JP6209369B2 - マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Description

本発明は、マルチ荷電粒子ビーム描画方法及びマルチ荷電粒子ビーム描画装置に係り、例えば、マルチビーム描画における多重描画手法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが光学系で縮小され、偏向器で偏向され試料上の所望の位置へと照射される(例えば、特許文献1参照)。
ここで、マルチビーム描画では、個々のビームの照射量を照射時間により個別に制御する。かかる各ビームの照射量を高精度に制御するためには、ビームのON/OFFを行うブランキング制御を高速で行う必要がある。従来、マルチビーム方式の描画装置では、マルチビームの各ブランキング電極を配置したブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載していた。そして、各ビームに対して非同期で制御していた。例えば、全ビームの制御回路にビームONのトリガ信号を送る。各ビームの制御回路はトリガ信号によりビームON電圧を電極に印加すると同時に、照射時間をカウンタによりカウントし、照射時間が終了するとビームOFF電圧を印加していた。かかる制御には、例えば、10ビットの制御信号で制御していた。しかし、ブランキングプレート上での回路を設置するスペースや使用可能な電流量に制限があるため、制御信号の情報量に対して簡単な回路にせざるを得ず、高速な動作が可能なブランキング回路を内蔵することが困難であった。さらに、ブランキングプレートに各ビーム用のブランキング制御回路を搭載することで、マルチビームのピッチを狭めることへの制限にもなっていた。一方、回路を設置するスペースを確保するため、各ビームの制御回路を描画装置本体の外に配置し、配線で接続する場合、配線が長くなるためクロストークの問題がより顕著になってしまうといった問題があった。
特開2006−261342号公報
上述した問題点を解決すべく、出願人は、未だ公知になっていない特願2012−242644において、各ビームのショット毎に、1ショットあたりの照射時間を2進数に変換し、1ショットあたりのビームの照射を、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として各桁を組み合わせた桁数回の照射ステップに分割して、照射を行う手法を提案した。
一方、マルチビーム描画では、レジストヒーティング等の影響を抑えるために必要な照射量を複数回の描画(露光)に分けて行う多重描画が行われる。かかる多重描画では、ストライプ単位或いは基板単位で描画を繰り返す。描画処理毎に、かかる桁数回の照射ステップの露光を行うと、多重描画のパス数(描画処理数)が増えた分、データ転送量および照射ステップ数が増えてしまうといった問題があった。そのため、さらなる改良が求められている。
そこで、本発明は、上述した問題点を克服し、多重描画において、回路設置スペースの制限を維持し、照射量制御の精度を向上させながら、データ転送量および照射ステップ数を低減することが可能な描画装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームによるマルチビームを用いて多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する1つまたは複数の対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する工程と、
当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体をかかる桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いはかかる桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、多重描画の複数の描画処理のいずれかの照射ステップとして、多重描画の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射する工程と、
を備えたことを特徴とする。
また、多重描画の各描画処理の1つと他の少なくとも1つとの間で実施される照射ステップ数が異なるように構成しても好適である。
また、桁数回の照射ステップ或いはかかる桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップについて、複数の照射ステップをグループ化して複数のグループが設定され、グループ単位で前記複数の描画処理に分配されるように構成しても好適である。
本発明の他の態様のマルチ荷電粒子ビーム描画方法は、
荷電粒子ビームによるマルチビームを用いて、ビーム偏向領域の位置をずらしながら行う複数の第1の描画処理と、前記第1の描画処理毎に前記ビーム偏向領域の位置をずらさずに行う複数の第2の描画処理とを組み合わせた多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する1つまたは複数の対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を複数の第1の描画処理毎に振り分けた照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する工程と、
当該ビームの複数の第2の描画処理分の照射ステップ全体をかかる桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いはかかる桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、複数の第2の描画処理のいずれかの照射ステップとして、多重描画の複数の第1の描画処理の第1の描画処理毎、かつ、複数の第2の描画処理の第2の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様のマルチ荷電粒子ビーム描画装置は、
試料を載置する、連続移動可能なステージと、
荷電粒子ビームを放出する放出部と、
複数の開口部が形成され、複数の開口部全体が含まれる領域に荷電粒子ビームの照射を受け、複数の開口部を荷電粒子ビームの一部がそれぞれ通過することにより、マルチビームを形成するアパーチャ部材と、
アパーチャ部材の複数の開口部を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う複数のブランカーと、
複数のブランカーによってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽するブランキングアパーチャ部材と、
マルチビームを用いて多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する変換部と、
当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体をかかる桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いはかかる桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、多重描画の複数の描画処理のいずれかの照射ステップとして、多重描画の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射するように複数のブランカーの対応するブランカーを制御する偏向制御部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、多重描画において、回路設置スペースの制限を維持し、照射量制御の精度を向上させながら、データ転送量および照射ステップ数を低減できる。その結果、描画処理全体でのスループットを向上させることができる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。 実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。 実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における桁数n=10とする場合の各桁数と各桁の照射時間の関係を示すビット加工テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1におけるグループ化された露光テーブルの一例を示す図である。 実施の形態1の比較例における描画パステーブルの一例を示す図である。 実施の形態1における描画パステーブルの一例を示す図である。 実施の形態1におけるビット加工テーブル作成部と露光テーブル作成部の内部構成を示す図である。 実施の形態1におけるビット加工テーブルと露光テーブルと描画パステーブルの作成方法を示すフローチャート図である。 実施の形態1における桁数n=10とする場合の分割後の各桁数と各桁の照射時間の関係を示すビット加工テーブルの他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるグループ化された露光テーブルの他の一例を示す図である。 実施の形態1における描画パステーブルの他の一例を示す図である。 実施の形態1における全描画パス中のうちの1回の描画パスにおける照射ステップについてのビームON/OFF切り替え動作を示すタイミングチャート図である。 実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。 実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。 実施の形態2における描画動作を説明するための概念図である。 実施の形態2におけるy方向のみ位置をずらして多重描画を行う場合の描画パステーブルの一例を示す図である。 実施の形態2におけるy方向のみ位置をずらして多重描画を行う場合の描画パステーブルの他の一例を示す図である。 実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。 実施の形態4におけるロジック回路とブランキングプレート204との配置状況を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、マルチ荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、アパーチャ部材203、ブランキングプレート204、縮小レンズ205、偏向器212、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、及び偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ロジック回路132、ステージ位置測定部139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機110、メモリ112、偏向制御回路130、ステージ位置測定部139及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。記憶装置140(記憶部)には、描画データが外部から入力され、格納されている。
