JP5694865B2 - ポリエステル組成物ならびにその製造方法および二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステル組成物ならびにその製造方法および二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明はポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとポリエチレン−2,6−ナフタレートとのポリエステル組成物ならびにその製造方法およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートに代表される芳香族ポリエステルは優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、フィルムなどに幅広く使用されている。特にポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れた機械的特性、寸法安定性および耐熱性を有することから、それらの要求の厳しい用途、例えば高密度磁気記録テープなどのベースフィルムなどに使用されている。しかしながら、近年の高密度磁気記録テープなどでの寸法安定性の要求はますます高くなってきており、さらなる特性の向上、例えば温度や湿度などの環境変化に対する高度の寸法安定性が求められている。
ところで、特許文献1には、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(以下、PCTと略す)を用いることで、湿度膨張係数の小さな二軸配向ポリエステルフィルムを得られることが、また、特許文献2には、PCTとポリエチレンテレフタレートとをブレンドすることで引裂強度を向上できることが開示されている。さらにまた、特許文献3には、PCTとポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートとをブレンドすることで、耐熱性が向上できることが開示されている。
しかしながら、PCTとポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートとをブレンドする際、これらのポリマー同士の相溶性が悪く、ブレンドして得られる二軸配向ポリエステルフィルムの表面の粗さが大きく高密度磁気記録テープなどのベースフィルムとしては使用できないレベルであった。
特開昭60−85437号公報 特開昭60−203422号公報 特開平2−191638号公報
本発明の課題は、フィルムとしたときに少なくとも一方向に極めて優れた環境変化に対する寸法安定性と表面の平坦性とを具備させることができるポリエステル組成物およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決しようと鋭意研究した結果、前述のポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)を主成分であるポリエステルと相溶性の悪いポリエチレン−2,6−ナフタレートが主成分であるポリエステルを特定の割合でブレンドし、かつ相溶化剤として特定のリン化合物を用いたとき、特定の方向に極めて小さな温度膨張係数と湿度膨張係数とを具備させつつ、フィルム表面の粗さを抑え加工性にも優れた二軸配向ポリエステルフィルムを得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、以下のポリエステル組成物、ポリエステル組成物の製造方法および二軸配向ポリエステルフィルムが提供される。
(1) 1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)とをブレンドしたポリエステル組成物であって、
ポリエステル(A)とポリエステル(B)との重量比が40:60〜90:10の範囲であって、下記式(I)
Figure 0005694865
(式(I)中、mは1または2、nは12〜25の整数を表す。)
で表されるリン化合物を含有するポリエステル組成物。
(2) ポリエステル(A)は、酸成分がテレフタル酸成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とで、それらのモル比が100:0〜70:30の範囲で、グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分とで、両者のモル比が100:0〜95:5の範囲である上記(1)記載のポリエステル組成物。
(3) 式(I)で表されるリン化合物の含有量が、ポリエステル組成物の重量を基準として、0.05〜1.50重量%である上記(1)記載のポリエステル組成物。
(4) 1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)とを、ポリエステル(A)とポリエステル(B)との重量比が40:60〜90:10の範囲で、上記式(I)で表されるリン化合物の存在下でブレンドするポリエステル組成物の製造方法。
(5) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル組成物からなる二軸配向ポリエステルフィルム。
(6) フィルムの製膜方向に直交する方向(幅方向)における温度膨張係数が10ppm/℃以下である上記(5)記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(7) 磁気テープのベースフィルムに用いる上記(5)または(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明によれば、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)にポリエチレン−2,6−ジカルボキシレートを相溶性をもたせながら特定の割合で存在させており、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度に分子鎖を配向させる高度の延伸を行うことができ、しかも得られるフィルムに高度の表面平坦性をも具備させることができる。
