JP2000323401A - 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法

Info

Publication number
JP2000323401A
JP2000323401A JP11134491A JP13449199A JP2000323401A JP 2000323401 A JP2000323401 A JP 2000323401A JP 11134491 A JP11134491 A JP 11134491A JP 13449199 A JP13449199 A JP 13449199A JP 2000323401 A JP2000323401 A JP 2000323401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
charged particle
particle beam
pixel
beam exposure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11134491A
Other languages
English (en)
Inventor
Soichiro Arai
総一郎 荒井
Shinichi Hamaguchi
新一 濱口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advantest Corp
Original Assignee
Advantest Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advantest Corp filed Critical Advantest Corp
Priority to JP11134491A priority Critical patent/JP2000323401A/ja
Publication of JP2000323401A publication Critical patent/JP2000323401A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子ビームの最大総電流量を抑え、リフ
ォーカスレンズによる補正量の変化を低減できる高速な
荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法の実現。 【解決手段】 荷電粒子ビーム発生器51と、第1の電極
17と第2の電極18を有する複数の開孔が配列され微細ビ
ームが試料上に照射されるかされないかが独立に制御可
能なブランキング・アパーチャ・アレイ10と、偏向手段
53と、ビームを試料101 上に収束する収束手段52と、複
数の微細ビームで走査し、露光パターンに応じて各画素
について異なる微細ビームで複数回露光することにより
所望のパターンを露光するように制御する露光制御手段
33,40,41とを備える荷電粒子ビーム露光装置において、
露光回数が、少なくとも一部の画素について異なる回数
であり、露光される画素の露光量が所定の範囲内にあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光装
置などの荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法に関し、
特に多数の制御電極を有する開孔を配列し、制御電極に
印加する信号で各開孔を通過するビームをオン・オフ制
御できるブランキング・アパーチャ・アレイ(BAA)
を備え、荷電粒子ビームの走査に同期してBAAを制御
するBAA方式の荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法
に関する。
【0002】半導体集積回路は微細加工技術の進歩に伴
って一層高集積化される傾向にあり、微細加工技術に要
求される性能は益々厳しいものになってきている。とり
わけ露光技術においては、従来使用されているステッパ
などに用いられる光露光技術の限界が予想されている。
電子ビーム露光技術は、光露光技術に代わって微細加工
の次世代を担う可能性の高い技術である。以下、電子ビ
ーム露光を例として説明を行う。
【0003】
【従来の技術】電子ビーム露光方式は、加速及び整形し
た電子ビームを試料に照射して露光パターンを得るもの
で、ステッパなどの光露光技術に比べて解像力が優れて
いるという特徴を有する。例えば、電子ビーム露光にお
いては、0.05μm以下の微細加工が、0.02μm
以下の位置合わせ精度で実現できる。しかし、電子ビー
ム露光はスループットが低く、LSIの量産には使用で
きないと考えられてきたが、これは一筆書き方式やサブ
偏向範囲または所望の範囲を微少な電子ビームで走査
し、パターンに対応して電子ビームをオン・オフ制御す
るラスタスキャン方式についての議論であった。
【0004】近年、電子ビーム露光におけるスループッ
トを向上させるために、ブロック露光方式が提案されて
いる。ブロック露光方式は、露光パターンを基本的なブ
ロックに分け、各ブロックに対応する開孔(アパーチ
ャ)を通過させて成形した電子ビームを露光することに
よりパターンを露光する方式であるが、任意のパターン
を描画できないという問題がある。このような問題を解
決するため、ブランキング・アパーチャ・アレイ(BA
A)方式が提案されている。BAA方式の電子ビーム露
光装置については、特開平5−166707号公報など
に詳しい構成が開示されている。
【0005】図1は、BAA方式で使用するブランキン
グ・アパーチャ・アレイ(BAA)の例を示す図であ
る。BAA10は、両側に変更電極12とアース電位用
の電極13を有する多数の開孔11を図示のように配列
したものであり、一様な電子ビームが入射される。開孔
11の部分を通過する電子ビームは、電極12に電圧を
印加しない時にはそのまま通過して試料上に照射される
が、電極12に電圧を印加した時にはビームの方向が曲
がるのでこれを遮蔽すれば、試料に照射されない。すな
わち、電極12に電圧を印加するかしないかで、開孔1
1を通過するビームのオン・オフが制御できる。なお、
この例では電極13は常にアース電位とするが、偏向す
る時には電極12と13の間に異なる電位(例えば正負
の電位)を印加し、偏向しない時には同電位(例えばア
ース電位)を印加するようにしてもよい。
【0006】図2は、BAA方式による露光の基本構成
を示す図である。BAA方式における露光では、スキャ
ンに対応する電子ビームの偏向とBAA10のオン・オ
フパターンを同期させて変化させる。図2の(1)に示
すように、電子銃51から放射された荷電粒子(電子)
ビームは、BAA11の開孔群を通過して微細ビーム束
56に整形され、電磁偏向器や静電偏向器から構成され
る偏向手段53により、試料100の上を矢印Fの方向
に走査される。B1〜B3は、試料100の上を移動す
る電子ビーム束を示す。BAA10には、図1に示すよ
うに、複数の開孔31が2次元的に配列されており、電
子ビームはBAA10を通過することにより、複数の微
細ビームに分割される。上記のように、各開孔11の両