制御計算機110内には、面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ビット加工部70、描画制御部72、ビット加工テーブル作成部73、露光テーブル作成部74、描画パステーブル作成部76、及び転送処理部68が配置されている。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ビット加工部70、描画制御部72、ビット加工テーブル作成部73、露光テーブル作成部74、描画パステーブル作成部76、及び転送処理部68といった各機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。面積密度算出部60、照射時間算出部62、階調値算出部64、ビット変換部66、ビット加工部70、描画制御部72、ビット加工テーブル作成部73、露光テーブル作成部74、描画パステーブル作成部76、及び転送処理部68に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1におけるアパーチャ部材の構成を示す概念図である。図2(a)において、アパーチャ部材203には、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図2(a)では、例えば、512×8列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。ここでは、y方向の各列について、x方向にAからHまでの8つの穴22がそれぞれ形成される例が示されている。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2(a)のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。図2(b)に示すように、例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図3は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す概念図である。
図4は、実施の形態1におけるブランキングプレートの構成を示す上面概念図である。
ブランキングプレート204には、アパーチャ部材203の各穴22の配置位置に合わせて通過孔が形成され、各通過孔には、対となる2つの電極24,26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)が、それぞれ配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の一方(例えば、電極24)には、電圧を印加するアンプ46がそれぞれ配置される。そして、各ビーム用のアンプ46には、それぞれ独立にロジック回路41が配置される。各ビーム用の2つの電極24,26の他方(例えば、電極26)は、接地される。各通過孔を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。このように、複数のブランカーが、アパーチャ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う。
図5は、実施の形態1における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図5において、描画装置100本体内のブランキングプレート204に配置された個別ブランキング制御用の各ロジック回路41には、シフトレジスタ40、レジスタ42、セレクタ48、及びAND演算器44(論理積演算器)が配置される。なお、AND演算器44については、省略しても構わない。実施の形態1では、従来、例えば、10ビットの制御信号によって制御されていた各ビーム用の個別ブランキング制御を、例えば2ビットの制御信号によって制御する。すなわち、シフトレジスタ40、レジスタ42、セレクタ48、及びAND演算器44には、例えば2ビットの制御信号が入出力される。制御信号の情報量が少ないことにより、制御回路の設置面積を小さくできる。言い換えれば、設置スペースが狭いブランキングプレート204上にロジック回路を配置する場合でも、より小さいビームピッチでより多くのビームを配置できる。これはブランキングプレートを透過する電流量を増加させ、すなわち描画スループットを向上することができる。
また、共通ブランキング用の偏向器212には、アンプが配置され、ロジック回路132には、レジスタ50、及びカウンタ52が配置される。こちらは、同時に複数の異なる制御を行うわけではなく、ON/OFF制御を行う1回路で済むため、高速に応答させるための回路を配置する場合でも設置スペース,回路の使用電流の制限の問題が生じない。よってこのアンプはブランキングアパーチャ上に実現できるアンプよりも格段に高速で動作する。このアンプは例えば、10ビットの制御信号によって制御する。すなわち、レジスタ50、及びカウンタ52には、例えば10ビットの制御信号が入出力される。
実施の形態1では、上述した個別ブランキング制御用の各ロジック回路41によるビームON/OFF制御と、マルチビーム全体を一括してブランキング制御する共通ブランキング制御用のロジック回路132によるビームON/OFF制御との両方を用いて、各ビームのブランキング制御を行う。
図6は、実施の形態1における描画動作の一例を説明するための概念図である。図6に示すように、試料101の描画領域30は、例えば、y方向に向かって所定の幅で短冊状の複数のストライプ領域32に仮想分割される。かかる各ストライプ領域32は、描画単位領域となる。まず、XYステージ105を移動させて、第1番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に一回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域が位置するように調整し、描画が開始される。第1番目のストライプ領域32を描画する際には、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、相対的にx方向へと描画を進めていく。XYステージ105は所定の速度で例えば連続移動させる。多重描画の1パス目(1回目の描画処理)における1番目のストライプ領域32の描画終了後、再度、1番目のストライプ領域32の左端に戻り、多重描画の2パス目(2回目の描画処理)における1番目のストライプ領域32の描画を行う。同様に、多重描画のパス数分だけ1番目のストライプ領域32の描画を繰り返す。全パス数分の1番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第2番目のストライプ領域32の右端、或いはさらに右側の位置に照射領域が相対的にy方向に位置するように調整し、今度は、XYステージ105を例えばx方向に移動させることにより、−x方向にむかって同様に描画を行う。多重描画の1パス目(1回目の描画処理)における2番目のストライプ領域32の描画終了後、再度、2番目のストライプ領域32の右端に戻り、多重描画の2パス目(2回目の描画処理)における2番目のストライプ領域32の描画を行う。同様に、多重描画のパス数分だけ2番目のストライプ領域32の描画を繰り返す。全パス数分の2番目のストライプ領域32の描画終了後、ステージ位置を−y方向に移動させて、第3番目のストライプ領域32の左端、或いはさらに左側の位置に照射領域が相対的にy方向に位置するように調整する。そして、今度は、XYステージ105を例えば−x方向に移動させることにより、x方向にむかって同様に第3番目のストライプ領域32の描画を行う。そして、多重描画のパス数分だけ3番目のストライプ領域32の描画を繰り返す。全パス数分の3番目のストライプ領域32の描画終了後、第4番目のストライプ領域32では、−x方向に向かって描画するといったように、交互に向きを変えながら描画することで描画時間を短縮できる。但し、かかる交互に向きを変えながら描画する場合に限らず、各ストライプ領域32を描画する際、同じ方向に向かって描画を進めるようにしても構わない。1回のショットでは、アパーチャ部材203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、各穴22と同数の複数のショットパターンが一度に形成される。
図6では、ストライプ領域32単位で描画処理を繰り返す多重描画の例を説明したが、これに限るものではない。試料101(基板)単位で描画処理を繰り返す多重描画の手法であっても構わない。或いは、ストライプ領域32内の所定領域単位で描画処理を繰り返す多重描画の手法であっても構わない。所定領域として、例えば、マルチビームで一度に照射可能なx方向幅でストライプ領域32内を分割した領域を用いてもよい。
図7は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図7において、実施の形態1における描画方法は、パターン面積密度算出工程(S102)と、全ショット時間(合計照射時間)T算出工程(S104)と、階調値N算出工程(S106)と、2進数変換工程(S108)と、照射時間配列データ加工工程(S109)と、照射時間配列データ出力工程(S110)と、対象描画パスデータ転送工程(S112)と、対象描画パスの描画工程(S114)と、判定工程(S120)と、描画パス変更工程(S122)と、いう一連の工程を実施する。対象グループの照射時間による描画工程(S114)は、その内部工程として、個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)と、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)という一連の工程を実施する。実施の形態1において、判定工程(S124)は省略してよい。判定工程(S124)については実施の形態2において説明する。
パターン面積密度算出工程(S102)として、面積密度算出部60は、記憶装置140から描画データを読み出し、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域がメッシュ状に仮想分割された複数のメッシュ領域のメッシュ領域毎にその内部に配置されるパターンの面積密度を算出する。例えば、まず、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を所定の幅で短冊上のストライプ領域に分割する。そして、各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。メッシュ領域のサイズは、例えば、ビームサイズ、或いは、それ以下のサイズであると好適である。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。面積密度算出部60は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。
合計ショット時間(合計照射時間)T算出工程(S104)として、照射時間算出部62は、所定のサイズのメッシュ領域毎に、電子ビームによるマルチビームを用いて多重描画を行う際の試料101の同一位置を照射する対応ビームの全パス(全描画回数)分の合計照射時間T(ショット時間、或いは露光時間ともいう。以下、同じ)を算出する。対応ビームは、マルチビームの特定の1つでもよいし、複数でもよい。複数の場合、複数のビームが、それぞれ異なる時刻に、試料上の同一箇所を露光することになる。基準となる合計照射時間Tは、算出されたパターンの面積密度に比例して求めると好適である。また、最終的に算出される合計照射時間Tは、図示しない近接効果、かぶり効果、ローディング効果等の寸法変動を引き起こす現象に対する寸法変動分を照射量によって補正した補正後の照射量に相当する時間にすると好適である。合計照射時間Tを定義する複数のメッシュ領域とパターンの面積密度を定義した複数のメッシュ領域とは同一サイズであってもよいし、異なるサイズで構成されても構わない。異なるサイズで構成されている場合には、線形補間等によって面積密度を補間した後、各合計照射時間Tを求めればよい。メッシュ領域毎の合計照射時間Tは、合計照射時間マップに定義され、合計照射時間マップが例えば記憶装置142に格納される。
階調値N算出工程(S106)として、階調値算出部64は、合計照射時間マップに定義されたメッシュ領域毎の合計照射時間Tを所定の量子化単位Δを用いて定義する際の整数の階調値Nを算出する。合計照射時間Tは、次の式(1)で定義される。
