JP6933288B1 - 活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス、活性エネルギー線硬化型インキ、および印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス、活性エネルギー線硬化型インキ、および印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、硬化性、密着性といった印刷皮膜適性と、初期濃度安定性、耐ミスチング性といった印刷適性とを両立できる活性エネルギー線硬化型インキおよびその印刷物を提供することである。【解決手段】ロジン酸類(A)およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の付加反応物と、ポリオール(C)と、脂肪酸(D)との反応物であるロジン変性樹脂であって、ポリオール(C)が、2価および/または3価のポリオールを含み、ロジン酸類(A)の配合量が、全配合量を基準として35〜60質量%であり、脂肪酸(D)の配合量が、全配合量を基準として5〜25質量%であるロジン変性樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インキ用ロジン変性樹脂とその製造方法、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス、活性エネルギー線硬化型インキ、および印刷物に関する。
一般に、活性エネルギー線硬化型インキは、バインダー樹脂と、アクリル酸エステル化合物のような活性エネルギー線硬化型化合物と、顔料と、ラジカル重合開始剤と、各種添加剤とから構成される。
活性エネルギー線硬化型インキ(以下、単に「インキ」ともいう)には、初期濃度安定性、および耐ミスチング性といった印刷適性が要求される。また、同時に、上記インキには、硬化性、密着性といった印刷皮膜特性が要求される。
活性エネルギー線硬化型インキ組成物は一般に、極性の高いポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等に対しては密着するものが多いが、極性の低いポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂は、素材自体の特徴として非常に極性が低いためインキの受理性が悪く、充分なインキの密着性・着肉性を確保することが難しかった。
そのため、コロナ処理などをおこなって素材表面の極性を上げ、インキの濡れ性を上げることで密着性・着肉性を確保する工夫がなされているが、コロナ処理やフレーム処理を施したものでも、コロナ処理は処理直後から効果が落ち始めるため、処理度が低下したフィルムを使用したことによる印刷トラブル( 密着不良) がしばしば発生することより性能面で満足いく結果が得られていないことが現状である。
さらに、近年では、印刷時の省人、省力化、自動化、および高速化の要求が高まってきており、特に、印刷スピードは益々高速化してきている。そして、様々な印刷条件下において、トラブルなく長時間にわたって安定して高品位な印刷物が得られるインキが望まれており、これまでに種々なインキの改良が検討されている。
上記要求に応えるために、これまで、活性エネルギー線硬化型インキ用のバインダー樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等が検討されてきた。
また、特許文献1は、ロジン酸類と、α,β−不飽和カルボン酸との付加反応によって得られる、多価カルボン酸と、水素添加ビスフェノールを含むポリエステル樹脂を開示している。しかし、開示された樹脂はアルコール成分として、水素添加ビスフェノールAを主に含むことで、樹脂のTgが高くなりすぎるため、プラスチック基材への密着性と耐摩擦性の両立が不十分である傾向がある。
また、特許文献2は、ロジン酸類と、脂肪酸および多塩基酸と、多価アルコールとの重縮合体によって得られる、ロジン変性アルキッド樹脂を開示している。しかし、樹脂成分の半分以上を植物油が占めるため、プラスチック基材への密着性と組成物の硬化性の両立が不十分である。
また、特許文献3は、ロジン酸類と、α,β−不飽和カルボン酸との付加反応によって得られる、多価カルボン酸と、一つのシクロヘキサン環を含むポリエステル樹脂を開示している。しかし、現行の評価方法では、プラスチック基材への密着性が不十分である傾向にある。
このように、活性エネルギー線硬化型インキ用のバインダー樹脂について、種々の検討が行われているが、活性エネルギー線硬化型インキに要求される印刷適性および印刷皮膜特性において十分に満足できるものはなく、さらなる改善が望まれている。
特開2011−225748号公報 特開2018−65912号公報 特開2020−66649号公報
本発明は、上述の状況を鑑みて、耐ブロッキング性、耐摩擦性、耐溶剤性、および、密着性といった印刷皮膜特性と、初期濃度安定性、耐ミスチング性といった印刷適性とを両立できる活性エネルギー線硬化型インキおよびその組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ロジン酸類と、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物とを付加反応させ、さらに2価および/または3価のポリオールを含むポリオール(C)と、脂肪酸とを反応させて得たロジン変性樹脂をバインダー樹脂に使用することにより、優れた印刷適性と印刷皮膜特性を両立し得る活性エネルギー線硬化型インキが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスであって、
ロジン変性樹脂が、ロジン酸類(A)およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の付加反応物と、ポリオール(C)と、脂肪酸(D)との反応物であり、
ポリオール(C)が、2価および/または3価のポリオールを含み、
ロジン酸類(A)の配合量が、全配合量を基準として35〜60質量%であり、
脂肪酸(D)の配合量が、全配合量を基準として5〜25質量%である活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスに関する。
また、本発明は、ロジン変性樹脂の重量平均分子量が3,000〜25,000である、上記活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスに関する。
また、本発明は、脂肪酸(D)が、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)を含む、上記活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスに関する。
また、本発明は、ポリオール(C)が、脂肪族ポリオールを含む、上記活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスに関する。
また、本発明は、ロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む、活性エネルギー線硬化型インキであって、
ロジン変性樹脂が、ロジン酸類(A)およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の付加反応物と、ポリオール(C)と、脂肪酸(D)との反応物であり、
ポリオール(C)が、2価および/または3価のポリオールを含み、
ロジン酸類(A)の配合量が、全配合量を基準として35〜60質量%であり、
脂肪酸(D)の配合量が、全配合量を基準として5〜25質量%である、活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、本発明は、ロジン変性樹脂の重量平均分子量が、3,000〜25,000である、上記活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、本発明は、脂肪酸(D)が、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)を含む、上記活性エネルギー線硬化型インキに関する
また、本発明は、ポリオール(C)が、脂肪族ポリオールを含む、上記活性エネルギー線硬化型インキに関する。
また、本発明は、基材上に、上記活性エネルギー線硬化型インキを印刷し、活性エネルギー線にて硬化してなる印刷物に関する。
本明細書で開示するロジン変性樹脂をバインダー樹脂として使用することで、印刷適性と印刷皮膜特性とを両立できる活性エネルギー線硬化型インキを提供することが可能となった。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