側に設けられた電極12と13の間に電圧を印加するか
しないかにより、各開孔を通過する電子ビームをオン・
オフ制御できる。ここでは、電極12と13の間に電圧
を印加せずに開孔を通過した微細ビームが試料100上
に照射される場合をオンとし、電極12と13の間に電
圧を印加して、開孔を通過した微細ビームが試料100
上に照射されない場合をオフとする。
【0007】いま、図2の(2)に示すようなパターン
を、図3に示すような縦が3列(R1、R2、R3)、
横が3行(L1、L2、L3)の9個のBAA10を用
いて露光する場合を説明する。図3の(1)に示すよう
に、BAA10を通過したビームがB1の位置に照射さ
れるように偏向される。この時、開孔(L1,R2)の
みがオンで、他の開孔はオフであるとすると、開孔(L
1,R2)を通過したビームが試料100上のP1(L
1,R2)の位置に照射される。次に、少しスキャンが
進んで、図3の(2)に示すように、BAA10を通過
したビームがB2の位置に照射されるように偏向され
る。ここで、開孔(L2,R2)、(L1,R1)、
(L1,R3)のみがオンで他の開孔はオフであるとす
ると、開孔(L2,R2)、(L1,R1)、(L1,
R3)を通過したビームのみが試料100上のP1(L
2,R2)、P2(L1,R1)、P3(L1,R3)
の位置に照射される。ここで、(1)と(2)での偏向
量は、P1(L2,R2)はP1(L1,R2)と同じ
位置になるように変化しているとする。更にスキャンが
進んで、図3の(3)に示すように、BAA10を通過
したビームがB3の位置に照射されるように偏向され
る。ここで、開孔(L3,R2)、(L2,R1)、
(L2,R3)、(L1,R1)、(L1,R2)、
(L1,R3)がオンで他の開孔はオフであるとする
と、これらの開孔を通過したビームのみは試料100上
のP1(L3,R2)、P2(L2,R1)、P3(L
2,R3)、P4(L1,R1)、P5(L1,R
2)、P4(L1,R3)の位置に照射される。ここ
で、(2)と(3)での偏向量は、P1(L3,R2)
はP1(L2,R2)と、P2(L2,R1)はP2
(L1,R1)と、P3(L2,R3)はP3(L3,
R3)と同じ位置になるように変化しているとする。
【0008】図示していないが、次には図3の(3)の
列L2のパターンをL1に、列L1のパターンをL2
に、L1には新しいパターンを印加し、同時にビームの
スキャンを進める。このような動作を行うことにより、
スキャン範囲の長さでBAA30の開孔の行の幅で任意
のパターンを露光することができる。この時、各点につ
いて開孔の列数分の露光が行われる。なお、図1に示す
ように、開孔31は千鳥状に配置されており、図1にお
いて縦方向にスキャンを行うことにより、各行のスポッ
トの間が埋められ一様な露光が行えるようにしている。
【0009】以上のように、BAA方式は、スキャン信
号を連続的に変化すればよいため、ベクタスキャンの場
合に必要なビームの整定時間がなく、高速のスキャンが
可能であり、高い効率で露光できるという利点と共に、
任意のパターンを自由に露光することができるというブ
ロック露光方式にはない利点がある。また、同一のスポ
ットが複数回露光されるため、露光エネルギも高く、一
筆書きの方式に比べて列数分描画速度を速くすることが
できる。1列のBAAでも同様に列数分描画速度を速く
することができるが、一筆書きを行う場合の1本のビー
ムや1列のBAAの場合、全開孔がオン状態からオフ状
態に変化するといったことが起きるが、そのような変化
が起きると電子ビームのフォーカス位置がずれるディフ
ォーカス現象が生じる。このような現象が生じると、露
光パターンの品質が低下するので、フォーカス位置を補
正する必要があり、リフォーカスレンズと呼ばれる焦点
の変化範囲は小さいが応答速度の速い焦点調整用のコイ
ルを設けて、焦点位置を調整できるようにしていた。し
かし、変化が急激であるため補正の遅れが避けられず、
それが走査速度を制限して描画速度の向上を妨げてい
た。これに対して、BAA露光方式では、オフ状態から
オン状態に変化する開孔の全開孔数に占める割合がおお
よそ行数分の1に低減されるため、フォーカス位置の補
正量の変化が小さくなり、走査速度を向上させることが
できる。
【0010】電子ビーム露光装置では、電子ビームを偏
向するのに、コイルを使用して磁界を発生させる電磁偏
向器と、静電場を発生する静電偏向器が使用される。電
磁偏向器は静電偏向器に比べて、相対的に大きな範囲で
偏向することが可能であるが、応答速度が遅い。そこで
効率よく走査を行うため、このような特性の異なる偏向
器を組み合わせて偏向手段を実現している。具体的に
は、電磁偏向器を主偏向器、静電偏向器を副偏向器と
し、主偏向器の偏向位置を固定した上で副偏向器により
その偏向範囲内を偏向して走査する。この範囲の走査が
終了すると、主偏向器の偏向位置を変化させて同様の走
査を行い、全露光範囲をカバーするように走査を行う。
実際には、ステージの移動も組み合わせて効率よく走査
を行っている。
【0011】図4及び図5は、BAA露光方式での走査
例を示す図である。図5で参照番号105は微細ビーム
束の1走査で露光できる幅を示す。ステージによりウエ
ハ101がある1方向(Y方向)に移動し、幅105の
微細ビーム束をその方向(Y方向)に副偏向器で偏向し
て100μm程度直線状に(実際には補正によりやや曲
線状に)参照番号106で示す領域を走査する。この走
査の間に、BAAの電極にオン・オフ信号を与えて所望
のパターンを描画する。この1回の走査で描画される領
域をセルストライプという。1個のセルストライプの描
画が終了すると、副偏向器のX方向の偏向量を変化させ
て隣接する次のセルストライプを同様に描画する。この
ようなセルストライプを副偏向器の偏向範囲に応じてX
方向に10個程度描画する。これが参照番号104で示
す領域である。領域104の描画が終了すると、主偏向
器のX方向の偏向位置を順次変化させて参照番号103
で示す幅を上記と同じように描画し、幅103の描画が
終了すると、主偏向器のY方向の偏向位置を変化させて
逆方向に順次セルストライプを描画する。このような動
作を繰り返して、同じ列のチップ102の幅103の描
画を行う。その後、隣接するチップ列の対応する部分の
幅103の描画をステージを逆方向に移動させながら行
う。このような動作をすべてのチップ列について行った
後、隣接する次の部分の幅103の描画を行う。実際に
は、副偏向器や主偏向器で偏向しながら描画している間
にもステージは移動しており、副偏向器又は主偏向器の
偏向量を補正しながら描画を行う。
【0012】BAA露光方式では、解像力の点から1開
孔によって露光される領域は、例えば0.128μm□
である。従って、例えば、3μm□の可変矩形方式と比
較した場合、全面塗り潰しのパターンでは、25列以上
の開孔がないとスループットが低くなってしまう。その
ため、実用的な高速の描画速度を実現するには、例え
ば、BAAの開孔の配列は走査に垂直な方向に64列、
走査方向に8行を千鳥格子状に配列する。開孔を千鳥格
子状に配列するのは、開孔を間断なく同列に配置するこ
とは構造上不可能なので、走査方向にずらして、時間的
