JP7163844B2 - 活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ、および印刷物 - Google Patents
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Description
ポリアルキレングリコール系化合物(C)の平均分子量が135以上であり、
n-ヘキサントレランス値が2.00以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂に関する。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を得るために用いる樹脂酸(A)としては、天然樹脂中に含有される遊離またはエステルとして存在する有機酸であれば特に限定されるものではない。例として、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d-ピマル酸、イソ-d-ピマル酸、ポドカルプ酸、アガテンジカルボン酸、ダンマロール酸、ケイ皮酸、p-オキシケイ皮酸等が挙げられ、単独または複数種類組み合わせて使用してもよい。これらの樹脂酸(A)を含有する天然樹脂の形態で使用することが取扱い上好ましく、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、コーパル、ダンマル等が挙げられる。さらに、一部を不均化、二量化、水素添加して使用することもできるが、α、β-不飽和カルボン酸との反応性を考慮すると、アビエチン酸のような共役二重結合含有化合物を50質量%以上含有していることが望ましい。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を得るために用いるα、β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B)としては、例として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、桂皮酸、2,4-ヘキサジエノン酸等およびこれらの酸無水物が挙げられ、単独または複数種類組み合わせて使用してもよい。樹脂酸(A)との反応性を鑑みると、好ましくはマレイン酸またはその酸無水物である。
本発明におけるロジン変性ポリエステル樹脂を得るために用いるポリアルキレングリコール系化合物(C)とは、分子内に[-O-(CmH2mO)n-]で表される構造(mおよびnは、それぞれ独立に2以上の整数を表す。)と1つ以上の水酸基とを持つ化合物であり、平均分子量が135以上であることが特徴である。
また、ポリアルキレングリコール系化合物(C)の平均分子量は、150以上であることが好ましく、180以上であることがより好ましい。
さらに、ポリアルキレングリコール系化合物(C)の平均分子量は、20000以下であることが好ましく、12000以下であることがより好ましく、5000以下であることが特に好ましい。
平均分子量=(56.1×平均官能基数×1000)/水酸基価
なお、水酸基価(mgKOH/g)は、JIS K1557に準拠した方法にて測定し得られた値を用いる。
また、これらのアルキレングリコール系化合物(C)は単独または複数組み合わせて用いることもでき、さらには、誘導体やアルキレングリコール同士のランダム重合体、ブロック重合体も使用することができる。
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリブチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリブチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリブチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ポリブチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノオクチルエーテル、ポリブチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノデシルエーテル、ポリブチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノドデシルエーテル、ポリブチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノノナデシルエーテル、ポリプロピレングリコールモノノナデシルエーテル、ポリブチレングリコールモノノナデシルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、
ポリエチレングリコールモノベンジルエーテル、ポリプロピレングリコールモノベンジルエーテル、ポリブチレングリコールモノベンジルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノベンジルエーテル類、
ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル、ポリブチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールソルビット、ポリプロピレングリコールソルビット、ポリブチレングリコールソルビットなどのポリアルキレングリコールポリエーテル類が挙げられる。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を得るために、ポリオール(D)を併用することが好ましい。本発明のポリオール(D)とは、分子内に2つ以上の水酸基を持ち、かつ、前述のポリアルキレングリコール系化合物(C)に含まれない化合物を指す。
ポリオール(D)を例示すると、特に限定されないが、2価アルコールとしては、直鎖状アルキレン2価アルコールである1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール等が、
分岐状アルキレン2価アルコールである2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオ-ル、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が、
環状アルキレン2価アルコールである1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールS、水素添加カテコール、水素添加レゾルシン、水素添加ハイドロキノン等が挙げられる。
また、平均分子量135未満のポリアルキレングリコールである、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールもポリオール(D)に該当する。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を得るために、一塩基酸(E)を併用することも好ましい。本発明の一塩基酸(E)としては、上述した樹脂酸(A)以外のものであれば特に制限はない。
一塩基酸(E)としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、イソクロトン酸、リンデル酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ウンデシレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレイン酸、ゴンドレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ニシン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、メチル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、オルトベンゾイル安息香酸等の芳香族一塩基酸等が挙げられ、単独または複数種類組み合わせて用いることができる。
