JP6828553B2 - 転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、転写シートに関する。
従来、建築物の壁材、間仕切り等に使用される建材として、各種の図柄が印刷された転写シートを、被転写体となる石材、コンクリート、金属板等の基材に転写(貼付け)した化粧材が用いられている。例えば、天然の木材と同じ木目調の図柄が印刷された転写シートを、金属板に転写することにより、天然の木材と同じ意匠を有する金属製の化粧板を得ることができる。
上記のような転写シートは、離型性支持体と、印刷層と、粘着層と、がこの順に積層されている。この転写シートは、印刷層側が基材に接着された後、支持体が剥離されることにより、印刷層、粘着層等から成る転写層が被転写体である基材上に転写される。転写シートが基材に転写されると、粘着層の流動性により生じる応力は、基材で緩和されることなく、印刷層に作用する。印刷層は、粘着層よりも伸縮率が低いため、応力が作用すると形状を維持することが難しく、経時により亀裂が発生するおそれがあった。
このような不具合を抑制するため、印刷層と粘着層との間に可撓性樹脂層(緩衝層)を積層することにより、印刷層のひび割れ、剥がれ等を抑制した積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−151898号公報
しかしながら、印刷層と粘着層との間に可撓性樹脂層を積層しても、粘着層は依然として流動性を有するため、長期的にみれば、経時により印刷層に亀裂が発生するおそれがある。
本発明の目的は、印刷層の経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
(1) 離型性支持体と、印刷層と、接合層と、がこの順に積層され、前記接合層は、可塑剤を含有する転写シート。
(2) (1)に記載の転写シートであって、前記接合層は、アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有する組成物の硬化物を含む粘着剤層であり、前記可塑剤は、前記アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
(3) (1)に記載の転写シートであって、前記接合層は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤及び紫外線硬化型接着剤より選択される1種以上の接着剤の硬化物を含む接着剤層であり、前記可塑剤は、前記接着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
(4) (1)に記載の転写シートであって、前記接合層は、酢酸ビニル系ヒートシール剤又は塩酢ビニル系シートシール剤を含むヒートシール剤層であり、前記可塑剤は、ヒートシール剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
(5) (1)から(4)までのいずれかに記載の転写シートであって、前記可塑剤は、アジピン酸エステル系可塑剤又はフタル酸エステル系可塑剤である転写シート。
本発明によれば、印刷層の経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供することができる。
実施形態の転写シート1の断面図である。 化粧板100の製造方法を説明する断面図である。 化粧板100の製造方法を説明する断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするため、適宜に誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
<第1実施形態>
(転写シート1の構成)
図1は、第1実施形態の転写シート1の断面図である。転写シート1は、図1に示す形態で保管したり、搬送したりすることができる。
図1に示すように、転写シート1は、離型性支持体としての基材フィルム10、剥離層20、印刷層30、接合層としての粘着層40及び剥離フィルム50を備える。
本実施形態における転写シート1は、剥離層以下の転写層に対して離型性を有する離型性支持体として、可撓性で薄膜のフィルムの形態を採用する(以下、これを基材フィルムとも呼称する)。この基材フィルム10上に、剥離層20、印刷層30及び粘着層40から成る転写層、更に粘着層40に対して離型性を有する剥離フィルム50が、この順に積層されている。なお、本発明における「この順に積層」とは、直接積層のみならず、間接的な積層も含む意味であり、例えば、基材フィルム10と剥離層20との間に、他の層があっても許容する意味である。
<基材フィルム10>
基材フィルム(離型性支持体)10は、印刷層30を支持するフィルムである。基材フィルム10は、剥離層20等から成る転写層に対して離型性を有し、転写シート1が基材60(後述)に転写された後、剥離層20との界面から剥離される。基材フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂等から成るフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。なお、基材フィルム10における剥離層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。
基材フィルム10の膜厚は、好ましくは10μm以上200μmであり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
<剥離層20>
剥離層20は、転写シート1から基材フィルム10の剥離を容易にするために積層される層である。剥離層20は、転写シート1が基材60に転写され、基材フィルム10が剥離された後、転写シート1の最も外側の層として残存する。その剥離層20の表面には、耐候性付与層70(後述)が形成される。剥離層20を構成する樹脂としては、例えば、アクリルポリオール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、これらの組成物において、更に、イソシアネート等が剥離強度の調整用に微量添加されていてもよい。また、これらの組成物に、例えば、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS(ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤)等のラジカル捕捉剤)等の耐候剤を添加してもよい。