したがって、本発明のポリエステル組成物を二軸配向ポリエステルフィルムとし、かつ幅方向の温度膨張係数を10ppm/℃以下とすることで、磁気テープのベースフィルムとして好適に用いることができ、その工業的価値はきわめて高い。
本発明における芳香族ポリエステルについて、詳述する。
本発明における1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)は、全酸成分の70モル%以上がテレフタル酸成分であり、それ以外の酸成分としては、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、2,7−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)との相溶性を向上せしめるために、特に共重合成分としては2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が好ましい。好ましい2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の共重合量は、ポリエステル(A)の全酸成分のモル数を基準として、0〜30モル%の範囲、さらに好ましくは5〜25モル%の範囲である。またポリエステル(A)は、その全グリコール成分の80モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノール成分であり、それ以外のグリコール成分としては、エチレングリコール成分、プロピレングリコール成分、1,4−ブタンジオール成分、ネオペンチルグリコール成分などが挙げられ、これらの中でもエチレングリコールが好ましい。全グリコール成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノール成分の割合は、好ましくは95〜100モル%、さらに98〜100モル%の範囲である。
また本発明におけるエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)は、力学的特性の観点などから、全繰り返し単位の85モル%以上がエチレン−2、6−ナフタレンジカルボキシレート単位からなるポリエステルが好ましい。もちろん、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば芳香族ポリエステルの全繰返し単位に対して、15モル%以下で、好ましくは10モル%以下で、他の第3成分を共重合した共重合体であっても良い。第3成分(共重合成分)としては、テレフタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコールが例示でき、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
このようなポリエステル(A)と(B)とは、それぞれそれ自体公知の方法で製造でき、所望の組成になるように原料を仕込み、エステル交換反応またはエステル化反応を経由して重縮合反応させることで製造できる。
ところで、本発明のポリエステル組成物は、上述のポリエステル(A)とポリエステル(B)とを溶融混練させたものである。ポリエステル組成物中の、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分とのモル比、およびテレフタル酸成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル比は、それぞれ40:60〜90:10の範囲、さらに65:35〜88:12の範囲であることが好ましい。このようなモル比になるように溶融混錬させることで、環境変化に対する寸法安定性が求められる方向に高度に分子鎖を配向させる高度の延伸を行うことができ、しかもその高度に延伸を行った方向と直交する方向にも加工性などに必要な十分な機械特性を具備させることができる。1,4−シクロヘキサンジメタノール成分やテレフタル酸成分の量が過剰に多くなると機械的特性や耐熱性などが損なわれやすく、他方エチレングリコール成分や2,6−ナフタレンジカルボン酸成分の量が過剰に多くなると、湿度膨張係数などを低下させにくくなる。
また、本発明のポリエステル組成物は、ポリエステル(A)とポリエステル(B)を溶融混錬する際に、下記式(I)で表される特定のリン化合物を添加することが必要である。
Figure 0005694865
式(I)において、mは1または2の整数、nは12〜25の整数を表す。nが12より小さい場合は、ポリエステルに添加した後、昇華等により系外に飛散しやすくなり結果効果が現れ難くなり、またnが25より大きい場合はポリエステルとの反応性が小さくなり、本目的に対する効果が現れ難くなる。
そして、上記式(I)のリン化合物の含有量は、ポリエステル組成物の重量を基準として、0.05〜1.50重量%の範囲が好ましく、さらに0.2〜1.2重量%の範囲がより好ましい。そのような観点から、含有させるリン化合物の含有量は、ポリエステル組成物の重量を基準として、リン元素量で、100〜1200ppmの範囲、特に250〜1000ppmの範囲が好ましい。含有させるリン化合物の量が上記範囲にあることで、得られる二軸配向ポリエステルフィルムの表面粗さが効果的に平坦化することができる。また、この式(I)で表されるリン化合物を相溶化剤として使用することで、フィルム化工程において発生した製品とならなかった部位を好適に再利用することができるという利点もある。これは、相溶化剤として含有させる式(I)のリン化合物が、ポリエステル(A)とポリエステル(B)のエステル交換の進行を押さえ、再利用部位を含まないものと同等の寸法安定性等の物性を所持した二軸配向ポリエステルフィルムを得られるためと考えられる。
本発明のポリエステル組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、それ自体公知の樹脂や機能剤などを含有していてもよい。ブレンドする樹脂としては、ポリエーテルイミドや液晶性樹脂などは、得られるフィルムの耐熱性などを向上させやすいことから好ましい。
