JPH06256721A - 型内被覆成形用被覆樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

型内被覆成形用被覆樹脂組成物の製造方法

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JPH06256721A
JPH06256721A JP5049150A JP4915093A JPH06256721A JP H06256721 A JPH06256721 A JP H06256721A JP 5049150 A JP5049150 A JP 5049150A JP 4915093 A JP4915093 A JP 4915093A JP H06256721 A JPH06256721 A JP H06256721A
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JP
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resin composition
viscosity
coating
resin
pts
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JP5049150A
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English (en)
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型内被覆成形において、熱硬化性成形材料に
対し、色むらない均一の色調の被覆層を形成することの
できる型内被覆熱硬化性樹脂組成物を製造する。 【構成】 粘度が0.1ポイズ以上100ポイズ以下
(25℃)の低粘度熱硬化性樹脂組成物に着色顔料を分
散させて着色樹脂組成物とし、これに粘度が200ポイ
ズ以上2000ポイズ以下(25℃)の高粘度熱硬化性
樹脂を混合して粘度が150ポイズ以上550ポイズ以
下(25℃)の型内被覆樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において成形
材料上に被覆層を形成する型内被覆成形方法に用いる型
内被覆樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に非常に広く用
いられている。中でも、シート・モールディング・コン
パウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モールデ
ィング・コンパウンド(以下、BMCと略す)が汎用さ
れている。
【0003】しかしながら、SMC又はBMCを成形型
内で加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表
面に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥
が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在して
いる場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても,
十分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】従って、上記のような表面欠陥を隠ぺいす
るための方法として、いわゆる型内被覆成形方法が提案
されている。例えば、特開昭53−71167号には、
金型内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型
を開き被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を
設ける方法が開示されている。また例えば、特開昭61
−273921号には,圧縮成形中に,成形圧力を超え
る注入圧で被覆材料を注入し、硬化させることにより、
成形品表面に被覆層を成形する方法が開示されている。
【0005】また,これらの成形方法に用いられる型内
被覆樹脂組成物としては,例えば,特開平1−1263
16号には、ウレタンアクリレート及びエポキシアクリ
レートを主成分とした型内被覆樹脂組成物が開示されて
いる。
【0006】そしてまた、このような被覆材料において
は、被覆材料の混合、混練などの作業が比較的行い易い
ように、通常50ポイズ程度以上、100ポイズ程度以
下に調製されている。また、被覆材料としては,その需
要に応じた多様な色彩を得るため,複数種の着色顔料を
混合することにより、多彩な色調の被覆材料を調製する
ことが、一般的に行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の型内被覆樹脂組成物を用いて型内被覆成形に
より形成された被膜には、部分的に、悪い時にはその成
形品を全面に,着色顔料の凝集分離による色むらができ
るという問題があった。
【0008】また、高粘度の樹脂組成物に顔料を分散し
て高粘度の被覆組成物を得ることができれば、被覆組成
物が高粘度であることにより組成物における顔料の分散
安定性が増し、凝集分離による色むら発生を防止するこ
とが期待される。しかしながら、100ポイズ以上の高
粘度の樹脂液に着色顔料を均一に分散することは非常に
困難であり、ほとんどの場合においては顔料分散が不十
分であるため、着色顔料の濃度分布に差ができてしま
い、被覆成形を行った際に色むらを生じ、成形品の外観
不良の原因となる。特に複数種の着色顔料を含有させる
場合には、激しい色むらを生じる。具体的には例えば、
赤色顔料と白色顔料を用いてピンク色の被覆材料とした
