JP2001288230A - ゲルコートシート製造用硬化性樹脂組成物 - Google Patents

ゲルコートシート製造用硬化性樹脂組成物

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JP2001288230A
JP2001288230A JP2000103881A JP2000103881A JP2001288230A JP 2001288230 A JP2001288230 A JP 2001288230A JP 2000103881 A JP2000103881 A JP 2000103881A JP 2000103881 A JP2000103881 A JP 2000103881A JP 2001288230 A JP2001288230 A JP 2001288230A
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meth
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Hiroshi Masaoka
弘 正岡
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NIPPON INEOSU KK
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱プレス時に柄が溶出せず、かつクラックの
発生がなく、しかも、長期間の保存に安定であるゲルコ
ートシートを製造するための硬化性樹脂組成物の開発を
目的とする。 【構成】 下記の成分からなる硬化性樹脂組成物。 (イ)同一分子中に少なくとも2つの水酸基を有する化
合物と、多価イソシアネート及び同一分子中に少なくと
も1つの(メタ)アクリル基及び少なくとも1つの水酸
基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物、と
の縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレー
ト化合物において(ロ)上記成分(イ)と共重合可能な
他の単量体(ハ)硬化剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック成形体表
面の保護及び加飾に用いる硬化性樹脂組成物に関する。
詳しくは、建設機械、住宅用機器、船舶、舟艇、自動
車、車輌、タンク、容器類などに使用される繊維強化プ
ラスチックス及びレジンコンクリート等の加熱プレス成
形品の表面保護及び加飾を目的とした硬化樹脂層を形成
するためのゲルコートシート製造用硬化性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゲルコートシートと成形材料とを
型内に同時に挿入し熱プレスによって成形品の表面の保
護及び加飾を目的とした硬化樹脂層を形成する方法は公
知である。例えば特開平5-318468号公報及び特開平8-17
4782号公報には半硬化した硬化性樹脂組成物によりゲル
コートシートを製造し、得られたゲルコートシートと成
形材料とを型内に同時に挿入し熱プレスによって硬化樹
脂層を形成する方法が記載されている。この方法に使用
されるゲルコートシートは半硬化状態であるために、例
えば柄又は模様付きのゲルコートシートを使用した場合
熱プレス時に柄が溶出する。また、ゲルコートシートの
硬化が進行すると、熱プレス時にクラックが発生しやす
くなるため深絞り形状には使用できない。さらには、上
記理由から長期保管及び輸送に不適である等の欠点を有
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点を解決するためになされたものである。
発明者らは、熱プレス時に柄の溶出がなく、深絞り形状
にも使用可能で、しかも長期保管及び輸送可能なゲルコ
ートシートの提供を目的として鋭意検討を行った結果、
特定のアクリル基またはメタアクリル基(以下、(メ
タ)アクリル基と表示する)を含有する化合物と硬化剤
とからなる硬化性樹脂組成物が、前述の諸性能を満足さ
せることができることを見出だし本発明を完成するに至
ったものである。
【0004】
【問題を解決するための手段】上記した目的は、加熱プ
レス成形において型内に成形材と同時に挿入し成形体表
面の保護・加飾を目的とした硬化樹脂層を形成するゲル
コートシートを以下に示される成分(イ)、(ロ)、
(ハ)を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組
成物によって製造することによって達成される。
【0005】(イ)同一分子中に少なくとも2つの水酸
基を有する化合物と、多価イソシアネート及び同一分子
中に少なくとも1つの(メタ)アクリル基及び少なくと
も1つの水酸基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)
アクリレート化合物において、前述の多価イソシアネー
トが脂肪族イソシアネート及び脂環式イソシアネートの
少なくとも一方であるウレタン(メタ)アクリレート化
合物。 (ロ)成分(イ)と共重合可能な他の単量体 (ハ)硬化剤。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明に使
用される成分(イ)の同一分子中に少なくとも2つの水
酸基を有する化合物としては、ポリ(エチレンオキサイ
ド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオー
ル、コポリ(テトラメチレン)オキサイドジオール、ポ
リエステルポリオール、(水添)ポリブタジエンポリオ
ール、カプロラクトン変成ジオール、ポリカーボネート
ジオ−ル等の多価アルコール類や不飽和ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
