JP6190254B2 - マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6190254B2
JP6190254B2 JP2013250843A JP2013250843A JP6190254B2 JP 6190254 B2 JP6190254 B2 JP 6190254B2 JP 2013250843 A JP2013250843 A JP 2013250843A JP 2013250843 A JP2013250843 A JP 2013250843A JP 6190254 B2 JP6190254 B2 JP 6190254B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irradiation
shot
digit
bit
divided
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013250843A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015109323A (ja
Inventor
良一 吉川
良一 吉川
裕史 松本
裕史 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nuflare Technology Inc
Original Assignee
Nuflare Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nuflare Technology Inc filed Critical Nuflare Technology Inc
Priority to JP2013250843A priority Critical patent/JP6190254B2/ja
Priority to US14/556,503 priority patent/US9287090B2/en
Priority to TW103141794A priority patent/TWI553689B/zh
Priority to DE102014224607.5A priority patent/DE102014224607A1/de
Priority to KR1020140172230A priority patent/KR101670975B1/ko
Publication of JP2015109323A publication Critical patent/JP2015109323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6190254B2 publication Critical patent/JP6190254B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3174Particle-beam lithography, e.g. electron beam lithography
    • H01J37/3177Multi-beam, e.g. fly's eye, comb probe
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/027Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34
    • H01L21/0271Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers
    • H01L21/0273Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers characterised by the treatment of photoresist layers
    • H01L21/0274Photolithographic processes
    • H01L21/0275Photolithographic processes using lasers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/045Beam blanking or chopping, i.e. arrangements for momentarily interrupting exposure to the discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/147Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path
    • H01J37/1471Arrangements for directing or deflecting the discharge along a desired path for centering, aligning or positioning of ray or beam
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/24Circuit arrangements not adapted to a particular application of the tube and not otherwise provided for
    • H01J37/243Beam current control or regulation circuits
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/302Controlling tubes by external information, e.g. programme control
    • H01J37/3023Programme control
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/04Means for controlling the discharge
    • H01J2237/043Beam blanking
    • H01J2237/0435Multi-aperture
    • H01J2237/0437Semiconductor substrate

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、マルチビーム描画における空間電荷効果を補正する手法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される(例えば、特許文献1参照)。
ここで、マルチビーム描画では、高精度の描画を行うに際して、試料上の各々の位置に指定された照射量を与えるために、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。ショット毎に、各ビームの照射時間が一定ではないため、1ショット中のある時刻では、例えば、10000本のビームが照射されていても、1ns(ナノ秒)後には、例えば、ONビームが500本になり、さらに1ns後には、例えば、ONビームが50本になる。このように刻々とマルチビームのONビーム数が変化するため、1ショット中に、マルチビームにおけるONビームパターンとビーム電流がダイナミックに変化することになる。電子ビーム等の荷電粒子ビームでは、ビーム経路上で電荷を持った粒子間で反発力が生じ、それによりビーム経路が変化し、その影響はビーム電流(粒子数)が多いほど大きくなるという空間電荷効果が生じる。そのため、1ショット中の各ビームが照射され続けている間に、空間電荷効果により、フォーカスずれや描画パターンの位置ずれ等が生じるといった問題があった。
しかしながら、1ショット中の各ビームが照射され続けている状態でダイナミックに変化するONビームパターンやビーム電流に追従するようにフォーカスずれや描画パターンの位置ずれ等の補正を行うことは困難である。
特開2006−261342号公報
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、マルチビーム描画において、空間電荷効果により生じる描画パターンの位置ずれを補正することが可能な描画装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
荷電粒子ビームによるマルチビームのショット毎に、各ビームの1ショット分の照射を照射時間が異なる複数回の分割ショットに分割するように複数回の分割ショットのデータを生成する分割ショットデータ生成部と、
複数回の分割ショットのデータに沿って、マルチビームの各ビームを個別にブランキング制御する個別ブランキング機構と、
分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する伸縮率補正値を取得する伸縮率補正値取得部と、
分割ショット毎に、伸縮率補正値を用いてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正するレンズと、
を備えたことを特徴とする。
また、分割ショット毎に、マルチビーム全体のビーム中心位置を補正する中心位置補正値を取得する中心位置補正値取得部と、
分割ショット毎に、中心位置補正値を用いてマルチビーム全体のビーム中心位置を補正する偏向器と、
をさらに備えると好適である。
また、分割ショット毎に、マルチビーム全体のフォーカス位置を補正するフォーカス位置補正値を取得するフォーカス位置補正値取得部と、
分割ショット毎に、フォーカス位置補正値を用いてマルチビーム全体のフォーカス位置を補正する第2のレンズと、
をさらに備えると好適である。
また、個別ブランキング機構によるビーム毎のビームのON/OFF切り替えとは別に、分割ショット毎に、マルチビーム全体に対して一括して、ビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構をさらに備えると好適である。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームによるマルチビームのショット毎に、各ビームの1ショット分の照射を照射時間が異なる複数回の分割ショットに分割して、各分割ショットにそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、
分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マルチビーム描画において、空間電荷効果により生じる描画パターンの位置ずれを補正できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。 実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における照射時間配列データの一部の一例を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームのONビームパターンの一例を示す図である。 実施の形態1における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるマルチビームの位置ずれ補正の一例を示す概念図である。 実施の形態2におけるマルチビームのONビームパターンの一例を示す図である。 実施の形態2におけるマルチビームのビーム中心位置ずれ補正の一例を示す概念図である。 実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。 実施の形態3における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。 実施の形態4における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態4における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、アパーチャ部材203、ブランキングプレート204、縮小レンズ205、偏向器212、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、偏向器208、及び静電レンズ214,216が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。
また、縮小レンズ205と対物レンズ207は、共に、電磁レンズで構成され、縮小レンズ205と対物レンズ207によって縮小光学系が構成される。静電レンズ214,216は、対物レンズ207の磁場中に配置される。静電レンズ214,216は、それぞれ自身に印加された電圧による影響が対物レンズ207の磁場と効率よく作用させるため、対物レンズ207の磁場中に含まれる位置に配置されると好適である。但し、これに限るものではない。例えば、静電レンズ214,216のうちの1つが、縮小レンズ205の磁場中に配置され、静電レンズ214,216のうちの残りが、対物レンズ207の磁場中に配置されるようにしても好適である。或いは、静電レンズ214,216は、縮小レンズ205の磁場中に配置されてもよい。これらの構成は、要求に合わせて適宜設計されると良い。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路132、デジタル・アナログ変換(DAC)アンプ134,136,138、ステージ位置測定部139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、DACアンプ134,136,138、ステージ位置測定部139及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。ブランキングプレート204に搭載された図示しない複数の個別ブランキング機構のそれぞれのロジック回路は後述するようにシフトレジスタを用いて直接或いは間接的に偏向制御回路130に接続されている。また、ロジック回路132は偏向制御回路130に接続されている。DACアンプ134は、静電レンズ214に接続される。DACアンプ136は、静電レンズ216に接続される。DACアンプ138は、偏向器208に接続される。
記憶装置140(記憶部)には、描画データが外部から入力され、格納されている。記憶装置144(記憶部)には、伸縮係数補正テーブル、中心位置係数補正テーブル、及びフォーカス補正テーブルが外部から入力され、格納されている。