時に、被覆成形した成形品に、ピンク色の部分と、赤っ
ぽいピンク色の部分と、白っぽいピンク色の部分に分か
れてしまう、といったような外観不良を生じる。
【0009】本発明は上記欠点を改良するものであり、
型内被覆成形方法において色むらのない均一な色調の被
覆層を形成することのできる型内被覆成形用被覆樹脂組
成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、粘
度が0.1ポイズ以上100ポイズ以下(25℃)の低
粘度熱硬化性樹脂組成物に着色顔料を分散させて、着色
樹脂組成物を調製する工程と、粘度が200ポイズ以上
2000ポイズ以下(25℃)の高粘度熱硬化性樹脂組
成物と上記着色樹脂組成物とを混合して、粘度が150
ポイズ以上550ポイズ以下(25℃)の被覆樹脂組成
物を調製する工程とを備えることを特徴としている。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。被覆樹脂組成物の配合材料についての説明 本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、熱分解性のラジ
カル触媒を用いて二重結合を開裂付加反応させ3次元網
目構造を成形することのできる、分子内に反応性二重結
合を持つ不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレー
ト(ビニルエステル)樹脂、ウレタンアクリレート樹脂
などが用いられる。これらの樹脂はそれぞれ単独で用い
られても良いし、複数種を混合して用いても構わない。
【0012】本発明に用いる着色顔料としては、従来公
知のものが用いられる。例えば、酸化チタン、ベンジン
イエロー、アンスラキノンイエロー、チタンイエロー、
ハンザイエロー、モリブデートオレンジ、黄鉛、ジスア
ゾイエロー、ベンジンオレンジ、キナクリドンレッド、
キナクリドンマゼンダ、ナフトールバイオレット、クロ
ムグリーン、フタロシアニングリーン、アルカリブル
ー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、酸化鉄
(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブラック、カ
ーボンブラック、鉄黒等各種公知慣用のものが用いられ
る。
【0013】上記着色顔料の中で、上記不飽和ポリエス
テル,エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等
の樹脂に対しては,酸化チタン、チタンイエロー,キナ
クリドンレッド、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔
料を用いた時に、特に被覆成形時における色むらの発生
が大きくなっており、これらの着色顔料を用いて型内被
覆成形用被覆樹脂組成物を得ようとする際に、本発明の
製造方法は特に有効である。
【0014】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、公
知慣用の方法により製造されるものを使用でき、通常、
有機ポリオールと脂肪族不飽和ポリカルボン酸と、さら
に必要に応じて脂肪族飽和ポリカルボン酸および/また
芳香族ポリカルボン酸などから製造することができる。
【0015】上記エポキシアクリレート樹脂としては、
公知慣用の方法により製造されるものを使用でき、通
常、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸などの反応性二
重結合を持つモノカルボン酸とから製造することができ
る。
【0016】また上記ウレタンアクリレート樹脂は,通
常、アルキレンジオール、アルキレンジエステル、アル
キレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオールまた
はポリエステルポリオールなどの有機ポリオールに有機
ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドキロシアル
キル(メタ)アクリレートを反応させて製造されるもの
であるが、これはまた一部末端に遊離イソシアネート基
を残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用い
ることもできる。
【0017】ここで、上記の有機ポリオールとしてはジ
オール、トリオール、テトラオールおよびそれらの混合
物が挙げられるが、主として脂肪族ポリオールと芳香族
ポリオールとに分けられ、このうち脂肪族ポリオールと
して代表的なものには、エチレングリコール、ブロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリ
コール,トリエチレングリコール,ネオペンチルグリコ
ール,ジブロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリル
エーテル、水素化ビスフェノールAなどがある。
【0018】また芳香族ポリオールとして代表的なもの
としてはビスフェノールAまたはビスフェノールSある
いはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノールS
にエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブチ
レンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を,一分
子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られるポリ