に送らせてオン・オフデータを印加することにより、間
断ない1画素行を描画できるようにするためである。
【0013】荷電粒子ビーム(電子ビーム)を用いる露
光装置の場合、露光電荷の密度は、ビーム電流量とビー
ム滞在時間の積をビームの面積で除した値である。従っ
て、スループットを向上させるには、一般的にビーム電
流量を増大させ、ビーム滞在時間を短くすればよい。そ
のため、BAA露光方式においても、スループットの向
上のため、開孔数を増加させ、電子銃より放出されるビ
ームの電流量を増加させており、総電流量は増大してい
る。
【0014】しかし、荷電粒子ビーム(電子ビーム)を
用いる露光装置では、荷電粒子のクーロン相互作用によ
り、所望のパターンサイズと実際の露光パターンのサイ
ズが異なってしまうとい現象が生じることが知られてい
る。前述のディフォーカス現象がこれに相当する。この
現象により、(1)最小解像サイズが劣化するという問
題と、(2)露光パターンにより露光パターンのぼけ具
合が変化するという問題が生じる。第1の問題はクーロ
ン相互作用により起こる不可避の問題であるが、第2の
問題については、前述のリフォーカスレンズを使用し
て、補正するようにしている。
【0015】図6は、従来のBAA露光方式におけるオ
ンビームの個数の変化を説明する図である。図6の
(1)に示すような大きな塗り潰し領域Tを、微細ビー
ム11A−1、11A−2、…、11B−1、11B−
2、…、11C−1、11C−2、…で走査する場合、
各列の微細ビーム、例えば1列目の微細ビーム11A−
1、11A−2、…は、(2)に示すように各露光位置
(a)〜(f)で図示のようにオン状態に変化する。矢
印はパターンのエッジの位置を示す。従って、総電流量
はおおよそ(3)に示すように変化する。すなわち、領
域T内の画素では、すべての微細ビームが露光され、領
域T外の領域では露光回数はゼロ回である。例えば、8
行の開孔であれば領域T内の画素では8回露光が行わ
れ、領域T外の領域では1回も露光が行われない。
【0016】図7は、上記のような従来のBAA露光方
式における露光量分布の例を示す図であり、(1)が露
光パターンを、(2)がA−A’線上の露光量分布を示
す図であり、実線が理想的な露光量分布を、点線が実際
の露光量分布を示す。図7の(2)に示すように、理想
的には非露光領域の露光量はゼロであり、露光領域のい
ずれの画素の露光量も同じである。このような露光を行
うことにより、コントラストの高い露光量分布が得られ
る。しかし、実際にはビームの後方散乱などのために、
エッジがなまった点線のような露光量分布になる。しか
し、大きな露光領域の場合にはエッジからある程度離れ
た内部では最大露光量になり、また大きな非露光領域で
は露光量はゼロになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、2次元
に開孔を配列したBAA露光方式は、単一ビームや、1
列の微細ビームに比べてオン状態の微細ビーム数の変
化、すなわち総電流量の変化が低減されるため、リフォ
ーカスレンズによる補正量の変化も小さくできるという
利点がある。リフォーカスレンズによる補正量の変化が
小さければ、それだけリフォーカスレンズの駆動信号の
変化が小さく、リフォーカスレンズを駆動する駆動回路
のスルーレートが小さくなる。従って、同じスルーレー
トの駆動回路であれば、リフォーカスレンズの整定時間
を短くでき、より高速の動作が可能になる。
【0018】しかし、一層のスループットの向上のため
には、総電流量を更に増大させる必要があり、総電流量
の増大に応じて総電流量の変化幅も増大することにな
り、リフォーカスレンズによる補正量の変化も増大す
る。そのため、一層のスループットの向上のためには、
リフォーカスレンズの駆動回路のスルーレートを向上さ
せる必要が生じる。
【0019】また、総電流量を増大させることにより走
査速度を一層高速にできるが、走査速度を速くすると微
細ビーム束の各走査位置での露光時間が短くなる。その
ため、リフォーカスレンズを駆動する駆動回路のスルー
レートを更に向上させる必要がある。以上のような理由
で、微細ビーム束の露光時間は数n秒と非常に高速にな
っており、たとえBAA方式であってもリフォーカスレ
ンズの駆動回路のスルーレートの関係で一層のスループ
ットの向上が難しくなっている。そのため、BAAのオ
ン・オフ信号によって決まる露光パターン形状の変化速
度でスループットが決定されずに、リフォーカスレンズ
を駆動する駆動回路のスルーレートでスループットが規
制され、最大総電流量を抑え、リフォーカスレンズが追
従できる範囲にスループットを設定することで上記の問
題を回避している。
【0020】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、BAA露光方式における露光シーケンスを工
夫して、荷電粒子ビームの最大総電流量を抑え、リフォ
ーカスレンズによる補正量の変化を低減できる荷電粒子
ビーム露光装置及び露光方法の実現を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するた
め、本発明のBAA方式の荷電粒子ビーム露光装置及び
露光方法は、露光領域の画素について、露光回数の一部
を間引いて、少なくとも一部の画素について露光回数を
異ならせ、露光される画素の露光量が所定の範囲内に入
るようにすることを特徴とする。更に、露光しない画素
の少なくとも一部については、微細ビームにより少なく
とも1回露光するようにしてもよい。
【0022】露光領域において露光回数を間引く画素及
び露光タイミング又は非露光領域において露光を行う画
素及び露光タイミングの選択は、現像などの後処理で問
題を生じない露光パターンが得られるように行われ、且
つ総電流量を抑制すると共に、総電流量の変化を低減す
るように決定される。図8は、本発明のBAA方式の荷
電粒子ビーム露光装置及び露光方法の原理を説明する図
であり、(1)が露光パターンを、(2)がA−A’線
上の露光量分布を、(3)が露光領域と非露光領域にお
ける露光量範囲を示す。図7の(2)において、実線は
理想的な場合の露光量分布を、点線は実際の露光量分布
を示す。図7に示すように、従来例では露光領域の各画
素については微細ビームによる露光が所定の回数行わ
れ、露光領域の各画素はすべて同じ露光量になるように
していた。これに対して、本発明のBAA方式の荷電粒
子ビーム露光装置及び露光方法では、露光領域の一部の
画素、図8では大きな露光領域の内部の画素では他の露
光領域の画素より露光回数を少なくして、露光量をPだ
け少なくしている。露光回数を少なくしない端部の幅が
BAAの開孔の行の長さより短ければ、従来例より総電
流量を低減することができ、総電流量の変化量も小さく
できる。
【0023】更に、非露光領域の一部の画素、図8では
大きな非露光領域の内部の画素では、他の非露光領域の
画素の露光回数がゼロであるのに対して、少ない回数露
光して、Qだけ露光するようにしてもよい。これにより
総電流量は低減できないが、総電流量の変化量は小さく
できる。上記のような露光を行うことにより、図8の
