JP5128830B2 - フレキシブルフェイス貼付用マーキングシート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記用途に用いられるマーキングシートは、塗装に比べデザインの統一性・量産性・施工の簡便性に優れ、「貼る塗料」として屋外看板や自動車の装飾・表示素材として、屋外で使用されることが多く、優れた耐候性を有し、且つ三次曲面に貼付されることが多いため、適度な柔軟性 (形状追従性) と強度を有することが要求される。
このようなマーキングシートは一般的に、塩化ビニル系樹脂フィルムからなる表面基材層と、基材片面に粘着剤を塗布して形成した粘着剤層、さらに粘着剤層を保護する目的で剥離シートを貼り合わせて構成されており、剥離シートを剥離して所定の箇所に貼付後、耐用年数経過後に剥がして廃棄することが前提となっている。
なお、耐候性・耐汚染性を高めるために塩化ビニル系樹脂フィルム上にラミネート材としてフッ素系樹脂フィルムを積層させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、内照用看板では看板の主組み立て体となるフレキシブルフェイスにマーキングシートが貼付されることが多い。この用途に用いられるマーキングシートは、面積の大きなものが要求されるために、通常マーキングシートの端部を重ね貼りして大面積化が図られている。前記フレキシブルフェイスに貼付されたマーキングシートは、内照看板を設置する際に上下左右に引張られるため、特に重ね貼り部分で上側に貼付したマーキングシートの浮きや剥がれが発生するという問題が生じる。
従来、粘着シートの粘着力の測定によく用いられているJIS Z 0237により測定される粘着力(「90°引きはがし法による粘着力」、「180°引きはがし法による粘着力」)では、例えば内照用看板におけるフレキシブルフェイスに上述のようにマーキングシートを貼付し、該フレキシブルフェイスを上下左右に引張った場合に、浮きや剥がれが発生しやすいマーキングシートと、発生しにくいマーキングシートとで、差が出にくく、前記JIS Z 0237による試験法は、この判別方法として採用しにくいことが分かった。
そこで、本発明者は、さらに研究を進め、新しい試験方法として、低速せん断接着力試験方法及び定荷重試験方法を創出し、それぞれ剥離時間及び剥がれ量を測定することで、前記フレキシブルフェイスに貼付されたマーキングシートの浮きや剥がれの発生しやすいものと、しにくいものとを容易に判別し得ることを見出した。
この知見に基づき、基材フィルムの片面に粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記低速せん断接着力試験で、剥離時間が8分以上であり、好ましくは、さらに前記定荷重試験で、剥がれ量が4mm以下であるマーキングシートが、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20〜50質量部の可塑剤を配合した厚さ25〜300μmの基材フィルムの片面に、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これと共重合可能な他のビニルモノマーと共重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.5〜5質量部を配合した厚さ15〜50μmのアクリル系粘着剤層を有する粘着シートであって、下記(A)低速せん断接着力試験において、剥離時間が8分以上であり、かつ下記(B)定荷重試験において、剥がれ量が4mm以下であることによって、フレキシブルフェイス貼付用マーキングシートとしての使用の適否を判別されたことを特徴とするフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート、
(A)「低速せん断接着力試験」
当該マーキングシートを貼着した平面被着体上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×50mmのマーキングシートを23℃、50%RH環境下で貼付面積が25mm×5mmになるように貼付し、24時間放置後、前記環境下で引張速度0.5mm/minでマーキングシートをせん断方向に引張り、当該マーキングシートが被着体から剥がれ始めるまでの時間(剥離時間)を測定する。
(B)「定荷重試験」
当該マーキングシートを貼着した平面被着体上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×100mmのマーキングシートを23℃、50%RH環境下で貼付面積が25mm×50mmになるように貼付し、24時間放置後、前記環境下で貼付されていないマーキングシートの端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記環境下で1時間後の剥がれ量を測定する。
[2]基材フィルムが、塩化ビニル系樹脂フィルムとフッ素系樹脂フィルムとの積層フィルムであり、該積層フィルムの塩化ビニル系樹脂フィルム面にアクリル系粘着剤層を設けた上記[1]項に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート、
[3]アクリル系粘着剤層が、ブチルアクリレート単位とアクリル酸単位を含むものであって、ブチルアクリレート単位とアクリル酸単位の質量比が85:15〜98:2の樹脂成分を含むものである上記[1]又は[2]項に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート、
[4]フレキシブルフェイスが、内照用展張看板のフレキシブルフェイスである上記[1]〜[3]項のいずれかに記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート、
