JP2020157710A - 転写シート - Google Patents

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Atsuyuki Nakao
篤之 中尾
晴香 中村
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晴香 中村
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Abstract

【課題】転写層が転写された後の耐熱性に優れた転写シートを提供する。【解決手段】転写シート1は、離型性支持体10と、装飾層30と、接着剤層40と、がこの順に積層され、接着剤層40は、30℃における貯蔵弾性率が、1200kPa以下、かつ、30℃における損失弾性率が、870kPa以下である。また、好ましくは、接着剤層40は、100℃における貯蔵弾性率が、970kPa以下、かつ、100℃における損失弾性率が、260kPa以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、転写シートに関するものである。
従来、建築物の壁材、間仕切り等に使用される建材として、各種の図柄が印刷された転写シートを、被転写体となる石材、コンクリート、金属板等の基材に転写(貼付け)した化粧材が用いられている。例えば、天然の木材と同じ木目調の図柄が印刷された転写シートを、金属板に転写することにより、天然の木材と同じ意匠を有する金属製の化粧板を得ることができる。
上記のような転写シートは、離型性支持体と、装飾層と、粘着層と、がこの順に積層されている。この転写シートは、装飾層側が基材に接着された後、支持体が剥離されることにより、装飾層、粘着層等からなる転写層が被転写体である基材上に転写される。
被転写体に転写層が転写された後、転写層を保護するために転写層上に塗料を塗装することがあった(例えば、特許文献1参照)。
更に、転写層上に塗料を塗装した後、加熱乾燥を実施することがある。この加熱乾燥では、作業速度の観点からより高温での乾燥が望ましい。
しかし、粘着層と被転写体との間に空気が残った状態で転写が行われた場合(エア噛みを起こした場合)には、加熱乾燥時に高温下で転写層が膨れてしまい、外観を損ねることがあった。
特開2018−171767号公報
本発明の課題は、転写層が転写された後の耐熱性に優れた転写シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、離型性支持体(10)と、装飾層(30)と、接着剤層(40)と、がこの順に積層され、前記接着剤層(40)は、30℃における貯蔵弾性率が、1200kPa以下、かつ、30℃における損失弾性率が、870kPa以下、である転写シート(1)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の転写シート(1)において、前記接着剤層(40)は、100℃における貯蔵弾性率が、970kPa以下、かつ、100℃における損失弾性率が、260kPa以下、であることを特徴とする転写シート(1)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の転写シート(1)において、前記接着剤層(40)は、100℃における損失正弦が、0.24以下、であることを特徴とする転写シート(1)である。
本発明によれば、転写層が転写された後の耐熱性に優れた転写シートを提供することができる。
本実施形態の転写シート1の断面図である。 化粧材100の製造方法を説明する断面図である。 化粧材100の製造方法を説明する断面図である。 化粧材100の製造方法を説明する断面図である。 化粧材100の製造方法を説明する断面図である。 接着剤の異なる実施例及び比較例について比較実験を行った結果をまとめた図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態の転写シート1の断面図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
転写シート1は、図1に示す形態で保管したり、搬送したりすることができる。
図1に示すように、転写シート1は、離型性支持体10と、剥離層20と、装飾層30と、接着剤層40と、剥離基材シート50とを備える。
本実施形態における転写シート1は、剥離層以下の転写層に対して離型性を有する離型性支持体10として、可撓性で薄膜のフィルムの形態を採用する。この離型性支持体10上に、剥離層20、装飾層30及び接着剤層40からなる転写層、更に接着剤層40に対して離型性を有する剥離基材シート50が、この順に積層されている。なお、本発明における「この順に積層」とは、直接積層のみならず、間接的な積層も含む意味であり、例えば、離型性支持体10と剥離層20との間に、他の層があっても許容する意味である。
<離型性支持体10>
離型性支持体10は、装飾層30を支持するフィルムである。離型性支持体10は、剥離層20等からなる転写層に対して離型性を有し、転写シート1が被転写体60(後述)に転写された後、剥離層20との界面から離型される。離型性支持体10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂等からなるフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。なお、離型性支持体10における剥離層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。
離型性支持体10の膜厚は、好ましくは10μm以上200μm以下であり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
<剥離層20>
剥離層20は、転写シート1から離型性支持体10の剥離を容易にするために積層される層である。剥離層20は、転写シート1が被転写体60に転写され、離型性支持体10が剥離された後、転写シート1の最も外側の層として残存する。その剥離層20の表面には、トップコート層70(後述)が形成される。
剥離層20としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリルポリオール樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。
