JPH05278053A - 加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形品の製造方法

Info

Publication number
JPH05278053A
JPH05278053A JP8372292A JP8372292A JPH05278053A JP H05278053 A JPH05278053 A JP H05278053A JP 8372292 A JP8372292 A JP 8372292A JP 8372292 A JP8372292 A JP 8372292A JP H05278053 A JPH05278053 A JP H05278053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
thermosetting resin
substrate
thermosetting
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8372292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP8372292A priority Critical patent/JPH05278053A/ja
Publication of JPH05278053A publication Critical patent/JPH05278053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆層の密着性が良好な加飾成形品を得るこ
とができる製造方法を提供する。 【構成】 基材の上に形成する被覆層の被覆材料とし
て、硬化時の屈折率が1.5〜1.6の範囲内にある熱
硬化性樹脂を用いる。この熱硬化性樹脂には、0.5〜
40μmの粒径のガラス粉末を1〜75重量%含有させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形法により、
表面に透明な層を有した深み感のある高級質な加飾成形
品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂等からなる成形
品の表面に透明な層を形成する方法としては、従来よ
り、金型の表面にゲルコートを塗布し、硬化させた後、
金型内に熱硬化性成形材料を投入し、この熱硬化性成形
材料を成形する方法がある。しかしながら、このような
方法では、ゲルコート樹脂に含まれる溶剤であるスチレ
ンの飛散が大きいため、作業環境が悪化する。また高温
下での作業に適さないため、硬化時間が長くなり、成形
品製造のサイクルタイムが長くなるという問題がある。
【0003】このような問題を解決する方法として、特
開平3−118120号公報には、加熱加圧成形で熱硬
化性成形材料が硬化または半硬化した状態の時に、金型
の内面と基材の表面との間に不飽和ポリエステル樹脂を
供給し、再度加熱加圧成形するという型内被覆成形方法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、基材表面と透明な被覆層との密着
性が十分に得られず、透明な被覆層が簡単に剥離してし
まうという問題があった。本発明の目的は、基材の表面
に密着性の良好な被覆層を形成することのできる加飾成
形品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性成形
材料を型内で加熱加圧し、硬化または半硬化状態の基材
を成形した後、熱硬化性樹脂組成物からなる被覆材料を
型内に注入し、再度加熱加圧成形して基材の上に被覆層
を形成する製造方法であり、被覆材料として、硬化時の
屈折率が1.5〜1.6の範囲にある熱硬化性樹脂に
0.5〜40μmの粒径のガラス粉末を1〜75重量%
含有させた熱硬化性樹脂組成物を用いることを特徴とし
ている。
【0006】本発明において、基材を構成するための熱
硬化性成形材料に用いる熱硬化性樹脂としては、熱分解
性のラジカル触媒を用いて二重結合を開裂付加反応させ
て3次元網目構造を形成することができる、分子内に反
応性二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル(エポキシアクリレート)樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂、2液ウレタンタイプの熱硬化性樹脂等を
用いることができる。これらの樹脂は、それぞれ、単独
で用いられてもよく、あるいは複数種を混合して用いら
れてもよい。
【0007】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等から製造
される。他方、上記ビニルエステル樹脂も、公知慣用の
方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル
酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸から製造
される。
【0008】また、上記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れる。
【0009】ここで、上記不飽和ポリエステル樹脂に用
いられる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロール及びこれらの混合物が挙げられるが、主
として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けら
れる。脂肪族ポリオールとして代表的なものには、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチル
グリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリットジアリルエーテル、水素化ビスフェノ
ールA等があり、また芳香族ポリオールとして代表的な
ものとしては、ビスフェノールAまたはビスフェノール
SあるいはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノ
ールSにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしく
はブチレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物
を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得ら
れるポリオキシアルキレンビスフェノールAまたはポリ
オキシアルキレンビスフェノールS等がある。
【0010】また前記脂肪族不飽和カルボン酸としては
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が前記脂肪族飽和カルボン酸としてはセバチン酸、アジ
ピン酸、(無水)コハク酸等が、前記芳香族カルボン酸
