JP5492569B2 - ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
一方、特許文献1〜4には、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル化合物であるジエチル−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートから得られるポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが提案されている。これらの文献によると、結晶性で、融点が294℃のポリエチレン−6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートが提示されている。
また、特許文献3では、ポリエチレン−6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートを用いたフィルムで、最大の温度膨張率を10〜35(ppm/℃)、最大の湿度膨張率を0〜8(ppm/%RH)、最大と最小の温度膨張率の差が0〜6.0(ppm/℃)、そして最大と最小の湿度膨張率の差を0〜4.0(ppm/%RH)にすることで、トラッキングズレの小さな磁気記録フレキシブルディスクが得られることを教示している。
しかしながら、近年の磁気記録媒体などにおける記録密度向上への要求は厳しく、それに伴ってベースフィルムに求められる寸法安定性も、ポリエチレンテレフタレートはもちろん、ポリエチレン−2,6−ナフタレートや特許文献3に提示されたようなフィルムでも達成できない状況となってきていた。
二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、湿度膨張係数と温度膨張係数はともにヤング率と非常に密接な関係にあり、ヤング率が高いほど一般的に低くなる。しかしながら、ヤング率はいくらでも高められるというわけではなく、製膜性や直交する方向のヤング率確保の点から自ずと限界がある。そのため、ヤング率が同程度であっても、温度や湿度に対する膨張係数の低いフィルムが求められていた。前述のポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートからなるフィルムは、ヤング率が低くても低い湿度膨張係数を示すことからこの特性に合致する好適なフィルムとして考えられた。
しかしながら、前述の特許文献1〜4を見ると、ポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートからなるフィルムは、一方のヤング率はきわめて高くできるものの、それに直交する方向のヤング率が極めて低くなるという問題があった。また、湿度膨張係数が非常に小さいものの温度膨張係数が非常に高いという問題もあった。
この6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合成分とするポリエステル樹脂は優れた特性を有し有用な樹脂である。しかし、この樹脂からなるフィルムをベースフィルムとする磁気記録媒体を製造する場合、磁性層を形成するための塗液を塗布して乾燥する工程で、高温下で張力を掛けるとベースフィルムが伸び、均一に磁性層が塗布できないなどの問題があることが判明した。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなるフィルムではこのような問題は起こらない。
そこで本発明者らは、フィルムの伸びについて鋭意研究した結果、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分からの繰り返し単位と他の繰り返し単位とが隣接する割合を抑制することで、伸びを抑制できることを見出し、本発明に到達した。
−O−C(O)−R1−C(O)−O−R2−O− (A)
−O−C(O)−R3−C(O)−O−R2−O− (B)
{式中、R1はフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基であり、R3は下記式(C)
で表わされる基である。}
とからなり、繰り返し単位(B)含有量が、5モル%以上50モル%未満であり、繰り返し単位(A)と(B)とが隣り合う割合(CA−B)が、下記式(1)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂が提供される。
(CA−B)/2(CA)×(CB)<0.90 (1)
(式中、(CA)は繰り返し単位(A)と(B)の合計モル数を基準としたときのポリエステル樹脂中の繰り返し単位(A)のモル分率、
(CB)は繰り返し単位(A)と(B)の合計モル数を基準としたときのポリエステル樹脂中の繰り返し単位(B)のモル分率、
(CA−B)は繰り返し単位(A)と(A)、(B)と(B)および(A)と(B)が隣り合う場合の合計数を基準としたときの、繰り返し単位(A)と(B)とが隣り合う割合を意味する。)
本発明のポリエステル樹脂の製造方法の好ましい態様として、ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂B中の繰り返し単位(B)のモル%が下記式(3)を満足するポリエステル樹脂の製造方法も提供される。
(BCB)−(ACB)≧10 (3)
(式(3)中、(BCB)はポリエステル樹脂B中の繰り返し単位(B)のモル%、(ACB)はポリエステル樹脂A中の繰り返し単位(B)のモル%である。)
本発明において、ポリエステル樹脂は、主として繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)とからなる。
繰り返し単位(A)は、R1の部分がフェニレン基またはナフタレンジイル基である芳香族ジカルボン酸成分と、R2の部分が炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種のグリコール成分とを反応させたものである。
繰り返し単位(A)としては、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートなどのアルキレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、トリメチレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−2,6−ナフタレートなどのアルキレン−2,6−ナフタレートが好ましく挙げられる。これらの中でも機械的特性などの点からエチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。特にエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。そのような観点から、グリコール成分の90モル%以上はエチレングリコール成分であることが好ましく、特に95〜100モル%の範囲であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂中の全繰り返し単位に対する、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)との合計数は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%である。