制御計算機110内には、面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ONビーム数演算部74、係数取得部76、係数設定部78、係数取得部80、係数設定部82、係数取得部84、係数設定部86、描画制御部72、及び転送処理部68が配置されている。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ONビーム数演算部74、係数取得部76、係数設定部78、係数取得部80、係数設定部82、係数取得部84、係数設定部86、描画制御部72、及び転送処理部68といった各機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ONビーム数演算部74、係数取得部76、係数設定部78、係数取得部80、係数設定部82、係数取得部84、係数設定部86、描画制御部72、及び転送処理部68に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。図2(a)において、アパーチャ部材203には、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2(a)では、例えば、512×8列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。ここでは、y方向の各列について、x方向にAからHまでの8つの穴22がそれぞれ形成される例が示されている。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2(a)のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。図2(b)に示すように、例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。
図4は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。
ブランキングプレート204には、アパーチャ部材203の各穴22の配置位置に合わせて通過孔が形成され、各通過孔には、対となる2つの電極24,26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)が、それぞれ配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の一方(例えば、電極24)には、電圧を印加するアンプ46がそれぞれ配置される。そして、各ビーム用のアンプ46には、それぞれ独立にロジック回路41が配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の他方(例えば、電極26)は、接地される。各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。このように、複数のブランカーが、アパーチャ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
図5は、実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図5において、描画装置100本体内のブランキングプレート204に配置された複数の個別ブランキング機構の制御用の各ロジック回路41には、シフトレジスタ40、レジスタ42、及びAND演算器44(論理積演算器)が配置される。なお、AND演算器44は、レジスタ動作に問題が生じた場合などに、個別ブランキングをすべて強制的にOFFするために使用されるが、実施の形態1では省略しても構わない。実施の形態1では、従来、例えば、10ビットの制御信号によって制御されていた各ビーム用の個別ブランキング制御を、1ビットの制御信号によって制御する。すなわち、シフトレジスタ40、レジスタ42、及びAND演算器44には、1ビットの制御信号が入出力される。制御信号の情報量が少ないことにより、制御回路の設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングプレート204上にロジック回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチでより多くのビームを配置できる。これはブランキングプレートを透過する電流量を増加させ、すなわち描画スループットを向上することができる。
また、共通ブランキング機構用の偏向器212には、アンプが配置され、ロジック回路132には、レジスタ50、及びカウンタ52(ショット時間制御部の一例)が配置される。こちらは、同時に複数の異なる制御を行うわけではなく、ON/OFF制御を行う1回路で済むため、高速に応答させるための回路を配置する場合でも設置スペース、回路の使用電流の制限の問題が生じない。よってこのアンプはブランキングアパーチャ上に実現できるアンプよりも格段に高速で動作する。このアンプは例えば、10ビットの制御信号によって制御する。すなわち、レジスタ50、及びカウンタ52には、例えば10ビットの制御信号が入出力される。
実施の形態1では、上述した複数の個別ブランキング機構用の各ロジック回路41によるビームON/OFF制御と、マルチビーム全体を一括してブランキング制御する共通ブランキング機構用のロジック回路132によるビームON/OFF制御との両方を用いて、各ビームのブランキング制御を行う。
図6は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図6において、パターン面積密度算出工程(S102)と、ショット時間(照射時間)T算出工程(S104)と、階調値N算出工程(S106)と、分割ショットデータ生成工程(S108)と、照射時間配列データ出力工程(S110)と、ONビーム数演算工程(S202)と、補正係数取得工程(S204)と、補正係数設定工程(S206)と、対象桁のデータ転送工程(S212)と、対象桁の照射時間による描画工程(S214)と、判定工程(S220)と、桁変更工程(S222)と、判定工程(S224)と、いう一連の工程を実施する。対象桁の照射時間による描画工程(S214)は、その内部工程として、個別ビームON/OFF切り替え工程(S216)と、共通ビームON/OFF切り替え工程(S218)という一連の工程を実施する。
パターン面積密度算出工程(S102)として、面積密度算出部60は、記憶装置140から描画データを読み出し、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域がメッシュ状に仮想分割された複数のメッシュ領域のメッシュ領域毎にその内部に配置されるパターンの面積密度を算出する。例えば、まず、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を所定の幅で短冊上のストライプ領域に分割する。そして、各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。メッシュ領域のサイズは、例えば、ビームサイズ、或いは、それ以下のサイズであると好適である。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。面積密度算出部60は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。
ショット時間(照射時間)T算出工程(S104)として、照射時間算出部62は、所定のサイズのメッシュ領域毎に、1ショットあたりの電子ビームの照射時間T(ショット時間、或いは露光時間ともいう。以下、同じ)を算出する。多重描画を行う場合には、各階層における1ショットあたりの電子ビームの照射時間Tを算出すればよい。基準となる照射時間Tは、算出されたパターンの面積密度に比例して求めると好適である。また、最終的に算出される照射時間Tは、図示しない近接効果、かぶり効果、ローディング効果等の寸法変動を引き起こす現象に対する寸法変動分を照射量によって補正した補正後の照射量に相当する時間にすると好適である。照射時間Tを定義する複数のメッシュ領域とパターンの面積密度を定義した複数のメッシュ領域とは同一サイズであってもよいし、異なるサイズで構成されても構わない。異なるサイズで構成されている場合には、線形補間等によって面積密度を補間した後、各照射時間Tを求めればよい。メッシュ領域毎の照射時間Tは、照射時間マップに定義され、照射時間マップが例えば記憶装置142に格納される。
階調値N算出工程(S106)として、階調値算出部64は、照射時間マップに定義されたメッシュ領域毎の照射時間Tを所定の量子化単位Δを用いて定義する際の整数の階調値Nを算出する。照射時間Tは、次の式(1)で定義される。
Figure 0006190254
よって、階調値Nは、照射時間Tを量子化単位Δで割った整数の値として定義される。量子化単位Δは、様々に設定可能であるが、例えば、1ns(ナノ秒)等で定義できる。量子化単位Δは、例えば1〜10nsの値を用いると好適である。Δは、カウンタで制御する場合のクロック周期等、制御上の量子化単位を意味する。
分割ショットデータ生成工程(S108)として、ビット変換部66は、電子ビームによるマルチビームのショット毎に、各ビームの1ショット分の照射を照射時間が異なる複数回の分割ショットに分割するように複数回の分割ショットのデータを生成する。ビット変換部66は、分割ショットデータ生成部の一例である。例えば、1ショット分の照射時間を2進数の値に変換する。ショット毎に、マルチビームの各ビームの照射時間(ここでは、階調値N)を予め設定された桁数nの2進数の値に変換する。例えば、N=50であれば、50=2+2+2なので、例えば、10桁の2進数の値に変換すると”0000110010”となる。かかる”0000110010”データが、照射時間が異なる複数回の分割ショットのデータとして生成される。例えば、N=500であれば、同様に、”0111110100”となる。例えば、N=700であれば、同様に、”1010111100”となる。例えば、N=1023であれば、同様に、”1111111111”となる。各ビームの照射時間は、ショット毎に、各ビームが照射することになるメッシュ領域に定義された照射時間が相当する。これにより、照射時間Tは、次の式(2)で定義される。
Figure 0006190254
は、階調値Nを2進数で定義した場合の各桁の値(1又は0)を示す。桁数nは、2桁以上であればよいが、好ましくは4桁以上、より好ましくは8桁以上が好適である。
実施の形態1では、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の対応桁の値を10進数で定義した場合に相当する照射時間とした各桁の照射時間の照射を組み合わせた桁数n回の照射に分割する。言い換えれば、1ショットを、Δa、Δa、・・・Δa、・・・Δan−1n−1、の各照射時間の複数の照射ステップに分割する。桁数n=10とする場合、1ショットは、10回の照射ステップに分割される。
例えば、桁数n=10とする場合、N=700であれば、10桁目(10ビット目)の照射時間がΔ×512となる。9桁目(9ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。8桁目(8ビット目)の照射時間がΔ×128となる。7桁目(7ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。6桁目(6ビット目)の照射時間がΔ×32となる。5桁目(5ビット目)の照射時間がΔ×16となる。4桁目(4ビット目)の照射時間がΔ×8となる。3桁目(3ビット目)の照射時間がΔ×4となる。2桁目(2ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。1桁目(1ビット目)の照射時間がΔ×0=0、となる。
そして、例えば桁数の大きい方から順に照射する場合、例えばΔ=1nsとすれば、1回目の照射ステップが512ns(ビームON)の照射となる。2回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。3回目の照射ステップが128ns(ビームON)の照射となる。4回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。5回目の照射ステップが32ns(ビームON)の照射となる。6回目の照射ステップが16ns(ビームON)の照射となる。7回目の照射ステップが8ns(ビームON)の照射となる。8回目の照射ステップが4ns(ビームON)の照射となる。9回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。10回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。
以上のように、実施の形態1では、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、変換された2進数の対応桁の値を10進数で定義した場合に相当する照射時間とした各桁の照射時間の照射を組み合わせた桁数n回の照射に分割する。そして、後述するように、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料101に照射する。
照射時間配列データ出力工程(S110)として、転送処理部68は、各ビームのショット毎に、複数回の分割ショットデータに変換された照射時間配列データを偏向制御回路130に出力する。
以上により、各ビームの各回の分割ショットデータが得られる。よって、各回の分割ショットの際、マルチビームのうち、どのビームがビームONになり、どのビームがビームOFFになるかの情報が得られたことになる。
図7は、実施の形態1における照射時間配列データの一部の一例を示す図である。図7では、マルチビームを構成するビームの内、例えばビーム1〜5についての所定のショットの照射時間配列データ(複数回の分割ショットデータ)の一部を示している。図7の例では、ビーム1〜5について、kビット目(k桁目)の照射ステップからk−3ビット目(k−3桁目)の照射ステップまでの照射時間配列データを示している。図7の例では、ビーム1について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1101”を示す。ビーム2について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1100”を示す。ビーム3について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”0110”を示す。ビーム4について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”0111”を示す。ビーム5について、kビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射ステップについてデータ”1011”を示す。