としては、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレ
ンテトラヒドロ無水フタル酸等が用いられる。
【0011】また、前記ビニルエステル樹脂に用いられ
るエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の方法に
ゆおりエピクロルヒドリン及びビスフェノールAから製
造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロル
ヒドリン及び臭素化ビスフェノールAから製造される臭
素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラックまたはオルトクレゾールノボラックをグリシジル
エーテル化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂、
各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて得られ
る、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグ
リシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テ
トラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジ
ル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミ
ノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオ
ルトトルイジン等のグリシジルアミン化合物が用いられ
る。
【0012】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエーテル
等、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシメチ
レン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよう
な有機ポリオール及びポリカルボン酸等により製造され
た、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール等
が用いられる。
【0013】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の用
いられるポリイソシアネートとしては、トルイレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルジイソシアネート等が用いられる。ま
た、前記ウレタンアクリレート樹脂に用いられるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基は通常アル
キル基のベータ位の炭素に結合している。アルキル基は
通常8個までの炭素原子を含むことができる。
【0014】また、前記2液ウレタンタイプの熱硬化性
樹脂に用いられるポリイソシアネート及びポリオールと
しては、前記ウレタンアクリレート樹脂の説明において
例示したもの等を用いることができる。また、本発明の
熱硬化性成形材料には、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフタ
レート、各種アクリレートモノマー、各種メタクリレー
トモノマー等の共重合性単量体や低収縮剤として、ポリ
酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ス
チレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステル
類、飽和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂を必要
に応じて適当量用いることができる。
【0015】さらに、本発明の熱硬化性成形材料には、
目的及び用途に応じて、適当量の無機充填剤を加えるこ
とができる。使用可能な無機充填剤としては、以下のよ
うなものがある。すなわち、硫黄、グラファイト、ダイ
ヤモンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱物、岩塩、カ
リ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の炭酸塩
鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等のバナジ
ン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カル
シウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰
チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、
葉ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱物、酸
化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニ
ウム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラ
ス製品等を中心とした天然または人工の鉱物またはそれ
を処理、精製あるいは加工したもの、及びそれらの混合
物が用いられる。また、上記充填剤は、熱硬化性樹脂1
00重量部に対して0〜300重量部の割合で添加され
るのが好ましい。添加量が300重量部を超えると充填
剤を樹脂及び単量体の中に均一に分散させることが困難
になり、また粘度が高くなりすぎるため型内での流動性
が低下し、寸法安定性が低下する。
【0016】また、本発明の熱硬化性成形材料では、補
強材として、各種補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素
繊維等を必要に応じて適当量加えることができる。さら
に、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、
ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、
ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド
類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パ
ーオキシケタール類等の公知の重合開始剤、ジメチルア
ニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化促進剤、パ
ラベンゾキノン等の重合禁止剤、カーボンブラック、酸
化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、アルミフレーク、
ニッケル粉、金粉、銀粉等の顔料、アゾ系染料やアント
ラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等の染料、
カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、ステアリ
ン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシチン等の
離型剤等を用途、目的に応じて適当量加えることができ
る。
【0017】本発明において、被覆層を構成する被覆材
料に用いられる熱硬化性樹脂としては、硬化時の屈折率
が1.5〜1.6の範囲内にある熱硬化性樹脂が用いら
れる。これは、熱硬化性樹脂内に添加されるガラス粉末
の屈折率(1.5〜1.6の範囲)にできるだけ近づけ
ることにより、被覆層の透明性を確保するためである。
熱硬化性樹脂の種類としては、上述の熱硬化性成形材料
と同様に、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂、2液ウレタンタイプの
熱硬化性樹脂等を用いることができる。これらは、それ
ぞれ単独で用いられてもよいし、複数種混合して用いら
れてもよい。また、さらに、充填剤、重合開始剤、硬化
促進剤、禁止剤、低収縮剤、及び離型剤等の添加剤が含
有されてもよい。
【0018】本発明では、硬化時の屈折率が1.5〜
1.6の範囲にある熱硬化性樹脂にガラス粉末を含有さ
せる。含有させるガラス粉末の粒径は、0.5〜40μ
mの範囲内のものである。粒径が1μmより小さくなる
と、個々の粒子の分散性が低下し、透明感を得ることが
困難となる。また粒径が40μmを超えると、被覆層の
厚みに対しガラス粉末の粒径が大きくなりすぎ、被覆層
を形成することが困難となる。本発明において、ガラス
粉末は、熱硬化性樹脂に対し1〜75重量%含有させ
る。含有量が1重量%未満であると、被覆層の基材表面
に対する密着性が十分に得られない。また含有量が75
重量%を超えると被覆材料の粘度が増加するため、基材
表面の全面を均一に被覆することが困難となる。本発明
で用いられるガラス粉末と熱硬化性樹脂とは、できるだ
け屈折率の近いものが用いられることが好ましいが、屈
折率がわずかでも異なる場合には、ガラス粉末の含有量
を増加させるに従い、透明性が低下する。従って、本発
明において、ガラス粉末の添加量はこれら被覆層の透明
性を考慮し、適宜調整されることが好ましい。
【0019】上記被覆層を形成する方法としては、従来
から公知の方法が用いられるが、例えば、130〜16
0℃に加熱された成形型内に熱硬化性成形材料をSMC
やBMCの形態としたものを投入し、40〜120kg
/cm2 の圧力で30秒〜5分間加圧して基材を成形す
る。次に、金型を僅かに開いて熱硬化性被覆材料を注入
し、次に5〜120kg/cm2 の圧力及び130〜1
60℃の温度で30秒〜5分間、再加熱・再加圧するこ
とにより、成形された基材の表面全体に熱硬化性被覆材
料を展延し、硬化させることにより被覆層が形成された
成形品を得ることができる。
【0020】また、特開昭61−273921号に開示
されている方法を利用することもでき、例えば、熱硬化
性成形材料をSMCやBMCの形態としたものを130
〜160℃、40〜120kg/cm2 で数十秒〜数分
間加圧して基材を成形する。次に、圧力を10〜30k
g/cm2 に減圧した状態で、高圧注入機を用いて10
0〜300kg/cm2 の高圧で熱硬化性被覆材料を成
形型内に注入し、再び、30〜100kg/cm2 に増
圧し、熱硬化性被覆材料を展延硬化させることにより、
被覆層が形成された成形品が得られる。本発明におい
て、基材は硬化または半硬化状態に成形されるが、被覆
層との密着性をより高めるという観点からは半硬化状態
に成形されることが好ましい。
【0021】
【作用】本発明に従う製造方法では、被覆材料として熱
硬化性樹脂にガラス粉末を含有させたものを用いてい
る。このため、被覆材料が硬化し、被覆層となった場合
の収縮率が小さく、内部応力が緩和される。このため、
被覆層の基材に対する密着性が向上する。また、本発明
では、硬化時の屈折率が1.5〜1.6の範囲にある熱
硬化性樹脂を用いており、添加するガラス粉末との屈折
率が近いため、被覆層の透明性を保ちながら基材との密
着性を改善させることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に従う実施例について具体的に
説明する。実施例 被覆材料 以下のものを混合し、十分攪拌して被覆材料を得た。 ・熱硬化性樹脂:(イソ系不飽和ポリエステル樹脂:武
田薬品社製、屈折率=1.558)100重量部 ・ガラス粉末:(商品名;コナックFMB5W001:
日東紡社製、粒径=2〜30μm、屈折率=1.55
3)10重量部 ・硬化剤:(t−ブチルパーオキシベンゾエート:化薬
アクゾ社製)1重量部
【0023】 熱硬化性成形材料 以下のものを混合し、基材となる熱硬化性成形材料を得
た。 ・熱硬化性樹脂:(イソ系不飽和ポリエステル樹脂:武
田薬品社製、屈折率=1.558)100重量部 ・ガラス粉末:(商品名;コナックFMB30W00
1:日東紡社製、粒径15〜70μm、屈折率=1.5
53)300重量部 ・硬化剤:(t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート:化薬アクゾ社製)1重量部 ・ステアリン酸亜鉛 3重量部 ・酸化マグネシウム 2重量部 ・ガラス繊維:(商品名;CS03IE803A:旭フ
ァイバーグラス社製)20重量部
【0024】成形品の形状としては、底面が300×3
00mmで厚み4mmの平板形状のものを成形した。プ
レス機としては、川崎油工社製の300トンプレスを用
い、金型を電気ヒーターで加温し、上型の温度を130
℃、下型の温度を115℃に設定して加熱加圧プレス成
形した。まず金型内に、上記の熱硬化性成形材料のバル
クモールディングコンパウンド(BMC)を600g載
置し、プレス圧90kg/cm2 で240秒間加圧成形
した後に、プレス圧20kg/cm2 に減圧した。その
5秒後に、上記の被覆材料を上金型の中央部からモレル
社製の注入機により15ml注入した。次いで、プレス
圧50kg/cm2 に昇圧し、150秒間加熱加圧して
被覆層を形成した成形品を得た。
【0025】得られた成形品は、透明層で覆われている
ため、深み感があり、表面も平滑であった。また表面の
鮮映値は0.8であった。得られた成形品の表面にカッ
ターナイフを用いて2mm間隔で素地に達する11本の
直線を引き、さらにそれに直行する11本の直線を引い
て碁盤目状にカッティングした。この碁盤目状の部分に
粘着テープを貼り付けた後、引き剥がし、碁盤目のます
の残存数を調べた(碁盤目密着試験)。その結果、10
0/100であり、この実施例の被覆層の密着性は良好
であった。
【0026】比較例1 被覆材料として、以下のものを混合したものを用いたこ
と以外、上記の実施例と同様にして成形品を得た。 ・熱硬化性樹脂:(イソ系不飽和ポリエステル樹脂:武