剥離層20の層厚(dry)は、1μm以上2μm以下程度である。
なお、本実施形態において、基材フィルム10と剥離層20との間の剥離強度(JIS Z0237準拠)は、後述する剥離フィルム50と粘着層40との間の剥離強度の少なくとも2倍以上となるように設定される。転写シート1から剥離フィルム50を剥離したときに、基材フィルム10が剥離層20から剥離しないようにするためである。但し、これに限らず、剥離強度を逆転させて、転写シート1から剥離フィルム50を剥離したときに、剥離層20が基材フィルム10側に残るように構成してもよい。
<印刷層30>
印刷層30は、印刷絵柄層31と、印刷コート層32と、から構成される。
印刷絵柄層31は、転写シート1の図柄(意匠)が形成される層である。印刷絵柄層31を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、アクリル樹脂と塩酢ビ樹脂とを混合した組成物等が挙げられる。また、印刷絵柄層31には、着色顔料、着色染料等が添加される。
印刷絵柄層31の層厚(dry)は、約5μm程度である。
印刷コート層32は、転写シート1が転写される基材60(下地)を見えにくくするための隠蔽層である。印刷コート層32は、印刷絵柄層31の全面を覆うように形成され、例えば、白色、グレー、茶色等に着色される。本発明においては、転写シート1を基材60に転写した後、この印刷コート層32に、経時により亀裂が生じることが課題となる。印刷コート層32を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、アクリル−塩酢ビ樹脂等が挙げられる。印刷コート層32として使用可能な材料は、ガラス転移点(Tg)が常温以上であることが好ましい。
印刷コート層32の層厚(dry)は、1μm以上が好ましい。
<粘着層40>
第1実施形態においては、接合層として、粘着剤から成る層、即ち粘着層40を採用する。
粘着層(粘着剤層)40は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1と基材60とを接合する層である。本実施形態の粘着層40は、粘着剤組成物の硬化物から成る。粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有し、更に、可塑剤(後述)を含有する。
粘着層40の層厚は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましい。
[アクリル系粘着剤]
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルが、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、透明性に優れる点において好ましい。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記他の単量体の中でも、(メタ)アクリル酸−n−ブチルが好ましい。
アクリル系粘着剤として用いられるアクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、80万以上200万以下の範囲内が好ましく、100万以上150万以下がより好ましい。重量平均分子量が80万未満であると、粘着層40が軟らかくなり、印刷層30の変形には十分追従するが、高温多湿の長期条件下で繰り返される内部応力に耐えることができず粘着層40に内部破壊が生じてしまう。また、重量平均分子量が200万を超えると粘着層40が硬くなり浮きが生じてしまう。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
なお、上記アクリル系粘着剤の市販品としては、例えば、OC3949(サイデン化学社製)等を好適に用いることができる。ここで、OC3949は、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸エチルから成るアクリル酸エステル共重合体のアクリル系粘着剤である。
[イソシアネート系硬化剤]
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。アクリル系粘着剤は、水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、粘着層40となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、このウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。特に、黄変しないことと、インキのポットライフが良好である点でヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
粘着層40における上記イソシアネート系硬化剤の含有量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で0.1質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。配合量が0.1質量部よりも少なくなると、応力の緩和性は発現されるが、内部破壊が生じる場合があり好ましくない。一方で、含有量が1.0質量部よりも多くなると、架橋による粘着層40の硬化が過剰となって、印刷コート層32に亀裂が生じやすくなる。
[アクリル共重合体]