以上のように、マルチビームを構成する各ビームの1ショットあたりの複数回の分割ショットデータが得られる。そこで、実施の形態1では、かかる複数回の分割ショットデータを用いて、空間電荷効果により生じる描画パターンの位置ずれを補正する補正係数を取得する。以下、具体的に説明する。
ONビーム数演算工程(S202)として、ONビーム数演算部74は、分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数を演算する。
図8は、実施の形態1におけるマルチビームのONビームパターンの一例を示す図である。例えば、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の開口をもつアパーチャ部材203を用いて、一度に照射可能なマルチビームのビーム本数は、(m列×n列)本となる。図8では、かかる(m列×n列)本のマルチビームの照射領域30のうち、例えば、kビット目の分割ショットの際に照射されるONビーム32のビームパターンの一例を示している。言い換えれば、ブランキング制御によりビームOFFにならないで、試料101面に到達するビームのビームパターンの一例を示している。図8は、例えば、kビット目の分割ショットの際に照射されるマルチビーム全体におけるONビーム数の一例を示している。ONビーム32のビームパターンは、例えば、分割ショット毎に異なり得る。かかるONビーム数を得ることで、複数回の分割ショットのうち、その回の分割ショットにおけるマルチビーム全体でのビーム電流量を得ることができる。マルチビーム描画では、空間電荷効果によって、ビーム電流量(ビーム強度)に応じたマルチビーム全体の像の伸縮率やフォーカスにずれが生じる。例えば、ビーム強度が大きくなれば、マルチビーム全体の像の伸縮率やフォーカスは大きくずれる。特に、マルチビームでは、端部に位置するビーム程、そのずれ量は顕著になる。そこで、実施の形態1では、予め、実験等によりビーム電流量(ONビーム数)を可変にして、各ONビーム数におけるマルチビーム全体の像の基準伸縮率に対する伸縮率補正係数を求めておく。そして、ONビーム数に対応した伸縮率補正係数を定義した伸縮率補正テーブルを作成しておく。同様に、予め、実験等によりビーム電流量(ONビーム数)を可変にして、各ONビーム数におけるフォーカス位置の基準フォーカス位置に対する補正係数を求めておく。そして、ONビーム数に対応したフォーカス補正係数を定義したフォーカス補正テーブルを作成しておく。かかる伸縮率補正テーブルとフォーカス補正テーブルは、記憶装置144に格納しておく。
なお、ここでは、伸縮率補正とフォーカス補正を行っているが、フォーカス位置がずれると非点収差補正にずれが生じるので、予め、実験等によりビーム電流量(ONビーム数)を可変にして、各ONビーム数における非点補正係数を求めておいてもよい。そして、ONビーム数に対応した非点補正係数を定義した非点補正テーブルを作成しておいてもよい。かかる非点補正テーブルは、記憶装置144に格納しておけばよい。
なお、補正係数を求める方法は、例えば、条件を変えてパターンを描画し、その測定結果から補正係数を求めることができる。また、ステージ上にマークを配置し、種々条件でそのマーク位置を測定する、あるいは、ビーム解像性を測定することでも補正係数を求めることもできる。また、補正量が比較的小さい場合には、電子光学系のシミュレーション等により設計値として求められた補正係数を設定することでも十分精度良く補正が可能になる。
補正係数取得工程(S204)として、係数取得部76は、記憶装置144に記憶された伸縮率補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する伸縮率補正値(ここでは、例えば、基準伸縮率に対する伸縮率補正係数)を取得する。係数取得部80は、伸縮率補正値取得部の一例である。また、係数取得部80は、記憶装置144に記憶されたフォーカス補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、マルチビーム全体のフォーカス位置を補正するフォーカス位置補正値(ここでは、例えば、基準フォーカス位置に対するフォーカス補正係数)を取得する。係数取得部80は、フォーカス位置補正値取得部の一例である。
また、非点補正テーブルを記憶装置に格納している場合には、係数取得部84は、記憶装置144に記憶された非点補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じて非点を補正する非点補正値(ここでは、例えば、非点が生じていない状態に対する非点補正係数)を取得する。
補正係数設定工程(S206)として、係数設定部78は、分割ショット毎に、DACアンプ134に伸縮率補正係数を設定する。同様に、係数設定部82は、分割ショット毎に、DACアンプ136にフォーカス補正係数を設定する。なお、予め、基準となる電流量において、対物レンズ207で合わせた焦点位置が変化しないように(フォーカスずれが生じないように)、かつマルチビーム全体の像の伸縮率が予め設定した基準伸縮率になるような電圧の組の一方が、DACアンプ134に、他方がDACアンプ136に設定されている。
また、非点補正テーブルを記憶装置に格納している場合には、係数設定部86は、分割ショット毎に、DACアンプ138に非点補正係数を設定する。非点補正レンズは独立に設置しても良いが、ここでは、偏向器208に非点補正レンズの機能を合わせ持たせるとよい。偏向器208は、例えば周方向に8極に分割された複数の電極により構成される。これにより、x,y方向にビームを偏向可能にできる。なお、図1では、偏向器208用にDACアンプ138しか記載されていないが、各電極用にそれぞれDACアンプが接続されることは言うまでもない。
対象桁のデータ転送工程(S212)として、偏向制御回路130は、ショット毎に、各ビーム用のロジック回路41に照射時間配列データを出力する。また、これと同期して、偏向制御回路130は、共通ブランキング用のロジック回路132に各照射ステップのタイミングデータを出力する。
実施の形態1では、図5に示したように、ロジック回路41にシフトレジスタ40を用いているので、データ転送の際、偏向制御回路130は、同じビット(同じ桁数)のデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送する。また、同期用のクロック信号(CLK1)、データ読み出し用のリード信号(read)、及びゲート信号(BLK)を出力する。図7の例では、例えば、ビーム1〜5のkビット目(k桁目)のデータとして、後のビーム側から”10011”の各1ビットデータを転送する。各ビームのシフトレジスタ40は、クロック信号(CLK1)に従って、上位側から順にデータを次のシフトレジスタ40に転送する。例えば、ビーム1〜5のkビット目(k桁目)のデータは、5回のクロック信号によって、ビーム1のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム2のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム3のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。ビーム4のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。ビーム5のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。
次に、各ビームのレジスタ42が、リード信号(read)を入力すると、各ビームのレジスタ42が、シフトレジスタ40からそれぞれのビームのkビット目(k桁目)のデータを読み込む。図7の例では、kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム1のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム2のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム3のレジスタ42には1ビットデータである”0”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム4のレジスタ42には1ビットデータである”0”が格納される。kビット目(k桁目)のデータとして、ビーム5のレジスタ42には1ビットデータである”1”が格納される。各ビームの個別レジスタ42は、kビット目(k桁目)のデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号をAND演算器44に出力する。kビット目(k桁目)のデータが”1”であればON信号を、”0”であればOFF信号を出力すればよい。そして、AND演算器44では、BLK信号がON信号であって、レジスタ42の信号がONであれば、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。
そして、かかるkビット目(k桁目)のデータが処理されている間に、偏向制御回路130は、次のk−1ビット目(k−1桁目)のデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送する。図7の例では、例えば、ビーム1〜5のk−1ビット目(k−1桁目)のデータとして、後のビーム側から”01111”の各1ビットデータを転送する。各ビームのシフトレジスタ40は、クロック信号(CLK1)に従って、上位側から順にデータを次のシフトレジスタ40に転送する。例えば、ビーム1〜5のk−1ビット目(k−1桁目)のデータは、5回のクロック信号によって、ビーム1のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム2のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム3のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム4のシフトレジスタ40には1ビットデータである”1”が格納される。ビーム5のシフトレジスタ40には1ビットデータである”0”が格納される。そして、k−1ビット目(k−1桁目)のリード信号によって、各ビームのレジスタ42が、シフトレジスタ40からそれぞれのビームのk−1ビット目(k−1桁目)のデータを読み込めばよい。以下、同様に、1ビット目(1桁目)のデータ処理まで進めればよい。
ここで、図5に示したAND演算器44については、省略しても構わない。但し、ロジック回路41内の各素子のいずれかが故障して、ビームOFFにできない状態に陥った場合などに、AND演算器44を配置することでビームをOFFに制御できる点で効果的である。また、図5では、シフトレジスタを直列にした1ビットのデータ転送経路を用いているが、複数の並列の転送経路を設けることで、転送の高速化を図ることも効果的である。
対象桁の照射時間による描画工程(S214)として、各ビームのショット毎に、複数の照射ステップに分割した照射(分割ショット)のうち、対象桁(例えばkビット目(k桁目))の照射時間の描画を実施する。また、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ134から印加された電圧に応じて静電レンズ214(第1のレンズ)が、伸縮率補正値を用いてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する。同時に、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ136から印加された電圧に応じて静電レンズ216(第2のレンズ)が、フォーカス補正係数(フォーカス位置補正値の一例)を用いてマルチビーム全体のフォーカス位置を補正する。また、同時に、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ138から印加された電圧に応じて偏向器208が、非点補正係数(非点補正値の一例)を用いてマルチビーム全体の非点収差を補正する。
図9は、実施の形態1における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。図9では、例えば、マルチビームを構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ビーム1のkビット目(k桁目)からk−3ビット目(k−3桁目)までの照射時間配列データは、図7の例では、”1101”で示される。まず、kビット目(k桁目)のリード信号の入力によって、個別レジスタ42(個別レジスタ1)は、格納されているkビット目(k桁目)のデータに従ってON/OFF信号を出力する。図9では、ON出力となる。実施の形態1では、1ビット信号なので、個別レジスタ42は、次のk−1ビット目(k−1桁目)のデータが読み込まれるまで、データ出力が維持されることになる。
kビット目(k桁目)のデータがONデータであるので、個別アンプ46(個別アンプ1)はON電圧を出力し、ビーム1用のブランキング電極24にON電圧を印加する。一方、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。共通ブランキング機構では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。例えば、Δ=1nsとすれば、1回目の照射ステップ(例えば10桁目(10ビット目))の照射時間がΔ×512=512nsとなる。2回目の照射ステップ(例えば9桁目(9ビット目))の照射時間がΔ×256=256nsとなる。3回目の照射ステップ(例えば8桁目(8ビット目))の照射時間がΔ×128=128nsとなる。以下、同様に、各桁目(各ビット目)の照射時間だけONとなる。ロジック回路132内では、レジスタ50に各照射ステップのタイミングデータが入力されると、レジスタ50がk桁目(kビット目)のONデータを出力すると、カウンタ52がk桁目(kビット目)の照射時間をカウントし、かかる照射時間の経過時にOFFとなるように制御される。