このような特定量の6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を共重合したポリエステル樹脂を用いることで、温度膨張係数と湿度膨張係数の両方をともに低い成形品、例えばフィルムなどを製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂の好ましい態様について、さらに詳述する。
本発明のポリエステル樹脂は、P−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度が好ましくは0.4〜1.5dl/g、より好ましくは0.5〜1.3dl/gの範囲である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のポリエステル樹脂を溶融製膜して、シート状に押出すことで得られる。そして、前述のとおり、溶融時の流動性やその後の結晶性が改良されていることから、製膜性に優れた、例えば厚み斑のない均一なフィルムとなる。
もちろん、前述のポリエステル樹脂を溶融製膜したフィルムであることから、ポリアルキレン−6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートと、その共重合相手である繰り返し単位(A)を有する芳香族ポリエステルの優れた機械的特性なども具備する。本発明のポリエステル樹脂をそのまま製膜したフィルムは、ポリエステル樹脂と同様に式(1)を満足する。
また、上記温度膨張係数が10ppm/℃以下の方向については、少なくとも一方向、好ましくは前述のとおり、幅方向が満足していれば良いが、それに直交する方向も寸法安定性の点からは、同様な温度膨張係数や湿度膨張係数、さらにヤング率などを満足することが好ましい。
つぎに、本発明のポリエステル樹脂の製造方法について、詳述する。
まず、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸と例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸やテレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、例えばエチレングリコールとを反応させ、ポリエステル前駆体を製造する。そして、このようにして得られたポリエステル前駆体を重合触媒の存在下で重合することで製造でき、必要に応じて固相重合などを施しても良い。このとき重要なことは、前述のとおり、得られるポリエステル樹脂中の繰り返し単位(A)と(B)の割合が異なる少なくとも2つ以上のポリエステル樹脂を製造することであり、例えば主として繰り返し単位(A)を有するポリエステル樹脂Aと主として繰り返し単位(B)を有するポリエステル樹脂Bとを製造することである。
好ましいポリエステル樹脂Bとしては、繰り返し単位(B)の割合が50〜100モル%であり、ポリエステル樹脂Aへの溶融混練を行ないやすくしつつ、前述の式(1)の範囲に調整しやすいことから、55モル%以上90モル%以下、特に58モル%以上80モル%未満のものが好ましい。
そして、これらのポリエステル樹脂を、完全にエステル交換反応が進行してしまわない条件で溶融混練すればよい。具体的には、溶融混練の温度が低くなるほど、また溶融混練する時間が短時間になるほど、エステル交換反応の進行は抑制できる。
このようにして得られる芳香族ポリエステルのP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、0.4〜1.5dl/g、さらに0.5〜1.3dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。
また、ポリエステルの前駆体を製造する際の反応温度としては、グリコール成分がエチレングリコールである場合は、その沸点以上で行うことが好ましく、特に190℃〜250℃の範囲で行なうことが好ましい。190℃よりも低いと反応が十分に進行しにくく、250℃よりも高いと副反応物であるジアルキレングリコールなどが生成しやすい。また、反応を常圧下で行うこともできるが、さらに生産性を高めるために加圧下で反応を行ってもよい。より詳しくは反応圧力は絶対圧力で10kPa以上200kPa以下、反応温度は通常150℃以上250℃以下、好ましくは180℃以上230℃以下で、反応時間10分以上10時間以下、好ましくは30分以上7時間以下行われるのが好ましい。このエステル化反応によってポリエステル前駆体としての反応物が得られる。
ポリエステルの前駆体を製造する反応工程では、公知のエステル化もしくはエステル交換反応触媒を用いてもよい。例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、チタン化合物などが挙げられる。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。なお、重縮合触媒はエステル化反応においても使用することができる。金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、中でも、チタン化合物はエステル化反応と重縮合反応との双方の反応で、高い活性を発揮するので特に好ましい。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量は、共重合芳香族ポリエステルの繰り返し単位のモル数に対して、0.001〜0.5モル%、さらには0.005〜0.2モル%が好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであることが好ましく、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
まず、上述の本発明のポリエステル樹脂、もしくは溶融混練する前の繰り返し単位(A)の多いポリエステル樹脂と繰り返し単位(B)の多いポリエステル樹脂とを原料とし、これを乾燥後、該ポリエステル樹脂の融点(Tm:℃)ないし(Tm+50)℃の温度に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸する。このとき、溶融混練の間に前述のエステル交換反応が進んでしまわないように注意することが必要である。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は共重合芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、3〜8倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温で(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、接着性や滑り性を向上させるために、それ自体公知の塗布層を設けても良い。塗布層を設ける場合は、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布し、後は前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行えばよい。
