JP7131176B2 - 転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、転写シートに関する。
従来、建築物、家具、建具、造作部材等の表面化粧の手段として、装飾層となる各種の絵柄が印刷された転写シートを、石材、木材、コンクリート、金属、樹脂等の被転写基材に転写することが行われている。例えば、天然の木材と同じ木目調の絵柄が印刷された装飾層が積層された転写層を備える転写シートを用いて、被転写基材に転写層を転写することにより、天然の木材と同じ意匠を有するような転写層付きの被転写基材(以下、「化粧材」とも表記する)を得ることができる。
化粧材の用途が屋外家具類、屋外広告板、車両外装等の野外に設置される各種の外装材である場合、転写シートは、耐候性に優れることが望ましい。従来、被転写基材に転写後の転写シートにおいて、耐候性をより向上させるために、剥離層の樹脂として、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂又は両者の混合樹脂を主体とした仕様のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7-205597号公報
被転写基材に転写後の転写層には、印刷された絵柄層を保護し、耐候性、耐汚染性、耐摩耗性等の耐久性を更に向上させるために、最表層となる剥離層の上に更にトップコート層が形成されることがある。剥離層において、トップコート層となる塗料に対する塗工適正及び密着性、即ち、リコート性を高める方法として、トップコート層となる塗料中の溶剤、単量体、プレポリマー等の低分子量成分に対して剥離層を溶けやすくして密着性を確保することが考えられる。しかし、トップコート層となる塗料の低分子量成分に溶けやすい材料で剥離層を形成すると、トップコート層が形成された後の耐溶剤性が低下する。被転写基材に転写後の転写層において、耐溶剤性が低下すると、例えば、補修の際に使用される塗料の溶剤、接着剤中の溶剤、或いは化粧材の表面に付着した汚れの拭き取り用の溶剤に代表される低分子量成分により、絵柄層等の転写層が溶けたり、接着剤層の接着力が低下したりして被転写基材から剥がれやすくなる。そのため、転写シートの剥離層は、耐溶剤性に優れていることが望まれる。
本発明の目的は、剥離層のトップコート塗装時のリコート性とトップコート塗装時の転写層の耐溶剤性という相矛盾する両性能に共に優れた転写シートを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、離型性支持体(10)と、転写層(2)と、がこの順に積層され、前記転写層は、OH基又はアミノ基を有する樹脂と、ブロックイソシアネートと、を含有する転写シート(1)に関する。
第2の発明は、第1の発明の転写シートであって、前記転写層として、剥離層(20)、機能層(80)及び接合層(40)のうちの少なくとも一層を含む。
第3の発明は、第2の発明の転写シートであって、前記機能層は、装飾層(30)、導電層又は磁性体層である。
第4の発明は、第2又は第3の発明の転写シートであって、前記接合層は、接着剤層又は粘着剤層である。
本発明によれば、剥離層のトップコート塗装時のリコート性とトップコート塗装時の転写層の耐溶剤性という相矛盾する両性能に共に優れた転写シートを提供できる。
第1実施形態における転写シート1の断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 化粧材100の製造方法を示す断面図である。 (A)~(C)は、第2実施形態における転写シート1Aの各形態を示す断面図である。 (A)~(C)は、第3実施形態における転写シート1Bの各形態を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするため、適宜に誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態における転写シート1の断面図である。転写シート1は、図1に示す形態で保管したり、搬送したりすることができる。
図1に示すように、転写シート1は、基材フィルム10、剥離層20、装飾層30、粘着剤層40及び剥離フィルム50を備える。本実施形態の転写シート1において、剥離層20、装飾層30及び粘着剤層40は、転写層2を構成する。本発明において、転写層2の構成は、本実施形態の組み合わせに限らず、剥離層、機能層及び接合層のうちの少なくとも一層を含んでいればよい。本実施形態において、装飾層30は、機能層に相当する。また、粘着剤層40は、接合層に相当する。転写層2の他の組み合せについては、後述する。
(転写シート1の構成)
本実施形態における転写シート1は、剥離層以下の転写層2に対して離型性を有する離型性支持体として、可撓性で薄膜のフィルムの形態を採用する(以下、「基材フィルム」ともいう)。この基材フィルム10上において、剥離層20、装飾層30及び粘着剤層40から成る転写層2、更に粘着剤層40に対して離型性を有する剥離フィルム50は、この順に積層される。なお、本発明における「この順に積層」とは、直接積層のみならず、間接的な積層も含む意味であり、例えば、基材フィルム10と剥離層20との間に、他の層があっても許容する意味である。
<基材フィルム10>