粘着剤組成物は、好ましい形態として、アクリル共重合体を含有してもよい。これにより、高温での基材60への密着性が向上するとともに、粘着層40の凝集性が向上する。また、高温でも適度な弾性率を有することから、トリブロック共重合体系硬化剤を用いることが好ましい。トリブロック共重合体は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(M)とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)とからなり、アクリル酸ブチル重合体ブロック(A)の占める割合は70質量%以上であり、トリブロック共重合体の重量平均分子量は10,000〜300,000である。
上記の重量平均分子量とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)の占める割合とを満たすトリブロック共重合体としては、特に限定されないが、具体的には、例えばLA2330、LA2140、LA4285(クラレ社製)、M51、M52、M53、M52N、M22N(アルケマ社製)の商品名で市販されているものを好適に使用することができる。
アクリル共重合体の配合量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で0〜10質量部が好ましい。アクリル共重合体の含有量が10質量部よりも多くなると、粘着性或いは接着性が落ちるために好ましくない。
[可塑剤]
粘着層40を構成する粘着剤組成物は、可塑剤を含有する。
可塑剤を併用することにより、経時により印刷層30に亀裂が生じることを抑制できる。粘着層40に含まれる可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。なお、経時により印刷層30に亀裂が生じる理由等については、後述する。
粘着剤組成物に含まれるフタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DCapP)、フタル酸ジイソノニル(DINP),フタル酸ジ−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BDP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
また、粘着剤組成物に含まれるアジピン酸エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アジピン酸ジメチル(DMA)、アジピン酸ジエチル(DEA)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、アジピン酸ジプロピル(DPA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジブチル(DBA)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
なお、環境規制物質の観点から、フタル酸エステル系可塑剤よりも、アジピン酸エステル系可塑剤を使用した方が好ましい。また、アジピン酸エステル系可塑剤の中でも、汎用性や樹脂への相溶性の観点から、アジピン酸ジオクチル(DOA)を用いることが好ましい。
可塑剤の配合量は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して固形分換算で0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜7質量部であることがより好ましい。配合量が0.1質量部よりも少なくなると、得られる粘着層40に十分な応力の緩和性が発現されにくく、耐久性が得られない場合がある。一方、含有量が10質量部よりも多くなると、後述するように、印刷層30に掛かる応力が粘着層40の内部で緩和されにくくなるため、印刷層30は、自身に掛かる応力により形状を維持できなくなり、亀裂が発生することが起こり得る。また、含有量が10質量部よりも多くなると、ブリードアウトした可塑剤により粘着力が大幅に低下するため、粘着層40に浮き、剥がれが発生しやすくなる。上記範囲であれば、後述する理由により印刷層30が形状を維持できるようになるため、亀裂の発生を抑制できる。また、転写シート1を基材60に転写した後、高温多湿の環境下において、粘着層40が基材60から浮いたり、剥がれたりすることを抑制できる。
<剥離フィルム50>
剥離フィルム50は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1から剥離されるフィルムである。剥離フィルム50を構成する材料としては、例えば、シリコン離型タイプのポリエチレンテレフタレート(PET)、未処理のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。
剥離フィルム50の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
上記転写シート1を基材60に転写した後、経時により印刷層30に亀裂が生じる理由及び本実施形態の転写シート1において、その亀裂の発生が抑制される機能、作用について説明する。
転写シート1が基材60に転写される前、粘着層40の流動性により生じる応力は、柔軟性のある剥離フィルム50に伝わり、この剥離フィルム50が変形することにより緩和される。この場合、粘着層40の流動性により生じる応力は、印刷層30にはほとんど作用しないので、印刷層30は、形状を維持することができる。
一方、転写シート1が基材60に転写され、粘着層40が硬い基材60に貼り付けられると、粘着層40の流動性により生じる応力は、基材60側では緩和されなくなり、印刷層30に作用する。そのため、印刷層30(主に、印刷コート層32)は、粘着層40の流動性により生じる応力により形状を維持できなくなり、亀裂が生じる。
なお、印刷層30は、基材フィルム10側に張力を掛けた状態で形成される場合がある。また、印刷層30を基材フィルム10に形成した後、溶剤の乾燥により収縮等が発生する場合もある。この場合、印刷層30には、転写シート1の面方向(亀裂の発生する方向)に沿って内部に応力が掛かることになる。そのため、印刷層30に、粘着層40の流動性により生じる応力が作用すると、その応力と内部に掛かっている応力とが相互に作用することになるため、より一層亀裂が生じやすくなる。
