JP5788729B2 - 配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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(1)芳香族ポリエステルは、全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分およびナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる1種であり、全グリコール成分の95モル%以上が、下記式(1)
(2)配向フィルムは、直交する2方向の105℃30分での熱収縮率が1%以下であること
を同時に具備する配向ポリエステルフィルムが提供される。
本発明の特徴の一つは、(1)全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分およびナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる1種であること、(2)全グリコール成分の95モル%以上が、前記式(1)で示される4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分(以下、DPA成分と称することがある。)とエチレングリコール成分で、DPA成分とエチレングリコール成分のモル比が、35:65〜5:95の範囲にあること、を満足する芳香族ポリエステルである。全酸成分のうちテレフタル酸もしくはナフタレンジカルボン酸成分のいずれかの割合が、上記下限未満では、十分なヤング率および寸法安定性が確保されない。
本発明の配向フィルムは、前述の樹脂組成物からなり、フィルム面方向の少なくとも一方向に延伸、すなわち分子鎖が配向されたフィルムである。
そして、フィルム面方向の直交する2方向、すなわち、分子鎖が最も配向された方向(以下、主配向方向と称する)とその方向に直交する方向は、105℃にて30分間無荷重下で測定したときの熱収縮率が1%以下である。熱収縮率がこれよりも大きいと、高温での加工時にフィルムが主配向方向に収縮し、高温加工時の伸びを抑制しても、変形が大きく、加工性が低下したり、また加工後の湿度膨張係数やヤング率などの特性が損なわれやすくなったりすることがある。そういった観点から、好ましい主配向方向の熱収縮率の上限は、1.0%以下、さらに0.9%以下、0.8%以下である。このような熱収縮率は延伸後に熱固定処理を行い、そのときの温度を高くすることや、熱収縮率を下げたい方向に弛緩させることなどで小さくできる。なお、熱収縮率の下限は特に制限されないが、通常の製膜条件では、膨張するような負の値にしようとすると、工程でシワな度が発生しやすくなることから0%以上、さらに0.1%以上が好ましい。
ところで、本発明の配向フィルムは、一方の表面粗さ(Ra)は1nm〜20nm、更に好ましくは2nm〜10nmであることが好ましい。
もちろん、本発明の配向フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他のフィルム層を積層したり、塗膜層を設けたりしても良い。
つぎに、本発明における4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分を共重合している芳香族ポリエステルの製造方法について、詳述する。なお、4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分を共重合していない芳香族ポリエステルは、それ自体公知の方法の製造されたものを好適に用いることができる。
本発明の配向フィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであり、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。まず、フィルムを形成する芳香族ポリエステルを原料とし、これらを乾燥後、溶融状態、好ましくはポリエステルの融点(Tm:℃)以上(Tm+70)℃以下の温度でダイよりフィルム状に押出して、未延伸フィルムを作成し、これを二軸延伸する。なお、前述のヤング率、αt、αhなどを満足させるには、その後の延伸を進行させやすくするために、冷却ドラムによる冷却を非常に速やかに行うことが好ましい。そのような観点から、冷却ドラムの温度は、20〜60℃という低温で行うことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことができる。二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。ここでは、逐次二軸延伸で、縦延伸、横延伸および熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の縦延伸は芳香族ポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、2〜7倍に延伸し、次いで横方向に先の縦延伸よりも高温の(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒熱固定処理するのが好ましい。特に好ましい熱固定処理は、温度が180〜220℃、さらに190〜210℃の範囲で、時間は1〜15秒である。
得られた共重合芳香族ポリエステルおよびフィルムの固有粘度は、P−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal Analyst2100)により昇温速度20℃/minで測定した。
酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:重テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、400MHz 13C−NMR(日立電子製、JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。なお、DPAがエチレンオキサイド付加物である場合、本発明におけるDPA成分とエチレングリコール成分とのモル比は、ビフェノールに付加したエチレングリコールは、DPA成分としてカウントし、DPAと対比するエチレングリコール量には加えない。
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
得られたフィルムを、フィルムの面方向において、製膜方向を0°、幅方向を90°として、10°ピッチでアッベの屈折計を用いて、測定した。なお、測定は23℃にてナトリウムD線に対する値として行い、最も屈折率の高い方向を主配向方向とした。そして、主配向方向が、測定方向となるように長さ20mm、幅4mmに切り出し、SII製EXSTAR6000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、80℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後30℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値を用いた。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(×10−6ppm/℃)である。
上記(5)で測定したもっとも屈折率の高い方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、BRUKER製TMA4000SAにセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度20%RHと湿度80%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向であり、5回測定し、その平均値をαh(ppm/%RH)とした。
αh=(L80−L20)/(L80×△H)
ここで、上記式中のL20は20%RHのときのサンプル長(mm)、L80は80%
RHのときのサンプル長(mm)、△H:60(=80−20)%RHである。
上記(5)で測定したもっとも屈折率の高い方向とそれに直交する方向とがそれぞれ測定方向となるように長さ300mm、幅300mmに切り出し、無荷重下で、105℃で30分間熱処理した。そして、熱処理後室温になるまで冷却し、熱処理前の寸法から、熱処理後の寸法を差し引き、熱処理前の寸法で割ったものを熱収縮率とした。
フィルムとしての総合的な寸法安定性を評価するために、上記記載の(5)、(6)、(7)の測定値に対して、以下のA〜Cの基準で評価した。
・105℃における熱収縮率:主配向方向およびそれと直交する二方向のいずれか一方でも、1%を超えるか、0%未満のとき×、0.9%以上1.0%以下であれば△、0.8%以上0.9%未満であれば○、直交する二方向がいずれも0%以上0.8%未満で◎