類、さらに飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂等が
例示されるが特に限定されるものではない。また、多価
脂肪族イソシアネ−トとしては、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルジイソシアネート等が例示さ
れ、脂環式ジイソシアネートとしては、イソホロンジイ
ソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソ
シアネート)等が例示される。本発明の成分(イ)の多
価イソシアネート化合物として、脂肪族イソシアネート
及び脂環式イソシアネートとし、トリレンジイソシアネ
ート等の芳香族多価イソシアネートを使用しなかったの
は、これら芳香族多価イソシアネートを使用したウレタ
ン(メタ)アクリレート化合物から構成される硬化性樹
脂組成物は、経時により黄変し、外観を損なうばかりで
なく成形物の保護層としての性能劣化を引き起こすから
である。
【0007】また、ヒドロキシアクリレート化合物とし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示さ
れる。これまで述べてきた、諸原料からのウレタン(メ
タ)アクリレート化合物の合成方法の概略について説明
する。先ず多価アルコールと多価イソシアネ−トとを−
OH又は−NCOのモル比が1以下の割合で混合し、ア
ミン類や錫化合物の触媒の存在下に反応させ、両末端イ
ソシアネートプレポリマーを生成させ、次にヒドロキシ
(メタ)アクリレート化合物を−OH又は−NCOのモ
ル比が1以上となる割合で加えて反応させウレタン(メ
タ)アクリレート化合物とする。この方法は反応率を高
くすることができるため、本発明の硬化性樹脂組成物を
得るために好適である。しかしながら本発明のウレタン
(メタ)アクリレートの製造法はこれら方法に限定され
るものではない。さらに、本発明に使用される成分
(イ)のウレタン(メタ)アクリレート化合物として
は、前記構造を有する市販のウレタン(メタ)アクリレ
ート化合物を使用することもできる。ウレタン(メタ)
アクリレート化合物は、単独でも、または、2種以上を
混合しても使用することができる。
【0008】本発明に使用される成分(ロ)である、成
分(イ)と共重合可能な他の単量体としては、アクリル
酸及びメタクリル酸と炭素数1〜18個の脂肪族、又は
芳香族アルコールとのエステル類、例えば、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルへキシルアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルア
クリレート、エチルアミノエチルメタクリレート、及び
エチルアミノエチルアクリレート等の単量体;スチレ
ン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼンの如きビニル
芳香族化合物;並びにこれらの化合物とクロロフェニル
マレイミド及びモノブチルマレートの如きマレイン酸又
はフマル酸誘導体との混合物;アリルジグリコールジカ
ーボネートの如きアリルエーテル類及びエステル類;並
びにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリ
ルニトリル又はメタアクリルニトリル類;酢酸ビニルの
如きビニルエステル類;ビニルエーテル類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン及びビニルピロリドン等のビニル単
量体;及びその他の単量体であるエチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート等の分子中に
二個以上の反応性を有する基を持つ単量体等が例示され
る。しかしながら成分(ロ)の単量体はこれらに限定さ
れるものではない。
【0009】本発明の硬化性樹脂組成物におけるこれら
単量体(ロ)の配合量は、要求されるゲルコート層の硬
度、耐環境性能、さらにはゲルコートシート製造工程に
おける粘度等の特性から種類、配合量を決定すれば良
い。限定する目的ではないが、本発明樹脂組成物の塗工
性及び硬化収縮によるゲルコートシート製造時の寸法安
定性の点から、好ましくは成分(イ)のウレタン(メ
タ)アクリレ−ト化合物と成分(ロ)の単量体との重量混
合比(イ):(ロ)は20:80から80:20、更に好ま
しくは40:60から60:40である。また、上記単
量体は、単独でも、または、2種以上を混合しても使用
することができる。
【0010】本発明の樹脂組成物の成分(ハ)の硬化剤
は、所望する硬化方法、硬化速度、硬化温度等により適
宜選択すれば良い。特に限定されるものではないが、有
機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤及び光
重合開始剤が有用であり入手容易である。これらの重合
開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイ
ド等のジアシルパーオキサイド;ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバ
レート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルマレイン酸ヘミパーエステル等のパーオキシエステ
ル;t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド等のケトンパーオキサイドで代表され
る有機過酸化物、あるいはまた2,2−アゾビスイソプ