これに対して、本実施形態の粘着層40は、アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1〜10質量部の可塑剤が配合されている。これによれば、粘着層40は、流動性がより高められることにより粘性が低下するため、流動性により生じる応力が緩和(低減)される。そのため、転写シート1が基材60に転写された後、粘着層40の流動性により生じる応力は、印刷層30にほとんど作用しなくなる。このように、印刷層30では、粘着層40の流動性による応力がほとんど作用しなくなるため、形状を維持できるようになり、亀裂の発生が抑制される。
なお、粘着層40の流動性をより高めるには、粘着層40を厚くすることが望ましいが、生産性が低下することが考えられる。そのため、粘着層40の厚みを、前述した10μm以上50μm以下(より好ましくは15μm以上30μm以下)の範囲とすることにより、生産性を低下させることなく、印刷層30における亀裂の発生を抑制することができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態の転写シート1において、転写シート1と基材60との間において接合層となる層は、接着剤層であってもよい。接着剤層としては、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤、UV硬化型接着剤等が挙げられる。
接着剤層の層厚(dry)は、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましい。
その他、第2実施形態において、転写シート1の層構成、含有する可塑剤の種類、量等は、第1実施形態と同じである。
<第3実施形態>
上記第1実施形態の転写シート1において、転写シート1と基材60との間において接合層となる層は、ヒートシール剤層であってもよい。ヒートシール剤層とは、加熱により接着性、粘着性を付与できる層である。ヒートシール剤層を構成するヒートシール剤としては、例えば、酢酸ビニル系ヒートシール剤、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系ヒートシール剤等が挙げられる。
ヒートシール剤層の層厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
その他、第3実施形態において、転写シート1の層構成、含有する可塑剤の種類、量等は、第1実施形態と同じである。
(化粧板100の製造方法)
次に、化粧板100の製造方法について説明する。
化粧板100の製造は、例えば、転写シート1を購入した化粧板100の製造業者により行われる。
図2及び図3は、それぞれ化粧板100の製造方法を説明する断面図である。
まず、図2(A)に示すように、転写シート1から剥離フィルム50を剥離する。転写シート1から剥離フィルム50を剥離することにより、粘着層40の印刷層30とは反対側の面(粘着面)が露出する。なお、前述したように、本実施形態においては、基材フィルム10と剥離層20との間の剥離強度は、剥離フィルム50と粘着層40との間の剥離強度の少なくとも2倍以上となるように設定されるため、転写シート1から剥離フィルム50を剥離したときに、基材フィルム10が剥離層20から剥離することはない。
次に、図2(B)に示すように、剥離フィルム50を剥離した転写シート1を、基材60に転写(貼付け)する。転写シート1の基材60への転写は、例えば、ロール・ツゥ・ロールにより連続して行うことができる。また、転写シート1を手作業により基材60に転写し、その後、ヘラ等により押圧して、基材60の表面に均一に密着させてもよい。
基材60は、基材本体61と、シーラー層62と、を備える。
基材本体61は、転写シート1が転写される被転写体である。基材本体61としては、例えば、無機材、木材、樹脂等が挙げられる。このうち、無機材としては、例えば、石材、セメント、コンクリート、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。
シーラー層62は、基材本体61の表面を滑らかにして、基材本体61と転写シート1との粘着性を高めるための下塗り層である。
次に、図3(C)に示すように、基材60に転写された転写シート1から基材フィルム10を剥離する。転写シート1から基材フィルム10を剥離することにより、剥離層20の印刷層30とは反対側の面が露出する。図3(C)において、転写シート1の粘着層40と基材60のシーラー層62は、強い粘着力で接合されているため、転写シート1から基材フィルム10を剥離した際に、転写シート1が基材60から剥離することはない。
次に、図3(D)に示すように、剥離層20の露出した面の上に、耐候性付与層70を形成する。耐候性付与層70は、いわゆるオーバープリント層(OP層)であり、剥離層20の保護層となる層である。
耐候性付与層70の厚さについては、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上500μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは1μm以上100μm以下である。
耐候性付与層70としては、例えば、電離放射線硬化性の樹脂とワックスとを含有する層を用いることができる。電離放射線硬化性の樹脂とすることで、従来の水性OP層において必要であった、平滑化のためのプレス工程を不要とすることができる。
耐候性付与層70は、フレキソ印刷等のコーティング法を用いて、電離放射線硬化性の樹脂とワックスとを含有する樹脂層形成用インキを塗布することにより積層形成することができる。樹脂層形成用インキは、溶剤として有機溶剤を含んでいてもよい。
電離放射線硬化性の樹脂は、紫外線、電子線等の電離放射線によって硬化する樹脂である。電離放射線性硬化性の樹脂としては、例えば、2官能以上の多官能アクリレート、2官能以上の多官能メタクリレート等の光重合性モノマーを、光重合開始剤等により重合硬化させた樹脂を挙げることができる。