つぎに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムについて説明する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のポリエステル組成物からなり、製膜方向と幅方向とに延伸したものである。積層構造は特に制限されず、単層フィルムでも、2層以上の積層フィルムでもよい。また、積層フィルムの場合は、少なくとも1層が本発明の二軸配向ポリエステルフィルムであればよい。
以下、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの好ましい態様について説明する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムの製膜方向または幅方向のいずれかの方向は、ヤング率が4GPa以上、さらに5GPa以上、特に5.5GPa以上であることが好ましい。いずれの方向もヤング率が4GPa未満である場合、温度膨張係数を低減することが困難となりやすい。また、特に、磁気記録テープにベースフィルムに用いる場合、ヤング率を高める方向が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向であることが、トラックずれなどを抑制できることから好ましい。
また、磁気テープ用として使用する場合、使用時の伸びを少なくする観点から、フィルムの製膜方向および幅方向ヤング率は、いずれも2.4GPa以上であることが好ましい。
このような特定の方向に高いヤング率といずれの方向にも実用上必要なヤング率を有するフィルムを得るには、前述の特定量の1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート成分を含むポリエステル樹脂を用いること、ヤング率を高めたい方向に高度に延伸すること、さらにより特定方向のヤング率を高めたい場合は、ヤング率を高めたい方向と直交する方向の延伸を緩和することが挙げられる。
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、優れた寸法安定性を発現する点から、少なくとも1方向、好ましくはフィルムの幅方向の温度膨張係数(αt)が10ppm/℃以下であることが好ましい。フィルムの少なくとも一方向における温度膨張係数が10ppm/℃以下であることで環境変化に対する優れた寸法安定性を発現することが出来る。温度膨張係数の下限は制限されないが、通常−15ppm/℃である。好ましい温度膨張係数(αt)は−10〜10ppm/℃、さらに−7〜7ppm/℃、特に−5〜6ppm/℃の範囲であることが、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の温度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから好ましい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向、好ましくはフィルムの幅方向の湿度膨張係数が1〜7ppm/%RH、好ましくは3〜5ppm/%RHの範囲にあることが、例えば磁気記録テープとしたとき、雰囲気の湿度変化による寸法変化に対して優れた寸法安定性を発現できることから好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは特に制限されないが、磁気テープに用いる場合は、フィルム全体の厚みで2〜15μmの範囲、さらに3〜8μmの範囲、特に3.5〜5μmの範囲にあることが好ましい。この厚みが上限を超えると、フィルム厚みが厚くなりすぎ、例えば磁気記録媒体に用いた場合はカセットに入れるテープ長さが短くなり、十分な磁気記録容量が得られない。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、平坦性と走行性との関係から、少なくとも一方の表面の表面粗さ(Ra)が用いる用途によっても異なるが1〜20nm、さらに2〜15nmの範囲にあることが好ましい。特に磁気記録媒体のベースフィルムとして用いる場合、少なくとも一方の表面の表面粗さ(Ra)は1〜10nmの範囲にあることが好ましい。表面粗さ(Ra)が上限を越えると、平坦性が乏しく、例えば磁気記録媒体のベースフィルムとして用いたとき、出力特性や電磁変換特性などが乏しくなりやすい。一方、表面粗さ(Ra)が下限未満では、走行性が乏しくなりやすい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、平坦性と走行性との関係から、少なくとも一方の表面の10点平均粗さ(Rz)が用いる用途によっても異なるが10〜400nm、さらに15〜300nmの範囲にあることが好ましい。特に磁気記録媒体のベースフィルムとして用いる場合は、少なくとも一方の表面の10点平均粗さ(Rz)は20〜200nm、の範囲にあることが好ましい。10点平均粗さ(Rz)が上限を越えると、平坦性が乏しく、例えば磁気記録媒体のベースフィルムとして用いたとき、出力特性や電磁変換特性などが乏しくなりやすい。一方、10点平均粗さ(Rz)が下限未満では、走行性が乏しくなりやすい。
ところで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに上記のような表面性を持たせるには、平均粒子径50nm以上の粒子を0.01重量%以上含有させることが好ましい。平均粒子径や含有量が下限未満では、上記のような表面性を、粒子による突起形成で作ることが困難になる。含有させる粒子として、粒径のバラツキの小さなものを用いることが挙げられる。そのような観点から、含有させる粒子は、粒度分布を見たとき、相対標準偏差が0.5以下であることが好ましく、さらに0.45以下、特に0.40以下であることが好ましい。このような粒子は後述のような比較的バラツキの少ない粒子を選択したり、さらにフィルターなどの濾過で粗大粒子などを取り除くことで調整できる。また、前述のRaを小さくするには、相溶化剤として特定のリン化合物を使用することのほかに、含有させる粒子の粒径を小さくしたり、含有量を少なくすればよく、他方Raを大きくするには、含有させる粒子の粒径を大きくしたり、含有量を少なくすればよい。また、Rzを小さくするには、相溶化剤として特定のリン化合物を使用することのほかに、含有させる粒子の中で粒径の大きなものの割合を少なくすることなどが挙げられる。