基材フィルム10は、離型性支持体であり、転写層2を支持するフィルムである。基材フィルム10は、転写層2に対して離型性を有し、転写シート1が基材60(後述)に転写された後、剥離層20(転写層2)との界面から離型される。基材フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル等のセルロース系樹脂等から成るフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。なお、基材フィルム10における剥離層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。
基材フィルム10の膜厚は、好ましくは10μm以上200μm以下であり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
<剥離層20>
剥離層20は、転写シート1から基材フィルム10の剥離を容易にするために積層される層である。剥離層20は、転写シート1が基材60に転写され、基材フィルム10が剥離された後、転写シート1の最も外側の層として残存する。転写シート1が基材60に転写された後、剥離層20の表面には、トップコート層70(後述)が形成される。
剥離層20は、少なくとも、活性水素含有官能基を1以上有する樹脂と、ブロックイソシアネートとを含有する。それ以外にも、印刷適性・密着性の観点から、ウレタン樹脂・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂等を含有させてもよい。剥離層20を構成する樹脂としては、活性水素含有官能基を分子中に複数有する樹脂が好ましい。
なお、活性水素含有官能基とは、例えば、水酸基OH(以下、「OH基」とも表記する)、アミノ基NH、カルボキシル基COOH等の活性水素(原子)を有する官能基を意味する。活性水素含有官能基の代表例は、水酸基、即ちOH基である。OH基を複数有する樹脂としては、例えば、アクリルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂等が挙げられる。特に、1分子中にOH基を複数有する樹脂を用いることが好ましい。先に列挙した樹脂の中では、耐候性の点から、アクリルポリオール樹脂が最も好ましい。
アクリルポリオール樹脂としては、OH基を分子中に1以上、好ましくは複数有するアクリル系樹脂であれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル等の分子中にOH基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の1種又は2種以上と、更に必要に応じ、スチレン単量体等とを共重合させて得られた共重合体で、OH基を複数有するもの等が挙げられる。
アクリルポリオール樹脂は、OH基が30~130mgKOH/gであることが好ましく、50~130mgKOH/gであることがより好ましく、60~120mgKOH/gであることが更に好ましい。アクリルポリオール樹脂のOH基を30mgKOH/g以上とすることにより、優れたリコート性を発現できる。また、OH基を130mgKOH/g以下とすることにより、剥離層20の柔軟性を担保し、転写時に割れにくくすることができる。アクリルポリオール樹脂のOH基は、例えば、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定できる。
ウレタン樹脂としては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールと、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂肪族ないしは脂環式イソシアネート等のイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂が挙げられる。
上記のようなアクリルポリオール樹脂を主成分とする樹脂組成物としては、例えば、昭和インク工業株式会社製の商品名「KSI」(質量比で、アクリルポリオール樹脂:ウレタン樹脂=9:1)が例示できる。
剥離層20は、溶剤等に希釈後、従来公知の塗布方法にて塗布乾燥することにより形成できる。剥離層20の層厚(dry)は、好ましくは1μm以上10μm以下程度である。
なお、剥離層20として使用される材料は、上述したOH基を有するアクリルポリオール樹脂に限らず、活性イソシアネート基と反応するものであればよく、アミノ基、カルボキシル基等の他の活性水素含有官能基を含有する樹脂であってもよい。アミノ基を含有する樹脂としては、例えば、ポリアミドポリアミン樹脂、ポリエーテルポリアミン樹脂等が挙げられる。
ブロックイソシアネートは、転写シート1を基材60(後述)に転写し、剥離層20上にトップコート層70を形成した後、加熱により架橋反応させて、剥離層20の耐溶剤性を高めるために添加されるブロック化されたイソシアネートである。ブロック化されたイソシアネートを添加することによって、加熱により架橋反応するまでは耐溶剤性を発現しないため、トップコート層形成用塗料に含まれる溶剤、単量体、プレポリマー等の低分子量成分により、一部が膨潤、溶解乃至化学結合して、塗膜の良好な濡れ性、レベリング性等の塗工適正が確保され、トップコート層70のリコート性に影響を与えることがない。また、ブロックイソシアネートは、剥離層20にトップコート層70が塗布された後、加熱されることにより架橋反応して硬化するため、以降にトップコート層70の表面が溶剤、単量体、プレポリマー等の低分子量成分と接触した際に、再度、溶解、膨潤等を起こすことが抑制され、剥離層20の耐溶剤性を高めることができる。