得られたポリエステルの固有粘度はp−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ(株)製、商品名:DSC2920)によりサンプル重量20mg、昇温速度10℃/minで測定した。
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後に600MHzの1H−NMR(日立電子(株)製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、100MHz 13C−NMR(日本電子 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、(株)真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L 40 )/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、(株)真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度30%RHと湿度70%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαhとした。
αh=(L70−L30)/(L30×△H)
ここで、上記式中のL30は30%RHのときのサンプル長(mm)、L70は70%RHのときのサンプル長(mm)、△H:40(=70−30)%RHである。
幅500mmにスリットされた長さ500mのフィルムの一方の表面に、下記組成の非磁性塗料、磁性塗料をダイコータで同時に、乾燥後の非磁性層および磁性層の厚みが、それぞれ1.2μmおよび0.1μmとなるように膜厚を変えてこの順で塗布し、磁気配向させて乾燥させる。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。そして、得られた磁性層付フィルムについて、目視判定により、以下の基準で塗布斑を評価した。なお、目視判定は、フィルムの裏側に蛍光灯を設置し、磁性層の抜けによる光の漏れをカウントすることで行ない、この磁性層付フィルムを必要に応じてバックコート層などを設けた上で、幅12.65mmにスリットし、カセットに組み込むことで磁気記録テープにできる。
◎:塗布抜けが5個/250m2未満
○:塗布抜けが5個/250m2以上10個/250m2未満
△:塗布抜けが10個/250m2以上20個/250m2未満
×:塗布抜けが20個以上
非磁性塗料の組成
・二酸化チタン微粒子 :100重量部
・エスレックA((株)積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304((株)日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマー): 10重量部
・コロネートL((株)日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
磁性塗料の組成
・鉄(長さ:0.3μm、針状比:10/1、1800エルステッド) :100重量部
・エスレックA((株)積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10重量部
・ニッポラン2304((株)日本ポリウレタン 製ポリウレタンエラストマー):10重量部
・コロネートL((株)日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5重量部
・レシチン : 1重量部
・メチルエチルケトン :75重量部
・メチルイソブチルケトン :75重量部
・トルエン :75重量部
・カーボンブラック : 2重量部
・ラウリン酸 :1.5重量部
試料60mgをP−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1の混合溶媒に140℃で溶解した。完全に溶解したことを確認後、150MHz 13C−NMRを140℃で測定した。なお、グリコール成分の両端に繰り返し単位(A)の酸成分が結合しているものと、グリコール成分の両端に繰り返し単位(B)の酸成分が結合しているものと、グリコール成分の一方の端に繰り返し単位(A)の酸成分が結合し、他方に繰り返し単位(B)の酸成分が結合しているものとでは、グリコール成分のピークの位置が異なる。したがって、(CA−A)、(CB−B)、(CA−B)の割合は、検出される異なる位置に出てくるグリコール成分のピーク面積比から求めた。
(株)セイコーインスツルメンツ製TMA/SS6000を用いて、フィルム幅4mm、フィルム長20mmにサンプリングして、荷重40gをかけて、昇温速度5℃/分にて180℃まで昇温し、30℃のときのフィルム長さ(L30)と100℃のときのフィルム長さ(L100)を測定し、伸び割合((L 100 −L 30 )/L 30 (%))を求めた。伸び割合が低いほど、寸法安定性に優れるといえる。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の30モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の70モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PB1)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸そしてエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル化反応およびエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の99.5モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の0.5モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PA1)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよび6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の割合を変更した以外は参考例1と同様な操作を繰り返して、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の73モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の27モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PA2)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよび6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の割合を変更した以外は参考例1と同様な操作を繰り返して、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の65モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の35モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PA3)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルおよび6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の割合を変更した以外は参考例1と同様な操作を繰り返して、固有粘度0.62dl/gで、酸成分の90モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、酸成分の10モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PA4)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を加えなかった以外は参考例2と同様な操作を繰り返して、固有粘度0.62dl/gで、酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、グリコール成分がエチレングリコールである芳香族ポリエステル(PA5)を得た。