JPH05239164A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品

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JPH05239164A
JPH05239164A JP4294192A JP4294192A JPH05239164A JP H05239164 A JPH05239164 A JP H05239164A JP 4294192 A JP4294192 A JP 4294192A JP 4294192 A JP4294192 A JP 4294192A JP H05239164 A JPH05239164 A JP H05239164A
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mold
resin composition
coating
thermosetting resin
thermosetting
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆層の密着性が良好な被覆成形品を得るこ
とを可能とする、型内被覆成形用の熱硬化性樹脂組成物
を得る。 【構成】 基材上に熱硬化性被覆材料を被覆させて被覆
層を形成する型内被覆成形法において、前記基材に用い
られる熱硬化性樹脂組成物であり、分子中に共重合性二
重結合及びイソシアネート基を有する化合物、並びに/
または分子中に共重合性二重結合及びイソチオシアネー
ト基を有する化合物を含有することを特徴とする、熱硬
化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型内において基材上
に被覆層を成形する型内被覆成形法に用いられる熱硬化
性樹脂組成物に関し、特に、基材と被覆層との密着性に
優れた被覆成形品を得ることを可能とする熱硬化性樹脂
組成物、並びに該熱硬化性樹脂組成物を用いた被覆成形
品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性成形材料によりなる成形
品が、金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用
いられている。上記熱硬化性成形材料としては、シート
・モールディング・コンパウンド(以下、SMCと略
す)またはバルク・モールディング・コンパウンド(以
下、BMCと略す)が、汎用されている。しかしなが
ら、SMCまたはBMCを金型内で加熱・加圧により成
形して得られた成形品では、表面に、気孔、微小亀裂、
ひけまたは起伏等の表面欠陥が発生しがちであった。こ
のような表面欠陥が存在している場合、成形品に通常の
方法により塗装を行っても、密着性や表面性状の十分な
塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型を開
いて被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を設
ける方法が開示されている。他方、特開昭61−273
921号には、圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧
で被覆材料を注入し、硬化させることにより、成形品表
面に被覆層を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載されている型内被覆成形法では、被覆
層との密着性が十分でないという問題があった。本発明
の目的は、上述した型内被覆成形法において、被覆層の
密着性が良好な被覆成形品を得ることを可能とする、型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及びそのような被覆成
形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基材上に熱硬化性被覆材料を被覆させて被覆層を成
形する型内被覆成形法において、前記基材に用いられる
熱硬化性樹脂組成物であり、分子中に共重合性二重結合
及びイソシアネート基を有する化合物(以下、不飽和イ
ソシアネートと略す。)、並びに/または分子中に共重
合性二重結合及びイソチオシアネート基を有する化合物
(以下、不飽和イソシアネートと略す。)を含有するこ
とを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、基材と、
基材上に形成された被覆層とを備え、上記基材が請求項
1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組成物を用いて構
成されていることを特徴とする、被覆成形品である。以
下、請求項1,2に記載の発明の詳細を説明する。
【0007】不飽和イソシアネート 請求項1に記載の発明において用いられる不飽和イソシ
アネートは、公知慣用の方法によりイソシアン酸アルカ
リ金属塩と、ハロゲン化アルケニルとを反応させて得ら
れる。不飽和イソシアネートの具体的な例としては、ア
リルイソシアネート、1ブテン3イソシアネート、2メ
チルプロペン3イソシアネート等が挙げられる。なお、
上記不飽和イソシアネートは、不飽和アルコールと、ポ
リイソシアネートの付加反応によっても合成することが
できる。
【0008】不飽和イソチオシアネート 請求項1の記載の発明において用いられる不飽和イソチ
オシネートは、公知慣用の方法により、イソチオシアン
酸アルカリ金属塩と、ハロゲン化アルケニルとを反応さ
せることにより製造されるものである。不飽和イソチオ
シアネートの具体的な例としては、アリルイソチオシア
ネート、1ブテン3イソチオシアネート、2メチルプロ
ペン3イソチオシネート等が挙げられる。なお、上記不
飽和イソチオシアネートは、不飽和アルコールと、ポリ
イソチオシアネートの付加反応によっても合成すること
ができる。
【0009】不飽和イソシアネート及び不飽和イソチオ
シアネートの配合量 請求項1に記載の発明では、上記のような不飽和イソシ
アネート及び/または不飽和イソチオシアネートが基材
を構成するための熱硬化性樹脂組成物に配合されるが、
この配合割合は、熱硬化性樹脂組成物の全樹脂分(熱硬
化性樹脂、並びに後述の共重合性モノマー及び熱可塑性
樹脂等の総量)のうち0.1〜70重量%とするのが好
適である。0.1重量%未満では、被覆層との密着性を
改善する効果が得られ難く、逆に、70重量%を超えて
配合した場合には熱硬化性樹脂組成物の粘度が低くなり
過ぎ、SMCまたはBMCの形態(すなわち固体状)と
することが困難となるからである。
【0010】熱硬化性樹脂 基材を構成するための熱硬化性樹脂組成物に用いる熱硬
化性樹脂としては、熱分解性のラジカル触媒を用いて二
重結合を開裂付加反応させて3次元網目構造を形成する
ことができる、分子内に反応性二重結合を有する不飽和