なお、本発明中に記載される「共役二重結合」とは、複数の二重結合が単結合を挟んで交互に連なっている結合を指す。ただし、芳香族化合物に含まれるπ電子共役系は、共役二重結合からは除かれる。
以下、各構造単位を構成する単量体について説明する。
<ロジン酸類(A)>
本発明のロジン変性樹脂を得るために用いるロジン酸類(A)とは、環式ジテルペン骨格を有する一塩基酸を指す。ロジン酸、不均化ロジン酸、水添ロジン酸、または前記化合物のアルカリ金属塩等を表し、具体的には、共役二重結合を有するアビエチン酸、およびその共役化合物である、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸や、共役二重結合を有さないピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、およびデヒドロアビエチン酸等の有機酸が挙げられる。またこれらのロジン酸類(A)を含有する天然樹脂として、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等が挙げられる。
本発明のロジン変性樹脂を得るために用いるロジン酸類(A)の配合量は、樹脂原料の全配合量を基準として35〜60質量%であることが好ましく、35〜50質量%であることがより好ましい。ロジン酸類(A)の配合量が35質量%以上であれば、その樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インキの硬化性が良好になり、配合量が60質量%以下であると、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の耐溶剤性が良好となる。
本発明における、ロジン酸類(A)としては、前記の共役二重結合を有する有機酸を、全ロジン酸類(A)中に40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがさらに好ましい。ロジン酸類(A)中に共役二重結合を有する有機酸が40質量%未満の場合、α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B)とのディールスアルダー付加反応物の量が少なくなり、その結果、顔料分散性が悪化する傾向があり、好ましくない。
<α,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B)>
本発明のロジン変性樹脂を得るために用いるα,β−不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B)としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等およびこれらの酸無水物が例示される。ロジン酸類(A)との反応性を鑑みると、好ましくはマレイン酸またはその酸無水物である。
本発明における、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の配合量は、ロジン酸類(A)に対して、60〜180モル%の範囲であることが好ましく、70〜155モル%の範囲であることがより好ましい。α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の配合量を上記範囲内に調整した場合、対摩擦性、密着性、およびミスチング性に優れるロジン変性樹脂を得ることが容易である。
<(A)、(B)、および(D)以外のカルボン酸(以下「その他の有機酸類」ともいう)>
本発明のロジン変性樹脂を得るために、ロジン酸類(A)、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)、および脂肪酸(D)に加えて、その他の有機酸類を、単独または2種類以上用いることもできる。
その他の有機酸類の配合量は、樹脂原料の全配合量を基準として0〜30質量%であることが好ましく、0〜20質量%であることが更に好ましい。
その他の有機酸類の具体的な例としては以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(有機一塩基酸)
安息香酸、メチル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、オルトベンゾイル安息香酸等の芳香族一塩基酸、
共役リノール酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸、カレンジン酸等の共役二重結合を有するが環式ジテルペン骨格を有さない化合物
等が挙げられる。
(脂環式多塩基酸またはその酸無水物)
1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
(その他の有機多塩基酸またはその酸無水物)
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、o−フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの酸無水物等が挙げられる。
<ポリオール(C)>
ポリオール(C)は、ロジン酸類(A)に含まれる共役二重結合を有する有機酸とα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とのディールスアルダー反応によって得られる化合物、ロジン酸類(A)のうち共役二重結合を有さない有機酸、脂肪酸(D)およびその他の有機酸、それぞれにおけるカルボン酸との反応によってエステル結合を形成する。
本発明のロジン変性樹脂は、ポリオール(C)として、2価および/または3価のポリオールを含むことで、得られるロジン変性樹脂に適度な柔軟性が付与され、そのロジン変性樹脂を用いたインキの優れた印刷適性と、密着性の発現および向上の両立が可能となる。
<2価および3価のポリオール>
本発明のロジン変性樹脂を得るために、2価および3価のポリオールを、単独または2種類以上用いることもできる。2価および3価のポリオールの具体的な例としては以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(直鎖状アルキレン2価ポリオール)
1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等。
(分岐状アルキレン2価ポリオール)
2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等。
(環状2価ポリオール)
1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等の環状アルキレン2価ポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン等の芳香族2価ポリオール。
(その他の2価のポリオール)
ポリエチレングリコール(n=2〜20)、ポリプロピレングリコール(n=2〜20)、ポリテトラメチレングリコール(n=2〜20)等の2価のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等。
(3価のポリオール)
グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン等。
<2価および3価のポリオール以外のポリオール>
(4価以上のポリオール)
ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロ−ルプロパン、ジペンタエリスリト−ル、ソルビトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等の直鎖状、分岐状、および環状の4価以上のポリオール。
本発明における、2価および3価のポリオールの合計配合量は、樹脂原料の全配合量を基準として10〜55質量%含むことが好ましい。2価および3価のポリオールの合計配合量がこの範囲内の場合、密着性を発現させ、かつ、印刷皮膜適性や印刷適性を向上させることが容易となる。2価および3価のポリオールの合計配合量は20〜50質量%であることがより好ましく、20〜45質量%であることがさらに好ましい。
また、ポリオール(C)の全配合量に対する2価および3価のポリオールの合計配合量は、80〜100質量%であることが好ましく、85〜100質量%であることがより好ましい。
また、ポリオール(C)は、脂肪族ポリオールを含むことが好ましい。脂肪族ポリオールを含むことで、得られるロジン変性樹脂が柔軟性を有するため、そのロジン変性樹脂を用いたインキの密着性の発現および向上が可能となる。ポリオール(C)の全配合量に対する脂肪族ポリオールの配合量は、80〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることがより好ましい。
<脂肪酸(D)>