なお、該芳香族ポリエステルには、重縮合反応の前に平均粒径0.4μmのシリカ粒子を、得られる樹脂組成物の重量を基準として、0.3重量%となるように含有させた。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で66:34、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度135℃で横延伸倍率8.5倍、熱固定処理(205℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で52:48、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が130℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.7倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度130℃で横延伸倍率8.3倍、熱固定処理(194℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で40:60、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が125℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率6.2倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度125℃で横延伸倍率9.5倍、熱固定処理(190℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で80:20、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が138℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.8倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度138℃で横延伸倍率8.0倍、熱固定処理(214℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で66:34、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.8倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度135℃で横延伸倍率8.0倍、熱固定処理(205℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で61:39、押し出し機に供給して295℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が133℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度135℃で横延伸倍率8.3倍、熱固定処理(202℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
実施例6において、押し出し機の温度を300℃(平均滞留時間:20分)、縦方向(製膜方向)の延伸倍率を5.8倍、横延伸倍率を8.0倍に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比で72:28、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が136℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度136℃で横延伸倍率7.8倍、熱固定処理(209℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
実施例8において、押し出し機での平均滞留時間を15分、縦方向(製膜方向)の延伸倍率を5.2倍、横延伸倍率を8.0倍に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1および2で得られた芳香族ポリエステル(PA1)と(PB1)とを、重量比76:24で、押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:15分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が136℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5.2倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度138℃で横延伸倍率8.2倍、熱固定処理(212℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
実施例8において、押し出し機での平均滞留時間を20分、縦方向(製膜方向)の延伸倍率を4.8倍、横延伸倍率を8.0倍に変更した以外は同様な操作を繰り返した。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例3で得られた芳香族ポリエステル(PA2)を押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が130℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率6.3倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度130℃で横延伸倍率9.2倍、熱固定処理(182℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例4で得られた芳香族ポリエステル(PA3)を押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が125℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率6.8倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度125℃で横延伸倍率10.3倍、熱固定処理(175℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例5で得られた芳香族ポリエステル(PA4)を押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が138℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.2倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度138℃で横延伸倍率7.8倍、熱固定処理(214℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例6で得られた芳香族ポリエステル(PA5)自体をポリエステル樹脂として用いた。