ワックスは、耐候性付与層70の表面状態を調整するために含有される。ワックスとしては、合成ワックス、天然ワックス等を用いることができる。合成ワックスとしては、ポリエチレンワックス等が例示でき、天然ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス等の石油ワックス、蜜蝋、鯨蝋等の動物ワックス、木蝋、米糠蝋等の植物ワックス、モンタンワックス等の鉱物ワックスを用いることができる。
以上の工程を経ることにより、基材60に転写シート1が転写された化粧板100を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を示して、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例>
基材フィルムとして、26μm厚のPETフィルム(「ダイアホイル」 三菱樹脂株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリル−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)を塗布して、膜厚(dry)1μmの剥離層を形成した。この剥離層上にアクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料から成るグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社)を用いて複数回の印刷を行い、図1に示すような印刷絵柄層31と印刷コート層32を形成した。
剥離フィルムとして、38μm厚のPETセパレータ(「E7002」 東洋紡社製)を用意し、その上に、アクリル酸エステル粘着組成物(「OC3949」 固形分39.5% サイデン化学社製)100部と、イソシアネート系硬化剤(「K−130」 固形分80% サイデン化学社製)0.05部と、アジピン酸エステル系可塑剤(「DOA」 固形分100 % ジェイプラス社製)0.5部と、を酢酸エチルで希釈した溶液を膜厚(dry)30μmとなるようにコーティングし、乾燥させることにより、粘着層を形成した。
そして、基材フィルム側の印刷コート層と、PETセパレータ(剥離フィルム)側の粘着層とを貼り合わせた後、7日間、室温にて養生することにより、実施例の転写シートを得た。
<比較例>
粘着層に可塑剤(アジピン酸エステル系可塑剤)を添加しなかった以外は、上記実施例と同じ条件で比較例の転写シートを得た。
上記2種の転写シートを、それぞれ1mm厚のアルミニウム板(基材)上に転写して化粧板を作製し、その化粧板を120℃で1時間加熱した。その後、所定時間の経過後に、それぞれの化粧板の外観を目視により観察した。その結果、粘着層に可塑剤が添加されていない比較例の転写シートを転写した化粧板は、印刷層(印刷コート層)に無数の亀裂が観察された。一方、粘着層に可塑剤を添加した実施例の転写シートを転写した化粧板は、印刷層の亀裂は観察されなかった。
なお、比較例の化粧板においても、基材に転写された転写シートから基材フィルムを剥離した後、すぐに耐候性付与層を形成することで、印刷層に亀裂が発生しにくくなることが確認されている。実施例の化粧板では、耐候性付与層を形成しなくても印刷層の亀裂を抑制できるため、基材に転写された転写シートから基材フィルムを剥がしてから、耐候性付与層を形成するまでの期間に余裕を持たせることができる。
本実施形態の転写シート1は、印刷層30の亀裂を抑制するために、印刷層30と粘着層40との間に可塑性樹脂層を積層する必要がないため、材料、製造工程等が増えることを抑制できる。また、本実施形態の転写シート1は、可塑性樹脂層を積層しないので、シートが厚くなることを抑制できる。そのため、本発明によれば、生産性を低下させることなく、経時による亀裂の発生を抑制できる転写シートを提供することができる。
本発明に係る転写シートは、被転写体(基材)に対して優れた意匠性、耐候性を与えることができる。この化粧板は、建築物の壁材(外装材、内装材)、間仕切り、扉、窓枠、家具、室内装飾品等のほか、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の室内用カバー材、各種標識、屋外広告等のパネル材等にも適用することができる。
1 転写シート
10 基材フィルム
20 剥離層
30 印刷層
40 粘着層
50 剥離フィルム
60 基材
70 耐候性付与層

Claims (4)

  1. 離型性支持体と、印刷層と、接合層と、がこの順に積層され、
    前記接合層は、アジピン酸エステル系の可塑剤を含有する転写シート。
  2. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記接合層は、アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有する組成物の硬化物を含む粘着剤層であり、
    前記可塑剤は、前記アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
  3. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記接合層は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤及び紫外線硬化型接着剤より選択される1種以上の接着剤の硬化物を含む接着剤層であり、
    前記可塑剤は、前記接着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
  4. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記接合層は、酢酸ビニル系ヒートシール剤又は塩酢ビニル系シートシール剤を含むヒートシール剤層であり、
    前記可塑剤は、ヒートシール剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。
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