脂肪酸(D)は、ロジン酸類(A)に含まれる共役二重結合を有する有機酸とα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とのディールスアルダー反応によって得られる化合物、ロジン酸類(A)のうち共役二重結合を有さない有機酸、およびその他の有機酸、それぞれにおけるカルボン酸とポリオール(C)との反応によってエステル結合を形成した化合物が有する水酸基と反応しエステル結合を形成する。脂肪酸(D)の具体的な例としては以下が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヌカ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
本発明のロジン変性樹脂は、脂肪酸(D)として、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)を含むことで、得られるロジン変性樹脂に適度な柔軟性が付与され、そのロジン変性樹脂を用いたインキの密着性の発現および向上が可能となる。
本発明における、前記脂肪酸(D)の配合量は、樹脂原料の全配合量を基準として5〜25質量%含むことが好ましい。脂肪酸(D)の配合量がこの範囲内の場合、その樹脂を含む活性エネルギー線硬化型インキの密着性が良好になるが、配合量が25質量%を超えると、活性エネルギー線硬化型インキ組成物の耐ブロッキング性と耐摩擦性が劣化する傾向があるため好ましくない。脂肪酸(D)の配合量は、樹脂原料の全配合量を基準として5〜20質量%であることがより好ましい。また、脂肪酸(D)中に、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)が50〜100質量%含まれることが望ましく、60〜100%質量%含まれることがより好ましい。
本発明のロジン変性樹脂は、重量平均分子量が3,000〜25,000であることが好ましく、4,000〜15、000であることがより好ましい。重量平均分子量が3,000〜25,000であることで、密着性および耐ミスチング性の発現および向上が可能となる。
<ロジン変性樹脂の製造方法>
本発明のロジン変性樹脂は、(1)ロジン酸類(A)と、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)との反応、次いで(2)上記(1)の反応で得た反応混合物、およびその他の有機酸類と、ポリオール(C)との反応、最後に(3)上記の(2)で得られた反応混合物と脂肪酸(D)との反応を経て得られる。
上記(1)の反応は、ロジン酸類(A)中の共役二重結合(ジエン)と、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)における二重結合(ジエノフィル)とのディールスアルダー付加反応である。また、上記(2)の反応は、(1)の反応で得た反応混合物、およびその他の有機酸類におけるカルボキシル基と、ポリオール(C)における水酸基との間のエステル化反応である。また、上記(3)の反応は、(2)の反応で得た反応混合物における残存水酸基と、脂肪酸(D)におけるカルボキシル基との間のエステル化反応である。
ロジン酸類(A)中の共役二重結合と、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とのディールスアルダー付加反応物は、多価カルボン酸化合物となる。そのため、ポリオール(C)とのエステル化反応により高分子化が可能となる。また、ディールスアルダー付加反応によって、ロジン酸類(A)中の共役二重結合を消滅させることができるとともに、ロジン酸類(A)由来の多環構造をロジン変性樹脂に導入することができる。通常、ロジン酸類(A)中の共役二重結合は、インキ硬化のための活性エネルギー線照射時に硬化阻害を引き起こす。しかし、本発明では、ディールスアルダー付加反応によってロジン酸類(A)中の共役二重結合を消滅させるため、インキの硬化性を向上することが容易となる。
以上により、本発明のロジン変性樹脂の製造方法によれば、耐摩擦性、耐溶剤性等の皮膜強度と、初期濃度安定性、耐ミスチング等の印刷適性とを両立することが可能となる。加えて、上記の通り、柔軟性を有する長鎖脂肪酸を構造中に組み込むことによって、上記皮膜特性に加えて、優れた密着性を発現させることも可能となる。
ディールスアルダー付加反応の条件は、特に限定されず、常法に従って行うことができる。反応温度は、使用する化合物の沸点、および反応性を考慮して決定することができる。上記反応温度は、80〜200℃の範囲が好ましく、100〜200℃の範囲がより好ましく、100〜180℃の範囲がさらに好ましい。
ディールスアルダー付加反応は、重合禁止剤の存在下で行なっても良い。使用可能な重合禁止剤の具体例として、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、t−ブチルカテコール、4−メトキシ−1−ナフトール、およびフェノチアジン等が挙げられる。
エステル化反応の条件も、特に限定されず、常法に従って行うことができる。反応温度は、使用する化合物の沸点、および反応性を考慮して決定することができる。上記反応温度は、200〜300℃の範囲が好ましく、200〜280℃の範囲がより好ましく、200〜260℃の範囲がさらに好ましい。
また、必要に応じて、エステル化反応において、触媒を用いることが可能である。使用可能な触媒の一例として、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が挙げられる。さらに、使用可能な触媒の他の例として、テトラブチルジルコネート、テトライソブチルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等の金属塩触媒なども挙げられる。これら触媒は、ロジン変性樹脂の製造時に使用した全成分の総量を基準として、通常、0.01〜5質量%の範囲で使用される。触媒を使用することによる樹脂の着色を抑制するために、樹脂の製造時に、次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、およびトリフェニルホスフィン等を併用することもできる。
上記ロジン変性樹脂の製造において、樹脂を構成する上記(A)〜(D)の単量体は、同時に配合することもできるし、段階的に配合することもできる。
例えば、ロジン酸類(A)、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)、その他の有機酸類、ポリオール(C)、および脂肪酸(D)の混合物を用いて、3段階で反応を実施することができる。この場合、最初に、ロジン酸類(A)と、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とのディールスアルダー付加反応が起こるように反応温度を調整すればよい。より具体的には、最初に、反応温度をディールスアルダー付加反応が進行する温度に制御し、一定時間にわたって維持した後に、ポリオール(C)と脂肪酸(D)とのエステル化反応が進行する温度まで加熱したのちに、高分子化させるためのエステル化反応が進行する温度まで加熱し反応を実施すればよい。
別法として、ロジン酸類(A)、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)を配合し、ディールスアルダー付加反応させた後、その他の有機酸類、およびポリオール(C)を配合し、エステル化反応して得られた反応混合物に脂肪酸(D)を配合して、反応させてもよい。
また、ロジン酸類(A)、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)、その他の有機酸類、ポリオール(C)の混合物を用いて、2段階で反応を実施することができる。この場合、最初に、反応温度をディールスアルダー付加反応が進行する温度に制御し、一定時間にわたって維持した後に、反応混合物とポリオール(C)エステル化反応が進行する温度まで加熱したのちに、脂肪酸(D)を配合して、反応させてもよい。
また、本発明のロジン変性樹脂の融点は50℃以上であることが好ましく、60〜100℃の範囲がより好ましい。なお融点は、BUCHI社製のMeltingPointM−565を用い、昇温速度0.5℃/分の条件下で測定できる。
<活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス>
本発明のロジン変性樹脂を使用して、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスを構成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスは、少なくとも本発明のロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含み、ワニスの全質量を基準として、本発明のロジン変性樹脂を30〜80質量%と、活性エネルギー線硬化型化合物を20〜70質量%とを含有することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスにおける、本発明のロジン変性樹脂と活性エネルギー線硬化型化合物との配合比は、質量比で30:70〜75:25の範囲が好ましく、35:65〜70:30の範囲がさらに好ましい。