ブロックイソシアネートは、イソシアネート化合物の活性イソシアネート基をブロック剤により保護したものである。ブロックイソシアネートは、架橋剤として働くため、上記のイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する。ブロックイソシアネートは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)等の水添ジイソシアネート類;これらジイソシアネート化合物の2量体、3量体、更に高分子量のポリイソシアネート類;トリメチロールプロパン等多価アルコールもしくは水、又は低分子量ポリエステル樹脂との付加物等が挙げられる。
ブロック剤の具体例としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類;m-クレゾール、キシレノール等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;ε-カプロラクタム等のラクタム類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケトン類;チオフェノール等のメルカプタン類等が挙げられる。その他、チオ尿素等の尿素類;イミダゾール類;カルバミン酸類等が挙げられる。
ブロックイソシアネートは、上記イソシアネート化合物とブロック剤とを、フリーのイソシアネート基がなくなるまで常法により反応させて得ることができる。また、ブロックイソシアネートとしては、市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、デュラネート(旭化成社製)、K-16用硬化剤(昭和インク工業社製)等が例示できる。
剥離層20における上記ブロックイソシアネートの配合量は、アクリルポリオール樹脂の固形分100質量部に対して固形分換算で3質量部以上20質量部以下であることが好ましい。ブロックイソシアネートの配合量が3質量部に満たないと、架橋反応により剥離層20が硬化しても、十分な耐溶剤性が発現しないため、好ましくない。一方、ブロックイソシアネートの配合量が20質量部を超えると、剥離層20が過度に硬化してしまうため、好ましくない。
また、ブロックイソシアネートは、硬化温度が80℃以上となる種類の中から選択することが好ましく、100℃以上がより好ましい。
転写シート1を転写した基材60の加熱時間は、ブロックイソシアネートの硬化温度により異なるが、およそ5分以上30分以下である。例えば、ブロックイソシアネートの硬化温度が110℃の場合、110℃での加熱時間は、およそ15分以上30分以下である。なお、硬化温度が110℃のブロックイソシアネートを添加した場合でも、加熱温度を110℃以上、例えば120℃とすることにより、より早く架橋反応を進行させることができる。
なお、剥離層20を構成する樹脂組成物に、剥離強度を調整するための材料として、ブロック化されていないイソシアネートを微量添加してもよい。上記樹脂組成物にイソシアネートを添加することにより、アクリルポリオールがウレタン化するため、剥離層20の接着性が高まる。イソシアネートの配合量は、後述する基材フィルム10と剥離層20との間の剥離強度とも関連するが、アクリルポリオール樹脂の固形分100質量部に対して固形分換算で10質量部以下であることが好ましい。イソシアネートの配合量が10質量部よりも多くなると、転写シート1を基材60に貼り合わせた後、転写シート1から基材フィルム10を離型する際に、剥離層20から基材フィルム10が離型しなくなるおそれがあり、好ましくない。また、イソシアネートの配合量が10質量部よりも多くなると、トップコート層70のリコート性も低下する。
なお、剥離層20を構成する樹脂組成物に、紫外線による劣化を抑制するための耐候剤として、例えば、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)等のラジカル捕捉剤を添加してもよい。
また、本実施形態において、基材フィルム10と剥離層20との間の剥離強度は、後述する剥離フィルム50と粘着剤層40との間の剥離強度の少なくとも2倍以上となるように設定される。転写シート1から剥離フィルム50を剥離したときに、基材フィルム10が剥離層20から剥離しないようにするためである。
<装飾層30>
装飾層30は、転写シート1の絵柄(意匠)が形成される印刷絵柄層である。装飾層30を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩酢ビ(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体)樹脂、アクリル-塩酢ビ樹脂等が挙げられる。装飾層30には、着色顔料、着色染料等が添加される。また、装飾層30には、耐候剤として、上述した紫外線吸収剤、光安定剤等を添加してもよい。
装飾層30の層厚(dry)は、例えば、約5μm程度である。
また、図示していないが、転写シート1において、装飾層30の粘着剤層40側に、印刷コート層を積層してもよい。印刷コート層は、転写シート1を基材60に転写した際に、基材60の表面(下地)を見えにくくするための隠蔽層として機能する。この印刷コート層は、装飾層30の全面を覆うように形成され、例えば、白色、グレー、茶色等に着色される。