(3)に示すように、露光領域では少なくとも一部の画
素について露光量が異なり、画素の露光量は最大露光量
と(最大露光量−P)の間に存在する。非露光領域でも
少なくとも一部の画素について露光量が異なり、画素の
露光量はゼロとQの間に存在する。従って、一部の画素
についてはコントラストが低下するが、荷電粒子ビーム
露光でレジストなどにパターンを露光する場合その特性
から閾値が存在し、その閾値を最大露光量とゼロの間に
設定すれば、たとえコントラストが少し低下しても問題
は生じない。更に、ウエハ上に配置された露光パターン
をある領域をBAAの微細ビーム束で露光する場合、そ
のうちのオンビームの個数の割合(以降、塗り潰し比と
いう)は0−100%のある分布をもって存在する。こ
の塗り潰し比が1回の露光におけるビーム総電流に対応
する。塗り潰し比が100パーセントに近い値になるの
は、大きな露光領域であり、そのような場合には、その
パターンを露光するビームを少量まばらに減らしてもビ
ームの後方散乱などの影響で形成されるパターンが異な
ってしまうことはなく、実際には図8の(2)に点線で
示すような露光分布となるので問題を生じない。更に、
狭い線などについては1行の開孔数分の露光が行われる
ので、従来と同じ露光パターンが得られるので、同様に
問題を生じない。
【0024】なお、図8の(2)に示したような大きな
露光領域及び非露光領域について、露光回数を間引いた
り余分に加えたりするだけでなく、図8の(3)に示す
ようにレジストなどの特性から問題を生じなければ、細
かなパターン部分について露光回数を間引いたり余分に
加えたりして、総電流量の変化を小さくすることも可能
である。
【0025】どの画素の露光回数をどの露光タイミング
で変更するかについては、各種の方法がある。例えば、
あらかじめ同時にオンするオンビームの個数の上限値を
決めておき、この上限値を越えないように且つ露光パタ
ーンを劣化させないように、変更する画素と露光タイミ
ングを決定する。また、オンビームの個数の変化の上限
値を決めておき、この上限値を越えないように且つ露光
パターンを劣化させないように、変更する画素と露光タ
イミングを決定してもよい。
【0026】通常、BAA露光方式の露光制御手段は、
BAAの各画素に対応する開孔を通過した微細ビームを
オンするかオフするかを露光タイミング毎に示すオン・
オフデータを、画素に対応して展開するビットマップを
有するが、本発明では、更に各露光タイミング毎のオン
ビームの個数を計数するオンビーム計数手段と、オンビ
ームの個数が所定の上限値以下になるようにオン・オフ
データを変更し、補正したオン・オフデータをビットマ
ップに記憶する補正手段とを備え、露光動作に入る前に
補正したオン・オフデータを作製して一旦格納する。画
素の露光回数を変更する処理にはかなり長い時間を要す
るが、この構成であれば補正が終了した後露光を行うた
め、露光のスループットを低下させない。また、一旦作
製した補正データは、同じ露光パターンであれば、繰り
返し使用できる。
【0027】画素の露光回数の変更は、パターンに応じ
て行う必要があり、大きな露光領域又は非露光領域の内
部の画素は変更してもよいが、微細なパターンの画素で
変更すると得られるパターンが劣化するので好ましくな
い。そこで、露光制御手段に、露光パターンに応じてあ
らかじめ決めた変更を行う画素又は領域を記憶した変更
候補ビットマップを設け、補正は変更候補ビットマップ
に決められた画素又は領域の画素のオン・オフデータを
変更することで行うようにすれば、補正処理が容易であ
る。露光パターンの端部はこの変更候補ビットマップか
ら除き、端部以外の部分を変更を行う画素又は領域とし
て変更候補ビットマップに記憶する。端部の幅は、例え
ば、1画素又は2画素である。また、パターンに応じ
て、変更する場合の優先順位を決めておいてもよく、こ
の優先順位に従って補正を行う。また、同じ領域の画素
を多数変更すると得られる露光分布が大きく変化するた
め望ましくない。そこで、あらかじめ変更を行う画素の
密度を決めておき、その密度以上では変更を行わないよ
うにしてもよい。変更候補ビットマップに記憶する変更
を行う画素又は領域を示すデータは、パターンデータと
組み合わされていることが望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】図9は、本発明の実施例の電子ビ
ーム露光装置の構成を示す図である。BAA露光方式の
電子ビーム露光装置については、特開平5−16670
7号公報などに開示されているので、ここでは詳しい説
明は省略し、本発明に関係する部分についてのみ説明す
る。図示のように、BAA露光方式の電子ビーム露光装
置のコラム50には、電子ビームを発生する電子銃51
と、BAA10と、収束光学系(電磁レンズ)52と、
偏向手段53と、ステージ54と、ウエハを自動的に供
給・回収するオートローディング部55とが設けられて
いる。偏向手段53は、前述のように、主偏向器と副偏
向器で構成されている。また、収束光学系52には、B
AA10を通過した微細ビーム束をステージ54上に載
置されたウエハ上に収束する電磁レンズと共に、動的に
フォーカス位置を補正するリフォーカスレンズなどが設
けられている。
【0029】光学制御ユニット(EOS)42は、電子
銃51及び収束光学系52を制御する部分である。アナ
ログ制御ユニット(AMP)43は、偏向制御ユニット
(DDGEN)40及びBAAF/G制御ユニット(S
HT)41からのデータを受けて偏向手段53を制御
し、露光中は図4及び図5で説明したような走査を行
う。ステージ駆動ユニット(SMDAMP)44は、偏
向制御ユニット40からのデータに応じてステージ54
の移動を制御し、露光中は図4及び図5で説明したよう
な移動を行わせる。BAAドライブユニット(BAAD
RV)45は、BAAF/G制御ユニット41からのビ
ットデータを受けて、BAA10の各偏向電極にオン・
オフ信号を印加する。また、オートローダ制御ユニット
46は、オートローディング部55を制御する。BAA
F/G制御ユニット41には、BAA10の各偏向電極
に印加するオン・オフ信号に対応するビットデータを記
憶するシューティングメモリ(ハイスルーバッファ)が
設けられており、偏向手段53による偏向に同期してビ
ットデータを出力する。
【0030】図示のように、データ運用コンピュータ3
2と、露光制御コンピュータ33及びALC制御用(自
動ローディング制御)コンピュータ34が通信ケーブル
31で相互に接続されており、連携して装置全体を制御
する。露光制御コンピュータ33は、バス39を介して
偏向制御ユニット40とBAAF/G制御ユニット41
を制御する。またALC制御用コンピュータ34は、オ
ートローダ制御ユニット46を制御する。データ運用コ
ンピュータ32には、バス35を介して、ビットマップ
作製ユニット(BMGEN)36と、データ転送制御ユ
ニット37とが接続されている。ディスク38にはパタ
ーンデータが記憶されており、データ運用コンピュータ
32はデータ転送制御ユニット37を介して読み出した
パターンデータを、ビットマップ作製ユニット36のビ