これらの樹脂組成物には、紫外線による劣化を抑制するための耐候剤として、例えば、光安定化剤を添加してもよい。
光安定化剤としては、紫外線吸収剤又はラジカル捕捉剤が用いられる。また、光安定化剤として、両者を併用或いは混合して用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´,−tert−ブチル5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−tert−アミルー−5´−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−イソブチルフェニル−5´−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−3´−イソブチルフェニル−5´−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2´−ヒドロキシフェニル−5−、クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2´−ヒドロキシ−3´,5´−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2´−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,2´−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2´−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、フェニルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、或いは粒径1μm以下の酸化亜鉛、酸化鉄等の無機系の化合物が挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−2−n−ブチルマロネート等が挙げられる。これらの中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のデカン二酸(セバシン酸)由来のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
更に、耐候性(特に耐光性)を向上させるためには、上記紫外線吸収剤等に加えて、ラジカル捕捉剤として、ヒンダードアミン系の光安定剤を0.3〜2重量%、より好ましくは0.3〜0.5質量%添加するとよい。
<装飾層30>
装飾層30は、転写シート1の図柄(意匠)が形成される印刷図柄層である。装飾層30を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩酢ビ(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル−塩酢ビ樹脂等が挙げられる。また、装飾層30には、着色顔料、着色染料等が添加される。装飾層30の層厚(dry)は、約5μm程度である。
また、図示していないが、装飾層30の接着剤層40側に、印刷コート層を積層してもよい。印刷コート層は、転写シート1を被転写体60に転写した際に、被転写体60の表面(下地)を見えにくくするための隠蔽層として機能する。この印刷コート層は、装飾層30の全面を覆うように形成され、例えば、白色、グレー、茶色等に着色される。
また、図示していないが、装飾層30と接着剤層40との間に、クリア樹脂層を積層してもよい。クリア樹脂層は、装飾層30に亀裂が発生するのを抑制する亀裂抑制層として機能する。クリア樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル−塩酢ビ樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩酢ビ樹脂等が挙げられる。
クリア樹脂層として使用可能な材料は、ガラス転移温度(Tg)が常温以上であることが好ましい。また、クリア樹脂層のガラス転移温度は、装飾層30のガラス転移温度より低く、接合層のガラス転移温度より高く、ほぼ両者の中間にあることが好ましい。各層の粘弾性が変化す変形する際、この関係にあれば変形による応力を吸収しやすい。クリア樹脂層のガラス転移温度が常温よりも低いと、寒暖の変化によりクリア樹脂層自体が変形してしまい、その変形が装飾層30に応力として作用して、装飾層30に亀裂を生じさせるおそれがあるためである。
クリア樹脂層の層厚(dry)は、1μm以上が好ましい。
<接着剤層40>
接着剤層40は、転写シート1を被転写体60に転写する際に、転写シート1と被転写体60とを接合する層である。本実施形態の接着剤層40は、粘着剤組成物の硬化物からなる。粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、硬化剤と、を含有する。
接着剤層40の層厚は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましい。
[アクリル系粘着剤]
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[硬化剤]
硬化剤としては、イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系等のものが利用できる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤層40における上記硬化剤の含有量は、目的とするゲル分率、貯蔵弾性率、損失弾性率に合わせて設定される。
[イソシアネート系硬化剤]
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。イソシアネート系硬化剤は、転写シート1を被転写体60(後述)に転写する際の粘着性を得るために添加される。アクリル系粘着剤は、水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、接着剤層40となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、このウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。
[エポキシ系硬化剤]
エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
