくは環
状の溝によって構成されている。摩擦クラッチの連結さ
れた状態でのストッパ輪郭1264と対向ストッパ輪郭
1265との間の間隔は、クラッチ解離行程の少なくと
も大部分にわたってストッパ輪郭1264と対向ストッ
パ輪郭1265との間に接触を生ぜしめないように規定
されている。有利にはストッパ輪郭1264は摩擦クラ
ッチを完全に解離した場合に始めて対向ストッパ輪郭1
265に接触するようになっており、これによって部材
1262が後調整リング1217とダイヤフラムばね1
204との間に弾性的に緊張される。その結果、ライニ
ング摩滅に基づき旋回支持部の軸線方向の移動が生じ、
後調整リング1217が強制的にカバー側の乗り上げテ
ーパ部から持ち上げられる。さらに、引き剥がし機構1
261は例えば解離機構の誤差を伴う基準調整に基づく
大きすぎる解離距離において後調整リング1217の後
調整を行わないようにするものである。このことは、ダ
イヤフラムばね1204の解離方向での大きすぎる旋回
角において弾性的な部材1262によって後調整リング
1217をダイヤフラムばね1204に対して緊定する
ことによって行われ、その結果、後調整リング1217
がダイヤフラムばね1204に対して回動確保される。
すなわち、図8の点46が解離方向で越えられる際に後
調整リング1217がダイヤフラムばね1204に対し
て回動不能に保持されねばならず、それというのは点4
6の越えられる際にセンサばね1213の保持力が克服
され、これによって、クラッチプレートにおける摩滅の
生じていない場合にも後調整が行われてしまうことにな
るからである。このことは伝達点を変える、すなわちダ
イヤフラムばね1204の組み込み位置をそれも圧着力
の小さくなる方向で変えることになる。このことは図8
で伝達点41が特性曲線40に沿って符号45で示す最
小値の方向に移動することを意味している。
【0252】図30から図32に示す実施例の摩擦クラ
ッチにおいては、個々のコイルばね1326が舌片部1
328に受容されており、舌片部はクラッチカバー13
02と一体に構成されている。舌片部1328はクラッ
チカバー1302の薄板材料から例えば打ち出されたU
字形の打ち出し部1302aによって成形されている。
舌片部1328は周方向で見て円弧状に若しくは接線方
向にかつ有利には少なくともほぼ、隣接するカバー部分
と同じ軸線方向の高さを延びている。図32から明らか
なように、この実施例では舌片部1328がカバーの平
面1302bに対してほぼ半分の厚さだけずらされてい
る。舌片部1328の幅は、該舌片部上に設けられたコ
イルばね1326が半径方向でも軸線方向でも案内され
るように規定されている。
【0253】ばね1326により後調整方向で負荷され
る後調整リング317はその内周面に、半径方向内向き
の一体成形部もしくはアーム1327を備えており、こ
のアームはカバー1302とダイヤフラムばね1304
との間に延びている。アーム1327は半径方向内側
に、軸方向に向いたフォークもしくはU字形の一体成形
部1327aを有しており、このフォークの軸方向で延
びる両方のまた1327bはばね案内片1328を両側
から掴んでいる。このことのために、両方のまた132
7bはカバー1302の切欠き1302aを軸方向に貫
通して延びている。アーム1327aもしくはそのまた
1327bには後調整ばね1326が支持されている。
【0254】後調整リング1317は同様にその乗上げ
テーパ部を介して、カバー1302に形成された対向乗
上げテーパ部1324に支持されている。この対向乗上
げテーパ部1324を形成するカバーのエンボス加工部
はクラッチ回転方向で通気孔1324を形成するように
構成されている。このような構造により、対応する摩擦
クラッチの回転時に強制的に生じる空気循環によって摩
擦クラッチが良好に冷却される。これにより特に、プラ
スチックから成る後調整リング1317が同様に冷却さ
れ、これにより、この部材の熱的な負荷が著しく軽減さ
れる。
【0255】本発明のさらに別の実施例によれば、摩擦
クラッチのダイヤフラムばねに作用するセンサばねの力
は例えばクラッチケーシングとプレッシャープレートと
の間に設けた板ばねエレメントによってもたらされ、そ
の場合、この板ばねエレメントはプレッシャープレート
とケーシングとを回動不能にかつある程度軸方向に相対
移動可能に連結することができる。この種の実施形では
特別なセンサばねは不要であり、むしろ例えば図1及び
図2に基づく摩擦クラッチ1の板ばねエレメント9が、
付加的にセンサばね13の機能をも担うように形成され
ることができる。これにより、センサばね13ならびに
転動リング11を省くことができる。板ばねエレメント
9はその場合、摩擦クラッチ1の操作中にかつ摩擦ライ
ニングの摩耗なしにダイヤフラムばね4がカバー側の転
動支承部12に当接したままとなるように形成される。
しかし、摩擦ライニング7に摩耗が生じると、ダイヤフ
ラムばね4の解離力が増大し、板ばねエレメント9は摩
耗に相応するダイヤフラムばね4の後調整を可能にしな
ければならない。有利には、摩擦クラッチに組込まれた
板ばねエレメントは、少なくとも最大限度必要な摩擦ク
ラッチもしくはプレッシャープレートの後調整距離にわ
たり実際に直線的な力/距離特性曲線を有している。こ
れの意味するところは、板ばねエレメント9が図9に示
したような、特性曲線47又は47aに基づく特性曲線
範囲48を有するということである。
【0256】本発明は図示の実施例に限定されず、むし
ろ各実施例に記載された特徴を組み合わせた実施例も可
能である。
【0257】図33及び図34に示す摩擦クラッチ16
01はケーシング1602、該ケーシングに回動不能に
結合されているものの軸線方向では制限された範囲で移
動可能なプレッシャープレート1603を有している。
軸線方向でプレッシャープレート1603とケーシング
(カバー)1602との間に圧着ダイヤフラムばね16
04を緊定してあり、該圧着ダイヤフラムばねがケーシ
ング1602によって保持されたリング状の旋回支承部
1605を中心として旋回可能であって、プレッシャー
プレート1603をケーシング1602に不動に結合さ
れた対応受圧板1606、例えば弾み車の方向に負荷す
るようになっており、これによって、摩擦クラッチ16
08の摩擦ライニング1607がプレッシャープレート
1603の摩擦面と対応受圧板1606の摩擦面との間
で締め付けられる。
【0258】プレッシャープレート1603は板ばね1
609の形の、周方向若しくは接線方向に向けられた枢
着部材を介してケーシング1602に結合されている。
図示の実施例では、クラッチディスク1608が所謂ラ
イニングばねセグメント1610を有しており、該ライ
ニングばねセグメントは、両方の摩擦ライニング160
7の互いに向かい合う方向での限られた軸方向変位を介
して摩擦ライニング1607に作用する軸方向力の漸進
的な上昇を可能にすることによって摩擦クラッチの連結
時の漸進的なトルク発生を保証する。しかしながら、摩
擦ライニング1607を軸線方向で実際に不動に支持デ
ィスクに取り付けるようなクラッチディスクも使用可能
である。
【0259】図示の実施例では圧着皿ばね1604は圧
着力をもたらすリング状の基体1604aを有してい
て、この基体からは半径方向で内向きに延びる操作舌片
1604bが延びている。この場合、圧着皿ばね160
4は、圧着皿ばねが半径方向で更に外側に位置する範囲
で加圧板1603を負荷しかつ半径方向で更に内側に位
置する範囲で旋回支承部1605を中心として旋回可能
であるように、組み込まれている。
【0260】旋回支承部1605は2つの旋回支持部材
1611,1612を有していて、この旋回支持部材は
線材リングによって形成されていてかつ旋回支持部材の
間には圧着皿ばねが軸方向で保持もしくは緊定されてい
る。操作・圧着皿ばね1604の回動を防止するために
かつケーシング1602に対して線材リング1611,
1612を定心並びに保持するためにリベット部材16
15としての保持部材がカバーに固定されていて、この
保持部材はそれぞれ軸方向に延びるシャフト1615a
によって隣接する皿ばね舌片1604bの間に設けられ
た切欠きを介して延びている。
【0261】摩擦クラッチ1601は加圧板1603及
び受圧板1606並びに摩擦ライニング1607の摩擦
面の軸方向の摩耗を補償する後調整手段を有していて、
この後調整手段は圧着皿ばね1604と加圧板1603
との間に設けられた摩耗補償装置1616並びに加圧板
1603の解離行程を制限する、摩耗センサとして構成
された制限部材1617とから構成されている。
【0262】摩耗センサとして作用する制限部材161
7は、加圧板1603の孔1620内に回動不能に受容
されるそれぞれ1つのブシュ1618を有している。ブ
シュ1618はスリット1621を形成していて、この
スリットを介して軸方向でセンサ構成部材としての2つ
の板ばねエレメント1622が延びている。
【0263】板ばねエレメント1622は互いに支持さ
れていて、この場合、少なくとも1つの板ばねエレメン
ト1622が湾曲しているが、両板ばねエレメント16
22が逆向きに湾曲していると有利である。板ばねエレ
メント1622は規定のプレロードを以ってブシュ内に
受容されていてひいては所定の摩擦抵抗に抗してブシュ
1618に対して摩擦クラッチ1601の軸方向で移動
可能である。
【0264】板ばねエレメント1622の軸方向長さ
は、摩擦クラッチ連結状態で板ばねエレメントが軸方向
で定置のクラッチ構成部分に対して(図示の実施例では
ケーシング1602の外側の縁部範囲1623に対し
て)、加圧板1603の所定の解離行程に相応する規定
された遊び1624を有するように、選ばれている。
【0265】摩擦クラッチ連結状態では板ばねエレメン
ト1622はケーシング1602とは反対側の端部16
22aで受圧板1606に接触し、これによって摩擦ラ
イニング1607が摩耗した場合加圧板1603はライ
ニング摩耗に相応して板ばねエレメント1622に対し
て、つまり、有利にはプラスチック又は摩擦材料から成
るブシュ1618と板ばねエレメント1622との間の
摩擦接続作用に抗して、軸方向で変位させられるように
なる。
【0266】図示の実施例では、ブシュ1618がプレ
ス嵌めによって軸方向並びに周方向で固定される孔16
20は、加圧板突起1625内に設けられていて、この
加圧板突起は半径方向で外向きに延びていてかつ加圧板
突起にはリベット結合部材1609aによってそれぞれ
1つの板ばね1609が枢着されている。
【0267】受圧板1606の方向でのブシュ1618
の移動は、ブシュがケーシングに面した端部でつば16
18aを有していることによって、阻止され、このつば
を介してブシュが加圧板1603に支持される。
【0268】ケーシングもしくはクラッチカバー2の方
向で孔1620からのブシュ1618の離反移動は、図
33で鎖線で図示されているように、板ばね1609が
ブシュ1618を部分的に半径方向で覆いかつ必要であ
れば付加的に不動に軸方向で孔1620内に固定するこ
とによって、阻止される。更にブシュの回動は、ブシュ
が、ブシュを覆う板ばね範囲1619を受容する成形
部、特に段部を有していることによって、阻止される。
【0269】摩耗補償装置1616は圧着板ばね160
4によって負荷される、U字形横断面の薄板から成る補
償リング1626としての補償構成部材を有している
(図37で平面図で図示)。補償構成部材は圧着板ばね
1604に面した底部1627の側に少なくとも1つの
リング状の軸方向の突起又は複数の突起1628を有し
ていて、この突起は周方向に亘って有利には均一に分配
されていてかつ薄板材料内に圧刻された変形部によって
形成されている。
【0270】セグメント状の突起1628によって、周
方向で隣接する突起1628の間の範囲で皿ばね基体1
604aと補償リング1626との間に、冷却のために
空気流通を可能にする半径方向の通路が形成されるよう
になる。
【0271】特に図34から明らかなように、補償リン
グ1626は加圧板1603に対して定心されている。
このために加圧板1603は少なくとも1つの段部16
29を有していて、この段部は補償リング1626の軸
方向に延びる半径方向で内側の壁1630を加圧板16
03に対して定心して位置決めする。段部1629は周
方向に亘って延びる閉じられた面によって形成される
か、又は、周方向に亘って相互間隔をおいて設けられた
セグメント状の面によって形成される。
【0272】更に補償リング1626は軸方向に延びる
半径方向で外側の壁1631を有していて、この壁16
31は内側の壁1630及び底部1627と共にリング
状の自由空間1626aを形成する。
【0273】半径方向で外側では補償リング1626は
ストッパを形成する半径方向の張出し部もしくは突16
出部32を有していて、このストッパは、摩耗センサ1
617の板ばねエレメント1622としての軸方向に移
動可能な構成部材の対向ストッパ1633と協働する。
【0274】対向ストッパ1633は板ばねエレメント
1622に一体成形された突起によって形成されてい
て、この突起は半径方向で内向きに延びかつ張出し部1
632を覆っている。これによって加圧板1603から
離反する方向での、つまりケーシングの方向での補償リ
ング1626の軸方向移動が対向ストッパ1633によ
って制限される。
【0275】補償リング1626と加圧板1603との
間には調整機構が設けられていて、この調整機構は摩擦
クラッチが解離された場合及びライニング摩耗が生じた
場合、補償リング1626の自動的な後調整を可能にし
摩擦クラッチが連結された場合、自縛的に、つまりロッ
クするよう、作用し、これによって、摩擦クラッチ16
01の連結段階中補償リング1626は加圧板1603
に対して規定された軸方向位置を維持する。この規定さ
れた位置は解離過程中にのみ及び発生するライニング摩
耗に応じて変えることができる。
【0276】後調整装置1634は多数の、有利には周
方向に亘って均一に分配された対のくさび体1635,
1636を有していて、このくさび体は補償リング16
26のリング状の自由空間1636a内に収容されてい
る。
【0277】加圧板1603のリング状の面1637に
支持されたくさび体1636は補償リング1626に回
動不能にしかも軸方向に移動可能に結合されている。こ
のために補償リング1626は軸方向に延びる壁163
0,1631の範囲に押し込み変形部としての成形部1
638,1639を有していて、この成形部は自由空間
1626aの範囲で、くさび体1636の適当に適合さ
れた凹所もしくは溝1640,1641内に係合する突
起を形成している。
【0278】溝1640,1641もしくは成形部16
38,1639は摩擦クラッチの軸方向に延びている。
くさび体1635はほぼ軸方向で補償リング1626の
底部1627とくさび体1636との間に収容されてい
る。くさび体1635,1636は周方向で延びる軸方
向で上昇する乗上げランプ1642,1643を有して
いて、この乗上げランプを介して対で配属されたくさび
体1635,1636が互いに支持される。
【0279】くさび体1635は他方では補償リング1
626の底部に支持されていてかつこの補償リング16
26に対して周方向で移動可能である。乗上げランプは
互いに締め付けられる。このためにコイルばねとしての
蓄力部材1644が自由空間1626a内に収容されて
いて、このコイルばねは一端で補償リング1626に回
動不能なくさび体1636にかつ他端で周方向に移動可
能なくさび体1635に支持されている。
【0280】コイルばね1644を保持するためにくさ
び体1635,1636は適当なコイルばねに面した端
部に突起1645,1646を有していて、この突起は
ばね巻条内に係合しひいてはばね端部を保持している。
更にコイルばね1644は補償リング1626の底部1
627及び壁範囲1630,1631を介して案内され
る。
【0281】図示の実施例では補償リング1626は加
圧板1603に対して回動を防止されている。このため
に図36から明らかなように、加圧板1603にはピン
としての軸方向の突起1647が設けられていて、この
突起は、張出し部1632の範囲に設けられた切欠き1
648を介して軸方向に延びている。この回動防止によ
って、摩擦クラッチ運転中張出し部1632の当接範囲
は常に板ばねエレメント1622の対向ストッパ163
3の下側で位置決めされて維持されるようになる。
【0282】図示の実施例ではくさび体1635,16
36は耐熱性のプラスチック、例えば、付加的に繊維で
補強される熱可塑性又は熱硬化性のプラスチックから製
作される。これによって後調整部材として作用するくさ
び体1635,1636は簡単な形式で射出成形部材と
して製作される。
【0283】しかしながら、対のくさび体の少なくとも
1つのくさび体が摩擦材料、例えばライニング材料から
製作されると、有利である。しかしながらくさび体もし
くは後調整部材1635,1636は薄板成形部材並び
に焼結部材としても製作することができる。
【0284】乗上げランプ1642,1643の上昇角
並びに延びは、摩擦クラッチの耐用寿命全体に亘って加
圧板1603及び受圧板1606の摩擦面並びに摩擦ラ
イニング1607において生ずる摩耗の後調整を保証す
るように、設計されている。
【0285】摩擦クラッチの回転軸線に対して垂直な平
面に対する乗上げランプ1642,1643のくさび角
1649もしくは上昇角1649は、乗上げランプ16
42,1643を互いに締め付けた場合に生ずる摩擦が
乗上げランプ間のスリップを阻止するように、選ばれて
いる。乗上げランプ1642,1643の範囲の材料対
偶に応じて上昇角1649は5度乃至20度、有利には
10度の大きさである。周方向で移動可能なくさび体1
635は、くさび先端が回転方向1650を指すよう
に、配置されている。
【0286】乗上げランプ1642,1643並びに上
昇角1649のコイルばね1644による締め付け作用
は、補償リング1626に作用する合成の軸方向力が制
限部材1617のセンサ構成部材1622の所要の摺動
力よりも小さいように、設計されている。
【0287】更に圧着皿ばねを設計する場合、加圧板1
603のために圧着皿ばねによってもたらされる圧着力
がセンサ構成部材1622の所要の摺動力だけ及びカバ
ー1602と加圧板1603との間に緊定された板ばね
の締付け力だけ高められるよう、考慮されねばならな
い。
【0288】更に個々の構成部材は、圧着皿ばね160
4と補償リング1626との間の接触摩耗並びにセンサ
構成部材1622と受圧板1606との間、もしくはセ
ンサ構成部材1622とケーシング1602との間の接
触摩耗がライニング1607における摩耗に対する比に
おいて僅かに維持されるように、設計されねばならな
い。
【0289】図35では、乗上げランプ1642,16
43の間もしくは後調整部材1635,1636の間の
不都合な調節を回避するために、少なくとも一方の乗上
げランプ1642もしくは1643の範囲に、他方の乗
上げランプに掛止される小さな突起を設けることができ
る。この場合突起は、摩耗補償のための後調整を可能に
するが、乗上げランプ相互の相対的なスリップを阻止す
るように、設計される。特に、両乗上げランプ164
2,1643が互いに係合する突起を有していると、有
利である。前記突起は例えば、極めて僅かな高さを有す
る鋸歯状の成形体によって形成でき、この成形体は摩耗
後調整用の補償リングの方向でのみ乗上げランプ164
2,1643の相対移動を可能にする。このような成形
体は図35では乗上げランプ1642,1643の延び
方向の部分範囲に亘って概略的に符号1643aで図示
されている。乗上げランプ1642,1643の一方の
みが突起を有する使用ケースの場合、この突起は、他方
の乗上げランプを形成する材料よりも高い硬度を有する
ように形成されるので、突起は突起を支持する乗上げラ
ンプにおいて少なくとも僅かに食込むかもしくは掛止さ
れるようになる。
【0290】湾曲したもしくは波形の板ばねエレメント
1622が連結過程時に加圧板1603において生ずる
極めて高い温度に基づいて締め付け力を消滅することを
回避するために、ブシュ1618は有利には熱伝導性の
僅かな高い摩擦値の材料から製作されている。くさび体
1635,1636も同じ材料から製作することができ
る。
【0291】摩擦クラッチ、特に加圧板1603を申し
分なく冷却するために、加圧板1603内に半径方向に
延びる周方向に亘って分配された溝を設けることができ
る(図34で1つの溝1651を鎖線で図示)。この半
径方向の溝1651は、周方向でみて、それぞれ2つの
隣接するくさび体対の間に設けられていてかつ補償リン
グ1626と加圧板1603との間で延びている。
【0292】コイルばね1644の範囲では補償リング
1626は底部1627から出発する軸方向の切欠きを
有していて、これによって皿ばね1604と補償リング
1626との間に半径方向の通路が形成される。
【0293】種々の接触個所の耐摩耗性を高めるため
に、適当な範囲に耐摩耗性の層、例えば硬質クロム層、
モリブデン層を設けるか又は接触個所範囲に特別な耐摩
耗性の構成部材を設けることもできる。従って例えば受
圧板1606及びケーシング1602に対する接触範囲
で摩耗センサにプラスチックシューを設けることができ
る。
【0294】トルクを加圧板1603に伝達する板ばね
1609は加圧板1603とケーシング1602との間
で、摩擦クラッチ解離状態で加圧板1603をケーシン
グ1602の方向に変位させるように、プレロードをか
けている。これによって、事実上解離段階全体に亘って
もしくは制限部材1617が作用するまで補償リング1
626は圧着皿ばね1604に接触状態で維持されるよ
うになる。
【0295】舌片先端1604cの範囲で摩擦クラッチ
の解離行程は有利には、クラッチ解離状態で圧着皿ばね
1604の外縁が僅かな値だけ補償リング1626から
持ち上げられるように、選ばれている。つまりこのこと
は、摩擦クラッチを解離した場合皿ばね行程が圧着皿ば
ね1604による加圧板負荷の直径範囲で、行程制限部
材1622によって規定された加圧板1603の持ち上
げ行程1624よりも大きいことを意味している。
【0296】個々の構成部材の図34で図示の相対位置
は摩擦クラッチの新規状態に相応している。特に摩擦ラ
イニング1607が軸方向で摩耗した場合、加圧板16
03の位置は受圧板1606の方向に変位し、これによ
ってまず円錐率ひいては摩擦クラッチ連結状態で圧着皿
ばねによってもたらされる圧着力が、有利には増大方向
で、変化する。この変化によって、受圧板に軸方向で支
持されたセンサ構成部材1622に対する加圧板160
3の軸方向位置が変化する。
【0297】補償リング1626に作用する皿ばね力に
基づいて補償リング1626はライニング摩耗によって
生ぜしめられた加圧板の軸方向変位に追従し、これによ
って補償リング1626のストッパ1632は、センサ
構成部材1622の突起1633としての対向ストッパ
として用いられる範囲から、ほぼライニング摩耗に相応
する値だけ軸方向に持ち上げられる。
【0298】補償リング1626は連結過程中加圧板に
対してその軸方向位置を維持する。それというのも補償
リングは圧着皿ばね1604によって加圧板1603の
方向に負荷されかつ摩耗補償装置は連結過程中自己ロッ
ク作用を以って、つまり軸方向の遮断部材として作用す
るからである。
【0299】摩擦クラッチを解離した場合加圧板160
3は板ばね1609によってケーシング1602の方向
に負荷されかつセンサ構成部材1622がケーシング1
602もしくはケーシングストッパ範囲1623に当接
するまで変位する。加圧板1603の持ち上げ行程に相
応するこの解離行程まで加圧板1603に対する補償リ
ング1626の軸方向位置が維持される。
【0300】解離過程を継続した場合加圧板1603は
停止するのに対して、補償リング1626は負荷直径範
囲で軸方向で皿ばねの解離運動に追従する、つまり、補
償リング1626のストッパ1632がセンサ構成部材
1622の対向ストッパ1633に再び当接するまで、
追従する。補償リング1626の軸方向移動は、コイル
ばね1644によって負荷されているくさび体1635
によって生ぜしめられる。くさび体1635は、補償リ
ング1626がセンサ構成部材1622の対向ストッパ
1633に緊定されるまで、くさび体1636に対して
周方向で移動する。
【0301】加圧板1603の持ち上げ行程は図示の実
施例では板ばね1609によって保証され、この板ばね
は、加圧板1603をケーシング1602の方向に圧迫
する軸方向のプレロードを有するように、ケーシング1
602と加圧板1603との間に組み込まれている。
【0302】更に圧着皿ばね1604が解離方向に旋回
させられた場合、圧着皿ばねは半径方向で外側の範囲で
補償リング1626から持ち上げられる。それというの
も、すでに述べたように、補償リング1626はセンサ
構成部材1622によって加圧板1603に対して軸方
向で抑止されるからである。解離過程中の補償リング1
626に対する少なくとも僅かなこのような圧着皿ばね
1604の持ち上げは後調整手段の機能にとって特に有
利である。
【0303】本発明による後調整手段1617;163
4によって、くさび体1635,1636による補償リ
ング1626における後調整が常にライニング摩耗量に
応じて行われるようになる。このことは、補償リング1
626がくさび体1635,1636としての後調整部
材とセンサ構成部材1622との間で軸方向で締め付け
られていることに起因し、これによって、補償リング1
626としての補償構成部材が適当なライニング摩耗よ
りも大きな値だけ後調整されることが阻止される。
【0304】更に後調整手段の本発明による設計によっ
て、皿ばね舌片1604bのような解離部材の範囲で過
剰行程が生じた場合、又加圧板に軸方向振動が生じた場
合、後調整手段の調節が行われないことが保証される。
それというのも摩耗センサはケーシング1602にハー
ドに当接した場合でも自己ロック作用を有する摩耗補償
装置1634によって、つまり対向ストッパを介して加
圧板1603に対して軸方向で支持されるからである。
【0305】つまり摩擦クラッチの解離状態ではセンサ
構成部材1622に受圧板1606の方向で軸方向の力
が作用し、この力はセンサ構成部材1622と加圧板1
603との間の摩擦接続的な結合よりも大きく、この場
合、センサ構成部材が加圧板1603に対して軸方向で
移動することはない。
【0306】本発明による後調整手段によって、摩擦ク
ラッチの耐用寿命全体に亘って圧着皿ばねは事実上同じ
特性曲線範囲に亘って作業しかつ摩擦クラッチ連結状態
で事実上コンスタントに維持された締付け位置を有しひ
いては事実上不変な圧着力を加圧板1603に作用させ
る。これによって、有利にはライニング1607がばね
セグメント1610を介して互いにばね弾性的に支持さ
れているクラッチディスクと組み合わせて、解離行程に
亘って漸進的に減少する特性曲線を有する圧着皿ばねを
使用できる。
【0307】これによって実際に作用させるべき解離力
は比較的低いレベルにもたらされかつ、ライニング弾性
特性が摩擦クラッチの耐用寿命に亘って著しく変化しな
い限りにおいて、摩擦クラッチの耐用寿命に亘って事実
上コンスタントに維持される。
【0308】このような摩擦クラッチを解離する場合、
圧着皿ばね1604は旋回支承部1605を中心として
旋回させられ、この場合、加圧板1603の軸方向解離
行程の所定の部分範囲に亘ってばねセグメント1610
が弛緩されひいてはばねセグメントによってもたらされ
る軸方向力は摩擦クラッチの解離行程を補助する。つま
りこのことは、摩擦クラッチの連結位置で理論的に圧着
皿ばね1604と板ばね1609との組込み位置から生
ぜしめられる解離力よりも僅かな最大の解離力がかけら
れることを意味している。
【0309】ばねセグメントの弾性範囲もしくは弛緩範
囲を越えた場合には、摩擦ライニング1607が解放さ
れ、これによって圧着皿ばね1604が作業する漸進的
に減少する特性曲線範囲に基づいて、この際まだ作用さ
せねばならない解離力は図34による組み込み点もしく
は組み込み位置に相応する解離力に比して著しく減少さ
れる。更に解離行程を継続した場合、少なくとも圧着ば
ね皿1604の有利にはサインカーブ状の特性曲線の最
高点もしくは最低点に達するまで、解離力が減少する。
【0310】図33及び図34で図示の後調整手段は有
利には、摩擦クラッチが回転した場合後調整用のコイル
ばね1644の個々の巻条が補償リング1626の外壁
1631に支持されかつコイルばね1644によって周
方向でもたらされる調節力がばね巻条と補償リング16
26との間で生ずる摩擦抵抗に基づいて減少されるか又
は完全に消滅させられるように、設計されている。つま
りコイルばね1644は摩擦クラッチが回転した場合、
ばね作用を抑制する摩擦力に基づいて事実上剛性的に挙
動する。
【0311】更に後調整用のくさび体1635はくさび
体に作用する遠心力に基づいて同様に補償リング162
6の壁1631に半径方向で支持されかつくさび体16
35と補償リング1626との間で生ずる摩擦力によっ
て回動を阻止される。
【0312】これによって、少なくとも内撚機関のアイ
ドリング回転数の上側の回転数範囲では、摩耗補償装置
1634はコイルばね1644によって回動させられる
ことはない。つまり摩擦クラッチ1601は、ライニン
グ摩耗補償をアイドリング回転数でもしくは少なくとも
ほぼアイドリング回転数で摩擦クラッチが操作された場
合にのみ行うように、設計されている。
【0313】補償リング1626のロックは摩耗補償装
置1634を適当に設計することによって、内撚機関が
停止した場合にのみ、つまり摩擦クラッチが回転しない
場合又は極めて僅かな回転数の場合にのみライニング摩
耗の後調整を行なうように、行うこともできる。
【0314】後調整ランプを構成する構成部材163
5,1636の間の材料対偶並びにこの構成部材と協働
する構成部材の材料は有利には、摩擦クラッチの運転寿
命に亘ってランプとこのランプと協働する構成部材との
間で後調整を妨げる付着を生ぜしめないように、選ばれ
ている。このような付着を回避するために、前記構成部
材の少なくとも1つは少なくともランプ又は支持面の範
囲に被覆層を備えることができる。
【0315】乗上げランプと対向ランプとの間の付着結
合を阻止するために、摩擦クラッチが解離された場合も
しくは摩耗後調整の場合ランプの分離もしくは引剥しを
行う軸方向力を後調整部材に及ぼす少なくとも1つの手
段を設けることができる。
【0316】摩擦クラッチの新規状態では、つまり摩擦
クラッチがクラッチディスクを間挿して受圧板1606
に固定される前に摩擦クラッチが有する状態では、くさ
び体1635は図35で図示の位置に比してくさび体1
636に対して一層引き込まれた位置を占めるので、補
償リング1626は加圧板1603の方向で最も引き込
まれた位置を有しひいては加圧板1603/補償リング
1626のユニットは極め僅かな軸方向の構造スペース
を必要とする。
【0317】くさび体1635を摩擦クラッチ組立前に
引き込まれた位置で保持するために、くさび体1635
は回動もしくは抑制部材用の切欠き1652としての係
合範囲を有している。このような抑制部材は摩擦クラッ
チを製作もしくは組み立てる場合に設けられかつはずみ
車1606に摩擦クラッチを取り付けた後で取り除か
れ、これによって後調整装置1634が機能を発揮する
ようになる。
【0318】図示の実施例では補償リング1626内に
は周方向に延びる縦長のスリット1653が設けられて
いて、このスリットを介して抑制部材もしくは回動工具
の係合範囲が切欠き1652内に係合させるために貫通
案内される。この場合、周方向で設けられた縦長のスリ
ットは少なくとも、回動量が周方向でのくさび体163
5の最大の摩耗後調整角に相応する延びを有している。
【0319】摩擦クラッチの新規状態で周方向でみて引
き込まれた位置で保持されたくさび体1635は、この
位置で、補償リング1626を引き込み位置で確保する
センサ構成部材1622によって保持される。センサ構
成部材1622と加圧板1603との間の自己後調整作
用を有する結合部は、加圧板1603に対してセンサ構
成部材1622を移動させるために必要な摺動力が、く
さび体1635を負荷するコイルばね1644によって
生ぜしめられる、補償リング1626に作用する合成の
力よりも大きいように、構成されねばならない。
【0320】図33及び図34の実施例ではランプ16
43を直接補償リング1626によって、例えば斜面を
圧刻することによって形成でき、この場合、補償リング
1626はコイルばね1644によって加圧板1603
に対して回動可能でなければならない。このような実施
例の場合、くさび体1636は加圧板1603に回動不
能にもしくは加圧板に直接一体成形される。
【0321】更にこのような実施例の場合、摩擦クラッ
チの耐用寿命に亘ってセンサ構成部材1622と補償リ
ング1626との間の軸方向の制限作用を維持すること
を保証するために、張出し部1632として構成された
ストッパは補償リング1626の所要の後調整回動角に
相応して周方向で延長されねばならない。
【0322】最後に述べた実施例では後調整用の補償リ
ング1626は摩擦クラッチを組み立てた後でも簡単な
形式で、特に周方向で延びるストッパとしての張出し部
1632を介して半径方向で外側から回動することがで
き、この張出し部にはクラッチケーシング1602の外
周面に設けられた貫通部を介して接近することができ
る。この半径方向の貫通部は特に加圧板1603のトル
ク伝達突起1625並びに板ばね1609を収容でき
る。
【0323】更に本発明による後調整手段の利点は、後
調整手段の原理をいわゆる引張り式摩擦クラッチの場合
にも使用できるということにある。この摩擦クラッチに
おいては、皿ばねが半径方向で外側の縁部範囲でカバー
に旋回可能に支持されかつ半径方向で更に内側に位置す
る縁部範囲で加圧板を負荷している。このようなクラッ
チは図38で図示されている。
【0324】皿ばね1704と加圧板1703との間に
は、図33及び図34に関連して記載したのと同様に構
成された摩耗補償装置1734が設けられている。後調
整用の補償リング1726は矢張り摩耗センサ1717
を介してセンサ構成部材1722と協働する。加圧板1
703に対するセンサ構成部材1722の後調整はケー
シング1702もしくはカバーにストッパ範囲1722
aが当接することによって行われる。センサ構成部材1
722は同様に、解離過程の際に加圧板1603の軸方
向行程を制限するストッパ1733を有している。
【0325】図38による後調整手段の申し分のない機
能を可能にするために、補償リング1726はセンサ構
成部材1722に対して少なくとも僅かばかり軸方向で
運動できる。このことは、センサ構成部材1722と補
償リング1726との間に遊びを有する適当な当接結合
部1733aが設けられることによって又は補償リング
1726が軸方向でばね弾性的に変形可能な、つまり弾
性的なフレキシブル性を有する半径方向範囲1726a
を有することによって、行われる。
【0326】図示されてない変化実施例によれば、セン
サ構成部材1722をカバー1702と協働させる代わ
りに、有利には少なくとも摩擦クラッチが連結された場
合に少なくとも軸方向で皿ばね1704と協働させるこ
ともできる。この場合、センサ構成部材1722と皿ば
ね1704との間の当接が、少なくともほぼケーシング
1602の支持直径もしくは皿ばね支持直径の半径方向
高さで、行われると有利である。引張り式摩擦クラッチ
のために、皿ばねにおける摩耗センサの支持直径が加圧
板における皿ばねの支持直径よりも大きいと有利であ
る。
【0327】図39で図示の実施例では摩耗センサ18
17は直接加圧板1803の基体内に収容されている。
センサ構成部材1822は対向ストッパを成すカバー範
囲1823と協働するストッパ範囲1822aを有して
いる。カバー範囲1823は一体に固定部材1802a
を備えていて、この固定部材を介して皿ばね1804は
カバー1802に旋回可能に支承される。
【0328】図示の実施例では固定もしくは保持部材1
802aは一体にカバー材料から形成された舌片によっ
て形成されていて、この舌片を介して軸方向で皿ばね1
804が延びている。皿ばね基体1804aの半径方向
範囲に設けられる摩耗センサ1817の半径方向で外側
には摩耗補償装置1834が設けられている。
【0329】図39による実施例ではセンサ構成部材1
822はケーシング1802もしくはカバー範囲182
3と軸方向で協働する代わりに、有利には少なくとも摩
擦クラッチが連結された場合に少なくとも軸方向で皿ば
ね1804に支持可能である。このために皿ばね180
4は軸方向の切欠きを有していて、この切欠きを介して
センサ構成部材が差し込まれるので、ストッパ範囲18
22aは摩擦クラッチ連結状態で対向ストッパ範囲18
23の代わりに皿ばね1804に軸方向で支持される。
【0330】摩擦クラッチを解離した場合、ストッパ範
囲1822aは皿ばね1804から持ち上げられる。そ
れというのもストッパ範囲1822aは加圧板1803
におけるばね皿の支持直径よりも小さな直径上に設けら
れているからである。このことは、ストッパ範囲182
2aが加圧板1803と皿ばね1804との間の支持直
径よりも皿ばねの旋回直径に近いことに起因している。
【0331】本発明による摩擦クラッチの構成により、
厚い摩擦ライニングが使用され、したがって軸方向のラ
イニング摩耗体積も大となることによって、クラッチの
有効寿命が長くなるのみでなく、特にリリース力の低減
が達成される。しかも、これが、クラッチのリリース距
離にわたって漸減する力・距離特性線を有する蓄力部材
を、加圧板に作用する蓄力部材に抗して作用する少なく
とも1個のばね手段と組合せて用いることによって達成
されているのである。このばね手段は、クラッチの断続
時に、クラッチの伝達可能トルクの漸増ないし漸減を、
クラッチ操作距離ないし加圧板変位距離の少なくとも一
部分にわたって生ぜしめるものである。このばね手段
は、また、有利には、クラッチの押圧ばね、たとえば皿
ばねと直列に配置しておく。要するに、摩擦クラッチの
本発明による構成により、著しいリリース力低減が達成
され、この低減がクラッチの全有効寿命の間、維持され
るか、ないしは、比較的狭い公差域内で不変である。更
に、本発明による摩擦クラッチの場合、動作域で比較的
急勾配の力・距離特性線を有する皿ばねが用いられてい
る。この種の皿ばねは、従来式のクラッチであれば、ラ
イニングの摩耗時にリリース力が極めて著しく増大する
ことになろう。
【0332】本発明による後調整装置を備えていないク
ラッチの場合、ライニングの摩耗が進行すると、まず、
クラッチの接続状態に応じた点41(図8)が、特性線
40に沿って最大値41a方向に移動する。リリース過
程の間に、リリース力は、この点41aまで減少する
が、全体として、クラッチの新しい状態でのリリース力
の推移に比して、リリース力の推移のレベルは増大す
る。このことは、要するに、区間43が左へ移動して、
点41が最大値41aと合致することを意味している。
点44は、特性線40に沿って相応に移動する。ライニ
ングの摩耗が更に進と、クラッチの接続状態に相応す
る、皿ばねの組付け点が最大値41aから徐々に点41
bの方向へ移動し、この結果、皿ばねによる押圧力が徐
々に減少する。点41bでの皿ばねの押圧力は、点41
でクラッチの新しい状態のさいに作用する押圧力に合致
する。最大値41aを超えると直ちに、リリース過程で
は、少なくともクラッチ操作距離の一部分にわたりリリ
ース力が増大する。最大許容摩耗距離ないしは摩耗点4
1bに達成すると、全リリース距離にわたってリリース
力が上昇する。このリリース力の上昇は、図8に示した
ように、ライニングの弾発性42aが存在する場合にも
維持される。
【0333】摩擦クラッチ及び特にその後調整装置の構
成の場合、計算に入れねばならない点は、内燃機関のク
ランク軸が、はずみ車に軸方向振動やタンブリングを励
起する点である。これらの振動は、はずみ車に取付けら
れたクラッチにも伝達される。クラッチないし後調整装
置を申し分なく機能させるためには、言いかえると、そ
のような振動により後調整が不完全にならないようにす
るには、図1〜図27の実施例の場合、要するに、力の
センサを有する後調整装置を備えた実施例の場合、一般
的に、この力のセンサの後調整力を、力のセンサに作用
しうる慣性力より大きくしておかねばならない。この慣
性力は、特に操作用の皿ばねの質量、後調整部材の質
量、力のセンサの相応の割合の質量、かつまた、場合に
よりその他の構成部材の質量に、これらの部材の可能な
最大の軸方向加速、すなわち、はずみ車の軸方向振動及
び曲げ振動とから生じる加速を乗じた値等から結果する
力である。かくして、たとえば図27の実施例の場合、
センサ皿ばね1013が加圧板1003に支えられてお
り、この形式の場合は、加圧板1003の慣性も計算に
入れる必要がある。要するに、常にセンサ皿ばね101
3による力が、このばねに作用する力より大きいことが
保証されねばならない。この皿ばねに作用する力は、慣
性により皿ばねに作用する部材の質量に、最大可能な軸
方向加速を乗じた力である。これらの慣性力は、特にク
ラッチの操作中に、かつまた特にクラッチの外された状
態では、不都合な影響を与える。
【0334】図34〜図39の実施例の場合、摩耗セン
サと摩耗補償装置の構成のさい、同じように、個々の構
成部材の慣性により発生する力と、これらの部材に作用
する軸方向振動や回転振動により発生する力とを計算に
入れなければならない。
【0335】要するに、一般的には、摩耗補償手段の組
込まれた摩擦クラッチの構成のさいには、軸方向振動又
は回転振動が伝達され、かつ補償手段に作用を与える部
材の質量を、それぞれ計算に入れる必要がある。図33
〜図39の実施形式の場合、特に、斜面機構の機能に影
響を与える構成部材を考慮に入れる必要がある。
【0336】図40には分割されたはずみ車1401が
示されている。このはずみ車1401は、図示されてい
ないクランク軸に取付け可能の第1の回転質量、すなわ
ち1次回転質量1402と、第2の回転質量、すなわち
2次回転質量1403とを有している。2次回転質量1
403にはクラッチ1404がクラッチ板1405を間
そうした上で取付けられている。クラッチ板1405を
介して、同じく図示されていない変速機の断続が可能で
ある。回転質量1402,1403は、支承部1406
を介して互いに回転可能に支承されている。支承部14
06は、内燃機関出力軸に第1の回転質量1402を取
付けるねじ1408の孔1407の半径方向に設けられ
ている。両回転質量間にはダンピング装置1409が働
いている。この位置は、トーラス状の区域1412を形
成する環状室1411内に収容された圧縮コイルばね1
410を有している。環状室1411は、少なくとも部
分的に、たとえばオイル又はグリースなどの粘性媒体で
充たされている。
【0337】1次回転質量1402は、主として薄板材
料製の構成部材1413により形成されている。構成部
材1413は、ほぼ半径方向に延びるフランジ状区域1
414を有している。この区域は、半径方向に一体に付
加成形された軸方向延長部1415を有し、この延長部
は複数の孔1407により取囲まれている。ころがり軸
受部1406の1列のころがり軸受1406aは、その
内レース1416が軸方向延長部1415の半径方向外
方端部分に受容されている。外レース1417は、ほぼ