ットマップに展開する。更に、ビットマップに展開され
たビットデータを処理して、電子ビームの焦点距離が変
化する現象を補正するリフォーカス用データを作製する
と共に、一部のビットデータを変更する処理を行う。こ
れについては、後述する。展開及び変更されたビットデ
ータは、セルストライプ毎又は複数のセルストライプ毎
にデータ転送制御ユニット37を介してディスク38に
記憶される。同時に、上記のリフォーカス用データも一
緒に記憶される。以上の作業は、露光動作に入る前に行
っておくので、露光速度がビットデータの展開に要する
速度に制限されることはない。また一度展開したビット
データ及びリフォーカス用データは同一のパターンを露
光する場合、そのまま使用できる。
【0031】露光時には、ディスク38に記憶された補
正されたビットデータ及びリフォーカス用データを、セ
ルストライプ毎又は複数のセルストライプ毎にデータ転
送制御ユニット37を介してBAAF/G制御ユニット
41のシューティングメモリに転送する。シューティン
グメモリは、およそ20mm□のチップのデータを2個
分格納できる容量を有しており、露光するチップのサイ
ズが20mm□より小さい場合、2分割して同時に一方
へのデータ入力と、他方からのデータ出力が行えるの
で、次に露光するチップのデータを、現チップ露光中に
転送することができる。また、20mm□より大きい場
合は、20mm□×2の容量のデータを露光することが
できる。
【0032】シューティングメモリから出力されたオン
・オフデータは、BAAドライブユニット45でパラレ
ル・シリアル変換されて、タイミング制御して実際にB
AA10の偏向電極に与える電圧に増幅されて出力され
る。露光時の走査は、図3から図5で説明したように行
われる。ステージ54の連続移動は、例えば、Y方向に
1回移動するのを1単位として、露光制御コンピュータ
33によりスタート及びストップの制御が偏向制御ユニ
ット40に対して行われ、偏向制御ユニット40はステ
ージ駆動ユニット44に連続移動の信号を出力し、検出
した移動位置に応じてアナログ制御ユニット43に偏向
信号を出力し、図4及び図5に示したような走査が行わ
れる。BAAF/G制御ユニット41は、偏向制御ユニ
ット40からの走査のタイミング信号を受けてシューテ
ィングメモリからオン・オフデータを出力する。
【0033】図10から図12は、本実施例におけるB
AA10の構成例を示す図である。BAA10は、図1
0に示すような外観を有する薄い板状のもので、中央部
のアパーチャ部14に多数の開孔と偏向電極が配列され
ており、コラム50の内部に保持され、電子ビームが照
射される。参照番号15は、偏向電極に印加するオン・
オフ信号の電極パッドであり、16はアース電極への信
号線の電極パッドである。
【0034】アパーチャ部14は、図11に示すよう
に、開孔11が千鳥格子状に多数配列されている。お
り、各開孔の一方の辺に偏向電極17が設けられ、残り
の3辺にアース電極18が設けられており、同じ開孔列
のアース電極18は相互に接続されている。参照番号1
9は、電極パッド15に接続される信号線と偏向電極1
7及びアース電極18との間を接続するための電極パッ
ドである。BAA10の各電極を図1に示すように形成
した場合、隣接する開孔の電極の電位が相互に影響して
各開孔内に所望の電界を発生することができないという
問題があった。このような問題を解決するため、接地電
位を印加する電極をガード電極として使用する電子ビー
ム露光装置が、"Fast Electron Beam Lithography Syst
em with 1024Beams Individually Controlled by Blank
ing Aperture Array"(Jpn. J. Appl.Phys. Vol.32 (199
3) PP6012-6017) に開示されており、図11のアパーチ
ャ部14もこの文献に開示されたのと同様の形状を有す
る。
【0035】BAA30は、製作の都合上、シリコン基
板をエッチングなどで薄くした後、開孔11を形成し、
基板の上にメッキなどで偏向電極17とアース電極18
を形成する。アース電極18には共通に接地電位が印加
され、各偏向電極17には、その開孔を通過する電子ビ
ームを照射する時(オン時)に接地電位が印加されて開
孔内には電界が形成されないようにし、その開孔を通過
する電子ビームを照射しない時(オフ時)に接地電位以
外の所定の電位が印加されて開孔内に電界が形成され、
通過する電子ビームを偏向して試料100に到達しない
ようにする。
【0036】開孔11は、走査方向に2行ずつの4群
で、X、Y方向に各々開孔のサイズの半分ずれて配置さ
れている。同群内の走査方向に対して、後段は前段が露
光したパターンを時間的に遅れて同じデータで重ね塗り
を行う。このBAAで露光すると、同列の4群の微細ビ
ームは互いにピッチの半分ずつ重なって露光され、全体
として、照射される画素同士の間隔は2群の千鳥格子状
に配列している場合の半分になる。このように開孔の配
置をBAA上でずらして配置し、ずらしてデータの出力
を行うことにより、画素サイズより小さい値でパターン
エッジの部分の寸法微調整や項精度な近接効果補正を行
うことが可能になる。
【0037】以上説明した構成は、ビットデータを変更
する点を除けば、特開平5−166707号公報などに
開示された従来例の基本構成と同じである。以下、本発
明の特徴であるビットデータを変更する構成について説
明する。前述のように、ビットデータの変更は、図9の
データ運用コンピュータ32がビットマップ作製ユニッ
ト36のビットマップに展開されたビットデータに対し
て行う。図12は、ビットマップ作製ユニット36のビ
ットマップの構成を示す図であり、ウエハの同一の位置
に重ねて8回露光する場合には、8ビットのデータ幅を
有する。これに対して、従来例では、同一位置について
は、露光するかしないかのどちらかであり、1ビットの
データ幅のビットマップであった。ビットデータを変更
しない位置については、オンの場合にはすべてのデータ
ビットは「0」であり、オフの場合にはすべてのデータ
ビットは「1」である。ビットデータを変更する位置に
ついては、一部のデータビットについて変更する。例え
ば、オンの場合には少なくとも1ビットについて「0」
から「1」に変更し、オフの場合には少なくとも1ビッ
トについて「1」から「0」に変更する。露光時には、
1番目の微細ビームが対応する位置にきた時に1番目の
データビットを読み出して出力し、2番目の微細ビーム
が対応する位置にきた時に2番目のデータビットを読み
出して出力するという具合に微細ビームのオン・オフが
制御される。従って、同じ列のビットデータで同じ位置
のデータビットを変更すると、オンビームの個数が急激
に変化するので、少なくとも同じ列のビットデータにつ
いては変更するデータビットの位置を異ならせることが
必要である。
【0038】ビットデータをどのように変更するかにつ
いては、パターンに応じて異なるが、例えば図8で説明
したように、総電流量が所定の上限値以下になるように
したり、総電流量の変化が所定の上限値以下になるよう