また、図示していないが、装飾層30と粘着剤層40との間に、クリア樹脂層を積層してもよい。クリア樹脂層は、装飾層30に亀裂が発生するのを抑制する亀裂抑制層として機能する。クリア樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、アクリル-塩酢ビ樹脂(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩酢ビ樹脂等が挙げられる。
クリア樹脂層として使用可能な材料は、ガラス転移温度(Tg)が常温以上であることが好ましい。また、クリア樹脂層のガラス転移温度は、装飾層30のガラス転移温度より低く、接合層のガラス転移温度より高く、ほぼ両者の中間にあることが好ましい。各層の粘弾性が変化す変形する際、この関係にあれば変形による応力を吸収しやすい。クリア樹脂層のガラス転移温度が常温よりも低いと、寒暖の変化によりクリア樹脂層自体が変形してしまい、その変形が装飾層30に応力として作用して、装飾層30に亀裂を生じさせるおそれがあるためである。
クリア樹脂層の層厚(dry)は、例えば、1μm以上が好ましい。
<粘着剤層40>
粘着剤層40は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1と基材60とを接合する層(接合層)である。本実施形態の粘着剤層40は、粘着剤組成物の硬化物からなる。粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有する。
粘着剤層40の層厚は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましい。
なお、接合層は、上述した粘着剤層40に限らず、接着剤層であってもよい。接着剤層としては、例えば、アクリル-塩酢ビ樹脂(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体)樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂等が挙げられる。
[アクリル系粘着剤]
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸-tert-ブチルアミノエチル、メタクリル酸-n-エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、上記アクリル系粘着剤の市販品としては、例えば、ニッセツ(日本カーバイド社製)、SKダイン(綜研化学社製)等を好適に用いることができる。
[イソシアネート系硬化剤]
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。イソシアネート系硬化剤は、転写シート1を基材60(後述)に転写する際の粘着性を得るために添加される。アクリル系粘着剤は、水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、粘着剤層40となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、このウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,5-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4′-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4′-ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。
<剥離フィルム50>
剥離フィルム50は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1から剥離されるフィルムである。剥離フィルム50としては、例えば、シリコン離型タイプのポリエチレンテレフタレート(PET)、未処理のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
剥離フィルム50の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
なお、粘着剤層40として、ヒートシール層等の接着剤層を設けた場合、剥離フィルム50は、不要となる。
(化粧材100の製造方法)
次に、化粧材100の製造方法について説明する。
図2、図3及び図4は、化粧材100の製造方法を示す断面図である。
まず、図2(A)に示すように、転写シート1から剥離フィルム50を剥離する。転写シート1から剥離フィルム50を剥離することにより、粘着剤層40の装飾層30とは反対側の面(粘着面)が露出する。
次に、図2(B)に示すように、剥離フィルム50を剥離した転写シート1を、基材60に転写(貼付け)する。転写シート1の基材60への転写は、例えば、ロール・ツゥ・ロール、ロール・ツゥ・シート等の形態により連続して行うことができる。
「ロール・ツゥ・ロール」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写基材(基材本体61)に供給し、転写層2を被転写基材上に転写した後、転写層2が離型された帯状の離型性支持体(基材フィルム10)を、再度ロールに巻き取る加工形態を言う。
また、「ロール・ツゥ・シート」とは、帯状の転写シート1をロール(巻取)から引き出して平板状の被転写基材に供給し、転写層2を被転写基材上に転写する前後において、転写シート1を概ね被転写基材の1枚分に相当する寸法に切断して枚葉化し、転写層2が離型された枚葉の離型性支持体を、1枚毎に除去(廃棄)する加工形態を言う。また、転写シート1を手作業により基材60に転写し、その後、ヘラ等により押圧して、基材60の表面に均一に密着させてもよい。本実施形態の転写シート1は、基材60に常温で転写することができる。