このようなフィルム中に含有させる粒子としては、(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋ポリエステルなどからなる粒子)、(2)金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、炭素(例えば、カーボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)および粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベントナイトなど)などのような無機化合物からなる粒子、さらに(3)異なる素材を例えばコアとシェルに用いたコアシェル型などの複合粒子など粒子の状態で添加する外部添加粒子が挙げられ、そのほかに本発明の効果を損なわない範囲でまたは(4)触媒などの析出によって形成する内部析出粒子などを挙げることができる。これらの中で特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、カオリン及びクレーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが好ましく、特に架橋シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレンおよび二酸化ケイ素(但し、多孔質シリカなどは除く)からなる群から選ばれる少なくとも1種の粒子であることが、粒子の粒径のバラツキを小さくしやすいことから好ましい。もちろん、これらは2種以上を併用しても良い。
好ましい粒子の平均粒径は50〜1000nm、さらに80〜800nmの範囲であり、特に磁気記録媒体として用いる場合は50〜600nm、さらに80〜400nmの範囲である。また、好ましい粒子の含有量は、フィルムの重量を基準として、0.01〜0.5重量%、さらに0.03〜0.45重量%、特に磁気記録媒体として用いる場合は0.01〜0.4重量%、さらに0.05〜0.35重量%の範囲である。
つぎに、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のポリエステル組成物を溶融製膜して、シート状に押出し、製膜方向と幅方向に延伸することで得られる。
用いるポリエステル組成物のP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定した固有粘度は、ポリエステル(A)が0.5〜1.1dl/g、さらに0.6〜1.0dl/gの範囲にあること、またポリエステル(B)が0.4〜1.0dl/g、さらに0.5〜0.7dl/gの範囲にあることが本発明の効果の点から好ましい。固有粘度が上限以上だと、粘度が高くなりすぎ、製膜時の押出機からの樹脂の押出が困難になる。また、固有粘度が下限以下だと、フィルムが脆化し、延伸が困難になる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、製膜方向と幅方向に延伸してそれぞれの方向の分子配向を高めたものであることが好ましく、例えば以下のような方法で製造することが、製膜性を維持しつつ、ヤング率を向上させやすいことから好ましい。
まず、前述のポリエステル組成物もしくはその組成となる複数のポリエステル(A)と(B)とを原料とし、これを乾燥後、フィルムにしたときのポリエステル樹脂の融点ないし(Tm+50)℃の温度に加熱された押出機に供給して、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出す。この押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化して未延伸フィルムとし、さらに該未延伸フィルムを二軸延伸する。
なお、前述のヤング率、αtおよびαhを好ましい範囲にするには、その後の延伸を進行させやすくすることが必要であり、そのような観点から冷却ドラムによる冷却は非常に速やかに行うことが好ましい。そのような観点から、20〜60℃という低温で行なうことが好ましい。このような低温で行うことで、未延伸フィルムの状態での結晶化が抑制され、その後の延伸をよりスムーズに行うことが可能となる。
二軸延伸としては、逐次二軸延伸でも同時二軸延伸でもよい。
ここでは、逐次二軸延伸について、製膜方向および幅方向に延伸し、熱処理をこの順で行う製造方法を一例として挙げて説明する。まず、最初の製膜方向の延伸はポリエステルのガラス転移温度(Tg:℃)ないし(Tg+40)℃の温度で、2〜8倍に延伸し、次いで幅方向に先の製膜方向の延伸と同等かそれよりも高温の(Tg+10)〜(Tg+50)℃の温度で3〜10倍に延伸し、さらに熱処理としてポリマーの融点以下の温度でかつ(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度で1〜20秒、さらに1〜15秒熱固定処理するのが好ましい。熱処理は、所望に応じて、製膜方向または幅方向に、弛緩させたり、延伸させたりしてもよいが、その範囲は熱処理前の長さを基準として、−5〜5%の範囲が好ましい。
なお、上記製膜におけるポリエステルの融点およびガラス転移温度は、ポリエステル(A)と(B)とで相違する場合、高い方の融点およびガラス転移温度を意味する。