チロニトリル、2、2−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ系化合物などが例示される。ま
た、これら重合開始剤は単独でも、または、二種類以上
を混合しても硬化剤として使用することができる。な
お、上記成分(ハ)の硬化剤の添加量は、所望する硬化
速度、硬化温度、硬化物の機械的強度等によって決定す
ればよく、特に限定されるものではないが、本発明樹脂
組成物100重量部に対して通常0.01〜5.0重量
%好ましくは0.1〜5.0重量%である。上記ラジカ
ル重合開始剤と共に、重合促進剤及び/または重合促進
助剤等を添加してもよい。これら重合促進剤及び重合促
進助剤の具体例としては、重合促進剤として、ラウリル
メルカプタン、オクチルメルカプタン、2−エチルヘキ
シルメルカプタン、グリコールジメチルカプトプロピオ
ネート等のメルカプタン類;ジブチルチオ尿素、テトラ
メチルチオ尿素、等のチオ尿素類;トリメチルフォスフ
ァイト、トリ−n−ブチルホスファイト等の亜リン酸エ
ステル類等があげられる。また重合促進助剤としては、
鉄、銅、コバルト、ニッケル、スズ、アルミニウム、ア
ンチモン、から選ばれた金属のナフテン酸のような有機
酸の塩、またはこれら金属とアセチルアセトン、フェニ
ルアセチルアセトン等との有機金属錯体、これら金属の
アリル化合物が例示される。
【0011】本発明樹脂組成物の硬化剤として、熱エネ
ルギーのみではなく活性エネルギー線、すなわち電子
線、紫外線、可視光線等のエネルギー線により励起され
る光重合開始剤を使用することも出来る。光重合開始剤
は使用する活性エネルギー線の波長、所望する硬化速
度、保存安定性を考慮し適宜選択すれば良く特に限定さ
れるものではないが、たとえば、ベンゾフェノン、4,
4' −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフエノン、4−メ
トキシ−4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、アセト
フェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェ
ノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4' −ジアミノ
ベンゾフェノン、3,3',4,4' −テトラ(t−ブチル
パーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4
−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン等
の芳香族ケトン系化合物;チオキサンソン、2−クロロ
チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−
ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソ
ン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオ
キサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジ
クロロチオキサンソン等の置換及び非置換のチオキサン
ソン系化合物;ベンジル、カンファーキノン、α−ナフ
チルアセチフテン、p,p´−ジメトキシベンジル、
p,p´−ジクロロベンジル等のα−ジケトン系化合
物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインフェニルエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケ
タール、α−アクリルベンゾイン等のベンゾイン化合
物;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキ
ノン、2プロピルアントラキノン、2−tert−ブチ
ルアントラキノン、オクチルメチルアントラキノン、
1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルア
ントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−
ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノ
ン、2−クロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチ
ルアントラキノン、9,10−フエナントラキノン等の
キノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフインオキサイド、2,6−ジメチルベンゾ
イルジフェニルホスフインオキサイド等のアシルホスフ
インオキサイド化合物;キサントン、ミヒラーケトン、
アセトフェノンジエチルケタールなどが例示されるが、
これらの化合物以外にも工業用として公知・市販の化合
物を使用できる。まな、これら光重合開始剤は単独で
も、または、二種類以上を混合しても使用することがで
きる。なお、光重合開始剤の配合割合は目的とする硬化
速度、硬化深度及び硬化物の機械的強度等によって決定
すれば良く、特に限定されるものではないが、それぞれ
本発明光硬化性樹脂組成物の光重合性樹脂100重量部
中に通常0.01〜5.0重量部、さらに好ましくは
0.1〜5.0重量部の範囲である。また、本発明の光
硬化性樹脂組成物の硬化速度をさらに高める目的で、チ
オール化合物や有機過酸化物等を添加しても良い。
【0012】また、本発明の硬化性樹脂組成物には、本
発明樹脂組成物の特性を損なわない範囲において必要に
応じて他の公知の添加剤を適量配合して良い。他の添加
剤としては、ガラス、石英、水酸化アルミニウム、アル
ミナ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機充填剤、アクリル樹