オキシアルキレンビスフェノールAまたはポリオキシア
ルキレンビスフェノールSなどがある。
【0019】また、前記脂肪族不飽和カルボン酸として
は(無水)マイレン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸
などが用いられ、前記脂肪族飽和カルボン酸としてはセ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸など、前記芳
香族カルボン酸としては(無水)フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが用いら
れる。
【0020】また、前記エポキシアクリレート樹脂に用
いられるエポキシ樹脂としては、公知慣用の方法により
エピクロルヒドリンおよびビスフェノールAから製造さ
れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒド
リンおよび臭素化ビスフェノールAから製造される臭素
化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ックまたはオルトクレゾールノボラックをグリシジルエ
ーテル化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂,各
種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて得られる、
テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシ
ジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラ
グリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル
−p−アミノフェノール、トルグリシジル−m−アミノ
フェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオル
トトルイジンなどのグリシジルアミン化合物などが用い
られる。
【0021】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブタンジオールのヒドロキシアルキルエーテル等、
ポリエーテルポリオールとしてはポリオキシメチレン、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド
等、ポリエステルポリオールとしては前述したような有
機ポリオールおよびポリカルボン酸により製造された、
両末端に水酸基を持つポリエステルポリオールなどが用
いられる。
【0022】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネートなどが用いられる。ま
た、前記ウレタンアクリレート樹脂に用いられるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとしては通常ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートなどが用いられ、ヒドロキシル基は通常アルキ
ル基のベータ位の炭素に結合している。アルキル基は通
常8個までの炭素原子を含むことができる。
【0023】また、上記樹脂組成物には低収縮剤とし
て、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸
ビニル−スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリ
エステル類、飽和ポリエーテル類などのような熱可塑性
樹脂を必要に応じて適当量用いることができる。
【0024】さらに上記樹脂組成物には、目的及び用途
に応じて,適当量の体質顔料すなわち無機充填剤を加え
ることができる。使用可能な無機充填剤としては、以下
のようなものがある。すなわち、ダイヤモンドなどの元
素鉱物、黄鉄鉱などの硫化鉱物、岩塩、カリ岩塩などの
ハロゲン化鉱物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩鉱物,藍
鉄鉱などのりん酸塩鉱物、カルノー石などのバナジン酸
塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウ
ム)などの硫酸塩鉱物,ほう砂などのほう酸塩鉱物、灰
チタン石などのチタン酸塩鉱物,雲母、タルク(滑
石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石などのけい酸塩
鉱物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化
アルミニウムなどの金属(水)酸化物、(中空)ガラス
球などのガラス製品などを中心とした天然または人工鉱
物またはそれを処理、精製あるいは加工したものを用い
ることが可能である。
【0025】また、上記樹脂組成物には、補強剤とし
て、各種補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素繊維など
を必要に応じて適当量くわえることができる。またさら
に上記樹脂組成物には、必要に応じて、スチレン,アル
ファメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエ
ン、ジアリルフタレート、各種アクリレートモノマー、
各種メタクリレートモノマーなどの共重合性単量体、ケ
トンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハ
イドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド
類、アルキルパーエステル類,パーカーボネート類、パ
ーオキシケタール類などの公知の開始剤、ジメチルアニ
リン、ナフテン酸コバルトなどの公知の硬化促進剤、パ
ラベンゾキノンなどの重合禁止剤、カーボンブラックや
酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、アルミフレー
ク、ニッケル粉、金粉、銀粉などの顔料、アゾ系染料や
アントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系など
の染料、カーボンブラックなどの導電性付与剤、乳化
剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、
レシチンなどの離型剤などを用途、目的に応じて適当量
加えることができる。
【0026】配合方法についての説明 本発明における粘度が0.1ポイズ以上100ポイズ以
下の低粘度熱硬化性樹脂組成物(以下、樹脂組成物Aと
いう)は、上述したような熱硬化性樹脂等の配合材料を
混練することにより調製することができる。樹脂組成物
Aの粘度範囲としては、25℃において0.1ポイズ以
上100ポイズ以下であることが必要であり、より好適
には1ポイズ以上10ポイズ以下である。粘度が0.1
ポイズ以下であると、顔料の分散後の安定性が悪く,顔
料が被覆材料液の中で沈降してしまいやすいという欠点
を有する。また、100ポイズ以上となる場合には顔料
を均一に分散することが難しくなる。
【0027】このような樹脂組成物Aとしては、具体的
には、例えば、上述した熱硬化性樹脂30〜70重量部
を共重合性モノマー70〜30重量部に溶解した樹脂
液、あるいは必要に応じてそれに熱可塑性樹脂、無機充
填材等を0〜50重量部程度加えたものが好ましい。高
分子量の熱可塑性樹脂や無機充填材を加える量が多量に
なると粘度が上昇して顔料の分散が難しくなる。
【0028】この樹脂組成物Aに加える着色顔料の量と
しては、着色顔料の種類によって異なるが、樹脂組成物
Aの100重量部に対して3〜150重量部程度、すな
わち、着色顔料を分散して得られる着色樹脂組成物(以
下、樹脂組成物Bという)の粘度が50〜200ポイズ
になる程度の量とすることが好ましい。着色顔料の量が
少なすぎると、被覆材料を調製した後、型内被覆成形を
行って得られる被覆層の隠ぺい性が低下する場合があ
り、また着色顔料の量が多すぎると樹脂中に均一に分散
することが難しくなる場合がある。
【0029】本発明において、粘度200ポイズ以上2
000ポイズ以下の高粘度熱硬化性樹脂組成物(以下、
樹脂組成物Cという)は、上述したような配合材料を混
合混練することにより得られる。樹脂組成物Cの粘度範
囲としては200ポイズ以上2000ポイズ以下である
ことが必要であり、より好適には200ポイズ以上70
0ポイズ以下である。粘度が200ポイズ以下である
と、上記樹脂組成物Bと混合して得られる被覆材料の粘
度が200ポイズに達せず、被覆成形品における色むら
の改良効果が得られない。また、2000ポイズ以上で
あると、樹脂組成物Bとの混合混練が難しくなるという
欠点を有する。
【0030】このような樹脂組成物Cとしては、具体的
には、例えば、上述した熱硬化性樹脂30〜70重量部
を共重合性モノマー70〜30重量部に溶解した樹脂液
に熱可塑性樹脂、0〜50重量部、および無機充填材等
を50〜300重量部程度加えて粘度を上記範囲に調節
したものが好ましい。
【0031】ここで、上記樹脂組成物Bと上記樹脂組成
物Cとの混合比としては、樹脂組成物Bの100重量部
に対して樹脂組成物Cの量として50〜800重量部程
度であることが好ましい。樹脂組成物Cの比率が大すぎ
ると得られる被覆成形品の隠ぺい力が低下しやすい場合
があり、樹脂組成物Cの比率が少なすぎると粘度が20
0ポイズに達せず、被覆成形品における色むらの改良効
果が得られなくなる場合がある。
【0032】成形用組成物の配合についての説明 また、本発明において熱硬化性成形材料として用いられ
る成形用組成物としては、従来公知の任意の成形用組成
物が使用可能である。例えば、熱分解性のラジカル触媒
を用いて二重結合を開裂付加反応させ3次元網目構造を
形成することのできる、分子内に反応性二重結合を持つ
不飽和ポリエステル樹脂,エポキシアクリレート(ビニ
ルエステル)樹脂,ウレタンアクリレート樹脂、また、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の任意の熱硬化性樹脂
が用いられる。またこの成形用組成物は、必要に応じ
て、各種共重合性モノマー、充填剤、顔料、染料、顔料
分散剤、内部離型剤、開始剤、促進剤、禁止剤、補強
剤、増粘剤等の各種添加剤を必要に応じて適当量加える
ことができる。
【0033】このような成形用組成物として、具体的に
は例えば、スチレン含有量40〜50%程度の不飽和ポ
リエステル樹脂液60〜95重量部,スチレン含有量2
0〜70%程度のポリスチレン、ポリ酢酸ビニル樹脂等
の低収縮剤液5〜40重量部、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム等の充填材100〜300重量部、ガラス
繊維等の補強材5〜100重量部、内部離型剤1〜5重
量部、着色顔料数%を混練したようなものが、各種性
能、コストパフォーマンスの点で、好ましく用いられ
る。
【0034】このようにして得られた熱硬化性樹脂組成
物は、従来公知の方法により、SMCあるいはBMCの
形態を持つ熱硬化性樹脂組成物とすることができ、被覆