[5]炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマーとを重合開始剤の存在下で溶液重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.5〜5質量部のイソシアナート架橋剤を配合して、該配合物を、剥離紙上に、厚さ15〜50μmの厚さに塗布した後に、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20〜50質量部の可塑剤を配合した基材フィルム面に前記剥離紙の粘着層を貼り合わせることを特徴とする上記[1]項に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシートの製造方法、及び
[6]炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマーとを重合開始剤の存在下で溶液重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.5〜5質量部のイソシアナート架橋剤を配合して、該配合物を、剥離紙上に、厚さ15〜50μmの厚さに塗布した後に、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20〜50質量部の可塑剤を配合した塩化ビニル系樹脂フィルムにフッ素系樹脂フィルムを積層した基材フィルムの塩化ビニル系樹脂フィルム面に前記剥離紙の粘着層を貼り合わせることを特徴とする上記[2]項に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシートの製造方法、
を提供するものである。
前記塩化ビニル系樹脂フィルムを構成する塩化ビニル系樹脂材料としては、例えば数平均重合度が約800〜2500のポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とする共重合体(例えばエチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体など)、あるいはこれらのポリ塩化ビニル又は塩化ビニル共重合体を主体とする他の相溶性の樹脂(例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなど)とのブレンド物などの塩化ビニル系樹脂を含むものが挙げられる。前記のポリ塩化ビニル又は塩化ビニルを主体とする共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法など常用のいかなる製造法によって得られたものでもよい。これら塩化ビニル系樹脂は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この塩化ビニル系樹脂材料は、上記塩化ビニル系樹脂100質量部に対し、20〜50質量部程度の可塑剤を配合することにより、調製することができる。また、必要に応じ、鉛塩系安定剤、金属せっけん系安定剤、有機すず系安定剤などの安定剤を配合することができる。
塩化ビニル系樹脂フィルムとしては、通常厚さ25〜300μm程度のものが用いられる。
なお、本発明においては、耐候性・耐汚染性を高めるために塩化ビニル系樹脂フィルム上にラミネート材としてフッ素系樹脂フィルムを積層させたものが好適に用いられる。該フッ素系樹脂フィルムとしては、通常厚さ10〜100μm程度のものが使用される。積層方法に特に制限はなく、接着剤類を用いる方法、熱融着などのドライラミネート法等により積層することができる。
前記フッ素系樹脂フィルムを構成するフッ素系樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
製膜方法については特に制限はなく、従来公知の方法、例えば溶液流延法(キャスティング法)、溶融押出法(エキストル−ジョン法)、インフレーション法、カレンダー法、ゾルキャスト法などの中から、熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。
このようにして製膜されたフィルムは、必要に応じて、一軸延伸処理又は二軸延伸処理を行うことができる。
本発明においては、前記基材フィルムは、その上に設けられる粘着剤層、あるいは印刷層や着色フィルム層などとの密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、片面又は両面にプライマー処理を施したものを用いることができる。
アクリル系の粘着剤としては、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを主成分とし、これに共重合可能な他のビニル系モノマーを共重合して得られるものが適当である。
アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これに共重合されるビニル系モノマーは、得られる粘着剤の粘着力や凝集力を調節するために用いられるものであり、具体的にはアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;水酸基含有アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;アクリルアミド;アクリロニトリル;スチレン;酢酸ビニル;ビニルピロリドン等を例示することができる。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノバレリン酸、アゾビスシアノペンタン等のアゾ系開始剤を例示することができる。重合開始剤量は、使用するモノマー全量100質量部に対し、0.05〜0.8質量部が好ましく、特に0.2〜0.5質量部が好ましい。