また、共通ブランキング機構では、個別ブランキング機構のON/OFF切り替えに対して、アンプ46の電圧安定時間(セトリング時間)S1/S2を経過した後にON/OFF切り替えを行う。図9の例では、個別アンプ1がONになった後、OFFからONに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S1を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち上がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。そして、共通アンプはk桁目(kビット目)の照射時間の経過時にOFFとなる。その結果、実際のビームは、個別アンプと共通アンプが共にONであった場合に、ビームONとなり、試料101に照射される。よって、共通アンプのON時間が実際のビームの照射時間になるように制御される。換言すれば、共通ブランキング機構が照射時間を規定することになる。すなわち、カウンタ52(照射時間制御部)によって、共通アンプ及び偏向器212が照射時間を規定するように制御される。一方、個別アンプ1がOFFの時に共通アンプがONになる場合には、個別アンプ1がOFFになった後、ONからOFFに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S2を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち下がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。また、図8に記載したように、個別アンプ動作は共通アンプがOFFした後に開始することにすれば、不安定な動作が排除でき確実なビーム照射が実施できる。また、補正用静電レンズのDACアンプも個別アンプと同様のタイミングで制御すれば、不安定な動作が排除でき確実なビーム照射が実施できる。
以上のように、個別ビームON/OFF切り替え工程(S216)として、複数の個別ブランキング機構(ブランキングプレート204等)は、複数回の分割ショットのデータに沿って、マルチビームの各ビームを個別にブランキング制御する。具体的には、複数の個別ブランキング機構(ブランキングプレート204等)により、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行い、ビーム毎に、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う。図9の例では、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップがビームOFFではないので、ONからOFF切り替えを行っていないが、例えば、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップがビームOFFであれば、ONからOFF切り替えを行うことは言うまでもない。
そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S218)として、ビーム毎に、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われるのとは別に、共通ブランキング機構(ロジック回路132、及び偏向器212等)を用いてマルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行い、k桁目(kビット目)の照射ステップ(照射)に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。
ブランキングプレート204では回路の設置面積や使用電流に制限があるため、簡易なアンプ回路になってしまう。そのため、個別アンプのセトリング時間を短くするにも制限がある。これに対して、共通ブランキング機構では、鏡筒の外に十分な大きさ、使用電流、回路規模の高精度なアンプ回路を搭載可能である。よって、共通アンプのセトリング時間を短くできる。そこで、実施の形態1では、個別ブランキング機構でビームONにした後(或いは対象桁目のリード信号出力後)、セトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにすることで、ブランキングプレート上の個別アンプの電圧不安定時間やクロストークを含むノイズ成分を排除でき、かつ、高精度な照射時間でブランキング動作を行うことができる。
判定工程(S220)として、描画制御部72は、照射時間配列データについて全桁のデータの転送が完了したかどうかを判定する。完了していない場合には、桁変更工程(S222)に進む。完了した場合には、判定工程(S224)に進む。
桁変更工程(S222)として、描画制御部72は、対象ビット(桁)を変更する。例えば、k桁目(kビット目)からk−1桁目(k−1ビット目)に対象桁を変更する。そして、対象桁のデータ転送工程(S212)に戻る。同時に、補正係数取得工程(S204)に戻る。そして、k−1桁目(k−1ビット目)の処理について補正係数取得工程(S204)から桁変更工程(S222)までを実施する。そして、判定工程(S220)において照射時間配列データについて全桁のデータの処理が完了するまで、同様に、繰り返す。
図9の例では、k桁目(kビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−1桁目(k−1ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−1桁目(k−1ビット目)のデータが”1”なので、引き続きON出力となる。よって、個別アンプ1出力のONとなり、ON電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。そして、k−1桁目(k−1ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でビームOFFにする。
次に、k−1桁目(k−1ビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−2桁目(k−2ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−2桁目(k−2ビット目)のデータが”0”なので、OFF出力に切り替わる。よって、個別アンプ1出力がOFFとなり、OFF電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。しかし、個別アンプ1出力のOFFなので、ビーム1は結果としてビームOFFとなる。そして、k−2桁目(k−2ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でOFFにする。
次に、k−2桁目(k−2ビット目)の照射ステップ用のビームON時間が経過後に、k−3桁目(k−3ビット目)のリード信号がレジスタ42に入力される。ビーム1についてレジスタ42では、k−3桁目(k−3ビット目)のデータが”1”なので、ON出力に切り替わる。よって、個別アンプ1出力のONとなり、ON電圧が個別ブランキング用の電極24に印加される。そして、同様に、個別アンプ1のセトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにする。今度は、個別アンプ1出力はONなので、ビーム1は結果としてビームONとなる。そして、k−3桁目(k−3ビット目)の照射時間経過後に共通ブランキング機構でOFFにする。
以上のように、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行う複数の個別ブランキング機構を用いて、ビーム毎に、桁数回の照射(桁数回の分割ショット)の各回の照射について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う。そして、同時に、ビーム毎に、桁数回の照射(桁数回の分割ショット)の各回の照射について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えと共に、これとは別に、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構を用いて当該桁の照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。かかる個別ブランキング機構と共通ブランキング機構と補正用静電レンズの切り替え動作によって、各桁にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料101に照射する。
このように、各分割ショットの間は、ONビームパターンが一定に維持されるので、ビーム電流量も一定に維持され、その間の空間電荷効果も一定にできる。よって、実施の形態1では、分割ショット毎に、マルチビーム全体の像の伸縮率を補正する。同時に、分割ショット毎に、フォーカスずれを補正する。同時に、分割ショット毎に、非点を補正する。これにより、1ショット中のビーム電流量の変化に応じた空間電荷効果による位置ずれを補正できる。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直にアパーチャ部材203全体を照明する。アパーチャ部材203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかるアパーチャ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングプレート204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
図10は、実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。ブランキングプレート204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206(ブランキングアパーチャ部材)の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、偏向器212(共通ブランキング機構)によって、偏向されなければ、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFと共通ブランキング機構のON/OFFとの組み合わせによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構或いは共通ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより1回分のショットをさらに分割した照射ステップのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向にまとめて偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。また、例えばXYステージ105が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ105の移動に追従するように偏向器208によって制御される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的にはアパーチャ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。描画装置100は、ショットビームを連続して順に照射していくラスタースキャン方式で描画動作を行い、所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。
判定工程(S224)として、描画制御部72は、全ショットが終了したかどうかを判定する。そして、全ショットが終了していれば終了し、まだ全ショットが終了していない場合には階調値N算出工程(S106)に戻り、全ショットが終了するまで、階調値N算出工程(S106)から判定工程(S224)を繰り返す。
図11は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図11に示すように、試料101の描画領域40は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。かかる各ストライプ領域42は、描画単位領域となる。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域42の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は所定の速度で例えば連続移動させる。第1番目のストライプ領域42の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域42の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向にむかって同様に描画を行う。第3番目のストライプ領域42では、x方向に向かって描画し、第4番目のストライプ領域42では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域42を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、アパーチャ部材203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。
図12は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図12の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図12の例では、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域の約2倍の幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。まず、ストライプ領域の上側の領域について描画する。図12(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、図12(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。次に、図12(c)に示すように、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。