Figure 0006209369
よって、階調値Nは、照射時間Tを量子化単位Δで割った整数の値として定義される。量子化単位Δは、様々に設定可能であるが、例えば、1ns(ナノ秒)等で定義できる。量子化単位Δは、例えば1〜10nsの値を用いると好適である。Δは、カウンタで制御する場合のクロック周期等、制御上の量子化単位を意味する。
2進数変換工程(S108)として、ビット変換部66は、ショット位置毎に、マルチビームを用いて多重描画を行う際の試料101の同一位置を照射する対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を量子化単位Δで割った階調値Nを予め設定された桁数nの2進数の値に変換する。例えば、N=50であれば、50=2+2+2なので、例えば、10桁の2進数の値に変換すると”0000110010”となる。例えば、N=500であれば、同様に、”0111110100”となる。例えば、N=700であれば、同様に、”1010111100”となる。例えば、N=1023であれば、同様に、”1111111111”となる。これにより、合計照射時間Tは、次の式(2)で定義される。
Figure 0006209369
は、階調値Nを2進数で定義した場合の各桁の値(1又は0)を示す。桁数nは、2桁以上であればよいが、好ましくは4桁以上、より好ましくは8桁以上が好適である。
実施の形態1では、当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体を、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数n回の照射ステップに分割する。言い換えれば、多重描画における全パスの照射ステップ全体を、Δa、Δa、・・・Δa、・・・Δan−1n−1、の各照射時間の複数の照射ステップに分割する。桁数n=10とする場合、全パスの照射ステップ全体は、10回の照射ステップに分割される。
図8は、実施の形態1における桁数n=10とする場合の各桁数と各桁の照射時間の関係を示すビット加工テーブルの一例を示す図である。図8において、1桁目(k=0)(1ビット目)の照射時間はΔ、2桁目(k=1)(2ビット目)の照射時間は2Δ、3桁目(k=2)(3ビット目)の照射時間は4Δ、4桁目(k=3)(4ビット目)の照射時間は8Δ、・・・、10桁目(k=9)(10ビット目)の照射時間が512Δとなる。
例えば、桁数n=10とする場合、N=700であれば、10桁目(10ビット目)の照射時間がΔ×512となる。9桁目(9ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。8桁目(8ビット目)の照射時間がΔ×128となる。7桁目(7ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。6桁目(6ビット目)の照射時間がΔ×32となる。5桁目(5ビット目)の照射時間がΔ×16となる。4桁目(4ビット目)の照射時間がΔ×816となる。3桁目(3ビット目)の照射時間がΔ×4となる。2桁目(2ビット目)の照射時間がΔ×0=0となる。1桁目(1ビット目)の照射時間がΔ×0=0、となる。これらの合計時間は700Δである。
そして、例えば桁数の大きい方から順に照射する場合、例えばΔ=1nsとすれば、1回目の照射ステップが512ns(ビームON)の照射となる。2回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。3回目の照射ステップが128ns(ビームON)の照射となる。4回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。5回目の照射ステップが32ns(ビームON)の照射となる。6回目の照射ステップが16ns(ビームON)の照射となる。7回目の照射ステップが8ns(ビームON)の照射となる。8回目の照射ステップが4ns(ビームON)の照射となる。9回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。10回目の照射ステップが0ns(ビームOFF)の照射となる。
実施の形態1では、かかるn回の照射ステップを設定されたパス数の各パスに分配する。
図9は、実施の形態1におけるグループ化された露光テーブルの一例を示す図である。図9では、図8と同様、n=10の場合を示している。図9の例では、グループ化された照射時間の合計間の差がより均一に近づくように、露光工程1として、図8のビット加工テーブルの1桁目(k=0)(1ビット目)と10桁目(k=9)(10ビット目)でグループ1を構成する。露光工程2として、2桁目(k=1)(2ビット目)と9桁目(k=8)(9ビット目)でグループ2を構成する。露光工程3として、3桁目(k=2)(3ビット目)と8桁目(k=7)(8ビット目)でグループ3を構成する。露光工程4として、4桁目(k=3)(4ビット目)と7桁目(k=6)(7ビット目)でグループ4を構成する。露光工程5として、5桁目(k=4)(5ビット目)と6桁目(k=5)(6ビット目)でグループ5を構成する。
図10は、実施の形態1の比較例における描画パステーブルの一例を示す図である。図10では、図8,9と同様、n=10の場合を示している。図10では、多重描画の全パス分ではなく、各パスの照射時間を図8に示したn回の照射ステップにそれぞれ分割し、図9に示したグループ化を行った場合を示している。図10の比較例では、多重描画のパス毎に、毎回、露光工程1〜5のn回の照射ステップを実施することになる。そのため、照射ステップ数とそれに伴う各照射ステップのデータ転送量がパス数に応じて増加することになってしまう。
図11は、実施の形態1における描画パステーブルの一例を示す図である。図11では、図8,9と同様、n=10の場合を示している。実施の形態1では、多重描画の全パス分の照射時間を図8に示したn回の照射ステップに分割しているので、図9に示した各露光工程を多重描画の各描画パスのいずれかに分配すればよい。図11の例では、1パス目(1回目の描画処理)となる描画パス1として、露光工程1の各桁を割り当てる。2パス目(2回目の描画処理)となる描画パス2として、露光工程2の各桁を割り当てる。3パス目(3回目の描画処理)となる描画パス3として、露光工程3の各桁を割り当てる。4パス目(4回目の描画処理)となる描画パス4として、露光工程4,5の各桁を割り当てる。これにより、多重描画におけるパス数(多重度)が増加しても、それに伴う照射ステップ数の増加と各照射ステップのデータ転送量の増加を防止できる。実施の形態1では、多重描画の各描画処理の1つと他の少なくとも1つとの間で実施される照射ステップ数が異なるように構成してもよい。図11の描画パステーブルでは、図10に示した比較例に比べて、データ転送量と、データ転送に使用されるシフトレジスタのクロックを1/4にできる。
ここで、図11に示すように、描画パス1で示す描画パスの照射時間の合計が513Δであるのに対して、描画パス5で示す描画パスの照射時間の合計が120Δとなる。このように、描画パス間で、露光時間(照射時間)の合計に4倍以上の開きがある。短い露光時間(照射時間)の描画パスでは、長い露光時間(照射時間)の描画パスに比べて、ステージ連続移動描画を行う際、ステージ速度を速くするか、ステージ速度を同じにして露光を行わない無駄時間を設ける必要がある。また、長い露光時間(照射時間)の描画パスでは、短い露光時間(照射時間)の描画パスに比べて、レジストヒーティングによる影響が増大する。そこで、かかる露光時間の合計差をより小さくする場合には以下のようにビット加工を実施すると好適である。
図12は、実施の形態1におけるビット加工テーブル作成部と露光テーブル作成部の内部構成を示す図である。図12(a)において、ビット加工テーブル作成部73内には、初期設定部80、基準照射時間T’演算部82、判定部84、増加照射時間数a変更部86、分割部88が配置される。図12(b)において、露光テーブル作成部74内には、割り当て処理部90が配置される。初期設定部80、基準照射時間T’演算部82、判定部84、増加照射時間数a変更部86、分割部88、及び割り当て処理部90といった各機能は、電気回路等のハードウェアで構成されてもよいし、これらの機能を実行するプログラム等のソフトウェアで構成されてもよい。或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより構成されてもよい。初期設定部80、基準照射時間T’演算部82、判定部84、増加照射時間数a変更部86、分割部88、及び割り当て処理部90に入出力される情報および演算中の情報はメモリ112にその都度格納される。
図13は、実施の形態1におけるビット加工テーブルと露光テーブルと描画パステーブルの作成方法を示すフローチャート図である。図13において、ビット加工テーブルおよび露光テーブル作成方法は、初期設定工程(S20)と、基準照射時間T’演算工程(S22)と、判定工程(S24)と、増加照射時間数a変更工程(S26)と、分割工程(S30)と、グループ化処理工程(S32)と、描画パステーブル作成工程(S34)と、いう一連の工程を実施する。
ビット加工テーブル作成部73は、全パス分の合計照射時間が、桁数nの2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する階調値にΔを乗じた照射時間として桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)に分割され、かかる複数の照射時間の一部のb個の照射時間がさらに複数の照射時間(第2の照射時間)に分割されて、分割された(a+b)個の複数の照射時間(第2の照射時間)と分割されなかった残りの(n−b)個の複数の照射時間(第1の照射時間)とを用いて、ビットデータの桁値kと、それに対応する照射時間との関係を示すビット加工テーブルを作成する。
初期設定工程(S20)として、初期設定部80は、桁数n個の複数の照射時間から増やす照射時間の個数a(増加照射時間数a)と多重描画の多重度(パス数)Nとについて、初期値を設定する。例えば、図9に示したリストでは、k=0〜9の桁数10個の照射時間に分割されている。そして、かかる照射時間のうち、例えば、2つの照射時間を分割して、例えば、4つの照射時間とする場合には、かかる2つの照射時間が4つの照射時間になるので、桁数10個の照射時間が合計12個の照射時間となり、増加照射時間数a=2となる。例えば、2つの照射時間を分割して、例えば、6つの照射時間とする場合には、かかる2つの照射時間が6つの照射時間になるので、桁数10個の照射時間が合計14個の照射時間となり、増加照射時間数a=4となる。ここでは、例えば、a=2とする。
基準照射時間T’演算工程(S22)として、基準照射時間T’演算部82は、桁数nと、多重度N(パス数N)と、量子化単位Δと、を用いて、以下の式(3)を解いて、基準照射時間T’を演算する。
Figure 0006209369
例えば、n=10、N=4の例では、基準照射時間T’=255.8Δ(=1023Δ/4)となる。次に、演算された基準照射時間T’が妥当かどうかを判定する。
判定工程(S24)として、判定部84は、増化照射時間個数aと、桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)のうちの2進数のi桁目の照射時間Ti(第1の照射時間)と、桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)のうち分割対象となる照射時間の一部の照射時間の個数bと、を用いて、演算された基準照射時間T’が、以下の式(4)を満たすかどうかを判定する。
Figure 0006209369