平らなディスク状ボディとして構成された第2の回転質
量1403を支持している。この目的のため、回転質量
1403は、軸受1406aが受容される中心穴を有し
ている。ほぼ半径方向に延びる区域1414は、半径方
向外方でシェル状に構成された区域1418へ移行して
いる。この区域1418は、蓄力部材1410の少なく
とも外周を少なくとも部分的に包囲し、部材1410を
案内ないし支えている。区域1418に取付けられたシ
ェル状のボディ1419は、部分的に部材1410の周
囲を取囲んでいる。ボディ1419は薄板体1413と
溶接されている(符号1420の個所)。トーラス状の
区域1412は、周方向で見て個別の受容部に下分割さ
れ、それらの受容部には蓄力部材1410が受容されて
いる。個々の受容部は、周方向で見て蓄力部材1410
の負荷区域により互いに分けられている。これらの負荷
区域は、薄板部材1413とシェル状ボディ1419に
形成されたポケットにより形成できる。第2の回転質量
1403と結合された蓄力部材1410用負荷区域14
21は、クラッチカバー1422により保持されてい
る。
【0338】負荷区域1421は半径方向アーム142
1により形成されている。これらのアームは、図示の実
施例の場合、カバー1422の軸方向区域1423に載
置され、環状室1412内へ、それも周方向で隣接する
蓄力部材1410の端部間へ、半径方向に入り込んでい
る。軸方向に延びるカバー区域1423の部分1423
aが、2次回転質量1403を取囲み、この回転質量1
403と、たとえば、前記の部分1423aに設けられ
た打出し部を介して、もしくは別の固定形式により、不
動に結合されている。前記打出し部は、回転質量140
3の相応の凹所内に係合している。
【0339】回転質量1403の外的輪郭に定心された
クラッチカバー1422は、負荷区域1421と反対側
の端部に、ほぼ半径方向内方に延びる環状区域1426
を有している。この区域1426には、2腕レバーとし
て働く皿ばね1427が旋回可能に保持されている。半
径方向で更に外方に位置する皿ばね区域は加圧板142
8に負荷を与えている。これによって、クラッチ板14
05の摩擦ライニング1429が、第2回転質量140
3と加圧板1428との間に軸方向に挟付けられる。ラ
イニング1429とライニング1429との間には、ラ
イニングばね1465が設けられている。
【0340】図40から分かるように、環状室1411
ないしそのトーラス状区域1412は、主に、第2回転
質量1403の最も外側の輪郭の半径方向外方に配置さ
れている。これによって、内燃機関の出力軸のところで
第1回転質量1402のリンク結合に役立ち、かつトー
ラス状区域1412を保持視し、内燃機関に隣接する構
成部材1413と、第2回転質量1403とが、環状室
1411の半径方向内方で比較的大きい半径方向延びに
わたって中間スペースないし空気ギャップ1430を形
成しつつ、事実上直接に向い合っている。要するに事実
上僅かの間隔をおいて隣接している。これにより、はず
み車1401、クラッチ1404、クラッチ板1405
から成るユニットが、軸方向にきわめてコンパクトな構
造形式にまとめられている。環状室1411のシールは
シール1431により保証される。シール1431は、
半径方向壁部1419の内方区域とカバー1422の外
とう面との間に配置されている。
【0341】有利には、この中間スペース1430がは
ずみ車1401の冷却に役立つようにする。そのさいに
は、冷却空気流がこの中間スペース1430を通るよう
にする。このような冷却空気循環を可能にするために、
第2回転質量1403は摩擦面1432の半径方向内方
に軸方向穴1433を有している。これらの穴はエンジ
ン側構成部材1413の方向に延び、中間スペース14
30に開口している。冷却の改善のため、第2回転質量
1403は、更に軸方向の通路1435を有している。
これらの通路1435は、半径方向で更に外方に位置
し、摩擦面1432とは反対の側で中間スペース143
0と連通し、かつ回転質量1403の、クラッチ140
4に向いた側で摩擦面1432の半径方向外方に開口し
ている。回転質量1403は、通路1435ないし穴1
433の半径方向内方に別の穴1434を有し、これら
の穴が、特に、取付けねじ1408を受容するのに役立
っている。
【0342】部分的に粘性媒体が充填されたチャンバ1
411をシールするために、別のシール1436が設け
られている。このシールは、ダイアフラム状ないし皿ば
ね状の構成部材により形成されており、この部材が半径
方向に中間スペース1430内を延びている。
【0343】シェル状のボディ1419は、溶接接合に
より結合されている始動リングギヤ1439を保持して
いる。
【0344】図35に示された2質量はずみ車1402
+1403は、クラッチ1404とクラッチ板1405
とから成るクラッチ集合体と一緒に1つの構成ユニット
Aを形成している。このユニットは、このようなユニッ
トとして予め製造され、運搬され、保管され、内燃機関
のクランク軸に、特に簡単かつ合理的にねじ固定するこ
とができる。構成ユニットAの組立てのためには、ま
ず、クラッチ1404と第2回転質量1403とが、ク
ラッチ板1405を間そうして互いに結合される。その
あとで、クラッチ1404、回転質量1403、クラッ
チ板1405から成る下部ユニットが構成部材1413
と軸方向に集められ、次いでクラッチカバー1422の
外縁1423に受容されるシェル状ボディ1419が、
構成部材1413の外側区域に接触せしめられ、この部
材と符号1420のところで溶接される。双方の構成部
材1413と1419とを軸方向に集める前に、ばね1
410をトーラス状区域1412内へはめ込む。構成ユ
ニットAには、更に、軸方向延長部1415に取付けら
れている軸受1406が既に組込まれている。フランジ
区域1414の穴1407内には、加えて、固定用ねじ
1408が既に前組付けされているか、ないしは、6角
穴付きねじの形式で含まれている。そのさい、ねじ14
08は、図35の下半部に示した位置を占めることにな
る。これらのねじは、この位置でユニットA内に紛失す
ることなく保持される。
【0345】クラッチ板1405は、クランク軸の回転
軸と予め定心された位置に、加圧板1428と第2回転
質量1403の摩擦面1432との間に挟付けられてい
る。この位置は、また、クラッチ板内に設けられた穴1
443が、ユニットAの組付け過程時に内燃機関の出力
軸にねじ締め工具を差込むことのできる位置に来るよう
な位置でもある。穴1443は、ねじ1408のヘッド
1440より小さいので、ユニットA内にねじ1408
が、紛失のおそれなしに確実に保持される。
【0346】皿ばね1427にも、その舌状部1427
aの区域に穴ないしカットアウト部1444が設けら
れ、ねじ締め工具を差込むことができる。穴1444
は、舌状部1427aの間に設けられたスリットの幅の
拡大部を形成するような形式で設けておくことができ
る。皿ば1427の穴1444は、クラッチ板140
5,1434及び回転質量1403の穴1427,14
43と互いに軸方向に重なっている。この場合の重なり
方は、次の通りである。すなわち、クランク軸にユニッ
トAを位置決めして組付けねばならないため、穴の非対
称的配置が必要となる場合にも、たとえば6角棒スパナ
などの組付け工具を、穴1444,1427,1443
から差込んで、ねじ1408のヘッド1440の凹所に
係合させることができる。
【0347】この種のユニットAにより、はずみ車の組
立てが著しく容易になる。なぜなら、他の場合に必要と
なるクラッチ板の定心作業、クラッチ板そう入の作業過
程、クラッチの取付け、定心用心棒の導入、クラッチ板
の定心、ねじの差込み、クラッチのねじ付け、定心用心
棒の除去等々の種々の作業工程が不要となるからであ
る。
【0348】摩擦クラッチ1404は、後調整装置14
45を有している。この装置は、図1〜図27の実施例
との関連で説明したような形式で、センサばね1446
とリング状後調整部材1447を介して摩擦の補償を行
なう。
【0349】図41に示したトルク伝達装置1501
は、クランク軸Kと回動不能に結合可能の対応加圧板1
503を有している。この対応加圧板には、摩擦クラッ
チ1504が、クラッチ板1505を間そうして固定さ
れている。クラッチ板1505は、詳しくは図示されて
いない変速機の入力軸に取付けられる。
【0350】クラッチカバー1522は軸方向に延びる
区域1523を有している。この区域は、加圧板152
8と摩擦ライニング1529とを半径方向外方で軸方向
に取囲んでいる。スリーブ状ないし管状のカバー区域1
523の端部分1523aは、対応加圧板1503を取
囲み、端部分1523aに設けられた打出し部1524
を介して対応加圧板と結合されている。カバー1522
と対応加圧板1503は、しかし、他の形式、たとえば
溶接継手、ねじ又はピンによる結合等によっても結合で
きる。ねじ又はピンは、同じく軸方向に用いるのが有利
である。
【0351】対応加圧板1503の外的輪郭に定心され
たクラッチカバー1522は、ほぼ半径方向内方へ延び
る環状区域1526を有している。この区域には2腕レ
バーとして働く皿ばね1527が旋回可能に支承されて
いる。皿ばね1527の半径方向外方区域が加圧板15
28に負荷を与えている。これによって、摩擦ライニン
グ1529が、対応加圧板1503と加圧板1528と
の間に軸方向に挟み付けられる。皿ばね1527は、リ
リース・システムを介してクラッチ1504を操作する
ための軸方向舌状部1527aを有している。加圧板1
528とカバー1522との間のトルク伝達のため、有
利には板ばね1521形式のトルク伝達手段を有してい
る。これらの板ばねは、一端が、有利にはリベット継手
1521aを介してカバー1522と不動に結合され、
他端が、同じくリベット継手を介して加圧板1528と
結合されている。有利には、加圧板1528と板ばね1
521との間の結合は、いわゆる盲リベット継手を介し
て行なわれる。この継手はたとえば図40の上半部に摩
擦ライニングの半径方向の延び区域に示されている。
【0352】摩擦クラッチ1504ないしトルク伝達装
置1501は後調整装置1545を有している。この装
置は、図1〜図27の実施例と関連して説明した形式と
類似の形式で、センサばね1546と後調整部材154
7とを介して摩耗補償を行なう。
【0353】図40および図41の場合、直接にカバー
材料に型付けされた対応斜面は、この斜面が、クラッチ
回転方向にそれぞれ1つの通気穴(図41の符号154
7a)を形成するように構成されている。このように構
成することによって、相応のクラッチの回転時に、クラ
ッチの冷却が強制空気循環によって改善される。このこ
とによって、また、特に、スチック製の後調整部材14
47ないし1547も冷却されるので、これらの部材の
熱負荷も著しく低減される。
【0354】クラッチ1504ないし対応加圧板150
3は、出力軸Kのところに、弾性的な、ないしはばね様
にたわみ可能の構成部材1550を介して、回動不能
に、しかも軸方向に制限された距離だけ移動可能に固定
されている。図示の実施例の場合、この構成部材155
0は、ディスク状に構成され、その剛度が次のように選
定されている。すなわち、出力軸Kにより摩擦クラッチ
1504に励起される軸方向振動やタンブリングないし
曲げ振動は、弾性的な構成部材1550によって、クラ
ッチ1504及び特にクラッチの後調整装置1545の
申し分のない機能が保証される程度まで減衰ないし抑制
される。要するに、軸方向にたわみ可能な構成部材15
50を介して内燃機関の出力軸、たとえばクランク軸に
対し軸方向振動や曲げ振動からクラッチ・ユニットが最
大限に断絶されるようにする。これによって、クラッチ
・ユニット1504ないしその後調整装置1545が、
その機能を損なわれないようにすることができる。クラ
ンク軸Kからクラッチ・ユニット1504を前述のよう
に断絶することなしには、摩耗の後調整装置1545の
後調整は満足には行なわれえない。これは、複数構成部
材の質量と、振動の結果、これら部材に作用する加速に
よる。要するに、振動を減衰する構成部材1550を用
いない場合には、特に後調整装置1545の場合には、
この装置を形成する構成部材により生ぜしめられる慣性
力を計算に入れる必要があろう。そのことによって、厄
介な調整が必要になるだろうし、また、ライニングの摩
耗に起因しない、後調整装置1545の後調整を防止す
るための付加的手段が必要となろう。
【0355】図41のトルク伝達装置の場合、摩耗の後
調整装置1545は、クラッチカバー1522と皿ばね
1527の間で作業を行なう。トルク伝達装置1501
は、しかし、図33〜図39の摩擦クラッチ、すなわ
ち、皿ばねと皿ばねにより負荷される加圧板との間で働
くクラッチと組合せて用いることもできる。
【0356】対応加圧板1503は、半径方向外方でね
じ継手1551を介して、軸方向に弾性的な、ディスク
状構成部材1550と固定結合されている。ねじ継手1
551の代りに盲リベット継手、たとえば図40の上半
部に加圧板1428への板ばねの取付けに関連して示し
た形式も、利用できる。構成部材1550と対応加圧板
1503との間のリンク個所1551の半径方向内方に
は、これら両部品1550,1503との間に軸方向隙
間1552が存在しており、この隙間が、両部品155
0,1503との間の、一方の軸方向への最大軸方向振
動振幅を決定する。ディスク状の構成部材1550に対
応加圧板1503の半径方向内方区域1503を接触さ
せることにより、クラッチ1504の、出力軸K方向へ
の最大軸方向変位を制限することができる。しかし、通
常の使用条件の場合、特に、内燃機関が申し分なく機能
している場合には、そのような接触は生じない。リング
状の対応加圧板1503は軸方向の突起1553を取囲
んでいる。この突起はディスク状ないしリング状の構成
部材1554の一部である。この部材1554は、弾性
的なディスク1550の半径方向内方区域と固定結合さ
れている。このディスク1550と部材1554とは、
出力軸Kのリング状突起1555上で定心され、出力軸
とねじ継手1556を介して固定結合されている。その
場合、ディスク状の部材1550の半径方向内方区域
は、出力軸Kの端面とリング状部材1554との間に軸
方向に挟付けられる。
【0357】部材1554の軸方向突起1553は、弾
性的な部材1550とは反対側の端部に半径方向区域1
558を有している。これらの区域は、クラッチ150
4又は対応加圧板1503の軸方向変位を、他方の軸方
向に制限している。これらの区域1558と対応加圧板
1503との間には、部材1550が負荷されていない
状態のさいには、軸方向隙間1559が存在する。この
隙間1559は、軸方向に隙間1552と同じ程度の間
隔を有している。対応加圧板1503は、その内側面を
介して軸方向の突起ないし延長部1553に事実上遊び
なしに受容されることができる。この結果、対応加圧板
1503の軸方向案内が保証される。しかしながら、有
利には、対応加圧板1503の内側面と軸方向突起15
53との間に少なくとも僅かの空気ギャップが存在し、
したがって通常の作動状態の場合、これら両部品間に接
触が生じないようにする。
【0358】別の構成によれば、弾性部材1550を備
えていても依然として伝達される振動を減衰するため
に、振動エネルギーを消滅させる装置を備えるようにす
ることもできる。この種の装置は、摩擦接続によって形
成できる。この種の接続は、たとえば図42に示されて
いる。図42の変化形の場合、対応加圧板1503の内
方区域と延長部1553の外とう面との間に減衰手段1
560が設けられている。この減衰手段は、たとえば周
方向に波形をなすリングにより形成できる。このリング
の波形は半径方向に延びている。このリング1560
は、半径方向に加圧されて組付けられており、それによ
って、軸方向振動が存在する場合、たとえば、このリン
グ1560と対応加圧板1503の内側面との間に摩擦
が生ぜしめられる。要するに、対応加圧板1503の減
衰支承が延長部1553上で行なわれるのである。波形
リング1560は、その周方向に分離しておくことがで
きる。つまり開放個所を有するようにしてもよい。
【0359】ディスク状の弾性的な部材1550は半径
方向外側に始動リングギヤ1561を保持している。
【0360】ディスク状の構成部材1550、対応加圧
板1503、クラッチ板1505、摩擦クラッチ150
4は、構造ユニットを形成しており、このような構造ユ
ニットとして予め組立てられ、運送され、保管しておく
ことができ、かつまた、内燃機関のクランク軸Kに特に
簡単かつ合理的にねじ取付けすることができる。6角穴
ねじの形状の取付けねじ1556は、同じく既に前組付
けされて、紛失することのない形式で構造ユニットに含
まれている。
【0361】クラッチ板1505は、クランク軸の回転
軸線に予め定心された、加圧板1528と対応加圧板1
503との間の位置に挟付けられている。クラッチ板1
505は加えて、クラッチ板のばね減衰部材の半径方向
内方に設けられている穴1562が構造ユニットの組立
て時に出力軸Kのところにねじ締め工具1563を差込
むことができる位置に来るように、配置されている。皿
ばね1527も、必要とあらば、ねじ締め工具1563
を差込む穴ないしカットアウト部1564を有してい
る。皿ばねの穴1564は、クラッチ板1505の穴1
562と重なるので、たとえば6角棒レンチ1563な
どの組付け工具を支障なしに、ねじ1556のヘッドの
凹所に係合させることができる。
【0362】他の実施例との関連で既に述べたように、
少なくともライニング摩耗を補償する装置1545を有
する摩擦クラッチ1504の使用により、クラッチの構
成、特に、クラッチ板用の加圧力を得るための蓄力部材
1527の構成を最適化することができる。この蓄力部
材は、事実上、所望のトルクの伝達に要するクラッチ板
締付け力だけを調達するように構成することができる。
後調整装置1545により、この蓄力部材1527が、
クラッチ・ユニット1501の接続状態のさい、全有効
寿命の間事実上等しい組付け姿勢を維持するように保証
される。更に、同じくクラッチ・ユニット1501内に
存在するライニングばね1565形式の装置により、ク
ラッチのリリース力ないしリリース力の推移の減少が達
せられる。ライニングばね1565は、ユニット150
1の継続のさい、加圧板1528の操作距離の少なくと
も一部分区域にわたり、ユニットにより伝達可能のトル
クの漸減ないし漸増を生じさせる。要するに、ライニン
グばねなどの装置による力と、加圧板に作用する蓄力部
材による力との間の、ないしはそれらの力・距離特性線
間の相応の調整によって、所望のリリース力の推移を定
めることができるのである。これによって、また弾性的
な構成部材1550を軸方向振動、曲げ振動、タンブリ
ングに対する所望の減衰機能に関して最適に構成するこ
とができる。なぜなら、この弾性的な構成部材に作用す
る低減されたリリース力は、二義的な意味のものだから
である。したがって、クラッチのリリースに要する操作
力は、クラッチ・ユニットの著しい軸方向変位なしに弾
性的な構成部材により支えることができる。
【0363】図43に示すクラッチ装置は、ケーシング
2002を備えた摩擦クラッチ2001と、このケーシ
ングと回転しないように結合しているが軸方向に限定的
に移動できるプレッシャープレート2003を有する。
軸方向でプレッシャープレート2003とケーシング2
002との間に圧着皿ばね2004が緊定されており、
この圧着皿ばねが、ケーシング2002によって支持さ
れたリング状の旋回軸受2005を中心にして旋回で
き、プレッシャープレート2003をケーシング200
2と固く結合したカウンタープレッシャープレート20
06、たとえばフライホイールに向かって押し付けてお
り、そうすることによってクラッチディスク2008の
摩擦ライニング2007がプレッシャープレート200
3とカウンタープレッシャープレート2006の摩擦面
の間に固定されている。
【0364】プレッシャープレート2003はケーシン
グ2002と周方向もしくは接線方向に向いた板ばね2
009と回転しないように結合している。図示の実施例
では、クラッチディスク2008はいわゆるライニング
ばねセグメント2010を有する。このライニングばね
セグメントは、2つの摩擦ライニング2007の互いに
向かう限られた軸方向移動を通して、摩擦ライニング2
007に作用する軸方向力の漸増的な増加を可能にする
ことによって、摩擦クラッチ2001が接続するときに
漸増的なトルク生成を保証する。しかしながら、摩擦ラ
イニング2007がサポートディスクに事実上剛に取り
付けられているクラッチディスクも用いることができよ
う。
【0365】図示の実施例では、皿ばね2004が圧着
力を加えるリング状の基体2004aを有し、この基体
から半径方向内側に操作舌片2004bが出ている。こ
の場合、皿ばね2004は、さらに半径方向外側に位置
する範囲でプレッシャープレート2003を押し付け、
さらに半径方向内側に位置する範囲で旋回軸受2005
を傾倒できるように組み込まれている。
【0366】旋回軸受2005は2つの旋回サポート2
011、2012を包含しており、これらの旋回サポー
トの間で皿ばね2004が軸方向に保持または固定され
ている。皿ばね2004の、プレッシャープレート20
03に向いた側に設けられている旋回サポート2011
は ケーシング2002に向かって軸方向に力を受けて
いる。このために、旋回サポート2011は皿ばねもし
くは皿ばね状の部材2013の一部である。この部材は
外側縁範囲2013aによりケーシング2002に弾性
支持されている。そうすることによって、半径方向内側
に成形した旋回サポート2011が操作皿ばね4に対し
て、したがってまたケーシング2002に向かって軸方
向に押し付けられる。プレッシャープレート2003と
操作皿ばね2004との間に軸方向に設けられている皿
ばね2013は、リング状の範囲2013bを有する。
その内縁から半径方向内側に延びた舌片2013cが出
て、旋回サポート2011を形成している。
【0367】皿ばね状の部材2013を支持するため
に、図示の実施例ではケーシング2002と、皿ばね状
の部材2013の舌片状のブラケット2013aとの間
に、バヨネット式の結合部材もしくはロック部材が設け
られている。
【0368】皿ばね状の部材もしくは皿ばね2013
は、所定の作動行程にわたって少なくともほぼ一定の力
を生み出すセンサーばねとして形成されている。このセ
ンサーばね2013を通して、舌片先端部2004cに
作用するクラッチ解離力が少なくともほぼ把捉される。
その際に、この解離力によって旋回サポート2011に
対して生み出される力と、センサー皿ばね2013によ
ってこの旋回サポート2011に及ぼされる対向力との
間には、常に少なくとも近似的な平衡が生じている。こ
こで解離力とは、摩擦クラッチ2001の操作中に舌片
先端部2004cもしくは皿ばね舌片の解離範囲に及ぼ
される最大力を意味する。
【0369】ケーシング側の旋回サポート2012は、
調整装置2016を介してケーシング2002に支持さ
れている。この調整装置2016は、旋回サポート20
11および2012がプレッシャープレート2003に
向かって、もしくはカウンタープレッシャープレート2
006に向かって軸方向に移動する際に、旋回サポート
2012とケーシング2002との間、もしくは旋回サ
ポート2012と皿ばね2004との間に不都合な遊び
が生じ得ないことを保証している。そうすることによっ
て、摩擦クラッチ2001を操作する際に不都合な死行
程もしくは空行程が生じないことが保証される。その結
果、最適な効率が、したがって摩擦クラッチ2001の
申し分ない操作が提供されている。プレッシャープレー
ト2003とカウンタープレッシャープレート2006
の摩擦面および摩擦ライニング2007が軸方向に摩耗
すると、旋回サポート2011および2012が軸方向
に移動する。
【0370】調整装置2016は、リング状の部材20
17として構成されている、ばね作用を受けた調整部材
を包含している。この部材は、周方向に延び、かつ軸方
向に上昇している、部材2017の円周上に分布した乗
り上げ傾斜面2018を有する。調整部材2017は、
乗り上げ傾斜面2018がケーシング底部2002aに
向いているように、クラッチ2001に組み込まれてい
る。
【0371】調整リング2017は周方向に、しかも調
整回転方向にばね弾性的に負荷されている。この方向
は、傾斜面2018がカバー底部2002aに設けた対
向傾斜面2019に当たることによって、調整リング2
017をプレッシャープレート2003に向かって、つ
まり半径方向のケーシング部分2002aから離れて軸
方向に移動させる方向である。
【0372】旋回軸受2005もしくは調整部材201
6の自動調整の機能、ならびに調整部材2016のその
他の形成可能性を、図1〜32との関連で詳しく説明す
る。
【0373】クラッチ装置は、皿ばね舌片2004bに
よって形成された摩擦クラッチ2001のレリーズ手段
が軸方向に遊びなく操作され、一定の行程2021を移
動できることを保証する補償部材2020を含んでい
る。補償部材2020はレリーズベアリングを包含して
いるレリーズ機構2022と、舌片先端部2004cと
の間に設けられている。レリーズ機構2022は模式的
に示された、摩擦クラッチ2001を操作するためのガ
イドパイプ2023上で軸方向に移動できる。ガイドパ
イプ2023は、詳細に図示されないトランスミッショ
ンケーシングに支持されており、クラッチディスク20
08を回転しないように載せることのできるトランスミ
ッション・インプットシャフトを包囲している。レリー
ズ機構2022の軸方向移動に必要な力は、操作手段2
024によって加えられる。この操作手段は、図示した
実施例では、やはりトランスミッション側で支持でき
る、模式的に表現したレリーズフォークによって形成さ
れている。しかしながら、油圧または空気圧で作動でき
るレリーズ機構2022、つまり圧力媒体を送り込める
ピストン/シリンダーユニットを有するレリーズ機構も
使用できる。
【0374】補償装置2020が図44および45に拡
大して表現されており、図46および47に示されてい
るリング状の部材2025として構成された調整部材を
包含している。このリング状の調整部材2025は、図
示された実施例において、半径方向にずらし周方向に延
び軸方向に上昇している2組の乗り上げ傾斜面202
6、2027を有する。これらの乗り上げ傾斜面はそれ
ぞれ部材2025の円周上に分布している。特に図47
から分かるように、半径方向内側の乗り上げ傾斜面20
26は、半径方向外側に配置された乗り上げ傾斜面20
27に対して周方向に、傾斜面長さもしくは傾斜面ピッ
チの約半分だけずれている。図43および44ら分かる
ように、調整部材2025は端面2025aにより直接
舌片先端部2004cで支えられている。乗り上げ傾斜
面2026、2027は操作手段2004bと軸方向反
対側に向いている。調整部材2025は周方向に、しか
も調整回転方向にばね作用を受けている。この方向は、
傾斜面2026、2027が図48および49に詳細に
示された支持リング2030の対向傾斜面2028、2
029に当たることによって、調整リング2025をプ
レッシャープレート2003に向かって、つまりレリー
ズ機構2022から離れて軸方向に移動させる方向であ
る。
【0375】図48および49から分かるように、対向
乗り上げ傾斜面2028、2029も半径方向および周
方向に互いにずれた2組の乗り上げ傾斜面を有する。支
持リング2030の調整部材2025および2028、
2029の傾斜面2026、2027は互いに合わされ
ており、軸方向に互いに係合する。周方向にずれた傾斜
面により、調整部材2025と支持リング2030との
間に申し分のない中心案内が存在することが保証され
る。特に図44から分かるように、補償装置2020の
2つの部材2025および2030は軸方向に互いに入
り組んでいる。支持リング2030の対向乗り上げ傾斜
面2028、2029の設置角2031(図49)は、
調整部材2025の乗り上げ傾斜面2026、2027
の角2032(図47)に対応している。支持リング2
030は、ケーシング2002と回転しないように結合
しているが、このケーシングに対し軸方向にクラッチ操
作行程2021だけ限定的に移動できる。この軸方向の
制限は、摩擦クラッチ2001が接続した状態でカバー
底部2002aの半径方向内側範囲と当たる、支持リン
グ2030の半径方向範囲2033を介して行われる。
この当たりは、ばね作用を受けた操作手段2004bに
よって引き起こされる。摩擦クラッチ2001を解離す
るとき、行程制限が薄板成形部材2034によって保証
される。この薄板成形部材は、支持リング2030の、
操作手段2004bと反対側に設けられており、直径範
囲2035でレリーズ機構2022の作用を受ける。こ
の薄板成形部材2034も、摩擦クラッチ2001を解
離したときにカバー底部2002aの半径方向内側範囲
と当たることができる半径方向範囲2036を有する。
【0376】図示の実施例では、調整リング2025お
よび支持リング2030は耐熱プラスチック、たとえば
サーモプラストで作られており、さらに繊維強化するこ
とができる。こうすることによって、これらの部材は射
出成形部材として簡単に作ることができる。
【0377】乗り上げ傾斜面2026、2027および
対向乗り上げ傾斜面2028、2029は、2つの部材
2025と2030の間で少なくとも、摩擦クラッチ2
001の全寿命にわたって、プレッシャープレート20
03とカウンタープレッシャープレート2006の摩擦
面および摩擦ライニング2007で発生する摩耗の調整
を保証する回動角が可能となるように、周方向に形成さ
れている。この調整角は乗り上げ傾斜面の設計に応じて
30°〜90°程度であることができる。図示の実施例
では、図45に符号2037で示したこの回動角は75
°程度である。傾斜面および対向傾斜面の設置角203
1もしくは2032は、6°〜14°程度、有利に8°
程度である。この場合、傾斜面および対向傾斜面の実際
の角2031もしくは2032は、これらの傾斜面の半
径方向長さにわたって変化する。なぜならば、与えられ
た回動角に対して同一の高低差が橋渡しされなければな
らないからである。つまり、傾斜面角2031もしくは
2032は直径が増すに従い小さくなるのである。
【0378】部材2025の調整に必要な周方向の力作
用は、図示された実施例では支持リング2030と調整
部材2025との間に弓形に配置されて緊定された2つ
のコイルばね2038、2039で形成された力貯蔵手
段によって保証されている。これらのコイルばね203
8、2039は、カバー2002と回転しないように固
定した支持リング2030に支えられており、操作手段
もしくは皿ばね舌片2004bが摩耗の結果としてカバ
ー底部2002aもしくはレリーズ機構2022から軸
方向に離れると、すぐに調整リング2025を回動させ
る。特に図45および48から分かるように、コイルば
ね2038、2039はそれぞれ、周方向に溝状もしく
はトーラス状に延びている、リング2030のソケット
2040、2041を含んでいる。図44から分かるよ
うに、断面が力貯蔵手段2038、2039の壁に適合
されたソケット2040は、ばね2028もしくは20
29の断面の円周の半分以上にわたって延びている。そ
の際、図45および48から分かるように、それぞれ1
つのスロット状の開口部2042、2043が支持リン
グ2030の操作手段2004bに向いた側に、またそ
れぞれ1つのスロット状の開口部2044、2045が
操作手段2004bと反対側にとどまっている。これら
のばね2038、2039は、ソケット2040、20
41を限定する面によって、支持リング2030に対し
て軸方向に確保されている。コイルばね2038、20
39を通すために、扇形ソケット2040、2041
は、それぞれ1つの通し範囲2046、2047を備え
ている。この範囲は、少なくともコイルばね2038、
2039の壁の外径に対応する、半径方向の導入幅を有
する。この通し範囲2046、2047を通して、力貯
蔵手段2038、2039を扇形ソケット2040、2
041に斜めに差し込むことができる。まだ弛緩してい
るコイルばね2038、2039を扇形ソケット204
0、2041に通した後、調整部材2025は支持リン
グ2030と組み合わされる。このために、調整リング
2025に設けられ、同時にコイルばね2038、20
39のための力作用範囲もしくは支持範囲を形成してい
る軸方向ボス2048、2049は、周方向で通し範囲
2046、2047に接したそれぞれ1つの軸方向スロ
ット範囲2050、2051に導入される。そうするこ
とによって、力作用範囲2048、2049は弛緩した
コイルばね2038、2039の一方の端部範囲に位置
するようになる。力貯蔵手段2038または2039の
弛緩した位置が図45に示されており、2039aで表
示されている。コイルばね2038、2039の他方の
端部範囲は、扇形ソケット2040、2041の、周方
向にある底部2053、2053aに支えられている。
調整リング2025と支持リング2030が回動するこ
とによって、ばね2038、2039を緊張させること
ができる。通し範囲2046、2047の角に従う延び
よりも大きい所定の相対回動角以後では、調整リング2
025の力作用範囲2048、2049がそれぞれスロ
ット2044、2045の端部範囲に位置するので、乗
り上げ傾斜面2026、2027と対向乗り上げ傾斜面
2028、2029とが接するまで、調整リング202
5と支持リング2030は互いに重なり合って動くこと
ができる。スロット2044、2045と軸方向ボス2
048、2049は、2つの部材2025、2030の
間に軸方向に作動するスナップ結合部が存在するように
互いに合わされている。このために軸方向ボス204
8、2049は、それらの端部範囲に、支持リング20
30の半径方向に延びている範囲と当たることのできる
フック状の部片2048aを有する。2つの部材202
5と2030が角2037(図45)に対応して追加で
相対的に回動することにより、ばね2038、2039
は摩擦クラッチ2001の新品状態に対応する緊定され
た角長さ2054にされる。次に2つの部材2025、
2030を図示されない手段によりこの位置で確保する
ことができる。この手段は、たとえば形状接続を含むこ
とができる。この形状接続は2つの部材2025と20
30の間で働き、カウンタープレッシャープレート20
06に摩擦クラッチ2001を取り付けた後に除くこと
ができ、そうすることによって補償装置2020が作動
する。特にライニング摩耗を補償するための可能な調整
角は、図45に2037で示した回動角と対応してい
る。この回動角2037以後は、軸方向ボス2048、
2049は、リング2025の調整方向にあるスロット
2044、2045の端部範囲と当たる。この位置に対
応して緊定されたコイルばね2038、2039の位置
は、図45では2038aで示されている。
【0379】摩擦クラッチ2001の新品状態では、乗
り上げ傾斜面と対向傾斜面を形成している軸方向カム2
026、2027および2028、2029は軸方向に
最も離れて係合する。つまり、互いに重なるリング20
25および2030が必要とする軸方向スペースは最も
小さい。
【0380】図示の実施例では、摩擦クラッチ2001
の解離方向における操作行程の制限が薄板成形部材20
34によって保証される。図示されない実施例に従い、
たとえばカバー2002と協働するこれに必要な衝止範
囲を、レリーズ機構2022に、しかも摩擦クラッチと
一緒に回転する軸受リングまたはこれと結合した部材に
設けることもできよう。摩擦クラッチ2001の操作行
程を軸方向で少なくとも軸心方向の1つに制限すること
は、ガイドパイプ2023に設けられた少なくとも1つ
の、レリーズ機構2022の軸方向ストッパーによって
形成することもできよう。さらに、レリーズ機構202
2が操作手段2004bに直接作用して、対応する補償
装置をレリーズ機構2022とレリーズ手段2024と
の間に設けることができよう。
【0381】摩擦クラッチ2001と補償装置2020
の機能を損ねない張力を、操作手段2004bの方向で
レリーズ機構2022に加えていることが好都合であ
る。
【0382】図44〜46から分かるように、調整リン
グ2025は半径方向内側のカム2055を有する。こ
れらのカムは、回動手段もしくは保持手段のための作用
範囲をなしている。この回動手段もしくは保持手段は、
必要に応じ他方で回転しないようにケーシング2002
または支持リング2030に当たることができる。この
ような保持手段は、摩擦クラッチ2001もしくは補償
装置2020を製造し、もしくは組み立てるときに設
け、摩擦クラッチ2001をフライホイール2006に
取り付けた後取り除くことができる。
【0383】図50に示されている詳細図は、図43お
よび44に示されている補償装置2020の下半分の変
化実施例を表している。図50に従う変化実施例では、
摩擦クラッチが接続した状態で、補償装置2120とケ
ーシング2102との間の軸方向制限は、薄板成形部材
2134と一体的に形成されているフック状の軸方向ブ
ラケット2133を介して行われる。ブラケット213
3は、圧縮部材として用いられる薄板成形部材2134
の外縁に設けられ、軸方向にカバー2102を貫通して
いる。ブラケット2133は皿ばね2104に向いた自
由端に、半径方向外側に延びた範囲2133aを有す
る。これらの範囲は、カバー2102を皿ばね2104
に向いた側で半径方向に貫通している。このように形成
することによって、皿ばね2104から補償装置212
0に及ぼされる軸方向力を薄板からなる圧縮部材213
4で支持できることが保証されるので、ストッパーがプ
ラスチック製の支持リング2030の範囲2033によ
って形成された、図44に従う補償装置2020におけ
るよりも大きい軸方向力が補償装置2120によって吸
収できる。補償装置2020もしくは2120に対する
このような軸方向力は、何よりも輸送時に、つまり摩擦
クラッチを取り付けていないときに発生することがあ
る。なぜならばこの状態では主皿ばね2004もしくは
2104は、ばね舌片を介して支持リングもしくはプラ
スチック補償部材2030、2130により軸方向に支
えられるからである。薄板からなる圧縮部材2134
は、円周上に好ましくは対称的もしくは均等に分布して
いる2つ以上、なるべくは3つ以上のフック状のブラケ
ット2133を有する。圧縮部材2134の薄板の厚さ
は、支持すべき軸方向力に対応して設計できる。プラス
チック製リング2130は、圧縮部材2134と回転し
ないように結合している。図44と類似に、圧縮部材も
しくは薄板成形部材2134は半径方向外側に範囲21
36も有する。これらの範囲は周方向に見れば、フック
状のブラケット2133の間に延びており、ケーシング
2102に当たって解離行程を制限し、もしくは許容さ
れない程大きい超過行程を避けるために用いられる。
【0384】図51に示された摩擦クラッチ2201の
細部は、本質的に図43に従う摩擦クラッチ2001の
右下範囲と類似の構造を有する。図51には、クラッチ
ケーシング2202、皿ばね2204の旋回軸受220
5、調整装置2216および補償装置2220が部分的
に表現されている。調整装置2216と補償装置222
0の機能に関しては、図43〜50に関する説明、もし
くはドイツ特許出願第P4306505.8号および第
P4239289.6号を参照されたい。これらの特許
出願の内容は明らかに本出願に組み込まれているものと
見なすべきである。
【0385】図51に従う変化実施例において、調整リ
ング2217として構成された調整部材のための回動防
止部材2260が設けられている。
【0386】移動防止部材もしくは回動防止部材226
0は、摩擦クラッチ2201を取り付けていない状態
で、他の部材、たとえば特にケーシング2202に対す
る調整部材2217の所定の位置を保証する。特に移動
防止部材2260によって、摩擦クラッチ2201の新
品状態で調整部材2217をその後退位置、つまりまだ
調整が行われていない実用的なゼロ位置に保持できるこ
とが保証される。しかもこれは、旋回サポートもしくは
支持サポート2212の範囲で皿ばね2204が調整リ
ング2217に作用しないにもかかわらず行われる。こ
のことは、摩擦クラッチ2201を取り付けていない状
態もしくは摩擦クラッチ2201が発送用に準備されて
いる状態で、主皿ばね2204がばね舌片を介して補償
装置2220に軸方向に支持されていることに帰すこと
ができる。これは図43および44との関連でも明らか
である。この支持の結果として、主皿ばね2204は皿
ばね2213として構成された力センサーを軸方向でケ
ーシング2202もしくは調整リング2217から離れ
る方向に押し付ける。そうすることによって、調整リン
グ2217をケーシング2202の方向で軸方向に緊定
することはもはや保証されていない。したがって、回動
防止部材2260がなければリング2217は移動でき
るであろう。それゆえ、摩擦クラッチ2201を内燃機
関の駆動軸に取り付けた状態では、リング2217は、
特にクラッチディスクの摩擦ライニングに発生する摩耗
の調整を保証する所望された後退位置を取らないであろ
う。図51には、フライホイールに取り付けた摩擦クラ
ッチに対応する部材の位置が実線で表現されている。取
り付けていない新しい摩擦クラッチに対応する皿ばね2
204とセンサーばね2213の位置が破線で暗示され
ている。ここから分かるように、摩擦クラッチ2201
を取り付けていない状態では、調整部材2217もしく
はリング状の支持部材2212と皿ばね2204との間
に軸方向間隔もしく隙間がある。
【0387】特に摩擦クラッチ2201の運搬用に設け
られた調整装置2216用の調整防止部材2260は、
少なくとも摩擦クラッチ2201を取り付けていない状
態で、場合によっては取り付けた摩擦クラッチ2201
が接続した状態でケーシング2202に対して回転不能
に保持されており、調整部材2217の回転防止のため
にこれと協働する、少なくとも1つの止め部材2261
を有する。止め部材2261は、たとえば図52に示さ
れているように、軸方向に延びている個々の若干のアー
ム2262を持つことができる。これらのアームは半径
方向外側では調整リング2217と固く結合しており、
半径方向内側では皿ばね2204に向いたケーシング2
202の側に設けられたストッパー2233とケーシン
グ2201との間に締め付けることができる。そうする
ことによって、調整部材2217とケーシング2202
との間に形状接続による結合が与えられている。アーム
2262は、板ばねに類似して形成され、半径方向内側
でリング状の範囲2263を介して互いに結合すること
ができる。図示の実施例では、アーム2262は調整部
材2217とねじ止めされているが、アーム2262は
調整部材2217とリベット止めすることもでき、さら
には調整部材2217と回転不能に結合させるためにこ
の部材を形成しているプラスチックに埋設された範囲を
持つこともできる。
【0388】補償装置2220もしくはその制限ストッ
パー2233は、ケーシング2202および軸方向に締
め付け可能な止め部材2261の範囲と結合して、摩擦
クラッチ2201を操作していないときに作動する、調
整部材2217のためのブレーキもしくはクラッチを形