前述の説明は逐次二軸延伸について説明したが、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは縦延伸と横延伸とを同時に行う同時二軸延伸でも製造でき、例えば先で説明した延伸倍率や延伸温度などを参考にすればよい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、前述のとおり、単層フィルムに限られず、積層フィルムであってもよく、その場合は、少なくとも一つのフィルム層が本発明の二軸配向ポリエステルフィルムであれば良い。このような積層フィルムの作り方としては、例えば2種以上の溶融ポリエステルをダイ内で積層してからフィルム状に押出し、好ましくはそれぞれのポリエステルの融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度で押出すか、2種以上の溶融ポリエステルをダイから押出した後に積層し、急冷固化して積層未延伸フィルムとし、ついで前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行うとよい。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、接着性や滑り性を向上させるために、それ自体公知の塗布層を設けても良い。塗布層を設ける場合は、前記した未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの片面または両面に所望の塗布液を塗布し、後は前述の単層フィルムの場合と同様な方法で二軸延伸および熱処理を行えばよい。
このようにして得られた本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、その一方の面に非磁性層および磁性層をこの順で形成し、他方の面にバックコート層を形成することで、LTOなどのリニア記録方式の磁気記録テープとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明では、以下の方法により、その特性を測定および評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して35℃で測定して求めた。
(2)ガラス転移点および融点
ガラス転移点、融点はDSC(TAインスツルメンツ株式会社製、商品名:Thermal lyst2100)によりサンプル重量10mg、昇温速度10℃/minで測定した。
(3)ヤング率
得られたフィルムを試料巾10mm、長さ15cmで切り取り、チャック間100mm、引張速度10mm/分、チャート速度500mm/分の条件で万能引張試験装置(東洋ボールドウィン製、商品名:テンシロン)にて引っ張る。得られた荷重―伸び曲線の立ち上がり部の接線よりヤング率を計算する。
(4)温度膨張係数(αt)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、窒素雰囲気下(0%RH)、60℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から70℃まで2℃/minで昇温して、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt)を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向である。
αt={(L60−L40)}/(L40×△T)}+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L60は60℃のときのサンプル長(mm)、△Tは20(=60−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
(5)湿度膨張係数(αh)
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるように長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、30℃の窒素雰囲気下で、湿度20%RHと湿度80%RHにおけるそれぞれのサンプルの長さを測定し、次式にて湿度膨張係数を算出する。なお、測定方向が切り出した試料の長手方向である。
αh=(L80−L20)/(L20×△H)
ここで、上記式中のL20は20%RHのときのサンプル長(mm)、L80は80%RHのときのサンプル長(mm)、△H:60(=80−20)%RHである。
(6)フィルム表面粗さ
非接触式三次元表面粗さ計(ZYGO社製:New View5022)を用いて測定倍率10倍、測定面積283μm×213μm(=0.0603mm2)の条件にて測定し、該粗さ計に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより中心面平均粗さ(Ra)と10点平均粗さ(Rz)を求める。
(7)共重合量
グリコール成分については、試料10mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1(容積比)混合溶液0.5mlに80℃で溶解した。イソプロピルアミンを加えて、十分に混合した後にH−NMR(日本電子製 JEOL A600)にて80℃で測定し、それぞれのグリコール成分量を測定した。
また、芳香族ジカルボン酸成分については、試料50mgをp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1混合溶液0.5mlに140℃で溶解し、13C−NMR(日本電子製 JEOL A600)にて140℃で測定し、それぞれの酸成分量を測定した。
(8)リン化合物の含有量の測定
ポリマーサンプルを加熱溶融して、円形ディスクを作成し、リガク製蛍光X線装置3270型を用いて測定し、ポリエステル組成物の重量を基準として、定量を行った。そして、リン元素量から含有されるリン化合物の含有量を算出した。
[参考例1]ポリエステルA−1の作成