一塩基酸(E)は、流動性の観点から、安息香酸、メチル安息香酸、ターシャリーブチル安息香酸、ナフトエ酸、オルトベンゾイル安息香酸等の芳香族一塩基酸を用いることが好ましい。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を得るために、その他の多塩基酸またはその酸無水物(F)を併用してもよい。その他の多塩基酸またはその酸無水物(F)としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライ酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、3-メチルハイミック酸、4-メチルハイミック酸等、またはその無水物が例示される。さらに、天然油脂の脂肪酸、例えば、桐油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、(脱水)ヒマシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、米ヌカ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、菜種油脂肪酸等のダイマー酸を用いることもできる。これらは単独または複数種類組み合わせて用いることができる。
n-ヘキサントレランス値 = 滴下したn-ヘキサン質量(g) ÷ 樹脂質量(g)
たとえば、樹脂3.00gに対し、n-ヘキサン滴下量が3.60gであれば、n-ヘキサントレランス値は1.20となる。なお、溶解させるテトラヒドロフラン質量が樹脂質量に対し2倍量ではないとn-ヘキサントレランス値は大きく変化してしまうため、溶解させるテトラヒドロフラン質量の許容される誤差は±1%以内とする。この範囲であればテトラヒドロフラン質量が変動してもn-ヘキサントレランス値には影響はない。
ディールスアルダー付加反応とエステル化反応はどちらを先に行っても構わないし、同時に反応を進行させても構わない。また、各構成成分を投入する順番も適宜自由に選択して構わない。
本発明のロジン変性ポリエステル樹脂を使用して、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを構成することができる。
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=2~20)、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(n=2~20)、アルキレン(炭素数4~12)グリコールジアクリレート、アルキレン(炭素数4~12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、アルキレン(炭素数4~12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート、水素添加ビスフェノールAジアクリレート、水素添加ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2~20モル)ジアクリレート等の2官能活性エネルギー線硬化型化合物、
グリセリントリアクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3~30モル)トリアクリレート等の3官能活性エネルギー線硬化型化合物、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(4~40モル)テトラアクリレート等の4官能活性エネルギー線硬化型化合物、
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(5~50モル)ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(5~50モル)ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6~60モル)ヘキサアクリレート等の多官能活性エネルギー線硬化型化合物、
およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ全量中にジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが合計5~50質量%含有されることが好ましく、10~45質量%含有されることがより好ましく、15~40質量%含有されることがさらに好ましい。
無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉等が挙げられ、
有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料が挙げられる。
これらの光重合開始剤を一種、または必要に応じて二種以上を併用して良い。
光重合禁止剤を添加する場合、硬化性を阻害しない観点から、その配合量は、インキの全質量を基準として、3質量%以下にすることが好ましく、0.01~1質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
樹脂 10~40質量%
活性エネルギー線硬化型化合物 30~75質量%
顔料(有機顔料・無機顔料) 0~40質量%
光重合開始剤 0~15質量%
その他の成分 1~15質量%
が挙げられる。
n-ヘキサントレランス値 = 滴下したn-ヘキサン質量(g) ÷ 樹脂質量(g)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに、ガムロジン25部、無水マレイン酸10部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間加熱した。
その後、安息香酸14.5部、PEG#1000(日油社製、ポリエチレングリコール、平均分子量1000)0.5部、グリセリン25部、ペンタエリスリトール25部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.03部を添加し、230℃で14時間脱水縮合し、酸価5mgKOH/g、GPC測定ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)200,000、樹脂融点90℃の樹脂A1を得た。樹脂A1のn-ヘキサントレランス値は2.00であった。結果を表1に示す。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに得られた樹脂A1を40部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート30部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート29.8部、t-ブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で加熱溶融しワニスA1を得た。
得られたワニスA1を室温まで冷やし、粘度・粘弾性測定装置HAAKE RheoStress 6000(Thermo Fisher社製)でコーンプレートセンサーを用い、フローカーブモードによる測定方法に従って粘度を測定した。ずり速度100/sの時の粘度から、以下の基準でワニス流動性を評価した。
〇:粘度600Pa・s未満
△:粘度600Pa・s以上、900Pa・s未満
×:粘度900Pa・s以上(もしくは測定不可能)
使用可能なレベルは〇である。
結果を表2に示す。