脂粉、エポキシ樹脂粉、ポリエステル樹脂粉等の有機充
填剤、カーボンブラック、ベンガラ、フタロシアニンブ
ルー、クロ−ムイエロー、二酸化チタン等の顔料・染料
に代表される着色剤、着色フィルム破砕物、着色天然鉱
物粉、金属粉、金属箔破砕物、繊維質強化剤、紫外線吸
収剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、界面活性剤、カップリ
ング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0013】本発明樹脂組成物からなるゲルコートシー
トは例えば離型処理した平らなガラス板、金属板、フィ
ルム等に本発明樹脂組成をスプレー、刷毛、ブレードな
どで塗布し硬化後剥離させることにより製造することが
できる。また、このとき補強・加飾の目的のため必要に
応じてガラスクロス、和紙などの無機・有機織物などを
併用し製造することも出来るがこれら製造法に限定され
るものではない。
【0014】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の代表的な例を
更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、例中
「部」とあるのは「重量部」を表す。 合成例1:ウレタン(メタ)アクリレートの合成 温度計、攪拌装置、コンデンサ−を装備した500ml
の4口フラスコに分子量800のポリカ−ボネ−トジオ
−ル(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「PLAC
CEL CD−208PL」)80g(0.1モル)、
脂環式ジイソシアネ−トであるイソホロンジイソシアネ
−ト44.4g(0.2モル)、ジブチルスズジラウレ
−ト0.03gを入れ、窒素雰囲気下50℃で4時間反
応させた。次いで、メトキシフェノ−ル0.06gを加
え、2−ヒドロキシエチルメタアクリレ−ト26.3g
(0.202モル)を滴下し、さらに窒素雰囲気下80
℃で4時間反応させウレタンメタアクリレ−トを得た。
尚、反応後、生成物の赤外吸収スペクトルを測定し、2
270cm-1のイソシアネ−ト基の吸収が無いことを確
認した。 合成例2:芳香族ジイソシアネートを用いるウレタン
(メタ)アクリレートの合成 合成例1におけるイソホロンジイソシアネ−トの代わり
に、芳香族ジイソシアネ−トである2、4−トリレンジ
イソシアネ−ト34.8g(0.2モル)を用い、他は
合成例1と同様にしてウレタンメタアクリレ−トを得
た。 合成例3:ウレタン(メタ)アクリレートの合成 合成例1におけるポリカ−ボネ−トジオ−ルの代わり
に、分子量3000のポリエステルジオ−ル(株式会社
クラレ製、商品名「クラレポリオールP‐3010」3
00g(0.1モル)を用い、他は合成例1と同様にし
てウレタンメタアクリレ−トを得た。 合成例4:ウレタン(メタ)アクリレートの合成 合成例1におけるポリカ−ボネ−トジオ−ルの代わり
に、分子量3000のポリエステルジオ−ル(株式会社
クラレ製、商品名「クラレポリオールP‐3010」3
00g(0.1モル)及び2−ヒドロキシエチルメタア
クリレートの代わりに2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト23.4g(0.202モル)を用い、他は合成例1
と同様にしてウレタンアクリレ−トを得た。 実施例1 合成例1で得られたウレタンメタクリレ−ト60部、メ
チルメタクリレート40部に酸化チタン白色顔料5.0
部を高速攪拌装置で混合し、さらに6%ナフテン酸コバ
ルト0.2部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5
部を混合し硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成
物を離型処理したガラス板上に厚さおよそ500μmと
なるようにワイヤーバーを使用し塗布した。次いで60
℃のオーブンで30分加熱硬化させた後ガラス板から剥
がし、ゲルコートシートを得た。このゲルコートシート
をエンボス加工を施した平板成形用金型(下型)に置
き、その上にSMCシートを重ね、140℃、6MPa
の圧力で10分間加熱プレス後脱型し表層に白色ゲルコ
ート層を有する成形品を得た。本ゲルコート層は金型の
表面状態を正確に写し取っていた。さらに本成形品の白
色ゲルコート表面に高圧水銀灯を用い50000mJ/
cm2量の紫外線を照射した。照射後の表面を目視で観
察したが色の変化は見られなかった。 実施例2 実施例1でゲルコートシートを室温で60日保管後、実
施例1と同様にエンボス加工を施した平板成形用金型
(下型)に置き、その上にSMCシートを重ね、140
℃、6MPaの圧力で10分間加熱プレス後脱型し表層
に白色ゲルコート層を有する成形品を得た。本ゲルコー
ト層は実施例1と同様に金型の表面状態を正確に写し取
っていた。 実施例3 合成例1で得られたウレタンメタクリレ−ト60部、メ
チルメタクリレート40部に酸化チタン白色顔料5.0
部を攪拌混合し、さらに6%ナフテン酸コバルト0.2
部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5部を混合
し硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成物を離型
処理したガラス板上に厚さおよそ500μmとなるよう
にワイヤーバーを使用し塗布した。次いで60℃のオー
ブンで30分加熱硬化させた。さらに合成例1で得られ
たウレタンメタクリレ−ト60部、メチルメタクリレー
ト40部に酸化チタン白色顔料5.0部 ヒュームドシリ
カ(日本アエロジル株式会社製「アエロジル200」3.