図2(B)に示すように、基材60は、基材本体61と、シーラー層62と、を備える。
基材本体61は、転写シート1が転写される被転写基材である。基材本体61としては、例えば、無機材、木材、樹脂等の材料から成る板、壁等が挙げられる。このうち、無機材としては、例えば、石材、コンクリート、ガラス、金属等が挙げられる。また、基材本体61は、無機材から成る陶磁器等の焼き物(窯業系焼成物)であってもよい。
シーラー層62は、基材本体61の表面を滑らかにして、基材本体61と転写シート1との密着性を高めるための下塗り層である。基材本体61の表面(被転写面)の平滑性が十分な場合、シーラー層62は、省略される。
次に、図3(C)に示すように、基材60に転写された転写シート1から基材フィルム10を剥離する。転写シート1から基材フィルム10を剥離することにより、剥離層20の装飾層30とは反対側の面が露出する。図3(C)において、転写シート1の粘着剤層40と基材60とは、強い粘着力で接合されるため、転写シート1から基材フィルム10を剥離した際に、転写シート1が基材60から剥離することはない。
次に、図3(D)に示すように、剥離層20の露出した面の上に、トップコート層70を形成する。以下、トップコート層70を含む転写シート1と基材60との積層体を「化粧材100」ともいう。トップコート層70は、仕上げ剤として、化粧材100の表面に色彩、光沢等を付与すると共に、装飾層30を保護するための層である。また、トップコート層70を形成することにより、化粧材100に耐候性、耐汚染性を付与することもできる。トップコート層70としては、例えば、アクリル樹脂、珪素系樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
トップコート層70の厚さについては、特に限定されないが、好ましくは5μm以上1000μm以下、より好ましくは10μm以上300μm以下である。
次に、図4(E)に示すように、化粧材100を加熱する。この加熱により、剥離層20に添加されたブロックイソシアネートのブロック剤が解離し、活性イソシアネート基が再生されるため、剥離層20は、架橋反応により硬化する。また、化粧材100を加熱することにより、トップコート層70が乾燥して硬化する。図4(F)は、加熱により剥離層20及びトップコート層70が硬化した様子をドット模様で表している。
以上の工程を経ることにより、基材60に転写シート1が転写された化粧材100を得ることができる。
なお、図4(E)では、加熱の工程であることを理解しやすくするため、化粧材100に熱風Wを吹き付ける例を示しているが、これに限定されない。化粧材100を所定温度に設定された加熱炉内に設置してもよいし、内部に熱源を備えたローラを、化粧材100の表面(剥離層20)に押し付けながら所定時間に亘って移動させてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の転写シート1Aについて説明する。
第2実施形態の転写シート1Aは、転写層2の構成が第1実施形態と相違する。第2実施形態の転写シート1Aにおいて、その他の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態の説明及び図面において、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を適宜に付して、重複する説明を適宜に省略する。
図5(A)~(C)は、第2実施形態における転写シート1Aの各形態を示す断面図である。図5(A)は、第2実施形態における転写シート1Aの第1の形態を示す断面図である。図5(B)は、第2実施形態における転写シート1Aの第2の形態を示す断面図である。図5(C)は、第2実施形態における転写シート1Aの第3の形態を示す断面図である。
第2実施形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、剥離層20、機能層80及び粘着剤層40のうちの二層により構成される。
図5(A)に示すように、第1の形態の転写シート1Aは、転写層2として、機能層80と、粘着剤層40と、を備える。第1の形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、基材フィルム10上に、機能層80、粘着剤層40が、この順に積層される。
機能層80は、第1実施形態と同じく装飾層30であってもよいし、導電層又は磁性体層であってもよい。導電層としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫、ニッケル等の導電性金属の蒸着層、前記金屬の粒子を含有する導電性インキをコーティングした層等が挙げられる。また、磁性体層としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性インキをコーティングした層が挙げられる。
本形態において、機能層80としての剥離層20、導電層又は磁性体層は、ブロックイソシアネートを含有する。
第1の形態の転写シート1Aにおいて、粘着剤層40の代わりに接着剤層を設けてもよい。