例えば、上述したn=10、a=2、基準照射時間T’=255.8Δの例では、図9のビットテーブルのうち、255.8Δを超える照射時間Tiは、256Δと512Δとの2つである。実施の形態1では、かかる基準照射時間T’を超える照射時間を分割対象とする。よって、桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)のうち分割対象となる一部の照射時間(第2の照射時間)の個数bは、b=2と求まる。よって、式(4)の右辺=(256+512)/(2+2)=192となり、式(4)を満たしていることがわかる。演算された基準照射時間T’が、以下の式(4)を満たしていない場合には、増加照射時間数a変更工程(S26)に進む。
増加照射時間数a変更工程(S26)として、増加照射時間数a変更部86は、増加照射時間数aを変更する。そして、基準照射時間T’演算工程(S22)に戻る。そして、判定工程(S24)において、演算された基準照射時間T’が、式(4)を満たすまで、基準照射時間T’演算工程(S22)〜増加照射時間数a変更工程(S26)までの各工程を繰り返す。
以上のようにして、基準照射時間T’と、その際の分割対象となる照射時間の個数bと、増加照射時間数aと、を求める。判定工程(S24)において、演算された基準照射時間T’が、式(4)を満たす場合には、分割工程(S30)に進む。
分割工程(S30)として、分割部88は、桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)のうち、基準照射時間T’よりも大きい個数b個の照射時間Ti(第2の照射時間)を個数aだけ複数の照射時間(第1の照射時間)よりも照射時間の個数が増えるように複数の照射時間(第3の照射時間)に分割する。具体的には、例えば、上述したn=10、a=2、b=2、及びT’=255.8Δの例では、照射時間Tiは、256Δと512Δとの2つである。よって、2個の256Δと512Δとを4つ(a+b)の照射時間に分割する。
図14は、実施の形態1における桁数n=10とする場合の分割後の各桁数と各桁の照射時間の関係を示すビット加工テーブルの他の一例を示す図である。図14において、1桁目(k=0)(1ビット目)から8桁目(k=7)(8ビット目)までの照射時間は、図7と同様である。図14では、9桁目(k=8)(9ビット目)を、k=8aと8bに分割して、それぞれの照射時間を128Δにする。そして、10桁目(k=9)(10ビット目)を、k=9aと9bに分割して、それぞれの照射時間を256Δにする。このように合計12個(n+a個)の照射時間の組み合わせにする。
以上のようにして、ビット加工テーブル作成部73は、1ショットあたりの照射時間を定義する(n+a)桁の2進数データを生成するためのビット加工テーブルを作成する。以上のように作成されたかかるビット加工テーブルは、記憶装置144に格納される。なお、分割後の照射時間のON/OFFデータは、分割前の照射時間のON/OFFデータを引き継ぐように構成する。すなわち、例えば、10桁目(10ビット目)の照射時間のON/OFFデータがONであれば、分割されたk=9aと9bの照射時間のON/OFFデータもONにする。9桁目(9ビット目)の照射時間のON/OFFデータがONであれば、分割されたk=8a,8bの照射時間のON/OFFデータもONにする。これにより、分割しても、1ショットあたりの照射時間の合計は同じにできる。なお、ビット加工テーブルは、描画処理を開始する前に作成しておく。
以上により、桁数n個の複数の照射時間を(n+a個)の複数の照射時間に生成し直す。言い換えれば、1ショットをn個の複数の照射ステップから(n+a個)の複数の照射ステップに分割し直す。
次に、露光テーブル作成部74は、作成されたビット加工テーブルの各照射時間を少なくとも2つの照射時間の組み合わせにより構成される複数のグループ(照射時間群)のいずれかに割り当てて、グループ化した露光テーブルを作成する。
グループ化処理工程(S32)として、割り当て処理部90は、各ビームのショット毎に、当該ビームの照射時間が、変換された2進数の各桁の値をそれぞれ10進数で定義した場合に相当する照射時間として桁数n個の複数の照射時間(第1の照射時間)に分割され、複数の照射時間(第1の照射時間)の一部の照射時間(第2の照射時間)がさらに複数の照射時間(第3の照射時間)に分割された、複数の照射時間(第3の照射時間)と分割されなかった残りの複数の照射時間(第1の照射時間)とを、少なくとも2つの照射時間の組み合わせにより構成される複数の照射時間群(グループ)のいずれかに割り当てる。具体的には、以下のように割り当てる。分割された複数の照射時間(第3の照射時間)と分割されなかった残りの複数の照射時間(第1の照射時間)とを複数のグループのいずれかに割り当てる。ここでは、割り当て処理部90は、より小さい(短い)照射時間側から1つと、より大きい(長い)照射時間側から1つとを順に組み合わせていくように複数のグループのいずれかに割り当てる。このように、桁数n回の照射ステップ或いは桁数n回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数n回よりも多くなった複数回の照射ステップについて、割り当て処理部90は、複数の照射ステップをグループ化して複数のグループを設定する。
図15は、実施の形態1におけるグループ化された露光テーブルの他の一例を示す図である。図15では、図14と同様、個数12個に照射時間(露光時間)が分割された場合を示している。図15の例では、露光工程1として、図14のビット加工テーブルの1桁目(k=0)(1ビット目)と10桁目(10ビット目)の分割(k=9b)である12桁目(12ビット目)でグループ1を構成する。露光工程2として、2桁目(k=1)(2ビット目)と10桁目(10ビット目)の分割(k=9a)である11桁目(11ビット目)でグループ2を構成する。露光工程3として、3桁目(k=2)(3ビット目)と9桁目(9ビット目)の分割(k=8b)である10桁目(10ビット目)でグループ3を構成する。露光工程4として、4桁目(k=3)(4ビット目)と9桁目(9ビット目)の分割(k=8a)である9桁目(9ビット目)でグループ4を構成する。露光工程5として、5桁目(k=4)(5ビット目)と8桁目(k=7)(8ビット目)でグループ5を構成する。露光工程6として、6桁目(k=5)(6ビット目)と7桁目(k=6)(7ビット目)でグループ6を構成する。
以上のように作成されたグループ化された露光テーブルは、記憶装置144に格納される。なお、露光テーブルは、描画処理を開始する前に作成しておく。
描画パステーブル作成工程(S34)として、描画パステーブル作成部76は、グループ化された各グループを多重度Nの描画パス(描画処理)のいずれかに割り当てる。具体的には、以下のように割り当てる。描画パステーブル作成部76は、演算された基準照射時間T’により近づくように、多重度N個の描画パス(描画処理)のいずれかに各グループを割り当てる。ここでは、桁数n回の照射ステップ或いは桁数n回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数n回よりも多くなった複数回の照射ステップについて、複数の照射ステップをグループ化して複数のグループが設定され、グループ単位で複数の描画パス(描画処理)に分配される。
図16は、実施の形態1における描画パステーブルの他の一例を示す図である。図11では、図14,15と同様、n=10の場合を示している。実施の形態1では、多重描画の全パス分の照射時間を図14に示したn+a回の照射ステップに分割しているので、図15に示した各露光工程(各グループ)を多重描画の各描画パスのいずれかに分配すればよい。図16の例では、1パス目(1回目の描画処理)となる描画パス1として、露光工程1の各桁を割り当てる。2パス目(2回目の描画処理)となる描画パス2として、露光工程2の各桁を割り当てる。3パス目(3回目の描画処理)となる描画パス3として、露光工程3,4の各桁を割り当てる。4パス目(4回目の描画処理)となる描画パス4として、露光工程5,6の各桁を割り当てる。これにより、図11に示した描画パステーブルに比べて、各パスにおける照射時間の合計(総露光時間の最大値)をより均一な値に近づけることができる。実施の形態1では、多重描画の各描画処理の1つと他の少なくとも1つとの間で実施される照射ステップ数が異なるように構成してもよい。
ここで、図16に示すように、描画パス3で示す描画パスの照射時間の合計が268Δであるのに対して、描画パス4で示す描画パスの照射時間の合計が210Δとなる。このように、描画パス間で、露光時間(照射時間)の合計を1倍未満の開きに抑えることができる。以上のように描画パス間での露光時間(照射時間)の合計差を小さくすることは、最小露光時間(照射時間)であった描画パスの露光時間(照射時間)を大きくすることになりステージ速度を下げることができる。その結果、描画精度を向上である。描画パス毎にステージ速度を変えない場合に、露光を行わない無駄時間が小さくなりスループットの劣化が抑えられるとともに、露光時間が小さいパスでシフトレジスタの動作速度を上げることを回避できる。さらに、描画パス間での露光時間(照射時間)の合計差を小さくすることは、最大露光時間(照射時間)であった描画パスの露光時間(照射時間)を小さくすることになり、レジストヒーティングによる寸法変動現象を低減或いは回避できる。
以上のように作成された描画パステーブルは、記憶装置144に格納される。なお、描画パステーブルは、描画処理を開始する前に作成しておく。上述した例では、描画装置100内において、描画パステーブルを作成しているがこれに限るものではない。1ショットあたりの照射時間を2進数データに変換する際の桁数nおよび多重度Nが予め設定されていれば、描画パステーブル自体も予め設定可能である。よって、予め外部で描画パステーブルを作成しておき、描画装置100内に入力して記憶装置144に格納しておいてもよい。言い換えれば、図1及び図12で示したビット加工テーブル作成部73、露光テーブル作成部74、及び描画パステーブル作成部76を外部装置としてもよい。
照射時間配列データ加工工程(S109)において、ビット加工部70は、記憶装置144に格納されたビット加工テーブルを参照して、2進数変換工程(S108)で変換された桁数nの2進数データを(n+a)桁の2進数データに変換する。例えば、図14のビット加工テーブルの場合、10桁の2進数データを12桁の2進数データに変換する。例えば、N=50であれば、10桁の“0000110010”を12桁の“000000110010”に変換する。例えば、N=500であれば、同様に、10桁の“0111110100”を12桁の“001111110100”に変換する。ここで10桁の2進数データの9桁目が”1”、10桁目が”0”なので、加工後の12桁の値の9,10桁目(8a,8b)が”1”に、11−12桁目(9a,9b)が0になっている。例えば、N=700であれば、同様に、10桁の“1010111100”を12桁の“110010111100”に変換する。例えば、N=1023であれば、同様に、10桁の“1111111111”を12桁の“111111111111”に変換する。
照射時間配列データ出力工程(S110)として、転送処理部68は、各ビームのショット毎に、(n+a)桁の2進数データに変換された照射時間配列データを偏向制御回路130に出力する。その際、転送処理部68は、記憶装置144に格納された描画パステーブルを参照して、描画パス(描画処理)毎に、対応する照射時間配列データを偏向制御回路130に出力する。
対象描画パスのデータ転送工程(S112)として、偏向制御回路130は、ショット毎に、各ビーム用のロジック回路41に対象となる描画パスの照射時間配列データを出力する。また、これと同期して、偏向制御回路130は、共通ブランキング用のロジック回路132に各照射ステップのタイミングデータを出力する。