本明細書において、活性エネルギー線硬化型化合物とは、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスを構成するために使用可能な活性エネルギー線硬化型化合物の具体例として、
2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、アクリロイルモルホリン等の単官能活性エネルギー線硬化型化合物、
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=2〜20)、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=2〜20)、アルキレン(炭素数4〜12)グリコールジアクリレート、アルキレン(炭素数4〜12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジアクリレート、アルキレン(炭素数4〜12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、水添ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジアクリレート、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジアクリレート等の2官能活性エネルギー線硬化型化合物、
グリセリントリアクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリアクリレート等の3官能活性エネルギー線硬化型化合物、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ジグリセリンエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート、ジグリセリンプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラアクリレート等の4官能活性エネルギー線硬化型化合物、および
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6〜60モル)ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6〜60モル)ヘキサアクリレート等の多官能活性エネルギー線硬化型化合物
が挙げられる。活性エネルギー線硬化型化合物として、例示した化合物を単独で使用しても、2種以上を組合せて使用してもよい。
活性エネルギー線硬化型化合物は、要求される硬化皮膜特性に応じて、適宜選択することが可能である。必要に応じて、上記化合物に加えて、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、およびエポキシアクリレート等のオリゴマーを併用することも可能である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスは、上記成分に加えて、さらに光重合禁止剤を含んでもよい。このような実施形態では、光重合禁止剤を常法により添加し、使用することができる。上記ワニスに光重合禁止剤を添加する場合、硬化性を阻害しない観点から、その配合量は、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスの全質を基準として、3質量%以下にすることが好ましく、0.01〜1質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
使用可能な光重合禁止剤の具体例として、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、およびシクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。特に限定するものではないが、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノンからなる群から選択される1種以上の化合物を使用することが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスは、例えば、常温から160℃の間の温度条件下で、上記成分を混合することで製造することができる。
例えば、ロジン変性樹脂と、トリメチロールプロパントリアクリレートと、ハイドロキノンとを、100℃の温度条件下で、加熱溶融して得たワニスを好適に使用することができる。
<活性エネルギー線硬化型インキ>
本発明のロジン変性樹脂を使用して、活性エネルギー線硬化型インキを構成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、少なくとも本発明のロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、着色インキとする場合には顔料を含むが、顔料を使用しない場合にはオーバーコートワニス、またはクリアインキとなる。このため、顔料を使用することを限定するものではない。
活性エネルギー線硬化型化合物としては、先にワニスの構成成分として例示した化合物が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、本発明のロジン変性樹脂を5〜40質量%、上記活性エネルギー線硬化型化合物を20〜70質量%、および顔料を0〜50質量%含有するものであることが好ましい(但し、各成分の含有量の合計が100質量%とする)。ここで、本発明のロジン変性樹脂、および上記活性エネルギー線硬化型化合物は、予め上述したワニスの形態に調製して使用してもよい。
使用することのできる顔料は、公知公用の各種顔料であってよく、無機顔料および有機顔料を使用することができる。
無機顔料の具体例として、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、二酸化珪素、群青、カーボンブラック、グラファイト、およびアルミニウム粉等が挙げられる。
有機顔料の具体例として、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、およびピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、
β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、およびピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、
銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素又は臭素化)銅フタロシアニンブルー、およびスルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、
キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、活性エネルギー線の照射によって硬化する。紫外線でインキを硬化させる場合は、インキに光重合開始剤を添加することが好ましい。一般に、光重合開始剤は、光により分子内で結合が開裂して活性種を生成するタイプと、分子間で水素引き抜き反応を起こして活性種を生成するタイプとの2種類に大別できる。
前者として、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン}、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンとベンゾフェノンとの混合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系、ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル、および3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
後者として、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、およびカンファーキノン等がある。
光重合開始剤は、1種を単独で使用しても、必要に応じて2種以上を組合せて使用しても良い。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキに紫外線を照射して、インキを硬化させる場合、インキに光重合開始剤を添加するだけでよいが、硬化性をより向上させるために、光増感剤を併用することもできる。