図5(B)に示すように、第2の形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、剥離層20と、機能層80と、を備える。第2の形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、基材フィルム10の上に、剥離層20、機能層80が、この順に積層される。
機能層80は、第1実施形態と同じく装飾層30であってもよいし、導電層又は磁性体層であってもよい。
本形態において、剥離層20は、第1実施形態と同じくブロックイソシアネートを含有する。
なお、基材60(図2(B)参照)の側に粘着剤層又は接着剤層が設けられている場合、図5(B)に示すように、転写層2に粘着剤層40又は接着剤層を設ける必要はない。
図5(C)に示すように、第3の形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、剥離層20と、粘着剤層40と、を備える。第3の形態の転写シート1Aにおいて、転写層2は、基材フィルム10の上に、剥離層20、粘着剤層40が、この順に積層される。
本形態において、剥離層20は、第1実施形態と同じくブロックイソシアネートを含有する。
第3の形態の転写シート1Aにおいて、粘着剤層40の代わりに接着剤層を設けてもよい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の転写シート1Bについて説明する。
第3実施形態の転写シート1Bは、転写層2の構成が第1及び第2実施形態と相違する。第3実施形態の転写シート1Aにおいて、その他の構成は、第1及び第2実施形態と同じである。そのため、第3実施形態の説明及び図面において、第1及び第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を適宜に付して、重複する説明を適宜に省略する。
図6(A)~(C)は、第3実施形態における転写シート1Bの各形態を示す断面図である。図6(A)は、第3実施形態における転写シート1Bの第1の形態を示す断面図である。図6(B)は、第3実施形態における転写シート1Bの第2の形態を示す断面図である。図6(C)は、第3実施形態における転写シート1Bの第3の形態を示す断面図である。
第3実施形態の転写シート1Bにおいて、転写層2は、剥離層20、機能層80及び粘着剤層40のうちの一層により構成される。
図6(A)に示すように、第1の形態の転写シート1Bにおいて、転写層2は、剥離層20により構成される。
本形態において、剥離層20は、第1実施形態と同じくブロックイソシアネートを含有する。
図6(B)に示すように、第2の形態の転写シート1Bにおいて、転写層2は、機能層80により構成される。
機能層80は、第1実施形態と同じく装飾層30であってもよいし、第2実施形態で説明した導電層又は磁性体層であってもよい。
本形態において、機能層80としての装飾層30、導電層又は磁性体層は、ブロックイソシアネートを含有する。
図6(C)に示すように、第3の形態の転写シート1Bにおいて、転写層2は、粘着剤層40により構成される。
本形態において、粘着剤層40は、ブロックイソシアネートを含有する。
第3の形態の転写シート1Bにおいて、粘着剤層40の代わりに接着剤層を設けてもよい。その形態において、接着剤層は、ブロックイソシアネートを含有する。
次に、実施例及び比較例を示して、本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基材フィルム10として、25μm厚のPETフィルム(「E5001」 東洋紡株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリルポリオール-ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)100質量部に対して、ブロックイソシアネート(「K16用硬化剤」 昭和インク工業株式会社製)を6質量部となるように添加したインキを塗布して、膜厚(dry)1μmの剥離層20を形成した。この剥離層20の上に、アクリル-塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料からなるグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社製)を用いて複数回の印刷を行い、図1に示すような装飾層30を形成した。
一方、剥離フィルム50として、25μm厚のPETセパレータ(「トークロ離型フィルム」 東洋クロス株式会社製)を用意した。また、アクリル酸エステル粘着組成物(「KP-2654」 日本カーバイド工業株式会社製)100質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(「CK101」 日本カーバイド工業株式会社製)を2.3質量部となるように添加し、酢酸エチルで希釈した溶液を用意した。そして、剥離フィルム50の上に前記溶液を膜厚(dry)20μmとなるように塗工し、乾燥させることにより、粘着剤層40を形成した。
更に、基材フィルム10に形成した装飾層30と、剥離フィルム50に形成した粘着剤層40とを貼り合わせた後、7日間、室温で養生することにより、実施例の転写シートを得た。
(実施例2)
剥離層20の材料として、ブロックイソシアネートの添加量を3質量部にした以外は、実施例1と同じ条件で実施例2の転写シートを作製した。
(比較例1)
剥離層20の材料として、ブロックイソシアネートを添加しない以外は、実施例1と同じ条件で比較例1の転写シートを作製した。