そして、比較例4−1として、該PA5を押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が140℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度140℃で横延伸倍率4.3倍、熱固定処理(200℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。
また、比較例4−2として、比較例4−1において、製膜方向の延伸温度を140℃に、製膜方向の延伸倍率を4.0倍に、幅方向の延伸温度を140℃に、幅方向の延伸倍率を4.0倍に、熱固定処理温度を200℃に変更するほかは同様な操作を繰り返して二軸延伸フィルムを得た。
さらにまた、比較例4−3として、比較例4−1において、製膜方向の延伸温度を140℃に、製膜方向の延伸倍率を4.5倍に、幅方向の延伸温度を140℃に、幅方向の延伸倍率を3.4倍に、熱固定処理温度を200℃に変更するほかは同様な操作を繰り返して二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
参考例1で得られた芳香族ポリエステル(PB1)を押し出し機に供給して300℃(平均滞留時間:20分)でダイから溶融状態で回転中の温度55℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が120℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率4.5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度120℃で横延伸倍率9.0倍、熱固定処理(210℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ5.0μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを構成するポリエステル樹脂の特性を表1に示す。
Claims (12)
- 主として下記式で示される繰り返し単位(A)と下記式で示される繰り返し単位(B)
−O−C(O)−R1−C(O)−O−R2−O− (A)
−O−C(O)−R3−C(O)−O−R2−O− (B)
{式中、R1はフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基であり、R3は下記式(C)
で表わされる基である。}
とからなり、繰り返し単位(B)含有量が、5モル%以上50モル%未満であり、繰り返し単位(A)と(B)とが隣り合う割合(CA−B)が、下記式(1)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂。
(CA−B)/2(CA)×(CB)<0.90 (1)
(式中、(CA)は繰り返し単位(A)と(B)の合計モル数を基準としたときのポリエステル樹脂中の繰り返し単位(A)のモル分率、
(CB)は繰り返し単位(A)と(B)の合計モル数を基準としたときのポリエステル樹脂中の繰り返し単位(B)のモル分率、
(CA−B)は繰り返し単位(A)と(A)、(B)と(B)および(A)と(B)が隣り合う場合の合計数を基準としたときの、繰り返し単位(A)と(B)とが隣り合う割合を意味する。) - R2がエチレン基である請求項1記載のポリエステル樹脂。
- 繰り返し単位(A)が、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位およびエチレンテレフタレート単位からなる群より選ばれた少なくとも一種である請求項2記載のポリエステル樹脂。
- R4がエチレン基である請求項1記載のポリエステル樹脂。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂からなることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルム面方向における少なくとも一方向は、ヤング率が6.0GPa以上である請求項5記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルムの少なくとも一方向における湿度膨張係数(αh)が1〜7ppm/%RHの範囲にある請求項5記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- フィルムの少なくとも一方向における温度膨張係数(αt)が10ppm/℃以下である請求項5記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 磁気記録媒体のベースフィルムに使用される請求項5記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 磁気記録媒体がリニア記録方式の高密度磁気記録テープである請求項9記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 主として下記式で示される繰り返し単位(A)を有するポリエステル樹脂Aと、主として下記式で示される繰り返し単位(B)を有するポリエステル樹脂Bとを、繰り返し単位(B)のモル数が、繰り返し単位(A)と(B)の合計モル数を基準として、5モル%以上50モル%未満となる割合で溶融混練する請求項1記載のポリエステル樹脂の製造方法。
−O−C(O)−R1−C(O)−O−R2−O− (A)
−O−C(O)−R3−C(O)−O−R2−O− (B)
{式中、R1はフェニレン基またはナフタレンジイル基であり、R2は、炭素数2〜4のアルキレン基またはシクロヘキサンジメチレン基であり、R3は下記式(C)
で表わされる基である。} - ポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹脂B中の繰り返し単位(B)のモル%が下記式(3)を満足する請求項11記載のポリエステル樹脂の製造方法。
(BCB)−(ACB)≧10 (3)
(式(3)中、(BCB)はポリエステル樹脂B中の繰り返し単位(B)のモル%、(ACB)はポリエステル樹脂A中の繰り返し単位(B)のモル%である。)
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