光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、および4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のアミン類が挙げられる。
活性エネルギー線として紫外線を使用する場合、光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化型インキの全質量を基準として、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。上記配合量を0.01質量%以上とした場合、硬化反応が十分に進行する。また、上記配合量を15質量%以下とした場合、熱重合反応の発生を抑制し活性エネルギー線硬化型平版印刷インキの安定性を好適な状態にすることが容易である。活性エネルギー線として、紫外線以外の電離放射線を使用する場合には、光重合開始剤を配合しなくてもよい。
活性エネルギー線硬化型インキは、光重合禁止剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤等の各種添加剤を、目的に応じて、さらに含んでもよい。各種添加剤は、常法によりインキに添加することができる。インキに対して各種添加剤を添加する場合、他のインキ材料の効果を阻害しない範囲で配合量を調整することが好ましい。各種添加剤の配合量は、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ全質量を基準として、15質量%以下であることが好ましい。なお、光重合禁止剤を使用する場合、例えば、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスに使用可能な光重合禁止剤として例示した化合物を用いることができる。
活性エネルギー線の照射は、窒素ガス等の不活性ガス置換雰囲気下で実施することが好ましいが、大気中で照射しても差し支えない。活性エネルギー線を照射する前に、赤外線ヒーター等によって活性エネルギー線硬化型インキの塗布層を加温するか、又は活性エネルギー線を照射した後に、活性エネルギー線硬化型インキの硬化層を赤外線ヒーター等で加温することは、硬化を速く終了させるために有効である。
本明細書において、活性エネルギー線とは、代表的に、紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波等を意味する。しかし、活性エネルギー線は、上記に限定されるものではなく、ラジカル性活性種を発生させ得るならば、いかなるエネルギー種でもよく、可視光線、赤外線、およびレーザー光線でもよい。
紫外線を発生するものとしては、例えば、LED、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ヘリウム・カドミウムレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、およびアルゴンレーザーなどが挙げられる。
本発明の樹脂は、通常の印刷用インキと同様に公知の印刷方法、例えば平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷にて印刷することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの印刷物に適用される。また、他の実施形態として、上記印刷物のオーバーコートワニスとして使用されることもある。
上記インキが適用される基材は、特に限定されない。使用可能な基材の具体例として、上質紙等の非塗工紙、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙等の塗工紙、白板紙、ボールコート等の板紙、合成紙、アルミ蒸着紙、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、本明細書に記載の「部」は質量部を表し、「%」は質量%を示す。
以下の実施例で実施した各種測定の詳細は以下のとおりである。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、東ソー(株)製のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(HLC−8320)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。また、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、カラムとしてTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)を3本用いた。測定は、流速0.6mL/分、注入量10μL、およびカラム温度40℃の条件下で行った。
(酸価)
酸価は、中和滴定法によって測定した。具体的には、先ず、ロジン変性樹脂1gをキシレン:エタノール=2:1の質量比で混合した溶媒20mLに溶解させた。次いで、先に調製したロジン変性樹脂の溶液に、指示薬として3質量%のフェノールフタレイン溶液を3mL加えた後に、0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液で中和滴定を行った。酸価の単位は、mgKOH/gである。
(ロジン酸類の成分分析)
原料として使用するロジン酸類をガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し、全ロジン酸ピーク面積100%に対する、各ピーク面積比(%)を求めた。より具体的には、ロジン酸類中に含まれ、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とディールスアルダー付加反応を起こす共役系ロジン酸と、前記共役系ロジン酸以外との含有比を、それぞれ該当するピーク面積の比から求めた。
(ディールスアルダー付加反応の進行の確認と、生成した上記付加反応物の定量)
ディールスアルダー付加反応の反応液をガスクロマトグラフィー質量分析計で分析し、原料として使用した、ロジン酸類(A)、およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の検出ピークの減少によって反応の進行を確認した。検出ピークの減少に変化が見られない時点で反応を終了した。
1.ロジン変性樹脂、ワニス、および活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物の調製
以下に示す実施例および比較例の処方に従い、ロジン変性樹脂、ワニス、および活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ組成物をそれぞれ調製した。
なお、以下に示す処方で使用したガムロジンは、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)とディールスアルダー付加反応を起こす共役系ロジン酸の含有量が80質量%であり、前記共役系ロジン酸以外の含有量が20質量%であった。
(実施例1)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン58部と無水マレイン酸15部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次いで、先に説明したように、反応混合物のガスクロマトグラフ質量分析によって、ディールスアルダー付加反応が完了したことを確認した。
次に、上記反応混合物に、ネオペンチルグリコール11部と、トリメチロールプロパン8部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸8部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂1(R1)を得た。樹脂1(R1)の酸価は70であり、GPC測定ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)は13,300であった。
(実施例2)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン35部と無水マレイン酸10部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、テトラヒドロ無水フタル酸10部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール4部と、ネオペンチルグリコール22部と、トリメチロールプロパン8部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸11部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂2(R2)を得た。樹脂2(R2)の酸価は41であり、Mw6,800であった。