図13は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図13では、図12の続きを示している。次に、図13(a)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。かかる4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する。次に、ストライプ領域の下側の領域について描画する。図13(b)に示すように、ストライプ領域の下側の領域について、1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以上の動作により、ストライプ領域のうち、マルチビームの照射領域の1列目の描画が終了する。そして、図13(c)に示すように、x方向に移動して、マルチビームの照射領域の2列目について、同様に、描画を行えばよい。以上の動作を繰り返し行うことで、ストライプ領域全体を描画できる。
図14は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図14の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図14の例では、各ビーム間の距離を離して、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域と同等、或いは若干広い幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら16回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。図14(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、次に、図14(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、2,3,4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。次に、図14(c)に示すように、x方向にまだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらし、5回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、6,7,8回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。
図15は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図15では、図14の続きを示している。図15(a)に示すように、図13で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。図14,15の例では、例えば、多重描画(多重度=2)を行う場合を示している。かかる場合には、マルチビーム全体の照射領域の約1/2のサイズだけx方向に移動し、図15(b)に示すように、多重描画2層目の1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以下、図14(b)及び図14(c)で説明したように、順次、多重描画2層目の2〜8回目の各ショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行い、図15(c)に示すように、図14(b)及び図14(c)で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。
図16は、実施の形態1におけるマルチビームの位置ずれ補正の一例を示す概念図である。マルチビームで一度に照射可能なマルチビーム全体での照射領域30aの像は、1ショット中の電流量の変化に伴い空間電荷効果により、例えば、照射領域30bの像のように拡大する。これにより照射領域30aの中心位置付近のビーム36aは、ビーム36bが示す位置へと位置ずれが生じる。また、照射領域30aの端部位置付近のビーム37aは、ビーム37bが示す位置へと位置ずれが生じる。図16に示すように、マルチビームにおける空間電荷効果の影響は、照射領域30aの中心位置付近のビーム36aよりも、より端部のビーム37aの方が大きい。よって、実施の形態1のように、1ショットを複数回の分割ショットに分割して、分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正することで、特に、位置ずれ量の大きい端部のビームでより効果を発揮できる。
以上のように、実施の形態1によれば、マルチビーム描画において、空間電荷効果により生じる描画パターンの位置ずれを補正できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、マルチビーム全体でのONビーム数に応じて空間電荷効果に起因する種々の現象を補正したが、これに限るものではない。実施の形態2では、マルチビームを複数の領域に区分して、領域毎のONビーム数に応じて空間電荷効果に起因する種々の現象を補正する構成について説明する。
実施の形態2における装置構成は、図1〜5と同様である。また、および実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図6と同様である。以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様である。
パターン面積密度算出工程(S102)から照射時間配列データ出力工程(S110)までの各工程の内容は実施の形態1と同様である。
ONビーム数演算工程(S202)として、ONビーム数演算部74は、分割ショット毎に、領域毎のマルチビームのONビーム数を演算する。
図17は、実施の形態2におけるマルチビームのONビームパターンの一例を示す図である。例えば、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の開口をもつアパーチャ部材203を用いて、一度に照射可能なマルチビームのビーム本数は、(m列×n列)本となる。かかる点は図8と同様である。図17(a)の例では、マルチビームの照射領域30を複数の領域33に分割する。例えば、メッシュ状の複数の領域33に分割する。マルチビームのビーム本数が、例えば、512×512本とし、領域33の個数が16個とすると、各領域33からは、16384本のビーム31が照射されることになる。領域33の個数はこれに限るものではなく、各領域33に例えば100本程度以上のビーム31が所属すると好適である。ここでは、図17(a)の例に示すように、16個の領域31に分割された場合について説明する。実施の形態2では、領域33毎のONビーム数を演算する。図17(b)では、各領域33のONビーム数の一例を示している。
実施の形態2では、かかるONビーム数をランク分けして、ランクパターンを取得する。例えば、ランクAはビーム本数が0本、ランクBはビーム本数が1〜99本、ランクCはビーム本数が100〜499本、ランクDはビーム本数が500〜999本、及びランクEはビーム本数が1000本以上、といったように本数に範囲を設定してランク分けする。ランク数および各ランクの設定本数については適宜設定すればよい。また、ビーム本数が0の場合には、空間電荷効果の影響が1本以上とは異なるので、独立したランクを設けると好適である。図17(b)の例に示すように、各領域33にランクA〜Eのいずれかが設定される。分割ショット毎に、各領域33にそれぞれ複数のランクが設定される可能性があるので、マルチビームの照射領域30では、複数のランク分布パターンが想定できる。そして、ランク分布パターン毎に、空間電荷効果によって生じる、マルチビーム全体の像の伸縮率やフォーカスにずれ、及び非点収差の補正値を切り替えて補正を行う。また、マルチビーム全体の電流分布が対称でない場合等、分布に偏りがある場合には、空間電荷効果により中心位置の擦れが生じる。そこで、実施の形態2では、ランク分布パターン毎に、中心位置ずれの補正も行う。
実施の形態2では、複数のランク分布パターンのランク分布パターン毎に、予め、実験等によりマルチビーム全体の像の基準伸縮率に対する伸縮率補正係数を求めておく。そして、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)に対応した伸縮率補正係数を定義した伸縮率補正テーブルを作成しておく。同様に、予め、実験等によりフォーカス位置の基準フォーカス位置に対する補正係数を求めておく。そして、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)に対応したフォーカス補正係数を定義したフォーカス補正テーブルを作成しておく。同様に、予め、実験等によりマルチビームの中心位置ずれに対する補正係数を求めておく。そして、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)に対応したマルチビーム中心位置補正係数を定義した中心位置補正テーブルを作成しておく。かかる伸縮率補正テーブルとフォーカス補正テーブルと中心位置補正テーブルとは、記憶装置144に格納しておく。
なお、補正係数を求める方法は、実施の形態1の場合と同様に、例えば、パターンを描画し、その測定結果から補正係数を求めることができる。また、ステージ上に配置したマークを測定する方法、また、シミュレーション等数値計算による方法などにより補正係数を求めることができる。
なお、ここでは、伸縮率補正とフォーカス補正と中心位置補正を行っているが、フォーカス位置がずれると非点収差が生じるので、予め、実験等によりランク分布パターン(ONビーム数パターン)に対応した非点補正係数を求めておいてもよい。そして、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)に対応した非点補正係数を定義した非点補正テーブルを作成しておいてもよい。かかる非点補正テーブルは、記憶装置144に格納しておけばよい。以下、非点補正については説明を省略する。
補正係数取得工程(S204)として、係数取得部76は、記憶装置144に記憶された伸縮率補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する伸縮率補正値(ここでは、例えば、基準伸縮率に対する伸縮率補正係数)を取得する。係数取得部80は、伸縮率補正値取得部の一例である。また、係数取得部80は、記憶装置144に記憶されたフォーカス補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、マルチビーム全体のフォーカス位置を補正するフォーカス位置補正値(ここでは、例えば、基準フォーカス位置に対するフォーカス補正係数)を取得する。係数取得部80は、フォーカス位置補正値取得部の一例である。また、係数取得部84は、記憶装置144に記憶された中心位置補正テーブルを参照して、分割ショット毎に、マルチビーム全体のビーム中心位置を補正する中心位置補正値(ここでは、例えば、ビーム中心位置ずれが生じていない状態に対する中心位置補正係数)を取得する。係数取得部84は、中心位置補正値取得部の一例である。
補正係数設定工程(S206)として、係数設定部78は、分割ショット毎に、DACアンプ134に伸縮率補正係数を設定する。同様に、係数設定部82は、分割ショット毎に、DACアンプ136にフォーカス補正係数を設定する。なお、予め、基準となる電流量において、対物レンズ207で合わせた焦点位置が変化しないように(フォーカスずれが生じないように)、かつマルチビーム全体の像の伸縮率が予め設定した基準伸縮率になるような電圧の組の一方が、DACアンプ134に、他方がDACアンプ136に設定されている。
また、係数設定部86は、分割ショット毎に、DACアンプ138に非点補正係数を設定する。ここでは、偏向器208にマルチビームのビーム中心位置補正の機能を合わせ持たせるとよい。偏向器208は、例えば周方向に8極に分割された複数の電極により構成される。これにより、非点を補正するとともに、x,y方向にビームを偏向できる。なお、図1では、偏向器208用にDACアンプ138しか記載されていないが、各電極用にそれぞれDACアンプが接続されることは言うまでもない。なお、非点を補正する場合には、偏向器208にて、かかるビーム中心位置補正に合わせて非点補正を行えばよい。
対象桁のデータ転送工程(S212)以降の各工程の内容は、実施の形態1と同様である。よって、対象桁の照射時間による描画工程(S214)において、各ビームのショット毎に、複数の照射ステップに分割した照射(分割ショット)のうち、対象桁(例えばkビット目(k桁目))の照射時間の描画を実施する。また、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ134から印加された電圧に応じて静電レンズ214(第1のレンズ)が、伸縮率補正値を用いてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する。同時に、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ136から印加された電圧に応じて静電レンズ216(第2のレンズ)が、フォーカス補正係数(フォーカス位置補正値の一例)を用いてマルチビーム全体のフォーカス位置を補正する。また、同時に、かかる対象桁(例えばkビット目(k桁目))の分割ショットに同期して、分割ショット毎に、DACアンプ138から印加された電圧に応じて偏向器208が、マルチビームのビーム中心位置補正係数(中心位置補正値の一例)を用いてマルチビーム全体のビーム中心位置を補正する。
また、桁変更工程(S222)において、描画制御部72は、対象ビット(桁)を変更する。例えば、k桁目(kビット目)からk−1桁目(k−1ビット目)に対象桁を変更する。そして、対象桁のデータ転送工程(S212)に戻る。同時に、補正係数取得工程(S204)に戻る。そして、k−1桁目(k−1ビット目)の処理について補正係数取得工程(S204)から桁変更工程(S222)までを実施する。そして、判定工程(S220)において照射時間配列データについて全桁のデータの処理が完了するまで、同様に、繰り返す。