テレフタル酸ジメチル(DMT)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、エチレングリコール(EG)を、それぞれのモル比(DMT:NDC)/(CHDM:EG)が80:20/(99:1)となるように攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、そこに触媒として、酢酸マンガン4水和物を40ミリモル%(全酸性分に対して)加え、エステル交換反応を行った。そしてフェニルホスホン酸を50ミリモル%(全酸性分に対して)、続いて、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)40ミリモル%(全酸性分に対して)を加えて290℃で重縮合し、固有粘度0.680 ガラス転移点温度95℃、融点262℃のポリエステルA−1を得た。
[参考例2]ポリエステルA−2の作成
参考例1で作製したポリエステルA−1を乾燥機で180℃6時間結晶化処理後、タンブラー型の反応器に仕込み、225℃で18時間固相重縮合を行い、固有粘度0.905のポリエステルA−2を得た。
[参考例3]ポリエステルA−3の作成
テレフタル酸ジメチル(DMT)、イソフタル酸ジメチル(DMI)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を、それぞれのモル比(DMT:DMI)/(CHDM:EG)が(90:10)/(99.5:0.5)となるように攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、そこに触媒として、酢酸マンガン4水和物を40ミリモル%(全酸性分に対して)加え、エステル交換反応を行った。そしてフェニルホスホン酸を50ミリモル%(全酸性分に対して)、続いて、チタンテトラブトキシドとトリメリット酸無水物をモル比1:2で175℃、4時間反応させた反応物(トリメリット酸チタン)40ミリモル%(全酸性分に対して)を加えて290℃で重縮合し、固有粘度0.680 ガラス転移点温度84℃、融点270℃のポリエステルA−3を得た。
[参考例4]ポリエステルA−4の作成
参考例3において、エステル交換反応後に、平均粒径0.3μmのシリカをエチレングリコールスラリーでポリマー中のシリカ濃度が0.2wt%となるように添加し、引続き重縮合を行い、固有粘度0.665 ガラス転移点温度84℃、融点271℃のポリエステルA−4を得た。
[参考例5]ポリエステルB−1の作成
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDC)、エチレングリコールを、それぞれのモル比(NDC:EG)が100:100となるようにとなるように攪拌機、精留塔、冷却器を供えた反応槽に仕込み、そこに触媒として、酢酸マンガン4水和物を30ミリモル%(全酸性分に対して)加え、エステル交換反応を行った。その後リン酸トリメチルを 40ミリモル%(全酸性分に対して)、続いて、三酸化アンチモン20ミリモル%(全酸性分に対して)gを加えて290℃で重縮合し、固有粘度0.610のポリエステルB−1を得た。
[参考例6]ポリエステルB−2の作成
参考例4において、エステル交換反応後に、平均粒径0.3μmのシリカをエチレングリコールスラリーでポリマー中のシリカ濃度が1wt%となるように添加し、引続き重縮合を行い、固有粘度0.600のポリエステルB−2を得た。
[実施例1]
それぞれ乾燥したポリエステルA−1 80重量%、ポリステルB−1 6.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%を混合し、更に、相溶化剤としてアデカスタブAX−71(株式会社ADEKA製:リン酸ジオクタデシルエステルとリン酸モノオクタデシルエステルの混合物)をポリエステルに対し、0.7重量%を混合した後、300℃で溶融押し出しし、25℃に保持した急冷ドラム上で冷却した未延伸フィルムを得た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、フィルム表面温度が110℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率3.0倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度115℃で横延伸倍率6.5倍、熱固定処理(180℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1においてポリエステルA−1 86.7重量%、ポリステルB−1 0重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%とし、横延伸倍率を5.8倍としたこと以外の条件は実施例1と同様にして、10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において相溶化剤の量を変えたこと以外は実施例1と同様にして、10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1においてポリエステルA−1の代わりにポリエステルA−2を使用し、ポリエステルA−2 80重量%、ポリステルB−1 6.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%とした。それ以外の条件は実施例1と同様にして、10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
実施例1においてポリエステルA−1の代わりにポリエステルA−3を使用しポリエステルA−3 80重量%、ポリステルB−1 6.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%とし、横延伸倍率を6.3倍とした。それ以外の条件は実施例1と同様にして、10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
実施例5においてポリエステルA−1の代わりにポリエステルA−3を使用しポリエステルA−3 70重量%、ポリステルB−1 16.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%とした。それ以外の条件は実施例5と同様にして、10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