(実施例3)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン42部と無水マレイン酸11部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール2部と、ネオペンチルグリコール17部と、トリメチロールプロパン4部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸11部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂2(R2)を得た。樹脂3(R3)の酸価は63であり、Mw7,400であった。
(実施例4)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価44、Mw15,000の樹脂4(R4)を得た。
(実施例5)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価51、Mw23,900の樹脂5(R5)を得た。
(実施例6)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価61、Mw3,400の樹脂6(R6)を得た。
(実施例7)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価55、Mw11,700の樹脂7(R7)を得た。
(実施例8)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン50部と無水マレイン酸13部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール6部と、ネオペンチルグリコール21部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸11部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂8(R8)を得た。樹脂8(R8)の酸価は52であり、Mw5,500であった。
(実施例9)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン44部と無水マレイン酸12部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、トリメチロールプロパン27部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸17部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂9(R9)を得た。樹脂9(R9)の酸価は47であり、Mw18,600であった。
(実施例10)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価35、Mw30,700の樹脂10(R10)を得た。
(実施例11)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン51部と無水マレイン酸13部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール2部と、ネオペンチルグリコール18部と、トリメチロールプロパン7部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、ヤシ油脂肪酸9部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂11(R11)を得た。樹脂11(R11)の酸価は43であり、Mw13,700であった。
(実施例12)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価48、Mw11,200の樹脂12(R12)を得た。
(実施例13)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価60、Mw4,900の樹脂13(R13)を得た。
(実施例14)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン45部と無水マレイン酸13部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール2部と、ネオペンチルグリコール14部と、トリメチロールプロパン3部と、ビスフェノールA11部と、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸12部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂14(R14)を得た。樹脂14(R14)の酸価は58であり、Mw6,300であった。
(実施例15)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン39部と無水マレイン酸10部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、ビスフェノールA40部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸11部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂15(R15)を得た。樹脂15(R15)の酸価は56であり、Mw7,500であった。
(比較例A)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン64部と無水マレイン酸15部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール2部と、ネオペンチルグリコール8部と、トリメチロールプロパン4部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸7部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂(RA)を得た。樹脂A(RA)の酸価は79であり、GPC測定ポリスチレン換算での重量平均分子量(Mw)は3,600であった。
(比較例B)
実施例2と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価31、Mw9,200の樹脂B(RB)を得た。
(比較例C)
実施例3と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価42、Mw6,900の樹脂C(RC)を得た。
(比較例D)
実施例2と同様の操作にて、表1に示す配合組成で酸価47、Mw13,800の樹脂D(RD)を得た。
(比較例E)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン44部と無水マレイン酸12部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、ペンタエリスリトール19部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸17部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂(RA)を得た。樹脂E(RE)の酸価は37であり、Mw22,500であった。
(比較例F)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン44部と無水マレイン酸14部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、1,4−シクロヘキサンジメタノール42部と、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、220℃で5時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂(RF)を得た。樹脂F(RF)の酸価は84であり、Mw4,800であった。
(比較例G)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ガムロジン46部と、テトラヒドロ無水フタル酸14部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール6部と、ネオペンチルグリコール17部と、トリメチロールプロパン4部とを仕込み、触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1部とを添加し、240℃で8時間にわたって脱水縮合反応を行った後、トール油脂肪酸13部を添加し、3時間にわたって脱水縮合反応を行い、樹脂(RG)を得た。樹脂G(RG)の酸価は78であり、Mw3,400であった。