ポリエステル樹脂、ビニルエステル(エポキシアクリレ
ート)樹脂またはウレタンアクリレート樹脂等を用いる
ことができる。これらの樹脂は、それぞれ、単独で用い
られてもよく、あるいは複数種を混合して用いられても
よい。
【0011】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等から製造
される。他方、上記ビニルエステル樹脂も、公知慣用の
方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル
酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸から製造
される。
【0012】また、上記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れる。
【0013】ここで、上記不飽和ポリエステル樹脂に用
いられる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロール及びこれらの混合物が挙げられるが、主
として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けら
れる。脂肪族ポリオールとして代表的なものには、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチル
グリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリットジアリルエーテル、水素化ビスフェノ
ールA等があり、また芳香族ポリオールとして代表的な
ものとしては、ビスフェノールAまたはビスフェノール
SあるいはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノ
ールSにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしく
はブチレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物
を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得ら
れるポリオキシアルキレンビスフェノールAまたはポリ
オキシアルキレンビスフェノールS等がある。
【0014】また前記脂肪族不飽和カルボン酸としては
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が、前記脂肪族飽和カルボン酸としてはセバチン酸、ア
ジピン酸、(無水)コハク酸等が、前記芳香族カルボン
酸としては、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチ
レンテトラヒドロ無水フタル酸等が用いられる。
【0015】また、前記ビニルエステル樹脂に用いられ
るエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の方法に
よりエピクロルヒドリン及びビスフェノールAから製造
されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒ
ドリン及び臭素化ビスフェノールAから製造される臭素
化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ックまたはオルトクレゾールノボラックをグリシジルエ
ーテル化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂、各
種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて得られる、
テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシ
ジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラ
グリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−
p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフ
ェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルト
トルイジン等のグリシジルアミン化合物等が用いられ
る。
【0016】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエーテル
等、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシメチ
レン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよう
な有機ポリオール及びポリカルボン酸により製造され
た、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール等
が用いられる。
【0017】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート等が用いられる。
【0018】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、通常、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシ
ル基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合してい
る。アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むことが
できる。
【0019】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビ
ニルトルエン、ジアリルフタレート、各種アクリレート
モノマー、各種メタクリレートモノマー等の共重合性単
量体や低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポリブ
タジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類等
のような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いること
ができる。
【0020】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、目的及び用途に応じて、適当量の無機充填剤を加え
ることができる。使用可能な無機充填剤としては、以下
のようなものがある。すなわち、硫黄、グラファイト、
ダイヤモンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱物、岩