実施の形態1では、図5に示したように、ロジック回路41にシフトレジスタ40を用いているので、データ転送の際、偏向制御回路130は、同じ描画パスを構成する各ビットのデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送する。また、同期用のクロック信号(CLK1)、データ読み出し用のリード信号(read)、及び加算器信号(BLK)を出力する。例えば、各描画パスにおいて同じ位置を照射するビーム1のk描画パス目を構成するkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータとして、2ビットの“11”とする。各描画パスにおいて同じ位置を照射するビーム2のk描画パス目を構成するkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータとして、2ビットの“11”とする。ビーム3のk描画パス目を構成するkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータとして、2ビットの“00”とする。ビーム4のk描画パス目を構成するkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータとして、2ビットの“11”とする。ビーム5のk描画パス目を構成するkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータとして、2ビットの“00”とする。偏向制御回路130は、後のビーム側から“0011001111”の各2ビットデータを転送する。各ビームのシフトレジスタ40は、クロック信号(CLK1)に従って、上位側から順にデータを2ビットずつ次のシフトレジスタ40に転送する。例えば、ビーム1〜5のk描画パス目のデータは、5回のクロック信号によって、ビーム1のシフトレジスタ40には2ビットデータである“11”が格納される。ビーム2のシフトレジスタ40には2ビットデータである“11”が格納される。ビーム3のシフトレジスタ40には2ビットデータである“00”が格納される。ビーム4のシフトレジスタ40には2ビットデータである“11”が格納される。ビーム5のシフトレジスタ40には2ビットデータである“00”が格納される。
次に、各ビームのレジスタ42が、リード信号(read)を入力すると、各ビームのレジスタ42が、シフトレジスタ40からそれぞれのビームのk描画パス目のデータを読み込む。上述した例では、k描画パス目のデータとして、ビーム1のレジスタ42には2ビットデータである“11”が格納される。k描画パス目のデータとして、ビーム2のレジスタ42には2ビットデータである“11”が格納される。k描画パス目のデータとして、ビーム3のレジスタ42には2ビットデータである“00”が格納される。k描画パス目のデータとして、ビーム4のレジスタ42には2ビットデータである“11”が格納される。k描画パス目のデータとして、ビーム5のレジスタ42には2ビットデータである“00”が格納される。各ビームの個別レジスタ42は、k描画パス目のデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号を、セレクタ48を介してAND演算器44に出力する。k描画パス目のデータが“11”であれば共にON信号を、“00”であれば共にOFF信号を出力すればよい。k描画パス目のデータが“10”であればON信号とOFF信号の順で、“01”であればOFF信号とON信号の順で出力すればよい。実施の形態1では、2ビット信号なので、個別レジスタ42の出力は、セレクタ48の切り替えによって、kビット目(k桁目)の出力からkビット目(k桁目)の出力に切り替わる。セレクタ48は、セレクト信号(select)を入力すると2ビット信号の一方から他方に切り替わる。そして、AND演算器44では、BLK信号がON信号であって、レジスタ42の信号がONであれば、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。
なお、図16に示した、描画パス3,4のように、複数のグループによって構成される場合には、k描画パス目の最初のグループの2ビットデータが処理されている間に、偏向制御回路130は、k描画パス目の次のグループの2ビットデータをビームの配列順(或いは識別番号順)にブランキングプレート204の各ロジック回路41にデータ転送すればよい。
ここで、図5に示したAND演算器44については、省略しても構わない。但し、ロジック回路41内の各素子のいずれが故障して、ビームOFFにできない状態に陥った場合などに、AND演算器44を配置することでビームをOFFに制御できる点で効果的である。
対象描画パスの描画工程(S114)として、各ビームのショット毎に、複数の描画パスによる複数の照射ステップに分割した照射のうち、対象描画パスの各照射ステップの照射時間の描画を実施する。
図17は、実施の形態1における全描画パス中のうちの1回の描画パスにおける照射ステップについてのビームON/OFF切り替え動作を示すタイミングチャート図である。図17では、例えば、マルチビームを構成する複数のビームのうち、1つのビーム(ビーム1)について示している。ここでは、例えば、同じ位置を照射する多重描画のうちk描画パス目を照射するビーム1のkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)により構成される最初のグループ(第1グループ)からkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)により構成される次のグループ(第2グループ)までの照射ステップについて示している。例えば、図16に示した描画パス3,4のように、複数のグループによって構成される場合である。図16に示した描画パス1,2のように、1つのグループにより構成される場合には、上述した次のグループ(第2グループ)が無いことは言うまでもない。
照射時間配列データは、例えば、kビット目(k桁目)が”1”、kビット目(k桁目)が”1”、kビット目(k桁目)が”0”、kビット目(k桁目)が”1”の場合を示している。
まず、kビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)により構成されるk描画パス目の最初のグループ(第1グループ)のリード信号の入力によって、個別レジスタ42(個別レジスタ信号1及び個別レジスタ信号2)は、格納されているkビット目(k桁目)とkビット目(k桁目)のデータ(2ビット)に従ってON/OFF信号を出力する。実施の形態1では、2ビット信号なので信号を選択して切り替える必要がある。図17では、まず、セレクタ48で個別レジスタ1のデータが選択され、kビット目(k桁目)のON信号が個別アンプに出力される。次に、個別レジスタ42の出力は、セレクタ48の切り替えによって、個別レジスタ信号2のデータが選択され、kビット目(k桁目)の出力からkビット目(k桁目)の出力に切り替える。以下、照射ステップ毎に順次この切り替えを繰り返す。
ビット目(k桁目)のデータがONデータであるので、個別アンプ46(個別アンプ1)はON電圧を出力し、ビーム1用のブランキング電極24にON電圧を印加する。一方、共通ブランキング用のロジック回路132内では、(n+a)ビット(例えば12ビット)の各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。共通ブランキング機構では、各グループの各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。例えば、Δ=1nsとすれば、k描画パス目の最初のグループ(第1グループ)の1回目の照射ステップ(例えば、k=2の照射ステップ)の照射時間が4Δ=4nsとなる。2回目の照射ステップ(例えば、k=8b(10桁目)の照射ステップ)の照射時間が128Δ=128nsとなる。次のグループ(第2グループ)の1回目の照射ステップ(例えば、k=8aの照射ステップ)の照射時間が128Δ=128nsとなる。以下、同様に、各描画パスにおいて対応する各照射ステップの照射時間だけONとなる。ロジック回路132内では、レジスタ50に各照射ステップのタイミングデータが入力されると、レジスタ50がk桁目(kビット目)のONデータを出力し、カウンタ52がk桁目(kビット目)の照射時間をカウントし、かかる照射時間の経過時にOFFとなるように制御される。以下、描画パス毎に、対象描画パスのビームの照射が行われる。
以上のように、実施の形態1によれば、各描画パスのいずれのショットについても、できるだけ照射時間の合計が基準照射時間T’に近づけるように全描画パス分の照射時間を割り振ることで、データ転送時間を1つ前の照射される位置を対応する各照射ステップが照射している間の時間内に含めることができる。
また、共通ブランキング機構では、個別ブランキング機構のON/OFF切り替えに対して、アンプ46の電圧安定時間(セトリング時間)S1/S2を経過した後にON/OFF切り替えを行う。図17の例では、個別アンプ1がONになった後、OFFからONに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S1を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち上がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。そして、共通アンプは対象となるk桁目(kビット目)の照射時間の経過時にOFFとなる。その結果、実際のビームは、個別アンプと共通アンプが共にONであった場合に、ビームONとなり、試料101に照射される。よって、共通アンプのON時間が実際のビームの照射時間になるように制御される。一方、個別アンプ1がOFFの時に共通アンプがONになる場合には、個別アンプ1がOFFになった後、ONからOFFに切り替え時の個別アンプ1のセトリング時間S2を経過後に、共通アンプがONになる。これにより、個別アンプ1の立ち下がり時の不安定な電圧でのビーム照射を排除できる。
以上のように、個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)として、複数の個別ブランキング機構(ブランキングプレート204等)により、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御を行い、ビーム毎に、k描画パス目の対応グループの各照射ステップ(照射)について、当該ビーム用の個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えを行う。図17の例では、k描画パス目のk桁目(kビット目)の照射ステップがビームOFFではないので、ONからOFF切り替えを行っていないが、例えば、k桁目(kビット目)の照射ステップがビームOFFであれば、ONからOFF切り替えを行うことは言うまでもない。
そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)として、ビーム毎に、k描画パス目の各照射ステップ(照射)について、個別ブランキング機構によりビームのON/OFF切り替えが行われた後、共通ブランキング機構(ロジック回路132、及び偏向器212等)を用いてマルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御を行い、kグループ目の各照射ステップ(照射)に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。