なお、樹脂Gは、特許文献3に記載の樹脂に相当するものである。
(比較例H)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、および温度計を備えた4つ口フラスコに、ヤシ油脂肪酸76部とペンタエリスリトール4部とを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、250℃で1時間にわたって加熱することにより、反応混合物を得た。次に、上記反応混合物に、ロジン15部と、テトラヒドロ無水フタル酸5部と、還流用キシレンを添加し、250℃で6時間にわたって脱水縮合反応を行った後、3時間にわたって減圧脱溶剤を行い、樹脂H(RH)を得た。樹脂H(RH)の酸価は13であり、Mw7,000であった。
なお、樹脂Hは、特許文献2に記載の樹脂に相当するものである。
Figure 0006933288
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なお、トール油脂肪酸としては、クレイトンコーポレーション製 SYLFAT FA1(炭素数15−18の脂肪酸(D−1)の割合:97%)を、ヤシ油脂肪酸としては、新日本理化株式会社製 ヤシ油脂肪酸DC(炭素数15−18の脂肪酸(D−1)の割合:8%)を使用した。
(活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスの作成)
前記方法で得られた樹脂を55部、トリメチロールプロパントリアクリレート44.9部、およびハイドロキノン0.1部を入れて混合し、これらを100℃で加熱溶融することでワニス1〜15、A〜Hを得た。
(活性エネルギー線硬化型平版印刷インキの作成)
前記方法で得られた、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス41部、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製の藍顔料)20部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物トリアクリレート22部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート11.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.5部、2−メチル−2−モノホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン2.5部、およびハイドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し混合物を得た。次いで、インキのタックが9〜10になるように、上記混合物にトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物トリアクリレートを加えて調整し、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ(1〜15、A〜H)を得た。インキのタックは、東洋精機社製のインコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。
なお、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物トリアクリレートとしては、東亞合成社製アロニックスM−350を用いた。
2.活性エネルギー線硬化型平版印刷インキの評価
実施例および比較例で調製した活性エネルギー線硬化型平版印刷インキについて、下記の方法に従い、印刷皮膜適性と印刷適性を評価した。
<印刷皮膜適性の評価>
実施例のインキ1〜15、比較例のインキA〜Gを、RIテスター(明製作所製簡易展色装置)を用いて、マリコート紙(北越製紙社製コートボール紙)へ1g/m2の塗布量で印刷し、120W/cmの空冷メタルハライドランプ(東芝社製)1灯を用いて60m/minで紫外線を照射した。
紫外線照射後の印刷物の硬化性、および光沢性について、以下に従って評価した。各評価の結果を表2に示す。
(耐ブロッキング性)
耐ブロッキング性は、作成した印刷物の印刷面同士を重ね合わせたものに、0.5kg/cm2の荷重かけ、にて40℃24時間をかけた後、重ねた印刷物を剥がした時の印刷面の状態を目視にて観察し、以下の基準に従い5段階で評価した。使用可能なレベルは「3」以上である。
5:印刷面の変化なし。
4:印刷面の一部でキズが見られるが、剥離は見られない。
3:印刷面の一部(面積の10%未満)に剥離が見られる。
2:印刷面の一部(面積の10〜50%未満)に剥離が見られる。
1:印刷面の一部(面積の50%以上)、又は全部に剥離が見られる。
(耐溶剤性)
耐溶剤性は、MEK(メチルエチルケトン)を浸した綿棒で印刷面を30回擦った後、印刷面の状態を目視にて観察し、以下の基準に従い5段階で評価した。使用可能なレベルは「3」以上である。
5:印刷面の変化なし。
4:印刷面の一部で溶解が見られるが、剥離は見られない。
3:印刷面の一部(面積の10%未満)に剥離が見られる。
2:印刷面の一部(面積の10〜50%未満)に剥離が見られる。
1:印刷面の一部(面積の50%以上)、又は全部に剥離が見られる。
(耐摩擦性)
耐摩擦性は、印刷物の印刷面(塗膜)に対し、JIS−K5701−1に準じて、試験を行い評価した、具体的には、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業社製)を用いて、摩擦用紙として上質紙を500g加重で塗膜表面を500回往復させた。次いで、摩擦面(塗膜表面)の変化を目視にて観察し、以下の基準に従い5段階で評価した。使用可能なレベルは「3」以上である。
5:印刷面の変化なし。
4:印刷面の一部でキズが見られるが、剥離は見られない。
3:印刷面の一部(面積の10%未満)に剥離が見られる。
2:印刷面の一部(面積の10〜50%未満)に剥離が見られる。
1:印刷面の一部(面積の50%以上)、又は全部に剥離が見られる。
また、実施例のインキ1〜15、比較例のインキA〜Hを、RIテスター(明製作所製簡易展色装置)を用いて、PETフィルムに対して1g/m2の塗布量で印刷し、100W/cmの空冷メタルハライドランプ(東芝社製)1灯を用いて60m/minで紫外線を照射し、印刷物を得た。またPETフィルムの代わりにPPフィルムを使用し、上記方法と同様にして印刷物を得た。
紫外線照射後の各印刷物の密着性を以下に従って評価した。評価結果を表2に示す。
(密着性)
上記のようにして得たPETフィルムおよびPPフィルムへの各印刷物に対し、セロハンテープ剥離試験を行い、密着性を評価した。試験後の印刷物の表面を目視で観察し、密着性を以下の基準に従い、5段階で評価した。使用可能なレベルは「3」以上である。
5:印刷面の変化なし。
4:印刷面の一部でキズが見られるが、剥離は見られない。
3:印刷面の一部(面積の10%未満)に剥離が見られる。
2:印刷面の一部(面積の10〜50%未満)に剥離が見られる。
1:印刷面の一部(面積の50%以上)、又は全部に剥離が見られる。
<印刷適性の評価>
実施例のインキ1〜15、比較例のインキA〜Hを用いて、インキごとに2万枚の印刷試験を行った。印刷試験は、リスロン226(コモリコーポレーション社製の枚葉印刷機)を用いて、三菱特菱アート紙斤量90kg/連(三菱製紙社製)に対して、10,000枚/時の速度で印刷する条件下で実施した。
また、印刷試験では、湿し水として、アストロマークIIIクリア(東洋インキ社製)1.5%と、イソプロピルアルコール3%とを含む水道水を使用した。正常に印刷できる条件範囲の境界付近における印刷状態の比較を行うために、水巾の下限値よりも2%高い水ダイヤル値で印刷を行った。なお「水巾の下限」とは、正常な印刷が可能である、湿し水の最低供給量を意味し、「水ダイヤル」とは、上記湿し水の供給量を調整するために、上記印刷機に備えられたダイヤルを意味する。
(初期濃度安定性の評価)
また、前記印刷試験において、刷り出し時、濃度変動が安定するまでに発生する損紙枚数から、以下の基準に従い、初期濃度安定性を4段階で評価した。使用可能なレベルは「2」以上であるが、「3」以上がより好ましい。評価結果を表2に示す。
4:損紙枚数が200枚以下である。
3:損紙枚数が201枚以上、500枚以下である。
2:損紙枚数が501枚以上、800枚以下である。
1:損紙枚数が801枚以上である。
(耐ミスチング性)
印刷時に印刷機の安全カバーの内側に白紙を張り付け、10,000通し後に白紙を取り出し、インキの飛散の程度を、以下の基準に従い、4段階で評価した。使用可能なレベルは「2」以上であるが、「3」以上がより好ましい。
4:白紙の一部分に微量のインキミストが飛散している。
3:白紙全面に薄くインキミストが飛散している。
2:白紙全面にやや厚くインキミストが飛散している。