得られたワニスA1を63部、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製藍顔料)20部、トリメチロールプロパントリアクリレート13.9部、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1.5部、2-メチル-2-モノホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン1.5部、t-ブチルヒドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し、インキのタックが9~10になるようにトリメチロールプロパントリアクリレートで調整し、平版印刷インキA1を得た。
インキのタックは東洋精機社製インコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。
樹脂A1と同様の操作にて、表1に示す配合組成で樹脂A2~A13を得た。酸価、Mw、融点、n-ヘキサントレランス値の結果を表1に示す。
ワニスA1と同様の操作にて、表2に示す配合組成でワニスA2~A16を得た。ワニス流動性の結果を表2に示す。
インキA1と同様の操作にて、表3に示す配合組成でインキA2~A16を得た。
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに、ガムロジン25部、無水マレイン酸7部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、180℃で1時間加熱した。
その後、安息香酸40部、ペンタエリスリトール23部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.1部を添加し、230℃で14時間脱水縮合し、酸価29mgKOH/g、GPC測定ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)23,000、樹脂融点90℃の樹脂B1を得た。樹脂B1のn-ヘキサントレランス値は2.20であった。結果を表1に示す。
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに得られた樹脂B1を40部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート10部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート49.9部、t-ブチルヒドロキノン0.1部を混合し、100℃で加熱溶融しワニスB1を得た。また、ワニス流動性の評価をワニスA1と同様にして行った。結果を表2に示す。
得られたワニスB1を63部、リオノールブルーFG7330(トーヨーカラー社製藍顔料)20部、トリメチロールプロパントリアクリレート13.9部、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1.5部、2-メチル-2-モノホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン1.5部、t-ブチルヒドロキノン0.1部を、40℃の三本ロールミルにて練肉し、インキのタックが9~10になるようにトリメチロールプロパントリアクリレートで調整し、平版印刷インキB1を得た。
インキのタックは東洋精機社製インコメーターにてロール温度30℃、400rpm、1分後の値を測定した。
樹脂B1と同様の操作にて、表1に示す配合組成で樹脂B2~B6を得た。酸価、Mw、融点、n-ヘキサントレランス値の結果を表1に示す。
ワニスB1と同様の操作にて、表2に示す配合組成でワニスB2~B6を得た。ワニス流動性の結果を表2に示す。
インキB1と同様の操作にて、表3に示す配合組成でインキB2~B6を得た。
平版印刷インキA1~A16およびB1~B6を、リスロン226(コモリコーポレーション社製枚葉印刷機)を用いて、三菱特菱アート紙斤量90Kg/連(三菱製紙社製)に10,000枚/時で各インキ2万枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態および地汚れを目視にて確認した。刷り出し時、印刷物の地汚れが発生しなくなるまでの損紙枚数から、防汚れ性を評価した。評価基準を以下に示す。
◎:損紙枚数500枚未満
〇:損紙枚数1000枚以上、1500枚未満
△:損紙枚数1500枚以上、2000枚未満
×:損紙枚数2000枚以上
使用可能なレベルは〇以上である。
なお、湿し水はアストロマークIIIクリア(東洋インキ社製)1.5%、イソプロピルアルコール3%の水道水を用いて行い、水巾の下限付近での印刷状態の比較を行うために、水巾の下限値よりも2%高い水ダイヤル値で印刷を行った。結果を表4に示す。
平版印刷インキA1~A16およびB1~B6を、RIテスター(明製作所製簡易展色装置)を用いて、マリコート紙(北越製紙社製コートボール紙)へ1g/m2の塗布量で印刷し、120W/cmの空冷メタルハライドランプ(東芝社製)1灯を用いて60m/minで紫外線を照射した。
○:一部にキズがみられたが剥離は見られなかった
△:一部(50%未満)に剥離が見られた
×:一部(50%以上)または全部に剥離が見られた
使用可能なレベルは〇以上である。
◎:変化なし
○:一部表面部分に溶解がみられたが剥離は見られなかった
△:一部(50%未満)に剥離が見られた
×:一部(50%以上)または全部に剥離が見られた
使用可能なレベルは〇以上である。
◎:変化なし
○:一部にキズがみられたが剥離は見られなかった
△:一部(50%未満)に剥離が見られた
×:一部(50%以上)または全部に剥離が見られた
使用可能なレベルは〇以上である。
平版印刷インキA1~A16およびB1~B6を60°に傾けた傾斜板の上にインキを垂らし10分間で流れた長さを測定し、4段階で評価した。評価基準を以下に示す。
◎:30mm以上
〇:20mm以上、30mm以下
△:10mm以上、20mm以下
×:10mm以下
使用可能なレベルは〇以上である。
Claims (6)
- 少なくとも樹脂酸(A)と、α、β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B)と、ポリアルキレングリコール系化合物(C)との反応物である活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂であって、
ポリアルキレングリコール系化合物(C)の平均分子量が135以上であり、
n-ヘキサントレランス値が2.00以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂。 - 重量平均分子量が5,000~200,000であることを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂。
- 酸価が5~90mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂。
- 請求項1~3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ用ロジン変性ポリエステル樹脂と、活性エネルギー線硬化型化合物とを含む、活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
- 活性エネルギー線硬化型化合物が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよび/またはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを含むことを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキ。
- 請求項4または5に記載の活性エネルギー線硬化型平版印刷インキを基材に印刷し、活性エネルギー線により硬化してなる印刷物。
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