上述したように、ブランキングプレート204では回路の設置面積や使用電流に制限があるため、簡易なアンプ回路になってしまう。そのため、個別アンプのセトリング時間を短くするにも制限がある。これに対して、共通ブランキング機構では、鏡筒の外に十分な大きさ、使用電流、回路規模の高精度なアンプ回路を搭載可能である。よって、共通アンプのセトリング時間を短くできる。そこで、実施の形態1では、個別ブランキング機構でビームONにした後(或いは対象桁目のリード信号出力後)、セトリング時間経過後に共通ブランキング機構でビームONにすることで、ブランキングプレート上の個別アンプの電圧不安定時間やクロストークを含むノイズ成分を排除でき、かつ、高精度な照射時間でブランキング動作を行うことができる。
判定工程(S120)として、描画制御部72は、同じ位置を繰り返し照射する該当ビームの照射時間配列データについて全描画パスのデータの転送が完了したかどうかを判定する。完了していない場合には、描画パス変更工程(S122)に進む。完了した場合には、判定工程(S124)に進む。
描画パス変更工程(S122)として、描画制御部72は、対象描画パスを変更する。例えば、k描画パス目からk+1描画パス目に対象描画パスを変更する。そして、対象描画パスのデータ転送工程(S112)に戻る。そして、k+1描画パス目の処理について、対象描画パスのデータ転送工程(S112)から描画パス変更工程(S122)までを実施する。そして、判定工程(S120)において同じ位置を繰り返し照射する該当ビームの照射時間配列データについて全描画パスのデータの処理が完了するまで、同様に、繰り返す。
以上のように、当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体を桁数n回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値Nに量子化単位Δを乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数n回の照射ステップの各照射ステップ或いは桁数n回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数n回よりも多くなった複数回(n+a回)の照射ステップの各照射ステップを、多重描画の複数の描画パスのいずれかの照射ステップとして、多重描画の描画パス毎に、当該描画パスに該当する照射ステップの照射時間のビームを試料101に照射する。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直にアパーチャ部材203全体を照明する。アパーチャ部材203には、矩形の複数の穴(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかるアパーチャ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングプレート204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。かかるブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
図18は、実施の形態1におけるブランキング動作を説明するための概念図である。ブランキングプレート204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206(ブランキングアパーチャ部材)の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングプレート204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、偏向器212(共通ブランキング機構)によって、偏向されなければ、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFと共通ブランキング機構のON/OFFとの組み合わせによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構或いは共通ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより、全描画パス分の合計照射時間を分割した複数の照射時間の1回分の照射時間の照射ステップのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向にまとめて偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。また、例えばXYステージ105が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ105の移動に追従するように偏向器208によって制御される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的にはアパーチャ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。描画装置100は、ショットビームを連続して順に照射していくラスタースキャン方式で描画動作を行い、所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。
図19は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図19の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図19の例では、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域の約2倍の幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。まず、ストライプ領域の上側の領域について描画する。図19(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、図19(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。次に、図19(c)に示すように、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(複数の照射ステップの合計)を行う。
図20は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の一例を説明するための概念図である。図20では、図19の続きを示している。次に、図20(d)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。かかる4回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する。次に、ストライプ領域の下側の領域について描画する。図20(e)に示すように、ストライプ領域の下側の領域について、1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、2回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、x方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、3回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に位置をずらして、4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以上の動作により、ストライプ領域のうち、マルチビームの照射領域の1列目の描画が終了する。そして、図20(f)に示すように、x方向に移動して、マルチビームの照射領域の2列目について、同様に、描画を行えばよい。以上の動作を繰り返し行うことで、ストライプ領域全体を描画できる。
図21は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図21の例では、例えば、x,y方向に4×4のマルチビームを用いてストライプ内を描画する例を示している。図21の例では、各ビーム間の距離を離して、例えば、y方向にマルチビーム全体の照射領域と同等、或いは若干広いの幅でストライプ領域を分割した場合を示している。そして、x方向或いはy方向に1メッシュずつ照射位置をずらしながら16回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)でマルチビーム全体の1つの照射領域が露光(描画)終了する場合を示している。図21(a)では、1回のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)で照射したメッシュ領域を示している。次に、次に、図21(b)に示すように、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、2,3,4回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。次に、図21(c)に示すように、x方向にまだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらし、5回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。次に、y方向に、まだ照射されていないメッシュ領域に1メッシュずつ位置をずらしながら、6,7,8回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行う。
図22は、実施の形態1におけるストライプ内の描画動作の他の一例を説明するための概念図である。図22では、図21の続きを示している。図22(d)に示すように、図21で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。図21,図22の例では、例えば、多重描画(多重度=2)を行う場合を示している。かかる場合には、マルチビーム全体の照射領域の約1/2のサイズだけx方向に移動し、図22(e)に示すように、多重描画2層目の1回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行う。以下、図21(b)及び図21(c)で説明したように、順次、多重描画2層目の2〜8回目の各ショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を行い、図22(f)に示すように、図21(b)及び図21(c)で説明した動作と同様に、繰り返し、残りの9〜16回目のショット(1ショットは複数の照射ステップの合計)を順に行えばよい。
以上の説明において、実施の形態1における多重描画の各描画パスは、上述したようにストライプ領域32単位、或いは、試料101(基板)単位で描画処理を繰り返す場合の他、図20(e)或いは図22(d)で示したマルチビームによる描画領域単位で描画処理を繰り返しても好適である。たとえば、図22のように1ストライプの描画の間に多重度2の露光を行なう露光方法で、各ストライプ領域を2回走査して、1回目のストライプ描画で図16の描画パス1,2の露光を、2回目のストライプ描画でパス3,4の露光を行うことにしてもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、共通ブランキング用の偏向器をブランキングアパーチャと併用することにより、ブランキングアパーチャの回路構成を簡素化して回路設置スペースの制限を維持することができる。また、個別ブランキング用のロジック回路41が2ビットのデータ量なので、消費電力も抑制できる。多重描画においては、回路設置スペースの制限を維持し、照射量制御の精度を向上させるのみならず、データ転送量および照射ステップ数を大幅に低減できる。さらに、シフトレジスタ等の回路の動作クロックを低くできると共に回路の発熱を低減できる。その結果、ブランキングアパーチャの回路負荷を下げる、または描画処理全体でのスループットを向上させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、多重描画の各描画パスにおいて位置をずらさずに描画処理を繰り返す場合について説明したが、これに限るものではない。実施の形態2では、偏向領域の位置をずらしながら描画処理を繰り返す処理(第1の描画処理)と、ずらした各偏向領域の位置においてさらに位置をずらさずに描画処理を繰り返す処理(第2の描画処理)とを組み合わせた多重描画を行う場合について説明する。描画装置100の装置構成は図1と同様である。また、実施の形態2における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図7と同様である。以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様である。
