JP2018165038A - 転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 離型性支持体と、印刷層と、接合層と、がこの順に積層され、前記接合層は、可塑剤を含有する転写シート。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
(転写シート1の構成)
図1は、第1実施形態の転写シート1の断面図である。転写シート1は、図1に示す形態で保管したり、搬送したりすることができる。
図1に示すように、転写シート1は、離型性支持体としての基材フィルム10、剥離層20、印刷層30、接合層としての粘着層40及び剥離フィルム50を備える。
基材フィルム(離型性支持体)10は、印刷層30を支持するフィルムである。基材フィルム10は、剥離層20等から成る転写層に対して離型性を有し、転写シート1が基材60(後述)に転写された後、剥離層20との界面から剥離される。基材フィルム10としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂等から成るフィルムが挙げられる。このうち、強度及び柔軟性に優れる点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。なお、基材フィルム10における剥離層20側の表面には、従来公知の離型層が形成されていてもよく、離型処理が施されていてもよい。
基材フィルム10の膜厚は、好ましくは10μm以上200μmであり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
剥離層20は、転写シート1から基材フィルム10の剥離を容易にするために積層される層である。剥離層20は、転写シート1が基材60に転写され、基材フィルム10が剥離された後、転写シート1の最も外側の層として残存する。その剥離層20の表面には、耐候性付与層70(後述)が形成される。剥離層20を構成する樹脂としては、例えば、アクリルポリオール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、これらの組成物において、更に、イソシアネート等が剥離強度の調整用に微量添加されていてもよい。また、これらの組成物に、例えば、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS(ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤)等のラジカル捕捉剤)等の耐候剤を添加してもよい。
剥離層20の層厚(dry)は、1μm以上2μm以下程度である。
印刷層30は、印刷絵柄層31と、印刷コート層32と、から構成される。
印刷絵柄層31は、転写シート1の図柄(意匠)が形成される層である。印刷絵柄層31を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、アクリル樹脂と塩酢ビ樹脂とを混合した組成物等が挙げられる。また、印刷絵柄層31には、着色顔料、着色染料等が添加される。
印刷絵柄層31の層厚(dry)は、約5μm程度である。
印刷コート層32の層厚(dry)は、1μm以上が好ましい。
第1実施形態においては、接合層として、粘着剤から成る層、即ち粘着層40を採用する。
粘着層(粘着剤層)40は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1と基材60とを接合する層である。本実施形態の粘着層40は、粘着剤組成物の硬化物から成る。粘着剤組成物は、主剤としてのアクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有し、更に、可塑剤(後述)を含有する。
粘着層40の層厚は、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上30μm以下であることがより好ましい。
好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルが、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、透明性に優れる点において好ましい。
粘着剤組成物は、イソシアネート系硬化剤を含有する。アクリル系粘着剤は、水酸基を有するため、イソシアネート系硬化剤を用いることにより、更に部分架橋を向上させることができ、粘着層40となったときに、内部破壊がなく適度な貯蔵弾性率を得られる。
粘着剤組成物は、好ましい形態として、アクリル共重合体を含有してもよい。これにより、高温での基材60への密着性が向上するとともに、粘着層40の凝集性が向上する。また、高温でも適度な弾性率を有することから、トリブロック共重合体系硬化剤を用いることが好ましい。トリブロック共重合体は、メタクリル酸メチル重合体ブロック(M)とアクリル酸ブチル重合体ブロック(A)とからなり、アクリル酸ブチル重合体ブロック(A)の占める割合は70質量%以上であり、トリブロック共重合体の重量平均分子量は10,000〜300,000である。
粘着層40を構成する粘着剤組成物は、可塑剤を含有する。
可塑剤を併用することにより、経時により印刷層30に亀裂が生じることを抑制できる。粘着層40に含まれる可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。なお、経時により印刷層30に亀裂が生じる理由等については、後述する。
剥離フィルム50は、転写シート1を基材60に転写する際に、転写シート1から剥離されるフィルムである。剥離フィルム50を構成する材料としては、例えば、シリコン離型タイプのポリエチレンテレフタレート(PET)、未処理のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等が挙げられる。