上述したように、各分割ショットの間は、ONビームパターンが一定に維持されるので、ランク分布パターン(ONビーム数パターン)も一定に維持される。よって、ランク分布パターン毎のビーム電流量も一定に維持される。よって、その間の空間電荷効果も一定にできる。よって、実施の形態2では、分割ショット毎に、マルチビーム全体の像の伸縮率を補正する。同時に、分割ショット毎に、フォーカスずれを補正する。同時に、分割ショット毎に、マルチビーム全体のビーム中心位置を補正する。もちろん、同時に非点を補正してもよい。これにより、1ショット中のランク分布パターン(ONビーム数パターン)の変化に応じた空間電荷効果による位置ずれを補正できる。実施の形態2では、ランク分布パターンを用いているので、ビーム中心位置のずれも補正が可能となる。
図18は、実施の形態2におけるマルチビームのビーム中心位置ずれ補正の一例を示す概念図である。マルチビームで一度に照射可能なマルチビーム全体での照射領域30のビーム中心位置38aは、1ショット中の電流量の変化(分布の偏り)に伴い空間電荷効果により、例えば、ビーム中心位置38bのように位置がずれる。よって、実施の形態2のように、1ショットを複数回の分割ショットに分割して、分割ショット毎に、マルチビームのランク分布パターン(ONビーム数パターン)に応じてマルチビーム全体のビーム中心位置を補正することで、ビーム分布に偏りがある場合にも空間電荷効果による位置ずれが補正できる。
以上のように、実施の形態2によれば、マルチビーム描画において、空間電荷効果により生じる描画パターンの位置ずれを補正できる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1,2では、n回の照射ステップ用のデータを1ビットずつ例えば大きい順にデータ転送する場合を説明したが、これに限るものでない。実施の形態3では、複数の照射ステップ用のデータを組み合わせて転送する場合について説明する。実施の形態3における装置構成は、図1と同様である。また、実施の形態3における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図6と同様である。また、以下、特に説明する点以外が内容は、実施の形態1或いは実施の形態2と同様である。
各ビームのk−1ビット目(k−1桁目)のON/OFFデータの転送をkビット目(k桁目)の照射ステップと並列に行うことで、データ転送の時間を照射ステップの照射時間内に含めることができる。しかし、kが小さくなってくると、照射ステップの照射時間が短くなるので、k−1ビット目(k−1桁目)のON/OFFデータの転送を照射ステップの照射時間内に含めることが困難になってくる。そこで、実施の形態3では、例えば、照射時間が長い桁と短い桁とをグループ化する。これにより、次のグループのデータ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。グループ化は、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定すると好適である。例えば、n桁目(nビット目)と1桁目(1ビット目)とのグループ、n−1桁目(n−1ビット目)と2桁目(2ビット目)とのグループ、n−2桁目(n−2ビット目)と3桁目(3ビット目)とのグループ、・・・といったようにグループ化すると好適である。
図19は、実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図19において、描画装置100本体内のブランキングプレート204に配置された個別ブランキング制御用の各ロジック回路41に、さらに、セレクタ48が追加された点、および各ビーム用の個別ブランキング制御を、例えば2ビットの制御信号によって制御する点、以外は図5と同様である。ここでは、例えば、2つの照射ステップを組み合わせて1つのグループに設定する場合を示している。そのため、グループ内の各照射ステップ用に1ビットずつ制御信号として使用する。よって、グループ毎に2ビットの制御信号を用いる。制御信号を2ビットとしてもビームオフオン用の制御回路は、10ビットで照射量制御を行う回路に比べロジック回路自体を圧倒的に小さくできる。よって、(共通ブランキング機構の使用で)ブランキング制御の応答性を向上させながら(ブランキングアパーチャ上の回路の)設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングプレート204上にロジック回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチを実現しつつ、照射量制御の精度を向上できる。
図20は、実施の形態3における1ショット中の照射ステップの一部についてのビームON/OFF切り替え動作を示すフローチャート図である。図20では、例えば、マルチビームを構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ここでは、例えば、ビーム1のnビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のグループからn−1ビット目(n−1桁目)と2ビット目(2桁目)のグループまでの照射ステップについて示している。照射時間配列データは、例えば、nビット目(n桁目)が”1”、1ビット目(1桁目)が”1”、n−1ビット目(n−1桁目)が”0”、2ビット目(1桁目)が”1”の場合を示している。
まず、nビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のグループのリード信号の入力によって、個別レジスタ42(個別レジスタ信号1(n桁目)及び個別レジスタ信号2(1桁目))は、格納されているnビット目(n桁目)と1ビット目(1桁目)のデータに従ってON/OFF信号を並列に(パラレル転送信号として)出力する。実施の形態3では、2ビット信号なので、信号を選択して切り替える必要がある。
図20では、まず、セレクタ48で個別レジスタ信号1のデータが選択され、nビット目(n桁目)のON信号が個別アンプに出力される。次に、個別レジスタ42の出力は、セレクタ48の切り替えによって個別レジスタ2のデータが選択され、nビット目(n桁目)の出力から1ビット目(1桁目)の出力に切り替える。以下、照射ステップ毎にこの切り替えを順次繰り返す。
nビット目(k桁目)のデータがONデータであるので、個別アンプ46(個別アンプ1)はON電圧を出力し、ビーム1用のブランキング電極24にON電圧を印加する。一方、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。共通ブランキング機構では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。例えば、Δ=1nsとすれば、1回目の照射ステップ(例えば10桁目(10ビット目))の照射時間がΔ×512=512nsとなる。2回目の照射ステップ(例えば1桁目(1ビット目))の照射時間がΔ×1=1nsとなる。3回目の照射ステップ(例えば9桁目(9ビット目))の照射時間がΔ×256=256nsとなる。4回目の照射ステップ(例えば2桁目(2ビット目))の照射時間がΔ×2=2nsとなる。以下、同様に、各グループの桁目(各ビット目)の照射時間だけONとなる。ロジック回路132内では、レジスタ50に各照射ステップのタイミングデータが入力されると、レジスタ50がk桁目(kビット目)のONデータを出力し、カウンタ52がk桁目(kビット目)の照射時間をカウントし、かかる照射時間の経過時にOFFとなるように制御される。以下、グループ毎に順にビームの照射が行われる。
以上のように、実施の形態3によれば、データ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。
なお、上記の実施の形態3では、2ビット並列のシフトレジスタを用いた転送経路を用いる場合を説明したが、十分な転送速度が得られれば1ビットのシリアル転送を用いても構わない。転送経路の設計は、当該技術者が適宜選択すればよい。また、2個のデータの切り替えをセレクタを用いて切り替える構成としているが、セレクタを用いずに順にシフトレジスタで転送されるように構成しても効果的である。
また、上記の実施の形態3では、2個の照射ステップをグループ化した場合の形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、3個の照射ステップをグループ化した場合には、データ転送時間と照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計時間がより均一化できる。さらに、グループ化する照射ステップを増やすとより均一化が可能である。例えば、照射ステップを2進数の各桁とした場合、グループ化する照射ステップを3個あるいは4個にすると十分な均一化効果が得られる。ただし、個数を増やすとその分必要なレジスタが増加し、その結果回路面積も増加することになるので、何個の照射ステップをグループ化するかは要求に合わせて適宜選択されると良い。
具体的な実施形態は上述の内容に限定されるものではなく、グループデータの転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めるようにする骨子に従って種々の実施形態が選択できる。
実施の形態4.
上述した各実施の形態では、個別ブランキング制御用のブランキングプレート204と共通ブランキング用の偏向器212とを用いて、ビーム毎に、1ショットを分割した複数回の分割ショットについてブランキング制御をおこなったが、これに限るものではない。実施の形態4では、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いてビーム毎に、1ショットを分割した複数回の分割ショットについてブランキング制御をおこなう構成について説明する。
図21は、実施の形態4における描画装置の構成を示す概念図である。図21において、偏向器212が無くなった点、ロジック回路132の出力がブランキングプレート204に接続される点、以外は、図1と同様である。また、実施の形態4における描画方法の要部工程は、図6と同様である。以下、特に説明する点以外の内容は、実施の形態1〜3のいずれかと同様である。
図22は、実施の形態4における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図22において、偏向器212が無くなった点、AND演算器44(論理積回路)に偏向制御回路130からの信号の代わりにロジック回路132の出力信号が入力される点、以外の内容は図5と同様である。
個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)として、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御信号を出力するシフトレジスタ40と個別レジスタ42を有する複数のロジック回路(第1のロジック回路)を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用のロジック回路(第1のロジック回路)によりビームのON/OFF制御信号(第1のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、上述したように、各ビームの個別レジスタ42は、kビット目(k桁目)のデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号をAND演算器44に出力する。kビット目(k桁目)のデータが”1”であればON信号を、”0”であればOFF信号を出力すればよい。
そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)として、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、個別ブランキング用のロジック回路によりビームのON/OFF制御信号の切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御信号を出力するロジック回路132(第2のロジック回路)を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにビームのON/OFF制御信号(第2のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。ロジック回路132は、かかるON/OFF制御信号をAND演算器44に出力する。ロジック回路132では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。
そして、ブランキング制御工程として、AND演算器44は、個別ビーム用のON/OFF制御信号と共通ビーム用のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。AND演算器44は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。このように、個別ブランキング偏向器の電極24(個別ブランキング機構)は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるように個別にビームのON/OFF制御を行う。
なお、個別ブランキング回路はブランキングプレートの広い範囲に配置されるため、回路による遅延、あるいは、配線長による遅延などにより、個別ブランキング回路の動作にはどうしても時間的なずれが生じるが、このような応答速度のずれによる個別ブランキング回路の動作が収まったところで、共通ブランキングからビームON信号を供給するようにすれば、個別の回路の遅延等による不安定なビーム照射が避けられる。
以上のように、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いても実施の形態1と同様、回路設置スペースの制限を維持することができる。また、個別ブランキング用のロジック回路41が1ビットのデータ量なので、消費電力も抑制できる。また、共通ブランキング用の偏向器212が省略できるメリットもある。
なお、本実施形態において、共通ブランキング用のロジック回路132は独立に製作されても良いが、ブランキングプレートの周辺部分に設置して一体構造の集積回路として製作することも可能である。ブランキングプレートの周辺部分に設置すれば、個別ブランキング回路への配線長が短くでき、正確なタイミング制御が容易になるという利点がある。
なお、上述した例では、個別ブランキング用のロジック回路41が1ビットのデータ量の場合を示したが、これに限るものではなく、実施の形態4の構成は、実施の形態3のように2ビットのデータ量の場合についても適用できる。また、実施の形態4の構成は、その他の実施の形態においても適用できる。
実施の形態5.