用組成物と共に,従来公知の型内被覆成形に用いられ
る。
【0035】例えば130〜160℃に加熱された成形
金型内にSMCを入れて数十秒〜数分間加圧成形した後
金型をわずかに開いて型内被覆用組成物を注入し,次い
で数十秒〜数分間再加熱再加圧することにより、成形さ
れたSMCの表面全体に型内被覆用組成物を展延し、硬
化させて被膜を形成させるという方法がある。
【0036】また特開昭61−273921号に開示さ
れているように、SMCを数十秒〜数分間加熱加圧成形
した後型を開けずに高圧注入機を用いて100〜300
kg/cm2 の高圧で被覆材料を型内に注入して型内被
覆用組成物を展延硬化させるという方法もあり、これら
の型内被覆成形方法に本発明の特徴とする熱硬化性樹脂
組成物を用いれば、容易に密着性の良好な被覆層を形成
することができる。
【0037】
【作用】本発明に従えば、粘度が0.1ポイズ以上10
0ポイズ以下の低粘度の樹脂組成物Aに着色顔料を分散
しているため、着色顔料を樹脂組成物中に良好に分散す
ることができる。また、このように着色顔料を良好に分
散させた樹脂組成物Bを、粘度が200ポイズ以上20
00ポイズ以下の高粘度の樹脂組成物Cと配合すること
により、最終的な粘度を150ポイズ以上550ポイズ
以下としている。このため、本発明の被覆樹脂組成物を
用いることにより、被覆成形品の全面において被覆性に
優れ、かつ色むらのない被覆層を形成させることができ
る。
【0038】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例について
説明する。型内被覆用組成物の製造 配合材料としては以下のものを用いた。 1)不飽和ポリエステル樹脂 イソフタル酸(和光純薬工業社製)、無水マイレン酸
(和光純薬工業社製)、プロピレングリコール(和光純
薬工業社製)より、公知慣用の方法にて不飽和ポリエス
テル樹脂を合成した。(イソフタル酸と無水マイレン酸
とプロピレングリコールのモル比=6:4:10)
【0039】2)エポキシアクリレート樹脂 エポキシ樹脂(アラルダイトGY260、日本チバガイ
ギー社製、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂)を公知
慣用の方法によりメタクリル酸エステル化して、エポキ
シアクリレート樹脂を得た。
【0040】3)ウレタンアクリレート樹脂 ポリプロピレングリコール(和光純薬工業社製、平均分
子量1000)およびトリレンジイソシアネート(和光
純薬工業社製)および2ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(和光純薬工業社製)を用い、公知慣用の方法にてウ
レタンアクリレート樹脂を合成した。
【0041】4)ポリ酢酸ビニル樹脂(積水化学工業社
製、平均分子量8600) 5)スチレン(和光純薬工業社製) 6)メチルメタクリレート(和光純薬工業社製) 7)炭酸カルシウム(NS−100) 8)硬化剤(カヤブチルB) 9)白色顔料(酸化チタン、タイピュア900、デュポ
ン社製) 10)黄色顔料(チタンイエロー、イエロー9121、
大日精化社製)
【0042】〔樹脂組成物Aの調製〕以下の表1〜表3
に従って、まず1)2)3)4)の樹脂を100℃から
150℃に加温しながら共重合性モノマー(スチレンま
たはメチルメタクリレート)に溶解した後、必要に応じ
て炭酸カルシウム及び硬化剤を加え、十分攪拌し、樹脂
組成物Aを得た。得られた組成物の粘度を表1〜表3に
記す。
【0043】〔樹脂組成物Bの調製〕以下の表1〜表3
に従い、得られた樹脂組成物Aに、着色顔料を加え、十
分に混合混練して樹脂組成物Bを得た。得られた組成物
の粘度を表1〜表3に記す。
【0044】〔樹脂組成物Cの調製〕上記配合材料を以
下の表1〜表3に従って、まず1)2)3)4)の樹脂
を100℃から150℃に加温しながら共重合性モノマ
ー(スチレンまたはメチルメタクリレート)に溶解した
後、必要に応じて炭酸カルシウム及び硬化剤を加え、十
分に攪拌し、樹脂組成物Cを得た。得られた組成物の粘
度を表1〜表3に記す。
【0045】〔樹脂組成物BとCの混合〕以上のように
して得られた樹脂組成物BとCを、以下の表1〜表3に
従って混合、十分に攪拌し、型内被覆樹脂組成物を得
た。得られた組成物の粘度(いずれも25℃の値)を表
1〜表3に記す。
【0046】成形材料の準備 配合材料としは、以下のものを用いた。なお、部は重量
部を意味する。 1.不飽和ポリエステル樹脂液(水添ビスフェノール系
の不飽和ポリエステル樹脂約60重量%をスチレンモノ
マー約40重量%に溶解したもの)70部 2.ポリスチレン系低収縮剤樹脂(ポリスチレン樹脂約
30重量%をスチレンモノマー約70重量%に溶解した
もの)30部 3.炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120部
【0047】4.硬化剤(カヤブチルB:化薬アクゾ社
製、ターシャリ−ブチルパーオキソベンゾエート含有率
98重量%)1部 5.増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ15
0:協和化学工業社製)1部 6.内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3部 以上の材料を混合、十分に攪拌した後、SMC含浸装置
により 7.ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)60部に含浸させ、SMCを得た。
【0048】成形方法 このようにして得られたSMC及び型内被覆樹脂組成物