成する。
【0389】クラッチを解離すると、止め部材2261
もしくは帯金2262の制動効果もしくは締め付けが解
消されるので、調整部材もしくは調整リング2217は
必要に応じて調整できる。
【0390】止め部材2261もしくはこれを形成して
いる板ばねに類似した帯金は、軸方向にわずかなばね率
もしくはばね強度を有するが、周方向では比較的剛性も
しくはばね剛性を有する。
【0391】図53に示された調整リング2317の実
施例において、軸方向に弾力的な帯金2362が直接プ
ラスチックリング2317に射出成形されている。図5
2と関連して示されているように、帯金2362は類似
の仕方で、半径方向内側で円環状の範囲を介して結合で
きる。
【0392】図54および55に表現されているクラッ
チユニットもしくは摩擦クラッチ2401は、薄板カバ
ー2402で形成されたケーシング、これと回転しない
ように結合しているが軸方向で制限されて移動できるプ
レッシャープレート2403、およびこのプレッシャー
プレート2403とカバー2402との間に緊定された
圧着皿ばね2404とを有する。この圧着皿ばね240
4は、旋回軸受2405に傾倒可能もしくは旋回可能に
保持されていることによって、ケーシング2402に対
して2アーム式レバーとして支持されている。皿ばね2
404は、プレッシャープレート2403を、クラッチ
ディスク2403とフライホイールとの間に締め付け可
能なクラッチディスク2408の摩擦ライニング240
7に向かって、リング状の旋回軸受2405に対して半
径方向で一層外側に位置する範囲を押し付ける。プレッ
シャープレート2403とカバー2402との間のトル
ク伝達は、プレッシャープレート2403を摩擦ライニ
ング2407から持ち上げる方向で緊張させることので
きる板ばね2409を介して行われる。
【0393】皿ばね2404はリング状の基体2404
aと、これから出て半径方向内側に向いている舌片24
04bとを有する。
【0394】旋回軸受2405は2つの旋回サポート2
411、2412を包含し、それらの間に皿ばね240
4が軸方向に保持または締め付けられている。旋回サポ
ート2411および2412は類似に配置および形成さ
れており、図43に関連して説明した旋回サポート20
11および2012と等しい機能を有する。旋回サポー
ト2411、2412に作用する部材および旋回軸受2
405の自動調整機能に関しては、図43および図1〜
32の説明を参照されたい。
【0395】皿ばね舌片2404bによって形成され
た、摩擦クラッチ2401のレリーズ手段は、レリーズ
装置2420によって軸方向に操作でき、それによって
皿ばね2404の円錐性が変化できる。レリーズ装置2
420は、図43〜49との関連で説明したように、補
償装置2020を有する。しかしながら、自動調整レリ
ーズベアリングを有するクラッチレリーズシステムにお
いては、この種類の補償装置2020は必要ない。この
ようなレリーズシステムでは、レリーズ装置2420
は、少なくとも解離動作の間にクラッチ2401と一緒
に回転するレリーズベアリングリングと結合しているこ
とができる。
【0396】皿ばね舌片2404bによって形成された
クラッチレリーズ手段の許容されない程大きい解離行程
を妨げるために、クラッチ2401もしくはケーシング
2402に皿ばね舌片2404bの行程制限手段243
6が設けられている。行程制限手段2436は、皿ばね
舌片2404bを軸方向に支持し、したがってレリーズ
装置2420に作用する解離力を軸方向に把捉すること
によって皿ばね2404の旋回行程もしくは旋回角を制
限する。
【0397】図示された実施例では、行程制限手段24
36は、カバー2402の半径方向内側の部片によって
形成されたリング状の衝止範囲2436によって形成さ
れている。舌片先端部2404cは所定の軸方向行程2
421の後でこの衝止範囲に当たる。リング状の衝止範
囲2436は、これが少なくとも皿ばね舌片の解離直
径、つまりその上でレリーズ装置2420が皿ばね舌片
2404bに当たる直径上に位置するように形成されて
いる。衝止範囲2436は、軸方向でばね舌片2404
bもしくはばね舌片先端部2404cとクラッチディス
ク2408との間に配置されている。
【0398】リング状の衝止範囲2436は、半径方向
に延びたリブもしくはウェブ2437を通してカバー基
体2402aと結合している。図55から分かるよう
に、図示された実施例では、このようなウェブが6つ設
けられている。しかしながら若干の応用例に対しては、
このようなウェブを3つのみ設けることもできる。特に
大きい解離力が必要となるクラッチ仕様においては、よ
り多くのウェブ、たとえば9つのウェブを設けることも
できる。
【0399】ウェブ2437は、カバー底部2402b
もしくはカバー基体2402aから出て半径方向内側に
延び、軸方向ではプレッシャープレート2403もしく
はクラッチディスク2408に向かって傾いている。衝
止範囲2436は、カバー底部2402bに対し軸方向
でカバースペース内にずれている。ばね舌片2404b
は、リング状の衝止範囲2436と半径方向に一層外側
にあるカバー基体2402aと結合リブ2437との間
で形成されている開口部2438と係合する。このため
に、図示の実施例では、皿ばね舌片2404bが半径方
向内側に全長の一部にわたって、軸方向でウェブ243
7の延長と反対方向に直角に折り曲げるか、立てられて
いる。図55から分かるように、皿ばね舌片2404b
は、それぞれ開口部もしくは貫通部2438に付属して
いる3体構成をなしている。個々の3体構成の間に、そ
れぞれウェブ2437を収容するためのスロット243
9が設けられている。この場合、スロット2439とウ
ェブ2437は、皿ばね2404の申し分ない旋回が可
能となるように互いに合わされている。
【0400】皿ばね舌片2404bを開口部2438に
通すことは、摩擦クラッチ2401を取り付ける間に行
われる。このために、皿ばね2404は図54に破線で
示された弛緩した状態において、舌片先端部2404c
の範囲に、リング状の衝止範囲2436の外径2441
よりも大きい内径2440を有する。そうすることによ
って、皿ばね2404は、少なくとも完全に弛緩した状
態では、皿ばね舌片2404bによりカバー2402の
開口部2438に軸方向に挿入できる。摩擦クラッチ2
401を取り付けている間、もしくは遅くとも摩擦クラ
ッチ2401をフライホイールなどに取り付けるとき
に、皿ばね2404が旋回する。そうすることによっ
て、皿ばね舌片2404bによって制限された内径24
40が縮小される。摩擦クラッチをフライホイールに取
り付けると、皿ばね2404は動作位置を取り、舌片先
端部2404cは衝止範囲2436の外径2441より
小さい内径2442を限定する。旋回行程2421を後
退した後でも、舌片によって規定される衝止範囲243
6の内径が外径より小さくなるように、皿ばね2404
が旋回可能にケーシングに保持され、舌片2404が形
成されている。
【0401】軸方向に制限された最大可能な操作行程2
421は、ライニング2407で最大許容摩耗に達した
後にもクラッチ2401が少なくとも申し分のない機
能、つまりクラッチ装置2401の申し分のない切り離
しに必要とされる完全な目標解離行程を有するように設
計されている。クラッチ2401もしくはクラッチにお
ける自動ライニング摩耗補償を保証するセンサーばね2
413および調整装置2416は、摩擦クラッチ240
1の新品状態で旋回軸受2405の誤った軸方向移動が
行程2421を完全に通過した場合でも生じないよう
に、設計されている。
【0402】以下に、数値例に基づいて、作動方式もし
くは衝止範囲2436と皿ばね舌片2404bとの協働
について説明もしくは実証する。
【0403】摩擦クラッチ2401の上述の解離行程
は、公差の存在を考慮すると8.4〜10mmである。
クラッチ2401は、新品状態で旋回軸受2405の誤
った軸方向移動が解離行程14mm以上で初めて可能で
あるように設計されている。ストッパー2436は、摩
擦クラッチの新品状態でストッパー2436と当たる範
囲、すなわち舌片先端部2404cが12.5mmの軸
方向行程2421を通過できるように設計もしくは位置
決めされている。皿ばね舌片がストッパー2436に当
たり、最大解離力を加えると、カバーはさらに約0.5
mm軸方向に収縮できるので、合計で13mmの最大軸
方向行程2421が可能である。
【0404】ライニング2407で3mmの最大ライニ
ング摩耗が可能であると仮定すると、摩擦クラッチ24
01の寿命にわたって、皿ばねは、旋回軸受2405の
軸方向移動によって、この旋回軸受を中心にしてクラッ
チディスクに向かって3mm移動する。それにより、最
大可能解離行程2421は約13mmから約10mmに
減少するので、クラッチはその寿命の終わりにも依然と
して要求された解離公差8.4〜10mm以内にある。
【0405】図示の実施例では、ストッパー2436は
カバー2402と一体的に構成されている。しかしなが
ら、このストッパーは、カバー2402と結合した独立
の部材で形成することもできる。ウェブ2437も独立
の部材で形成するか、または固有の部材として形成され
たストッパー2436と一体的に構成ができる。
【0406】さらに、図54および55に示されたクラ
ッチユニット2401は、クラッチユニット2401が
動作している間、使用中にクラッチユニット2401が
回転する回転数範囲の少なくとも一部で、皿ばね240
4に対して軸方向の支持力増加を引き起こす装置もしく
は手段を有する。この支持力増加により、クラッチユニ
ット2401の操作時に、少なくとも所定の回転数部分
で発生する妨害因子の結果として、旋回サポート241
1と協働する、センサーばね2413として構成された
センサー装置の、ライニング2407の摩耗に起因しな
い、好ましくない軸方向偏向もしくはたわみに基づい
て、許容されない調整が行われるのを防止できる。
【0407】図54には、転動サポート2411に作用
する軸方向力を高めるために、回転数もしくは遠心力に
依存した手段2450が設けられている。遠心力に依存
した手段2450は、センサー皿ばね2413の外側辺
縁部に成形され、カバー2402に向かって軸方向に設
置された舌片2450によって形成されている。図54
aから分かるように、皿ばね状のセンサーばね2413
は半径方向外側に延びている舌片状のブラケット241
3aを有する。これらのブラケットは、図54および5
5から明らかなように、カバー2402に軸方向で支え
られている。ブラケット2413aと、これを軸方向で
支えているカバー2402の範囲2451との間には、
バヨネット式の結合部材もしくはロック部材2452が
設けられている。バヨネット式の結合部材2452は、
センサーばね2413とケーシング2402を軸方向に
組み合わせることにより、またそれに続くこれら2つの
部材の相対的回動により、ブラケット2413aが軸方
向にケーシング2402の支持範囲2451に位置する
ように構成されている。センサーばね2413とカバー
2402を一緒に組み立てると、これら2つの部材が回
動する前に、センサーばね2413は最初に弾性的に軸
方向に緊張され、回動後に弛緩される。そうすることに
よって、ブラケット2413aは張力によってカバー2
402に支えられる。図54aから分かるように、半径
方向ブラケット2413aの両側に舌片2450が設け
られている。クラッチユニット2401が回転すると、
遠心力が舌片2450に作用する結果として、センサー
ばね2413の張力によって加えられる力に重なる、つ
まり加算される力が生み出される。そうすることによっ
て、操作皿ばね2404に対する支持力は旋回サポート
2411の範囲で拡大される。旋回サポート2411で
舌片2450によって追加で生み出されるこの力は、回
転数が増すにつれて大きくなる。しかしながら、この力
の増加は、所定の水準の回転数以後は舌片2450が、
これに作用する遠心力に基づいて、半径方向外側でケー
シング2402に支えられるように変形もしくは旋回す
ることによって制限できる。そうすると、遠心力に依存
する手段2450によって生み出される追加支持力の増
加が、旋回サポート2411の範囲で生じないか、もし
くは事実上生じない。
【0408】軸方向の力関係もしくは旋回サポート24
11と皿ばね2404との間の力の平衡を考察する際
に、さらに板ばね状のトルク伝達手段2409を考慮し
なければならない。クラッチユニット2401の全寿命
にわたってプレッシャープレート2403がトルク伝達
手段2409によって皿ばね2404に対し軸方向に力
で緊定されているように、この板ばね状のトルク伝達手
段2409をケーシング2402とプレッシャープレー
ト2403との間で緊張させることができる。したがっ
て、トルク伝達手段2409によって加えられる軸方向
力は、皿ばね2404からプレッシャープレート240
3に及ぼされる力に抗して働き、それゆえセンサーばね
2413によって皿ばね2404に加えられる軸方向力
と加算される。このとき、これら2つの力は舌片先端部
2404cに作用する解離力に軸方向で抵抗する。そう
すると、クラッチユニット2401が回転していないと
きに皿ばね2404の軸方向移動に抵抗する実際のセン
サー力は、トルク伝達手段2409とセンサーばね24
13によって生み出され、皿ばね2404に作用する合
力によって形成される。クラッチユニット2401が回
転すると、舌片2450によって生み出される回転数も
しくは遠心力に依存する力がこの合力に重なる。
【0409】摩擦クラッチユニット2401を操作する
とプレッシャープレート2403の持ち上げ行程の一部
にわたって、クラッチディスク2408によって伝達さ
れるトルクの漸次的な解消もしくは漸次的な形成を保証
する、たとえばライニングばね2453として形成され
た装置を有するクラッチディスク2408において、こ
の装置2430は、プレッシャープレート2403が摩
擦ライニング2407もしくはクラッチディスク240
8を解離するまでは、調整リング2417として構成さ
れた調整部材に対する皿ばね2404の軸方向支持を保
証する。そうすることによって、少なくともほぼ調整リ
ング2417の摩擦ライニング2407を解離するまで
は、軸方向で皿ばね2404とケーシングもしくはカバ
ー2402との間に緊定され続けており、したがって調
整は行われ得ないことが保証される。クラッチユニット
2401が解離してプレッシャープレート2403がラ
イニング2407から持ち上がると、舌片2450のな
いクラッチユニットにおいて、板ばね状のトルク伝達手
段2409とセンサー皿ばね2413とによって生み出
される合力のみが軸方向の緊定力として主皿ばね240
4に作用する。この合成センサー力は、舌片2404c
に導入された解離力に抗して働く。所定の回転数範囲、
特に高いエンジン回転数において、たとえばエンジンに
よって励起された振動が発生してプレッシャープレート
2403の軸方向振動を引き起こすことがある。プレッ
シャープレート2403が軸方向に振動すると、このプ
レッシャープレート2403は主皿ばねもしくは皿ばね
2404から短時間持ち上がることがあり、それによっ
て合成センサー力が短時間低下する。なぜならば、この
とき板ばね状のトルク伝達手段2409によって生み出
される軸方向力はもはや皿ばね2404には作用しない
からである。その結果として、皿ばね2404もしくは
この皿ばねに作用する解離力と、この皿ばね2404に
作用する合成解離力との間で、装置2416の計画的な
調整に必要な力関係が阻害されている。しかも、このよ
うなクラッチユニット2401の動作状態では、皿ばね
2404に作用する軸方向支持力は小さくなり過ぎるの
で、クラッチは時期尚早の、もしくは好ましくない調整
を行い、それによって皿ばね2404の動作点が皿ばね
最小限に向かって移動する。さらに、エンジンの所定の
動作状態において、特に高いエンジン回転数で、特に大
きいクランクシャフト周速が生じることがある。このク
ランクシャフト周速は調整リング2417の慣性に基づ
いて周速を生み出す。これらの周速は、調整リング24
17とケーシング2402との間で作動する調整ランプ
2418、2419によって、皿ばね2404に対する
軸方向成分を生み出すことができるが、この軸方向成分
は合成センサー力とは反対方向に向けられているので、
やはり好ましくない調整が行われることがある。さら
に、発生する振動に基づいて乗り上げ傾斜面2418、
2419の間に存在する摩擦係合が減少し、その結果と
して調整リング2417に周方向に作用する調整ばね2
417aによって生み出されて皿ばね2404に作用す
る軸方向力が増加する。そうすることによって、やはり
好ましくない調整が支援される。
【0410】遠心力に依存した支持手段2450なしで
クラッチユニット2401の上述の短所を取り除くため
に、図54〜55に図示した実施例では遠心力に依存し
た舌片2450が設けられている。これらの遠心力に依
存した手段2450は、センサーばね2411によって
生み出される力と平行に導入された、回転数もしくは遠
心力に依存して増加する支持力を生み出すことによっ
て、回転数に依存する妨害効果を補償する。
【0411】この場合、クラッチユニット2401にお
けるライニング摩耗に必要な調整がクラッチユニット2
401の停止時または少ない回転数で可能であるよう
に、遠心力に依存する手段を構成できる。そうすると、
回転しているクラッチユニット2401もしくは臨界的
振動が発生し得る回転数以上では、調整装置2016を
事実上ロックできる。
【0412】図56に示されている摩擦クラッチ250
1の実施例では、センサーばね2513が、皿ばね旋回
軸受2505の半径方向内部に配置されている。センサ
ーばね2513はリング状の基体2513aを有し、こ
こから半径方向内側に向いた舌片2513bが出てい
る。これらの舌片2513bを通して、センサーばね2
513はリング状の衝止範囲2536に支えられてい
る。この衝止範囲は、図54および55に従うリング状
の衝止範囲2436のように、配置および構成されてい
る。センサー舌片2513bは、衝止範囲2536の、
皿ばね舌片先端部2504cに向いた側に支えられてい
る。基体2513aは半径方向外側にも舌片2513c
を有する。これらの舌片は皿ばね2504を軸方向で支
持するためにこれと当たっている。
【0413】センサーばね2513のカバー2502へ
の取り付けは、内側舌片2513bに制限された内径2
540が衝止範囲2536の外径2541より大きくな
るまで、このセンサーばねが円錐状に変形されることに
よって行うことができる。こうすることによって、支持
舌片2513bは、図54および55の舌片2404b
および開口部2438との関連で説明したのと類似の仕
方で、カバー2502の開口部2538に挿入できる。
舌片2513bが開口部2538に挿入された後、セン
サーばね2513は弛緩できる。そうすることによっ
て、舌片2513bの内側端部範囲はより小さい直径に
移動され、衝止範囲2536に当たる。
【0414】もう1つの可能性は、センサーばね251
3をカバー2502に取り付けるために、少なくとも内
側舌片2513bの一部が軸方向にカバー2502に向
かって持ち上げられて、衝止範囲2536の外径よりも
大きい内径2540を限定することである。センサーば
ねもしくは舌片2513bがカバーの開口部2538に
挿入された後、舌片2513bの半径方向内側の範囲が
張力により衝止範囲2536に当たるようにこの舌片を
曲げ戻すことができる。この曲げ戻しによって、舌片2
513bは皿ばね材料の塑性変形により図56に示され
ている破線の位置から、実線で示された位置に旋回す
る。センサー舌片2513bを塑性変形させるために、
これらのセンサー舌片は皿ばね2504の舌片2504
bもしくは舌片先端部2504cに軸方向で支持される
ことができる。舌片2513bの曲げ操作のために、操
作皿ばね2504の舌片2504bを上方から支持し、
センサーばね舌片2513bに下方から、しかも舌片2
513bが折り曲げられている直径範囲で作用する工具
を用いることができる。
【0415】皿ばね2404および2504の解離行程
もしくは旋回角を制限するストッパー2436および2
536の長所は、これらが対応するクラッチ2401も
しくは2501に組み込まれており、皿ばね舌片240
4bもしくは2504bの範囲で作動する点である。そ
うすることによって、皿ばね舌片2404b、2504
bがストッパー2436、2536に当たると、皿ばね
舌片は軸方向に変形できないか、わずかしか変形できな
いことを保証できる。そうすることによって、摩擦クラ
ッチ2401、2501が解離した状態に対応する位置
で、皿ばね舌片2404b、2504b自体はクラッチ
ディスク2408の部材に当たらないことを保証でき
る。図54には、解離したクラッチに対応する皿ばね2
404の位置が破線で示され2450で表示されてい
る。つまりそれによって、摩擦クラッチ2401が解離
した状態で、このクラッチ2401に対して回転してい
るクラッチディスク2408に皿ばね舌片2404bが
当たったり、滑ったりすることを避けることができる。
【0416】図54〜56に従う図示の実施例では、ス
トッパー2436、2536が皿ばね舌片先端部240
4c、2504cの範囲で設けられている。しかしなが
ら、これらのストッパーは別様に構成して、内側の舌片
先端部2404c、2504cに対して半径方向外側に
ずれているようにすることもできる。しかしながら、こ
のような構成においては、皿ばね舌片2404b、25
04bがこれらに作用する解離力とストッパーによる支
持のために許容されない程たわむことがないように、舌
片先端部2404c、2504cと半径方向に一層外側
に位置するストッパーとの間にある半径方向レバーアー
ムが選択されていることが好都合である。
【0417】上述の過大な、もしくは許容されない大き
い解離行程は、図示および説明した構成において皿ばね
舌片によって形成されているクラッチ操作手段に作用す
るレリーズシステムもしくは操作システムによって引き
起こされることがある。この操作システムは、通常摩擦
クラッチの操作手段に作用するレリーズベアリング、ク
ラッチペダルなどの操作部材およびレリーズベアリング
と操作部材との間に設けられている力伝達系統を包含し
ている。この力伝達系統はインプットシリンダーとアウ
トプットシリンダーを有することができる。インプット
シリンダーとアウトプットシリンダーとを有するレリー
ズシステムにおいて、正常な解離行程を越えた許容され
ない解離行程は、摩擦クラッチがすばやく接続し再び解
離する結果、アウトプットシリンダーが十分速く復帰で
きないことによって起こることがある。つまり、アウト
プットシリンダーが最終位置に達しないので、その直後
に行われる再解離ではアウトプットシリンダー自体は正
常な解離行程に対応する行程を通過するが、正常な解離
行程と実行されない残余復帰行程との合計に対応するク
ラッチの全解離行程が生じる。そうすることによって、
クラッチの所定の最大所要解離行程を著しく越える摩擦
クラッチの全操作行程が生じ得る。つまり、摩擦クラッ
チで設けられている操作のための予備超過行程も越える
のである。
【0418】本発明の方策もしくはストッパー203
6、2436、2536により、摩擦クラッチを操作す
るときに許容されない程大きい解離行程もしくは超過行
程を防止できるが、クラッチの寿命にわたって必要な所
定の正常解離行程が保証されている。
【0419】したがって本発明に従い、まったく一般的
にクラッチにおいて、特に少なくともクラッチディスク
の摩擦ライニングの摩耗を保証する調整装置を有するク
ラッチにおいて、クラッチ操作手段を操作するときにこ
のクラッチ操作手段の超過行程を避ける、少なくとも1
つのストッパーをクラッチ操作系統に設けることができ
る。このようなストッパーは、たとえばレリーズベアリ
ングの解離行程または皿ばねの旋回行程を制限できる。
しかしながら、このようなストッパーは、別の箇所に設
けることもできる。さらに、解離方向においても、接続
方向においても、ストッパーなど所定の制限部材を設け
ることによって、摩擦クラッチの操作行程を所定の一定
値に制限できる。
【0420】このような制限がレリーズベアリングの範
囲で起こり得ることが好都合である。なぜならば、この
範囲では摩擦クラッチの皿ばね舌片などの操作手段と所
定の行程を制限している部材との間の公差連鎖は小さい
からである。
【0421】このような制限部材もしくはこのようなス
トッパーがあると、解離の際に事実上剛な制限部材に衝
突するので、部材、特にレリーズシステムの部材の過負
荷がかかったり、あるいはフット操作式システムでは操
作者にとっても好ましくないこともある。それゆえ、本
発明の構成に従い、摩擦クラッチの操作系統に、ばね弾
性的もしくは弾力的なたわみ手段および/またはレリー
ズシステムにおける圧力を制限する手段が設けられる。
その際、この手段は、クラッチの操作に必要な最大力も
しくは必要な最大圧力より少なくともやや大きい張力を
有するか、最小変形力もしくは開放力を必要とする。そ
れによって、ストッパーが作動するときにクラッチペダ
ルをさらに踏み込めること、もしくは操作モータが所定
の位置まで動作できることが保証される。摩擦クラッチ
の操作系統に設けられているたわみ手段は、クラッチ操
作手段とレリーズベアリングとの間、またはレリーズベ
アリングと解離操作手段、たとえばクラッチペダルまた
はレリーズモーターとの間に設けることができる。
【0422】図57には、レリーズシステム2601が
図示されているが、ここにはレリーズベアリング262
2がクラッチ操作手段2604および/またはクラッチ
ケーシング2602に及ぼし得る最大力を制限するため
の手段の配置構成の種々の可能性が示されている。図5
7には、図43および44に従うストッパー2036と
の関連で説明したのと類似に、レリーズベアリング26
22の所定の行程の後にケーシング2602に当たる軸
方向ストッパー2636が設けられている。しかしなが
ら、この解離行程制限は、たとえば図54〜56に関連
して説明したように、別の仕方でも行うことができよ
う。レリーズシステム2601は管2652を通して連
結されたインプットシリンダー2650とアウトプット
シリンダー2651とを有する。アウトプットシリンダ
ー2651のピストン2653はレリーズベアリング2
622を支持しており、ケーシング2654に軸方向に
移動可能に収容されている。圧力室2655には管26
52を通して油などの液圧媒体が供給される。シリンダ
ーユニット2650は、中に設けられたピストン265
7と連結して容積が可変な圧力室2658を形成するケ
ーシング2656を有する。圧力室2658は管265
2を通して圧力室2655と連結している。圧力室26
58には、ピストン2657のための戻しばね2659
が設けられている。ピストン2657は、クラッチペダ
ルや操作モーター、たとえば電動モータまたはポンプを
介して軸方向に移動できる。レリーズシステム2601
の圧力媒体回路は、圧力媒体容器2660と連結してい
る。インプットシリンダー2650が管2661を通し
て圧力媒体容器2660と直結していることが好まし
い。
【0423】解離手段2604および/またはケーシン
グ2602に作用するクラッチ操作力を制限するため
に、図57に従う実施例では、レリーズシステム260
1の圧力媒体循環に、摩擦クラッチを操作したときに圧
力媒体循環内に発生する圧力を所定の値に制限する、少
なくとも1つの手段が設けられている。図57に従う実
施例では、この手段は少なくとも1つの圧力制限弁によ
って形成されている。図57には、このような圧力制限
弁の種々の配置構成の可能性が示されている。このよう
な圧力制限弁2662は、たとえば配管系2652内に
設けることができ、圧力媒体容器2660内への還流路
2663を有する。しかしながら、圧力制限弁2662
の代わりに、圧力制限弁2664を設けることもでき
る。この圧力制限弁歯面、ケーシング2654によって
支持され、またはこのケーシングに完全に組み込むこと
ができ、圧力室2655と連通しており、還流管266
5を通して圧力媒体容器2660と連結している。
【0424】図57には、圧力制限弁2666の配置構
成の別の可能性が示されている。圧力制限弁2666は
インプットシリンダーの圧力室2658と連結してお
り、ケーシング2656によって支持され、またはこの
ケーシングに組み込むことができる。さらに、この圧力
制限弁2666は、圧力媒体タンク2660へ還流する
ようになっている。このために圧力制限弁2666は固
有の管を有するか、管2661と連結している。
【0425】圧力制限弁2667を配置するもう1つの
可能性は、これをインプットシリンダー2650のピス
トン2657に組み込むことである。この弁2667は
弛緩側で圧力媒体容器2660または少なくとも中間貯
蔵容器と連結している。
【0426】逃がし弁の代わりに、レリーズシステム内
に発生する最大圧力を制限する圧力媒体循環内に油圧貯
蔵器を設けることもできる。この油圧貯蔵器は、圧力媒
体の貯蔵によって解離行程を制限するためのストッパー
が作動した後にシステムを弛緩させ、したがって事実上
緩衝装置もしくはばね力貯蔵手段として働くことによっ
て、レリーズシステム内に発生する最大圧力を制限す
る。
【0427】図58に示されたクラッチユニット270
1は、上掲の図に関連して説明したのと類似に、クラッ
チディスク2708の摩擦ライニング2707で生じる
摩耗を自動的に補償するための調整装置2716を有す
る。図示の実施例では、基本的な構造と調整装置271
6の作動方式は、図54および55のそれに対応してい
る。調整部材もしくは調整リング2717は、クラッチ
ユニット2701の解離動作中に皿ばね2704と協働
できる接触範囲もしくは衝止範囲2770を有する。解
離動作中に皿ばね範囲2771が、調整リング2717
に支持された衝止範囲2770に少なくとも間接的に、
なるべくは直接的に、軸方向に支持されるように、衝止
範囲2770はこれと協働する皿ばね2704の範囲2
771を基準に軸方向に相対的に配置されている。この
相互的支持が、舌片先端部2704cの範囲で目標解離
行程2772もしくは対応する皿ばね2404の旋回角
に少なくともほぼ達するか、もしくはわずかに越えるた
ときに行われるようにされているのが好都合である。誤
った、もしくは不適切に調整されたレリーズシステムが
原因で、目標解離行程2772cをわずかに越えること
がある。皿ばね2704を接触範囲2770で軸方向に
支えることによって、調整リング2717の好ましくな
い回動が防止される。つまり、皿ばね2704は所定の
解離行程2772を越えるときに、事実上調整リング2
717のブレーキとして働くのである。
【0428】図示された実施例において、接触範囲もし
くは衝止範囲2770は旋回軸受2705の半径方向外
部でリング2717に成形されているリング状の突出部
2773によって形成されている。リング状の半径方向
突出部の代わりに、円周上に分布した若干の半径方向ブ
ラケット2773が、図示の実施例では皿ばね2704
の外縁まで延びている。所定の解離行程2772に達す
るとすぐに、皿ばね2704が外側範囲2771により
調整リング2717の衝止範囲2770に支えられてい
る。所定の解離行程2772を越えると、皿ばね270
4の旋回直径は拡大する。なぜならば、この旋回直径
は、旋回軸受2705の直径から、皿ばね2704の範
囲2711と衝止範囲2770との間の接触直径に移行
するからである。この移行により、舌片2704cの範
囲で必要な解離力の減少も行われる。なぜならば、皿ば
ねのてこ比はiからi+1に変化するからである。しか
も、最初に解離行程2772までは2アームレバーとし
て支持されている皿ばねが、行程2772を越えると事
実上1アームレバーとして旋回するからである。この解
離力減少によって、皿ばね2704が特にセンサーばね
2713と板ばね2709によって加えられる軸方向の
合成支持力もしくは作用力によりケーシング2702も
しくは調整リング2717に向かって圧迫されることも
保証される。したがって、皿ばね2704は全体が調整
リング2717もしくはカバー2702から軸方向に離
れて移動できない。所定の解離行程2772を越える
と、センサーばね2713は軸方向にばね弾性的に変形
する。しかも、それは皿ばねがこのとき旋回軸受270
5の範囲で調整リング2717から持ち上げられるから
である。
【0429】突出部もしくはブラケット2773が、プ
ラスチックから作られた調整リング2770に射出成形
されていることが好都合である。ブラケット2773に
軸方向に作用する最大力は、皿ばね舌片2704cの範
囲の最小解離力と、センサーばね2713および板ばね
部材2709によって加えられる皿ばね2704に対す
る軸方向のセンサー力もしくは支持力との差から生じ
る。ブラケット2773は、この最大力に重大な変形な
しに耐えられるように形成されている。
【0430】別の重要な長所は、プレッシャープレート
2703の軸方向の持ち上げが事実上一定にとどまり、
したがって行程2772を越えると板ばね2709によ
って主皿ばね2704に加えられる軸方向力はそれ以上
低下しないことにある。板ばね2709によって加えら
れる力は、合成センサー力の一部をなしているので、こ
の板ばねの残っている残留張力に基づいて摩擦クラッチ
2701の超過行程安定性が増大する。それによって、
たとえば乗用車のクラッチは、調整装置2716の機能
を損ねることなく、舌片先端部2704cの範囲で約
0.5〜2mmの超過行程を実現できる。
【0431】プレッシャープレート2703の持ち上げ
制限は、所定の解離行程を越えると、プレッシャープレ
ート2703がセンサーばね2713に軸方向に支持さ
れることによっても行うことができる。このためにセン
サーばね2713および/またはプレッシャープレート
2703に、カムや突起などの成形部材を設けることが
できる。
【0432】図59から図62までに応じて構成された
摩擦クラッチ3001は、ケーシング3002と、この
ケーシング3002と回動不能に結合されてはいるが軸
方向に制限されて移動可能な押圧板3003とを有して
いる。軸方向で押圧板3003と、薄板カバーとして構
成されたケーシング3002との間には圧着皿ばね30
04が緊定されている。該圧着皿ばね3004は半径方
向外側の範囲で押圧板3003を、ケーシング3002
と不動に結合された対応押圧板3006、例えばはずみ
車の方向に負荷し、半径方向内側にある別の範囲で、カ
バーにより保持されたリング状の支持部3005に軸方
向で支えられている。この支持部3005は図示の実施
例では線材リングによって形成されている。摩擦クラッ
チを作動した場合もしくは皿ばね3004を旋回させた
場合には、2腕レバーとして有効な皿ばね3004はリ
ング状の支持部3005を中心として傾動させられ、皿
ばねの円錐性が変化させられた場合にリング状の支持部
3005に支えられる。摩擦クラッチの接続された状態
で皿ばね3004により作用させられる軸方向力によっ
てクラッチ円板3008の摩擦ライニング3007は押
圧板3003と対応押圧板3006との摩擦面の間に締
込まれる。作動皿ばね3004は転動支持部3005と
は反対側でバイアスのかけられた皿ばね3009の形を
した蓄圧器により負荷される。この蓄圧器は作動皿ばね
3004とケーシング3002との間に軸方向に緊縮さ
れている。皿ばね3009によって加えられる軸方向力
は有利にはこの軸方向力がクラッチ1を遮断するために
必要な遮断力よりも大きくなるように設定されている。
前記遮断力は摩擦クラッチ3001を作動するために皿
ばね舌状部3011の先端3010に作用する。皿ばね
舌状部3011は公知の形式で弾性的な、リング状の皿
ばね基体3012に移行する。図示の実施例では支持皿
ばね3009は作動皿ばね3004を押圧板突起301
3の半径方向の高さで負荷するので、支持皿ばね300
9は皿ばね3004に、皿ばね3004から与えられた
モーメントとは反対に向けられた対抗モーメントが導入
される。これによって皿ばね3004によって突起30
13もしくは押圧板3003に作用させられた軸方向力
は皿ばね3004により与えられる実際の力よりも小さ
くなる。これは押圧板3003が効果的に、摩擦クラッ
チ3001の十分なトルク伝達キャパシティを保証する
力で負荷されるためには皿ばね3004の設計に際して
考慮されなければならない。支持皿ばね3009は半径
方向内側に皿ばね3004に向かって軸方向に折曲げら
れた舌状部3009aを有している。該舌状部3009
aは━周方向で見て━個々の押圧板突起3013の間を
延びている。皿ばね3009はカバー3002にバヨネ
ット状の錠止装置を介して結合されていることができ
る。このためには支持皿ばね3009のリング状の基体
は半径方向外側の突起3009bを有し、該突起300
9bはケーシング3002の適当に構成された範囲に軸
方向で支えられる。
【0433】支持皿ばね3009とケーシング3002
との間のバヨネット状の錠止装置を構成するためには皿
ばね3009はまず軸方向にバイアスがかけられる。し
たがって支持皿ばね3009の半径方向外側の範囲もし
くは張出し部3009bは軸方向でケーシング3002
の支持範囲3002bの上へ位置するようになる。その
あとで300皿ばね9とケーシング3002との間の適
当な相対回動によって張出し部3009bを軸方向で支
持範囲3002bに接触させることができる。しかしな
がらケーシング側の支持範囲3002bはケーシング3
002の軸方向の範囲に設けられた押し込み変形部によ
って又は舌状の切出し部によって形成することができ
る。前記切出し部は皿ばね3009を挿入しかつ緊定し
たあとで、この皿ばね3009の外側の縁範囲の下へ材
料変形によって押し込まれる。さらにカバーに固定され
る付加的な構成部材を使用することもできる。
【0434】さらに支持皿ばね3009は作動皿ばね3
004を半径方向でさらに内方で支えるようにも構成で
きる。この場合には多くの使用例にとっては図59に示
されかつ符号3014で示されているように支持がカバ
ー側の支持部3005の半径方向の高さで行われると特
に有利である。このような支持の場合には皿ばね300
9によっては皿ばね3004の圧着力を減少させる対抗
モーメントが皿ばね3004に導入されない。
【0435】押圧板3003はケーシング3002に周
方向又は接線方向に向けられた板ばね3015を介して
回動不能に結合されている。図示の実施例ではクラッチ
円板3008はいわゆるライニングばねセグメント30
16を有しており、該ライニングばねセグメントは摩擦
クラッチ3001が接続された場合に漸進的なトルク形
成を保証する。その際ライニングばねセグメント301
6は両方の摩擦ライニングが互いに近づくように限られ
た軸方向の移動することで摩擦ライニング3007に作
用する軸方向力を漸進的に上昇させることを可能にす
る。摩擦クラッチ3001を遮断する場合には似たよう
な形式で、伝達可能なトルクの漸進的な減少が達成され
る。しかしながら本発明による摩擦クラッチと関連して
は摩擦ライニングが実質的に不動に保持円板に取付けら
れているクラッチ円板を使用することもできる。
【0436】作動皿ばね3004に作用する支持皿ばね
3009によっては、摩擦クラッチ3001の普通の遮
断距離もしくは皿ばね3004の普通の旋回角度に亙っ
て、この皿ばね3004がカバー側の支持部3005に
対して負荷されかつこの支持部3005に所定の軸方向
の力で接触することが保証される。
【0437】皿ばね状の構成部分もしくは皿ばね300
9は有利にはセンサばねとして構成されている。このセ
ンサばねは所定の作業距離に亙って少なくともほぼコン
スタントな力を生ぜしめる。このばね3009を介して
舌状部先端3010に作用するクラッチ遮断力は少なく
ともほぼ受け止められる。遮断力とは摩擦クラッチ30
01を作動する場合に舌状部先端3010もしくは遮断
レバーに生ぜしめられかつ皿ばね3009に導入される
最大力であると解される。摩擦クラッチの申し分のない
機能を可能にするためには皿ばね3009と場合によっ
ては他の構成部分、例えば板ばね3015によって生ぜ
しめられた、皿ばね3004に作用する軸方向力は最大
遮断力よりも大きいが、皿ばね3004によって押圧板
3003に作用させられた残留する力よりも小さいもの
でなければならない。他面においては支持皿ばね300
9の力は可能性のある妨害力、例えば軸方向の振動によ
り発生する慣性力をも受け止めなければならない。有利
な形式で皿ばね3009は、該構成部分3009が作動
皿ばね3004に最大遮断力の1.1から1.4の大き
さの軸方向力を生ぜしめるように構成することができ
る。
【0438】ケーシング側のリング状の支持部もしくは
旋回支持部3005は後調節装置3017に統合させら
れている。この後調節装置3017はまず皿ばね300
4を摩擦ライニング及び(又は)押圧板3003もしく
ははずみ車3006の摩擦面の摩耗に相応して軸方向に
移動させ、さらに皿ばね3004が押圧板3003に向
かってもしくは対応押圧板3006に向かって軸方向に
移動させられた場合に旋回支持部3005とケーシング
3002との間もしくは旋回支持部3005と皿ばね3
004との間に不都合な遊びが生じないことを保証しな
ければならない。これによって摩擦クラッチ3001を
作動する場合に不都合な死行程もしくは空行程が生じな
いことが保証され、摩擦クラッチの良好な効率及び申し
分のない作動が得られるようになる。旋回支持部300
5の自動的な後調節の作用形式はさらに、図62から6
6までと図62aから66aまで詳細に説明されてい
る。
【0439】後調節装置3017は周方向にばね負荷さ
れた、リング状の構成部分3018を有している。この
構成部分3018は摩耗補償リングを形成している。摩
耗補償リング3018は周方向に延びる、軸方向に上昇
する乗上げランプ3019を有し、この乗上げランプ3
019は構成部分3018の周方向に分配され、しかも
図61に同様に後調節装置3017の構成部分である別
のリング状の構成部分3020と関連して示されている
ように配置されている。摩耗補償リング3018は乗上
げランプ3019がケーシング底3002aに向き合う
ようにクラッチ3001内に組込まれている。摩耗補償
リング3018の、乗上げランプ3019とは反対側で
は、線材リングによって形成された旋回支持部3005
が溝状の受容部において同心的に配置されている。しか
しながら旋回支持部3005は摩耗補償リング3018
と一体に構成されていることもできる。
【0440】乗上げランプ3019は、図示の実施例で
はケーシング3002に直接的に、すなわちカバー底3
002aに形成された対応乗上げランプ3021に軸方
向で支えられている。この対応乗上げランプ3021は
図61においてリング状の構成部分3020のための対
応乗上げランプ3022と関連して示したように設けら
れている。このリング状の構成部分3020は摩耗補償
リング3018の乗上げランプ3019と同じように楔
又は突起状の成形部3024により形成されている。
【0441】対応乗上げランプ3021,3022はカ
バーに設けられた軸方向の押込み変形部により形成され
ている。この場合、周方向で見て、対応乗上げランプを
形成する範囲の間には、図61において対応乗上げラン
プ3022を形成するカバー範囲3026で示したよう
に透し孔もしくは切欠きが設けられている。この場合、