上述した各実施の形態では、照射ステップの分割の仕方を2進数の各桁に合わせるという例を示したが、分割の仕方はそれに限定されるものではなく、2進数の各桁とする以外にも、種々の異なる時間あるいは同じ時間の組み合わせで照射ステップの分割が可能である。実施の形態6では、種々の異なる時間あるいは同じ時間の組み合わせで照射ステップの分割を行う場合について説明する。装置構成は、図1或いは図21と同様である。
また、以下、特に説明する点以外の内容は上述したいずれかの実施の形態と同様である。
最大照射時間Tmaxまでの任意の照射時間を表すことができる分割照射時間の組み合わせ(X0Δ、X1Δ、X2Δ、・・・、Xm−1Δ)(以下、Δを省略して、単に組合せ数列(X0、X1、X2、・・・、Xm−1)と記載する)は、以下の条件で選択することができる。
まず、1桁目(k=0)の分割照射時間をX0=1として、
k桁目の分割照射時間をXk≦{Σ(Xi)}+1,(i=0〜k−1)とした分割照射時間で組み合わせることができる。ただし、Xkは1以上の整数とする。ここで、{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)は、括弧内のXiをX0からXk−1までを加算したもの(X0+X1+...+Xk−2+Xk−1)を意味する。ここでは、以下、同様の表記で説明する。
上記の条件では、例えば、まず、X0=1なので、X1は1または2のどちらかとなる。X1=2とした場合には、X2は1〜4のどれかとなる。ここで例えば、X2を3とした場合には、組み合わせ数列(X0,X2,X3)=(1,2,3)は、どの桁を選択するか(加算するかしないか)によって、0〜6までの任意の時間設定が可能となる。
さらに、Xkの場合を考えると、まず、X0からXk−1までの組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1)では、0からΔ・{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の時間の設定が可能となる。これに、Xkを追加した組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1,Xk)は、Xkを非選択とすれば元の0から{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の照射時間が設定でき、また、Xkを選択した組み合わせでは、XkからXk+{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)までの任意の時間が設定できることになる。
ここで、このXkを選択または非選択とした場合の設定可能領域を、非選択時の最大値+1を選択時の最小値(すなわち、Xk={Σ(Xi)}+1、(i=0〜k−1))とすれば、合わせた連続的な設定領域となり、組み合わせ数列(X0,・・・,Xk−1,Xk)の分割時間組み合わせは0からXk+{Σ(Xi)},(i=0〜k−1)まで、すなわち、0から{Σ(Xi)},(i=0〜k)までの任意の時間が設定できることになる。
また、ここで、Xk<{Σ(Xi)}+1、(i=0〜k−1)とした場合には、Xkを選択または非選択とした場合の設定可能範囲がオーバラップする(Xkを選択/非選択の双方で設定可能な照射時間が存在する)が、そのような選択も可能となる。
さらに、最大照射時間Tmax≦Δ・{Σ(Xi)},(i=0〜m−1)となる、すなわち、最大照射時間Tmaxまで設定可能となるようにXkの項数(桁数)をm項(桁)まで増やせば、組み合せ数列(X0、X1、X2、...、Xm−1)は、0からTmaxまでの任意の時間が設定可能な分割時間の組み合わせとなる。
ここで、各ショットの照射時間TはXiの組み合わせで表現され、
T=Δ・{Σ(ai・Xi)},(i=0〜m−1)となる。
ここで、aiは選択/非選択に対応して1または0で表現される。そのため、aiの数列(a0,a1,a2,a3,・・・,am−1)は擬似的に2進数と同様に0/1の並びで表現すると処理上都合が良い。
また、ここで、特に、Xk={Σ(Xi)}+1,(i=0〜k−1)とすると、2進数の各桁としたXk(Xk=2)が上記条件を満たすことになり、必要桁数mが最少で表現できることになる。
上記の条件を満たす他の一例として、例えば、同じ時間の照射ステップを組み合わせた場合の例として、Δ=1nsでN=700とした場合に、256ns(ビームON)、256ns(ビームON)、256ns(ビームOFF)、64ns(ビームON)、64ns(ビームON)、64ns(ビームOFF)、16ns(ビームON)、16ns(ビームON)、16ns(ビームON)、4ns(ビームON)、4ns(ビームON)、4ns(ビームON)、1ns(ビームOFF)、1ns(ビームOFF)、1ns(ビームOFF)、という照射ステップの組み合わせで照射を行うことにしても同様に実施できる。この場合は、15回の照射ステップで照射が実施される。このような照射ステップの分割の仕方は2進数の各桁とした場合に比べて照射ステップ数が増加してスループットが低下する可能性があるが、その一方で、同じ時間の繰り返しにすることで制御回路の設計がし易くなるというメリットもある。照射ステップの分割の仕方は、2進数の各桁に合わせることにすれば照射ステップ数が最少で済むというメリットがあるが、上述の他にも種々の組み合わせで分割が可能である。どのような組み合わせにするかは要求に従って選択されればよい。
分割ショットデータ生成工程(S108)として、ビット変換部66は、各値がそれぞれ1つ前の値までの合計に1を加算した値以下となる、予め設定された項数の数列を用いて、ショット毎に、前記数列の各項の値を選択/非選択することによって選択された値の合計が電子ビームによるマルチビームの各ビームの照射時間(ここでは、階調値N)になるようにそれぞれ照射時間配列データを生成する。照射時間配列データは、例えば、選択時に「1」、非選択時に「0」で識別される。例えば、上述した、15項の組み合わせ数列(1,1,1,4,4,4,16,16,16,64,64,64,256,256,256)を用いて、Δ=1nsでN=700を定義した場合に、1(非選択=0),1(非選択=0),1(非選択=0),4(選択=1),4(選択=1),4(選択=1),16(選択=1),16(選択=1),16(選択=1),64(非選択=0),64(選択=1),64(選択=1),256(非選択=0),256(選択=1),256(選択=1)となる。例えば、例えば数値(照射時間)の大きい方(長い方)から順に照射する場合、N=700の照射時間配列データは”110110111111000”で定義できる。ここでは、一例として数値の大きい方から並べたが、元々の数列の順に沿って、小さい方から”000111111011011”と定義してもよい。照射時間配列データの各桁(項)が示す照射時間は、予め設定された数列の各項の値が相関されていることは言うまでもない。
以上のように、各ショットは、2進数の各桁の値に限らず、その他の数列値の照射時間の組み合わせによる複数の照射ステップに分割されてもよい。
対象桁の照射時間による描画工程(S214)として、各ビームのショット毎に、複数の照射ステップに分割した照射のうち、対象桁(例えばkビット目(k桁目))の照射時間の描画を実施する。このように、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射を、かかる項数の数列の各値に相当する照射時間として各項を組み合わせた数列の項数回の照射に分割して、照射時間配列データに基づいて、選択された各項の値にそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する。
また、実施の形態3で説明したように、複数の照射ステップ用のデータを組み合わせて転送する構成にしても好適である。言い換えれば、かかる数列の項数回の照射について、数列の各項の値のうち、複数の値の組み合わせで構成される複数のグループを設定し、グループ毎に順にビームの照射が行われるようにすると好適である。これにより、次のグループのデータ転送時間を照射ステップ中のグループ化された照射時間の合計内に含めることができる。グループ化は、実施の形態3と同様、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように複数のグループを設定すると好適である。例えば、n桁目(nビット目)と1桁目(1ビット目)とのグループ、n−1桁目(n−1ビット目)と2桁目(2ビット目)とのグループ、n−2桁目(n−2ビット目)と3桁目(3ビット目)とのグループ、・・・といったようにグループ化すると好適である。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム描画装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24,26 電極
30 照射領域
31,36,37,38 ビーム
32 ONビーム
33 領域
40 シフトレジスタ
41 ロジック回路
42 レジスタ
44 加算演算器
46 アンプ
48 セレクタ
50 レジスタ
52 カウンタ
60 面積密度算出部
62 照射時間算出部
64 階調値算出部
66 ビット変換部
68 転送処理部
72 描画制御部
74 ONビーム数演算部
76,80,84 係数取得部
78,82,86 係数設定部
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
132 ロジック回路
134,136,138 DACアンプ
139 ステージ位置測定部
140,142,144 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 アパーチャ部材
204 ブランキングプレート
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
210 ミラー
212 偏向器
214,216 静電レンズ

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームによるマルチビームのショット毎に、各ビームの1ショット分の照射を照射時間が異なる複数回の分割ショットに分割するように前記複数回の分割ショットのデータを生成する分割ショットデータ生成部と、
    前記複数回の分割ショットのデータに沿って、マルチビームの各ビームを個別にブランキング制御する個別ブランキング機構と、
    前記分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する伸縮率補正値を取得する伸縮率補正値取得部と、
    前記分割ショット毎に、前記伸縮率補正値を用いてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正するレンズと、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記分割ショット毎に、マルチビーム全体のビーム中心位置を補正する中心位置補正値を取得する中心位置補正値取得部と、
    前記分割ショット毎に、前記中心位置補正値を用いてマルチビーム全体のビーム中心位置を補正する偏向器と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記分割ショット毎に、マルチビーム全体のフォーカス位置を補正するフォーカス位置補正値を取得するフォーカス位置補正値取得部と、
    前記分割ショット毎に、前記フォーカス位置補正値を用いてマルチビーム全体のフォーカス位置を補正する第2のレンズと、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記個別ブランキング機構によるビーム毎のビームのON/OFF切り替えとは別に、前記分割ショット毎に、マルチビーム全体に対して一括して、ビームのON/OFF制御を行う共通ブランキング機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 荷電粒子ビームによるマルチビームのショット毎に、各ビームの1ショット分の照射を照射時間が異なる複数回の分割ショットに分割して、各分割ショットにそれぞれ対応する照射時間のビームを順に試料に照射する工程と、
    前記分割ショット毎に、マルチビームのONビーム数に応じてマルチビーム全体の像の伸縮率を補正する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
JP2013250843A 2013-12-04 2013-12-04 マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法 Active JP6190254B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250843A JP6190254B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
US14/556,503 US9287090B2 (en) 2013-12-04 2014-12-01 Multi charged particle beam writing apparatus, and multi charged particle beam writing method
TW103141794A TWI553689B (zh) 2013-12-04 2014-12-02 多重荷電粒子束描繪裝置及多重荷電粒子束描繪方法
DE102014224607.5A DE102014224607A1 (de) 2013-12-04 2014-12-02 Schreibvorrichtung für Mehrfachladungs-Partikelstrahl und Schreibverfahren für Mehrfachladungs-Partikelstrahl
KR1020140172230A KR101670975B1 (ko) 2013-12-04 2014-12-03 멀티 하전 입자빔 묘화 장치 및 멀티 하전 입자빔 묘화 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013250843A JP6190254B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015109323A JP2015109323A (ja) 2015-06-11