[金属キレート系硬化剤]
金属キレート系硬化剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アルコキシド、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物が挙げられる。
<剥離基材シート50>
剥離基材シート50は、転写シート1を被転写体60に転写する際に、転写シート1から剥離されるフィルムである。剥離基材シート50としては、例えば、シリコン離型タイプのポリエチレンテレフタレート(PET)、未処理のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。
剥離基材シート50の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
(転写シート1の製造方法)
離型性支持体10として、26μm厚のPETフィルム(「ダイアホイル」 三菱樹脂株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリルポリオール樹脂からなるインク組成物を塗布して、膜厚(dry)1μmの剥離層20を形成した。この剥離層20上に、アクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料からなるグラビアインキを用いて複数回の印刷を行い、印刷層30を形成した。
また、剥離基材シート50として、25μm厚のPETセパレータ(「トークロ離型フィルム」 東洋クロス株式会社製)を用意し、その上に、後述する4種類の接着剤を、膜厚(dry)20μmとなるようにコーティングし、乾燥させることにより、接着剤層40を形成した。
そして、離型性支持体10側の印刷層30と、剥離基材シート50側の接着剤層40とを貼り合わせた後、3日間、40℃で加温養生することにより、転写シート1を得た。
(化粧材100の製造方法)
次に、化粧材100の製造方法について説明する。
図2から図5は、それぞれ化粧材100の製造方法を説明する断面図である。
まず、図2に示すように、転写シート1から剥離基材シート50を剥離する。転写シート1から剥離基材シート50を剥離することにより、接着剤層40の装飾層30とは反対側の面(粘着面)が露出する。
次に、図3に示すように、剥離基材シート50を剥離した転写シート1を、被転写体60に転写(貼付け)する。転写シート1の被転写体60への転写は、例えば、ロール・ツゥ・ロール、ロール・ツゥ・シート等の形態により連続して行うことができる。ここで、「ロール・ツゥ・ロール」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写体(被着体本体61)に供給し、転写層を被転写体上に転写した後、転写層を離型後の帯状の離型性支持体10を、再度ロールに巻き取る加工形態をいう。また、「ロール・ツゥ・シート」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写体に供給し、転写層を被転写体上に転写する前後において、転写シート1を概ね被転写体1枚分の寸法に切断して枚葉化し、転写層を離型後の枚葉の離型性支持体10を、1枚毎に除去(廃棄)する加工形態をいう。また、転写シート1を手作業により被転写体60に転写し、その後、ヘラ等により押圧して、被転写体60の表面に均一に密着させてもよい。
本実施形態の転写シート1は、被転写体60に転写するときに、必要に応じて加熱するなどして基材の温度が20〜40℃程度の状態で接着を行う。20〜40℃の条件で転写を行うことにより、粘着剤が柔軟性を保った状態で転写され十分な密着力を確保することが出来る。また、転写時に接着剤層40と被転写体60との間に空気が残留すること(以下、「エア噛み」とも呼ぶ)を防止できる。
被転写体60は、被着体本体61と、シーラー層62と、を備える。
被着体本体61は、転写シート1が転写される転写対象の物品である。被着体本体61としては、例えば、無機材、木材、樹脂等の材料からなる板、壁等が挙げられる。このうち、無機材としては、例えば、石材、コンクリート、ガラス、金属等が挙げられる。また、被着体本体61は、無機材からなる陶磁器等の焼き物(窯業系焼成物)であってもよい。
シーラー層62は、被着体本体61の表面を滑らかにして、被着体本体61と転写シート1との密着性を高めるための下塗り層である。被着体本体61の表面(被転写面)の平滑性が十分な場合、シーラー層62は、省略される。
次に、図4に示すように、被転写体60に転写された転写シート1から離型性支持体10を剥離する。転写シート1から離型性支持体10を剥離することにより、剥離層20の装飾層30とは反対側の面が露出する。
次に、図5に示すように、剥離層20の露出した面の上に、トップコート層70を形成する。トップコート層70は、仕上げ剤として、化粧材100の表面に色彩、光沢等を付与するための層である。また、トップコート層70を形成することにより、化粧材100に耐候性、耐汚染性を付与することもできる。トップコート層70としては、例えば、アクリル樹脂、珪素系樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
トップコート層70の厚さについては、特に限定されないが、好ましくは5μm以上1000μm以下、より好ましくは10μm以上300μm以下である。
また、本実施形態では、トップコート層70を塗布した後、加熱乾燥工程を行う。この加熱乾燥工程では、トップコート層70の表面側から90℃に加熱された乾燥空気を約15分間当て続け、トップコート層70の乾燥を促進する。
以上の工程を経ることにより、被転写体60に転写シート1が転写された化粧材100を得ることができる。
(接着剤層40の好適な物性)
従来、上述したトップコート層70の乾燥工程において、稀に転写層(剥離層20、装飾層30、接着剤層40)が膨れてしまい、外観上の不良となる場合があった。この転写層の膨れ現象について、多数の転写シートについて検証実験を行い解析した結果、転写時及び乾燥時それぞれの温度における接着剤層40の物性が、膨れ現象に大きく影響を与えることを見出し、膨れ現象を防止可能な構成を得ることができた。以下、これについて説明する。
図6は、接着剤の異なる実施例及び比較例について比較実験を行った結果をまとめた図である。