押込み変形部3026は、摩擦クラッチ3001の回転
方向で見て、押込み変形部3026の前方範囲が隣接す
るカバー範囲に対してもしくは隣接する押込み変形部3
026の後方範囲に対して軸方向に突出するように構成
され、これによって押込み変形部もしくは成形部302
6が送風機の羽根に似たように作用するようになってい
る。したがって摩擦クラッチ3001の回転に際して開
口もしくは切欠きを通って強制的にクラッチ内室へ流入
する空気循環が生ぜしめられ、これによって摩擦クラッ
チ、特に摩擦ライニング3007の熱的な負荷が著しく
軽減され、寿命が相応に延長される。リング状の構成部
分3018、3020はプラスチック、例えば耐熱性の
サーモプラスチックから製作することができる。これに
よってこれらの構成部分3018,3020は簡単な形
式で射出成形部分として製造することができるようにな
る。しかしながら、これらの構成部分を薄板成形部分又
は焼結部分として構成することができる。送風開口30
25の有利な配置によってリング状の構成部分301
8,3020の熱的な負荷も著しく減少させられる。こ
れはプラスチックを使用する場合に特に重要である。
【0442】乗上げランプ3019と3023並びにこ
れらの乗上げランプに配属された対応乗上げランプ30
21,3022は周方向で見て、これらの対応乗上げラ
ンプがケーシング3002に対して摩耗補償リング30
18及び摩耗フィーラリング20の回動を可能にするよ
うに構成されている。この回動角は少なくとも摩擦クラ
ッチの全耐用年限に亙って、押圧板3003、対抗押圧
板3006及び摩擦ライニングの摩擦面において発生す
る摩耗の補償が保証されるように選ばれている。この場
合には個々のランプ3019,3021及び3022,
3023の間に、最大許容総摩耗に達した場合にまだ存
在する面接触が、これに作用する軸方向力を受け止める
ために十分な大きさを有するようになることに注意しな
ければならない。これは特に皿ばね3004の全圧着力
を受け止める摩耗補償リング3018と関連して有意義
である。回動もしくは後調節角は乗上げランプ301
9,3023及び対応乗上げランプ3021,3022
の構成に応じて10〜90°、有利には30〜80°の
大きさであることができる。乗上げランプ3019,3
023及び対応乗上げランプ3021,3022の軸方
向の起立角もしくは乗上げ角は有利な形式で4〜30
°、有利には4〜15°の大きさであることができる。
図示の実施例では前記角度3027は約12°である。
特に有利であるのは前記角度3027が、乗上げランプ
3019,3023と対応乗上げランプ3021,30
22とが互いに押し合わされた場合に発生する摩擦が互
いに接触しあうランプの間のスリップを阻止するように
選ばれ、実質的に摩擦による自縛作用が発生するように
なっていると有利である。角度3027を決める場合に
は後調節ばね3028と3029とにより摩擦補償リン
グ3018及び(又は)摩擦フィーラリング3020に
生ぜしめられた周方向の力を考慮しなければならない。
摩擦補償リングと摩擦フィーラリングとに配属された乗
上げランプと対応乗上げランプのための乗上げ角302
7は同じであることができる。しかしながらこの両方の
リングには大きさが異なりかつ異なる乗上げ角3027
を有するランプを配属させておくこともできる。
【0443】摩擦補償リング3018は周方向でばね負
荷され、しかも後調節回転方向へ、すなわちランプ30
19が対応ランプ3021に乗上げることにより摩擦補
償リング3018が押圧板3003に向かって、すなわ
ち半径方向のケーシング区分3002aから離れるよう
に軸方向に移動させられる方向へばね負荷されている。
図59と図60とに示された実施例では摩擦補償リング
3018のばね負荷は少なくとも1つのコイルばね30
28によって保証される。図示の実施例では両方のリン
グ3018,3020はばね3029を間挿して作用的
には直列に配置されているので、ばね3028によって
同様に摩耗フィーラリング3020の後調節が行われ
る。コイルばね3028はクラッチカバー3002と一
体に構成された舌片3030に受容されている。舌片3
030はカバー3002の薄板材料から例えば打抜かれ
たU字形の切抜き3002cを形成することによって形
成されている。舌片3030は周方向で見て円弧状に又
は接線方向に延び、有利には少なくともほぼ、直接的に
隣接するカバー範囲と同じ軸方向の高さに設けられてい
る。舌片3030の幅はその上に設けられたコイルばね
3028が半径方向でも軸方向でも案内されるように決
められている。
【0444】ばね3028によって後調節方向に負荷さ
れた摩耗補償リング3018は内周に少なくとも1つ
の、半径方向内方に向いた張出し部3031を有してい
る。この張出し部3031はカバー3002と皿ばね3
004との間を延びている。張出し部3031は半径方
向内方に向けられたフォークもしくはU字形の成形部3
032を有している。このフォークもしくは成形部30
32の、軸方向に向けられた両方の歯3033は案内舌
片3030を両側で掴んでいる。このためには両方の歯
3033は軸方向でカバー3002の切抜き部3002
c内へもしくは該切抜き部3002cを通って延びてい
る。成形部3031もしくはその歯3033には後調節
ばね3028が支えられ、ひいては摩耗補償リング30
18を周方向で負荷しており、適当に傾斜したランプ3
019と対応ランプ3021と関連して軸方向に向けら
れた軸方向成分がリング3018、ひいては支持部30
05にカバー3002から離れる方向にかつ皿ばね30
04に向かって生ぜしめられる。
【0445】半径方向外側に摩耗補償リング3018は
少なくとも1つの半径方向の張出し部3034を有し、
該張出し部3034は周方向で見て、摩耗フィーラリン
グ3020の半径方向内側に設けられた張出し部303
5と半径方向でオーバラップしている。張出し部303
4,3035には切欠き又は孔3036が設けられ、こ
の切欠き又は孔3036には、両方のリング3018と
3020との間で少なくともわずかにバイアスのかけら
れたコイルばね3029が受容されている。張出し部3
034が張出し部3035に当接することにより摩耗フ
ィーラリング3020に対する摩耗補償リング3018
の相対回動は制限される。
【0446】摩擦クラッチ1はさらに摩耗センサ303
7を有している。この摩耗センサ3037は図59に示
された実施例においては皿ばね状もしくはダイヤフラム
状の構成部分3037によって形成されている。ダイヤ
フラム状の構成部分3037は弾性的な、リング状の範
囲3038で皿ばね3004の、押圧板3003に向い
た側を延び、皿ばね3004に有利には摩耗フィーラリ
ング3020に向かう所定の軸方向の予荷重で支えられ
ている。ダイヤフラム状の構成部材3038は皿ばね3
004と半径方向内側で固定的に結合され、しかもリベ
ット結合部3039を介して結合されている。しかしな
がら他の結合装置、例えばバヨネット状の錠止装置を皿
ばね3004とダイヤフラム状の構成部分3037との
間に設けることもできる。弾性的なリング状の範囲30
38は支持皿ばね3009の舌状部3009aの半径方
向の高さに切欠き3040を有し、この切欠き3040
を通って舌状部3009aの支持範囲が軸方向に延びる
ことができる。これによって舌状部3009aがダイヤ
フラム3037の弾性的な変形を妨げなくなる。半径方
向外側にダイヤフラム状の構成部分3037は摩耗フィ
ーラリング3020のための軸方向の支持範囲を形成す
る軸方向の範囲3041を有している。
【0447】ダイヤフラム状の構成部分3037がリン
グ3020の上及び皿ばね3004の外縁に支持される
予荷重は、クラッチが閉じられた状態で摩耗フィーラリ
ングが、まだ摩耗していない場合に又は摩耗がすでに補
償されている場合に回動しないように選ばれている。ば
ねもしくはダイヤフラム状の構成部分3037を設計す
る場合には摩擦クラッチの運転中に構成部分3037に
種々の構成部分によって生ぜしめられる妨害力、例えば
慣性力も考慮されなければならない。したがって構成部
分3037の予荷重によっては、例えば構成部分302
0によって惹起される軸方向力による軸方向の振動に基
づく軸方向力が構成部分3037の変形なしで受止めら
れかつこれが摩擦クラッチの接続状態で行われることが
保証されなければならない。
【0448】摩耗、特にライニング摩耗に帰因しないで
摩耗センサ3037が摩耗フィーラリング3020から
離れることは回避されなければならない。何故ならばさ
もないと、摩耗フィーラリング3020の不都合な回動
もしくは後調節が行われ、これによって摩耗センサ30
37にかけられた予荷重がそのままになり、摩擦クラッ
チ3001のコントロールされない後調節が行われる危
険が生じるからである。図62から66までと62aか
ら66aまでと関連しては後調節装置3017の作用形
式だけを詳細に説明することにする。
【0449】図62と62aにおいては構成部分が摩擦
クラッチ1もしくはクラッチ円板3008の摩擦ライニ
ング7の新しい状態で、しかも摩擦クラッチ3001が
接続された状態でとる構成部分の位置が示されている。
この状態では皿ばね3004の外縁とそれに向き合った
摩耗フィーラリング3020の支持もしくはストッパ面
3020aとの間の間隔Lは、押圧板3003の目標離
反距離を決定する普通の目標遮断距離に相当する。この
新しい状態では、摩耗センサを形成するダイヤフラム状
の構成部分3037は皿ばね3004の外径の範囲に軸
方向で接触し、摩耗フィーラリング3020が回動する
ことを阻止する。摩耗フィーラリング3018は皿ばね
3004を介して与えられた支持力によって回動に対し
て固持される。
【0450】図62aから判るように、制限ストッパを
形成する突起3034,3035は互いに当接する。こ
れによってリング3018は同様に回動を阻止される。
両方のリング3018,3020の間に設けられたばね
3029には後調節ばね3028により生ぜしめられた
力によってバイアスがかけられる。したがってばね30
28により与えられる後調節力は全寿命に亙って、した
がってリング3018,3020の全回動距離もしくは
後調節距離に亙って、ばね3029により図62aに示
した緊縮された位置で生ぜしめられる力よりも大きいも
のでなければならない。
【0451】図62に示された位置から摩擦クラッチ3
001を遮断するためには皿ばねは転動支持部3005
を中心として旋回させられ、図63に示されているよう
に遮断距離Xのあとで外縁で摩耗フィーラリング302
0のストッパ面3020aに当接する。この場合、押圧
板3は離反距離L1だけ軸方向に移動させられ、したが
って0位置から遠ざけられる。摩擦クラッチのこの遮断
時相の間は、ばね作用を有する構成部分には付加的に軸
方向のバイアスがかけられる。これによって摩擦クラッ
チを遮断する場合にまず間隔Lに相応する皿ばね外縁の
旋回距離に亙って摩耗フィーラリング3020が強めら
れた力でカバー3002の方向に負荷され、したがって
リング3020の不都合な後調節が回避されるようにな
る。図63aから判るように両方のリング3018,3
020の角度的な位置は変化しない。
【0452】距離Xは押圧板3003の離反L1を達成
するための最少遮断距離と後調節機能を保証するために
必要な最少距離に相応する。
【0453】この最少離反行程を達成するためには通常
は自動車の遮断系にXよりもいくらか大きい遮断距離が
設けられている。この遮断距離は製作誤差と振動に基づ
きさらに拡大することがある。この場合にはこれは距離
ΔXで示されている。最少遮断距離Xを越えると皿ばね
3004は転動支持部3005から離れるので、この皿
ばね3004と転動支持部3005との間にはギャップ
3042が生じる。しかしながら摩耗補償リング301
8の後調節は可能ではない。何故ならば図64aに示さ
れているように、両方のストッパ突起3034,303
5は互いに接触し、摩耗フィーラリング3020は付加
的に皿ばね3004によってもしくは皿ばね3004を
リング3020に対して押す支持ばね3009によって
回動が阻止されているからである。図62,63及び6
4から判るように摩擦クラッチ3001を遮断する場合
には支持ばね3009もその円錐性を変化させる。
【0454】摩擦クラッチを作動させる場合もしくは摩
擦クラッチを接続する場合に例えば摩擦ライニングにお
いて摩耗が生じると、押圧板3003は摩耗に相応する
値3043(図65)だけ軸方向で対抗押圧板3006
に向かって移動する。この軸方向の移動によって皿ばね
3004と支持ばね3009との円錐性もしくは起立角
が変化し、皿ばね3004は舌状部先端範囲3010で
値ΔYだけ図62に示された位置に対して軸方向で右へ
移動させられる。皿ばね304の円錐性の変化によって
摩耗センサ3037の支持範囲3041も軸方向で左へ
移動させられ、摩耗フィーラリング3020から値XY
だけ離される。これによって摩耗フィーラリング302
0にかかる負荷が除かれるかもしくはばね3029の作
用下で回動のために解放され、ランプ3022,302
3を介して軸方向に移動させられる。摩耗フィーラリン
グ3020の回動はばね3029の力が支持範囲304
1に当接するリング3020を回動させるには十分でな
くなるまで行われる。しかしながら摩耗補償リング30
18の回動はこの摩耗補償リングが軸方向で皿ばね30
04により負荷されているので可能ではない。摩耗フィ
ーラリング3020の回動によって、図65aに示され
ているように、両方のストッパ突起3034,3035
の間にはギャップもしくは間隔3045が生じる。この
間隔3045はほぼ、乗上げランプ3023もしくは対
応乗上げランプ3022の角度3027のタンジェント
で割られた摩耗フィーラリング3020の軸方向の移動
3044に相応する。
【0455】摩耗3043に基づき接続距離Yは遮断距
離X+ΔXに対して値ΔYだけ増大している。
【0456】摩耗を有する前述の接続過程に続く摩擦ク
ラッチの遮断過程においては、図64と関連した記述と
同じように摩耗補償リング3018にかかる負荷が除か
れる。しかしながらこの場合には図65aに示したよう
に両方のストッパ突起3034と3035との間にいま
や存在する間隔3045に基づき摩耗補償リング301
8は後調節され得る。この後調節はばね3029を圧縮
するために必要な力よりも大きな力をもたらすばね30
28にかけられたバイヤスに基づき行われる。摩耗補償
リング3018を後調節することによって突起3034
と3035は再び当接するので、したがって図66に示
されているように、摩擦クラッチが再接続もしくは閉じ
られた場合に皿ばね3004は、この皿ばねが摩耗に相
応する値だけ軸方向に移動させられたにもかかわらず、
実質的に再び図62に示されたのと同じ組込み位置をと
ることになる。しかしながら、図66aからは両方のリ
ング3018と3020とが図62aに示された元の角
度位置から後調節方向へ回動させられたことが判る。
【0457】さらに図66からは摩耗後調節が行われた
ことに基づき皿ばね状の構成部分3009の円錐性も変
化させられたことが判る。
【0458】図62から66までと62aから66aと
に関連して記述した後調節は実地においてはきわめて小
さなステップで行われる。すなわち、寿命に亘って連続
的な後調節が行われるので、実地において生じる摩耗に
基づく移動はきわめて小さい。図面においては相応する
間隔もしくは後調節は理解しやすくするという目的でけ
で相応に大きく示されている。
【0459】既に図63と64とに関連して記述したよ
うに、皿ばね3004は所定の遮断距離Xのあとでは半
径方向外側で摩耗フィーラリング3020に支えられる
ので、皿ばね3004の旋回線は転動支持部3005か
ら半径方向外側へ支持面3020aの範囲へ移動させら
れる。したがって皿ばね3004はまず、2腕レバーと
同じように、転動支持部3005の半径方向の高さで、
この転動支持部3005を中心として旋回可能である。
しかし、遮断距離Xを越えると皿ばねは単腕アームと同
じように支承される。何故ならば皿ばねは実質的に半径
方向外側の縁範囲で旋回可能に支承されるか保持されて
いるからである。これによってクラッチにおける皿ばね
伝達比は少なくともほぼiからi+1に変化する。この
場合、iは転動支持部3005と、舌状部先端3010
の範囲における遮断力の負荷直径との間の半径方向の間
隔と、転動支持部3005と、皿ばね3004と押圧板
3003との間の負荷直径との間の半径方向の間隔との
比である。さらにこの場合には皿ばね3004と摩耗フ
ィーラリング3020との間の支持は皿ばね3004と
押圧板3003との間の支持と少なくともほぼ同じ半径
方向の高さで行われなければならない。皿ばねの伝達比
の変化もしくは拡大によってこの皿ばねの力−距離経過
は伸ばすことができる。すなわち、伝達比が大きくなる
と即座に距離に対する力もしくは力変化は減少させられ
る。すなわち皿ばねは伝達比が大きい範囲では平らなも
しくはゆるやかな力−距離経過を有している。これによ
ってこの範囲における遮断力経過の減少も行われる。
【0460】図67に示された摩擦クラッチ3101は
同様に押し型の摩擦クラッチを形成する。皿ばね310
4は軸方向で不動にカバー3102と結合された2つの
転動支持部3105,3105aの間に旋回可能に支承
されている。両方の旋回支持部3105と3105aと
その間に設けられた皿ばね3104とを軸方向で確保す
るためにはカバー3102と結合された保持手段313
7が設けられている。図示の実施例では保持手段313
7は一体にカバーから成形された舌片3102bによっ
て形成されている。この舌片3102bは軸方向で皿ば
ね3104を通して延び、皿ばね3104の、押圧板3
103に向いた側に設けられた転動支持部3105aを
軸方向で背後から掴んでいる。
【0461】摩擦クラッチ3101は摩耗センサ313
7を有している。この摩耗センサ3137はリング状
の、弾性的に変形可能な範囲3138を有しており、こ
の範囲3138はカバー底3102aに例えばリベット
結合で固定されている。摩耗センサ3137は軸方向に
延びる範囲3141を有しており、該範囲3141は皿
ばね3104内の切欠きを通って軸方向に延びている。
この範囲3141は摩耗フィーラリング3120のため
の支持範囲3141aを形成する。
【0462】軸方向で摩耗フィーラリング3120と舌
片3102bの下方範囲との間には軸方向の遊びLが存
在している。この遊びLは摩擦クラッチ3101を遮断
する場合の押圧板3103の軸方向の移動を規定する。
【0463】半径方向外側で皿ばね3004は線材リン
グ3118aに支えられる。この線材リング3118a
は摩耗補償リング3118により保持されている。
【0464】摩耗補償リング3118と摩耗フィーラリ
ング3120とは軸方向で押圧板3103にランプ31
19,3123と対応乗上げランプ3121,3123
を介して支えられている。ランプ3119,3123と
対応乗上げランプ3121,3123は周方向の経過と
起立角とに関し、図59から66までと関連して記述し
たのと似たように構成されている。したがって図67の
実施例においても有利には後調節装置3117において
後調節方向に抗する自縛作用が存在している。
【0465】対応乗上げランプ3121,3122は直
接的に押圧板3103に一体成形することができるが、
少なくとも軸方向で1つのリング3118,3120と
押圧板3103の間に対応乗上げランプを形成する構成
部分を設けることもできる。この構成部分は同様にリン
グ状に構成することもできる。この構成部分は有利には
押圧板3103と回動不能に結合されている。しかしな
がらリング3118及び(又は)3120を回動不能で
はあるが軸方向に移動可能に押圧板3103と結合され
ていることができ、対応乗上げランプを形成する構成部
分は押圧板3103に対して回動可能であることができ
る。
【0466】摩耗フィーラリング3120は少なくとも
1つの軸方向に従動可能な構成部分によって形成された
摩耗センサ3137と協働する。摩耗センサ3137は
周方向に分配された複数の又は単数の、軸方向に弾性的
に変形可能なフックによって形成されているか又は弾性
的なリング状の基体3138を有し、該基体3138か
ら半径方向内側へ個々の舌片3141が延びており、こ
の舌片3141が摩耗フィーラリング3120に接触す
る構成部分によって形成されることもできる。弾性的に
従動する摩耗センサ3137は摩耗が存在していない場
合に摩耗フィーラリング3120が後調節されないこと
を常に保証する基本変形力もしくは基本バイアスを有し
ていなければならない。したがって摩耗補償リング31
18及び(又は)摩耗フィーラリング3120に作用す
る個々のばねは適当に調和させられていなければならな
い。
【0467】押圧板3103はばね部材を介してケーシ
ング3102に対してバイアスがかけられ、クラッチ3
101が遮断された場合にも押圧板3103が常に皿ば
ね3104に向かってバイアスがかけられ、したがって
転動支持部3118aが常に皿ばね3104に留まるこ
とが常に保証されるようになっている。このバイアスを
かける手段は例えば弾性的な手段、例えば板ばね部材に
より形成することができる。この手段は適当な予荷重で
図59に示されたように組込むことができる。皿ばね3
104を設計する場合には、皿ばね3104の力に抗し
て作用する前記手段により与えられる力が考慮されなけ
ればならない。さらに押圧板3103とケーシング31
02とに軸方向でバイアスをかける手段を設計する場合
には軸方向に可動な構成部分、例えば押圧板3103の
慣性に基づきかつこれらの部分の振動に基づき生じる加
速が考慮されなければならない。
【0468】クラッチ3101を遮断する場合に押圧板
3103の離反距離を制限するためには、図示の実施例
の場合には支持範囲3141aが舌片3137の下方範
囲に接触することで形成されるストッパが設けられてい
る。押圧板3103の離反距離は遊びLによって規定さ
れている。
【0469】後調節装置3117の後調節機能は図59
から66までに示された後調節装置の後調節機能と比較
可能である。図67には対応押圧板に取付けられた状態
にある摩擦クラッチ3101が新しい状態で示されてい
る。図示されていない摩擦ライニングにおいて摩耗が生
じると、押圧板3103は摩耗に相応して左へ移動し、
摩耗フィーラリング3120はこの摩耗に相応して後調
節される。これによって両方のリング3118,312
0のストッパ突起の間に、図65aにおいて突起303
4,3035のために示したように周方向の遊びが生じ
る。摩擦クラッチ3101を遮断する場合には押圧板3
103と両方のリング3118,3120は軸方向でカ
バー底3102aに向かってまず一緒に移動する。この
場合にセンサ3137は弾性的に変形される。遊びLを
克服したあとで押圧板3103と軸方向でこの押圧板3
103に対して摩耗センサ3137を介してバイアスの
かけられた摩耗フィーラリング3120は停止させられ
る。摩擦クラッチ3102の遮断距離は、少なくとも摩
耗が存在している場合に遊びLを克服したあとで皿ばね
3104が所定の角度だけ円錐性を変化させ、これによ
って摩耗補償リング3118が軸方向で負荷軽減され、
存在するライニング摩耗に相応して後調節されるように
選ばれている。しかもこの後調節は先行する摩耗フィー
ラリング3120の回動に相応する回動によって行われ
る。この回動のあとで両方のリング3118と3120
のストッパは再び互いに当接する。これは図66aにお
いてストッパ突起3034,3035のために示したよ
うに行われる。このストッパ制限によって皿ばね310
4はリング3118にかけられた負荷を完全に除くこと
ができる。何故ならばリング3118はストッパによっ
てコントロールされずには調節されなくなるからであ
る。
【0470】図68に示した摩擦クラッチ3201は作
動皿ばね3204がカバー側の旋回支持部3205に対
して押されるかもしくは引っ張られるいわゆる押し型ク
ラッチを形成する。このためには皿ばね3209の形を
した蓄力器が設けられている。この蓄力器を成す皿ばね
3209はクラッチケーシングもしくはカバー3202
と押圧板3203との間に緊縮されている。皿ばね32
09はカバー3202の、作動皿ばね3204とは反対
側に配置され、結合手段3209aを介して押圧板20
3と結合されている。結合手段3209aは軸方向で皿
ばね3204に設けられた切欠きを通って延びている。
しかしながら皿ばね3209は直接的にカバー3202
と押圧板3203との間に配置されていてもよい。蓄力
器3209から与えられる軸方向力は、この力がクラッ
チ3001を遮断するのに必要な、クラッチ2301に
組込まれた皿ばね3204を旋回させるために必要な最
大遮断力よりも大きくなるように選択されている。有利
であるのは摩擦クラッチ3201の寿命に亙って、蓄力
器3209から押圧板3203に生ぜしめられた弾性的
なバイアス力が最大遮断力の少なくとも1.1倍に相応
していることである。しかしながら蓄力器3209によ
って与えられる軸方向力は著しく高くてもよい。有利で
あるのは皿ばね3209が摩擦クラッチ3201の寿命
に亙ってもしくは後調節装置3217の最大可能な補償
距離に亙って実質的に一定の力−距離経過を有し、した
がって皿ばね3204により押圧板3203に生ぜしめ
られた圧着力が実質的に一定に保たれることである。し
かしながら皿ばね3209が後調節装置3217の後調
節範囲に亙って所定の力−距離特性値を有し、ケーシン
グ3202と押圧板3203との間でトルクを伝達する
板ばねの、ライニング摩耗の増加に伴って上昇するバイ
アス力を補償できるようになっていても有利である。こ
のような板ばねは図59に示され、符号3015で示さ
れている。
【0471】皿ばね3204と押圧板3203との間に
軸方向に設けられた摩耗補償装置3217は摩耗補償リ
ング3218と摩耗フィーラリング3220とを有して
いる。これらのリング3218,3220は図67の両
方のリング3118,3120と同じように配置されか
つ作用する。両方のリング3218,3220は乗上げ
ランプ3219,3223を介して押圧板3203の対
応乗上げランプ3221,3222に支えられる。摩耗
センサ3237はダイヤフラム状もしくは皿ばね状の構
成部分によって形成され、該構成部分は半径方向内側で
リベット結合3239の形をした結合装置を介して皿ば
ね3204に固定されている。摩耗センサ3237の、
例えばリング状の弾性的な範囲3238は皿ばね320
4に対し間隔Lを有し、該間隔Lは摩擦クラッチ320
1を遮断する場合の押圧板3203の離反距離を規定す
る。弾性的にバイアスのかけられた摩耗センサ3237
は半径方向外側で皿ばね3204の、リング3218,
3220とは反対側で皿ばね3204に支えられる。こ
のためには弾性的な範囲3238は半径方向外側に軸方
向に延びる舌片3241を有している。この舌片324
1は皿ばね3204の軸方向の切欠きを通して導かれ、
皿ばね3204の、弾性的な範囲3238とは反対側で
皿ばね3204に支えられている。したがって弾性的な
摩耗センサ3237は作動皿ばね3204の上に弾性的
に緊定されている。摩耗センサ3237によっては摩耗
フィーラリング3220の不都合な後調節が回避され
る。両方のリング3218,3220は周方向で蓄力器
によって、先の図面と関連して記述したように負荷され
ている。
【0472】摩擦クラッチ3201を図68に示された
接続位置から遮断する場合には皿ばね3204はリング
状の支持部3205を中心として旋回させられる。した
がって押圧板3203にかかる負荷が除かれかつ蓄力器
3209を介して遮断方向に移動させられる。遮断過程
の間には摩耗フィーラリング3210は皿ばね3204
に向かって移動させられ、摩耗センサ3237は弾性的
に変形される。この変形リング状の弾性的な範囲323
8が皿ばね3204に接触し、これによって押圧板32
03の遮断方向での軸方向の移動が終了させられ、皿ば
ね3204がさらに遮断方向に変形した場合に摩耗補償
リング3218にかかる負荷が除かれるまで行われる。
ライニング摩耗が存在していないと、摩耗補償リング3
218は押圧板に対して移動しない。何故ならば両方の
リング3218,3220のストッパは、図62aから
64aにおいてストッパ突起3034,3035のため
に示したように接触するからである。摩耗フィーラリン
グ3220自体は摩耗センサ3237によって押圧板3
203に対して負荷されているので、この摩耗フィーラ
リングも回動することはできない。
【0473】例えば摩擦ライニングにおいて摩耗が生じ
ると、押圧板3203は左へ移動し、これによって皿ば
ね3204もその円錐性をわずかに変化させる。この移
動によって摩耗フィーラリング3220にかかる負荷が
除かれ、この摩耗フィーラリングは摩耗に相応して後調
節される。この場合、後調節は摩耗センサ3237で制
限される。摩擦クラッチ3201が再び遮断されると図
67と関連して記述したように摩耗補償リング3218
にかかる負荷が除かれ、これによって摩耗補償リングが
後調節される。これはリング3218と3220との間
でストッパが有効になるまで行われる。
【0474】図67によるリング3118,3120と
図68によるリング3218,3220との間の後調節
は図62aから図66aまでに示されたものに相応す
る。
【0475】図69から71までに示した摩擦クラッチ
3301はいわゆる引張り型の摩擦クラッチを形成して
いる。皿ばね3304は半径方向外側で、ケーシング3
302の半径方向の範囲3302aと皿ばね3304と
の間に設けられた摩耗補償リング3318に支えられて
いる。半径方向でさらに内側に位置する範囲で皿ばね3
304は押圧板3303の突起3313を負荷する。皿
ばね3304の、押圧板3303とは反対側には皿ばね
3304によって保持されかつ皿ばね3304とバヨネ
ット状の結合で錠止された摩耗センサ3337が設けら
れている。このために皿ばねとして構成された摩耗セン
サ3337は半径方向外側に軸方向の、フックとして構
成された張出し部3341を有している。この張出し部
3341は皿ばね内に設けられた軸方向の切欠き330
4aと協働して軸方向で錠止する差込み回転結合装置を
形成する。両方の構成部分3304と3337を錠止を
行う位置に固定するためには皿ばね3337は舌状部先
端の半径方向内側の範囲に軸方向に延びる舌片3341
aを有し、この舌片3341aは−皿ばね3337が軸
方向に皿ばね3304に向かってバイアスがかけられた
あとでかつ両方の構成部分3337と3304との間で
錠止を行う回動が行われたあとで−皿ばね3304の切
欠き3304b内に回動防止を行うために係合する。摩
耗センサ3337は摩耗が存在していない場合に摩耗フ
ィーラリング3320が後調節されることを阻止する。
摩耗フィーラリング3320は同心的にかつ摩耗補償リ
ング3318に対して半径方向内側に設けられている。
【0476】両方のリング3318,3320は先の図
面及び特に図59と60と関連して記述したように乗上
げランプ3319,3323を介してケーシング330
2に保持された対応乗上げランプ3321,3322に
軸方向で支えられている。
【0477】図70に示されているように両方のリング
3318,3320はリング3018,3020と同じ
ように、間にコイルばね3329が緊縮されるストッパ
突起3334,3335を有している。
【0478】図70に示すように摩耗補償リング331
8はコイルばね3328の形をした蓄力器で後調節方向
に負荷されている。蓄力器3328は両方のリング33
18と3320とのリング状の基体の間の半径方向の範
囲に設けられている。ばね3328は図59と図60と
関連して記述したようにカバー3302の舌片もしくは
舌状部3330に受容されている。摩耗補償リング33
18は−図59と図60とによるリング3018と似た
ように張出し部3331を有し、該張出し部はフォーク
状の成形部3332をばね3328を支えるために有し
ている。したがってこの場合にもばね3328、摩耗補
償リング3318、ばね3329、摩耗フィーラリング
3320、摩耗センサ3337は作用的に直列に接続さ
れている。
【0479】摩耗センサ3337は摩耗が存在していな
い場合には摩耗フィーラリング3320の許容されない
後調節を阻止する。この摩耗フィーラリング3318は
自体は摩耗補償リング3318の許容されない後調節を
阻止する。
【0480】図69に示された、対応押圧板の上にクラ
ッチ円板3316を介在させて取付けられた摩擦クラッ
チ3301の新しい状態から出発して、摩擦クラッチ3
301を遮断する場合には皿ばね3304が半径方向内
方で右へ旋回させられるので、皿ばね304は半径方向
外側で摩耗補償リング3318により保持された転動支
持部3005に支えられる。遮断期の間、センサ皿ばね
3337は軸方向で皿ばね3304と摩耗フィーラリン
グ3320との間で緊縮され、しかも押圧板3303の
離反行程を規定する、リング状の弾性的なセンサ区分3
338の外側の範囲と皿ばね3304との間に規定され
た遊びLが与えられ、皿ばね3304が軸方向で摩耗フ
ィーラリング3320に支えられるまで緊縮される。遮
断運動が継続されると皿ばね3304は摩耗フィーラリ
ング3302に存在するリング状の支持範囲3320a
を中心として旋回させられる。これによって半径方向外
側の転動支持部3305に皿ばね3304によってかけ
られた負荷は除かれ、摩耗が存在する場合にはこの摩耗
はリング3318の適当な軸方向の後調節により補償さ
れる。したがって皿ばね3304は遮断期においてはま
ず単腕レバーのように外側の転動支持部3305を中心
として旋回させられる。遊びLを克服したあとで皿ばね
3304のリング状の旋回範囲は半径方向内方へ摩耗フ
ィーラリング3320の範囲3320aへ移動させられ
る。したがって遮断運動が継続された場合には皿ばね3
304は2腕レバーのように旋回させられるかもしくは
作用する。皿ばね3304のリング状の転動支持部が摩
擦クラッチの作動の間に前述のごとく半径方向に移動す
ることによって伝達比もしくはてこ腕比が変化する。こ
の伝達比もしくはてこ腕比は皿ばね3304を作動する
ために必要な力をiからi−1に変化させる。したがっ
て皿ばね3304が摩耗フィーラリング3320に支え
られると遮断力の上昇が行われる。伝達比iは皿ばね舌
状部先端3310の範囲における遮断力の作用範囲と、
皿ばね3304と転動支持部3305との間の接触範囲
との間の間隔と、この接触範囲と押圧板3303の突起
3313のための皿ばね3304の負荷範囲との間の間
隔との比である。前述の伝達比の変化は、皿ばね330
4と押圧板3303との間の支持が少なくともほぼ、摩
耗フィーラリング3320における皿ばね3304の支
持と同じ直径で行われるという仮定に基づいている。皿
ばね3304と摩耗フィーラリング3320との間の支
持範囲が半径方向外方へ転動支持部3305に向かって
移動すればするほど、皿ばね3304が摩耗フィーラリ
ング3320に当接した場合の遮断力の上昇はわずかに
なる。
【0481】接続期の間に摩擦ライニング3307にお
いて摩耗が生じると、皿ばね3304はその円錐性を変
化させ、しかも舌状部先端3310が左へ移動する。こ
の円錐性の変化によって摩耗フィーラリング3320に
かかる負荷も除かれ、摩耗フィーラリング3320は発
生するライニング摩耗に相応して後調節される。したが
って摩耗が生じた場合にはまず摩耗フィーラリング33
20が摩耗補償リング3318を、図70に示されてい
るように先行する。摩耗フィーラリング3320の回動
によって両方のリング3318,3320のストッパ突
起3334と3335との間には摩耗に比例した間隔3
345が生じる。次いで行われる遮断過程に際して、先
行する図面に基づき既に記述したように摩耗補償リング
3318に皿ばね3304によりかけられた負荷は除か
れる。したがって摩耗補償リング3318は遊び334
5に相応して後調節される。これによって皿ばね330
4は再び新しい状態に相応する円錐性もしくは扁平位置
をとる。摩耗が増すにつれて皿ばね3304は軸方向で
カバー底3302aから遠ざらされる。この場合、全調
節範囲に亙って皿ばねの組込み位置の適当な角度修正が
行われる。この適当な角度修正はそれぞれ摩耗フィーラ
リング3320によって検出もしくは測定された摩耗に
関連する。
【0482】図72に部分的に示された後調節装置34
17は図69と70に示された後調節装置3317と似
たように構成されかつ配置されている。図69による実
施例に対する重要な差は摩耗フィーラリング3420が
押圧板3403の突起3413における皿ばね3404
の支持部と半径方向外側に配置された旋回支持部340
5における皿ばね3404の支持部との間の半径方向範
囲に設けられていることである。したがって摩耗フィー
ラリング3420は大きな直径を有し、したがって摩擦
クラッチの遮断期の間に行われる、皿ばね3404と摩
耗フィーラリング3420との間の支持は摩耗補償リン
グ3418により近く位置している。これによって皿ば
ね3404が摩耗フィーラリング3420に接触した場
合に行われる遮断力の増加は図69の実施例に対して減
少させられる。センサ皿ばね3438は皿ばね3338
と同じようにバヨネット状の結合装置を介して皿ばね3
404に固定されている。
【0483】図72実施例においては摩耗フィーリング
3420と皿ばね3404との間の支持直径の半径方向
の高さにおいてセンサ3438が移動できるばね距離S
は、摩擦クラッチを遮断する場合に押圧板3403が移
動する離反もしくは離間距離にL2/L1の比を乗算し
たものが、少なくともほぼセンサ3438のばね距離S
に相当するように設定しておくことができる。すなわ
ち、摩耗フィーリング3420と皿ばね3404との間
の支持直径の半径方向の高さにおいてセンサ3438が
移動可能であるばね行程Sと、押圧板3403の一杯の
離反もしくは離間距離との間には、少なくともほぼV=
S×L1/L2の関係式が成立つ。
【0484】図73に示された引張り型摩擦クラッチ3
501は、軸方向で皿ばね3504と押圧板3503と
の間に配置された後調節装置3517を有している。皿
ばね3504は半径方向外側で、クラッチカバー350
2により保持された旋回支持部3505に支えられ、さ
らに半径方向内側にある範囲で、軸方向で押圧板350
3に支えられた摩耗補償リング3518を負荷する。摩
耗補償リング3518は摩耗フィーラリング3520に
よって取囲まれている。リング3518,3520はこ
の場合にも押圧板3503により保持された対応乗上げ
ランプ3521,3522に軸方向で支えられる乗上げ
ランプ3519,3523を有している。軸方向で皿ば
ね3504と摩耗フィーラリング3520との間にはこ
の場合にもダイヤフラム状の構成部分によって形成され
た摩耗センサ3537が設けられている。弾性的な構成
部3分537は皿ばね3504により保持され、この構
成部分3537を緊縮させるために必要な力が摩耗フィ
ーラリング3520に軸方向で作用する調節力よりも大
きくなるように設計されもしくは組込まれている。軸方
向の振動が存在する場合に押圧板3503もしくは摩耗
補償リング3518が皿ばね3504から持上がらない
ためには押圧板3503は皿ばね3509の形をしたば
ね部材を介してケーシング3502に対して軸方向でバ
イアスがかけられ、しかもカバー側の転動支持部350
5に向かって負荷されている。これによって摩耗フィー
ラリング3520は摩耗センサ3537から持上がらな
いことが保証される。
【0485】摩擦ライニングの摩耗が生じると皿ばね3
504の角度位置もしくは円錐性が変化する。この変化
は皿ばね3504の半径方向内側の範囲が左へ、押圧板
3503の軸方向の移動に相応して旋回させられるよう
に行われる。これによって摩耗フィーラリング3520
にかかる負荷が除かれ、これは摩耗に応じて後調節され
る。この場合、この後調節は摩耗センサ3537によっ
て制限される。これに続く遮断期の間には押圧板350
3が所定の離反行程距離に達すると、摩耗補償リング3
518に皿ばね3504によってかけられる負荷は除か
れるので、摩耗補償リング3518は摩耗フィーラリン
グ3520によって与えられた後調節距離に相応して移
動させられる。
【0486】押圧板3503の軸方向の遮断距離の制限
は皿ばね3504の外側範囲における当接によって行わ
れる。しかしながらストッパによる距離制限は他の個所
で行うこともできる。例えば直接的にケーシング350
2と押圧板3503との間に適当なストッパを設けるこ
ともできる。センサ3537を緊張させるために必要な
力は皿ばね3509により押圧板3503に生ぜしめら
れた軸方向の力よりも著しく小さい。したがって摩耗セ
ンサ3537は皿ばね3509を介して摩擦クラッチ3
501の遮断に際して緊張させられる。
【0487】たいていの使用例にとっては、摩耗フィー
ラリングと摩耗補償リングとの転動もしくは支持範囲の
間の半径方向の間隔は、カバーにおける作動皿ばねの支
持部と作動皿ばねと押圧板との間の負荷個所との間の半
径方向の間隔とほぼ同じ大きさであると有利である。こ
れによって摩耗後調節に際して摩耗フィーラリングが移
動した軸方向の距離が軸方向に発生した摩耗とほぼ同じ
大きさになることが保証される。
【0488】図74と75にはばねクランプ3637と
して構成された摩耗センサ部材が示されている。このよ
うなセンサ部材3637は多数、作動皿ばね3604の
弾性的なリング体の周方向に均一に分配されて設けられ
ていることができる。図74から判るようにこのような
ばねクランプ3637の1つは皿ばね3604とスナッ
プ結合によってもしくは両方の外側の脚部3637aの
端部範囲を通しかつ中央の脚3637bを皿ばね360
4の外縁に係止させることで結合することができる。図
74と75による摩耗センサ部材は例えば図59の摩擦
クラッチの実施例に使用することができる。
【0489】すでに図59との関連で記述したように摩
擦クラッチは、遮断過程の間に摩擦クラッチにより伝達
可能なモーメントを次第に消滅させるような手段を有し
ていると有利である。何故ならばこれによって遮断力経
過又は必要な最大の遮断力の減少もしくは減退が達成さ
れるからである。図59に示された摩擦クラッチにおい
ては前記手段は摩擦ライニングの間に設けられたライニ
ングセグメント3016によって形成されている。この
ようなライニングセグメント3016は例えばDE−O
S3631863号により公知である。
【0490】摩擦クラッチを遮断又は接続する場合の漸
進的なモーメント形成もしくは消滅を達成する別の可能
性はDE−OS2164297号により提案されてい
る。この解決策でははずみ車が2部分から構成され、対
応押圧板を形成する構成部分が軸方向で弾性的に、内燃
機関の出力軸と結合された構成部分に対して支えられて
いる。
【0491】ライニングばね作用の代わりになる手段は
圧着皿ばね3004と押圧板3003との間の力伝達経
路に設けておくこともできる。このような配置は例えば
DE−OS3742354号及びDE−OS14502
01号によって提案されている。さらにライニングばね
作用の代わりになる手段は圧着皿ばね3004と固定個
所、例えば対応押圧板3006に対するケーシング30
02のねじ結合部との間の力伝達経路に設けておくこと
もできる。
【0492】遮断力の減少の所望の効果を達成するため
にはライニングばね作用もしくはこのライニングばね作