塩、カリ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の
炭酸塩鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等の
バナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫
酸カルシウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱
物、灰チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑
石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱
物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化ア
ルミニウム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等
のガラス製品等を中心とした天然または人工の鉱物また
はそれを処理、精製あるいは加工したもの、及びそれら
の混合物が用いられる。また、上記充填剤は、熱硬化性
樹脂100重量部に対して0〜300重量部の割合で添
加されるのが好ましい。添加量が300重量部を超える
と充填剤を樹脂及び単量体の中に均一に分散させること
が困難になり、また粘度が高くなりすぎるため型内での
流動性が低下し、寸法安定性が低下する。
【0021】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物では、
補強材として、各種補強繊維、すなわちガラス繊維、炭
素繊維等を必要に応じて適当量加えることができる。さ
らに、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じ
て、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド
類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサ
イド類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート
類、パーオキシケタール類等の公知の重合開始剤、ジメ
チルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化促進
剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、アルミフレ
ーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等の顔料、アゾ系染料や
アントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等の
染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、ス
テアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシチ
ン等の離型剤等を用途、目的に応じて適当量加えること
ができる。
【0022】熱硬化性被覆材料 請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組成物は、
従来から型内被覆成形法において用いられている熱硬化
性被覆材料と組み合わせて用いられる。この場合、熱硬
化性被覆材料としては、熱硬化性樹脂としての不飽和ポ
リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及び/またはウレ
タンアクリレート樹脂等に、必要に応じて各種充填剤や
添加剤等を混合したものが用いられる。
【0023】成形方法 請求項1に記載の発明の熱硬化性樹脂組成物は、従来よ
り公知の方法によって、SMCまたはBMCの形態の熱
硬化性成形材料とされ、熱硬化性被覆材料とともに、型
内被覆成形法に用いられる。上記特定の熱硬化性成形材
料を用いること以外の工程については、従来より公知の
型内被覆成形法に準じて行い得る。例えば、130〜1
60℃に加熱された成形金型内にSMCを入れて40〜
120kg/cm2 の圧力で30秒〜5分間加圧成形し
た後、金型をわずかに開いて型内被覆用組成物を注入
し、次に5〜120kg/cm2 、130〜160℃で
30秒〜5分間再加熱再加圧することにより、成形され
たSMCの表面全体に型内被覆用組成物を展延し、硬化
させて被覆層を形成することができる。
【0024】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力
を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機
を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で型内被覆
用組成物を型内に注入して再び30〜100kg/cm
2 に増圧して型内被覆用組成物を展延硬化させるという
方法もある。上記のような型内塗装方法に本発明の熱硬
化性樹脂組成物を用いれば、容易に請求項2に記載の被
覆成形品を得ることができる。
【0025】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組
成物では、不飽和イソシアネート及び/または不飽和イ
ソチオシアネートが含有されているため、該不飽和イソ
シアネート及び/または不飽和イソチオシアネートの共
重合性二重結合が加圧成形時に熱硬化性樹脂と共重合反
応し、基材を構成する熱硬化性成形材料表面にイソシア
ネート基またはイソチオシアネート基を露出させる。露
出されたイソシアネート基またはイソチオシアネート基
は、熱硬化性被覆材料を構成する熱硬化性樹脂組成物中
のOH基、NHCO基等の活性水素と反応し、化学結合
を形成する機能を有する。従って、被覆層と基材との密
着性が上記化学結合によって高められる。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、上記不
飽和イソシアネート及び/または不飽和イソチオシネー
トが基材を構成するための熱硬化性樹脂組成物中に含有
されているため、型内被覆成形法に用いれば、基材表面
にイソシアネート基またはイソチオシアネート基が露出
され、熱硬化性被覆材料中のOH基やNHCO基等の活
性水素と反応して化学結合を形成する。従って、被覆層
と基材との密着性に優れた請求項2に記載の被覆成形品
を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例につき説明する。な
お、以下において、「部」は、特にことわらない限り重
量部を意味するものとする。