図23は、実施の形態2における描画動作を説明するための概念図である。図23において、多重描画を行う際、ストライプ領域20単位で例えばx,y方向に位置をずらしながら描画処理を行う。図23では、位置をずらしながら描画処理を繰り返す処理(第1の描画処理)について、各パスの描画位置を示している。位置をずらすことでストライプ領域20同士の境界における図形パターンの位置誤差等を低減できる。また、実施の形態2では、ずらした各ストライプ領域の位置においてさらに位置をずらさずに描画処理を繰り返す処理(第2の描画処理)も合わせて実施する。位置ずらしは、x方向だけ、或いはy方向だけ、或いはx,y両方向について行う。
図24は、実施の形態2におけるy方向のみ位置をずらして多重描画を行う場合の描画パステーブルの一例を示す図である。図24の例では、同じ位置で4回の描画処理(第2の描画処理)を行った後に、次の位置へとずらし同様に描画処理を行う場合を示している。ここでは、4回の位置ずらしを行う描画処理(第1の描画処理)を行う場合を示している。すなわち、描画パス番号1〜4で同じ位置関係で描画する。描画パス番号5〜8で同じ位置関係で描画する。描画パス番号9〜12で同じ位置関係で描画する。描画パス番号13〜16で同じ位置関係で描画する。また、図24の例では、4回の位置ずらしを行うので、毎回、y方向のストライプ領域幅Wの1/4ずつ位置をずらす。よって、描画パス番号1〜4でy方向のストライプずらし量が0となる位置で描画する。描画パス番号5〜8でy方向のストライプずらし量がW/4となる位置で描画する。描画パス番号9〜12でy方向のストライプずらし量がW/2となる位置で描画する。描画パス番号13〜16でy方向のストライプずらし量が3W/4となる位置で描画する。
位置ずらしを行うと、偏向領域がずれるので、同じ位置を照射するビームが変更になる。変更になったビームは、電子光学系の歪みなどにより、変更前のビーム位置からずれた位置に投影される可能性がある。よって、位置をずらした場合には、合計照射時間分のビーム照射を一連の照射ステップにより分割することは好ましくない。そこで、実施の形態2では、描画パス番号1〜4で図15に示した露光工程1〜6を実施する。具体的には、描画パス番号1で露光工程1を実施する。描画パス番号2で露光工程2を実施する。描画パス番号3で露光工程3,4を実施する。描画パス番号4で露光工程5,6を実施する。同様に、描画パス番号5〜8で図15に示した露光工程1〜6を実施する。具体的には、描画パス番号5で露光工程1を実施する。描画パス番号6で露光工程2を実施する。描画パス番号7で露光工程3,4を実施する。描画パス番号8で露光工程5,6を実施する。同様に、描画パス番号9〜12で図15に示した露光工程1〜6を実施する。具体的には、描画パス番号9で露光工程1を実施する。描画パス番号10で露光工程2を実施する。描画パス番号11で露光工程3,4を実施する。描画パス番号12で露光工程5,6を実施する。同様に、描画パス番号13〜16で図15に示した露光工程1〜6を実施する。具体的には、描画パス番号13で露光工程1を実施する。描画パス番号14で露光工程2を実施する。描画パス番号15で露光工程3,4を実施する。描画パス番号16で露光工程5,6を実施する。
ここで、図10で説明した比較例と同様、図24に示した描画パス番号1〜16の各パスの照射時間をn回の照射ステップにそれぞれ分割し、グループ化を行った場合、描画パス番号1〜16のパス毎に、毎回、露光工程1〜5のn回の照射ステップを実施することになる。そのため、照射ステップ数とそれに伴う各照射ステップのデータ転送量がパス数に応じて増加することになってしまう。これに対して、実施の形態2では、図24に示したように、描画パス番号1〜16を同じ位置同士でまとめ、同じ位置で繰り返し描画処理を行う際の描画時間の合計をn回或いはn+a回の照射ステップにそれぞれ分割し、グループ化を行うことで、照射ステップ数とそれに伴う各照射ステップのデータ転送量を低減できる。
よって、実施の形態2では、マルチビームを用いて、ビーム偏向領域の位置をずらしながら行う複数の描画処理(第1の描画処理)と、描画処理(第1の描画処理)毎にビーム偏向領域の位置をずらさずに行う複数の描画処理(第2の描画処理)とを組み合わせた多重描画を行う際の試料101の同一位置を照射する対応ビームの全描画回数(描画パス番号1〜16)分の合計照射時間を複数の描画処理(第1の描画処理)の回数(例えば、図24の例では4回)で割った照射時間を分割対象として用いる。
まず、パターン面積密度算出工程(S102)として、まず、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を、図24の描画パス番号1〜4で示す位置における複数のストライプ領域に分割する。言い換えれば、ストライプ領域のずらし量が0となるようにストライプレイヤを作成する。そして、各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。面積密度算出部60は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。
合計ショット時間(合計照射時間)T算出工程(S104)として、照射時間算出部62は、所定のサイズのメッシュ領域毎に、電子ビームによるマルチビームを用いて多重描画を行う際の試料101の同一位置を照射する対応ビームの全パス(全描画回数:図24の描画パス番号1〜16)分の合計照射時間を描画処理(第1の描画処理)による位置ずらし回数で割った照射時間T(ショット時間、或いは露光時間ともいう。以下、同じ)を算出する。
階調値N算出工程(S106)として、階調値算出部64は、合計照射時間マップに定義されたメッシュ領域毎の照射時間Tを所定の量子化単位Δを用いて定義する際の整数の階調値Nを算出する。かかる処理により、位置ずらしを行わないで繰り返し描画処理を行う場合の階調値Nが算出される。
2進数変換工程(S108)として、ビット変換部66は、ショット位置毎に、全描画回数分の合計照射時間を描画処理(第1の描画処理)による位置ずらし回数で割った照射時間Tを量子化単位Δで割った階調値Nを予め設定された桁数の2進数の値に変換する。
そして、以下、実施の形態1と同様、位置ずらしを行わない図24の描画パス番号1〜4で示す描画処理について図7の照射時間配列データ加工工程(S109)から描画パス変更工程(S122)までの各工程を実施する。
判定工程(S124)として、描画制御部72は、全位置ずらし描画処理(第1の描画処理)が終了したかどうかを判定する。そして、全位置ずらし描画処理(第1の描画処理)が終了していれば終了し、まだ全位置ずらし描画処理(第1の描画処理)が終了していない場合にはパターン面積密度算出工程(S102)に戻り、全位置ずらし描画処理(第1の描画処理)が終了するまで、パターン面積密度算出工程(S102)から判定工程(S124)を繰り返す。
なお、図24の描画パス番号1〜4の描画終了後、パターン面積密度算出工程(S102)に戻った際には、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を、図24の描画パス番号5〜8で示す位置における複数のストライプ領域に分割する。言い換えれば、ストライプ領域のずらし量がW/4となるようにストライプレイヤを作成する。そして、位置がW/4ずらされた各ストライプ領域を上述した複数のメッシュ領域に仮想分割する。面積密度算出部60は、例えば、ストライプ領域毎に記憶装置140から対応する描画データを読み出し、描画データ内に定義された複数の図形パターンをメッシュ領域に割り当てる。そして、メッシュ領域毎に配置される図形パターンの面積密度を算出すればよい。同様に、図24の描画パス番号5〜8の描画終了後、パターン面積密度算出工程(S102)に戻った際には、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を、図24の描画パス番号9〜12で示す位置における複数のストライプ領域に分割する。言い換えれば、ストライプ領域のずらし量がW/2となるようにストライプレイヤを作成する。同様に、図24の描画パス番号9〜12の描画終了後、パターン面積密度算出工程(S102)に戻った際には、試料101の描画領域、或いは描画されるチップ領域を、図24の描画パス番号13〜16で示す位置における複数のストライプ領域に分割する。言い換えれば、ストライプ領域のずらし量が3W/4となるようにストライプレイヤを作成する。
以上のようにして、実施の形態2では、描画処理(第1の描画処理)毎に、当該ビームの複数の描画処理(第2の描画処理)分の照射ステップ全体を桁数n回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値Nに量子化単位Δを乗じた照射時間にそれぞれ設定される桁数n回の照射ステップの各照射ステップ或いは桁数n回の照射ステップの一部をさらに分割して桁数n回よりも多くなった複数回(n+a回)の照射ステップの各照射ステップを、複数の描画処理(第2の描画処理)のいずれかの照射ステップとして、多重描画の複数の描画処理(第1の描画処理)の描画処理(第1の描画処理)毎、かつ、複数の描画処理(第2の描画処理)の描画処理(第2の描画処理)毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料101に照射する。
図25は、実施の形態2におけるy方向のみ位置をずらして多重描画を行う場合の描画パステーブルの他の一例を示す図である。図25の例では、同じ位置で4回の描画処理(第2の描画処理)を行った後に、次の位置へとずらし同様に描画処理を行う場合を示している。ここでは、4回の位置ずらしを行う描画処理(第1の描画処理)を行う場合を示している。また、図25の例では、4回の位置ずらしを行うので、毎回、y方向のストライプ領域幅Wの1/4ずつ位置をずらす。さらに、y方向、x方向、及びx,y両方向にビームサイズaの1/2ずつ位置をずらす。よって、描画パス番号1〜4でy方向のストライプずらし量が0となる位置で描画する。描画パス番号5〜8でy方向のストライプずらし量がW/4+a/2となる位置で描画する。描画パス番号9〜12でx方向のストライプずらし量がa/2、y方向のストライプずらし量がW/2となる位置で描画する。描画パス番号13〜16でx方向のストライプずらし量がa/2、y方向のストライプずらし量が3W/4+a/2となる位置で描画する。その他の点は、図24と同様である。ここで、ビームサイズaの半分についてのずらしは、例えば特開平6−302506が示すように、描画パターンの位置、寸法の精度向上の効果がある。この場合、位置がa/2ずれたビームの露光量は一般に異なる。よって、a/2のずらしについても、ずらしがない一連の露光でビット加工テーブルのすべての露光を完結する必要がある。
以上のように、実施の形態2によれば、偏向領域の位置ずらしを行う多重描画を行う際にも、実施の形態1と同様、データ転送量および照射ステップ数を低減できる。その結果、描画処理全体でのスループットを向上させることができる。
実施の形態3.