上記の粘着剤には、イソシアナート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等の架橋剤を配合することができるが、特にイソシアナート系架橋剤が好ましい。
架橋剤の配合量は、必要とする粘着特性を得るためには、アクリル系粘着剤100質量部に対して0.5〜5質量部が好ましく、特に1〜3.5質量部が好ましい(いずれも固形分換算値)。
本発明においては、粘着剤として、ブチルアクリレート単位を主体とする樹脂成分を含むアクリル系粘着剤が好ましく、具体的には、ブチルアクリレート(BA)とアクリル酸(AA)の質量比(BA:AA)が85:15〜98:2の間にあり、イソシアナート系架橋剤を使用したアクリル系粘着剤が本発明の目的とする、重ね貼り適性、曲面への追従性に優れる点で、特に好ましい。
粘着剤中に、必要に応じて粘着性付与剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤等の従来より配合されることのある各種添加剤を含有させることは任意であるが、特に屋外で比較的長期にわたって暴露されることを想定すると、耐候性を向上する機能を有する添加剤を配合することが好ましい。
粘着剤層を設ける方法は、工程紙付きマーキングシート用基材フィルムのマーキングシート用基材フィルム側に直接塗付してもよく、また、剥離シートに粘着剤を塗布した後、粘着剤層をマーキングシート用基材フィルム面と貼り合わせてもよい。
なお、工程紙は、粘着剤層を形成した後、使用形態に応じて、適当な段階で除去するのが適当であるが、工程紙を除去したマーキングシート用基材フィルムに粘着剤層を形成しても差し支えない。
粘着剤の塗布方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどが挙げられる。
剥離シートとしては、特に制限はなく、従来より公知の剥離シートを適宜選択して用いることができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルムや、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙などの片面に離型処理されているものが用いられる。離型処理剤としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等を例示することができる。
剥離シートの厚さとしては特に制限はないが、通常10〜150μmが好ましい。
本発明のマーキングシートにおいては、基材フィルムの粘着剤層が設けられている側の反対面に、必要に応じ、アクリル系高分子型紫外線吸収層などの耐候層、印刷層、着色樹脂層などの中から選ばれる少なくとも1層を設けることができる。
さらに、下記低速せん断接着力試験において、剥離時間が8分以上であることを要す。
<低速せん断接着力試験>
当該マーキングシートを全面貼着した平面被着体(SUS#360)上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×50mmのマーキングシートを23℃、50%RH環境下でJIS Z 0237に準拠し、2kgロールにて5往復させ貼付面積が25mm×5mmになるように貼付し、24時間放置後、前記環境下で万能引張り試験機を用い、貼付されていないマーキングシートの端部を引張速度0.5mm/minでせん断方向に引張り、当該マーキングシートが被着体から剥がれ始めるまでの時間(剥離時間)を測定する。具体的には、測定によって時間−荷重のプロファイルを得て、最大荷重を示した時間を、被着体から剥がれ始めるまでの時間とした。
前記剥離時間が8分未満であれば浮き剥がれ現象が発生する。好ましい剥離時間は9分以上である。剥離時間の上限に特に制限はないが、通常40分程度である。
従来、粘着シートの粘着力の測定によく用いられているJIS Z 0237により測定される前記した粘着力では、例えば内照用看板におけるフレキシブルフェイスにマーキングシートを貼付し、該フレキシブルフェイスを上下左右に引張った場合に、浮きや剥がれが発生しやすいマーキングシートと、発生しにくいマーキングシートとで、差が出にくいが、前記の低速せん断接着力試験方法によれば、浮きや剥がれが発生しにくいマーキングシートを容易に判別することができる。
前記特性を有するマーキングシートは、前記フレキシブルフェイスに貼付し、上下左右に引張っても、浮きや剥がれが少ない。
<定荷重試験>
当該マーキングシートを全面貼着した平面被着体(SUS#360)上のマーキングシート基材面に、23℃、50%RH環境下で、マーキングシート(サイズ:25mm×100mm、50mmのところに標線明記)の50mm分をJIS Z 0237に準拠し、マーキングシートの剥離シートを50mm分を剥離し、上記被着体上に2kgロールで1往復させ貼付面積が25mm×50mmになるように貼付し、24時間放置後、貼付されているマーキングシートを下側とし、貼付されていないマーキングシートの端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ(200gの重りをつけ)、前記環境下で1時間後の剥がれ量を測定する。
前記剥がれ量が4mm以下であれば、本発明のマーキングシートは、より一層浮き剥がれが生じにくくなる。
前記のような特性を有するマーキングシートは、粘着剤の種類や粘着剤層の厚さなどを適宜選択することにより、得ることができる。
前記性状を有する本発明のマーキングシートは、屋外で使用可能な耐候性を有すると共に、せん断方向の粘着力、重ね貼り適性、曲面への形状追従性に優れ、例えば表示・標識用として、危険表示用テープ、ラインテープ、マーキングテープなどに、また装飾用として、看板、ショーウインドや建造物の内外装、車やオートバイの装飾、自動車ドアサッシュ部の装飾などに用いることができ、特に内照用展張看板におけるフレキシブルフェイス貼付用として好適である。