0部を高速攪拌装置で混合し、6%ナフテン酸コバルト
0.2部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5部を
混合し、先に硬化させた透明樹脂の上にスプレーガンを
用い直径2mm程度の白色の水玉模様となるように塗布
し、次いで60℃のオーブンで30分加熱硬化させた後
ガラス板から剥がし、ゲルコートシートを得た。このゲ
ルコートシートをエンボス加工を施した平板成形用金型
(下型)に置き、その上にSMCシートを重ね、140
℃、6MPaの圧力で10分間加熱プレス後脱型したと
ころ白色水玉模様ゲルコート層を有する成形品を得た。
本ゲルコート層は金型の表面状態を正確に写し取ってお
り、さらに、水玉模様に亀裂・欠けなどは見られなかっ
た。 実施例4 合成例3で得られたウレタンメタクリレ−ト60部、メ
チルメタクリレート40部に酸化チタン白色顔料5.0
部を高速攪拌装置で混合し、さらに6%ナフテン酸コバ
ルト0.2部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5
部を混合し硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成
物を離型処理したガラス板上に厚さおよそ500μmと
なるようにワイヤーバーを使用し塗布した。次いで60
℃のオーブンで30分加熱硬化させた後ガラス板から剥
がし、ゲルコートシートを得た。このゲルコートシート
を直径がおよそ200mmの半球状の成形用金型(下
型)に置き、その上にSMCシートを重ね、140℃、
6MPaの圧力で10分間加熱プレス後脱型し表層に白
色ゲルコート層を有する成形品を得た。本ゲルコート層
は金型の表面状態を正確に写し取っており、さらにゲル
コート層には亀裂・欠けなどは見られなかった。 実施例5 合成例4で得られたウレタンアクリレ−ト60部、イソ
ボルニルアクリレート20部、ジエチレングリコールジ
アクリレート20部に酸化チタン白色顔料2.0部を高
速攪拌装置で混合し、さらに光重合開始剤としてDar
ocur1173(MERK株式会社製)1部を混合し
硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成物を離型処
理したガラス板上に厚さおよそ500μmとなるように
ワイヤーバーを使用し塗布した。次いで高圧水銀灯を用
い3000mJ/cm2量の紫外線を照射し硬化させた
後ガラス板から剥がし、ゲルコートシートを得た。この
ゲルコートシートを直径がおよそ200mmの半球状の
成形用金型(下型)に置き、その上にSMCシートを重
ね、140℃、6MPaの圧力で10分間加熱プレス後
脱型し表層に白色ゲルコート層を有する成形品を得た。
本ゲルコート層は金型の表面状態を正確に写し取ってお
り、さらにゲルコート層には亀裂・欠けなどは見られな
かった。 実施例6 合成例3で得られたウレタンメタクリレ−ト60部、メ
チルメタクリレート40部に酸化チタン白色顔料5.0
部を高速攪拌装置で混合し、さらに6%ナフテン酸コバ
ルト0.2部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5
部を混合し硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成
物を離型処理したガラス板上置いたポリエステル不織布
に含浸させ厚さおよそ500μmとなるようにワイヤー
バーを使用し塗布した。次いで60℃のオーブンで30
分加熱硬化させた後ガラス板から剥がし、ゲルコートシ
ートを得た。このゲルコートシートを直径がおよそ20
0mmの半球状の成形用金型(下型)に置き、その上に
SMCシートを重ね、140℃、6MPaの圧力で10
分間加熱プレス後脱型し表層に白色ゲルコート層を有す
る成形品を得た。本ゲルコート層は金型の表面状態を正
確に写し取っており、さらにゲルコート層には亀裂・欠
けなどは見られなかった。 比較例1 合成例2で得られたウレタンメタクリレ−ト60部、メ
チルメタクリレート40部に酸化チタン白色顔料5.0
部を高速攪拌装置で混合し、6%ナフテン酸コバルト
0.2部、メチルエチルケトンパーオキサイド0.5部を