にし、且つ露光パターンが劣化しないように変更する。
図13はビットデータの変更処理を説明するフローチャ
ート図であり、図14はセルストライプサイズのビット
マップデータに変更候補パターンデータを重ねた例を示
す。図13に従って、ビットデータの変更処理を説明す
る。
【0039】ステップ201では、オンビット数(すな
わち総電流量)の上限値及びオンビット数の変化量の上
限値を決定する。上限値は、例えば、リフォーカスレン
ズの応答速度などから決定される。ステップ202で
は、セルストライプサイズの実パターンデータをディス
ク38からビットマップ作製ユニット36のワークエリ
アに読み出して、図14に示すようなセルストライプサ
イズのビットマップを作製する。セルストライプの端の
部分の変更を行うのに、隣接するセルストライプの端の
部分のデータが必要であれば、その部分の実パターンデ
ータも読み出しセルストライプサイズより若干大きなビ
ットマップを作製する。
【0040】ステップ203では、図14に示したよう
な、あらかじめ作製しておいた変更候補パターンデータ
の対応するセルストライプサイズの分を読み出す。変更
候補パターンデータは、パターンの位置に応じて(a:
変更処理許可密度,b:変更処理優先順位)をあらかじ
め定めたデータである。変更処理許可密度aは、その部
分でビットデータを変更できる最大密度を示し、変更処
理優先順位bはビットデータを変更する優先順位を示
す。例えば、図14に示すように、大きなパターンの内
部では変更処理許可密度aと変更処理優先順位bの両方
が高く、ある程度の幅を有する細長いパターンでは、変
更処理許可密度aは同じ値であるが、変更処理優先順位
bは線の両端ほど低く、中央ほど高くなる。なお、変更
候補パターンデータを使用せずに補正を行うことも可能
であり、その場合には変更候補パターンデータ及びこの
ステップは省略可能である。
【0041】ステップ204では、セルストライプの各
位置でのオンビット数を算出し、その変化量を算出す
る。この処理は、例えば、図14に示すようにビットマ
ップににおいて開孔11の位置でのオンビット数を計数
する処理で、走査するように開孔11の位置を順にずら
した位置でオンビット数を計数する。ステップ205で
は、ステップ204で算出したオンビット数とその変化
量が、ステップ201で決定した上限値以下であるかを
判定する。上限値以下であればステップ207に進み、
上限値以上であればステップ206に進む。
【0042】ステップ206では、大きなオンビット数
とオンビット数の変化量を小さくするように、上記の変
更候補パターンデータの変更処理許可密度a及び変更処
理優先順位bを参照しながら、ビットマップのビットデ
ータを変更する。なお、変更候補パターンデータを使用
せずに、後方散乱などを考慮した微細ビームの広がりか
ら露光量分布を計算して露光パターンの劣化が少なく、
オンビット数の最大値及びオンビット数の変化量が小さ
くなるように変更するアルゴリズムに基づいて変更処理
を行うようにしてもよい。
【0043】ステップ206が終了した後は再びステッ
プ204に戻って、ステップ205の条件が満たしてス
テップ207に進むまでステップ204からステップ2
06を繰り返す。ステップ207では、セルストライプ
サイズのビットマップデータをディスク38に記憶す
る。
【0044】ステップ208では、すべてのセルストラ
イプについて上記の処理が終了したかを判定し、すべて
のセルストライプについて変更処理が終了するまで、上
記の処理を繰り返す。以上のような処理を行うことによ
り、オンビット数の最大値及びオンビット数の変化量が
小さく且つ露光パターンの劣化が少ないビットマップ形
式のパターンデータがディスク38に記憶される。以
下、従来と同様に露光を行えばよい。
【0045】以上本発明の実施例を説明したが、BAA
のパターンデータの変更処理は、装置の特性やレジスト
の特性を考慮して各種の変形例が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のBAA方
式の荷電粒子ビーム露光装置及び方法によれば、露光パ
ターンをほとんど劣化させることなしに、BAAのオン
ビット数の最大値及びオンビット数の変化量を小さくで
きるので、リフォーカスレンズの変化が小さくなるの
で、リフォーカスレンズの駆動回路のスルーレートが従
来と同じであれば走査速度を速くすることが可能であ
り、装置のスループットが向上する。また、従来と同じ
走査速度であれば、リフォーカスレンズの駆動回路のス
ルーレートを小さくできるのでより安価な駆動回路が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブランキング・アパーチャ・アレイ(BAA)
の例を示す図である。
【図2】BAA方式における露光を説明する図である。
【図3】BAA方式における露光を説明する図である。
【図4】BAA方式における走査を説明する図である。
【図5】BAA方式における走査を説明する図である。
【図6】BAA方式におけるエッジ部分におけるオンビ
ームの変化と総電流量の変化を示す図である。
【図7】従来例のBAA方式における露光量分布を説明
する図である。
【図8】本発明のBAA方式における露光量分布と原理
を説明する図である。
【図9】本発明の実施例の電子ビーム露光装置の全体構
成を示す図である。
【図10】実施例のBAAの全体図である。
【図11】実施例のBAAのアパーチャ部の上面図であ
る。
【図12】実施例のオン・オフデータを展開するビット
マップの構成を示す図である。
【図13】実施例におけるパターンデータの変更処理を
示すフローチャートである。
【図14】実施例におけるセルストライプサイズのビッ
トマップデータに変更候補パターンデータを重ねた例を
示す図である。
【符号の説明】
10…ブランキング・アパーチャ・アレイ(BAA) 11…開孔 14…アパーチャ部 17…変更電極 18…アース電極 32…データ運用コンピュータ 36…ビットマップ作製ユニット 38…ディスク 40…偏向制御ユニット 41…BAAF/G制御ユニット 45…BAAドライブユニット 51…電子銃 52…収束光学系 53…偏向手段 54…ステージ 100…試料 106…セルストライプ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを生成する荷電粒子ビー
    ム発生器と、 周囲に第1の電極と第2の電極を有する複数の開孔が配
    列され、照射された前記荷電粒子ビームを各開孔に対応
    する複数の微細ビームにし、各微細ビームが試料上に照
    射されるかされないかが独立に制御可能なブランキング
    ・アパーチャ・アレイと、 該ブランキング・アパーチャ・アレイを通過した前記荷
    電粒子ビームを偏向する偏向手段と、 前記ブランキング・アパーチャ・アレイを通過した前記
    荷電粒子ビームを試料上に収束する収束手段と、 前記複数の微細ビームで前記試料上を走査し、露光パタ
    ーンに応じて前記ブランキング・アパーチャ・アレイの
    各開孔の電極に印加する信号を制御して、露光される各