用の代わりになる手段は作動皿ばね3004と直列に接
続されていることができる。これはライニングばね作用
もしくはこの代わりをする手段が皿ばね3004により
与えられた力によって弾性的に変形可能であることを意
味する。
【0493】次にライニングばね作用もしくはライニン
グばね作用代替物の作用形式を図59と60との実施例
と図76,77による線図に示した特性線で詳細に説明
する。
【0494】図76の線3050は皿ばね3004の円
錐性の変化に関連してこの皿ばね3004によって押圧
板3003に全体として加えられた軸方向力の部分範囲
が示されている。部分範囲3050は皿ばね3004の
リング状の基体3012が旋回支持部3005とカバー
円板3003の半径方向外側の支持部との間で変形され
る軸方向の変形に相当する。部分区分3050において
は支持皿ばね3009とばあいによっては他の部材、例
えば板ばねによって加えられた力、皿ばね3004の変
形を助ける力もしくはこの変形に影響を及ぼす力が考慮
されている。皿ばね3004の実際の力−距離経過は図
76においては破線3050aで示されている。したが
って皿ばね3004は実際には線3050よりも高い力
−距離経過を有している。
【0495】点3051は閉じられた新しいクラッチ1
における皿ばね3004の組込み状態を表わしている。
これはすなわち皿ばね3004が適当な組込み状態で最
大の圧着力を押圧板3003に生ぜしめる状態である。
点3051は新しいクラッチにおける皿ばね3004の
円錐状の組込み位置の変化によって線3050に沿って
上方又は下方へ移動させられる。
【0496】線3052はライニングばねセグメント3
016により与えられる軸方向の拡開力を示している。
この拡開力は両方の摩擦ライニングの間で作用しかつ押
圧板3003の上に作用する。この軸方向の拡開力は皿
ばね3004により押圧板3003に生ぜしめられる軸
方向力に抗して作用する。有利であるのはばねセグメン
ト3016の弾性的な変形によって与えることのできる
最大軸方向力が、皿ばね3004により押圧板3003
に生ぜしめられる最大力に相応していることである。こ
の場合この軸方向の方が大きいことも可能である。した
がって摩擦クラッチ3001が完全に閉じられた場合に
はばねセグメント3016がばねリザーブを有し、所定
の距離に亙ってまだ弾性的に変形可能である。摩擦クラ
ッチ3001を遮断する場合にはばねセグメント301
6は距離3053に亙って弛緩する。この、押圧板30
03の軸方向の移動に相応する距離3053に亙ってク
ラッチ3001の遮断過程が助けられる。したがってラ
イニングばね装置3016がない場合に組込み点305
1に相当する遮断力よりもわずかな最大遮断力が与えら
れなければならなくなる。点3054を越えると摩擦ラ
イニング3007は解放される。この場合、皿ばね30
04の漸進的な特性線範囲に基づき、まだ与えられる遮
断力は点3051に相当するであろう遮断力よりも著し
く減少される。クラッチ3001の遮断力は最低もしく
は特性線3050の谷点3055が達成されるまで低下
する。最低3055を越えた場合には必要な遮断力は再
び上昇する。この場合、舌状部先端3010の範囲にお
ける遮断距離は、最低3055を越えた場合でも、遮断
力が皿ばね3009によって生ぜしめられた支持力より
も大きくならないように選択されている。これはさもな
いと摩耗センサ3037が摩耗フィーラリング3020
から不都合に離れることが遮断期の間に行われ、ひいて
は補償手段3017が調節され、その結果として摩擦ク
ラッチが少なくとも完全には遮断されなくなり、極端な
場合にはもはや遮断できなくなり、摩擦クラッチによる
トルクもしくは力流の中断がもはや可能ではなくなるた
めに必要である。
【0497】支持皿ばね3009は図77の線3057
に相当する力−距離経過を有している。この特性線30
57は皿ばね状の構成3009が弛緩された位置から円
錐性において変化させられるときのに生ぜしめられる特
性線に相当する。これはカバー側の旋回支持部と作動皿
ばね側の旋回支持部との間の半径方向の間隔に相応する
半径方向の間隔を有する2つの旋回支持部の間で行われ
る。特性線3057から判るように皿ばね状の構成部分
はばね距離3058を有し、このばね距離に亙って特性
線から生ぜしめられた軸方向力は実地においてコンスタ
ントに保たれる。この場合、この範囲3058に亙って
生ぜしめられた力は、この力が常に、摩擦クラッチ30
01の寿命に亙って皿ばね舌状部先端3010の範囲で
生じる最大の遮断力よりも大きくなるように選択されて
いる。センサばね3009によって与えられる支持力は
皿ばね3004のてこ比に関連する。このてこ比はたい
ていの場合には1:3から1:5までの間の大きさでる
が、しかし多くの使用例ではこれよりも大きいか又は小
さいことができる。選択された皿ばね伝達比は旋回支持
部3005と両方の皿ばね3004と3009の支持直
径との間の半径方向の間隔と、旋回支持部3005と作
動部材、例えば遮断軸受のための舌状部先端3010の
範囲における支持直径との間の半径方向の間隔の比に相
応する。
【0498】摩擦クラッチ3001における皿ばね状の
部材3009の組込み位置は、この部材3009が遮断
距離に亙って弾性的に従動もでき、摩擦面と摩擦ライニ
ングの摩耗に基づき生じる、対応押圧板3006に向か
う押圧板3003の軸方向の後調節距離に少なくとも相
応する、軸方向のばね距離を摩擦ライニング3007に
向かって有するように選ばれている。ばね3009のこ
のばね距離に亙っては、このばね3009によって皿ば
ね3004に与えられた力が摩擦クラッチを遮断するた
めに必要な力よりも大きいことが保証されていると有利
である。この場合には、特性線3057の範囲3058
が少なくとも最大摩耗距離に相当する長さを有してお
り、有利にはこの摩耗距離よりも大きいことが有利であ
る。何故ならばこれによって組込み誤差も少なくとも部
分的に補償されるからである。
【0499】押圧板の離反を行うバイアスのかけられた
板ばね3009が使用されている場合には押圧板300
3は皿ばね3004に向かってこの板ばね3009で圧
着されている。これによってこの板ばね3009を介し
ても遮断過程が助けられる。したがって板ばね3009
によって生ぜしめられた軸方向力には皿ばね3009に
よって生ぜしめられた軸方向力が重畳される。したがっ
て板ばね部材3009はカバー3002と押圧板300
3との間に、摩擦ライニングの摩耗の増大に伴って、板
ばね3009によって作動皿ばね3004に生ぜしめら
れた軸方向力が大きくなるように組込むことができる。
例えば図77の距離3058に亙って、ひいては後調節
装置3017の摩耗補償距離に亙って、板ばね3015
によって生ぜしめられた軸方向の力は線3057bに示
された経過を有している。この場合には板ばね3015
は摩擦ライニングの摩耗が増加するにつれて大きくなる
戻し力を作動皿ばね3004に生ぜしめられる。線30
57に応じた経過が望まれる場合には皿ばね3009は
この皿ばねが、線3057cに示された特性線経過を有
するように構成されなければならない。
【0500】さらに作動皿ばね3004を転動支持部3
005に圧着する蓄力器、例えば皿ばね状の構成部分3
009は図77に示されたものとは異なる力−距離経過
を有していることができる。例えばこのばねにより少な
くとも範囲3058において生ぜしめられた力−距離経
過は上昇又は下降することもできる。重要であることは
いずれの場合にもこのばね3009及び場合によっては
他のばね部材、例えば板ばね3015によって与えられ
た作動皿ばね3004のための支持力がこの力に抗して
作用する摩擦クラッチの遮断力よりも大きいことであ
る。
【0501】図78においては少なくとも2つの構成部
分3720a,3720bから成り、その間に軸方向で
少なくとも1つのばね部材3738が配置されている摩
耗フィーラリング3720が配置されている。この摩耗
フィーラリング3720は例えば図59の摩耗フィーラ
リング3720の代りに用いることができる。しかしな
がらこの場合には隣接する構成部分は適当に適合させら
れなければならない。摩耗フィーラリング3720を形
成する構成部分3720a,3720bはリング状に構
成され、リベット3739の形をした保持部材を介して
互いに相対的に間隔をおいて固定しておくことができ
る。リベット3739の周囲に置かれた皿ばねの形をし
たばね部材3738は両方のリング3720a,372
0bを軸方向で互いに離反させる。しかしながらすでに
述べたようにこの両方のリング3720a,3720b
はリベット3739を介して所定の軸方向の間隔Lに保
つことができる。リング3720aは乗上げランプ37
23を有し、この乗上げランプ3723は図59から6
6aと関連して記述したように例えばカバーの対応乗上
げ面と協働することができる。ばね部材3738は両方
の構成部分3720a,3720bと協働して、図59
の構成部分3037が構成部分3020と協働するのと
似た形式で、摩耗センサの働きをする。皿ばね3704
は少なくとも当該クラッチが遮断される場合に例えばリ
ング状に構成された構成部分3720bを負荷する。こ
れによって遮断過程に際してばね部材3738が緊縮さ
れる。この結果、摩耗フィーラリング3720の不都合
な後調節が回避される。構成部分3720bの所定の軸
方向距離、例えば値Lを有する軸方向距離のあとで構成
部分3720bは構成部分3720aに対して軸方向に
固定される。したがって図59から66aまでと関連し
て記述したのと似た形式で皿ばね3704は構成部分3
720bに軸方向に支えられ、これによって摩耗フィー
ラリング3720と協働する摩耗補償リング(例えば図
59の3018)に皿ばね3710によりかけられてい
る負荷は皿ばね3710がさらに旋回した場合に除かれ
る。したがって摩耗クラッチの摩耗ライニングに摩耗が
先行している場合には摩耗補償リングは先行する摩耗フ
ィーラリング3720の回動に相応して後調節される。
【0502】図79と80に示された摩擦クラッチ38
01の実施例においては後調節手段3817は図77の
実施例の場合のように軸方向で皿ばね3804と押圧板
3803との間に配置されている。しかしながらこの場
合には摩耗センサとして役立つ弾性的な構成部分383
7は皿ばね3804の、カバー3802に向いた側に固
定されている。リング3818,3820の乗上げラン
プ3819,3823と協働しかつ押圧板側に設けられ
た対応乗上げランプ3821,3822は押圧板380
3により保持された薄板成形部分3803aによって構
成されている。薄板成形部分3803aは個々に周方向
に隣接する対応乗上げランプ3821及び(又は)38
22の間に導通部3803bを有している。この導通部
3803bは押圧板3803と薄板成形部分3803a
との間の空気循環を可能にする。押圧板3803は同様
に凹部3803cの形をした成形部を有し、この成形部
は薄板成形部3803aと押圧板3803との間の空気
循環を可能にし、ひいては押圧板3803の良好な冷却
を保証する。
【0503】本発明の摩擦クラッチの簡単な組立を可能
にするためには摩耗フィーラリング及び(又は)摩耗補
償リングが、摩耗後調節装置を後退した位置、すなわち
摩擦クラッチの新しい状態に相当する状態にもたらすこ
とのできる回動もしくは迎止部材のための係合範囲を有
していることが有利である。図59の実施例では摩擦ク
ラッチ3001の製造もしくは組立に際して摩耗フィー
ラリングが工具で後退した位置へ回動させられる。何故
ならば摩耗フィーラリング3020の回動によって摩耗
補償リング3018も自動的に回し戻されるからであ
る。この後退させられた位置では少なくとも摩耗フィー
ラリング3020が確保部材で固定される。この確保部
材は摩擦クラッチ3001を対応押圧板3006に取り
付けたあとで除かれ、これによって後調節装置3017
が活性化される。似たような形式で他の図面の摩擦クラ
ッチの場合にも摩耗補償リング及び(又は)摩耗フィー
ラリングは確保されていなければならない。
【0504】摩耗補償リングを摩擦クラッチの新しい状
態に相応する出発位置に保つための別の可能性は、押圧
板とケーシングとの間もしくは作動皿ばねとケーシング
との間に少なくとも1つの迎止部材が設けられ、この迎
止部材が押圧板及び(又は)圧着皿ばねを後退させられ
た位置もしくはケーシングに対して緊定された位置に保
持することである。前記位置は前記構成部材が摩擦クラ
ッチを対応押圧板に取付けたあとで有している構成部材
の位置に相応する。このためには例えばケーシングと押
圧板との間又はケーシングと圧着皿ばねとの間に距離制
限部材、例えばクランプ又はシムを設け、圧着皿ばねの
許容されない弛緩を阻止することができる。
【0505】図81に示されている摩擦クラッチ400
1はケーシング4002及び、このケーシング4002
に回動不能に結合された、しかし軸方向にある限度内で
変位可能であるプレッシャプレート4003を有してい
る。軸方向でプレッシャプレート4003とケーシング
4002との間には、クラッチの連結遮断操作用の操作
皿ばね4004がプレロードを有する状態で配置されて
おり、該操作皿ばねはケーシング4002によって支持
されているリング状の旋回支承部4005を中心にして
旋回可能でありかつプレッシャプレート4003を、ね
じを介してケーシング4002に不動に結合された対応
プレッシャプレート、例えばフライホイール4006、
に向って押圧し、これにより、クラッチディスク400
8の摩擦ライニング4007はプレッシャプレートと4
003と対応プレッシャプレート(フライホイール40
06)との摩擦面間に締込まれている。
【0506】プレッシャプレート4003はケーシング
4002に、周方向若しくは接線方向に向いている板ば
ね4009を介して、回動不能に結合されている。図示
の実施例では、クラッチディスク4008は所謂ライニ
ングばねセグメント4010を有しており、これらは、
両摩擦ライニング4007の互いに接近し合うある限ら
れた軸方向変位により、摩擦ライニング4007に作用
する軸方向の力を漸進的に増大させ、これにより、摩擦
クラッチ4001の連結時に漸進的に増大するトルクの
伝達を保証する。しかしクラッチディスク4007は、
摩擦ライニング4007が軸方向で実際に不動に支持デ
ィスク上に設けられているクラッチディスクであっても
よい。
【0507】図示の実施例では操作皿ばね4004は、
押圧力を作用させるリング状の基部4004aを有し、
この基部からは半径方向内側へ舌状片4004bが延び
ている。操作皿ばね4004はこの場合、半径方向で外
側にある範囲でプレッシャプレート4003を、押圧
し、かつ半径方向でさらに内側にある範囲で旋回支承部
4005を中心にして傾倒、可能である。
【0508】旋回支承部4005は2つの旋回支持部4
011,4012を有し、これらは図示の実施例では線
材リングによって形成されており、これらの線材リング
間に操作皿ばね4004が軸方向で挾持され若しくは締
込まれている。操作皿ばね4004のプレッシャプレー
ト4003側に設けられている旋回支持部4011は、
皿ばねエレメント4013により、軸方向でケーシング
4002に向かってばね力を負荷されている。皿ばね4
013、それも、半径方向外側の縁範囲4013aでケ
ーシング4002に支持されかつ半径方向内側の区分4
013cで旋回支持部4011に、操作皿ばね400
4、ひいてはまたケーシング4002に向って、軸方向
のばね負荷を与えている、プレッシャプレート4003
と操作皿ばね4004との間に設けられている皿ばね4
013は、リング状の基部4013bを有し、この基部
の内周縁からは半径方向内側へ舌状片4013cが発し
ており、これらは旋回支持部4011に支持されてい
る。基部4013bには半径方向外側にアーム4013
aが形成されており、これらは、ケーシング4002か
ら直接形成された支持範囲4014と協働する。支持範
囲4014と皿ばね若しくは皿ばね状の構造部分401
3のアーム4013aとの間にはバヨネット継手があ
り、その結果皿ばね状構造部分4013をはじめ軸方向
で予圧してその半径方向外側範囲若しくはアーム401
3aを軸方向で支持範囲4014を越えて移動させた後
に、構造部分4013をケーシング4002に対して回
動させることにより、構造部分4013のアーム401
3aを支持範囲4014に当接させることができる。
【0509】ケーシング4002には操作皿ばね400
4の回動を防止するため、リベットエレメント4015
の形の、軸方向に延びているセンタリング手段が取付け
られており、これらはそれぞれ軸方向に延びている軸部
4015aを有し、該軸部は、隣接する操作皿ばね舌状
片4004b間の間隙を軸方向に通って延びている。
【0510】皿ばね状の構造部分若しくは皿ばね401
3はセンサばねとして形成されており、該センサばねは
所定の作動距離に亘って、少なくともほぼ一定の力を生
じさせることができる。板ばね4009がケーシング4
002とプレッシャプレート4003との間において軸
方向力を双方に作用させている限り、この力は、センサ
ばね4013から作用せしめられる軸方向力と重畳され
る。枝ばね4009が摩擦クラッチ4001内に、該板
ばね4009がプレッシャプレート4003を軸方向で
ケーシング4002若しくは操作皿ばね4004に向っ
て付勢するように、配置されている場合、板ばねエレメ
ント4009から及びセンサばね40013から作用せ
しめられた軸方向力は加算され、この場合該軸方向力は
皿ばね4004に作用する所謂合成センサ力を形成す
る。センサばね4013を設計する場合は従って常に、
互いに重畳される力を考慮しなければならない。板ばね
エレメント4009から作用せしめられる軸方向力はや
はり、皿ばね4004からプレッシャプレート4003
へ作用せしめられる力に重畳され、その結果、板ばねエ
レメント4009がプレッシャプレート4003をクラ
ッチディスク4008から引離す方向に予圧されている
場合、プレッシャプレート4003から摩擦ライニング
4007へ作用せしめられる軸方向の締付け力は、板ば
ねエレメントから作用せしめられる力の分だけ、皿ばね
4004からプレッシャプレート4003へ作用せしめ
られる軸方向力よりも小さい。板ばねエレメント400
9及びセンサばね4013から作用せしめられる合成の
センサ力は、舌状片先端部4004cに作用するクラッ
チレリーズ力を受け止め、この場合少なくとも摩擦ライ
ニング4007が解放されるさいに、レリーズ力によっ
て旋回支持部4011に作用せしめられる力とこの旋回
支持部4011に作用せしめられる合成されたセンサ力
との間に、少なくともほぼ平衝状態が生じる。レリーズ
力とは、摩擦クラッチ4001の操作中ダイヤフラムス
プリングクラッチの舌状片先端部4004c若しくはレ
リーズレバーに作用せしめられる力を意味する。このレ
リーズ力は、舌状片先端部4004cの範囲におけるレ
リーズ行程距離に亘って、変化する。
【0511】ケーシング側の旋回支持部4012は後調
節手段4016を介してケーシング4002に支持され
ている。この後調節手段4016は次のことを保証す
る。即ち旋回支持部4011,4012がプレッシャプ
レート4013若しくは対応プレッシャプレート400
6に向って軸方向に変位した場合に、旋回支持部401
2とケーシング4002との間若しくは旋回支持部40
12と皿ばねとの間に、望ましくない遊びが生じえない
ようにする。これにより、摩擦クラッチ4001操作時
における、望ましくないデッド−若しくはアイドル行程
距離の発生が防止され、これにより、摩擦クラッチの良
好な効率、ひいては申し分のない操作がえられる。旋回
支持部4011,4012の軸方向変位は、プレッシャ
プレート4003、対応プレッシャプレート4006及
び摩擦ライニング4007における軸方向摩耗時に行わ
れる。旋回支承部4005の自動後調節の作用形式は後
に図84〜図86の線図について詳細に説明する。
【0512】後調節手段4016は、リング状の構造部
分4017の形の、ばね負荷された後調節エレメントを
含み、該構造部分4017は周方向に延びていてかつ軸
方向に上昇している乗上げ斜面4018を有し、これら
は構造部分4017の外周に亘って分配されている。後
調節エレメント4017はクラッチ4001内に、乗上
げ斜面4018がケーシング底部4002a側へ向くよ
うに、組付けられている。後調節エレメント4017
の、乗上げ斜面4018側とは反対側には、線材リング
によって形成された旋回支持部4012が溝形の受容部
内に同心的に配置されている。
【0513】図示の実施例では後調節エレメント401
7はプラスチック、例えば耐熱性の熱可塑性プラスチッ
ク、から製作されており、これはさらに繊維で補強する
ことができる。これにより後調節エレメント4017は
射出成形部品として簡単に製作することができる。後調
節エレメント4017は、外周に亘って等間隔に分配さ
れたリベット4015の軸方向に延びている範囲401
5aによりセンタリングされる。
【0514】後調節エレメント4017はその乗上げ斜
面4018を介して、ケーシング底部4002aに圧刻
された対応乗上げ斜面4019に支持されている。対応
乗上げ斜面4019を形成しているケーシングプレス成
形部は、これらがクラッチ4001の回転方向でそれぞ
れ1つの通気孔4020aを形成するように、形成され
ている。このような構成により、クラッチ4001の回
転のさい、クラッチ4001を形成する構造部分、特に
プラスチックから成る後調節エレメント(リング)40
17の良好な冷却がえられる。ケーシングのプレス加工
部は、これらがケーシング4002によって制限された
クラッチ構造スペース内において強制的な空気循環を生
ぜしめるように、形成されている。
【0515】斜面4018,4019は周方向でそれら
の長さ及び傾斜角度に関して次のように形成されてい
る。即ちこれらの斜面がケーシング4002に対する後
調節エレメント(リング)4017の、少なくともある
回動角度、即ち摩擦クラッチ4001の全寿命に亘るプ
レッシャプレート4003及び対応プレッシャプレート
4006並びに摩擦ライニング4007における摩耗の
後調節を保証するだけの回動角度、に亘る回動を可能に
するように形成されている。この後調節角度は乗上げ斜
面の構成に応して、8〜60度、有利には10〜30度
であることができる。斜面4018,4019の傾斜角
度は3〜12度の範囲にあることができる。この角度
は、乗上げ斜面4018及び対応乗上げ斜面4019が
互いに押合わされるさいに生じる摩擦がこれらの斜面4
018,4019間のスリップを防ぐように、選択され
ている。
【0516】後調節エレメント(リング)4017は周
方向にばね負荷されており、それを後調節回転方向に、
要するに斜面4018が対応斜面4019に乗上げるこ
とによって後調節リング4017がプレッシャプレート
4003に向って軸方向に変位する方向、換言すれば半
径方向のケーシング区分4002aから軸方向で離れる
方向に、ばね負荷されている。
【0517】図82から判るように、後調節リング40
17のばね負荷は、クラッチケーシング4002の周方
向に延びていて後調節リング4017とケーシング40
02との間に緊縮されている個々のコイルばね4020
によって保証されている。有利には、外周に亘って等間
隔に分配されている3つのこのようなコイルばね402
0が設けられている。個々のコイルばね4020はクラ
ッチカバー4002と一体に形成されている耳状片40
21上に支持され若しくはその囲りにコイル状に巻かれ
ている。耳状片4021はクラッチカバー4002の薄
鈑材料にU字状打抜部4022を形成することによって
形成されている。耳状片4021は周方向にみて円弧状
又は接線方向に延びており、かつ有利には、隣接するク
ラッチカバーと少なくともほぼ同じ軸方向高さにある。
耳状片4021の幅は、これに支持されているコイルば
ね4020が半径方向にもまた、軸方向にもガイドされ
ているように、設計されている。ばね4020によって
後調節方向にばね負荷されている後調節リング4017
はその内周に半径方向内側へ向いた成形部若しくはアー
ム4023を有し、これは半径方向内側に、軸方向に向
いたホーク若しくはU字状成形部4024を有してい
る。U字状成形部4024はそれぞれ2つの、軸方向に
向いている先端4025を形成し、これらはばね案内耳
状片4021を両側が囲んでいる。このために両先端4
025は軸方向でカバー4002の切欠き4022を通
って延びている。先端4025は後調節ばね4020に
よってばね負荷されている。
【0518】摩擦クラッチ4001が新しい状態では、
乗上げ斜面4018及び対応乗上げ斜面4019を形成
する軸方向の突出部はもっとも離れた位置で軸方向で係
合しており、即ちリング4017、ひいてはまた旋回支
承部4005はクラッチカバー底部4002aへ向って
もっとも離れた位置にある。
【0519】摩擦クラッチ4001は付加的なばねエレ
メント4026を有し、これは皿ばね状構造部分によっ
て形成されている。この構造部分4026はリング状の
基部4027を有し、ここから半径方向内側に舌状片4
028の形のアームが延びている。皿ばね状の構造部分
4026は軸方向でカバー底部4002aと押圧皿ばね
若しくは操作皿ばね4004との間に設けられかつ操作
皿ばねに対して所定の位置に保持されている。この目的
で舌状片4028はリング状の基部4027に対して軸
方向で曲げられていて、操作皿ばね4004の舌状片4
004b間の周方向の間隙4029を軸方向で通り、か
つ線材により形成された旋回支持部4011を、半径方
向内側へ曲げ込まれた範囲4030をもって抱持する。
皿ばね状の構造部分4026の、皿ばね4004に対す
る軸方向の位置決めは、板ばね状のばねエレメント40
31を介して行われ、このばねエレメント4031は皿
ばね4004に軸方向で不動に結合されておりかつ舌状
片4028の範囲4030に軸方向にばね力を負荷して
おり、これにより、皿ばね状の構造部分4026、皿ば
ね4004並びに、軸方向で皿ばね4004と舌状片4
028の端部範囲4030との間に設けられているリン
グ状の転動支持部が、軸方向で押圧される。舌状片40
28はセンサばね4013の舌状片4013cに対して
周方向にずらして配置されている。
【0520】図83から判るように、皿ばね状の構造部
分4026、皿ばね4004及びリング状の旋回支持部
4011は板ばね状のばねエレメント4031によっ
て、あらかじめ組立てたユニットにまとめられており、
該ユニットはそのままの形で摩擦クラッチ4001の組
立のさいにクラッチケーシング若しくはクラッチカバー
4002内へ導入することができる。図83では、皿ば
ね状の構造部分4026に対して弛緩状態での皿ばね4
004の位置が示されている。
【0521】図81から判るように、摩擦クラッチ40
01が対応プレッシャプレート4006に組付けられた
状態においても、皿ばね4004(摩擦クラッチ400
4の連結状態に相応する位置にある)と、皿ばね状の構
造部分4026(その弛緩位置にある)との間にはある
軸方向距離4032若しくは遊びが存在する。両方のリ
ング状のばね基部4004a,4027の半径方向外側
の範囲間の距離4032は次のように設定されなければ
ならない。即ち、摩擦クラッチ4001のレリーズ過程
において旋回支承部4005を中心にして旋回した皿ば
ね4004が、クラッチディスク4008の解放に少な
くともほぼ相応するある旋回角度に亘る旋回後にはじめ
て、若しくはあるレリーズ距離後にはじめて、皿ばね状
の構造部分4026に負荷を与えるように、設定されな
ければならない。上記のクラッチディスク4008若し
くは摩擦ライニング4007の「解放」とは、摩擦ライ
ニング4007が実際にもはやプレッシャプレート40
03と対応プレッシャプレート4006との間に締込ま
れていない摩擦クラッチ4001の操作状態、要する
に、対応プレッシャプレート4006からクラッチディ
スク4008へトルクが実際に伝達されえない摩擦クラ
ッチ4001の状態、を意味する。摩擦クラッチ400
1のこのような操作状態においては、ライニングばねセ
グメント4010は弛緩されている。距離は、有利に
は、皿ばね4004が皿ばね状の構造部分4026に摩
擦ライニング4007の解放後すぐに当接するように、
設定することができる。皿ばね状の構造部分4026は
補償ばねとして役立ち、この補償ばねはクラッチディス
ク4008の解放後摩擦クラッチ4001のレリーズ力
経過を所期の距離−力−特性に適合させる。補償ばね4
026の適宜の構成により、摩擦ライニング4007の
解放後に残されているレリーズ距離に亘ってレリーズ力
の経過を「線型にする」ことができ、このことは、この
残されているレリーズ距離に亘って、作用せしめられる
レリーズ力が実際に一定に保持されること又は、少なく
ともこの距離に亘ってレリーズ力の変化が著しく少ない
ことを意味する。
【0522】次に、以上に述べた摩擦クラッチ4001
の作用形式を図84〜図86の線図について詳細に説明
する。
【0523】図84における特性曲線4033は、皿ば
ね4004の円錐形状の変化に関連して、かつ板ばねエ
レメント4009からの力の作用下において生じる、軸
方向の合力の経過、それも特に、2つの支持部(これら
の2つの支持部間の半径方向距離は、旋回支承部400
5とプレッシャプレート4003の部位4003aとの
間の半径方向距離に等しい)間における皿ばね4004
の変形時における、前記軸方向の合力の経過、を示す。
横軸は前記両支持部間の相対的な軸方向距離を示してお
り、縦軸は皿ばね4004及び板ばねエレメント400
9から生ぜしめられる合力を示している。点4034は
クラッチ4001が閉じている(連結されている)とき
における皿ばね4004の組付位置状態を表わしてお
り、要するに、皿ばね4004が相応する組付位置のた
めに最大の軸方向力をプレッシャプレート4003に作
用させる位置状態を表わしている。この点4034は、
皿ばね4004の円錐形の組付位置状態の変化により特
性曲線4033に沿って上方又は下方へ変位することが
できる。
【0524】特性曲線4035は、ライニングばねセグ
メント4010から作用せしめられる、両摩擦ライニン
グ4007間において作用する軸方向の拡張力を示す。
この特性曲線にはさらに、ライニングばね作用と同様に
作用する全てのばね、作用、例えばクラッチカバーの弾
性、旋回支承部の弾性又は場合により設けられる皿ばね
とプレッシャプレート支持部との間の弾性エレメント又
はその他の類似エレメントの弾性、が含まれている。こ
のような軸方向拡張力は、皿ばね4004からプレッシ
ャプレート4003へ作用する軸方向力に対して逆向き
に作用する。ばねエレメント4010の可能な最大弾性
変形のために必要な軸方向力が、少なくとも、クラッチ
4001の連結状態時に皿ばね4004からプレッシャ
プレート4003へ作用せしめられる力に等しいことが
望ましい。クラッチ4001が遮断されるさい、ばねエ
レメント4010は距離4036に亘って、弛緩する。
プレッシャプレート4003の相応する軸方向変位量に
も等しいこの距離4036に亘り、クラッチ4001の
遮断過程(レリーズ過程)は助成される。要するに、ク
ラッチ遮断時に、ライニングばねセグメント4010が
ない場合における組付点4034に相応する最大軸方向
力より小さい最大軸方向力を必要とするにずぎない。点
4037を過ぎると摩擦ライニング4007は解放さ
れ、この場合、皿ばね4004の逓減的な特性曲線範囲
に基いて、このときなお作用せしめられるべきレリーズ
力は、点4034に相応するレリーズ力に対して著しく
減少している。クラッチ4001のためのレリーズ力
は、補償ばね4026なしでも、横軸上の点4038に
達するまで減少する。レリーズ方向で点4038を過ぎ
ると、皿ばね4004から生ぜしめられる軸方向力の方
向は逆転し、その結果皿ばね4004は点4038を過
ぎると自動的にレリーズ方向に切換えられ、正弦波特性
曲線4033の最小値若しくは谷点4038aに自動的
に向かう。レリーズ方向で点4038を過ぎると、皿ば
ね4004から作用せしめられる力は負になり、その結
果、補償ばね4026なしで、摩擦クラッチ4001は
自動的に開いた(遮断された)状態に保持されることに
なる。摩擦クラッチ4001のレリーズ過程中最小値点
4038aを過ぎると、皿ばね4004から作用せしめ
られる負の力は、横軸上の点4039のところまで、減
少する。レリーズ方向で点4039を過ぎると、皿ばね
4004によって生ぜしめられる力は再び正になり、こ
の場合点4039aに達すると、皿ばね4004を押圧
するために必要な力は点4037ところでの力と一致す
る。
【0525】線図84にはさらに皿ばね4004のフラ
ット位置4033aがプロットされている。皿ばね40
04のフラット位置とは、ばね作用をもつリング状の基
部4004aが皿ばね4004の回転軸線に直交する平
面に対して平行になっている、変形した皿ばね4004
の位置を意味する。
【0526】点4037,4038,4038a,40
39,4039aを通る特性曲線区分から判るように、
付加的のばね4026なしで、プレッシャプレート40
03の軸方向の分離によって摩擦ライニング4007が
解放された後、レリーズ力の経過において著しい力の変
化が認められる。この力の変化は欠点である。それとい
うのは、この範囲におけるクラッチの連結−及びレリー
ズ距離の正確な調量が、最小値点4038(ここでは
負)の両サイドの力の変化が異なることに基づいて、困
難であるからである。このことは、足操作のクラッチの
場合も、サーボモータ操作の自動摩擦クラッチの場合も
同じである。この欠点を避けるため若しくは所期のレリ
ーズ力経過をプレッシャプレート4003の必要なリレ
ーズ分離距離4040に亘ってうるために、皿ば状の構
造部分4026が設けられており、該構造部分は図示の
実施例では、プレッシャプレート4003の突出部40
03a及び旋回支持部4011,4012における皿ば
ね4004の両支点距離に関連して、破線4041で示
す力−距離−特性を有している。
【0527】図84から判るように、皿ばね4004と
皿ばね状の構造部分4026とは、少なくともレリーズ
距離4040の区間内においては、逆向きの力−距離特
性を有している。図示の実施例では、皿ばね状の構造部
分4026はレリーズ距離4040の専ら一部分の範囲
4042に亘って作用するに過ぎない。「レリーズ距
離」とは、摩擦クラッチ操作時に摩擦ライニング400
7の解放後にプレッシャプレート4003がなお軸方向
に進むことができる距離を意味する。図4004から判
るように、摩擦クラッチ4001のレリーズ過程におい
て、皿ばね状の構造部分4026は、摩擦ライニング4
007が解放される点4037に達した後にはじめて作
用する。ばね特性曲線4033と4041とを重ねる若
しくは加えることによって生じた力の経過は曲線404
3で示されている。この経過曲線4043は点4044
で始まる。
【0528】皿ばね状の構造部分4026の作動点40
44は、皿ばね4004の外周縁と皿ばね状の構造部分
4026の半径方向外側の範囲との間の軸方向距離によ
って規定される。分離距離4040は、摩擦クラッチ4
001の全レリーズ距離に達したときにも分離距離40
40の終点4045に相応するレリーズ力が点4037
に相応するレリーズ力よりも小さくなるように、設定さ
れている。このことは、後に説明されるように、後調節
手段4016における非意図的な後調節を避けるため
に、必要である。
【0529】例えばレリーズ軸受のための、舌状片先端
4004c若しくは当接直径部位に必要な、クラッチ4
001のためのレリーズ距離は、図84から読取られる
プレッシャプレート4003の可能な軸方向移動距離4
046よりも、皿ばね4004のてこ腕による伝動比分
だけ相応して大きくなる。この皿ばねのてこ腕の伝動比
は旋回支承部4005と皿ばね4004及びプレッシャ
プレート4003間の支持直径部位4003aとの間の
半径方向距離に対する、旋回支承部4005と操作−若
しくは当接直径部位4004dとの間の半径方向距離と
の比に相応する。この伝動比は大くの場合3:1から
5:1であるが、また若干の場合には、さらに大又は小
であることができる。図81の実施例ではこの伝動比の
値は4.2である。
【0530】舌状片先端4004cの範囲における操作
直径部位4004dに関して、分離距離4040に亘る
レリーズ力の経過は、やはり前記の伝動比に相応して、
図84に示されているものに対して減少している。
【0531】図84にはさらに、摩擦クラッチ4001
をレリーズするためばねエレメント4010の弛緩距離
4036に亘ってプレッシャプレート4003と皿ばね
4004との接触直径部位4003aの範囲に作用され
てるべき力の経過曲線4047が示されている。経過曲
線4047は、点4034と点4037との間の力の経
過曲線とばねセグメント4010の力の経過曲線403
5との差に相応する。皿ばね舌状片4046の操作直径
部位4004dの範囲における力の経過は、図84の力
の経過曲線4047に対して、皿ばね4004のてこ腕
比に相応して減少しており、この場合しかし操作直径部
位4004dの範囲に必要な軸方向距離は、ばねセグメ
ント4010の弛緩距離4036に対して、この伝動比
分だけ相応して大きい。図81〜図84に相応する摩擦
クラッチ4001の構成においては、レリーズ距離の一
部分に亘ってはたんに操作皿ばね4004若しくは主皿
ばねだけが旋回せしめられ、それも該皿ばね4004の
外縁が付加的のばね若しくは補償ばね4026に当接す
るまで、旋回せしめられる。次いで操作皿ばね4004
が補償ばね4026と一緒に旋回せしめられ、この場合
この両方のばねの力−距離−特性が互いに重なり合い、
合成された力の経過曲線4043が生じ、これは分離距
離4040の少なくとも一部の範囲に亘って延びる。図
84から判るように、皿ばね4004の力の最小値の点
4038aは極めて低く設定することができかつ負の値
をとることができ、その結果力の最小値の点4038a
は横軸の下側にくる。後者である場合皿ばね4004
は、外力の作用なしにとどまっていることができる予圧
された位置状態を有する所謂スナップスプリングを形成
する。補償ばね4026は、少なくとも、操作皿ばね4
004の力最小値の点4038に隣接した範囲内におい
て作用する。
【0532】補償ばね4020により、分離距離404
0において、摩擦クラッチ4001のレリーズのために
必要な力の経過がえられ、その結果、レリーズ力経過に
おいて生じる変化は、皿ばね4004の力−距離特性曲
線4033の分離距離4040に亘って延びる特性曲線
範囲において生じるであろう変化よりも、著しく減少し
ている。
【0533】力センサとして働くばね4013は、図8
5の特性曲線4048に相応する距離−力特性を有す
る。特性曲線4048は、皿ばね状の構造部分4013
が、それも旋回支持部若しくは支持部4011,401
4間の半径方向距離に相応する半径方向距離を有する2
つの旋回支持部間において、弛緩した位置状態からその
円錐形状を変化せしめたときに生じる特性曲線に相応す
る。
【0534】摩擦クラッチ4001がレリーズされクラ
ッチディスク4008が解放された後に、操作皿ばね4
004に対してクラッチカバー側の転動支持部4012
に向って負荷される全ての力は、主に板ばねエレメント
4009、センサばね4013及びレリーズ力によって
操作皿ばね4004の操作範囲4004dに作用せしめ
られる力の和によって、生じる。板ばね4009はクラ
ッチカバー4002とプレッシャプレート4003との
間に設けられており、この場合、摩擦ライニング400
7の摩耗の増加に伴って、クラッチ4001の閉鎖行程
距離404bに亘って、板ばね4009から操作皿ばね
4004は作用せしめられる軸方向力が増加する。従っ
て、図85の距離4049に亘って、ひいてはまた後調
節手段4016の摩耗補償距離に亘って、板ばねエレメ
ント4009から作用せしめられる軸方向力は、特性曲
線4050に示す上昇する特性を有する。図85から判
るように、センサばね4013の撓み量の増加に伴っ
て、板ばねエレメント4009からプレッシャプレート
4003へ作用せしめられる戻し力(この力は操作皿ば
ね4004にも作用する)は増大する。特性曲線405
0及び皿ばね特性曲線4048による力の経過を加える
ことにより、この合成力の経過曲線4051が生じ、こ
の力は、皿ばね4004をクラッチカバー側の旋回支持
部4012に押圧する方向で、軸方向で皿ばね4004
に作用する。従って板ばね4009を相応して予圧する
ことにより、センサばね4013から少なくとも距離4
049に亘って作用されるべき支持力を減少させること
ができる。図示の実施例においては、センサばね401
3は距離4049に亘って減少する若しくは負の距離−
力−特性を有する。板ばねエレメント4009を相応し
て構成して配置することにより、同様に、ライニングば
ね力の減少及び又はライニングばねセグメントの埋込み
によってライニング中に惹起されるレリーズ力の増大
は、センサ力4051が、対プレッシャプレート400
6に向って皿ばね4004が変位するさいに僅かに上昇
することにより、少なくとも部分的に補償される。これ
により、皿ばね4004は、クラッチ連結時に、ほぼ同
じ作動点4034若しくは同じ作動範囲4046を維持
し、その結果皿ばね4004は、摩擦クラッチの寿命期
間中、実質的に少なくともほぼ一定不変の押圧力をプレ
ッシャプレート4003に作用させる。さらに、摩擦ク
ラッチ、特にセンサばね4013の設計においては、後
調節エレメント4017に作用する後調節ばね4020
によって生ぜしめられる、センサばね4013及び又は
板ばね4009に対して逆向きに作用する合成軸方向力
が考慮されなければならない。
【0535】予圧された板ばね4009を有する摩擦ク
ラッチ4001の設計においてはさらに、この予圧され
た板ばね4009の、プレッシャプレート4003から
摩擦ライニング4007へ作用せしめられる軸方向力に
対する影響が考慮されなければならない。このことは要
するに、操作皿ばね4004に向って板ばね4009が
予圧されている場合、皿ばね4004から作用せしめら
れる押圧力が板ばね4009のこの予圧分だけ減少する
ことを意味する。従ってこのような形式の摩擦クラッチ
においては、プレッシャプレート4003若しくは摩擦
ライニング4007に対して合成された押圧力が形成さ
れ、該押圧力は皿ばね4004の押圧力と板ばね400
9の予圧との重畳によって生じる。摩擦クラッチ400
1の作動範囲4046に亘って、図84の特性曲線40
33が、摩擦クラッチ4001が新しい場合における操
作皿ばね4004及び予圧された板ばね4009の合成
された力特性を表わすものとすれば、プレッシャプレー
ト4003と対応プレッシャプレート4006との間の
距離の、例えばライニングの摩耗による減少と共に、合
成力の特性曲線の、減少方向での変位が、それも摩耗の
増大に伴って板ばね4009によって皿ばね4004に
作用せしめられる反対方向のモーメントに基づいて、生
じる。この反対方向のモーメントは、旋回支承部400
5と部位4003aとの間の半径方向距離に基づいて存
在する。摩擦クラッチ4001の設計においては特に次
のようにすることが重要である。即ち、ライニングの摩
耗による板ばね4009のばね力の増加が、同じライニ
ング摩耗による操作範囲4004dにおける、後調節の
ために必要なセンサばね4013の旋回を生ぜしめる、
レリーズ力の増加よりも、有利には小さいこと、最大で