上述した各実施の形態では、個別ブランキング制御用のブランキングプレート204と共通ブランキング用の偏向器212とを用いて、ビーム毎に、位置をずらさずに行う多重描画の全パス分のショットを分割した複数回の照射の各回の照射ステップについてブランキング制御をおこなったが、これに限るものではない。実施の形態3では、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いてビーム毎に、位置をずらさずに行う多重描画の全パス分のショットを分割した複数回の照射の各回の照射ステップについてブランキング制御をおこなう構成について説明する。
図26は、実施の形態3における描画装置の構成を示す概念図である。図26において、偏向器212が無くなった点、ロジック回路132の出力がブランキングプレート204に接続される点、以外は、図1と同様である。また、実施の形態3における描画方法の要部工程は、図7と同様である。以下、特に説明する点以外の内容は、実施の形態1と同様である。
図27は、実施の形態3における個別ブランキング制御回路と共通ブランキング制御回路の内部構成を示す概念図である。図27において、偏向器212が無くなった点、AND演算器44(論理積回路)に偏向制御回路130からの信号の代わりにロジック回路132の出力信号が入力される点、以外の内容は図5と同様である。
個別ビームON/OFF切り替え工程(S116)として、マルチビームのうち、それぞれ対応するビームに対して個別にビームのON/OFF制御信号を出力するシフトレジスタ40と個別レジスタ42を有する複数のロジック回路(第1のロジック回路)を用いて、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、当該ビーム用のロジック回路(第1のロジック回路)によりビームのON/OFF制御信号(第1のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、上述したように、各ビームの個別レジスタ42は、k描画パス目の2ビットデータを入力すると、そのデータに従って、ON/OFF信号をセレクタ48を介してAND演算器44に出力する。k描画パス目のデータが“11”であれば共にON信号を、“00”であれば共にOFF信号を出力すればよい。
そして、共通ビームON/OFF切り替え工程(S118)として、ビーム毎に、複数回の照射の各回の照射について、個別ブランキング用のロジック回路によりビームのON/OFF制御信号の切り替えが行われた後、マルチビーム全体に対して一括してビームのON/OFF制御信号を出力するロジック回路132(第2のロジック回路)を用いて当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにビームのON/OFF制御信号(第2のON/OFF制御信号)を出力する。具体的には、共通ブランキング用のロジック回路132内では、10ビットの各照射ステップのタイミングデータに従って、ON/OFFを切り替える。ロジック回路132は、かかるON/OFF制御信号をAND演算器44に出力する。ロジック回路132では、各照射ステップの照射時間だけON信号を出力する。
そして、ブランキング制御工程として、AND演算器44は、個別ビーム用のON/OFF制御信号と共通ビーム用のON/OFF制御信号とが共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるようにブランキング制御を行う。AND演算器44は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、アンプ46にON信号を出力し、アンプ46は、ON電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。それ以外では、AND演算器44は、アンプ46にOFF信号を出力し、アンプ46は、OFF電圧を個別ブランキング偏向器の電極24に印加する。このように、個別ブランキング偏向器の電極24(個別ブランキング機構)は、個別ビーム用と共通ビーム用のON/OFF制御信号が共にON制御信号である場合に、当該ビームについて、当該照射に対応する照射時間だけビームONの状態になるように個別にビームのON/OFF制御を行う。
以上のように、共通ブランキング用の偏向器212を用いずに個別ブランキング制御用のブランキングプレート204を用いても実施の形態1と同様、データ転送量および照射ステップ数を低減できる。その結果、描画処理全体でのスループットを向上させることができる。また、共通ブランキング用の偏向器212が省略できるメリットもある。
実施の形態4.
上述した各実施の形態では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204上に配置したが、外部に設置してもよい。実施の形態4では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204の外部に配置する場合について説明する。実施の形態4における装置構成は、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41をブランキングプレート204の外部に配置する点以外は図1と同様である。また、実施の形態4における描画方法の要部工程を示すフローチャート図は、図7と同様である。また、以下、特に説明する点以外が内容は、実施の形態1〜3のいずれかと同様である。
図28は、実施の形態4におけるロジック回路とブランキングプレート204との配置状況を説明するための概念図である。実施の形態4では、個別ブランキング制御用の各ロジック回路41と各アンプ46は、描画部150の外部に配置されたロジック回路134内に配置される。そして、個別ブランキング制御用の各電極24には配線によって接続される。かかる構成では、配線が長くなるので、クロストークとセトリング時間が増大することになる。しかし、実施の形態4では、上述したように、個別ブランキング機構でON/OFF切り替えをした後に、電圧安定を待って、共通ブランキング機構でON/OFF切り替えを行うため、かかるクロストークとセトリング時間が増大してもこれらの影響を受けずに照射時間を高精度に制御できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチ荷電粒子ビーム描画装置及び方法は、本発明の範囲に包含される。
20 マルチビーム
22 穴
24,26 電極
30 描画領域
32 ストライプ領域
40 シフトレジスタ
41 ロジック回路
42 レジスタ
44 加算演算器
46 アンプ
48 セレクタ
50 レジスタ
52 カウンタ
60 面積密度算出部
62 照射時間算出部
64 階調値算出部
66 ビット変換部
68 転送処理部
72 描画制御部
73 ビット加工テーブル作成部
74 露光テーブル作成部
76 描画パステーブル作成部
80 初期設定部
82 基準照射時間演算部
84 判定部
86 増化照射時間数変更部
88 分割部
90 割り当て処理部
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
130 偏向制御回路
132 ロジック回路
139 ステージ位置測定部
140,142 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 アパーチャ部材
204 ブランキングプレート
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
210 ミラー
212 偏向器

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームによるマルチビームを用いて多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する1つまたは複数の対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する工程と、
    当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体を前記桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される前記桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いは前記桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して前記桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、前記多重描画の複数の描画処理のいずれかの照射ステップとして、前記多重描画の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 前記多重描画の各描画処理の1つと他の少なくとも1つとの間で実施される照射ステップ数が異なることを特徴とする請求項1記載のマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 前記桁数回の照射ステップ或いは前記桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して前記桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップについて、複数の照射ステップをグループ化して複数のグループが設定され、グループ単位で前記複数の描画処理に分配されることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 荷電粒子ビームによるマルチビームを用いて、ビーム偏向領域の位置をずらしながら行う複数の第1の描画処理と、前記第1の描画処理毎に前記ビーム偏向領域の位置をずらさずに行う複数の第2の描画処理とを組み合わせた多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する1つまたは複数の対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を前記複数の第1の描画処理毎に振り分けた照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する工程と、
    当該ビームの前記複数の第2の描画処理分の照射ステップ全体を前記桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される前記桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いは前記桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して前記桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、前記複数の第2の描画処理のいずれかの照射ステップとして、前記多重描画の複数の第1の描画処理の第1の描画処理毎、かつ、前記複数の第2の描画処理の第2の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射する工程と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 試料を載置する、連続移動可能なステージと、
    荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    複数の開口部が形成され、前記複数の開口部全体が含まれる領域に前記荷電粒子ビームの照射を受け、前記複数の開口部を前記荷電粒子ビームの一部がそれぞれ通過することにより、マルチビームを形成するアパーチャ部材と、
    前記アパーチャ部材の複数の開口部を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う複数のブランカーと、
    前記複数のブランカーによってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽するブランキングアパーチャ部材と、
    前記マルチビームを用いて多重描画を行う際の試料の同一位置を照射する対応ビームの全描画回数分の合計照射時間を量子化単位で割った階調値を予め設定された桁数の2進数の値に変換する変換部と、
    当該ビームの全描画回数分の照射ステップ全体を前記桁数回に分割した、変換された2進数の桁毎に当該桁の値を10進数で定義した場合に相当する階調値に量子化単位を乗じた照射時間にそれぞれ設定される前記桁数回の照射ステップの各照射ステップ或いは前記桁数回の照射ステップの一部をさらに分割して前記桁数回よりも多くなった複数回の照射ステップの各照射ステップを、前記多重描画の複数の描画処理のいずれかの照射ステップとして、前記多重描画の描画処理毎に、当該描画処理に該当する照射ステップの照射時間のビームを試料に照射するように前記複数のブランカーの対応するブランカーを制御する偏向制御部と、
    を備えたことを特徴とするマルチ荷電粒子ビーム描画装置。
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