    画素について異なる微細ビームで複数回露光することに
    より所望のパターンを露光するように制御する露光制御
    手段とを備える荷電粒子ビーム露光装置において、 露光される画素の前記異なる微細ビームによる露光回数
    が、少なくとも一部の画素について異なる回数であり、
    露光される画素の露光量が所定の範囲内にあることを特
    徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 露光しない画素のうち、前記微細ビームにより少なくと
    も1回露光される画素が存在する荷電粒子ビーム露光装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の荷電粒子ビーム
    露光装置であって、 前記露光制御手段は、前記複数の微細ビームのうち前記
    試料上に同時に照射されるオンビームの個数が、所定の
    上限値以下になるように制御する荷電粒子ビーム露光装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記露光制御手段は、 前記ブランキング・アパーチャ・アレイの各画素に対応
    する開孔を通過した微細ビームが前記試料上に照射され
    るかされないかを示すオン・オフデータを、画素に対応
    して展開するビットマップと、 各露光タイミング毎の前記オンビームの個数を計数する
    オンビーム計数手段と、 前記オンビームの個数が前記所定の上限値以下になるよ
    うに、前記オン・オフデータを変更し、補正したオン・
    オフデータを前記ビットマップに記憶する補正手段とを
    備える荷電粒子ビーム露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記露光制御手段は、 露光パターンに応じて、あらかじめ決めた変更を行う画
    素又は領域を記憶した変更候補ビットマップを備え、 前記補正手段は、前記変更候補ビットマップに決められ
    た画素又は領域の画素の前記オン・オフデータを変更す
    る荷電粒子ビーム露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記変更候補ビットマップは、露光パターンの端部以外
    の部分を変更を行う画素又は領域として記憶する荷電粒
    子ビーム露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記露光パターンの端部は、1画素又は2画素の幅を有
    する荷電粒子ビーム露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記変更候補ビットマップが記憶する変更を行う画素又
    は領域は、変更の優先順位が決められている荷電粒子ビ
    ーム露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の荷電粒子ビーム露光装
    置であって、 前記変更候補ビットマップが記憶する変更を行う画素又
    は領域では、変更を行う画素の密度が決められている荷
    電粒子ビーム露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の荷電粒子ビーム露光
    装置であって、 前記変更候補ビットマップが記憶する変更を行う画素又
    は領域を示すデータは、パターンデータに含まれている
    荷電粒子ビーム露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から4のいずれか1項に記載
    の荷電粒子ビーム露光装置であって、 前記露光制御手段は、前記複数の微細ビームのうち前記
    試料上に同時に照射されるオンビームの個数の露光タイ
    ミング毎の変化が、所定の上限値以下になるように制御
    する荷電粒子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 各微細ビームが試料上に照射されるか
    されないかが独立に制御可能な複数の微細ビームで前記
    試料上を走査し、前記複数の微細ビームを制御して露光
    パターンに応じて露光される各画素について異なる微細
    ビームで複数回露光することにより所望のパターンを露
    光する荷電粒子ビーム露光方法において、 露光される画素の前記異なる微細ビームによる露光回数
    が、少なくとも一部の画素について異なる回数であり、
    露光される画素の露光量が所定の範囲内にあることを特
    徴とする荷電粒子ビーム露光方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 露光しない画素のうち、前記微細ビームにより少なくと
    も1回露光される画素が存在する荷電粒子ビーム露光方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12又は13に記載の荷電粒子
    ビーム露光方法であって、 前記複数の微細ビームのうち前記試料上に同時に照射さ
    れるオンビームの個数が、所定の上限値以下であるよう
    に露光する荷電粒子ビーム露光方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 各画素に対応する前記複数の微細ビームが前記試料上に
    照射されるかされないかを示すオン・オフデータをビッ
    トマップ上で画素に対応して展開する展開工程と、 各露光タイミング毎の前記オンビームの個数を計数する
    オンビーム計数工程と、 前記オンビームの個数が前記所定の上限値以下になるよ
    うに、前記オン・オフデータを変更し、補正したオン・
    オフデータを前記ビットマップに記憶する補正工程とを
    備え、 前記補正したオン・オフデータに基づいて露光を行う荷
    電粒子ビーム露光方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 露光パターンに応じて、あらかじめ変更を行う画素又は
    領域が変更候補として決められており、 前記補正工程では、前記変更候補の画素又は領域の画素
    の前記オン・オフデータを変更する荷電粒子ビーム露光
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 前記変更候補は、露光パターンの端部以外の部分の画素
    又は領域である荷電粒子ビーム露光方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 前記露光パターンの端部は、1画素又は2画素の幅を有
    する荷電粒子ビーム露光方法。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 前記変更候補の画素又は領域は、変更の優先順位が決め
    られている荷電粒子ビーム露光方法。
  20. 【請求項20】 請求項16に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 前記変更候補の画素又は領域では、変更を行う画素の密