も等しことが特に重要である。そうでないと、摩擦クラ
ッチが連結された状態における、摩擦ライニング400
7に対するプレッシャプレート4003の押圧力並びに
摩擦ライニング解放時に皿ばねから旋回支持部4011
へ作用せしめられる力が減少することによる。これによ
り後調節が全く行われえなくなる。それというのは点4
034及び点4037が最小値の方向へ変位されること
になるからである。
【0536】板ばね4009及び又はばね4013の図
85に示する合成力の特性曲線4051は、発生する軸
方向力がほぼ一定不変にとどまっている若しくは有利に
は幾分上昇するばね行程距離範囲4049を有してい
る。
【0537】この範囲4049において生じる力はこの
場合、該力が図84の点4037に相応するクラッチレ
リーズ力に少なくともほぼ等しくなるように、設定され
ている。センサばね4013及び板ばね4009から生
じる合成支持力は、皿ばね4004の点4037に相応
する力に対して、この皿ばね4004のてこ腕の伝動比
に相応して減少している。
【0538】摩擦クラッチ4001内における皿ばね状
のエレメント4013の組付位置は以下のように選択さ
れている。即ち該エレメントが旋回支承部4005の範
囲において摩擦ライニング4007の方向である軸方向
ばね行程距離を通過することができように選択されてお
り、この場合上記のある軸方向ばね行程距離は殊に摩擦
面及び摩擦ライニングの摩耗に基づいて生じるところ
の、対応プレッシャプレート4006に向かう方向での
プレッシャプレート4003の軸方向後調節距離に少な
くとも等しい。特性曲線4051の少なくともほぼ線型
の範囲4049は有利には、上記の摩耗距離よりも大き
な長さを有することができる。それというのは、これに
より、組付公差も少なくとも部分的に補償されるからで
ある。
【0539】摩擦クラッチ1がレリーズされるさいにお
ける摩擦ライニング4007の実際上同一にとどまる所
定の解放点4037がえられるようにするために、対を
なす個々のばねエレメントが背中合わせに設けられてい
て、この場合個々のセグメント対がまた互いにある程度
の軸方向予圧を有していることができる所謂複式セグメ
ント−ライニングばね装置を摩擦ライニング4007間
に使用することができる。ライニング間に設けられてい
るばねエレメントの予圧により、運転持続中に発生す
る、ライニング背面へのセグメントの埋込み損失は少な
くともほぼ補償される。この場合埋込み損失とは、ライ
ニングの背面にセグメントが入り込むことによって生じ
る損失を意味する。有利には、ライニング間に設けられ
るばねエレメントのプレロードは0.2mm〜0.6m
mである。両摩擦ライニング4007間の軸方向の弛緩
行程距離を適宜に制限することによって、及び、両摩擦
ライニング間において作用するばね装置の所定の、少な
くとも僅かな予圧によって、摩擦クラッチ4001の少
なくともレリーズ時に、プレッシャプレート4003は
図84における所定の距離4036に亘って、ライニン
グ間に設けられているばね装置により押戻される。この
所定の距離4036をうるために、摩擦ライニング間に
軸方向距離は、相応するストッパによりライニングばね
装置4010の弛緩方向並びに緊縮方向において制限さ
れる。ライニングばね装置としては、有利には、例えば
ドイツ国特許出願第42 06 880.0号明細書に
より公知になっているライニングばね装置を用いること
ができる。
【0540】摩擦クラッチ4001の若しくはライニン
グ摩耗の自動的補償を保証する後調節装置の申し分のな
い機能を確保するためには、図86のレリーズ力特性曲
線4052に相応して、はじめライニングばね装置40
10、センサばね4013及び板ばね4009によって
皿ばね4004へ作用せしめられる合力並びに、摩擦ラ
イニング4007からのプレッシャプレート4003の
分離後はセンサばね4013及び板ばね4009から皿
ばね4004へ作用せしめられる合力が、皿ばね舌状片
先端4004cの操作範囲4004dに作用する、図8
6に相応してレリーズ行程距離に亘り変化するレリーズ
力よりも少なくとも僅かに大きいか又は少なくとも等し
いなるようにすることが重要である。
【0541】これまでの考察は皿ばね4004の完全に
規定された組付位置に相応するもので、摩擦ライニング
4007における摩耗は考慮されなかった。
【0542】軸方向の摩耗が生じると、特に摩擦ライニ
ングに軸方向摩耗が生じると、プレッシャプレート40
03の位置は対応プレッシャプレート4006に向って
変位し、これにより、円錐形状、ひいてはまた摩擦クラ
ッチ4001の連結状態で皿ばねから作用せしめられる
押圧力が、増大する方向に変化する。この変化により、
点4034が点4034′の方向に変位しかつ点403
7が点4037′の方向に変位する。この変化により、
クラッチ4001のレリーズのさい、操作皿ばね400
4及びセンサばね4013間の旋回支持部4011の範
囲における、はじめに存在していた力の平衡が破壊され
る。プレッシャプレート4003に対する、ライニング
の摩耗によって生じた皿ばね押圧力の増大は、また、レ
リーズ力の特性曲線を増大する方向にずらす。これによ
って生じるレリーズ力特性は図86において一点鎖線4
053で示されている。レリーズ力の増大により、摩擦
クラッチ4001のレリーズ過程中、センサばね401
3及びばね4009から皿ばね4004へ作用せしめら
れる軸方向の合力が克服され、その結果センサばね40
13は旋回支承部4005の範囲において、摩擦ライニ
ング4007の摩耗にほぼ相応する軸方向距離だけ、撓
む。センサばね4013のこの撓み過程中、皿ばね40
04はプレッシャプレート4003の負荷範囲4003
aを中心にして旋回し、その結果皿ばね4004はその
円錐形状を変化させ、ひいては、この皿ばねに蓄えられ
たエネルギ若しくはここに蓄えられた回転モーメント、
ひいてはまた、皿ばね4004によって旋回支持部40
11若しくはセンサばね4013及びプレッシャプレー
ト4003に作用せしめる力を変化させる。この変化
は、図84からも判るように、皿ばね4004から作用
せしめられる力を減少する方向に行われ。この変化は、
皿ばね4004から旋回支持部4011の範囲において
センサばね4013へ作用せしめられる軸方向力が、セ
ンサばね4013及び板ばね4009から生ぜしめられ
る反力と平衡するまで、行われる。このことは、図84
の線図において点4034′及び4037′が再び点4
034及び4037の方向に移動することを意味する。
この平衡が再びつくりだされると、プレッシャプレート
4003は再び摩擦ライニング4007から離れること
ができる。摩擦クラッチ4001のレリーズ過程におけ
る摩耗のこの後調節過程中、後調節装置4016の後調
節エレメント4017はプレロードを負荷されたばね4
020によって回動せしめられ、これにより、旋回支持
部4012もライニングの摩耗量に相応して移動し、従
って皿ばね4004の遊びのない旋回支承部4005が
えられる。後調節後レリーズ力の経過は再び図86の特
性曲線4052に相応して行われる。図86の特性曲線
4054,4055は特性曲線4052,4053に相
応するレリーズ力−距離経過におけるプレッシャプレー
ト4003の軸方向距離を表わす。
【0543】実際においては上記の後調節は連続的に若
しくは極めて小さいステップで行われ、その結果、本発
明の理解のために線図中において示されているような大
きな点のずれ及び特性曲線のずれは通常生じない。
【0544】摩擦クラッチ4001の運転中に若干の運
転パラメータが変化することがある。例えば摩擦クラッ
チ4001の普通行われない不適切な操作によってライ
ニングばね装置4010のオーバーヒートが生じること
があり、この場合にはライニングばね装置4010若し
くはライニングセグメントの軸方向ばね力を減少させる
結果を生じることがある。しかし皿ばね4004の特性
4033及び又は板ばね4009の特性4050を適宜
に選択することにより及び又はセンサばね4013の特
性4048を相応して適合させることにより摩擦クラッ
チの確実な運転機能を確保することができる。
【0545】ケーシング4002とプレッシャプレート
4003との間における回転モーメント伝達手段として
の板ばね4009はまた、摩擦クラッチ4001のレリ
ーズのさいに皿ばね4004の軸方向支持のために必要
な完全な力がえられるように構成することも可能であ
る。回転モーメント伝達手段4009のこのような構成
においては皿ばね状構造部分4013を省略することさ
えも可能である。この場合回転モーメント伝達手段は、
少なくとも摩擦クラッチ4001の耐用寿命に亘って、
摩耗補償手段4016の申し分のない後調節機能を保証
する距離−力特性を有するように、構成されなければな
らない。
【0546】図87に図示されている摩擦クラッチ41
01を有するクラッチユニットは、図87に図示されて
いるクラッチユニットと類似の構造を有している。クラ
ッチディスク4108の摩擦ライニング4107は、フ
ライホイールによって形成されている対応プレッシャプ
レート4106の摩擦面とプレッシャプレート4103
の摩擦面との間に軸方向で締込まれている。クラッチケ
ーシング4102とプレッシャプレート4103との間
には主皿ばね若しくは操作皿ばね4104(クラッチの
連結遮断操作用皿ばね)が設けられており、これは旋回
支承部4105にケーシング4102に対して傾倒可能
に支承されている。クラッチ4101のレリーズ時に皿
ばね4104を軸方向で支持する旋回支持部111は、
センサばね4113として役立つ皿ばね状構造部分41
13により直接形成されている。構造部分4113は軸
方向でケーシング4102と皿ばね4104との間に、
皿ばね舌状片先端4104cの負荷を受ける範囲410
4dに作用するレリーズ力に対して逆向きの軸方向力が
皿ばね4104に作用せしめられるように、緊縮されて
いる。皿ばね4104とケーシング4102との間には
後調節リング4117を有する後調節手段4116が配
置されており、該リングはケーシング4102に対して
回動可能でありかつ少なくとも1つのばね4120を介
して後調節方向にばね力を負荷されている。後調節手段
4116は図81の後調節手段4016と同様の形式で
作用し、従って摩擦ライニング4107の摩耗を補償す
るための後調節機能については図81についての説明を
援用する。
【0547】図87の摩擦クラッチ4101の構造によ
れば、摩擦クラッチ4101の分離行程に亘って所望の
レリーズ力の過程をうるために、プレッシャプレート4
103によって摩擦ライニング4107が無負荷となっ
た後に作用する付加的皿ばね4126が、旋回支承部4
105の半径方向内側に設けられている。これにより、
付加的ばね4026が旋回支承部4005の半径方向外
側に設けられている図81の実施例に対して、補償ばね
として役立つ付加的ばね4126のための材料経費は著
しく低減される。
【0548】付加的ばね4126は後調節リング411
7と皿ばね4104との間に配置されている。付加ばね
4126はリング状の基部4127を有し、この基部は
外周に半径方向のアーム4128を有し、該アームは基
部4127の周方向に分配されていてかつ後調節リング
4117と皿ばね4104との間の旋回支承部4105
の範囲に軸方向で締込まれている。
【0549】図87の上半分から判るように、付加的皿
ばね4126は基部4127から半径方向内側へ延びて
いる舌状片4122を有し、これらは軸方向に曲げられ
ていて、皿ばね舌状片4104b間の間隙4129を軸
方向に通りかつ半径方向に折曲げられた端部範囲413
0で、摩擦クラッチ4001の連結時に、皿ばね410
4の舌状片4104bの範囲の後側を、所定の軸方向間
隔若しくは遊び4132をもって、囲んでいる。
【0550】図87の下半分には、所定の遊び4132
を調節するための別のバリエーションが図示されてい
る。このバリエーションでは皿ばね4104に分配され
ている個々のリベットエレメント4131が設けられて
おり、これらはこれらの軸部をもってケーシング410
2の底部4102aに向って延びており、かつ頭部41
32aによって形成された、付加的皿ばね4126のた
めのストッパを有している。付加的皿ばね4126は半
径方向内側に、リベットエレメント4131の軸部を掴
む二又ホーク状のアーム4126aを有している。
【0551】図87の実施例には、摩擦クラッチ内に付
加的皿ばね4126を確保するための付加的エレメント
を必要としない利点がある。図81の実施例ではこのた
めにエレメント4031及びこのエレメントのための固
定手段が必要であった。付加的皿ばね4126は摩擦ク
ラッチ4101内ににおいてそれをクラッチ4101が
連結されている状態において操作皿ばね4104と後調
節リング4117との間に、常に緊縮された状態で保持
されている。クラッチ4101がレリーズされるさい付
加的皿ばね4126は、遊び4132がなくなった後
に、操作皿ばね4104によって負荷される。この目的
で付加的皿ばね4126は半径方向外側では操作皿ばね
4104に旋回支承部4105の範囲で支持されかつ半
径方向側では、皿ばね舌状片4104bの範囲に設けら
れているストッパ範囲に支持され、該ストッパ範囲は付
加的皿ばね4126の対応ストッパ範囲4130若しく
は4126aと協働する。
【0552】付加的皿ばね4126の配置により、簡単
な組立が、付加的皿ばね4126の確実な締付けと共
に、保証される。図87では付加皿ばね4126は弛緩
した位置状態で図示されている。図7の上半分に図示さ
れている付加的皿ばね4126と操作皿ばね4104と
の軸方向の組付けはバヨネット継手を介して、要するに
軸方向差込み−回動継手を介して行われる。これを行う
には、軸方向に延びている舌状片4122を操作皿ばね
舌状片の範囲に形成されている間隙に通し、次いで両皿
ばね4104,4126を相対的に回動させることによ
って半径方向に僅かに延びているスリット内へずらす。
これによりストッパ範囲4130は操作皿ばね4104
の対応するストッパ範囲に軸方向で対向する位置にく
る。摩擦クラッチ4101内に組付けられた位置におい
て両皿ばね4104,4126はピン4115の片の保
持手段を介して相互にかつケーシング4102に対して
位置決めされかつ案内されている。
【0553】付加的皿ばね4126は、摩擦クラッチ4
101のレリーズ力特性に関して、図81による付加ば
ね4026と同じ機能を有し、従ってこれに関しては図
81〜図86の説明を援用する。
【0554】摩擦クラッチ4101は、クラッチ410
1が使用中回転する回転数域の少なくとも一部の範囲に
おいて、レリーズ力に抗して作用する支持力を増大させ
る手段を有している。これにより、例えば比較的高い回
転数において発生する障害フアクタに基づいてクラッチ
4101の操作中に許容できない後調節が行われること
が防止される。この手段は摩擦クラッチ4101におい
ては遠心力に関連して作用する手段、即ちセンサ皿ばね
4113の外周に配置された、センサ皿ばね4113に
一体に形成されクラッチカバー4102に向って軸方向
に突出している舌状片4156の形の重りによって形成
されている。クラッチ4101が回転すると舌状片41
56に作用する遠心力に基づいて、センサばね4113
からそのプレロードに基づいて作用せしめられる力に重
畳される、要するに加えられる力が発生する。これによ
り、旋回支持部4111の範囲における操作皿ばね41
04のための支持力が増大される。舌状片4156によ
って旋回支持部4111に付加的に発生する力は回転数
の上昇と共に増大する。
【0555】所定の回転数範囲、殊に比較的高いエンジ
ン回転数においては、例えばエンジンによる振動が発生
し、これは、クラッチのレリーズ状態においてプレッシ
ャプレート4103の軸方向振動を生じさせる。プレッ
シャプレート4103が軸方で振動すると、少なくとも
短時間の間このプレッシャプレート4103は操作皿ば
ね4104から離れることがあり、これにより合成のセ
ンサ力が短時間なくなる。それというのは、この場合、
板ばね4109としての回転モーメント伝達手段から生
ぜしめられる軸方向力がもはや操作皿ばね4104に作
用しなくなるからである。このことは、遠心力に関連す
る手段4156がない場合には、以下のような結果を生
じることになる。即ち手段4116の所期の後調節のた
めに必要な、構造的に調節された力の比、即ち皿ばね4
104若しくはこれに作用するレレリーズ力と皿ばね4
104に作用する合成された支持−若しくはセンサ力と
の比、がこわされ、この支持−若しくはセンサ力が許容
できない低いレベルまで低下し、これによりクラッチ4
101が早期に若しくは非意図的に後調節される結果に
なる。これにより皿ばね4104の作動点は力最小値の
方向に変位する。舌状片4156の形の回転数若しくは
遠心力に関連する手段4156により、回転数に関連す
る障害的効果を補償することができる。このことは、既
に述べたように、センサばね4113及び又は板ばねエ
レメント4109から生ぜしめられる力と並列的に接続
される付加的な補助力が回転数若しくは遠心力に関連し
て生ぜしめることによって、行われる。
【0556】図88に図示されている摩擦クラッチ42
01は所謂引き型の摩擦クラッチを構成している。皿ば
ね4204は半径方向外側で、ケーシング4202の半
径方向範囲と皿ばね4204との間に設けられた摩耗補
償リング4218に支持されている。半径方向でさらに
内側にある範囲で皿ばね4204はプレッシャプレート
4203の突出部4213に負荷を与えている。皿ばね
4204のプレッシャプレート4203側とは反対の側
に摩耗センサ4237が設けられており、該センサは皿
ばね4204によって支持されかつこれにバヨネット継
手を介して結合されている。この場合、皿ばねとして製
作された摩耗センサ4237は半径方向内側に軸方向
の、鉤状に形成されたア−ム4241を有し、この鉤状
のアームが、皿ばねに設けられている軸方向の切欠き4
204aに通されて回動せしめられることによって軸方
向に係止される。摩耗センサ4237は、摩耗感知リン
グ4220が摩擦ライニング4207に摩耗がないとき
に後調節することを防止する。摩耗感知リング4220
は摩耗補償リング4218の半径方向内側に同心的の設
けられている。
【0557】摩耗補償リング4218及び摩耗感知リン
グ4220はそれぞれ周方向に延びていてかつ軸方向で
上昇している乗上げ斜面4219,4223を有し、こ
れらはリング4218,4220の周方向に分配されて
いる。リング4218,4220は、クラッチ4201
内に、楔状若しくはカム突起状の成形部によって形成さ
れた乗上げ斜面4219,4223がケーシング底部4
202a側に向くように、設けられている。
【0558】乗上げ斜面4219,4223はこれに対
応する対応乗上げ斜面4221,4222に軸方向で支
持されており、これらは図示の実施例では直接にケーシ
ング4202に、即ちクラッチカバー底部4202a
に、例えばプレス加工によって設けられている。
【0559】乗上げ斜面4219,4223並びにこれ
らに所属する対応乗上げ斜面4221,4222は周方
向で、これらがケーシング4202に対するリング42
18,4220の、少なくともある回動角度に亘る回動
を可能にするように、即ち摩擦クラッチの全寿命に亘っ
て少なくとも、プレッシャプレート4203、対応プレ
ッシャプレート4206及び摩擦ライニング4207の
摩擦面に発生する摩耗を補償するだけの回動角度を可能
にするように、形成されている。この場合、軸方向で互
いに協働する乗上げ斜面4219,4223及び対応乗
上げ斜面4221,4222の傾斜角度を、所属し合う
斜面4219及び4221若しくは4223及び422
2が押合わされたさいに生じる摩擦が互いに協働する斜
面間のスリップを妨げる、要するに摩擦による自縛作用
が生じるように選ぶのが特に有利である。この傾斜角度
は3°〜12°であることができる。
【0560】摩耗補償リング4218は周方向でばね力
を負荷されており、それも後調節方向で、要するに斜面
4219及び4221の乗上げによってプレッシャプレ
ート4203に向かう方向での軸方向変位、要するに半
径方向のケーシング部分4002aから離れる方向での
軸方向変位が生じるように、ばね負荷されている。摩耗
補償リング4218のこのばね負荷は図示の実施例では
少なくとも1つのコイルばね4228により行われてお
り、該コイルばねは半径方向でみて両方のリング421
8,4220の間に配置されている。摩耗感知リング4
220は同様に後調節方向でばね負荷されており、それ
も図88aから判るように、作用的に直列に配置された
リング4218,4220間に緊縮可能に配置されてい
る少なくとも1つのコイルばね4229によって、ばね
負荷されている。コイルばね4228は周方向に延びて
いてかつ、皿ばね4237の軸方向に折曲げられた耳状
片4241aとリング4218の内周に成形された半径
方向の突出部4234との間で緊縮されている。摩耗感
知リング4220はその外周に少なくとも1つの半径方
向突出部4235を有し、これは半径方向の突出部42
34と重なる。突出部4234,4235には若しくは
その内部には、少なくとも僅かに予圧されたコイルばね
4229を保持し案内するための受容部が設けられてい
る。突出部4234が突出部4235に当たることによ
り摩耗感知リング4220に対する摩耗補償リング42
18の相対回動が制限される。両ばね4228,422
9は作用的に直列に接続されている。図88bから判る
ように、各リング4218,4220には少なくとも1
つのばね4228を所属させることができる。リング4
218,4220は、周方向にずらされている支持範囲
4234a,4235aを有している。皿ばね4237
は個々のばね4228のためにやはり個別の、周方向に
ずらされた支持範囲若しくは負荷範囲4241a,42
41bを有している。
【0561】摩耗センサ4237は摩擦がない場合に、
摩耗感知リング4220の許容できない後調節を防止す
る。摩耗感知リング4220自体はやはり摩耗補償リン
グ4218の許容できない後調節を防止するものであ
る。摩擦ライニング4207に摩耗がない場合、突出部
4234,4235は互いに当接する。これを保証する
ために、摩擦クラッチ4201の全寿命に亘ってコイル
ばね4228から摩耗保証リング4218へ作用せしめ
られる捩りモーメントが両コイルばね4229によって
リング4218,4220間に生じる回転モーメントよ
り大きくなっている。
【0562】摩耗センサとして役立つ皿ばね4237は
所定の軸方向の、摩耗感知リング4220に向かう方向
に作用するプレロードをもって操作皿ばね4204に組
付けられている。このプレロード、即ちこれをもって皿
ばね4237が操作皿ばね4204に当接しかつ摩耗感
知リング4220の後調節に抗して逆向きに作用するプ
レロードは、摩耗感知リング4220が、クラッチが連
結されかつ摩耗のない状態において及び摩耗の後調節が
行われ後に、クラッチ内において回動しないように、設
定されている。摩擦クラッチ4201の連結状態におい
てダイヤフラム状の摩耗センサ4237により摩耗感知
リング4220へ作用せしめられる軸方向力は、乗上げ
斜面4222,4223があることに基づいてコイルば
ね4228によって生ぜしめられる軸方向力よりも大き
くなければならない。摩耗センサ4237の製作におい
てはまた摩擦クラッチ4201の運転中このクラッチに
作用する障害力、例えば慣性力も考慮されなければなら
ない。要するに、摩耗、特にライニングの摩耗に起因し
ない、摩耗感知リング4220からの摩耗センサ423
7の分離が避けられるようにしなければならない。それ
というのは、そうでないと、摩耗感知リング4220の
望ましくない回運若しくは後調節が行われ、これにより
摩耗センサ4237が緊縮状態にとどまり、これにより
摩擦クラッチ4201の制御されない後調節が行われる
危険が生じるからである。
【0563】摩擦クラッチ4201の分離距離の少なく
とも一部の範囲に亘って作用する付加的ばね4226は
軸方向でプレッシャプレート4203と操作皿ばね42
04との間に配置されている。皿ばねとして製作された
弛緩した付加的ばね4226はプレッシャプレート42
03の方向に向って円錐状に配置されており、この場合
付加的ばね4226の外縁は操作皿ばね4204に軸方
向で固定されており、その結果皿ばね4226は操作皿
ばね4204に対して旋回可能に保持されている。付加
的ばね4226は、図87の付加的ばね4126又は図
81の付加的ばね4026と同じ機能を保証する。
【0564】皿ばね状の摩耗センサ4237、操作皿ば
ね4204及び付加的皿ばね4226は軸方向に整列し
た切欠きを有していて、該切欠きに、プレッシャプレー
ト4203内に不動に止められている軸方向に延びてい
るピン4203aが通されている。このピン4203a
により構造部分4237,4204及び4226が相互
にかつプレッシャプレート4203に対して回動を防止
される。
【0565】操作皿ばね4204の舌状部4204bは
半径方向側に引張り皿状体4260の形の操作エレメン
トを支持しており、これはレリーズ機構、例えばレリー
ズベアリングを介して軸方向に変位可能である。引張り
皿状体4260は舌状片4204bの半径方向内側の範
囲に軸方向に保持されており、かつ範囲4260dを有
し、該範囲を介して、付加的皿ばね4226の舌状片4
226aの半径方向内側範囲が負荷を受けることができ
る。
【0566】リング状の負荷範囲4260aは皿状体4
260の半径方向外側の区分によって形成されている。
付加的ばね4226の舌状片4226a及びこれと協働
する負荷範囲4260aの間には軸方向距離4232が
あり、これは、付加的皿ばね4226が分離距離に亘っ
てはじめて、要するにプレッシャプレート4203によ
って摩擦ライニング4207が解放された後にはじめ
て、作用することを保証する。 対応プレッシャプレー
ト4206上にクラッチディスク4208を介して組付
けられた摩擦クラッチ4201の図88に示されている
新しい状態から出発して、クラッチレリーズのさい皿ば
ね4204は半径方向内側右側へ旋回せしめられ、その
結果皿ばね4204は半径方向外側で、摩耗保証リング
4218に支持されている転動支持部4212に支持さ
れる。レリーズ過程中センサ皿ばね4237は軸方向で
皿ばね4204と摩耗感知リング4220の間で緊縮さ
れ、それもプレッシャプレート4203の分離行程を規
定する、センサばね4237と皿ばね4204との間の
角度遊びLがなくなり、その結果皿ばね4204が摩耗
感知リング4220に軸方向で支持されるまで、緊縮さ
れる。レリーズ運動が進行すると皿ばね4204は摩耗
感知リング4220にあるリング状の支持範囲4220
aを中心にして旋回せしめられ、これにより皿ばね42
04は半径方向外側の転動支持部4212を無負荷に
し、その結果摩耗がある場合この摩耗はリング4218
の相応する軸方向後調節によって補償される。皿ばね4
204は要するにレリーズ過程中まで単腕レバーと同様
に外側の転動支持部4218を中心にして旋回せしめら
れる。間隙若しくは角度Lを越えると皿ばね4204の
リング状の旋回範囲は半径方向内側が摩耗感知リング4
220の範囲4220a内へ変位せしめられ、その結果
レリーズ運動がさらに進行すると皿ばね4204は今度
は双腕レバーと同様に旋回せしめられ若しくは作用する
ようになる。摩擦クラッチ4201の操作中の皿ばね4
204のリング状の転動支持部のこの半径方向の変位に
より、伝動比若しくはてこ腕比が変化し、該伝動比若し
くはてこ腕比は、皿ばね4204を操作するために必要
な力をIからI−1に規定し、その結果皿ばね4204
が摩耗感知リング4220に支持されると直ちに、レリ
ーズ力の上昇が生じる。この場合伝動比Iとは皿ばね舌
状片4204bにおける皿状体4260の着力範囲と皿
ばね4204の転動支持部4212との接触範囲との間
の距離と、この接触範囲とプレッシャディスク4203
の突出部4213のための皿ばね4204の負荷範囲と
の間の距離との比である。前記の伝動比は、皿ばね42
04とプレッシャプレート4203との支持が摩耗感知
リング4220における皿ばね4204の支持と少なく
ともほぼ等しい直径で行われていることを前提としてい
る。皿ばね4204と摩耗感知リング4220との間の
支持範囲がさらに半径方向外方へ転動支持部4212に
向かう方向で変位されればされる程、摩耗感知リング4
220に皿ばね4204が当接したさいのレリーズ力の
上昇は減少する。皿ばね4204と摩耗感知リング42
20との間の支持直径が皿ばね4204とプレッシャプ
レート4203との間の支持直径よりも大きい一実施例
においては、摩耗感知リング4220を中心にして皿ば
ね4204が旋回するさいにさらに大きな伝動比、前記
の伝動比I−1が生じる。しかしこの場合、摩擦クラッ
チ4201のレリーズ過程において生じる伝動比を皿ば
ね4204の伝動比Iより大きくすることはできない。
クラッチの連結過程中摩擦ライニング4207に摩耗が
生じると直ちに、皿ばね4204はその円錐形状を変化
させ。この場合舌状片先端4204cは皿状体4260
と一緒に左側へ移動する。この円錐形状の変化により摩
耗感知リング4220は無負荷にされ、その結果該リン
グは発生したライニング摩耗に相応して後調節を行うこ
とができる。要するに摩耗が発生した場合まず摩耗感知
リング4220が摩耗補償リング4218に先行する。
摩耗感知リング4220の回動により、両リング421
8,4220のストッパ突出部4234,4235間に
摩耗量に比例する距離4245が生じる。後続のレリー
ズ過程において、既に述べたように、摩耗補償リング4
218が皿ばね4204によって無負荷にされ、その結
果遊び4245に相応して後調節することからできる。
これにより皿ばね4204は再び新しいときの状態に相
応する円錐形状若しくは作動位置状態をとる。摩耗の増
大に伴って皿ばね4204は軸方向でクラッチカバー底
部4202aから離反する方向に変位せしめられ、この
場合全後調節範囲に亘って、皿ばね4204の組付位置
の相応する角度修正が行われる。この相応する修正は、
その都度、摩耗感知リング4220によって検知された
若しくは測定された摩耗に関連して行われる。
【0567】次に個々のばね4204,4226,42
37の協働作用を図89の線図について説明する。
【0568】図89の曲線261は、皿ばね4204の
円錐形状変化に関連してかつ回転モーメント伝達手段、
例えばケーシングとプレッシャプレート4203との間
の板ばねエレメントから作用せしめられる力の作用下に
おいて生じる軸方向特性曲線の一部の範囲を示すもので
ある。この曲線の経過は旋回支承部4212と突出部4
213との間の皿ばね4204の変形のさいに生じる。
完全な特性曲線4261は正弦波形に形成され、左側へ
変位するさい再び低下する。特性曲線4261の完全な
経過は従って図84の特性曲線4033の経過と類似で
ある。横軸は両支持部若しくは支持舌状片4212,4
213間の相対的な軸方向距離を示し、縦軸は皿ばね4
204及び回転モーメント伝達手段から生ぜしめられる
合力を示す。点4262はクラッチ連結時における皿ば
ね4204の組付位置を表している。曲線4263は摩
擦ライニング4207間の、ライニングばねセグメント
4210により生ぜしめられる軸方向拡張力を表わして
いる。摩擦クラッチ4201がレリーズされるさいばね
セグメント4210は距離4264に亘って弛緩する。
プレッシャプレート4203の相応する軸方向変位に相
応するこの距離4264に亘り、クラッチのレリーズ過
程がライニング4207間に存在するライニングばね装
置4210により助成される。クラッチ4201をレリ
ーズするための、突出部4213の範囲に作用せしめら
れる、距離4264に亘る力の経過は図89に破線42
65によって示されている。距離4264に亘って生じ
る力4266は、皿ばね4204の力経過特性曲線42
61とライニングばね装置4210の力の経過特性曲線
4263との差に相応する。クラッチ4201のため
の、舌状片先端4204cの範囲に実際に作用せしめら
れるべきレリーズ力の経過は力特性曲線4265に対し
て皿ばね4204の伝動比Iだけ減少している。部分レ
リーズ行程距離4264の終端の点4268を過ると、
摩擦ライニング4207は解放され、この場合、皿ばね
4204の逓減的な特性曲線範囲に基づいて、この場合
なお作用せしめられるレリーズ力は、点4262に相応
するレリーズ力に比して著しく小さい。クラッチ420
1のためのレリーズ力は、付加的ばね4226がない場
合、正弦波形の特性曲線4261の最小値若しくは谷の
点4269まで減少することになる。
【0569】図示の実施例では皿ばね4204は、特性
曲線4261の最小値4269が横軸の下側にくるよう
に、構成されている。皿ばね4204は従って横軸上の
点4270を越えると自動的に点4261の相応する位
置をとろうとし、従って、2つの異なる安定状態、即ち
弛緩状態と緊張状態とを有する所謂スナップスプリング
を形成する。
【0570】特性曲線4261の、点4268,426
9,4270によって破線で示されている部分範囲から
判るように、付加的ばね4226がない場合、プレッシ
ャプレート4203のの軸方向分離による摩擦ライニン
グ4207の解放後、レリーズ力の経過に著しい変化が
存在する。付加的ばね若しくは補償ばね4226の使用
により、解放距離4264に続く残りのレリーズ距離4
271に亘り、レリーズ力の経過4272は低い比較的
一定のレベルに保持されている。図89の経過曲線42
72は、皿ばね4226を含む皿ばね4204を旋回さ
せるために突出部4213の範囲に作用せしめられるべ
き力の経過に相応する。しかし舌状片先端4204cの
範囲におけるレリーズ力経過曲線は、摩耗感知リング4
220に皿ばね4204が支持されるまで、図89の経
過4272に対して、皿ばね4204の伝動比I分だけ
減少している。プレッシャプレート4203の分離距離
に相応する距離は図89に符号4273で示されてい
る。付加的ばね4226は曲線4274の力−距離特性
を有している。少なくとも残りのレリーズ距離4271
に亘り皿ばね4204及び付加的ばね4226は互いに
逆向きの力−距離経過を有している。分離距離4273
に亘る力の経過4272は、特性曲線4261及び42
74の分離4273に亘る経過の和によって生じる。こ
の合成された経過4272は点4268で、要するに分
離距離4273の始端で生じる。付加的ばね4226の
舌状片4226aへの操作皿ばね4260の範囲426
0aの当接は図89の点4268に相応する。
【0571】分離距離4273の通過後、既に述べたよ
うに、摩耗感知リング4220を介しての皿ばね420
4の軸方向支持が行われる。これにより、皿ばね420
4の操作を規定する伝動比はIからI−1に変化する。
これによって生じるレリーズ力の僅かな上昇は図89に
符号4275で示されている。分離距離に続く後調節距
離4276に亘ってこのレリーズ力上昇は維持される。
【0572】摩擦ライニング4207の摩耗を補償する
ために必要な後調節距離は全レリーズ距離に対して極め
て僅かであり、10分の数ミリ又はそれ以下の範囲にあ
る。
【0573】舌状片先端4204cの範囲にかかる若し
くは必要とされる操作力は、図89に示されいる力若し
くは力経過を点4275に至るまでの伝動比I及び点4
275より後の伝動比I−1によって除することによっ
てえられる。舌状片先端4204cの範囲に相応する操
作距離は、図89に示されている距離に点4275に至
るまでの伝動比I及び点4275より後の伝動比I−1
を乗ずることによってえられる。伝動比I−1は点42
75を越えた距離区間4276についてのみ有効であ
る。
【0574】摩擦クラッチの本発明による構成によれ
ば、摩擦クラッチのレリーズ状態において舌状片先端4
004c,4104c若しくは4204cに作用する力
が極めて僅かでありかつまたこの力が図89から判るよ
うに負であることができるため、クラッチレリーズのさ
いの舌状片の撓みに起因する損失は極めて僅かな程度ま
で減少せしめられる。上記の力が負であることができる
ということは、皿ばねが特性曲線4261の負の範囲に
おいて自動的にレリーズ位置状態になろうとする傾向を
有することを意味する。このことはしかし付加的ばね4
226によって補償される。操作皿ばねの舌状片への負
荷が慣用のクラッチに対して僅かであることにより、レ
リーズ距離を減少させることができる。それというの
は、既に述べたように、少なくとも、舌状片並びにクラ
ッチカバーの弾性的な撓みによる距離損失が実際上存在
しないからである。
【0575】図88による摩擦クラッチの本発明による
構成によれば、ケーシング若しくはカバー4202のば
ね弾性に起因する距離損失をクラッチ4201の操作時
に最小限にすることができる。このことは、摩擦クラッ
チ4201の連結時に皿ばね4204によってクラッチ
カバー4202に生ぜしめられる軸方向のばね力が摩擦
クラッチ4201の適宜の構成により、クラッチレリー
ズ時の、要するに皿ばね4204が摩耗感知リング42
20に支持されるさいのクラッチカバーのばね力と等し
くされることによって、行われる。摩擦クラッチ連結時
に皿ばね4204からクラッチカバー4202の作用せ
しめられる軸方向力は最大になり、転動支持部4212
の負荷直径部位とクラッチカバー閉鎖ねじ4202bと
の間における自由曲げ長さは最小になる。摩擦クラッチ
レリーズ時には、皿ばね4204及び付加的ばね422
6によって生ぜしめられクラッチカバー4202によっ
て受容される軸方向力は、摩擦クラッチ4201の連結
時における皿ばね4204の軸方向力よりも著しく小さ
い。摩耗感知リング4220の支持直径部位4220a
とねじ4202bとの間のクラッチカバー4202の自
由なてこ腕長さ若しくはばね長さはしかし転動支持部4
212とこのねじ4202bとの間の半径方向距離より
も著しく大きい。
【0576】図90に示されている摩擦クラッチ430
1は、摩耗センサとして役立つ皿ばね4337の構成を
除いて、図88のクラッチ4201と同一の構造及び作
用形式を有している。操作皿ばね4304、摩耗センサ
ばね4337及び付加的ばね4326は、図88及び図
89の線図に関連して説明された構成部分4204,4
226及び4237と同一の機能を有する。摩耗補償リ
ング4318及び摩耗感知リング4320は、図88の
リング4218及び4320と同一の形式で乗上げ斜面
及び対応乗上げ斜面を介して所属のケーシング4302
と協働する。
【0577】皿ばね4326は、クラッチ連結時に該皿
ばねの軸方向位置固定のため、レリーズリング4360
及び皿ばね4304間のばね手段4344を介して軸方
向で予圧されている。
【0578】センサ皿ばね4337は図90に示されて
いるその予圧された位置において、図88のセンサ皿ば
ね4237とは異なる軸方向位置をとる。皿ばね433
7は半径方向内側で操作皿ばね4304に支持されてお
りかつ、半径方向でさらに外側にあるリング状範囲で摩
耗感知リング4320にケーシング4302に向かう方
向で軸方向に負荷を与えている。ばね4337は半径方
向のアーム4342を有し、該アームで後調節リング4
318の支持部4343に当接しかつクラッチ連結時に
間隙Lを形成して予圧された状態に保持されている。セ
ンサ皿ばね4337は半径方向外側に軸方向でケーシン
グ4302に向けられた舌状片4341aを有し、該舌
状片は周方向に作用する後調節ばね4328を支持する
ために役立つ。
【0579】図91に示されている、摩擦クラッチ44
01を有するクラッチユニットは、付加的ばね4426
の組付位置及び幾分異なる作用形式を除いて、図87の
クラッチユニットと同じ構造を有している。
【0580】若干の用途については、必要とするクラッ
チ特性及びクラッチ4401のための所要組付スペース
上の理由から、操作皿ばね4404(メインダイヤフラ
ムスプリング)をその距離−力特性、殊に必要なレリー
ズ行程距離(図84の4046)に亘る距離−力特性に
関して申し分なく設計することができない。従ってレリ
ーズ過程中皿ばね特性曲線(図84の4033)の点
(図84の4039a)、即ちその点以後レリーズ力が
後調節点4037(図84の4037)における皿ばね
4404のための軸方向支持力よりも大きくなる点、が
越えられることがある。このことは要するに、点403
9aが実際に図84の点4045上にあること若しくは
そのすぐ後にあること、要するに必要なレリーズ距離の
終端又はこのレリーズ距離を越えた場合にはそのすぐ後
にあること、を意味している。上記の点が越えられると
以下のような結果を生じることになる。即ち後調節リン
グ4417が、許容できない大きな距離に亘って、皿ば
ね4404から軸方向で無負荷にされ、相応して後調節
されることになる。この場合従ってクラッチライニング
4407に摩耗がない場合にも後調節が行われることに
なる。その結果作動点の変化、要するに摩擦クラッチ4
401が連結されている状態における皿ばね4404の
組付位置の変化が、それも予圧若しくは押圧力を減少さ
せる方向で、生じることになる。このことは、このよう
なクラッチユニットにおいて図84の線図に符号403
7で示されている作動点が特性曲線4033に沿って過
剰の距離に相応して最小値4038aの方向へ変位する
ことを意味する。これにより摩擦クラッチから伝達可能
なモーメントが相応して減少し、クラッチ故障を生じる
結果になる。
【0581】後調節手段4416のこのような不都合な
後調節を避けるために、付加的ばね4426が後調節リ
ング4417及び皿ばね4404間に配置され、該付加
的ばねは、少なくとも最大許容レリーズ距離が越えられ
たときに、ロック装置若しくは後調節手段4416のた
めのブレーキとして作用する。従って、レリーズ過程が
通常のレリーズ距離を比較的大きく越えて行われた場合
にも及び又は構造部分が軸方向に振動した場合にも、摩
擦クラッチ4401内における許容できない変位が防止
される。
【0582】皿ばねとして製作された付加的ばね442
6は後調節リング4417と皿ばね4404との間に配
置されており、該付加的ばねは、所定のレリーズ距離経
過後、後調節リング4417と皿ばね4404との間に
おいて緊縮され、その結果後調節リング4417は皿ば
ね4426により操作皿ばね4404に向って負荷され
る。後調節リング4417の一部は実際に両皿ばね44
26,4404間に締込まれる。これにより、所定のレ
リーズ距離通過後、後調節リング4417の回動防止が
保証される。
【0583】付加的皿ばね4426はリング状の基部4
427を有しており、該基部は外周部に半径方向のアー
ム4428を有し、該アームは基部4427の周方向に
分配されておりかつ後調節リング4417の半径方向の
溝4417a内へ、図92及び93からも判るように、
係合する。付加的皿ばね4426はストッパ成形部44
22を有し、該ストッパ成形部は基体4427の内周に
成形された半径方向の舌状片4422によって形成され
ている。これらのストッパ成形部4422は皿ばね44
04に設けられた対応ストッパ成形部4430と協働す
る。対応ストッパ成形部4430は図示の実施例では、
皿ばね4404の舌状片4404bの範囲に設けられて
いるリベットエレメント4431のヘッドにより形成さ
れている。リベットエレメント4431の代わりに、付
加的皿ばね4426と一体であってかつ該付加的皿ばね
と、図87の皿ばね4104と協働する舌と同様の形式