【0028】樹脂液の調製 以下の実施例において、下記の工程により得られた不飽
和ポリエステル樹脂液を用いた。すなわち、イソフタル
酸5モル、マレイン酸5モル及びポリプロピレングリコ
ール10モルを従来公知の方法に従って縮合させ、分子
量約1000の不飽和ポリエステル樹脂を得た。得られ
た不飽和ポリエステル樹脂をスチレンモノマーに溶解
し、不飽和ポリエステル樹脂液とした。この不飽和ポリ
エステル樹脂液中のスチレン含量は、40重量%であっ
た。
【0029】実施例1 基材を構成するための熱硬化性樹脂組成物として、下記
の組成のものを用意した。 不飽和ポリエステル樹脂液…70部 ポリスチレン系低収縮剤(ポリスチレン樹脂約30重量
%及びスチレン約70重量%を含有)…30部 アリルイソシアネート(和光純薬工業社製)…5部
【0030】炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、商品
名:NS−100)…120部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)…1部 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、協和化学工業社製、商
品名:キョウーワマグ150)…1部
【0031】上記組成を十分に混合し、攪拌した後、S
MC含浸装置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社
製、ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)60部に含浸させ、熱硬化性樹脂組成物とし
てのSMCを得た。他方、上記不飽和ポリエステル樹脂
液100部、炭酸カルシウム粉末(NS−100)10
0部及び硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)
1部を十分に混合し、攪拌することにより、熱硬化性被
覆材料を得た。
【0032】上記のようにして用意したSMC及び熱硬
化性被覆材料を用い、以下の手順で成形品を得た。上型
を150℃、下型を150℃に加熱した30cm×30
cmの正方形の平板の金型内に上記SMCを約700g
チャージした。チャージされたSMCは、約4mmの厚
みを有していた。次に、100kg/cm2 の圧力で1
00秒間、加圧成形し、しかる後金型をわずかに開き上
記熱硬化性被覆材料を10ml注入し、再度金型を閉
め、80kg/cm2 で120秒間、再加熱再加圧する
ことにより、成形されたSMCの表面全体に熱硬化性被
覆材料を展延・硬化させて被覆層を形成した。次に、脱
型し、表面が厚み約100μmの被覆層で被覆された被
覆成形品を得た。
【0033】得られた成形品の表面にカッターナイフを
用いて2mmの間隔をおいて11本の素地(基剤)に達
する直線を平行に引き、これらの直線に直交する11本
の直線を2mm間隔で引き、碁盤目状の部分を形成し
た。次に、碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化学工業
社製、商品名:セロテープ)を貼り付け、しかる後剥が
すことにより碁盤目のますの残存数、すなわち被覆層が
剥離しないますの残存数を調べた(以下、碁盤目密着試
験と称す)。その結果、被覆層が剥離しなかったますの
割合(密着性)は、100個/100個であった。
【0034】実施例2 使用した不飽和ポリエステル樹脂液の量を30部とし、
かつアリルイソシアネートの配合量を40部としたこと
以外は、実施例1と同様にしてSMCを作製した。得ら
れたSMCを用いたこと以外については実施例1と全く
同様にして、被覆層が形成された成形品を得た。得られ
た成形品につき、実施例1と同様に碁盤目密着試験を行
ったところ、被覆層が剥離しなかったますの割合は、1
00個/100個であった。
【0035】実施例3 アリルイソシネート5部に代えてアリルイソチオシアネ
ート(和光純薬工業社製)を12部用いたこと以外は、
実施例1と全く同様にしてSMCを作製した。しかる
後、該SMCを用い、以後の工程については実施例1と
全く同様にして被覆層付き成形品を得た。得られた被覆
層付き成形品について、実施例1と同様に碁盤目密着試
験を行ったところ、被覆層が剥離しなかったますの割合
は、100個/100個であった。
【0036】比較例1 アリルイソシアネートを用いなかったこと以外は、実施
例1と同様にしてSMCを作製した。このSMCを用
い、他の工程については実施例1と全く同様にして被覆
成形品を得た。得られた被覆成形品について、実施例1
と同様に碁盤目密着試験を行ったところ、被覆層が剥離
しなかったますの割合は、31個/100個であった。
上記実施例1〜3及び比較例1についての基材を構成す
るための熱硬化性樹脂組成物の組成及び碁盤目密着試験
の結果を下記の表1にまとめて示す。
【0037】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型内にて基材上に熱硬化性被覆材料を被
    覆させて被覆層を形成する型内被覆成形法において、前
    記基材に用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、分子
    中に共重合性二重結合及びイソシアネート基を有する化
    合物、並びに/または分子中に共重合性二重結合及びイ
    ソチオシアネート基を有する化合物を含有することを特
    徴とする、型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材と、基材上に形成された被覆層とを
    備え、前記基材が請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物
    よりなることを特徴とする、被覆成形品。
JP4294192A 1992-02-28 1992-02-28 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 Pending JPH05239164A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007081A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Hitachi Ltd コイル固着用不飽和ポリエステル樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007081A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Hitachi Ltd コイル固着用不飽和ポリエステル樹脂組成物

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