(比較例2)
剥離層20の材料として、ブロックイソシアネートの代わりに、通常のイソシアネート基を有する硬化剤(「A硬化剤」 大日精化工業株式会社製)を添加した以外は、実施例1と同じ条件で比較例3の転写シートを作製した。
(比較例3)
剥離層20の材料として、ブロックイソシアネートの添加量を1質量部にした以外は、実施例1と同じ条件で比較例2の転写シートを作製した。
上記5種の転写シートから剥離フィルム50を剥離し、それぞれ鋼板(基材60)上に転写して、試料となる化粧材をそれぞれ得た。そして、各化粧材の転写シートから基材フィルム10を剥離し、剥離層20の表面にシリコン系塗料(「UVプロテクトクリヤー」 日本ペイント株式会社製)を塗布し、120℃で30分乾燥させてトップコート層70を形成した。その後、それぞれの化粧材について、リコート性と耐溶剤性について評価を行った。
リコート性は、剥離層20とトップコート層70との密着性を検証するための試験項目である。ここでは、トップコート層70と下層の剥離層20との密着性を、JIS K5600-5-6に準拠したクロスカット法により試験した。トップコート層70の剥離(一部が残存する場合を含む)が観察された場合を「×」とし、剥離が観察されない場合を「○」とした。
耐溶剤性は、トップコート層70及び剥離層20の溶剤に対する耐性を検証するための試験項目である。ここでは、トップコート層70の表面に試験溶剤としてトルエンを滴下し、24時間経過した後のそれぞれの化粧材の外観を目視により観察した。トップコート層70の表面にトルエンの浸漬が観測された場合を「×」とし、浸漬が観察されない場合を「○」とした。
実施例1,2及び比較例1~3の各化粧材について、上記各試験項目による評価結果を表1に示す。
Figure 0007131176000001
(評価結果)
実施例1,2の化粧材は、トップコート層70の剥離が観察されず、リコート性に優れていることが確認された。また、実施例1,2の化粧材は、トップコート層70の表面にトルエンの浸漬が観測されず、溶剤に対する耐性に優れていることが確認された。
比較例1の化粧材は、リコート性については、実施例と同等の結果が得られた。しかし、比較例1の化粧材は、トップコート層70の表面にトルエンの浸漬が観測された。これは、比較例1の化粧材では、剥離層20の材料としてブロックイソシアネートが添加されていないため、加熱により剥離層20が十分に硬化しなかったためと考えられる。
比較例2の化粧材は、トップコート層70の剥離が観察された。これは、比較例2の化粧材では、通常のイソシアネート基を有する硬化剤が添加された剥離層20が、トップコート層70となる塗料を塗布する前に硬化したため、塗料と剥離層20との密着性が悪くなったためと考えられる。また、比較例2の化粧材は、トップコート層70の表面にトルエンの浸漬が観測された。これは、剥離層20の材料としてブロックイソシアネートが添加されていないため、加熱により剥離層20が十分に硬化しなかったことと、トップコート層70と剥離層20との間の密着性が悪いため、この層間に溶剤が入り込んだことが原因と考えられる。
比較例3の化粧材は、リコート性については、実施例と同等の結果が得られた。しかし、比較例3の化粧材は、トップコート層70の表面にトルエンの浸漬が観測された。これは、比較例3の化粧材では、剥離層20のブロックイソシアネートの添加量不十分であるため、剥離層20の硬化が十分ではなかったためと考えられる。
以上の結果から、実施例1,2の化粧材は、いずれも剥離層20のリコート性及び耐溶剤性という相矛盾する両性能が共に優れていることが明らかとなった。
本発明に係る転写シートは、被転写基材(基材)に対して優れた意匠性、耐候性を付与することができる。この化粧材は、建築物の壁材(外装材、内装材)、間仕切り、扉、窓枠、家具、室内装飾品等のほか、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の乗り物の室内用又は室外(外装)用カバー材、各種標識、屋外広告等のパネル材等にも適用することができる。
1 転写シート
2 転写層
10 基材フィルム
20 剥離層
30 装飾層
40 粘着剤層
50 剥離フィルム
60 基材
70 トップコート層
80 機能層

Claims (4)

  1. 離型性支持体と、転写層と、がこの順に積層され、前記離型性支持体が剥離された前記転写層の表面にトップコート層が形成される転写シートであって、
    前記転写層は、前記トップコート層と接する位置に剥離層が形成され、前記剥離層において前記トップコート層が形成される側と反対側に接合層が設けられ、
    前記剥離層は、OH基を有する樹脂と、ブロックイソシアネートと、を含有し、
    前記ブロックイソシアネートは、前記OH基を有する樹脂100質量部に対して少なくとも3質量部添加される転写シート。
  2. 請求項1に記載の転写シートであって、
    前記転写層は、前記剥離層と前記接合層との間に機能層が設けられる転写シート。
  3. 請求項2に記載の転写シートであって、
    前記機能層は、装飾層、導電層又は磁性体層である転写シート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の転写シートであって、
    前記接合層は、接着剤層又は粘着剤層である転写シート。
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