1:白紙全面にベッタリとインキミストが飛散している。
Figure 0006933288
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表2に示すように、実施例のインキ1〜15は、耐ブロッキング性、耐摩擦性、耐溶剤性、密着性、初期濃度安定性および耐ミスチング性の全ての評価において、使用可能なレベルであり、優れた印刷皮膜適性と印刷適性とを両立できることが分かる。一方、比較例のインキA〜Hでは、印刷皮膜適性と印刷適性との両立は困難であった。
より詳細には、比較例のインキA、Gに見られるように、バインダー樹脂として使用されたロジン変性樹脂が、ロジン酸類(A)が過剰量含まれている、またはα,β−不飽和カルボン酸無水物(B)がロジン酸類(A)中の共役二重結合を有する化合物に対し不足している時、全ての共役二重結合を有する化合物を十分にディールスアルダー付加反応できず、樹脂中に共役二重結合が存在するため、硬化被膜の強度が不十分になり、耐ブロッキング性、耐摩擦性、耐溶剤性が低下した。
一方、比較例のインキBでは、ロジン酸類(A)が少ないため、樹脂中にロジン酸類(A)来の剛直な骨格の導入が不十分になり、樹脂中のTgが低下するため、耐ブロッキング性、耐摩擦性が低下していると考えられる。
比較例のインキC、Hでは、耐ミスチング性が低下する結果となった。これは、脂肪酸(D)が過剰量含まれており、インキとしての粘性が増大し、凝集力が不足したためだと考えられる。また、過剰な脂肪酸(D)により樹脂中のTgが低下するため、耐ブロッキング性、耐摩擦性も低下したと考えられる。
比較例のインキD,E、Fでは、PETおよびPPフィルムへの密着性が低下する結果となった。比較例D、Fでは、脂肪酸(D)が不足していること、比較例Eでは2または3官能アルコールを含まず、四官能アルコールのみであること、それぞれ樹脂の柔軟性が失われ、硬化膜の硬化性には優れるが、密着性とのバランスが悪くなっていると考えられる。また、比較例Eについては、前記の理由から弾性が増大したため、フィラメントが伸張しやすくミスト化しやすくなったと考えられる。
(活性エネルギー線硬化型凸版印刷インキの作成)
前記方法で得られた、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス1〜15、A〜H45部、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製の藍顔料)20部、トリプロピレングリコールジアクリレート11部、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物トリアクリレート18.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.5部、2−メチル−2−モノホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン2.5部、およびハイドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し混合物を得た。次いで、インキのタックが8〜9になるように、上記混合物にトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物ジアクリレートを加えて調整し、活性エネルギー線硬化型凸版印刷インキを得た。インキのタックは、東洋精機社製のインコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。作成した活性エネルギー線硬化型凸版印刷インキそれぞれについて、前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキと同様の評価を行ったところ、いずれも使用可能なレベルを満たしていた。
(活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキの作成)
前記方法で得られた、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス1〜15、A〜H34部、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製の藍顔料)19部、トリプロピレングリコールジアクリレート11部、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド付加物ジアクリレート(大阪有機工業化学株式会社製 ビスコート#230D)30.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン2.5部、2−メチル−2−モノホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン2.5部、およびハイドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し混合物を得た。次いで、インキの粘度が500〜1000mPa・sになるように、上記混合物に1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド付加物ジアクリレートを加えてディスパーで撹拌し、活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキを得た。インキの粘度は、E型粘度計(東機産業社製TVE25L型粘度計)にて25℃で測定した。作成した活性エネルギー線硬化型フレキソ印刷インキそれぞれについて、前記活性エネルギー線硬化型平版印刷インキと同様の評価を行ったところ、いずれも使用可能なレベルを満たしていた。

Claims (9)

  1. ロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む、活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスであって、
    ロジン変性樹脂が、ロジン酸類(A)およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の付加反応物と、ポリオール(C)と、脂肪酸(D)との反応物であり、
    ポリオール(C)が、2価および/または3価のポリオールを含み、
    ロジン酸類(A)の配合量が、全配合量を基準として35〜60質量%であり、
    脂肪酸(D)の配合量が、全配合量を基準として5〜25質量%である活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス
  2. ロジン変性樹脂の重量平均分子量が、3,000〜25,000である、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス
  3. 脂肪酸(D)が、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)を含む、請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス
  4. ポリオール(C)が、脂肪族ポリオールを含む、請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキ用ワニス
  5. ロジン変性樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む、活性エネルギー線硬化型インキであって、
    ロジン変性樹脂が、ロジン酸類(A)およびα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物(B)の付加反応物と、ポリオール(C)と、脂肪酸(D)との反応物であり、
    ポリオール(C)が、2価および/または3価のポリオールを含み、
    ロジン酸類(A)の配合量が、全配合量を基準として35〜60質量%であり、
    脂肪酸(D)の配合量が、全配合量を基準として5〜25質量%である、活性エネルギー線硬化型インキ
  6. ロジン変性樹脂の重量平均分子量が、3,000〜25,000である、請求項5記載の活性エネルギー線硬化型インキ。
  7. 脂肪酸(D)が、炭素数15〜18の脂肪酸(D−1)を含む、請求項5または6記載の活性エネルギー線硬化型インキ
  8. ポリオール(C)が、脂肪族ポリオールを含む、請求項5〜7いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキ
  9. 基材上に、請求項5〜8いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インキを印刷し、活性エネルギー線にて硬化してなる印刷物。
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