を、以下のように成形した。図1に示すような成形品を
成形する金型を作成した。その上型を150℃、下型を
140℃に加熱して、上記SMCを約3.4kgチャー
ジし、(これは底面部約5mm,その他の部位3mmの
厚みに相当する)100kg/cm2 の圧力で100秒
間型内被覆用組成物を100ml注入し、さらに120
秒間再加熱再加圧することにより、成形されたSMCの
表面に型内被覆用組成物を展延し、硬化させて被膜を形
成させた。その後型を開いて脱型し、被覆成形品を得
た。
【0049】実施例1〜4 表1の配合に従い、上述した方法で被覆材料を製造し、
成形及び評価を行った。結果を表1に記す。色むらのな
い均一に着色された被膜で全面が被覆された被覆層を得
ることができた。
【0050】比較例1 表2の配合に従い、樹脂組成物A(粘度0.05ポイ
ズ)を製造し、さらに樹脂組成物Bを調製した。この樹
脂組成物Bは10分間静置すると一部顔料の沈澱が起こ
った。このため、以後の実験は行わなかった。
【0051】比較例2 表2の配合に従い、樹脂組成物A(粘度120ポイズ)
を製造し、さらに樹脂組成物Bを調製した。しかしなが
ら樹脂組成物Bにおいては着色顔料が均一に分散され
ず、均一な色調を持つ被覆材料とはならなかった。この
ため、以後の実験は行わなかった。
【0052】比較例3 表2の配合に従い、上述した方法で樹脂組成物Bと樹脂
組成物C(粘度170ポイズ)を混合して被覆材料を製
造し、成形及び評価を行った。結果を表2に記す。得ら
れた被覆層は全面を被覆するものであったが、立ち面に
おいて色むらが激しく発生していた。
【0053】比較例4 表2の配合に従い、上述した方法で樹脂組成物Bと樹脂
組成物C(粘度2500ポイズ)を混合して被覆材料を
製造した。樹脂組成物Bと樹脂組成物Cを混練したが、
均一な色調を持つ被覆材料とはならなかった。このた
め、以後の成形実験は行わなかった。
【0054】比較例5 表3の配合に従い、上述した方法で被覆材料(粘度12
5ポイズ)を製造し、成形及び評価を行った。結果を表
3に記す。得られた被覆層は全面を被覆するものであっ
たが、立ち面において色むらが激しく発生していた。
【0055】比較例6 表3の配合に従い、上述した方法で被覆材料(粘度60
0ポイズ)を製造し、成形及び評価を行った。結果を表
3に記す。得られた被覆層は底面部とそれに続く立ち面
部しか被覆しておらず、手すり部およびその外側の外周
部は被覆されていなかった。色むらは発生していなかっ
た。
【0056】比較例7 表3の配合に従い、樹脂組成物Aを製造し、さらに樹脂
組成物Bを製造した。この樹脂組成物Bをそのまま被覆
材料とし,成形及び評価を行った。結果を表3に記す。
得られた被覆層は全面を被覆するものであったが、全面
において色むらが激しく発生していた。
【0057】比較例8 表3の配合に従い、樹脂組成物Aを製造し、さらに樹脂
組成物Bを製造した。この樹脂組成物Bをそのまま被覆
材料とし,成形及び評価を行った。結果を表3に記す。
得られた被覆層は全面を被覆するものであったが、手す
りの外側の側面において色むらが発生していた。
【0058】表1〜表3において、注1〜注6は、以下
の内容を意味している。 注1:着色顔料が沈降したため中止。 注2:着色顔料を均一に分散できなかったため中止。 注3:樹脂組成物Cを用いなかった。 注4:均一な混合物が得られなかったため中止。 注5:○=全面に被覆 ×=一部被覆せず 注6:○=全面に色むらなし ×=一部分色むら発生
××=全面に色むら発生
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明の製造方法に従い得られる型内被
覆成形用被覆樹脂組成物を用いることにより、成形品の
全面を、色むらのない、均一に着色された被覆層で被覆
された型内被覆成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において成形した成形品の外観形状を示
す斜視図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型内で加熱・加圧成形される熱硬化性成
    形材料が型内で半硬化状態にあるときに該成形材料上に
    被覆層を形成するために注入する型内被覆成形用被覆樹
    脂組成物の製造方法であって;粘度が0.1ポイズ以上
    100ポイズ以下(25℃)の低粘度熱硬化性樹脂組成
    物に着色顔料を分散させて着色樹脂組成物を調製する工
    程と;粘度が200ポイズ以上2000ポイズ以下(2
    5℃)の高粘度熱硬化性樹脂組成物と前記着色樹脂組成
    物とを混合して粘度が150ポイズ以上550ポイズ以
    下(25℃)の被覆樹脂組成物を調製する工程とを備え
    る、型内被覆成形用被覆樹脂組成物の製造方法。
JP5049150A 1993-03-10 1993-03-10 型内被覆成形用被覆樹脂組成物の製造方法 Pending JPH06256721A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20210054192A1 (en) * 2018-05-22 2021-02-25 Showa Denko K.K. Resin composition, polishing pad, and method for producing polishing pad
CN112724608A (zh) * 2021-01-29 2021-04-30 河北铭特环保设备科技有限公司 一种双酚a型smc模压树脂组合物及其制备方法

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