混合し硬化性樹脂組成物を得た。本硬化性樹脂組成物を
離型処理したガラス板上に厚さおよそ500μmとなる
ようにワイヤーバーを使用し塗布した。次いで60℃の
オーブンで30分加熱硬化させた後ガラス板から剥が
し、ゲルコートシートを得た。このゲルコートシートを
エンボス加工を施した平板成形用金型(下型)に置き、
その上にSMCシートを重ね、140℃、6MPaの圧
力で10分間加熱プレス後脱型し表層に白色ゲルコート
層を有する成形品を得た。本ゲルコート層は金型の表面
状態を正確に写し取っていた。さらに本成形品の白色ゲ
ルコート表面に高圧水銀灯を用い50000mJ/cm
2量の紫外線を照射した。照射後の表面を目視で観察し
たところ顕著な黄変が見られた。 比較例2 合成例1で得られたウレタンメタクリレ−ト15部、メ
チルメタクリレート85部に酸化チタン白色顔料5.0
部、ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製「ア
エロジル200」5.0部を高速攪拌装置で混合し、さら
に6%ナフテン酸コバルト0.2部、メチルエチルケト
ンパーオキサイド0.5部を混合し硬化性樹脂組成物を
得た。本硬化性樹脂組成物を離型処理したガラス板上に
厚さおよそ500μmとなるようにワイヤーバーを使用
し塗布した。次いで60℃のオーブンで30分加熱硬化
させたところガラス板上硬化物には多数の亀裂が発生し
た。本硬化物はゲルコートシートとしては不適であっ
た。
【0015】
【発明の効果】以上の説明で明らかな様に、本発明の硬
化性樹脂組成物により得られたゲルコートシートは、十
分に硬化が進行しているため熱プレス時に柄が溶出せ
ず、また熱プレス時のクラックが発生にくく深絞り形状
にも使用できる。さらには長期保管及び輸送も可能であ
る。従って、本発明の硬化性樹脂組成物は型内に成形材
と同時に挿入し成形体表面の保護・加飾を目的とした硬
化樹脂層を形成するゲルコートシートの製造に好適であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AB09 AB28 AB31 AD43 AL02 AL06 AL07 AL17 4J027 AG03 AG04 AG05 AG07 AG09 AG24 AG27 BA04 BA05 BA07 BA08 BA13 BA15 BA19 BA20 BA26 BA28 CB03 CB04 CB09 CB10 CC02 CC03 CD08 4J034 BA08 CA02 CA03 CB01 CB02 DA01 DB03 DB04 DF01 DF02 DF12 DF14 DF29 DG03 DG04 DG06 DK01 DP19 FA02 FB01 FC01 FC02 HC03 HC22 HC46 HC61 HC64 RA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下に示される成分(イ)、(ロ)、
    (ハ)を含有することを特徴とするゲルコートシート製
    造用硬化性樹脂組成物。 (イ)同一分子中に少なくとも2つの水酸基を有する化
    合物と、多価イソシアネート及び同一分子中に少なくと
    も1つの(メタ)アクリル基及び少なくとも1つの水酸
    基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物の縮
    合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート化
    合物において、前述の多価イソシアネートが脂肪族イソ
    シアネート及び脂環式イソシアネートの少なくとも一方
    であるウレタン(メタ)アクリレート化合物、(ロ)成
    分(イ)と共重合可能な他の単量体、及び(ハ)硬化
    剤。
  2. 【請求項2】上記成分(イ)のウレタン(メタ)アクリ
    レート化合物と成分(ロ)単量体との重量混合比が20:
    80から80:20であることを特徴とする請求項1記
    載のゲルコートシート製造用硬化性樹脂組成物。
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