相溶化剤を添加しないこと以外の条件は実施例1と同様にして厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
相溶化剤を添加しないこと以外の条件は実施例5と同様にして厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、ポリエステルA−1 50重量%、ポリステルB−1 36.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%とした以外は同様な操作を繰り返したが、途中で破断したため、縦方向の延伸倍率を2.5倍、横方向の延伸倍率を5.5倍とした。それ以外の条件は実施例1と同様にして、14μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例4]
ポリステルB−1 86.7重量%、ポリエステルB−2 13.3重量%を混合した後、300℃で溶融押し出しし、60℃に保持した急冷ドラム上で冷却した未延伸フィルムを得た。そして、製膜方向に沿って回転速度の異なる二組のローラー間で、フィルム表面温度が130℃になるように加熱して縦方向(製膜方向)の延伸を、延伸倍率5倍で行い、一軸延伸フィルムを得た。そして、この一軸延伸フィルムをステンターに導き、横延伸温度125℃で横延伸倍率6倍、熱固定処理(180℃で10秒間)および冷却を行い、厚さ4.5μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例5]
ポリエステルA−4のみを使用して、延伸倍率を縦倍率3.0倍、横倍率5.0倍にし、それ以外は実施例1と同様にして厚さ11μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
[比較例6]
実施例1において、アデカスタブAX−71(株式会社ADEKA製:リン酸ジオクタデシルエステルとリン酸モノオクタデシルエステルの混合物)の代わりに、アデカスタブPEP-36(株式会社ADEKA製:3,9-(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン)を使用したこと以外は実施例1と同様に厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
[比較例7]
実施例1において、アデカスタブAX−71(株式会社ADEKA製:リン酸ジオクタデシルエステルとリン酸モノオクタデシルエステルの混合物)の代わりに、1,3-PBO(三国製薬株式会社製:2,2’-(1,3-フェニレン)ビス-2-オキサゾリン)を使用したこと以外は実施例1と同様に厚さ10μmの二軸延伸フィルムを得た。
Figure 0005694865
なお、表1中のMDは製膜方向、TDは幅方向を意味する。
本発明のポリエステル組成物は、従来のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやでは達成できなかったような優れた寸法安定性を得られる二軸配向ポリエステルフィルムに具備させることができ、しかも平坦性をも具備させることができるので、寸法安定性や表面の平坦性が求められる用途、特に高密度磁気記録媒体のベースフィルムとして、好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)とをブレンドしたポリエステル組成物であって、
    ポリエステル(A)とポリエステル(B)との重量比が40:60〜90:10の範囲であって、下記式(I)で表されるリン化合物を含有することを特徴とするポリエステル組成物。
    Figure 0005694865
    (式(I)中、mは1または2、nは12〜25の整数を表す。)
  2. ポリエステル(A)は、酸成分がテレフタル酸成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とで、それらのモル比が100:0〜70:30の範囲で、グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール成分とエチレングリコール成分とで、両者のモル比が100:0〜95:5の範囲である請求項1記載のポリエステル組成物。
  3. 式(I)で表されるリン化合物の含有量が、ポリエステル組成物の重量を基準として、0.05〜1.50重量%である請求項1記載のポリエステル組成物。
  4. 1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(A)と、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(B)とを、ポリエステル(A)とポリエステル(B)との重量比が40:60〜90:10の範囲で、下記式(I)で表されるリン化合物の存在下でブレンドすることを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
    Figure 0005694865
    (式(I)中、mは1または2、nは12〜25の整数を表す。)
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル組成物からなる二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルムの製膜方向に直交する方向(幅方向)における温度膨張係数が10ppm/℃
    以下である請求項5記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 磁気テープのベースフィルムに用いる請求項5または6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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