剥離フィルム50の厚さは、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
転写シート1が基材60に転写される前、粘着層40の流動性により生じる応力は、柔軟性のある剥離フィルム50に伝わり、この剥離フィルム50が変形することにより緩和される。この場合、粘着層40の流動性により生じる応力は、印刷層30にはほとんど作用しないので、印刷層30は、形状を維持することができる。
上記第1実施形態の転写シート1において、転写シート1と基材60との間において接合層となる層は、接着剤層であってもよい。接着剤層としては、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤、UV硬化型接着剤等が挙げられる。
接着剤層の層厚(dry)は、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましい。
その他、第2実施形態において、転写シート1の層構成、含有する可塑剤の種類、量等は、第1実施形態と同じである。
上記第1実施形態の転写シート1において、転写シート1と基材60との間において接合層となる層は、ヒートシール剤層であってもよい。ヒートシール剤層とは、加熱により接着性、粘着性を付与できる層である。ヒートシール剤層を構成するヒートシール剤としては、例えば、酢酸ビニル系ヒートシール剤、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系ヒートシール剤等が挙げられる。
ヒートシール剤層の層厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
その他、第3実施形態において、転写シート1の層構成、含有する可塑剤の種類、量等は、第1実施形態と同じである。
次に、化粧板100の製造方法について説明する。
化粧板100の製造は、例えば、転写シート1を購入した化粧板100の製造業者により行われる。
図2及び図3は、それぞれ化粧板100の製造方法を説明する断面図である。
基材本体61は、転写シート1が転写される被転写体である。基材本体61としては、例えば、無機材、木材、樹脂等が挙げられる。このうち、無機材としては、例えば、石材、セメント、コンクリート、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。
シーラー層62は、基材本体61の表面を滑らかにして、基材本体61と転写シート1との粘着性を高めるための下塗り層である。
耐候性付与層70の厚さについては、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上500μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは1μm以上100μm以下である。
以上の工程を経ることにより、基材60に転写シート1が転写された化粧板100を得ることができる。
<実施例>
基材フィルムとして、26μm厚のPETフィルム(「ダイアホイル」 三菱樹脂株式会社製)を用意し、その一方の面にアクリル−ウレタン樹脂組成物(「KSI」 昭和インク工業株式会社製)を塗布して、膜厚(dry)1μmの剥離層を形成した。この剥離層上にアクリル−塩酢ビ樹脂組成物と着色顔料から成るグラビアインキ(「EIS」 昭和インク工業株式会社)を用いて複数回の印刷を行い、図1に示すような印刷絵柄層31と印刷コート層32を形成した。
そして、基材フィルム側の印刷コート層と、PETセパレータ(剥離フィルム)側の粘着層とを貼り合わせた後、7日間、室温にて養生することにより、実施例の転写シートを得た。
粘着層に可塑剤(アジピン酸エステル系可塑剤)を添加しなかった以外は、上記実施例と同じ条件で比較例の転写シートを得た。
10 基材フィルム
20 剥離層
30 印刷層
40 粘着層
50 剥離フィルム
60 基材
70 耐候性付与層
Claims (5)
- 離型性支持体と、印刷層と、接合層と、がこの順に積層され、
前記接合層は、可塑剤を含有する転写シート。 - 請求項1に記載の転写シートであって、
前記接合層は、アクリル系粘着剤と、イソシアネート系硬化剤と、を含有する組成物の硬化物を含む粘着剤層であり、
前記可塑剤は、前記アクリル系粘着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。 - 請求項1に記載の転写シートであって、
前記接合層は、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤及び紫外線硬化型接着剤より選択される1種以上の接着剤の硬化物を含む接着剤層であり、
前記可塑剤は、前記接着剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。 - 請求項1に記載の転写シートであって、
前記接合層は、酢酸ビニル系ヒートシール剤又は塩酢ビニル系シートシール剤を含むヒートシール剤層であり、
前記可塑剤は、ヒートシール剤の固形分100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上10質量部以下である転写シート。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の転写シートであって、
前記可塑剤は、アジピン酸エステル系可塑剤又はフタル酸エステル系可塑剤である転写シート。
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