で協働する舌状片を使用することも可能である。
【0584】ストッパ成形部4422と対応ストッパ成
形部4430との間の距離は、摩擦クラッチ連結時の状
態において、次のように設定されている。即ちクラッチ
レリーズ距離の少なくとも一部に亘って、ストッパ成形
部4422と対応ストッパ成形部4430との接触が生
じないように、設定されている。有利には、ストッパ成
形部4422は対応ストッパ成形部4430に、解放点
(図84の4037)を越えたときにはじめて接触す
る。この所定のレリーズ距離部分を越えると付加的皿ば
ね4426は操作皿ばね4404と共に緊縮され、これ
により、既に述べたように、後調節リング4417が操
作皿ばね4404に締付けられ、かつコイルばね442
0から作用せしめられる周方向の力に基づく回動を防止
される。
【0585】後調節リング4417に付加的皿ばね44
26を組付けかつ旋回可能に支承するために、後調節リ
ング4417はその半径方向内側の部分及び軸方向長さ
のほぼ中心に溝4417aを有している。
【0586】図92及び93から判るように、溝441
7aはその周方向でみてかつ軸方向で皿ばね4404a
に向かって部分的に開かれ若しくは中断されている。こ
の目的で後調節リング4417は軸方向に延びている半
径方向の凹部4440を有しており、該凹部は周方向に
延びている溝4417aに接続している。後調節リング
4417の内周に成形された凹部4440の間に後調節
リング4417は半径方向に突出した突出部4441を
形成している。全周に亘る凹部4440の分配及び個数
は付加的皿ばね4426のアーム4428の分配及び個
数に相応する。1つの凹部4440の周方向の長さは、
少なくとも、1つのアーム4428の周方向の長さに等
しい。付加的皿ばね4426と後調節リング4417と
の組付けはアーム4428を凹部4440内へ軸方向に
差込み、次いで両構造部分4417,4426を相対的
に回動させることによって行われる。両構造部分441
7,4426間の上記の相対的回動によりアーム442
8と突出部4441とが、図92から判るように、少な
くとも部分的に軸方向で重なり合う。この重なり合に基
づき舌状片若しくはアーム4428は、ストッパ成形部
4422が対応ストッパ成形部4430に当接した後、
半径方向の突出部4441に対して緊縮される。 付加
的皿ばね4426は以下のように構成されかつ摩擦クラ
ッチ4401内に組付けられている。即ちレリーズ過程
中、少なくとも、ストッパ成形部4422と対応ストッ
パ成形部4430とが当節しているレリーズ距離範囲に
おいて、付加的皿ばね4426に対する後調節リング4
417の相対回動が生じえないように、構成されかつ組
付けられている。ストッパ成形部4422と対応ストッ
パ成形部4430との当接はレリーズ過程中解放点(図
84の点)の後方ではじめて生じるようにするのが有利
である。このようにすることにより、摩擦ライニング4
407の摩耗の補償のために必要な後調節リング441
7の確実な回動が保証される。付加的皿ばね4426に
対する後調節リング4417の相対回動は、有利には、
付加的皿ばね4427の実際に弛緩した状態において行
われる。図92から判るように、後調節リング4417
の突出部4441は摩擦ライニング4407における摩
耗の増大に従って舌状片4428に対して右側へ移動す
る。突出部4441及び舌状片4428の周方向長さは
以下のように設定されている。即ち、クラッチユニット
の少なくとも許容全摩耗範囲に亘って、軸方向でみて、
これらの突出部4441,4428の重なり合いが存在
するように、設定されている。付加的皿ばね4426は
摩擦クラッチ44401の連結状態においても緊縮され
ていることができる。このことは、クラッチ連結のさい
に連結行程距離の終端の直前に操作皿ばねの舌状片44
04bが付加的皿ばね4426の個々の舌状片4422
aに当接し、これにより、付加的皿ばね4426がクラ
ッチかばーの方向へ右側へ少なくとも僅かに緊縮される
ことによって、行われる。これにより、クラッチ連結時
の状態における最大押圧力も付加的皿ばね4426を介
して制限することができる。押圧力の制限値はこの場合
操作皿ばね4404及び付加的皿ばね4426の特性曲
線の経過に関連する。
【0587】後調節リング4417のためのブレーキの
機能の他にさらに付加的皿ばね4426は、図87の付
加的ばね4126と同じ機能を有している。付加的皿ば
ねはまた皿ばね4404の少なくとも最小値範囲におけ
るレリーズ力特性曲線を上昇させることができ、これに
より、レリーズ範囲に亘ってレリーズ力を一定に保持す
ることが保証される。この点に関しては図81〜図90
の説明を援用する。
【0588】本発明は図示されかつ説明された実施例に
制限されるものではなく、摩擦クラッチ一般に、特に、
摩擦ライニングの摩耗を補償する手段を有する摩擦クラ
ッチに実施することができる。さらに本発明は、種々異
なる実施例に関連して説明された個々の特徴若しくはエ
レメントの組合わせによって構成することができるバリ
エーションをも含むものである。また図面に示されかつ
説明された特徴若しくは機能のうちの個々の特徴若しく
は機能もその自体単独で1つの独立の発明をなすもので
ある。また本発明の出願人はたんに明細書中に図示され
ているだけの、本発明にとって重要な意味を有するさら
に別の特徴については特許の請求を留保する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦クラッチの平面図。
【図2】図1のII−II線による断面図。
【図3】図1及び図2の摩擦クラッチに使用された調整
リングの平面図。
【図4】図3のIV−IV線による断面図。
【図5】図1及び図2の摩擦クラッチに使用された支持
リングの平面図。
【図6】図5のVI−VI線による断面図。
【図7】調整リングに捩り力を作用させるばねを示す
図。
【図8】本発明の摩擦クラッチの個々のばねエレメント
と後調整エレメントとの協働関係を示す特性曲線図。
【図9】図8と異なる特性曲線図。
【図10】図8及び図9と異なる特性曲線図。
【図11】図8、図9及び図10と異なる特性曲線図。
【図12】本発明の摩擦クラッチの別の構成を示す平面
図。
【図13】図12のXIII−XIII線による断面
図。
【図14】図12及び図13の摩擦クラッチに使用され
た調整リングの平面図。
【図15】補償手段を有するさらに別の摩擦クラッチの
細部を示す図。
【図16】後調整エレメントの平面図。
【図17】図16の後調整エレメントの断面図。
【図18】押圧用ダイヤフラムばねとライニングばね機
構との協働作用を示す特性曲線図。
【図19】押圧用ダイヤフラムばねとライニングばね機
構との協働によって生じる、摩擦クラッチ解離過程に対
する作用を示す特性曲線図。
【図20】本発明のさらに別の摩擦クラッチの部分的平
面図。
【図21】図20のXXI−XXI線による断面図。
【図22】図20及び図21の摩擦クラッチに使用可能
な調整リングの部分的平面図。
【図23】本発明の摩擦クラッチ部分の別の構成を示す
図。
【図24】本発明の摩擦クラッチ部分のさらに別の構成
を示す図。
【図25】図12及び図13又は図20及び図21の摩
擦クラッチに使用可能な調整リングの平面図。
【図26】本発明の摩擦クラッチ部分の別の構成を示す
図。
【図27】本発明の摩擦クラッチ部分のさらに別の構成
を示す図。
【図28】本発明の摩擦クラッチ部分のさらに別の構成
を示す図。
【図29】本発明の摩擦クラッチ部分のさらに別の構成
を示す図。
【図30】本発明の摩擦クラッチ部分のさらに別の構成
を示す図。
【図31】図30の一部を矢印Aの方向でみた図。
【図32】図31のB−B線による断面図。
【図33】本発明の摩擦クラッチを示す図。
【図34】図33II−II線に沿った断面図。
【図35】図33III−III線に沿った断面図。
【図36】図33IV−IV線に沿った部分断面図。
【図37】図33及び図34による摩擦クラッチにおい
て使用される補償リングを示す図。
【図38】本発明による摩擦クラッチの第1変化実施例
図。
【図39】本発明による摩擦クラッチの第2変化実施例
図。
【図40】本発明による摩擦クラッチ及び回転振動ダン
パを有する、2質量に分割されたはずみ車の図。
【図41】本発明による摩擦クラッチを有するトルク伝
達装置の図。
【図42】図41のトルク伝達装置の一部を示した拡大
図。
【図43】本発明に従って構成したクラッチ装置の断面
図である。
【図44】補償装置の拡大図である。
【図45】図44の矢印IIIの方向に見た図である。
【図46】摩擦クラッチのレリーズ手段に接している調
整リングの、図44の矢印IVに従う図である。
【図47】図46の線V−Vによる断面図である。
【図48】図43のクラッチ装置に用いられた対向調整
リングの、図44の矢印IIIに従う図である。
【図49】図48の線VII−VIIによる断面図であ
る。
【図50】図44に示された補償装置の変化実施例の詳
細図である。
【図51】本発明のクラッチ装置のその他の細部の断面
図である。
【図52】たとえば図51に従う本発明のクラッチ装置
に使用できる摩耗調整リングを示す図である。
【図53】図52と同様の摩耗調整リングを示す図であ
る。
【図54】本発明のクラッチ装置の断面図であって、図
54aは、図54に用いられたセンサーばねのセグメン
トを示す。
【図55】図54の矢印XIIIの方向に見た部分図で
ある。
【図56】本発明の摩擦クラッチのその他の可能な構成
を示す図である。
【図57】本発明のクラッチ装置のためのレリーズシス
テムの模式図である。
【図58】調整リングのためのブレーキを有する本発明
の摩擦クラッチのその他の構成を示す図である。
【図59】本発明の摩擦クラッチの部分図。
【図60】図59のII−II線に沿った断面図。
【図61】図60のIII−III線に沿った断面図。
【図62】摩擦クラッチを作動する第1段階を示した
図。
【図63】摩擦クラッチを作動する第2段階を示した
図。
【図64】摩擦クラッチを作動する第3段階を示した
図。
【図65】摩擦クラッチを作動する第4段階を示した
図。
【図66】摩擦クラッチを作動する第5段階を示した
図。
【図67】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図68】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図69】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図70】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図71】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図72】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図73】本発明の摩擦クラッチの別の実施例を示した
図。
【図74】本発明の摩耗センサの1実施例を示した図。
【図75】本発明の摩耗センサの1実施例を示した図。
【図76】本発明の摩擦クラッチの種々の特性線を有す
る線図。
【図77】本発明の摩擦クラッチの種々の特性線を有す
る線図。
【図78】同時に摩耗センサとして構成されている摩耗
フィーラリングの構成の可能性を示した図。
【図79】本発明の摩擦クラッチの付加的な構成の可能
性を示した図。
【図80】本発明の摩擦クラッチの付加的な可能性を示
した図。
【図81】本発明により構成されたクラッチユニットの
断面図。
【図82】図81のクラッチユニットの一部を矢印II
の方向からみた図。
【図83】図81に示されている摩擦クラッチに使用さ
れる予め組立てられた部分ユニットを示す図。
【図84】本発明によるクラッチユニットの個々のばね
エレメント及び後調節エレメントの協働関係を示す特性
曲線−線図。
【図85】本発明によるクラッチユニットの個々のばね
エレメント及び後調節エレメントの協働関係を示す特性
曲線−線図。
【図86】本発明によるクラッチユニットの個々のばね
エレメント及び後調節エレメントの協働関係を示す特性
曲線−線図。
【図87】本発明により構成された摩擦クラッチの別の
一実施例の断面図。
【図88】本発明による摩擦クラッチのさらに別の一実
施例の断面図。
【図89】図88の摩擦クラッチの個々のばねエレメン
ト及び後調節エレメントの協働関係を示す特性曲線−線
図。
【図90】本発明による摩擦クラッチのさらに別の一実
施例の断面図。
【図91】本発明による摩擦クラッチのさらに別の一実
施例の断面図。
【図92】図91の実施例に用いられている後調節リン
グを周方向に展開した図。
【図93】図92のXIII−XIII線による断面
図。
【図94】異なるばね特性曲線を示す線図。
【符号の説明】
1 摩擦クラッチ 2 ケーシング 3 プレッシャープレート 4 ダイヤフラムばね 6 対応受圧板 7 摩擦ライニング 8 クラッチディスク 11 支承部 12 支承部 13 蓄力部材 16 後調整装置 17 構成部材 18 乗り上げ面 24 乗り上げ面 25 構成部材 26 送り機構 27 ばね 113 皿ばね 217 後調整エレメント 502 ケーシング 513 センサばね 1401,1501 摩擦クラッチ 1422,1522 クラッチカバーないしクラッチ
ハウジング 1428,1503 加圧板 1404,1527 押圧用の皿ばね 1429,1529 摩擦ライニング 1405 クラッチ板 1401 はずみ車 1402 一次回転子質量 1403 二次回転質量 1405 クラッチ板 1406 支承部 1406a ころがり軸受 1407 穴 1408 取付けねじ 1409 減衰装置 1410 圧縮コイルばね 1411 環状室 1412 トーラス状区域 1416 内レース 1417 外レース 1421 負荷区域 1432 摩擦面 1436 シール 1501 トルク伝達装置 1503 対応加圧板 1504 摩擦クラッチ 1505 クラッチ板 1521 板ばね 1522 クラッチカバー 1527 皿ばね 1528 加圧板 1545 後調整装置 1546 センサばね 1547 後調整部材 1560 減衰手段 1561 始動リングギヤ 1563 6角棒スパナ 1601 摩擦クラッチ 1602,1702,1802 ケーシング 1603,1703,1803 加圧板 1604,1704,1804 圧着皿ばね 1604a 基体 1604b 舌片 1605 旋回支承部 1606 受圧板 1607 摩擦ライニング 1608 クラッチディスク 1616 摩耗補償装置 1617 制限部材 1626,1726 補償リング 1626a 自由空間 1635,1636 構成部材 1642,1643 乗上げランプ 2001 摩擦クラッチ 2002 ケーシング 2003 プレッシャプレート 2004 皿ばね 2006 カウンタープレッシャプレート 2007 摩擦ライニング 2008 クラッチディスク 2009 板ばね 2010 ライニングばねセグメント 2011,2012 旋回サポート 2013 皿ばね 2016 調整装置 2017 調整リング 2018 傾斜面 2019 対抗傾斜面 2020 補償部材 2021 行程 2022 レーズ機構 2023 ガイドパイプ 2024 操作手段 2026,2027 乗り上げ傾斜面 2028,2029 対抗乗り上げ傾斜面 2030 支持リング 2038,2039 コイルばね 2040,2041 ソケット 2042,2043 開口部 3001 摩擦クラッチ 3002 ケーシング 3004 皿ばね 3005 支持部 3006 対応押圧板 3007 摩擦ライニング 3008 クラッチ円板 3009 皿ばね 3010 先端 3011 舌状部 3012 皿ばね基体 3013 突起 3014 皿ばね 3015 板ばね 3017 後調節装置 3018 補償リング 3019 乗上げランプ 3020 リング状の構成部分 3021,3022 対応乗上げランプ 3025 送風開口 3026 成形部 3028 コイルばね 3030 舌片 4001 摩擦クラッチ 4002 ケーシング 4002a ケーシング底部 4003 プレッシャプレート 4004 操作皿ばね 4004a リング状の基部 4004b 舌状片 4004c 舌状片先端 4005 旋回支承部 4006 対応プレッシャプレート(フライホイー
ル) 4007 摩擦ライニング 4008 クラッチディスク 4009 板ばね 4010 ライニングばねセグメント 4011 旋回支持部 4012 旋回支持部 4013 皿ばね(センサばね) 4013a アーム 4013b リング状の基部 4013c 舌状片 4014 支持範囲 4015 リベットエレメント 4015a 軸部 4016 後調節手段 4017 リング状の構造部分(後調節エレメント、
後調節リング) 4018 乗上げ斜面 4019 対応乗上げ斜面 4020 コイルばね 4020a 通気孔 4021 耳状片 4022 打抜部(切欠き) 4023 アーム 4024 成形部 4026 構造部分(補償ばね) 4027 リング状の基部 4028 舌状片 4029 間隙 4030 範囲 4031 ばねエレメント 4032 距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール−ルートヴィッヒ キミッヒ ドイツ連邦共和国 ビュール−ヴァルトマ ット パノラマシュトラーセ 27 (72)発明者 クリストフ ヴィットマン ドイツ連邦共和国 ビュール−アイゼンタ ール ヴァインシュトラーセ 144 (72)発明者 ロルフ マインハルト ドイツ連邦共和国 ビュール ケラーシュ テュック 5 (72)発明者 ヴォルフガング ライク ドイツ連邦共和国 ビュール ゾンハルデ 8 (72)発明者 パウル マウヒャー ドイツ連邦共和国 ザースバッハ アム ブンゲルト 23 (72)発明者 エドムント マウヒャー アメリカ合衆国 オハイオ ヴースター グレイプアップル753

Claims (188)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動不能にかつ軸方向では制限範囲内を
    変位可能にケーシングと結合されたプレッシャプレート
    を有する特に自動車用の摩擦クラッチにおいて、ケーシ
    ングとプレッシャプレートとの間には、圧着力を発生さ
    せるダイヤフラムばねが軸方向で緊定されており、該ダ
    イヤフラムばねが一方の側では前記ケーシングによって
    支持された旋回支承部を中心として旋回可能であり、ま
    た他方の側では、前記プレッシャプレートとフライホイ
    ールのような対応受圧板との間に締込み可能なクラッチ
    ディスクの方に向かって前記プレッシャプレートを負荷
    しており、ケーシングによって支持された前記旋回支承
    部が、クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を少な
    くとも補償し送り機構によって送られかつカバーとダイ
    ヤフラムばねとの間で作用する自動的な後調整装置によ
    って軸方向に変位可能であり、かつ、前記ダイヤフラム
    ばねが前記旋回支承部の方に向かって支持力の作用を受
    けていることを特徴とする、摩擦クラッチ。
  2. 【請求項2】 ダイヤフラムばねが作業範囲にわたって
    累減特性を有するように組込まれている、請求項1記載
    の摩擦クラッチ。
  3. 【請求項3】 ダイヤフラムばねが解離力に抗して単に
    摩擦接続式に支持されている、請求項1又は2記載の摩
    擦クラッチ。
  4. 【請求項4】 支持力とダイヤフラムばね力とが互いに
    調和されており、前記支持力は、ダイヤフラムばねが所
    定の組込み位置にあって、摩耗に起因した円錐角の変化
    がない場合にはダイヤフラムばねの解離行程にわたっ
    て、該ダイヤフラムばねによって発生されて前記支持力
    に抗して作用する力よりも大きく、かつダイヤフラムば
    ねに摩耗に起因した円錐角の変化が生じた場合には、前
    記支持力は、ダイヤフラムばねの解離行程の部分範囲に
    わたって、該ダイヤフラムばねによって該支持力に抗し
    て発生された力よりも小さい、請求項1から3までのい
    ずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  5. 【請求項5】 支持力が、摩耗に起因したダイヤフラム
    ばね又はカバー寄り支承部の後調整を介して形状を変化
    するばねのような少なくとも1つの蓄力部材によって発
    生される、請求項1から4までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  6. 【請求項6】 後調整装置が、ダイヤフラムばねとカバ
    ーとの間に配置されている、請求項1から5までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  7. 【請求項7】 後調整装置が、テーパ部のような複数の
    乗り上げ面を有していいる、請求項1から6までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  8. 【請求項8】 支持力が皿ばね状の部材によって発生さ
    れる、請求項1から7までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  9. 【請求項9】 支持力を発生させる皿ばねが、ダイヤフ
    ラムばねの軸方向に変位可能な支持部の半径方向高さに
    支承されている、請求項1から8までのいずれか1項記
    載の摩擦クラッチ。
  10. 【請求項10】 圧着用のダイヤフラムばねが、2つの
    支承部間でケーシングに旋回可能に支持されており、前
    記支承部のうちプレッシャプレート寄りの支承部が前記
    圧着用のダイヤフラムばねの方に向かってばね負荷され
    ている、請求項1から9までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  11. 【請求項11】 支持力によってばね負荷された支承部
    が軸方向に変位可能である、請求項10記載の摩擦クラ
    ッチ。
  12. 【請求項12】 ばね負荷された支承部の変位時に、圧
    着用のダイヤフラムばねの解離力が減少する、請求項1
    から11までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  13. 【請求項13】 ばね負荷された支承部は、該支承部に
    作用する圧着用のダイヤフラムばねの解離力と、前記支
    承部に加えられる対抗力との間に力の平衡が生じるまで
    変位される、請求項1から12までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  14. 【請求項14】 ばね負荷された支承部に加えられる対
    抗力が、所定の後調整範囲にわたって実質的に一定の力
    を有する蓄力部材によって発生される、請求項1から1
    3までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  15. 【請求項15】 支持力を発生する蓄力部材がセンサと
    して働く、請求項1から14までのいずれか1項記載の
    摩擦クラッチ。
  16. 【請求項16】 ばね負荷された支承部から離反した方
    の圧着用ダイヤフラムばねの側に設けられた対応支承部
    が軸方向で見てプレッシャプレートの方に向かっては変
    位可能であり、またその逆の方向ではロック可能であ
    る、請求項1から15までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  17. 【請求項17】 後調整装置を送る送り機構がばねであ
    る、請求項1から16までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  18. 【請求項18】 後調整装置が、摩擦クラッチの接続状
    態で圧着用ダイヤフラムばねによって軸方向に負荷され
    る組合わされたリング状構成部材である、請求項1から
    17までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  19. 【請求項19】 後調整装置が、軸方向に上り勾配をな
    す複数の後調整テーパ部を有している、請求項1から1
    8までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  20. 【請求項20】 後調整テーパ部がリング状構成部材に
    設けられている、請求項19記載の摩擦クラッチ。
  21. 【請求項21】 リング状構成部材が対応支承部を支持
    している、請求項18から20までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  22. 【請求項22】 乗り上げテーパ部が対応乗り上げテー
    パ部と協働している、請求項19から21までのいずれ
    か1項記載の摩擦クラッチ。
  23. 【請求項23】 対応乗り上げテーパ部がリング状構成
    部材によって支持されており、該リング状構成部材が、
    乗り上げテーパ部を支持する構成部材とカバーとの間に
    配置されている、請求項22記載の摩擦クラッチ。
  24. 【請求項24】 対応乗り上げテーパ部が、ケーシング
    の半径方向に延びる区域内に直接組込まれている、請求
    項23記載の摩擦クラッチ。
  25. 【請求項25】 後調整装置が、摩擦クラッチの解離方
    向で見れば、フリーホイール状に作用し、また前記解離
    方向とは逆の方向へは自縛作用を有している、請求項1
    から24までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  26. 【請求項26】 少なくとも乗り上げテーパ部が、4乃
    至20°の勾配角を有している、請求項19から25ま
    でのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  27. 【請求項27】 乗り上げテーパ部が、乗り上げテーパ
    部と他方の構成部材の対応乗り上げ区域との摩擦係合に
    よって自縛作用を生ぜしめる勾配角を有している、請求
    項19から26までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  28. 【請求項28】 複数の乗り上げテーパ部を有する少な
    くとも1つの構成部材及び/又は複数の対応乗り上げテ
    ーパ部もしくは対応乗り上げ区域を有する少なくとも1
    つの構成部材が後調整方向にばね負荷されている、請求
    項19から27までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  29. 【請求項29】 後調整装置が複数の変位可能な後調整
    部材を有している、請求項1から28までのいずれか1
    項記載の摩擦クラッチ。
  30. 【請求項30】 後調整装置が回転数に関連している、
    請求項1から29までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  31. 【請求項31】 後調整装置が回転数に関連してロック
    される、請求項1から30までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチ。
  32. 【請求項32】 後調整装置が、所定の限界以上の回転
    数ではロックされている、請求項1から31までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  33. 【請求項33】 後調整装置がアイドリング回転数でか
    又は該アイドリング回転数以下の回転数で働く、請求項
    1から32までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  34. 【請求項34】 後調整装置が事実上回転数零において
    働いている、請求項1から33までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  35. 【請求項35】 乗り上げテーパ部及び/又は対応乗り
    上げテーパ部もしくは対応乗り上げ区域を有していてケ
    ーシングに対して相対的に変位可能な後調整装置部分が
    ばね負荷されている、請求項1から34までのいずれか
    1項記載の摩擦クラッチ。
  36. 【請求項36】 ばね負荷が周方向の力を発生する、請
    求項35記載の摩擦クラッチ。
  37. 【請求項37】 対抗力を発生するセンサばねがその半
    径方向外寄り区域でケーシングに支持されている、請求
    項1から36までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  38. 【請求項38】 対抗力を発生するセンサばね用の支持
    区域がケーシングに設けられている、請求項1から37
    までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  39. 【請求項39】 クラッチディスクの摩擦ライニング間
    にライニングばね又はライニング代用ばねが設けられて
    いる、請求項1から38までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  40. 【請求項40】 クラッチディスクの摩擦ライニング間
    に設けられているライニングばねが、該ライニングばね
    のばね行程を介して、圧着用ダイヤフラムばねによって
    プレッシャプレートに及ぼされる力の行程−力特性に近
    似したばね行程−ばね力特性を有している(図18)、
    請求項1から39までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  41. 【請求項41】 摩擦クラッチが解離した状態におい
    て、圧着用ダイヤフラムばね又は摩擦クラッチを作動す
    るために必要な力が、−150〜150Nmのオーダー
    範囲内にある、請求項1から40までのいずれか1項記
    載の摩擦クラッチ。
  42. 【請求項42】 対応受圧板によってクラッチディスク
    を開放したのち圧着用ダイヤフラムばねが正のばね力−
    ばね行程挙動から負のばね力−ばね行程挙動へ移行す
    る、請求項1から41までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  43. 【請求項43】 回動不能にしかも軸方向に制限されて
    変位可能にケーシングに結合された加圧板を有する、特
    に自動車用の摩擦クラッチであって、ケーシングと加圧
    板との間に少なくとも1つの操作部材及び蓄力部材が設
    けられていて、この操作部材及び蓄力部材を介して加圧
    板が加圧板と受圧板、例えばはずみ車との間に締め付け
    可能なクラッチディスクの方向に負荷されていて、この
    場合、少なくともクラッチディスクの摩擦ライニングの
    摩耗を補償する後調整手段が設けられていていて、この
    後調整手段が操作部材又は蓄力部材と加圧板との間に設
    けられた摩耗補償装置を有していて、この摩耗補償装置
    がそれぞれ操作部材もしくは蓄力部材と加圧板との間で
    摩擦ライニングの摩耗状態に相応した軸方向の調節を行
    い、この場合、摩擦ライニングの実際の摩耗状態に相応
    する調節が得られた場合に、摩耗補償装置が加圧板に設
    けられた手段によってその後調整機能を制限される、請
    求項1から4までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  44. 【請求項44】 ケーシングと加圧板との間に軸方向で
    緊定された皿ばねが設けられていて、この皿ばねがケー
    シングによって支持されたリング状の支承部を中心とし
    て旋回可能でありかつ蓄力部材を形成するリング状の基
    体を有していて、この基体から、半径方向で内向きに延
    びる舌片が出発している、請求項1から43までのいず
    れか1項記載の記載の摩擦クラッチ。
  45. 【請求項45】 摩耗補償装置用の制限部材が、少なく
    とも1つの摩耗センサによって形成されていて、この摩
    耗センサが加圧板に対して移動可能なセンサ構成部材を
    有していて、このセンサ構成部材が軸方向で定置の構成
    部材に当接することによって加圧板の解離行程を制限し
    ている、請求項1から44までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチ。
  46. 【請求項46】 センサ構成部材が軸方向で移動可能で
    ありかつ軸方向に変位可能な構成部材、例えば加圧板に
    自動的な後調整装置を介して結合されていてかつ軸方向
    で定置の少なくとも1つの構成部材、例えばケーシング
    及び/又は受圧板に当接することによって後調整可能で
    ある、請求項45記載の摩擦クラッチ。
  47. 【請求項47】 移動可能なセンサ構成部材が当接範囲
    を有していて、この当接範囲が、摩擦クラッチが解離さ
    れた場合に補償装置の補償構成部材の対向当接範囲と協
    働する、請求項45又は46記載の摩擦クラッチ。
  48. 【請求項48】 移動可能なセンサ構成部材が、後調整
    装置を介して加圧板に支持されている、請求項45から
    47までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  49. 【請求項49】 補償装置が蓄力部材用の支え構成部材
    を有していてかつこの支え構成部材と加圧板との間に、
    摩擦クラッチが解離された場合に支え構成部材の自動的
    な摩耗後調整を生ぜしめかつクラッチが連結された場合
    に自己ロックされる調整機構が設けられている、請求項
    1から48までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  50. 【請求項50】 支え構成部材が軸方向で加圧板から離
    反する方向で移動可能で、かつ、軸方向で加圧板に対す
    る方向で係止可能である、請求項19記載の摩擦クラッ
    チ。
  51. 【請求項51】 補償装置が摩擦クラッチが解離された
    場合フリーホイールのように作用し、かつ、摩擦クラッ
    チが連結された場合自己ロックされる、請求項1から5
    0までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  52. 【請求項52】 補償装置がリング状の構成部材によっ
    て構成された補償構成部材を有している、請求項1から
    49までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  53. 【請求項53】 リング状の構成部材がランプを介して
    加圧板に対して支持されている、請求項52記載の摩擦
    クラッチ。
  54. 【請求項54】 ランプが対向ランプと協働している、
    請求項53記載の摩擦クラッチ。
  55. 【請求項55】 ランプと対向ランプとがばねを介して
    互いに緊定されている、請求項54記載の摩擦クラッ
    チ。
  56. 【請求項56】 リング状の構成部材がU字形横断面の
    中空の薄板成形部材として構成されていて、この場合、
    構成部材の自由空間内にランプを形成する周方向に亘っ
    て分配されたくさび状の構成部材が収容されている、請
    求項52から55までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  57. 【請求項57】 くさび状の構成部材がリング状の構成
    部材に対して回動を防止されている、請求項56記載の
    摩擦クラッチ。
  58. 【請求項58】 くさび状の構成部材がリング状の構成
    部材に対して軸方向に移動可能である、請求項56又は
    57記載の摩擦クラッチ。
  59. 【請求項59】 対向ランプがくさび状の構成部材によ
    って構成されていて、この構成部材が少なくとも部分的
    にリング状の補償構成部材によって取り囲まれた自由空
    間内に係合していてかつ加圧板及び補償構成部材に対し
    て回動可能である、請求項54から58までのいずれか
    1項記載の摩擦クラッチ。
  60. 【請求項60】 補償構成部材が加圧板に対して回動を
    防止されている、請求項47から59までのいずれか1
    項記載の摩擦クラッチ。
  61. 【請求項61】 対向ランプがランプの方向にばね負荷
    されている、請求項53から60までのいずれか1項記
    載の摩擦クラッチ。
  62. 【請求項62】 ばね負荷がランプ及び対向ランプを形
    成する構成部材の間に緊定されたばね、例えばコイルば
    ねによって行われる、請求項61記載の摩擦クラッチ。
  63. 【請求項63】 対向ランプを形成する構成部材が軸方
    向でランプを形成する構成部材と補償構成部材との間に
    少なくとも部分的に収容されている、請求項53から6
    2までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  64. 【請求項64】 少なくともランプ及び対向ランプを緊
    定するばねの端部範囲が、ランプ及び対向ランプを形成
    する構成部材によって案内されている、請求項53から
    63までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  65. 【請求項65】 ランプ及び/又は対向ランプを形成す
    る構成部材が熱絶縁された耐熱性の材料から形成されて
    いる、請求項53から64までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチ。
  66. 【請求項66】 ランプ及び/又は対向ランプを形成す
    る構成部材が耐熱性の材料、例えば熱可塑性又は熱硬化
    性のプラスチックから形成されている、請求項53から
    65までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  67. 【請求項67】 ランプ構成部材及び/又は対向ランプ
    構成部材を形成する材料が高い摩擦値を有している、請
    求項53から66までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  68. 【請求項68】 クラッチが解離された場合、皿ばねに
    よる加圧板負荷の直径範囲で皿ばね行程が制限部材によ
    って決められた加圧板の持ち上げ行程よりも大きく設計
    されている、請求項1から66までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  69. 【請求項69】 それぞれの解離行程において補償装置
    が負荷軽減される、請求項68記載の摩擦クラッチ。
  70. 【請求項70】 補償装置が互いに接触する2つのラン
    プ装置を有していて、この場合、一方のランプ装置が加
    圧板に対して回動不能でありかつ他方のランプ装置が蓄
    力部材によって負荷される補償構成部材に対して回動不
    能であり、この場合、補償構成部材が加圧板に対して回
    動可能である、請求項1から69までのいずれか1項記
    載の摩擦クラッチ。
  71. 【請求項71】 回動不能にしかも軸方向に制限されて
    変位可能にケーシングに結合された加圧板を有する、特
    に自動車用の摩擦クラッチであって、ケーシングと加圧
    板との間に圧着皿ばねが軸方向で緊定されていて、この
    圧着皿ばねが一方ではケーシングによって支持されたリ
    ング状の旋回支承部を中心として旋回可能でありかつ他
    方では加圧板を加圧板と受圧板、例えばはずみ車との間
    に締め付け可能なクラッチディスクの方向に負荷してい
    て、この場合、クラッチディスクの摩擦ライニングの摩
    耗を補償する後調整手段が設けられている形式のものに
    おいて、圧着皿ばねと加圧板との間に摩耗補償装置が設
    けられていて、この摩耗補償装置が軸方向で移動可能
    な、圧着皿ばねによって負荷された少なくとも1つの補
    償構成部材を有していて、更に加圧板の軸方向の解離行
    程が加圧板と軸方向で定置の少なくとも1つの構成部材
    との間で作用する制限部材によって制限されかつ少なく
    ともほぼコンスタントに維持されていて、制限部材が、
    少なくとも摩擦クラッチが解離された場合、加圧板に対
    する補償構成部材の軸方向移動を制限していることを特
    徴とする、摩擦クラッチ。
  72. 【請求項72】 加圧板を有する摩擦クラッチにおい
    て、前記加圧板が、ハウジングと、回動不能にかつ軸方
    向に制限移動可能に結合されており、そのさいハウジン
    グと加圧板との間に少なくとも1個の押圧ばねが作用し
    ており、この押圧ばねが加圧板に対し、加圧板と対応加
    圧板、たとえばはずみ車との間に挟付け可能のクラッチ
    板の方向へ負荷を与えており、更に、クラッチ板の摩擦
    ライニングの摩耗を補償する後調整装置が備えられ、こ
    の装置が、押圧ばねによる加圧板の事実上一様な負荷を
    生ぜしめ、かつまた摩擦クラッチが、クラッチ断続用の
    操作手段と、リリース過程中に、摩擦クラッチないしク
    ラッチ板により伝達可能なトルクを、操作手段の操作距
    離の一部の区域にわたって漸減させる調整装置とを有す
    る、請求項1から72までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  73. 【請求項73】 クラッチのリリース過程中に、摩擦ク
    ラッチの伝達可能なトルクを、押圧ばねにより負荷され
    る加圧板区域の軸方向変位距離の一部分にわたって漸減
    させる調整装置を備えている、請求項1から72までの
    いずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  74. 【請求項74】 前記調整装置が、操作手段ないし押圧
    ばねと、ハウジングの取付け区域との間の力の流れの途
    中に、それも対応加圧板のところに備えられている、請
    求項72又は73記載の摩擦クラッチ。
  75. 【請求項75】 前記調整装置が、操作手段ないし押圧
    ばねと加圧板の摩擦面との間の力の流れの途中に備えら
    れている、請求項1から74までのいずれか1項記載の
    摩擦クラッチ。
  76. 【請求項76】 前記調整装置が軸方向にクラッチ板の