実施例として、接着剤層40の接着剤が異なる接着剤A、接着剤Bの2種類の転写シートを用意した。接着剤A、接着剤Bともに、アクリルポリオールを主剤としている。また、接着剤Aは、硬化剤として、イソシアネートとエポキシとを含み、接着剤Bは、硬化剤としてイソシアネートを含んでいる。
比較例として、接着剤層40の接着剤が異なる接着剤C、接着剤Dの2種類の転写シートを用意した。接着剤C、接着剤Dともに、アクリルポリオールを主剤として、硬化剤として、イソシアネートを含んでいる。なお、接着剤Cと接着剤Dは、主剤と硬化剤の構成としては酷似した構成であるが、主剤自体が異なる素材を用いており、硬化剤についても、配合量が異なっている。
上記実施例の接着剤A、接着剤Bと、比較例の接着剤C、接着剤Dのそれぞれについて、貯蔵弾性率と、損失弾性率とを30℃、100℃の温度において測定し、また、損失正弦とを求めた結果を図6中に示した。なお、30℃は、転写時の温度条件であり、100℃は、乾燥工程の温度に若干の余裕を持たせた温度条件である。
なお、貯蔵弾性率と損失弾性率、及び損失正接の測定は、JIS K 7244−10に準拠して行った。測定の前処理として、粘着剤を約5mmの塊状とし、これを治具で100g荷重をかけ挟みつぶし十分に上面と底面が治具と接触する状態とした。厚みは100g荷重をかけた後、約5分放置後のチャック・ディスタンスの値を膜厚値とした。この試料に正弦波10Hzのひずみを加え動的粘弾性を測定した。
また、実施例の接着剤A、接着剤Bと、比較例の接着剤C、接着剤Dのそれぞれを接着剤層40として備える転写シート1を用いて化粧材100の作製を行い、膨れ現象の有無を調べた結果を図6中に示した。
実施例の接着剤A、接着剤Bにより構成された転写シート1では、膨れ現象は発生しなかったが、比較例の接着剤C、接着剤Dにより構成された転写シート1では、膨れ現象が発生した。
ここで、図6に示した貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正弦についてみてみると、先ず、30℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率について、実施例と比較例とで大きな差があることが読み取れる。
図6の結果から、接着剤層40は、30℃における貯蔵弾性率が、1200kPa以下、かつ、30℃における損失弾性率が、870kPa以下であることが望ましい。また、接着剤層40は、30℃における貯蔵弾性率が、1000kPa以下、かつ、30℃における損失弾性率が、710kPa以下であることがより望ましい。
膨れ現象が発生する原因として、転写時のエア噛みが挙げられる。転写時のエア噛みを無くす、又は、膨れ現象が発生しない程度のエア噛みに抑制することができれば、乾燥工程における膨れ現象を防止することができる。上述したように転写時の温度である30℃において、貯蔵弾性率及び損失弾性率が上記の好ましい値であることによって、粘着剤の柔軟性が高く基材への追従性がよくなるため、転写時のエア噛みを効果的に抑制できていると推察される。
また、図6の結果から、接着剤層40は、100℃における貯蔵弾性率が、970kPa以下、かつ、100℃における損失弾性率が、260kPa以下であることが望ましい。また、接着剤層40は、100℃における貯蔵弾性率が、610kPa以下、かつ、100℃における損失弾性率が、101kPa以下であることがより望ましい。
この条件により膨れ現象を抑制できる理由として、高温下でエア噛みに起因する気泡が膨張しても、その気泡を接着剤層40が柔軟であることにより気泡を一か所に集中させずに接着剤層40内での気泡の広がり、移動のみとして、装飾層30の変形、すなわち膨れ現象として観察されないという作用が生じているものと推察される。
更に、図6の結果から、接着剤層40は、100℃における損失正弦が、0.24以下であることが望ましい。また、接着剤層40は、100℃における損失正弦が、0.26以下であることがより望ましい。
この条件により膨れ現象を抑制できる理由として、損失正弦の値が小さいということは、弾性体に近い物性を備えていると捉えることができるので、高温下でエア噛みに起因する気泡が膨張しても、その気泡を接着剤層40が弾性変形することにより膨れを吸収し、外観において膨れ現象として観察されないという作用が生じているものと推察される。
以上説明したように、接着剤層40について、貯蔵弾性率と、損失弾性率と、損失正弦とを適切な数値となるように構成することにより、トップコート層70の乾燥工程における膨れ現象を防止でき、転写層が転写された後の耐熱性に優れた転写シート1を提供することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、具体的な層構成を例示して転写シートを説明した。これに限らず、転写シートの層構成は、適宜変更可能である。例えば、剥離層20を省略してもよいし、装飾層30をより多層の構成としてもよい。
(2)実施形態において、転写シート1の転写層が転写される被転写体60は、被着体本体61と、シーラー層62とを備えている例を挙げて説明した。これに限らず、シーラー層62を備えない被転写体に転写を行う場合にも、本発明の転写シートは、同様の効果を奏することができる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 転写シート
10 離型性支持体
20 剥離層
30 装飾層
40 接着剤層
50 剥離基材シート
60 被転写体
61 被着体本体
62 シーラー層
70 トップコート層
100 化粧材

Claims (3)

  1. 離型性支持体と、装飾層と、接着剤層と、がこの順に積層され、
    前記接着剤層は、
    30℃における貯蔵弾性率が、1200kPa以下、かつ、
    30℃における損失弾性率が、870kPa以下、
    である転写シート。
  2. 請求項1に記載の転写シートにおいて、
    前記接着剤層は、
    100℃における貯蔵弾性率が、970kPa以下、かつ、
    100℃における損失弾性率が、260kPa以下、
    であることを特徴とする転写シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の転写シートにおいて、
    前記接着剤層は、
    100℃における損失正弦が、0.24以下、
    であることを特徴とする転写シート。
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