    度が決められている荷電粒子ビーム露光方法。
  21. 【請求項21】 請求項16に記載の荷電粒子ビーム露
    光方法であって、 前記変更候補の画素又は領域を示すデータは、パターン
    データに含まれている荷電粒子ビーム露光方法。
  22. 【請求項22】 請求項12から15のいずれか1項に
    記載の荷電粒子ビーム露光方法であって、 前記複数の微細ビームのうち前記試料上に同時に照射さ
    れるオンビームの個数の露光タイミング毎の変化が、所
    定の上限値以下になるように制御する荷電粒子ビーム露
    光装置。
JP11134491A 1999-05-14 1999-05-14 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法 Withdrawn JP2000323401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11134491A JP2000323401A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11134491A JP2000323401A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000323401A true JP2000323401A (ja) 2000-11-24

Family

ID=15129574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11134491A Withdrawn JP2000323401A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000323401A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123966A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Ims Nanofabrication Ag 定電流マルチビームパターニング
JP2015109323A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP2017521852A (ja) * 2014-06-13 2017-08-03 インテル・コーポレーション 電子ビームの3ビームアパーチャアレイ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123966A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Ims Nanofabrication Ag 定電流マルチビームパターニング
JP2015109323A (ja) * 2013-12-04 2015-06-11 株式会社ニューフレアテクノロジー マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法
JP2017521852A (ja) * 2014-06-13 2017-08-03 インテル・コーポレーション 電子ビームの3ビームアパーチャアレイ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6064807A (en) Charged-particle beam exposure system and method
US8859983B2 (en) Method of and system for exposing a target
US5260579A (en) Charged particle beam exposure system and charged particle beam exposure method
US8598544B2 (en) Method of generating a two-level pattern for lithographic processing and pattern generator using the same
JP5053514B2 (ja) 電子ビーム露光システム
KR100225335B1 (ko) 전자빔노광장치와 그 방법 및 디바이스제조방법
US6515409B2 (en) Charged-particle beam exposure apparatus, exposure system, control method therefor, and device manufacturing method
JP2751717B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法及び荷電粒子ビーム露光装置
JP2009111405A (ja) 荷電粒子のビームによって基板の表面上にパターンを形成する方法
JP2013093567A (ja) 電子ビーム描画方法および描画装置
US9691585B2 (en) Multi charged particle beam writing method, and multi charged particle beam writing apparatus
US6614035B2 (en) Multi-beam shaped beam lithography system
US7102147B2 (en) Charged particle beam exposure method and method for producing charged particle beam exposure data
JP3310400B2 (ja) 電子ビーム露光方法および露光装置
JP3295855B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法
JP2000323401A (ja) 荷電粒子ビーム露光装置及び露光方法
JPH0653129A (ja) 電子ビーム露光方法
JPH07273006A (ja) 荷電粒子ビーム露光方法及びその装置
JP3246610B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法および露光装置
JP3310448B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法及びその装置
JP3236162B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法及びその装置
JP3246611B2 (ja) 荷電粒子ビーム露光方法と露光装置
JPH1064780A (ja) 電子ビーム露光装置
CN115808853A (zh) 多带电粒子束描绘方法、多带电粒子束描绘装置以及计算机可读取的记录介质
TWI460548B (zh) 用於曝光靶材之方法和系統

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801