    摩擦ライニングの間に備えられている、請求項1から7
    5までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  77. 【請求項77】 前記調整装置が、クラッチ構成部品間
    の軸方向の弾力的なたわみを可能にし、しかも、前記装
    置の配置形式によって、クラッチが切られている場合に
    は、前記装置に作用する力が最小となるようにされ、か
    つクラッチが入れられる場合には、前記装置に作用する
    力が徐々に最大値まで上昇するようにされており、その
    さいこの上昇が、クラッチが入れられるさいの変位距離
    の少なくとも一部分にわたって行なわれる、請求項1か
    ら76までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  78. 【請求項78】 前記調整装置が、摩擦クラッチの伝達
    可能なトルクを、操作手段の操作距離の少なくともほぼ
    40〜70%にわたり徐々に増減させる、請求項1から
    77までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  79. 【請求項79】 前記押圧ばねが、摩擦クラッチのリリ
    ース過程時の変位距離の少なくとも一部分にわたって力
    ・距離の漸減的な推移を有する、請求項1から78まで
    のいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  80. 【請求項80】 前記押圧ばねが皿ばねにより形成され
    ており、この皿ばねの一端は、ハウジングにより保持さ
    れた環状旋回支承部を中心として旋回可能であり、他端
    は加圧板に負荷を与える、請求項1から79までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  81. 【請求項81】 前記皿ばねが環状のボディを有してお
    り、このボディから内方へ舌状部が延び、これらの舌状
    部が操作手段を形成している、請求項80記載の摩擦ク
    ラッチ。
  82. 【請求項82】 前記皿ばねが、ハウジングのところの
    2つの支持部材の間に旋回可能に支えられている、請求
    項80又は81記載の摩擦クラッチ。
  83. 【請求項83】 前記皿ばねが、力・距離の正弦特性線
    を有し、かつ摩擦クラッチが入れられた状態では皿ばね
    の操作点が力の第1の最大値に続く漸減特性線域に設け
    られており、かつまた皿ばねが、力の第1最大値とそれ
    に続く最小値との間で約1:0.4〜1:0.7の力の
    比を有している、請求項79から82までのいずれか1
    項記載の摩擦クラッチ。
  84. 【請求項84】 前記操作手段に作用するクラッチ・リ
    リースシステムを介して操作可能であり、しかもこのシ
    ステムがアクセルペダルに似た構成のクラッチペダルを
    有する、請求項1から83までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチを有する自動車。
  85. 【請求項85】 加圧板を有するプレハブ式クラッチユ
    ニットにおいて、加圧板が回動不能かつ軸方向に制限さ
    れた距離だけ移動可能に対応加圧板と結合されており、
    そのさい、ハウジングに支えられている少なくとも1個
    の押圧ばねが、加圧板と対応加圧板との間に挟付け可能
    のクラッチ板の方向に加圧板に負荷を与え、更に、クラ
    ッチ板の摩擦ライニングの少なくとも摩耗を補償する後
    調整装置が備えられ、この装置が、押圧ばねによる加圧
    板に対する事実上一様な力の負荷を生ぜしめ、更に、ク
    ラッチユニットがクラッチ断続用の操作手段と、前記押
    圧ばねと直列配置された少なくとも1つのばね手段を備
    えた装置とを有しており、この装置が、クラッチのリリ
    ース過程中に操作手段の操作距離の一部分にわたり、ク
    ラッチ板の伝達可能なトルクを漸減させることを特徴と
    する、プレハブ式クラッチユニット。
  86. 【請求項86】 加圧板を有するクラッチユニットにお
    いて、加圧板が、回動不能かつ軸方向に制限された距離
    だけ変位可能に対応加圧板と結合可能であり、そのさ
    い、少なくとも1つの押圧ばねが、加圧板と対応加圧板
    との間に挟付け可能のクラッチ板の方向に加圧板に負荷
    を与え、更に、クラッチ板の摩擦ライニングの少なくと
    も摩耗を補償する後調整装置が備えられ、この装置が、
    押圧ばねの力による加圧板の事実上一様の負荷を生ぜし
    め、かつまた摩擦クラッチが、クラッチ断続用操作手段
    と、リリース過程時に操作手段の操作距離の一部分にわ
    たって、摩擦クラッチないしクラッチ板の伝達可能のト
    ルクを漸減させる装置とを有しており、更に、対応加圧
    板が2質量はずみ車の一方の質量体の部分であり、これ
    らの質量体が、ねじり振動ダンパの作用に抗して互いに
    回転可能であり、更に他方の質量体が内燃機関の出力軸
    と結合可能であることを特徴とする、加圧板を有するク
    ラッチユニット。
  87. 【請求項87】 ハウジングが、破壊することなしには
    解離不能の継手を介して、対応加圧板により形成された
    回転質量と回転不能に結合されている、請求項86記載
    のクラッチユニット。
  88. 【請求項88】 ねじり振動ダンパが、半径方向でクラ
    ッチ板の最も外方の摩擦直径の外方に備えられている、
    請求項86又は87記載のクラッチユニット。
  89. 【請求項89】 内燃機関に用いられるクラッチユニッ
    トにおいて、加圧板を有する摩擦クラッチを含んでお
    り、加圧板が回転不能かつ軸方向に制限された距離だけ
    変位可能に対応加圧板と結合されており、更に、少なく
    とも1個の押圧ばねが、加圧板と対応加圧板、たとえば
    はずみ車との間に挟付け可能のクラッチ板の方向へ加圧
    板に負荷を与えるようにされ、更に、摩擦クラッチが、
    クラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を補償する後調整装
    置を有しており、この装置が、その有効寿命の間、押圧
    ばねの力による加圧板の事実上一様の負荷を生ぜしめる
    ようにされており、更に摩擦クラッチが、クラッチ断続
    用の操作手段に加えて、クラッチのリリース過程の間に
    操作手段の操作距離の一部分区域にわたって摩擦クラッ
    チないしクラッチ板の伝達可能なトルクを漸減させる装
    置を有しており、そのさい、摩擦クラッチは、軸方向に
    弾性的な構成部品を介して内燃機関の出力軸と結合可能
    であり、この構成部品の剛度は、出力軸を介して摩擦ク
    ラッチに励起される軸方向振動及びタンブリングないし
    曲げ振動が、弾性的な構成部品により減衰ないし抑制さ
    れることにより、摩擦クラッチの、特にその後調整装置
    の申し分のない機能が保証されるように選定されている
    ことを特徴とする、内燃機関に用いられるクラッチユニ
    ット。
  90. 【請求項90】 前記構成部品の剛度が、クラッチのリ
    リースに要する操作力を、クラッチユニットの著しい軸
    方向移動なしに前記構成部品により支え得る値に選定さ
    れていることを特徴とする、請求項89記載のクラッチ
    ユニット。
  91. 【請求項91】 前記調整装置が、押圧ばねと直列に配
    置されているばね手段を有する、請求項89又は90に
    記載のクラッチユニット。
  92. 【請求項92】 前記対応加圧板が、ねじり振動ダンパ
    を介して内燃機関の出力軸と結合されている、請求項8
    9から91までのいずれか1項記載のクラッチユニッ
    ト。
  93. 【請求項93】 駆動ユニットにおいて、自動式又は半
    自動式の変速機と、駆動エンジン・変速機間に配置さ
    れ、少なくとも、変速機の操作に応じて制御(ないし調
    整)されながら操作可能の、加圧板を有する摩擦クラッ
    チとから成り、この加圧板が、回動不能かつ軸方向に制
    限された距離だけ移動可能に駆動エンジンの出力軸に結
    合可能の対応加圧板と連結されており、更に、加圧板と
    対応加圧板、たとえばはずみ車との間に挟付け可能のク
    ラッチ板の方向に加圧板に負荷を与える少なくとも1個
    の押圧ばねが備えられており、更にまた、クラッチ板の
    摩擦ライニングの少なくとも摩耗を補償する後調整装置
    が備えられ、この装置が押圧ばねの力により加圧板に対
    する事実上一様な負荷を生ぜしめ、更には、摩擦クラッ
    チ断続用の操作手段と、摩擦クラッチのリリース過程中
    に、摩擦クラッチないしクラッチ板の伝達可能なトルク
    を、操作手段の操作距離の一部分にわたり漸減させる装
    置とが備えられていることを特徴とする、駆動ユニッ
    ト。
  94. 【請求項94】 前記押圧ばねが、クラッチのリリース
    過程時の移動距離の少なくとも一部分にわたり漸減的な
    力・距離特性線の推移を生ぜしめる、請求項93記載の
    駆動ユニット。
  95. 【請求項95】 前記調整装置が、操作手段及び又は加
    圧板の操作距離の少なくともほぼ40〜70%にわた
    り、摩擦クラッチの伝達可能なトルクを徐々に増減せし
    める、請求項93又は94に記載の駆動ユニット。
  96. 【請求項96】 クラッチ装置であって、回動不能に、
    しかし軸方向に限定的に移動可能にカウンタープレッシ
    ャープレートと結合できるプレッシャープレートを有
    し、しかも少なくとも1つの圧着ばねが、前記プレッシ
    ャープレートをこのプレッシャープレートと前記カウン
    タープレッシャープレートとの間で締め付けることので
    きるクラッチディスクに向かって押し付けており、さら
    に前記クラッチディスクの摩擦ライニングの摩耗を補償
    する調整装置が設けられており、この調整装置が前記圧
    着ばねによって前記プレッシャープレートに対して事実
    上一定の力を作用させ、摩擦クラッチが解離および接続
    のための操作手段を有し、該操作手段は、レリーズ手段
    によって軸方向に移動できるレリーズ機構を介して操作
    され得るようになっており、前記操作手段が少なくとも
    摩擦ライニングの摩耗に応じて解離動作方向で軸方向に
    移動すようになっていて、前記レリーズ手段と前記操作
    手段との間の力経路内に前記操作手段の軸方向移動を少
    なくともほぼ補償する装置が設けられている、請求項1
    から95までのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  97. 【請求項97】 前記レリーズ機構と前記操作手段との
    間に補償装置が設けられている、請求項1から96まで
    のいずれか1項記載のクラッチ装置。
  98. 【請求項98】 前記摩擦クラッチが、前記カウンター
    プレッシャープレートに固定されたケーシング、たとえ
    ば金属板カバーを有し、このケーシングがレリーズ機構
    に向いた底部を備え、さらに前記補償装置を軸方向で前
    記操作手段と前記底部との間に緊定できる、請求項1か
    ら97までのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  99. 【請求項99】 前記圧着ばねが軸方向でクラッチケー
    シングとプレッシャープレートとの間に緊定できる皿ば
    ねによって形成されており、この皿ばねがばね弾性的な
    リング状の基体と、この基体から半径方向内側に延びて
    前記操作手段を形成している舌片とを有する、請求項1
    から98までのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  100. 【請求項100】 前記補償装置が軸方向に上昇してい
    る調整ランプを有する、請求項1から99までのいずれ
    か1項記載のクラッチ装置。
  101. 【請求項101】 前記調整ランプが少なくとも1つの
    リング状の部材に設けられている乗り上げ傾斜面によっ
    て形成されている、請求項1から100までのいずれか
    1項記載のクラッチ装置。
  102. 【請求項102】 前記調整ランプが、前記乗り上げ傾
    斜面と協働する対向乗り上げ傾斜面を包含している、請
    求項100または101記載のクラッチ装置。
  103. 【請求項103】 前記対向乗り上げ傾斜面もリング状
    の部材によって支持されている、請求項1から102ま
    でのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  104. 【請求項104】 前記調整ランプを有する部材が軸方
    向に移動できる、請求項100から103までのいずれ
    か1項記載のクラッチ装置。
  105. 【請求項105】 前記乗り上げ傾斜面と前記対向乗り
    上げ傾斜面を支持している部材が、互いに相対的に回動
    可能である、請求項101から104までのいずれか1
    項記載のクラッチ装置。
  106. 【請求項106】 傾斜面または対向乗り上げ傾斜面を
    有する前記部材の1つが、前記摩擦クラッチに対して回
    転しないようになっている、請求項101から105ま
    でのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  107. 【請求項107】 前記調整ランプが、前記調整ランプ
    の摩擦接続によってセルフロッキングを引き起こすよう
    な傾斜角度を有する、請求項100から106までのい
    ずれか1項記載のクラッチ装置。
  108. 【請求項108】 前記調整ランプの傾斜角度が5°〜
    20°、好ましくは7°〜11°程度である、請求項1
    00から107までのいずれか1項記載のクラッチ装
    置。
  109. 【請求項109】 前記乗り上げ傾斜面および/または
    前記対向乗り上げ傾斜面を支持している少なくとも1つ
    の部材が、調整方向にばね作用を受けている、請求項1
    01から108までのいずれか1項記載のクラッチ装
    置。
  110. 【請求項110】 前記乗り上げ傾斜面を有する部材お
    よび/または前記対向乗り上げ傾斜面を有する部材が、
    これらの部材の間に設けられている少なくとも1つの力
    貯蔵手段、たとえばコイルばねによって調整方向に作用
    を受けるか緊定されている、請求項101から109ま
    でのいずれか1項記載のクラッチ装置。
  111. 【請求項111】 解離動作を制限する装置が設けられ
    ている、請求項1から110までのいずれか1項記載の
    クラッチ装置。
  112. 【請求項112】 前記装置が少なくとも1つの制限ス
    トッパーを有する、請求項111記載のクラッチ装置。
  113. 【請求項113】 前記制限装置がレリーズ機構とクラ
    ッチカバーとの間で作動する、請求項111または11
    2記載のクラッチ装置。
  114. 【請求項114】 前記レリーズ機構がレリーズベアリ
    ングを有し、前記ストッパーが摩擦クラッチと一緒に回
    転するベアリングリングとクラッチカバーとの間で作動
    する、請求項111から113までのいずれか1項記載
    のクラッチ装置。
  115. 【請求項115】 前記制限装置がトランスミッション
    側に設けられた前記レリーズ機構のためのガイドパイプ
    と前記レリーズ機構との間に設けられている、請求項1
    11から114までのいずれか1項記載のクラッチ装
    置。
  116. 【請求項116】 解離動作の間に前記摩擦クラッチも
    しくは前記クラッチディスクから伝達されるトルクを、
    前記操作手段の操作行程の一部にわたって徐々に解消さ
    せる手段が設けられている、請求項1から115までの
    いずれか1項記載のクラッチ装置。
  117. 【請求項117】 皿ばねによって形成された圧着ばね
    が2つのサポートの間で旋回可能にクラッチケーシング
    に支持されており、これらのサポートのうちプレッシャ
    ープレートに向いているサポートが圧着ばねに向かって
    ばね弾性的に負荷されており、しかも摩擦クラッチを解
    離するときにばね弾性的に負荷されている前記サポート
    に対して皿ばねによって及ぼされる力が、ライニングが
    摩耗すると増加して、ばね弾性的に負荷されている前記
    サポートに作用する力を上回るようになっている、請求
    項1から116までのいずれか1項記載のクラッチ装
    置。
  118. 【請求項118】 ばね弾性的に負荷されている前記サ
    ポートが軸方向に移動できる、請求項117記載のクラ
    ッチ装置。
  119. 【請求項119】 圧着皿ばねの解離力が増加すると、
    ばね作用を受けている前記サポートがプレッシャープレ
    ート方向に移動する、請求項117または118記載の
    クラッチ装置。
  120. 【請求項120】 ばね作用を受けている前記サポート
    が移動すると、圧着皿ばねに対する解離力が減少する、
    請求項117から119までのいずれか1項記載のクラ
    ッチ装置。
  121. 【請求項121】 ばね作用を受けている前記サポート
    が、前記サポートに作用する最大解離力とこのサポート
    に及ぼされる対向力との間で力の平衡が生じるまで移動
    する、請求項117から120までのいずれか1項記載
    のクラッチ装置。
  122. 【請求項122】 前記圧着皿ばねが解離行程範囲の少
    なくとも一部にわたって下降する力特性曲線を有する、
    請求項117から121までのいずれか1項記載のクラ
    ッチ装置。
  123. 【請求項123】 ばね作用を受けている前記サポート
    に及ぼされる対向力が力貯蔵手段によって作られ、この
    力貯蔵手段が所定の調整範囲にわたって一定の力を有す
    る、請求項117から122までのいずれか1項記載の
    クラッチ装置。
  124. 【請求項124】 軸方向にたわみ、もしくは移動でき
    るサポートが、力センサーとして働く皿ばねの作用を受
    けている、請求項117から123までのいずれか1項
    記載のクラッチ装置。
  125. 【請求項125】 押圧板が回転不能ではあるが、軸方
    向に制限されて移動可能にケーシングと結合されてお
    り、ケーシングと押圧板との間に皿ばねが作用してお
    り、該皿ばねによって押圧板が押圧板と対応押圧板との
    間に締込まれるクラッチ板の方向に負荷可能であり、ク
    ラッチが作動手段を介して接続・遮断可能であり、かつ
    クラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する
    後調節装置を備えており、後調節装置が同じ構成部分
    (カバー、押圧板)の上に保持された、互いに半径方向
    の間隔において配置された2つのリングを有し、該リン
    グがそれぞれ、搬送手段の影響のもとで周方向に回動可
    能な後調節装置、例えばランプ装置の作用下で軸方向で
    皿ばねに向かって移動可能である、特に請求項1から1
    24までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  126. 【請求項126】 皿ばねが第1の半径方向の範囲で、
    クラッチが接続された状態で、第1のリング━摩擦補償
    リング━に対して支えられており、その際にその後調節
    装置の回動が防止されている、請求項1から125まで
    のいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  127. 【請求項127】 第2のリング━摩擦フィーラリング
    ━の後調節装置がセンサを有する、回動を防止する抑止
    装置の作用に晒されており、該抑止装置の作用が摩擦ク
    ラッチが接続された状態でかつ摩耗した場合に除かれる
    ようになっており、これによって第2のリングが後調節
    装置の適当な回動によって摩耗に相応する軸方向の移動
    を可能であって、クラッチの遮断の間には抑止装置の作
    用がある、請求項1から126までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  128. 【請求項128】 第1のリングの後調節装置が、先に
    行われた第2のリングの後調節装置の回動のあとでかつ
    これに相応して、摩耗に続く遮断過程に際して回動のた
    めにロック装置から解放可能である、請求項125から
    127までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  129. 【請求項129】 リング自体がランプを有し、周方向
    に作用する蓄力器に晒されている、請求項1から128
    までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  130. 【請求項130】 抑止装置の作用が、摩耗に関連して
    行われる皿ばねの円錐性の変化に関連して除かれる、請
    求項1から129までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  131. 【請求項131】 抑止装置の作用が摩耗に関連して行
    われる押圧板の軸方向の位置の変化に関連して除かれ
    る、請求項1から130までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  132. 【請求項132】 後調節装置がクラッチカバーと皿ば
    ねとの間で有効である、請求項1から131までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  133. 【請求項133】 後調節装置が皿ばねと押圧板との間
    で有効である、請求項1から131までのいずれか1項
    記載の摩擦クラッチ。
  134. 【請求項134】 後調節装置がクラッチカバーと皿ば
    ねとの間の軸方向の構成スペースに設けられている、請
    求項132記載の摩擦クラッチ。
  135. 【請求項135】 後調節装置が皿ばねと押圧板との間
    の軸方向の構成スペースに設けられている、請求項13
    3記載の摩擦クラッチ。
  136. 【請求項136】 両方のリングが摩擦クラッチの、回
    転不能な、軸方向に移動可能な構成部材、例えば押圧板
    によって保持されている、請求項1から135までのい
    ずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  137. 【請求項137】 両方のリングが摩擦クラッチの、軸
    方向に不動な構成部材、例えばカバーに保持されてい
    る、請求項1から136までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  138. 【請求項138】 センサ自体が抑止装置を形成してい
    る、請求項1から137までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  139. 【請求項139】 抑止装置の作用を摩擦クラッチの遮
    断過程に応じて強めることができる、請求項1から13
    8までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  140. 【請求項140】 摩擦クラッチが接続された状態で、
    摩擦フィーラリングの軸方向の後調節を、その後調節装
    置を周方向に回動させることによってかつ皿ばねの円錐
    性の変化又はカバーに対する押圧板の軸方向の位置の変
    化に関連して許す摩耗センサが、軸方向に弾性的に従動
    する少なくとも1つの部材から成っており、該部材が摩
    擦クラッチが接続された状態及び新しい状態で又は後調
    節装置が摩耗に相応して後調節された状態で、力成分で
    クラッチ構成部材の1つ及び第2のリングに支持され
    て、該リング、周方向に有効な搬送装置の作用及び質量
    の作用下にあるリングが回動し、ひいては軸方向に移動
    することが阻止され、皿ばねの円錐性が摩耗に基づき変
    化した場合又は摩擦クラッチが接続された状態で押圧板
    の軸方向の位置が変化した場合にはセンサの支持範囲が
    第2のリングの負荷を少なくとも軽減するか又は第2の
    リングを持上げ、該リングが搬送装置により回動させら
    れ、ひいては軸方向に移動させられる、請求項1から1
    39までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  141. 【請求項141】 センサが弾性的な、板ばね又は皿ば
    ね状の構成部材によって形成されている、請求項1から
    140までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  142. 【請求項142】 センサが弾性的にバイアスをかけら
    れた構成部材によって形成されている請求項141記載
    の摩擦クラッチ。
  143. 【請求項143】 センサが皿ばねの上に固定されてい
    る、請求項142記載の摩擦クラッチ。
  144. 【請求項144】 センサが1つの半径方向の範囲で皿
    ばねに枢着されており、他の半径方向の範囲で第2のリ
    ングに支持されている、請求項1から143までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  145. 【請求項145】 センサが第3の範囲で付加的に皿ば
    ねに支持されている、請求項1から144までのいずれ
    か1項記載の摩擦クラッチ。
  146. 【請求項146】 センサがカバーにしっかり枢着され
    ており、第2のリングに向き合ったセンサの支持範囲が
    カバーのストッパ範囲に、遮断に際して橋絡可能な間隔
    で向き合っている、請求項1から145までのいずれか
    1項記載の摩擦クラッチ。
  147. 【請求項147】 センサが摩耗フィーラリングに設け
    られている、請求項1から146までのいずれか1項記
    載の摩擦クラッチ。
  148. 【請求項148】 摩耗フィーラリングを有するセンサ
    が互いに軸方向で弾性的にバイアスのかけられた2つの
    平行なリンクから成っている、請求項147記載の摩擦
    クラッチ。
  149. 【請求項149】 摩耗フィーラリングが弾性的な構成
    部材から成っている、請求項1から148までのいずれ
    か1項記載の摩擦クラッチ。
  150. 【請求項150】 摩耗フィーラリングが波形ばね状に
    成形された部分から構成されている、請求項1から14
    9までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  151. 【請求項151】 後調節リングの少なくとも1つのた
    めの搬送手段がばねによって形成されている、請求項1
    から150までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  152. 【請求項152】 少なくとも1つのばねがリングを保
    持する構成部材に支えられている、請求項151記載の
    摩擦クラッチ。
  153. 【請求項153】 両方のリングのばねが直列に接続さ
    れている、請求項152記載の摩擦クラッチ。
  154. 【請求項154】 第1又は第2のリングのための一方
    のばねがリングを保持する構成部材に支えられ、第2又
    は第1のリングのための他方のばねが一方のリングに支
    えられている、請求項153記載の摩擦クラッチ。
  155. 【請求項155】 リングを保持する構成部材に一方の
    リングを支えるばねが、他方のリングのばねより強い、
    請求項151から154までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  156. 【請求項156】 第2のリングの回動が行われたあと
    ではじめて第1のリングの回動を解放するロック装置
    が、第2のリングのストッパ突起により形成されてお
    り、該ストッパ突起に、第1のリングの、周方向で見て
    あとを追う突起が向き合っている、請求項1から155
    までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  157. 【請求項157】 クラッチの遮断された状態で第2の
    リングが回動しないようにロックされている、請求項1
    から156までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  158. 【請求項158】 クラッチの接続された状態で第2の
    リングが、構成部分のストッパ範囲から、遮断状態で橋
    絡可能な軸方向の間隔を有し、前記構成部材と第2のリ
    ングとの間で軸方向の相対運動が行われる、請求項1か
    ら157までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  159. 【請求項159】 皿ばねが遮断されて旋回させられた
    状態で第2のリングの上に支持されている、請求項15
    7記載の摩擦クラッチ。
  160. 【請求項160】 第2のリングが遮断状態でカバーに
    対して押されている、請求項157又は158記載の摩
    擦クラッチ。
  161. 【請求項161】 押圧板に設けられた第2のリングが
    ━遮断されかつ軸方向に移動させられた状態で━皿ばね
    に対して押されている、請求項1から160までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  162. 【請求項162】 押圧板に設けられた第2のリングが
    ━遮断されかつ軸方向に移動させられた状態で━カバー
    に対して押されている、請求項1から161までのいず
    れか1項記載の摩擦クラッチ。
  163. 【請求項163】 第1のリングと第2のリングとの間
    の半径方向の間隔(L2)が、第1のリングにおける皿
    ばね支持部と対向する構成部材における皿ばね支持部と
    の間の間隔の30%よりも大きい、請求項1から162
    までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  164. 【請求項164】 第1のリングと第2のリングとの間
    の半径方向の間隔が第1のリングにおける皿ばね支持部
    と対向する構成部材における皿ばね支持部との間の間隔
    とも少なくともほぼ同じである、請求項1から163ま
    でのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  165. 【請求項165】 センサのばね距離がクラッチ押圧板
    の離反距離と少なくともほぼ同じである、請求項1から
    164までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  166. 【請求項166】 クラッチ押圧板の離反距離(SD
    に対するセンサのばね距離(S)がS<=SD×(L
    2:L1)の比を形成している、請求項1から164ま
    でのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  167. 【請求項167】 クラッチがいわゆる引張型クラッチ
    を形成しており、単腕のレバーとして作用する皿ばねを
    有し、第2のリングが第1のリングの半径方向内側に配
    置されており、両方のリングが軸方向で皿ばねとカバー
    との間に設けられている、請求項1から166までのい
    ずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  168. 【請求項168】 クラッチがいわゆる引張型クラッチ
    を形成し、単腕レバーとして作用する皿ばねを有し、第
    2のリングが第1のリングの半径方向外側に配置され、
    両方のリングが皿ばねと押圧板との間に設けられてい
    る、請求項1から167までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  169. 【請求項169】 クラッチがいわゆる押圧型クラッチ
    を形成し、2腕レバーとして作用する皿ばねを有し、第
    2のリングが第1のリングの半径方向内側に配置され、
    両方のリングが軸方向で皿ばねと押圧板との間に設けら
    れている、請求項1から160までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  170. 【請求項170】 クラッチがいわゆる押圧型クラッチ
    を形成し、2腕レバーとして作用する皿ばねを有し、第
    2のリングが第1のリングの半径方向外側に配置され、
    両方のリングが軸方向で皿ばねとカバーとの間に配置さ
    れている、請求項1から160までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  171. 【請求項171】 後調節装置のための対応ランプがク
    ラッチカバーに押込み変形されたランプによって形成さ
    れている、請求項1から170までのいずれか1項記載
    の摩擦クラッチ。
  172. 【請求項172】 個々のランプの間でカバー材料に透
    し孔が設けられている、請求項154記載の摩擦クラッ
    チ。
  173. 【請求項173】 後調節装置のための対応ランプが押
    圧板におけるランプによって形成されている、請求項1
    69記載の摩擦クラッチ。
  174. 【請求項174】 押圧板におけるランプが個々のラン
    プが押込み変形されている薄板部分により形成されてい
    る、請求項173記載の摩擦クラッチ。
  175. 【請求項175】 押圧板とランプを保持する構成部分
    との間に半径方向に延びる通路が設けられている、請求
    項174記載の摩擦クラッチ。
  176. 【請求項176】 一方のリング━摩擦補償リング━が
    同時に皿ばねのための旋回支承部を有している、請求項
    1から175までのいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
  177. 【請求項177】 押し作動されるクラッチであって、
    後調節装置が皿ばねとカバーとの間に配置され、皿ばね
    が後調節装置とは反対側において支持ばねで支えられて
    いる、請求項1から172までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチ。
  178. 【請求項178】 支持ばねがクラッチを遮断する際
    に、皿ばねの旋回支持部を遮断距離の第1の部分のため
    に形成している、請求項1から177までのいずれか1
    項記載の摩擦クラッチ。
  179. 【請求項179】 皿ばねが外縁でフィーラリングに支
    持され、遮断距離の第2の部分においてフィーラリング
    における支持部を中心として旋回させられるようになっ
    ており、皿ばねが第1のリングの支持部から離れかつ支
    持ばねが押圧板に向かって弾性的に変形される、請求項
    178記載の摩擦クラッチ。
  180. 【請求項180】 後調節装置が皿ばねと押圧板との間
    に配置され、押圧板がばねを介してカバーと緊定されて
    いる、請求項1から176までのいずれか1項記載の摩
    擦クラッチ。
  181. 【請求項181】 摩擦クラッチ、特に自動車用の摩擦
    クラッチであって、押圧板が回転不能ではあるが、軸方
    向に制限されて移動可能にケーシングと結合されてお
    り、ケーシングと押圧板との間に皿ばねが作用してお
    り、該皿ばねによって押圧板が押圧板と対応押圧板との
    間に締込まれるクラッチ板の方向に負荷可能であり、ク
    ラッチが作動手段を介して接続・遮断可能であり、かつ
    クラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する
    後調節装置を備えている形式のものにおいて、後調節装
    置がクラッチカバーと皿ばねとの間に設けられているこ
    とを特徴とする、摩擦クラッチ。
  182. 【請求項182】 押圧板が回転不能ではあるが、軸方
    向に制限されて移動可能にケーシングと結合されてお
    り、ケーシングと押圧板との間に皿ばねが作用してお
    り、該皿ばねによって押圧板が押圧板と対応押圧板との
    間に締込まれるクラッチ板の方向に負荷可能であり、ク
    ラッチが作動手段を介して接続・遮断可能であり、かつ
    クラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する
    後調節装置を備えており、後調節装置が互いに半径方向
    の間隔をおいて、同心的に設けられた2つのリングを有
    し、これらのリングが搬送手段の影響のもとで周方向に
    回動可能な後調節装置、例えばランプと対応ランプとを
    備えたランプ装置の作用下で軸方向に皿ばねの方向に移
    動可能であり、皿ばねが第1の半径方向の範囲でクラッ
    チが接続された状態で一方の第1のリング━摩耗補償リ
    ング━に支えられ、その際に該リングの後調節装置の回
    動を阻止しており、第2のリング━摩耗フィーラリング
    ━の後調節装置が、センサを有する、該センサが第2の
    リングに第1の半径方向範囲から離れた範囲に支持され
    ることによって回動を阻止する抑止装置の作用に晒され
    ており、該抑止装置の作用が、摩擦クラッチの摩耗及び
    摩擦クラッチの接続状態で少なくとも減少可能であり、
    これによって摩耗に相応する第2のリングの軸方向の移
    動が後調節装置の適当な回動によって可能にされ、摩擦
    クラッチの遮断の間は抑止装置の作用が強められる、特
    に請求項1から181までのいずれか1項記載の摩擦ク
    ラッチ。
  183. 【請求項183】 押圧板が回転不能ではあるが、軸方
    向に制限されて移動可能にケーシングと結合されてお
    り、ケーシングと押圧板との間に皿ばねが作用してお
    り、該皿ばねによって押圧板が押圧板と対応押圧板との
    間に締込まれるクラッチ板の方向に負荷可能であり、ク
    ラッチが作動手段を介して接続・遮断可能であり、かつ
    クラッチ板の摩擦ライニングの摩耗を自動的に補償する
    後調節装置を備えており、以下の特徴の少なくとも2つ
    の組合せ、すなわち、(イ) 後調節装置が互いに半径
    方向の間隔をおいて設けられた2つのリングを有し、該
    リングがそれぞれ、搬送手段の影響下で周方向に回動可
    能な後調節装置、例えばランプ装置の作用下で軸方向に
    皿ばねに向かって移動可能であること、(ロ) 皿ばね
    が第1の半径方向の範囲で、クラッチが接続された状態
    で一方の第1のリング━摩耗補償リング━に支えられ、
    その際に該リングの後調節装置の回動を阻止しているこ
    と、(ハ) 第2のリング━摩耗フィーラリング━の後
    調節装置が、センサを有する、回動を阻止する抑止装置
    の作用に晒されており、該抑止装置の作用が摩擦クラッ
    チの摩耗及び接続状態で除かれ得るようになっており、
    これによって第2のリングが摩耗に相応する軸方向の移
    動を、後調節装置の適当な移動により行うことができる
    ようになっており、摩擦クラッチの遮断の間は抑止装置
    の作用があること、(ニ) 第1のリングの後調節装置
    が摩耗に続く遮断過程に際して、先に行われた第2のリ
    ングの回動後にかつこれに相応して回動のためにロック
    装置によって解放可能であることを特徴とする、特に請
    求項1から482までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  184. 【請求項184】 クラッチディスクと共に使用され
    る、特に自動車用の摩擦クラッチであって、摩擦クラッ
    チが、軸方向に変位可能なプレッシャプレートにクラッ
    チディスク及び対応プレッシャプレート(例えばフライ
    ホイール)の方向にばね負荷を与える皿ばねのための旋
    回支持部を有しており、かつ少なくとも摩擦ライニング
    の摩耗を補償する装置を有している形式のものにおい
    て、プレッシャプレートにクラッチディスクがもはや又
    は殆んど負荷を与えないレリーズ距離をクラッチレリー
    ズ方向で少なくともほぼ経過した後、皿ばねの力にさら
    に別のばねエレメントの力が重畳され、その合力の力−
    距離特性曲線の経過が、皿ばねの力の力−距離特性曲線
    の経過に対して、均らされていることを特徴とする、請
    求項1から183までのいずれか1項記載の摩擦クラッ
    チ。
  185. 【請求項185】 クラッチディスクがライニングばね
    装置を備えたクラッチディスクであることを特徴とす
    る、請求項1から184までのいずれか1項記載の摩擦
    クラッチ。
  186. 【請求項186】 上記のさらに別のばねエレメントが
    補償ばねとしてクラッチ内に一体的に設けられているこ
    とを特徴とする、請求項1から185までのいずれか1
    項記載の摩擦クラッチ。
  187. 【請求項187】 補償ばねが皿ばねであることを特徴
    とする、請求項1から186までのいずれか1項記載の
    摩擦クラッチ。
  188. 【請求項188】 補償ばねが、プレッシャプレートに
    クラッチディスクがもはや又は殆んど負荷を与えないレ
    リーズ距離をレリーズ方向でほぼ経過した後に、皿ばね
    の力−距離特性とは異なる、例えば逆向きの力−距離特
    性を有することを特徴とする、請求項1から187まで
    のいずれか1項記載の摩擦クラッチ。
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