なお、各例で得られたマーキングシートにおける諸特性について、以下に示す方法に従って、評価した。
(1)低速せん断接着力試験
明細書本文に記載した方法に従って実施した。
(2)定荷重試験
明細書本文に記載した方法に従って実施した。
(3)90°引きはがし法による粘着力(以下、90°ピール粘着力という)(JIS Z 0237)
23℃、50%RH環境下で、当該マーキングシートを全面貼着した平面被着体(SUS#360)上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×200mmのマーキングシートを貼付面積が25mm×100mmになるように貼付し、24時間放置後に23℃、50%RH環境下で90°方向にマーキングシートを被着体から剥離する。その際の粘着力を測定した。
(4)180°引きはがし法による粘着力(以下、180°ピール粘着力という)(JIS Z 0237)
23℃、50%RH環境下で、当該マーキングシートを全面貼着した平面被着体(SUS#360)上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×200mmのマーキングシートを貼付面積が25mm×100mmになるように貼付し、24時間放置後に23℃、50%RH環境下で180°方向にマーキングシートを被着体から剥離する。その際の粘着力を測定した。
(5)展張試験
フレキシブルフェイス[泉株式会社製、商品名「コスモフェイスCS−501F」]を320mm×440mmの大きさに裁断し、マーキングシート(80mm×360mm・・3枚)を上記フレキシブルフェイスの中央部に長手方向が5mm重なるように室温下にて貼付し試料を作製した。24時間後、展張治具を用いて、フレキシブルフェイス裏面に形成したけがき線の間隔が所定の長さになる(縦横共に3%)まで上下左右から試料の外側部であるフレキシブルフェイスを展張した。24時間放置後、サイクルテスト(1サイクル:80℃30分→23℃30分→−30℃30分→23℃30分)を10サイクル行い、マーキングシートの重ね部に浮き剥がれが発生していないか目視で判断した。
○:浮き剥がれが発生していないか、発生していても使用に差支えない程度である。
×:浮き剥がれが発生し、使用不可能である。
(6)耐候性
評価用試料(マーキングシート)を白色アクリル塗装板に貼付した後、カーボンアーク型ウエザオメーターで2000時間の促進曝露(温度63℃、相対湿度50%条件下)をした後、曝露前後の各試料の外観状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:基材の変褐色・クラック・収縮メクレ・表面グロス低下等の外観変化がないか、あっても使用に差支えない程度である。
×:基材の変褐色・クラック・収縮メクレ・表面グロス低下等の外観変化があり、使用不可能である。
(1)粘着剤の製造
温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応装置を用い、ブチルアクリレート(BA)90質量部、アクリル酸(AA)10質量部、酢酸エチル75質量部及びトルエン75質量部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を加え、窒素ガス雰囲気下80℃で8時間重合した。反応終了後、トルエンにて固形分34質量%に調整し、質量平均分子量50万、BAとAAの組成比(BA/AA)質量比が90:10である粘着剤を得た。
(2)マーキングシートの作製
剥離シート[リンテック社製、商品名「SP−10NL RB−5」、厚さ100μm]のシリコーン離型処理面に、上記(1)にて得られた粘着剤100質量部に対して、イソシアナート系架橋剤[東洋インキ製造社製、商品名「BHS−8515」、固形分37.5質量%]2質量部を添加したアクリル系粘着剤をロールナイフコーターにて塗布、乾燥させて、厚さ約35μmの粘着剤層を作製した。この剥離材層付き粘着剤層と工程フィルム付きマーキングシート用基材のポリ塩化ビニル(PVC)フィルム[ゼオン株式会社製、製品名「SK90574」、厚さ50μm]とを貼り合わせた後、工程フィルムを剥がし剥離材層付きマーキングシートを作製した。その後粘着剤層付きフッ素系樹脂フィルム[リンテック社製、製品名「LAGプロテクトG−059SV25」、フッ素系樹脂フィルム厚25μm、粘着剤層厚25μm]をPVCフィルム面と貼り合わせ、マーキングシートを得た。各種試験結果を第1表に示す。
また、図1に、低速せん断接着力試験における時間と荷重との関係をグラフに示す。剥がれ始めると荷重が低下し始め、完全に剥離すると荷重は0となる。
実施例1において、BA/AA質量比を97.5/2.5に変え、かつイソシアナート系架橋剤の添加量を1質量部に変えた以外は、実施例1と同様にしてマーキングシートを作製した。各種試験結果を第1表に示す。
また、図1に、低速せん断接着力試験における時間と荷重との関係をグラフに示す。
比較例1
実施例1において、BA/AA質量比90:10を、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)/AA質量比47/53に変え、かつイソシアナート系架橋剤の代わりにエポキシ系架橋剤[日本カーバイト工業社製、商品名「CK101」、固形分45質量%]2質量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてマーキングシートを作製した。各種試験結果を第1表に示す。
また、図1に、低速せん断接着力試験における時間と荷重との関係をグラフに示す。
比較例2