JP6190254B2 true JP6190254B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=53185551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013250843A Active JP6190254B2 (ja) 2013-12-04 2013-12-04 マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9287090B2 (ja)
JP (1) JP6190254B2 (ja)
KR (1) KR101670975B1 (ja)
DE (1) DE102014224607A1 (ja)
TW (1) TWI553689B (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6209369B2 (ja) * 2013-06-13 2017-10-04 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6353229B2 (ja) * 2014-01-22 2018-07-04 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP6951673B2 (ja) * 2015-06-23 2021-10-20 大日本印刷株式会社 荷電粒子ビーム描画装置およびその制御方法
JP6823823B2 (ja) * 2015-07-23 2021-02-03 大日本印刷株式会社 荷電粒子ビーム描画装置、その制御方法および補正描画データ作成方法
KR102358009B1 (ko) 2015-11-10 2022-02-04 삼성전자주식회사 빔 투사 장치 및 빔 투사 장치를 이용하여 빔을 투사하는 방법
JP6682278B2 (ja) 2016-01-19 2020-04-15 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置
JP6515835B2 (ja) * 2016-02-23 2019-05-22 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
JP6690984B2 (ja) * 2016-04-15 2020-04-28 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビームのブランキング装置
JP2017199610A (ja) 2016-04-28 2017-11-02 株式会社ニューフレアテクノロジー ステージ機構
JP6674327B2 (ja) * 2016-06-03 2020-04-01 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置
JP6640040B2 (ja) 2016-06-23 2020-02-05 株式会社ニューフレアテクノロジー 伝熱板および描画装置
JP6589758B2 (ja) * 2016-07-04 2019-10-16 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP2018078251A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6861508B2 (ja) * 2016-12-08 2021-04-21 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム露光方法及びマルチ荷電粒子ビーム露光装置
JP2018098268A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 株式会社ニューフレアテクノロジー ブランキング偏向器及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6783172B2 (ja) * 2017-03-24 2020-11-11 株式会社Screenホールディングス 描画装置および描画方法
JP6863259B2 (ja) 2017-12-14 2021-04-21 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
DE102018202421B3 (de) 2018-02-16 2019-07-11 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Vielstrahl-Teilchenstrahlsystem
JP7198092B2 (ja) * 2018-05-18 2022-12-28 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ電子ビーム照射装置、マルチ電子ビーム検査装置及びマルチ電子ビーム照射方法
JP2019212766A (ja) 2018-06-05 2019-12-12 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法
US10468231B1 (en) * 2018-06-13 2019-11-05 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Methods of operating particle microscopes and particle microscopes
JP7231496B2 (ja) * 2018-07-05 2023-03-01 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ電子ビーム照射装置、マルチ電子ビーム照射方法、及びマルチ電子ビーム検査装置
JP7189729B2 (ja) * 2018-10-30 2022-12-14 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置およびマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP7238672B2 (ja) * 2019-07-25 2023-03-14 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチビーム描画方法及びマルチビーム描画装置
JP7458817B2 (ja) * 2020-02-18 2024-04-01 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2751717B2 (ja) * 1991-03-13 1998-05-18 富士通株式会社 荷電粒子ビーム露光方法及び荷電粒子ビーム露光装置
DE69226553T2 (de) * 1991-03-13 1998-12-24 Fujitsu Ltd Vorrichtung und Verfahren zur Belichtung mittels Ladungsträgerstrahlen
JP3544759B2 (ja) * 1995-09-07 2004-07-21 富士通株式会社 マルチ荷電粒子ビーム露光方法
EP0794552B1 (en) 1996-03-04 2007-11-14 Canon Kabushiki Kaisha Electron beam exposure apparatus and method, and device manufacturing method
JP2000323401A (ja) * 1999-05-14 2000-11-24 Advantest Corp 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法
JP3394237B2 (ja) 2000-08-10 2003-04-07 株式会社日立製作所 荷電粒子ビーム露光方法及び装置
JP4756776B2 (ja) * 2001-05-25 2011-08-24 キヤノン株式会社 荷電粒子線露光装置、荷電粒子線露光方法およびデバイス製造方法
US6768125B2 (en) * 2002-01-17 2004-07-27 Ims Nanofabrication, Gmbh Maskless particle-beam system for exposing a pattern on a substrate
GB2413694A (en) * 2004-04-30 2005-11-02 Ims Nanofabrication Gmbh Particle-beam exposure apparatus
DE102004052994C5 (de) * 2004-11-03 2010-08-26 Vistec Electron Beam Gmbh Multistrahlmodulator für einen Partikelstrahl und Verwendung des Multistrahlmodulators zur maskenlosen Substratsstrukturierung
DE102004055149B4 (de) * 2004-11-16 2007-07-19 Leica Microsystems Lithography Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Abbilden eines Mehrfach-Partikelstrahls auf ein Substrat
JP4761508B2 (ja) 2005-03-16 2011-08-31 キヤノン株式会社 荷電粒子露光装置およびデバイス製造方法
EP2190003B1 (en) * 2008-11-20 2014-10-01 IMS Nanofabrication AG Constant current multi-beam patterning
JP5525798B2 (ja) * 2009-11-20 2014-06-18 株式会社ニューフレアテクノロジー 荷電粒子ビーム描画装置およびその帯電効果補正方法
JP5576332B2 (ja) * 2011-04-06 2014-08-20 株式会社アドバンテスト 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法
JP5826566B2 (ja) * 2011-09-01 2015-12-02 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP5963139B2 (ja) * 2011-10-03 2016-08-03 株式会社Param 電子ビーム描画方法および描画装置
JP2013250843A (ja) 2012-06-01 2013-12-12 Seiko Epson Corp 印刷ジョブ管理方法、および印刷ジョブ管理システム

Also Published As

Publication number Publication date
KR101670975B1 (ko) 2016-10-31
TWI553689B (zh) 2016-10-11
KR20150065153A (ko) 2015-06-12
DE102014224607A1 (de) 2015-06-11
US20150155138A1 (en) 2015-06-04
US9287090B2 (en) 2016-03-15
JP2015109323A (ja) 2015-06-11
TW201535462A (zh) 2015-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6190254B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP6215586B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6209369B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6097640B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
US9543120B2 (en) Blanking device for multi charged particle beams, and multi charged particle beam writing apparatus
JP6616986B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置
JP6577787B2 (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
US10269532B2 (en) Multi charged particle beam exposure method, and multi charged particle beam exposure apparatus
US9190238B2 (en) Blanking device for multi charged particle beam, and multi charged particle beam writing method
US10062540B2 (en) Multi charged particle beam exposure method, and multi charged particle beam blanking apparatus
JP7421364B2 (ja) マルチビーム描画方法及びマルチビーム描画装置
JP2018137358A (ja) マルチ荷電粒子ビーム描画方法およびマルチ荷電粒子ビーム描画装置
US9881770B2 (en) Multi charged particle beam exposing method, and multi charged particle beam exposing apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6190254

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250