・主配向方向の温度膨張係数:−5〜−1ppm/℃のとき◎、−7〜+5ppm/℃のとき○、−10〜−10ppm/℃のとき△、―10ppm/℃未満もしくは10ppm/℃を超えるとき×
・主配向方向の湿度膨張係数:7.2ppm/%RH以下のとき◎、7.4ppm/%RH以下のとき○、7.5ppm/%RH以下のとき△、7.5ppm/%RHを超えるとき×
そして、◎が3つのものをAAA、◎が2つと○がひとつのものをAA、◎がひとつと○が2つのものをA、×がなくて△がひとつでもあるものをB、×が一つでもあるものをCとした。上記判定がAAA、AAおよびAのものは、磁気記録テープとしたときの温度や湿度変化に対する寸法安定性にその順に優れるものであった。一方、上記判定がBのものは、上記判定Aのものより若干の劣るものの、磁気記録テープとして使用することが可能なものであった。しかし、上記判定がCのものは、磁気テープとして使用するには寸法安定性の点で問題があるものであった。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が5モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は265℃、ガラス転移温度は120℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が10モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は264℃、ガラス転移温度は117℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が20モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は264℃、ガラス転移温度は116℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が30モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は260℃、ガラス転移温度は111℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が5モル%である固有粘度1.1dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は254℃、ガラス転移温度は78℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して280℃でダイから溶融状態で回転中の温度30℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が95℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、110℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。この芳香族ポリエステルの融点は265℃、ガラス転移温度は121℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して300℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が135℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分として4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は250℃、ガラス転移温度は114℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して280℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が120℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、130℃で横方向(幅方向)に延伸倍率3.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が40モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルは融点が観測されず、ガラス転移温度は110℃であった。非晶ポリマーであったため、フィルム評価は行なっていない。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールと4,4’−ジフェニレンジエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、4,4’−ジフェニレンジエチレングリコール成分が95モル%である固有粘度1.2dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は245℃、ガラス転移温度は114℃であった。
こうして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して280℃でダイから溶融状態で回転中の温度60℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向には延伸を行なわず、そのままステンターに導き、140℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.5倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、フィルムの熱固定を行なわずに、その他の条件は同じにして厚さ5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1示す。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメチルとジオール成分としてエチレングリコールとを、チタンテトラブトキシドの存在下でエステル交換反応を行い、さらに引き続いて重縮合反応を行って、固有粘度0.65dl/gの芳香族ポリエステルを得た。この芳香族ポリエステルの融点は254℃、ガラス転移温度は76℃であった。
このようにして得られた芳香族ポリエステルを、押出機に供給して280℃でダイから溶融状態で回転中の温度30℃の冷却ドラム上にシート状に押し出し未延伸フィルムとした。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、上方よりIRヒーターにてフィルム表面温度が95℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、110℃で横方向(幅方向)に延伸倍率5.0倍で延伸し、その後200℃で3秒間熱固定処理を行い、厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
Claims (7)
- 芳香族ポリエステルからなる配向ポリエステルフィルムであって、
(1)芳香族ポリエステルは、全酸成分の95モル%以上が、テレフタル酸成分およびナフタレンジカルボン酸成分からなる群より選ばれる1種であり、全グリコール成分の95モル%以上が、下記式(1)で表される4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分とエチレングリコール成分で、4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分とエチレングリコール成分のモル比が、35:65〜5:95の範囲にあること、そして
(2)配向フィルムは、直交する2方向の105℃30分での熱収縮率が1%以下であること
を同時に具備することを特徴とする配向ポリエステルフィルム。
- 4,4’−ジフェニレンジアルキレングリコール成分が、R1およびR2がエチレン基である請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
- フィルム厚みが10μm以下である請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
- DSCで測定したガラス転移温度が100℃以上である請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
- フィルム面方向における少なくとも一方向のヤング率が4.5GPa以上である請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
- フィルム面方向における少なくとも一方向の湿度膨張係数が1〜7.5(×10−6/%RH)の範囲にある請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
- 配向ポリエステルフィルムが、磁気記録媒体のベースフィルムに用いられる請求項1記載の配向ポリエステルフィルム。
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