実施例1において、イソシアナート系架橋剤の代わりにエポキシ系架橋剤[三菱ガス化学社製、商品名「TC−5」、固形分5質量%]を0.48質量部用いた以外は実施例1と同様にしてマーキングシートを作製した。各種試験結果を第1表に示す。
また、図1に、低速せん断接着力試験における時間と荷重との関係をグラフに示す。
比較例3
実施例1において、イソシアナート系架橋剤の代わりにエポキシ系架橋剤[綜研化学社製、商品名「E−AX」、固形分4.95質量%]0.3質量部とキレート系架橋剤[綜研化学社製、商品名「M−5A」、固形分4.95質量%]2質量部を加えた以外は実施例1と同様にして、マーキングシートを作製した。各種試験結果を第1表に示す。
また、図1に、低速せん断接着力試験における時間と荷重との関係をグラフに示す。
これに対し、比較例1〜3のマーキングシートは、いずれも低速せん断接着力試験で剥離時間が8分未満であり、かつ定荷重試験において剥がれ量が4mmを超えており、展張試験において、浮き剥がれが生じ、不合格である。
また、実施例1及び比較例1〜3の粘着力(90°ピール粘着力、180°ピール粘着力)を比較して分かるように、展張試験における浮き剥がれによる合格、不合格の判別は、粘着力データからは困難である。
Claims (6)
- 塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20〜50質量部の可塑剤を配合した厚さ25〜300μmの基材フィルムの片面に、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これと共重合可能な他のビニルモノマーと共重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤0.5〜5質量部を配合した厚さ15〜50μmのアクリル系粘着剤層を有する粘着シートであって、下記(A)低速せん断接着力試験において、剥離時間が8分以上であり、かつ下記(B)定荷重試験において、剥がれ量が4mm以下であることによって、フレキシブルフェイス貼付用マーキングシートとしての使用の適否を判別されたことを特徴とするフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート。
(A)「低速せん断接着力試験」
当該マーキングシートを貼着した平面被着体上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×50mmのマーキングシートを23℃、50%RH環境下で貼付面積が25mm×5mmになるように貼付し、24時間放置後、前記環境下で引張速度0.5mm/minでマーキングシートをせん断方向に引張り、当該マーキングシートが被着体から剥がれ始めるまでの時間(剥離時間)を測定する。
(B)「定荷重試験」
当該マーキングシートを貼着した平面被着体上のマーキングシート基材面に、サイズ25mm×100mmのマーキングシートを23℃、50%RH環境下で貼付面積が25mm×50mmになるように貼付し、24時間放置後、前記環境下で貼付されていないマーキングシートの端部に90°方向に1.96Nの荷重をかけ、前記環境下で1時間後の剥がれ量を測定する。 - 基材フィルムが、塩化ビニル系樹脂フィルムとフッ素系樹脂フィルムとの積層フィルムであり、該積層フィルムの塩化ビニル系樹脂フィルム面にアクリル系粘着剤層を設けた請求項1に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート。
- アクリル系粘着剤層が、ブチルアクリレート単位とアクリル酸単位を含むものであって、ブチルアクリレート単位とアクリル酸単位の質量比が85:15〜98:2の樹脂成分を含むものである請求項1又は2に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート。
- フレキシブルフェイスが、内照用展張看板のフレキシブルフェイスである請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシート。
- 炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマーとを重合開始剤の存在下で溶液重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.5〜5質量部のイソシアナート架橋剤を配合して、該配合物を、剥離紙上に、厚さ15〜50μmの厚さに塗布した後に、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20〜50質量部の可塑剤を配合した基材フィルム面に前記剥離紙の粘着層を貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシートの製造方法。
- 炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマーとを重合開始剤の存在下で溶液重合して得たアクリル系粘着剤に、該アクリル系粘着剤100質量部に対して、0.5〜5質量部のイソシアナート架橋剤を配合して、該配合物を、剥離紙上に、厚さ15〜50μmの厚さに塗布した後に、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、20〜50質量部の可塑剤を配合した塩化ビニル系樹脂フィルムにフッ素系樹脂フィルムを積層した基材フィルムの塩化ビニル系樹脂フィルム面に前記剥離紙の粘着層を貼り合わせることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルフェイス貼付用マーキングシートの製造方法。
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