田薬品社製、屈折率=1.558)100重量部 ・硬化剤:(t−ブチルパーオキシベンゾエート:化薬
アクゾ社製)1重量部 得られた成形品は、透明層で覆われており、深み感があ
り、表面も平滑であった。表面の鮮映値は0.8であっ
たが、碁盤目密着試験の結果は62/100であり、被
覆層の基材に対する密着性が良好でなかった。
【0027】比較例2 被覆材料を注入せず、BMCをプレス圧90kg/cm
2 で300秒間加圧成形した以外は、上記の実施例と同
様にして成形品を得た。得られた成形品は、透明層で覆
われていないため、深み感がなく、ややくすんだ表面状
態であった。表面の鮮映値は0.1であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法に従えば、被覆層の熱
硬化の際の収縮率が小さく、内部応力が緩和されるた
め、被覆層の基材に対する密着性が向上する。また被覆
層に用いられている熱硬化性樹脂の屈折率がガラス粉末
と近い1.5〜1.6の範囲内にあるため、被覆層の透
明性が著しく低下することはない。従って、本発明に従
えば、深み感のある表面を有し、被覆層が基材と十分に
密着した高意匠性の成形品を高い生産性で得ることがで
きる。また、本発明で得られた成形品の表面は深み感が
あるだけでなく、ガラス粉末が添加された透明層である
ので表面硬度にも優れており、浴槽、洗面カウンター、
キッチンカウンター、テーブル等に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 9:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性成形材料を型内で加熱加圧し、
    硬化または半硬化状態の基材を成形した後、熱硬化性樹
    脂組成物からなる被覆材料を型内に注入し、再度加熱加
    圧成形して基材の上に被覆層を成形する加飾成形品の製
    造方法であって、 前記被覆材料として、硬化時の屈折率が1.5〜1.6
    の範囲にある熱硬化性樹脂に、0.5〜40μmの粒径
    のガラス粉末を1〜75重量%含有させた熱硬化性樹脂
    組成物を用いることを特徴とする、加飾成形品の製造方
    法。
JP8372292A 1992-04-06 1992-04-06 加飾成形品の製造方法 Pending JPH05278053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8372292A JPH05278053A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 加飾成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8372292A JPH05278053A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 加飾成形品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05278053A true JPH05278053A (ja) 1993-10-26

Family

ID=13810412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8372292A Pending JPH05278053A (ja) 1992-04-06 1992-04-06 加飾成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05278053A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014061590A1 (ja) * 2012-10-19 2016-09-05 東レ株式会社 絶縁膜の形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2014061590A1 (ja) * 2012-10-19 2016-09-05 東レ株式会社 絶縁膜の形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05278053A (ja) 加飾成形品の製造方法
JPH0586322A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JPH0532803A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品
JPH0598047A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JPH0559136A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品
JPH0693132A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JP2001288230A (ja) ゲルコートシート製造用硬化性樹脂組成物
JPH0584759A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JPH04202536A (ja) シート・モールディング・コンパウンド
JPH0586155A (ja) 型内被覆成形用樹脂組成物及び被覆成形品
JPH0586326A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品
JPH07233242A (ja) 型内被覆成形用被覆組成物
JPH05269774A (ja) 加飾成形品の製造方法
JPH04252233A (ja) 型内被覆成形用シートモールディングコンパウンド
JPH06256721A (ja) 型内被覆成形用被覆樹脂組成物の製造方法
JPH04163114A (ja) 型内被覆成形法
JPH06271815A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び型内被覆成形方法
JPH0710942A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
JPH05239255A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JPH03215529A (ja) 型内被覆用組成物
JPH06270155A (ja) 型内被覆用樹脂組成物
JPH0586151A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品
JPH04351624A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
JPH06304947A (ja) 型内被覆成形用樹脂材料及び型内被覆成形方法
JPH05239164A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品